JP2010533308A - 眼鏡の調整に関する改良 - Google Patents

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Abstract

患者の目とレンズを位置合わせするための携帯型装置。前記装置は、眼鏡を装用する患者の画像を取り込み記憶する手段と、患者の瞳孔中心を画像上で決定する処理手段と、患者の瞳孔がレンズの光学中心と位置合わせされた状態にて、患者の目の上にレンズの位置を表示画面で示すこととを含む。

Description

本発明は眼鏡の調整(フィッティング)に関する。特に、本発明は、眼鏡装用者の目の瞳孔と眼鏡用レンズの的確な位置合わせに関する。
眼鏡を調整する際、取り付けられるレンズの光学中心が患者の瞳孔に対して的確に位置することを確保するのは重要である。理想的には、レンズの光学中心は患者の瞳孔中心上に位置すべきである。これは、レンズが可変焦点レンズである場合、特に重要である。レンズの光学中心位置は、与えられた眼鏡の機能にも拠る(例えば近距離または遠距離視力)。例えば、読書用の眼鏡用レンズの光学中心は、遠視用に処方されたものよりも、眼鏡のブリッジにより近い。レンズの光学中心が的確に位置合わせをされていない場合、レンズの効果は低減する。
現状における眼鏡調整工程は、レンズの光学中心の最適位置を手でマークすることを含む。典型的には、一度患者がフレームを選択すると、患者が眼鏡を装用している間、眼鏡技師は永久的なマーカーを使用し、フレーム中に収まる素材板上に患者の瞳孔位置を示す。眼鏡技師は、通常、患者の瞳孔位置を目で判断するか、または測定装置を使用することもできる。測定装置は、定規または特許文献1に開示されるような特殊な装置でも良い。眼鏡技師がレンズの光学中心の最適位置と認められる場所を示すと、眼鏡は、マークが付された素材版を含め、レンズの製造と調整のため、レンズ製造者に送付される。
上記方法によるレンズの光学中心の位置合わせが不完全であることは明らかである。位置合わせの的確性は多数のパラメータの影響を受ける可能性があり、例えばパラメータとは、眼鏡技師が瞳孔の位置をマークまたは測定する際の患者の目の動き、及び特に眼鏡技師の技術などを言う。
患者の瞳孔上の光学中心への位置合わせの精度を向上するために、多数の装置が開発されてきた。例えば、特許文献2は、眼鏡装用者のそれぞれの瞳孔からの距離及び鼻橋からの距離を測定する装置を記載している。「ピュピロメーター」として知られる、より最近の装置が、エシロールリミテッド、NIDEKカンパニーリミテッド及びHOYA株式会社などの企業によって商品化されている。ピュピロメーターは患者の瞳孔距離を測定する。瞳孔距離とは、患者の一方の目の瞳孔中心から患者の他方の目の瞳孔中心までの距離を言う。しかしながら、上述のピュピロメーターは、患者の瞳孔上に光学中心位置を正確に位置決めできる程度の十分な精度では瞳孔距離を測定することはできない。さらに、ピュピロメーターは、レンズの光学中心または眼鏡フレームの寸法に対する瞳孔距離及び瞳孔中心位置を測定しない。
米国特許第4131338号明細書 英国特許第885429号明細書
本発明は、選ばれた眼鏡フレームに関連する患者の瞳孔中心の三次元情報を取得することを意図した装置及び方法に属する。
この背景に反して、本発明は、レンズを患者の目と位置合わせする装置であって、眼鏡を装用する患者の画像を取り込み記憶する手段と、患者の瞳孔中心を画像上で決定し、レンズの光学中心と患者の瞳孔とが位置合わせされた状態にて、患者の目の上にレンズの位置を表示画面上で示す処理手段を含む装置を提供する。
本発明は、デジタル画像取込及び画像認識技術に基づく。定規を使う代わりに、例えば、眼鏡技師は眼鏡を装用する患者の画像を取り込み、装置は自動的に瞳孔中心を認識し、フレームの端部までの距離を測定する。情報は、例えばカラー印刷物上に、フレーム加工者または製造者との通信のために出力される。
有利には、眼鏡フレームの調整中、手動による測定方法の不正確な工程に代わり、本装置はデジタル技術を活用して正確性を増強する。これは、患者の視力の質の向上に帰し、そのため眼鏡技師のもとへ返品される眼鏡は減少する。本発明は、簡略な「全自動」データ収集工程を備え、これは本発明の使用者が比較的技術訓練を受けていなくても良いことを意味する。例えば、本発明にかかる方法は、資格のある眼鏡技師がいるかどうかに依存しない。
