JP2010530746A - 癌の診断方法および治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、リボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)およびチミジル酸シンターゼ(TS)遺伝子発現の腫瘍内発現レベルに基づいて、患者のために適当な癌治療を決定する方法、およびTSタンパク質の細胞質レベルに基づいて、臨床的な結果(予後)を予測する方法に関連する。その方法のために有用な組成物およびキットも提供される。本発明は、TSの発現レベルが、非小細胞肺癌(NSCLC)、例えば初期(ステージI)NSCLCを有する患者の予後を示すという発見に基づく。

Description

優先権の主張
この出願は、2007年6月15日に出願された米国仮特許出願第60/944,157号および2008年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/039,555号(これらの全体の内容は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
連邦政府によって後援された研究または開発
本発明は、国立衛生研究所の国立癌研究所(the National Cancer Institute of the National Institutes of Health)によって授与された助成金番号ROl CA 102726の下、政府の支援によってなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
本発明は、癌、例えば非小細胞肺癌を診断および治療する方法に関連する。
肺癌は、米国において、癌死の最も一般的な原因である。非小細胞肺癌(NSCLC)は、肺癌の80%超を占める、最も一般的なタイプの肺癌である。それは一般的に小細胞肺癌(SCLC)よりもゆっくりと増殖および拡散する。多くの場合肺の外側領域で見出される腺癌;通常気管支の側の肺の中心で見出される扁平上皮癌;および肺のあらゆる部分において起こり得、そして他の2つのタイプのNSCLCより速く増殖および拡散する傾向がある大細胞癌を含む、3つの主な形態のNSCLCが存在する。例えば非特許文献1を参照のこと。
最近の研究は、ヌクレオチド代謝およびDNA修復に関与する遺伝子が、初期の非小細胞肺癌(NSCLC)の表現型の挙動の重要な決定因子であることを示した。具体的には、リボヌクレオチド還元酵素の調節性サブユニットである、リボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)、およびヌクレオチド切除修復に関与する5’ヌクレアーゼの成分であるERCC1が、患者の予後を示す(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5)。これらの遺伝子の、高レベルのmRNAおよびタンパク質の発現は、患者における長期生存、そして動物モデルにおける転移形成の抑制と関連する(非特許文献6)。それに加えて、トランスジェニック動物における高いRRM1レベルは、発癌物質誘発肺腫瘍形成に保護的であることが見出された(非特許文献7)。
Travisら、Cancer(1995)75(Suppl.1):191−202 Beplerら、J Clin Oncol(2004)22:1878−1885 Simonら、Chest(2005)127(3):978−83 Olaussenら、N Engl J Med(2006)355:983−991 Zhengら、N Engl J Med(2007)356:800−808 Gautamら、Oncogene(2003)22:2135−2142 Gautamら、Cancer Res(2006)66:6497−6502
本発明は、チミジル酸シンターゼ(TS)の発現レベルが、NSCLC、例えば初期(ステージI)NSCLCを有する被験体の予後を示すという発見に基づく。それに加えて、TSおよびRRM1の発現レベルは、外科的に切除可能なSNCLCを有する患者における、非白金ダブレット(non−platinum doublet)、すなわちゲムシタビンおよびペメトレキセドによる術前治療に対する反応と関連する。
従って、1つの局面において、本発明は、NSCLC、例えば初期(ステージI)NSCLCを有する被験体において予後を予測する方法を提供する。
別の局面において、本発明は、周術期治療、例えば非白金代謝拮抗剤、例えばゲムシタビンおよびペメトレキセドの1つまたは両方による、術前または術後治療のために患者を選択する方法を提供する。その方法は、TS、またはTSおよびRRM1の腫瘍内発現レベルを決定する工程、およびその発現レベルに基づいて患者を選択する工程を含む。
別の局面において、本発明は、被験体のために適当な化学療法を選択するための方法を提供する。本方法は、被験体から腫瘍サンプルを得る工程;その腫瘍サンプルにおいてリボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)およびチミジル酸シンターゼ(TS)遺伝子発現のレベルを決定する工程;およびRRM1およびTS発現レベルに基づいて、適当な化学療法を選択する工程を含む。もしRRM1およびTS発現レベルが、参照コホートのメジアンのRRM1発現レベルより低いか、またはそれと同じなら、ゲムシタビンおよびペメトレキセドを含む化学療法が選択される。いくつかの実施態様において、その方法はさらに、被験体に選択した適当な化学療法を施す工程を含む。いくつかの実施態様において、その方法はまた、被験体に第二の化学療法剤、例えば抗チューブリンまたは白金を含む薬剤を投与する工程を含み得る。
さらなる局面において、本発明は、癌、例えばNSCLC、例えば手術可能なNSCLCを有する被験体を治療する方法を提供する。本方法は、TSおよびRRM1の低発現レベルの存在に基づいて被験体を選択する工程、およびその被験体に、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの組み合わせを、例えば4回の隔週治療として投与する工程を含む。いくつかの実施態様において、本方法はさらに、TS、またはTSおよびRRM1の腫瘍内発現レベルを決定する工程を含む。
さらなる局面において、本発明は、治療、例えば非白金代謝拮抗剤、例えばゲムシタビンおよびペメトレキセドの1つまたは両方による、術前または術後治療に対する被験体の反応を予測する方法を提供する。さらなる局面において、本発明は、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの投与を含む治療に対する被験体の反応を予測するための方法を提供する。その方法は、被験体から腫瘍サンプルを得る工程;その腫瘍サンプルにおけるリボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)およびチミジル酸シンターゼ(TS)遺伝子発現のレベルを決定する工程;およびその腫瘍サンプルにおけるRRM1およびTS遺伝子発現のレベルに基づいて、治療に対する被験体の反応を予測する工程を含む。低レベルのRRM1およびTSの発現は、その被験体が治療に対して陽性の反応を有する可能性が高いことを示す。
さらに別の局面において、本発明は、非小細胞肺癌と診断された被験体の予後を提供する方法を提供する。本方法は、被験体から腫瘍サンプルを得る工程;その腫瘍サンプルにおいて、細胞質のチミジル酸シンターゼ(TS)タンパク質のレベルを決定する工程;およびサンプル中の細胞質TSタンパク質のレベルを、細胞質TSタンパク質の参照レベルと比較する工程を含む。参照レベルと比較して、高レベルのサンプル中の細胞質TSタンパク質は、良好な予後を示し、そして参照レベルと比較して、低レベルの細胞質TSタンパク質は、不良な予後を示す。いくつかの実施態様において、細胞質TSタンパク質のレベルを、定量的インサイチュ分析方法、例えば本明細書中で記載されるようなAQUAを用いて決定する。
別の局面において、本発明は、非白金代謝拮抗剤、例えばゲムシタビンおよびペメトレキセドの1つまたは両方による、治療、例えば術前または術後治療の有効性を決定またはモニターする方法を提供する。本方法は、ベースラインレベルを確立するために、治療の前に、TSおよび/またはRRM1のレベルを決定する工程、ならびに治療を開始した後に、TSおよび/またはRRM1の1つまたはそれ以上のレベルを決定する工程を含む。測定した遺伝子のレベルの変化は、治療の有効性を示す;例えば、TSおよび/またはRRM1の発現の増加は、その治療が有効であることを示す。本方法はまた、TSおよび/またはRRM1のレベルの変化に基づいて、治療の決定をすることも含み得る。
別の局面において、本発明は、患者由来の組織サンプルにおいて、RRM1およびTS発現をアッセイするための試薬、および説明書を含むキットを提供する。いくつかの実施態様において、RRM1およびTS発現をアッセイするための試薬は、オリゴdTプライマー、RRM1またはTS cDNAにハイブリダイズする正方向プライマー、RRM1またはTS cDNAにハイブリダイズする逆方向プライマー、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、緩衝液、およびヌクレオチドから選択されるグループから選択された試薬の事前に測定された部分を含む。いくつかの実施態様において、RRM1およびTS発現をアッセイするための試薬は、ウェスタンブロットまたは免疫組織化学的アッセイを行うための、抗RRM1および抗TS抗体ならびに緩衝液の事前に測定された部分を含む。いくつかの実施態様において、そのキットはまた、患者由来の組織サンプルを処理するための試薬も含む。
「増殖性疾患」は、細胞分裂における不規則性によって特徴付けられる疾患である。癌(例えばグリオーム、前立腺癌、黒色腫、癌腫、子宮頸癌、乳癌、大腸癌または肉腫)は、増殖性疾患の例である。増殖性疾患に特徴的な細胞(すなわち「新生物細胞」または「腫瘍細胞」)は、自律的な増殖の能力を有する、すなわち細胞集団の不適切な増殖性成長によって特徴付けられる異常な状態または状況である。新生物細胞または腫瘍細胞は、異常に高速で増殖する細胞である。新生物細胞を含む新しい増殖は、「腫瘍」としても知られる新生物である。腫瘍は、通常区別できる塊を形成する、異常な組織の増殖であり、それは正常組織よりも速い細胞増殖によって増殖する。腫瘍は、構造的な組織化および正常組織との機能的協調の部分的または完全な欠如を示し得る。本明細書中で使用する場合、腫瘍は造血性腫瘍および固形腫瘍を含むよう意図される。
