JP2010530095A - セキュリティ文書、特に紙幣の認証 - Google Patents

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Abstract

記載されているのは、セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための方法であって、ここで真正のセキュリティ文書は該セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)を含んでなり、該セキュリティ特徴は該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなる。当該方法は以下の工程(i)認証すべき候補文書の表面の、セキュリティ特徴の少なくとも一部を包含する少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)のサンプル画像(c)を取得する工程、(ii)サンプル画像(c)を、該サンプル画像(c)の高解像度の詳細を含む少なくとも一つのスケールサブスペース(d ,d ,d ,...)へ分解することと、該スケールサブスペースから分類特徴(σ,C,...)を抽出することとによって前記サンプル画像(c)をデジタル処理する工程、及び(iii)抽出された分類特徴(σ,C,...)に基づいて候補文書の真正評価を導き出す工程を含んでなる。
【選択図】図10b

Description

本発明は概して、セキュリティ文書、特に紙幣の認証に関する。より正確には、本発明は、セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための方法に関し、ここで真正のセキュリティ文書は該セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴を含んでなり、該セキュリティ特徴は該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなる。本発明はさらに、該認証方法の一部を実行するのに適したデジタル信号処理ユニット、該認証方法を実行するための装置、該認証方法によるセキュリティ文書の認証を最大限に利用することを目的としたセキュリティ文書を製造するための方法、並びにセキュリティ文書、特に紙幣に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴を検出するための方法に関する。
セキュリティ文書、特に紙幣の偽造は、世界中の産業及び経済にとって主要な関心であり、これからもあり続ける。ほとんどの偽造紙幣は、消費者市場でいかなる利用者も容易に手に入れられる一般的な画像及び印刷機器を用いて製造される。スキャナ及びカラーコピー機、並びにインクジェット印刷、熱印刷及びレーザ印刷といった広く知られた印刷プロセスを利用する高解像度カラープリンタの出現によって、大量の偽造セキュリティ文書の製造がどんどん容易になっている。ほとんどの偽造紙幣は、上述の画像及び印刷機器手段によって製造され、それらは「カラーコピー」と指定できる。
オフセット印刷された偽物、又は業務用オフセット印刷機を用いて印刷された「オフセット偽造物」も存在する。これらの偽造物は大抵、スクリーンオフセット(つまり業務用オフセット印刷に特徴的なラスタ結合又はマルチカラースクリーンを用いて)及び/又はラインオフセット(つまりスクリーン又はラスタ結合なしで)で印刷される。
ほとんどの本物の紙幣は、凹版印刷、表裏見当精度の高いラインオフセット印刷、及び凸版印刷により作成された高品質の印刷特徴を組み合わせている。特に凹版及びラインオフセットでは印刷鮮鋭度(シャープネス)の高い高解像度パターンの作成が可能である。凸版印刷は典型的に、シリアル番号といった可変情報の印刷に使用される。紙幣に他の特徴を印刷又は付与するために、例えばシルクスクリーン印刷、箔押し、レーザマーキング、又は穿孔等、さらなる印刷又は処理技術も開発されている。
紙幣及び同様のセキュリティ文書の製造に関連するプロセスにいくらかの知識がある当業者であれば、偽造された文書を本物の文書と見分けることはそれほど困難ではない。通常、拡大鏡といった簡単な手段を用いて偽造文書を間近で見ることで、既に述べたようなほとんどの紙幣に存在する凹版印刷されたセキュリティパターンといった、本物のセキュリティ文書に固有の特徴を即座に識別することが可能である。しかし、これには、必ずしも人々に広く知られていないセキュリティ印刷についての多少の専門知識及び情報が必要である。実際には、ほとんどの個人は、偽造物又はコピーの全体的外観が本物の文書のものと実質的に同様であると、比較的容易に偽物に騙されてしまう。このことは、紙幣偽造の関連だけでなく、小切手、収入印紙、身分証明書、及び旅券等といった他の種類の重要な文書についても問題を呈する。
機械ベースのセキュリティ文書の認証、つまり自動販売機、現金自動預け払い機(ATM)、紙幣受入機(note acceptors)及び同様の金融取引機械といった文書処理システムでの自動認識もまた偽造に影響される。実に、赤外、発光及び/又は磁気マーキングといった、本物の文書に存在する機械で読み取り可能なセキュリティ特徴も複製した、セキュリティ文書のさらに高度な偽造が見つかることも稀ではない。実際に、ほとんどの機械ベースの認証システムは基本的にこういった機械で読み取り可能な特徴に注目し、セキュリティ文書に印刷、付与又は設けられた目に見えるセキュリティ特徴の実際の目視検査は全く又はほとんど行わない。
言い換えれば、セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴(特に凹版パターン、ラインオフセットパターン、凸版印刷パターン、及び/又は光学的回折構造)は、機械ベースの認証との関連ではほとんど開発されていない。
例外は、いわゆるISARD技術であり、これはオランダの国立銀行に代わって60年代後半にTNO応用物理研究所によって発明及び開発されたものである。ISARDは凹版の走査及び認識装置(Intaglio Scanning And Recognition Device)を表し、凹版印刷に特徴的な浮き彫り形状の測定に基づく。当該認証原理の考察は例えば以下の論文に見られる:
[Ren96] Rudolf L. van Renesse, Optical Inspection techniques for Security Instrumentation", IS&T/SPIE's Symposium on Electronic Imaging, Optical Security and Counterfeit Deterrence Techniques I, San Jose, California, USA (January 28-February 2, 1996), Proceedings of SPIE vol. 2659, pp. 159-167;
[Hei00] Hans A.M. de Heij, De Nederlandsche Bank NV, Amsterdam, the Netherlands, "The design methodology of Dutch banknotes", IS&T/SPIE's 12th International Symposium on Electronic Imaging, Optical Security and Counterfeit Deterrence Techniques III, San Jose, California, USA (January 27-28, 2000), Proceedings of SPIE vol. 3973, pp. 2-22;及び
[Hei06] Hans A.M. de Heij, De Nederlandsche Bank NV, Amsterdam, the Netherlands, "Public feedback for better banknote design", IS&T/SPIE's International Symposium on Electronic Imaging, Optical Security and Counterfeit Deterrence Techniques VI, San Jose, California, USA (January 17-19, 2006), Proceedings of SPIE vol. 6075, 607501 , pp. 1-40.
ISARD認証原理及び該原理を実行するための装置はまた、特許公報GB1379764(NL7017662に対応)、NL7410463、NL9401796及びNL9401933に開示されている。
ISARDアプローチの問題は、それが、文書の磨耗及び使用の程度、及び紙幣の基材にあるしわに大きく依存する点であり、これらの要素は凹版に刷り込まれた実際の浮き彫り形状に直接影響する。ISARD技術は例えば、オランダの50ギルダー「ひまわり」紙幣(1982年発行)で、並びに現行のユーロ紙幣([Hei06]参照)で、凹版印刷された複数の平行するラインのパターンとして適用された。実際には、ISARDは、ネイルスクラッチテストを実行することで(つまり、複数の平行する凹版ラインのパターンを爪で擦ることによって)主に人々に広く活用された、及びされている。