好適には、この処理手段は、画像中の端部を強調する輪郭線強調アルゴリズム及び/または画像中の円形を検出する円認識アルゴリズム及び/または画像中の暗部を検出する暗領域認識アルゴリズム及び/または画像中の患者の瞳孔中心を検出するアルゴリズムを含む。あるいは、この処理手段は赤目光源を含むこともでき、赤目光源は標準カメラ用フラッシュとすることもできる。装置は標準画像及び「赤目」画像を比較する比較手段も含むことができる。
好適な実施形態においては、本装置は、装置から患者の距離を測定する距離測定手段を含む。
距離測定手段は、既知の距離で離れた二重光学組立体と、立体画像を用いて装置から患者までの距離を測定する光学処理手段を含むことがきる。あるいは、距離測定手段は、電動の単一光学組立体と、組立体を駆動させて鮮明な画像を得るよう構成された焦点検出手段とを含み、この単一光学組立体は焦点検出手段で較正され、装置から患者の距離を測定する。あるいは、距離測定手段は、超音波信号送信用の超音波送信機及び超音波信号受信用の超音波受信機、並びに装置から患者の距離を測定する超音波処理手段を含む。あるいは、距離測定手段は、表示画面上に重ねられた照準ガイドを含む。
好適には、本装置は画像上にレンズ用眼鏡フレームの端部を示す手段を含む。
好適には、本装置は輻輳回避手段を含む。輻輳制御装置はレーザースペックル生成方法を含むことができる。あるいは、輻輳制御装置は、第1光源及び第2光源を含むことができる。あるいは、輻輳制御装置は、反射面を含むことができる。あるいは、輻輳制御装置は、輻輳を補正する処理手段を含むことができる。
好適には、本装置は装置の向きを検出または画像を拡大縮小する向き検出器を含む。向き検出器は電磁チルトセンサまたは加速度計であっても良い。
好適には、本装置は、装置表示画面上のカーソルを移動させ、眼鏡フレームの端部を示すカーソルキー及び選択キーを含む。
好適には、本装置は画像上の寸法を計算するように構成されている。寸法は、フレーム基準線、垂直基準線、PD、H1、H2、H3及びMDBLのうちの1つ以上とすることができる。好適には、本装置は広角チルトを計算するよう構成されている。好適には、本装置は、レンズを表す画像である円を、画像上の患者の目の上に重ねるよう構成されている。
さらなる観点によれば、本発明は上述の装置、この装置に係合可能であり、この装置に対して通信及び電力供給を行うよう構成された装置係合可能ドッキングステーション、及び印刷出力装置を含むシステムを提供する。
好適には、印刷出力装置は、表示画面上の画像に対応する出力ファイルを印刷するよう構成されている。
さらなる観点によれば、本発明はレンズと患者の目の位置を合わせる方法であって、眼鏡を装用する患者の画像を装置上に取込み、かつ記憶し、画像を処理して患者の瞳孔中心を決定し、装置の表示画面上で、患者の瞳孔上にレンズの光学中心の正確な位置を示す方法を提供する。
好適な実施形態においては、この方法は、患者の無限遠視の誘導を含むことができる。さらなる好適な実施形態においては、装置の使用者が画像中のレンズ位置を修正することを含む。さらなる好適な実施形態においては、この方法は、装置から患者の距離の測定を含む。この方法は、装置から患者の距離を利用した画像の拡大縮小を含むこともできる。
この方法は、画像上の眼鏡の端部の表示も含む。この方法は表示画面上に表示されたレンズ素材のセレクションからのレンズ素材の選択も含むこともでき、これら素材はインターネットでダウンロードできる。
この方法は画像上の寸法の計算を含むことができ、寸法はフレーム基準線、垂直基準線、PD、H1、H2、H3及びMDBLのうちの1つ以上とすることができる。
この方法は、レンズの種類及び眼鏡に対するその位置を製造者へ通信することも含むことができる。
有利には、レンズは患者の処方箋に基づき製造され、グレイジング(眼鏡フレームの形にレンズをカットするプロセス)用に眼鏡技師のもとへ円型の状態で戻すこともでき、または既にフレームの中にはめ込んでおくこともできる。眼鏡技師にとって、選ばれた眼鏡フレームに最適なレンズ直径を注文することは、レンズ端部の厚さを最小にするために、重要である。眼鏡技師が、フレームと、レンズ製造者から供給された印刷されたテンプレートとを比較することによって、要求されたレンズ直径を推定するのが現状における方法である。しかしながら、本発明にかかる方法はレンズの厚さの測定も含むことができる。
本発明は容易で便宜な使用のため、PCと通信することができる。
本発明を容易に理解することができるように、例として、添付の図面を参照する。