腫瘍は、良性(良性腫瘍)または悪性(悪性腫瘍または癌)であり得る。悪性腫瘍を、3つの主要な型におおまかに分類し得る。上皮構造から生じる悪性腫瘍は、癌腫と呼ばれる;筋肉、軟骨、脂肪、または骨のような結合組織から生じる悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれる;および免疫系の構成要素を含む、造血性の構造(血液細胞の形成に関係する構造)に影響を与える悪性腫瘍は、白血病およびリンパ腫と呼ばれる。他の腫瘍は、神経線維腫症を含むがこれに限らない。
増殖性疾患は、病理組織学的な型または浸潤性の段階にかかわらず、全ての型の癌性増殖または腫瘍発生過程、転移組織または悪性に形質転換した細胞、組織、または臓器を含む。癌は、肺、乳房、甲状腺、リンパ球系、胃腸および泌尿生殖器のような、様々な臓器系の悪性疾患、およびほとんどの大腸癌、腎細胞癌、前立腺癌、および/または精巣腫瘍、肺の非小細胞癌腫、小腸の癌、および食道の癌のような悪性疾患を含む腺癌を含む。癌腫は、呼吸器系の癌腫、胃腸系の癌腫、尿生殖器系の癌腫、精巣癌腫、乳房癌腫、前立腺の癌腫、内分泌系癌腫、および黒色腫のような、上皮または内分泌組織の悪性疾患を含む。他の癌腫は、子宮頸部、肺、頭部および頸部、大腸および卵巣の組織から形成されるものを含む。中枢神経系の癌は、グリオーム(星状細胞腫、混合神経膠腫(mixed oligoastrocytoma)、多型神経膠芽腫、上衣腫、および乏突起神経膠腫を含む)、髄膜腫、下垂体腫瘍、血管芽腫、聴神経腫、松果体腫瘍、脊髄腫瘍、造血性腫瘍、および中枢神経系リンパ腫を含む。脂肪、筋肉、血管、深部皮膚組織、神経、骨、および軟骨のような、結合組織に影響を与える癌は、肉腫と呼ばれる。肉腫は、例えば脂肪肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、滑膜肉腫、血管肉腫、線維肉腫、神経線維肉腫、消化管間質腫瘍(GIST)、類腱腫、ユーイング肉腫、骨肉腫、および軟骨肉腫を含む。
本明細書中で記載された方法は、肺癌(例えば非小細胞肺癌(NSCLC))、乳癌、結腸直腸癌、頭部および頸部癌、または卵巣癌のような、上皮の悪性疾患を有するヒトの治療に特に関連する。上皮の悪性疾患は、上皮組織に影響を与える癌である。
本明細書中で記載される「被験体」は、増殖性疾患を有するあらゆる被験体であり得る。例えば、その被験体はヒト癌患者を含む、ヒトのようなあらゆる哺乳類であり得る。代表的な非ヒト哺乳類は、非ヒト霊長類(サルまたは類人猿のような)、マウス、ラット、ヤギ、ウシ、雄ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、イノシシ、ラッコ、ネコ、およびイヌを含む。本明細書中で記載された方法を、胎児(例えば子宮内)、乳児、幼児、青年、成人、または高齢のヒトを含む、あらゆる年齢のあらゆる被験体に対して行い得る。いくつかの実施態様において、その被験体は上皮の悪性疾患;肺癌、例えば非小細胞肺癌;乳癌;結腸直腸癌;頭部および頸部癌;または卵巣癌を有する。
本明細書中で使用される「代謝拮抗剤」は、正常な生化学的反応に必要な物質(代謝物)と類似の構造を有するが、細胞の正常な機能に干渉するのに十分異なっている化学物質である。代謝拮抗剤は、DNA合成に干渉する、プリンおよびピリミジンアナログを含む。代表的な代謝拮抗剤は、例えばアミノプテリン、2−クロロデオキシアデノシン、シトシンアラビノシド(araC)、シタラビン、フルダラビン、フルオロウラシル(5−FU)(およびその誘導体、それはカペシタビンおよびテガフールを含む)、ゲムシタビン、メトプテリン、メトトレキセート、ペメトレキセド、ラルチトレキセド、トリメトレキセート、6−メルカプトプリン、および6−チオグアニンを含む。
本明細書中で使用される「抗チューブリン」は、紡錘体を阻害することによって、細胞分裂を阻害する化学療法剤を指す。抗チューブリン剤は、例えばタキサンのパクリタキセルおよびドセタキセル、およびビンカアルカロイドのビノレルビン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンフルニン、およびビンデシンを含む。
本明細書中で使用される「白金を含む薬剤」は、白金を含む化学療法剤を含む。白金を含む薬剤は、DNAと架橋およびアルキル化し、それはDNA合成および転写の阻害を引き起こす。白金を含む薬剤は、あらゆる細胞周期で作用し得、そして従って新生物および健康な分裂中の細胞を殺傷する。白金を含む薬剤は、例えばシスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチンを含む。
他に規定されなければ、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、この発明が属する当業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本発明において使用するために、方法および材料が本明細書中で記載される;当該分野で公知の、他の適当な方法および材料も使用し得る。その材料、方法、および実施例は、説明のためのみであり、制限することを意図しない。本明細書中で述べた全ての出版物、特許申請、特許、配列、データベース記載事項、および他の参考文献は、その全体として参考文献に組み込まれる。対立する場合、定義を含む本明細書が統制する。
本発明の他の特徴および利点が、以下の詳細な説明および図から、および請求から明らかである。
図1は、TSの発現を示す細胞株のウェスタンブロットである。サイトゾルおよび核抽出物を、細胞株H23−CtおよびH23−R1から調製した。それらをポリアクリルアミドゲルで分離し、膜に移し、そしてTS、Oct−1(核タンパク質)、およびGAPDH(サイトゾルタンパク質)に対する抗体でプローブした。TSを表す38kDのバンドが、細胞質において見出された。 図2Aおよび2Bは、TS発現によって推定された、カプラン・マイヤー全生存曲線である。2A、インサイチュタンパク質発現による、160人の患者の生存。うすい灰色の線は、>57.02のマーカー発現を有する患者を示し(N=120;メジアン=81.3ヶ月、95%CI62.9−99.6)、および濃い灰色の線は、≦57.02の発現を示す(N=40;メジアン=51.7ヶ月、95%CI21.5−81.9)。未調整のp値は、0.0013であった。2B、第二に良いカットポイントを含む、同じ患者のグループの生存。薄い灰色の線は、≧129.33のマーカー発現を有する患者を示し(N=18;メジアンは達していない(not reached))、中間の灰色は、57.58から124.27のマーカー発現を有する患者を示し(N=82;メジアン80.8ヶ月)、そして濃い灰色の線は、≦57.02の発現を示す(N=40;メジアン=51.7ヶ月)。未調整のp値は0.002であった。 図2Aおよび2Bは、TS発現によって推定された、カプラン・マイヤー全生存曲線である。2A、インサイチュタンパク質発現による、160人の患者の生存期間。うすい灰色の線は、>57.02のマーカー発現を有する患者を示し(N=120;メジアン=81.3ヶ月、95%CI62.9−99.6)、および濃い灰色の線は、≦57.02の発現を示す(N=40;メジアン=51.7ヶ月、95%CI21.5−81.9)。未調整のp値は、0.0013であった。2B、第二に良いカットポイントを含む、同じ患者のグループの生存期間。薄い灰色の線は、≧129.33のマーカー発現を有する患者を示し(N=18;メジアンは達していない(not reached))、中間の灰色は、57.58から124.27のマーカー発現を有する患者を示し(N=82;メジアン80.8ヶ月)、そして濃い灰色の線は、≦57.02の発現を示す(N=40;メジアン=51.7ヶ月)。未調整のp値は0.002であった。 図3Aは、X線で測定した、治療に対する反応を示す棒グラフである。その反応は、測定可能な病変のサイズにおいて、95%の増加から100%の減少までの範囲であった。 図3B−Eは、X線写真での疾患反応およびmRNA遺伝子発現を示す棒グラフである。3B、RRM1;3C、RRM2;3D、TS;3E、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)。 図3B−Eは、X線写真での疾患反応およびmRNA遺伝子発現を示す棒グラフである。3B、RRM1;3C、RRM2;3D、TS;3E、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)。 図3B−Eは、X線写真での疾患反応およびmRNA遺伝子発現を示す棒グラフである。3B、RRM1;3C、RRM2;3D、TS;3E、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)。 図3B−Eは、X線写真での疾患反応およびmRNA遺伝子発現を示す棒グラフである。3B、RRM1;3C、RRM2;3D、TS;3E、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)。 図4は、カプラン・マイヤー全体および疾患なしの生存推定値の結果を示すグラフである。黒い曲線(上の線)は、OSを示し、そして灰色の曲線(下の線)は、DFSを示す。印は、検閲した症例を示す。 図5は、10人の患者における、RRM1およびTS遺伝子の治療前および治療後のmRNAレベルを示すグラフである。
NSCLCにおける現在の研究努力の主な目的は、完全な外科的切除を行う患者において、分子パラメーターを臨床的な治療決定に組み込むことによって、周術期の全身性治療の有効性を増加させることである。本明細書中で記載されるように、チミジル酸シンターゼ(TS)遺伝子の腫瘍内発現レベルは、臨床的な予後と関連し、そしてTSおよびリボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)のレベルは、非白金代謝拮抗剤による治療に対する腫瘍反応性と関連する。
非小細胞肺癌(NSCLC)
NSCLCを診断する方法は、当該分野で公知である。診断手順は、個々の患者のために個別化されるべきであり、そして以下のものを含み得る:
−長期にわたる良性病変を除外するため、または悪性病変の進行の速度を決定するために、古い胸部X線を再調査する
−痰細胞学
−気管支鏡検査、気管支内病変の生検、ブラッシングおよび洗浄、気管支鏡検査後の痰細胞学