偽造に対抗し且つ場合によっては機械ベースの認証を可能にするためのさらなる解決策は、例えばインクに取り込まれたか又は紙に埋め込まれた希土類成分といった特定のタガント物質を用いることによって、或いはいわゆる電子透かし技術を用いて印刷パターン自体に認証コーディングを隠すことによって、セキュリティ文書そのものに特定の認証コーディングを組み込むことにありうる。しかしながら、セキュリティ文書への特定の認証コーディングの組み込みは、デザイン及び/又は製造段階での文書の特定の処理と、それに対応する特別に工夫された認証技術とを意味する。その結果、これによりセキュリティ文書のデザインプロセス及び/又は製造プロセスに適するようにデザイン者及び/又は印刷機への負担が増し、また認証プロセスのためにも特定の検出技術が用いられなければならなくなる。
印刷されたパターンに特定のコーディングを組み込むことに基づく解決策は例えば、欧州特許出願EP1864825A1(国際出願番号WO2006/106677A1の欧州段階に対応)に開示されており、該文献は、情報が印刷されたデザイン、特に組みひも飾りパターンに埋め込み(又はコード)されており、パターンのサンプル画像をフーリエ変換することで該情報が検出できるようにした印刷物、及び該印刷物から情報を抽出するための方法を開示している。情報のコーディングは、平行/同心曲線の画像要素間の間隔を空間的に変調することによって行われる。こういった空間変調は、パターンのサンプル画像のフーリエ変換されたスペクトル画像のスペクトルピークを生成することとなり、該スペクトルピークは印刷されたデザインに埋め込まれた情報を表し、よってデコードすることができる。より詳細には、欧州特許出願EP1864825A1によると、エンコードされた情報はスペクトルピーク強度を調べることで抽出される。
当該アプローチの欠点は、特定のコーディングが、デコーディングできるように特別な方法で印刷パターンに埋め込まれなければならない点である。したがって、当該アプローチはデザイナに多大な制限を課し、デザイナは印刷パターンをデザインするために特定のデザインルールに従わなければならない。実際には、欧州特許出願EP1864825A1の教示は基本的に、当該文献の図面を見て容易に理解できるように、組みひも飾りパターンに情報を埋め込むことに限定されている。
欧州特許出願EP1864825A1に開示されたアプローチは例えば、個人証明書(身分証明書、運転免許証等といった)に、該個人証明書の所有者/所持者に関する情報をエンコードすることを目的に適用される。所有者によって異なる情報は、個人証明書に印刷された組みひも飾りパターンにエンコードされる。組みひも飾りパターンに埋め込まれた情報は使用者によって異なるので、これにより、同様の個人証明書を偽造することがより難しくなる。しかしながら、原本と同様の解像度で作られた個人証明書のコピーは何れも、原本と全く同じ情報を示すこととなる。よって当該アプローチは、使用者によって異なる情報を載せることを意図したセキュリティ文書の認証に主に適している(つまり例えば紙幣の場合は当てはまらない)。
米国特許番号5884296は、文書の画像に含まれる一ブロック領域の画像の属性を識別するための装置を開示し、該装置は、該ブロック領域の画像データに基づくフーリエ変換の実行と、該ブロック領域の画像に関する空間周波数スペクトルの決定とに関与する。フーリエ変換から出力された空間周波数スペクトルに基づき、ブロック領域の画像の属性が網点画像であるかどうかについての識別結果を出力するためにニューラルネットワークが開発されている。該装置は特に、画像品質の向上を目的としてデジタルコピー機での使用が意図されている。米国特許番号5884296の装置はさらに特に、コピー文書で良好な画像品質を生み出すために属性を別個に処理する必要のあるテキスト画像、写真画像及び/又は点画像を混ぜこぜに含む文書をコピーする関連での使用が意図されている。米国特許番号5884296はセキュリティ文書の認証問題に取り組むものでは全くなく、むしろ画像の異なる属性間の識別を向上するための解決策に関する。
欧州特許出願番号EP1484719A2は、基準となる文書、例えば紙幣のテンプレートを開発し、及び該テンプレートを用いて他の検査文書の有効性を確認する、特にATMで通貨を認証するための方法を開示している。当該方法は、複数の基準となる文書、例えば真正の紙幣の画像を用いることと、同様の方法で各画像を複数のセグメントに分割することを伴う。各セグメントは、参照分類パラメータを決定するために単一階層分類子を用いて分類される。これらのパラメータは閾値参照分類パラメータを定義するために用いられる。よって、検査文書の認証は、該検査文書の固有の特徴を見ることではなく、該検査文書の画像を生成されたテンプレートと比較することによって実行される。
したがって、より単純且つ効率的なアプローチであって、特に、新規のデザイン及び/又は製造プロセスをほとんど利用せず、従来のほとんどの真正な紙幣に一般的に存在する固有のセキュリティ特徴、特に特徴的及び固有の凹版パターンの特徴の利用を試みるアプローチが必要とされている。
したがって、本発明の総体的な目的は、セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための周知の方法を改善することである。
より正確には、本発明のさらなる目的は、セキュリティ文書に従来から典型的に印刷、付与、又は設けられているセキュリティ特徴の固有の特徴、特に凹版印刷パターンの固有の特徴を利用する方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、真正の(本物の)セキュリティ文書とそのコピー又は偽造物との確実且つ効率的な区別を可能とする解決策を提供することである。
本発明のまた別の目的は、自動文書処理システム(自動販売機、ATM等といった)で現在知られている解決策よりも簡単に実施できる解決策を提供することである。
これらの目的は、請求項に定義された解決策によって達成される。
本発明によると、セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための方法が提供され、ここで真正のセキュリティ文書は該セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴を含んでなり、該セキュリティ特徴は該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなり、当該方法は、以下の工程:
−認証すべき候補文書の表面の、セキュリティ特徴の少なくとも一部を包含する少なくとも一つの関心領域のサンプル画像を取得する工程;
−サンプル画像を、該サンプル画像の高解像度の詳細を含む少なくとも一つのスケールサブスペースへ分解することと、該スケールサブスペースから分類特徴を抽出することとによってサンプル画像をデジタル処理する工程;及び
−抽出された分類特徴に基づいて候補文書の真正評価を導き出す工程
を含んでなる。
好適には、サンプル画像のデジタル処理は、(i)細かいスケールでサンプル画像の高解像度の詳細を表現する少なくとも一組のスペクトル係数を導き出すためにサンプル画像の変換を実行すること、及び(ii)分類特徴を抽出するために該スペクトル係数を処理することを含む。
さらに好適には、変換は、ウェーブレット変換、有利には、例えばHaarウェーブレット変換、Daubechiesウェーブレット変換、及びPascalウェーブレット変換からなる群から選択される離散ウェーブレット変換(DWT)である。他のいかなる適切なウェーブレット変換又はその派生も用いられうる。
スペクトル係数(ウェーブレット変換の関連で「ウェーブレット係数」と称する)の処理は好ましくは、スペクトル係数の統計的分布の処理の実行を含む。この統計的処理は特に、算術平均(統計の一次モーメント)、分散(統計の二次モーメント)、歪度(統計の三次モーメント)、過剰(統計の四次モーメント)、及び前記スペクトル係数の統計的分布のエントロピーからなる群から選択される少なくとも一つの統計パラメータの計算を含みうる。
サンプル画像の分解は有利には、サンプル画像の多重解像度解析(MRA)の一又は複数回の反復の結果行われる。
本発明によると、セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための方法がまた提供され、ここで真正のセキュリティ文書は該セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴を含んでなり、該セキュリティ特徴は該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなり、当該方法は、認証すべき候補文書の表面の少なくとも一つの関心領域のサンプル画像をデジタル処理する工程を含んでなり、該デジタル処理はサンプル画像の多重解像度解析の一又は複数回の反復の実行を含む。
上述の方法は、同一の候補文書の複数の関心領域に対応する複数のサンプル画像のデジタル処理を行ってよい。
本発明の好適な実施例によると、サンプル画像は比較的低解像度、つまり600dpiより低く、好ましくは300dpiで取得できる。試験では、サンプル画像に高いスキャン解像度は全く必要ないことが示された。このことは、低解像度によってサンプル画像の取得に必要な時間が短縮され、且つ所定の表面領域について処理すべきデータ量が低減され、したがって当該方法の実際の実施が実質的に容易になる点で特に有利である。