本発明による、瞳孔距離を測定し記録するシステムを示す図である。 本発明の第1実施形態による、携帯型装置の上面図である。 図2aに示す携帯型装置の正面図である。 本発明の第2実施形態による、携帯型装置の斜視図である。 本発明の第2実施形態による、図3aに示す携帯型装置の分解図である。 本発明による、画像取込方法を示すフロー図である。 本発明による、瞳孔の位置決定を行う方法を示すフロー図である。 本発明による、 眼鏡用レンズの光学中心の正確な位置を決めるための、人間の顔面上の測定ポイントを示す図である。 患者の眼鏡に対する、患者の瞳孔中心を決定する方法を示すフローチャートである。 本発明より得られる、印刷物を示す。 本発明より得られる、印刷物を示す。
図1において、患者が装用する眼鏡用レンズに対する患者の瞳孔位置を測定及び記録するためのシステム2が示されている。システム2は、携帯型装置4、携帯型装置4用のドッキングステーション6及び印刷物出力装置8を含み、このドッキングステーション6には、ドッキングステーション6から電力を供給して携帯型装置4のバッテリー30(図3に示される)を充電し、かつ、携帯型装置4とドッキングステーション6間のデータ通信を行うインターフェイス10が組み込まれている。
図2a及び図2bを参照して、本発明の第1実施形態に従う携帯型装置4を、より詳細に説明する。ケース12には、第1光学レンズ組立体14a及び第2光学レンズ組立体14bが取り付けられており、これは「二重光学組立体」としても知られているが、各組立体はレンズ13(図3aに示される)を含み、このレンズ13は自動または固定焦点組立体を有することができる。各組立体14a、14bの後方で、かつケース12内には、CMOS/CCD画像センサーモジュール15(図3aに示される)、表示画面ウィンドウ20であって、表示画面ウィンドウの後方でケース12内に表示画面ウィンドウ20を通して視認できるLCDモジュール22(図3bに示される)を備える表示画面ウィンドウ20、携帯型装置4を操作し制御するためのカーソルキー24a、選択キー24e及び画像取込キー24b、並びに輻輳制御装置19が取り付けられている。
図3a及び図3bを参照し、本発明の第2実施形態を説明する。第1及び第2実施形態双方に含まれる特徴が記載される。ケース12中に内蔵された電子プリント回路基板組立体28は、ソフトウェアを実行するマイクロプロセッサ(図示せず)、メモリ(図示せず)及びバッテリー30を含む。電気機械式チルトセンサ(図示せず)も、また取り外し可能なデータ記憶装置(図示せず)も、ケース12中に内蔵することができる。
本発明の第2実施形態においては、ケース12は、上側ケース12a及び下側ケース12bに分離され、第2実施形態は、第1実施形態におけるように2つの光学レンズ組立体を有するのではなく、単一レンズ組立体14を有する。第2実施形態は赤目光源18、超音波送信機16a、超音波受信機16b、ファンクションキー24c、24d、24e、データ通信ポート26、及びインターフェイス10と同時操作が可能なコネクタ(図3a及び図3b中では視認できない)も含む。
図4を参照し、本発明の第1実施形態による、眼鏡を装用する患者の分析に適した画像を取得するための方法100を説明する。
患者が眼鏡を選んだ後、ここでは携帯型装置4の「使用者」と称される眼鏡技師が、ステップ102において、携帯型装置4の第1及び第2光学レンズ組立体14a、14bを、選んだ眼鏡を装用する患者に向ける。理想的には、患者は座り、携帯型装置4のレンズ15の中を直視するよう促される。最良の結果を得るため、患者は自然な頭部位置を選ぶように促される。患者の頭部は垂直に保たれ片側に傾くことはないものとする。
ステップ104において、患者の画像は、使用者に対して、リアルタイムでLCD表示画面モジュール22上に表示される。照準ガイドは画像上に重ねられ、LCD表示画面モジュール22の中央部に患者の頭部を正確に置くための基準を提供する。
電気機械式チルトセンサ(図示せず)は、ケース12中に内蔵される。別の実施形態においては、加速度計が電気機械式チルトセンサの代わりに用いられる。チルトセンサからの数値はLCD表示画面モジュール22上に図示される。数値によって携帯型装置4が水平にあることが確認できるまで、使用者は携帯型装置4の方向を調整できる。携帯型装置4の位置が水平に達していない場合、ソフトウェアは画像が取り込まれるのを防ぐ。使用者は、例えばLCD表示画面モジュール22上に表示された図形情報または音響信号などの指標を得て、携帯型装置4が容認できる向きにあることを確認する。