−縦隔リンパ節における手術不能の転移を除外するための縦隔鏡検査
−経皮的細針生検
−容易に接近可能な2次的沈着物の切除または針生検
診断の組織学的または細胞学的検証を得るべきである。
当該分野において公知の方法、例えばMountain、Chest 111:1710−17(1997);PistersおよびGail、J.Thoracic Onc.2(7):583−584(2007);Rami−Portaら、J.Thoracic Onc.2(7):593−602(2007);Ruschら、J.Thoracic Onc.2(7):603−612(2007);Postmusら、J.Thoracic Onc.2(8):686−693(2007);Groomeら、J.Thoracic Onc.2(8):694−705(2007);Goldstrawら、J.Thoracic Onc.2(8):706−714(2007)において記載されたような、国際的に受け入れられたUICC(International Union Against Cancer)TNM(Tumor/Node/Metastasis)分類システムを用いて、病期分類も行い得る。簡単には、「T」は腫瘍のサイズおよび付近の組織に浸潤したかどうかを説明し、「N」は関与するあらゆるリンパ節を説明し、そして「M」は転移(1つの体の部分から別の部分への癌の広がり)を説明する。TNMスケールによって、ステージ0はインサイチュにおける癌腫を示し、それはそれが始まった細胞の層だけに存在する初期の癌である。ステージI、II、III、およびIVは、漸次悪化する疾患状態を示す。より高いステージは、より大きな腫瘍サイズおよび/または付近のリンパ節および/または一次腫瘍に隣接する臓器への癌の広がりによって証明されるような、より広範な疾患を示す。ステージIVにおいて、腫瘍は少なくとも1つの他の臓器に広がっている。
予後の方法
本明細書中で記載したように、TSタンパク質のレベル、例えば細胞質TSタンパク質を用いて、予後を決定し得る、例えば延長した期間を超えた生存の可能性を決定し得る。これらの方法において、腫瘍細胞を含むサンプルを被験体から取り、そして例えば本明細書中で記載したような、当該分野で公知の方法を用いて、TSタンパク質のレベルを決定する。例えば、TSタンパク質発現レベルを、例えば自動化定量分析(AQUA)によって、タンパク質発現の定量的インサイチュ分析の方法を用いて決定し得る、例えばCampら、Nat.Med.8:1323−1327(2002)を参照のこと。サンプル中の腫瘍細胞におけるTSのレベルの、参照レベルとの比較は、被験体の可能性のある予後を示す。いくつかの実施態様において、本明細書中で記載したように、参照コホートにおけるTSタンパク質発現によって決定されたカットポイントパーセンタイルに対して比較を行う。いくつかの実施態様において、その参照カットポイントは、約89パーセンタイルの発現レベルである;そのカットポイントより上、例えば上位11%の発現レベルの被験体は、改善した生存の機会を有し、そしてそのカットポイントより下の被験体は、より不良な予後を有する。いくつかの実施態様において、下位25%のグループ、中位64%グループ、および上位11%グループにおいて、2つの参照カットポイントを使用する;下位25%に入る被験体は、不利な結果(死亡)の最も高いリスクを有し、中位64%の被験体は、中程度のリスクレベルを有し、そして上位11%の被験体はより低いリスクを有する。例えば実施例1および図2A−Bを参照のこと。いくつかの実施態様において、どれだけ積極的に被験体を治療するかに関する決定を、これらの方法によって提供される予後の情報に基づいて行う、例えば不利な結果のより高いリスクを有する被験体をより積極的に、またはさらなる治療様式、例えば照射または本明細書中で記載したような他の化学療法剤の投与によって治療する。
癌治療を決定する方法
適当な癌治療を決定または選択する方法は、患者から腫瘍サンプルを得る工程または提供する工程、および患者におけるRRM1またはTSの発現レベルを決定する工程を含む。もしRRM1およびTSの腫瘍内レベルが低ければ、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの組合せを含む化学療法が適当であることを決定し得る。もしRRM1および/またはTSの腫瘍内レベルが高ければ、ゲムシタビンおよびペメトレキセドを欠く化学療法が適当であることを決定し得る。
「低い」および「高い」発現レベルは相対的な値であり、そして参照コホートのものとの比較に基づく。本明細書中で使用される「参照コホート」は、サンプル癌集団であり、そこからRRM1および/またはTS発現データが収集される。参照コホートにおける発現レベルを、サンプル集団における腫瘍内遺伝子発現レベルを測定することによって決定する(例えばRosellら、Clin Cancer Res 10:1318−25、2004;Lordら、Clin Cancer Res 8:2286−2291、2002;Beplerら、J Clin Oncol 22:1878−85、2004;およびSimonら、Chest 127:978−83、2005を参照のこと)。典型的には、もし発現レベルが参照コホートにおけるメジアンのRRM1発現レベルと同じまたはそれより低ければ、腫瘍は「低い」RRM1レベルを示し、そしてもし発現レベルが参照コホートにおけるメジアンのRRM1発現レベルより高ければ、腫瘍は「高い」RRM1レベルを示す。同様に、もし発現レベルが参照コホートにおけるTS発現レベルのメジアンと同じまたはそれより低ければ、腫瘍は「低い」TSレベルを示す。「低い」および「高い」発現レベルは相対的であり、そして新しい参照グループそれぞれに関して確立し得る。1つの選択肢において、化学療法に対する被験体の反応を予測するために決定される発現レベルは、参照コホートの下位3分の1、または下位4分の1の発現レベルと同じかまたはそれより低くあり得る、または予測発現レベルを、参照コホートの上位3分の1、または上位4分の1の発現レベルと同じまたはそれより高いレベルと決定し得る。
腫瘍サンプル
生検(例えば針生検)のような、あらゆる方法を、腫瘍サンプルを得るために使用し得、そして処理のために組織をOCT(登録商標)(Optimal Tissue Cutting化合物)に包埋し得る。例えば、OCT(登録商標)中の組織を、凍結切片として処理し得る。例えばレーザーキャプチャー法(LCM)によって、腫瘍細胞を採取し得、そして遺伝子発現を、例えばポリメラーゼ連鎖反応と組み合わせた逆転写(RT−PCR)またはRNAレベルを測定するためのノーザンブロット分析によって、またはタンパク質レベルを測定するためのウェスタンブロットによって、アッセイし得る。1つの典型的なアプローチにおいて、RRM1またはTS発現レベルを、リアルタイム定量的RT−PCRによってアッセイする。これらの遺伝子の発現レベルを、例えば固定した、例えばホルマリン固定した標本において、免疫組織化学によっても決定し得る。
参照コホート
参照コホートからのサンプルを、同じ種の被験体(例えばヒト被験体)から取り、そして参照コホートの腫瘍は、好ましくは同じ型(例えばNSCLCの腫瘍)である。例えば、参照コホートの腫瘍は、全て例えば癌腫、造血系腫瘍、脳腫瘍、または肉腫であり得る。いくつかの実施態様において、参照コホートの腫瘍は、全て例えば肺癌、乳癌、結腸直腸癌、頭部および頸部癌、または卵巣癌由来であり得る。参照コホートの個々のメンバーは、疾患のステージ、以前の治療レジメ、ライフスタイル(たとえば喫煙者または非喫煙者、過体重または低体重)、または他の人口統計(例えば年齢、遺伝的素因)における類似性のような、他の類似性も共有し得る。例えば、同じ型の腫瘍を有することに加えて、参照コホートの患者は、以前に全身性の化学療法を受けたことがないかもしれない。参照コホートは、少なくとも10人の被験体由来の、例えば15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180、または200またはより多くの被験体由来の、腫瘍サンプルからの遺伝子発現分析データを含むべきである。
遺伝子発現およびタンパク質レベルの決定
参照コホートにおける遺伝子発現レベルを、定量的RT−PCR、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析、または免疫組織化学のような、あらゆる方法によって決定し得る。試験被験体由来の腫瘍サンプルにおける発現レベルを、参照コホートにおける発現レベルと同じ方式で決定する。
ヒトで実施する場合、本方法において有用な配列は、以下のものを含むがこれに限らない:
−RRM1配列:GeneID:6240−ヒトRRM1−NM_001033.3およびNP_ 001024.1;遺伝子=NC_000011.8 Reference assembly、Range4072500−4116682;NT_009237.17、Range2903165−2947347
−TS配列:GeneID:7298−ヒトTS NM_001071.2およびNP_001062.1;遺伝子=NC_000018.8 Reference assembly−Range647651−663492;NT_010859.14、Range647651−663492 。
例えばウェスタンブロッティングを用いて、タンパク質レベルを決定することが望ましい場合には、以下の抗体を使用し得る;他のものも有用であり得る。
−とりわけSanta Cruz Biotechnology,Inc.、Novus Biologicals、Proteintech Group,Inc.、およびAbnova Corporationから市販で入手可能な、抗RRM1
−とりわけAbcam、Serotec、Acris Antibodies GmbH、Invitrogen、Lab Vision、Millipore Corporation、Novus Biologicals、ProSci,Inc.、Rockland Immunochemicals,Inc.、およびSanta Cruz Biotechnology,Inc.から市販で入手可能な、抗TS 。
治療レジメの選択
腫瘍をRRM1またはTSまたは両方の発現レベルに関してサンプリングし得、そして適当な化学療法を、観察された発現レベルに基づいて決定し得る。その化学療法は、単一の薬剤または複数の化学療法剤(例えば2つ、3つ、またはそれ以上の化学療法剤)を含み得る。
