JP2010523094A - 生体分子の精製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、以下の工程;a)この工程の前又は後で、生体分子を含有する試料からの溶液又は懸濁液を反応容器で調製する又は反応容器にそれを詰める、結合マトリクスを有する反応容器を遠心機にて配置することと、b)第1の加速度値での少なくとも1回の第1の遠心工程及び第1の加速度値よりも高い第2の加速度値での少なくとも1回の第2の遠心工程を含む少なくとも1回の多段式遠心工程を組み入れることと、その際、c)工程b)は結合工程、洗浄工程及び/又は溶出工程であってもよいこととを含む、試料から生体分子を精製する方法に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体分子、特にDNA分子やRNA分子のような核酸の精製方法に関する。
生物試料に由来する生体分子の精製及び分析は、基礎的な生物医学研究、臨床研究及び臨床診断、法医学分析、集団遺伝学の調査、疫学分析並びにこれらに関連する専門分野において果たす役割が高まっている。これは、特にDNA分子やRNA分子のような核酸に適用されるが、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、脂肪、脂肪酸及び/又は脂質にも適用される。
生物学はこの20年間、このために包括的な一連の分子生物学的手段が進展させてきた。従って、たとえば、医学的及び臨床的な診断、法医学、薬剤の開発と評価における製薬学、食物の分析及び食品のモニタリング、作物及び家畜の育成における農学、並びに環境分析並びに研究の多くの分野において今後、分子生物学解析の一層さらに広範な使用が期待されるべきである。
トランスクリプトーム、すなわち、細胞中のmRNAの解析によって、遺伝子の活性を直接決定することができる。たとえば、リアルタイム逆転写PCR(リアルタイムRT−PCR)又は遺伝子発現のチップ解析のような現代的な分子生物学の方法による細胞における転写物パターン(mRNAパターン)の定量的解析によって、たとえば、不完全に発現された遺伝子を検出することができ、その結果、たとえば、代謝性疾患や感染、又は癌性疾患に向かう素因を検出することができる。
分子生物学的方法、たとえば、PCR、NASBA、RFLP,AFLP又は配列決定によるゲノム、すなわち、細胞のDNA全体の解析によって、たとえば、遺伝的欠損を検出することができ、又はHLAの型及びそのほかの遺伝的マーカーを決定することができる。法医学的な、集団遺伝学の又は食物の法定分析のためのDNAフィンガープリント法は、さらにこの総称に該当する。ゲノムのDNA及びRNAの解析も、たとえば、ウイルス、細菌などの感染性病原体を直接検出するのに用いられる。
そのほかの生体分子、たとえば、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、脂肪、脂肪酸及び/又は脂質の解析は、たとえば、特定の生理的状態、食物における混入、特定の栄養素の含量などに関する情報を提供することができる。
しかしながら、これらのアプローチすべての前提条件は、試料に含有される生体分子、特に核酸が、その後、付随する記載された方法の1つに供されることができるように単離され、精製されていることである。
検出されるべき生体分子は非常に低い濃度でしか存在しないことが多いので、試料に含有される生体分子の効率的で且つ高収率の精製が決定的に重要である。
生物試料から生体分子を精製する方法は多数ある。ここでは遠心工程を使用することが多く、その背景において、結合マトリクスを含有する遠心管に溶解された試料が導入される。遠心の間、溶液はマトリクスを介して運ばれ、精製されるべき生体分子は結合した形態でマトリクス上に残存する。手順のそれに続く進行の間、それらはマトリクスから溶出され、回収される。
この方式に従う核酸の精製方法は、たとえば、特許文献1で開示されたいわゆる「ブーム方式」の方法である。
これにおいて、カオトロピック塩の存在下、珪酸塩マトリクスを伴う容器に、核酸を含有する試料が導入される。次いで容器は遠心され、又は真空が適用される。これによって核酸を珪酸塩マトリクスに結合させる一方で、試料のそのほかの構成物質すべて(特に細胞残屑、細胞小器官、タンパク質など)は珪酸塩マトリクスを通過し、廃棄される。次いで結合した核酸を好適な作用物質によって溶出し、さらなる解析に供する。
結合に関連するメカニズムは、たとえば、非特許文献1に記載されている。
