JP2010536365A5 - - Google Patents

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JP2010536365A5
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NAALADL2は、新規なII型膜タンパク質であり、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)ファミリーに属する。前立腺特異的膜抗原(PSMA)と呼ばれるGCPIIの前立腺形態は前立腺癌において発現し、PSMAレベルの増大は、PCの進行とHRPCとに関連する(Rajasekaran AK et al., Am J Physiol Cell Physiol 2005 288: C975-81.及びMurphy GP et al., Prostate 2000 42: 145-9.)。そのPSMAとの相同性と、その類似する発現パターンとを考慮すると、NAALADL2は「PSMA2」と呼ぶべきである。PSMAはFDAに承認された前立腺癌造影剤である111In標識7E11モノクローナル抗体(Prostascint、Cytogen、Princeton、NJ)の標的である。PSMAは、PSMAを発現する細胞への造影剤又は治療薬の特異的送達を目的とする臨床試験にある、J591等のモノクローナル抗体により標的とされる(Murphy GP et al., Prostate 2000 42: 145-9.及びHolmes EH, Expert Opin Investig Drugs 2001 10: 511-9.)。腫瘍マーカーとしてのその特徴に加えて、PSMAは、その基質がポリ−γ−グルタミン酸型葉酸を含む、GPC活性を有する(Zhou J et al., Nature Review Drug Disc 2005 4: 1015-26.)。PSMAの酵素活性はプロドラッグの設計のために利用することができ、該プロドラッグでは薬剤の不活性なグルタミン酸型形態が選択的に切断されることにより、PSMAを発現する細胞でのみ活性化される(Denny WA et al., Eur J Med Chem 2001 36: 577-95.)。しかし、PSMAが前立腺癌の進行とどのように関連するのかは全く未知であり、PSMAの機能又は活性それ自体を標的とする可能性はさらに未知である。
本発明は、患者由来の生体試料中のPKIB及びNAALADL2の発現レベルを決定することにより、被験体における前立腺癌に対する素因を診断又は決定する方法を特徴とする。正常対照レベルと比較した該遺伝子のいずれかの発現レベルの増大は、被験体が前立腺癌を患っているか、又は発症するリスクを有することを示す。
本発明は、特定の配列(特に、配列番号16、配列番号17及び配列番号19)を含む二本鎖分子が前立腺癌細胞の細胞増殖を阻害するのに有効であるという発見に、少なくとも部分的に基づく。具体的には、PKIB遺伝子及びNAALADL2遺伝子を標的とする低分子干渉RNA(siRNA)が、本発明により提供される。
本発明の別の態様は、本発明の二本鎖分子又はベクターの少なくとも1つを含有する癌を治療する組成物に関する。代替的に、本発明は、前立腺癌を治療又は防止する化合物をスクリーニングする方法であって、PKIBタンパク質又はNAALADL2タンパク質を発現する細胞と試験化合物を接触させる工程と、続いてPKIBタンパク質又はNAALADL2タンパク質の発現レベルを低減する試験化合物を選択する工程とを含む、方法をさらに提供する。さらに、本発明は、前立腺癌を治療又は防止する化合物をスクリーニングする方法であって、PKIBとタンパク質キナーゼA触媒サブユニット(PKA−C)との間の結合が検出される、方法を提供する。PKIBとPKA−Cとの間の結合を阻害する化合物は、前立腺癌の症状を低減することが期待される。さらに本発明は、癌を検出する抗体をスクリーニングする方法であって、NAALADL2が細胞表面で検出される、方法を提供する。NAALADL2を認識した抗体が、前立腺癌を検出するために使用される。
[請求項1001]
細胞に導入した場合にPKIB又はNAALADL2のin vivo発現、及び細胞増殖を阻害する単離二本鎖分子であって、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、二本鎖分子。
[請求項1002]
前記センス鎖が、配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項1001に記載の二本鎖分子。
[請求項1003]
ヌクレオチド数約19〜約25の長さを有する、請求項1002に記載の二本鎖分子。
[請求項1004]
介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項1002に記載の二本鎖分子。
[請求項1005]
下記一般式を有する、請求項1004に記載の二本鎖分子:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
[請求項1006]
請求項1001に記載の二本鎖分子を発現するベクター。
[請求項1007]
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項1006に記載のベクター:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
[請求項1008]
PKIB遺伝子又はNAALADL2遺伝子を過剰発現する細胞において該遺伝子の発現を阻害する少なくとも1つの単離二本鎖分子を投与する工程を含む、癌を治療する方法であって、該二本鎖分子が、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、方法。
[請求項1009]
前記センス鎖が配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項1008に記載の方法。
