JP2010531880A - アルファ、ベータ−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセス - Google Patents

アルファ、ベータ−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセス Download PDF

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Abstract

マイクロリアクター中でα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスが記述される。この反応物質は、α,β−不飽和カルボン酸、ハロゲン化剤、及び触媒を含む。第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3の流入ストリームが貫流マイクロリアクターの反応チャンバに流入し、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物を生成する。

Description

本開示は、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を貫流マイクロリアクターで形成するプロセスに関する。
有機酸ハロゲン化物を形成するための有機酸ハロゲン化は、米国特許第2,013,988号(ミーダー(Meder)ら)に記載のように、有用な中間生成物を生成することができる。これらの中間生成物は例えば、精密化学及び製薬用途などの更なる合成改良に用いることができる。
化学反応を実行するためのツールとしてマイクロリアクターを使用することができ、これはミリメートル又はサブミリメートルのサイズ範囲で、特定の重要な機能を持ち得る。マイクロリアクター技術は、従来の化学リアクターのバージョン(機能サイズ範囲が通常数センチメートルから数メートルの、実験室規模又は工業用規模のいずれか)を規模縮小したバージョンを示す。
マイクロリアクターは、潜在的に危険な化学反応について、より改善された制御を提供することができる。そのような反応をより確実に制御することにより、安全性と取扱いが向上し、貴重な反応性中間生成物の分離が改善されることがある。マイクロリアクターは、PCT国際公開特許WO 99/22857(ハーストン(Harston)ら)に記載されているように、化学反応のための試薬の混合、流量、及びヒートシンク/熱源に対する制御の強化を提供することができる。
本開示はα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスを記述する。マイクロリアクター中でα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスが記述される。反応物質は、α,β−不飽和カルボン酸、ハロゲン化剤、及び触媒を含む。この反応物質が貫流マイクロリアクターの反応チャンバに流入して反応生成物を形成し、この反応生成物はα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物となる。
第1の態様において、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するために、プロセスが提供される。このプロセスは、無溶媒反応のための反応物質を供給することを含む。この反応物質は、第1の流入ストリームに供給されるα,β−不飽和カルボン酸を含み、第2の流入ストリームにハロゲン化剤を含み、第1の流入ストリーム又は任意選択の第3の流入ストリームに触媒を含む。第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3の流入ストリームは、貫流マイクロリアクターの反応チャンバに導入される。このプロセスは更に、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物の形成を含む。
第2の態様において、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するために、プロセスが提供される。このプロセスのための反応物質は、第1の流入ストリームに供給されるα,β−不飽和カルボン酸、第2の流入ストリームの、塩化オキサリルを含むハロゲン化剤、及び、第1の流入ストリーム又は任意選択の第3の流入ストリームの触媒を含む。第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3の流入ストリームは、貫流マイクロリアクターの反応チャンバに導入される。このプロセスには更に、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物が90パーセントを超えるパーセント収率を有するように、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物の形成を含む。
代表的な貫流マイクロリアクターの断面略図。 代表的な貫流マイクロリアクターの平面略図。 貫流マイクロリアクターの代表的な反応チャンバの平面略図。 S字状入口チャネルを有する代表的な貫流マイクロリアクターの平面略図。
以下の定義された用語に関して、別の定義が特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において示されない限り、これらの定義が適用される。
用語「無溶媒反応」は、実質的に溶媒がない反応を意味する。この反応は典型的には2重量パーセント未満の溶媒、1重量パーセント未満の溶媒、0.5重量パーセント未満の溶媒、0.2重量パーセント未満の溶媒、又は0.1重量パーセント未満の溶媒を含む。意図的に加えられたものではなく、不純物として存在している溶媒が、反応中に存在し得る。
用語「流入ストリーム」は、入口箇所からの反応物質が、マイクロリアクターの反応チャンバに流入することを意味する。
用語「反応チャンバ」は、別個の流入ストリームが互いに接触する領域又は部分を意味する。流入ストリームの反応物質が互いに混合し、その一方の反応物質又は他方が、もう一方の反応物質を取り囲み得る。
用語「貫流マイクロリアクター」は、容量が最大100mL、最大75mL、最大50mL、最大35mL以下、最大25mL以下、最大10mL、又は最大1mLのリアクターを意味する。このリアクターは、容量が少なくとも0.01mL、少なくとも0.1mL、少なくとも1mL、少なくとも3mL、又は少なくとも5mLであることができる。このリアクターは、反応チャンバへ流入する反応物質の分割された又は連続的な流れを有することができ、並びに、反応チャンバを流れ出る反応生成物の分割された又は連続的な流れを有することができる。
用語「アルキル」は、直鎖状又は分枝状C〜C20炭化水素、又は環状C〜C20炭化水素を意味する。
用語「アリール」は、フェニル基などの芳香族基を意味する。アリール基はまた、融合した多環式芳香族系も含み得る。このアリールは、多くの場合、6〜20個の炭素原子を有する。
用語「パーセント収率」は、有機酸から有機ハロゲン化物へのパーセント変換率を意味する。より具体的には、パーセント収率は、α,β−不飽和カルボン酸からα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物へのパーセント変換率を意味する。
用語「溶媒」は、反応物質でも触媒でもない化学物質を意味する。
端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包括される全ての数が含まれる(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.8、4、及び5を含む)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲に含まれるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。したがって、例えば「化合物」を含有する組成物への言及は、2種以上の化合物の混合物を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般的に「及び/又は」を包含する意味で用いられる。
特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用されている量又は成分量、性質の測定値などを表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、別途指示がない限り、先行の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメータは、本開示の教示を利用して当業者により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低でも、各数値的パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法の適用によって少なくとも解釈されるべきである。本開示の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかし、いずれの数値もそれらの試験測定値それぞれにおいて見られる標準偏差から必然的に生じる誤差を本来含有する。
本開示では、貫流マイクロリアクターでのα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスを記述する。多くの実施形態において、この反応は無溶媒である。この反応物質は、第1の流入ストリームにα,β−不飽和カルボン酸を含み、第2の流入ストリームにハロゲン化剤を含み、第1の流入ストリーム又は任意選択の第3の流入ストリームに触媒を含む。第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3の流入ストリームは、貫流マイクロリアクターの反応チャンバに流れ込む。この反応チャンバ内で、反応物質が互いに接触する。反応物質の接触により、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物の形成が開始される。α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物が形成される際に、気体が発生することがある。この気体は、反応チャンバ内にカオス混合を提供し、その結果、反応チャンバは静的混合手段又は機械的混合手段を免除できる。α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物が形成されて貫流マイクロリアクターから流出する。触媒化学反応の反応生成物は、同じ温度での無触媒化学反応に比べ、高速度で連続的又は準連続的に合成される。貫流マイクロリアクターを使用する際に、触媒を用いないでα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスに比べ、触媒を用いる場合は、増加したパーセント収率及びより低いパーセントのマイケル付加形成物を有して、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成することができる。記述される方法によって、酸付加生成物(すなわちオレフィン基への酸付加)の形成のパーセントが低くなる。
α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物は、化学的中間生成物として使用するために形成することができる。この化学的中間生成物は、接着剤、コーティング剤、石油製品、消費者製品、及び工業用製品に使用するための添加用分子を合成するのに反応物質として用いることができる。
