JP2010539488A - B型肝炎ウイルスの検出 - Google Patents

B型肝炎ウイルスの検出 Download PDF

Info

Publication number
JP2010539488A
JP2010539488A JP2010525010A JP2010525010A JP2010539488A JP 2010539488 A JP2010539488 A JP 2010539488A JP 2010525010 A JP2010525010 A JP 2010525010A JP 2010525010 A JP2010525010 A JP 2010525010A JP 2010539488 A JP2010539488 A JP 2010539488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hbsag
antibody
hepatitis
level
hbv
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010525010A
Other languages
English (en)
Inventor
コールマン,ポール・エフ
アリ,アクター・エツクス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Laboratories
Original Assignee
Abbott Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Abbott Laboratories filed Critical Abbott Laboratories
Publication of JP2010539488A publication Critical patent/JP2010539488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/576Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor for hepatitis
    • G01N33/5761Hepatitis B
    • G01N33/5764Hepatitis B surface antigen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/70Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving virus or bacteriophage
    • C12Q1/701Specific hybridization probes
    • C12Q1/706Specific hybridization probes for hepatitis

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質のレベルを決定することによりB型肝炎ウイルスを検出するための方法に関する。本発明はまた、突然変異B型肝炎ウイルス表面抗原タンパク質を検出するための方法、およびB型肝炎ウイルスを検出するためのキットに関する。