この方法には、いわゆる「スピンカラム」が使用されることが多い。これらは、円盤様の珪酸塩マトリクスを含有する微量反応用の容器であり、底が開放されており、底が閉鎖されたさらなる微量反応用の容器の中に配置される。核酸を含有する試料をカオトロピック塩と共にピペットで微量反応用の容器に入れる。次いで2本の微量反応用の容器の組み合わせを遠心機に導入し、約10000×gの加速度値で遠心する。この手順の間、核酸が珪酸塩マトリクスに結合する一方で、試料のそのほかの構成物質はすべて珪酸塩マトリクスを通過し、底が閉鎖された第2の微量反応用の容器に移される。次いで後者は廃棄されるが、結合した核酸は好適な作用物質によって溶出され、さらなる解析に供される。
そのような及び類似の製品は、とりわけ本発明の出願者から入手可能であるが、たとえば、プロメガ、アンビオン、マシュレ、ネーゲル及びインビトロゲンのような競争業者からも入手可能である。
生体分子の精製に関するそのような方法の重要な特徴は、多くの場合、達成される収量が不適当であるということである。特にこれらは、試料中の生体分子の量が非常に少ないので従来の精製方法による収量がその後検出されるべき分子について十分ではない場合である。そのような試料は、たとえば、弱く発現された遺伝子のRNAが解析されるべきである法医学の試料(単数)又は試料(複数)である。
欧州特許第389063号
Melzak et al.(1996),過塩素酸塩溶液におけるシリカへのDNAの吸着のための推進力、コロイドおよび界面化学雑誌(Journal of Colloid and Interface Science) 181 (2), 635−644
本発明は、従来技術から生じる記載された不都合を克服する目的に基づく。特に、本発明の目的は、不利な状況下の試料から生体分子、特に核酸を精製することができ、その後の解析に利用することができるように達成される生体分子の収量を高めるように言及された方法を改善することである。
提出された主クレームの特徴によって本目的は達成される。サブクレームは、好ましい実施態様を記載する。ここでは、述べられる所与の範囲は常に特定の限定値を含むように理解されるべきであることに留意すべきである。
従って、以下の工程を含む、試料からの生体分子の精製方法を提供することが考えられる。
a)結合マトリクスを伴った反応容器の遠心機への配置、但し、生体分子を含有する試料の溶液又は懸濁液は、この工程の前又は後で、反応容器で調製される又は反応容器に導入される;及び
b)第1の加速度値での少なくとも第1の遠心工程と第1の加速度値より高い第2の加速度値での少なくとも第2の遠心工程を含む少なくとも1回の多段式遠心工程の包含;
但し、
c)工程b)は、結合工程、洗浄工程及び/又は溶出工程であることができる。
好ましくは、多段式の工程b)は結合工程であり、遠心によって生体分子が結合マトリクスに結合する。実施例で実証されるように、この場合生体分子の相当に改善された収量が達成される。しかしながら、この工程は同様に好ましくは洗浄工程であることができる。
さらに、第1の遠心工程の前、第1と第2の遠心工程の間、又は第2の遠心工程の後に、任意でさらなる遠心工程を含めることを考えることができる。
さらに好ましい実施態様では、方法が、少なくとも任意の多段式の遠心工程を常に含む、少なくとも結合工程、洗浄工程及び溶出工程を含むことがさらに考えられる。
特に好ましくは、生体分子は、核酸、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、脂肪、脂肪酸及び/又は脂質を含有する群から選択される物質であることが考えられる。
下記では、用語「核酸」は、特にRNA及びDNAを意味するように理解されるべきである。プラスミドDNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA及びミトコンドリアDNAは特にここではDNAとして考えられる一方で、mRNA、siRNA、miRNA、rRNA、snRNA、t−RNA、hnRNA及び全RNAは特にRNAとして考えられる。
原則として、ここで導入される核酸は、プリン塩基又はピリミジン塩基のN−グリコシド又はC−グリコシドであるポリヌクレオチドのいずれの種類であることもできる。核酸は、一本鎖、二本鎖又は複数鎖、直鎖、分枝鎖又は環状鎖であることができる。
それは、細胞に存在する分子、たとえば、ゲノムDNA又はメッセンジャーRNA(mRNA)に相当することができ、又は、たとえば、相補的DNA(cDNA)、アンチセンスRNA(aRNA)又は合成核酸のように試験管内(in vitro)で製造することができる。核酸は、数個のヌクレオチド又は数千個のヌクレオチドから構成されることができる。
下記では、用語「結合マトリクスを伴う反応容器」は、選択的に決定された物質と会合する結合マトリクスが反応容器又は小型化カラムの中に配置される生化学的分離方式を意味するように理解されるべきである。
