JP2010531721A - シャフトの過負荷を回避する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、例えば混練器のシャフトであるシャフトの曲げを監視することによって過負荷を回避する方法に関しており、ここでこのシャフトは少なくとも片側が支承されている。第1のステップでは、支承部とは異なる少なくとも1つのシャフト位置において、半径方向所定位置からのシャフトの偏差を測定する。別の1ステップでは、場合によっては上記の測定した半径方向所定位置からの偏差から比較量を求める。第3のステップでは、第1のステップで測定した半径方向所定位置からの偏差または第2のステップで形成した比較量と、あらかじめ定めた境界値とを比較する。

Description

本発明は、例えば混練器のシャフトであるシャフトの曲げを監視することによって過負荷を回避する方法に関しており、ここでこのシャフトは少なくとも片側が支承されている。
混練器は、例えば、架橋された微粒状のポリマを製造するのに使用される。軸平行な少なくとも2つの回転するシャフトを有するこのような混練器は、例えば、EP-A 0 517 068から公知であり、ここでこれらのシャフトの表面には、混練棒を有する複数の円板面が設けられており、これらの混練棒は円板面の周囲に配置されている。上記の混練棒は、一方のシャフトの混練棒が、別のシャフトの混練棒に噛み合うように配置されている。シャフトの回転数は互いに異なることが可能であり、この回転数に依存して、シャフトにおける混練棒の数を変えることができる。したがって例えば1:4の回転数比の場合、例えばメインシャフトの円周上にわたって8つの混練棒が配置され、また除去シャフトと称される第2のシャフトに2つの混練棒が配置され、この第2のシャフトは、メインシャフトの4倍で回転する。
上記の混練器に含まれる微粒状のポリマにより、シャフトの回転運動の際に抵抗力が発生する。これにより、シャフトには互いに結合される曲げ負荷およびねじり負荷がかかることになる。シャフトの損傷を回避するために必要であるのは、シャフトの最大許容荷重ないしは負荷に達した際に、すなわち、最大の曲げないしはねじりに達した際に、シャフトの損傷を阻止する手段を講じることである。これは例えば混練器を遮断することである。
本発明の課題は、過負荷時にシャフトが損傷されてしまうことを回避する方法を提供することである。
この課題は、例えば混練器のシャフトであるシャフトの曲げを監視することによって過負荷を回避する方法によって解決され、ここで上記のシャフトは、少なくとも片側が支承されている。この方法はつぎのステップを有する。
(a) 支承部とは異なる少なくとも1つのシャフトの個所において、半径方向所定位置からのシャフトの偏差を測定するステップと、
(b) 場合によっては上記の測定した半径方向所定位置からの偏差から比較量を求めるステップと、
(c) ステップ(a)で測定した半径方向所定位置からの偏差またはステップ(b)で形成した比較量と、あらかじめ定めた境界値と比較するステップとを有する。
本発明において半径方向所定位置からの偏差とは、例えばケーシングの1点である不動点を基準にしたシャフトの任意の個所における半径方向におけるシャフト軸の偏差のことであり、これは例えば曲げによって発生する。
半径方向所定位置から偏差を測定する、支承部とは異なる個所は、シャフトが支承されていないこのシャフトの任意の個所とすることが可能である。しかしながら有利には、例えば支承部の近くの縁部領域であるシャフトの片側で測定が行われる。
半径方向所定位置からのシャフトの偏差から、シャフト全体の曲げを求めることができる。半径方向所定位置からの偏差を求めることによって得られるシャフトの曲げは、例えば、シャフト構造の有限要素シミュレーションによって計算することができる。択一的には、シャフトを弾性の曲げ梁とみなすこともできる。
上記のモデリングから、例えば、シャフトの損傷がまだ問題になっていないシャフトに対する最大許容曲げも求めることができる。ここでシャフトの最大許容曲げは、シャフトが作製されている材料の材料特性に依存する。したがって最大許容曲げは、例えばシャフトが作製されている材料の弾性および降伏点に依存する。これに加えてシャフトの最大許容曲げは、シャフト構造の幾何学形状、シャフトの支承部ないしはシャフトにおける混練棒とケーシングとの間の間隔に依存する。例えば、混練器の動作中に混練棒がケーシング壁に沿って擦れることは回避したい。擦れることにより、シャフトを動かすのに比較的大きなエネルギを消費し、またこれによって壁から金属屑を削り取り、これが混練器に含まれる製品を汚染してしまうことがある。
