JP2006250660A - セラミックスハニカムフィルタの検査方法及び検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 セラミックスハニカムフィルタの外観検査で欠陥があることを判別することが困難な場合において、フィルタが有する共振周波数(固有振動数)を用いて適確に正常品と欠陥品を判別することができるセラミックスハニカムフィルタの検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】 セラミックスハニカムフィルタが有する複数の共振周波数を用いて該セラミックスハニカムフィルタの欠陥を検査するセラミックスハニカムフィルタの検査方法であって、正常なセラミックスハニカムフィルタが有する任意の2つの共振周波数における共振の強さの比と、検査すべきセラミックスハニカムフィルタの前記2つの共振周波数における共振の強さの比を比較する
【選択図】 図6

Description

本発明は、セラミックスハニカムフィルタが有するクラック等の欠陥の有無を検査するためのセラミックスハニカムフィルタの検査方法及び検査装置に関する。
車両等のエンジンからの排ガスを浄化するためにDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)が用いられている。このDPFには炭化ケイ素質、窒化ケイ素質等の非酸化物からなるセラミックスハニカムフィルタ(以下、フィルタともいう)が用いられる。このフィルタは、原料を押出成形し、これを焼成することにより形成される。この焼成時等にフィルタ内部にクラック等の欠陥が生じることがある。フィルタにクラック等の欠陥があると、塵埃を確実に捕集することができず、フィルタ効率の低下を招く。また、使用時の熱応力により新たなクラックを招く原因となる。このようなフィルタ内部の欠陥は外観からは分からないため、フィルタ出荷前にこれを検査する必要がある。
排ガスフィルターの評価方法が特許文献1に記載されている。この評価方法は、排ガスフィルターが有する1次固有振動数を測定し、この1次固有振動数が所定の範囲内にあるか否かを読み取って評価するものである。しかし、排ガスフィルターの焼成工程において、炉内の温度分布の不均一等により成形体がすべて同じように焼成するとは限らない。したがって、複数の排ガスフィルターを同一の製造方法により製造しても、個々のフィルタでは焼成の程度が異なるため、密度等のパラメータがそれぞれ異なってくる。これにより、フィルタによって1次固有振動数がそれぞれ異なってくるため、一概にこの1次固有振動数が所定範囲内であれば欠陥のない正常品であるということはできない。
また、1次固有振動数は最も低い周波数での固有振動数であり、この周波数はフィルタ自体の形状や質量に起因するものである。このことは、正常品であろうが欠陥品であろうがフィルタの1次固有振動数は近い周波数を示すことを意味する。したがって、1次固有振動数が所定の範囲内にあるか否かのみでフィルタを評価しても、確実に欠陥品のフィルタを見定めることは困難である。
特開平10−337430号公報
本発明は、セラミックスハニカムフィルタの外観検査で欠陥があることを判別することが困難な場合において、フィルタが有する共振周波数(固有振動数)を用いて適確に正常品と欠陥品を判別することができるセラミックスハニカムフィルタの検査方法及び検査装置の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、セラミックスハニカムフィルタが有する複数の共振周波数を用いて該セラミックスハニカムフィルタの欠陥を検査するセラミックスハニカムフィルタの検査方法であって、正常なセラミックスハニカムフィルタが有する任意の2つの共振周波数における共振の強さの比と、検査すべきセラミックスハニカムフィルタの前記2つの共振周波数における共振の強さの比を比較することを特徴とするセラミックスハニカムフィルタの検査方法を提供する。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記セラミックスハニカムフィルタの打音を周波数解析することにより、共振周波数を検知することを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記任意の2つの共振周波数は、1次共振周波数を含む低次の共振周波数であることを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1又は2の発明において、前記任意の2つの共振周波数は、共振の強さが最大のものと2番目のものであることを特徴としている。
