JP2010539426A - 階段状燃焼火格子 - Google Patents

Abstract

焼却又は燃焼プラント用の階段状燃料火格子において、前記プラントは、火格子の頂部上の燃料が移動する方向に斜め下方に延びる複数の火格子ビーム（１）を有する、１つ又は複数の火格子区画を備え、この火格子ビーム（１）は、前記方向に下方へと階段状になる火格子頂部（２）を有し、且つ、外側面（３）を燃焼火格子の幅をまたいで互いに密接に隣接させて配置される。互いに隣接する火格子ビーム（１）は、縦方向に相対的に往復運動可能であり、火格子ビーム（１）は、そこを通る伝熱媒体の可能な閉ループ通路に適合させられる。伝熱媒体の封鎖部（４）は、１つ又は複数のＵ字形の屈曲プレート要素（５）によって設けられ、その側部が、階段状火格子頂部（２）に対応して階段状に切断され、火格子頂部（２）の下面に溶接される。このやり方では、階段状火格子ビーム（１）を製造するために互いに溶接するべき個別構成要素の数が、実質的に減少する。

Description

本発明は、請求項１の導入部分に記載される種類の階段状燃料火格子に関する。

この種類の階段状燃料火格子では、火格子ビームを有することが知られており、その火格子ビームは、ビームの長さに沿った温度差を埋め合わせ、それによりそのような温度差によって生じるその２つの端部間の幅の差を最小限に抑えるために、伝熱媒体をそこに通過させるようになされる。この種類の階段状燃焼火格子は、たとえば、主に一定のダクトの断面、すなわちダクト内の伝熱媒体の一定の流れを提供するために、伝熱媒体用のダクトの底部が階段状火格子の頂部に対応して階段状である、特許文献１から知られている。この構成を有するダクトを提供することは、比較的多数の個別部品を溶接によって組み立てることを意味し、比較的複雑で時間のかかる製造プロセスをもたらす。

特許文献２は、火格子のある程度の冷却をもたらすことに関与することがある、燃焼用空気をそこに通過させるようになされた階段状燃焼火格子を開示している。燃焼用空気を、火格子の下面と伝熱接触するために火格子の下面に沿って通過させた後に、火格子の頂部上の燃料内へと導入するために、火格子の下の燃焼用空気の封鎖部が提供される。伝熱媒体はいずれにしても、火格子の下を通過した後に続いて燃焼室内へと導かれるので、この文献において示される構造は、伝熱媒体すなわち燃焼用空気のある程度の漏れを許してしまう。

国際公開ＷＯ９６／２３１７４号公報 米国特許４，５６３，９５９号公報

この従来技術に基づくと、本発明の目的は、上記で述べた種類の階段状燃料火格子を提供することであり、それを用いると、製造中に互いに溶接するべき個別構成要素の数を減らすことができ、この目的は、前記種類の階段状燃焼火格子を用いて達成され、この階段状燃料火格子はまた、本発明によれば、請求項１の特徴部分において記載される特徴を備える。この構成を用いると、階段状火格子及び伝熱媒体用の封鎖部を提供するために、２つの主な構成要素のみが使用される。

本発明の別の目的は、火格子頂部の真下の主に一定の断面を通る伝熱媒体の循環を維持することであり、この目的は、前記種類の階段状火格子を用いて達成され、この階段状火格子はまた、本発明によれば、請求項２の特徴部分において記載される特徴を備える。この構成を用いると、火格子頂部の真下の伝熱媒体の流れが、この流れのための主に一定の断面を有することにより、階段状火格子ビームに沿って一定のレベルに維持される。

本発明のさらなる目的は、述べられた種類の階段状燃焼火格子を提供することであり、それを用いると、液体伝熱媒体を、好ましくは閉ループ内で循環させることが可能である。好ましくは、使用される液体伝達媒体は、水であり、閉ループ循環は、加圧下でもたらすことができる。

さらなる有利な特徴、本明細書の詳細部分から明らかになるであろうその効果は、従属請求項において記載される。

本明細書の以下の詳細部分において、図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。

本発明による燃焼火格子用の階段状火格子を示す側断面図である。 図１の階段状火格子を示す上面図である。 図１の階段状火格子を示す図１の線ＩＩＩ−ＩＩＩに沿った断面図である。

図１〜図３に示す階段状火格子ビーム１は、火格子頂部２を備え、この火格子頂部２は、その主に垂直に延びる部分内で溶接部１４によって互いに連結された、２つの別個の階段状火格子頂部プレート２Ａ及び２Ｂを備える。この２つの火格子頂部プレート２Ａ及び２Ｂの間に、溝１３が、階段状火格子ビーム１の下に位置決めされた１次空気室から１次空気を入れるための１次空気開口部を提供する。

