JP2010520799A - 組織癒着防止のためのシステム、方法、および組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分とを有する混合求電子剤を求核剤と混合する。前記混合求電子剤は求核剤と架橋によって、例えば癒着バリアとして適用可能な非液体性の3次元構造物を形成する。
【選択図】 なし

Description

本出願は「Systems,Methods,and Compositions for Achieving Closure of Vascular Puncture Sites:血管穿刺部位を閉鎖するためのシステム、方法、および組成物」と題する2002年5月8日付けで出願された同時係属中の米国特許出願第10/141,510号の一部継続出願であり、同出願は「Systems,Methods,and Compositions for Achieving Closure of Vascular Puncture Sites:血管穿刺部位を閉鎖するためのシステム、方法、および組成物」と題する2001年2月9日付けて出願された米国特許出願第09/780,843号(現在米国特許第6,949,114号)の一部継続出願であり、同出願は「Compositions,Systems,And Methods For Arresting or Controlling Bleeding or Fluid Leakage in Body Tissue:生体組織における出血または液体漏洩の阻止または制御に関する組成物、システム、および方法」と題する1999年4月1日付けで出願された米国特許出願第09/283,535号(現在米国特許出願第6,458,147号)の一部継続出願であり、同出願自体は「Compositions,Systems,And Methods for Creating in Situ,Chemically Cross−linked,Mechanical Barriers:化学的架橋による機械的バリアのin situ作成に関する組成物、システム、および方法」と題する1998年11月6日付けで出願された米国特許出願第09/188,083号(現在米国特許出願第6,371,975号)の一部継続出願であり、これらすべての出願は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は生体適合性材料に関するシステム、方法、および組成物に関し、さらに、当該システム、方法、および組成物を生体組織へ適用することにより所望の治療結果を得ることに関する。
手術または外傷後の癒着形成は一般に望ましくないものと考えられている。例えば、腸切除、ヘルニア修復などの腸手術に関連して形成される癒着は腸の閉塞を引起すことがある。骨折部位近くに形成される癒着により、隣接骨上の腱の自然な動作が制限され、修復領域の正常な動作が低下または妨害される可能性がある。癒着は神経の近くにも形成され、神経伝達の妨害により知覚または運動機能を低下させる可能性がある。
創傷治癒期間中(約5〜10日間)に高力価および高分解抵抗を有する創傷シーラントとして作用するヒドロゲル材料は比較的速く分解するため、癒着バリアとしてはあまり効果がない可能性がある。しかし、比較的速く分解するヒドロゲル材料の場合、ゲル強度も比較的弱い可能性がある。これら2つの性質(高いゲル強度と速い分解)のバランスを取るのは技術的な難題である。
少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分とを有する混合求電子剤を有するシステム、方法、および組成物について説明する。前記混合求電子剤は求核剤との架橋により、非液体性の3次元構造またはヒドロゲルを形成する。前記構造は例えば癒着バリアとして作用することができる。前記構造は適度な癒着形成期間にわたって充分に強いゲル強度を提供し、癒着バリアとして機能するが、癒着バリアを必要としなくなった後には適度に速やかに溶解する。