請求項5の発明では、検査すべきセラミックスハニカムフィルタから音響振動を発生させる励振手段と、前記音響振動を電気信号に変換する圧電素子と、前記電気信号を周波数解析して1次から高次までの共振周波数を検出するための周波数解析装置と、該周波数解析装置に接続されたパソコンとからなる請求項1〜4のいずれかに記載の検査方法を実施するためのセラミックスハニカムフィルタの検査装置及び検査方法を提供する。
請求項1の発明によれば、正常なセラミックスハニカムフィルタが有する複数の共振周波数のうち、任意の2つの共振周波数の共振の強さの比を、検査すべきフィルタの対応する共振周波数(固有振動数)の共振の強さの比と比較して検査する。したがって、1つの共振周波数が示す値のみで判断するのではなく、2つの共振周波数が示す値で判断するため、より正確にフィルタの欠陥を検査することができる。なお、共振の強さとは、共振に関する数値のことであり、例えば振幅等である。
請求項2の発明によれば、フィルタを叩いて音を発生させ、この音をFFTアナライザ等で周波数解析することにより、容易に確実に共振周波数を検出できる。
請求項3の発明によれば、正常なフィルタの低次の共振周波数から2つ選択してその共振の強さの比を、検査すべきフィルタの対応する低次の共振周波数の共振の強さの比と比較して検査する。低次の共振周波数はフィルタの形状等により定まり、振幅も大きく識別しやすいため、正常なフィルタで選択した共振周波数と対応する被検査フィルタの共振周波数を容易に正確に読み取ることができ、共振の強さの比の算出作業及び比較作業の効率を高めることができる。これにより、検査の信頼性が向上する。
請求項4の発明によれば、共振の強さが大きい順に2つの共振周波数を読み取って、これに基づいて検査するため、共振周波数を容易に確実に識別することができ、検査の信頼性が向上する。
請求項5の発明によれば、フィルタを叩くハンマー又は振動を付与する発振器等からなる励振手段を用いて音響振動を発生させ、これを周波数解析してパソコン画面で表示することにより、又はパソコンで演算処理することにより、高精度で信頼性の高いフィルタ検査ができる。
図1は本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法の対象であるセラミックスハニカムフィルタの概略図である。
図示したように、セラミックスハニカムフィルタ1は、円筒形状のフィルタ本体2からなる。このフィルタ本体2は、軸方向に貫通する貫通孔3を有する。フィルタ本体2の端面には多数の貫通孔3が格子のハニカム状に開口する。この貫通孔3には、フィルタ本体2の両端面(入口側と出口側)が千鳥格子状(市松模様)となるように封止材(不図示)が充填される。なお、封止材は入口側と出口側の両端面で異なる貫通孔3に形成される。すなわち、入口側が封止された貫通孔3は出口側が開口し、入口側が開口した貫通孔3は出口側が封止される。これにより、排ガスは入口側が開口した貫通孔3に流入し、途中で隣の貫通孔との境界部の焼成体からなる多孔質のフィルタを通って隣の貫通孔3に移り、出口側が開口した貫通孔3から浄化空気が排出される。
セラミックスハニカムフィルタ1は、一体成形又は接合により製造される。一体成形の場合、Si粉末等の原料を押出成形して形成された成形体を焼成して製造される。接合体の場合、貫通孔を有する柱状の焼成本体を複数個接合して接合体を形成し、これを円筒状に加工して形成する。本発明に係る検査方法は、後述するようにいずれの製法により形成されたセラミックスハニカムフィルタ1に対しても適用可能である。
図2は本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法に用いる共振周波数データを得るための検査装置の概略図である。
DPF等のセラミックスハニカムフィルタ(被検査物)1に圧電素子4を取り付ける。この圧電素子4は増幅器5に接続される。増幅器5は周波数解析装置(FFTアナライザ)6に接続される。周波数解析装置6はパソコン7に接続される。フィルタ1を叩いて音を発生させるための打音器(例えばハンマー)(不図示)を準備する。
打音器でフィルタ1を叩くと、その打音の音響圧力振動は圧電素子4により電気信号に変換される。この打音の電気信号は増幅器5により増幅され、FFTアナライザ等の周波数解析装置6に入力される。周波数解析装置6でこの打音による音響信号を解析し共振周波数(固有振動数)を検出する。共振周波数はフィルタ1の形状、大きさ、材質、密度等に依存し、これらが同じであればその周波数は大きくは変わらない。DPF等のセラミックスハニカムフィルタでは貫通孔の壁による多重反射の周波数が重畳する形の波形が表れる。これにより、周波数に対する振動波形グラフにおいて、打音発生後徐々に減衰する振動グラフの途中で、特定の周波数で1次から高次までの固有共振波が表れる。フィルタ1内部にクラック等の欠陥がある場合はこの固有共振波が消えるか又はその共振成分が小さくなる。