[請求項1010]
前記二本鎖分子が、ヌクレオチド数約19〜約25の長さを有する、請求項1009に記載の方法。
[請求項1011]
前記二本鎖分子が、介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項1008に記載の方法。
[請求項1012]
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項1011に記載の方法:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
[請求項1013]
前記二本鎖分子がベクターによりコードされる、請求項1008に記載の方法。
[請求項1014]
前記ベクターによりコードされる前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項1013に記載の方法:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
[請求項1015]
治療すべき前記癌が前立腺癌又はホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項1008に記載の方法。
[請求項1016]
PKIB又はNAALADL2の発現を阻害する少なくとも1つの単離二本鎖分子を含む、癌を治療するための組成物であって、該二本鎖分子が、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、組成物。
[請求項1017]
前記センス鎖が配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項1016に記載の組成物。
[請求項1018]
前記二本鎖分子が、約19ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドの長さを有する、請求項1017に記載の組成物。
[請求項1019]
前記二本鎖分子が、介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項1016に記載の組成物。
[請求項1020]
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項1019に記載の組成物:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖配列であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
[請求項1021]
前記二本鎖分子が、ベクターによりコードされ、かつ前記組成物中に含有される、請求項1016に記載の組成物。
[請求項1022]
前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項1021に記載の組成物:
5’−[A]−[B]−[A’]−3’
式中、[A]は配列番号16、配列番号17及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
[請求項1023]
治療すべき前記癌が前立腺癌又はホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項1016に記載の組成物。
[請求項1024]
(a)以下:
(i)配列番号1、配列番号3又は配列番号5に対応する配列を含むmRNAを検出すること、
(ii)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質を検出すること、及び
(iii)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質の生物活性を検出すること、
から成る群から選択される方法のいずれか1つにより被験体由来の生体試料中における遺伝子の発現レベルを決定する工程と、
(b)該遺伝子の正常対照レベルと比較した前記発現レベルの増大を、前立腺癌と関連づける工程と、
を含む、前立腺癌を診断する方法。
[請求項1025]
前記前立腺癌がホルモン不応性前立腺癌又は去勢抗性前立腺癌である、請求項1024に記載の方法。
[請求項1026]
前記発現レベルが前記正常対照レベルより少なくとも10%大きい、請求項1024に記載の方法。
[請求項1027]
前記発現レベルが、前記被験体由来の生体試料の遺伝子転写産物へのプローブのハイブリダイゼーションを検出することにより決定される、請求項1024に記載の方法。
[請求項1028]
前記ハイブリダイゼーション工程がDNAアレイ上で実施される、請求項1027に記載の方法。
[請求項1029]
前記発現レベルが、前記配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質に対する抗体の結合を検出することにより決定される、請求項1024に記載の方法。
[請求項1030]
前記抗体が、配列番号32、配列番号33又は配列番号34から成るポリペプチドと結合する、請求項1029に記載の方法。
[請求項1031]
前記被験体由来の生体試料が、生検材料、痰、血液又は尿を含む、請求項1024に記載の方法。
[請求項1032]
配列番号33又は配列番号34のアミノ酸配列を含むタンパク質と結合する抗体。
[請求項1033]
配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質と結合する抗体を含む、前立腺癌を検出するための組成物。
[請求項1034]
前記抗体が配列番号32、配列番号33又は配列番号34と結合する、請求項1033に記載の組成物。
[請求項1035]
a)試験化合物を、PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程と、
b)前記ポリペプチドと前記試験化合物との間の結合活性を検出する工程と、