シャフトの任意の個所における半径方向所定位置からの偏差から、シャフトの最大曲げを推定できるため、混練器の確実な動作を可能するためにこの1つの測定で十分である。殊に上記の最大曲げについての推定により、混練器のシャフトに過剰な負荷がかかることを回避することができる。
上記の最大許容曲げおよびひいては半径方向所定位置からの最大許容偏差は、択一的に実験的に求めることもできる。
上記の半径方向所定位置からのシャフトの偏差を測定するため、有利には互いに半径方向にずれた少なくとも2つの測定値記録器を使用して、半径方向所定位置からの偏差の方向を検出する。殊に有利には、90°だけ半径方向に互いにずれた測定値記録器を使用する。半径方向に互いにずれたセンサにより、相異なる2つの方向における偏差を求めることができる。これにより、シャフトの全体的の偏差を半径方向所定位置から求めることができる。ただ1つの測定値記録器だけを使用する場合は、殊に測定値記録器の測定方向に対して横向きになる半径方向所定位置からの偏差は検出することができない。それはこの場合にセンサとシャフトとの間隔が一定のままになるからである。
測定信号を較正するのに有利であるのは、まず上記のシャフトに負荷をかけずに、半径方向所定位置からのシャフトの偏差を測定する場合である(ゼロ値測定)。このため、混練器を充填することになしに測定過程を実行する。シャフトに負荷をかけずに半径方向の偏差を測定することにより、例えば、シャフト表面の凹凸、支承の遊びまたは材料の影響を識別することができる。
上記の比較値を形成するため、有利な1実施形態では、シャフトに負荷をかけずに測定した半径方向所定位置からの偏差と、シャフトに負荷をかけて測定した偏差との差分を求める。シャフトに負荷をかけて測定した半径方向所定位置からの偏差と、シャフトに負荷をかけずに測定した偏差との上記の差分により、半径方向所定位置からのシャフトの実際の偏差が得られる。しかしながらこのために必要であるのは、シャフト偏差と、シャフトの円周位置とを精確に対応付けることである。これによって可能になるのは、実際に測定した偏差からそれぞれ、負荷のかかっていないシャフトにおける偏差を減算することができ、ここでこの偏差は、精確に同じ円周位置で測定したものである(精確な較正)。
択一的には、負荷のかかっていないシャフトにおける半径方向所定位置からの偏差から平均値を形成し、引き続いて平均値と測定した偏差との差分を形成することも可能である(大まかな較正)。この実施形態の利点は、測定点をシャフト円周に精確に対応付ける必要がなく、ひいては測定が簡単になることである。それは、シャフトの円周位置を検出する必要がないからである。
1実施形態では、少なくとも2つのセンサによって検出したシャフトの偏差を軌跡図に表す。すなわち、x方向における偏差について、y方向における半径方向所定位置からのシャフトの偏差をプロットするのである。この場合、上記のセンサは互いに90°だけずらされる。ここで第1のセンサは、x方向におけるシャフトの偏差を測定し、第2のセンサはy方向におけるシャフトの偏差を測定する。軌跡図に表す際、半径方向所定位置からの偏差の最大測定値および最小測定値は、包絡線を形成する。この包絡線により、実際の偏差が推定される。包絡線は、許容偏差に対する境界値と比較される。
上記の境界値は、有利にはシャフトの最大許容曲げから求められる。
このシャフトの最大許容曲げは、材料の許容される破壊点(Festigkeitsgrenze)σsと安全率とから形成され、この最大許容曲げから境界値が求められる。上記の安全率により、付加的なマージンが取り入れられ、このマージンによって、上記の境界値に達した場合であってもシャフトがその負荷境界まで負荷を受けないようになる。これによって上記の境界値に達した場合であってもシャフトの損傷を回避することができる。上記の安全率は有利には1.1〜1.3の範囲である。殊に有利であるのは1.2の安全率である。
測定した半径方向所定位置からの偏差から比較量を形成する場合、上記の境界値に対しても相応する比較量を形成すると有利である。したがって例えば、境界値として、半径方向所定位置からの最大許容偏差と、負荷がかかっていないシャフトの半径方向所定位置からのシャフトの偏差との差分とすることができる。上記の測定した偏差ないしは比較量が境界値を上回ると直ちに、適切な手段が講じられる。例えば、境界値に達した場合、アラームを出力することができる。このアラームに基づいてオペレータは、混練器を引き続いて使用できるか否かを決定することができる。またオペレータは、シャフトの負荷を低減するために別の手段を講じることができるか否かを決定することもできる。上記の方法の1変形実施形態では、第1の境界値よりも大きい第2の境界値を設けることが可能である。この場合、第1の境界値に達した際にアラームをトリガすると有利である。第2の境界値に達した場合に有利であるのは、別のアラームをトリガするか、またはシャフトを停止して損傷を回避することである。第1の境界値は、有利には最大許容値の75〜90%の範囲の値、殊に有利には85%であり、第2の境界値は、有利には最大許容値の95〜100%の範囲である。