したがって、打音による共振周波数を調べ、予め分かっている正常なフィルタの共振周波数と比べることにより、クラック等の欠陥が検出可能である。しかし、共振周波数は形状や大きさが同じフィルタであっても、クラックの有無だけでなく、フィルタ製造時の焼成条件による密度や組織状態によっても変わるため、単に共振周波数を比較したのではクラックのない正常なフィルタを欠陥品と判断するおそれがある。そこで本発明では、FFT解析した音響振動データから2つの共振周波数の強さの比を求め、この比を正常品と被検査品とで比較することにより被検査品のクラックの有無を検出する。
ハンマーによりフィルタ1を叩く際は、フィルタの共振を妨げず、かつフィルタが動かないように固定できれば、フィルタは横置きでも縦置きでもよい。打音用ハンマーは通常低音用としてゴム材質のものや、高音用として金属製のものがあるが、低音用では高次の周波数が出にくいので高音用の硬い材質のハンマーを用いるのが好ましい。円柱の被検査物の場合、円柱側面のどの方向から叩いても出てくる周波数成分は変わらない。ただし内部の欠陥もしくは構造の違いによりスペクトルの相対強度は違いが出てくる。
一般に共振体(被検査物)を図3に示す単純なモデルで考えると、変位xを与えた後の自由減衰振動周波数は減衰比ζが0<ζ<1の範囲のときω√(1−ζ)で与えられる。ただしωは減衰振動周波数、ωは固有振動周波数、ζは減衰比、mは質量、kはバネ定数、Cは粘性減衰係数を表す。また振幅の包絡線(エンベロープ)は図4に示すような波形になりχ=ae−ζωtで表すことができる。
フィルタ内に欠陥が生じた場合、共振の強さは弱くなる。すなわちQ値(共振の強さ)は下がる。これを減衰比で表すとQ=1/2ζとなり、減衰比に着目することにより欠陥の度合いを見ることができる。すなわちフィルタ内部に欠陥があれば、減衰振動波形のエンベロープの減衰が欠陥のない場合より大きいということである。
図5は本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査装置の別の例の構成図である。
この例は、音響振動を発生させる手段として、前述の図2の実施例のハンマーに代えて、強制振動装置9を備えたものである。強制振動装置9は、水晶発振器等の発振器10と、増幅器11と、被検査物1に振動を与えるアクチュエータである振動子12からなる。強制振動装置9によりフィルタ1に所定周波数の振動を付与し、これに応じたフィルタ1の振動を圧電素子4を介して検出し、FFT解析する。強制振動装置9以外の構成及び音響振動によるクラックの解析方法や原理は図2の例と同様である。なお、図5の例によれば、可聴音域以外の周波数であっても高精度で共振周波数を検出でき、広い周波数範囲で欠陥検出が可能になる。
図6は本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法のフローチャートである。
ステップS1
クラック等のない正常なフィルタをハンマーで叩き、その音響振動の共振周波数を周波数解析装置により測定する。この測定結果は、後述する図7のグラフのようにパソコンの画面上に表され、フィルタが有する共振周波数が所定の周波数で複数のピークを持って表示される。これらのピークの周波数が共振周波数であり、周波数の低い順に1次、2次、・・・の共振周波数として表れる。
ステップS2
上記ステップS1での正常フィルタの音響振動の周波数解析に基づき、グラフに表れた1次から高次までの共振周波数のうち2つの共振周波数の強さの比を算出する。すなわち、ピークを示す所定の2つの周波数を選択し、その周波数におけるピーク値(共振の強さ)の比を求める。なお、共振の強さとは、その周波数の振動のエネルギーであり、グラフに表れる振幅である。周波数の選択は低い周波数域でピークを示す低次の共振周波数を選択することが好ましい。低次の共振周波数では、共振のピークが顕著に表れるため、識別しやすく高精度で確実な演算処理ができる。又はピークが高い順に2つの共振周波数を選択してもよい。この場合にも共振の強さが識別しやすく高精度で確実な演算処理ができる。
ステップS3
被検査フィルタを同じハンマーで叩き、その共振周波数を周波数解析装置により測定する。フィルタを叩くときは、ステップS1で正常なフィルタを叩いたときと同様の状態でフィルタの同じ位置を叩く。
ステップS4
被検査フィルタの測定結果のグラフから、ステップS2で選択した次数と同じ2つの共振周波数の強さの比を求める。共振の強さのピークが表れる周波数が若干ずれて表示されることがあるため、この場合、ステップS2で選択した周波数近傍でピークを示している周波数でのピーク値を用いる。この場合、上述したようにステップS2で低次の周波数を選択していると、周波数の識別が容易となる。
ステップS5