c)前記ポリペプチドと結合する前記試験化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
[請求項1036]
a)試験化合物を、PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程と、
b)工程(a)の該ポリペプチドの生物活性を検出する工程と、
c)該試験化合物の非存在下で検出される該ポリペプチドの該生物活性と比較して、該PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされる該ポリペプチドの該生物活性を抑制する該試験化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
[請求項1037]
前記生物活性が細胞増殖の促進又はPKA−C核内蓄積活性である、請求項1036に記載の方法。
[請求項1038]
a)候補化合物を、PKIB又はNAALADL2を発現する細胞と接触させる工程と、
b)前記試験化合物の非存在下で検出される前記発現レベルと比較して、PKIB又はNAALADL2の発現レベルを低減する前記候補化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
[請求項1039]
a)候補化合物を、ベクターが導入されている細胞と接触させる工程であって、該ベクターが、PKIB又はNAALADL2の転写調節領域と該転写調節領域の制御下で発現するレポーター遺伝子とを含む、接触させる工程と、
b)前記レポーター遺伝子の発現又は活性を測定する工程と、
c)対照と比較して、前記レポーター遺伝子の発現レベル又は活性レベルを低減する候補化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
[請求項1040]
a)試験化合物の存在下で、PKIBポリペプチド又はその機能的等価物を、PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と接触させる工程と、
b)前記ポリペプチド間の結合を検出する工程と、
c)前記ポリペプチド間の結合を阻害する前記試験化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
[請求項1041]
前記PKIBポリペプチドの機能的等価物が、配列番号31から成るポリペプチドを含む、請求項1040に記載の方法。
[請求項1042]
前記PKA−Cポリペプチドの機能的等価物が、PKIB結合ドメインのアミノ酸配列を含む、請求項1040に記載の方法。
[請求項1043]
(a)試験化合物の存在下で、PKIBポリペプチド又はその機能的等価物と、PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と、Aktとを、該PKIBポリペプチドによるAktのリン酸化に適した条件下で、インキュベートする工程と、
(b)前記Aktのリン酸化レベルを検出する工程と、
(c)工程(b)で測定される該Aktの該リン酸化レベルを対照レベルと比較する工程と、
(d)該対照レベルと比較して該Aktの該リン酸化レベルを減少させる化合物を選択する工程と、
を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
[請求項1044]
前記Aktのリン酸化レベルが、配列番号35のアミノ酸配列の473位のセリン残基において検出される、請求項1043に記載の方法。
[請求項1045]
前記PKIBポリペプチド又はその機能的等価物と、前記PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と、Aktとが、細胞において発現され、該細胞又はその可溶化物を試験化合物と接触させることにより試験化合物の存在下でインキュベートされる、請求項1043に記載の方法。
[請求項1046]
前記前立腺癌がホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項1035、1036、1038、1039、1040及び1043のいずれか一項に記載の方法。
半定量RT−PCRにより、同様にマイクロダイセクションされた正常な前立腺上皮細胞(NPmix)、正常な前立腺の全組織、及び重要な器官(心臓、肺、肝臓及び腎臓)と比較して、HRPC細胞中ではPKIBの過剰発現が確認された(5/5)が、HSPC細胞では確認されなかったことを示す図である。ACTBを、各々のcDNA含有量を定量するために使用した。 PKIBの発現についての多組織ノーザン(MTN)ブロット分析により、ヒト成体の器官のうち、胎盤では約1.5kbのバンドが示されたが、重要な器官(心臓、肺、肝臓及び腎臓)では示されなかったことを示す図である。PKIBの発現についてのノーザンブロット分析は、幾つかのPC細胞株(22Rv1及びPC−3)がPKIBを強く発現するのに対して、他の正常な成体の器官はPKIBを発現しないことを示した。 PC組織についての免疫組織化学的分析を示す図である。前立腺上皮内新生物(PIN)が、PKIBについての弱い染色(+)を示した。 PC組織についての免疫組織化学的分析を示す図である。Gleasonグレードが3のPCは弱い染色(+)を示したが、正常な前立腺上皮(N)は陰性の染色を示した。 PC組織についての免疫組織化学的分析を示す図である。Gleasonグレードが5のPCは、PKIBについての強い陽性の染色(+++)を示した。 PC組織についての免疫組織化学的分析を示す図である。HRPCも、PKIBについての強い陽性の染色(+++)を示した。 半定量RT−PCRにより、同様にマイクロダイセクションされた正常な前立腺上皮細胞(NPmix)、正常な前立腺の全組織、及び重要な器官(心臓、肺、肝臓及び腎臓)と比較して、HRPC細胞中においてNAALADL2の過剰発現が確認された(7/11)ことを示す図である。ACTBを、各々のcDNA含有量を定量するために使用した。 