便宜性、移動性、効率性のために、種々の応用において、無線通信技術を提供することが、望ましいことがよくある。デバイスおよび/またはネットワークの間での、短距離と長距離の範囲の無線通信を提供する、いくつかの異なる無線技術が登場してきている。例えば、ブルートゥース無線技術が、PC、ラップトップ・コンピュータ、携帯情報端末および移動電話のような種々のデバイスの間での、短距離の範囲の無線通信を提供するために、開発されている。通信の範囲は、パーソナル・エリア・ネットワーク(PAN)を含んでいる。ブルートゥース技術は、無線信号を送信するために、周波数ホッピング・スペクトラム拡散(FHSS)方式を利用する。すなわち、搬送波は、特定の順番またはホッピング・パターンによって、多くの周波数チャネルの中で速やかに切り替えられる。通信デバイスは、共通クロックと周波数ホッピング・パターンに同期されている。これは、同様な周波数チャネルを利用している他のデバイスまたはネットワークとの干渉を避けるために、システムにおいて頑強性(robustness)を提供する。
他の例として、Wi−Fi(R)無線技術は、1つ以上のアクセス・ポイントにより取り扱われる、1つのホット・スポット内の、Wi−Fi対応のデバイスへの、長距離無線インターネット接続を提供するために、開発されてきている。通信の範囲は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)を含んでいるWi−Fi技術は、ホット・スポット内の全てのデバイスにより共有されている、一定の通信チャネルを利用する。セキュリィティのために、Wi−Fi技術は、Wi−Fi無線とアクセス・ポイント間で送信されるデータを保護するための、種々の暗号化技術を実施する。
これらの無線技術は、これらが意図した目的のために、一般的には十分であったが、全ての点において満足ではなかった。1つの例として、これらの無線技術は、無線チャネル上でデータを送信するために、比較的小さなバンド幅を提供する。そのため、チャネルのバンド幅と、信号対雑音比の対数とに比例する、可能であるデータ送信速度は、比較的小さなバンド幅により制限される。有線インターネット接続のための、ギガバイト・イーサネット(登録商標)技術の出現により、これらの、従来の無線技術の制限されたバンド幅は、利用可能な、非常に高速なデータ送信速度(例えば、1Gbpsまでの)の完全な利用を妨げる。
ウルトラ・ワイドバンド(ultra-wideband:UWB)技術は、送信データのための広帯域のRFスペクトラムを用いる、無線通信のために開発された。そのため、UWB技術は、他の無線技術との限定された干渉範囲を持ち、通信のために、より多くの利用可能なチャネルを含む。さらに、各々のUWBチャネルは、500MHzより大きなバンド幅を持ち得る。このようにして、UWB技術は、与えられた時間幅の中で、より多くのデータを送信することができる。しかしながら、UWBは、ギガバイト・イーサネット技術のような、高いバンド幅を必要とする技術および/または応用と共に用いるためには、今のところ、適していない。したがって、必要とされるのは、無線ローカル・エリア・ネットワークにおけるデータ送信速度を最大化するために、ウルトラ・ワイドバンド(ultra-wideband:UWB)リンク上で、イーサネット接続を提供するための装置と方法である。
方法と装置は、ウルトラ・ワイドバンド(ultra-wideband:UWB)通信システムにおけるイーサネット接続を提供するために提供される。方法は、イーサネットポートを介して外部ネットワークと結合されているアダプタを提供することと、UWBスペクトラム内の複数個の通信チャネルをアダプタによりモニタすることと、好ましい通信チャネル上に無線リンクを確立することと、無線リンク上でアダプタとUWB対応のデバイスの間でデータを交換することを含む。
装置は、UWBリンク上で、無線信号を送信し受信するRFトランシーバと、RFトランシーバのためにUWBスペクトラムにおける複数個の通信チャネルを構成するためのPHYレイヤと、PHYレイヤのためにアドレス指定とチャネル・アクセスのためのメカニズムを提供するための媒体アクセス制御(Media Access Control:MAC)レイヤと、UWBスペクトラムにおいて複数個の通信チャネルをモニタし、最小の使用量を持つ通信チャネル上の無線リンクを確立し、その無線リンク上でUWB対応のデバイスとデータを交換する、命令を持つメモリを含む。