1つの例において、RRM1およびTS両方の腫瘍内発現レベルを決定し、そして両方の遺伝子の発現レベルに基づいて、適当な化学療法剤を決定する。例えば、もしRRM1およびTS発現レベルがどちらも低いと決定されたら、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの組み合わせを含む適当な化学療法を選択し得る。もしRRM1レベルが低いと決定され、そしてTSレベルが高いと決定されたら、適当な化学療法は、ゲムシタビンを含み、そしてペメトレキセドを除くことを決定し得、そして抗チューブリンまたはアルキル化剤のような最適な第二の薬剤を含み得る。そのような化学療法組成物は、白金を含む薬剤を含み得る。もしRRM1レベルが高いと決定され、そしてTSレベルが低いと決定されたら、適当な化学療法は、ゲムシタビンを含むべきではないがペメトレキセド、および抗チューブリンまたはアルキル化剤のような、最適な第二の薬剤を含み得る。もしRRM1およびTSレベルが両方とも高いと決定されたら、適当な化学療法は、抗チューブリンを含むことを決定し得る。その化学療法は、代謝拮抗剤を含むべきではない。
さらなる治療
一般的に、NSCLCと診断された被験体を、外科的切除;照射;およびアジュバントおよび/または新補助療法化学療法によって治療する、例えばKrisら、Oncologist 10(Suppl.2):23−29(2005)を参照のこと。NSCLCを治療するための現在の標準治療は、外科的切除、可能な場合は、ステージIIおよびIIIにおいては続いて術後補助化学療法である;AllenおよびJahanzeb、J.Natl.Compr.Canc.Netw.6(3):285−293(2008)を参照のこと。同時または連続的な放射線療法の追加を含む3重様式(trimodal)アプローチも使用する。従って、本明細書中で記載された方法は、あらゆる追加の治療様式、例えば外科的切除および/または照射の使用を含み得る。
他の化学療法剤、例えば抗チューブリンまたは白金を含む薬剤も、代謝拮抗剤の組み合わせと共に投与し得る。他の化学療法剤は、例えばL−アスパラギナーゼ、ビカルタミド、ブレオマイシン、カンプトテシン(CPT−11)、カルミノマイシン、シクロホスファミド、シトシンアラビノシド、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エクチナサイジン743、エストラムスチン、エトポシド、リン酸エトポシド、エポチロン、フルタミド、FK506、ヘキサメチルメラミン、エダトレキセート(idatrexate)、レフルノミド、ロイプロリド、ロイロシジン(leurosidine)、ロイロシン(leurosine)、メルファラン、マイトマイシンC、ミコフェノール酸モフェチル、プリカマイシン、ポドフィロトキシン、ポルフィロマイシン、ranpimase、ラパマイシン、トポテカン、テニポシド、およびチオテパを含む。
投薬および投与
本明細書中で記載されたように、RRM1および/またはTS発現レベルに基づいて、被験体のために選択された化学療法、例えばペメトレキセド/ゲムシタビン併用療法を、従来の投与レジメを用いて被験体に投与し得る。
化学療法を、丸剤の形態におけるような経口、静脈内、体腔(膀胱のような)への注射による、筋肉内、またはくも膜下腔内を含む、標準的な方法によって投与し得る。化学療法レジメを、持続的なレジメとして、例えば静脈内、経口、または体腔内に送達し得る。化学療法レジメを、薬剤が投与される日または日々に続いて休止および回復期を含むサイクルで送達し得る。回復期は、1、2、3、または4週間またはそれ以上続き得、そして次いでそのサイクルを反復し得る。化学療法の過程は、少なくとも2から12サイクル(例えば3、4、5、6、7、10、または12サイクル)を含み得る。
上記で記載されたようにデザインされた化学療法の投与後に、増殖性疾患の予後に関連する結論を調整するために、本明細書中で注目された方法から得られた遺伝子発現データを、人口統計データ;生命状態;教育;飲酒、喫煙、および薬物乱用の履歴;治療歴;および記録された治療を含む、患者の医療記録からの情報を組み合わせ得る。
腫瘍内RRM1またはTS発現レベルによる化学療法の投与時に、その治療に対する反応に関して患者をモニターし得る。例えば、疾患の進行をモニターするために、化学療法の投与前および投与後に、腫瘍の測定を行い得る。もし腫瘍サイズが減少すれば、疾患は寛解にある、または寛解に向かって退縮していると決定し得る。腫瘍サイズの部分的な減少は、疾患が部分的な寛解にあることを示し得、そしてもし腫瘍が完全に消失したら、疾患は完全な寛解にあると言い得る。もし腫瘍サイズが増加するなら、疾患は進行していると決定し得る。もし腫瘍サイズが化学療法の投与後に変化しないなら、疾患は安定と分類し得る。
患者を、体重減少、胸水、および癌に関連する他の症状のような要因に注意して、その身体的な状態によっても評価し得る。例えば、小細胞および非小細胞肺癌を含む肺癌の症状は、持続する咳、血液の混じった痰、胸痛、および再発する肺炎または気管支炎を含む。その評価を、当該分野で公知の方法によって、併用療法の投与量および投与レジメを仕立てるために使用し得る。
有効性を予測する方法およびスクリーニング方法
本発明はまた、化学療法剤を含む組成物の有効性を評価または予測する方法を特徴とする。その方法は、少なくとも2つの細胞株、および1つまたはそれ以上の化学療法剤を含む組成物を採用する。その細胞株は、そのRRM1および/またはTSの発現レベルにおいて異なる。例えば、1つの細胞株は、標準コントロール細胞株より低いレベルのRRM1を発現する、または1つの細胞株は、標準コントロール細胞株より高いレベルのRRM1を発現する。より高い発現細胞株は、好ましくは1つのより低い発現細胞株より、少なくとも約20%、40%、60%、80%、100%、200%、または300%より多いRRM1および/またはTSを発現する。
増加または減少したRRM1および/またはTSの発現を引き起こすあらゆる方法を利用し得る。例えば、低レベルのRRM1および/またはTSを発現する細胞株を、低レベルの発現を引き起こすsiRNAまたはアンチセンスRNAを発現するよう操作し得る。あるいは、RRM1および/またはTSの発現を、テトラサイクリン−、IPTG−、またはエクジソン応答プロモーターのような、調節可能なプロモーターのコントロール下に置き得る。RRM1および/またはTSの発現は、親株における発現より低くあり得る、または発現は誘導の前には完全に欠如し得る。高レベルのRRM1および/またはTSを発現する細胞は、RRM1および/またはTSを、内因性RRM1および/またはTSプロモーターより高いレベルで発現する、構成的プロモーターのコントロール下にRRM1および/またはTS遺伝子を含み得る、または誘導が発現を親株におけるよりも高いレベルまで促進するように、RRM1および/またはTSを、テトラサイクリン−またはIPTG−応答プロモーターのような、誘導性プロモーターから発現し得る。高レベルのRRM1および/またはTS発現を促進する、または低レベルの発現を誘導する外来性の配列を、親株のゲノムに安定に組み込み得る、または親株に一時的にトランスフェクトし得る。
高および低レベルのRRM1および/またはTSを発現する細胞を、候補化学療法剤または化学療法剤の組み合わせ(例えば2、3、または4つの化学療法剤)と接触させ、そしてコントロール株と比較して、化学療法剤に対する感受性または耐性の増加に関して細胞をモニターする。1つの細胞株に、コントロール細胞に対して増加した感受性を生じる薬剤、または薬剤の組み合わせを、対応するレベルのRRM1および/またはTSを発現する腫瘍を有する患者のための候補治療薬として同定し得る。
別の実施例において、もし低レベルの(すなわちコントロール親株より低いレベルの)TSを発現する細胞が、コントロール株の細胞よりも、化学療法剤に対して感受性であるなら、その薬剤は、低レベルのTSを発現する腫瘍を有する患者の治療のための候補治療薬である。もし高レベルの(すなわちコントロール親株より高いレベルの)TSを発現する細胞が、コントロール株の細胞よりも、化学療法剤に対して感受性であるなら、その薬剤は、高レベルのTSを発現する腫瘍を有する患者の治療のための候補治療薬である。
本明細書中で記載された方法を、高または低レベルのRRM1および/またはTSを発現する腫瘍の治療のための候補である薬剤を同定するためのスクリーニングアッセイにおいて使用し得る。上記で記載したもののような細胞株を、薬剤のパネル(例えば小分子薬剤、核酸、またはポリペプチド)と接触させて、低または高レベルのRRM1および/またはTSを発現する細胞の感受性の増加を引き起こす薬剤を同定し得る。
上記のスクリーニング方法において同定された薬剤、または候補化学療法として上記の方法によって同定された薬剤または薬剤の組み合わせを、ヒトで試験する前に動物モデルで試験し得る。例えば、その治療を、ヒトにおいて試験する前に、マウスまたは霊長類モデルにおいて、腫瘍サイズを抑制する能力に関して試験し得る。
キット
本明細書中で記載された方法を実施するための試薬、道具、および/または説明書を、キットにおいて提供し得る。例えば、そのキットは、癌患者のために適当な治療を決定するための試薬、道具、および説明書を含み得る。そのようなキットは、例えば生検によって患者から組織サンプルを採取するための試薬、およびその組織を処理するための試薬を含み得る。そのキットはまた、ヒトの腫瘍サンプルにおいてRRM1および/またはTS発現レベルを決定するための、RT−PCR、ノーザンブロット、ウェスタンブロット分析、または免疫組織化学を行うための試薬のような、遺伝子発現分析を行うための、1つまたはそれ以上の試薬を含み得る。例えば、RT−PCRを行うためのプライマー、ノーザンブロット分析を行うためのプローブ、および/またはウェスタンブロットおよび免疫組織化学的分析を行うための抗体を、そのようなキットに含み得る。アッセイのための適当な緩衝液も含み得る。これらのアッセイのいずれかに必要な検出試薬も含み得る。
本明細書中で特徴となるキットはまた、遺伝子発現を測定するためのアッセイをどのように行うかを記載した説明書も含み得る。その説明書は、参照コホートにおけるRRM1および/またはTS発現レベルをどのように決定するか、および試験患者との比較のための参照を確立するために発現データをどのように構築するかを含む、参照コホートをどのように決定するかに関する説明も含む。その説明書は、試験患者において遺伝子発現をアッセイするための、およびその発現レベルを参照コホートの発現と比較して、続いて試験患者に適当な化学療法を決定するための説明も含み得る。適当な化学療法を決定するための方法は、上記で記載され、そして説明書において詳細に記載し得る。
