JP2010531996A - 共振による非中実セラミック材料の弾性率測定のための方法及び装置 - Google Patents

共振による非中実セラミック材料の弾性率測定のための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

発明は、排気ガスの濾過及び/または処理に用いられるハニカムセラミック材料を含む、非中実材料の弾性率(ヤング率)を、ある温度範囲にわたり、測定するための装置及び方法に関する。

Description

本発明は材料の物理特性を測定するための方法に関する。さらに詳しくは、本発明はある温度範囲にわたり、複雑で非中実のセラミックまたはガラス-セラミックを含むセラミック材料の弾性率(ヤング率)を測定するための方法に関する。
多孔質セラミックハニカム構造体は、触媒コンバータ基体及びディーゼル粒子フィルタ(DFP)として広く用いられている。これらの構造体は、炭化ケイ素、コージエライトまたはチタン酸アルミニウムのような、多孔質セラミック材料で形成することができる。そのような用途のための最も初期のコージエライトセラミックハニカムは、タルク、カオリン、か焼カオリン及びアルミナの押出し混合物で作成された反応性焼結コージエライト基体からなっていた。そのようなセラミックハニカムは、上記用途に適する、化学的耐久性、不活性、耐熱性、耐熱衝撃性及びその他の特性を有することが見いだされ、生産の費用対効果が高かった。コージエライトは化学式がMgAlSi18のセラミック組成物である。コージエライトは、斜方晶コージエライト(斜方晶MgAlSi18及びその固溶体)、インディアライト(六方晶MgAlSi18及びその固溶体)及びこれらの混合物を含む、多くの結晶形態で存在し得る。
ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンの両者に対する排気後処理における近年のトレンドではコンバータ及びDFP材料に多大な要求がなされている。コンバータに対しては、セル密度を高くし、壁体を薄くする方向への移行により、強度及び耐浸蝕性に対する要件を満たす上での挑戦的材料問題が生じている。背圧軽減のための低セル密度及び薄壁体を必要とする最近の用途は同様の挑戦的課題を提示し、放出量規格を満たすために熱容量がより小さくかつ起動がより高速の高多孔度コンバータへの高まりつつある関心も同じである。背圧を下げるほどフィルタ効率は高くなり、起動を高速にすることで、エンジンが始動され、フィルタが低温であるときの放出量が低減される。
上記の高まる一方の挑戦的条件に耐え得る材料に対する要求により、広い範囲の条件の下における上記の材料の化学的及び物理的な特性をさらに一層詳細に理解することが必要になる。さらに、無駄を排除し、生産の品質管理を向上させるため、規格または所望の特性からの偏差を生産プロセスの初期に識別できるように、生産プロセス中の材料の物理特性を理解することが望ましい。
実施形態において、本発明は、非中実セラミック材料の弾性率、すなわちヤング率を測定するための、(1)増幅器から周波数が制御された電気信号を発生する工程、(2)電気信号を機械信号に変換するためにミニシェーカーのような信号変換器を用いる工程、(3)懸垂された非中実セラミック試料にシリカ糸を介して機械信号を導入して共振周波数において試料に共振を生じさせる工程、(4)共振周波数を第2のシリカ糸を介してピックアップ変換器に伝え、ピックアップ変換器に共振信号を電気信号に変換させる工程、(5)ピーク共振周波数を測定する工程、及び(6)試料の寸法、ピーク共振周波数測定値及び材料のポアソン比に基づいて弾性率を計算する工程、を含む方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は非中実セラミック材料の弾性率の測定の、非中実セラミック材料を2本のシリカ糸で懸垂する工程、ある周波数範囲にわたり一方のシリカ糸を介して非中実セラミック材料に振動信号を送る工程、及びある周波数範囲にわたり他方のシリカ糸を介して非中実セラミック材料からの振動信号を測定する工程、を含む方法を提供する。別の実施形態は、20℃から1200℃まで及び1200℃から20℃までの温度範囲にわたり、測定値をとる工程を提供することができる。
別の実施形態において、振動信号はミニシェーカーによって与えることができ、改造イアフォンであるピックアップ変換器に送ることができる。実施形態において、シリカ糸の直径は0.005インチ(0.127mm)と0.5インチ(12.7mm)の間である。また別の実施形態において、シリカ糸は、EMTECH社から入手できる0.02インチ(0.508mm)径SY1-UCシリカ糸、またはSaint-Gobain Quartzel(登録商標)糸300-24 /QS134Z 3.8Sである。
別の実施形態において、本発明は、非中実セラミック材料の弾性率を測定するための、非中実セラミック材料を少なくとも2本のシリカ糸でオーブン内に懸垂する工程、20℃と1200℃の間の温度範囲にわたりセラミック材料を加熱する工程、1本のシリカ糸を介してある周波数範囲にわたり振動信号を非中実セラミック材料に送る工程、別のシリカ糸を介して上記周波数範囲及び温度範囲にわたり非中実セラミック材料からの振動信号を測定する工程、及び上記周波数範囲及び温度範囲にわたり振動信号測定値を表示する工程、を含む方法を提供する。