下記では、用語「加速度値」は、遠心機の回転速度によって達成され、遠心される物品に作用する重力加速度の倍数を示す。これは、パラメータg=9.81ms-2によって測定される。1000×gは、たとえば、重力加速度の1000倍である加速度値を示す。加速度値はまた、「遠心指標」とも呼ばれるが、一般に1分間当たりの回転数(rpm)で示される遠心機の回転速度には相当しない。加速度値は、遠心機のドラムの直径(有効な直径)と回転速度によって推定的に決定される。
下記では、用語「遠心工程」は、定義できる持続時間と定義できる加速度値によって区別される方法工程を意味するように理解される。
この結合マトリクスは好ましくは、アニオン交換体、珪酸塩基材、プラスチックの基材又はキトサン含有の基材を含む。
下記では、用語「珪酸塩基材」は、大きな内部表面積を有し、溶液に含有される構成物質がマトリクスの構成物質と接触するように真空を適用する間、又は遠心の間、反応容器に導入された溶液が膜、沈殿物、充填物又は円盤を通って行くように、反応容器に配置される多孔性珪酸塩の膜、沈殿物、充填物又は円盤を意味するように理解されるべきである。珪酸塩基材は好ましくはシリカゲルのマトリクスである。珪酸塩基材は同様に型押しガラス繊維又はガラスビーズ(「マイクロビーズ」)から構成することができる。たとえば、商標名QIAプレップ及びRNeasyのもとで本出願者によって市場に出された精製キットにおいて珪酸塩基材が使用される。
アニオン交換体は従来技術から十分に知られている。核酸の主鎖の負に荷電したリン酸ラジカルと相互作用する樹脂が一般にここで使用される。使用される緩衝液の塩濃度及びpH値は、核酸が樹脂に結合するか、又はカラムから溶出されるかどうかを決定する。
そのようなアニオン交換体は、たとえば、キアゲン、ゲノムチップ及びプラスミドチップの商標名で本出願者によって市場に出されている。
キトサンは、生体分子の結合剤として最近になって議論されている。これは、β−1,4−グリコシド結合N−アセチルグルコサミンラジカルとグルコサミンラジカルのコポリマーである。生理的条件下で、キトサンは、正の正味電荷を持つので、負に荷電した多数の生体分子、特に核酸、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、脂肪及び脂肪酸を結合することが可能である。
本発明によれば、さらに特に好ましくは、結合マトリクスが珪酸塩基材を含み、さらに生体分子を含有する試料が遠心の前に少なくとも1種のカオトロピック塩と混合されることが考えられる。実施態様は特に核酸に好適である。この背景において使用される分離方式は、すでに議論された「ブーム方式」の方法に基づく。これにおいて、カオトロピック塩の存在下で、珪酸塩マトリクスを伴った容器に、核酸を含有する試料が導入される。次いで容器が遠心される又は容器に真空が適用される。これによって核酸が珪酸塩マトリクスに結合する一方で、試料のそのほかの構成物質すべて(特に細胞残屑、細胞小器官、タンパク質など)は珪酸塩マトリクスを通過し、廃棄される。次いで結合した核酸を好適な作用物質によって溶出し、さらなる解析に供する。
好ましくは、この実施態様では以下の工程が考えられる。
a)珪酸塩基材を含む結合マトリクスを伴ったカラム様の反応容器の遠心機への配置、但し、核酸を含有する試料と少なくとも1種のカオトロピック塩の溶液又は懸濁液は、この工程の前又は後で、この反応容器で調製され、又はこの反応容器に導入される;
b)第1の加速度値での第1の遠心工程の包含;
c)第1の加速度値よりも高い第2の加速度値での第2の遠心工程の包含;
d)工程c)と工程d)の間又は工程d)の後でのさらなる遠心工程の任意の包含;
e)1以上の洗浄工程の任意の包含;
f)珪酸塩基材に結合した核酸の溶出溶液による溶出。
この実施態様では、多段式の遠心工程は、核酸が珪酸塩マトリクスに結合する結合工程である。この実施態様は、珪酸塩マトリクスを含有する「スピンカラム」による従来技術から知られる1工程法に比べて、精製されるべき核酸の相当に改善された収量をもたらす。しかしながら、或いは、又はこれに加えて、上記プロトコールの下で数工程として洗浄工程及び/又は溶出工程が計画されることも考えられる。
洗浄の工程(単数)又は工程(複数)は、洗浄緩衝液と共に行われる。これは特にエタノール及び/又はアセトンを含有する。
結合マトリクスに結合した生体分子、特に核酸の溶出のための溶出溶液は、たとえば、水(蒸留水を含む)又は低モル溶液であることができる。ここでは、低濃度の塩化ナトリウム溶液が、たとえば可能である。
カオトロピック塩は好ましくはすでに溶液中にある。或いは核酸を含有する試料が溶液又は懸濁液の中にあることができ、カオトロピック塩を次いで加えることができる。或いは、今度は、試料とカオトロピック塩が固形物として存在することができ、一緒に溶液又は懸濁液にすることができる。