別の実施例において、本発明で特徴となるキットは、RRM1またはTS発現レベルに基づいて、候補化学療法剤の有効性を予測するための試薬、道具、および説明書を含み得る。そのようなキットは、細胞においてRRM1またはTS発現レベルを調節するためのベクター、およびアポトーシスを検出するための試薬のような、細胞表現型をモニターするための試薬を含み得る。組織サンプルにおいてRRM1およびTSの発現レベルを決定するための試薬も、上記で記載したように含み得る。
キットに含まれる情報資料は、本明細書中で記載された方法および/または本明細書中で記載された方法のための試薬の使用に関連する、説明の、指示の、売買の、または他の資料であり得る。例えば、そのキットの情報資料は、キットの使用者が、特に彼らが特定の化学療法に対する陽性の反応を有するヒトの可能性に適用する場合、遺伝子発現分析の実施および結果の解釈についての実質的な情報を得ることができる連絡情報、例えば物理的な住所、電子メールアドレス、ウェブサイト、または電話番号を含み得る。
キットは、試薬および情報資料のための別々の容器、仕切り、または区画を含み得る。容器は、RRM1およびTS遺伝子発現レベルの決定、および続くヒトのための適当な化学療法の決定に使用するために、ラベルを貼付し得る。
キットの情報資料は、その形態において制限されない。多くの場合、その情報資料、例えば説明書は、印刷されたもの、例えば印刷された文字、図、および/または写真、例えばラベルまたは印刷された紙で提供される。しかし、その情報資料を、点字、コンピューターで読み取り可能な資料、ビデオ記録、またはオーディオ記録のような、他の形態でも提供し得る。もちろん、その情報資料を、あらゆる形態の組み合わせでも提供し得る。
本発明を以下の実施例においてさらに説明し、それは請求において記載される本発明の範囲を制限しない。
実施例1−インサイチュでのチミジル酸シンターゼ(TS)タンパク質発現
チミジル酸シンターゼ(TS)は、デオキシウリジン1リン酸(dUMP)の、(デオキシ)チミジン1リン酸(TMP)への変換を触媒し、それはテトラヒドロ葉酸のジヒドロ葉酸への酸化を必要とする。TMPは続いてTTPへリン酸化され、それはDNA合成および修復に必要である。5−フルオロウラシル(5FU)は、TMP合成を阻害し、そして有効な化学療法剤である(Washtien、Mol Pharmacol 1984;25:171−77;Moertelら、N Engl J Med 1990;322:352−58;Heidelbergerら、Nature 1957;179(4561):663−6)。TSの高い腫瘍レベルは、特に結腸直腸癌(CRC)および胃癌を有する患者において、5FUに基づく化学療法に対する耐性と関連する(Johnstonら、Cancer Res 1995;55(7):1407−12;Leichmanら、J Clin Oncol 1997;15(10):3223−9;Shirotaら、J Clin Oncol 2001;19(23):4298−304)。
TSはリボヌクレオチド還元酵素の下流であり、そしてDNA合成および修復に必要なデオキシヌクレオチドの1つの形成に重要であるので、タンパク質およびmRNAレベルにおけるTS発現が、さらなる化学療法も照射もうけなかった、完全に切除したステージIのNSCLCを有する患者における予後を予測するかどうか、およびインサイチュでのTS発現が、RRM1およびERCC1発現と関連するかどうかを決定するために、本研究を行った。
これらの研究において使用した2つの集団は、1991年から2001年にMoffitt Cancer CenterにおいてNSCLCの完全切除を受けた患者から成っており、そして他で記載された(Zheng ら、N Engl J Med 2007;356:800−08)。簡単には、患者は病理学的ステージIAまたはIBの疾患を有する;腺癌、扁平上皮癌、または大細胞癌を有する;周術期の化学療法または照射なし;以前の肺癌なし;そして胸部への以前の照射なしでなければならなかった。組織マイクロアレイの構築に十分な腫瘍組織を有する187人の患者が同定され、それはタンパク質レベルにおける遺伝子発現の評価のための集団を構成した(表1)。新しい凍結腫瘍組織を有する92人の患者が、mRNAレベルにおける遺伝子発現の評価のための集団を構成した(表2)。タンパク質およびmRNAレベルにおいて遺伝子発現値を有する32人の患者が2つの集団の間で重複していた。2年間は3ヶ月に1回、3年間は6ヶ月に1回、および次いで1年に1回の訪問時のフォローアップが推奨された。全体的な生存に関して、診断から死亡までの時間を記録し、そして人口動態統計記録を用いて検証した。
研究のために使用したモノクローナルTS抗体は、LabVision Corporationから市販で入手可能であった(オーダー#MS−471−P、ロット#471P504B)。それは、抗原として組換えヒトTSを用いて、マウスにおいて産生された。その抗体は、肺癌細胞株H23の溶解物のウェスタンブロットにおいて、TSの予測分子量である約38kDの主なバンドを検出し、これは細胞質に局在した(図1)。ウェスタンブロッティングを、以下のように行った。細胞株NCI−H23の永続的に遺伝的修飾した培養物由来の細胞質および核抽出物を、核/サイトゾル分画キット(BioVision、Mountain View、CA)を用いて調製した。タンパク質抽出物(50μg)を、10%Novex トリス−グリシンゲル(Invitrogen、Carlsbad、CA)によって分離し、そして純粋なニトロセルロース膜(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)にブロットした。そのブロットを、TS抗体(マウスクローンTS−106、1:200、Lab Vision Corp.)、Oct−1抗血清(#3342−100、1:1000、BioVision、Mountain View、CA)およびGAPDH抗血清(#sc−20357、1:1000、Santa Cruz Biotechnology、Santa Cruz、CA)と、4℃で一晩インキュベートした。タンパク質のバンドを、抗ウサギ、抗マウス、または抗ヤギIgG西洋ワサビペルオキシダーゼ2次抗体(1:1000;Santa Cruz)およびSuperSignal West Pico化学発光基質(Pierce、Rockford、IL)で可視化した。ハウスキーピング遺伝子GAPDHを、等量添加のコントロールとして使用した。
共焦点顕微鏡を用いて、以下のようにTSタンパク質の細胞内局在を決定した。肺腺癌細胞株(H23、H125、H292、H322、A549)および大腸癌細胞株(H498、H508、H747、SNU−C2A、SNU−C4)を、Lab−Tekチャンバースライドに直接増殖させた。接着細胞を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄し、PBS中4%のパラホルムアルデヒド中で20分間インキュベートすることによって固定し、そしてPBSで洗浄した。それらを、0.25%Triton−X100/PBS中で1時間透過処理し、そしてPBSで洗浄した。TS(1:100)抗体を結合緩衝液(1%のBSA/0.1%のNP40/PBS)で希釈し、チャンバーに加え、そして1時間インキュベートした。PBS中で洗浄した後、スライドをAlexa Fluor 555抗マウスIgG(Molecular Probes、InVitrogen、Eugene、OR)の1:500希釈物と45分間インキュベートした。スライドをPBSで洗浄し、そしてDAPIを含むProLong Gold退色防止剤(antifade reagent)(Molecular Probes、InVitrogen)を用いてカバーした。ネガティブコントロールとして、同じ手順を、一次抗体無しで行った。サンプルを、63×/1.20NA水浸(water immersion objective)を用いた倒立Zeiss LSM510共焦点顕微鏡によって観察した。核をDAPIによって可視化した。二重光電子増倍管検出器およびLSM5バージョン3.2.0.115ソフトウェアセット(suite)によって画像を作成した。
その結果は、5つの肺癌細胞株における、TSの顕著な細胞質局在が確認されたことを示した(図2A);しかし、核TS発現が全てにおいて観察され、そしてそれはH23において最も低く、そしてA549において最も高かった。対照的に、大腸癌由来の5つの細胞株において、TS発現は主に核であった。
組織マイクロアレイを作成するために、腫瘍標本を、将来を見越して採取し、中性緩衝化ホルマリン(10%v/v)中で固定し、そしてパラフィンワックスに完全に包埋した。組織全体の切片をH&E染色し、そして代表的な腫瘍領域を指定した。直径0.6mmの組織コアを打ち抜いて、そして組織アレイヤー(Beecher Instrument、Silver Spring、MD)を用いて、レシピエントブロックに並べた。厚さ5μmの切片を切断し、4×接着被覆スライド(Instrumedics、NJ)に移し、そして紫外光に30秒間あてて接着を増強した。
インサイチュでのTSタンパク質発現を、周術期の化学療法または照射を受けなかった、完全に切除されたNSCLCを有する全部で187人の患者を含む、2つの複製組織マイクロアレイにおいて、腫瘍細胞質におけるAQUAによって決定した。
自動化定量分析(AQUA)と組み合わせた、免疫蛍光に基づく免疫組織化学(IHC)を用いて、標的分子のインサイチュ発現を評価した。pH6.0の0.01mol/Lのクエン酸ナトリウム中で15分間の電子レンジ処理によって、13個の抗原を回復させた(retrieve)。スライドを、0.3%のBSAで30分間ブロックし、そして次いで一次抗体(マウスクローンTS−106、1:30、#MS−471−P、Lab Vision Corp.、Fremont、CA)と室温で一晩インキュベートした。癌性細胞の同定のために、サイトケラチンに対する抗血清を用いた(ウサギ抗ヒト汎サイトケラチンAE1/AE3、1:200、#Z0622、Dako Cytomation)。スライドを洗浄し、そして2つの異なる二次抗体と1時間インキュベートした(Envision(登録商標)標識ポリマー−HRP抗マウス、#K4007、およびAlexa555ヤギ抗ウサギ、#A21429、1:200、Dako Cytomation)。蛍光増幅のために、スライドをCy5−Tyramide(1:50)に室温で10分間曝露した。それらをDAPI(4’−6−ジアミジノ−2−フェニルインドール)マウント溶液を含むProlong Gold退色防止剤と共にマウントした。最終的な組織マイクロアレイスライドを、SpotGrabberでスキャンし、そして画像データをAQUA(PM−2000、HistoRx、New Haven、Connecticut)で分析した。最も低い可能性のあるAQUAスコアは0であり、そして最も高いものは255である。