本発明の範囲内で、認証を目的として利用されるセキュリティ特徴は好適には主に凹版パターンを含む。それでも、セキュリティ特徴は、凹版パターン、ラインオフセットパターン、凸版印刷パターン、光学的回折構造(つまりセキュリティ印刷機で実行されるプロセスに固有のパターン又は構造)、及び/又はそれらの組み合わせを含んでよい。
認証評価の最適化は、選択された関心領域が確実に高密度(高空間周波数)のパターン(好ましくは直線又は曲線凹版印刷パターン)を含むようにすることで達成される。パターンは特に、候補文書に設けられた絵画的表現、例えば肖像画のパターンでありうる。
また、上記方法にしたがって認証すべき候補文書の表面の少なくとも一つの関心領域のサンプル画像の画像データを処理するためのデジタル信号処理ユニットも請求され、該デジタル信号処理ユニットはサンプル画像のデジタル処理を実行するためにプログラムされており、該デジタル信号処理ユニットはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)ユニットに有利に実装可能である。
同様に、サンプル画像を取得するための光学系と、サンプル画像のデジタル処理を実行するためにプログラムされたデジタル信号処理ユニットとを備えた、上記方法にしたがってセキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための装置が特許請求される。
さらに、セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられるべきセキュリティ特徴を設計する工程を含んでなる、セキュリティ文書、特に紙幣を製造するための方法が請求され、ここでセキュリティ特徴は、前記少なくとも一つのスケールサブスペースに特徴的な反応を生じさせることによって上記方法にしたがって計算される真正評価が最適化されるように設計される。
セキュリティ文書、特に紙幣の認証のためのウェーブレット変換及び多重解像度解析の使用もまた請求される。
最後に、セキュリティ文書、特に紙幣に印刷、付与、又は設けられた、該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなるセキュリティ特徴を検出するための方法が提供され、当該方法は、候補文書の表面の少なくとも一つの関心領域のサンプル画像をデジタル処理する工程を含んでなり、該関心領域は前記セキュリティ特徴の少なくとも一部を含むように選択され、該デジタル処理は前記セキュリティ特徴に特徴的な分類特徴を抽出するためにサンプル画像の多重解像度解析の一又は複数回の反復の実行を含む。当該方法は凹版印刷パターンの検出に特に有利に適用される。
本発明の他の特徴及び利点は、単に非制限的な例によって示され、そして添付の図面によって図示される本発明の実施例の以下の詳細な記載を読むことによってさらに明確になるであろう。
例としての紙幣見本のグレースケールのスキャンである。 図1aの紙幣見本の右上隅部分のグレースケールの写真である。 図1aの紙幣見本の拡大図である。 図1aの紙幣見本の拡大図であり、図2aで白く四角に囲んで示した領域に相当する。 図1aの紙幣見本の第一のカラーコピーの拡大図である。 図1aの紙幣見本の第一のカラーコピーの拡大図であり、図3aで白く四角に囲んで示した領域に相当する。 図1aの紙幣見本の第二のカラーコピーの拡大図である。 図1aの紙幣見本の第二のカラーコピーの拡大図であり、図4aで白く四角に囲んで示した領域に相当する。 1レベル(一回の反復)の離散ウェーブレット変換の概略図である。 第三段階(三回の反復)の離散ウェーブレット変換の概略図である。 多重解像度解析(MRA)の原理を図示した概略図である。 二次元ウェーブレット変換の第一の反復を図示したものである。、 図7aに図示した第一の反復に続く、二次元ウェーブレット変換の第二の反復を図示したものである。 二次元ウェーブレット変換を実行するためのいわゆる「非標準的分解」法の略図である。 二次元ウェーブレット変換を実行するためのいわゆる「標準的分解」法の略図である。 図2bに図示した関心領域に相当する画像データに加えられた二次元ウェーブレット変換の第一反復の結果を図示したものである。 図10aに示した図2bに図示した関心領域に相当する画像データに加えられた二次元ウェーブレット変換の第一反復の結果を図示したもので、詳細なサブ(部分)画像をより良い視覚表示のために正規化したものである。 より良い視覚表示のために正規化された詳細なサブ画像(図10bに図示)を組み合わせた結果を示し、図2bの画像を処理した結果を示す。 より良い視覚表示のために正規化された詳細なサブ画像(図10bに図示)を組み合わせた結果を示し、図3bの画像を処理した結果を示す。 より良い視覚表示のために正規化された詳細なサブ画像(図10bに図示)を組み合わせた結果を示し、図4bの画像を処理した結果を示す。 図2b,3b及び4bの画像の1レベルのウェーブレット変換の結果生じたウェーブレット係数の統計的分布を図示する九つのヒストグラムを示し、上三つ、真ん中3三つ、及び下三つのヒストグラムはそれぞれ、ウェーブレット変換の結果生じた水平方向の詳細、垂直方向の詳細、及び対角方向の詳細を示す。 ウェーブレット係数の統計的分布の特徴付けに用いることができる二つの統計パラメータ、つまり歪度(統計において三次モーメントとも称される)及び過剰尖度(統計において四次モーメントとも称される)の略図である。 水平方向の詳細について図2b,3b及び4bの画像の1レベルのウェーブレット変換から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布の分散、つまり分散度を図示する三つの棒グラフである。 垂直方向の詳細について図2b,3b及び4bの画像の1レベルのウェーブレット変換から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布の分散、つまり分散度を図示する三つの棒グラフである。 対角方向の詳細について図2b,3b及び4bの画像の1レベルのウェーブレット変換から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布の分散、つまり分散度を図示する三つの棒グラフである。 ユーロ導入前にドイツで1991年から2001年の間に発行された5ドイツマルク紙幣の表側に載っているベッティーナ・フォン・アルニムの凹版印刷された肖像画の一部の拡大図である。 ユーロ導入前にドイツで1991年から2001年の間に発行された5ドイツマルク紙幣の表側に載っているベッティーナ・フォン・アルニムの凹版印刷された肖像画の一部のまた別の拡大図である。 5ドイツマルク紙幣の二つの原本見本(図A及びB)及び四つのカラーコピー(図CからF)の実質的に同一の領域の六つのグレースケールのスキャンを示したものである。 図16aの画像の1レベルのウェーブレット変換の結果生じたウェーブレット係数の統計的分布を図示した六つのヒストグラムであり、各ヒストグラムは組み合わされたウェーブレット係数(つまり水平方向の詳細、垂直方向の詳細、及び対角方向の詳細の組み合わせ)の統計的分布を示す。 図16bの左上隅と右下隅のヒストグラムを例示的に重ね合わせたものである。 5ドイツマルク紙幣の五つの原本見本(候補1から5)及び六つのカラーコピー(候補6から11)からなる11の候補文書の同一の関心領域(図15b及び16aに図示された)に対応する画像データの1レベルのウェーブレット変数から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布の分散を図示した棒グラフである。 図18aと同一の5ドイツマルク紙幣の11の候補文書の同一の関心領域(図15b及び16aに図示された)に対応する画像データの1レベルのウェーブレット変換から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布の過剰尖度、つまり「ピーク度(peakedness)」の程度を図示した棒グラフである。 候補文書を分類するために用いられた例示的な特徴空間の略図であり、ここで、候補文書を前記特徴空間に位置付けるためにウェーブレット係数の統計的分布の分散及び過剰尖度が(X;Y)座標として用いられる。 図19と同様の例示的な特徴空間の略図であり、原本見本及びカラーコピーを含む複数の候補文書が、分散及び過剰尖度を(X;Y)座標として用いて特徴空間に示されている。 本発明の方法によってセキュリティ文書の真正を確認するための装置の概略図である。 本発明による方法の要約的なフローチャートである。
本発明は、セキュリティプリンタにのみ利用可能な特定の製造プロセスを用いてセキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴、特に凹版印刷された特徴は、関連する特定の製造プロセスに関する知識を持つ適格者によって認識可能な非常に特徴的な視覚的特徴(以下「固有の特徴」と称する)を呈するという見解に基づく。