上記の境界値に達したまたはこの境界値を上回った際に講じられ得る別の手段は、例えば、固体含有量の低減、例えば溶剤の添加、エロジル、粘土または類似のものなどのリサイクルされる微粒子材料または固体の添加物の割合の低減、溶剤の蒸発を少なくするための温度の低減、生成物の架橋度の変更、界面活性剤またはワックスなどの少なくとも1つの離型剤の添加であり、または択一的に温度を上昇させて粘度を低減することも考えられる。
ここで適切な手段は、それぞれ混練器の使用に依存する。
有利な1実施形態では、半径方向所定位置に加えてシャフトの円周位置も検出する。このために例えば、センサによって検出されるマークをシャフトに付けることもあり得る。好適なセンサは、例えばキーフェーザまたはトリガである。1つのトリガによってシャフトの1つずつの回転が求められる。シャフトの周速が一定の場合、トリガ信号と、センサによって記録した半径方向所定位置からの偏差とから、時間に依存して、測定した各偏差の精確な円周位置を求めることができる。
半径方向所定位置からの偏差の測定は、例えばうず電流センサによって行われる。このようなうず電流センサによって磁場が形成され、この磁場によってシャフトとセンサとの間の距離が求められる。このようなうず電流センサは、当業者に公知である。
半径方向所定位置からのシャフトの偏差の量から、シャフトの曲げを直接推定することができる。シャフトに力が作用することによって、上記の曲げは、シャフトの捩れに結合される。この捩れは、シャフトのトルクに直線比例する。シャフトにおける力平衡によって上記の曲げと捩れとは互いに結合されるため、上記の半径方向所定位置からの偏差から、シャフトの捩れを求めることができる。しかしながら一般的に曲げの過負荷は、捩れの過負荷よりも格段に大きいため、シャフトの安定性および動作の確実性に対して決定的である。
シャフトの測定される最大の曲げdは、精確な較正の場合
Figure 2010531721
になり、ないしは大まかな較正では
Figure 2010531721
であり、ここで、|x−x0maxは、x方向に所定の時間にわたって同じ位置において実際に測定した値と、ゼロ値測定の値との差分の最大の絶対値であり、|y−y0maxは、y方向に所定の時間にわたって同じ位置において実際に測定した値と、ゼロ値測定の値との差分の最大の絶対値であり、yEGは、自重による偏差であり、|x|maxは、x方向に所定の時間にわたって測定した最大の値の絶対値であり、|x0mittelは、x方向のゼロ値測定の平均値の絶対値であり、|x0pp|はゼロ値測定の最大値と最小値の差分の絶対値であり、|y|maxはy方向に所定の時間にわたって測定した最大の値の絶対値であり、|y0mitteはy方向のゼロ値測定の平均値の絶対値lであり、|y0pp|はゼロ値測定の最大値と最小値の差分の絶対値である。
±yEGの正または負のいずれを重ね合わせるかは、シャフト負荷状況に依存する。半径方向所定位置からの最大の偏差がy方向に、すなわち重力の作用する方向に発生する場合、yEGを加え、その逆の場合、すなわち半径方向所定位置からの最大の偏差が、重力の作用するのとは逆の方向に発生する場合、yEGを減じる。
以下では図面に基づいて本発明の実施形態を詳しく説明する。
2つのシャフトを有する混練器における力の分布を概略的に示す図である。 ゼロ値測定の信号経過を示す図である。 負荷を受けたシャフトにおける信号経過をゼロ値測定と共に示す図である。 おおまかな較正による信号経過を示す図である。 精確な較正による信号経過を示す図である。 包絡線を有する軌道図である。
図1には2つのシャフトを有する混練器における力の分布が概略的に示されている。