Description

本発明はB型肝炎ウイルス抗原の検出方法およびそれに関連したキットに関する。
B型肝炎ウイルス(HBV)は世界中で20億人に感染していると推定されている。HBVは、軽度の無症状感染から慢性で活発な劇症肝炎まで、種々の病態を引き起こすことが公知である。4億人を超える人々、特に小児および高齢者が、HBVに慢性感染している。B型肝炎ウイルスはエイズウイルスより100倍強い感染性を有するが、それはワクチン接種で予防可能である。HBV感染を抑制するための中心的な方法は一般的ワクチン接種ならびに感染個体の初期検出および治療である。したがって、HBVの診断アッセイは、改良された及び正確なHBVウイルス抗原検出に焦点が合わされている。
HBVゲノムは、少なくとも5つのオープンリーディングフレーム(ORF)をコードする約3200塩基対の環状部分的二本鎖DNA配列である(Tiollaisら,Nature 317:489−495(1985))。4つの遺伝子(ポリメラーゼ(P)、表面(S)、コア(C)および(X))が存在し、ポリメラーゼ遺伝子は表面遺伝子と重複しており、Xおよびコア遺伝子とも部分的に重複している。これらの4つの遺伝子は7つのタンパク質を産生し、表面遺伝子の産物は、異なる開始部位を有するが同じ終結部位を有する3つのタンパク質よりなる。したがって、これらの3つのタンパク質(すなわち、小(C)、中(M)および大(L))表面抗原(HBsAg)は226アミノ酸のS−HBsAg遺伝子配列を含有する(Gerlichら.in Viral Hepatitis and Liver Disease,Hollingerら編,Williams−Wilkens,Baltimore,MD,p.121−134(1991))。M−HBsAgは55アミノ酸のPreS2配列および全長281アミノ酸のS配列を含有する。L−HBsAgタンパク質は108アミノ酸のPreS1配列+PreS2および全長389アミノ酸のS配列を含有する。また、3つのエンベロープタンパク質のそれぞれは種々の度合のグリコシル化を示す。これらの3つのタンパク質は、S−HBsAgが全タンパク質の約95%を構成する種々の比で発現され、HBVビリオンの外カプシドを形成するよう集合する(図1および図2を参照されたい)。L−HBsAg、M−HBsAgおよびS−HBsAgは、不完全ウイルス粒子をも産生するよう同様の形態で集合する。HBV表面抗原アッセイはビリオンおよび粒子の両方の形態学的形態を検出する。
コア遺伝子は、ヌクレオカプシドタンパク質であるB型肝炎コア抗原(HBcAg)をコードしている。コア遺伝子の直上流にはプレコア領域が存在する。プレコア領域の最初の19アミノ酸は、プレコア遺伝子産物であるB型肝炎e抗原(HBeAg)の膜トランスロケーションおよび最終的な分泌のためのシグナルとして働く。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と同様に、HBVは複製周期の必須段階として逆転写酵素(RT)を用いる。しかし、RTは不十分なプルーフリーディング能しか有さないため、ヌクレオチドの過誤取り込みが高率で生じる。この誤りがちな複製は、コピーされる1000〜100,000ヌクレオチド当たり1点の置換、欠失または挿入を招く、と計算は示唆している(Carmanら,Lancet 341:349−353(1993))。HBV表面抗原における可変性は古典的なサブタイプ決定研究により最初に記載された(Courouceら,Bibliotheca Haematologica 42:1(1976))。複製変異から生じたと考えられる、HBVの8つの公知遺伝子型が存在する(Norderら,Intervirology 47:289−309(2004))。
PreS1およびPreS2ならびにS「a」決定基を含むHBVエンベロープ領域はウイルス粒子の表面に露出しており、したがって、免疫監視の標的であると予想される(Gerlichら,前掲)。既に記載されている幾つかの表面抗原突然変異体は、共通および群特異的決定基の両方を含有する「a」決定基の抗原性に対して有意な影響を及ぼしている(Carmanら,Gastroenterology 102:711−719(1992))。「a」決定基はS−HBsAgのアミノ酸100〜160に位置し、複合的コンホメーションエピトープを与え、これは、高度に保存されたシステイン残基の間のジスルフィド結合により安定化される。「a」決定基の免疫反応性は、環状合成ペプチドを使用して部分的に模倣されうる。さらに、「a」決定基は、伝統的には、ポリクローナル抗血清に対する反応性により定められていたが、モノクローナル抗体の使用は、「a」決定基が、少なくとも5つの部分的に重複するエピトープよりなることを示している(Petersonら,J.Immunol.132:920−927(1984))。文献に記載されている最も一般的な表面抗原突然変異体は、S−HBsAgのアミノ酸145位のグリシンをアルギニンで置換する単一ヌクレオチド置換(G−R 145)である。このG−R 145突然変異は、全てではないが幾つかの「a」決定基エピトープを破壊する。
また、「a」決定基における他の突然変異はサブタイプまたはタイプ特異的決定基y/dおよびw/rの喪失を招く。また、PreS1/PreS2領域における全体的な欠失および点突然変異の出現は、該表面遺伝子の産物が慢性感染患者においては免疫選択下にあることを示唆している。さらに、S、CまたはP遺伝子内の欠失のために複製不可能なHBV突然変異体がHBV保有者からの血漿中で認められている。全ては、複製適格性であるHBV形態と共存している。
Okamotoらは、血漿または無症候保有者に由来するPreS/S、CおよびP遺伝子において全体的な欠失を有する突然変異ゲノムが肝細胞癌細胞での一過性発現系において相補されうることを示している(Okamotoら,Pediatric Research 32:264−268(1992))。実際、欠陥干渉粒子として作用するHBV突然変異体は野生型ウイルスの複製を弱め、それにより、感染持続の維持を助けうることが示唆されている。
したがって、HBVは、S−HBsAgを含む表面タンパク質における突然変異により、免疫監視およびワクチン接種法を逃れうる。さらに、HBV検出の幾つかの方法は、S−HBsAg抗体を使用することによりエンベロープタンパク質内のエピトープをモニターすることに依存したものであるため、高度に突然変異したHBVは検出をも逃れうる。したがって、HBVを検出するための方法および組成物が当技術分野において依然として必要とされている。
全ての米国特許および刊行物の全体を参照により本明細書に組み入れることとする。
Tiollaisら,Nature 317:489−495(1985) Gerlichら.in Viral Hepatitis and Liver Disease Hollingerら編,Williams−Wilkens,Baltimore,MD,p.121−134(1991) Carmanら,Lancet 341:349−353(1993) Courouceら,Bibliotheca Haematologica 42:1(1976) Norderら,Intervirology 47:289−309(2004) Carmanら,Gastroenterology 102:711−719(1992) Petersonら,J.Immunol.132:920−927(1984) Okamotoら,Pediatric Research 32:264−268(1992)
本発明は、サンプルを準備し、該サンプルを中B型肝炎表面タンパク質(「M−HBsAg」)に対する第1抗体と、M−HBsAg/第1抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下で接触させることを含みうる、サンプル中のB型肝炎の野生型または突然変異形態を検出するための方法を提供する。M−HBsAg/第1抗体複合体の特定は該サンプル中のB型肝炎の検出の指標となりうる。第1抗体はS−HBsAgとは交差反応し得ない。M−HBsAgのアミノ酸1−55は、第1抗体により認識されるエピトープを含みうる。小B型肝炎表面タンパク質(「S−HBsAg」)に結合しうる第2抗体も、サンプル中のB型肝炎の存在を判定するために、S−HBsAg/第2抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下で使用されうる。S−HBsAgのアミノ酸100−160は、第2抗体により認識されるエピトープを含む。第2抗体は第1抗体と組合せて使用されうる。
本発明においてはまた、サンプル中の突然変異S−HBsAgを検出するための第1方法を提供する。サンプル中のM−HBsAg/第1抗体複合体およびS−HBsAg/第2抗体複合体のレベルを決定し、比較することが可能である。M−HBsAgに結合しうる第1抗体は、M−HBsAgのレベルを決定するために用いられうる。S−HBsAgに結合しうる第2抗体は、S−HBsAgのレベルを決定するために用いられうる。M−HBsAg/第1抗体複合体と比べて低い、S−HBsAg/第2抗体複合体のレベルの特定は、サンプル中の突然変異S−HBsAgの指標となりうる。第1抗体はS−HBsAgとは交差反応し得ない。M−HBsAgのアミノ酸1−55は、第1抗体により認識されるエピトープを含みうる。S−HBsAgのアミノ酸100−160は、第2抗体により認識されるエピトープを含みうる。
本発明は、サンプルを準備し、該サンプルをS−HBsAgに対する抗体と接触させることを含みうる、サンプル中の突然変異S−HBsAgを検出するための第2方法を提供する。対照と比べて低い、抗体/S−HBsAg複合体のレベルの特定は、サンプル中の突然変異S−HBsAgの指標となりうる。
該方法は更に、サンプル中のHBsAgの野生型または突然変異形態のレベルを決定するためのもう1つの方法を含みうる。該方法は、サンプルを準備し、S−HBsAg/第1抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下で接触させることを含むことが可能であり、それは、HBsAgのレベルを決定するために用いられうる。第1抗体はS−HBsAgの突然変異形態を認識し得ず、対照と比べて低い、S/HBs/第1抗体複合体のレベルは、サンプル中の突然変異S−HBsAgの検出を示す。該方法は更に、試験サンプルを準備し、S−HBAg/第2抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でS−HBsAgに結合しうる第2抗体を接触させることを含むことが可能であり、それは、S−HBsAgのレベルを決定するために用いられうる。第2抗体により検出されたS−HBsAgのレベルに対する、第1抗体により検出されたS−HBsAgのレベルの比における、所定の比レベルと比較した場合の相違は、試験サンプル中の突然変異S−HBsAgの検出を示しうる。
本発明は更に、B型肝炎を検出するためのキットを提供する。該キットは、M−HBsAgに結合しうる少なくとも1つの抗体と、S−HBsAgに結合しうる少なくとも1つの抗体とを含みうる。M−HBsAgのアミノ酸1−55は、M−HBsAgに結合しうる少なくとも1つの抗体により認識されるエピトープを含みうる。M−HBsAgと交差反応する抗体はS−HBsAgとは交差反応し得ない。S−HBsAgのアミノ酸100−160は、M−HBsAgに結合しうる少なくとも1つの抗体により認識されるエピトープを含みうる。S−HBsAgと交差反応する抗体はM−HBsAgとは交差反応し得ない。
