JP2010533747A - 薄いアルミニウム効果顔料を含むインクジェット印刷インキおよび方法 - Google Patents

薄いアルミニウム効果顔料を含むインクジェット印刷インキおよび方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、以下の性質を有するアルミニウム効果顔料に関する:
a)体積平均粒子サイズ分布曲線のd50値が1μm〜15μm、
b)SEM画像から計数して求めた平均厚みh50が15〜150nm、
c)前記アルミニウム効果顔料について、実質的に面に平行に整列させて測定したX線回折図が、[111]反射または[222]反射ではないメインピークを示す。本発明は、さらに、インクジェット印刷インキ、およびインクジェット印刷インキを製造する方法、およびアルミニウム効果顔料とインクジェット印刷インキの使用にも関する。

Description

本発明が目的としているのは、アルミニウム効果顔料、前記アルミニウム効果顔料を含むインクジェット印刷インキ、および印刷方法、さらにはインクジェット印刷インキを製造するための方法、およびインクジェット印刷インキにおけるアルミニウム効果顔料の使用である。
インクジェット印刷技術においては、印刷するための基材の表面にインクジェット印刷インキの小滴を直接噴射するので、印刷デバイスと基材表面の間には物理的な接触は存在しない。印刷表面上へのそれぞれの液滴の配置は、電子的に制御されている。インクジェット印刷技術は、一方では紙、板紙などの上に、他方では、たとえば缶、ビン、箔などの製品の上に、各種のデータおよび画像を印刷するための重要な技術となってきた。インクジェット技術を使用すれば、たとえば卵のような壊れやすい対象物の上に直接印刷することも可能である。インクジェット技術によれば、これらのデータおよび画像を高速で印刷することが可能となる。
これまでに、液滴を発生させるための各種の原理が開発されてきたが、そのようなものとしては、たとえば、静電技術、磁気技術、圧電技術、電熱技術、機械的マイクロバルブ、および火花放電技術などが挙げられる。液滴発生のタイプとは関係なく、インクジェット技術は、基本的には、二つの基本的カテゴリー、すなわち連続インクジェット(CIJ)と、衝撃またはドロップ・オン・デマンド(DOD)インクジェット技術とに分類される。
連続インクジェット技術は、ノズルを通して加圧したインキを放出させて、インキの液滴を発生させ、基材表面に連続的な流れで向かわせることを特徴としている。
衝撃インクジェット技術は、インキの供給が大気圧またはほぼ大気圧に維持されている点で、連続インクジェット技術とは異なっている。インキの液滴は、必要に応じて、液滴発生用変換器に制御された励起が印加された時のみノズルから吐出される。衝撃インクジェット(またはドロップ・オン・デマンド)技術は、主としてカラープリンターにおいて使用されている。
近年になって、カラープリンターの開発が進んで、基本色のイエロー、シアンおよびマゼンタならびに場合によってはブラックを用いてカラー印刷物を得ることが可能となった。これらのカラーは、リソグラフィー印刷、グラビア印刷およびフレキソ印刷などの確立されている印刷方法におけるプロセスカラーとして広く使用されている。
カラー印刷物の品質をさらに改良するために、特に写真印刷への応用が広まっていることから、いわゆる「スポットカラー」が使用されている。オフセット印刷においては、スポットカラーとは、単一の工程で印刷される純インキまたは混合インキによって作られる各種のカラーである。これらのスポットカラーは、4種の基本カラーに加えてオレンジおよびグリーン、または印刷画像の色域および鮮明さを拡張するような各種その他のカラーを含むことができる。
EP 1 205 521には、インクジェットプロセスのための顔料調製法が開示されており、それによれば広く各種の顔料を使用することが可能である。顔料調製物を製造する際には、すべての成分をミルの中で粉砕して、好ましくは粒子の99%が1μm未満の粒子サイズを有するような粒子サイズを得る。1μm未満の粒子サイズを有する顔料は、多かれ少なかれ球状の性質を有しており、印刷物にメタリックな外観を与えることは不可能である。
JP 11−323223 Aには、pvd法を用いて製造したメタリック顔料を含むインクジェット印刷インキが開示されている。
さらに、WO 2006/101054 A1には、pvd−メタリック顔料を含むインクジェット印刷インキの記載がある。
不都合なことには、リーゾナブルなコストで、高光沢性、高フロップ性、および高隠蔽力のような高品質を有し、メタリック効果またはメタリックな外観を有するインクジェット印刷物、特に写真印刷物を与えることは十分可能ではない。pvd−メタリック顔料は極めて高価であり、またそれは集塊する傾向が強いために取扱いが容易でない。
本発明の一つの目的は、インクジェット印刷インキにおいて使用するのに適したアルミニウム効果顔料、さらにはメタリックな外観を有する印刷物を与え、受容可能な範囲のコストのインクジェット印刷インキを提供することである。本発明のまた別な目的は、インクジェット印刷インキ中で使用する場合に、集塊する傾向が減じられたアルミニウム効果顔料を提供することである。
その目的は、以下の性質を有するアルミニウム効果顔料を提供することにより解決される:
a)体積平均粒子サイズ分布曲線のd50値が、約1μm〜15μmの範囲、
b)それらのSEM画像を計数して求めた平均厚みh50が15〜150nm、
c)前記アルミニウム効果顔料について、実質的に面に平行に整列させて測定したX線回折図が、[111]反射または[222]反射ではないメインピークを示す。
本発明のアルミニウム効果顔料の好ましい実施態様は、従属請求項2〜12に規定されている。
本発明の基礎をなす目的は、さらに、本発明のアルミニウム効果顔料を含むインクジェット印刷インキによって解決される。
本発明のインクジェット印刷インキの好ましい実施態様は、従属請求項14〜24に規定されている。
さらに、本発明の目的は、請求項13〜24のいずれかのインクジェット印刷インキを、好ましくはインクジェットプリンターを使用して基材の表面の上に適用することを含む印刷方法によっても解決される。
好ましい実施態様は、従属請求項26に規定されている。
顔料AのX線回折図である。 顔料CのX線回折図である。
本発明の目的は、さらに、請求項13〜24のいずれか1項に記載のインクジェット印刷インキを製造する方法によって解決されるが、その方法には、アルミニウム効果顔料を、インクジェット印刷インキの成分、たとえば、溶媒、希釈剤および/または結合剤と穏やかに混合することが含まれる。アルミニウム効果顔料を穏やかに混合するということは、その混合プロセスの間に、前記アルミニウム効果顔料が、その優れた光学的性質、たとえば反射率を損なうような損傷を受けないということを意味している。
さらに、本発明の目的は、インクジェット印刷インキ中で請求項1〜12のいずれか1項のアルミニウム効果顔料を使用することによって解決される。アルミニウム効果顔料は、請求項13〜24のいずれか1項に特許請求されているようなインクジェット印刷インキの調製において使用するのが好ましい。
最後に、本発明の目的は、請求項1〜12のいずれか1項に記載のアルミニウム効果顔料、または請求項13〜24のいずれか1項のインクジェット印刷インキを用いてコーティングされた物品によって解決される。そのような物品は、たとえば、紙、板紙、プラスチックまたは金属物質から製造した箔、ラベル、ガラス、セラミック物質、プラスチック物質もしくは金属物質から製造されたビンおよび容器、織物などとすることができる。
驚くべきことには、本発明を用いれば、インクジェット印刷インキの中に、高価で煩雑なpvd法を用いずに製造したアルミニウム効果顔料を組み入れることによって、高クラスなメタリックな外観を有するインクジェット印刷物を作成することが可能であることが見出された。驚くべきことには、さらに、本発明のアルミニウム効果顔料は、インクジェット印刷インキ中で使用した場合、集塊する傾向が減じられている。したがって、本発明のアルミニウム効果顔料は、pvdアルミニウム顔料、すなわち物理蒸着法によって得られるアルミニウム顔料に比較して、より容易にインクジェット印刷インキの中に組み入れることができる。
その印刷物の品質は、pvd法によって製造されたアルミニウム顔料を使用して得られるものに極めて類似している。本発明のアルミニウム効果顔料は、湿式磨砕法によって製造される。磨砕したアルミニウム効果顔料を得るためのプロセスは、たとえばEP 1 613 702 A1に記載されている(この特許をここに引用することにより本明細書に取り入れたものとする)。簡略に説明すれば、そのアルミニウム効果顔料は、好ましくはほぼ球状のアルミニウム粒子を、ボールミルまたはパールミル中で磨砕することによって製造される。