さらに、画像が取り込まれると、チルトセンサからの出力値が蓄積される。携帯型装置4内で実行されるソフトウェアは、補正または画像拡縮係数としてチルトセンサからの出力を利用し、画像を調整する。
ステップ112において、携帯型装置4の位置が容認できると確認されると、ソフトウェアは画像取込キー24bを有効化する。この時点で、ステップ114において輻輳制御が作動する。
近接物体に焦点を合わせると、患者の目は内側に向かって回転する。この「輻輳」現象は患者の瞳孔間の距離を2〜3ミリメートル減少させることがきる。実際に、被験者が装置それ自体に焦点を合わせた場合、患者と使用者間の望ましい距離(1.5メートルから2メートルの間)は、輻輳が原因で、内部瞳孔距離に影響を与える。したがって、患者が無限遠に焦点を当てるよう促すために携帯型装置4は輻輳制御装置19を含み、それは「無限遠視」として知られており、輻輳が測定結果に影響を及ぼさないようにする。
本発明の第1実施形態において、輻輳制御装置19はレーザーを含み、このレーザーはディフューザーを通してレーザービームを輝かせ、レーザースペックルパターンを生成する。図2bに示されるように、患者が携帯型装置4を正面から見る場合、患者は輻輳制御装置19及びレーザースペックルパターンを直視する。この時点で、患者の目は無限遠に焦点を当てる。
別の実施形態において、患者は携帯型装置4によって無限遠に焦点を当てるよう促され、この実施形態において、この携帯型装置4は、携帯型装置4の前部表面上で離れて位置する、被験者を向く2つの光源から成る。使用者は患者に光源を見るよう指示し、2つの光源が1つに融合するまで彼らの焦点を調整する。これで、目が輻輳していないことを確保する。
瞳孔の輻輳を止めるさらなる別の方法は、携帯型装置4の前面上に被験者の反射画像がその中で視認できる反射面を組み込む。これは、効果的に患者の焦点距離を2倍にし、輻輳量を減少させる。
さらなる別の実施形態において、マイクロプロセッサ上で実行するソフトウェアに、患者と携帯型装置間の距離の測定に基づいて輻輳量を計算させ、補正係数としてこの数値を利用して、患者の瞳孔間距離を計算させることも可能である。
ステップ116において画像取込キーが押されると、第1光学レンズ組立体14a及び第2光学レンズ組立体14bのそれぞれが患者に焦点を合わせ、それぞれがメモリに蓄積される患者のデジタル画像を生成する。このソフトウェアは当業者にとって既知のアルゴリズムを含み、このアルゴリズムはここに記載されるように各画像を処理する。
ステップ118において、輪郭線強調アルゴリズムは、各画像中の各目の輪郭を検出し強調する。そして、円認識アルゴリズムは、ステップ120において各目の虹彩及び/または瞳孔を検出する。さらに、ステップ122において、暗領域アルゴリズムは、各目の瞳孔を検出するのに使用され、各画像における瞳孔の位置を確認する。しかしながら、暗領域アルゴリズムは、輪郭線強調アルゴリズム及び/または円認識アルゴリズムに代わり、各画像における瞳孔を検出するのに使用することができる。本発明において使用されるアルゴリズムの例は、フィルタリングに基づくカーネル、閾値及びハフ変換アルゴリズムである。
上記アルゴリズムを使用して虹彩及び/または瞳孔が検出されると、ステップ124で、ソフトウェアは、各検出虹彩及び/または瞳孔上で最小二乗近似アルゴリズムを実行し、各画像における各瞳孔中心を規定する。
本発明の別の実施形態において、携帯型装置4は、標準カメラ用フラッシュなどの赤目光源18を組み込むことができ、赤目現象、すなわち瞳孔を赤く見えるようにする網膜上で光が反射する現象を促進する。この現象は患者の瞳孔を強調するために利用され、画像処理中にソフトウェアがそれらを認識しやすいようにする。この実施形態において、携帯型装置4は2つの画像を取り込む。すなわち、赤目光源18が光る間に取り込まれる「赤目画像」と、その後直ぐに取り込まれる標準画像である。赤目画像は、自動特徴認識工程の間に利用され、この工程は光スペクトルの赤色端部における色彩に対して画像にフィルターをかける。もしくは、瞳孔を識別するために画像は「差し引く」こともできる。なぜなら瞳孔は赤目画像では明るく、瞳孔を容易に識別することができる標準画像では暗いからである。標準画像は、印刷物出力ファイルを編集するために使用され、患者の画像が赤目にならないようにする。