α,β−不飽和カルボン酸をハロゲン化してα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成する方法は既知である。例えば、マーチ,J.(March, J.)著、「高等有機化学(Advanced Organic Chemistry)」、第4版、ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley & Sons)、437〜438頁(1992年)にはいくつかの方法が記載されている。この反応はきわめて発熱的である可能性があり、いくつかのアプローチがこの反応を制御するために使用されている。例えば、1つのアプローチは、この反応を制御するのを助けるために溶媒を使用することである。すなわち、反応物質が溶媒で希釈されることにより、反応が発熱的になり過ぎないようにするものである。この反応は、触媒の存在下又は不在下で、起こり得る。触媒が使用される場合には、通常、反応を制御するために溶媒が必要とされる。触媒が使用されない場合には、反応は無溶媒であることができる。しかしながら、触媒が使用されない場合には、マイケル付加反応生成物及び酸付加生成物を含む、より多量の望ましくない副生成物が形成される傾向がある。α,β−不飽和カルボン酸をハロゲン化してα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成する既知の方法の多くは、バッチ・リアクター内である。反応生成物を分離するために溶媒は多くの場合除去されなければならず、様々な副生成物を除去するために精製手順が多くの場合必要である。
既知の方法とは対照的に、貫流マイクロリアクター内でα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するために、方法が提供される。この反応物質は、α,β−不飽和カルボン酸、ハロゲン化剤、及び触媒を含む。多くの実施形態において、この反応は無溶媒である。α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物は、無触媒バッチ反応に用いられる方法に匹敵する温度で連続的又は準連続的に生成することができる。無触媒バッチ反応を用いて得ることができるものよりも、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物のパーセント収率は高く、副生成物は少なくなることができる。更に、バッチ反応とは異なり、触媒条件と無溶媒条件の両方を用いて、高純度、高収率の反応生成物を生成することができる。いくつかの用途においては、無溶媒反応混合物が望ましい場合がある。プロセス中に溶媒がないため、下流の処理工程を削除することができ、より効率的なα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物の製造を促進することができる。
α,β−不飽和カルボン酸のハロゲン化は、貫流マイクロリアクター内で達成することができる。いくつかの実施形態において、触媒存在下でのα,β−不飽和カルボン酸のハロゲン化が、無溶媒反応を用いて生じ得る。反応生成物としてα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を得るための、触媒存在下でのα,β−不飽和カルボン酸とハロゲン化剤との反応は、ハロ脱ヒドロキシル化と呼ばれる。この化学反応は、反応式Aのように記述することができる。
Figure 2010531880
反応物質は、反応チャンバ内で互いに接触する。この反応物質は気体、又は十分な粘性を有する液体(貫流マイクロリアクターに流し込むために計測ポンプでこの液体を送達できるように)を用いることができる。一部の反応物質は、加熱時に液体となるか、又は十分に低い粘性を有する可能性がある。この反応物質は、室温で固体であってもよく、融点を上回る温度で貫流マイクロリアクターに供給することができる。
第1の流入ストリームは、α,β−不飽和カルボン酸を含み得る。このα,β−不飽和カルボン酸は、1つの炭素−炭素二重結合と、1つの炭素−酸素二重結合(すなわちカルボニル基)を有し、これらは1つの炭素−炭素一重結合により分離されている。これらの二重結合は共役であり、カルボン酸官能基の炭素−酸素二重結合(カルボニル基)は、オレフィン官能基の炭素−炭素二重結合に近接している。この2つの官能基は、更なる合成修飾のための反応部位を提供する。例えば、α,β−不飽和カルボン酸のカルボニル基は、ハロゲン化剤の存在下で変換されて、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を生じ得る。
α,β−不飽和カルボン酸のカルボン酸はイオン化可能であり、カルボン酸のアニオンが別のα,β−不飽和カルボン酸と反応して、例えばマイケル付加生成物などの副生成物を生じることがある。マイケル付加生成物は、α,β−不飽和カルボン酸化合物のカルボアニオンの求核付加によって起こり得る。マイケル付加反応は、モリソン,R.T.(Morrison, R.T.)及びボイド,R.N.(Boyd, R.N.)、「マイケル付加(The Michael Addition)」、「有機化学(Organic Chemistry)」第6版、プレンティス・ホール社(Prentice Hall, Inc.)、979〜981頁(1992年)に更に記載され得る。
マイケル付加生成物は、α,β−不飽和カルボン酸のハロゲン化中に生じ得るいくつかの副生成物のうちの1つとなる可能性がある。同様に、酸付加生成物が、α,β−不飽和カルボン酸のハロゲン化中に生じる副生成物のうちの1つとなる可能性がある。α,β−不飽和カルボン酸のハロゲン化において副生成物が生じるか否かは、数多くの要素の結果であり得る。いくつかの要素としては、反応物質、触媒、温度、滞留時間、不純物、溶媒、水分の存在、混合の選択、又はこれらの組み合わせを挙げてもよく、これらに限定されない。
第1の流入ストリームに使用されるα,β−不飽和カルボン酸は、典型的には化学式Iを有する。化学式Iにおいて、R1は水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、又はこれらの組み合わせを含み得る。各R2は独立に、水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、非置換アリール基、置換アリール基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせを含み得る。アルキル基に好適な置換基としては、カルボキシル基、アルコキシル基、アリール基、アリールオキシ基、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アリール基に好適な置換基としては、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシル基、アリールオキシ基、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2010531880
α,β−不飽和カルボン酸のいくつかの例としては、アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、メタクリル酸、ソルビン酸、桂皮酸、マレイン酸、フマル酸、又はこれらの組み合わせを挙げてもよい。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸又はメタクリル酸である。
第2の流入ストリームは、ハロゲン化剤を含み得る。ハロゲン化剤は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する化合物を含む。ハロゲン化剤は液体、気体、又は固体であり得る。例えば、ハロゲン化剤は、化学反応においてα,β−不飽和カルボン酸と反応することができる。ハロゲン化剤は、ラロック,R.C.(Larock, R.C.)著、「総合有機変換:官能基調製ガイド(Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations)」、VCHパブリッシャーズ社(VCH Publishers Inc.)(1989年)に更に記載されている。場合によっては、特定のハロゲン化剤が、α,β−不飽和カルボン酸をα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物に変換するのに、他のハロゲン化剤よりも、より選択的である場合がある。ハロゲン化剤のいくつかの例としては、有機塩化物、無機塩化物、無機臭化物、塩化アシル、又はこれらの組み合わせが挙げられる。より具体的には、一部のハロゲン化剤には、塩化オキサリル、臭化オキサリル、塩化チオニル、ホスゲン、トリホスゲン、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、五臭化リン、四塩化炭素/トリフェニルホスフィン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、ハロゲン化剤は塩化オキサリル又は塩化チオニルであり得る。
1つの実施形態において、塩化オキサリルは、類似の処理条件下で、α,β−不飽和カルボン酸の酸官能基を酸塩化物官能基に変換するのに、塩化チオニルよりも選択的である場合がある。すなわち、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物のパーセント収率の増加、並びに、マイケル付加生成物及び酸付加生成物のパーセントの減少が、塩化オキサリルについて観察され得る。例えば、他のハロゲン化剤に比較して、塩化オキサリルの使用により、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物のパーセント収率が少なくとも10パーセント増加し、生じるマイケル付加生成物が1モルパーセント未満、及び、形成される酸付加生成物が1モルパーセント未満となることができる。
第1の流入ストリーム又は任意選択の第3のストリームは、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するための反応物質として、触媒を含み得る。この触媒は、α,β−不飽和カルボン酸中に触媒が溶解又は分散するように、α,β−不飽和カルボン酸とともに第1の流入ストリーム中で送達することができる。触媒は、溶媒を含んでいない液体として加えることができる。いくつかの実施形態において、触媒は溶媒中に分散させてもよく、又は溶媒に溶解させてもよい。触媒の存在により、反応温度を高めることなしに化学反応の反応速度を増加させることができる。1つの実施形態において、触媒がない類似のハロゲン化反応に比べると、触媒が存在するにより、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物のパーセント収率が改善し得る。
いくつかの触媒の例としては、アミド、イミド、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、オキシム、イソシアネート、チアゾール、ピラゾール、又はこれらの組み合わせが挙げられる。より具体的には、いくつかの触媒としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトアミド、メチルイミダゾール、イミジゾール、ピリジン、又はこれらの組み合わせを挙げてもよい。1つの実施形態において、触媒はジメチルホルムアミドであり得る。
α,β−不飽和カルボン酸とハロゲン化剤は、α,β−不飽和カルボン酸のモルがハロゲン化剤のモルを上回るように、反応チャンバに流入することができる。ハロゲン化剤のモルに対するα,β−不飽和カルボン酸のモルのパーセント過剰は、等モルの1:1化学量論比を超え得る。ハロゲン化剤のモルに対するα,β−不飽和カルボン酸のモルのパーセント過剰は、少なくとも0.01パーセント、少なくとも0.05パーセント、少なくとも0.1パーセント、少なくとも1パーセント、又は少なくとも1.5パーセントであり得る。ハロゲン化剤のモルに対するα,β−不飽和カルボン酸のモルのパーセント過剰は、最大10パーセント、最大8パーセント、最大6パーセント、又は最大5パーセントであり得る。ハロゲン化剤のモルに対するα,β−不飽和カルボン酸のモルのパーセント過剰は、0.01〜10パーセント、0.05〜8パーセント、0.1〜6パーセントの範囲内、又は0.1〜5パーセントの範囲内であり得る。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和カルボン酸のモルのパーセント過剰は、ハロゲン化剤のモルを超える。