その結果を、図2Bに示す。TS発現データを、160/187(86%)人の患者について得た。スポットが切片上に無かった、または処理の間に洗い流されたために、27個の標本に関して、二連の発現データが得られなかった。平均値は5.8から238.6(0−255のスケールで)の範囲であり、メジアンは98.4、および平均は98.3(標準偏差53.0)であった。そのデータはほとんど正規分布であり、そして正規化のためのデータ変換は行わなかった。複製アレイ間でTS発現における有意な関連が存在した(r=0.599、p≦0.001)。
TSタンパク質発現および腫瘍ステージ、組織学、パフォーマンスステータス、体重減少の有無、喫煙状態、または性別の間に、統計学的に有意な関連は存在しなかった(表1)。この患者コホートにおける一次元の腫瘍直径は、0.5から10.8cmの範囲であり、そしてTS発現と有意に関連していなかった(r=0.051、p=0.52)。以前に報告されたRRM1およびERCC1タンパク質レベルと有意な関連は存在しなかった(それぞれr=0.13および−0.07、p>0.1)(Zhengら、N Engl J Med 2007;356:800−08)。
*NR、達しなかった。
最適なカットポイント決定のために最大ログランク法(maximal log−rank method)を用いて、TS発現の25パーセンタイル(40/160人の患者)である、>57.02のレベルを有するものから、≦57.02のレベルを有する患者を分離した場合、最も有意な全生存の差が見られた(図2A)。低TSグループにおけるメジアン生存は51.7ヶ月であり、そして高TSグループでは81.3ヶ月であった(p=0.0013)。この生存の差は、複数の調査(look)のためにp値を調整した後も有意なままであった(p=0.034)。
TSタンパク質発現および腫瘍ステージを含む、最終的な多変量モデルにおいて(表2)、TSは全体の生存期間と有意に関連したままであった(p=0.0013、調整p=0.032)。死亡のハザード比は、高対低TSタンパク質発現に関して0.45であった。
CI、信頼区間
**パフォーマンスステータスは最終的な多変量分析から除かれたので、160人の患者に基づく
***最適なカットポイントの選択の原因となる調整p値。
計画された生存分析に加えて、TS発現および生存の関連の予備的な試験を行った。TS発現をCOX回帰分析に連続変数として含み、そして未調整(p=0.006)および腫瘍ステージに関して調整(p=0.002)した、両方の低いp値を得た。129.33(89パーセンタイル)のAQUAスコアの、TSタンパク質発現の第二のカットポイントも見出した。このカットポイントを生存分析に含むことで、患者の3つの生存グループへの分類を得た(図2B)。最も高いTSグループのメジアン生存は>120ヶ月であり、中程度のTSグループでそれは80.9ヶ月であり、そして最も低いTSグループで51.7ヶ月であった(p=0.002)。
カットポイントとして98.4のサンプルメジアンを用いたTS発現データの二分化(dichotomization)は、高TS発現を有する患者の81.3ヶ月、および低TS発現を有する患者の62.2ヶ月のメジアンOSを明らかにした(p=0.071)。
この実施例における統計学的分析を、以下のように行った。2つの複製読み取り値からのAQUAスコアの平均値を計算し、そして独立した連続変数として処理した。TS mRNA発現の平均を、三連の読み取り値から計算し、そして独立した連続変数として処理した。主な目的は、インサイチュでのTSタンパク質発現および全生存の間の関連を評価することであった。このためにTS発現を先験的に高および低カテゴリーに分類しなかった。その代わりに、最適なカットポイントの決定のために最大ログランク法を用い、そして複数の調査に関してp値を調整した(MillerおよびSiegmund、Biometrics 1982;38:1011−16;HilsenbeckおよびClark、Stat Med 1996;15(1):103−12)。順序付けたTSタンパク質発現の中央80%内のカットポイントを考えた。次いで生存および低および高TS発現の間の関連を、TSタンパク質発現によって決定したカットポイントパーセンタイルを用いて、カプラン・マイヤー生存曲線で要約(summarized)した。潜在的な共変数である腫瘍ステージ、パフォーマンスステータス、性別、RRM1タンパク質発現、およびERCC1タンパク質発現に関して調整しながら、生存期間に対するTSタンパク質発現の影響を評価するために、0.15の有意性の留まる水準(level−to−stay)による後方除去(backward elimination)を用いた多変量コックス回帰分析を行った。RRM1およびERCC1タンパク質発現を、連続変数として含めた。TSタンパク質発現の二分化は、最適な選択によって得られたので、そのコックス回帰p値を調整した。TS mRNA発現および全生存の関連を調査するためにも、最適なカットポイント決定のための最大ログランク法を使用した。
連続変数間の関連を、スピアマンの相関係数を用いて分析した。連続変数および離散変数の間の関連を、離散グループの数に依存して、ウィルコクソン順位和検定またはクラスカル・ウォリス検定を用いて分析した。人口統計学的および臨床的グループの間の生存の差を評価するために、ログランク検定を用いた。
複数の検定を説明する厳密な統計学的アプローチを用いて、その結果は、増加した細胞質TS発現は、生存の延長と関連していたことを示す。2つの予備的な分析が、この発見を支持した。最初に、もし本発明者らがコックス回帰分析によって増加するTSレベルに伴う死亡リスクの減少を先験的に探すことを選択したならば、統計学的に有意な結果(p=0.006)が得られたであろう。第二に、死亡のリスクは、2つの別々のTS発現レベル、57.02および129.33において劇的に変化する。この生存モデルは、患者を下位25%グループ、中位64%グループ、および上位11%グループに分けた。
実施例2−TS mRNA発現
TS mRNA発現を、以下のように、完全に切除したステージIのNSCLCを有する92人の患者由来の新しい凍結腫瘍標本において決定した。新しく凍結した腫瘍標本を、実施例1で記載したのと同じ選択基準を満たす92人の患者について、将来を見越して採取した(表3)。
*NR、達しなかった。
RNAを、腫瘍を構成する>60%の細胞を有する腫瘍標本から単離し、そして逆転写酵素によって、オリゴ−DTおよびランダムプライマーを用いて、cDNAを産生した(QuantiTect Reverse Transcription Kit、Qiagen、Valencia、CA)。約5ngのサンプルcDNAを、リアルタイム技術によるTS発現分析のために三連で用いた(ABI 7900HT、Foster City、CA)。サンプル中のTS mRNAの相対的な量を、閾値サイクルを標準曲線と比較することによって決定し、そして次いでTS量(ABI、HS00426591−m1、アンプリコンサイズ87bp)を、18SrRNA量(ABI、#4319413E)で割ることによって、規準化された量を決定した。
データを85人の患者(92%)から得て、そして発現は0.2から104.3の範囲であり、メジアンは3.5および平均は6.7であった(標準偏差12.9)。mRNAレベルは、腫瘍ステージ、パフォーマンスステータス、体重減少の有無、喫煙状態、または性別と有意に関連していなかった(表3)。しかしそれらは、組織学的サブタイプの間で有意に異なっていた;扁平上皮および大細胞癌と比較して、腺癌においてそのレベルはより低かった(表3)。この患者コホートにおける一次元の腫瘍直径は、1.4から10.8cmの範囲であり、そしてそれらはTS発現と関連していなかった(r=0.135、p=0.218)。
最大ログランク法を、最適なカットポイント決定のために使用し、そして複数の調査に関して調整した後、TS mRNA発現の統計学的に有意なカットポイントは見出されなかった(調整p=1.0)。
32人の患者が両方のデータベースで共通であり、そして従ってタンパク質およびmRNAレベルの両方でTS発現値を有していた。そのレベルの間にゼロに近い関連が存在した(r=0.028、p=0.877)。
統計学的な分析を、実施例1で記載したように行った。
定量的分析のために特別に開発された方法を用いてTSタンパク質およびmRNA発現の間の関連を見出せなかったこれらの結果は、遺伝子の大部分に関して、肺癌においてタンパク質およびmRNAレベルの間の関連の欠如を示す、より最近の報告と一致する(Chenら、Mol Cell Proteomics 2002;1(4):304−13)。
実施例3−切除可能な非小細胞肺癌における、新補助療法、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの臨床的有効性および予測可能な分子マーカー
切除可能な非小細胞肺癌(NSCLC)の管理に、白金を含む化学療法を含むことは、N1またはN2リンパ節に転移性疾患を有する患者の標準的な治療になった(The International Adjuvant Lung Cancer Trial Collaborative Group、N Engl J Med 2004;350:351−360;Wintonら、N Engl J Med 2005;352:2589−2597;Douillard ら、Lancet Oncol 2006;7:719−727)。新補助療法治療は、約33−64%の反応率を生じ(Depierreら、J Clin Oncol 2002;20:247−253;Scagliotti、Proc Am Soc Clin Oncol 2005;23:626s;Gilliganら、Lancet 2007;369:1929−1937;Pistersら、Proc Am Soc Clin Oncol 2007;25:389s)、そしてアジュバント治療は約5−15%絶対的な全生存を増加させる(The International Adjuvant Lung Cancer Trial Collaborative Group、N Engl J Med 2004;350:351−360;Wintonら、N Engl J Med 2005;352:2589−2597;Douillard ら、Lancet Oncol 2006;7:719−727)。しかし、全ての患者を、白金を含むレジメで治療するアプローチは、有効性に関してプラトー(plateau)に達し得た。それに加えて、約1−2%の治療に関連する死亡率を含む、このアプローチに関連する有意な毒性が存在する(The International Adjuvant Lung Cancer Trial Collaborative Group、N Engl J Med 2004;350:351−360;Pistersら、Proc Am Soc Clin Oncol 2007;25:389s)。分子的な腫瘍の特徴を治療の決定に組み込むことは、有効性を改善し、そして毒性を抑制し得る。