ステップS2とステップS4で得られた正常フィルタと被検査フィルタのピーク値の比を比較する。この比較は、正常フィルタのピーク値の比に対する被検査フィルタのピーク値の比の変化率を求めることにより行う。この変化率が例えば50%以上であれば被検査フィルタは欠陥を有すると判断する。
図7は一体成形で製造された正常なセラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフであり、図8は一体成形で製造された被検査セラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフである。
図の(A)は共振周波数の波形を示し、(B)は打音の減衰波形を示す。すなわち、(B)は音響振動の包絡線(エンベロープ)を示し、(A)はこの包絡線をスペクトル解析した共振の強さを示す。測定は、直径14.4cm、長さ15.2cm、貫通孔数533/(2.54cm)、貫通孔間の壁厚350μm、平均粒径9μmの窒化ケイ素質ハニカムフィルタを用いて行った。正常フィルタの場合、3375Hzにおいて1次の共振周波数が認められる。また、4854Hz、5007Hz、6669Hzにおいてそれぞれ2次、3次、4次の共振周波数が測定された。被検査フィルタでは、1次共振周波数が3429Hzにおいて認められる。このように、フィルタの形状に依存する1次共振周波数は正常フィルタでも被検査フィルタでもほぼ同様の周波数において共振が認められる。一方、正常フィルタの2次、3次、4次の共振周波数での共振が非検査フィルタではほとんど測定されない。
このグラフを用いて本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法を行う場合、正常フィルタの1次及び2次の共振周波数(3375Hz及び4854Hz)に着目する。この共振周波数におけるピーク値(共振の強さ)は1次の共振周波数(3375Hz)において0.225%であり、2次の共振周波数(4854Hz)において0.25%である(図7参照)。したがって、1次に対する2次の共振周波数のピーク値の比は(0.25/0.225)=1.1となる。
次に、被検査フィルタ(欠陥フィルタ)の共振周波数に着目する。この共振周波数は、正常フィルタで用いた共振周波数(3375Hz及び4854Hz)である。グラフ(図8)を見ると3375Hzに近い3429Hzにピークが認められる。したがって、これを被検査フィルタの1次の共振周波数とする。すなわち、被検査フィルタの1次共振周波数は3375Hzである。正常フィルタの2時共振周波数である4854Hz付近には顕著なピークが認められないが、この付近で幾分ピークを示している周波数が表れる(図のF)。これを被検査フィルタの2次共振周波数とする。ピーク値は3429Hz(1次共振周波数)において0.8%であり、F(2次共振周波数)において、0.015%である。したがって、1次共振周波数に対する2次共振周波数の強さの比は(0.015/0.8)=0.02となる。
正常フィルタで求めた比に対する被検査フィルタで求めた比の変動率は、
{(1.1−0.02)/1.1}×100=98%
となる。
これは、正常フィルタでピーク値を示した2次の共振周波数において被検査フィルタではピーク値をほとんど示さなかったため、正常フィルタでの1次と2次の共振周波数でのピーク値(共振の強さ)の変動率と、被検査フィルタの変動率は98%のずれがあることを示す。この変動率が50%以上であると、正常フィルタに比べて被検査フィルタがクラックを有し、フィルタを叩いたときの打音がフィルタ内で多重反射せずに共振がされなかったことになり、欠陥フィルタであると判断することができる。なお、変動率の比較は上述した1次と2次の共振周波数の他にいくつか行うことが望ましい。
このように、正常なセラミックスハニカムフィルタが有する複数の共振周波数のうち、所定の2つの共振周波数の共振の強さの比を、検査すべきフィルタの対応する共振周波数(固有振動数)の共振の強さの比と比較して検査することにより、1つの共振周波数で判断するのではなく、2つの共振周波数が示すピーク値で判断するため、より正確にフィルタの欠陥を検査することができる。さらに、低次の共振周波数の共振の強さの比と比較して検査することにより、正常なフィルタで選択した共振周波数と対応する共振周波数をグラフから容易に読み取ることができる。
(B)で示す減衰波形はフィルタを叩いたときの打音をそのまま表した波形そのもの(エンベロープ)である。セラミックスの密度が高いと共振が高くなる。すなわち、共振の強さの値(上述したピーク値)が上がる。逆に、フィルタ内に欠陥が生じると共振の強さは弱くなり、その値は下がる。これを減衰比(ζ)で表すと、共振の強さ(Q)=1/2ζとなり、減衰比に着目することにより欠陥の度合いを判断することもできる。すなわち、欠陥があれば、減衰波形の減衰が正常フィルタより大きいことになる。なお、減衰比(ζ)は前述のように次式で表される。