詳細な説明
本発明者らは、M−HBsAgを検出する抗HBsのみ、またはS−HBsAgを検出抗HBsとの組合せが、HBV感染を診断する、より高感度かつ正確な手段を提供するという驚くべき発見をなした。M−HBsAgはカプシド全タンパク質のごく一部を構成するに過ぎないため、これは特に重要である。HBVを検出するための現在利用可能な方法は、より多量のS−HBsAgのみに対する抗HBsを利用することにより達成される。しかし、これらの抗HBs抗体試薬を使用する幾つかの商業的に入手可能なアッセイは、他の手段により検出可能なHBV感染が判明しているにもかかわらず、患者によってはS−HBsAgを検出し得ないことが見出されている。この偽陰性結果は、S−HBsAg配列を改変する1つの突然変異または一連の突然変異をそのHBV株が含有するため、該キット試薬がS−HBsAgを検出し得ないことによるものであろう。これらの突然変異は、抗HBsモノクローナル抗体試薬が、もはや、HBV感染を検出できなくなるよう、S−HBsAgエピトープに影響を及ぼしうる(Colemanら,J Med Virol.59:19−24(1999))。エピトープの改変はS−HBsAgに局在化しており、M−HBsAgドメインに有意には伸長していない。
1.定義
本明細書中で用いる用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであるに過ぎず、限定的なものではない。本明細書および添付の特許請求の範囲において用いる単数形表現は、文脈に明らかに矛盾しない限り、複数形の対象物を含む。
本明細書における数的範囲の記載に関しては、同程度の精度を伴うその間に介在する各数字が明示的に想定される。例えば、6〜9の範囲の場合には、6および9に加えて、7および8の数字が想定され、6.0〜7.0の範囲の場合には、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9および7.0の数字が明示的に想定される。
a.抗体
本明細書中で用いる「抗体」は、クラスIgG、IgM、IgA、IgDもしくはIgFの抗体またはそれらのフラグメントもしくは誘導体、例えばFab、F(ab’)2、Fdおよび一本鎖抗体、ジアボディ、二重特異性抗体、二官能性抗体ならびにそれらの誘導体を意味しうる。抗体は、所望のエピトープまたはそれに由来する配列に対する十分な結合特異性を示すモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、アフィニティ精製抗体またはそれらの混合物でありうる。ポリクローナル抗体は、哺乳動物、例えばヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツジに由来するものでありうる。抗体はまた、キメラ抗体でありうる。抗体は、当技術分野で公知の1以上の化学的部分、ペプチド部分またはポリペプチド部分の結合により誘導体化されうる。抗体は化学的部分にコンジュゲート化されうる。抗体は特異的結合メンバーでありうる。
b.結合
ポリペプチドおよび固体支持体に言及するために本明細書中で用いる「結合」または「固定化」は、該ポリペプチドおよび該固体支持体の間の結合が、結合、洗浄、分析および除去の条件下で安定であるために十分なものであることを意味しうる。該結合は共有結合または非共有結合でありうる。共有結合は該ポリペプチドと該固体支持体との間で直接的に形成されることが可能であり、あるいは架橋剤により、または固体支持体もしくはプローブもしくはその両方の分子上に特異的反応性基を含有させることにより形成されうる。非共有結合は静電性、親水性および疎水性相互作用の1以上でありうる。非共有結合に含まれるのは、該支持体への例えばストレプトアビジンのような分子の共有結合、および該ストレプトアビジンへのビオチン化ポリペプチドの非共有結合である。固定化は共有的相互作用と非共有的相互作用との組合せを含みうる。
c.エピトープ
本明細書中で用いる「エピトープ」または「抗原」はポリペプチドの抗原決定基を意味しうる。エピトープは、該エピトープに特有の空間的コンホメーションにおける3アミノ酸を含みうる。エピトープは少なくとも5、6、7、8,9または10アミノ酸を含みうる。空間的コンホメーションの検査方法は当技術分野で公知であり、X線結晶学および二次元核磁気共鳴を包含する。
d.断片
本明細書中で用いる「断片」は、言及されているペプチドまたはポリペプチドの一部分を意味しうる。
e.同一
2以上のポリペプチド配列の文脈において本明細書中で用いる「同一」または「同一性」は、それらの配列が、特定された領域にわたって同一である特定された割合(%)の残基を有することを意味しうる。該割合は、2つの配列を最適に整列させ、特定された領域にわたってそれらの2つの配列を比較し、同一残基が両方の配列に存在する位置の数を決定して、一致した位置の数を得、一致した位置の数を、特定された領域における位置の総数で割り算し、その結果に100を掛け算して、配列同一性の割合(%)を得ることにより計算されうる。それらの2つの配列が、異なる長さのものである場合、または該整列(アライメント)が1以上の食い違った末端を与え、特定された比較領域が単一の配列のみを含む場合には、単一配列の残基を該計算の分母には含め分子には含めない。
f.指示試薬
本明細書中で用いる「指示試薬」は、特定のポリペプチドに対する特異的結合メンバーにコンジュゲート化または結合されうる、外的手段により検出可能な測定可能なシグナルを生成しうる標識を含む組成物でありうる。該指示試薬は、特定のポリペプチドに対する特異的結合ペアの抗体メンバーでありうる。該指示試薬は、いずれかの特異的結合ペア(例えばハプテン−抗ハプテン系、例えばビオチンまたは抗ビオチン、アビジンまたはビオチン、炭水化物またはレクチン、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターまたは受容体分子、酵素補因子および酵素、または酵素インヒビターおよび酵素)のメンバーであることも可能である。
g.標識
本明細書中で用いる「標識」または「検出可能な標識」は、それが結合している分子の直接的または間接的な定量的または相対的測定を可能にするシグナルを生成しうる部分を意味しうる。該標識は固体、例えばマイクロタイタープレート、粒子、微粒子または顕微鏡スライド;酵素;酵素基質;酵素インヒビター;補酵素;酵素前駆体;アポ酵素;蛍光物質;色素;化学発光性化合物;発光性物質;着色物質;磁性物質;または金属粒子、例えば金コロイド;放射性物質、例えば125I、131I、32P、H、35Sまたは14C;リン酸化フェノール誘導体、例えばニトロフェニルホスファート、ルシフェリン誘導体またはジオキセタン誘導体などでありうる。該酵素は、デヒドロゲナーゼ;オキシドレダクターゼ、例えばレダクターゼまたはオキシダーゼ;官能基、例えばアミノ、カルボキシル、メチル、アシルまたはホスファート基の転移を触媒するトランスフェラーゼ;エステル、グリコシド、エーテルまたはペプチド結合のような結合を加水分解しうるヒドロラーゼ;リアーゼ;イソメラーゼ;またはリガーゼでありうる。該酵素は別の酵素にコンジュゲート化されることも可能である。
該酵素は酵素サイクリングにより検出されうる。例えば、検出可能な標識がアルカリホスファターゼである場合、測定は、ウンベリフェロン誘導体のような適当な基質から生じた蛍光または発光を観察することにより行われうる。該ウンベリフェロン誘導体は4−メチル−ウンベリフェリルホスファートを含みうる。
該蛍光標識および化学発光標識は、フルオレセインイソチオシアナート;ローダミン誘導体、例えばローダミンBイソチオシアナートまたはテトラメチルローダミンイソチオシアナート;ダンシルクロリド(5−(ジメチルアミノ)−1−ナフタレンスルホニルクロリド)、ダンシルフルオリド、フルオレスカミン(4−フェニルスピロ[フラン−2(3H),1’−(3’H)−イソベンゾフラン]−3,3’−ジオン);フィコビリンタンパク質、例えばフィコシアニンおよびフィソエリトリン;アクリジニウム塩;ルミノール化合物、例えばルミフェリン、ルシフェラーゼまたはエクオリン;イミダゾール;シュウ酸エステル;ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)またはサマリウム(Sm)のような希土類元素のキレート化合物;あるいはクマリン誘導体、例えば7−アミノ−4−メチルクマリンでありうる。
該標識は、ハプテン、例えばアダマンチン、フルオレセインイソチオシアナートまたはカルバゾールであることも可能である。該ハプテンは、多価抗体または(ストレプ)アビジン含有部分と接触した場合に、凝集物の形成を可能にしうる。該ハプテンは、それが固体基体に結合している分子の容易な結合をも可能にしうる。
該標識は、検出可能な標識に結合した分子のレベルを定量することにより、例えば、電極の使用;色、光もしくは吸光度の分光光度測定;または目視検査により検出されうる。
h.ペプチド
本明細書中で用いる「ペプチド」または「ポリペプチド」はアミノ酸の連結配列を意味することが可能であり、天然物、合成物または天然物と合成物との組合せ若しくは修飾体でありうる。
i.組換えポリペプチド
本明細書中で用いる「組換えポリペプチド」または「組換えタンパク質」は少なくとも、その起源または操作により、それに天然で又はライブラリーの形態において付随しているポリヌクレオチドの全部または一部を伴っていない、あるいはそれが天然で連結されているもの以外のポリヌクレオチドに連結されている、ゲノム、半合成または合成由来のポリペプチドを意味しうる。該組換えポリペプチドは、必ずしも、示されているHBV核酸配列から翻訳されなくてもよい。該組換えポリペプチドはまた、化学合成または組換え発現系の発現を含む任意の方法で製造されることが可能であり、あるいはHBVから単離されることが可能である。
j.固体支持体
本明細書中で用いる「固体支持体」または「固相」は、反応トレイのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁性ビーズ、ニトロセルロース片、膜、微粒子、例えばラテックス粒子などでありうる。固体支持体は決定的なものではなく、当業者により選択されうる。したがって、ラテックス粒子、微粒子、磁性または非磁性ビーズ、膜、プラスチックチューブ、マイクロタイターウェルの壁、ガラスまたはシリコンチップおよびヒツジ赤血球の全てが適例である。固体支持体上にペプチドを固定化するための適当な方法には、イオン性、疎水性、共有結合相互作用などが含まれる。固体支持体はまた、不溶性である任意の物質であることが可能であり、あるいは後続の反応により不溶性にされうる。固体支持体は、捕捉試薬を誘引し固定化するその固有の能力に関して選択されうる。あるいは、固体支持体は、捕捉試薬を誘引し固定化する能力を有する追加的受容体を保有しうる。該追加的受容体には、捕捉試薬自体とは逆に荷電した、または捕捉試薬にコンジュゲート化された荷電物質とは逆に荷電した荷電物質が含まれうる。さらにもう1つの代替手段として、該受容体分子は、特異的結合反応により捕捉試薬を固体化する能力を有する、固体支持体上に固定化(結合)された任意の特異的結合メンバーでありうる。該受容体分子は、アッセイの実施前またはアッセイの実施中に、固体支持体物質への捕捉試薬の間接的結合を可能にする。したがって、固体支持体は、プラスチック、誘導体化プラスチック、磁性または非磁性金属、試験管のガラスまたはケイ素表面、マイクロタイターウェル、シート、ビーズ、微粒子、チップおよび当業者に公知の他の形態でありうる。