ハロゲン化剤とα,β−不飽和カルボン酸は、ハロゲン化剤のモルがα,β−不飽和カルボン酸のモルを上回るように、反応チャンバに流入することができる。α,β−不飽和カルボン酸のモルに対するハロゲン化剤のモルのパーセント過剰は、等モルの1:1化学量論比を超え得る。α,β−不飽和カルボン酸のモルに対するハロゲン化剤のモルのパーセント過剰は、少なくとも0.01パーセント、少なくとも0.1パーセント、少なくとも1パーセント、少なくとも2パーセント、又は少なくとも3パーセントであり得る。α,β−不飽和カルボン酸のモルに対するハロゲン化剤のモルのパーセント過剰は、最大10パーセント、最大8パーセント、最大6パーセント、又は最大5パーセントであり得る。α,β−不飽和カルボン酸のモルに対するハロゲン化剤のモルパーセント過剰は、0.01〜10パーセント、0.1〜8パーセント、1〜6パーセントの範囲内、又は2〜5パーセントの範囲内であり得る。いくつかの実施形態において、パーセント過剰のハロゲン化剤のモルは、α,β−不飽和カルボン酸のモルを超える。
触媒は、第1の流入ストリームとしてα,β−不飽和カルボン酸とともに反応チャンバ内に流入し得る。α,β−不飽和カルボン酸のモル数に対する触媒のモルパーセントは、少なくとも0.01モルパーセント、0.1モルパーセント、1モルパーセント、又は少なくとも2モルパーセントであり得る。α,β−不飽和カルボン酸のモル数に対する触媒のモルパーセントは、最大5モルパーセント、最大4モルパーセント、又は最大3モルパーセントであり得る。α,β−不飽和カルボン酸のモル数に対する触媒のモルパーセントは、0.01〜5モルパーセント、0.1〜4モルパーセントの範囲内、又は0.5〜3モルパーセントの範囲内であり得る。
反応式Aを参照し、α,β−不飽和カルボン酸、ハロゲン化剤、及び触媒を貫流マイクロリアクター内で互いに混合し、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成する。この反応が進行すると、α,β−不飽和カルボン酸がα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物に変換され、ハロゲン化剤が消費される際に、気体が発生することがある。1つの実施形態において、反応物質として気体を流入ストリームに加えることができる。
触媒を用いたα,β−不飽和カルボン酸のハロゲン化(すなわち、ハロゲン化剤を用いて)は通常、発熱的である。いくつかの実施形態において、α,β−不飽和カルボン酸、ハロゲン化剤、及び触媒は、無溶媒反応の反応物質である。貫流マイクロリアクター内での熱の効率的な消散は、より低い反応温度での反応生成物の形成に寄与することがあり、触媒の使用は、反応速度の増加に寄与することがある。より低い反応温度の結果により、副生成物の量が減少し、反応生成物のパーセント収率が増大する可能性がある。1つの実施形態において、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物が形成されて、少なくとも75パーセント、少なくとも85パーセント、又は少なくとも90パーセントのパーセント収率を有し得る。α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物が形成されて、最大99.9パーセント、最大96パーセント、又は最大95パーセントのパーセント収率を有し得る。α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物のパーセント収率は、75〜99.9パーセント、85〜99.9パーセント、又は90〜99パーセントの範囲内となり得る。α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物のパーセント収率は、精製なしで、反応ストリーム内の化合物に基づいて決定することができる。この反応ストリームには、反応化合物、未反応の反応物質、マイケル付加生成物、酸付加生成物、及び他の副生成物が含まれ得る。いくつかの実施形態において、マイケル付加生成物などの副生成物は、10モルパーセント未満であり得る。
いくつかの実施形態において、マイケル付加生成物は、触媒が流入ストリーム内の反応物質である反応ストリーム内において主な副生成物であり得る。他の実施形態において、マイケル付加生成物は、触媒が流入ストリーム内にない反応ストリーム内に存在する数多くの副生成物の1つであり得る。
1つの実施形態において、アクリル酸が、ジメチルホルムアミドの存在下で無溶媒反応で塩化オキサリルと反応し、反応ストリームの精製なしで少なくとも96パーセントのパーセント収率を有する塩化アクリロイルを生成した。マイケル付加生成物又は酸付加生成物は3モルパーセント未満であった。
別の実施形態において、メタクリル酸が、無溶媒反応で塩化オキサリル及びジメチルホルムアミドと反応し、反応ストリームの精製なしで99パーセントを超えるパーセント収率を有する塩化メタクリロイルを生成した。マイケル付加生成物又は酸付加生成物は、H NMRで検出されなかった。
別の態様において、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するために、プロセスが提供される。このプロセスのための反応物質は、第1の流入ストリームに供給されるα,β−不飽和カルボン酸、第2の流入ストリームの、塩化オキサリルを含むハロゲン化剤、及び、第1の流入ストリーム又は任意選択の第3の流入ストリームの触媒が含まれる。第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3の流入ストリームは、貫流マイクロリアクターの反応チャンバに流れ込む。このプロセスは更に、90パーセントを超えるパーセント収率を有するα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物の形成を含む。この反応は、溶媒の存在下又は不在下で実施することができる。
1つの実施形態において、第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、又は任意選択の第3の流入ストリームのうちの少なくとも1つが溶媒を含む。例えば、この溶媒は、反応物質を希釈、溶解、又は分散するために、反応物質に対して加えられ得る。この溶媒は反応物質とともに反応チャンバに流入させることができる。溶媒のいくつかの例としては、エーテル、エステル、芳香族化合物、アルカン、ケトン、複素環化合物、複素環芳香族化合物、塩素化アルカン、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。好適な溶媒の例としては例えば、テトラヒドロフラン、二塩化メチレン、二塩化エチレン、o−ジクロロベンゼン、炭酸プロピレン、クロロホルム、トリクロロエチレン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、クロロベンゼン、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、2−メチルヒドロフラン、四塩化炭素、ヘキサン、及びこれらの組み合わせを挙げてもよい。
別の実施形態において、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するために、無溶媒プロセスが提供される。このプロセスには更に、90パーセントを超えるパーセント収率を有するα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物の形成を含み、ハロゲン化剤が塩化オキサリルである。
マイクロリアクターは、特殊及び精製化学薬品の合成に使用することができる。これらマイクロリアクターの特徴である微小な長さ(典型的には数ミリメートル未満)は、非常に発熱性の反応、危険な試薬又は副生成物を有する反応、高温又は低温で発生する反応、及び/又は不安定な中間生成物を伴う反応に用いることができる。
小さな寸法の構造(すなわちマイクロ構造)(例えば、流入口、流入領域、流入チャネル、反応チャンバ、滞留時間チャネル、及び流出口)を有するマイクロリアクターは、従来の巨視的システム又は大規模なリアクターシステムを超えることができる性能を有する場合がある。市販されているマイクロリアクターのいくつかの例としては、ドイツのエハフェルド・マイクロテクニック社(Ehrfeld Mikrotechnik GmbH)(モデル番号0211−02−0311−F)、スウェーデンのアルファ・ラバル(Alfa Laval)社(プレートリアクター)、及びドイツのCPC−セルラー・プロセス・ケミストリー・システムズ(CPC-Cellular Process Chemistry Systems)社(シクトス・ラボ・システムズ(CYCTOS Lab Systems))から販売されているマイクロリアクターが挙げられる。マイクロリアクターの性能のいくつかは、基礎をなす数多くの化学プロセスの物理的輸送現象の強化と、その制御及び調整を行う能力を実現することに自ずから顕在化し得る。関与する本質的に微小な長さの規模(及び、容積に対する表面積の比が高いこと)が、高度な熱及び物質移動を促進して、巨視的な規模では実現できないような激しい処理条件がマイクロリアクターにおいて可能となり得る。
液体化学に基づく貫流処理は、貫流マイクロリアクターを用いる際の1つの利点である。小さなチャネルサイズと、容積に対する表面積の比の高さにより、これらの装置は、大規模なバッチ・リアクターよりも、熱及び物質の移動がより効果的である。熱伝達の改善により、極低温条件ではなく室温条件で反応を実行させることが可能になる。急速かつ効果的な混合により、反応物質が接触し、より良い変換反応が実現する。制御された滞留時間及び温度を伴う高速な反応は、不必要な副生成物なしに又は実質的になしに、望ましい反応生成物を生成することができ、それゆえに、より高い選択性と収率を得ることができる。
本開示のマイクロリアクターは、これらの相対的な寸法に関して記述されており、場合によっては、容積又は容量に関して記述されている。マイクロリアクターの容積は、反応物質の添加のための流入口から反応ストリームのための流出口までにわたる容量を有する、相互につながれたマイクロ構造として説明することができる。マイクロリアクター及び対応するマイクロ構造の寸法は、範囲として記述することができ(例えば、ミリメートル又はサブミリメートル)、この範囲は他のマイクロリアクター設計を取り込むために修正することができる。同様に、マイクロリアクター及びその相当するマイクロ構造の容積は、設計による指定及び用途のニーズに応じて改変することができる。
図1は、層状アセンブリを有する代表的な貫流マイクロリアクターの横断面図を示す。貫流マイクロリアクター50は、第1の層20、第2の層25、第3の層30、第4の層35、及び任意選択の抵抗加熱エレメント40を含む。第1の層20、第2の層25、第3の層30、第4の層35、及び任意選択の抵抗加熱エレメント40には、固定具挿入(図示なし)のための穴(図示なし)がある場合がある。第1の層20は、マイクロリアクター50の第2の層25のマイクロ構造(図示なし)を密閉している。第2の層25には、貫流マイクロリアクター50のマイクロ構造(例えば流入口、流入チャネル、反応チャンバ、滞留時間チャネル、流出口、及びこれらの組み合わせ)が含まれる。第2の層25はフライス加工又は微細加工することが可能である。第3の層30は、第2の層25及び第1の層20を支持する。第3の層30はまた、第2の層25のマイクロ構造を密閉し、第2の層25及び第4の層35への効率的な熱伝達を供給する。第4の層35は第1の層20、第2の層25、及び第3の層30を支持する。第4の層35は、層状アセンブリの、抵抗加熱エレメント40から層状アセンブリの第3の層30を通して第2の層25への効果的な熱伝達を供給するよう構成することができる。任意選択の抵抗加熱エレメント40には熱電対47が取り付けられており、これにより、この取り付けられた熱電対47は外部の温度コントローラ55に接続され、貫流マイクロリアクター50のデジタル温度制御が可能になっている。