また別の実施形態において、本発明は非中実セラミック材料における弾性率の測定のための、ミニシェーカー振動発生器、直径が0.005インチと0.5インチの間で、長さが8インチ(203.2mm)と15インチ(381.0mm)の間の、それぞれが両端に輪を有する、第1及び第2のシリカ糸、及び改造イアフォンピックアップ変換器を有し、一方のシリカ糸の一端がミニシェーカー振動発生器に連結され、他方のシリカ糸の一端が改造イアフォンピックアップ変換器に連結され、非中実セラミック材料の試料が2本のシリカ糸の輪に通されて懸垂され、よって、ミニシェーカーによって振動信号が発生されると、信号が一方のシリカ糸を通して非中実性ミック材料に伝えられて非中実セラミック材料に共振をおこさせ、共振周波数が他方のシリカ糸を通して改造イアフォンピックアップ変換器に伝えられる、装置を提供する。
図1は中実セラミック材料の弾性率を測定するための対照試験装置のブロック図である。 図2は非中実セラミック材料の弾性率を測定するための本発明の試験装置のブロック図である。 図3はピックアップ変換器の一実施形態である、改造イアフォンの説明図である。 図4はピックアップ変換器の別の実施形態の説明図である。 図5は本発明の実施形態における様々なタイプの糸の性能を示すグラフである。 図6は、本発明の弾性率測定装置及び方法によって測定された、コージエライト試料からの共振データの瀑状プロット(waterfall plot)である。 図7は本発明の装置及び方法によりコージエライト試料で測定された、弾性率Eと周波数の間の関係を示すグラフである。 図8は本発明の装置及び方法によりコージエライト試料で測定された、弾性率Eと温度の間の関係を示すグラフである。 図9は本発明の弾性率測定装置及び方法によって測定された、チタン酸アルミニウム試料からの共振データの瀑状プロットである。 図10は本発明の装置及び方法によりチタン酸アルミニウム試料で測定された、弾性率Eと周波数の間の関係を示すグラフである。 図11は本発明の装置及び方法によりチタン酸アルミニウム試料で測定された、弾性率Eと温度の間の関係を示すグラフである。
以下で添付図面を参照して本発明をさらに説明する。
本発明は、ある温度範囲にわたる非中実セラミック材料の弾性率(ヤング率)を測定するための、方法及び装置を含む。さらに詳しくは、本発明は、高温において、触媒コンバータのような、ディーゼル排気フィルタの作成に用いられる非中実セラミックハニカム基体の弾性率を測定するための、改善された方法及び装置を提供する。本発明の装置及び方法は、セラミックハニカム基体のための製造プロセスの高温工程中に、あるいはそのような高温工程に並行して、高温において使用可能である。そのような測定値はセラミックハニカム基体のための製造プロセスの初期にとることができる。
耐熱衝撃性、破壊係数(MOR)、ヤング率または弾性率(E)、及び熱膨張係数(CTE)のような、材料の物理特性を測定するために利用できる標準手法があるが、複雑な非中実セラミック材料を含む、材料のそのような特性を、広い範囲の条件において改善された機能を提供する装置を用いて一層正確かつ確実に測定する手法が必要とされている。さらに、不整形で、非中実及び/または非等方性の特徴を有する、益々複雑になる材料の物理特性の測定が必要とされている。高温条件通過を含む、製造プロセス全体にわたって用いられ得る手法も望ましい。
材料の弾性率測定はその材料でつくられる物体の挙動及び信頼性を予測するために肝要である。しかし、そのような測定のための既知の手法は均質な中実材料のために構成されている。そのような既知の手法は引張伸び測定から、音波パルスの材料通過時間測定、音叉のような材料の振動数測定に及んでいる。これらの方法の説明は、様々な標準(ASTM C1198-01,ASTM C623-92(2005),JIS R 1602(1986),等)だけでなく、技術論文及び技術書及び習熟教程にも見ることができる。セラミックハニカム基体及びフィルタの弾性率の測定は、セラミック材料が多孔質で非等方性であり、基体が非中実でハニカム形状または不整形であることから、標準の測定より相当複雑である。これらの材料は音波または振動信号を等方性の中実材料ほど容易には伝えない。これらの材料の共振の測定は一層挑戦的であり得る。これらの材料には既知の標準方法より鋭敏な方法及び装置が必要である。
セラミックハニカム材料における弾性率の高温測定にはさらに実験上の難題が生じる。高温用途に用いられる装置は、複雑な系における微弱な振動信号の測定を可能にするに十分に鋭敏でなければならず、苛酷な高温環境にも耐えなければならない。そのような複雑な材料の高温測定は、セラミック材料が製造プロセス中または使用において受け得る、高温への暴露を含む、条件にかけられている間のセラミック材料の物理特性のモニタリングを可能にするという点で、価値がある。製造プロセスの全ての段階の間製造されている材料の状態を検査及びモニタできる能力により、より慎重な品質管理が可能になり、製造プロセスにおける無駄が低減される。例えば、製造プロセスを模擬する条件においてとられた弾性率測定値がそのような条件下では材料が一体性を失うかまたはクラックが生じることを示せば、製造プロセス内のそのような欠陥の原因をおそらくは突き止めることができる。例えば、加熱工程または冷却工程中にセラミックハニカム構造体にクラックまたは割れ目が生じれば、実験的にこれらの工程に材料を通すことによってこれらの欠陥を同定できる。あるいは、試験試料を実際の製造工程中にモニタすることができる。さらに精密な測定手順により、製造プロセス中のより精確で効率のよい品質管理手段が可能になる。