別の実施形態または上述の自動ステップのバックアップ、もしくは「微調整」メカニズムとして、使用者は携帯型装置4上のカーソルキー24aを使用することができ、LCD表示画面モジュール22上に各患者の瞳孔中心を指示するためカーソルを移動させる。ソフトウェアは「ズーム」機能を有し、この機能は約0.1mmに対応する1ピクセルまでの正確性を可能とする。
上述のとおり、患者と携帯型装置4間の最適距離は、1.5〜2.0mである。本発明のこの実施形態において、既知の距離で離間した位置にある第1光学レンズ組立体14a及び第2光学レンズ組立体14bを使用しながら、ステップ126において、携帯型装置4は、立体画像を用いて携帯型装置4から各患者の目の距離を別々に測定する。上述のとおり、各光学レンズ組立体は同時に画像を取り込み、マイクロプロセッサ上のソフトウェアは2つの画像上の各患者の目を分析する。このマイクロプロセッサは、標準立体アルゴリズムを使用して、システムを較正し距離を測定して、画像を分析し処理する。
この実施形態において、携帯型装置4は3D空間で患者の目から携帯型装置の距離を測定するため、ソフトウェアは患者がわずかに左右に向いている場合も補正することができる。携帯型装置4上のソフトウェアは、2つの光学組立体間の既知の距離とは対照的に、画像上の患者の目の距離を比較することで、拡縮係数を決定する。そのため、携帯型装置4は承認画像に測定単位を適用であり、例えば、患者の瞳孔距離を計算することができる。立体画像取込を使用することで、必要な場合は、眼鏡フレームを装用する対象の3D画像を生成することも可能となる。
本発明の第2実施形態において、患者から携帯型装置4までの距離は超音波を用いて測定される。超音波送信機16aは超音波信号を送信し、それは患者によって反射され、超音波受信機16bによって受信される。超音波送信機16a及び受信機16bは携帯型装置内に取り付けられ、単一光学レンズ組立体14に隣接し、超音波信号を患者に向けて送信することができるようにする。その後、マイクロプロセッサ上のソフトウェアは、患者から携帯型装置4までの距離を決定する。
本発明の別の実施形態において、携帯型装置4から患者の距離は、単一の電動光学レンズ組立体14を用いて決定される。この実施形態において、レンズが生み出す画像の鮮明度は携帯型装置4のマイクロプロセッサ上のソフトウェアによって評価される。生成された画像が鮮明でない場合、ソフトウェアは、鮮明な画像が得られるまで光学レンズ組立体のモーターを動かして光学組立体を調整する。レンズ組立体を較正することで、鮮明な画像を得るためにレンズを駆動しなければならない追加の量をソフトウェアが決定できる。この情報は、正確な距離測定に当てはめることができる。
患者と携帯型装置4の距離関係が、予測誤差から外れた場合、装置4はこの事実を使用者に指摘し、例えばLCD表示画面モジュール22上に表示された図形及び/または音響信号を用いて、必要に応じて、使用者が患者に近づいたり、または遠のいたりするよう指示する。
さらなるその他の実施形態において、LCD表示画面モジュール22上に重ねられた照準ガイドは、携帯型装置4から患者までの正確な距離に近づけるために使用される。
ステップ128において、携帯型装置4は携帯型装置4から患者の距離が上述のパラメータに収まるかどうか指摘する。収まらない場合は、使用者は、携帯型装置4から患者への距離がパラメータに収まるまで調整する。
使用者が上述のステップを完了した時点で、LCD表示画面モジュール22上で承認画像が使用者に表示され、図5bで示されるように、レンズの選択工程がステップ130において開始する。画像が正確でない場合は、画像構成及び再取込工程が繰り返される。
別の実施形態において、画像取込キー23bは第1及び第2レベルの押し込み量を有する。第1レベルはステップ102から128までを実行させることができ、第2レベルでは、デジタルカメラの作動方法と同じように、LCD表示画面モジュール22上に使用者に画像が表示される。ソフトウェアは患者と携帯型装置間の正確な距離及び水平が得られるまでキーを完全に押圧してしまうことがないよう構成することができる。
ステップ130において、承認画像は、LCD表示画面モジュール22上で使用者に表示される。画像上に重ねられるのは水平及び垂直カーソルであり、カーソルキー24aを使用すると移動させることができる。図5aを参照して、使用者は各フレームリム152a、152bの上端及び各フレームリム150a及び150bの下端に水平カーソルを移動させ、かつ、ステップ132において、選択キー24fを用いてこれらの位置を承認画像上にマークする。ステップ134において、使用者は同様に各フレームリム168a、168bの内端及び各フレームリム166a、166bの外端の位置を承認画像上にマークする。ソフトウェアは「ズーム」機能を含み、およそ0.1mmに対応する1ピクセルまでの正確性を可能とする。