2つのシャフトを有する混練器には攪拌シャフト1と除去シャフト3とが含まれる。混練器ではふつう、攪拌シャフト1にも除去シャフト3にも共に混練棒が配置されており、これらは任意の適当な形状を有することができる。ここで攪拌シャフト1の円周上にわたって分散される混練棒の数と、除去シャフト3の混練棒の数とを変えることができる。攪拌シャフト1と除去シャフト3における混練棒の数が異なる場合、これらのシャフトは異なる回転数で駆動される。ここで、除去シャフト3とは、円周上にわたって分散された混練棒の数が少なくまた一層高速に回転するシャフトのことである。この際に回転数比は、混練棒の数の比に依存する。攪拌シャフト1と除去シャフト3とは、同じ方向または図1に示したように逆方向に駆動することができる。
攪拌シャフト1および除去シャフト3は駆動器によって回転運動する。これによって第1のトルク5が攪拌シャフト1に、また第2のトルク7が除去シャフト3に生じる。
攪拌シャフト1および除去シャフト3における混練棒が、混練すべき物質内につかってこれをちぎる混練プロセスにより、第1のトルク5とは逆方向の第1の抵抗力9が攪拌シャフト1に作用する。除去シャフト3には第2の抵抗力11が作用するが、この抵抗力は、除去シャフト3の第2のトルク7は逆方向である。攪拌シャフト1の混練棒がケーシングですれると、第1の抵抗力9はさらに大きくなる。これに相応して除去シャフト3の第2の抵抗力11は、除去シャフト3の混練棒がケーシングですれると、さらに大きくなる。
除去シャフト3および攪拌シャフト1に逆方向に作用するトルク5,9;7,11は、各シャフト1,3の捩れ負荷になる。
さらに混練プロセスにより、他方の軸によって発生したそれぞれの力が攪拌シャフト1ないしは除去シャフト3に作用する。数学的なモデル化のため、他方のシャフト1,3にそれぞれ加わる力を、見かけの長さで加わる1つの力にまとめる。これは、それぞれ加わる力は間隔を介して分散してシャフトに作用するため必要である。攪拌シャフト1において除去シャフト3によって発生する力は矢印13で示されている。力13は支持力とも称される。力13の作用点は、例えば、実験室での実験および動作時の測定に基づく負荷モデルから得られる。力13が攪拌シャフト1に作用する見かけの間隔は、矢印15で示されている。これに相応して除去シャフト3にも、攪拌シャフト1によって生じた支持力17が作用する。支持力17が除去シャフトに作用する見かけの間隔は参照符号19で示されている。
除去シャフト3ないしは攪拌シャフト1の最大許容曲げに対する観察は、それぞれ独立して除去シャフト3ないしは攪拌シャフト1に対して行われる。
攪拌シャフト1および除去シャフト3に加わる力の分布の図1に示した概略的なモデルから、最大許容負荷を、例えば有限要素法または梁モデル(Balkenmodell)によって計算することができる。
図2には除去シャフト3に対するゼロ値測定の信号経過が示されている。ここではx軸21に時間tがプロットされており、y軸23に半径方向所定位置における偏差が示されている。この測定は、互いに90°だけずらされた2つのセンサによって行われて、x方向およびy方向における偏差が求められる。
図2には除去シャフト3の4回転間の経過が示されている。ここに示した実施形態において1回転に1.6秒かかっている。当然のことながら、除去シャフトが高速またはより低速に回転することもあり得る。
参照符号25でx方向の偏差を、また参照符号27でy方向の偏差を示している。この偏差が正弦波状の経過を有することがわかる。最大値は、x方向の偏差25と、y方向の偏差27との間でそれぞれ90°ずれている。これは、シャフトに負荷が作用していないことによるものである。上記の偏差は、除去シャフト3における表面処理および製造時の不正確さならびに非平坦性だけから生じている。ゼロ値測定から平均値|x0mittlel,|y0mittlelならびに|x0pp|および|y0pp|の値を求めることができる。
図3には、負荷をかけたシャフトにおける信号経過が、ゼロ値測定と共に示されている。
図2と同様に図3でもx軸21に時間が、またy軸23にゼロ位置からの偏差が除去シャフト3の4回転の間に示されている。参照符号29でx方向における測定を示し、また参照符号31でy方向における測定を示している。図3において分かるのは、x方向における測定経過は、1回転当たり、第1の最大値33および第2の最大値35を有することである。第1の最大値33および第2の最大値35はそれぞれ、ゼロ位置からの除去シャフト3の最大の偏差を表している。x方向における経過が第1の最大値33および第2の最大値35を有する個所において、y方向における測定31はそれぞれ第1の最小値37および第2の最小値39を示している。これもそれぞれゼロ位置からの最大の偏差を表している。
