JP2010529407A - 高粘性で低発熱量の液体燃料を燃焼させるためのプロセス - Google Patents

高粘性で低発熱量の液体燃料を燃焼させるためのプロセス Download PDF

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Abstract

本発明は、グリセロールなどの高粘度の液体燃料を清浄かつ便宜的に燃焼させるためのプロセス、ならびに当該プロセスを実施するために有用な装置に向けられる。所定の実施形態において、本発明は、グリセロールを燃焼させるためのプロセスであって、反射加熱を促進するグリセロール燃焼室を備える燃焼装置を提供する工程と、前記グリセロール燃焼室を予熱する工程と、前記低粘度グリセロールを噴霧する工程と、それによりグリセロールを完全に燃焼させるために前記グリセロール燃焼室内で前記噴霧グリセロールと空気とを結合する工程とを含むプロセスを提供する。1つの実施形態において、加圧噴霧ノズルを使用した場合などには、本発明の方法は、グリセロールの粘度を低下させるためにグリセロールを処理する工程をさらに含むことができる。

Description

本発明は、高粘度の液体燃料を燃焼させるためのプロセスに向けられる。詳細には、本発明は、グリセロールを清浄かつ効率的に燃焼させるためのプロセスに向けられる。
グリセロールは、以下の式に示した構造を有する、長年にわたって公知の化合物である。
Figure 2010529407
グリセロールは、グリセリンまたはプロパン−l,2,3−トリオールとしても公知であり、ポリオール化合物(すなわち、複数のヒドロキシル基を含有する化合物)の一般カテゴリーに含まれ、多くの分野において用途が見いだされる。例えば、グリセロールは、多数の医学、薬学、およびパーソナルケア製剤において、潤滑剤および保湿剤として、有機合成構築ブロックとして、食品添加物(例、保湿剤、溶媒、甘味料、柔軟剤、充填剤、もしくは増粘剤)として、動物性食品成分として、プラスチック製品やセロファン製品における可塑剤および柔軟剤として、ならびに添加物として、または例えばニトログリセリン、毛糸、織物、洗剤、保存料、不凍剤、および煙草製品などの多数の製品の調製に使用されている。
有望な、その最も認知されている誘導体中では、グリセロールは、グリセロールおよび脂肪酸類のエステルであるトリグリセリドの主鎖を形成する。そこで、脂質源(例、植物油および動物性脂肪)は、鹸化(例えば石鹸製造プロセスにおける)または(例えばバイオ燃料の製造における)エステル交換反応によって製造できる、グリセロールのレディ・ソース(ready source)を表している。
上記の多数の可能性のある使用から明らかなように、グリセロールは、市場性のある商品である。しかし、例えばバイオ燃料の製造におけるような近年の廃グリセロールの増加は、そのような使用のための準備が整っている純粋形ではない粗グリセロールのかつてないほど増加した供給をもたらしてきた。むしろ、粗グリセロールは、市場性のために十分な純度を備えるグリセロールを提供するためには精錬やその他の精製工程を受けなければならず、そのような不可欠の処理は一般に桁違いに高額の費用がかかることが見いだされている。結果として、現在製造されている大多数の粗グリセロールは、ただ単に廃液として処分されている。
バイオ燃料は、石油由来燃料の代替物として、特に原油および原油をベースとする燃料生成物(例、ガソリン、ディーゼル、およびジェット燃料)の価格高騰を受けて、ますます大きな人気を獲得しつつある。バイオディーゼルは、石油をベースとする燃料の代替物として人気を獲得するための第1バイオ燃料の1つである。菜種、大豆、およびヤシ油などの植物油のエステル交換反応によるバイオディーゼルの製造中には、グリセロールは、副生成物として生成される。例えば、(例えば、植物油または動物性脂肪からの)トリグリセリドのエステル交換反応は、典型的には以下に示す反応にしたがって進行する。
Figure 2010529407
(式中、各Rは炭化水素(例、長鎖脂肪酸)を表し、FAMEは脂肪酸メチルエステル(すなわち、バイオディーゼル分子)を表す)。一般的な塩基触媒は、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムである。そのような反応にしたがうと、調製されるバイオディーゼル1トンあたりおよそ100kgのグリセロールが製造される。大規模バイオディーゼル製造施設では、粗グリセロール生産量は、年間約数百万ガロンとなる可能性がある。バイオ燃料は、環境上の利点および経済的実行可能性のために賞賛されてはいるが、グリセロール副生成物の処理方法に関する懸念が高まっている。さらに、先進工業国が化石燃料からより多くの持続可能な代替物へ変更するにつれて、粗グリセロールの全体的過剰がますます増加する。
2007年には、米合衆国におけるグリセロール生産量は平均して年間350,000トンを超えていると推定され、欧州のグリセロール生産量は年間約600,000メートルトンであると推定された。このグリセロール供給もまた、欧州が小売燃料供給への強制的最低バイオ燃料混和に関する指令を実行するにつれて増加し続けると予測されている。例えばEU指令2003/30/ECは、2010年までに5.75%のバイオ燃料混和が達成されることを目標としている。このグリセロール供給量の増加を考慮して、廃棄に対する付加価値代替法についての研究が進行中である。
特にバイオ燃料製造に関連する廃棄に対する1つの代替法は、バイオ燃料製造プロセス自体のための熱源としてのグリセロール燃焼である。グリセロールの燃焼は、もし十分良好に機能すれば、廃グリセロールの製造にとって洗練された解決策となると報告されている。廃グリセロールを暖房用燃料として使用するという以前の試みは、成功が限定され、真の費用便益が欠如していた。例えば、グリセロールの燃焼は、十分な高温で実施されない限り、有毒性のアクロレインガスを放出するという長年にわたる懸念があった。さらにこの分野における研究者は、グリセロール副生成物の完全かつ清浄な燃焼は、燃焼室内での1,000℃を超える燃焼温度および相当に長い平均滞留時間を必要とすると理論付けた。さもなければ、グリセロールの効果的燃焼は、一般に例えば可燃容器(例、空の牛乳パック)内でグリセロールおよびおがくずから「薪」を形成するなどの、また別の燃料資源との併用を必要とする。グリセロールを燃焼させる以前の試みは、安全性および技術的問題を簡単に克服することはできなかった。
上記を考慮すると、当技術分野においては、例えばバイオ燃料製造からのグリセロール副生成物などの廃グリセロールを廃棄するために実行可能な代替法に対する必要がある。本発明は、この問題を解決する。
本発明は、グリセロールなどの高粘性で低発熱量の液体燃料の清浄かつ効率的燃焼を提供する。詳細には、本発明は、グリセロールを燃焼させるためのプロセス、そのような燃焼のための装置、およびグリセロールの燃焼からエネルギーを生成するための別個のプロセスからの廃液流としてのグリセロールをリサイクルさせる方法を提供する。生成されたエネルギーは、前記グリセロールを製造した元のプロセスにリサイクルさせること、または例えば発電などの副次的目的のために使用できる。
したがって、1つの態様では、本発明は、高粘性で低発熱量の液体燃料を燃焼させるためのプロセスに向けられる。本発明の方法は、実行可能な燃料源となる十分に高い発熱量を有する任意の液体を用いて使用できる。詳細には、本方法は、公知の液体燃料バーナーにおける燃焼を妨害するほど十分に高い粘度および低い発熱量を有する任意の液体燃料を用いて使用できる。グリセロールは、グリセロール流を実質的に燃焼させることに固有の困難、グリセロールを燃焼させることに関する当分野において公知の制限、ならびに特にバイオ燃料の生産量増加の結果として生じる廃グリセロールの供給量増大のために、本発明による燃焼のための特に実行可能な候補である。
1つの実施形態では、グリセロールなどの高粘性で低発熱量の液体燃料を持続的に燃焼させるプロセスは、1)燃焼室を備える燃焼装置を提供する工程と、2)前記燃焼室を、前記高粘性で低発熱量の液体燃料を前記燃焼室内へ導入する前に温度が少なくとも約370℃となるように加熱する工程と、3)前記燃焼室内へ導入するために前記高粘性で低発熱量の液体燃料を提供する工程と、4)前記粘度を低下させるために前記高粘性で低発熱量の液体燃料を任意で処理する工程と、5)前記燃焼室内へ導入するために前記高粘性で低発熱量の液体燃料を噴霧する工程と、および6)前記燃焼室内の前記噴霧された高粘性で低発熱量の液体燃料を、前記燃焼室内で再循環ゾーンを作り出す旋回速度プロファイルを有する空気と結合する工程とを含んでいる。
グリセロールなどの高粘性で低発熱量の液体燃料の効率的かつ持続的な燃焼に関しては固有の制限があることから、燃焼装置の選択は特に重要である。例えば、本装置は、好ましくは極度の温度(例、約1,200℃まで)で持続的に使用することができる。さらに、本装置は、好ましくは放射および対流フィードバック加熱を提供する(すなわち、その作動温度を容易に維持できる)燃焼室を含んでいる。
さらに燃焼するグリセロール(および類似の液体)に関しては固有の制限があるために、バーナーのグリセロール燃焼室を予熱する工程は、特に重要な可能性がある。1つの実施形態では、燃焼室の予熱は、予熱燃料源の燃焼を含むことができる。そのような予熱燃料源は、燃焼室を効率的に加熱でき、また予熱燃料源から前記高粘性で低発熱量の液体燃料源への容易な移行を提供する任意の燃料源であってよい。非限定的例には、灯油、メタン、およびプロパンが含まれる。また別の実施形態では、燃焼室は、例えば電気抵抗加熱などの他の方法を用いて予熱することができる。有益には、予熱燃料源は、グリセロール燃焼装置の初始動時にのみ使用することを必要とする。所望の燃焼室温度に達すると、本方法は、グリセロール燃料源への移行を許容する。本発明の一部の実施形態では、本燃焼法は連続的であってよく、保守点検のためには定期的にラインから取外しさえすればよい。そこで、本発明によると、限定量の予熱燃料しか必要とされない可能性がある。予熱する工程は、優先的には燃焼室を高粘性で低発熱量の液体燃料の少なくとも自己発火温度に等しい温度へ加熱するために十分な時間にわたってのみ実施される。しかし一部の実施形態では、少なくとも600℃、少なくとも800℃、または1,000℃までさえの初期燃焼室温度に達するために予熱を使用することができる。所望の温度に達成した後、予熱燃料の導入を中止し、高粘性で低発熱量の液体燃料と完全に置換することができる。予熱燃料から高粘性で低発熱量への液体燃料の移行は、段階的または一気に行うことができる。
特定の実施形態では、本プロセスは、高粘性で低発熱量の液体燃料を、その粘度を低下させるために処理する工程を含んでおり、本プロセスは、液体燃料の粘度を特定粘度未満へ低下させる工程を含むことができる。例えば、グリセロールの粘度を約20センチストーク(cSt)未満へ低下させることが有益な場合がある。特定の実施形態では、前記液体燃料を処理する工程は、加熱する工程を含んでいる。同様に、1つの例としてグリセロールを使用すると、グリセロールは、詳細にはグリセロールの粘度を約20cSt未満へ低下させるために有益である少なくとも91℃の温度まで特に加熱することができる。また別の実施形態では、処理する工程は、高粘性で低発熱量の液体燃料を、優先的に可燃性でもある粘度低下液と結合する工程を含んでいる。
グリセロールなどの高粘性で低発熱量の液体燃料の効率的かつ持続的な燃焼を達成する能力は、詳細には燃焼室内の特定空気流特性を提供する工程に依存する可能性がある。したがって、一部の実施形態では、本発明の方法の結合する工程は、噴霧された高粘性で低発熱量の液体燃料が規定の流動パターンおよび空気混合気とともに燃焼室内へ導入されるように、空気力学的に制限された空気流を提供する工程を含むことができる。特定の実施形態では、そのような空気力学的に制限された空気流は、旋回成分によって提供される。例えば、これは高粘性で低発熱量の液体燃料の流れに対し、軸方向および接線方向の両方にある空気流を提供する工程によって達成できる。特定の実施形態では、空気流は、約5以上の計算可能な旋回数を有するように詳細に制御することができる。
本発明の方法は、特別には、グリセロールなどの高粘性で低発熱量の液体燃料の持続的かつ効率的な燃焼を達成するために満たされなければならない条件の正確な組み合わせを認識している。これは燃焼装置が、燃焼室内での熱滞留を達成し、燃焼室内の粒子残留を最大化するための規定の特性、持続的な燃焼を確立するための燃焼室の正確な予熱、および燃焼をさらに維持するために空気流および燃料流に関する正確な制御を有することを必要とする。本発明は、これらの変量の適正な制御、およびさらにグリセロールなどの高粘性で低発熱量の液体燃料の持続的かつ効率的な燃焼を達成するために必要な条件を認識している。