さらに、イーサネットポートに接続し、電源信号を受信し、イーサネット接続に接続するように適合されているプラグと、イーサネット接続を介してデータを受信し、UWBリンクを介して送信するためのデータを処理するためにプラグに結合されているプロセッサと、UWBリンク上で、処理されたデータを送信するためのアンテナを含む装置が提供される。
本開示書は、付随する図と共に読まれると、以下の詳細な説明から最も良く理解される。業界における標準的な習慣に従って、種々の要素は、一定の比率に縮尺して描かれてはいないことが、強調される。実際には、種々の要素の大きさは、議論の明瞭さのために、任意に拡大され、減少され得る。さらに、全ての要素は、簡単化のために、全ての図面には、示され得ない。
図1Aは、本開示の種々の態様に従う、ウルトラ・ワイドバンド(ultra-wideband:UWB)リンク上でのイーサネットの接続を提供するシステムの透視図である。
図1Bは、図1Aのシステムに実装され得る、アダプタとイーサネットポートの透視図である。
図2は、UWBリンク上のイーサネット接続を提供するために、IP電話を利用する、代替システムの透視図である。
図3は、種々の有線および無線技術をサポートするための、ハードウェアとソフトウェアを含むラップトップ・コンピュータの単純化されたダイアグラム図である。
図4Aは、UWBシステムにおける複数個の周波数バンドの、ダイアグラム図である。
図4Bは、UWBチャネル上に送信されている、複数個の連続したスーパーフレームの、ダイアグラム図である。
図5は、図1と2のシステムに実施され得るUWBリンク上で、イーサネット接続を提供するための方法のフローチャートである。
詳細な説明
本発明は、一般的には、送信と暗号化システムに関わる。しかしながら、以下の開示が、本発明の異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施例、または、実例を提供することが理解される。構成要素と配置の特定の例が、本発明を単純化するために、以下に説明される。これらは、もちろん、単に、例であり、限定することを意図されてはいない。
図1Aを参照すると、システム10は、本開示の1つ以上の実施例からの利益を得られる、通信ネットワークの例である。システム10は、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)および/または無線パーソナル・エリア・ネットワーク(WPAN)を含む。システム10は、ウルトラ・ワイドバンド(ultra-wideband:UWB)として実施され得る。UWBシステムは、各々が528MHzのバンド幅を持つ、14のバンドに分割されている、3.1GHzから10.6GHzの間の、免許が不要である周波数スペクトラムを利用する。従って、UWBシステムは、1Gbpsの、または、短距離(例えば、数メートル)無線通信ではさらに速い、データ通信スピードを提供することができる。
UWBシステムは、情報の送信のために、直交周波数分割多重(OFDM)方式を利用し得る。OFDMは、各々の副搬送波が他の副搬送波と直交するように、搬送波の間隔が選択される、無線の複数搬送波変調の方式の1つである。この直交性は、隣接チャネルの干渉を避け、復調器が、それ自身以外の周波数を見ることを防げる。OFDM信号は、複数個の副搬送波を含み、各々の副搬送波は、従来の変調方式(例えば、直交振幅変調)により変調される。開示された実施例のUWBシステムにおいて、OFDM信号は、バンドごとに使用され、この中で、100個がデータ副搬送波であり、12個がパイロット情報であり、10個がガード・トーンであり、6個が情報を伝えない無効(null)トーンである、128個の副搬送波(また、トーンとも呼ばれる)を含む。
システム10は、有線ギガバイト・イーサネットポート14a、14bに各々が直接、結合されている1つ以上のイーサネット・アダプタ12a、12bを含む。イーサネットポート14a、14bは、インターネットのようなネットワーク16との接続を提供する。イーサネットポート14a、14bは、データを交換するために、送信制御プロトコル/インターネット・プロトコル(TCP/IP)を利用する。TCP/IPは、当該分野では既知であり、従って、ここにおいて、詳しくは説明されない。イーサネットポート14a、14bは、1Gbpsまでのデータ送信速度を提供するように構成される。また、イーサネットポート14a、14bは、アダプタ12a、12bに電力を供給するために、電力供給の接続を提供するので、従って、アダプタへの追加の配線は必要とされない。アダプタ12a、12bは、高速無線インターネット接続によりローカル・エリア18をカバーするために、UWBリンク上でイーサネット接続をブリッジする。開示された実施例は、UWBリンク上のギガバイト・イーサネット接続を開示するが、アダプタは、広いバンド幅を必要とする将来技術の無線接続を提供するために、代わりに使用され得ることが理解される。