以下の論議は、凹版印刷によって作られた固有の特徴の分析に焦点を合わせる。しかしながら、同様のアプローチは当然、紙幣の他の固有の特徴、特にラインオフセット印刷された特徴、凸版印刷された特徴、及び/又は光学的回折構造にも適用可能である。本出願人が実施した試験の結果は、凹版印刷された特徴が、本発明による認証に非常に適しており、さらには最良の結果を出すことを示した。これは特に、凹版印刷が、非常に細かく、高解像度で且つ明瞭なパターンを印刷できるという事実による。したがって凹版印刷は、本発明の関連で用いられる固有の特徴の製造に好ましいプロセスである。
図1aは、本出願人により2004年に製造されたジュール・ベルヌの肖像画を示す例示的な紙幣見本1のグレースケールのスキャンである。当該紙幣見本1は、特に、紙幣の多色背景10の印刷のためにラインオフセット印刷、平面天球図20及び六分儀21のモチーフを含む光学的可変インクパターンの印刷のためにシルクスクリーン印刷、紙幣の高さに沿って垂直に延びる光学的回折構造を持つ帯状の材料30(この帯30は図1aにおいて二本の点線で概略的に区切られている)を含む光学的可変デバイスを貼り付けるための箔押し技術、ジュール・ベルヌの肖像画41を含む複数の凹版パターン41から49を印刷するための凹版印刷、二つのシリアル番号51,52を印刷するための凸版印刷、及び保護用ニスの層で紙幣にニスを塗るためのニス塗りを含む紙幣製造に特有の印刷及び処理技術を組み合わせて用いて製造された。当該紙幣見本1はまた、見本の右側に印60を備え、該印60は帯30及び下層のオフセット印刷されたインク層(参照せず)の部分的レーザアブレーションにより付与される。図示した例で、肖像画41(垂直方向の年号2004及び肖像画を囲む絵画的モチーフとともに)、ペガサスを含む「KBA−GIORI」のロゴ42、「KBA−GIORI」43及び「見本(Specimen)」44の表示、及び紙幣の三隅と右側及び左側の触覚パターン45から49は、ラインオフセット背景10、シルクスクリーン印刷されたモチーフ20,21及び帯状材料30の一番上に凹版印刷で印刷された。凹版印刷段階の後に、シリアル番号51,52が印刷され、ニス塗りが行われた。さらに当然のことながら、紙幣見本1は、枚葉給紙(シートフィード)印刷及び処理装置(本出願によって供給された)で製造され、印刷された各シートには、最終的に製造プロセスの最後に個々の紙幣に裁断される複数の紙幣見本が配列されている(当該技術分野では通例)。
図1bは、ペガサス42を伴った「KBA−GIORI」の凹版印刷されたロゴと、ペガサス42と45度の角度で部分的に重なる一組の平行するラインを含んでなる触覚パターン45とをより詳細に示す、図1aの紙幣見本の右上隅のグレースケールの写真である。凹版印刷の特徴的なエンボス加工及びリリーフ効果、並びに印刷の鮮鋭さが、当該写真で明らかに見ることができる。
図2aは、図1aの肖像画41の左側部分のより詳細な表示である(パターン20,21及び44も図2aで部分的に見られる)。図2bは、肖像画41の四角で囲んだ部分(又は関心領域R.o.l.)の拡大図であり、該四角部分は図2aで白く四角に囲まれて図示されている。図2bは、肖像画41を構成する凹版パターンの特徴的な固有の特徴のいくつかを示す。後の信号処理に用いられる関心領域R.o.l.は、文書の大きな表面領域に亘る必要はない。むしろ、試験では、認証のためには5cm未満の表面領域で十分であることが示された。
図3a,3b及び4a,4bは、図1aに示した紙幣見本の二つのカラーコピーである図2a,2bと同様のグレースケールの画像であり、該コピーは市販のカラーコピー機器を用いて作られたものである。図3a及び4aのそれぞれにおいて、白く四角に囲まれた部分はそれぞれ、図3b及び4bの拡大図で示される肖像画の関心領域R.o.l.に対応する。図3a,3bに図示された第一のカラーコピーは、エプソンのインクジェットプリンタ及びエプソンの写真紙を用いて作られた。図4a,4bに図示された第二のカラーコピーは、キヤノンのインクジェットプリンタ及び普通紙を用いて作られた。高解像度のスキャナを用いて、原本見本をスキャンし、インクジェットプリンタに必要な入力データを供給した。
両方のカラーコピーの全体的な外観は原本見本と同様に見えるが、図3b及び4bに図示されたように、肖像画を形成するコピーされた凹版パターンの構造をよく見ると、該構造が原本見本(図2b参照)ほど明瞭でなく、インクジェット印刷プロセス及び使用された紙の性質の結果、これらの構造がいくらかぼやけて且つ平滑化して見えることがわかる。図3b及び4bに含まれる画像情報は、図2bに図示された原本見本の情報とは明らかに異なっている。本発明はしたがって、図2a,2bの原本且つ真正の見本と、図3a,3b及び4a,4bのカラーコピーとを識別するために、どのようにこの相違を取り出して活用できるかを定義する方法に関する。以下の説明はこの問題に対して行われる。
上記で示唆したように、凹版印刷パターンの固有且つ特徴的な特徴は特に高い印刷鮮鋭度である一方で、インクジェット印刷されたコピーは、特にデジタル処理及び印刷が原因で大幅に低い印刷鮮鋭度を呈する。カラーレーザ印刷されたコピー、並びに熱昇華処理により得られたコピーについても同じことが言える。この相違は、図2b,3b及び4bといった認証すべき候補文書の拡大図(又は関心領域)に含まれる画像データを、画像の高解像度の詳細を含む少なくとも一つのスケールサブスペースへ分解することと、このスケールサブスペースから代表的な分類データを抽出することとによって取り出すことができ、これについては以下でより詳細に説明する。
好適には、画像の分解は、いわゆるウェーブレット(フランス語で「ondelettes」)に基づくデジタル信号処理技術を実行することによって行われる。ウェーブレットとは、所与の関数又は信号を異なるスケール成分に分けるために用いられる数学関数である。ウェーブレット変換(wavelet transformation又はwavelet transform)は、ウェーブレットによる関数又は信号の表現である。ウェーブレット変換には、不連続でピークの鋭い関数及び信号を表す従来のフーリエ変換を超える利点がある。本発明によると、いわゆる離散ウェーブレット変換(DWT)の特性が特に有効に活用され、これについては以下で論じる。
当然、フーリエ変換(例えば欧州特許出願EP1864825A1及び米国特許番号5884296に記載の解決策との関連で用いられたような)をウェーブレット変換になぞらえることはできない。実際、フーリエ変換は、スケールについては何ら識別することなく、単に処理された画像を、画像の関連する空間周波数成分を示すスペクトルに変換することに関与する。
ウェーブレット理論は当該技術分野で周知であり、本主題については複数の書籍で幅広く議論及び説明されているので、本明細書において詳細には論じない。興味のある読者は例えば、ウェーブレット理論について以下の書籍及び論文を参照できる:
[Mal89] Stephane G. Mallat, "A Theory for Multiresolution Signal Decomposition: The Wavelet Representation", IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 11, No. 7 (July 7, 1989), pp. 674-693;
[Dau92] lngrid Daubechies, "Ten Lectures on Wavelets", CBMS-NSF Regional Conference Series in Applied Mathematics 61, SIAM (Society for Industrial and Applied Mathematics), 2nd edition, 1992, ISBN 0-89871-274-2;
[Bur98] Sidney C. Burrus, Ramesh A. Gopinath and Haitao Guo, "Introduction to Wavelets and Wavelet Transforms: A Primer", Prentice-Hall, Inc., 1998, ISBN 0-13-489600-9;
[Hub98] Barbara Burke Hubbard, "The World According to Wavelets: The Story of a Mathematical Technique in the Making", A K Peters, Ltd., 2nd edition, 1998, ISBN 1-56881-072-5;
[Mal99] MALLAT, Stephane, "A wavelet tour of signal processing", Academic Press, 2nd edition, 1999, ISBN 0-12-466606-X;及び
[Wal04] WALNUT, David F. "An Introduction to Wavelet Analysis", Birkhauser Boston, 2nd edition, 2004, ISBN 0-8176-3962-4