したがって、本発明のまた別の態様によると、本発明は、高粘性で低発熱量の液体燃料を燃焼させるために特に適する燃焼装置を提供する。詳細には、本装置は、15cStより大きな周囲粘度を有し、かつ、約10MJ/kg〜約75MJ/kgの範囲内の発熱量を有する液体燃料を燃焼するために有用である。
1つの実施形態では、本発明による装置は、1)燃焼装置全体の外側寸法を規定する外殻と、2)特に約600℃〜約1,200℃の範囲内にある燃焼温度で、放射および対流フィードバック加熱を提供する内面を有する燃焼室と、3)高粘性で低発熱量の液体燃料を前記燃焼室内へ導入するための中心燃料管であって、優先的に、前記中心燃料管内において前記液体燃料を規定温度に加熱もしくは維持するための1つ以上の成分を含んでいる中心燃料管と、4)前記燃焼室内へ導入する前に前記高粘性で低発熱量の液体燃料を噴霧するための前記中心燃料管へ取り付けられた噴霧装置と、5)前記中心燃料管を通る前記液体燃料の流れに対し、軸方向および接線方向の一方または両方である前記燃焼室内へ空気流を提供するために外殻上に配置された複数の空気ポートとを有する。
また別の実施形態では、本発明の装置への追加の成分を含むことが有益な場合がある。例えば、本装置は、燃焼室から排気させるための排気口をさらに含んでいてよい。そのような実施形態では、前記排気口が前記燃焼室からの熱流、空気流または熱および空気流を限定するための1つ以上の成分を含むことが好ましい場合がある。特定の実施形態では、排気口は、前記排気口の周辺でのみ開口部を提供できるように前記排気口の上方の中央に配置されたキャップを含むことができる。
さらに別の実施形態では、本装置は、熱流、空気流、または熱および空気流を前記燃焼室の側面から前記燃焼室の中心部分へ向けて逆に偏向させるために有用である、燃焼室内、排気口区域内、または両方の区域内に、また別の成分を含むことができる。例えば、1つの実施形態では、本装置は、燃焼室または排気口区域の壁から水平に伸びる金属プレートであってよい、1つ以上の空気バッフルを含んでいる。単一バッフルは、本装置の内周の周囲全体で伸びることができる。
本装置は、特別には、燃焼室へ必要な空気流を増加、ならびに前記燃焼室内での適正な熱および空気循環を維持するために使用される様々な成分によって特徴付けられる。例えば、本装置は、噴霧器から下流で拡張ゾーンを形成できるように、本装置の内部形状を修飾する1つ以上のゾーンレストリクタを含んでいてよい。そのような拡張ゾーンは、グリセロールが補給された火炎の持続可能性を増加させるために特に有益な可能性がある。上述した空気流を方向付ける成分の全部は、全燃料粒子の完全燃焼を向上させて排気口を通しての燃料粒子消失を最小限に抑えるために、噴霧ノズルの上方および燃焼室内で噴霧された液体燃料粒子を再循環させる燃焼室内で再循環ゾーンを形成するために特に有益な場合がある。
本発明の装置は、特別には、高粘性で低発熱量の液体燃料の流れを開始する前に燃焼室を予熱するために使用される、装置内へ予熱燃料を導入するための手段を含むことができる。例えば、予熱燃料は、高粘性で低発熱量の液体燃料と同一ラインに通して提供することができよう。または、本装置は、高粘性で低発熱量の液体燃料のための供給管とは別個の予熱燃料を提供するための第2燃料管を含むことができる。これは、予熱燃料が灯油などの液体である場合には特に有用である。さらにまた別の実施形態では、本装置は、予熱燃料を提供するために外殻上に配置された1つ以上のポートをさらに含んでいてよい。特別には、予熱燃料ポートは、噴霧器から上流に配置されてよい。この形状は、予熱燃料がプロパンなどのガスである場合には特に有益である。
本装置にとっては、高粘性で低発熱量の液体燃料を燃焼室内へ方向付けるための手段を含むこともまた特に有益である。詳細には、そのような手段は、一様な液滴サイズの極めて微細なミスト状で液体を提供するために有用でなければならない。好ましい実施形態では、本装置は、高粘度液体を取り扱うために特別設計されている噴霧装置を含んでいる。1つの特定実施形態では、噴霧装置は、サイホンタイプの空気噴霧ノズルである。
さらにまた噴霧する工程の前にその粘度を低下させるために高粘性で低発熱量の液体燃料をさらに加熱することもまた有用な場合がある。例えば、本発明の装置は、中心燃料管内へ導入する前に前記高粘性で低発熱量の液体燃料を加熱するための個別の加熱装置をさらに含むことができる。同様に、本装置は、中心燃料管を通して高粘性で低発熱量の液体燃料をポンプ輸送するためのポンプをさらに含むことができる。一般に、本発明による装置は、本発明による様々な方法を実行して成功を得るために必要とされる様々な構造成分を含むことが好ましい。
さらにまた別の態様によると、本発明は、熱発生のために廃グリセロールをリサイクルさせるための方法を提供する。廃グリセロールは、工業的プロセス(例、バイオ燃料製造プロセス)などの任意のソースから入手できる。同様に、本方法において生成されるエネルギーは、任意の目的に使用できる。本発明のこの態様は、リサイクルさせるプロセスを廃液流としてグリセロールを生成する別個のプロセスと直接的にインラインで配置できる点で特に有益である。グリセロール廃液流は、本発明のグリセロールリサイクルプロセスに方向付け、燃焼させてエネルギーを生成することができ、そのエネルギーは必要な加熱するプロセスの形態などのオリジナルのプロセスへ戻るように方向付けることができる。例えば、一部のバイオ燃料製造プロセスは、様々な反応を促進するために熱の投入を必要とすることがある。グリセロールは多数のバイオ燃料製造プロセスの副生成物であるので、本発明は、廃グリセロールを生成するという欠点の完全な逆転を可能にする。詳細には、廃グリセロールを処分するための費用を被るのではなくむしろ、バイオ燃料製造業者は、本発明を使用して廃グリセロールをリサイクルし、バイオ燃料製造プロセスを実行するために必要とされる熱を発生させることができる。そこで、処分費用を被るのではなくむしろ、バイオ燃料製造業者は、製造プロセスの効率を上昇させ、バイオ燃料を製造する全体の費用を減少させる。さらに、廃グリセロールは廃液流としてバイオ燃料プロセスから連続的に取り除き、グリセロール燃焼プロセスへ直接的に移動させることができ、生成されたエネルギーはバイオ燃料製造プロセスへ連続的に直接送り返すことができるので、連続プロセスと見なすことができる。グリセロール燃焼プロセスがオンラインで行われる場合は、本プロセスの初始動は、通常の連続的に提供されるグリセロール廃液流をリサイクルさせる工程におけるグリセロール燃焼法の連続使用では必要とされない燃焼装置を予熱する工程などの追加の工程を必要とすることがある。
1つの実施形態では、廃グリセロールをリサイクルさせる方法は、反応副生成物としてのグリセロール流を形成するプロセスを実施する工程と、本明細書に記載のグリセロール燃焼プロセスにおけるグリセロール源として使用するためのグリセロール流を引き出す工程と、エネルギー(例、熱)を生成するために前記グリセロールを燃焼させる工程とを含んでいる。グリセロールを燃焼させる工程によって生成されるエネルギーは、回収して、様々な目的に使用できる。所定の実施形態では、本方法は、グリセロール燃焼によって生成されるエネルギーを使用して別個のプロセスを実施するために必要とされる反応エネルギーの少なくとも一部分を提供する工程をさらに含んでいる。1つの特定実施形態では、副生成物であるグリセロール流を形成する製造プロセスは、バイオ燃料製造プロセスを含んでいる。他の実施形態では、生成されたエネルギーが使用される別個のプロセスは、バイオ燃料製造プロセスである。例えば、バイオ燃料製造プロセスは反応を加熱する工程を必要とすることがあり、グリセロール燃焼からのエネルギーを使用する工程は、バイオ燃料製造プロセスにおける生成されたエネルギーを使用する工程を含むことができる。また別の実施形態では、グリセロール燃焼によって生成されるエネルギーを使用する工程は、発電するために燃焼からの熱を使用する工程を含んでいる。
本発明を一般的用語で説明してきたが、以下では、必ずしも縮尺表示ではない添付の図面を参照されたい。
本発明の1つの実施形態による燃焼装置の側断面図である。 本発明のまた別の実施形態による燃焼装置の側断面図である。 再循環を促進するためのゾーン制限を表示している、本発明による燃焼装置の燃焼室の詳細図である。 側方ポートを通して提供される接線方向の空気流を特に例示している、本発明の1つの実施形態による燃焼装置の上面断面図である。 本発明の1つの実施形態によって有用な噴霧ノズルの側断面図である。 燃焼室の詳細図を提供する、本発明のまた別の実施形態による燃焼装置の側断面図である。 燃焼のために燃焼室へ液体燃料を送達する際に有用である追加の成分を含む、本発明の1つの実施形態による燃焼装置の略図である。
以下では、様々な実施形態を参照しながら本発明について十分に説明する。これらの実施形態は、本開示が完璧かつ完全であるように提供され、当業者に本発明の範囲を十分に伝える。実際に、本発明は多数の相違する形態で具体化することができ、本明細書に規定する実施形態に限定されると見なすべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的必要条件を満たすように提供される。本明細書、および添付の特許請求項において使用するように、単数形である「1つの」、「その」は、状況が明確に他のことを指示しない限り複数指示対象を含んでいる。
多数の工業的プロセスは、様々な反応を実施するための熱の付加を必要とし、この熱源を提供する必要は、さもなければ経済的であるプロセスの費用を跳ね上がらせることが多い。そこで、多数の有用な生成物の製造は、単に反応を駆動するための加熱する工程などの関連する加工処理費用のために、経済的に実行不可能になる場合がある。同様に、多数の工業的プロセスは、所望の生成物に加えて、かなりの量の反応副生成物を生成することが多い。一部の反応では、有用な副生成物が生成される。しかし他の反応では、副生成物は他の使用が欠如する、または有害もしくは毒性である可能性がある。反応副生成物が有用である場合でさえ、副生成物は市場参入のために多数の処理もしくは精製を必要とすることがあり、そこで副生成物の真の市場性を低下させる。バイオ燃料を調製するための多数のプロセスは、上記の挑戦課題にとって興味深い混成物を意味している。
上記で指摘したように、バイオディーゼルを調製するための植物油(未使用油および廃油の両方の)エステル交換は、典型的には相当に大量の廃グリセロール流を生成する。さらに、本調製プロセスは、一般に植物油の少なくとも軽度(例えば、少なくとも約40℃の温度へ)の加熱を必要とし、バイオ燃料製造プロセスを実施するために必要な熱は、典型的にはプロセスの規模に伴って増加する。
同様に、動物脂肪からバイオ燃料を製造するためのプロセスもまた反応の加熱を必要とし、反応副生成物としてグリセロールを生成する。バイオマス燃料原料(例えば動物脂肪)からのバイオ燃料(例えば、ジェット燃料、ディーゼル、およびガソリン)の製造は、一部には、バイオマス燃料原料中のトリグリセリドから遊離脂肪酸への加水分解性変換を含んでいる。例えば、DIVERSIFIED ENERGY(登録商標)Corporation社のCENTIA(商標)プロセスは、バイオマス原料から燃料を製造するためのプロセスであり、結果としてグリセロールを副生成物として製造する。バイオマス原料の変換は、一般には遊離脂肪酸およびグリセロールの混合生成物を生じさせる、脂肪酸鎖とグリセロール主鎖との間でトリグリセリド分子内の結合を切断するために水の存在下でおよそ250℃へ加熱する工程を含むことができる。
環境面でより好都合であって再生可能な燃料源への要望がますます増加していることを考えると、反応の加熱のために有用な安価で効率的な燃料源を提供すること、ならびにグリセロール副生成物の処分を含む上記のバイオ燃料調製プロセスに関連する製造にとっての挑戦課題を克服することは、高度に有益である。しかし本発明までは、エネルギー源を清浄かつ効率的に提供しながら、廃グリセロールを同時に処分する方法に関しては知られていなかった。
本発明は、バイオ燃料製造以外の用途における燃料源としてのグリセロールの使用もさらに提供する。純粋もしくは廃グリセロールは、エネルギー生成が有用である任意の反応において燃料源として使用できる。したがって、本発明は、任意の工業的プロセスにおける反応へエネルギーを提供する方法を提供する。さらに、本発明の方法によって生成されたエネルギーは、電力生成のための代替エネルギー源として使用できる。例えば、グリセロール燃焼は、発電において熱機関を駆動させるために使用できよう。