本発明のアルミニウム効果顔料は、体積平均粒子サイズ分布曲線のd50値が1μm〜15μm、そしてSEM画像からの計数により求めた平均厚みh50が15〜150nmという粒子特性の特定の組合せを有している点で、EP 1 613 702 A1に記載されているものとは異なっている。
上述の性質の組合せを有するアルミニウム効果顔料が、インクジェット印刷インキ中で使用するのに適しているということが判明した。
アルミニウム効果顔料は微小板状の形状を有しており、そのために、それらは入射光を直接反射する微小な鏡のような機能を果たす。金属顔料のサイズ(d50)が1μm未満にまで下がると、小さ過ぎて板状の鏡としては機能しなくなる。しかしながら、金属顔料フレークのサイズ(d50値)が1μm以上では、驚くべきことには、これらの小さな金属フレークはまだアルミニウム効果顔料として機能する、すなわち、光を均一かつ直接的に反射することが可能である。
平均サイズが15μmを超えると、その顔料は、インクジェット構成物のたとえばチューブ、チャンネル、フィルター、ノズルなどの構成物をもはや通過することができない。全体の構成物のいくつかの部分で閉塞が起こり、インクジェットヘッド部が事実上操作不能となるであろう。
50値は、レーザー散乱法を用いて測定した体積平均粒子サイズ分布に関連する。そのような粒子サイズは、たとえばCilas 1064のような装置を用いて求められる。
アルミニウム効果顔料を含む画像が最も人をひきつける見え方を観察者に対して与えるためには、そのアルミニウム効果顔料またはフレークが基材の表面に対してランダムではなく実質的に平行に配列される必要がある。この場合には、入射光がかなり均一な様式で反射される。アルミニウム効果顔料がインクジェット印刷インキ中でランダムに配向された場合には、入射光もランダムに反射され、その結果、メタリックな輝きが低減し、観察者にとっては魅力ないものとなってしまう。
インクジェット印刷インキの液滴を基材の表面上に適用した後、たとえば加熱および/またはUV照射を加えることによって、そのインクジェット印刷インキを乾燥または硬化させる。このプロセスは、基材の上にインキを付着させた直後に起きる。乾燥または硬化のための時間は、通常、ほんの一瞬から数分までの範囲であるが、その乾燥または硬化の機構に依存する。驚くべきことには、この極めて短い時間の間に、アルミニウム効果顔料が、印刷されたインキの表面に対して実質的に平行に配向する。
理論に束縛されることなく言えば、アルミニウム効果顔料のサイズが小さいために、適用した直後にインキ液滴の中で、そのアルミニウム効果顔料が極めて迅速に配向しやすくなっていると現在のところ考えられている。
本発明の好ましい実施態様においては、アルミニウム効果顔料が、約1μm〜12μm、好ましくは約1.5μm〜8μm、最も好ましくは約2μmから6μm未満までの範囲のd50値(Cilas)を有している。
2〜5μmの範囲の粒子直径すなわち粒子サイズ(d50値、Cilas)が、インクジェット印刷インキを印刷した後に得られるメタリック効果の点で、極めて優れていることが判明した。
少なくとも粒子サイズ分布曲線の99%(d99)が、約14μm未満の範囲にあるのが好ましい。少なくとも粒子サイズ分布曲線の99%が、約12μm未満の範囲であればより好ましい。
さらに、アルミニウム効果顔料の粒子サイズ分布(PSD)が極めて狭いのが好ましい。アルミニウム効果粒子の100%(d100)が、15μm未満の粒子サイズを有しているのが好ましく、12μm未満であればより好ましい。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、粒子サイズ分布曲線の100%が、0.5〜8μmの間、より好ましくは1〜7μmの間の範囲にある。
確立されているインクジェット印刷インキ技術を使用するためには、最高で12μmまでの直径を有するアルミニウム効果顔料を使用するのが最も好ましいが、その理由は、たとえばインクジェット構成物のジェットノズル開口部またはその他の部分が、通常、約20〜50μmの範囲であるからである。
基本的には、アルミニウム効果顔料のサイズの上限は、たとえばチューブ、チャンネル、フィルターおよびジェット開口部のような印刷構成物全体の寸法によって決まる。印刷構成物は、インクジェット印刷インキへのポンプとして機能することが可能であるものでなければならない。たとえば、インクジェットの印字ヘッドがより大きいジェット開口部を使用しているならば、より大きいアルミニウム効果顔料を使用することも可能である。
アルミニウム効果顔料の平均サイズ、好ましくは絶対サイズ(d50値、Cilas)の、ジェット開口部の直径に対する比率は、有利には0.02〜0.5、好ましくは0.03〜0.2、最も好ましくは0.04〜0.12の範囲であるとされてきた。
これらの平均サイズを有する微小板状の金属顔料は、通常使用されているジェット印字ヘッドのジェットノズルを通過するのに容易に適している。
SEM画像を計数することによって求めた、アルミニウム効果顔料の平均厚みh50が、15〜150nmであるのが好ましい。
基材の上に本発明のインクジェット印刷インキを適用した後の、その印刷されたインクジェット印刷インキの極めて人をひきつけるアルミニウム効果は、これらの極めて薄い平均厚みを有する金属顔料を用いた場合にのみ達成可能であることが判明した。
これらのアルミニウム効果顔料は、先に述べたようにそれらのSEM画像を計数することによって求めた平均厚みh50が、15〜150nmである。平均厚みh50が15〜100nmであればより好ましく、20〜80nmであればさらにより好ましい。
さらに、極めて好ましい平均厚みh50は30から80nm未満までである。そのように薄いアルミニウム効果顔料を用いることによって、極めて高い光輝効果を達成することができる。高光沢性および高フロップ性に加えて、その印刷物はpvd−顔料に通常典型的な液状金属効果の外観も有している。
平均厚みh50が80〜130nmであれば、輝度は低いが、それでも適度なメタリック効果は得ることができる。
50が15nm未満になると、顔料は透過性が高くなりすぎ、その反射特性が低下するためにもはや極めて暗く見える。h50が150nmを超えると、アルミニウム効果顔料の光学的性能が低下し、顔料物質が無駄になるが、その理由は、隠蔽力、すなわち重量あたりのアルミニウム効果顔料の被覆率として計算される比被覆率が低下するためである。
粒子厚みは、通常、水被覆率(DIN 55923による)を測定するか、および/または走査型電子顕微鏡法(SEM)によって求める。水被覆率の測定では平均厚みが得られるだけであって、粒子厚みの分布は得られない。
集塊する傾向が強いことで知られているPVDアルミニウム顔料では、この方法はまったく使用することができない。
この理由から、本発明のアルミニウム効果顔料の平均厚みはSEMによって求めた。代表的な統計値を得るためには、通常、少なくとも100個の粒子を分析する。
本発明のインクジェット印刷インキの中に組み入れる本発明のアルミニウム効果顔料は、そのX線回折パターンにおいて、pvd−顔料とは顕著に異なっている。XRD法(X線反射回折)によって微小板状のアルミニウム効果顔料の特性を明らかにするためには、測定する前に顔料を実質的に面に平行な方向に配向させる。
実質的に面に並行に整列させた本発明のアルミニウム効果顔料について測定したX線回折図(XRD)は、通常、[111]反射または[222]反射ではない、一つまたは二つのメインピークを示す。
この測定は、市場で入手可能なほとんどのX線回折計で実施することが可能である。
本発明においては、「実質的に面に平行な整列」という用語は、その顔料の少なくとも80%が、基材表面に対して±15度以内の許容度で、基材表面に平行に配向されていることを意味している。
「[111]面」の名称は、ミラー指数を指している。[111]面は、面心立方格子の最密充填対角面である。
本発明のアルミニウム効果顔料の[111]反射は、たとえあったとしても、弱い。[222]反射はさらに弱く、おそらく検出不能であろう。
本発明のアルミニウム効果顔料のメインピークは、[200]面および/または[220]面のそれらである。メインピークが[200]面の一つであるのが、特に好ましい。
本発明のアルミニウム効果顔料の[111]/[200]ピーク強度比は、常に<1である。それが<0.5であれば好ましく、<0.1であれば最も好ましい。
この結果は、pvd−顔料の場合とは対照的であって、これらの顔料では、[111]面または[222]面の反射に相当するメインピークを必ず示す。これらの結果は、箔の上にスパッタされたアルミニウムが、上述の反射率を有する実質的に単結晶を形成するというよく知られている事実を反映している。