第1の最大値33および第2の最大値35ないしは第1の最小値37および第2の最小値39の原因は、円周にわたって分散した2つの混練棒を除去シャフト3が有するためである。混練棒のポジションがつぎのような個所にある場合、すなわちこれらの混練棒が攪拌シャフト1の混練棒を梳く個所にある場合にはいつでも除去シャフト3に最大の力が作用する。これによって負荷が増大し、ひいては比較的大きな曲げが生じる。除去シャフト3に混練棒が180°の角度でずらされて配置されているため、1回転中に測定値において2つの振れが生じる。混練棒が互いに噛み合っていない場合、上記の偏差は最小である。ここから、図3に示されたようなシャフトの振動的な負荷が得られる。
図4には、おおまかな較正による信号経過が示されている。
おおまかな較正では、図2に示したゼロ値測定から平均値x0,mittel,y0,mittelを形成する。この平均値x0,mittel,y0,mittelは、負荷のかかったシャフトにおいてx方向ないしはy方向に測定した経過から減算される。それぞれ一定の値が減算されているため、負荷のかかったシャフトにおけるx方向およびy方向の経過は、図3に示したように、較正していない測定の経過に類似している。大まかに較正したx方向の信号経過41も同様に、除去シャフト3の1回転毎に第1の最大値33および第2の最大値35を有する。大まかに較正したy方向における信号経過43も、除去シャフト3の1回転当たりに第1の最小値37および第2の最小値39を有する。上で説明したように、最大値33,35ないしは最小値37,29は、除去シャフト3と攪拌シャフト1とが梳くことによって生じる。ここで除去シャフト3には円周にわたって分散されて2つの混練棒が配置されている。除去シャフト3の混練棒が攪拌シャフト1の混練棒の間を梳く場合にはいつでも、除去シャフト3に最大の力が作用し、これによってシャフトが比較的大きく曲がり、ひいては振れが大きくなる。
図4には付加的にトリガ信号45が示されており、これは除去シャフト3の1回転後毎に1つの振れを示している。これによって半径方向所定位置から偏差と、シャフト1,3のそれぞれの精確な位置とを対応付けることができる。
図5には大まかな較正による信号経過と、精確な較正による信号経過とが示されている。
図4にも示した大まかな較正とは異なり、図5に示した精確な較正では、負荷がかかったシャフトにおいて測定した値から、ゼロ値測定の値をそれぞれ減算する。ここでこの値は同じ位置で求めたものである。このために必要であるのは、例えば図4に示したトリガ信号によって、除去シャフトの精確な位置を求めることである。
精確に較正した信号経過と、大まかに較正した信号経過とを比較した際に示されるのは、殊に最大値33,35ないしは最小値37,39において異なる値を求められることである。第1の最大値33に対し、精確に較正したx方向における信号経過45は、大まかに較正したx方向における信号経過41よりも大きな値を示すが、第2の最大値35に対し、大まかに較正したx方向における信号41の方が値が大きくなる。これに相応してy方向における偏差についても、第1の最小値37に対し、精確に較正したy方向における信号経過47では、大まかに較正したy方向における信号経過43よりも大きな値が得られるが、第2の最小値39は、大まかに較正したy方向における信号経過43よりも大きな値を有する。
除去シャフト3ないしは攪拌シャフト1の最大の曲げは、最大の偏差の際に生じる。すなわち、偏差が最大の際にシャフト1,3の曲げが最大になるのである。図5には大まかな較正と精確な較正との間のx方向の最大のずれの差分49、ならびに大まかな較正によるグラフと精確な較正のグラフとの間のy方向の最大のずれの差分51が示されている。
精確な較正と大まかな較正との違いは、ゼロ値測定x0pp,y0ppの最大値と最小値との間の差分よりもつねに小さい。一層確実な評価に対し、値x0pp,y0ppを大まかな較正において加算する。
図6には、包絡線を有する軌道図が示されている。ここではx軸21にはx方向におけるシャフト振動が、またy軸23にはy方向におけるシャフト振動がプロットされている。図示した2つの曲線は、大まかな較正によるシャフト振動53と、さらに精確な較正によるシャフト振動55とを示している。大まかに較正したグラフと精確に較正したグラフの間には、上の図5で説明したようにx方向における差分57およびy方向における差分59が得られる。
図示したシャフト振動の周りには箱形の包絡線61が示されている。ここで包絡線61は、この包絡線がそれぞれシャフト1,3の測定した最大のずれを含むようにしている。測定した最大のずれを含む包絡線が、最大許容偏差に対する値を上回ると直ちに手段が講じられる。講じられる手段は、例えばアラームを出力するかまたは機械の停止であり、これによって損傷を回避する。