工業的プロセスにおける反応の加熱は、例えば標準重油バーナーにおけるなどの、典型的には燃料燃焼によって提供される。加熱するための所望の燃料は、経済的であって、燃焼の適切な熱またはエンタルピーを提供もする。反応プロセスの副生成物として生成された廃グリセロールは、a)グリセロールは、使用時点には廃液として生成されるため、「無料」燃料源と見なすことができ、工業現場へ燃料を輸送する必要が回避される、b)副生成物であるグリセロールの燃料としての使用は、廃液の処分の必要を克服する、c)グリセロールは、反応の加熱に使用するための適切な燃焼熱を有する、複数の理由のために経済的な燃料の加熱源となり得る。現在まで、グリセロールは難燃性であるために、グリセロールが副生成物として生成される場合でさえ、工業的プロセスのための燃料源としては実行可能な選択肢ではなかった。本発明は、この問題を克服する。
グリセロールの燃焼は、一般には、以下に提供する反応、
(OH)+3.5O→3CO+4HO+熱
にしたがって進行し、燃焼熱は、およそ16MJ/kg(グリセロール)である。そこで、グリセロールの燃焼には、グリセロール自体の準備ならびに燃焼を持続する量の酸素(周囲空気から供給されることが多い)を必要とすることは明白である。しかし先行技術は、これまではグリセロールの清浄かつ効率的燃焼を達成するために、したがって工業プロセスの副流としてグリセロールを直接的に引き出す、および熱を発生させるための燃料源としてグリセロール副生成物を使用する両方の能力を提供するために確立されなければならない変量の組み合わせを認識することに失敗してきた。
例えば石油ストーブなどの標準燃料燃焼装置を使用してグリセロールを燃焼させる試みは、連続火花点火源を用いてグリセロールを燃焼させようとした場合でさえ不成功に終わることが証明されている。実際に、グリセロールは、持続的火炎の存在下でさえ一様かつ効率的には燃焼しない。これは、プロパントーチをグリセロール噴霧内に配置することによって例示されている。プロパンが供給された火炎のすぐ近くにあるグリセロールは燃えるが、グリセロール噴霧全体の燃焼は不完全であり、グリセロール燃焼はプロパン供給トーチを取り除いた後には自燃性ではない。グリセロールを燃焼させるそのような方法は、グリセロールがその熱分解温度より高いがその自己発火温度よりは低いグリセロール流動場における局所的変化の存在のために、危険な可能性がある。そのような環境は、アクロレインなどの望ましくない種の形成を生じさせることがある。
アクロレインは、280℃より高温へ加熱した場合のグリセロールの公知の熱分解産物である。アクロレインは、極めて低濃度(例、約2ppm)で毒性であり、一部の試験は、0.09ppmという低い濃度でヒトの健康に危険であることを示唆している。アクロレインはそのような低濃度で危険であるために、大多数のバイオディーゼル製造業者らは、グリセロールを燃焼させることを試みないように勧告されている。しかしアクロレインは、高温ではますます不安定になり、この化合物自体が高度に可燃性である。したがって、例えば本発明によるグリセロールの効率的燃焼は、生成される可能性があるアクロレインを燃焼ガスが環境へ排気される前に実際に消費することができる。
一般に、標準重油バーナーは、グリセロールが高粘度であるためにこの材料を容易に燃焼させることができない。同様に、グリセロールの相当に高い自己発火温度は、さらに標準重油バーナーにおいて燃焼する能力も低下させる。グリセロールを燃焼させる以前の試みは、関連する困難な問題を例示している。例えば、多くのバーナーは燃焼を維持するために十分に高い温度で燃焼しないので、これはバーナーを閉塞させ、燃焼を自己消火する可能性がある粘着性残留物の形成を生じさせる。
これらの問題は、増加する燃料費用を補正して燃料原料としての再生可能資源の使用を促進するバイオディーゼルの個人的生産に転向してきた極めて多くの個人の反響を呼んでいる。バイオディーゼルへの動きの高まりは、廃グリセロールの処理が特に問題が多いことを認識している。多くの個人が廃グリセロールを燃焼させようとして直面した困難について確認するには、バイオディーゼルのウェブフォーラムを閲覧しさえすればよい。グリセロールを燃焼させる試みについての報告は、グリセロールが極めて難燃性であり、バーナー内にゴム状残留塊を残し、バイオディーゼルの一次燃焼からの熱に依存する二次燃焼においてしか燃焼させられない可能性を示している。言い換えると、これまでは、グリセロールを自燃性燃料源として燃焼させることは不可能であった。
工業において廃グリセロールを取り扱うために公知の問題とは対照的に、本発明は、グリセロールを持続的で清浄かつ効率的に燃焼させるための適切な方法を提供する。詳細には、本発明によるグリセロールの燃焼は、
1)適切なグリセロール燃焼室を含む装置の使用と、
2)グリセロールの燃焼および持続的燃焼を可能にするために前記燃焼室を適正に加熱する工程と、
3)グリセロールを、グリセロールの可燃性を最大化するために設計された状態にある前記燃焼室内へ導入する工程と、
4)同様にグリセロールの可燃性を最大化するために設計された経路によって空気を提供する工程と、を含む、グリセロールの清浄かつ効率的燃焼を達成するために必要な極めて多数の変量の正確な制御を認識している。
物質を燃焼させることは、表面上は単純なことに思われるが、本発明は、ある物質が豊富に存在し、所望の燃料源となる可能性があるが、自燃性燃料源としての前記物質の実際の使用は、極めて高温の火炎であってさえ火炎の近位に単純に配置することよりはるかに優れているという理解から生じた。むしろ、持続的方法でのグリセロールの清浄かつ効率的燃焼は、上述した極めて多数の変量の大規模な開発および精密な制御を必要とすることが明らかになった。
詳細には、公知の技術では認識もしくは解決できなかったグリセロールの持続的燃焼を達成するためには、3つのハードルがある。1)グリセロールは低発熱量を有する、2)グリセロールは高粘度である、3)グリセロールは極めて高い自己発火温度を有する。本発明のみが、方法の組み合わせによってこれらの問題各々に対応して克服することを達成できた。詳細には、高い自己発火温度は、グリセロールを導入する前に燃焼装置を適正に加熱することを通して克服される。高粘度の問題は、粘度を十分に低下させるための適切な手段を使用すること、または高粘性材料の必要な噴霧化を提供するために適正な装置を使用することによって克服することができる。低発熱量の問題は、燃焼装置内での複雑な流動場および熱フィードバック条件を作り出すことによる。以下の開示は、グリセロールなどの高粘性液体燃料源の持続的な効率的燃焼を達成するために必要とされる特定条件をより詳細に記載する。
本発明は、本明細書では特にグリセロールに関連して特に説明される可能性がある。しかし、本発明はそれに限定されないと理解すべきである。むしろ、本発明の方法および装置は、以下でより十分に説明するように、燃料源として使用するために適切な燃焼熱を有するが1つ以上の物理的特性から生じる限定された可燃性を有することを特徴とする複数のまた別の材料(例、高粘度、高自己発火温度、または低燃焼熱のうちの1つ以上を示す燃料)に拡大することができる。例えば、本発明によるとその他のポリオール類を同様に使用できよう。グリセロールは、1つの好ましい実施形態として単に説明されている。所定の実施形態では、本発明は、15cStより高い、20cStより高い、30cStより高い、40cStより高い、50cStより高い、60cStより高い、70cStより高い、80cStより高い、90cStより高い、100cStより高い、125cStより高い、150cStより高い、175cStより高い、200cStより高い、250cStより高い、300cStより高い、350cStより高い、400cStより高い、450cStより高い、または500cStより高い周囲粘度を有する任意の液体燃料に向けられることを特徴とすることができる。本明細書で使用する用語「周囲粘度」は、温度20℃および圧力1atmで意図される粘度である。
他の実施形態では、本発明の方法は、低発熱量を有すると特徴付けられた任意の液体材料とともに使用できる。詳細には、本方法は、約10MJ/kg〜約75MJ/kg、約12MJ/kg〜約60MJ/kg、約15MJ/kg〜約50MJ/kg、約12MJ/kg〜約50MJ/kg、約12MJ/kg〜約40MJ/kg、または約12MJ/kg〜約30MJ/kgの範囲内にある発熱量を有する任意の液体材料とともに使用できよう。そこで、用語「低発熱量」液体燃料は、上記の範囲内の発熱量を有する任意の液体燃料を意味する。
燃焼環境の適切な加熱を始動して維持する
多数の液体燃料バーナーは、燃料(例、灯油)の微細ミストを酸素の存在下および点火装置(例、火炎もしくは点火手段)の領域内で燃焼ゾーン内へ噴霧する工程によって作動する。しかし、酸素の存在下で燃焼ゾーン内へ単純に噴霧されるグリセロールは、発火することができない。グリセロール噴霧の中央に直接配置されたブロートーチ火炎を用いた場合でさえ、グリセロールは煙を出すが持続性火炎に点火しない。グリセロールは、約370℃(698°F)の自己発火温度を有する。比較すると、一般的燃料の自己発火温度は以下の通りである。ガソリン(280℃)、灯油(210℃)、および標準重油(約210℃〜約260℃)。理論によって拘束されることは望まないが、グリセロールについての、グリセロールの低発熱量と結合したこの(公知の燃料に比較して)高い自己発火温度は、典型的手段によるグリセロール火炎を点火して持続させる不能力をもたらすと考えられる。
上記から、「低温」バーナー内へのグリセロールの導入は有効ではなく、グリセロールは単純に燃焼できない。しかし本発明によると、グリセロールの燃焼は、周囲条件をはるかに超えて加熱される燃焼室内へグリセロールを導入することによって大きく促進できることが見いだされている。したがって、所定の実施形態では、液体燃料を燃焼させるために使用される装置の燃焼室を予熱することが有用である。
グリセロール燃焼室の予熱は、持続的な清浄かつ効率的グリセロール燃焼を促進するために有用である温度を達成することのできる任意の手段によって可能である。特定の実施形態では、予熱は、易可燃性であると認識されている予熱燃料源の導入によって実施することができる。好ましくは、予熱燃料源は、グリセロールの非存在下で導入される。例えば、予熱は、灯油、プロパン、メタンまたは任意の他の従来型炭化水素燃料を含む予熱燃料のグリセロール燃焼室内への導入によって達成することができる。好ましい実施形態では、予熱燃料は、周囲条件では気体状である燃料を含んでいる。そのような材料は、それらが燃焼装置の炉口内へ直接的に注入できるために有益である。しかし、液体燃料は、特にそれらの高い入手可能性を考えると、有益である。液体予熱燃料は、グリセロールと同一ノズルに通してポンプ輸送できる。例えば、予熱燃料およびグリセロールの両方が噴霧ノズルへ流れることを許容するために適正な配管を使用できよう。
グリセロール燃焼室の予熱は、好ましくは、燃焼室が持続的な清浄かつ効率的グリセロール燃焼のために適当な温度へ到達するまで持続する。好ましくは、予熱は、燃焼室が使用される液体燃料の自己発火温度に達するまで実施される。所定の実施形態では、予熱は、燃焼室が少なくとも約370℃の温度に達するまで実施される。好ましくは、予熱は、少なくとも約400℃、少なくとも約450℃、少なくとも約500℃、少なくとも約550℃、少なくとも約600℃、少なくとも約650℃、少なくとも約700℃、少なくとも約750℃、少なくとも約800℃、少なくとも約850℃、少なくとも約900℃、または少なくとも約950℃の温度に達するまで実施される。上記の温度は、周囲圧力での燃焼に基づき、上記温度は、燃焼条件が周囲より高い圧力を含む場合は、上記温度が低下し得ると理解されたい。