ウェーブレットは、ウェーブレット関数(又は「マザーウェーブレット」)Ψ及びスケーリング関数(又は「ファザーウェーブレット」)Φによって便宜に表現できることを理解すれば十分である。実際にはウェーブレット関数Ψは、信号スケール/スペクトルの上半分をフィルタリングするバンドパス/ハイパスフィルタとして表すことができ、一方スケーリング関数Φは、信号スケール/スペクトルの残る下半分をフィルタリングするローパスフィルタとして表すことができる。この原理は、信号スケール/スペクトルを二つの均等なスペクトル領域部分に分ける、関数h(n)を用いるローパスフィルタ及び関数g(n)を用いるハイパスフィルタを含んでなる1レベルデジタルフィルタバンクとして図5aに概略的に図示されている。離散サンプル信号x(n)の1レベルウェーブレット変換は、当該サンプル信号x(n)を図5aのフィルタバンクに通すことと考えることができる。基本的に信号x(n)及び関数h(n)の畳み込み*の結果であるローパスフィルタの出力yLOW(n)は、スケーリング関数変換係数、又は簡単に「スケーリング係数」(近似係数とも称される)を含んでなり、一方、同様に信号x(n)及び関数g(n)の畳み込み*の結果であるハイパスフィルタの出力yHIGH(n)は、ウェーブレット関数変換係数、又は簡単に「ウェーブレット係数」(詳細係数とも称される)を含んでなる。
各フィルタは信号x(n)のスペクトル成分の半分をフィルタリングするため、フィルタリングされたサンプルの半分はナイキストの定理にしたがって切り捨てられる。よって、図2でローパス及びハイパスフィルタの出力は1/2にダウンサンプルされ(故に図5aで各フィルタの後にダウンサンプリングの記号「↓2」がある)、これは二つに一つのサンプルが切り捨てられることを意味する。
当該アプローチにより、信号は、プロセスを繰り返し反復することによって、つまりローパスフィルタによって出力された近似係数を後続の同様のフィルタ段階に送ることによって、異なるスケール(又は解像度)に対応する複数のウェーブレット係数に分解することができる。当該アプローチは、多重解像度解析又はMRA([Mal89]参照)として知られ、3レベル多重解像度解析の場合が図5bに概略的に図示されている。図5bで理解されるように、フィルタバンクは実際には、前フィルタ段階でローパスフィルタリングされた出力が後続のフィルタ段階で再びフィルタリングされる、3レベルフィルタバンクである。
図5bで、信号x(n)は実質的に、三つの別個のスケールに対応する四つの信号成分、つまり(i)信号x(n)と比較してサンプル数の半分を含んでなる、第一のスケールでの詳細係数(レベル1係数)、(ii)信号x(n)と比較してサンプル数の1/4を含んでなる、第一のものとは異なる第二のスケールでの詳細係数(レベル2係数)、及び(iii)近似係数、及び(iv)それぞれが信号x(n)と比較してサンプル数の1/8を含んでなる、第三のスケールでの詳細係数(レベル3係数)に分解される。
実際に、離散サンプル信号は最終的に、サンプル信号が2サンプルを含む限り、異なるスケールの一組の詳細係数(ウェーブレット係数)に完全に分解でき、ここでNは信号をウェーブレット係数に完全に分解するために必要な反復又はレベルの数である。
要するに、多重解像度解析(MRA)、或いは多重スケール解析は、ウェーブレット変換に基づく信号処理技術を指し、それにより、図6の略図に概略的に図示されたように信号の細かい詳細(高解像度成分)から粗い詳細(低解像度成分)に亘る異なるスケールの複数のネストされたサブスペースに分解される。
本発明によると、本物のセキュリティ特徴の固有の特徴、特に凹版パターンの固有の特徴は、認証すべき候補文書の画像の、より粗い低解像度の詳細ではなく細かい高解像度(細かいスケール)の詳細を特に見ることによって識別されることとなる。
これまで、ウェーブレット理論は一次元信号の処理との関連でのみ論じられてきた。しかし画像は二次元信号としてみなされるべきであり、よって二次元処理が必要となる。したがって、発明の好適な実施例を実際に説明する前に二次元ウェーブレット変換の概念を簡単に論じる。
上述のウェーブレット理論は例えば[Mal89]に記載のように容易に二次元信号の分解にまで拡大して適用することができる。二次元ウェーブレット変換は基本的に、二次元信号の行方向及び列方向の処理を伴い、ここで信号の行と列は上述の一次元ウェーブレットアルゴリズムを用いて別々に処理される。これを図7a,7b,8及び9を参照して説明する。
図7aには、原本画像(つまり、例えば図2b,3b又は4bといった認証すべき候補文書のサンプル画像の選択された関心領域に対応する画像)が概略的に図示されており、原本画像はcと表されている。原本画像cはn×nピクセルのマトリクスからなり、ここでnは2で割り切れ、Nは実行したいウェーブレット反復の数Nに対応する整数である。実際には、画像サイズは、比較的多い数の特徴が含まれるように十分大きいサイズであるべきである。説明のために、原本画像cは例えば256×256ピクセルのマトリクスからなってよい。しかしながら、他の画像サイズも全く可能である。300dpiのサンプリング解像度で、このような画像サイズは、約2×2cmの認証すべき候補文書の表面領域に対応する。
ウェーブレット変換の第一の反復の結果、図7aに図示されたように、原本画像cは、それぞれ(n/2)×(n/2)ピクセルのサイズを持つ四つのサブ画像c,d ,d 及びd に分解される。サブ画像cは、原本画像cの行と列の両方に沿ったローパスフィルタリングの結果である原本画像cの近似を含む。一方、サブ画像d ,d 及びd は、原本画像cの行及び/又は列に沿ったハイパスフィルタリングの結果である原本画像cの詳細を含む。より正確には:
−d は、原本画像cの行に沿ったハイパスフィルタリング、及び列に沿ったローパスフィルタリングの結果であり、原本画像cの水平方向の詳細を含む。
−d は、原本画像cの行に沿ったローパスフィルタリング、及び列に沿ったハイパスフィルタリングの結果であり、原本画像cの垂直方向の詳細を含む。
−d は、原本画像cの行と列の両方に沿ったハイパスフィルタリングの結果であり、原本画像cの対角方向の詳細を含む。
プロセスは、後続の反復で、サブ画像cを、図7bに概略的に図示されたようにそれぞれ(n/4)×(n/4)ピクセルのサイズを持つ四つのさらなるサブ画像c,d ,d 及びd に同様に分解することによって繰り返される。図7bで、サブ画像d ,d 及びd は第一の解像度(又はスケール)で画像cの詳細を表現したものであり、一方、d ,d 及びd は第一の解像度の半分である第二の解像度で画像cの詳細を表現したものである。
N回の反復の後、原本画像cは3N+1サブ画像d ,d 及びd 及びcに分解され、ここでm=1,2,...,Nである。上記で示唆したように、サブ画像d はそれぞれ、異なるスケール(又は解像度)の原本画像の水平方向の詳細を含み、サブ画像d 及びd はそれぞれ、異なるスケールの原本画像の水平方向及び対角方向の詳細を含む。
二次元ウェーブレット変換は、好ましくはいわゆる「非標準的分解」法にしたがって実行され、該方法を図8に概略的に図示する。当該分解方法によると、一次元ウェーブレット変換が、画像の行と列に交互に実行される。図8で、参照記号A,D,a,dが指すのは以下の通りである:
A:画像の行の近似(つまりローパスフィルタリングされた)係数;
D:画像の行の詳細(つまりハイパスフィルタリングされた)係数;
a:画像の列の近似(つまりローパスフィルタリングされた)係数;及び
d:画像の列の近似(つまりハイパスフィルタリングされた)係数;
図8の上部分に図示されたように、図7aに図示された結果(ここでAa,Da,Ad及びDdはそれぞれサブ画像c,d ,d 及びd に対応する)が算出されるように、原本画像の行が最初に処理され、次いで列が処理される。図8の下部分に図示されたように、サブ画像Aa(サブ画像cに対応する)は、行、次いで列が同様に処理され、その結果図7b(ここでAaAa,AaDa,AaAd及びAaDdはそれぞれ、サブ画像c,d ,d 及びd に対応する)に図示されたような分解が生じる。
上述した「非標準的分解」法に代わるものは、行に沿った必要な反復を全て行い、その後初めて列に沿った必要な反復を行うことで実行されるいわゆる「標準的分解」である。当該方法は図9に概略的に図示されている。
「標準的分解」の利点は、画像全体を変換するために画像の各行及び列がメモリから一度だけロードされればよいという点にある。当該方法はしたがって、最小限のメモリアクセス数しか必要とせず、これはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)の実施において好都合である。
「非標準的分解」法は、もう一方の方法よりも多数のメモリアクセスを必要とするが、各反復において前の反復の結果生じたデータの四分の一だけを処理すればよいため、計算時間が短く済むという利点を有する。さらに、図8及び9を比較することで容易に理解できるように、「非標準的分解」法を用いると水平方向及び垂直方向の詳細が別々に抽出される。
様々な種類の離散ウェーブレット変換(DWT)が本発明において適切である。特に、当該技術分野で周知のいわゆるHaar,Daubechies及びPascalウェーブレット変換を利用して試験が成功裏に行われた。
Haarウェーブレット変換は実際に第一の知られたウェーブレット変換である。当該ウェーブレット変換(当時はそのように呼ばれていなかったが)は、ハンガリーの数学者Alfred Haarによって1909年に発見された。当該ウェーブレット変換はまた、いわゆるDaubechiesウェーブレット変換の特例としても知られる。Haarウェーブレット変換の対応するハイパス及びローパスフィルタはそれぞれ二つの係数、すなわち:
ローパスフィルタについては:
Figure 2010530095