2つの上端152a、152bの中間点152と2つの下端152a、152bの中間点150の間の距離は、ソフトウェアによって測定される。水平線156は、最低点150と最高点152の中間点に位置し、フレーム基準線と称される。
垂直基準線は、眼鏡フレームブリッジの中間点に位置する概念上の垂直線158であり、カーソルキー24a及び選択キー24fを用いて画像上にマークされる。
右の瞳孔160a及び左の瞳孔160bの中心は上述のとおり検出され、携帯型装置4は測定装置を承認画像に適応することが可能なため、瞳孔距離は既知である。そのため、右目160a瞳孔中心から垂直基準線までの第1距離162a及び左目160b瞳孔から垂直基準線までの第2距離162bは、ソフトウェアによって測定される。
垂直距離164はフレーム基準線から右の瞳孔160a及び左の瞳孔160bの瞳孔中心までの距離を指す。垂直距離164は基準線の上の高さ(H2)として知られている。
広角チルトは、眼鏡用レンズが位置する顔の垂直平面からの角度である。角度は通常8度から10度の間で設定される。画像は顔の垂直平面に垂直に取り込まれるため、広角チルトアングルは垂直高径の計算エラーを減少させることができる。そのため、携帯型装置4によって測定される垂直高径に拡縮係数を適用させることが必要である。ソフトウェアは、広角チルトアングルの初期設定を想定しながら、補正値を適応するよう構成される。
既定の直径を有する、異なるレンズに関連する同心円図形を重ねる携帯型装置4上のソフトウェアは、画像の瞳孔中心上に登録される。これは、使用者が、選択した眼鏡フレームに適したレンズ素材の要素を選択することを可能とする。ソフトウェアは、また、データをレンズ製造者から携帯型装置4にダウンロードするのを可能とし、画像上に非標準素材の要素が重ねられるようにする。
データ通信ポート26、または別の実施形態におけるドッキングステーション6は、携帯型装置4をインターネットに接続可能なPCまたはその他の装置に接続できるようにする。レンズ製造者のウェブポータルへの接続は、レンズ製造者が所有する様々な種類の入手可能なレンズに関する幾何学的データをダウンロードできるようにする。したがって、使用者は種々のレンズ製造者から多数の異なる種類のレンズを選択する選択肢を有する。レンズの種類、レンズの材料及び患者の処方箋によって、レンズの厚さはまったく異なることとなる。眼鏡技師は、最終的な厚さを知ることで、選ばれた眼鏡フレーム用の特定の種類のレンズが適切かどうかを判断することができる。不適切なレンズを選ぶと、レンズの端部は過度に厚く見苦しくなる。ソフトウェアは、レンズの異なる屈折率を利用し、レンズの光学中心からの距離を考慮しながらカーブを決定する周知の方法であるSAG方式を用いて、選ばれたフレームプロフィール用の最終的なレンズ端部の厚さを計算することができる。レンズの異なる場所で厚さを測る際、LCD表示画面モジュール22上に円形のカーソルが現れ、このLCD表示画面モジュール22は対応する端部の厚さを表示する承認画像を拡大したり縮小したりすることができる。仮に厚過ぎるとみなされた場合は、使用者は別の種類のレンズを選ぶことができる。
上述の本発明にかかる通信の特徴によって、携帯型装置4を経由してレンズ製造者から直接レンズをダウンロードしたり注文したりすることができる。これを達成するため、携帯型装置4は製造者オンライン注文ウェブポータルとのインターフェイス手段を含む。さらなる実施形態において、これは、装置内にモデムを組み込むことによって達成され、そのモデムはインターネットに直接または無線経由で接続可能である。
使用者及び患者がレンズとフレームの選択に満足すると、使用者は、ソフトウェアが承認画像を出力ファイルに変換する機能を選択するが、この出力ファイルは装置4がドッキングクレードル6に結合されている場合に印刷物出力装置8上で印刷するのに適した形式である。マイクロプロセッサ上で実行される画像認識ソフトウェアは、自動的に画像の水平と縮尺を補正し、自動コントラスト及び明度フィルターを適用する。別の実施形態において、携帯型装置と印刷物出力装置間の通信は、無線接続である。あるいは、ドッキングクレードル6は「直接プリント」キーを含み、それは、携帯型装置4がデッキ装置6に結合された場合に、キーの一押しで印刷物出力装置への印刷を可能とする。あるいは、ドッキングクレードル6は印刷物出力装置と一体化する。