開示された実施例において、アダプタ12a、12bは、ローカル・エリア18(例えば数メートル)内にある、ラップトップ・コンピュータ20への無線インターネット接続を提供する。1つのラップトップ・コンピュータ20が示されるが、アダプタ12a、12bは、ローカル・エリア18内の1つ以上のラップトップ・コンピュータおよび/またはデスクトップ・コンピュータへの、無線インターネット接続を提供し得ることが理解される。アダプタ12a、12bは、UWB周波数スペクトラム内の無線チャネル上のラップトップ・コンピュータと、22a、22bのように通信する。ラップトップ・コンピュータ20は、以下に説明されるように、そのUWBリンク上のTCP/IPスタックにより、起動される。アダプタ12a、12bは、ラップトップ・コンピュータ20 のような、UWB対応のデバイスからの、および、宛の、OFDM変調データの無線による送信および/または受信のために、UWBトランシーバを含む。UWBトランシーバは、無線周波数(RF)トランシーバを提供するチップとして、インプリメントされ得る。アダプタ12a、12bは、さらに、1Gbpsまでのデータ送信速度が可能な、ベースバンドの物理(PHY)レイヤを含む。アダプタ12a、12bは、さらに、PHYレイヤのための、ネットワーク・タイミング、アドレッシング、および、チャネル・アクセス制御メカニズムを提供するために、媒体アクセス制御(MAC)レイヤを含む。PHYとMACレイヤは、WiMediaまたはECMA−368/369のような標準に従って構成され得る。PHYとMACレイヤは、集積回路(IC)において結合され得る。アダプタ12は、さらに、MACレイヤが、TCP/IPプロトコル・スタックのインターフェイスとなることを許可する適合化レイヤを含む。そのため、アダプタ12a、12bは、ギガバイト・イーサネットポート14a、14bにより提供される、高いデータ転送速度を利用することができる。これらの種々の構成要素は、WiQuest Communications、 Inc.、915 Enterprise Blvd., Suite 200,Allen、TX、75013において、入手できるチップセットにおいて、提供され得る。
システム10は、ローカル・エリア18において、UWBスペクトラムで、ラップトップ・コンピュータ20 と無線により通信する、他のUWB対応のデバイスを含み得る。たとえば、ディスプレイ・デバイス30は、UWBリンク32上で、ラップトップ・コンピュータ20と無線通信し得る。そのため、ラップトップ・コンピュータ20は、UWBリンク32上で、ディスプレイ・デバイス30に動画信号を送信するように構成される。さらに、ローカル・エリア18は、さらに、UWBスペクトラムと重なる、免許を受けた、および、免許の必要のない周波数バンドにおいて動作する、他の型式の無線技術によりサポートされ得ることが理解される。従って、アダプタ12は、どのチャネルが、最も少ないトラフィック、または、使用量を持つかを、決定するために、UWBスペクトラムにおける利用可能なチャネルをモニタするためのファームウェアを含む。アダプタ12は、後述されるように、スループットを最大化するために、チャネルを切り替え、ラップトップ・コンピュータ20に、その切り替えを知らせ得る。
図1Bを参照すると、図示されているのは、図1Aの有線ギガバイト・イーサネットポート14に接続するための、アダプタ40の透視図である。例えば、オフィスビルのような建物では、オフィスの至る所に配置された、多くのイーサネットポート14を含み得る。アダプタ40は、通信範囲内のUWB対応のデバイスへの、UWBリンク上の無線イーサネット接続を提供する。イーサネットポート14は、壁のコンセント42に配置され、上述のネットワーク16(図1A)に接続するためのメス・ジャックのようなコネクタ44を含み得る。アダプタ40は、壁のコンセント42のコネクタ44と一体となる(50)ように構成された、オス・プラグのようなコネクタ48を持つハウジング46を含み得る。アダプタ40は、第1のフォーマットで、イーサネットポート14からデータを受信し、また、UWBリンク上で送信するのに適している、第2のフォーマットにデータを処理し、変換するために、プロセッサ52を含み得る。UWBリンク上のデータ送信は、暗号化または他の適切な技術により、安全にし得る。さらに、プロセッサ52は、UWBリンク上で、UWB対応のデバイスからデータを受信し得るし、ネットワーク16(図1A)上に送信するために、データを処理し変換し得る。プロセッサ52は、上記のPHYとMACレイヤを含み得る。アダプタ40は、さらに、UWBリンク上でデータを送信する、アンテナ56に結合されたRF無線54を含む。さらに、電力信号が、また、プロセッサ52と無線54に対して、イーサネットポート14により提供される。そのため、アダプタ40は、電力接続のための追加の配線を必要としない。