これらの結果は、磨砕プロセスの間の、アルミニウム効果顔料の塑性変形状態の性質を反映したものであると考えられる。溶融アルミニウムをアトマイズすることによって通常得られる、通常多結晶であるアルミニウム粉体には、磨砕体として通常ボールまたは球体を使用した変形磨砕プロセスの際に強い剪断力がかかる。微結晶が相互に対して剪断を受け、最密充填の[111]面が剪断面を示す。当然のことであるが、研磨プロセスは微小板の表面に対して直角の方向におこるので、[111]面は面の表面から破壊される。その結果、磨砕プロセスが進行するにつれて、[111]面および二次の[222]面のピーク強度が低下する。それと同時に、[200]面および[220]面に相当するピークが強くなり、最後にメインピークとなる。
アルミニウム効果顔料の走査型電子顕微鏡の画像を計数し、次式に従ってそれぞれの数値で重み付けした累積分布から計算した厚み分布の相対幅Δh(「厚みスパン」)は30〜140%が好ましい。
Δh=100(h90−h10)/h50 (I)
[式中、h90は、前記アルミニウム効果顔料の絶対高さの90%をカバーする顔料の数値であり、h10は絶対高さの10%をカバーする顔料の数値であり、h50は絶対高さの50%をカバーする顔料の数値である]
そのような顔料は、主としてWO 2004/087816 A2に開示されている(この特許をここに引用することにより本明細書に取り入れたものとする)。しかしながら、本発明のアルミニウム効果顔料は、体積平均粒子サイズ分布曲線のd50値が1μm〜15μm、SEM画像からの計数により求めた平均厚みh50が15〜150nmと粒子特性が特定の組合せになっている点で、WO 2004/087812 A2から公知のものとは異なっている。
より好ましい実施態様においては、数値で重み付けした累積分布Δhが、30〜100%、最も好ましくは30〜70%の範囲である。平均厚みh50が15〜80nmで、Δhが30から70%未満までのアルミニウム効果顔料が、極めて好ましい。
本発明のアルミニウム効果顔料のそのように薄い粒子厚み分布曲線は、驚くべきことには、基材の上に本発明のインクジェット印刷インキを適用した後の光学効果として、pvd−アルミニウム顔料に極めて類似した極めて高い光沢性とフロップ効果と液状金属効果とを与えることが判明した。
所望の高クラスな光学効果を得るためには、Δhが低いことが必要である。140%を超えるΔhを有する顔料は、インクジェット印刷インキ中で適切にスタックされない。さらに、配向するための時間が極めて短いために、良好な配向が達成できるのは、Δhが140%未満、好ましくは100%未満の顔料だけである。
本発明のインクジェット印刷インキには、請求項に記載されているような、粒子サイズおよび粒子厚みの分布曲線のスパンがかなり狭い、極めて薄いアルミニウム効果顔料が含まれており、それによって、本発明のインクジェット印刷インキを適用する途中およびその後に、実質的に全部のアルミニウム効果顔料を均一かつ短時間で配向させることが可能となっている。
本発明のアルミニウム効果顔料は、磨砕法によって得られる従来からのアルミニウム効果顔料に比較して、極めて高い隠蔽力を示す。
本発明のアルミニウム効果顔料は、好ましくは110nm未満、より好ましくは75nm未満のh90値を有する厚み分布曲線を示す。厚み分布のh95値は、好ましくは150nm未満、より好ましくは120nm未満である。さらに、h99値は、好ましくは140nm未満、より好ましくは90nm未満である。
本発明のアルミニウム効果顔料の厚み分布がそのように狭いために、印刷されたインクジェット印刷インキの印刷物におけるスタッキング性が極めて良好となる。したがって、本発明のこれらの顔料は、極めて良好な光沢性とフロップ効果を示す。
本発明のアルミニウム効果顔料のアスペクト比fは、好ましくは約30〜500の範囲、より好ましくはアスペクト比が約35〜300の範囲、最も好ましくは40〜200の範囲である。アスペクト比は、平均粒子サイズを平均粒子厚みで割り算した比率であって、次式(II)で表される。
これらのアスペクト比は、インクジェット印刷インキを基材の表面に適用した後に、アルミニウム効果顔料を配向させるのに要する時間を最短とするために有用であることが見出された。
本発明のインクジェット印刷インキのために使用される本発明のアルミニウム効果顔料は、リーフィングタイプのものであっても、非リーフィングタイプのものであってもよい。本発明の好ましい実施態様においては、アルミニウム効果顔料はリーフィング顔料である。リーフィング顔料は、それ自体が配向した形で、すなわち基材の上に印刷した後に、インクジェット印刷インキの表面でその基材の表面に実質的に平行に配列するが、それに対して、非リーフィング顔料は、それ自体がインクジェット印刷インキの中で、それが適用された基材と乾燥した印刷インキとの間に均一に配列する。
本発明においてはリーフィング性のアルミニウム効果顔料を使用するのが好ましく、それによって、得られる印刷画像が、観察者に対して、極めて光輝性が高く艶のある外観を与える。そのリーフィング挙動は、たとえばステアリン酸を用いてアルミニウム効果顔料をコーティングすることによって導入することができる。
pvd−プロセスによって製造されたアルミニウム顔料を含むインクジェット印刷インキは、インクジェット印刷インキ中でアルミニウム粒子が集塊したり沈降したりする、ある種の問題点を有している。そのような問題を克服しようと、極めて大量の分散用添加剤および/または抗沈降剤を使用することが試みられてきている。
驚くべきことには、本発明のインクジェット印刷インキにおいては、このような問題は、大して深刻なことではない。
理論に捕らわれることを望むものではないが、このような利点が得られるのは、本発明のアルミニウム効果顔料の表面がある程度の粗さを有しているためであろうと考えられる。本発明のアルミニウム効果顔料は、その製造プロセスが原因で、実質的に完全に平坦な表面を有し波打ちの無いpvd−顔料よりも、高い程度の粗さと波打ちを示す。しかしながら、本発明のアルミニウム効果顔料がそのより高い程度の粗さを有していることによって、アルミニウム効果顔料が相互に面に完全に平行に付着して、次いで顔料が強い集塊を起こすことを防いでいる。pvd−顔料とは対照的に、本発明のアルミニウム効果顔料は、その微小板の間で、極めて小スケールの点接触のみを示すことができる。したがって、ファンデルワールス力または水素結合のような極めて近距離の引力の働きが最小限となり、その結果として、集塊または凝集の過程が顕著に抑制されるか、好ましくは完全に回避される。
そのような新規なアルミニウム効果顔料を製造するためには、十分に確立された技術を用いて、アルミニウムを溶融させてからアトマイズする。アトマイズによって得られた球状の粒子を、次いでパールミルまたはボールミル中で磨砕して、所望の粒子サイズのアルミニウム効果顔料を得る。金属粒子をボールミル磨砕またはパールミル磨砕するプロセスは、「ホールプロセス」として当業者には公知の確立されたプロセスである。
極めて薄い顔料を得るためには、2〜13mg/球体の重量を有する材料から製造した球状のボールを使用しなければならない。好適なボールはガラス球である。さらに、板状の形状である本発明のアルミニウム効果顔料を製造するための出発材料としては、微細なアルミニウムグリットを使用するのが好ましい。
この薄いアルミニウム効果顔料を製造するのに使用するアルミニウムグリットの平均粒子サイズd50は<20μmであり、より好ましくは<15μm、さらにより好ましくは<10μm、もっとより好ましくは<8μmである。本発明のさらに別な好ましい実施態様においては、平均粒子サイズ分布が次のようであることを特徴とする:d10<3μm、d50<5μm、d90<8μm。
極めて狭い厚み分布を有する極めて薄いアルミニウム効果顔料、たとえば、平均厚みh50が15〜80nmで、Δhが30から70%未満までのアルミニウム効果顔料を得るためには、サイズ分布が狭い極めて微細なアルミニウムグリットを使用するのが好ましい。好ましくは、dgrit,10<3.0μm、dgrit,50<5.0μm、dgrit,90<8.0μmの粒子サイズ特性を有するアルミニウムグリットを使用する。より好ましくは、dgrit,10<0.6μm、dgrit,50<2.0μm、dgrit,90<4.0μmの粒子サイズ特性を有するアルミニウムグリットを使用する。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、腐食防止材料の層を用いてアルミニウム効果顔料をコーティングする。
その腐食防止材料は、金属酸化物および/または有機ポリマー物質の包埋層で作ることができる。
その金属酸化物層は、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化鉄、およびそれらの混合物を含んでいるのが好ましい。腐食防止層としてシリカを使用するのが最も好ましい。この金属酸化物層、好ましくは酸化ケイ素層の平均厚みは、好ましくは10〜40nmの間、さらに好ましくは15nm〜30nmの間である。