固体支持体は、結合抗原に対する適当な表面アフィニティおよび検出抗体による接近を可能にするのに十分な多孔度を有する任意の適当な多孔性物質を含みうることも想定され、本発明の範囲内である。微孔性構造体が一般に好ましいが、水和状態のゲル構造を有する物質も使用されうる。そのような有用な固体支持体には以下のものが含まれる:天然重合体炭水化物およびその合成修飾、架橋または置換誘導体、例えば寒天、アガロース、架橋アルギン酸、置換および架橋グアーガム、セルロースエステル(特に硝酸およびカルボン酸とのもの)、混合セルロースエステルならびにセルロースエーテル;窒素を含有する天然重合体、例えばタンパク質および誘導体、例えば架橋または修飾ゼラチン;天然炭化水素重合体、例えばラテックスおよびゴム;適度に多孔性の構造を伴って製造されうる合成重合体、例えばビニル重合体、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルクロリド、ポリビニルアセタートおよびその部分的に加水分解された誘導体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリラート、前記縮合重合体の共重合体および三元共重合体、例えばポリエステル、ポリアミドおよび他の重合体、例えばポリウレタンまたはポリエポキシド;多孔性無機物質、例えばアルカリ土類金属およびマグネシウムのスルファートまたはカルボナート、例えば硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルカリおよびアルカリ土類金属、アルミニウムおよびマグネシウムのシリカート;ならびにアルミニウムまたはケイ素オキシドまたはヒドラート、例えばクレー、アルミナ、タルク、カオリン、ゼオライト、シリカゲルまたはガラス(これらの物質は前記重合体物質と共にフィルターとして使用されうる);ならびに前記クラスの混合物または共重合体、例えば、既存天然重合体上で合成重合体の重合を開始させることにより得られるグラフト共重合体。これらの物質の全ては、例えばフィルム、シートまたはプレートのような適当な形状で使用されることが可能であり、あるいはそれらは例えば紙、ガラス、プラスチックフィルムまたは織物のような適当な不活性担体上にコーティングされ又はそれらに結合もしくは積層されうる。
ニトロセルロースの多孔性構造体は、モノクローナル抗体を含む多種多様な試薬に対する優れた吸収および吸着特性を有する。ナイロンも類似特性を有し、同様に好適である。前記のそのような多孔性固体支持体は、好ましくは、約0.01〜5mm、好ましくは約0.1mmの厚さのシートの形態である。その細孔径は広い範囲内の様々な値であることが可能であり、好ましくは約0.025〜15ミクロン、特に約0.15〜15ミクロンである。そのような支持体の表面は、該支持体への該抗原または抗体の共有結合をもたらす化学的方法により活性化されうる。しかし、一般には、十分には理解されていない疎水性力による多孔性物質への吸着により、該抗原または抗体の不可逆的結合が得られる。適当な固体支持体はまた、米国特許出願第227,272号(これを参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
k.特異的結合メンバー
本明細書中で用いる「特異的結合メンバー」は特異的結合ペアのメンバーを意味しうる。該特異的結合ペアは、それを構成する一方の分子が化学的または物理的手段により他方の分子に特異的に結合する、2つの異なる分子でありうる。該特異的結合メンバーは免疫反応性であることが可能であり、特定のポリペプチドに結合しうる抗体、抗原または抗体/抗原複合体でありうる。
l.実質的に同一
本明細書中で用いる「実質的に同一」は、第1配列と第2配列とが8〜100個またはそれ以上の残基にわたって50%〜99%同一であることを意味しうる。
m.変異体
ポリペプチドに関して本明細書中で用いる「変異体」は、(i)8〜100アミノ酸またはそれ以上でありうる、言及されているポリペプチドの一部分、あるいは(ii)言及されているポリペプチドと実質的に同一であるポリペプチドを意味しうる。変異体はまた、例えばタンパク質分解、リン酸化または他の翻訳後修飾により異なってプロセシングされたポリペプチドでありうる。
2.HBVタンパク質のレベルの決定
本発明は、サンプル中のHBVタンパク質のレベルを決定するための方法を提供する。
a.B型肝炎ウイルスタンパク質
HBVタンパク質はHBV表面抗原タンパク質でありうる。HBV表面抗原タンパク質は、HBV粒子の表面上に該HBVタンパク質を露出しうるHBVエンベロープの一部を形成する能力を有しうる。HBV表面抗原タンパク質は、抗原性でありうる又は免疫監視の標的でありうるエピトープを含みうる。エピトープは突然変異エピトープでありうる。HBV表面抗原タンパク質はグリコシル化されていることも可能である。
(1)中B型肝炎表面抗原タンパク質(M−HBsAg)
HBV表面抗原タンパク質はM−HBsAgでありうる。M−HBsAgは第1部分および第2部分を含むことが可能であり、約281アミノ酸の全長を有しうる。第1部分はプレS2領域を含むことが可能であり、M−HBsAgの最初の55アミノ酸でありうる。第2部分は226アミノ酸長であることが可能であり、S−HBsAgの配列を含みうる。M−HBsAgは、表1に記載されている配列またはその変異体を含みうる。M−HBsAgの第1部分はエピトープをも含みうる。エピトープは抗体により結合されうる。該抗体は抗M−HBsAg特異的抗体でありうる。
Figure 2010539488
(2)小B型肝炎表面抗原タンパク質(S−HBsAg)
HBV表面タンパク質はまた、S−HBsAgでありうる。S−HBsAgは約226アミノ酸長であることが可能であり、S領域を含みうる。S−HBsAgは野生型S−HBsAgでありうる。S−HBsAgは、表2に記載されている配列またはその変異体を含みうる。S−HBsAgは、米国特許第5,925,512号または第7,141,242号(それらの内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に開示されている「a」決定基の部分でありうるエピトープをも含みうる。S−HBsAgのアミノ酸100−160もエピトープを含みうる。
Figure 2010539488
(a)突然変異S−HBsAg
S−HBsAgは突然変異体であることも可能であり、これは、野生型S−HBsAgとは少なくとも1アミノ酸異なる配列を含みうる。該突然変異はS−HBsAgの抗原性に影響を及ぼしうる。該抗原性は「a」決定基の破壊により影響を受けうる。突然変異S−HBsAgの抗原性は軽減されることが可能であり、これにより、該突然変異S−HBsAgエピトープは免疫監視を逃れうる。該突然変異S−HBsAgは、野生型S−HBsAgと比べて、抗HBs抗体により検出される可能性が低いかもしれない。
該突然変異S−HBsAgはS−HBsAgの「a」決定基における突然変異を含むことが可能であり、それは、HBV遺伝子型のいずれかのS−HBsAg配列内のアミノ酸100−160において見出されうる。挿入および点突然変異の重要な具体例(それらに限定されるものではない)を以下の表3に記載する。該突然変異体は欠失であることも可能である。推論により、これらの同じ突然変異がM−HBsAgおよびL−HBsAgにおいて生じるであろう。
Figure 2010539488
突然変異S−HBsAgは、表3に記載されている突然変異の組合せを含むことが可能であり、あるいはそれは、米国特許第5,925,512号または第7,141,242号(それらの内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている突然変異を含みうる。
b.抗体
本発明はまた、HBVタンパク質への結合能を有しうる抗体を提供する。該抗体は標識に結合していることが可能であり、固相に結合していることが可能である。該抗体はまた、第1抗体、第2抗体または第3抗HBV抗体でありうる。第1抗体、第2抗体および第3抗HBV抗体は全て、異なる位置またはエピトープにおいてHBVタンパク質に結合する能力を有しうる。第1抗体、第2抗体および第3抗HBV抗体はまた、お互いから識別されうる標識に結合することが可能である。本明細書中で用いる「第1抗体」、「第2抗体」および「第3抗体」は単に例示を目的としたものであるに過ぎない。本明細書に記載されている特性を有する他の抗体も、本明細書に記載されている方法のために使用されうる。
(1)第1抗体
第1抗体は、M−HBsAgに結合する能力を有しうる。第1抗体は、M−HBsAgのエピトープに結合する能力を有しうる。第1抗体はまた、M−HBsAgのプレS2領域内のエピトープに結合する能力を有しうる。第1抗体は更に、M−HBsAgとS−HBsAgとを識別する能力を有しうる。第1抗体はS−HBsAgと交差反応し得ない。第1抗体はまた、S−HBsAgに対するより高いアビディティでM−HBsAgに対して結合する能力を有しうる。第1抗体は50−80または116−34モノクローナル抗HBV表面タンパク質抗体または類似抗体でありうる。
(2)第2抗体
第2抗体は、S−HBsAgに結合する能力を有しうる。第2抗体はまた、M−HBsAgのS領域に結合する能力を有しうる。第2抗体はH166、H57、H40、H53もしくはH35モノクローナル抗HBs抗体または類似抗体でありうる。
c.HBsAgのレベルの決定
HBsAgのレベルは、サンプルを第1抗体と接触させることにより決定されうる。第1抗体を、タンパク質/抗体複合体の形成に十分な時間及び条件下、該サンプルと接触させることが可能である。
HBsAgのレベルを決定するための方法は、サンプルを固体支持体と接触させ、HBsAgを該固体支持体に結合させ、標識に結合した第1抗体にHBsAgを接触させることを含みうる。ついでこの混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成させるのに十分な時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のHBsAgのレベルは、生成したシグナルに正比例しうる。
サンプルを、固体支持体に結合した第1抗体と接触させることが可能である。該混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。ついで該混合物を、該固体支持体を捕捉しうるガラス繊維マトリックスに移すことが可能である。ついで該混合物を、標識に結合した第3抗HBV抗体を含みうる指示試薬と接触させることが可能である。この抗体は実際に、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体またはそれらの混合物でありうる。HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のHBsAgのレベルは、生成したシグナルに正比例しうる。