下記では、用語「カラム様の反応容器」は、上端部が任意で閉鎖可能であり、底部が任意で開放している容器を意味するように理解されるべきである。反応容器は上述した珪酸塩マトリクスを含有する。上記の意味での反応容器の典型例は、本出願者によって製造され、市場に出されているような、いわゆる「スピンカラム」である。反応容器は、たとえば、エッペンドルフによって市場に出されたもののような市販の幾分大きい反応容器に正確にはめ込むように配置することができるように好ましくは構成される。この場合、大きい方の反応容器は、結合マトリクスを通過する液体のための回収容器として役立つ。
言及される本発明に係る方法は、低い加速度値での遠心工程と高い加速度値での遠心工程の初めての組み合わせによって生体分子精製における収量を、本出願者による研究が示しているように(実施例を参照)20%まで高める。この手段によって分析的検討は相当に促進され、多くの場合、最初でさえ可能であるが;たとえば、試料中の核酸の量が非常に少ないので従来の精製方法による収量が、増幅されるべき及び/又は検出されるべき核酸について十分ではない場合がある。
言及される収量に対する改善は驚くべきであり、当業者によって予期し得るものではなかった。今日までの「カラムスピン」法が常に単一の加速度値で行われているという事実から見て、2工程遠心法は、表面的に考えると1工程遠心法よりも時間がかかるので、非常に好ましくないように思われる。
本発明に係る方法は、たとえば、研究用器具エッペンドルフの製造者によって製造されるような、生命科学の研究操作に存在するような、市販の手動操作可能な卓上遠心機にて行うことができる。この場合、遠心のプロトコールは、異なった加速度値での少なくとも2回の遠心工程と共に「手動」で完成される、すなわち、異なった遠心工程を含めるのにユーザーの介入が必要である。
言うまでもなく好ましくは、本発明に係る方法は、自動化された及び/又はプログラム可能な遠心機において行われることが考えられる。ここでは特に、異なった加速度値での少なくとも2回の遠心工程を伴った、内部に保存された1以上の遠心プロトコールを遠心機がすでに有することを考えることができる。そのような遠心機は明らかに、本発明の保護の範囲に該当する。
生物試料は、特に好ましくは、試料材料、血漿、体液、血液、血清、細胞、白血球分画、外皮催炎物質、唾液、尿、精子、糞便、法医学試料、塗沫標本、穿刺試料、生検、組織試料、組織の一部及び臓器、食物試料、環境試料、植物及び植物の一部、細菌、ウイルス、ウイロイド、プリオン、酵母及び真菌、及び前述の材料の断片又は構成物質、及び/又は単離された、合成された又は修飾されたタンパク質、核酸、脂質、炭水化物、代謝産物及び/又は代謝体を含有する群から選択される材料である。
この背景において、生物試料における又は生物試料に由来する核酸のその後の解析については、当業者に既知であり、好適であると思われる解析方法すべてを採用することができ、好ましくは、光学顕微鏡、電子顕微鏡、共焦点レーザー走査顕微鏡、レーザー顕微解剖、走査電子顕微鏡、ウエスタンブロット法、サザンブロット法、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫沈降、アフィニティクロマトグラフィ、突然変異解析、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、特に二次元PAGE、HPLC、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)、RFLP解析(制限断片長多型解析)、SAGE解析(遺伝子発現の連続分析)、FPLC解析(高速タンパク質液体クロマトグラフィ)、質量分光分析、たとえば、MALDI−TOFF質量分光分析又はSELDI質量分光分析、マイクロアレイ解析、LiquiChip解析、酵素の活性の溶解、HLAタイピング、配列決定、WGA(「ゲノム全体の増幅」)、RT−PCR、リアルタイムPCR又はRT−PCR、RNA分解酵素保護解析又はプライマー伸長解析を含む群から選択される方法である。
好ましくは、方法は、生体分子を含有する細胞又は組織の溶解のための工程によって先行されることが考えられる。
この溶解工程は、たとえば、物理的溶解又は化学的溶解であることができる。採用される物理的溶解法は、特に超音波の使用、連続的な凍結及び融解(凍結/融解)、回転刃の使用、振動するマイクロビーズの使用、低張ショックの作用、いわゆる「フレンチプレス法」又はいわゆる「細胞爆弾法」である。