さらに、セラミックハニカムフィルタの場合のような、通常使用中に材料が高温にさらされる場合、ある範囲の高い温度にわたってこれらの材料の特性を決定できる能力は目的使用範囲にわたる材料の特性決定に有用である。例えば、セラミック材料の弾性率がある温度範囲にわたってかなり変化するかどうかを知ることは、特に材料が通常使用中にその範囲の温度を受けるようであれば、有用である。これらの材料の物理的変化の理解は所望の材料特性をもつ製品の開発に有用である。
弾性率、またはヤング率は、力または応力の印加に応答し、比例して、即時にかつ一様に、変形できる能力に関する、材料の物理特性の尺度の1つである。応力が取り去られると、材料はエネルギーの損失なしに元の寸法及び形状に戻るであろう。弾性率は材料の剛性の尺度である。弾性率は一般に記号「E」で与えられる。材料の弾性率、すなわち「E」を測定するための、引張伸び測定、音波パルスの材料通過時間測定または音叉のような材料の振動数測定を含む、多くの方法がある。
単純な例において、弾性率を測定するための一手法は材料に応力(σ)を印加することであり、ここで応力(σ)は材料の断面積(A)にかけて印加された力(F):
式1:σ=F/A
として定義される。
材料の変形(ε)は応力(σ)印加後の材料の長さの変化を測定することによって評価することができ:
式2:ε=(l−l)/l
である。
応力対変形のグラフ1:
Figure 2010531996
における直線の勾配が弾性率(E)、すなわち:
式3:σ=Eε
である。
多くの材料に対し、このタイプの測定は実験的に実施するには非実用的である。例えば、材料の長さの変化を測定できるとは限らない。また、このタイプの測定にかけるには脆すぎる材料もある。弾性率測定のための代替方法が、アメリカ材料試験協会(ASTM)、日本工業規格(JIS)及びドイツ規格協会のドイツ国家規格(DIN)のような、機関によって公布されている標準試験方法に説明されている。
とりわけ、ASTM標準C623-92(2005)及びC1198-01(2001)は共振によるヤング率試験のための方法を説明している。ASTM標準C623-92(2005)は共振測定によるガラス及びガラス-セラミックについてのヤング率のための標準試験方法を説明している。C623-92に説明される方法は(材料内の全ての方向において同じ弾性特性を有する)等方性の中実試料に適している。
これらの方法では振動信号が試料に導入される。この振動信号は、特定の周波数において、試料に共振をおこさせる。この固有共振は、試料の温度において、導入された信号の周波数に対して固有であり、試料が有する特有の形状寸法及び、刺激に応答して試料が変形できる度合い、すなわち試料の弾性率またはヤング率を含む、材料特性に固有であろう。
ASTM C623-92(2005)及びASTM C1198-01に説明される方法では、材料の特定の形状寸法を有する中実試料の共振周波数が測定される。図1は、本発明の方法及び装置への対照例としての、ASTM C623-92(2005)及びASTM C1198-01に説明される測定装置を示す。図1においては、可聴周波増幅器110が磁気カッター120に電気信号を与え、磁気カッター120が可聴周波増幅器からの電気信号を機械的振動信号に変換する。可聴周波増幅器は100Hz〜20kHzの間の連続可変周波数出力を有することができる。磁気カッター120は試料140を懸垂する糸130に接続される。試料140の懸垂に用いられる別の糸131がレコード盤再生用クリスタルカートリッジ150に接続され、クリスタルカートリッジ150が機械的振動信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号は次いで増幅器160で増幅されてオシロスコープ170上に表示される。増幅器はレコード盤再生用クリスタルカートリッジ(検出変換器)とインピーダンス整合されるべきであり、可聴周波増幅器110への正弦波電圧を発生するために低ドリフトで100Kzと20kHzの間の連続可変周波数出力を有する可聴周波発信器105を用いることができる。さらに、可聴周波発信器105をモニタして、可聴周波増幅器110を介して磁気カッター120に与えられる周波数が正確であることを保証するために、周波数計107を備えることができる。試料140は、低温チャンバまたは炉のような、温度調節チャンバ180内に懸垂することができる。
可聴周波増幅器110から出る電気信号は磁気カッター120または駆動変換器に伝えられ、第1の糸130を介して試料140に伝えられる。試料140は、印加機械的周波数に応答し、試料140に印加される振動信号及び試料の弾性率(E)の関数として共振する。試料140の共鳴振動は第2の糸131を介してレコード盤再生用クリスタルカートリッジ150に伝えられ、クリスタルカートリッジ150において、機械的振動信号が電気信号に戻される。電気信号は電力増幅器160に伝えられ、オシロスコープ170上に表示される。