図1は、多官能性PEGを有するヒドロゲル構造と線状PEGを有するヒドロゲル構造のゲル強度およびゲル分解率を比較した図を表す。 図2は、少なくとも3つの官能基を有する第1のPEG成分と2つの官能基を有する第2のPEG成分を有する様々なハイブリッドPEGゲルのゲル強度およびゲル分解率を比較した図を表す。 図3は、少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分の混合物を有する求電子剤と求核剤とを混合し、同混合物を組織部位に噴霧するための装置の実施形態の側面図(部分的な切断面)である。 図4は、少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分の混合物を有する電子剤と求核剤とを混合し、同混合物を組織部位に噴霧するための装置の別の実施形態の側面図(部分的な切断面)である。
I.癒着バリア組成物
様々な生物学的処置での使用に適し、中でも特に癒着バリアを提供する組成物が述べられている。前記組成物は混合求電子剤を含み、さらに求核剤および緩衝材と混合される。混合されると、前記求電子剤および求核剤は架橋により反応を起こし、3次元の非液体性ヒドロゲル構造を形成する。
次に各材料について別々に記載する。
A.混合求電子剤
前記求電子剤は、少なくとも3つの官能基を有する第1の親水性生体適合性成分(すなわち要するに第1の成分は「多官能基」)と2つの官能基を有する第2の生体適合性成分(すなわち要するに第2の成分は「線状」または「二官能基」)を含む混合物である。混合材料には線状(二官能基)成分と非線状(多官能基)成分(3官能基若しくはそれ以上を有する)の両方が存在するため「ハイブリッド」材料とも呼ばれる。
線状および非線状成分の一方または両方が合成ポリマーを含有し得る。例えば、第1と第2の成分のうち一方若しくは両方が適切な構造(線状または非線状)を有しつつ、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリヂノン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、およびポリ(エチレングリコール)コポリ(プロピレングリコール)ブロック共重合体を含有し得る。代わりに、前記第1および第2の成分の一方若しくは両方が非合成の求電子的誘導体化材料を含有し得る。例えば、多糖類、炭水化物、およびタンパク質は、少なくとも3つの官能基または線状官能基のいずれかによって求電子的に誘導体化され得る。
さらにもう一つの方法として、一次構造における一つ若しくはそれ以上の置換、欠失、または付加を伴うタンパク質を第1および/または第2の成分として使用することができる。この処理において、アミノ酸配列を合成的に設計して特定の構造および/または機能を実現した後に材料中に組み込むことができるため、前記タンパク質の一次構造は自然界に見られるものに限定されない。前記タンパク質は遺伝子組み換え技術によって作成するか、または天然由来の供給源から採集することが可能である。
前記多官能材料および線状材料につき別々に記載する。
(i)多官能求電子成分
典型的な実施形態において、第1のポリマー成分は分子量が好ましくは9,000〜12,000、最も好ましくは10,500±1500の多官能基ポリ(エチレングリコール)(PEG)材料を有する。PEGは様々な生理学的適用において生体適合性かつ非毒性であることが示されている。前記ポリマーの好ましい濃度は5〜35w/w%、さらに好ましくは5〜20w/w%である。前記ポリマーは様々な溶液に溶解可能であるが、滅菌水が好ましい。
最も好ましい多官能性PEG材料は一般に次の式で表される化合物である:
PEG−(DCR−CG)n
ここで、
DCRは分解制御部位である。
CGは架橋基である。
Figure 2010520799
前記求電子CGは求核剤との架橋および周辺組織における同様材料への組成物の結合に関与している。前記CGはチオールおよびアミン類のいずれかまたは両方と選択的に反応するように選択可能である。チオールに選択的なCGにはビニルスルホン、N−エチルマレイミド、イオドアセトアミド、およびオルソピリジル・ジスルフィドが含まれる。アミン類に選択的なCGにはアルデヒドが含まれる。非選択的求電子基には活性エステル、エポキシド、オキシカルボニルイミダゾール、カルボン酸ニトロフェニル、トレシレート、メシラート、トシレート、およびイソシアネートが含まれる。