マイクロリアクターを構成する際の材質選択に検討する要素としては、化学的適合性、温度安定性、及び製造の容易さが挙げられる。マイクロリアクターにおける使用可能な材料としては、ケイ素、石英、ガラス、金属、ポリマー材料、及びこれらの組み合わせを挙げてもよい。フォトリソグラフィー、高温エンボス加工、粉末吹き付け、射出成形、レーザー加工、又はマイクロ加工などの様々なチャネル微細加工方法を使用することができる。例えば、貫流マイクロリアクター50の第2の層25にチャネル微細加工を用いて、マイクロ構造を展開することができる。第1の層20及び第3の層30などの、第2の層25に隣接する層は、貫流マイクロリアクター50のために、同じ材料、又は異なる材料を含み得る。材料の選択は、用途及びユーザーの要件に依存し得る。マイクロ構造のいくつかの例としては、流入口、流入チャネル、反応チャンバ、滞留時間前チャネル、滞留時間チャネル、流出口、その他のマイクロ構造、及びこれらの組み合わせが挙げられる。その他のマイクロ構造の例としては、混合手段、サンプルアクセス、及び分析装置インターフェースのためのポートを挙げてもよい。
図1を参照し、第1の層20は第1の表面21及び第2の表面22を有する。第2の層25は第3の表面23及び第4の表面24を有する。第2の表面22は貫流マイクロリアクター50の第3の表面23に隣接している。第1の流入口62及び第2の流入口64は、第1の層20の第1の表面21と第2の表面22を貫通して延びる円柱形の外形寸法を形成する開口部を有し得る。いくつかの実施形態において、第1の流入口62と第2の流入口64はそれぞれ独立に、第2の層25の少なくとも一方の面を貫通して延びることができる。第1の流入口62及び第2の流入口64は両方とも第3の表面23を貫通して、第2の層25の少なくとも一部の中に延び得る。第2の層25は貫流マイクロリアクター50のマイクロ構造(図示なし)を含有し得る。第2の層25の第1の側面27は、流出口90を含む。任意選択の抵抗加熱エレメント40は、外部温度コントローラ55に接続された熱電対47を取り付けることができる。マイクロリアクター50は、任意選択で、上流又は下流の処理のために、1つ以上のマイクロリアクターと接続することができる。
マイクロリアクター50の第1の層20は、第1の表面21及び第2の表面22を含む。第1の層20は、第2の層25の第3の表面23に隣接している。第1の表面21は、第1の流入口62及び第2の流入口64のための開口部(図示なし)を有する。第1の流入口62及び第2の流入口64は第1の表面21から第2の表面22まで延びている。第1の流入口62及び第2の流入口64は更に、第3の表面を貫通して、第2の層25の一部の中まで延びる。第1の流入口62及び第2の流入口64の開口部(図示なし)の直径は、同じで寸法あっても、また異なる寸法であってもよい。第1の流入口62及び第2の流入口64の開口部(図示なし)の直径は、貫流マイクロリアクター50と接続するため、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の管を通すのに十分であり得る。この管(図示なし)は貫流マイクロリアクター50内への反応物質の流れを提供することができる。第1の層20には、任意の好適な厚さを用いることができる。この厚さは多くの場合、0.01〜1cmの範囲内、0.02〜0.5cmの範囲内、又は0.03〜0.1cmの範囲内である。1つの実施形態において、第1の層20の厚さは約0.047cmである。第1の層20は、気体及び腐食性物質に対して不動性である物質で構成され、高温安定性を有する。このような特性を有する材料の例としては、ニッケル、銅、アルミニウム、合金(例えばステンレススチール、ハステロイ(HASTELLOY)(ヘインズ・インターナショナル(Haynes International)社の商品名)、モネル(MONEL)(スペシャル・メタルズ社(Special Metals Corporation)の商品名))又はこれらの組み合わせが挙げられる。1つの実施形態において、第1の層20はステンレススチールを含む。
第2の層25は、第3の表面23及び第4の表面24を含む。第2の層25は、第1の層20及び第3の層30に隣接している。第1の層20の第2の表面22は第2の層25の第3の表面23に隣接しており、第3の層30は第4の表面24に隣接している。第1の流入口62及び第2の流入口64は両方とも、第3の表面23を貫通して、貫流マイクロリアクター50のマイクロ構造(図示なし)に延びている。流出口90は第2の層25の第1の側面27上にある。第1の流入口62及び第2の流入口64はそれぞれ独立に、好適な範囲のサイズの開口部を有することができる。いくつかの実施形態において、これらの開口部は1mm〜3mmの範囲内である。1つの実施形態において、第1の流入口62及び第2の流入口64の両方の開口部は約2mmである。
第2の層25はマイクロ構造(図示なし)を含み、このマイクロ構造は互いに隣接しかつ相互に接続して、連続した領域を形成し、これにより反応物質の流れと反応ストリームが可能になっている。第2の層25はフライス加工又は微細加工が可能な材料を含み、これにより、この材料は高温安定性、優れた耐化学性、及び気体に対する不動性を有する。第2の層25の材料の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)、ポリ二フッ化ビニリデン(PVDF)、又はこれらの組み合わせを挙げてもよい。1つの実施形態において、第2の層25はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。第2の層25には任意の好適な厚さを用いることができる。いくつかの実施形態において、第2の層25の厚さは、少なくとも0.1cm、少なくとも0.25cm、少なくとも0.50cm、又は少なくとも0.65cmである。この第2の層25の厚さは、最大1.5cm、最大1.25cm以下、又は最大1.20cmである。この第2の層25の厚さは、0.1cm〜1.5cmの範囲内、0.25cm〜1.25cmの範囲内、又は0.65〜1.20cmの範囲内である。1つの実施形態において、第2の層25の厚さは約1.17cmである。
第3の層30は、第2の層25の第4の表面に隣接している。第4の層35は、第3の層30の反対側表面上にある。第3の層30も、第3の層30に接触する可能性がある反応物質に対する化学的耐性を有する。第3の層30は、気体に対して不動性であり、腐食物質に対する耐性を有し、高温安定性を有する材料で構成することができる。このような性質を有する材料の例としては、ニッケル、銅、アルミニウム、合金(例えばステンレススチール、ハステロイ(HASTELLOY)、又はモネル(MONEL))、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、第3の層30はモネルを含む。第3の層30には任意の適切な厚さを用いることができる。いくつかの実施形態において、第3の層30の厚さは0.01〜1cm、0.02〜0.5cmの範囲内、又は0.03〜0.1cmの範囲内である。1つの実施形態において、第3の層30の厚さは約0.047cmである。
第4の層35は、貫流マイクロリアクター50の第3の層30と任意選択の抵抗加熱エレメント40との間に位置する。第4の層30は、気体に対して不動性であり、腐食物質に対する耐性を有し、高温安定性を有する材料で構成することができる。このような性質を有する材料としては、ニッケル、銅、アルミニウム、合金(例えば、ステンレススチール、ハステロイ(HASTELLOY)、又はモネル(MONEL))、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、第4の層30はアルミニウム又は銅を含む。任意選択で、第4の層35は加熱エレメントの取り付け又は挿入に対応して製造し、抵抗加熱エレメントを形成することができる。第4の層35には任意の好適な厚さを用いることができる。いくつかの実施形態において、第4の層35の厚さは、少なくとも0.01cm、少なくとも0.02cm、又は少なくとも0.03cmである。この第4の層35の厚さは、最大1cm、最大0.5cm、又は最大0.1cmである。この第4の層35の厚さは、0.01〜1cm、0.02〜0.5cmの範囲内、又は0.03〜0.1cmの範囲内である。1つの実施形態において、第4の層35の厚さは、約0.047cmである。
図1に示す貫流マイクロリアクター50の層状アセンブリは、反応物質又は一部の反応ストリームの損失を防ぎ、水分の侵入を防ぎ、圧力下において貫流マイクロリアクターを密閉するように組み立てられる。貫流マイクロリアクター50は、互いに隣接する複数の層を組み合わせるために、ドリル穴130を含み得る。図2は、第2の層25のドリル穴130の位置を示す。第2の層25には、多数のドリル穴130が配置されている。ドリル穴130は、図1の第1の層20を貫通し、第2の層25を貫通し、第3の層30を貫通し、第4の層35を貫通し、任意選択で、第4の層35に取り付けられた抵抗加熱エレメント40を貫通して延びることが可能である。任意選択の抵抗加熱エレメント40は、固定具でマイクロリアクター50に取り付けられていなくてもよい。ドリル穴130には任意の好適な直径を用いることができる。いくつかの実施形態において、このドリル穴130の直径は1mm〜5mmの範囲内であることができる。1つの実施形態において、このドリル穴130の直径は、3.75mm〜4mmの範囲内であってもよい。別の実施形態において、第1の層20、第2の層25、第3の層30を貫通して、第4の層35を貫通して延びるドリル穴130は、ねじ付きにすることができる。
第2の層25を含む代表的な貫流マイクロリアクター50が図2に示されている。第2の層25は、前述のように形成され得るマイクロ構造を含有する。第2の層25の第3の表面23(図1に図示)は、フライス加工又は微細加工によりマイクロ構造を形成することができる。第2の層25の第4の表面24は、任意選択でフライス加工又は微細加工して同様のマイクロ構造を形成することができる。第2の層25のマイクロ構造(例えば第1の流入口62、第2の流入口64、流入領域60、流入チャネル145、反応チャンバ70、滞留時間前チャネル196、滞留時間チャネル80、及び流出口90)は相互に接続して、反応物質の流れのための連続チャネルを形成する。この連続チャネルは、入口位置から、出口位置での反応ストリームにおける反応生成物の回収までの、反応物質の流れを提供する。第1の流入口62及び第2の流入口64は、流入領域60で接触する(図3に図示)。流入領域60は流入チャネル145と接触し、これが反応チャンバ70まで延びている。反応チャンバ70は反応ストリームとして反応物質の流れを提供し、滞留時間チャネル80へと流れ、反応ストリームを流出させるための流出口90を有する。図2の、第2の層25内のマイクロ構造の高さ(すなわち深さ)は様々な寸法を有することができる。マイクロ構造の高さは1つのマイクロ構造のみに限定されず、第2の層25内の1つを超えるマイクロ構造に適用することができる。例えば、流入チャネル145及び滞留時間チャネル80には、任意の好適な高さを使用することができる。いくつかの実施形態において、流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の高さ(すなわち深さ)は独立に、少なくとも0.01cm、少なくとも0.025cm、又は少なくとも0.04cmとあることができる。この流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の高さは独立に、最大0.25cm、最大0.15cm、又は最大0.1cmであることができる。この流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の高さは独立に、0.01cm〜0.25cm、0.025〜0.15cmの範囲内、又は最大0.025〜0.1cmであることができる。例えば、流入チャネル145及び滞留時間チャネル80には、任意の好適な幅を使用することができる。マイクロ構造の幅は1つのマイクロ構造のみに限定されず、第2の層25内の1つを超えるマイクロ構造に適用することができる。いくつかの実施形態において、流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の幅は独立に、少なくとも0.01cm、少なくとも0.05cm、又は少なくとも0.075cmであることができる。この流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の幅は独立に、最大3cm、最大2cm、又は最大1.75cmであることができる。この流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の幅は独立に、0.01cm〜3cm、0.05〜2cmの範囲内、又は0.075〜1.75cmの範囲内であることができる。1つの実施形態において、流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の高さは約0.0585cmであり、流入チャネル145及び滞留時間チャネル80の幅は約0.161cmである。チャネル(例えば流入チャネル145及び滞留時間チャネル80)の長さは、2mm〜250cmの範囲内であることができる。