糸130及び131は、ASTM C623-92(2005)に説明されるように、木綿糸、石英ガラスファイバ糸、ニクロム線または白金線とすることができる。しかし、ASTM C623-92(2005)には、600℃をこえる温度では説明される系に固有のスプリアス周波数が現れるようになり得ることが注意されている。これらの糸は試料の基本ノードに、またはその近くに、配置されることが好ましい。
ASTM C623-92(2005)にしたがって測定されることになる試料140は、等方性中実材料とすべきであり、断面は矩形または円形であって、矩形バーに対しては120mm×25mm×3mm、また円断面試料に対しては120mm×4mmとすべきである。測定される共振周波数は装置の測定範囲内の周波数範囲内に入るべきであるから、ガラスまたはガラス-セラミック材料の弾性率測定に成功するためには試料の寸法が重要である。ASTM C623-92(2005)によれば上記寸法の試料では1000〜2000Hzの範囲内の基本屈曲共振周波数が得られるはずであると述べられている。式4及び5はそれぞれ、矩形バー試料の特定の形状寸法に対し、ヤング率、すなわちEの一般的な計算式を与える。
弾性率またはヤング率は式:
式4:M=Hwf
により、図1に示される装置を用いてとられた測定値に基づいて計算することができる。ここで、
M= 弾性率,
H= 試験下のバーの寸法及び特定の特性振動に依存する係数,
w= バーの重量,及び
= 特性振動の周波数(Hz),
である。
この一般式をASTM C623-92(2005)に適用すれば、中実矩形バーに対する式:
式5:E=96.517(L/bt)Twf×10−8
が得られる。ここで、
96.517= 矩形バーの形状寸法及び用いられる単位に対する補正係数,
E= ヤング率(kgf/cm),
L= バーの長さ(cm),
b= バーの幅(cm),
t= バーの厚さ(cm),
w= バーの重量(g),
f= バーの共振周波数(Hz),及び
= バーの有限厚及びポアソン比を考慮するための基本屈曲振動に対する 補正係数,
である。
測定の単位をkgf/cm(キロパスカルすなわちkPa)からパスカルに変え、測定の単位をcmからmmに変えれば、ASTM C1198-01と等価な式:
式6:E=0.9465(mf /b)(L/t)T
が得られる。ここで、
E= ヤング率(Pa(N/m)),
L= バーの長さ(mm),
b= バーの幅(mm),
t= バーの厚さ(mm),
w= バーの重量(g),
f= バーの基本共振周波数(Hz),及び
= バーの有限厚及びポアソン比を考慮するための基本屈曲振動に対する 補正係数,
である。
は、
式7:
Figure 2010531996
にしたがって計算することができる。ここで、
μ= ポアソン比,
である。
単位は、式8:
式8:Pa/6894.757=psi
にしたがい、パスカルからポンド/平方インチ(psi)に変えることができる。
図2は、非中実セラミック材料の弾性率を測定するための、本発明の試験装置のブロック図を示す。図2に示されるように、可聴周波増幅器210が機械変換器220に接続される。機械変換器220は可聴周波増幅器からの電気信号を機械的振動信号に変換する。試料240は、一端で糸230により機械変換器220から、また他端で第2の糸231によりピックアップ変換器250から、懸垂される。ピックアップ変換器250は増幅器260に接続され、増幅器260はコンピュータまたはオシロスコープのような出力装置270に接続される。糸230及び231は、1つは(図2に示される)試料を保持する輪を形成するための結び目であり、1つは(図示されない)機械変換器220に接続するための結び目または(図3及び4に示される)ピックアップ変換器に接続するための結び目である、2つの結び目275を有することができる。
可聴周波増幅器210を通って出てくる交流電気信号は変換器220に伝えられ、変換器220は可聴周波増幅器210からの電気信号を機械信号に変換する。可聴周波増幅器210は出力装置270にも接続されて、出力装置またはコンピュータによる、図2に示される装置を用いて測定された共振情報に関連させた初期周波数情報の制御及び表示を可能にすることができる。本発明において、機械変換器210は図1に示されるような磁気カッターではない。そのようなツールは音楽がビニル盤上に録音されていたときには容易に入手できたが、デジタル録音の時代に遅れており、入手困難である。本発明の実施形態においては、磁気カッターの代わりに、ミニシェーカーが変換器220として用いられる。Ling Dynamic Systems(LDS)社(英国ハートフォードシャー州ロイストン(Royston))から入手できるモデル#V200またはBruel & Hjaer(B&K)社(米国ジョージア州ノークロス(Norcross))から入手できるタイプ4810のような、ミニシェーカーが、可聴周波増幅器210からの周波数変調電気信号を機械的振動信号に変換する。そのようなミニシェーカーは、ミニシェーカーすなわちバイブレータすなわち機械変換器の振動ダイアフラムからシリカ糸の輪を吊ることができるように、ねじ込式フックがねじ込まれるねじ穴を有することができる。