好ましいCGは活性エステル、さらに好ましくはN−ヒドロキシスクシンイミドのエステルである。前記活性エステルは好ましい理由は、求核基と迅速に反応し、ヒドロキシスクシンイミドなどの非毒性離脱基を有することによる。
特定のCGの選択は、前記ハイブリッド材料のどの成分(多官能または線状)が優勢であるかに依存しうる。例えば、ハイブリッド材料の線状成分が優勢の場合には、コハク酸スクシンイミジルなどのヒドロキシスクシンイミドがそのCGであってもよい。ハイブリッド材料において多官能成分が多い場合にはグルタル酸スクシンイミジルが選択的CGでありうる。しかし、上記の様々な化合物を組み合わせて使用することも理解される。
ポリマー材料におけるCGの濃度を用いてゲル化速度を制御することが可能である。しかし、この濃度変化はヒドロゲルの望ましい力学的性質も変化させる。
ヒドロゲルも生理学的メカニズムによりいずれ固体から生体適合性液体に変化できるのが望ましく、身体によって「分解」と呼ばれるプロセスにより除去される。分解速度は分解制御部位(DCR)、ポリマー材料におけるCG濃度、および求核剤における求核基濃度によって制御される。これらの濃度変化は通常ヒドロゲルの力学的性質および分解速度をも変化させる。
分解速度は分解制御部位(DCR)における化学成分の選択によって最も良く制御される。分解が望ましくない場合、DCRの選択によって生分解を予防するか、DCRを含まない材料を作成することも可能である。しかし、分解が望ましい場合は、加水分解または酵素により分解可能なDCRを選択することが可能である。加水分解により分解可能な成分の例としては、飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸、ポリ(グリコール酸)、ポリ(DL−酪酸)、ポリ(L−酪酸)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(σ−バレロラクトン)、ポリ(γ−ブチロラクトン)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(オルソエステル)、ポリ(リン酸エステル)、およびこれらの誘導体が挙げられる。加水分解によって分解可能なDCRはグルタル酸が好ましい。酵素によって分解可能なDCRの例としては、Leu−Gly−Pro−Ala(コラゲナーゼ感受性結合)およびGly−Pro−Lys(プラスミン感受性結合)が挙げられる。DCRにはポリ(グリコール酸)および二塩基酸などの分解性基の組合せが含まれうることも理解すべきである。
好ましい開始多官能ポリマー材料はShearwater Polymers Incから購入できる。(製品名:PEG4SG、分子量9,000〜12,000)(「Shearwater PEG」と呼ばれる)Shearwater PEGのゲル透過クロマトグラフィーにより、Shearwater PEGの59.2%(分子量において)が4アーム−PEGポリマーを含有することが分かる。
代わりに、別の好ましい開始多官能ポリマー材料をSunBio Company(P4SG10)から購入することもできる(分子量10,500±1500、商品名「SunBio PEG」)。SunBio PEGのゲル透過クロマトグラフィーにより、SunBio PEGの3.1%(分子量において)が3アーム−PEGポリマーを含有し、SunBio PEGの90.7%が4アーム−PEGポリマーを含有することが判明する。
(ii)線状求電子成分
混合ポリマー材料の第2の成分は分子量1,000〜15,000、より好ましくは2,000〜4,000、最も好ましくは3,400±600の線状または二官能性PEG材料を有する。前記線状PEG材料は任意の市販材料の一つでよい。
最も好ましい線状PEG材料は一般に次の式で表される化合物である:
PEG−(DCR−CG)n
ここで:
DCRは分解制御部位である。
CGは架橋基である。
n=2
前記線状PEG材料に関する求電子CGおよびDCRの選択は、多官能性PEG材料について上で説明した選択に関する考慮事項に準拠する。