上述したように、グリセロールの燃焼は、グリセロールの自己発火温度より低い温度では持続させることができない。これは、一般には任意の燃料/酸化剤混合物の燃焼に当てはまる。だがグリセロールの燃焼は、典型的な炭化水素燃料の発熱量の3分の1である本質的に低い発熱量(約16MJ/kg)によってさらに妨害される。燃料の発熱量は、典型的には材料が燃焼して燃焼生成物が規定温度(一般には25℃)に戻った場合の規定量の材料によって放出される熱の量であると規定されている。天然ガスおよびプロパンは、各々約42MJ/kgおよび約48MJ/kgの発熱量を有する。そのような材料は、材料の燃焼は材料の自己発火温度を超える燃焼ゾーンの周囲の温度を容易に維持するために十分な量の熱を放出するために優れた自燃的可燃性である。しかしグリセロールは発熱量が相当に低いために、燃焼ゾーンの温度がグリセロールの自己発火温度に近い場合は、燃焼は燃焼を維持するために十分な熱を提供しない可能性がある。そこで、グリセロール燃焼を維持するために大規模蓄熱体を有することは非常に有益である。好ましくは、グリセロール燃焼用蓄熱体は、その燃焼を維持するためにグリセロールの自己発火温度よりはるかに高い温度で維持される。典型的には、燃焼室内の温度が高いほど、より清浄かつより効率的なグリセロール燃焼のために好都合である。詳細には、より高温の蓄熱体は、以下でより詳細に説明する、流量の摂動もしくは燃焼に関連する他の妨害に対して燃焼火炎をより耐性にさせる。これは、本発明によって使用できる全ての高粘度の液体燃料にも当てはまることである。そこで特定の実施形態では、高粘度の液体燃料の自己発火温度を少なくとも約50℃、少なくとも約100℃、少なくとも約200℃、少なくとも約300℃、少なくとも約400℃、または少なくとも約500℃超える温度へ燃焼室を予熱することが有益な場合がある。
燃焼室内で適切な温度に達したら、予熱燃料源からグリセロールへ切り換えることができる。この燃料源の移行は、段階的または一気に行うこともできる。例えば、予熱燃料源は、グリセロール燃焼室が、予熱燃料源の流動が停止され、グリセロール源の流動が開始される最終所望温度に達するまで使用できよう。当然ながら、グリセロール燃焼室内での燃焼が中断されないように、燃料源の導入において十分な重複がなければならない。また別の実施形態では、この移行はより段階的であってよい。例えば、予熱燃料源の流動は、燃料源が、規定期間にわたって予熱燃料源およびグリセロール源の両方を含み、予熱燃料含量はグリセロール含量が段階的に増加させられる間に段階的に減少させられるように、グリセロール源の流動が徐々に増加させられる間に徐々に減少させることができよう。これらの実施形態では、グリセロール燃焼室が低温にある間にグリセロール燃料源の導入を開始することができ、予熱燃料の持続的存在は、予熱燃料源を完全に中断させる前にグリセロール燃焼室の持続的予熱を許容する。
予熱燃料がグリセロール燃焼室を予熱するために使用される場合は、予熱燃料およびグリセロールの時機および流動に関する精密な制御を有することが望ましい。一部の実施形態では、予熱燃料およびグリセロールは、同一ノズルを通して提供されてよい。例えば、以下でより十分に記載したような噴霧ノズルを使用すると、グリセロールは中央ラインを通して供給することができ、予熱燃料は軸方向空気流ラインを通して提供することができよう。十分な予熱が完了すると、予熱燃料は空気流単独と置換することができる。特定の実施形態では、予熱燃料はグリセロール供給からは独立して制御され、両方の燃料は好ましくは、バーナー内へ材料を導入するための専用ポートを有している。例えば、1本はグリセロール用、もう1本は予熱燃料用の2本の中央ラインを用意できよう。さらに、予熱燃料の送達様式は、使用する燃料のタイプに依存して変化させてよい。一部の実施形態では、予熱燃料は、燃焼装置の側壁に形成されたポートを通して、好ましくは燃焼室から上流の、および/またはグリセロールが燃焼室内に噴霧されるノズルから上流のある地点で送達することができる。
他の実施形態では、グリセロール燃焼室の予熱は、他の加熱方法を用いて実施できる。実際に、燃焼室を規定温度へ加熱するために有用な、当技術分野で認識された任意の方法を使用できる。例えば、1つの実施形態では、予熱は、様々な用途のために精密な制御および直接加熱を提供する電気抵抗加熱を用いて実施できる。任意の電導性材料を加熱するためには、直接抵抗加熱を使用できる。さらに、被覆抵抗加熱器を用いて固体または液体いずれかの任意の材料を加熱することができる。被覆抵抗加熱器は、典型的には、外殻内に封入された電気絶縁体によって取り囲まれた電気抵抗素子を含んでいる。外装は、機械的および化学的保護を提供する。加熱器は、加熱対象の固体、液体、もしくは蒸気の上もしくは中に配置され、抵抗素子を通る電流によって生成される熱は対流および伝導によって加工物へ伝達される。
電気誘導加熱もまた使用できる。この方法では、ハウジング周囲の巻線中の高周波電流は、鉄製ハウジング内で渦電流を誘導し、急速加熱の発生を引き起こす。
所定の実施形態では、持続的グリセロール燃焼のために好都合な燃焼室温度は、約600℃〜約1,200℃、約650℃〜約1,150℃、約700℃〜約1,100℃、約750℃〜約1,050℃、または約800℃〜約1,000℃の範囲内にある。したがって、上述したように、燃焼室を予熱することが望ましいだけではなく、予熱が停止された後に上記の燃焼室温度が維持されるように蓄熱体を維持することもまた望ましい。本発明によると、最初にグリセロール(または相当に低い発熱量を有する他の液体燃料)の自己発火温度を超える極めて大きな蓄熱体を有する燃焼室温度を確立することによって、グリセロールの燃焼はより確実に維持できるが、これはグリセロール燃焼によって生成される熱が過剰の蓄熱体を維持するために十分だからである。したがって、上記に提供した燃焼室温度範囲は、グリセロールの自燃性燃焼を提供するために必要とされる燃焼室温度(すなわち、「グリセロール自燃性燃焼温度範囲」)と呼ぶことができる。当然ながら、以下で記載するように、この温度範囲を達成することは、本発明による真の持続的グリセロール燃焼を達成する際の1つの要素に過ぎない。
燃焼室がグリセロールの自燃性燃焼温度範囲内に維持されることを保証するためには、予熱燃料からグリセロールへの移行が比較的に継ぎ目なく行われることが有益である。言い換えると、予熱燃料の中止とグリセロール流の開始との間に燃焼室が有意に冷却するのを許容する時間がほとんど、または全くあってはならない。そこで、燃焼室の所望の予熱が達成されると、グリセロール流が燃焼室内へ直ちに噴霧される準備が整っていることが有用である。
さらに上記に関して、本発明によると、持続的グリセロール燃焼を最大化するために設計された構造を備えるグリセロール燃焼室を有するバーナーを提供することが特に望ましい可能性がある。例えば、本発明によると、グリセロール燃焼室の初期予熱後にさえ、燃料源としてのグリセロールの導入は燃焼室温度を実際に低下できることが認識されている。1つの試験では、煙突から形成された燃焼室が、約800℃〜約1,000℃の温度へ灯油で予熱された。しかしグリセロールが燃焼室火炎に噴霧され始めると、燃焼室の温度(熱電温度計によって監視する)は低下し始め、温度が約600℃未満に低下すると、燃焼が停止する。そのため、予熱環境を提供することはグリセロール燃焼を促進するために有用であるが、グリセロール液滴の蒸発および点火がシステム全体からエネルギーを実際に取り除く可能性があることが明白であった。
この問題を克服するために、本発明は、持続的なグリセロール燃焼は1つ以上の熱持続方法もしくは構造の使用から特に利益を得られることを明らかにする。例えば、グリセロール燃焼は、放射および対流フィードバック加熱を提供する絶縁金属製煙突内で実施できる。そのような加熱を提供するためには、他のタイプのバーナー構造もまた使用できる。例えば、グリセロール燃焼室内への放射熱フィードバックを増加させるためには、セラミックライニングを使用することができる。また別の実施形態では、バーナー壁と反応物質との間の熱放射による熱伝導を促進するために燃焼室の内面上に反射性材料を使用することができる。
さらにまた別の実施形態では、燃焼室の排気口を部分的に被覆することによるなどの燃焼室からの排気を少なくとも部分的に制限することが望ましい。例えば、排気口で金属プレートを使用して、火炎ゾーンを少なくとも部分的に取り囲み、燃焼室内の熱、空気および可燃性物質(例、燃料粒子)の再循環を強化することができる。任意のタイプの流動障害を使用すると、燃焼室の最高温度区間内部での各燃料粒子の滞留時間を増加させることができる。そのような障害は、各燃料粒子が完全に燃焼して、燃焼室から排気される前に流入する蒸発性グリセロールへ熱を逆伝導する機会を増加させる。以下でより十分に説明するように、本装置は、多数の空気流方向付け成分を使用して燃焼室内の熱、空気および可燃性物質の再循環を提供することができるので、燃焼室内の全ての必要な燃焼成分の滞留時間を最大化する、燃焼室内で有益な再循環ゾーンを形成する。
さらに、燃焼は導入された空気の存在下で実施されるので、グリセロール燃焼室内への対流熱フィードバックを最大化するように燃焼室を形成かつ配列することが好ましい。そこで、空気導入点から排気もしくは換気点へバーナーを通る直通空気流を有することは好都合ではない。むしろ、バーナーが空気などの熱伝導媒体の再循環を提供することが望ましい。
以下でより十分に説明するように、燃焼室内での空気旋回を最大化するように燃焼装置を設計することが特に有用である。理論によって拘束することは望まないが、適正な旋回導入は、燃焼室内での拡大による軸方向渦巻き運動への変換を考えると重要な役割を果たすと考えられる。この軸方向渦巻き運動は、燃焼室内のグリセロールの滞留時間を劇的に増加させ、高温物質およびラジカルを一次燃焼ゾーンへ逆流させ、それによってこの低発熱量燃料の完全な燃焼を可能にする。
換気による熱損失を最小限に抑えると、グリセロール燃焼室内で維持された熱は最大化され、これはグリセロールの自己発火温度を超えるグリセロール燃焼室内の温度の維持を促進する。さらに、上昇した温度を維持することは、バーナーのチョーキング(coking)および最終的にはバーナーを閉鎖させてクリーニングのためのシステムの運転停止を必要とすることがある他の材料の産生を回避する、グリセロールの「クリーナー」燃焼を提供する。燃焼装置内には、燃焼室内の滞留時間および反応物質への熱フィードバックを増加させ、ひいてはグリセロールの完全な燃焼を保証するための様々な空気力学的障害物を配置することができる。そこで、本装置は、例えば排気キャップ、空気バッフル、およびゾーンレストリクタ−などの多数の空気流方向付け成分を含むことができる。さらに、燃焼装置自体の外殻は、熱流および空気流を有益に方向付けるように成形することができる。熱フィードバックを最大化する方法は、以下でより十分に説明する燃焼室内への空気導入方法をさらに含むことができる。
グリセロール燃焼の中止は、グリセロール燃焼を再開する前にはバーナーを再び予熱する必要が随伴するために、回避するのが好ましい。むしろ、本発明は、バイオ燃料製造ラインなどの連続プロセスに使用するために特に適していることを特徴とする。したがって、1つの実施形態では、廃グリセロールがバイオ燃料製造ラインから直接的に引き出されてグリセロール燃焼装置へ方向付けられ、そこでバイオ燃料製造プロセスにおける反応を促進するために使用される熱を発生させるために燃焼させられるように、グリセロール燃焼プロセスを全バイオ燃料製造プロセスに直接的に挿入することが可能である。グリセロールバーナーが最初に予熱されると、バーナーはグリセロールだけを燃料源として作動することができる。そこで、予熱する工程は、本プロセスの始動時にのみ行われる、本プロセスの初始動工程に過ぎない。当然ながら、所望であれば、グリセロール燃焼中の任意の時点に他の燃料をグリセロールと混合することができよう。しかし、本発明は、グリセロール自体を自燃性燃焼のための単独燃料源として使用できる点で特に有益である。
燃焼のために液体燃料を調製する
本発明によるグリセロール燃焼方法は、グリセロールを燃焼室内へ導入する前に1つ以上の工程を実施することを含むことができる。詳細には、本方法は、燃焼のためのグリセロールを調製するために、何らかの方法でグリセロールを処理する工程を含むことができる。
効率的な持続的グリセロール燃焼は、この物質の高粘度によって特に妨害される。材料の有効な燃焼は、微細な噴霧もしくはミストを形成するために、典型的には材料の噴霧を必要とする。加圧噴霧ノズルなどの従来型噴霧器具は、噴霧され得る物質の粘度によって制限される。純粋(100%)グリセロールは、20℃では約650センチストローク(cSt)および38℃では約175cStの粘度を有する。比較すると、20℃で、灯油は約2.7cStの粘度、水は約1cStの粘度、およびガソリンは約0.4〜0.9cStの粘度を有する。そこでグリセロールの高粘度は、効率的燃焼に適応である噴霧状態(すなわち、小さな均一の液滴の微細な噴霧)で燃焼室内へグリセロールを導入することを困難にさせる。したがって、本発明は、粘度を低下させるためにグリセロール(またはその他の高粘度の液体燃料)を処理する工程を含むことができる。