また、サンプルを、標識に結合しており固体支持体に結合している第1抗体と接触させることが可能である。該混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。ついで該混合物を、標識に結合した第3抗HBs抗体を含みうる指示試薬と接触させることが可能である。HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。HBsAgのレベルは、米国特許第5,795,784号または第5,856,194号(それらの内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている方法によっても決定されうる。サンプル中のHBsAgのレベルは、生成したシグナルに正比例しうる。
サンプルを更に、固体支持体に結合した第1抗体、ならびに(i)第3抗HBV抗体および(ii)ビオチンを含みうる指示試薬と接触させることが可能である。該混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。ついで該混合物を、該固体支持体を捕捉しうるガラス繊維マトリックスに移すことが可能である。ついで該混合物を、抗ビオチン抗体またはアビジンを含んでおり標識に結合した指示試薬と接触させることが可能である。HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のHBsAgのレベルは、生成したシグナルに正比例しうる。
また、サンプルを、固体支持体に結合した第1抗体、および標識に結合した第3抗HBV抗体を含みうる指示試薬と接触させることが可能である。該混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のHBsAgのレベルは、生成したシグナルに正比例しうる。
サンプルを更に、固体支持体に結合した第1抗体と接触させることが可能である。該混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。ついで該混合物を、標識に結合した第3抗HBV抗体を含みうる指示試薬と接触させることが可能である。該混合物を、タンパク質/抗体複合体を形成するのに十分な第2の時間及び条件下でインキュベートすることが可能である。HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のHBsAgのレベルは、生成したシグナルに正比例しうる。
該方法においては非固相診断アッセイが用いられうる。これらのアッセイは当業者によく知られており、本発明の範囲内であるとみなされる。そのようなアッセイの具体例には、米国特許第5,925,512号または第7,141,242号(それらの内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されているものが含まれる。
該標識は、固相を含みうる検出系を用いて検出されうる。該固相は、半自動化または全自動化免疫分析装置により使用されるよう適合化されうる。該検出系は、該サンプルおよび試薬(これは抗体、標識、バッファーなどを含みうる)を反応容器へ運搬し、インキュベーションを行い、場合によっては、未結合標識ポリペプチドを結合標識ポリペプチドから洗い落としうる。該サンプルおよび試薬が該系内に挿入されたら、該検出系は、使用者の介入を伴わずに自動化されうる。該自動化検出系は、使用者の介入を伴うことなく48時間以内に少なくとも8、16,64または128アッセイを該系が行いうることにより、手動の又はそれほど自動化されていない系から区別されうる。該系はまた、人間による計算または入力の必要性を伴うことなく、サンプル中のポリペプチドの濃度または量を自動的に計算することが可能でありうる。
該検出系はカートリッジ形態または試験片アッセイをも含みうる。該検出系は、使い捨て可能な装置内への単位用量で負荷(ローディング)可能なアッセイ試薬を提供し、該単位用量は、該ポリペプチドを検出するためにアッセイするのに必要な全ての試薬を含有しうる。そのような使い捨て可能な装置は、ナイロン、ニトロセルロースまたは他の適当な物質を含みうる使い捨て可能な膜様構造体を含みうるプラスチックハウジングを含みうる。該サンプルは予備加工され、または該使い捨て装置のローディング領域上に直接的にローディングされうる。ついで、場合によっては、該サンプルは、該膜様構造体を通って、該膜上に含有される複数の領域を経由して流動しうる。該膜様構造体は更に、界面活性剤または側方流動補助物質を含みうる。該膜様構造体はまた、過剰な流体を採集するための及び/又は該膜を通る側方流動を促進するための吸収剤を含有しうる。該検出系は、1、2、4、8、10または12アッセイを行うのに十分な試薬を各パックが含みうる多パック系を含みうる。
該検出系はまた、マイクロリットル範囲(例えば、4μL、12μLまたは50μL未満)のサンプルを分析するよう設計されたマイクロフルイディック(microfluidic)装置を含みうる。該マイクロフルイディック装置は、場合によっては、該サンプルまたはアッセイ試薬またはそれらの両方がマイクロフルイディック装置内で輸送されるのを補助するための流動補助剤、推進装置(これは膨張性ゲル、ワックスおよび気体を含みうる)、ナノバルビング(nanovalving)などを含みうる。
勿論、言うまでもなく、本明細書における典型的な形態の全て、および本発明のいずれのアッセイまたはキットも、例えば米国特許第5,089,424号および第5,006,309号(それらの内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている、そして例えばAbbottのARCHITECT(登録商標)、AxSYM、IMX、PRISMおよびQuantum II形態ならびに他の形態(これらに限定されるものではない)を含むAbbott Laboratories(Abbott Park,IL)により市販されている自動化および半自動化系(微粒子を含む固相が存在するものを含む)における使用に適合化または最適化されうる。
また、本発明のアッセイおよびキットは、場合によっては、AbbottのPoint of Care(i−STAT(商標))電気化学イムノアッセイ系を含むケア現場(point of care)アッセイ系に適合化または最適化されうる。免疫センサーおよびその製造および操作方法(1回使用用試験装置におけるもの)が、例えば、米国特許第5,063,081号ならびに公開されている米国特許出願公開第20030170881、20040018577、20050054078および20060160164号(それらの内容を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
d.S−HBsAgのレベルの決定
該方法はまた、サンプル中のS−HBsAgのレベルを決定することを含みうる。これは、サンプルをモノクローナル抗体と接触させることによるものでありうる。S−HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のS−HBsAgの量は、生成したシグナルに正比例しうる。該方法は、HBsAgのレベルを決定するための前記のものに類似した工程を含みうる。
e.M−HBsAgのレベルの決定
該方法はまた、サンプル中のM−HBsAgのレベルを決定することを含みうる。これは、サンプルをモノクローナル抗体と接触させることによるものでありうる。S−HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のM−HBsAgの量は、生成したシグナルに正比例しうる。該方法は、HBsAgのレベルを決定するための前記のものに類似した工程を含みうる。
f.L−HBsAgのレベルの決定
該方法はまた、サンプル中のL−HBsAgのレベルを決定することを含みうる。これは、サンプルをモノクローナル抗体と接触させることによるものでありうる。L−HBsAgのレベルは、該標識により生成された測定可能なシグナルを検出することにより決定されうる。サンプル中のL−HBsAgの量は、生成したシグナルに正比例しうる。該方法は、HBsAgのレベルを決定するための前記のものに類似した工程を含みうる。
g.サンプル
本発明においては、HBVタンパク質を含みうるサンプルが提供される。該サンプルはHBsAgを含むことが可能であり、S−HBsAg、M−HBsAgまたはL−HBsAgを含むことも可能である。該サンプルは更に、M−HBsAgおよびS−HBsAgを、1000:1および1:1000の範囲内でありうる既知比率で含みうる。
該サンプルは患者から単離されうる。該サンプルは、動物、例えばヒトから単離された生物学的組織または流体でありうる。該サンプルはまた、組織の切片、例えば生検または剖検サンプル、組織学的目的で採取された凍結切片、血液、血漿、血清、喀痰、糞便、涙、粘液、毛または皮膚でありうる。該サンプルはまた、動物または患者の組織から誘導された外植片または初代もしくは形質転換細胞培養でありうる。該サンプルは、動物から細胞のサンプルを取り出すことにより提供されうるが、予め単離された細胞(例えば、別人から、別の時点で、および/または別の目的で単離されたもの)を使用することによっても得られうる。アーカイブ組織、例えば、治療または結果の履歴を示すものも使用されうる。該サンプルはまた、血液、血液画分、浸出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸部分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、胃腸分泌物、気管支分泌物、喀痰、細胞系、組織サンプルまたは乳房からの分泌物でありうる。
3.HBVの検出
本発明は、HBVタンパク質、例えばS−HBsAg、M−HBsAgまたはL−HBsAgのレベルを決定することによるものでありうる、HBVの検出方法を提供する。S−HBsAg、M−HBsAgまたはL−HBsAgのレベルを所定のS−HBsAg、M−HBsAgまたはL−HBsAg値と比較することが可能であり、これはサンプル中のHBVの指標となりうる。2つの異なるHBVタンパク質のレベルの比を計算することが可能である。所定の比の値と比較した該比における相違はサンプル中のHBVタンパク質の指標となりうる。
a.所定のM−HBsAg値
所定のM−HBsAg値は陽性M−HBsAg対照サンプル中のM−HBsAgのレベルでありうる。該M−HBsAg対照サンプルは既知量のM−HBsAgを含みうる。該M−HBsAg対照サンプルはHBVをも含みうる。所定のM−HBsAg値はまた、陰性M−HBsAg対照サンプル中のM−HBsAgのレベルでありうる。
所定のM−HBsAg値は、その値以上のサンプル中のM−HBsAgのレベルがHBVの存在の指標となりうるような値でありうる。所定のM−HBsAg値はまた、その値より小さいM−HBsAgのレベルがHBVの非存在の指標となりうるような値でありうる。所定のM−HBsAg値は1×10−12〜1×10−2gmsの範囲内でありうる。
b.突然変異S−HBsAgの検出方法