図2を参照すると、図示されているのは、IP電話202を利用する、イーサネット接続を提供する代替システム200の透視図である。図1と図2における同様の要素は、単純化と明瞭さのために、同じ番号付けをされている。IP電話202は、インターネット・プロトコル上の音声(Voice over Internet Protocol:VoIP)技術をサポートするために、ハードウェアとソフトウェアにより構成される。VoIPは、業界において知られているので、ここにおいては、詳細には説明されない。IP電話202は、有線ギガバイト・イーサネットポート14のような、有線イーサネットポートに接続するための、イーサネット・コネクタを含む。有線ギガバイト・イーサネットポートは、インターネットのような、ネットワークに結合される。IP電話202は、さらに、図1のイーサネット・アダプタ12と同様な、TCP/IP対応のUWBブリッジを含む。このように、IP電話202は、1Gbpsまでのデータ通信速度で、UWBリンク204上の無線インターネット接続を提供することができる。IP電話202は、一般には、IP電話のUWB無線が、ラップトップ・コンピュータ20の近くにあるようにするために、机206の上に配置される。そのため、IP電話202は、ラップトップ・コンピュータ20に、より信頼性がある、より良い無線接続を提供する。
図3を参照すると、USB,Edge、WiFi、イーサネットおよびUWBを含む、複数の技術をサポートする、ハードウェアとソフトウェアを含むラップトップ・コンピュータ300の、単純化されたダイアグラム図が示されている。ラップトップ・コンピュータ300は、図1と2のシステムにおいて利用され得る。ラップトップ・コンピュータ300は、ラップトップ・コンピュータの種々の構成要素を調整し、制御するために、オペレーティング・システム(OS)/アプリケーション302を含む。例えば、ラップトップ・コンピュータ300 は、キーボード、マウス、プリンタ、スキャナおよび他のUSBデバイスのような、種々の周辺装置とインターフェイスを取り、接続するために、USBポート304を含む。USBポート304は、USBコントローラ、またはルータ306に結合され得る。開示されている実施例において、ラップトップ・コンピュータ300は、USBポート304を介して接続されている、プリンタ(示されない)を動作するためのプリンタ・ドライバ308のような、種々のデバイス・ドライバを含む。
ラップトップ・コンピュータ300は、さらに、有線ギガバイト・イーサネット技術を介して、インターネットのようなネットワークとインターフェイスを取り、接続するためのイーサネットポート310を含む。そのため、ラップトップ・コンピュータ300は、さらに、TCP/IP標準プロトコルにおけるデータ交換をサポートするために、TCP/IPスタック312,314を含む。ラップトップ・コンピュータ300は、さらに、業界において既知の、Edge技術とWiFi技術を用いた無線通信をサポートするために、Edgeサブシステム320とWiFiサブシステム322を含み得る。EdgeとWiFiサブシステム、320、322は、ラップトップ・コンピュータ300に、無線インターネット接続を提供するために、TCP/IPスタック312,314にリンクされている。しかしながら、これらの無線技術は、制限されたバンド幅を持つので、したがって、これらの技術のデータ送信速度は、ギガバイト・イーサネット技術により提供される、利用可能な速度より、はるかに遅い。