ω=ω√(1−ζ
ω:減衰振動周波数
ω:固有振動周波数(共振周波数)
m:質量
k:バネ定数
C:粘性減衰係数
図9は接合体からなる正常なセラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフであり、図10は接合体からなる被検査セラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフである。
図の(A)は共振周波数の波形を示し、(B)は打音の減衰波形を示す。測定は、密度が0.76である35mm角の窒化ケイ素質ハニカムセグメントを10個接合して接合体とし、これを加工して製作した直径14.4cm、長さ15.2cmの窒化ケイ素質ハニカムフィルタを用いて行った。検査方法は上述した方法と同様である。正常フィルタは特に1次と3次の共振周波数が顕著に表れている。そこで1次と3次の共振周波数を用いて検査する。
正常フィルタの1次の共振周波数2157Hzでの共振の強さ2.0%に対する3次の共振周波数4320Hzでの共振の強さは0.9%であり、その比は(0.9/2.0)=0.45である。これに対し、被検査フィルタの対応する共振周波数における共振の強さはそれぞれ2099Hz(1次共振周波数)で0.9%であり、G(3次共振周波数)で0.01%である。したがって、被検査フィルタにおける1次共振周波数に対する3次共振周波数の比は(0.01/0.9)=0.01である。
この場合における被検査フィルタの比の変動率は、
{(0.45−0.01)/0.45}×100=98%
となる。
したがって、変動率が50%を超えるため、被検査フィルタは欠陥フィルタであると判断できる。
本発明は、セラミックスハニカムフィルタに適用できる。
本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法の対象であるセラミックスハニカムフィルタの概略図。 本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法に用いる共振周波数データを得るための構成を示す検査装置の概略図。 共振体のモデル図。 減衰振動を示すグラフ。 本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査装置の別の例の構成図。 本発明に係るセラミックスハニカムフィルタの検査方法のフローチャート。 一体成形で製造された正常なセラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフ。 一体成形で製造された被検査セラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフ。 接合体からなる正常なセラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフ。 接合体からなる被検査セラミックスハニカムフィルタの共振周波数と減衰波形を示すグラフ。
符号の説明
1:セラミックスハニカムフィルタ、2:フィルタ本体、3:貫通孔、4:圧電素子、5:増幅器、6:周波数解析装置、7:パソコン、9:強制振動装置、10:発振器、11:増幅器、12:振動子。

Claims (5)

  1. セラミックスハニカムフィルタが有する複数の共振周波数を用いて該セラミックスハニカムフィルタの欠陥を検査するセラミックスハニカムフィルタの検査方法であって、
    正常なセラミックスハニカムフィルタが有する任意の2つの共振周波数における共振の強さの比と、
    検査すべきセラミックスハニカムフィルタの前記2つの共振周波数における共振の強さの比を比較することを特徴とするセラミックスハニカムフィルタの検査方法。
  2. 前記セラミックスハニカムフィルタの打音を周波数解析することにより、共振周波数を検知する請求項1に記載のセラミックスハニカムフィルタの検査方法。
  3. 前記任意の2つの共振周波数は、1次共振周波数を含む低次の共振周波数である請求項1又は2に記載のセラミックスハニカムフィルタの検査方法。
  4. 前記任意の2つの共振周波数は、共振の強さが最大のものと2番目のものである請求項1又は2に記載のセラミックスハニカムフィルタの検査方法。
  5. 検査すべきセラミックスハニカムフィルタから音響振動を発生させる励振手段と、
    前記音響振動を電気信号に変換する圧電素子と、
    前記電気信号を周波数解析して1次から高次までの共振周波数を検出するための周波数解析装置と、
    該周波数解析装置に接続されたパソコンとからなる請求項1〜4のいずれかに記載の検査方法を実施するためのセラミックスハニカムフィルタの検査装置。
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