本発明はまた、HBVを検出することによるものでありうる、突然変異S−HBsAgを検出するための方法を提供する。所定の値の又は所定の値を超えるM−HBsAgのレベル、ならびに所定のS−HBsAg値より小さいS−HBsAgのレベルは、突然変異S−HBsAgの存在の指標となりうる。
(1)所定のS−HBsAg値
所定のS−HBsAg値は、S−HBsAgを含むことが判明している又は既知量のS−HBsAgを含む陽性S−HBsAg対照サンプルにおけるS−HBsAgのレベルでありうる。そのような所定のS−HBsAg値はまた、その値より小さいS−HBsAgのレベルが突然変異S−HBsAgの存在を示すような値でありうる。所定のS−HBsAg値は1×10−12〜1×10−2gmsの範囲内でありうる。
c.所定のL−HBsAg値
所定のL−HBsAg値は、L−HBsAgを含むことが判明している又は既知量のL−HBsAgを含む、陽性L−HBsAg対照サンプルにおけるL−HBsAgのレベルでありうる。
4.キット
本発明は、HBVを検出するために使用されうるキットを提供する。該キットは第1抗体を含むことが可能であり、第2抗体をも含みうる。該キットは、サンプルからのタンパク質に結合するのに適した固体支持体をも含みうる。該キットは更に、陽性対照として使用するための既知濃度のHBVタンパク質を含むHBV組成物を含みうる。該陽性対照は、所定の値を測定するために使用されうる。
該キットは、タンパク質−タンパク質相互作用を促進させ若しくは妨げるために又は未結合タンパク質を固体支持体から除去するために要求されうる例えばバッファーまたは塩のような追加的試薬をも含みうる。該キットは更に、検出可能なシグナルを生成するよう抗体上の標識を誘導しうる物質を含みうる。該キットは、標識がシグナルを生成するのを停止させうる物質をも含みうる。
該キットは、別々の試薬を各容器が含有する1以上の容器、例えばバイアルまたはボトルをも含みうる。該キットは更に、書面の説明を含むことが可能であり、これは、本明細書に記載されているアッセイの実施または解釈方法を説明したものでありうる。
HBVエンベロープタンパク質構成成分L−HBsAg、M−HBsAgおよびS−HBsAgを含むHBVビリオンの概要図である。 プレS1、プレS2およびS領域の開始部位およびHBV表面遺伝子オープンリーディングフレームの概要図を示す。図2は、それぞれプレS2、プレS2およびS開始部位から転写されるHBV表面タンパク質L−HBsAg、M−HBsAgおよびS−HBsAgの概要図をも示す。 S−HBsAgのアミノ酸121−124における公知の天然に存在する突然変異の概要図を示す。該突然変異は、Abbott抗HBsモノクローナル抗体H166により結合されうるエピトープに影響を及ぼしうる。 抗HBsモノクローナル抗体116−34、H166、H57、H53、H40およびH35の相対捕捉アビディティを示す。 カナダ人集団から集めた臨床試料におけるHBVの検出におけるH166、116−34およびH53の間の比較を示す。 公知HBV突然変異体を含有する血清試料におけるHBVを検出する116−34、H166、H57、H35およびH53の能力の比較を示す。 野生型および突然変異HBVサンプルを検出するH166、H40、H57、H35、H53、116−34ならびにH40、H57およびH116の組合せの能力の比較を示す。
本発明は、以下の非限定的な実施例により例示される複数の態様を有する。
B型肝炎の検出
材料および方法:
以下の方法を用いて、モノクローナル抗HBs抗体(H53または116−34)をポリスチレン微粒子に結合させた。抗体を15mM MESバッファー(pH4.7)中で約400μg/mlに希釈した。ポリスチレン微粒子を、0.01% Tween20を含有する15mM MESバッファー(pH4.7)中で懸濁させ、洗浄した。1% 固体の微粒子を15mM MESバッファー(pH4.7)中の0.04mg/ml EDACで活性化し、抗HBs抗体を200μg/mlの最終濃度で加えた。該混合物を30分間インキュベートし、ついでリン酸緩衝食塩水(pH7.4)で洗浄した。該粒子をイムノアッセイのために0.1% 固体の最終濃度に調節した。
種々のアッセイ試薬形態を使用して、HBsAg試験を行った。Abbott IMx HBsAgアッセイを該製造業者の説明に従い用いた。該参照Imx HBsAgアッセイ(これは抗HBs H166を捕捉試薬として利用する)を、プレS2抗HBsモノクローナル116−34またはS−HBsAgモノクローナルH53を捕捉試薬として含有する2つの試験アッセイ形態と比較した。IMx HBsAgのビオチン:抗ビオチンコンジュゲート検出系を使用して、両方の試験アッセイ反応性を測定した。シグナル対カットオフ(陰性対照値の2倍)比、すなわち、s/coを、参照および該試験アッセイに関して計算した。試験変動を最小にするために、同じIMx装置上で、同じ日にサンプルを試験した。
結果:
参照IMx HBsAg、微粒子捕捉相上に116−34またはH53を含有する2つの試験アッセイ条件で、臨床サンプルを試験した。臨床サンプルを、より低い抗原濃度に、正常ヒト血清中で1:10希釈した。アッセイ結果を図5に示す。116−34試験形態に関するs/co値は、HBsAgの免疫捕捉のためにH166を使用する参照アッセイまたはHBsAgの免疫捕捉のためにH53を使用する試験アッセイに関する値より有意に高かった。このデータからの結論は、プレS2モノクローナル捕捉形態がHBsAgの野生型形態に対する微粒子アッセイ感度を増加させうることである。
突然変異B型肝炎の検出
材料および方法:
以下の方法を用いて、モノクローナル抗HBs抗体(H166、H57、H35、H53および116−34)をポリスチレン微粒子に結合させた。抗体を15mM MESバッファー(pH4.7)中で約400μg/mlに希釈した。ポリスチレン微粒子を、0.01% Tween20を含有する15mM MESバッファー(pH4.7)中で懸濁させ、洗浄した。1% 固体の微粒子を15mM MESバッファー(pH4.7)中の0.04mg/ml EDACで活性化し、抗HBs抗体を200μg/mlの最終濃度で加えた。該混合物を30分間インキュベートし、ついでリン酸緩衝食塩水(pH7.4)で洗浄した。該粒子をイムノアッセイのために0.1% 固体の最終濃度に調節した。
種々のアッセイ試薬形態を使用して、HBsAg試験を行った。該アッセイ形態は、プレS2抗HBsモノクローナル116−34またはS−HBsAgモノクローナル(H166、H57、H35、H53)を捕捉試薬として使用した。IMx HBsAgのビオチン:抗ビオチンコンジュゲート検出系を使用して、アッセイ反応性を測定した。シグナル対カットオフ(陰性対照値の2倍)比、すなわち、s/coを、参照および該試験アッセイに関して計算した。
既知ng/ml濃度のHBsAg標準よりなるHBVパネルを種々の抗HBsモノクローナル結合微粒子で試験した。また、既知HBsAg突然変異体を含有する臨床サンプルをも試験した。試験変動を最小にするために、同じIMx装置上で、同じ日にサンプルを試験した。
結果:
プレS2抗HBsモノクローナル116−34またはS−HBsAgモノクローナル(H166、H57、H35、H53)を捕捉試薬として使用するIMx HBsAgアッセイ形態において、サンプルを試験した。アッセイ結果を図6に示す。全体的に、116−34試験形態に関するs/co値は、HBsAgの突然変異形態の免疫捕捉のためのS−HBsAgモノクローナルに関する値より高かった。このデータからの結論は、プレS2モノクローナル捕捉形態がHBsAgの突然変異形態に対する微粒子アッセイ感度を増加させうることである。
突然変異B型肝炎の検出
材料および方法:
既に記載されているとおりに(Colemanら,J Med Virol.59:19−24(1999))、HBsAg突然変異体を製造した。簡潔に説明すると、同じ出発野生型配列内に導入された種々の一定の突然変異を含有する表面抗原遺伝子配列を、所有権を有する発現ベクターのXhoIおよびHpaI制限部位内にクローニングした。挿入された遺伝子を配列決定により確認し、確認された発現ベクターを使用して、リポフェクタミンの存在下、85%のコンフルエンシーでマウスL細胞を一過性にトランスフェクトした。組換え抗原の発現に関して、細胞培養上清を第3日にモニターした。Abbott Ausriaアッセイを用いて、初期定量を行った。なぜなら、このアッセイのポリクローナル捕捉およびポリクローナル検出試薬形態は全ての突然変異体を検出することが可能だったからである。細胞培養上清を正常ヒト血漿中に希釈し、HBsAgの存在に関して試験した。
以下の方法を用いて、モノクローナル抗HBs(H166、H40、H57、H35、H53および116−34)をポリスチレンビーズ上にコーティングした。4分の1インチのポリスチレンビーズを蒸留水で3回洗浄した。抗HBsモノクローナル抗体を0.25M クエン酸バッファー(pH7.2)中で10マイクログラム/mlに希釈した。該洗浄ビーズを蓋付きボトル内の該抗HBs溶液に加え、2時間20分にわたり46℃で回転させた。ついで該抗HBs溶液を該ビーズから除去した。該ビーズを、0.05% Tween−20を含有する0.25M クエン酸バッファー(pH7.2)で洗浄し、ついで0.25M クエン酸バッファー(pH7.2)のみで洗浄し、ついで0.4M クエン酸二水和物1%リン酸ガラス2%スクロースバッファー(pH7.2)で洗浄し、ついで風乾させた。
種々のアッセイ試薬形態を使用して、HBsAg試験を行った。Abbott Auszyme Monoclonalアッセイを該製造業者の説明に従い用いた。この参照条件を、ポリクローナル抗HBs:ホースラディッシュペルオキシダーゼコンジュゲートと共にインキュベートしたS−HBsAg(H166、H40、H57、H35およびH53)の「a」決定基またはプレS2(116−34)を認識するモノクローナル抗HBsでコーティングされた試験固相捕捉ビーズと比較した。492nmにおける吸光度(A)を測定した。サンプルを3回重複実験に付し、平均化した。組換えHBsAg突然変異体を種々の抗HBsモノクローナル試薬が検出する能力を評価した。
結果:
2つ組換えHBsAg突然変異体(アミノ酸122位にAsn Thrの挿入を含有するHBsAg突然変異体1208およびアミノ酸123位にThrからAlaへの置換を含有するHBsAg突然変異体T123A)を、この研究において評価した。また、野生型HBsAgを含有するAuszyme陽性対照を2つの濃度で試験した。そのAuszymeの結果および抗HBsモノクローナル反応性の結果を図7に示す。該抗HBsコート化ビーズの全てが該野生型陽性対照を認識したが、それらは2つのHBsAg突然変異体に対しては異なる反応性を示した。両方の突然変異体に関して最高のA(492nm)読取値を有する抗HBsモノクローナル抗体はM−HBsAgのプレS2領域に対する116−34であった。該116−34シグナルは、その他の抗HBsモノクローナルまたはAuszymeキットシグナルより、有意に、より高感度であった。H53と116−34とのモノクローナル組合せはHBsAg突然変異体1208を最も良く検出し、一方、H57と116−34とのモノクローナル組合せはHBsAg突然変異体T123Aを最も良く検出するであろう。このデータからの結論は、プレS2モノクローナル捕捉形態がHBsAgの突然変異形態に対するアッセイ感度を増加させることである。