多官能および線状PEG成分のいずれも水と反応し(すなわち加水分解)、それによって求核成分と反応する能力を失う。この理由から、混合材料は使用前には乾燥保存され、急速に加水分解しないような条件下で溶解溶解されるのが望ましい。前記混合材料の貯蔵容器は真空を用いて空にし、混合材料はその中に入れてアルゴンまたは窒素などの不活性ガスの下で貯蔵するのが望ましい。前記混合材料の別の貯蔵方法は、混合材料を凍結乾燥してアルゴンまたは窒素などの不活性ガスの下で真空下に貯蔵することである。凍結乾燥には長期間の貯蔵および製品の安定性というメリットがあり、また混合材料を水中で迅速に溶解させることが可能となる。
B.求核成分
上記のように、ハイブリッド材料は求核剤と混合されるか組み合わされる。
一実施形態において、当該求核剤は非免疫原性の親水性タンパク質を含む。例として、血清、血清分画、およびアルブミン、ゼラチン、抗体、フィブリノーゲン、血清タンパク質の溶液が挙げられる。加えて疎水性タンパク質の水溶性誘導体を用いることができる。例としてコラーゲン、エラスチン、キトサン、ヒアルロン酸の各溶液が挙げられる。さらに、一次構造に一つ若しくはそれ以上の置換、欠失、または付加を伴ったハイブリッドタンパク質を用いることができる。
さらに、一次タンパク質構造は自然界に見られるものに限定する必要は無い。アミノ酸配列は特定の構造および/または機能を達成するように合成的に設計し、その後で求核剤に組み込むことができる。前記タンパク質は遺伝子組み換え技術によって作成するか、または天然由来の供給源から採集することが可能である。
典型的なタンパク質溶液は25%ヒト血清アルブミンUSP以下、より好ましくは20%以下、そして最も好ましくは約15%ヒト血清アルブミンである。アルブミン対ハイブリッドポリマー材料の好ましい比率はハイブリッドポリマー材料/アルブミンが約6.5:1である。ヒト血清アルブミンはその生体適合性および入手し易さの点から好ましい。
適切な反応条件下(下記のとおり)に混合されると、求電子剤と求核剤の混合物は互いに架橋することにより反応する。前記材料の架橋反応により3次元の機械的バリアが形成され、これもヒドロゲルの特徴を有する。架橋反応が生じて充分な結合力および接着強度を有するゲルを形成し、癒着バリアを形成する割合がいわゆる「ゲル化時間」を規定する。
C.緩衝成分
第1および第2の材料は緩衝材料とともに混合されるのが望ましい。
上記のタンパク質との反応を速める条件としては、高温、高濃度、高pH(すなわち高アルカリ)が挙げられる。癒着防止との関連で、in situ温度は容易に変更できないため、濃度およびpHの変更が主な制御方法となる。
望ましいゲル化時間を達成するよう初期のpHを規定し、架橋および加水分解中のN−ヒドロキシスクシンアミドの放出によって添加酸が産生される際のpHを維持するのが緩衝材の目的である。
リン酸塩、トリス−ヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、重炭酸塩、および炭酸塩はいずれも非毒性の生体適合性緩衝材である。好ましい緩衝材の一つが濃度約100〜300mM、pH約8〜11で作用する重炭酸塩材料である。リン酸塩は最大約8.5のpHにおいてアルブミンに高い緩衝能力を提供する。Trisは最大約9.5のpHにおいてアルブミンに高い緩衝能力を提供する。アルブミン(プラスブミン)にTrisを60mMの濃度で加えることによりアルブミンの緩衝能力はpH約9でほぼ2倍になる。pHが高いほど炭酸塩はアルブミンに高い緩衝能力を提供する。目標とするゲル化時間によってTris、炭酸塩、重炭酸塩、およびアルブミン製剤を緩衝材に使用できる。
II.癒着バリア組成物
上記のように、多官能求電子PEG成分は線状求電子PEG成分と混合され、ハイブリッドPEG求電子剤を生じる。次にハイブリッドPEG求電子剤は緩衝材の存在下に求核タンパク質材料と混合される。
前記混合またはハイブリッドPEGポリマー材料は第1の成分と第2の成分の間のどの重量比または重量範囲でもよい。好ましくは、重量比w/w%は、第1の成分については約10〜90w/w%、対応して第2の成分については約90〜10w/w%である。典型的一実施形態において、第1および第2の成分はそれぞれ約50w/w%(+20w/w%)の求電子剤を含有する(すなわち約1:1の重量比)。