ラップトップ・コンピュータ300は、図1Aのイーサネット・アダプタ12、図1Bのアダプタ・プラグ40、または、図2のIP電話202と無線通信するために、UWBサブシステム330を、さらに含む。前に説明されたように、イーサネット・アダプタとIP電話は、インターネットへの接続を提供する、有線ギガバイト・イーサネットポートに結合され得る。イーサネット・アダプタとIP電話は、USBスペクトラムにおける無線チャネル上で、1Gbpsまでのデータ送信速度を、提供するように構成されている。UWBサブシステム330は、拡張スロットに挿入される、アドイン基板を介してラップトップ・コンピュータに接続し得る。UWBサブシステム330は、アダプタまたはIP電話から、および、に対してOFDM変調データを、無線により受信および/または送信するためのRFトランシーバを含む。UWBサブシステム330は、さらに、図1Aのイーサネット・アダプタについて説明されたそれとは、類似であり得る、PHYとMACレイヤを含む。UWBサブシステム330は、ラップトップ・コンピュータ300がUWBリンク上での無線インターネット接続ができるように、TCP/IPスタック312,314とリンクされている。このように、ラップトップ・コンピュータ300は、ストリーム・ビデオのような応用、または、広いバンド幅を必要とする他の応用のために、ギガバイト・イーサネット技術の高いデータ送信速度の全てを、利用し得る。また、UWBサブシステム330は、ラップトップ・コンピュータが、UWBリンクに結合されるか、起動される、USBデバイスを制御し、操作し得る、技術分野において知られている無線USBドライバ332に、リンクされ得る。
図4Aと4Bを参照すると、それぞれに図示されるのは、UWB対応のデバイスの間での、通信のために利用可能な、UWBシステムにおける複数個の周波数バンドと、UWBシステム内で、無線チャネル上に送信されている、複数個の連続したスーパーフレームの、ダイアグラム図である。図4Aにおいて、PHYレイヤは、UWBスペクトラム400が、各々のバンドが528MHzのバンド幅を持つ、14個のバンド401−404に分割されることを提供する。14個のバンドは、さらに、4個のバンド・グループは各々が3個のバンドを含み、1個のバンド・グループは2個のバンドを含む、5個のバンド・グループに定義される。4個のバンド・グループの各々の第1の中では、PHYレイヤが、時間周波数インターリーブ(TFI)を用いる4個の時間周波数コード(TFC)、および、固定周波数インターリーブ(FFI)を用いる3個のTFCを定義し、このように、PHYレイヤは、バンドごとに7個までのチャネルのサポートを提供する。5番目のバンド・グループにおいて、PHYレイヤは、FFIを使用する2個のTFCを定義する。従って、全部で30のチャネルが、PHYレイヤにおいて特定される。そのため、UWBシステムは、他の無線技術との限定された干渉範囲を持ち、通信のためにより多くの利用可能なチャネルを含む。前に説明されているように、UWBシステムは、情報を送信するために、直交周波数分割多重(OFDM)方式を利用する。OFDM信号は、バンドごとに使用され、100個はデータ・サブ・キャリアであり、12個はパイロット情報のためであり、10個はガード・トーンであり、6個は情報を搬送しない無効(null)トーンである、128個のサブ・キャリア(また、トーンとも呼ばれる)を含む。
図4Bにおいて、連続したスーパーフレーム(例えば、N−1、N,N+1等)450は、UWBスペクトラムにおける、チャネル455上の期間にわたって、送信されることが示される。MACレイヤにより提供されるように、スーパーフレームは、UWBシステムにおけるデバイス間での、フレーム送信を調整するために使用される、周期的な時間間隔である。各々のスーパーフレームは、各々の時間スロットが256μsの継続時間を持つ、全体で256個の時間スロット(さらに、媒体アクセス・スロット(MAS)として呼ばれる)を含む。各々のスーパーフレームは、通信デバイスがお互いに同期を取る、いくつかの時間スロットを占める、ビーコン期間460から始まる。すなわち、ピコネット内で通信する、全てのデバイスは、お互いにビーコン期間の開始時刻465の同期を取らなければならない。ビーコン期間は、さらに、UWBシステムにおける種々のデバイスの、時間スロットの予約(例えば、分散予約プロトコル(distributed reservation protocol:DRP))を生成するために、また、情報要素(IE)を使用する、管理および制御情報を伝えるために、使用される。ビーコン期間の次に、データ送信が生じるデータ期間470が続く。
開示された実施例において、図1Aのイーサネット・アダプタ12、図1Bのアダプタ・プラグ40、または、図2の電話202は、図3のラップトップ・コンピュータ300のような、無線範囲内のUWB対応のデバイスとの通信を調整するために、各々のスーパーフレーム450の最初に、ビーコン期間460を送信し得る。ビーコン期間460は、管理および制御情報と同様に、データ期間において、どの時間スロットが、ラップトップ・コンピュータ に、または、からデータを送信し、受信するために、予約され得るかに関する情報を含む。さらに、アダプタは、トラフィックまたは使用のために他のチャネルをモニタするために、UWBシステムをスキャンするいくつかの時間スロットを予約することができる。ラップトップ・コンピュータは、そのビーコン期間460を、選択したチャネルにおけるアダプタのビーコンと同期し得る。そのため、アダプタとラップトップ・コンピュータの間のデータ交換(データ期間470の間の)は、選択されたチャネル上で、開始することができる。