機械変換器220は電気信号を機械信号に変換できなければならない。さらに、機械変換器220は、機械変換器220及びピックアップ変換器250(図3及び4を見よ)から糸230及び231によって懸垂される、試料240の重量を支持できなければならない。
本発明の一実施形態において、シリカ糸230は一端でミニシェーカー220に結び付けられて、他端で試料240を囲む輪にされる。長さがほぼ2フィート(約61cm)のシリカ糸がそれぞれの末端で輪にされ、結び付けられる。試料を懸垂するために用いられることになる輪を形成するため、糸は輪にされ、こま結びがつくられ、緊縛されて、試料を保持するに適する大きさの輪がつくられる。機械変換器及びピックアップ変換器から糸を吊るために用いられることになる輪を形成するため、引き解け結びがつくられ、輪は適切な大きさに調節される。適切な大きさが得られると、こま結びがつくられる。次いでいかなる不要な材料も糸から切り取られた後、装置が組み立てられる。両端に輪が結ばれているシリカ糸の最終長はほぼ12インチ(約30cm)とすることができる。
ミニシェーカー220で発生された振動信号はシリカ糸230を介して試料240に伝えられる。本発明の一実施形態において、シリカ糸の直径は0.005インチ(0.127mm)と0.5インチ(12.7mm)の間である。本発明の一実施形態において、シリカ糸はEMTECH社(米国ミシガン州スターリングハイツ(Sterling Heights))から入手できる0.02インチ(0.504mm)径SY1-UCシリカ糸である。SY1-UC糸は、直径0.02インチ、縒り130/m、170テックスで、破壊強度が4kg/フィート(13.1kg/m)であり、94〜96%がシリカである。試料240の他端において、別のシリカ糸231が一端で試料を囲む輪にされ、他端でピックアップ変換器250に取り付けられる。
試料は試料の長さに沿う2カ所で2本の糸で懸垂される。ASTM標準1198の図5には、そのような懸垂点の、試料の屈曲ノード(懸垂された試料の両端からそれぞれ試料長×0.224の距離)またはその近傍の好ましい位置が示されている。
シリカ糸は、特に高温における、非中実試料の弾性率測定のための装置の重要な要素である。シリカ糸は、ミニシェーカーから試料に、また試料からピックアップ変換器に、振動信号を伝えることができるに十分に試料に接触するように、試料の寸法形状と同形になるに十分に変形できなければならない。さらに、糸は懸垂された試料を支持するに十分な強度をもつ結び目を保持することもできなければならない。また、材料はいったん結ばれた結び目を解けさせてはならない。この材料はかなりの温度変化に耐えることもできなければならない。例えば、試験装置の温度は室温(ほぼ23℃)から1200℃まで高くなり得る。試料240の懸垂に用いられる材料は、溶融せず、試料の懸垂に必要な強度を失わず、可撓性を失わず、ミニシェーカーから試料に、または試料からピックアップに、振動信号を伝えることができる能力を変えずに、そのような温度変化に耐えることができなければならない。糸自体が、共振ピーク測定値のかなりの広がりをもたらすことがあり、弾性率の正確な計算のための測定可能なピーク共振を装置が示すことができないようにすることがあり得る。
実施形態において、シリカ糸は90〜99%がシリカであり、縒りが100〜150/m、破壊強度が3〜6kg/フィート(9.8〜19.7kg/m)で、150〜190テックスの、シリカ糸とすることができる。
試料240は非中実セラミックハニカム材料の矩形ブロックとして示される。実施形態において、セラミックハニカム材料は様々な幾何学的形状とすることができ、コージエライト、炭化ケイ素、チタン酸アルミニウム、ムライトまたはその他の材料でつくることができる。材料は、被覆するかまたは無被覆とすることができ、焼成するかまたは生地のままとすることができる。試料自体は試験装置に適合するような、また炉の内面に接触せずに炉内にシリカ糸で懸垂されるような構造につくられて配置される。試料は装置の感度範囲内ではたらくような、構造につくられて配置される。実施形態において、試料は、幅を1.5〜2cm、厚さを0.5〜1.6cm、長さを8〜20cmとすることができる。別の実施形態において、試料は、ほぼ、幅を1.5〜2cm、厚さを1〜1.5cm、長さを11〜16cmとすることができる。試料は生地の、または焼成した、ハニカム構造体とすることができる。試料の許容できる寸法は、ハニカムセル壁の壁厚、セル寸法、ハニカム構造体が被覆されているかまたは無被覆であるか、及びハニカム材料のような、別の要件による影響を受け得る。
ここで図2を参照すれば、第2のシリカ糸は一端で試料240を囲む輪になり、他端でピックアップ変換器250に取り付けられる。図1には、ピックアップ変換器がレコード盤再生用クリスタルカートリッジである(図1の150を見よ)対照例が示されるが、本発明の弾性率測定装置にレコード盤再生用クリスタルカートリッジは好ましくない。レコード盤はもはや音楽の録音及び記録に好ましい方法ではなく、レコード盤再生用クリスタルカートリッジはもはや市場で容易には入手できない。一般に、最近のレコード盤再生用カートリッジは、シリカ糸の第2の輪でレコード盤再生用カートリッジから吊られている、試料の重量を支持するに十分な強度をもたない。最近のレコード盤再生用カートリッジは一般に繊細すぎて本発明の装置では正確にはたらかない。より古いレコード盤再生用カートリッジ、例えば1950年代及び1960年代のレコード盤再生用カートリッジは、本発明の装置において許容できる効能を提供するが、見つけるのが極めて困難である。