この実施例は、選択したレジメの臨床的有効性および耐容性を記載し、そして治療的有効性に対するこれら薬剤の代謝に関わる遺伝子のmRNA発現の予測有用性を調査することを目的とした、切除可能なNSCLCを有する患者における、新補助療法、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの単一施設試験を記載する。
導入補助化学療法および毒性:全部で52人の適格患者、26人の男性および26人の女性、年齢41歳および83歳の間(メジアン67歳)に、少なくとも1回の化学療法を投与した。彼らは2004年4月および2006年4月の間に登録され、そしてその特徴を表4に記載する。
臨床的病期分類を、理学的検査、胸部および上腹部のコンピューター断層撮影(CT)、全身FDGポジトロン放出断層撮影(PET)、脳の核磁気共鳴画像法(MRI)、気管支鏡検査、および縦隔鏡検査によって決定した。NSCLCの組織学的確認;ステージIB−IIIAおよび選択されたIIIB(1つの葉に2つの病変);年齢>18歳;0−1のパフォーマンスステータス(PS);RECISTによる測定可能な疾患;および肺癌のための以前の治療は適格性のために必要ではなかった。これらの基準を、52人の患者が満たした。
ゲムシタビン1,500mg/m2に続いてペメトレキセド500mg/m2による術前化学療法を、1、15、29および43日目に施した。続く化学療法の投与を、適当なら毒性のために遅延または抑制した。患者は、化学療法の1週間前から始めて、毎日350−1,000μgの投与量で葉酸を経口に、および9週間ごとに1,000μgの投与量でビタミンB12を皮下に受容した。全ての毒性を、共通の毒性基準(CTC、バージョン3.0)によって格付けした。
化学療法後、50および63日目の間に、CTおよびPETスキャンを繰り返した。X線写真での反応を、治療後および治療前CTスキャンを比較して、全ての最大の腫瘍直径の合計における変化のパーセンテージ(1−[後病変合計/前病変合計]×100)を計算することによって、および最良の全体反応としてRECISTによっても、連続変数として表した。
切除可能な疾患を有する患者は、64および77日目の間に開胸術を受けた。推奨される手術は、縦隔リンパ節切開を伴う肺葉切除術または肺切除術であった。区域切除または楔状切除は推奨しなかった。切除不能な疾患を有する患者、および不完全な切除を有する患者は、その医師の考えで治療した。全ての患者を、2年間3ヶ月間隔でCTによって追跡した。
42人の患者が、全ての計画された化学療法を時間通りに、そして投与量を抑制せずに投与された。3人の患者が、投与量を抑制せずに投与を遅らせた。その理由は、グレード3の下肢蜂巣炎、グレード2の血小板減少症、およびグレード3の肝酵素上昇であった。7人の患者が、意図された4回の隔週治療より少ない治療を受けた。3人の患者は、腎不全を伴うグレード3の好中球減少性の発熱、グレード3の熱性薬剤反応、および1人の患者は治療に関連した副作用を経験せずに即時の手術を依頼したために、最初のサイクルのみを投与された。3人の患者は、サイクル1および2のみを投与された。その理由は、1人の患者におけるグレード3の下肢静脈炎、および2人の患者におけるグレード3の疲労であった。1人の患者が、サイクル3の後に、おそらくウイルスが原因の間質性肺炎で死亡した;しかし、治療に関連した原因を除外できなかった。
表4に対する説明文
3人の患者において評価されなかった;9人の患者において評価されなかった;完全な腫瘍切除を受けた40人の患者において;診断の前3ヶ月の間に5%と同じまたはそれより多い;生涯非喫煙者は、全部で100本より少ないタバコを吸ったことのある人として定義した;NA、該当なし;21人の患者は、細気管支肺胞性の特徴を有する5人を含んで腺癌を有し、12人は、2人の腺扁平上皮癌、2人の混合腺−および扁平上皮癌、および1人の神経内分泌の特徴を示唆させる大細胞癌を含んで、他のNSCLCサブタイプを有していた;単一の肺葉にある2つの別々の腫瘍小結節のために、2つのT4N0、T4;病理学的疾患反応カテゴリーpPRおよびpNRは、OS(pPR対pNRのハザード比=1.1、p=0.90)またはDFS(pPR対pNRのハザード比=0.87、p=0.78)と有意に関連していなかった。
化学療法に対するX線写真での反応:X線写真での反応の評価は、49人の患者において可能であった。最も良い全体の反応は、1人(2%;95%CI:0.1−10.9%)の患者における完全な寛解(CR)であった;16人(33%;95%CI:20.0−47.5%)において部分的な寛解(PR)、29人(59%;95%CI:44.2−73.0%)において安定な疾患(SD)、および3人(6%;95%CI:1.3−16.9%)の患者において進行性疾患(PD)であった。その反応は、測定可能な病変のサイズにおいて95%の増加から100%の減少までの範囲であった(図3A)。X線写真での疾患反応および臨床パラメーターである年齢(p=0.62)、性別(p=0.96)、パフォーマンスステータス(p=0.94)、体重減少(p=0.88)、喫煙状態(p=0.85)、腫瘍組織学(p=0.95)、およびステージ(p=0.31)の間に、統計学的に有意な関連はなかった(表4)。
化学療法に対する病理学的反応:H&Eによって染色した外科的切除標本の光学顕微鏡による評価における、壊死および/または線維性物質の割合を決定することによって、病理学的反応の評価を行った。これは43人の患者で可能であり、そして0−90%の範囲であった。病理学的CR(≧95%壊死/線維症)の患者はおらず、13人(30%)は病理学的PR(50−94%壊死/線維症)を有し、そして30人(70%)は病理学的反応を有さなかった(pNR)。病理学的疾患反応および臨床パラメーターである年齢(p=0.39)、性別(p=0.65)、パフォーマンスステータス(p=0.18)、体重減少(p=0.69)、喫煙状態(p=0.96)、腫瘍組織学(p=0.43)、およびステージ(p=0.66)の間に、統計学的に有意な関連はなかった。X線写真での反応および病理学的反応の間に関連はあった(Spearman’s rho=0.23);すなわちよりよい臨床反応は、より高い壊死および線維症の割合と関連していたが、それは統計学的に有意ではなかった(p=0.14)。
外科的治療:開胸術を46人の患者において行い、そして40人の患者において完全な切除を行った。32人の患者は肺葉切除術を行い、2人は二肺葉切除術を行い、8人は肺切除術を行い、2人は楔状切除を行い、そして2人は腫瘍の切除を行わなかった。外科的切除において、最初の病期分類と比較して、17人の患者はステージが下がり(down−staged)、17人は変化無く、そして12人はステージが上った(up−staged)。1人の患者が、気管支瘻のT2N1扁平上皮癌のための完全な右上葉および中葉切除の2.7ヶ月後に死亡した。
生存:2008年2月の時点で、20件のイベントが起こり、そして32人の患者が生存していた(5人が再発、そして5人が不完全な切除を受けた)。メジアンOSは>28.0ヶ月であり、完全な外科的切除を受けた患者のメジアンDFSは>21.1ヶ月であった(図4)。12ヶ月および24ヶ月OS率は、84.6%(95%CI:71.6−92.0%)、および71.0%(95%CI:56.5−81.4%)であり、そして対応するDFS率は、それぞれ67.5%(95%CI:50.7−79.7%)および53.0%(95%CI:36.0−67.4%)であった。化学療法に対するX線写真での反応または病理学的反応は、OSまたはDFSと有意に関連していなかった(表4)。
疾患の反応を予測可能な薬理ゲノミクス変数:リアルタイムRTPCRによる遺伝子発現分析に十分な量および質の、治療前腫瘍標本が10人の患者で、そして治療後標本が35人の患者で入手可能であった。ゲムシタビンおよびペメトレキセド治療が、RRM1およびTSのmRNAレベルを変化させたかどうかを評価した。
腫瘍サンプルを、治療前および後に、凍結標本として採取した。採取のために標準的な操作手順は、生検または切除から凍結までの時間を記録することを含んでおり、そして経過時間は全ての症例で30分以下であった。凍結標本を、OCTに包埋し、そして5−7μmの切片に切断した。
腫瘍細胞を、Arcturusシステムを用いたレーザーキャプチャー法(LCM)によって採取した。全RNAを、市販の方法(Arcturus、Mountain View、CA)を用いて抽出し、そしてオリゴdTおよびランダムプライマーを用いてcDNAを産生した。リアルタイム定量的PCR分析を、サンプルあたり三連行った(7900HT、ABI、Foster City、CA)。RRM1のプローブおよびプライマーは、以前に記載したものであった(Beplerら、J Clin Oncol 2004;22:1878−1885)。全ての他の標的遺伝子の発現分析のために、市販で入手可能なプライマーおよびプローブを用いた(表5)。サンプル中のRRM1およびTS mRNAの相対的な量を、記載されたように、標準曲線と閾値サイクルを比較することによって決定した(Beplerら、J Clin Oncol 2004;22:1878−1885)。残りの遺伝子に関して、流体カード(fluidic card)アッセイにおいて、試験サンプルを単一の較正物質(calibrator)サンプルと比較することによって、相対的な定量を行った。cDNAテンプレートを含まないネガティブコントロールを、全ての実験に含めた。