金属酸化物の層は、攪拌したアルミニウム効果顔料の存在下で、可溶性の金属塩を加水分解することによって、金属顔料の表面に適用してもよい。たとえば、金属塩化物の塩は水中で加水分解することができる。
アルミニウム効果顔料を金属酸化物の層を用いてコーティングするために、ゾル−ゲルプロセスを使用するのが好ましい。たとえば、アルコール系媒体中で、アルミニウム効果顔料、十分な量の水、および場合によっては酸または塩基のような触媒を撹拌しながら、テトラアルコキシシラン、たとえば、テトラエトキシシランまたはテトラメトキシシランを加水分解することによって、SiOの包埋層を適用してもよい。
本発明のインクジェット印刷インキ中のアルミニウム効果顔料の量は、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、好ましくは約0.1〜30重量%、より好ましくは約0.5〜20重量%、さらにより好ましくは約1〜15重量%の範囲である。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、アルミニウム効果顔料の含量は、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約2.5〜8重量%の範囲である。
本発明のまた別な実施態様においては、インクジェット印刷インキは結合剤を含む。このインクジェット印刷インキは溶媒系であるのが好ましい。結合剤の量は、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、1〜99重量%の範囲である。
インクジェット印刷インキを適用する基材の性質に依存して、インクジェット印刷インキ中に結合剤を存在させるか、または存在させない。結合剤が基材の一部となっている、たとえば粘着性物質を含む特殊なインクジェット印刷紙のような場合には、インクジェット印刷インキが結合剤を含んでいる必要はない。
本発明のまた別な好ましい実施態様においては、インクジェット印刷インキは、(1種または複数の)溶媒系または水系であり、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約1〜50重量%の範囲の結合剤を含む。さらに、結合剤の含量を、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約2〜35重量%とするのが好ましい。結合剤の含量が約3〜25重量%の範囲であれば、より好ましい。
照射硬化性インクジェット印刷インキ、特にUVインクジェット印刷インキのためのまた別な好ましい実施態様においては、希釈剤が、結合剤としても機能する反応性希釈剤である。反応性希釈剤、たとえば液状オリゴマーおよびモノマーの量は、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、1〜99重量%、好ましくは10〜95%、より好ましくは40〜90重量%の範囲である。
すなわち、本発明の実施態様においては、反応性希釈剤が結合剤ともなり得る。
照射硬化性インクジェット印刷インキ、特にUVインクジェット印刷インキのためのまた別な好ましい実施態様においては、希釈剤が、非反応性希釈剤である。
結合剤は、インクジェット印刷インキにおいて通常使用されるいかなる結合剤であってもよい。好ましい結合剤は以下のような結合剤であるが、これらに限定される訳ではない:UV硬化性アクリル系モノマーおよびオリゴマー、さらには各種のタイプの樹脂、たとえば、炭化水素樹脂、変性ロジン樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、変性セルロースもしくは変性ナイロン樹脂、もしくは有機溶媒に可溶性のその他の樹脂、またはそれらの混合物。
溶媒系または水系インクジェット印刷インキが、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約10〜95重量%の量の溶媒含量を有しているのが好ましい。本発明のまた別な好ましい実施態様においては、溶媒含量が約20〜94重量%であり、より好ましくは50〜93重量%である。
インクジェット印刷インキ技術に好適な各種の溶媒または溶媒混合物を使用することができる。好適な溶媒は、水、アルコール、エステル、エーテル、チオエーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、アミン、アミド、ケトン、および/または炭化水素、またはそれらの混合物である。
アルコールの例は、アルキルアルコール、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、フッ素化アルコールまたはそれらの混合物である。
ケトン溶媒の例は、アセトン、メチルエチルケトンもしくはシクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、またはそれらの混合物である。
エステルの例は、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸1−メトキシ−2−プロピル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチルもしくはプロピオン酸エチル、グリコールエーテルアセテート、ブチルグリコールアセテート、またはそれらの混合物である。
エーテル溶媒の例は、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールエーテル、特にエチレングリコールエチルエーテルもしくはエチレングリコールメチルエーテル(それらは商標Cellosolve(登録商標)として市販されている)、メトキシプロパノール、またはそれらの混合物である。
さらに、有機溶媒の好適な例は、常温常圧下で液状であるジエチレングリコール化合物と、常温常圧下で液状であるジプロピレングリコールまたは1−メトキシ−2−ブチルグリコール化合物との混合物を含む。
アミン溶媒の例は、トリエタノールアミンおよびジメチルエタノールアミンである。アミド溶媒の例は、N−メチルピロリドンおよび2−ピロリドンである。
炭化水素は以下のものからなる群より選択されうる:テルペン炭化水素、たとえば、ピネン、リモネン、テルピノレン;脂肪族炭化水素、たとえば、ヘプタン、ミネラルスピリッツ、ストッダード溶媒;ならびに芳香族炭化水素、たとえば、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ならびにそれらの混合物。
また別な実施態様においては、本発明のインクジェット印刷インキが、照射硬化性インキ、特にUV硬化性インキであって、前記溶媒を、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約0〜50重量%の量で含む。溶媒含量が0〜10重量%であればより好ましいが、その理由は、UV硬化性インキにおいては、溶媒は通常不要であるからである。本発明の特に好ましい実施態様においては、UV硬化性インクジェット印刷インキは溶媒を含まない。
本発明のまた別な実施態様においては、インクジェット印刷インキは、ブルックフィールド粘度計LVモデルDV−II+でスピンドルNo.61を使用し、100rpm、温度21℃で測定して、約1〜100cpsの範囲の粘度を有している。インクジェット印刷インキの粘度は、好ましくは約3cps〜30cpsの範囲、より好ましくは5〜20cpsの範囲である。
粘度は、使用される印字ヘッドのタイプ、その上に印刷される基材、および/またはインクジェット印刷インキの組成に合わせて調節することができる。
本発明のまた別な実施態様においては、インクジェット印刷インキが、20〜50mN/mの表面張力を有する。表面張力が20mN/m未満であると、インクジェット印刷インキ組成物が、インクジェット記録のための印字ヘッドの表面上で濡れて広がったり、そこからしみ出したりして、場合によっては、インキ液滴の吐出が困難となる。表面張力が50mN/mを超えると、インキ組成物が記録媒体の表面上で濡れて広がらず、場合によっては、良好な印刷の実施ができなくなる。
インクジェット印刷インキには、添加剤、たとえば分散剤、抗沈降剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、pH調節剤、殺虫剤、またはそれらの混合物を含んでいるのが好ましい。
分散剤は、インクジェット印刷インキのすべての成分、より詳しくはアルミニウム効果顔料を均質に分散させて、もしあるとしても、いかなる集塊の傾向も回避するのに役立つ。分散剤は、インクジェット印刷インキのすべての成分の均質な分散性を改良することができるが、それは使用する成分の性質に依存する可能性がある。分散剤は、脂肪酸またはその混合物からなる群より選択されるのが好ましい。