所定の実施形態では、グリセロールは、従来型噴霧装置を用いてグリセロールを噴霧することを可能にする点へその粘度を低下させるために処理することができる。詳細には、グリセロールは、粘度が約60cSt未満、約50cSt未満、約40cSt未満、約30cSt未満、約25cSt、または約20cSt未満へ低下させられるように処理することができる。標準加圧噴霧ノズルを使用する場合は、グリセロールの粘度は、約20cSt未満、約16cSt未満、または約14cSt未満へ低下させられるのが特に好ましい。
本発明のこれらの実施形態によると、グリセロールの粘度を十分に低下させるために有用な任意の処理を使用できる。例えば、グリセロールは、グリセロールの可燃性を妨害せずに混合物の総粘度を低下させるために有用な追加の液体と結び付けることができる。好ましくは、グリセロールと混合するための液体は、グリセロールの可燃性を上昇させるためにも有用である。所定の実施形態では、混合するための液体は、本質的に極性である材料を含んでいる。1つの実施形態では、グリセロールは、メタノール、エタノール、またはその他のアルコールなどの化合物と混合することができる。混合が典型的な炭化水素燃料などの非極性材料を用いる場合は、極性および非極性材料の混合を促進するために有用な界面活性剤もしくは他の材料をさらに含むことが有用な場合がある。そのような混合物は、グリセロールが工業的プロセス(例えばバイオ燃料製造)の廃副生成物として生成される、そして生成される廃グリセロールの量が工業的プロセスの全加熱要件を満たすには不十分である状況においても有用な場合がある。次に燃焼時点での適正な噴霧を許容するためにもグリセロール粘度をさらに十分に低下させながら工業的プロセスの加熱要件を満たすために十分な量へグリセロール供給量を増量させるためには、増量剤物質をグリセロールへ添加することができよう。
驚くべきことに、本発明によると、実質的量の水と結合した場合でさえ、グリセロールを効率的かつ持続的に燃焼させられることが見いだされている。バイオ燃料製造プロセスからの廃グリセロールは、所定量の水を含有することが多い。本発明によると、水はグリセロールから分離することができるが、水は粘度低下剤として機能するためにグリセロール中に残されてもよい。さらに、グリセロールを処理してその粘度を効果的に低下させるために、水をグリセロールへ加えることができよう。本発明による試験は、水は、燃焼を実行する前に約30容量%までの濃度でグリセロールと結合することができることを示している。そこで本発明は、約99.9/0.1容量比から約70/30容量比、約99/1容量比〜約75/25容量比、約98/2容量比〜約80/20容量比、約95/5容量比〜約80/20、約90/10容量比〜約85/15容量比の比率でのグリセロール/水の組み合わせの使用を含んでいる。グリセロールを水と組み合わせることは、排出を減少させるために実際的に有益な可能性がある。例えば、本発明による試験は、グリセロールおよび水の80/20(容量/容量)%混合物の燃焼がCOおよびCOの排出の84%削減を生じさせることを示した。また別の実施形態では、水はグリセロールを噴霧する前に、または噴霧と同時に(すなわち、燃焼室内へ水ミストを提供する第2ノズルを使用することによって)グリセロールと混合することができよう。
また別の実施形態では、グリセロール粘度は、噴霧の前にグリセロールを加熱する工程によって低下させられる。グリセロールは周囲温度では比較的高い粘度を有するが、この粘度は加熱を通して大きく低下させられる。詳細には、純粋グリセロールの粘度は、約91℃へ加熱することによって約16cSt未満へ低下させられる。この粘度は、従来型器具を用いた効果的噴霧を可能にする粘度上限を表すと考えられる。グリセロールを加熱する工程は、グリセロールを噴霧する前の任意の時点に、液体を加熱するために有用な任意の手段によって行うことができる。例えば、グリセロールは、適切な熱交換装置を通って流動できよう。または、コイル(例、銅管)をグリセロール供給ラインの周囲に巻き付けることができ、さらにコイルには好ましくは約100℃(または約91℃より高い任意の温度)へグリセロールを加熱するために加熱液を流動させることができよう。加熱された(および粘度が低下させられた)グリセロールは、次に燃焼室内へ直接的に供給ラインを通って移動することができる。好ましい実施形態では、供給ラインはグリセロールの上昇した温度(および低下した粘度)を維持するために絶縁されている。特に好ましい実施形態では、供給ラインは、グリセロールの温度が噴霧ノズルに達する前に大幅に減少しないことを保証するために、さらに加熱される。例えば、グリセロール供給ラインは、好ましくはセラミック製断熱材などの絶縁材料で被覆されている電熱抵抗線を用いて加熱することができる。当然ながら、単一加熱方法を使用して供給時点から噴霧時点までグリセロールを加熱できることを理解されたい。
1つの実施形態では、グリセロールの予熱は、外部熱源を付加せずに達成できる。むしろ予熱は、再生熱交換器を用いて生成ガスから達成できる。例えば、グリセロール供給ラインは燃焼装置(特に燃焼室)の周囲に巻き付けることができ、燃焼室からの熱を使用して燃料源を加熱することができよう。当然ながら、適正な装置を使用すると、必要な温度(すなわち、約100℃未満)までのみの加熱を保証することができよう。
さらにまた別の実施形態では、特にグリセロール源が工業的プロセスの副生成物である場合は、グリセロールは形成過程の結果として既に加熱されて(したがって低下した粘度を有して)いる可能性がある。例えば、トリグリセリドからバイオディーゼルへのエステル交換反応においては、水、アルコール、およびグリセロールの混合物をフラッシュエバポレータ内へ配置し、約100℃の温度へ加熱し、そしてアルコールおよび水をグリセロールから分離するために準大気圧(sub−atmospheric pressure)へフラッシュすることができる。アルコールは、凝縮されてエステル交換反応プロセスにおいて再使用され、水は廃液として除去される。本発明によると、グリセロールは典型的には廃液としても除去されるが、(すでにフラッシングプロセスから加熱された)グリセロールは、本発明の燃焼プロセスにおいて直接的に使用できる。さらに、上述したように、水は粘度低下処理剤としてさらに機能させるためにグリセロール中に残留させることもできる。さらにまた、燃焼装置全体に残留する低質の熱は、従来型噴霧器を使用する場合に適正な噴霧のために必要とされる温度へグリセロールを加熱するために利用できよう。
グリセロール処理の組み合わせもまた使用でき得る。例えば、バイオ燃料製造プロセスからの加熱廃グリセロール流は、絶縁、および/または上記に記載した手段を含む任意の公知の加熱手段によって加熱される供給ラインに通してグリセロール燃焼室へ移動させることができよう。
好ましくは、グリセロールは、上述したように粘度を低下させるために有用な温度へ、最も好ましくはグリセロールの粘度を約20cSt以下へ低下させるために有用な温度へ加熱される。1つの特定実施形態では、低下した粘度は、少なくとも約91℃の温度へグリセロールへ加熱することによって達成される。この温度では、グリセロールの粘度は約20cSt未満へ低下させなければならず、伝統的な加圧噴霧ノズルを使用すると高温グリセロールを燃焼室内へ噴霧することができる。所定の実施形態では、噴霧の前にグリセロールを処理する工程は、少なくとも約60℃、少なくとも約65℃、少なくとも約70℃、少なくとも約75℃、少なくとも約80℃、少なくとも約85℃、少なくとも約90℃、少なくとも約95℃、または少なくとも約100℃の温度へグリセロールを加熱する工程を含んでいる。特定の実施形態では、本方法は、約70℃〜約120℃、約75℃〜約115℃、約80℃〜約110℃、約85℃〜約105℃、または約90℃〜約100℃の温度へグリセロールを加熱する工程を含んでいる。
そのような温度へ加熱することは、一般に燃焼プロセスにとって、燃料を気化かつ酸化するために必要とされるエンタルピーを低下させるのでさらに有益である。当然ながら、所望の粘度に達するためにグリセロールが加熱される温度は、グリセロール中に存在する任意の不純物のタイプおよび含量に依存してより低くてもよいことを理解されたい。例えば、上記に提供したバイオ燃料の例では、グリセロールはアルコール画分を含んでいる。グリセロール中にそのようなアルコール画分を残すことによって、グリセロールの粘度を低下させることができ、所望の粘度を達成するために必要な温度は、大幅に低下させることができる。
燃焼プロセスの効率のためには、気相内にある間に燃料および酸化剤成分が混合されることが不可欠である。詳細には、液体燃料は、酸化を開始できる前に気化されなければならず、液体燃料は、典型的には蒸発時間を最小限に抑えるために極めて小さな液滴へ噴霧される。極めて高い効率を備えるグリセロール燃焼器を入手するためには、小さく、一様なサイズの液滴を備える噴霧を生成することが有用である。したがって、燃焼前のグリセロールの処理は、微細な噴霧もしくはミストを形成するためのグリセロール液の適正な噴霧をさらに含むことができる。本明細書では、液滴形成のための所定の特定の実施形態について記載する。当然ながら、本発明によると、そのような液滴を生成できる任意の方法を使用できる。
重油バーナーは、一般には、ガンタイプ(噴霧)バーナー、ポットタイプ(気化)バーナー、または回転式バーナーに分類できる。ガンタイプバーナーは、典型的には、ノズルに通して油を推進させ、銃に似た空気流ノズル内へ噴霧することによって重油を噴霧する。液体は、燃焼室内で点火する前にしっかりと混合されて部分的に蒸発させられる微小の粒子もしくは顆粒を形成する。ポットタイプバーナーでは、燃料は燃焼用空気に気化し、そのようなバーナーは、一般には自然通風バーナー、強制通風バーナー、およびスリーブバーナーを含んでいる。回転式バーナーは、重油をそれに適用できるディスクを使用し、ディスクの回転が重油を微細噴霧として放出する。本発明によると上記のタイプのバーナーはいずれも使用できようが、特に好ましいのはガンタイプバーナーである。グリセロールの極めて低い蒸気圧(25℃で約0.001mmHg)は気化タイプのバーナーを不適切にし、効率的燃焼を最大化するためにはグリセロールの極めて微細なミストが必要とされるので、上述した高粘度は、グリセロールを回転式バーナーにとって低適合性にさせる。
本発明によると、燃料の噴霧を使用するバーナーが特に好ましい。そこで、本発明によると、任意の公知の噴霧装置を使用できよう。例えば、参照して本明細書に組み込まれる米国特許第4,783,008号明細書を参照されたい。従来型噴霧装置が使用される場合は、上述した処理などのまた別の処理が、液体燃料の粘度を低下するために使用されるべきことに留意されたい。本開示で経験を積んだ当業者であれば、使用される噴霧器具に照らして粘度低下工程が必要とされるかどうかを評価することができよう。
好ましい実施形態では、所望であれば、適正な噴霧器具の選択によって任意の粘度低下処理を行わずに済ませることが可能である。例えば、1つの実施形態では、エアブラストノズルを使用できよう。そのようなノズルは、加圧空気もしくはガス状燃料が排気される直前にノズルの先端で液体燃料供給管に遭遇するように、液体燃料供給ラインの周囲の環状区域内に加圧空気もしくはガス状燃料を供給することによって高粘度流体を噴霧するように特に設計されている。空気もしくはガス状燃料の圧力は液体燃料を吸い上げ、液体燃料の微細な噴霧を作り出す。本発明によってエアブラストノズルが使用されると、噴霧を開始するためにはノズルによる空気の別個の供給が必要とされる。例えば、加圧空気は、少なくとも約5〜10psig、好ましくは約10〜20psigの圧力で、および少なくとも約10SLPM、好ましくは約10〜30SLPMの速度で提供できよう。エアブラストノズルの使用は、グリセロール供給材料の粘度を最初に低下させる必要を減少または排除するために有益な可能性がある。しかし1つの特に好ましい実施形態では、グリセロールはグリセロールの粘度を少なくとも一部には低下させる、およびエアブラストノズル内へ噴霧する両方のために加熱することができる。これは、最適化された噴霧および燃焼特性を提供する際に特に有用である。