両方の遺伝子に関して、治療前および後のレベルの間に有意な関連が存在し(Spearman’s rho=0.786、p=0.025)、化学療法後の遺伝子発現レベルは、治療前のレベルを表すことを示唆した。しかし、遺伝子発現レベルは、治療によって増加するようである(図5)。全ての続く分析を、35個の治療後標本に対して行った。14遺伝子全ての発現の範囲および他のマーカーの特徴を、表5にまとめる。RRM1のmRNAレベルは、疾患反応と有意に関連していた(rho=0.649、p=<0.001);すなわち、低レベルは腫瘍サイズの抑制を予測し、そして高レベルは腫瘍の増殖を予測した(図3B)。1.68のメジアンと同じまたはそれより低いRRM1発現を有する18人の患者のうち、10人はPRまたはCRを有し、一方高RRM1発現を有する17人のうち2人のみが反応した。TSのmRNAレベルは、同様に疾患反応と関連していた(rho=0.454、p=0.006)(図3D);しかし、データ分析の多重度に関してボンフェローニ補正を用いた後、p値は0.0036のレベルより上であった。3.40のメジアンと同じまたはそれより低いTS発現を有する18人の患者のうち、7人がPRまたはCRを有し、一方高TS発現を有する17人のうち5人のみが反応した。
驚くべきことに、全ての他の遺伝子の発現レベルは、それらも投与された治療の標的と考えられるが、疾患反応と有意に関連していなかった(図3CおよびE);表5に列挙した上の7つの遺伝子は、ゲムシタビン代謝経路にあり、一方表5の下の7つはペメトレキセド代謝に関与し、そしてRRM1およびTSのみが有意な関連を示した(表5の一番右側の列を参照のこと)。
結果
非白金ダブレット、すなわちゲムシタビンおよびペメトレキセドの術前有効性を、外科的に切除可能なNSCLCを有する患者において調査した。この組み合わせの理論的根拠は、両方の薬剤が比較的周知の作用メカニズムを有する代謝拮抗剤であり、両方とも耐容性が高く、そして両方とも有効であり、そして患者の治療に既に組み込まれていることであった。白金に基づく化学療法を利用した、以前の無作為化第III相新補助療法試験は、33%,5、41%,7、49%,6、および64%,4の反応率を報告した。約75%の患者が予定された全ての化学療法を受け、そして化学療法に関連する死亡率は約2%であった。これらの反応率は、35%の反応率よりも高く見えるが、この研究の18/52人の患者は、ステージIIIの疾患を有しており、一方参照試験のうち2つはステージIIIの患者を含まず、5、7、そして他の2つの試験におけるステージIII患者の割合は、それぞれ7%6および47%4であった。ステージIIIの疾患を有する患者における白金に基づく治療による、2つの以前の無作為化新補助療法試験において、報告された反応率は53%(16/30)16および35%(9/26)であった(Rothら、J Natl Cancer Inst 1994;86:673−680)。予測される反応率を、先験的に50%に設定した;その目的は達成されなかった。従って、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの組み合わせは、もし切除可能なNSCLCを有する患者の選択されないグループに投与された場合、白金含有ダブレット(platinum−containing doublet)を超えそうにない。
試験において87%(45/52)の患者が、予定された4サイクルの治療を受けた。5人の患者が、治療に関連するグレード3の毒性のために、4サイクルより少なく受け、そしてこのうち4人は、完全切除の手術を受けた。1人の患者が、推定ウイルス性間質性肺炎によって、手術の前に死亡した。従って、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの組み合わせは耐容性が高く、そして4回の隔週の治療として、白金含有ダブレットを投与し得る患者の割合と少なくとも同じ割合の患者に送達可能である。
これらの薬理ゲノミクス試験は、ゲムシタビンおよびペメトレキセドに対する腫瘍反応の程度は、遺伝子RRM1およびTSの腫瘍発現と関連することを示す。その腫瘍がこれらの遺伝子を低レベルで発現する患者は、高レベルの遺伝子発現を有するものと比較して、腫瘍サイズの抑制を経験する可能性が高い。この関連は、遺伝子RRM1に関して有意であったが、TSに関しては0.0036の有意レベルに達しなかった。全部で14個の遺伝子が、これらの患者において評価されたので、有意性レベルをボンフェローニによって調整した。これは、データ分析の多重性に関して調整するための保守的なアプローチであり、そしてほとんどの相関性調査を、より厳密でない条件下で行う。従って、TS発現および治療に対する反応の間の関連に関してみられた(−)0.454の相関係数は注目すべきであり、そしてさらなる調査を必要とする。
まとめると、記載された臨床的相関性調査は、以前から公知のRRM1発現およびゲムシタビン有効性の間の関係を、ゲムシタビンおよびペメトレキセドの組み合わせまで延長する。それらはまた、TS発現およびこの組み合わせの有効性の間の関連の妥当な証拠を提供する。切除可能なNSCLCを有する選択されない患者のグループにおいて、ゲムシタビンおよびペメトレキセドは、耐容性が高く、35%の客観的なX線写真による反応率を提供する。
さらなる参考文献
他の実施態様
本発明はその詳細な説明に関連して記載されたが、前述の説明は説明することを意図し、そして添付の請求の範囲によって規定される本発明の範囲を制限しないことが理解される。他の局面、利点、および修飾が、以下の請求の範囲内である。

Claims (17)

  1. 被験体に適切な化学療法を選択するための方法であって、該方法は:
    a.該被験体から腫瘍サンプルを取得する工程;
    b.該腫瘍サンプルにおいてリボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)およびチミジル酸シンターゼ(TS)遺伝子発現のレベルを決定する工程;ならびに、
    c.該RRM1およびTS発現レベルに基づいて適切な化学療法を選択する工程であって、該RRM1およびTS発現レベルが参照コホートのメジアンのRRMl発現レベル以下である場合、ゲムシタビンおよびペメトレキセドを含む化学療法が選択される、工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記適切な化学療法を前記被験体に施す工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 第二の化学療法剤を前記被験体に投与する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第二の化学療法剤が、抗チューブリンまたは白金を含む薬剤である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記被験体が、上皮の悪性疾患を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記被験体が、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、頭部および頸部癌または卵巣癌を有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記肺癌が、非小細胞肺癌である、請求項6に記載の方法。
  8. ゲムシタビンおよびペメトレキセドの投与を含む治療に対する被験体の反応を予測するための方法であって、該方法は:
    a.該被験体から腫瘍サンプルを取得する工程;
    b.該腫瘍サンプルにおいてリボヌクレオチド還元酵素M1(RRM1)およびチミジル酸シンターゼ(TS)遺伝子発現のレベルを決定する工程;ならびに
    c.該腫瘍サンプルにおいてRRM1およびTS遺伝子発現レベルに基づいて該治療に対する該被験体の反応を予測する工程であって、RRM1およびTSの低レベルの発現が、該被験体が該治療に対する陽性の反応を有する可能性が高いことを示す、工程
    を包含する、方法。
  9. 前記被験体が、上皮の悪性疾患を有する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記被験体が、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、頭部および頸部癌または卵巣癌を有する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記肺癌が、非小細胞肺癌である、請求項10に記載の方法。
  12. 非小細胞肺癌と診断された被験体のための予後を提供する方法であって、該方法は:
    a.該被験体から腫瘍サンプルを取得する工程;
    b.該腫瘍サンプルにおいて細胞質チミジル酸シンターゼ(TS)タンパク質のレベルを決定する工程;ならびに
    c.該サンプル中の細胞質TSタンパク質のレベルと細胞質TSタンパク質の参照レベルとを比較する工程、
    を包含し、ここで、該参照レベルと比較して該サンプル中の細胞質TSタンパク質の高いレベルは、良好な予後を示し、該参照レベルと比較して細胞質TSタンパク質の低いレベルは、不良な予後を示す、方法。
  13. 前記細胞質TSタンパク質のレベルが、定量的インサイチュ分析方法を使用して決定される、請求項12に記載の方法。
  14. a.患者由来の組織サンプルにおいて、RRM1およびTS発現をアッセイするための試薬、ならびに
    b.説明書、
    を含むキット。
  15. 前記RRM1およびTS発現をアッセイするための試薬が、オリゴdTプライマー、RRM1またはTS cDNAにハイブリダイズする正方向プライマー、RRM1またはTS cDNAにハイブリダイズする逆方向プライマー、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、緩衝液、ならびにヌクレオチドから選択されるグループから選択された試薬の事前に測定された部分を含む、請求項14に記載のキット。
  16. 前記RRM1およびTS発現をアッセイするための試薬が、ウェスタンブロットまたは免疫組織化学的アッセイを行うための、抗RRM1および抗TS抗体ならびに緩衝液の事前に測定された部分を含む、請求項14に記載のキット。
  17. 患者由来の組織サンプルを処理するための試薬をさらに含む、請求項14に記載のキット。
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