液体、気体、分散液、及びこれらの組み合わせの材料が、流入ストリームとして流れることができる。反応物質としての材料は、流入口を通って導入することができ、この流入口は貫流マイクロリアクター50への流入ストリームの送達へのアクセスを提供する。この材料を含む流入ストリームは、相互に接続されたマイクロ構造へと流入して、所定の流速でマイクロリアクターへこの材料を送達することができる。流入ストリームは無水状態で流れることができ、このため、貫流マイクロリアクター50は水又は他の望ましくない物質が侵入するのを防ぐため密閉され得る。流入ストリームは、反応物質の添加前、又は反応物質の添加中に、不活性ガス(例えばアルゴン、窒素、ヘリウム、又はこれらの組み合わせ)を流して、副生成物を生じる副反応を除外することができる。1つの実施形態において、流入ストリームは反応物質を含み、この反応物質は反応チャンバに流入して無溶媒反応を形成する。貫流マイクロリアクター50は、化学反応、コーティング、又は材料改質のために、反応物質を受け入れる十分な容積を有することができる。この容積は、貫流マイクロリアクター50の流入口(例えば第1の流入口62又は第2の流入口64)から流出口90までの流動可能物質を含有するためのマイクロ構造の容積として記述することができる。貫流マイクロリアクター50には、任意の好適な容積を使用することができる。いくつかの実施形態において、貫流マイクロリアクター50の容積は、少なくとも0.01mL、少なくとも0.1mL、少なくとも1mL、少なくとも3mL、又は少なくとも5mLであることができる。貫流マイクロリアクター50の容積は、最大100mL、最大75mL、最大50mL、最大35mL、最大25mLであることができる。貫流マイクロリアクター50の容積は、0.01〜100mL、0.01〜75mL、0.01〜50mLの範囲内、又は0.01〜20mLの範囲内であることができる。
貫流マイクロリアクター50は、マイクロ構造(例えば、流入領域、又は流入チャネル)への流入ストリームとして材料又は反応物質を送達するために、複数個の流入口(例えば、第1の流入チャネル62)を有することができる。貫流マイクロリアクター50のマイクロ構造に材料又は反応物質を送達するために、任意の好適な個数の流入口を使用することができる。いくつかの実施形態において、貫流マイクロリアクター50へ反応物質を送達するために、流入口の数は、少なくとも2、少なくとも3、又は少なくとも5であり得る。この貫流マイクロリアクター50は、最大10個、最大8個、又は最大7個の流入口を有し得る。の貫流マイクロリアクター50には、2〜10個の範囲内の流入口、2〜8個の範囲内の流入口、又は2〜7個の範囲内の流入口であるように、複数個の流入口を有し得る。貫流マイクロリアクター50のマイクロ構造は、様々な幾何学的構成を有することが可能であり、反応物質又は材料を含有する寸法も様々であり得る。
貫流マイクロリアクター50のマイクロ構造の構成は多様であり得る。マイクロ構造のために任意の好適な構成を使用することができる。いくつかの実施形態において、流入チャネル145は、例えば直線状、球状、長円状、S字状、及びこれらの組み合わせのような幾何学構造を含む構成を有することができる。いくつかの実施形態において、流入チャネル145の構成は直線状又はS字状である。流入チャネル145は、流入ストリームが流入領域60から反応チャンバ70まで流れるための経路を提供する。この流入チャネルは、混合用の反応チャンバ70まで反応物質を流すための十分な高さ及び幅を有して、反応ストリームを形成し、反応ストリームは滞留時間チャネル80に流入することができる。
流入領域60(図3に図示)は、図2に示すように、第1の流入口62及び第2の流入口64を含む。第1の流入ストリームは、第1の流入口62を通して送達することができ、第2の流入ストリームは、第2の流入口64を通して送達することができ、任意選択の第3のストリームは、任意選択の第3の流入口(図示なし)を通して送達することができる。流入ストリームは流入領域60に流れ込み、次に流入チャネル145に流れ込む。この流入ストリームは、加圧下で(例えばポンプで)第1の流入口62及び第2の流入口64に加えることができる。流入ストリームは、熱電対47に取り付けられた抵抗加熱エレメント40(図1に図示)によって加熱又は冷却して、貫流マイクロリアクター50の反応チャンバ70に流入する前に、第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3のストリームの反応物質の温度を制御することができる。流入ストリームには任意の好適な温度を使用することができる。いくつかの実施形態において、流入ストリームの温度は、少なくとも−20℃、少なくとも0℃、少なくとも15℃、又は少なくとも20℃であってもよい。この流入ストリームの温度は、最大100℃、最大75℃、最大50℃、又は最大25℃であってもよい。この流入ストリームの温度は、−20℃〜100℃、0℃〜75℃の範囲内、又は15℃〜50℃の範囲内であってもよい。1つの実施形態において、この流入ストリームの温度は25℃である。
流入ストリームは、1つ以上の反応物質を含むことができる。同じ流入ストリーム内にある反応物質は通常、互いに反応し合わないものが選択される。互いに反応する可能性がある反応物質は、別の流入ストリーム、例えば第1の流入ストリーム内と第2の流入ストリーム内といったように、別々の流入ストリーム内に保持することができる。第1の流入ストリームは第1の流入口62に供給することができ、第2の流入ストリームは第2の流入口64に供給することができる。第1の流入ストリームの反応物質は、反応チャンバ70において第2の流入ストリームの反応物質と反応することができる。貫流マイクロリアクター50の流入口、流入領域、反応チャンバ、及び滞留時間チャネルは、高い収率(例えば高い変換率)を達成するために、生じる化学反応に十分な滞留時間を延長又は提供するように、設計及び使用することができる。
図2は、貫流マイクロリアクター50(図1に図示)の第2の層25内に微細加工されたいくつかの代表的なマイクロ構造を示す。第1の流入口62及び第2の流入口64は、第1の流入口62及び第2の流入口64が第1の距離61で分離されるように、流入領域60内(図3に図示)に配置される。第1の流入口62及び第2の流入口64は1〜3mmの直径を有し得る。第1の距離61は20〜35mmの範囲内であり得る。流入領域60は、第2の距離66及び第3の距離68を有し得る。第2の距離66は30〜45mmの範囲内であり、第3の距離68は0.3〜1.5mmの範囲内であり得る。流入領域60の第4の距離69は、第2の流入口64と流入領域壁55との間にある。第4の距離69は2〜5mmの範囲内であり得る。流入領域60の外にあるドリル穴130同士の間の第5の距離102は、10〜20mmの範囲内であり得る。流入領域60は、流入チャネル145に接続することができる。
流入チャネル145は、流入領域60から反応チャンバ70まで延びる第6の距離114を有し得る。第7の距離73は、流入チャネル145の幅を示す。第6の距離114は1〜3mmの範囲内であり得、第7の距離73は5〜15mmの範囲内であり得る。第8の距離110及び第9の距離112はそれぞれ、流入チャネル145の外にあるドリル穴130同士の間の距離を示す。第8の距離110及び第9の距離112はそれぞれ、20〜40mmの範囲内であり得る。流入チャネル145は反応チャンバ70と接続され得る。第22の距離116は、流入チャネル145と反応チャンバ70の交点から、反応ストリームの流れと平行に、反応チャンバ70の長さにわたって、滞留時間前チャネル196を通り、滞留時間チャネル80に隣接するドリル穴130に延びる距離である。
滞留時間前チャネル196の第10の距離82は、反応チャンバ70を滞留時間チャネル80に接続する。第10の距離82は1〜4mmの範囲内であり得る。第11の距離71は滞留時間前チャネル196の幅を示す。第11の距離71は5〜15mmの範囲内であり得る。滞留時間前チャネル196は更に、滞留時間チャネル80に接続され得る。第21の距離124はドリル穴130と第5のドリル穴135との間の距離であり得る。第21の距離124は25〜35mmの範囲内であり得る。
滞留時間チャネル80は流出口90に延びるS字状構造を有し得る。この滞留時間チャネル80には第12の距離84、第13の距離85、第14の距離86があり得る。第12の距離84は滞留時間チャネル80の幅であり得る。第12の距離84は5〜15mmの範囲内であり得る。第13の距離85は滞留時間前チャネルの屈曲205から第1の屈曲165までの距離であり得る。第13の距離85は40〜50mmの範囲内であり得る。第14の距離86は第1の屈曲165から第2の屈曲167までの距離であり得る。第14の距離86は80〜100mmの範囲内であり得る。第15の距離88はドリル穴130から第2のドリル穴131に延び得る。第15の距離88は25〜35mmの範囲内であり得る。第16の距離89は、滞留時間チャネル80の第1の内側エッジ190から第2の内側エッジ195まで延び得る。第16の距離89は20〜30mmの範囲内であり得る。第17の距離87は、滞留時間チャネル80の第1の外側エッジ300から第2の外側エッジ310まで延び得る。第17の距離87は5〜15mmの範囲内であり得る。第18の距離105は、ドリル穴130から、滞留時間チャネル80に隣接する第2のドリル穴132まで延び得る。第18の距離105は15〜25mmの範囲内であり得る。滞留時間チャネル80は、流出口90まで延び得る。
流出口90は、滞留時間チャネル80の第3の内側エッジ197から9の距離94離れた箇所に配置することができる。第19の距離94は1〜5mmの範囲内であり得る。第20の距離92は第4の内側エッジ198から第3の内側エッジ197までの距離であり得る。第20の距離92は35〜45mmの範囲内であり得る。流出口90は、1〜3mmの範囲内の直径を有し得る。
反応物質を含んでいる流入ストリームは、第1の流入口62及び第2の流入口64に入り、ポンプ、より具体的にはシリンジポンプ、ピストンポンプ、ギヤポンプ、マスフローコントローラ付き圧力ポット、又はこれらの組み合わせを介して、貫流マイクロリアクター50の流入領域60に送達することができる。貫流マイクロリアクター50の液体の流れは、生成要件に適合するように、反応物質の正確な化学量論的分量を望ましい滞留時間で正確に送達するため、圧力駆動され、パルスフリーであり得る。この流量特性を達成するために、HPLC及び/又はシリンジポンプを使用することができる。流入ストリームは、第1の流入口62及び第2の流入口64でそれぞれ独立に好適な流速を有して貫流マイクロリアクター50へ定量供給することができる。いくつかの実施形態において、この流速は、少なくとも0.010mL/分、少なくとも0.05mL/分、又は0.1mL/分である。この流入ストリームは、第1の流入口62及び第2の流入口64でそれぞれ独立に最大10mL/分、最大5mL/分、又は最大1mL/分の流速を有して貫流マイクロリアクター50へ定量供給することができる。この流入ストリームは、第1の流入口62及び第2の流入口64でそれぞれ独立に、例えば、0.01mL/分〜10mL/分、0.05mL/分〜5mL/分の範囲内、又は0.1mL/分〜1mL/分の範囲内の流速を有して、貫流マイクロリアクター50へ定量供給することができる。第2の層25のマイクロ構造は、通常、非常に遅い流速を正確にコントロールできる特定の寸法を有する。滞留時間に対する正確な制御を伴う、流速に対する微調整によって、非常に制御性のよい貫流マイクロリアクターを提供することが可能になる。