NAALADL2の発現についてのMTNブロット分析により、ヒト成体の器官のうちPC細胞株でのみ約10kb、6kb及び5kbの3本のバンドが示されたが、重要な器官(心臓、肺、肝臓及び腎臓)では示されなかったことを示す図である。 PC細胞の増殖に及ぼすPKIB−siRNAの効果を示す図である。RT−PCRにより、22Rv1細胞(左)及びLNCaP(HP)細胞(右)において、si1及びsi2によるPKIB発現に及ぼすノックダウン効果が確認されたが、si3及び陰性対照siEGFPによっては確認されなかった。ACTBを、RNAを定量するために使用した。 PC細胞の増殖に及ぼすPKIB−siRNAの効果を示す図である。表示したPKIBに対するsiRNA発現ベクター(si1、si2及びsi3)と、陰性対照ベクター(siEGFP)とでトランスフェクトした22Rv1細胞(左)及びLNCaP(HP)細胞(右)の各々のMTTアッセイ。ジェネテシンと共に20日間インキュベートした後で、SD(標準偏差)を示すエラーバーと共に各平均値をプロットする。Y軸のABSは、マイクロプレートリーダーで630nmを基準として測定した、490nmでの吸光度を意味する。これらの実験は、三連で実施した。22Rv1細胞(左)及びLNCaP(HP)細胞(右)においてsi1及びsi2でトランスフェクトすると、ノックダウン効果が観察されないsi3及びsiEGFPと比較して、生細胞数の劇的な低減がもたらされた(P<0.01、スチューデントのt検定)。 PC細胞の増殖に及ぼすPKIB−siRNAの効果を示す図である。表示したPKIBに対するsiRNA発現ベクター(si1、si2及びsi3)と、陰性対照ベクター(siEGFP)との各々でトランスフェクトした22Rv1細胞(左)及びLNCaP(HP)細胞(右)のコロニー形成アッセイ。ジェネテシンと共に20日間インキュベートした後で、細胞を、0.1%のクリスタルバイオレットでの染色で可視化した。 PC細胞の増殖に及ぼすNAALADL2−siRNAの効果を示す図である。RT−PCRにより、22Rv1細胞における、si#690によるNAALADL2の発現に及ぼすノックダウン効果が確認されたが、si#913、si#1328及び陰性対照siEGFPによっては確認されなかった。ACTBを、RNAを定量するために使用した。 PC細胞の増殖に及ぼすNAALADL2−siRNAの効果を示す図である。表示したNAALADL2に対するsiRNA発現ベクター(si#690、si#913及びsi#1328)と、陰性対照ベクター(siEGFP)とでトランスフェクトした22Rv1細胞の各々のMTTアッセイ。ジェネテシンと共に20日間インキュベートした後で、SD(標準偏差)を示すエラーバーと共に各平均値をプロットする。Y軸は、マイクロプレートリーダーで630nmを基準として測定した、490nmでの吸光度を意味する。これらの実験は、三連で実施した。22Rv1細胞においてsi#690でトランスフェクトすると、ノックダウン効果が観察されない他のsiRNAと比較して、生細胞数の劇的な低減がもたらされた(P<0.01、スチューデントのt検定)。 PC細胞の増殖に及ぼすNAALADL2−siRNAの効果を示す図である。表示したNAALADL2に対するsiRNA発現ベクター(si#690、si#913及びsi#1328)と、陰性対照ベクター(siEGFP)との各々でトランスフェクトした22Rv1細胞のコロニー形成アッセイ。ジェネテシンと共に20日間インキュベートした後で、細胞を、0.1%のクリスタルバイオレットでの染色で可視化した。 PC細胞の増殖に及ぼすNAALADL2−siRNAの効果を示す図である。RT−PCRにより、NAALADL2を発現する別のC4−2B細胞における、si#690に対応する合成RNA二本鎖によるNAALADL2発現に及ぼすノックダウン効果が確認された。ACTBを、RNAを定量するために使用した。 PC細胞の増殖に及ぼすNAALADL2−siRNAの効果を示す図である。si#690に対応する合成RNA二本鎖は、対照RNA二本鎖siEGFPと比較して、C4−2B細胞の細胞生存度を抑制した(P<0.01、スチューデントのt検定)。 PKIBタンパク質の細胞内局在を示す図である。抗タグ抗体を使用する免疫細胞化学的分析は、外来性PKIBが細胞質に局在し、外来性NAALADL2タンパク質が細胞膜に主に局在することを示した。 NAALADL2タンパク質の細胞内局在を示す図である。抗タグ抗体を使用する免疫細胞化学的分析は、外来性PKIBが細胞質に局在し、外来性NAALADL2タンパク質が細胞膜に主に局在することを示した。 PKIB−Myc及びHA−PKA−Cの発現ベクターを22Rv1細胞に同時トランスフェクトし、それらの細胞可溶化物を各々のタグ抗体により免疫沈降した結果を示す図である。PKIB−MycはPKA−Cで共免疫沈降を行い、及びその逆も行った。それらの結果は、PKIBとPKA−Cとの間の直接の相互作用を示した。 免疫細胞化学的分析により、対照siRNAをPC−3細胞にトランスフェクトした場合には、ほとんどのPKA−Cが細胞質中に局在し、PKA−Cタンパク質の幾つかのシグナルが核内に局在することが観察された(左)。一方、siRNAがPC−3細胞において内在性PKIBをノックダウンした場合には、免疫細胞化学的分析は、核内にPKA−Cのシグナルを全く又はほとんど示さなかった(右)。 PC細胞中でsiRNA二本鎖を処理した後、核のPKA−Cをより定量的に分析するために、細胞を核画分と細胞質画分とに分画した。タンパク質量30μgの分画した細胞可溶化物を、抗PKA−C抗体、及びローディングと核画分の対照のために抗ラミンB抗体を使用して、ウェスタンブロットした。核内のPKA−Cの量は、対照siRNAと比較して、siRNAによるPKIBノックダウンにおいて明らかに減少したが、細胞質中のPKA−Cの量は、PKIBノックダウンにおいて少し増大した。 RT−PCRにより、DU145由来のクローン(PKIB#1、#2及び#3)におけるPKIBの構成的発現を確認したことを示す図である。 