有機溶媒を使用する場合には、本発明のインクジェット印刷インキ組成物は、分散剤を含むことができる。分散剤としては、通常のインキ組成物、たとえばグラビアインキ、オフセットインキ、凹版インキまたはスクリーン印刷インキなどで使用されているいかなる分散剤も使用することができる。特に、有機溶媒の溶解パラメーターが8〜11である場合に効果的に機能する分散剤を使用するのが好ましい。そのような分散剤としては、市販品を利用することも可能であって、その具体例としては以下のものが挙げられる:Solsperse 20000、24000、3000、32000、32500、33500、34000、および35200(Avecia K.K.)、またはDisperbyk−106、111、102、161、162、163、164、166、180、190、191、および192(BYK−Chemie GmbH)。
さらに好ましい実施態様においては、本発明のインクジェット印刷インキ組成物は、抗沈降剤を含む。この物質で、インキの中のフレーク状のアルミニウム効果顔料が沈降することを防止することが期待される。例としては以下のものが挙げられる:Byk(登録商標)−405と熱分解シリカとの組合せ、変性尿素、たとえばByk(登録商標)−410およびByk(登録商標)−411、またはワックス、たとえばByk Ceramat(登録商標)237、Ceramat(登録商標)250、Cerafak(登録商標)103、Cerafak(登録商標)106、またはCeratix(登録商標)8461。水性インキ配合物においては、Byk(登録商標)−420が特に好ましい。
潤滑剤は、印字ヘッド構造の中での、インクジェット印刷インキの通過性を改良するのに役立つ。潤滑剤は、脂肪酸、たとえばステアリン酸もしくはオレイン酸、脂肪酸エステル、およびそれらの混合物からなる群より選択されるのが好ましい。
湿潤剤は、水系インクジェット印刷インキ中で使用して、特に印字ヘッドの中にあるときの乾燥を回避する。湿潤剤は、蒸発速度を抑制し、ジェットオリフィスで蒸発が起きた場合に染料の沈降を防止する。湿潤剤は、ポリオール、たとえば、グリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリビニルアルコール、およびそれらの混合物からなる群より選択されるのが好ましい。
微生物の生長を防止するために、インクジェット印刷インキの中に殺虫剤を組み入れることができる。たとえば、ポリヘキサメチレンビグアニド、イソチアゾロン、イソチアゾリノン、たとえば、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CIT)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)など、またはそれらの混合物を使用することができる。
アルミニウム効果顔料に加えて、各種の着色剤をインクジェット印刷インキの中に組み入れることができる。たとえば、各種のブラック着色剤、たとえば、C.I.ソルベントブラック27、28、29、35、45;各種のブルー着色剤、たとえば、C.I.ダイレクトブルー86、199;C.I.ソルベントブルー25、44、48、67、70;各種のレッド着色剤、たとえば、C.I.アシッドレッド52;C.I.ソルベントレッド49、172;C.I.ディスパースレッド60;C.I.ピグメントレッド122;C.I.および/または各種のイエロー着色剤、たとえば、アシッドイエロー23;C.I.ダイレクトイエロー86;C.I.ディスパースイエロー119;C.I.ソルベントイエロー162;ソルベントイエロー146;C.I.ピグメントイエロー17などを、本発明のインクジェット印刷インキとの組合せで使用することができる。
本発明の基礎をなす目的は、さらに、請求項1〜18のいずれか1項のインクジェット印刷インキを、基材の表面上に好ましくはインクジェットプリンターを使用して適用し、印刷する方法の提供により解決される。
基材は、塗工紙または非塗工紙、塗工板紙または非塗工板紙、プラスチック、金属、セラミックス、ガラス、織物、およびそれらの組合せからなる群より選択するのが好ましい。最も好ましい基材はプラスチックである。
本発明のインクジェット印刷インキは、市販されているインクジェットプリンターを使用して基材に適用することができる。インクジェットプリンターが、アルミニウム効果顔料含有のインクジェット印刷インキを保持するための容器を有しているのが好ましい。印刷する前に、印刷装置のノズルまたはその他の部品を閉塞する可能性がある、残存する可能性がある凝集粒子を除去するのに適したメッシュサイズを有する篩に、アルミニウム効果顔料含有のインクジェット印刷インキを通過させて、濾過するのが好ましい。
本発明の目的は、さらに、請求項13〜24のいずれか1項に記載のインクジェット印刷インキを製造するための方法によって解決されるが、それには、本発明のアルミニウム効果顔料を、インクジェット印刷インキの成分、たとえば、(1種または複数の)結合剤、(1種または複数の)溶媒、(1種または複数の)添加剤など、先に詳しく説明したようなものと、穏やかに混合することが含まれる。
本発明のインクジェット印刷インキ組成物は、たとえば以下の方法によって調製することができる:最初に、本発明のアルミニウム効果顔料、場合によっては分散剤、および液状溶媒および/または液状結合剤および/または希釈剤を、アルミニウム効果顔料を損傷しないように、穏やかに混合する。次いで、インクジェット印刷インキを、ボールミル、パールミル、ビーズミル、超音波、ジェットミルなどにより調製し、所望のインクジェット印刷インキ特性となるように調節を実施する。次いで、場合によっては、液状溶媒および/または添加剤、たとえば分散助剤、粘度調節剤および/またはバインダー樹脂を添加するか、または撹拌下で付加的に添加し、それによって本発明のインクジェット印刷インキを得る。
特許請求された方法の重要な見地は、先にも説明しように、混合プロセスの間にアルミニウム効果顔料が損傷を受けないということである。特別の性能を維持するためには、アルミニウム効果顔料の微小板構造を保持しなければならない。アルミニウム効果顔料を曲げたりひねったりすると、その特有の鏡面性が著しく損なわれることになる。
たとえば、本発明のインクジェット印刷インキの成分は、超音波浴を使用し、次いで磁気撹拌によって穏やかに混合することができる。
本発明のインクジェット印刷インキは、各種のインクジェット印刷インキ技術を用いて使用することができる。本発明のインクジェット印刷インキ組成物は、各種のインクジェット記録系に適用することができる。すなわち、各種のインクジェット記録系、たとえば、静電引力を利用してインクジェット印刷インキが吐出される電場制御系、圧電素子の駆動圧力を利用してインキが吐出されるドロップ・オン・デマンド系(または加圧パルス系)、さらには、高熱によって気泡を形成させ、それを成長させることにより発生する圧力を利用してインキが吐出されるバブル系または加熱系などに適用することができる。
本発明のインクジェット印刷インキは、連続インクジェット(CIJ)または、衝撃もしくはドロップ・オン・デマンド(DOD)インクジェット技術を用いて使用するのが好ましい。
本発明について、以下の非限定的な実施例によってさらに説明する。好ましい実施態様のみを示し、説明していることを理解されたい。当業者には自明のことであるが、本発明のコンセプトの基礎となっている精神と範囲から外れることなく、各部分のある種の変更、各種の改変および再配列をすることが可能であり、添付の請求項の範囲に示されている限りを除き、本明細書に示され説明された特定の形態に限定される訳ではない。
顔料A
a)アルミニウムのアトマイズおよびアルミニウムグリットの分離:
アルミニウムのバレルを工業炉(Company Induga;容量、2.5トン)の中に連続的に供給し溶融させた。プレクッカーにおいて、溶融アルミニウムの温度を720℃に保持した。インジェクターの原理で動作する数本のインジェクターをその熔融物の中に浸漬した。アルミニウム熔融物を、垂直上方にアトマイズさせた。アトマイズ用ガスは圧縮して約20バールとし、約700℃にまで加熱した。不活性ガス(窒素)の中を飛行している間に、アルミニウムグリッドを冷却、固化させた。アルミニウムグリットをサイクロン中で捕集すると、14〜17μmのd50を特徴とするグリットが得られた。さらなる分離で、グリットをマルチサイクロンに供給すると、2.3〜2.8μmのd50値を有するグリットが得られた。最終的には、極めて微細なグリットがフィルター中に捕集された。このグリットは、d10値が0.4μm、d50値が1.0〜1.9μm、d90値が2.0〜3.8μmであった。