及び
Figure 2010530095

そして、ハイパスフィルタについては:
Figure 2010530095

及び
Figure 2010530095

からなる。
Daubechiesウェーブレット変換([Dau92]参照)は、ベルギーの物理学者及び数学者であるIngrid Daubechiesにちなんで名付けられている。Daubechiesウェーブレット変換は直交ウェーブレットのファミリーであり、最大数のいわゆるバニシングモーメント(又はタップ)を特徴とする。
Daubechiesウェーブレット変換のファミリーのうち、例えばいわゆるDaubechies4タップウェーブレット(又はdb4変換)が知られており、ここではフィルタ係数は四つの係数、すなわち:
ローパスフィルタについては:
Figure 2010530095

Figure 2010530095

Figure 2010530095

及び
Figure 2010530095

そして、ハイパスフィルタについては:
Figure 2010530095

Figure 2010530095

Figure 2010530095

及び
Figure 2010530095

からなる。
Haarウェーブレット変換に勝るDaubechies−db4変換の利点は特に、Daubechies変換のフィルタリング効率の向上、つまりローパス及びハイパスフィルタのカットオフ周波数がより明瞭である点にある。
Pascalウェーブレット変換は、パスカルの三角形(フランスの哲学者及び数学者Blaise Pascalにちなんで名付けられた)の二項係数に基づく。Pascalウェーブレット変換は、Haar及びDaubechiesウェーブレット変換よりも明瞭でないカットオフ周波数を有し、当該変換はHaarウェーブレット変換よりも良好に連続信号を近似することができ、必要な計算時間がDaubechiesウェーブレット変換よりも短い。
例として、以下のPascalウェーブレット変換が利用でき、ここでローパス及びハイパスフィルタはそれぞれ以下の三つのフィルタ係数で定義される:
ローパスフィルタについては:
Figure 2010530095