可能性のある化学的溶解法は、特に、フェノール、クロロホルム及び/又はイソアミルアルコールの使用である。酵素法も同様にこの用語に該当するので、たとえば、細菌用のリゾチームの使用又は酵母用のβ−グルクロニダーゼ(カタツムリの内臓酵素)の使用である。
特定の形態は、アルカリ溶解である。これは、すでに溶解された細菌からプラスミドDNAを単離するのに特に使用される。細胞抽出物へのNaOHの添加によって、染色体DNA及びプラスミドDNA双方の相補的DNA鎖間の水素架橋結合が分解し、その立体配座のためにプラスミドDNAは完全に復元することが可能である。個々の調製工程によりバラバラに分解された染色体DNAは、酢酸カリウムと氷酢酸によるpHの中和の後、復元することができず、短い相補的領域でのみDNA二本鎖が生じ、多数のDNA一本鎖の非整列接合のために、DNAの絡まった塊が生じる。中和のために沈殿していたNaOHと共にこれは比較的容易に遠心で除くことができる。この遠心工程で、タンパク質と同様に細胞膜及び細胞膜構成物質は、さらに沈殿物として沈殿する。遠心後、プラスミドDNAは上清にある。
さらに特に好ましくは、本発明に従って使用されるカオトロピック塩は、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、ヨウ化グアニジン、尿、硫酸アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸ナトリウム、(イソ)チオシアン酸ナトリウム及びチオシアン酸グアニジンを含有する群から選択される塩又は塩の混合物であることが考えられる。
カオトロピック塩は水に高い親和性を有する塩なので、水和殻を形成する。これらの塩の存在下で、疎水性の側鎖の溶解性が高まるのでタンパク質における疎水性の相互作用が不安定化され、タンパク質は変性する。他方、DNAやRNAのような核酸は、その安定化に疎水性の相互作用を必要としないので、損なわれることはない。さらに、高濃度のカオトロピック塩のカチオンは、特に珪酸塩マトリクスにおける珪酸塩の表面の負の電荷を満たし、正の正味電荷を生成し、それは、珪酸塩マトリクスへの核酸の結合を相当に強要する。
本方法の第1の遠心工程は、好ましくは、5〜2000×gの間の範囲での加速度値で行う。特に好適な加速度値は、10×g、27×g、50×g、150×g、300×g、500×g、800×g、1000×g及び1500×gである。この遠心工程は、たとえば、5秒〜20分間の持続時間を有することができる。10秒〜10分間の持続時間が特に好ましい。30秒〜5分間の持続時間が特に好ましい。
本方法の第2の遠心工程は、好ましくは、100〜25000×gの間の範囲での加速度値で行う。特に好適な加速度値は、180×g、610×g、1000×g、2500×g、8000×g、12000×g及び/又は17000×gである。この遠心工程は同様に、たとえば、5秒〜20分間の持続時間を有することができる。10秒〜10分間の持続時間が特に好ましい。30秒〜5分間の持続時間が特に好ましい。
上記の記載から理解できるように、第1と第2の遠心工程の加速度値の値範囲は重なっている。しかしながら、本発明に従って確実に、第1の遠心工程の加速度値が第2の遠心工程の加速度値を常に下回るようにしなければならない。
さらに好ましくは、反応容器は、「振り子型」の遠心ローターで遠心されることが考えられる。そのようなローターでは、ローターを動かすときなって初めて必要とされる遠心角が定められる。本発明にかかる方法は実際には、固定角のローターを用いた場合、収量で前記改善を有するが、すでにローターに配置された反応容器又は遠心容器に、たとえば、ピペットで又はピペット操作ロボットの助けを借りて物質が導入されるべきであるならば、好ましくは「振り子型」の遠心ローターが採用される。
特に好ましくは、本方法の個々の工程は自動化手順によって進行することが考えられる。これについて、本出願者は、とりわけ、ピペット操作ロボットとプログラム可能な遠心機を組み合わせる彼自身の装置を開発した。そのような自動的化方法の助けを借りて、実験室の処理能力を相当に高めることができ、同時に配置ミスを大幅に回避することができる。双方の因子は、臨床の、法医学の、疫学的な及び集団遺伝学の検討において正確に重要な役割を担う。
試料から生体分子、好ましくは核酸を精製するための方法で使用するための結合マトリクスを含有する反応容器がさらに提供される。そのような反応容器は、たとえば、図3に示される。
試料から生体分子、好ましくは核酸を精製するための方法で使用するための組成物が本発明に従ってさらに提供され、該組成物は、アルカリ剤、フェノール、溶解酵素、イソアミルアルコール、クロロホルム、カオトロピック塩、アルコール、水及び無機又は有機の塩を含有する群から選択される少なくとも1つの構成物質を含む。