ウェスタンブロット分析により、DU145由来のクローン(PKIB#1、#2及び#3)におけるPKIBの構成的発現を確認したことを示す図である。 高レベルの外来性PKIBを発現するDU145クローン(クローン1〜クローン3)と、モック(mock)ベクターをトランスフェクトしたDU145(#1、#2、#3の混合物)におけるin vitroでの増殖速度を示す図である。X軸及びY軸は、播種後の日数と、対照としての1日目の吸光度の値との比較により直径の吸光度で算出した相対増殖速度とを表す。PKIBを過剰発現する細胞はモック細胞より迅速に増殖し、前立腺癌におけるPKIBの増殖促進効果を示唆した。 2×10個の、PKIBを安定的に発現したDU145細胞(右)、又はモック細胞(左)を、雄のヌードマウスの側腹部に接種した結果を示す図である。接種の15週後、右側(PKIB++;矢印)にのみ腫瘍が見出されたが、左側(モック)には見出されなかった。 PKIB発現ベクターでのトランスフェクション後におけるNIH3T3細胞の浸潤性を実証するマトリゲル浸潤アッセイを示す図である。Y軸は、マトリゲルコーティングしたフィルタを通って移動した細胞数を表す。アッセイを3回実施し、SD(標準偏差)を示すエラーバーと共に各平均値をプロットする。PKIBの過剰発現は、NIH3T3細胞の浸潤性を有意に促進した(P=0.0052)。 LNCaP細胞及びPC−3細胞におけるsiRNA二本鎖(siPKIB)によるPKIBのノックダウンが、Aktの473位のSerにおけるリン酸化の減少をもたらしたことを示す図である。siEGFP二本鎖のトランスフェクションは、陰性対照として用意された。PKIBのノックダウンをRT−PCRにより確認し、ACTBはローディング対照として用意した。 PKIBの過剰発現が、PC−3細胞及び22Rv1細胞におけるAktの473位のSerにおけるリン酸化を増強したことを示す図である。PKIBの過剰発現は、HAタグ抗体を使用するウェスタンブロット法により確認された。 PKA−Cの過剰発現も、PC−3細胞におけるAktの473位のSerにおけるリン酸化を増強したことを示す図である。PKA−Cの過剰発現はHAタグ抗体を使用するウェスタンブロット法により確認され、Aktの総量はローディング対照として用意された。 組換えPKIBタンパク質及び組換えPKA−Cタンパク質を使用するAktのin vitroでのキナーゼアッセイを示す図である。Aktの473位のSerのリン酸化は、抗ホスホAkt(Ser473)抗体(細胞シグナリング)により検出され、Aktの総量は抗Akt抗体により検出された。PKA−CキナーゼへのPKIBの添加は、in vitroでのAktの473位のSerのリン酸化を顕著に増大した。 PKIBの発現が、臨床PC組織においてAktのリン酸化と相関したことを示す図である。写真は、PKIBについてのPC組織における免疫組織化学的分析を表す。写真は、図8Bのリン酸化Aktのスライドと対面している。 PKIBの発現が、臨床PC組織においてAktのリン酸化と相関したことを示す図である。写真は、リン酸化したAktについての、PC組織における免疫組織化学的分析を表す。写真は、図8AのPKIBのスライドと対面している。
該プロトコルにより、本発明の単離二本鎖分子の標的配列は、以下のように設計された。
PKIB遺伝子に関して配列番号16及び配列番号17;及び
NAALADL2遺伝子に関して配列番号19
上述の標的配列を標的とする二本鎖分子をそれぞれ、標的遺伝子を発現する細胞の増殖を抑制する能力について検査した。したがって、本発明は以下の群から選択される配列のいずれかを標的とする二本鎖分子を提供する:
PKIB遺伝子に対して配列番号16及び配列番号:配列番号17;及び
NAALADL2遺伝子に対して配列番号19;
任意のヌクレオチド配列から成るループ配列は、ヘアピンループ構造を形成するために、センス配列とアンチセンス配列との間に位置し得る。したがって、本発明は、一般式5’−[A]−[B]−[A’]−3’(式中、[A]は標的配列を含むセンス鎖であり、[B]は介在一本鎖であり、[A’]は[A]に対する相補配列を含むアンチセンス鎖である)を有する二本鎖分子も提供する。標的配列は、例えば、
PKIBに関してヌクレオチド配列番号16、又は
配列番号17、及び
NAALADL2に関してヌクレオチド配列番号19
から成る群から選択され得る。
NAALADL2と結合する抗体についてのスクリーニング
NAALADL2は、新規なII型膜タンパク質であり、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)ファミリーに属する。有名な前立腺癌マーカーである前立腺特異膜抗原(PSMA)も、GCPIIファミリーに属する(Rajasekaran AK et al., Am J Physiol Cell Physiol 2005 288: C975-81.及びMurphy GP et al., Prostate 2000 42: 145-9.)。NAALADL2はPSMAと相同性を示し、1つの膜貫通を有し、細胞膜に局在する(図5B)。PSMAは、FDAに承認された前立腺癌造影剤である111In標識7E11モノクローナル抗体(Prostascint、Cytogen、Princeton、NJ)の標的であり、PSMAは、PSMAを発現する細胞への造影剤又は治療薬の特異的送達を目的とする臨床試験にある、J591等のモノクローナル抗体により標的とされる(Murphy GP et al., Prostate 2000 42: 145-9.及びHolmes EH, Expert Opin Investig Drugs 2001 10: 511-9.)。したがって、前立腺癌の診断又は防止に使用され得る抗NAALADL2抗体を、細胞表面におけるNAALADL2の結合能力を指標として使用するスクリーニングを通じて、同定することができる。このスクリーニング方法の実施形態は、
a)候補抗体を、NAALADL2を発現する細胞と接触させる工程と、
b)細胞表面上でNAALADL2と結合する試験抗体を選択する工程と、