Figure 2010530095

及び
Figure 2010530095

そして、ハイパスフィルタについては:
Figure 2010530095

Figure 2010530095

及び
Figure 2010530095
Haar及びDaubechiesウェーブレット変換とは対照的に、Pascalウェーブレット変換は非直交ウェーブレットである。
Haar,Daubechies及びPascalウェーブレット変換は、上述で本発明の関連で用いられる可能な離散ウェーブレット変換として挙げられたが、これらは単に好適な例として考えられたい。他の離散ウェーブレット変換もさらに当該技術分野で知られている(例えば[Mal99]参照)。
本発明によると、候補文書のサンプル画像の選択された関心領域の細かく高解像度の詳細に主に関心が持たれることを再び理解されたい。すなわち、本発明によると、信号(つまり関心領域の画像データ)は完全にウェーブレット成分に分解される必要はない。したがって、認証すべき候補文書を表わす分類データを構築することが可能な関連の特徴を抽出するためには、画像データのウェーブレット変換の一又は複数の反復を実行するだけで十分であり、これは下記より理解できるであろう。このことは、考慮すべき画像の最適なスケールが、多重解像度解析で最初に導き出される細かく高解像度の詳細に対応するスケールであることを意味する。
本出願人が行った試験では、ほとんどの場合、ウェーブレット変換の一回の反復(つまり、図5aに概略的に図示された1レベル解像度解析)が、認証すべき候補文書の本物又はおそらく本物の文書、又はコピー/偽造文書への分類を可能にするのに必要な特徴を抽出するために十分であることが示された。言い換えると、サンプル画像は単に、サンプル画像の高解像度の詳細を含む少なくとも一つの細かいスケールサブスペースに分解されればよい。
しかしながら、本発明の範囲内で、ウェーブレット変換の一以上の反復を行うこと、つまり画像データの一以上の高解像度スケールに対応する複数組の詳細係数(又はウェーブレット係数)を抽出することも全く可能である。計算及び処理効率のために、反復数はなるべく少なく維持することが好適である。さらに、既に上述したように、信号のウェーブレット成分への完全な分解は本発明によると必要ではなく、これは、導き出される最後のウェーブレット成分は画像の低解像度の粗いコンテンツに対応し、該コンテンツは本物の文書とその偽造物とで比較的類似していると考えられるためである。実際に、このことは、セキュリティ印刷について詳しい知識のない未熟練者が、偽造文書の全体的な外観及び見た目に容易に騙されてしまう理由を部分的に説明するものである。
以下の論述はしたがって、図7aに概略的に図示されたように二次元ウェーブレット変換の一回のみの反復を伴う1レベルウェーブレット変換の場合に焦点を当てる、つまり関心領域は四つのサブ画像c,d ,d 及びd に分解される。
図10aは、原本の紙幣見本である図2bに示した画像に加えられた二次元ウェーブレット変換の第一の反復の結果を示す。この例で、原本の画像は252×252ピクセルのサイズであり、画像処理のために上述したHaarウェーブレット変換を利用した。
ローパスフィルタリングの結果生じた近似画像c1は、図10aの右上隅に示されている。ハイパスフィルタリングの結果生じた詳細画像d ,d 及びd は、実質的に暗い領域として示されており、これは、ウェーブレット係数が小さい値を持ち、また負係数を含む(よって、ウェーブレット係数が直接視覚化されたとき実質的に「黒い」ピクセルとして表れる)ためである。
画像d ,d 及びd のウェーブレット係数をもっと良く見るために、画像は、係数が値0から255の範囲(つまりグレースケール画像の8ビット値の範囲)内に含まれるように正規化できる。こういった表示は図10bに示されており、ここで[d ,[d 及び[d はそれぞれ詳細画像d ,d 及びd の正規化バージョンを指す。図10bを見ると、ウェーブレット変換が、凹版パターンの鮮鋭な遷移を適切に検出していることがわかる。
図11は、図10a,10bの三つの詳細画像d ,d 及びd を組み合わせた結果生じた正規化された画像[d を示す。図11b及び11cは、それぞれ図3b及び4bの第一及び第二のカラーコピーの画像をウェーブレット変換した結果得られた、対応する正規化された画像[d を図示する。
図11aの画像と、図11b及び11cの画像とでは大幅に見た目が異なることがわかる。特に、図11Baではパターンの縁が図11b及び11cよりも鮮明に見えることがわかる。
様々な候補文書の画像を処理してきた今、文書を分類及び識別するためにそれらの処理画像からどのように表現特徴が抽出できるのか説明できるであろう。
図12は、図2b、3b及び4bの画像のそれぞれに関する、水平方向、垂直方向及び対角方向の詳細についてのウェーブレット係数(つまり詳細画像d ,d 及びd のウェーブレット係数)の統計的分布を示す九つのヒストグラムを図示したものである。より正確には、図12の左、中央及び右の列はそれぞれ、図2b,3b及び4bの画像から導き出された対応するヒストグラムを示し、図12の上、中央及び下の並びはそれぞれ、水平方向、垂直方向及び対角方向の詳細に関する対応するヒストグラムを示す。
図12から、原本見本の画像から導き出されたヒストグラム(図12の左列)は、カラーコピーの画像から導き出されたヒストグラム(図12の中央及び右列)より幅が広いことが見られうる。言い換えると、ウェーブレット係数の統計的分布を分類するために、分散σ、つまりウェーブレット係数の分散の程度を便宜に用いることができる。分散σはまた、統計において「二次モーメント」とも称される。或いは、分散σの平方根であるいわゆる標準偏差σを用いることもできる。
分散σ及び標準偏差σに加えて、ウェーブレット係数の統計的分布を特徴付けるためにさらなる統計パラメータ、すなわち:
−ウェーブレット係数の算術平均−統計において「一次モーメント」とも称される;
−統計的分布の非対称性の程度である、ウェーブレット係数の統計的分布の歪度−統計において「三次モーメント」とも称される;
−統計的分布の「ピーク度」の程度である、過剰又は過剰尖度(又は単に「尖度」)−統計において「四次モーメント」とも称される;及び/又は
−統計的分布の変化の程度である、統計的エントロピー
が利用されうる。
さらなる抽出を目的に、上に挙げたモーメント(分散を含む)を正規化して様々な候補文書の適切な比較及び分類を可能とすることができる。
図13は、歪度及び過剰の概念を図示したものである。「正の歪度」(図示あり)は、分布の右側後部が長く、且つ分布の「集団(mass)」が左側に集中している統計的分布を特徴付けるものと理解される。その逆は「負の歪度」である。一方、「正の/高い過剰」又は「負の/低い過剰」(図示あり)はそれぞれ、ピークが鋭く且つ広がりの小さい統計的分布、又はピークが丸く且つ広がりが大きい統計的分布を特徴付けるものと理解される。
以下では、分散σとともに、さらなる分類特徴として過剰(以下参照記号Cで示す)を特に利用する。
図14aから14cは、図12の略図で図示したウェーブレット係数の統計的分布の分散σを示す三つの棒グラフである。図14aから14cの参照番号1,2,3はそれぞれ、処理した三つの候補文書、つまり原本見本(図2a及び2b)、第一のカラーコピー(図3a及び3b)、第二のカラーコピー(図4a及び4b)を指す。図14aで、分散σは水平方向の詳細について示されており、図14b及び14cはそれぞれ垂直方向及び対角方向の詳細についての分散σを示す。
予想通り、分散σは、原本見本の画像から導き出されたウェーブレット係数の分布の場合、カラーコピーの画像から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布から算出された場合よりも実質的に高い。
試験は、紙幣の様々な原本の(つまり真正の)見本及びそのカラーコピーについて行われた。これらの試験は、特に、処理される関心領域の画像データが比較的高密度の凹版印刷された特徴を含む場合、例えばほとんどの紙幣に見出すことができる肖像画又は他の何らかの同様に緻密な絵画的表現(例えばユーロ紙幣の建築物を表す凹版印刷パターン)の部分の場合、本発明による方法が非常に確実であることを示した。試験はまた、領域に含まれる凹版特徴がより少ない場合でも良好な結果がもたらされることを示した。
図15a及び15bは、ユーロ導入前にドイツで1991年から2001年の間に発行された5ドイツマルク紙幣の表側に載っているベッティーナ・フォン・アルニムの凹版印刷された肖像画の一部の二つの拡大図である。図15bは特に、上述した方法による認証を目的として利用された可能な関心領域の例を示す。
異なる磨耗度の原本の紙幣と、インクジェット、熱、並びにカラーレーザコピー及び印刷機器を用いて作られた紙幣のカラーコピーとを含む複数の候補文書が試験された。図16aは、非常に状態の良い見本原本(図A)、比較的磨耗度の高い見本原本(図B)、5600dpiの解像度で写真用紙にインクジェット印刷して作られたカラーコピー(図C)、5600dpiの解像度で普通紙にインクジェット印刷して作られたカラーコピー(図D)、300dpiの解像度で写真用紙に熱印刷して作られたカラーコピー(図E)、1200dpiの解像度で普通紙にレーザ印刷して作られたカラーコピー(図F)から取り出した同一の関心領域の六つの同様の画像を例示のために示す。
図16bは、ウェーブレット係数の統計的分布の対応するヒストグラム(図16bのヒストグラムは、図16aの画像をローパスフィルタリングした結果生じた三つの詳細画像を組み合わせて導き出されたものである)を示す。二つの原本見本の画像から算出されたヒストグラムは、見本の磨耗度が異なる(及び第二の原本見本の画像の関心領域にはしわがある−図16aの画像B参照)にもかかわらず類似性が高いことがわかる。二つのインクジェット印刷されたコピー及び熱印刷されたコピーの画像から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布(ヒストグラムCからE)は明らかに異なる。レーザ印刷されたコピーの画像から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布(ヒストグラムF)は、原本見本のものにいくらか近いように見える。しかし、レーザ印刷されたコピーに対応するヒストグラムの分散は、原本見本のそれよりも少ない。さらに、カラーコピーに対応する全てのヒストグラム(ヒストグラムCからF)は、原本見本のヒストグラム(ヒストグラムA及びB)と比較して明らかに異なる幅とピーク形状を呈する。
例示のために、図17は、第一の原本見本に対応するヒストグラム(図16bのヒストグラムA)とレーザ印刷されたカラーコピーに対応するヒストグラム(図16bのヒストグラムF)とを重ねて図示したものである。
図18a及び18bは、異なる磨耗度の五つの原本見本(候補1から5)と、インクジェット印刷、熱印刷又はカラーレーザ印刷で作られた六つのカラーコピー(候補6から11)からなる11の候補文書の実質的に同一の関心領域の画像から導き出されたウェーブレット係数の統計的分布から算出された分散σ及び過剰Cをそれぞれ示す二つの棒グラフである。どちらにおいても、分散σ及び過剰Cは、真正の文書と偽造物との見分けが、分類データとしてこれら二つの統計パラメータを用いて可能であることを明らかに示す。
例示のために、図19は、分散σ及び過剰Cを特徴空間における(X;Y)座標として用いて対応する特徴空間を図示したものであり、ここには候補文書から導き出された結果を位置付けることができる。原本見本に対応する点(特徴空間の右上隅に位置)と、カラーコピーに対応する点(特徴空間の左下隅に位置)との間にはっきりと境界線を引くことができる。
図20は、原本のユーロ紙幣を含むさらなる候補文書を処理して得られた結果を示す図10のものと同様の特徴空間の表示であり、ここでも分散σ及び過剰Cが(X;Y)座標として用いられている。これらの結果は本発明による認証方法の確実性と効率性を裏付ける。
当然のことながら、本発明による方法は、選択された関心領域が候補文書の厳密に同一の領域であることをそれほど必要としない。実際に、候補文書によって関心領域の実際の位置がずれていることは実質的に結果に影響しない。したがって本発明による方法はまた、信号処理前の関心領域の正確な同定及び位置決めを必要としない点で有利である。これにより、選択された関心領域に、固有の特徴(特に凹版特徴)の表現を十分に含む領域が多かれ少なかれ入っていることを確実にするだけでよいため、認証処理全体及びその実施(特にATMなどの機械での)が非常に簡単化される。
よって上述した認証方法は、図22のフローチャートに図示したように、以下の工程:
−認証すべき候補文書の表面の、セキュリティ特徴の少なくとも一部を包含する少なくとも一つの関心領域R.o.l.のサンプル画像(つまり画像c)を取得する工程;
−サンプル画像を、該サンプル画像の高解像度の詳細を含む少なくとも一つのスケールサブスペース(例えば少なくとも一つのサブ画像d ,d 及びd 、ここでm=1,2,...,Nであり、Nは実行された反復の数である)へ分解することと、該スケールサブスペースから分類特徴(例えばスペクトル係数の統計的分布に関する統計パラメータ)を抽出することとによってサンプル画像cをデジタル処理する工程;及び
−抽出された分類特徴に基づいて候補文書の真正評価(又は分類)を導き出す工程
を含んでなるものと要約できる。
図21は、上述された方法にしたがってセキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための装置の実装を図示する。当該装置は、認証すべき候補文書上の関心領域R.o.l.のサンプル画像(画像c)を取得するための光学系100と、サンプル画像のデジタル処理を実行するためにプログラムされたデジタル信号処理(DSP)ユニット200とを備える。DSP200は、フィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)ユニットとして特に有利に実装されうる。
当然のことながら、上述した発明は、セキュリティ文書、特に紙幣に印刷、付与、又は設けられた、該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなるセキュリティ特徴(特に凹版印刷されたパターン)を単純に検出するために適用可能である。候補文書の表面の少なくとも一つの関心領域(上述したように該関心領域はセキュリティ特徴の少なくとも一部を含むように選択される)のサンプル画像をデジタル処理することによって(つまり、サンプル画像の多重解像度解析の一又は複数回の反復を実行することによって)、該セキュリティ特徴に特徴的な分類特徴を抽出することができる。
上述したように、分類特徴は便宜には、算術平均、分散(σ)、歪度、過剰(C)、及び細かいスケールでサンプル画像の高解像度の詳細を表現するスペクトル係数の統計的分布のエントロピーからなる群から選択される統計パラメータであってよい。
さらに当然のことながら、本発明にしたがって算出される真正評価は、セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられることとなるセキュリティ特徴を、処理されるサンプル画像の高解像度の詳細を含む一又は複数のスケールサブスペースで特徴的な応答を生じるように設計することによって、最適化できる。
このような最適化は特に、凹版パターン、ラインオフセットパターン、凸版印刷パターン、光学的回折構造、及び/又はそれらの組み合わせを含むセキュリティ特徴に施すことによって達成できる。図2bの例で示したように、高密度のこういったパターン、好適には直線又は曲線凹版印刷パターンが特に望ましい。
添付の請求項に定義された発明の範囲から逸脱しない限り、上述の実施例には様々な変形及び/又は改良がなされうる。
例えば、既に述べたように、認証原理は好適には、凹版印刷パターンを含む(又は含むとされる)画像の処理に基づくが、本発明は、セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなる他のセキュリティ特徴、特にラインオフセットパターン、凸版印刷パターン、光学的回折構造、及び/又はそれらの組み合わせを含む画像の処理になぞらえて適用することができる。
上述した本発明の実施例の関連ではウェーブレット変換を論じてきたが、当然のことながら、当該特定の変換は本発明の範囲内で好ましい変換と見なされるものである。しかしながら、いわゆるchirplet変換といった他の変換も可能である。一般的見地から、サンプル画像を、該サンプル画像の高解像度の詳細を含む少なくとも一つのスケールサブスペースに分解できる限り、いかなる適切な変換も利用できる。
加えて、上述した手順は、サンプル画像を、異なるスケールのサンプル画像の高解像度の詳細を含む一つ以上のスケールサブスペースに分解するように適用することもできることを理解されたい。このような場合、分類特徴は、認証される候補文書を特徴付けるために各スケールサブスペースから抽出されうる。つまり、本発明は、サンプル画像の、該サンプル画像の高解像度の詳細を含む一つのスケールサブスペースへの分解だけに限定されるものではない。
さらに、スペクトル係数の統計的分布の処理を、認証される候補文書の真正評価を導き出すために分類特徴を抽出するための方法として述べてきたが、真正のセキュリティ文書のセキュリティ特徴を十分に表現する特徴を取り出し及び引き出すことができる限り、いかなる他の適切な処理も想定されうる。