この組成物は、たとえば、溶解緩衝液(フェノール、溶解酵素、イソアミルアルコール、クロロホルム)、結合緩衝液(カオトロピック塩)、洗浄緩衝液(アルコール、無機又は有機の塩)又は溶出緩衝液(無機又は有機の塩)であることができる。
本発明によれば、少なくとも1つのそのような組成物を含む要素のキットがさらに提供される。特に好ましくは、このキットは、上述のような少なくとも反応容器と、さらに生物試料における若しくはそれに由来する生体分子の分析のための、又は生物試料の形態の分析のための試薬とをさらに含む。
ここで採用することができる、生体分子の解析のための試薬は、特に核酸、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、脂肪、脂肪酸及び/又は脂質の検出又は定量のための試薬である。当業者は、彼自身の発明的行動なしで技術文献からそのような試薬を見つけることができる。そのような試薬は、特に解析される生体分子については、キットとしてすでに入手可能な既製品であることが多い。そのような試薬には、特に、細胞又は細胞の構成物質を染色するための色素、任意で蛍光色素又は酵素で標識された抗体、吸収性マトリクス、たとえば、DEAEセルロース又はシリカの膜、酵素のための基質、アガロースゲル、ポリアクリルアミドゲル、エタノール又はフェノールのような溶媒、水性緩衝液、RNA分解酵素を含まない水、溶解試薬、アルコール性溶液などが挙げられる。
この背景において、組成物をすでに容器に導入することができる。しかしながら、キットは、さらなる構成要素として計量装置を含み、それは組成物で満たされ、それによって組成物の規定された部分を好ましくは無菌条件下で容器に導入することができることも考えられる。そのような計量装置は、たとえば、石鹸分配器の形態で構築することができる。
本発明に従って、遠心機を含む、試料から生体分子、好ましくは核酸を精製するための装置がさらに提供され、装置は、ユーザーの介入無しで遠心する間、自動化手順によって異なったレベルでの加速度値による少なくとも2つの遠心工程の包含を可能にする手段を含むことを特徴とする。この目的で、多段式遠心のプロトコールを保存する及び/又は保存することができる保存装置を有するマイクロプロセッサ制御が一般に必要である。
本発明に従って、試料から生体分子を精製するための上述の方法を実行するための手段をしかるべく含む遠心装置が同様に提供される。この背景において、ユーザーの介入無しで遠心する間、自動化手順によって異なったレベルでの加速度値による少なくとも2つの遠心工程の包含を可能にするマイクロプロセッサ制御が特に意図される。
そのような遠心装置は、自動化手順によって本発明に係る方法を実行するための手段を含む。これには、とりわけ、言及されたマイクロプロセッサ制御に加えて、たとえば、ピペット操作ロボットが含まれる。
本発明に従って、本発明に係る方法、組成物、キット及び/又は装置によって調製することができる精製された核酸がさらに提供される。この核酸は、特に、プラスミドDNA、ゲノムDNA、ウイルスDNA及びミトコンドリアDNA又はmRNA、siRNA、miRNA、rRNA、snRNA、t−RNA及びhnRNAである。
下記で示され、議論される実施例及び図面によって本発明をさらに詳細に説明する。ここでは、実施例は、記述的な特徴のみを有し、いかなる形態でも本発明を限定することは意図されないことが留意されるべきである。
図1は、多段式遠心工程を伴う本発明に係る方法に係る遠心プロトコールの一例としての経過を時間グラフとして示す。 図2Aは、実施例2Aの実験結果を示す。 図2Bは、実施例2Bの実験結果を示す。 図2Cは、実施例2Cの実験結果を示す。 図3は、本発明に係る方法で使用するための、珪酸塩マトリクス31を含有する反応容器30を示す。 図4は、本発明に係る方法に係る2つのさらなる遠心プロトコールの例証としての経過を図1のような時間グラフとして示す。
(実施例1)基礎的手順(従来技術に係る1工程法)
寒天プレートで増殖し、単離されるべきプラスミドを含有する細菌コロニーを採取し、各3mLのLB液体培養培地に懸濁し、複製のために37℃で一晩インキュベートする。一晩培養で飽和した3mLの細菌を卓上遠心機にて13000rpmで沈殿物にする。ビンボイン(Birnboim)の方法によってキアゲンからの改変標準プロトコールによってプラスミドDNAを単離する。細菌培養の上清を除き、捨てる。250μLの緩衝液P1(キアゲン)を沈殿物に加えて沈殿物を再浮遊させる。250μLの緩衝液P2(キアゲン)の添加及び慎重に4〜5回振盪することによって細菌を溶解し(アルカリ溶解);さもなければゲノムDNAが動きだすので、溶解反応は、5分を超えてはならない。従って、350μLの緩衝液N3(キアゲン)の添加及び直ちに穏やかに振盪することによって溶解反応を停止させる。溶解した細菌壁構成物質を13000rpmにて10分間で沈殿物にする。