を含む。
(i)ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、動物において関連抗原及びアジュバントの頻回皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射により生じさせるのが好ましい。二官能性物質又は誘導体化剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介する共役)、N−ヒドロキシスクシンイミド(リシン残基を介する)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOC12、又はR’N=C=NR(式中、R’及びRは異なるアルキル基である)を用いて、免疫化される種において免疫原性のあるタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又はダイズトリプシン阻害因子と関連抗原とを共役させることが有用であり得る。
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunson et al., Anal. Biochem., 107: 220 (1980)のスキャッチャード解析によって求めることができる。
所望の特異性、親和性、及び/又は活性を有する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を同定した後、そのクローンを限界希釈法によってサブクローニングし、標準的な方法(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp. 59-103 (Academic Press, 1986))によって増殖させてもよい。この目的に適した培養培地には、例えばD−MEM培地又はRPMI−1640培地が含まれる。また、ハイブリドーマ細胞を動物において腹水腫瘍として、in vivoで増殖させてもよい。
ヒト抗体はまた、in vitro活性化B細胞によって作り出してもよい(米国特許第5,567,610号明細書及び同第5,229,275号明細書を参照)。SCIDマウスを用いてヒト抗体を作り出す好ましい手段は、共願の(commonly-owned)同時係属中の出願に開示されている。
本発明の方法において有用な酵素の例としては、リン酸塩を含有するプロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアルカリホスファターゼ;硫酸塩を含有するプロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性5−フルオロシトシンを抗癌薬(フルオロウラシル)に変換するのに有用なシトシンデアミナーゼ;ペプチドを含有するプロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用なプロテアーゼ、例えばセラチア菌(serratia)プロテアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ、並びにカテプシン(カテプシンB及びカテプシンL等);D−アミノ酸置換基を含有するプロドラッグを変換するのに有用なD−アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するのに有用な炭水化物分解酵素、例えばβ−ガラクトシダーゼ及びノイラミニダーゼ;β−ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するのに有用なβ−ラクタマーゼ;並びにアミン窒素がフェノキシアセチル基又はフェニルアセチル基で誘導体化された薬物を、遊離薬物に変換するのに有用なペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼが挙げられるが、これらに限定されない。代替的には、当該技術分野において「抗体酵素」としても知られる、酵素活性を有する抗体を、本発明のプロドラッグを遊離活性薬物に変換するために使用することができる(例えば、Massey, Nature 328: 457-458 (1987)を参照)。抗体−抗体酵素複合体は、抗体酵素を腫瘍細胞集団に送達するために、本明細書中に記載されるように調製することができる。
実施例1 一般的方法
細胞株
COS7細胞と、PC細胞株であるLNCaP、22Rv1、PC−3、DU−145及びC4−2Bはアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC、Rockville、MD)から購入し、LNCaP由来のHRPC細胞株C4−2BはViroMed Laboratories(Minnetonka、MN)から購入した。30回より多くの回数継代したLNCaPをLNCaP(HP)と定義したが、LNCaP(HP)は継代回数の少ないLNCaP細胞と、形態学的に及びその遺伝子発現パターンにおいて、異なっていた。ダルベッコ変法イーグル培地(Invitrogen、Carlsbad、CA)(この培地には、10%のウシ胎児血清(Gemini Bio-Products、West Sacramento、CA)と、1%の抗生剤/抗真菌剤溶液(Sigma-Aldrich、St. Louis、MO)とを添加した)中でこれらを培養した。細胞を、5%のCOを有する加湿空気雰囲気中において37℃で維持した。
このESTとNAALADL2遺伝子との間の関連は、RT−PCRにより確認した。RT−PCRの対数期は、同一の反応から発生したcDNA間の半定量比較を可能とするために決定した。各PCRの計画は、Gene Amp PCR system 9600(PE Applied Biosystems、Foster、CA)により、98で30秒の初期変性工程と、その後、98で10秒、55で5秒、72で30秒の22サイクル(ACTBに対して)、23サイクル(PKIB、NAALADL2に対して)とを含むものとした。