1つの好ましい実施形態では、噴霧は、DELAVAN(登録商標)サイホンタイプSNA空気噴霧ノズル(Goodrich Corporation社(ノースカロライナ州シャーロット)から入手できる)による。そのようなノズルは、加圧空気を使用して液体グリセロール燃料を噴霧し、初期粘度低下処理を行わずに(すなわち、グリセロールは「低温」で噴霧できる)高粘度グリセロールを適正に噴霧することのできる噴霧装置として特に有用な可能性がある。灯油などの従来型燃料を用いて使用する場合は、ノズルは、低空気圧(例、約3〜5psi)を必要とし、(加圧空気が液体燃料を吸い上げるので)燃料ポンプを必要としない。グリセロールの高粘度を考えると、噴霧ノズルを通してグリセロールを移動させるために別個のポンプを使用するのが有益な場合がある。上述した空気流の圧力および速度を使用できよう。
燃焼室の空気流を制御する
本発明の一部の実施形態では、グリセロール燃焼を促進する方法で空気流(すなわち、酸素源)を制御することが有用である。さらに、適正な空気流制御は、グリセロール燃焼室内の持続的作業温度を改善するために特に有益な可能性がある。流入ゾーンから排気口へ直線状ラインで一般に方向付けられる空気流は、燃焼室内の燃焼材料の滞留時間を制限し、燃焼室内の熱滞留を低下させる可能性がある。本発明によると、効率的な持続的グリセロール燃焼を促進する際の1つの要素は、完全な酸化を保証するためにグリセロール液滴が燃焼室内の最大化された滞留時間と遭遇することを保証することであることが見いだされている。したがって純粋に軸方向空気流に依存するのではなくむしろ、規定流動パターンおよび空気混合物を備えるグリセロール燃焼室内へ噴霧グリセロールが導入されるように空気力学的に制限された空気流を提供することが好ましい。
空気力学的に制限された空気流の1つの例は、旋回バーナーの使用を含んでいる。旋回式ジェット流(ジェットの軸の周囲)は、旋回によって提供される付加された火炎安定性のために燃料/空気混合のための好ましい手段である。強化された燃料/空気混合は、より少ない汚染物質放出およびより大きな効率をもたらすことができる。さらに、適正な混合は、さらにまたより安定した燃焼を提供するために有益な可能性がある。旋回を使用するまた別の利点は、燃焼火炎の全長の減少である。火炎長の減少を提供することは、より小さな燃焼室を可能にし、これが順に燃焼装置の構築および維持における費用の減少を生じさせる点で特に有用である。
本発明によって有用な2つの公知のタイプの旋回燃焼器は、旋回式バーナーおよびサイクロン燃焼室である。旋回式バーナーでは、旋回空気は、旋回空気および共流動燃料が燃焼室内へ方向付けられるように燃焼室の上流へ投入される。サイクロン式バーナーでは、空気は直接的に接線方向で燃焼室内へ投入され、そこでは燃料と混合され、燃焼が発生する。旋回空気によって付与される接線運動は、特にそれが突然拡大すると、方位渦巻き運動へ変換させられる。この方位渦流は、燃料スプレーノズルのすぐ下流で強力な再循環ゾーンを確立するために機能する。有効な再循環ゾーンの形成は、十分に大量の高温生成物およびラジカルを低温反応物質と混合する工程を促進し、それらの自己発火温度より高温へ反応物質を上昇させ、そこで燃焼プロセスが妨害されずに継続することを保証するので、特に有益である。本発明によると、旋回成分を用いて空気源を提供するいずれかの方法を使用できよう。
好ましい実施形態では、空気は、本発明によると液体燃料の流れに軸方向および接線方向の両方で燃焼装置内へ投入される。軸方向空気流は、1つ以上の蒸溜ポートを通してなどの、噴霧ノズルの上流のいずれかの場所から始まってよい。同様に、接線方向空気流は、噴霧ノズルの上流、噴霧ノズルの下流(好ましくは燃焼室内でノズルの近位)にあってよい複数の側方ポートを通して、または噴霧ノズルの領域内へ直接的に始まってよい。空気流は混合されて、中心燃料管の周囲を流れる旋回速度プロファイルを形成する。そのような実施形態における空気流は、以下の式、
Figure 2010529407
(式中、Gψは、軸方向空気の質量流束であり、Gは、接線方向空気の質量流束であり、dは燃焼装置の内径である)によって規定される無次元旋回数(S)によって特徴付けることができる。ゼロの旋回数は、旋回を伴わない従来型共流動バーナーを表し、5の旋回数は、比較的に高い旋回数を表す。一部の実施形態では、空気流は、少なくとも約3、少なくとも約4、少なくとも約5、少なくとも約6、少なくとも約7、少なくとも約8、または少なくとも約9の旋回数を有する方法で提供される。特定の実施形態では、空気流には、約3〜約10、約4〜約10、約5〜約10、約6〜約10、約7から約10、約4〜約9、約4〜約8、または約4〜約7の旋回数が提供される。
燃焼装置内の空気流は、さらにまた流動環境内の動圧および剪断応力の無次元比であるレイノルズ(Reynolds)数によっても規定できる。詳細には、レイノルズ数は、空気流量、燃焼室の直径、および室温空気の粘度に基づいて計算され、レイノルズ数を使用すると流動が層流、過渡流、または乱流のいずれであるかを決定できる。所定の実施形態では、プロセスパラメータは、空気流が層流であるように制御される。特定の実施形態では、燃焼室内の空気流は、レイノルズ数が約3,000未満、約2,800未満、約2,600未満、約2,400未満、約2,300未満、約2,200未満、または約2,100未満であるように提供および/または制御される。特定の実施形態では、空気流は、レイノルズ数が約1,500〜約2,400、約1,600〜約2,300、約1,700〜約2,200、約1,800〜約2,200、または約1,900〜約2,100であるような空気流である。
空気流は、一部には、燃料流量によって指示することができる。好ましい実施形態では、燃焼反応の全化学量論比が「傾斜している(lean)」(すなわち、燃料流量に基づいて燃焼のために必要とされる酸素に比して過剰の空気を有する)ことが望ましい。この「傾斜した」燃焼は、一酸化炭素(CO)およびその他の汚染物質の放出を減少させるために特に有益である。作動時に、空気流量は固定され、燃焼室は、上述したような所望のレイノルズ数を達成するためのサイズにすることができる。それでも、グリセロールの低発熱量に起因して、全化学量論比は、過剰な空気は火炎を消し得るため過度に傾斜させることはできない。グリセロールがますます過度の空気で燃焼するにつれて、旋回数(およびしたがって高温生成物およびラジカルの再循環量および滞留時間)を増加させなければならない。
バーナーの上部では、グリセロール燃料が(例えば、噴霧器から)噴霧され、旋回空気と混合され、したがって燃焼させられる。一部の実施形態では、燃焼室は、空気流をさらに制御して燃焼を最大化するように成形できる。例えば、燃焼室の内壁は、燃料スプレーの領域内で燃焼室拡張を形成するように成形すること、または適切な追加の構造を含むことができる。以下でより十分に説明するように、燃焼室拡張によって作り出された形状は、空気流を迅速に拡大し、したがって燃焼火炎の領域での再循環ゾーンの形成を促進する空気圧低下を作り出すために有用な可能性がある。このゾーンでは、燃焼ガスは火炎の外側領域から火炎の中心内へ効果的に引き戻される。旋回数が上昇するにつれて、火炎長は劇的に減少する。これは、燃焼装置の必要なサイズを減少させるためにも同様に有益な可能性がある。当然ながら、上述したように、再循環ゾーンの形成および安定化をさらに促進するために他の空気流方向付け成分もまた使用できる。
本発明によるグリセロール燃焼を達成および持続する能力は、一部には、燃焼室内で必要な流動パターンを促進するために必要とされる流体力学メカニズムの決定から生じる。上述したように、燃焼室内に導入される空気の角運動は、特に導入された旋回に起因して、燃焼室の周辺に沿って高圧領域および燃焼室の中心線に沿って低圧領域を引き起こす。空気の軸方向運動は周辺に沿って空気を上方へ移動させ、低圧はこの空気を中心線に沿って下向きへ引き返らせる。旋回(すなわち、接線方向流動)を軸方向渦流へ変換させるこの流体力学メカニズムは、高温生成物およびラジカルが燃焼室から燃焼ゾーン内へ繰り返し連れ戻されることを引き起こす。これは高温燃焼ゾーン内での燃料分子の滞留時間を効果的に増加させ、連続的再循環は、全燃料分子が燃焼させられるまで燃料分子が燃焼ゾーンを通って繰り返し移動させられることを引き起こす。そこで、本発明は、以下でより詳細に説明するように、詳細には軸方向および接線方向の両方の空気の設計された導入から誘導された旋回より生じる、および特別には反応器の設計から生じる可能性がある誘導された高圧および低圧ゾーンによって促進される燃焼室内の力学的再循環ゾーンの形成を提供する。
燃焼装置および関連成分
また別の態様では、本発明は、上述したように、グリセロールの燃焼のために有用な燃焼装置を提供する。燃焼装置は、好ましくは、グリセロールの燃焼において有用であると本明細書に記載した様々な成分を含んでいる。本装置はグリセロールの燃焼において特に有用であるが、詳細にはそれに限定される。むしろ、本燃焼装置は、任意の燃料、および詳細にはさもなければ自燃性燃焼に使用するのが困難である燃料の燃焼に使用できる。
本発明によって有用な燃焼装置の1つの実施形態は、本装置内の空気流を特に示している図1Aに部分的に示されている。その図から明らかなように、装置10は、装置10の外殻を規定する外管110およびそれを通して液体燃料(例、グリセロール)が供給される中心燃料管120を含んでいる。本装置を通る空気流は、底部から軸方向(矢印Aによって図示)および接線方向(矢印Bによって図示)の一方または両方であってよい。本装置は垂直設計を有すると図示されているが、本発明は他の形状もまた含んでいる。
図2の上面図に図示した特定の実施形態では、線Bに沿って接線方向空気流を提供するために4つの側方ポート151、152、153、および154が用意されている。上述したように、図1Aにおける線Cによって図示したように、中心燃料管120の周囲での旋回速度プロファイルを促進するために軸方向および接線方向の両方の空気流を提供することは特に有益な可能性がある。燃焼装置10の中心燃料管120の上方の部分は、燃焼室185と呼ぶことができる。これは、旋回空気が液体燃料の持続的な効率的燃焼を促進するための温度で液体燃料と結合する燃焼装置10の部分である。燃焼室の寸法は、全装置設計に依存して変動してよい。所定の実施形態では、燃焼室の寸法は、燃焼室内での熱保持を増加するために最小限に抑えられる。燃焼室はさらにまた、液体燃料が火炎内で文字通り燃焼させられる装置全体の部分であるので、火炎エンクロージャ(flame enclosure)と呼ぶこともできる。
燃焼室185の上方には、排気口190がある。燃焼装置のこれらの領域は別個に説明することができるが、実際には単一連続素子であってよい。例えば、本発明による燃焼装置は、適正に絶縁されていて、対流およびフィードバック加熱を支持するために適正な内壁構造を有する金属パイプを単純に含むことができよう。そのような実施形態では、燃焼室は単純に、液体燃料が燃焼のために噴霧して放出される地点の上方でパイプの領域を含んでいる。同様に、排気口は、単純に空気および熱が脱出するパイプの末端部分である。当然ながら、2つの領域は、例えば1つ以上のバッフル130などによって物理的に分離できよう。
図1Aの実施形態では、中心燃料管120は、液体燃料が噴霧のために適切に低い粘度を有するために十分な加熱を維持することを保証するために、管を通して流動する液体燃料を加熱するために中心燃料管の周囲に巻き付けられた加熱器/絶縁装置310を含んでいる。加熱装置は、管に一定加熱を提供する電気熱抵抗線または任意の他の装置を含むことができる。加熱装置は、絶縁層、ならびに絶縁層を圧縮して中心燃料管に対する緊密な構造を保証するための材料を含むことができる。例えば、耐熱テープを使用できよう。絶縁層は、燃焼装置を通して流入する旋回空気の加熱を防止するためにさらに有用である。例えば、より高温の空気は、より低温の空気より、より低い密度を有している可能性があるが、これは上記で考察した旋回数の計算に影響を及ぼす可能性がある。燃焼装置内の旋回空気にとって不要な閉塞を作り出すことを回避するためには、加熱装置の厚さを最小限に維持することが有用である。
本装置を通る設計された空気流を促進するために形成されることに加えて、本発明の燃焼装置は、グリセロール燃焼のために必要な条件を形成する追加の素子をさらに含んでいる。例えば、燃焼装置は、本装置を持続的グリセロール燃焼温度へ予熱するための始動燃料を送達するために1つ以上のポートを含んでいてよい。図1Aの実施形態に図示したように、2つのポート182および184は、外管110の側面に提供されている。好ましくは、そのようなポートは中心燃料管120の出口点から上流(噴霧器の上流、またはわずかに下方)に提供される。始動燃料ポートの寸法は、本装置を予熱するために使用された始動燃料のタイプに依存して変動してよい。例えば、ガス状始動燃料(例、メタンもしくはプロパン)が使用される場合は、始動燃料が火炎を消す可能性がある高速度で火炎に進入しないように、ポートは十分な寸法のポートであることが好ましい。始動燃料のための別個のポートを提供することは、さらにまたグリセロールなどの始動燃料および液体燃料両方を同時に燃焼させることを許容する。中心燃料管の出口点から上流での配置は、中心燃料管内の液体燃料をそれが出口点に達するときに加熱することを支援するためにさらに有益であり、そこで液体燃料の粘度をさらに低下させ、噴霧をさらに改善する。