本発明の実施形態において、ピックアップ変換器250は、改造イアフォンまたは改造ヘッドフォンまたはGrindosonic社(ベルギー,レメンス(Lemmens),Mk5.0)から入手できるパーツ番号MK4である。図3はピックアップ変換器250の一実施形態、改造したイアフォンまたはヘッドフォン、を示す。改造イアフォンピックアップ変換器250は改造イアフォン250の耳側420に延び込む金属線410を有する。金属線410は一端で曲げられている。金属線410の曲げられた端430は改造イアフォン250のダイアフラム440に取り付けられる。金属線410は、Hardman社またはRoyal Adhesives & Sealnats, LLC社から入手できる「ダブル/バブル」エポキシ樹脂あるいはMiller-Stephenson社から入手できるEpoxy 907のようなエポキシ樹脂のビード450で、またはいずれかの取付け手段で、ダイアフラム440に取り付けることができる。結び目470によってシリカ糸431に輪がつくられ、シリカ糸431は一端で金属線410から吊られる。改造イアフォンは電気コード460で増幅器に接続される。
振動信号は試料からシリカ糸431を介して金属線410に伝えられる。このシステムを用いれば、振動信号はピックアップ変換器250によって電気信号に変換される。ミニシェーカーと同様に、改造イアフォンピックアップ変換器250は、改造イアフォン250のダイアフラム440にエポキシ樹脂ビード450で接着された金属線410を囲む輪にされたシリカ糸431から吊られている試料の重量を支持するに十分に頑強でなければならず、また試料から発生する振動信号を測定するに十分に鋭敏でなければならない。
別の実施形態において、ピックアップ変換器250は、図4に示される、Grindosonic社(ベルギー,レメンス,Mk5.0)から入手できるパーツ番号MK4ピックアップとすることができる。シリカ糸431は輪にしてピックアップ変換器250にかけることができる。ピックアップ変換器250は増幅器に接続するかまたは図2に示されるように直接に出力装置に接続することができる。
また図2に戻れば、可聴周波増幅器210によって発生された周波数安定化電気信号は、駆動変換器すなわちミニシェーカー220によって機械的振動信号に変換されて、第1のシリカ糸230を介して試料240に送られる。この周波数信号は、試料の弾性率の、また試料の形状寸法、印加周波数及び温度の関数として、試料240の共鳴振動を生じさせる。試料240に発生した共鳴振動信号は次いで試料240と第2のシリカ糸231の間の接触を介してシリカ糸231に伝わる。次いで第2のシリカ糸231は振動信号をシリカ糸231とピックアップ変換器250の間の接触を介してピックアップ変換器250に伝える。実施形態において、ピックアップ変換器250は、図3に示されるような、改造イアフォンまたは図4に示されるような、Grindosonic社から販売されているようなピックアップ変換デバイス(パーツMK4)とすることができる。ピックアップ変換器250は共鳴振動信号を電気信号に変換し、電気信号は増幅器260によって増幅される。増幅された電気共振信号は次いで出力装置270に伝えられる。実施形態において、出力装置はオシロスコープとすることができ、あるいはコンピュータまたはプロセッサとすることができる。
本発明の実施形態において、増幅器210及び260,ミニシェーカー220,ピックアップ変換器250及び出力装置270は室温にあるが、試料はオーブンまたは炉280内に懸垂することができる。オーブン280は、コンピュータが温度範囲を試料で測定された共振周波数とともに表示できるように、出力装置またはコンピュータ270に接続することができる。
本発明の方法及び装置を用いてなされる弾性率測定は、材料測定としてだけではなく、構造測定として考えることもできる。例えば、それぞれが同じ材料でつくられているが構造は異なる、2つの試料は弾性率に対して異なる値を有するであろう。例えば、1平方インチあたり600セル(1平方cmあたり93セル)を有するコージエライトハニカム試料は、1平方インチあたり900セル(1平方cmあたり139.5セル)を有するコージエライトハニカム試料とは異なる弾性率測定値を有するであろう。ハニカムコージエライト体内のセル壁の厚さが異なれば、得られる弾性率測定値も異なるであろう。したがって、本発明の方法及び装置を用いて計算された弾性率の値は構造弾性率測定値と考えることができる。
上で論じた装置及び方法は、以下の実施例を見れば、さらに深く理解することができる。
実施例1:糸の解析