b)磨砕
バレルミル(長さ:32cm、幅:19cm)に、4kgのガラス球(直径:2mm)、75gのa)からの微細アルミニウムグリッド、200gのホワイトスピリットおよび3.75gのオレイン酸を供給した。次いで、その混合物を58rpmの回転速度で15時間かけて磨砕すると、極めて薄いアルミニウムフレークが得られた。ミネラルスピリットを用いて洗浄することによりその生成物を分離し、次いで25μmメッシュの篩を使用して湿式篩プロセスで篩別した。吸引フィルターを使用して、微細生成物をミネラルスピリットから実質的に分離し、最終的に、顔料を、ラボラトリーミキサー中でイソプロパノールを用いて固形分含量が約50重量%のペーストとした。
以下においては、この顔料ペーストを顔料Aと呼ぶ。
c)粉砕:
イソプロパノールを用いて顔料Aを希釈して10%分散体とし、次いでパールミル(DRAIS PML H/V SuperTex)中でステンレススチール球(直径:0.7〜0.9mm)を使用して粉砕した。磨砕時間は4時間であった。
明細:
粉砕後の顔料分散体は、以下の特性を有する粒子サイズ分布(psd)を有していた:D10=1.1μm;D50=3.2μm;D90=6.3μm、D99=9.5μm、D100=12.0μm。
レーザー粒度計Cilas 1064(Cilas、France)を用いて測定。
粉砕の後、顔料分散体を、PM(メトキシプロパノール)を用いた溶媒交換プロセスにかけ、イソプロパノールおよびメトキシプロパノールの混合物中50重量%のペーストを得た。
以下においては、この顔料ペーストを顔料Bと呼ぶ。
顔料C:
出発顔料:市販のPVDアルミニウム分散体:「Metalure W」(イソプロパノール中の分散体で固形分含量20重量%)Eckart GmbH & Co.KGにより販売。
粒子サイズ分布(PSD):D10=3μm;D50=11.5μm;D90=19.0μm。
以下においては、この顔料分散体を顔料Cと呼ぶ。
粉砕および溶媒交換(顔料D):
Metalure W(顔料C)分散体をイソプロパノールを用いて希釈して、10%分散体とした。次いで、その分散体をパールミル(DRAIS PML H/V SuperTex)中でステンレススチール球(直径:0.7〜0.9mm)を使用して粉砕した。添加剤(DisperByk 106)を添加して、金属顔料の集塊を防止した。磨砕時間は4時間であった。
その粉砕した顔料は、以下の特徴の粒子サイズ分布(PSD)を有していた:D10=0.6μm;D50=2.2μm;D90=4.6μm;D100=10μm。
その粉砕した顔料分散体をさらに溶媒交換プロセスにかけ、PG(プロピルグリコール)中30%分散体を得た。
顔料の特性解析:
a)平均粒子厚み
SEM試験のために以下の記載に従って試料を調製した。
アルミニウム効果顔料BおよびDは、それぞれの場合においてペーストまたは分散体の形態で存在していたので、それぞれまずアセトンを用いて洗浄してから、乾燥させる。
電子顕微鏡法において慣例的に使用される樹脂、たとえばTEMPFIX(Gerhard Neubauer Chemikalien、D−48031 Munster、Germany)を、試料プレートに適用して、ホットプレート上で加熱して軟化させる。次いで、その試料プレートをホットプレートから外して、それぞれのアルミニウム粉体を、軟化した樹脂の上に散布する。冷却の結果として樹脂は再び固体となり、分散されたアルミニウム効果顔料は、接着性と重力の相互作用のために、試料プレートに対してほとんど垂直に立って固定された状態に調製することが可能である。その結果、電子顕微鏡で横方向に容易に顔料を測定することができる。厚みの測定においては、顔料の方位角αは、表面に対して法線方向の面に対して評価され、次式に従って厚みheffを評価したときに認められる。
eff=hmeas/cosα
累積破過曲線は、相対出現頻度を利用して、heff値からプロットしたものとした。少なくとも約100個の粒子を計数した。これらのデータから、平均厚み分布からのh10、h50およびh90値を評価することができた。平均厚みの目安として、h50値を採用した。
a)X線回折法
顔料AおよびCを、X線回折によって分析した。Thermoelektron(Ecoblens製、Switzerland、タイプX’tron)の粉体回折計を使用した。X線源は銅チューブとし、Kα1,2線を励起源として使用した。装置は、ブラッグ−ブレンターノ配置に従って整備した。測定には数時間かかった。
いくぶんかのアセトンを用いて顔料を洗浄し、その顔料−アセトン分散体の数滴を回転円板の上に置き、室温で乾燥させた。この手順の間に、顔料は下地に対して実質的に平行な配置で配向した。
図1および2に、顔料Aおよび顔料Cの回折図を示す。検出されたX線の強度を、測定角の関数としてプロットしてある。アルミニウムで予想される、いくつかの結晶面の回折に相当するピーク位置(ICDD、すなわちInternational Centre for Diffraction Dataによる)を直線でマークしてある。
顔料Cの回折図(図2)は、[111]面および[222]面のところだけ、際だった強度のピークを示している。[222]面に相当するピークは[111]面よりも高次側にあり、その強度はかなり低い。これらの知見は、その顔料が実質的に単結晶構造であることを示唆しており、それに対して最密充填の[111]面は微小板の表面に対して平行に位置している。
図1においては、顔料Aの回折図が、[200]面の反射に相当する顕著なピークを示していることが認められる。[220]面に相当するさらなる信号と、強度がかなり弱いものの、それぞれ[111]面および[311]面に相当する信号が認められる。積分時間を長くとったにも関わらず、全部の信号強度が、顔料C(pvd−顔料)に比較して明らかに弱い。したがって、湿式磨砕法により製造した顔料Aの結晶特性は、pvd−顔料に比較して顕著に弱い。
そのような反射は、塑性変形状態にあるアルミニウム効果顔料に特有のものであって、そのため、それらは、研磨プロセスの際のアルミニウム効果顔料の物理的状態を反映している。
本発明による実施例1:
従来法により磨砕した極薄アルミニウム顔料(顔料B)をベースとする溶媒系インクジェット流体
ポリアミド樹脂をベースとするインキビヒクルの調製:インキビヒクルA
ポリアミド樹脂 15部
1−ヘキサノール 55部
N−メチルピロリドン(NMP) 30部
=Arizona chemical Savannah、GA、USAによって供給される低分子量ポリアミド樹脂SI−18−129
溶媒ブレンド物を加熱して75℃とし、樹脂を徐々に添加する。中速ミキサーを用いてその混合物を撹拌し、樹脂粒子を全部溶解させる。
そのできあがった樹脂溶液を冷却して室温としてから、サブミクロンメディアフィルターを通して濾過する。
インクジェット印刷インキの調製:
4部の顔料Bを96部のインキビヒクルAにゆっくりと添加し、中速分散器を用いて15分間連続的に撹拌する。次いで超音波浴中でその混合物をさらに5分間処理する。
次いで、20μmメッシュのフィルターを通してできあがったインクジェット印刷インキを濾過して、製造プロセスの間にできた望ましくない大きな粒子または凝集物を除去する。
印刷:
できあがったインクジェット印刷インキを、撹拌機を用いて連続的に撹拌することが可能な容器に移す。そのインクジェット印刷インキを、印字ヘッドの作動に必要な周辺機器を取り付けた印字ヘッド構造の中に供給する。吐出温度を調節して、8〜20cPの範囲の所望の流体粘度となるようにする。
印字ヘッド:Spectra Nova PH256/80AAA
サポートシステム:Spectra Apollo 2印字ヘッドサポートキット
条件:吐出温度70℃
吐出周波数5kHz
比較例2:
PVDアルミニウム顔料調製物(顔料B)をベースとする溶媒系銀色インクジェット流体
ポリアミド樹脂をベースとするインキビヒクルの調製:インキビヒクルA
実施例1の記載と同じインキビヒクルの調製
インクジェット印刷インキの調製:
4部の顔料Dを96部のインキビヒクルAに添加し、高速分散器を用いて30分間連続的に撹拌する。
次いで、20μmメッシュのフィルターを通してできあがったインクジェット流体を濾過して、製造プロセスの間にできた望ましくない大きな粒子または集塊物を除去する。
次いで超音波浴中でその混合物をさらに5分間処理して、最大限の分散にする。
印刷:
できあがったインクジェット印刷インキを、撹拌機を用いて連続的に撹拌することが可能な容器に移す。そのインクジェット印刷インキを、印字ヘッドの作動に必要な周辺機器を取り付けた印字ヘッド構造の中に供給する。吐出温度を調節して、8〜20cPの範囲の所望の流体粘度となるようにする。
印字ヘッド:Spectra Nova PH256/80AAA
サポートシステム:Spectra Apollo 1印字ヘッドサポートキット