伝熱媒体のための封鎖部４が、Ｕ字形プレート要素５Ａ及び５Ｂの形で設けられ、その側部は、階段状火格子頂部２Ａ及び２Ｂに対応する階段状に切断され、それぞれ火格子頂部プレート２Ａ及び２Ｂの下面に溶接され、２つのＵ字形プレート要素５Ａ及び５Ｂの間に空間を残し、１次空気用の１次空気開口部１３へのアクセスを提供する。火格子頂部プレート２の階段に対応する階段内に形成される、第１の分割プレート６は、伝熱媒体の流れのための主に一定の断面を火格子頂部２の真下に提供するために、封鎖部４の内側に位置決めされる。第１の分割プレート６の下の伝熱媒体用の封鎖部を入口室８と出口室９とに分割するために、階段状火格子ビーム１の２つの端部間の適当な位置にて、第２の分割プレート７が第１の分割プレート６の下に位置決めされる。入口室８は、伝熱媒体を封鎖部４へと供給するための入口連結部１０を備え、出口室９は、伝熱媒体を封鎖部４から排出するための、出口連結部１１を備える。図３に示すように、伝熱媒体用の２つの別個の封鎖部４Ａ及び４Ｂは、封鎖部４Ａからの出口連結部１１を封鎖部４Ｂの入口連結部１０へと互いに連結させることにより、直列に連結される。当然、入口連結部１０と出口連結部１１を連結させる他の方法を用いることができ、階段状火格子を横断して位置決めされたいくつかの階段状火格子ビーム１は、任意の都合の良いやり方で、並列及び直列に連結させることができる。

直列連結部１２は、温度変動によるある程度の膨張又は収縮を可能にするために、可撓性管によって設けられる。

図１に示す階段状火格子ビーム１は、水又は他の液体伝熱媒体を循環させるために使用されることが意図されており、水又は同様の液体伝熱媒体を封鎖部に充填する間に、封鎖部４の内側に存在し得る空気を除去するために、封鎖部４の内側で封鎖部４の上方部分から階段状火格子ビーム１の下の適当な位置へと延びる、管１６の形の空気逃しシステム１５が設けられる。管１６からの出口１７は、空気逃しシステム１５から空気を解放するために開かれる弁を備える。

図２を参照すると、階段状火格子ビーム１の外側面が、磨耗プレート３を備え、磨耗プレートは、階段状火格子ビーム１が階段状火格子内に位置決めされるときに、隣り合う階段状火格子ビーム１上の対応する磨耗プレートに対して摺動可能に当接するように位置決めされることが分かる。

上記で説明したような階段状火格子ビーム１を備える焼却又は燃焼プラントは、通常多数の火格子区画を備えることになり、火格子区画はそれぞれ、火格子頂部上の燃料の移動方向に斜め下方に延びる、複数の火格子ビームを有する。前記火格子区画はそれぞれ、本発明による階段状火格子ビーム１を備えることができ、前記階段状火格子ビーム１を通って循環する伝熱媒体を有する目的は、第１に、個々の階段状火格子ビーム１上の温度を均一にすることであり、第２に、そのような階段状火格子ビーム１を備える火格子区画上の温度を均一にすることである。伝熱媒体の循環のさらなる目的は、階段状火格子区画上の燃料の燃焼を制御するために、前記階段状火格子ビーム１の頂部上の燃料の、加熱又は冷却のいずれかを行うことであり得る。すなわち、内部で燃料物質が加熱され場合によっては乾燥される送入区画内では、階段状火格子ビーム１内に高温伝熱媒体を循環させることが有利となることがあるが、内部で燃料が燃焼させられる後続の火格子区画内では、より低温の伝熱媒体を循環させることが有利となることがある。これに関連して、封鎖部４内の圧力が水の沸騰を妨げるのに十分高く保たれることにより、水を沸騰させずに１００℃より高い温度で循環させることができるように、比較的高圧を維持するように構築される伝熱媒体用の封鎖部を有することが有利となることがある。さらに、いくつかの状況では、他のタイプの伝熱媒体を階段状火格子ビーム１内に循環させることが有利となることがあり、そのような伝熱媒体は、大気など様々な気体、水、伝熱油など様々なタイプの液体、又は水蒸気などを含む。

図面では、階段状火格子ビーム１が、それぞれ階段状火格子頂部２Ａ、２Ｂ、伝熱媒体４Ａ、４Ｂ用の２つの封鎖部などからなる、２つの火格子ビームモジュールを備えることを示す。図面に示すように、２つの火格子ビームモジュールＡ及びＢは、２つの異なる幅で設けられ、それら２つの幅を用いると、２つのモジュールＡ、２つのモジュールＡとＢ、及び２つのモジュールＢとＢをそれぞれ組み合わせることにより、３つの異なる幅の、結果的にもたらされる階段状火格子ビーム１を提供することができる。好ましい実施例では、モジュール幅Ａ及びＢは、約１７０ｍｍ及び１３０ｍｍとなるように選択され、それぞれ２６０ｍｍ、３００ｍｍ、及び３４０ｍｍの可能な階段状火格子ビーム幅をもたらす。このモジュール幅の選択を用いると、３つより多い階段状火格子ビーム１が前記火格子区画内に隣合せで設けられる限り、階段状火格子ビーム１を上記組合せの中から適当に選択することにより、火格子区画幅を４０ｍｍ以内に構築することができる。通常、隣合せで位置決めされる階段状火格子ビームは、火格子の頂部上の燃料を燃料室内で前方に、すなわち階段状火格子に沿って下向きに動かすために、交互に固定的及び移動可能となる。