1 攪拌シャフト、 3 除去シャフト、 5 第1のトルク、 7 第2のトルク、 9 第1の抵抗力、 11 第2の抵抗力、 13 攪拌シャフト1に加わる力、 15 力13に対する見かけの間隔、 17 除去シャフト3に加わる力、 19 力17に対する見かけの間隔、 21 x軸、 23 y軸、 25 x方向の偏差、 27 y方向の偏差、 29 x方向における測定値、 31 y方向における測定値、 33 第1の最大値、 35 第2の最大値、 37 第1の最小値、 39 第2の最小値、 41 x方向の大まかに較正された信号経過、 43 y方向の大まかに較正された信号経過、 45 トリガ信号、 46 x方向の精確に較正された信号経過、 47 y方向の精確に較正された信号経過、 49 x方向における最大の偏差の差、 51 y方向における最大の偏差の差、 53 大まかな較正によるシャフト振動、 55 精確な較正によるシャフト振動、 57 x方向における差分、 59 y方向における差分、 61 包絡線

Claims (13)

  1. 例えば混練器のシャフトであるシャフトの曲げを監視する方法において、
    前記のシャフトは少なくとも片側が支承されており、
    前記の方法はつぎのステップ、すなわち、
    (a) 支承部とは異なる少なくとも1つのシャフト位置において、半径方向所定位置からのシャフトの偏差を測定するステップと、
    (b) 場合によっては前記の測定した半径方向所定位置からの偏差から比較量を求めるステップと、
    (c) ステップ(a)で測定した半径方向所定位置からの偏差またはステップ(b)で形成した比較量と、あらかじめ定めた境界値と比較するステップとを有することを特徴とする、
    シャフトの曲げを監視する方法。
  2. 測定のために円周方向に互いにずらした少なくとも2つのセンサを使用して、半径方向所定位置からの偏差の方向を検出する、
    請求項1に記載の方法。
  3. まずシャフトに負荷をかけずに、半径方向所定位置からのシャフトの偏差を測定する、
    請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記のステップ(b)で形成する比較量は、シャフトに負荷かけずに測定した半径方向所定位置からの偏差と、シャフトに負荷をかけて測定した偏差との差の絶対値である、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記の少なくとも2つのセンサによって検出した半径方向所定位置からの偏差または前記の比較量を軌跡図にあらわす、
    請求項2から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記の半径方向所定位置からの偏差と比較する前記の境界値は、前記の軌跡図における包絡線を形成する、
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記の境界値を、シャフトの最大許容曲げから求める、
    請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記の境界値は、シャフトに負荷をかけていない際の半径方向所定位置からの偏差と、最大許容偏差とから得られる差の絶対値である、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記の境界値を上回った場合、シャフトを停止する、
    請求項7または8に記載の方法。
  10. 前記の境界値に達するかまたは上回った場合、固体含量を低減するか、固体の添加物またはリサイクルされる微粒材料を少なくするか、温度を低下させるか、生成物の架橋度を変化させるか、少なくとも1つの離型剤を添加するか、または温度を上昇させる、
    請求項7または8に記載の方法。
  11. 前記のシャフトの円周位置を検出する、
    請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記のシャフトの円周位置を検出するため、センサによって検出されるマークを付ける、
    請求項11に記載の方法。
  13. 前記の半径方向所定位置からの偏差をうず電流センサによって求める、
    請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
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