Claims (26)

  1. セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための方法であって、ここで真正のセキュリティ文書は該セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)を含んでなり、該セキュリティ特徴は該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなり、
    ここで当該方法は以下の工程:
    −認証すべき候補文書の表面の、セキュリティ特徴の少なくとも一部を包含する少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)のサンプル画像(c)を取得する工程;
    −サンプル画像(c)を、該サンプル画像(c)の高解像度の詳細を含む少なくとも一つのスケールサブスペース(d ,d ,d ,...)へ分解することと、該スケールサブスペースから分類特徴(σ,C,...)を抽出することとによって前記サンプル画像(c)をデジタル処理する工程;及び
    −抽出された分類特徴(σ,C,...)に基づいて候補文書の真正評価を導き出す工程
    を含んでなる、方法。
  2. サンプル画像のデジタル処理が:
    −細かいスケールでサンプル画像(c)の高解像度の詳細(d ,d ,d ,...)を表現する少なくとも一組のスペクトル係数を導き出すためにサンプル画像(c)の変換を実行すること;及び
    −分類特徴(σ,C,...)を抽出するために前記スペクトル係数を処理すること
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記スペクトル係数の処理が、スペクトル係数の統計的分布の処理の実行を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記統計的処理が、算術平均(統計の一次モーメント)、分散(σ,統計の二次モーメント)、歪度(統計の三次モーメント)、過剰(C,統計の四次モーメント)、及び前記スペクトル係数の統計的分布のエントロピーからなる群から選択される少なくとも一つの統計パラメータの計算を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記変換が、ウェーブレット変換である、請求項2ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ウェーブレット変換が、Haarウェーブレット変換、Daubechiesウェーブレット変換、及びPascalウェーブレット変換からなる群から好適には選択される離散ウェーブレット変換(DWT)である、請求項5に記載の方法。
  7. サンプル画像(c)の分解が、サンプル画像の多重解像度解析(MRA)の一又は複数回の反復(N)の結果行われる、請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. セキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための方法であって、ここで真正のセキュリティ文書は該セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)を含んでなり、該セキュリティ特徴は該セキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなり、当該方法は、認証すべき候補文書の表面の少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)のサンプル画像(c)をデジタル処理する工程を含んでなり、該デジタル処理はサンプル画像(c)の多重解像度解析(MRA)の一又は複数回の反復(N)の実行を含む、方法。
  9. 同一の候補文書の複数の関心領域(R.o.l.)に対応する複数のサンプル画像のデジタル処理を含んでなる、請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記サンプル画像(c)が、600dpiより低い、好ましくは300dpiの低解像度で取得される、請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記セキュリティ特徴が、凹版パターン(41−49)、ラインオフセットパターン(110)、凸版印刷パターン(51,52)、光学的回折構造(30)、及び/又はそれらの組み合わせを含む、請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記セキュリティ特徴が、様々な幅、長さ及び間隔の直線又は曲線パターンを含む、請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)が、高密度のパターン、好ましくは直線又は曲線凹版印刷パターン(図2b)を含むように選択される、請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)が、候補文書に設けられた肖像画といった絵画的表現のパターンを含むように選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の方法にしたがって認証すべき候補文書(1)の表面の少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)のサンプル画像(c)の画像データを処理するためのデジタル信号処理ユニット(200)であって、サンプル画像(c)の前記デジタル処理を実行するためにプログラムされている、デジタル信号処理ユニット(200)。
  16. FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)ユニットとして実装された、請求項15に記載のデジタル信号処理ユニット(200)。
  17. 関心領域(R.o.l.)のサンプル画像(c)を取得するための光学系(100)と、サンプル画像(c)のデジタル処理を実行するためにプログラムされたデジタル信号処理ユニット(200)とを備えた、請求項1ないし14のいずれかに記載の方法にしたがってセキュリティ文書、特に紙幣の真正を確認するための装置。
  18. 前記デジタル信号処理ユニット(200)が、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)ユニットとして実装された、請求項17に記載の装置。
  19. セキュリティ文書に印刷、付与、又は設けられるべきセキュリティ特徴を設計する工程を含んでなる、セキュリティ文書、特に紙幣を製造するための方法であって、ここで前記セキュリティ特徴は、前記少なくとも一つのスケールサブスペースに特徴的な反応を生じさせることによって請求項1ないし7に記載のいずれかの方法にしたがって計算される真正評価が最適化されるように設計される、方法。
  20. 前記セキュリティ特徴が、凹版パターン(41−49)、ラインオフセットパターン(110)、凸版印刷パターン(51,52)、光学的回折構造(30)、及び/又はそれらの組み合わせを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記セキュリティ特徴が、高密度のパターン、好ましくは直線又は曲線凹版印刷パターン(図2b)を含むように設計される、請求項19又は20に記載の方法。
  22. セキュリティ文書、特に紙幣の認証のためのウェーブレット変換の使用。
  23. セキュリティ文書、特に紙幣の認証のための多重解像度解析(MRA)の使用。
  24. セキュリティ文書、特に紙幣に印刷、付与、又は設けられたセキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)を検出するための方法であって、該セキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)はセキュリティ文書の製造に使用されたプロセスに固有の特徴的な視覚的特徴を含んでなり、当該方法は、候補文書の表面の少なくとも一つの関心領域(R.o.l.)のサンプル画像(c)をデジタル処理する工程を含んでなり、該関心領域(R.o.l.)は前記セキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)の少なくとも一部を含むように選択され、該デジタル処理は前記セキュリティ特徴(41−49;30;10;51,52)に特徴的な分類特徴(σ,C,...)を抽出するためにサンプル画像(c)の多重解像度解析(MRA)の一又は複数回の反復(N)の実行を含む、方法。
  25. 凹版印刷されたパターン(41−49)を検出するための請求項24に記載の方法。
  26. 前記分類特徴(σ,C,...)が、算術平均(統計の一次モーメント)、分散(σ,統計の二次モーメント)、歪度(統計の三次モーメント)、過剰(C,統計の四次モーメント)、及び細かいスケールでサンプル画像(c)の高解像度の詳細(d ,d ,d ,...)を表現するスペクトル係数の統計的分布のエントロピーからなる群から選択される少なくとも一つの統計パラメータである、請求項24又は25に記載の方法。
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