実施例2 PC細胞におけるPKIB及びNAALADL2の過剰発現
HRPC細胞の全ゲノムcDNAマイクロアレイ解析(Tamura K et al., Cancer Res 2007 67: 5117-25.)によりスクリーニングされた数十のトランス活性化した遺伝子のうち、本発明ではPKIB及びNAALADL2に焦点を合わせた。PKIBの過剰発現は9つの顕微解剖したHRPC細胞集団のうち5つにおいてRT−PCRにより確認し(図1A)、NAALADL2の過剰発現は9つのうち5つにおいてRT−PCRにより確認した(図2A)。
NAALADL2は新規なII型膜タンパク質であり、グルタミン酸カルボキシペプチダーゼII(GCPII)ファミリーに属する。前立腺特異膜抗原(PSMA)と呼ばれるGCPIIの前立腺形態は前立腺癌において発現し、PSMAレベルの増大は、PCの進行とHRPCとに関連する(Rajasekaran AK et al., Am J Physiol Cell Physiol 2005 288: C975-81.及びMurphy GP et al., Prostate 2000 42: 145-9.)。そのPSMAとの相同性と、その類似する発現パターンとを考慮すると、この新規な分子NAALADL2は「PSMA2」と呼ぶべきである。PSMAはFDAに承認された前立腺癌造影剤である111In標識7E11モノクローナル抗体(Prostascint、Cytogen、Princeton、NJ)の標的であり、PSMAは、PSMAを発現する細胞への造影剤又は治療薬の特異的送達を目的とする臨床試験にある、J591等のモノクローナル抗体により標的とされる(Murphy GP et al., Prostate 2000 42: 145-9.及びHolmes EH, Expert Opin Investig Drugs 2001 10: 511-9.)。
腫瘍マーカーとしてのその特徴に加えて、PSMAは、その基質がポリ−γ−グルタミン酸型葉酸を含む、GPC活性を有する(Zhou J et al., Nature Review Drug Disc 2005 4: 1015-26.)。PSMAの酵素活性はプロドラッグの設計のために利用することができ、該プロドラッグでは薬剤の不活性なグルタミン酸型形態が選択的に切断されることにより、PSMAを発現する細胞でのみ活性化される(Denny WA et al., Eur J Med Chem 2001 36: 577-95.)。しかし、PSMAが前立腺癌の進行とどのように関連するのかは全く未知であり、PSMAの機能又は活性それ自体を標的とする可能性も未知である。NAALADL2はHRPC細胞において強く発現し、正常な成体の器官におけるその発現は、図2Bに示したようにきわめて限定されている。腫瘍マーカーとしてのその限定的な発現に加えて、それはPCの生存度又は増殖と関与する可能性があり、このことはこのsiRNA実験により支持される。したがって、PSMA2に対する特異的なモノクローナル抗体は、腫瘍マーカーと共に、PSMA2活性を阻害することにより、PC療法に利用可能だろう。

Claims (30)

  1. 細胞に導入した場合にPKIB又はNAALADL2のin vivo発現、及び細胞増殖を阻害する単離二本鎖分子であって、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、二本鎖分子。
  2. 前記センス鎖が、配列番号17、配列番号16及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項1に記載の二本鎖分子。
  3. ヌクレオチド数約19〜約25の長さを有する、請求項1又は2に記載の二本鎖分子。
  4. 介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二本鎖分子。
  5. 下記一般式を有する、請求項4に記載の二本鎖分子:
    5’−[A]−[B]−[A’]−3’
    式中、[A]は配列番号17、配列番号16及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の二本鎖分子を発現するベクター。
  7. PKIB若しくはNAALADL2の発現を阻害する少なくとも1つの単離二本鎖分子又は該二本鎖分子をコードするベクターを含む、癌を治療するための組成物であって、該二本鎖分子が、互いにハイブリダイズすることで該二本鎖分子を形成するセンス鎖及びそれに相補的なアンチセンス鎖を含む、組成物。
  8. 前記センス鎖が配列番号17、配列番号16及び配列番号19から成る群から選択される標的配列に対応する配列を含む、請求項に記載の組成物。
  9. 前記二本鎖分子が、約19ヌクレオチド〜約25ヌクレオチドの長さを有する、請求項7又は8に記載の組成物。
  10. 前記二本鎖分子が、介在一本鎖によって連結したセンス鎖及びアンチセンス鎖を含む単一のポリヌクレオチドから成る、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記二本鎖分子が下記一般式を有する、請求項10に記載の組成物:
    5’−[A]−[B]−[A’]−3’
    式中、[A]は配列番号17、配列番号16及び配列番号19から成る群から選択される配列を含むセンス鎖配列であり、[B]は3個〜23個のヌクレオチドから成る介在一本鎖であり、かつ[A’]は[A]に相補的な配列を含むアンチセンス鎖である。
  12. 治療すべき前記癌が前立腺癌ホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項7〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. (a)以下:
    (i)配列番号1、配列番号3又は配列番号5に対応する配列を含むmRNAを検出すること、
    (ii)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質を検出すること、及び