図3は、第1の流れ200を有する流入ストリームを保持するのに十分な容量を有する代表的な反応チャンバ70を示す。反応チャンバ70は、容積に対する表面積の比が高く、発熱反応において貫流マイクロリアクター50の壁に熱を効果的に放散することができ、副生成物の生成傾向が抑制される。容積に対する表面積の比が高いことにより、例えば吸熱反応、又は反応の開始に必要となるような、外部源から反応媒質に熱を効果的に伝達することができる。貫流マイクロリアクター50は更に、反応チャンバからの吸熱又は反応チャンバへの加熱のための効率的な手段を提供する。容積に対する表面積の比が高いことは更に、反応する液体の容積に比べて、化学的移転のための大きな界面面積を提供する。更に、従来の方法で使用されている量に比べ、実質的に削減された量の熱放散溶媒を使用すること、又は全く溶媒を使用しないことが可能になり得る。
第1の流れ200の反応物質を含む流入ストリームは、図3に示す反応チャンバ70内に送達され得る。反応物質は互いに接触すると相互に反応して、反応生成物を形成できる。いくつかの実施形態において、この反応物質は無溶媒反応用に供給される。反応チャンバ70の反応物質の温度は、少なくとも−20℃、少なくとも0℃、又は少なくとも20℃であり得る。この反応チャンバ70の反応物質の温度は、最大100℃、最大80℃、又は最大60℃であり得る。この反応チャンバ70の反応物質の温度は、−20℃〜100℃、0℃〜80℃の範囲内、又は20℃〜60℃の範囲内であり得る。反応チャンバ70の温度は、加熱手段又は冷却手段により制御することができる。反応チャンバ70内の反応物質の温度は、ある反応物質と別の反応物質との反応から生じた熱により、上昇することがある。反応生成物は、反応物質が流れ、反応チャンバ70内で混合されるにつれて、一定時間をかけて形成され得る。この反応生成物は、第2の流れ210として反応チャンバ70から滞留時間前チャネル196へと反応ストリームが流れる際に、形成され続ける。反応チャンバ70の反応の温度は、反応物質が化学反応を起こして反応生成物を生じるのに十分な温度であることができる。
反応チャンバ70の寸法は、反応ストリーム内で反応生成物を形成するために反応物質を十分に混合できるように供給され得る。反応チャンバ70は、例えば球状、円弧状、長円状、ダイヤモンド状、直線状、及びこれらの組み合わせなどの幾何学的構成を有し得る。1つの実施形態において、反応チャンバ70の幾何学的構成はダイヤモンド状である。
反応チャンバ70の容積は、反応生成物を形成するために反応物質を効率的に確実に混合できるのに有効な容積であり得る。流入ストリームを効率的に混合するために提供される反応チャンバ70の容積又は容量は、アスペクト比によって特徴づけることができる。反応チャンバ70のアスペクト比は、反応チャンバ70の高さに対する反応チャンバ70の幅として定義することができる(例えば、幅:高さ)。例えば、第1のアスペクト比は、反応チャンバ70の高さに対する、図3に示す第1のチャンバ幅78の比として定義することができる(例えば、78:高さ)。第1のチャンバ幅78は、第1の流れ200に対して直交する反応チャンバ70の幅として説明できる。第2のアスペクト比は、反応チャンバ70の高さに対する、第2のチャンバ幅76の比として定義することができる(例えば、76:高さ)。第2のチャンバ幅76は、第1の流れ200に平行な反応チャンバ70の幅として説明できる。反応チャンバ70の高さは、第2の層25内のマイクロ構造の深さにより説明できる。反応チャンバ70の高さには、任意の適切な高さが使用できる。いくつかの実施形態において、反応チャンバ70の高さは、少なくとも0.01cm、少なくとも0.025cm、又は少なくとも0.04cmであり得る。この反応チャンバ70の高さは、最大0.25cm、最大0.15cm、又は最大0.1cmであり得る。この反応チャンバ70の高さは、0.01cm〜0.25cm、0.025〜0.15cmの範囲内、又は最大0.025〜0.1cmであり得る。
第2の層25の代表的な反応チャンバ70は、図3のダイヤモンド形幾何学構造を含む。第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3のストリームは、第1の流れ200を有し、流入領域60から流入チャネル145へと送達され、反応チャンバ70へ流れ込む。流入チャネル145は、第7の距離73の幅と、第6の距離114の長さを有し得る。反応チャンバ70は、第1のチャンバ側辺72と、第2のチャンバ側辺74を有し得る。第1のチャンバ側辺72は10〜15mmの範囲内の長さを有し、第2のチャンバ側辺74は15〜25mmの範囲内の長さを有し得る。反応チャンバ70は、第1の流れ200に対して直交する第1のチャンバ幅78を有し得る。同様に、反応チャンバ70は、第1の流れ200に対して平行な第2のチャンバ幅76を有し得る。反応チャンバ70は、40〜60mmの範囲内の第1のチャンバ幅78を有し得る。第2のチャンバ幅76は60〜120mmの範囲内であり得る。第10の距離82及び第11の距離71を有する流出前チャネル196は、反応チャンバ70から滞留時間チャネル80まで延び得る。第2の流れ210は、反応チャンバ70から出て滞留時間前チャネル196を通り、滞留時間チャネル80に入り得る。
反応チャンバ70の幅は、反応チャンバ70に入る流入ストリームの流れの方向に直交又は平行な寸法として定義することができる。1つの実施形態において、図3に示したダイヤモンド形状幾何学形態は、第1のチャネル幅78が流れ方向に直交するような第1のアスペクト比を有し得る。第1のアスペクト比は、少なくとも10、少なくとも25、又は少なくとも40であり得る。この第1のアスペクト比(第1のチャンバ幅78が流れ方向に直交する場合)は、最大100、最大85、又は最大70であり得る。この第1のアスペクト比(第1のチャンバ幅78が流れ方向に直交する場合)は、10〜100、25〜85の範囲内、又は30〜70の範囲内であり得る。ダイヤモンド形状幾何学形態では第2のアスペクト比(第2のチャンバ幅76が流れ方向に平行な場合)を有し、この第2のアスペクト比は少なくとも10、少なくとも25、又は少なくとも40であり得る。この第2のアスペクト比(第2のチャンバ幅76が流れ方向に平行な場合)は、最大100、最大85、又は最大70であり得る。この第2のアスペクト比(第2のチャンバ幅76が流れ方向に平行な場合)は、10〜100、25〜95の範囲内、又は50〜90の範囲内であり得る。反応チャンバ70は、第1のアスペクト比及び第2のアスペクト比に相当する寸法を有し、反応生成物の形成中に十分な熱除去を提供することができる。1つの実施形態において、第1のアスペクト比は54であり、第2のアスペクト比は60である。いくつかの実施形態において、第1のアスペクト比は第2のアスペクト比よりも大きい場合がある。
一部の反応チャンバにおいて、反応チャンバに流入する反応物質の液体の流れは、2100未満のレイノルズ数により特徴づけることができ、これは層流である。このレジームにおいては、慣性の影響よりも粘性の影響の方が優勢となり、対流混合を削減又はほぼ排除することができる。分子は通常、溶液中の分子拡散に関するアインシュタイン(Einstein)関係式に従って拡散及び混合する。拡散時間の規模も、通常、対流時間規模より長いため、これも拡散混合を起こりにくくするのに貢献する。ミクロ規模では反応物質を混合するのに機械的混合も使用できるが、粘性力が優勢であり、大半のエネルギーがこの力に打ち勝つのに必要となる。内部受動的混合は、成分を混合する受動的手段に依存する別の方法である。静的ミキサーは混合のための別の一般的なソリューションであり、リアクターシステムに組み込むことができるが、複雑になりコストがかかる。別の混合方法は、反応物質の反応性に依存し、反応生成物と副生成物が発生する。
化学反応は、流入ストリームの反応物質が反応チャンバの中で互いに接触する際に起こり得る。例えば、α,β−不飽和カルボン酸がハロゲン化剤と反応して、気体が発生し得る。いくつかの実施形態において、この化学反応により発生した気体は、反応チャンバ内の混合方法を提供することができる。気体の発生は、これらの流入ストリーム間の物質移動の助けになり得る(層流が典型的には拡散以外にこの2つのストリーム間の混合を阻害する)。カオス混合(例えば、カオス的移流)は、化学反応中に発生した気体が、反応生成物を形成するのに十分な反応物質を混合するような、拡散的手段又は機械的手段なしに反応物質を混合する手段として説明することができる。カオス的移流の詳細は、オッティーノ,J.M.(Ottino, J.M.)、アニュアル・レビュー・オブ・フルーイド・メカニクス(Annu.Rev. Fluid Mech.)、22巻、207〜253頁(1990年)に説明され得る。
1つの実施形態において、図3の反応チャンバ70は第1のチャンバ幅78、及び第2のチャンバ幅76を有し得る。反応チャンバ70は、第1の流入ストリーム、第2の流入ストリーム、及び任意選択の第3の流入ストリームの混合を提供するのに十分な容積を持ち得る。1つの実施形態において、流入ストリームは反応チャンバ70内でカオス混合により混合され得る。別の実施形態において、反応チャンバ70には静的混合手段又は機械的混合手段のいずれも存在しない。
貫流マイクロリアクターは、反応ストリームを含み得る。反応ストリームは、反応チャンバ70から、図2の滞留時間チャネル80に流れ込み得る。この反応ストリームは、この滞留時間チャネル80を通って流出口90に移動し得る。この反応ストリームは流出口90から流出し得る。この反応ストリームは、反応生成物、未反応の反応物質、副生成物、又はこれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、精製を行わない反応ストリームは、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物、場合によりマイケル付加生成物、その他の副生成物を含む。別の実施形態において、精製を行わない反応ストリームは、α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含み、検出可能な量のマイケル付加生成物又は副生成物を含まない。プロトン核磁気共鳴(H NMR)は、反応生成物、未反応の反応物質、マイケル付加生成物、及び他の副生成物の画定を行うのに使用できる分析技法の一例である。
滞留時間チャネル80は、反応チャンバ70を出た後に化学反応からの残存反応物質を含む反応ストリームが、反応を継続して反応生成物を形成するような長さを有するように提供することができる。1つの実施形態において、この化学反応は無溶媒である。反応生成物は、反応ストリームが流出口90に向かって流れる際に滞留時間チャネル80内で形成され、これによりα,β−不飽和カルボニルハロゲン化物の高いパーセント収率を達成することができる。反応ストリームの流れは、一部、流入ストリームから反応チャンバ70への流れにおいて、並びに、その後の反応チャンバ70から滞留時間チャネル80への反応ストリームの流出において、制御又は調整することができる。流出口90は、1〜5mmの範囲内の直径を有し得る。1つの実施形態において、滞留時間チャネル80はS字状構造を有することができる。滞留時間チャネルの他の例としては、直線状、円弧状、球状、長円状、及びこれらの組み合わせが挙げられる。反応チャンバ70から流出した後に化学反応が継続して反応生成物を形成するように、任意の好適な滞留時間チャネル80を用いることができる。いくつかの実施形態において、滞留時間チャネル80の長さは、少なくとも20cm、少なくとも40cm、少なくとも60cm、又は少なくとも100cmであり得る。この滞留時間チャネル80の長さは、最大250cm、最大200cm、最大150cm、又は最大125cmであり得る。この滞留時間チャネル80の長さは、20〜250cm、40〜200cm、40〜150cmの範囲内、又は60〜250cmの範囲内であり得る。