上清のプラスミドを慎重に取り出し、調製されたキアゲンのスピンカラムにピペットで入れる。次いでその後の手順は以下のとおりである。
(実施例2A)1工程遠心法と2工程遠心法(結合工程)の間のDNA収量の比較
プラスミドpuc19を含有する細菌培養物(DH10B)3mLを回収し、上述のように溶解し、スピンカラム(QIAプレップモデル)に移し、次いで従来の1工程(「手動1工程プロトコール)遠心法又は2工程(「手動2工程結合」)遠心法に供した。方法のパラメータは以下のとおりであった。
Figure 2010523094
遠心プロトコールでの本質的な差異は、灰色の背景を有する。緩衝液、P1、P2、N2、PE及びEBは、QIAプレップキットの構成物質である。次いでプラスミドDNAの収量を検討した。各場合で8回の並行した実験を行い、結果を統計的に評価して、図2Aに示す。1工程法で8454ngのDNA収量が達成された一方で、2工程法では9540ngの収量が達成された。差は有意である。2工程法によるDNA収量がおよそ13%高かったことを明らかに見ることができる。
(実施例2B)
1工程遠心法と2工程遠心法(洗浄工程)の間のDNA収量の比較
たとえば、以下の表で示されるように、二段階として結合工程の代わりに洗浄工程を設計した場合、同様の差異が見い出されるべきであった。
Figure 2010523094
遠心プロトコールでの本質的な差異は、灰色の背景を有する。各場合で8回の並行した実験を行い、上記実施例のように評価を行った。結果を図2Bに示す。1工程法で4022ngのDNA収量が達成された一方で、2工程法では4803ngの収量が達成された。差は有意である。2工程法によるDNA収量がおよそ19%高かったことを明らかに見ることができる。
(実施例2C)1工程遠心法と2工程遠心法の間のRNA収量の比較
常法(キアゲン、RNeasy)によってJurkat細胞を溶解し、スピンカラム(RNeasyモデル)に移し、次いで従来の1工程(「手動標準プロトコール)遠心法又は2工程(「手動2工程結合」)遠心法に供した。方法のパラメータは以下のとおりであった。
Figure 2010523094
遠心プロトコールにおける差異は灰色の背景を有する。緩衝液、RPE、RWI及びRLTは、RNeasyキットの構成物質である。次いでRNAの収量を検討した。各場合で8回の並行した実験を行い、結果を統計的に評価して、図2Cに示す。
1工程法で1836ngのRNA収量が達成された一方で、2工程法では2011ngの収量が達成された。差は有意である。2工程法によるRNA収量がおよそ9%高かったことを明らかに見ることができる。
図1は、多段式遠心工程を伴う本発明に係る方法に係る遠心プロトコールの一例としての経過を時間グラフとして示す。示された例では、多段式遠心工程は遠心によって生体分子が結合マトリクスに結合する結合工程である。
このために、精製されるべき試料に結合緩衝液が添加され、次いで最初に500×gにて1分間遠心が行われる。次いで8000×gの加速度値が達成されるまで遠心機が加速し、さらに75秒間この値で試料が遠心される。この手順の間に核酸は珪酸塩マトリクスに結合するが、残りの構成物質はすべて珪酸塩マトリクスを通過して、これを廃棄することができる。次いで洗浄緩衝液によって洗浄が行われ、溶出緩衝液によって核酸はカラムから洗い出され、回収される。
図2は、実施例2A、2B及び2Cに記載された実験の結果を示す。これでは、一方で核酸の絶対的な収量がngで示され、他方で特定の2工程法の性能有利性が%で示される。
図3は、本発明に係る方法で使用するための、珪酸塩マトリクス31を含有する反応容器30を示す。核酸と少なくとも1種のカオトロピック塩を含有する試料の溶液又は懸濁液で反応容器30を満たした後、又は反応容器にてそのような溶液又は懸濁液を調製した後、正確に嵌めこむさらに大きな回収容器32に反応容器を入れる。示されていない遠心機にて、2つの容器の組み合わせは直ちに、第1の加速度値での第1の遠心工程と第1の加速度値よりも高い第2の加速度値での第2の遠心工程を伴う、本発明に係る遠心プロトコールに供される。この手順の間、核酸は珪酸塩マトリクスに結合するが、残りの構成物質はすべて珪酸塩マトリクスを通過して、これを廃棄することができる。次いで洗浄緩衝液によって洗浄が行われ、溶出緩衝液によって核酸はカラムから洗い出され、回収される。
図4は、本発明に係る方法に係る2つのさらなる遠心プロトコールの例証としての経過を図1のような時間グラフとして示す。上に示すプロトコールでは、種々の加速度値での個々の遠心工程の間で遠心を束の間、止める。さもなければ図1に与えられた説明が適用される。