カスタマイズされた形式であり、印刷物出力装置とのみ正常に機能する出力ファイルは、図6aに示される第1印刷ファイル200を含み、第1印刷ファイル200は、フレームを装用する患者の縮小された挿入顔写真202、眼鏡販売業者が例えばその連絡先情報を入力するカスタマイズ可能な区域、及び眼部区域204(前額部中央から鼻尖部にかけて)の縮尺比1対1のトリミング画像を含む。フレームにレンズがはめこまれた時点で、フレームを点検するための反転画像206を図6bに示す。
第1印刷ファイル200は、瞳孔中心208a、208bを示す、上記画像上に重ねられた図形、水平フレーム基準線210、レンズ端部/フレーム輪郭212a、212b、垂直基準線214及び瞳孔216a、216bの中心を通過する垂直線を含む。
図6aの印刷物201の反転は、図6bに示されるように、患者の眼鏡の処方箋218も表示する。PDは患者のそれぞれの目から垂直基準線214までの距離であり、SPH、CYL、AXIS及びADDは、球面、円柱、軸及び追加屈折率に対する眼鏡処方箋における周知の省略形である。H1は瞳孔中心から使用者の選んだフレームの下端部までの距離である。H2は基準線の上の高さである。H3は瞳孔中心からレンズの下端部までの垂直距離であり、本発明のさらなる実施形態において自動的に検出される。Aは各レンズの水平距離である。Bは各レンズの垂直距離である。そしてMDBLはレンズ間の最短距離である。
本発明にかかる種々の実施形態を容易に組み合わせることができるのは、当業者にとって明らかであろう。本発明は、本質的な性質から逸脱することなく、その他の形式で実施することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして、前述の具体的説明よりも添付の特許請求の範囲及びここに記載した一般的な記述を参照すべきである。

Claims (40)

  1. 患者の目とレンズを位置合わせするための装置であって、眼鏡を装用する患者の画像を取り込み記憶する手段と、
    患者の瞳孔中心を画像上で決定し、患者の瞳孔とレンズの光学中心が位置合わせされた状態にて、患者の目の上にレンズの位置を表示画面上で示す処理手段を含むことを特徴とする装置。
  2. 前記処理手段が画像中の端部を強調する輪郭線強調アルゴリズムを含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記処理手段が画像中の円形を認識する円認識アルゴリズムを含む請求項1または2に記載の装置。
  4. 前記処理手段が画像中の暗領域を検出する暗領域認識アルゴリズムを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 前記処理手段が画像中の患者の瞳孔中心を検出するアルゴリズムを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置
  6. 前記処理手段が赤目光源を含む、請求項1に記載の装置。
  7. 前記赤目光源が標準カメラ用フラッシュである、請求項6に記載の装置。
  8. 前記装置が、標準画像と「赤目」画像を比較する比較手段を含む、請求項6〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 前記装置が、装置から患者の距離を計算する距離測定手段を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 前記距離測定手段が、既知の距離で離れた二重光学組立体と、立体画像を用いて装置から患者の距離を測定する光学処理手段を含む、請求項9に記載の装置。
  11. 前記距離測定手段が、電動の単一光学組立体と、組立体を駆動させて鮮明な画像を得るよう構成された焦点検出手段とを含み、単一光学組立体が前記焦点検出手段で較正され、装置から患者の距離を測定する、請求項9に記載の装置。
  12. 前記距離測定手段が、超音波信号送信用の超音波送信機及び超音波信号受信用の超音波受信機、並びに装置から患者の距離を測定する超音波処理手段を含む、請求項9に記載の装置。
  13. 前記距離測定手段が表示画面上に重ねられた照準ガイドを含む、請求項9に記載の装置。