本発明の装置及び方法に用いるため、様々な糸の特性を解析するための実験を行った。本発明の装置内にハニカム試料を懸垂した。ミニシェーカーにはLDS V200ミニシェーカーを用い、ピックアップ変換器にはGrindosonic社のパーツMK4を用いた。それぞれの糸に周波数掃引を与え、共振周波数を検出した。4種の糸を解析した。図5は本発明の実施形態における4つの異なるタイプの糸の性能を示すグラフである。他の糸は、試料の懸垂に適する支持結び目をつくることができなかったため、測定できなかった。
現用の糸である、EMTECH社(米国ミシガン州スターリングハイツ)から入手できる0.02インチ径SY1-UCシリカ糸は、入力周波数及び共振周波数を高効率で伝え、鋭い測定ピークが得られた。糸#2はSaint-Gobain Quartzel(登録商標)糸300-2/4 QS13 4Z 3.8Sである。この材料でも鋭いピークが得られた。糸#3はAmtech社(米国ペンシルバニア州パオリ(Paoli))のシリカ糸33×16である。糸#4はC100-3(米国カリフォルニア州ガーデナ(Gardena)のHitco Carbon Conposites, Inc.で製造されたRefrasil(登録商標))である。(2回実験した)糸#3及び糸#4は本発明の方法には許容できない材料であった。糸#3は2回実験した。2回の実験において、糸#3では相異なるピーク周波数が得られた。さらに、いずれの実験においても、糸#3では二重ピークが生じた。糸#4では正確に見えるピーク周波数が得られた。しかし、紐#4で得られるピーク周波数測定値はさほど鋭くはなかった。糸#3及び糸#4を使用すれば、許容できない曖昧なピーク周波数測定値が得られることになり、計算される弾性率測定値に許容できないレベルの誤差が入ることになるであろう。
実施例2:コージエライトハニカム試料の共振測定
図6は本発明の温度可変弾性率測定方法及び装置によって測定した共振データの瀑状プロット(waterfall plot)である。図6に示される測定値は図2に示される装置を用いてとった。機械変換器にはミニシェーカー(LDS V200)、ピックアップ変換器にはGrindosonic社のパーツMK4、糸にはEMTECH社(米国ミシガン州スターリングハイツ)の0.02インチ径SY1-UCシリカ糸を用いている。本プロットは本発明の方法の出力の一実施形態を示す。本瀑状プロットは2300Hz〜4300Hzの周波数範囲にわたりハニカム形状非中実セラミック試料の共振周波数を示し、それぞれの線は、室温(ほぼ25℃)から始めて1200℃のピーク温度に達するまで50℃間隔で高くなる、様々な温度においてとった測定値を表す。次いで、炉内温度が下がるにともない、50℃間隔で測定値をとった。瀑状プロットはそれぞれの温度における掃引を少しずつずらして示し、よって目でデータを追うに役立つ「3D」景観が現れる。ハニカムセラミック材料のセル形状寸法の欠陥(壁厚、長さ、壊れた壁、等の変動)のため、複数の共振及び複数のピークが生じ得る。データを瀑状プロットで提示することにより、そのような欠陥を示すことができる。
図6に示される瀑状プロットについて、掃引時間または期間、すなわち共振周波数より低い周波数から共振周波数より高い周波数まで掃引するための時間は、正確のため、擬平衡振動が可能になるように調節した。表1に、図6,7及び8に示している、温度、測定したピーク周波数及び計算したヤング率を報告する。
式6にしたがってヤング率を計算して、式8にしたがって単位をパスカルからpsiに変換した。Tは、ポアソン比を0.25と推定して、式7にしたがって計算した。例えば、図6,7及び8に示されるデータは、長さ(L)が129.75mm,幅(b)が27.17mm,厚さ(t)が9.44mm,重量(m)が14.285g,推定ポアソン比が0.25である試料から得た。これらのパラメータが与えられれば、式6を:
E=[0.9465(mf /b)(L/t)T]/6894.757
と解くことができる。
計算した弾性率(E)を表1に示す。
Figure 2010531996
図7は本発明の装置及び方法によってコージエライト試料で測定した弾性率Eと周波数の間の関係を示すグラフである。図7は、本発明の装置及び方法を用いれば、ハニカム構造を有する非中実コージエライト試料のピーク周波数の測定及びこれらのピーク周波数測定値を用いるEの値の計算が可能であることを示す。
図8は本発明の装置及び方法によってコージエライト試料で測定した弾性率Eと温度の間の関係を示すグラフである。図8は、このコージエライト試料についての弾性率の計算値が、温度が1200℃まで高くなるにつれて、徐々に、ついでかなり急激に、高まったことを示す。試料が1200℃から800℃近辺まで冷える間、弾性率は高いままであり、800℃近辺と室温の間では、徐々に、次いで急速に、低下した。これらの変化は、ある程度は試料内のマイクロクラックによると考えられる。弾性率の高まりは、加熱中のコージエライトセラミック材料内のマイクロクラックの、再閉及び、最終的には、アニールがおこり、よって材料内の開クラックが漸次減少して、高温では、より堅くなり、より高い弾性率を示すことによると考えられる。そのようなマイクロクラックは材料が約800℃より低温まで冷えると再び開くことができる。本発明の方法及び装置を用いて、拡張された温度範囲にわたって上記の非中実試料の弾性率を測定できる能力により、他の方法では測定できないであろう材料の微細構造の理解が可能になる。
実施例3:チタン酸アルミニウムハニカム試料の共振測定