下に示すプロトコールでは、中間の加速度値でのさらなる遠心工程が第1と第2の遠心工程の間に含まれる。その上さらなる遠心工程が含まれて、それが、時間グラフに幾分階段状の様相を与えていると考えられる。

Claims (18)

  1. 試料から生体分子を精製する方法であって、以下の工程
    a)結合マトリクスを伴った反応容器の遠心機への配置、但し、生体分子を含有する試料の溶液又は懸濁液は、この工程の前又は後で、反応容器で調製される又は反応容器に導入される、;と
    b)第1の加速度値での少なくとも第1の遠心工程と第1の加速度値より速い第2の加速度値での少なくとも第2の遠心工程を含む少なくとも1回の多段式遠心工程の包含;とを含み、
    但し、
    c)工程b)は、結合工程、洗浄工程及び/又は溶出工程であることができる方法。
  2. 生体分子が、核酸、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド、単糖類、オリゴ糖類、多糖類、脂肪、脂肪酸及び/又は脂質を含有する群から選択される物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 結合マトリクスが、アニオン交換体、珪酸塩基材、プラスチックの基材又はキトサン含有の基材を含むことを特徴とする先行請求項の1項に記載の方法。
  4. 結合マトリクスが珪酸塩基材を含み、生体分子を含有する試料が遠心の前にさらに少なくとも1種のカオトロピック塩と混合されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記方法が、生体分子を含有する細胞又は組織の溶解の工程によって先行されることを特徴とする先行請求項の1項に記載の方法。
  6. カオトロピック塩が、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジン、ヨウ化グアニジン、尿素、硫酸アンモニウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、過塩素酸ナトリウム、(イソ)チオシアン酸ナトリウム及びチオシアン酸グアニジンを含有する群から選択される塩又は塩の混合物であることを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
  7. 第1の遠心工程が、5〜2000×gの間の範囲の加速度値で行われることを特徴とする先行請求項の1項に記載の方法。
  8. 第2の遠心工程が、100〜25000×gの間の範囲の加速度値で行われることを特徴とする先行請求項の1項に記載の方法。
  9. 反応容器が、「振り子型」の遠心ローターで遠心されることを特徴とする先行請求項の1項に記載の方法。
  10. 前記方法の個々の工程が自動化手順によって進行することを特徴とする先行請求項の1項に記載の方法。
  11. 請求項1〜10の1項に記載の、試料から生体分子を精製するための方法にて使用されるための結合マトリクスを含有する反応容器。
  12. 請求項1〜7の1項に記載の、試料から生体分子を精製するための方法にて使用されるための組成物であって、アルカリ剤、フェノール、溶解酵素、イソアミルアルコール、クロロホルム(溶解緩衝液)、カオトロピック塩(結合緩衝液)、アルコール(結合緩衝液)及び無機又は有機の塩(溶出緩衝液)を含有する群から選択される少なくとも1つの構成物質を含む組成物。
  13. 請求項12に記載の少なくとも1つの組成物を含む要素のキット。
  14. (a)請求項11に記載の反応容器、及び
    (b)生物試料における若しくはそれに由来する生体分子の分析のための、又は生物試料の形態の分析のための試薬とを
    さらに含む請求項13に記載の要素のキット。
  15. 遠心機を含む、試料から生体分子を精製するための装置であって、ユーザーの介入無しで遠心する間、自動化手順によって異なったレベルでの加速度値による少なくとも2つの遠心工程が包含されることを可能にする手段を含むことを特徴とする装置。
  16. 請求項1〜10の1項に記載の、試料から生体分子を精製するための方法を実行するための手段を含む遠心装置。
  17. 請求項1〜10の1項に記載の、試料から生体分子を精製するための方法を自動化して実行するための手段を含む請求項16に記載の遠心装置。
  18. 請求項1〜10の1項に記載の方法、請求項11に記載の反応容器、請求項12に記載の組成物、請求項13〜14の1項に記載のキット及び/又は請求項15〜17の1項に記載の装置によって調製することができる精製された核酸。
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