  14. 前記装置が画像上にレンズ用眼鏡フレームの端部を示す手段を含む、請求項1に記載の装置。
  15. 前記装置が輻輳回避手段を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
  16. 前記輻輳制御装置がレーザースペックル生成手段を含む、請求項15に記載の装置。
  17. 前記輻輳制御装置が第1光源及び第2光源を含む、請求項15に記載の装置。
  18. 前記輻輳制御装置が反射面を含む、請求項15に記載の装置。
  19. 前記輻輳制御装置が輻輳を補正するための処理手段を含む、請求項15に記載の装置。
  20. 前記装置が、装置の向きを検出する、または画像を拡大縮小する向き検出器を含む、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記向き検出器が電磁チルトセンサである、請求項20に記載の装置。
  22. 前記向き検出器が加速度計である、請求項20に記載の装置。
  23. 前記装置が、表示画面上のカーソルを移動させ、眼鏡フレームの端部を示するカーソルキー及び選択キーを含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記装置が画像上の寸法を測定するよう設計された、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 前記寸法が、フレーム基準線、垂直基準線、PD、H1、H2、H3及びMDBLのうちの1つ以上である、請求項24に記載の装置。
  26. 前記装置が広角チルトを計算するよう構成された、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記装置が、レンズを表す画像である円を、画像上の患者の目の上に重ねるよう構成されている、請求項1〜25のいずれか一項に記載の装置。
  28. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の前記装置と、
    前記装置と係合可能であり、この装置に対して通信及び電力供給を行うよう構成された装置係合可能ドッキングステーションと、
    印刷出力装置を含むことを特徴とするシステム。
  29. 前記印刷出力装置が、表示画面の画像に対応する出力ファイルを印刷するよう構成された、請求項28に記載のシステム。
  30. 患者の目とレンズの位置を合わせる方法であって、
    眼鏡を装用する患者の装置上の画像の取込み、かつ記憶し、
    画像を処理して患者の瞳孔中心を決定し、装置の表示画面上で、患者の瞳孔上にレンズの光学中心の正確な位置を示すことを含むことを特徴とする方法。
  31. 前記方法が患者の無限遠視の誘導を含む、請求項30に記載の方法。
  32. 装置の使用者が画像中のレンズの位置を修正することを含む、請求項30または31に記載の方法。
  33. 前記方法が装置から患者の距離の測定を含む、請求項30〜32に記載の方法。
  34. 前記方法が装置から患者の距離を利用して、画像の拡大縮小をすることを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記方法が画像上の眼鏡の端部の指示を含む、請求項30〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記方法が、表示画面に表示されたレンズ素材のセレクションからのレンズ素材の選択を含む、請求項30〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記方法が、レンズ素材のセレクションをダウンロードするためのインターネット接続を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記方法が画像上の寸法の計算を含む、請求項30〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記要素が、フレーム基準線、垂直基準線、PD、H1、H2、H3及びMDBLのうちの1つ以上を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記方法が、レンズの種類及び眼鏡に対するその位置の製造者への通信を含む、請求項30〜39のいずれか一項に記載の方法。
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