Claims (17)

  1. (a)試験サンプルを準備し、
    (b)中B型肝炎表面タンパク質(M−HBsAg)/第1抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下、該試験サンプルを第1抗体と接触させることを含んでなり、該複合体の存在が、該サンプル中に存在するB型肝炎の検出を示す、試験サンプル中のB型肝炎を検出するための方法。
  2. M−HBsAgのアミノ酸1−55が、第1抗体により認識されるエピトープを含む、請求項1記載の方法。
  3. 第1抗体が小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)と交差反応しない、請求項2記載の方法。
  4. 小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)/第2抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下、該試験サンプルを第2抗体と接触させる工程を更に含み、該複合体の存在が、該試験サンプル中に存在するB型肝炎の検出を示す、請求項1記載の方法。
  5. S−HBsAgのアミノ酸100−160が、第2抗体により認識されるエピトープを含む、請求項4記載の方法。
  6. (a)試験サンプルを準備し、
    (b)中B型肝炎表面タンパク質(M−HBsAg)/第1抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下、該試験サンプルを第1抗体と接触させ、
    (c)小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)/第2抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下、該試験サンプルを第2抗体と接触させ、
    (d)M−HBsAg/第1抗体複合体のレベルをS−HBsAg/第2抗体複合体のレベルと比較することを含んでなり、M−HBsAg/第1抗体複合体と比べて低い、S−HBsAg/第2抗体複合体のレベルが、該試験サンプル中の突然変異S−HBsAgの検出を示す、試験サンプル中の突然変異S−HBsAgを検出するための方法。
  7. M−HBsAgのアミノ酸1−55が、第1抗体により認識されるエピトープを含む、請求項6記載の方法。
  8. 第1抗体が小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)と交差反応しない、請求項6記載の方法。
  9. S−HBsAgのアミノ酸100−160が、第2抗体により認識されるエピトープを含む、請求項6記載の方法。
  10. (a)試験サンプルを準備し、
    (b)小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)/第1抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下、該試験サンプルを第1抗体と接触させることを含んでなり、対照と比べて低い、S−HBsAg/抗体複合体のレベルが、該試験サンプル中の突然変異S−HBsAgの検出を示す、試験サンプル中の突然変異S−HBsAgを検出するための方法。
  11. 第1抗体が突然変異小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)と交差反応しない、請求項10記載の方法。
  12. (a)小B型肝炎表面タンパク質(S−HBsAg)/第2抗体複合体を形成するのに十分な時間及び条件下、該試験サンプルを第2抗体と接触させ、
    (b)S−HBsAg/第1抗体複合体のレベルをS−HBsAg/第2抗体複合体のレベルと比較する工程を更に含み、第2抗体により検出されたS−HBsAgのレベルに対する、第1抗体により検出されたS−HBsAgのレベルの比における、所定の比と比較した場合の相違が、該試験サンプル中の突然変異S−HBsAgの検出を示しうる、請求項10記載の方法。
  13. (a)M−HBsAgに結合する少なくとも1つの抗体、および
    (b)S−HBsAgに結合する少なくとも1つの抗体を含んでなる、B型肝炎を検出するためのキット。
  14. M−HBsAgのアミノ酸1−55が、(a)の少なくとも1つの抗体により認識されるエピトープを含む、請求項13記載のキット。
  15. 前記の少なくとも1つの抗体がS−HBsAgと交差反応しない、請求項13記載のキット。
  16. S−HBsAgのアミノ酸100−160が、(b)の少なくとも1つの抗体により認識されるエピトープを含む、請求項13記載のキット。
  17. 該B型肝炎の検出のための説明を更に含む、請求項13記載のキット。
JP2010525010A 2007-09-13 2008-09-12 B型肝炎ウイルスの検出 Pending JP2010539488A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US97213707P 2007-09-13 2007-09-13
US12/209,054 US20090098531A1 (en) 2007-09-13 2008-09-11 Detecting hepatitis b virus
PCT/US2008/076093 WO2009036227A1 (en) 2007-09-13 2008-09-12 Detecting hepatitis b virus