上記で本発明を、図面で示すようなその特定の一実施例に関連付けて説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの修正形態を予想することができる。

Claims (9)

1. 焼却又は燃焼プラント用の階段状燃焼火格子であって、前記プラントが、１つ又は複数の火格子区画を備え、前記火格子区画が、前記火格子の頂部上の燃料の移動方向に斜め下方に延びる、複数の火格子ビーム（１）を有し、前記火格子ビーム（１）が、前記方向に下方へと階段状になる火格子頂部（２）を有し、且つ、外側面（３）を前記燃料火格子の幅をまたいで互いに密接に隣接させて配置され、互いに隣接する火格子ビーム（１）が、縦方向に相対的に往復運動可能であり、前記火格子ビーム（１）が、そこを通る可能な伝熱媒体の閉ループ通路に適合させられる階段状燃焼火格子において、前記伝熱媒体の前記封鎖部（４）が、１つ又は複数のＵ字形の屈曲プレート要素（５）によって設けられ、その側部が、前記階段状火格子頂部（２）に対応して階段状に切断され、前記火格子頂部（２）の下面に溶接されることを特徴とする、階段状燃料火格子。
2. 各伝熱媒体封鎖部（４）の内側に、第１の分割プレート（６）をさらに備え、前記第１の分割プレート（６）が、前記火格子頂部（２）に対応する段を備えて形成され、前記火格子頂部（２）の真下の伝熱媒体の流れのための主に一定の断面をもたらすように、前記火格子頂部（２）から一定の距離に位置決めされることを特徴とする、請求項１に記載の階段状燃焼火格子。
3. 前記封鎖部（４）の内側の前記第１の分割プレート（６）の下の容積を入口室（８）と出口室（９）に分割する、第２の分割プレート（７）をさらに備え、前記入口及び出口室（８、９）が、伝熱媒体を前記封鎖部（４）へと供給し前記封鎖部（４）から排出するための、前記第２の分割プレート（７）付近でその両側上に位置決めされた入口及び出口連結部（１０、１１）を備えることを特徴とする、請求項２に記載の階段状燃焼火格子。
4. 各火格子ビーム（１）が、２つの封鎖部（４Ａ、４Ｂ）を備え、前記封鎖部（４Ａ、４Ｂ）が、前記封鎖部（４Ａ、４Ｂ）を通る前記伝熱媒体の前記流れのために直列（１２）に連結されることを特徴とする、請求項１から３までのいずれかに記載の階段状燃焼火格子。
5. 各火格子ビーム（１）が、一連の縦に延びる溝（１３）の形の１次空気開口部（１３）を備え、前記１次空気開口部（１３）が、前記封鎖部（４Ａ、４Ｂ）の間に位置決めされて、前記火格子（１）の下の１次空気空間と連通し、且つ前記火格子頂部（２Ａ、２Ｂ）内の中央に位置決めされることを特徴とする、請求項４に記載の階段状燃焼火格子。
6. 前記溝（１３）が、前記火格子頂部（２Ａ、２Ｂ）の前記主に水平に延びる部分内に、好ましくはその前記水平に延びる部分の長さ全体にわたり設けられることを特徴とする、請求項５に記載の階段状燃焼火格子。
7. 各火格子ビーム（１）が、２つの火格子ビームモジュールにより設けられ、前記モジュールがそれぞれ、火格子頂部（２Ａ、２Ｂ）及び封鎖部（４Ａ、４Ｂ）を備え、溝（１３）の形の前記１次空気開口部（１３）を設けるように互いに対して位置決めされ、前記階段状火格子頂部（２Ａ、２Ｂ）の前記主に垂直の部分は、前記１次空気溝（１３）が前記火格子頂部（２Ａ、２Ｂ）の前記主に水平の表面内にのみ開くことを保証するために、溶接によって互いに連結されることを特徴とする、請求項１から６のいずれかに記載の階段状燃焼火格子。
8. 前記火格子ビームモジュールが、２つの幅Ａ及びＢで設けられ、それぞれＡ＋Ａ、Ａ＋Ｂ、及びＢ＋Ｂの組合せによって、３つの異なる幅の火格子ビーム（１）が提供されることを特徴とする、請求項７に記載の階段状燃料火格子。
9. 前記封鎖部（４）が、前記伝熱媒体の閉ループ循環をもたらすように構築されることを特徴とする、請求項１から８のいずれかに記載の階段状燃料火格子。

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