図1Aの実施形態では、燃焼装置10は、中心燃料管120の出口点の領域内にゾーンレストリクタ115および117を含んでいる。図1Aの断面図では、ゾーンレストリクタは始動燃料ポート182および184によって水平に分岐されているが、ゾーンレストリクタは実際には2つの単一ピース(すなわち、左側のピースおよび右側のピース)であり、燃料ポートはこれら2つのピースを通って伸びている。本発明によるゾーンレストリクタは、本装置の寸法を制限する燃焼装置の任意の規定ゾーンに存在する構造的特徴である。好ましい実施形態では、ゾーンレストリクタは、特定の空気流特性を提供し、空気圧の増加または低下を促進することのできる規定形状を有している。図1では、ゾーンレストリクタ115および117は、2つの別個のピース(左および右)である。または、他の実施形態では、外側管110の全内周上に存在する単一ピースを使用できよう。同様に、2つより多いゾーンレストリクタを使用することができ、本装置に沿った様々な高さに配置できよう。
ゾーンレストリクタは、空気量を急速に拡張する空気圧低下を促進するために有用な可能性がある中心燃料管(例、噴霧器から下流)からのグリセロールの出口点から下流に燃焼室拡張を作り出すために設計された形状を有していてよい。図1Aでは、ゾーンレストリクタ115および117は、中心燃料管120の出口点の領域内に60°のコーンを作り出す。他の実施形態では、本発明の装置の空気流または他の機能を改善するために、相違する形状を形成できよう。例えば、所定の実施形態では、燃焼装置は、噴霧装置からすぐ下流の燃焼室の内壁が角のある部分を有し、角のある部分は、約20°〜約80°の間にある角度を有し、その角度は中心燃料管120に垂直な線に対して測定され、したがって燃料が流れるように形成することができる。角のある部分の特定の角度は、適正な空気流を維持するために規定パラメータ内になければならない。角度が小さすぎる場合は、流動分離が発生することがある。角度が大きすぎると、適正な渦形成を妨害することがある。
これは、特に図1Cの詳細図に図示されている。そこから明らかなように、ゾーンレストリクタ117は、その上方部分が中心燃料管120に垂直な線(水平の破線)に対して好ましい60°の角度を有するように形成される。ゾーンレストリクタ115は、その上部が水平の破線に対して約30°〜約80°である可変角度θを有するように図示されている。他の実施形態では、噴霧器のすぐ下流にある燃焼室の内壁は、角度θが約45°〜約75°、約50°〜約70°、または約55°〜約65°であるような角度を有する。1つの実施形態では、θは約60°である。
中心燃料管120の出口点の上方には、ゾーンレストリクタおよび旋回気流によって作り出される低圧ゾーンが結合して再循環ゾーン250を形成する。この再循環ゾーンは、再循環が液体燃料の完全な燃焼を増強するので、燃焼室内に配置される。
燃焼装置内の熱フィードバックを促進するためには、さらにまた別の素子が存在してよい。例えば、燃焼室は、燃焼室からの直接的な空気流出に抵抗し、高温生成物およびラジカルの再循環を支援する1つ以上のバッフル130を含むことができる。燃焼装置は、燃焼室内の熱を維持するためにキャップ135をさらになお含むことができる。図1Aから明らかなように、キャップ135は、排気口の周辺でのみ燃焼室からの空気流出を許容できるように排気口の上方の中央に配置されている。だが、キャップに変えて、またはキャップに加えて他の成分を使用することもできる。例えば、金属コイル、凹形もしくは凸形金属プレート、ワイヤーメッシュ、またはドーナッツ形のプレートを使用できよう。燃焼室からの熱流、空気流、または熱および空気流出を減少させるために有用な任意の構造を使用できよう。さらに、キャップもしくは類似構造を燃焼室の外側に配置する必要はない。むしろ、キャップ構造は、燃焼室からの排気口の領域に単純に配置される。そこで、キャップ構造は、燃焼火炎から様々の高さで燃焼室内に配置できよう。
上述したキャップの使用は、誘導された旋回の結果として生じる軸方向渦を捕捉かつ保持するために有益であり、したがって強力な再循環ゾーンを生成する。キャップの副次的作用は、燃焼火炎内へ熱を逆移動させることである。この流体力学作用は、固体表面を必要とする。キャップの高さもまた重要な可能性がある。キャップが噴霧ノズルに近すぎると、本明細書に記載した渦は形成されない。しかし、キャップが遠すぎると、キャップは渦を効率的に捕捉しない。一部の実施形態では、キャップは燃焼室の直径に比例する距離をノズルから離れた位置にある。例えば、キャップと噴霧ノズルとの距離は、燃焼室の直径に基づくと、1〜3直径、約1.5〜約2.5直径、または約2直径であってよい。
本発明による燃焼装置のまた別の実施形態は、図1Bに示されている。その図から明らかなように、燃焼装置10は、液体燃料を送達するための第1中心燃料管120および始動燃料を送達するための第2中心燃料管125を含んでいてよい。
中心燃料管120の端部に配置されているのは、噴霧装置200である。噴霧装置の特定の実施形態は、図3に示されている。その図から明らかなように、噴霧装置200は、液体燃料が通過するための中心開口部210および加圧空気が通過するための環状開口部220を含んでいる。一部の実施形態では、燃焼装置を予熱するために予熱燃料を通過させるために環状開口部を使用できる。噴霧装置200は、加圧空気(もしくは予熱燃料)を提供するための側方接合部230および液体燃料を送達するための底部接続部240をさらに含んでいる。例えば、中心燃料管を底部接続部へ接続することができよう。
本発明による燃焼装置のまた別の詳細図は、図4に提供されている。その図から明らかなように、装置10は、装置10の外殻を規定する外管110およびそれを通して液体燃料が供給される中心燃料管120を含んでいる。噴霧装置200は、中心燃料管120からの液体燃料が噴霧装置200内の中央開口部210を通過し、加圧空気が噴霧装置200内の環状開口部220を通過するように中心燃料管120の末端に配置される。
図4の実施形態では、燃焼装置10の再循環ゾーン250は放射遮蔽350を含んでいる。上述したように、これは燃焼装置内で熱を保持し、本装置内で加熱空気を再循環させるのに役立ち、必要な燃焼温度を維持するために有用な任意の材料を含むことができる。一部の実施形態では、ゾーンレストリクタ115および117は、燃焼装置10の再循環ゾーン250内の熱滞留をさらに増加させるための放射遮蔽として機能する材料から形成することができる。さらに、この実施形態は、燃焼装置10を取り囲んでいる絶縁層360の使用も例示している。詳細には、絶縁層は燃焼室の領域の周囲に存在するが、絶縁層は燃焼装置のより大きな、またはより小さな部分を取り囲むことができようことを理解されたい。
燃焼装置は、図5に図示したような、また別の成分と結合することができる。詳細には、また別の成分は、液体燃料供給源410を含むことができる。これは、図示したように貯蔵タンク、または別個のプロセスの成分であってよい。例えば、本発明のグリセロール燃焼方法は、詳細には副生成物としてグリセロールを製造するバイオ燃料製造プロセスと結合することができる。したがって、グリセロール燃焼装置は、バイオ燃料を製造する際に製造されたグリセロールがバイオ燃料製造プロセスから連続的に引き出され、グリセロール燃焼装置へ提供されるように、バイオ燃料製造プロセスとインラインで配置することができよう。そこで、液体燃料供給源410は、単純に供給ラインであってよい、または一時的貯蔵タンクであってよい。例えば、液体燃料供給源410は、他のプロセスの副生成物(例、水またはメタノール)を除去するための分離手段を含む一時的貯蔵タンクであってよい。同様に、液体燃料供給源410は一時的貯蔵タンクであってよく、ここでグリセロールは、他の燃料、燃料増量剤、または燃料粘度低下剤と混合されてよい。
グリセロールは、複数の成分と相互接続することのできる燃料供給ライン405を介して成分の組み合わせ全体に供給することができる。グリセロールおよびその他の可能性のある液体燃料が相当に高粘度であることを考えると、グリセロールの移動を促進するためにポンプ420を含むことが有益な場合がある。図5に示したように、ポンプ420は、加熱の上流に配置される。しかしポンプは、流動ラインの他の領域内に配置できよう。さらに、複数のポンプは、供給ラインの様々な領域内で使用できよう。
所定の実施形態では、液体燃料は、供給ライン405に通して加熱装置430へポンプ輸送される。加熱装置は、グリセロールなどの液体燃料を加熱するために有用な任意のタイプの加熱器を含むことができる。一部の実施形態では、加熱装置は熱交換器であり、グリセロールを加熱するために熱伝達液体を通して流動させることのできる供給ライン405の極めて近位に一連のパイプもしくは管を含むことができる。他の実施形態では、加熱装置430は、供給ライン405へ熱を直接的に提供してグリセロールを加熱することのできる長さの電気抵抗加熱テープ等を含むことができる。そのような加熱テープは、供給ライン405に沿った任意の領域で使用できよう。好ましくは、液体燃料が加熱されると、供給ラインは、グリセロール温度を維持するために少なくとも絶縁されている。特定の実施形態では、グリセロールは特定加熱装置を用いて加熱することができ、グリセロール温度を維持するために加熱装置から下流の供給ラインへ追加の加熱手段を提供することによってさらに加熱することができる。例えば、加熱装置から出た後には、供給ラインには電気抵抗加熱テープおよび絶縁材料を巻き付けることができる。当然ながら、上述したように、加熱装置は、使用される噴霧装置のタイプ、および/または再生加熱などのまた別の加熱方法の使用に依存して任意である。
グリセロールは、供給ライン405から燃焼装置10へ、特別には中心燃料管120へ供給される。特定の実施形態では、供給ラインは、燃料管と接続されていてよい。言い換えると、供給ラインおよび燃料管は、単一連続ピースであってよい。空気は、上述したように、軸方向および/または接線方向で燃焼装置へ供給することができる。例えば、軸方向空気流は、ポート161および163を通して提供することができ、接線方向空気流は、ポート151および153を通して提供することができる。
方法および装置の工業的使用
本発明の方法においては燃焼装置を使用することができ、様々な工業的プロセスと結合することができる。1つの実施形態では、本発明は、バイオ燃料製造プロセスにおいて反応加熱を作り出すための廃グリセロールを連続リサイクルさせるための方法を提供する。
本明細書に記載したグリセロール燃焼の方法は、燃料としてのグリセロールを燃焼させるために使用することができ、グリセロールは任意のソースから入手される。しかし、本発明は、グリセロールが市場性のある商品とは対照的に工業的プロセスから廃流として提供される場合に特に有用である。上記で指摘したように、純粋グリセロールは、様々な使用のある貴重な商品である。だが工業的プロセスにおける廃生成物として生成されるグリセロールは、典型的には不純物を含んでおり、大多数の最終使用のためにグリセロールを市販するために必要とされるレベルの純度を得るためには大規模の加工処理を必要とする。そこで廃グリセロールは、典型的には、本発明によって使用される場合は「無料」燃料源を表している。
例えば、バイオ燃料製造プロセスの場合には、相当に多量の廃グリセロールが形成される。しかし、市場性のある商品としてグリセロールを精製することは経済的に実行可能ではない。だが廃グリセロールは、燃料として使用するためには適切である。そこで、本発明によるグリセロール燃焼装置は、バイオ燃料製造装置に組み込むことができ、バイオ燃料製造プロセスにおいて製造された廃グリセロールは、バイオ燃料製造流から直接的に取り出して、本発明のグリセロール燃焼プロセスを実施するために本装置内に導入することができる。所定の実施形態では、バイオ燃料製造装置およびグリセロール燃焼装置の組み合わせは、グリセロールを燃焼のために調製するために有用な成分を含むことができる。例えば、粘度低下液をグリセロールと結合しなければならない場合は、液体を組み込むためのラインを含めることができる。同様に、残留触媒などの汚染物質を除去するためには、様々なフィルタ成分を含めることができる。さらに、低沸点成分を「洗い流す」ためには、水などの低沸点成分をグリセロールから除去するための成分を組み込むことができる。そのような成分は、それら自体を適切にバイオ燃料製造プロセスへ直接戻る方に方向付けることができる(トリグリセリドのエステル交換反応プロセスに使用するためのアルコールまたはトリグリセリド加水分解プロセスに使用するための水をリサイクルさせるなど)。グリセロール燃焼において生成された熱は、バイオ燃料製造プロセス(加水分解反応を促進するための加熱する工程など)へ戻る方に方向付けることができる。他の実施形態では、熱は、例えば発電などの他の方法のために使用することができる。