別の実施形態において、図4は、ダイヤモンド形状の反応チャンバに流入するS字状流入チャネルを含む、代表的な貫流マイクロリアクター600を示す。貫流マイクロリアクター600は、第1の流入ストリームの添加を行うための第1の流入口505、及び第2の流入ストリームの添加を行うための第2の流入口515を含む。第1の流入口505は第1の流入チャネル510に接続することができ、第2の流入口515は第2の流入チャネル520に接続することができる。第1の流入チャネル510及び第2の流入チャネル520はそれぞれ、S字状構造を有することができる。第1の流入チャネル510及び第2の流入チャネル520は加熱又は冷却することができる。第1の流入ストリームと第2の流入ストリームとが反応チャンバ550内で互いに接触するように、第1の流入ストリームは第1の流入チャネル510を通って流れ、第2の流入ストリームは第2の流入チャネル520を通って流れることができる。反応チャンバ550は加熱又は冷却することができる。化学反応のために反応物質が互いに接触する際に、反応生成物が形成され得る。反応ストリームの反応生成物は滞留時間チャネル560を通って、流出口570まで流れることができる。滞留時間チャネル560はS字状構造を有することができる。
本開示は、例示的なものであり、本開示の範囲を制限することを意図しない以下の実施例により、更に明らかになるであろう。
本開示について以下の実施例でより具体的に説明するが、本開示の範囲内での多数の修正及び変更が当業者には明らかとなるため、以下の実施例は例示のみを目的としたものである。特に注釈がない限り、以下の実施例において記載する全ての割合、百分率、及び比率は重量を基準としたものであり、又、実施例において使用する全ての試薬は、下記の化学薬品供給業者から得られた若しくは入手可能なものであり、従来の技法によって合成されてもよい。
マイクロリアクターの説明
α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するために、0.4mLの容積を有する貫流マイクロリアクターが使用された。貫流マイクロリアクターは、少なくとも2つの流入ストリームの添加用に、少なくとも2つの流入口を有する。これらの少なくとも2つの流入ストリームは、S字状構造を有する2つの流入チャネルを通って反応チャンバ内に流れる。反応チャンバ内で形成された反応ストリームが、S字状構造を有する滞留時間チャネル内に流れる。滞留時間チャネルを流れた後、この反応ストリームはマイクロリアクターの流出口を通って流れる。
(実施例1)
アクリル酸(99%、シグマ・オルリッチ(Sigma Alrich)社、ミズーリ州セントルイス(St. Louis))を、触媒としてのジメチルホルムアミド(DMF、シグマ・オルリッチ社、ミズーリ州セントルイス)と混合して、第1の流入ストリームを形成した。アクリル酸のモルに基づき、2モルパーセントのDMFがアクリル酸に加えられた。第2の流入ストリームとして塩化オキサリル(98%、アルファ・エイサー(Alfa-Aesar)社、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill))が使用された。第1の流入ストリームを含む20mLの第1のシリンジ、及び第2の流入ストリームを含む20mLの第2のシリンジが、シリンジポンプアセンブリ(モデルNo.11プラス、ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、マサチューセッツ州ホリストン(Holliston))に取り付けられた。シリンジポンプアセンブリ内のシリンジに、貫流マイクロリアクターに接続されるPTFE管が取り付けられた。室温で、第1の流入ストリームが第1の流入口に送達され、第2の流入ストリームが第2の流入口に送達された。反応チャンバは温度40℃に設定された。第1の流入ストリームは、流速0.050mL/分で第1の流入口に加えられた。第2の流入ストリームは、流速0.068mL/分で第2の流入口に加えられた。アクリル酸に対して10モルパーセント過剰の塩化オキサリルが、第1の流入口及び第2の流入口を介して加えられ、モル化学量論比を1.1:1とした。第1の流入ストリームは第1のS字状流入チャネルを通って流され、第2の流入ストリームは第2のS字状流入チャネルを通って流された。次に第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームが反応チャンバに流入した。いったん反応物質が互いに接触すると、この無溶媒化学反応中に、塩酸(HCl)、二酸化炭素(CO)、及び一酸化炭素(CO)などの気体が発生した。反応チャンバ内で発生した気体が、反応物質を混合して、反応生成物を形成した。反応生成物、及び任意選択の副生成物を含む反応ストリームが、反応チャンバから滞留時間チャネルを通って流出口へ流れた。反応ストリームのサンプルは、第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームを貫流マイクロリアクターに最初に加えてから約10分後に、流出口から回収された。
反応ストリームが流出口から回収され、サンプルを5mmの核磁気共鳴(NMR)管(ウィルマッド・ラボグラス(Wilmad LabGlass)社、ニュージャージー州ブエナ(Buena))に採取した。NMR溶媒として、少量のCDCl(純度99.8%+1%TMS、ケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズ(Cambridge Isotope Labs)、マサチューセッツ州アンドーバー(Andover))がNMR管のサンプルに加えられた。この反応ストリームは、H NMR(バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHz、バリアン社(Varian Inc.)、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto))で分析された。H NMRスペクトルを得るためにスキャンが16回行われた。プロトンピークの積分値は、塩化アクリロイルの約96.2モル%収率を示した:6.64(1H,d,J=16Hz)、6.35(1H,dd,J=16Hz,J=8Hz)、6.18(1H,d,J=8Hz);オレフィンへのHCl付加から生じる生成物は2.1モル%:3.77(2H,t,J=6.5Hz)、3.35(2H,t,J=6.4Hz);及び、マイケル付加生成物は1.7モル%:6.44(1H,dd,J=17.4,1.4Hz)、6.12(1H,dd,J=17.3,10.5Hz)、5.88(1H,dd,J=10.4,1.4Hz)、4.46(2H,t,J=5.9Hz)、3.26(2H,t,J=6Hz)。他の未同定の不純物は6〜7ppmの範囲内で観察された。DMF触媒も生成物混合物中に観察された。
(実施例2)
第1の流入ストリームとしてアクリル酸(99%、シグマ・オルリッチ(Sigma Alrich)社、ミズーリ州セントルイス(St. Louis))が使用された。第2の流入ストリームとして塩化オキサリル(98%、アルファ・エイサー(Alfa-Aesar)社、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill))が使用された。第1の流入ストリームを含む20mLの第1のシリンジ、及び第2の流入シリンジを含む20mLの第2のシリンジが、シリンジポンプアセンブリ(モデルNo.11プラス、ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、マサチューセッツ州ホリストン)に取り付けられた。シリンジポンプアセンブリ内のシリンジに、貫流マイクロリアクターに接続されるPTFE管が取り付けられた。室温で、第1の流入ストリームが貫流マイクロリアクターの第1の流入口に送達され、第2の流入ストリームが貫流マイクロリアクターの第2の流入口に送達された。反応チャンバは温度40℃に設定された。第1の流入ストリームは、流速0.050mL/分で第1の流入口に加えられた。第2の流入ストリームは、流速0.068mL/分で第2の流入口に加えられた。アクリル酸に対して10モルパーセント過剰な塩化オキサリルが、第1の流入口ポート及び第2の流入口ポートを介して加えられ、モル化学量論比を1.1:1とした。第1の流入ストリームは第1のS字状流入チャネルを通って流され、第2の流入ストリームは第2のS字状流入チャネルを通って流された。次に第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームが反応チャンバに流入した。いったん反応物質が互いに接触すると、この無溶媒化学反応中に、塩酸(HCl)、二酸化炭素(CO)、及び一酸化炭素(CO)などの気体が発生した。反応チャンバ内で発生した気体が、反応物質を混合して、反応生成物を形成した。反応生成物、及び任意選択の副生成物を含む反応ストリームが、反応チャンバから滞留時間チャネルを通って流出口へ流れた。反応ストリームのサンプルは、第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームを貫流マイクロリアクターに最初に加えてから約10分後に、流出口から回収された。
反応ストリームが流出口から回収され、サンプルを5mmの核磁気共鳴(NMR)管(ウィルマッド・ラボグラス(Wilmad LabGlass)社、ニュージャージー州ブエナ(Buena))に採取した。NMR溶媒として、少量のCDCl(純度99.8%+1%TMS、ケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズ(Cambridge Isotope Labs)、マサチューセッツ州アンドーバー(Andover))がNMR管のサンプルに加えられた。この反応ストリームは、H NMR(バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHz、バリアン社(Varian Inc.)、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto))で分析された。H NMRスペクトルを得るためにスキャンが16回行われた。プロトンピークの積分値は、塩化アクリロイルの約5.7モル%収率を示した:6.64(1H,d,J=16Hz)、6.35(1H,dd,J=16,8Hz)、6.18(1H,d,J=8Hz)、未反応のアクリル酸は94.3モル%:12.2(1H,s)、6.53(1H,dd,J=17.2,1.2Hz)、6.15(1H,dd,J=17.2,10.4Hz)、5.97(1H,dd,J=10.4,1.2Hz)。他の未同定の不純物は6〜7ppmの範囲内で観察された。
(実施例3)
メタクリル酸(99%、アルファ・エイサー(Alfa-Aesar)社、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill))を、触媒としてのジメチルホルムアミド(DMF、シグマ・オルリッチ(Sigma Alrich)社、ミズーリ州セントルイス(St. Louis))と混合して、第1の流入ストリームを形成した。メタクリル酸のモルに基づき、2モルパーセントのDMFがメタクリル酸に加えられた。第2の流入ストリームとして塩化オキサリル(98%、アルファ・エイサー社、マサチューセッツ州ワードヒル)が使用された。第1の流入ストリームを含む20mLの第1のシリンジ、及び第2の流入ストリームを含む20mLの第2のシリンジが、シリンジポンプアセンブリ(モデルNo.11プラス、ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、マサチューセッツ州ホリストン(Holliston))に取り付けられた。シリンジポンプアセンブリ内のシリンジに、貫流マイクロリアクターに接続されるPTFE管が取り付けられた。室温で、第1の流入ストリームが第1の流入口に送達され、第2の流入ストリームが第2の流入口に送達された。反応チャンバは温度60℃に設定された。第1の流入ストリームは、流速0.040mL/分で第1の流入口に加えられた。第2の流入ストリームは、流速0.044mL/分で第2の流入口に加えられた。メタクリル酸に対して10モルパーセント過剰な塩化オキサリルが、第1の流入口及び第2の流入口を介して加えられ、モル化学量論比を1.1:1とした。第1の流入ストリームは第1のS字状流入チャネルを通って流され、第2の流入ストリームは第2のS字状流入チャネルを通って流された。次に第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームが反応チャンバに流入した。いったん反応物質が互いに接触すると、この無溶媒化学反応中に、塩酸(HCl)、二酸化炭素(CO)、及び一酸化炭素(CO)などの気体が発生した。反応チャンバ内で発生した気体が、反応物質を混合して、反応生成物を形成した。反応生成物、及び任意選択の副生成物を含む反応ストリームが、反応チャンバから滞留時間チャネルを通って流出口へ流れた。反応ストリームのサンプルは、第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームを貫流マイクロリアクターに最初に加えてから約10分後に、流出口から回収された。