条件:吐出温度70℃
吐出周波数5kHz
本発明による実施例3:
湿式磨砕アルミニウム効果顔料調製物(顔料A)をベースとするUV銀色インクジェット流体
出発顔料:顔料Aで記載したようにしてアトマイズおよび磨砕により得られたアルミニウム効果顔料であるが、ただし2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン中、固形分含量が50重量%のペーストを調製した。
粉砕:
中剪断分散器を使用して、30部の上述のアルミニウム効果顔料ペーストを、30部のイソプロパノール中に分散させる。
十分に分散させてから、その混合物を高性能メディアミルに移し、顔料分散体の平均粒子サイズが2.5±0.5μmのd50になるまで磨砕する。その平均粒子サイズ分布(PSD)は次のとおりであった:d10=1.0μm;d50=2.5μm;d90=4.73μm;d100=10.3μm。
レーザー粒度計Cilas 1064(Cilas、France)を用いて測定。
次いでそのスラリーをミルから取り出し、ロータリーエバポレーターに入れ、イソプロパノールを除去する。イソプロパノールを除去してから、追加の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンを用いて、固形分含量をもう一度50%に再調整する(顔料E)。
UVインキビヒクルの調製:インキビヒクルC
1,6ヘキサンジオールジアクリレート(HDODA) 40部
ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(TPO) 5部
トリメチロールプロパンポリオキシエチレントリアクリレート(TMP(EO)TA) 40部
アクリレートオリゴマー(CAS:52408−84−1) 14部
分散添加剤EFKA2721 0.5部
=Miramer M3130、MIWON Commercial Co.,Ltd.の商標
=Lucirin TPO、BASFの商標
=Miramer M200、MIWON Commercial Co.,Ltd.の商標
=EFKA、Ciba Specialty Chemicalsの商標
5部のTPOを40部のHDODAに添加し、撹拌下で穏やかに加熱してTPOを完全に溶解させた。温度が70℃を超えないようにしなければならない。混合物が50℃になるまで撹拌を続け、次いでUVビヒクルの他の成分を添加した。
次いでできあがったビヒクルを、サブミクロンメディアフィルター通して濾過する。
インキの調製:
6部の顔料Eを94部のインキビヒクルCに添加し、高速分散器を用いて30分間連続的に撹拌する。温度が50℃を超えてはならない。
次いで、20μmメッシュのフィルターを通してできあがった温かいインクジェット印刷インキを濾過して、製造プロセスの間にできた望ましくない大きな粒子または集塊物を除去する。
冷却してから、超音波浴中でその混合物をさらに10分間処理して、最大限の分散にする。
印刷:
できあがったインクジェット印刷インキを、撹拌機を用いて連続的に撹拌することが可能な容器に移す。そのインキを、印字ヘッドの作動に必要な周辺機器を取り付けた印字ヘッド構造の中に供給する。吐出温度を調節して、8〜20cPの範囲の所望の流体粘度となるようにする。
印字ヘッド:Spectra Nova PH256/80AAA
サポートシステム:Spectra Apollo 1印字ヘッドサポートキット
条件:吐出温度80℃
吐出周波数5kHz
比較例4:
PVDアルミニウム顔料調製物(顔料C)をベースとするUV銀色インクジェット流体
出発顔料:比較例2で使用したのと同様の顔料調製物Cであるが、ただし、溶媒としての2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン中、Metalure Wの20%分散体を使用した。
粉砕:
中剪断分散器を使用して、30部の上述のpvd−アルミニウム顔料分散体を、30部のイソプロパノール中に分散させる。
十分に分散させてから、その混合物を高性能メディアミルに移し、顔料分散体の平均粒子サイズが2.5±0.5μmのd50になるまで磨砕する。
その平均粒子サイズ分布(PSD)は次のとおりである:D10=0.9μm;D50=2.5μm;D90=4.4μm;D100=9.9μm。
レーザー粒度計Cilas 1064(Cilas、France)を用いて測定。
次いでそのスラリーをミルから取り出し、ロータリーエバポレーターに入れ、イソプロパノールを除去する。イソプロパノールを実質的に除去してから、追加の2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノンを用いて、固形分含量をもう一度30%に再調整する(顔料E)。
UVインキビヒクルの調製:実施例3に記載のインキビヒクルC
インクジェット印刷インキの調製:
10部の顔料Eを90部のインキビヒクルCに添加し、高速分散器を用いて30分間連続的に撹拌する。温度が50℃を超えてはならない。
次いで、20μmメッシュのフィルターを通してできあがった温かいインクジェット印刷インキを濾過して、製造プロセスの間にできた望ましくない大きな粒子または集塊物を除去する。
冷却してから、超音波浴中でその混合物をさらに10分間処理して、最大限の分散にする。
印刷:
できあがったインクジェット印刷インキを、撹拌機を用いて連続的に撹拌することが可能な容器に移す。そのインクジェット印刷インキを、印字ヘッドの作動に必要な周辺機器を取り付けた印字ヘッド構造の中に供給する。吐出温度を調節して、8〜20cPの範囲の所望の粘度となるようにする。
印字ヘッド:Spectra Nova PH256/80AAA
サポートシステム:Spectra Apollo 1印字ヘッドサポートキット
条件:吐出温度80℃
吐出周波数5kHz
本発明による実施例5:
湿式磨砕アルミニウム顔料調製物(顔料A)をベースとする溶媒系銀色インクジェット流体
顔料調製物:顔料A
ポリビニルブチラール樹脂をベースとするインキビヒクルの調製:インキビヒクルB
ポリビニルブチラール樹脂 5部
イソプロパノール 35部
エチレングリコールメチルエーテル 25部
メトキシプロパノール(PM) 35部
=Pioloform BN18はWacker Polymer Systems GmbH & Co.KG、Germanyの商標である。
溶媒ブレンド物を加熱して75℃とし、樹脂を徐々に添加する。中速ミキサーを用いてその混合物を撹拌し、樹脂粒子を全部溶解させる。
そのできあがった樹脂溶液を冷却して室温としてから、サブミクロンメディアフィルターを通して濾過する。
インクジェット印刷インキの調製:
4部の顔料Aを96部のインキビヒクルAに添加し、高速分散器を用いて30分間連続的に撹拌する。
十分に分散させてから、その混合物を高性能メディアミルに移し、顔料分散体の平均粒子サイズが2.8±0.5μmになるまで磨砕する。その平均粒子サイズ分布(PSD)は次のとおりであった:d10=1.3μm;d50=2.8μmd90=5.6μm;d100=11μm。
レーザー粒度計Cilas 1064(Cilas、France)を用いて測定。
次いで、20μmメッシュのフィルターを通してできあがったインクジェット印刷インキを濾過して、製造プロセスの間にできた望ましくない大きな粒子または集塊物を除去する。
次いで超音波浴中でその混合物をさらに5分間処理して、最大限の分散にする。
印刷:
できあがったインクジェット流体を、撹拌機を用いて連続的に撹拌することが可能な容器に移す。そのインキを、印字ヘッドの作動に必要な周辺機器を取り付けた印字ヘッド構造の中に供給する。吐出温度を調節して、8〜20cPの範囲の所望の流体粘度となるようにする。
印字ヘッド:Spectra Nova PH256/80AAA
サポートシステム:Spectra Apollo 1印字ヘッドサポートキット
条件:吐出温度80℃
吐出周波数5kHz
比較例6:
PVDアルミニウム顔料調製物をベースとする溶媒系銀色インクジェット流体
顔料調製物:顔料C
ポリビニルブチラール樹脂をベースとするインキビヒクルの調製:実施例5に記載のインキビヒクルB
インクジェット印刷インキの調製:
4部の顔料Cを96部のインキビヒクルBに添加し、高速分散器を用いて30分間連続的に撹拌する。
十分に分散させてから、その混合物を高性能メディアミルに移し、顔料分散体の平均粒子サイズが2.8±0.5μmになるまで磨砕する。その平均粒子サイズ分布(PSD)は次のとおりであった:d10=1.0μm;d50=2.8μmd90=5.1μm;d100=10μm。
レーザー粒度計Cilas 1064(Cilas、France)を用いて測定。
次いで、20μmメッシュのフィルターを通してできあがったインクジェット印刷インキを濾過して、製造プロセスの間にできた望ましくない大きな粒子または集塊物を除去する。