図5を参照すると、図示されているのは、図1Aのイーサネット・アダプタ12、図1Bのアダプタ・プラグ40、または、図2のIP電話202のUWBブリッジにより実施され得る、UWBリンク上で無線イーサネット接続を提供するための、方法500のフローチャートである。方法500は、MACレイヤと共に提供されるファームウェアとして実施され得る。方法500は、アダプタが、UWBシステム内の複数個のチャネルから、UWBリンク上で通信するために、好ましいチャネルを決定する、ステップ502から開始する。好ましいチャネルは、種々の要因から選択され得る。例えば、好ましいチャネルは、使用またはトラフィックが最小量であるチャネルとして選択され得る。あるいは、好ましいチャネルは、良好な信号対雑音比のチャネルとして選択され得る。さらに、好ましいチャネルは、要因の組み合わせとして選択され得る。方法500は、アダプタが、前のステップ502から決定された、好ましいチャネル上に、UWBリンクを確立する、ステップ504として継続する。そのため、アダプタは、そのUWBリンクおよび/または他のUWB対応のデバイス上に、ラップトップ・コンピュータとの無線接続を確立し、好ましいチャネル上で、データの交換(例えば、TCP/IP)を開始する。
方法500は、アダプタが、データ送信のためのチャネルを、切り替えるかどうかを決定するために、複数個のチャネルを周期的にモニタする、ステップ506において継続する。アダプタは、他のチャネルが、UWBリンクのために好ましいかどうかを決定するために、他の利用可能なチャネル全てから聞くために、データ期間において、いくつかの時間スロットを予約し得る。「NO」の場合には、方法500は、アダプタが、現在のチャネル上のデータ通信を継続する、ステップ508を継続する。
「YES」の場合には、方法500は、アダプタが好ましい新たなチャネルへと切り替えるステップ510を継続し、切り替えメカニズムによる切り替えを、ラップトップ・コンピュータに通知する。例えば、アダプタは、現在のチャネル上に送信されたビーコン期間における、チャネル変更の情報要素(IE)を含み得る。チャネル変更IEは、新たなチャネルの番号を含む。また、アダプタは、さらに、それが新たなチャネルに切り変える前の、スーパーフレームの残数のための、チャネル変更のカウントフィールドを含み得る。そのため、チャネル変更のカウントフィールドは、以下の、各々の継続したスーパーフレーム1つごとに、減じられる。カウントフィールドが0に到達すると、方法500は、アダプタがUWBリンクを確立し、次のスーパーフレーム上の新たなチャネル上でのデータ送信を開始する、ステップ504を繰り返す。
各々の上記の構成要素は、コンピュータ・ソフトウェア、電気的なロジック、または、これらの組み合わせとして、実施され得る。また、構成要素は、図においては別々に示されているが、いくつかの実施例において、無線リンクのどちらかの側の、1つ以上の構成要素は、1つの集積回路デバイスに、または、デバイスのグループに、結合させられ得る。
従って、提供されるのは以下である。
本開示は、好ましい実施例に関連して説明された。この開示書を読んだ後にだけ、当業者にとって明白になる、改善と修正は、この出願の精神と範囲の中に入るとみなされる。いくつかの修正、変更と置換は、これまでの開示において、意図されているし、いくつかの例において、いくつかの発明の要素は、他の要素の対応する使用なしに、使用され得ることが理解される。従って、添付された請求項は、広く、本発明の範囲に矛盾しない仕方で、解釈されることを理解していただきたい。
いくつかの、これらの、および、他の実施例からは異なる利点が存在する。1Gbpsまでのデータ送信速度における無線インターネット接続を提供することに加えて、ここに開示されたUWBシステムは、通信のためにより多くの無線チャネルが利用可能であるため、他の無線技術との限定された干渉範囲を持ち、従って、チャネルを共有する必要がない。また、無線イーサネット・アダプタは、アダプタがイーサネットポートを介して電源を投入され得るために、低電力のCMOS集積回路を含む。