反応ストリームが流出口から回収され、サンプルを5mmの核磁気共鳴(NMR)管(ウィルマッド・ラボグラス(Wilmad LabGlass)社、ニュージャージー州ブエナ(Buena))に採取した。NMR溶媒として、少量のCDCl(純度99.8%+1%TMS、ケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズ(Cambridge Isotope Labs)、マサチューセッツ州アンドーバー(Andover))がNMR管のサンプルに加えられた。この反応ストリームは、H NMR(バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHz、バリアン社(Varian Inc.)、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto))で分析された。H NMRスペクトルを得るためにスキャンが16回行われた。プロトンピークの積分値は、塩化メタクリロイルの約99+モル%収率を示した:6.51(1H,m)、6.03(1H,m)、2.02(3H,m)。
(実施例4)
メタクリル酸(99%、アルファ・エイサー(Alfa-Aesar)社、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill))を、触媒としてのジメチルホルムアミド(DMF、シグマ・オルリッチ(Sigma Alrich)社、ミズーリ州セントルイス(St. Louis))と混合して、第1の流入ストリームを形成した。メタクリル酸のモルに基づき、2モルパーセントのDMFがメタクリル酸に加えられた。第2の流入ストリームとして塩化チオニル(99%、アルファ・エイサー(Alfa-Aesar)社、マサチューセッツ州ワードヒル(Ward Hill))が使用された。第1の流入ストリームを含む20mLの第1のシリンジ、及び第2の流入ストリームを含む20mLの第2のシリンジが、シリンジポンプアセンブリ(モデルNo.11プラス、ハーバード・アパラタス(Harvard Apparatus)社、マサチューセッツ州ホリストン(Holliston))に取り付けられた。シリンジポンプアセンブリ内のシリンジに、貫流マイクロリアクターに接続されるPTFE管が取り付けられた。室温で、第1の流入ストリームが貫流マイクロリアクターの第1の流入口に送達され、第2の流入ストリームが貫流マイクロリアクターの第2の流入口に送達された。反応チャンバは温度60℃に設定された。第1の流入ストリームは、流速0.040mL/分で第1の流入口に加えられた。第2の流入ストリームは、流速0.038mL/分で第2の流入口に加えられた。メタクリル酸に対して10モルパーセント過剰な塩化チオニルが、第1の流入口ポート及び第2の流入口ポートを介して加えられ、モル化学量論比を1.1:1とした。第1の流入ストリームは第1のS字状流入チャネルを通って流され、第2の流入ストリームは第2のS字状流入チャネルを通って流された。次に第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームが反応チャンバに流入した。いったん反応物質が互いに接触すると、無溶媒化学反応中に塩酸(HCl)ガスが発生した。反応チャンバ内での気体発生が、反応物質を混合して、反応生成物を形成した。反応生成物、及び任意選択の副生成物を含む反応ストリームが、反応チャンバから滞留時間チャネルを通って流出口へ流れた。反応ストリームのサンプルは、第1の流入ストリーム及び第2の流入ストリームを貫流マイクロリアクターに最初に加えてから約10分後に、流出口から回収された。
反応ストリームが流出口から回収され、サンプルを5mmの核磁気共鳴(NMR)管(ウィルマッド・ラボグラス(Wilmad LabGlass)社、ニュージャージー州ブエナ(Buena))に採取した。NMR溶媒として、少量のCDCl(純度99.8%+1%TMS、ケンブリッジ・アイソトープ・ラボラトリーズ(Cambridge Isotope Labs)、マサチューセッツ州アンドーバー(Andover))がNMR管のサンプルに加えられた。この反応ストリームは、H NMR(バリアン・イノバ(Varian Inova)400MHz、バリアン社(Varian Inc.)、カリフォルニア州パロアルト(Palo Alto))で分析された。H NMRスペクトルを得るためにスキャンが16回行われた。プロトンピークの積分値は、塩化アクリロイルの約75モル%収率を示した:6.64(1H,d,J=16Hz)、6.35(1H,dd,J=16Hz,J=8Hz)、6.18(1H,d,J=8Hz);オレフィンへのHCl付加から生じる生成物は10.5モル%:3.77(2H,t,J=6.5Hz)、3.35(2H,t,J=6.4Hz);及び、マイケル付加生成物は14.5モル%:6.44(1H,dd,J=17.4,1.4Hz)、6.12(1H,dd,J=17.3,10.5Hz)、5.88(1H,dd,J=10.4,1.4Hz)、4.46(2H,t,J=5.9Hz)、3.26(2H,t,J=6Hz)。DMF触媒も生成物混合物中に観察された。
本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく本開示の様々な修正形態及び変更形態が、当業者には、明らかとなろう。また、本開示は、本明細書に記載した例示的な要素に限定されないことが理解されるべきである。

Claims (20)

  1. α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスであって、
    無溶媒反応のための反応物質を供給する工程であって、該反応物質が
    (a)第1の流入ストリーム内に,β−不飽和カルボン酸、
    (b)第2の流入ストリーム内にハロゲン化剤、及び
    (c)前記第1の流入ストリーム内若しくは任意選択の第3の流入ストリーム内に触媒、を含む、供給する工程、並びに、
    前記第1の流入ストリーム、前記第2の流入ストリーム、及び前記任意選択の第3の流入ストリームを、貫流マイクロリアクターの反応チャンバに流入させる工程、並びに、
    α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物を形成する工程を含む、プロセス。
  2. 前記反応チャンバに独立して流入する、前記第1の流入ストリーム、前記第2の流入ストリーム、及び前記任意選択の第3の流入ストリームの温度が、−20℃〜100℃の範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記反応チャンバ内の前記反応物質の温度が−20℃〜100℃の範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記α,β−不飽和カルボン酸が、化学式:
    Figure 2010531880
    を有し、式中、
    R1が水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、又はこれらの組み合わせを含み、
    各R2が独立に、水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、カルボキシル基、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記α,β−不飽和カルボン酸がアクリル酸又はメタクリル酸である、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記ハロゲン化剤が、塩化オキサリル、塩化チオニル、ホスゲン、三塩化リン、三臭化リン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記反応チャンバに入る前記ハロゲン化剤が気体である、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記α,β−不飽和カルボン酸に対して前記ハロゲン化剤がモル過剰で存在し、該モル過剰が0.01〜10パーセントの範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記ハロゲン化剤に対して前記α,β−不飽和カルボン酸がモル過剰で存在し、該モル過剰が0.01〜10パーセントの範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記触媒が、ジメチルホルムアミド、ピリジン、イミダゾール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記触媒が、前記α,β−不飽和カルボン酸に対して0.01〜5モルパーセントの範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記反応チャンバの、流れの方向に対して垂直である方向における第1のアスペクト比が30〜70の範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記反応チャンバの、流れの方向に対して平行である方向における第2のアスペクト比が50〜90の範囲内である、請求項1に記載のプロセス。
  14. 前記貫流マイクロリアクターが、0.01〜20ミリリットルの範囲内の容積を有する、請求項1に記載のプロセス。
  15. 前記反応生成物の形成により気体が発生し、該気体が前記反応チャンバ内でカオス混合を提供する、請求項1に記載のプロセス。
  16. 前記反応チャンバが、静的混合手段又は機械的混合手段のいずれも有さない、請求項1に記載のプロセス。
  17. 前記反応生成物が更にマイケル付加生成物を含み、該マイケル付加生成物が10モルパーセント未満である、請求項1に記載のプロセス。
  18. α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を形成するプロセスであって、
    (a)第1の流入ストリーム内にα,β−不飽和カルボン酸、
    (b)第2の流入ストリーム内に塩化オキサリルを含むハロゲン化剤、及び
    (c)前記第1の流入ストリーム内若しくは任意選択の第3の流入ストリーム内に触媒、を含む反応物質を供給する工程、
    前記第1の流入ストリーム、前記第2の流入ストリーム、及び前記任意選択の第3の流入ストリームを、貫流マイクロリアクターの反応チャンバに流入させる工程、並びに
    α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物を含む反応生成物を形成する工程であって、前記α,β−不飽和カルボニルハロゲン化物が90パーセントを超えるパーセント収率を有する、形成する工程を含む、プロセス。
  19. 前記第1の流入ストリーム、前記第2の流入ストリーム、又は前記任意選択の第3の流入ストリームのうちの少なくとも1つが溶媒を含む、請求項18に記載のプロセス。
  20. 前記プロセスが無溶媒である、請求項18に記載のプロセス。
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