    (iii)配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質の生物活性を検出すること、
    から成る群から選択される方法のいずれか1つにより被験体由来の生体試料中における遺伝子の発現レベルを決定する工程と、
    (b)該遺伝子の正常対照レベルと比較した前記発現レベルの増大を、前立腺癌と関連づける工程と、
    を含む、前立腺癌のためのマーカーとして、生体試料中におけるPKIB又はNAALADL2の発現レベルを決定する方法。
  14. 前記前立腺癌がホルモン不応性前立腺癌又は去勢抗性前立腺癌である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記発現レベルが前記正常対照レベルより少なくとも10%大きい、請求項13又は14に記載の方法。
  16. PKIB又はNAALADL2のmRNAとハイブリダイズするプローブを含む、前立腺癌を検出するためのDNAアレイ。
  17. 配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列を含むタンパク質と結合する抗体を含む、前立腺癌を検出するための組成物。
  18. 前記抗体が配列番号32、配列番号33又は配列番号34と結合する、請求項17に記載の組成物。
  19. a)試験化合物を、PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程と、
    b)前記ポリペプチドと前記試験化合物との間の結合活性を検出する工程と、
    c)前記ポリペプチドと結合する前記試験化合物を選択する工程と、
    を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
  20. a)試験化合物を、PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドと接触させる工程と、
    b)工程(a)の該ポリペプチドの生物活性を検出する工程と、
    c)該試験化合物の非存在下で検出される該ポリペプチドの該生物活性と比較して、該PKIB又はNAALADL2のポリヌクレオチドによりコードされる該ポリペプチドの該生物活性を抑制する該試験化合物を選択する工程と、
    を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
  21. 前記生物活性が細胞増殖の促進又はPKA−C核内蓄積活性である、請求項20に記載の方法。
  22. a)候補化合物を、PKIB又はNAALADL2を発現する細胞と接触させる工程と、
    b)前記候補化合物の非存在下で検出される前記発現レベルと比較して、PKIB又はNAALADL2の発現レベルを低減する前記候補化合物を選択する工程と、
    を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
  23. a)候補化合物を、ベクターが導入されている細胞と接触させる工程であって、該ベクターが、PKIB又はNAALADL2の転写調節領域と該転写調節領域の制御下で発現するレポーター遺伝子とを含む、接触させる工程と、
    b)前記レポーター遺伝子の発現又は活性を測定する工程と、
    c)対照と比較して、前記レポーター遺伝子の発現レベル又は活性レベルを低減する候補化合物を選択する工程と、
    を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
  24. a)試験化合物の存在下で、PKIBポリペプチド又はその機能的等価物を、PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と接触させる工程と、
    b)前記ポリペプチド間の結合を検出する工程と、
    c)前記ポリペプチド間の結合を阻害する前記試験化合物を選択する工程と、
    を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
  25. 前記PKIBポリペプチドの機能的等価物が、配列番号31から成るポリペプチドを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記PKA−Cポリペプチドの機能的等価物が、PKIB結合ドメインのアミノ酸配列を含む、請求項24又は25に記載の方法。
  27. (a)試験化合物の存在下で、PKIBポリペプチド又はその機能的等価物と、PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と、Aktとを、リン酸ドナーの存在下で、インキュベートする工程と、
    (b)前記Aktのリン酸化レベルを検出する工程と、
    (c)工程(b)で測定される該Aktの該リン酸化レベルを対照レベルと比較する工程と、
    (d)該対照レベルと比較して該Aktの該リン酸化レベルを減少させる化合物を選択する工程と、
    を含む、前立腺癌を治療又は防止するための化合物をスクリーニングする方法。
  28. 前記Aktのリン酸化レベルが、配列番号35のアミノ酸配列の473位のセリン残基において検出される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記PKIBポリペプチド又はその機能的等価物と、前記PKA−Cポリペプチド又はその機能的等価物と、Aktとが、細胞において発現され、該細胞又はその可溶化物を試験化合物と接触させることにより試験化合物の存在下でインキュベートされる、請求項27又は28に記載の方法。
  30. 前記前立腺癌がホルモン不応性前立腺癌又は去勢抵抗性前立腺癌である、請求項19〜29のいずれか一項に記載の方法。
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