図9は本発明の弾性率測定装置及び方法によって測定したチタン酸アルミニウム試料の共振データの瀑状プロットである。図9に示される測定値は図2に示される装置を用いてとった。機械変換器にはミニシェーカー(LDS V200)、ピックアップ変換器にはGrindosonic社のパーツMK4、糸にはEMTECH社(米国ミシガン州スターリングハイツ)の0.02インチ径SY1-UCシリカ糸を用いている。本プロットは本発明の方法の出力の一実施形態を示す。本瀑状プロットは700Hz〜2700Hzの周波数範囲にわたりハニカム形状非中実チタン酸アルミニウムセラミック試料の共振周波数を示し、それぞれの線は、室温(ほぼ25℃)から始めて1200℃のピーク温度に達するまで50℃間隔で高くなる、様々な温度においてとった測定値を表す。次いで、炉内温度が下がるにともない。50℃間隔で測定値をとった。瀑状プロットはそれぞれの温度における掃引を少しずつずらして示し、よって目でデータを追うに役立つ「3D」景観が現れる。表2に、図9,10及び11に示している、温度、測定したピーク周波数及び計算したヤング率を報告する。
式6にしたがってヤング率を計算し、Tを(ポアソン比を0.25と推定し)式7にしたがって計算して、式8にしたがって単位をパスカルからpsiに変換した。例えば、図9,10及び11に示される試料は、長さ(L)が152.48mm,幅(b)が23.31mm,厚さ(t)が15.2mm,重量(m)が38.22257g,推定ポアソン比が0.25であった。これらのパラメータが与えられれば、式6を:
E=[0.9465(mf /b)(L/t)T]/6894.757
と解くことができる。
チタン酸アルミニウム試料の計算した弾性率(E)を表2に示す。
Figure 2010531996
図10は本発明の装置及び方法によってチタン酸アルミニウム試料で測定した弾性率Eと周波数の間の関係を示すグラフである。図10は、本発明の装置及び方法を用いれば、室温から1200℃の温度範囲にわたり、非中実チタン酸アルミニウム試料の弾性率測定が可能であることを示す。
図11は本発明の装置及び方法によってチタン酸アルミニウム試料で測定した弾性率Eと温度の間の関係を示す。
実施例2及び3並びに図6〜11のように、複雑な非中実材料の物理特性を測定及び可視化できる能力により、材料自体の一層精確な理解及び特性決定が可能になる。例えば、比較的多孔質のセラミック材料またはマイクロクラックがある材料は、本発明の装置で本発明の方法にしたがって測定した場合、マイクロクラックのない材料とは異なる弾性率またはヤング率の測定値を示すであろう。材料にマイクロクラックまたはクラックがあるか否かがそのようなタイプの測定値によって明らかになるであろう。
特定の実施形態の上記説明は、当業者であれば、当該技術の範囲内の知識を適用することにより、無用な実験を行うことなく、本発明の全般的概念を逸脱せずに、そのような特定の実施形態を様々な応用のために容易に改変及び/または適合化することができる、本発明の全般的な性質を明らかにしている。したがって、そのような適合化及び改変は、本明細書に提示される教示及び手本に基づき、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあると目される。本明細書の文体及び術語は説明の目的のためであって限定の目的のためではなく、よって本明細書の文体及び術語は、当業者の知識と合わせて、本明細書に提示される教示及び手本に照らして、当業者により解釈されるべきであることは当然である。
210 可聴周波増幅器
220 機械変換器
230,231 シリカ糸
240 試料
250 ピックアップ変換器
260 増幅器
270 出力装置
275 結び目
280 オーブン

Claims (5)

  1. 非中実セラミック材料の弾性率の測定方法において、
    非中実セラミック材料を第1のシリカ糸及び第2のシリカ糸で懸垂する工程、
    ある周波数範囲にわたり、前記第1のシリカ糸を介して前記非中実セラミック材料に振動信号を送る工程、及び
    ある周波数範囲にわたり、前記第2のシリカ糸を介する前記非中実セラミック材料からの振動信号を測定する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 20℃と1200℃の間の温度範囲にかけて前記非中実セラミック材料を加熱する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 1200℃と20℃の間の温度範囲にかけて前記非中実セラミック材料を冷却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. ある周波数範囲にわたり、前記測定された振動信号を記録する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記シリカ糸の直径が0.005インチ(0.127mm)と0.5インチ(12.7mm)の間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
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