次いで超音波浴中でその混合物をさらに5分間処理して、最大限の分散にする。
印刷:
できあがったインクジェット印刷インキを、撹拌機を用いて連続的に撹拌することが可能な容器に移す。そのインキを、印字ヘッドの作動に必要な周辺機器を取り付けた印字ヘッド構造の中に供給する。吐出温度を調節して、8〜20cPの範囲の所望の流体粘度となるようにする。
印字ヘッド:Spectra Nova PH256/80AAA
サポートシステム:Spectra Apollo 1印字ヘッドサポートキット
条件:吐出温度80℃
吐出周波数5kHz
結果
本発明のインクジェット印刷インキを使用して得られる印刷物は、PVD−顔料を含むインクジェット印刷インキを使用した印刷物に比肩できる光学的外観を有していた。


Claims (29)

  1. 以下の性質:
    a)体積平均粒子サイズ分布曲線のd50値が1μm〜15μm、
    b)SEM画像から計数して求めた平均厚みh50が15〜150nm、
    c)前記アルミニウム効果顔料について、実質的に面に平行に整列させて測定したX線回折図が、[111]反射または[222]反射ではないメインピークを示す、
    を有する、アルミニウム効果顔料。
  2. 前記アルミニウム効果顔料が、そのSEM画像から計数して求めて、20〜80nmの平均厚みh50を有する、請求項1のアルミニウム効果顔料。
  3. 前記アルミニウム効果顔料が、次式(I)によって計算して、30%〜150%の厚み分布の相対幅Δhを有する、先行する請求項のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
    Δh=100(h90−h10)/h50 (I)
    [式中、h90は、前記アルミニウム効果顔料の絶対高さの90%をカバーする顔料の数値であり、h10は絶対高さの10%をカバーする顔料の数値であり、h50は絶対高さの50%をカバーする顔料の数値である]
  4. 前記アルミニウム効果顔料が、35%〜70%の厚み分布の相対幅Δhを有する、請求項3のアルミニウム効果顔料。
  5. 前記アルミニウム効果顔料が、15〜80nmの平均厚みh50、および好ましくは30から70%未満までの請求項3において規定されたΔhを有する、請求項3または4のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
  6. 前記アルミニウム効果顔料が、約1μm〜10μmの範囲の体積平均粒子サイズ分布曲線のd50を有する、先行する請求項のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
  7. 前記アルミニウム効果顔料が、12μm未満のd99を有する、先行する請求項のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
  8. 前記アルミニウム効果顔料が、12μm未満のd100を有する、先行する請求項のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
  9. 前記アルミニウム効果顔料が、30〜500の範囲のアスペクト比d50/h50を有する、先行する請求項のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
  10. 前記アルミニウム効果顔料が、腐食防止材料の層でコーティングされている、先行する請求項のいずれか1項のアルミニウム効果顔料。
  11. 前記腐食防止材料が、金属酸化物および/または有機ポリマーである、請求項10のアルミニウム効果顔料。
  12. 前記金属酸化物が、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、およびそれらの混合物または組合せ、からなる群より選択される、請求項11のアルミニウム効果顔料。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のアルミニウム効果顔料を含む、インクジェット印刷インキ。
  14. 少なくとも1種の溶媒および/または少なくとも1種の希釈剤ならびにさらなる少なくとも1種の添加剤をさらに含む、請求項13のインクジェット印刷インキ。
  15. 少なくとも1種の結合剤をさらに含む、請求項13または14のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  16. 前記結合剤が、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約1〜99重量%の量で存在する、請求項15のインクジェット印刷インキ。
  17. 前記インクジェット印刷インキが、溶媒または水またはそれらの混合物をベースとし、結合剤を、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約1〜50重量%の量で含む、請求項13〜16のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  18. 前記インクジェット印刷インキが、照射硬化性インキであり、前記希釈剤が、反応性または非反応性希釈剤である、請求項14〜17のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  19. 前記溶媒および/または希釈剤が、水、アルコール、エステル、エーテル、チオエーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルアセテート、アミン、アミド、ケトン、炭化水素、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項14〜18のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  20. 前記インクジェット印刷インキが、溶媒系または水系インキであって、前記溶媒または水を、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約10〜95重量%の量で含む、先行する請求項13〜19のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  21. 前記インクジェット印刷インキが、溶媒を、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約0〜50重量%の量で含む、照射硬化性インキである、請求項18のインクジェット印刷インキ。
  22. 前記少なくとも1種の添加剤が、分散剤、抗沈降剤、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、pH調節剤、殺虫剤、またはそれらの混合物からなる群からなる、先行する請求項13〜21のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  23. 前記アルミニウム効果顔料が、前記インクジェット印刷インキの全重量を基準にして、約0.1〜30重量%の量で含まれる、先行する請求項13〜22のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  24. 前記インクジェット印刷インキが、ブルックフィールド粘度計LVモデルDV−II+でスピンドルNo.61を使用し、100rpm、温度21℃で測定して、約1〜100cpsの範囲の粘度を有している、先行する請求項13〜23のいずれか1項のインクジェット印刷インキ。
  25. 請求項13〜24のいずれかのインクジェット印刷インキを、好ましくはインクジェットプリンターを使用して基材の表面の上に適用することを含む、印刷方法。
  26. 前記基材が、塗工紙および非塗工紙、塗工板紙および非塗工板紙、プラスチック、金属、セラミックス、ガラス、織物、ならびにそれらの組合せからなる群より選択される、請求項25の方法。
  27. アルミニウム効果顔料を、インクジェット印刷インキの成分、たとえば、溶媒、希釈剤、添加剤および/または結合剤と穏やかに混合することを含む、請求項13〜25のいずれか1項に記載のインクジェット印刷インキを製造する方法。
  28. インクジェット印刷インキにおける、請求項1〜12のいずれか1項のアルミニウム効果顔料の使用。
  29. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のアルミニウム効果顔料、または請求項13〜24のいずれか1項のインクジェット印刷インキを用いてコーティングされた物品。
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