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010539488A true JP2010539488A (ja) 2010-12-16

Family

ID=40260670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010525010A Pending JP2010539488A (ja) 2007-09-13 2008-09-12 B型肝炎ウイルスの検出

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20090098531A1 (ja)
EP (1) EP2188633A1 (ja)
JP (1) JP2010539488A (ja)
CA (1) CA2707390A1 (ja)
WO (1) WO2009036227A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014002143A (ja) * 2012-06-12 2014-01-09 Ortho-Clinical Diagnostics Inc 臨床診断装置用の側方流動アッセイ装置及びそれに関する臨床診断装置の構成

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20100136520A1 (en) * 2007-09-13 2010-06-03 Abbott Laboratories Detecting hepatitis b virus
CN109870581B (zh) 2017-12-04 2021-05-04 厦门万泰凯瑞生物技术有限公司 一种定量检测HBsAg的试剂盒及方法
CN116496389A (zh) * 2022-01-25 2023-07-28 厦门大学 用于治疗hbv感染及相关疾病的表位肽及抗体

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001133460A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Tosoh Corp B型肝炎ウイルス表面抗原の高感度免疫測定試薬
JP2003083976A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 A & T:Kk HBs抗原測定試薬

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5006309A (en) * 1988-04-22 1991-04-09 Abbott Laboratories Immunoassay device with liquid transfer between wells by washing
US5089424A (en) * 1988-06-14 1992-02-18 Abbott Laboratories Method and apparatus for heterogeneous chemiluminescence assay
US5063081A (en) * 1988-11-14 1991-11-05 I-Stat Corporation Method of manufacturing a plurality of uniform microfabricated sensing devices having an immobilized ligand receptor
PL168408B1 (pl) * 1989-08-03 1996-02-29 Smithkline Beecham Biolog Sposób wytwarzania stransformowanego mikroorganizmu PL
US5595739A (en) * 1993-05-07 1997-01-21 Abbott Laboratories Hepatitis B virus mutants, reagents and methods for detection
US5795784A (en) * 1996-09-19 1998-08-18 Abbott Laboratories Method of performing a process for determining an item of interest in a sample
US5856194A (en) * 1996-09-19 1999-01-05 Abbott Laboratories Method for determination of item of interest in a sample
EP0919568A1 (en) * 1997-12-01 1999-06-02 Sorin Diagnostics S.r.l. Escape mutant of the surface antigen of hepatitis B virus
US7202354B2 (en) * 2001-03-30 2007-04-10 Abbott Laboratories Hepatitis B virus surface antigen mutant and methods of detection thereof
US7419821B2 (en) * 2002-03-05 2008-09-02 I-Stat Corporation Apparatus and methods for analyte measurement and immunoassay
US20040018577A1 (en) * 2002-07-29 2004-01-29 Emerson Campbell John Lewis Multiple hybrid immunoassay
US7682833B2 (en) * 2003-09-10 2010-03-23 Abbott Point Of Care Inc. Immunoassay device with improved sample closure
US7723099B2 (en) * 2003-09-10 2010-05-25 Abbott Point Of Care Inc. Immunoassay device with immuno-reference electrode

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001133460A (ja) * 1999-11-08 2001-05-18 Tosoh Corp B型肝炎ウイルス表面抗原の高感度免疫測定試薬
JP2003083976A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 A & T:Kk HBs抗原測定試薬

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5010013752; USUDA S: JOURNAL OF VIROLOGICAL METHODS V87 N1-2, 200006, P81-89 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014002143A (ja) * 2012-06-12 2014-01-09 Ortho-Clinical Diagnostics Inc 臨床診断装置用の側方流動アッセイ装置及びそれに関する臨床診断装置の構成

Also Published As

Publication number Publication date
WO2009036227A1 (en) 2009-03-19
US20090098531A1 (en) 2009-04-16
EP2188633A1 (en) 2010-05-26
CA2707390A1 (en) 2009-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Petit et al. Variable expression of preS1 antigen in serum during chronic hepatitis B virus infection: an accurate marker for the level of hepatitis B virus replication
JP3813168B2 (ja) B型肝炎ウイルス突然変異体、試薬及び検出方法
Guillou et al. Evaluation of an enzyme‐linked immunosorbent assay for detection and quantification of hepatitis B virus PreS1 envelope antigen in serum samples: comparison with two commercial assays for monitoring hepatitis B virus DNA
JPH09509052A (ja) 肝炎c型ウイルスエンベロープ遺伝子用の哺乳動物発現系
EP2198026B1 (en) Hepatitis b pre-s2 nucleic acid
JP2010539488A (ja) B型肝炎ウイルスの検出
Feitelson et al. X antigen/antibody markers in hepadnavirus infections: presence and significance of hepadnavirus X gene product (s) in serum
US7713532B2 (en) HBV precore protein capable of forming particles
JP2004532019A (ja) B型肝炎ウイルス表面抗原変異体及びその検出の方法
US20090280474A1 (en) Method for detecting a virus
CA1278259C (en) Competitive elisa for the detection of antibodies
US20100136520A1 (en) Detecting hepatitis b virus
JPH0940694A (ja) 肝炎gbウイルスの合成ペプチド及びその使用
Pujol et al. A double sandwich monoclonal enzyme immunoassay for detection of hepatitis B surface antigen
US8076085B2 (en) Methods and means relating to hepatitis B infection
AU2004290800B2 (en) Methods and means relating to hepatitis B infection
CA2002220A1 (en) One-step immunoassay for determining antigen-specific antibodies of all immunoglobulin classes, and an agent therefor
Zabaleta et al. Assessment of former and newly developed HBV assays in a third world setting
RU2616236C1 (ru) Способ оценки уровня антител, специфичных к различным вариантам HBsAg вируса гепатита В
AU4996493A (en) Methods for monitoring effectiveness of interferon therapy in individuals with hcv infections
Hwang et al. Immunological characterization of two major secreted forms of recombinant hepatitis B virus e antigens
Miller Serological assays
JP2003083976A (ja) HBs抗原測定試薬
Ling Assays for hepatitis B virus
Kurstak et al. Hepatitis B virus infection: serology and diagnostic techniques

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20121101

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20121108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130903

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140218