本発明のそのような実施形態は、特別には、始動期しか必要としない連続プロセスを提供することを特徴とする。上述したように、グリセロール燃焼室が加熱されると、バイオ燃料製造プロセスのための熱は、バイオ燃料製造プロセスから連続的に引き出されるグリセロールを用いてグリセロール燃焼から生成できる。そこで、自燃性熱源が提供される。
実験
以下では、本発明を例示するために記載され、本発明を限定すると見なすべきではない実施例によって本発明をより十分に説明する。
グリセロールの燃焼
図1Aに図示した装置に類似する燃焼装置を使用して、グリセロールの持続的燃焼を達成した。最初に、予熱燃料としてプロパンを用いて本装置の燃焼室を予熱した。プロパンは、17.6であると計算された旋回数および2,200のレイノルズ数を作り出す、30標準L/分(SLPM)の速度での軸方向空気流および150SLPMの速度の接線方向空気流で提供された。プロパン流動を15〜20SPLMの速度で開始し、燃料を点火した。
噴霧ノズルを通る空気流は、プロパン火炎を消光する空気流を提供することを回避しながら、ゼロから18SLPMへ徐々に増加させた。燃焼室は、火炎エンクロージャの上部が温度約800〜約1,000℃であることを示す明るい赤色で燃えるまでプロパン火炎を用いて加熱した。
グリセロールは噴霧ノズルに通して、約1g/秒の速度で開始してポンプで送り出すと、ノズル空気流速は約30SLPMへ増加した。プロパン流を停止させると、火炎はグリセロールだけで燃料供給されて燃焼し続けた。
排気試験
実施例1に記載したグリセロール燃焼からの排気を収集し、様々な排気成分の濃度を決定するために試験した。アクロレインおよびその他のアルデヒドの存在は、DNPH(2,4−ジニトロフェニル−ヒドラジン)カートリッジおよび高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて試験した。DNPHの多孔性プラグを含有する試験カートリッジは市販供給業者から購入した。実際には、グリセロール燃焼からの排気を収集し、低空気圧によってDNPHカートリッジに通して強制的に送った。試験は、排気中に存在する任意のケトンもしくはアルデヒド化合物がDNPHと反応し、カートリッジプラグ内に保持されるように機能した。DNPHプラグをアセトニトリル中に溶出させ、溶液をHPLC分析にかけ、存在する特定DNPH誘導体の質量を定量した。アルデヒド濃度は、カートリッジに通して最初に導入された排気ガスの容量と比較してHPLC分析からの質量測定を用いて計算した。
DNPHカートリッジはプラスチック成分を含んでいるので、グリセロール燃焼からの排気を収集し、次に排気を冷却させることが必要であった。これは、ゴム栓および各々がボール弁を備える2本の管を装備したフラスコを用いて達成した。フラスコ/管装置の総容量は、1.1Lであった。ボール弁を開くと、1本の管はグリセロール燃焼排気中に配置され、もう1本の管は真空に接続された。4〜6分間の収集後、両方のボール弁を閉鎖すると、フラスコ内に固定量の排気ガスが同時に捕捉された。圧縮空気は、フラスコ装置からDNPHカートリッジを通して排気ガスを「押し出す」のに使用された。
複数回の試験を実施し、検出された最高アクロレイン濃度は、ヒトの健康にとって危険であると考えられるレベル、または約90ppbよりはるかに下の17.5ppbであった。
本明細書に記載した、上記の説明に提示した教示の利点を有する本発明の多数の変形および他の実施形態は、これらの本発明が関係する当業者であれば思いつく。このため、本発明は、本明細書に開示した特定の実施形態には限定されないこと、変形および他の実施形態は添付の特許請求項の範囲内に含まれることが意図されていると理解されたい。本明細書では特定の用語が使用されているが、それらは一般的および記述的意味でのみ使用され、限定するためではない。

Claims (33)

  1. 15cStより大きな周囲粘度を有し、かつ、約10MJ/kg〜75MJ/kgの範囲内の発熱量を有する高粘性で低発熱量の液体燃料を持続的に燃焼させるためのプロセスであって、
    燃焼室を備える燃焼装置を提供する工程と、
    前記燃焼室を、前記高粘性で低発熱量の液体燃料を前記燃焼室内へ導入する前に温度が少なくとも約370℃となるように加熱する工程と、
    前記燃焼室内へ導入するために前記高粘性で低発熱量の液体燃料を提供する工程と、
    前記グリセロール燃焼室内へ導入するために前記高粘性で低発熱量の液体燃料を噴霧する工程と、
    前記燃焼室内の前記噴霧された高粘性で低発熱量の液体燃料を、前記高粘性で低発熱量の液体燃料の持続的燃焼を達成するために、前記燃焼室内で再循環ゾーンを作り出す旋回速度プロファイルを有する空気と結合する工程と
    を含むプロセス。
  2. 前記燃焼室を加熱する工程が、前記燃焼室を所望温度へ加熱するために十分な時間にわたって前記燃焼室内で予熱燃料の燃焼、および次に前記予熱燃料の燃焼を中止させる工程を含み、前記予熱燃料が前記高粘性で低発熱量の液体燃料以外の燃料である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記予熱燃料が、灯油、メタン、プロパン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記燃焼室を加熱する工程が、電気抵抗加熱を含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記空気には、前記燃焼室内で再循環する空気へ軸方向渦運動を付与する、空気力学的に制限された空気流が提供される、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記グリセロールの流動に対し、軸方向および接線方向の両方にある空気流を提供する工程を含む、請求項1に記載のプロセス。
  7. 前記空気流の旋回速度プロファイルが、少なくとも約5の旋回数を有することによって規定される、請求項1に記載のプロセス。
  8. 前記空気流の旋回速度プロファイルが、約1,500〜約2,400のレイノルズ数を有することによって規定される、請求項1に記載のプロセス。
  9. 前記加熱する工程が、前記燃焼室を少なくとも約600℃の温度へ加熱することを含む、請求項1に記載のプロセス。
  10. 前記加熱する工程が、前記燃焼室を少なくとも約800℃の温度へ加熱することを含む、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記高粘性で低発熱量の液体燃料の粘度を約20センチストーク未満へ低下させるために、噴霧の前に前記高粘性で低発熱量の液体燃料を処理する工程をさらに含む、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記処理する工程が、前記高粘性で低発熱量の液体燃料を加熱する工程を含む、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記処理する工程が、前記高粘性で低発熱量の液体燃料を粘度低下液と結合する工程を含む、請求項11に記載のプロセス。
  14. 前記高粘性で低発熱量の液体燃料が、グリセロールを含む、請求項1に記載のプロセス。
  15. 15cStより大きな周囲粘度を有し、かつ、約10MJ/kg〜75MJ/kgの範囲内の発熱量を有する高粘性で低発熱量の液体燃料を燃焼させるための燃焼装置であって、
    外殻と、
    約600℃〜約1,200℃の範囲内にある燃焼温度で、放射および対流フィードバック加熱を提供する内面を有する燃焼室と、
    前記高粘性で低発熱量の液体燃料を前記燃焼室内へ導入するための中心燃料管と、
    前記燃焼室内へ前記高粘性で低発熱量の液体燃料を導入する前に前記高粘性で低発熱量の液体燃料を噴霧するための、前記中心燃料管へ取り付けられた噴霧装置と、
    前記中心燃料管を通る前記高粘性で低発熱量の液体燃料の流れに対し、軸方向および接線方向の一方または両方である空気流を提供するために、前記外殻上に配置された複数の空気ポートと
    を含む燃焼装置。
  16. 前記装置が、前記燃焼室から排気するための排気口をさらに含み、前記排気口が前記燃焼室からの熱流、空気流、または熱および空気流の流出を限定するための1つ以上の成分を含む、請求項15に記載の装置。
  17. 前記排気口が、前記排気口の周辺でのみ開口部を提供できるように、前記排気口の上方の中央に配置されたキャップを含む、請求項16に記載の装置。
  18. 前記キャップが、前記噴霧装置からある距離を離して配置され、前記距離が、前記燃焼室の直径の1.5〜2.5倍に等しい、請求項17に記載の装置。
  19. 熱流、空気流、または熱および空気流を、前記燃焼室の側面から前記燃焼室の中心部分へ向けて逆に偏向させるために前記燃焼室の内面に取り付けられた1つ以上の空気バッフルをさらに含む、請求項16に記載の装置。
  20. 前記噴霧装置から下流で拡張ゾーンを形成できるように、前記装置の内部形状を修飾する1つ以上のゾーンレストリクタをさらに含む、請求項15に記載の装置。
  21. 予熱燃料を提供するための第2燃料管をさらに含む、請求項15に記載の装置。
  22. 予熱燃料を提供するために前記外殻上に配置された1つ以上のポートをさらに含む、請求項15に記載の装置。
  23. 前記1つ以上の予熱燃料ポートが、前記噴霧装置から上流に配置される、請求項22に記載の装置。
  24. 前記噴霧装置が、サイホンタイプの空気噴霧ノズルである、請求項15に記載の装置。
  25. 中心燃料管内へ導入する前に前記高粘性で低発熱量の液体燃料を加熱するための分離加熱装置をさらに含む、請求項15に記載の装置。
  26. 前記中心燃料管を通して前記高粘性で低発熱量の液体燃料をポンプ輸送するためのポンプをさらに含む、請求項15に記載の装置。
  27. 前記中心燃料管が、規定温度で前記中心燃料管内で前記高粘性で低発熱量の液体燃料を加熱または維持するための1つ以上の成分をさらに含む、請求項15に記載の装置。
  28. エネルギー生成のために廃グリセロールを連続リサイクルさせるための方法であって、
    a.反応副生成物としてのグリセロール流を形成するプロセスを実施する工程と、
    b.グリセロール燃焼プロセスにおけるグリセロール源として使用するための前記グリセロール流を引き出す工程と、
    c.エネルギーを生成するために前記グリセロールを燃焼させる工程と
    を含む方法。
  29. d.プロセスを実施するために必要とされる加熱の少なくとも一部分を提供するために、前記グリセロールの燃焼によって生成されるエネルギーを使用する工程をさらに含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記エネルギーが、工程(a)からのプロセスを実施するために必要とされる加熱の少なくとも一部分を提供するために使用される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記エネルギーが、発電するために使用される、請求項28に記載の方法。
  32. 前記グリセロールを燃焼させる工程が、
    i.燃焼室を備える燃焼装置を提供する工程と、
    ii.前記グリセロール燃焼室内へ導入するために、低粘度のグリセロールを噴霧する工程と、
    iii.熱を提供するために前記グリセロール燃焼室内のグリセロールの持続的燃焼を達成するために、前記燃焼室内の噴霧されたグリセロールを、前記燃焼室内で再循環ゾーンを作り出す旋回速度プロファイルを有する空気と結合する工程と
    を含む、請求項28に記載の方法。
  33. 前記製造プロセスが、バイオ燃料製造プロセスを含む、請求項27に記載の方法。
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