典型的一実施形態においてハイブリッドまたは混合ポリマー材料は、4アーム官能基(すなわち60w/w%)のPEG成分を有する第1の成分および線状官能基(すなわち40w/w%)のPEG成分を有する第2の成分を有する。この実施形態において、4アーム官能基対線状官能基の比率はおよそ1:2である。線状の第2成分の個別分子量は約3,400、4アームの第1成分の個別分子量は約10,000である。ハイブリッドまたは混合ポリマー材料は6.5:1の割合で緩衝アルブミン材料と混合される。それによって生じる組成物の濃度は、線状の第2成分については約0.03mM、4アームの第1成分については約0.015mMとなる。
混合またはハイブリッドPEG求電子剤はin situに存在する可能性のある求核タンパク質材料および他の組織タンパク質のアミノ基と反応し、N−ヒドロキシスクシンイミドを遊離しPEG材料(多官能成分と線状成分の両方)とタンパク質材料を結合させる。PEG分子ごとに複数の反応性エステル基があり、各タンパク質が多くの反応基を有する場合、結合ネットワークが形成され、全てのアルブミン分子を相互に、また隣接組織のタンパク質に結合させる。この程度の架橋はいわゆるゲル化時間中に生じる。
前記緩衝材は望ましいゲル化時間を達成するための初期pHを規定し、架橋および加水分解中のN−ヒドロキシスクシンイミドの遊離によって添加酸が産生される際のpHを維持する。架橋反応中の熱の放出を最小化するためには、基本的ポリマー成分の架橋基(CG)の濃度は反応溶液全質量の5%未満に維持するのが好ましく、約1%以下であればさらに好ましい。離脱基の量も最小化されるように架橋基(CG)が低濃度であることも有益である。典型的な臨床適用において、架橋反応中に非毒性離脱基約14mgが産生され、これも望ましい結果である。好ましい実施形態において、N−ヒドロキシスクシンイミド・エステルを含むCGはヒトにおける有害免疫反応を引起すことなくアルブミンとの架橋反応に関与する能力を示した。
アルブミンを求核剤として使用した場合、上記のような混合またはハイブリッドPEGポリマーの使用は予期しない利点を提供する。ハイブリッドPEGポリマーと架橋結合した場合、アルブミン濃度は25%以下に低下する可能性がある。これまでのもっぱら二官能性PEGポリマーの使用では、例えば35〜45%など、25%を有に上回るアルブミン濃度が必要とされる。低濃度のアルブミンの使用により優れた組織シーリング効果が得られ、弾性も高まり、さらに望ましい結果が得られる。さらに、25%ヒト血清アルブミンUSPが数社から市販されているが、それ以上に高濃度のヒト血清アルブミンUSPは市販されていない。市販の材料を用いることにより、従来技術で開示されたようなアルブミン溶液の透析および限外濾過は排除され、アルブミン溶液作成の費用と複雑性を著しく軽減する。
上記のような混合またはハイブリッドポリマー材料を有する組成物は、分解に対する初期の抵抗とともに創傷治癒の全期間(約5〜10日間)を通じて高ゲル強度(GS)を有するのが望ましい。上記のように混合またはハイブリッドポリマー材料を有する組成物は、創傷シーリングおよび組織接着を達成するために少なくとも約15,0000 Paの初期強度を有することが判明している。ゲル強度は少なくとも10日間または創傷治癒の全期間および癒着形成期間を通じて約5,000 Pa以上のままである。
同時に、上記のように混合またはハイブリッドポリマー材料を有する組成物は、ゲルが最終的には癒着形成期間内(約0〜10日間)に比較的迅速に分解するため、優れた癒着バリアとして作用する。上記のような混合またはハイブリッドポリマー材料を有する組成物は10日後には速やかに強度を失い、30日以内にはシステムから完全に消失することが判明している。
官能基のそれぞれが破壊される必要のある架橋を示さなければならないので、多官能性PEG群のみが存在する場合にはそのような迅速な加水分解は一般に実現不能である。これが多官能基のみでは充分な癒着バリアが形成されない理由である。上記のように、多官能性および線状PEGの両方を含む混合またはハイブリッドポリマー材料を有する組成物はより迅速な加水分解を達成し、当該組成物を癒着バリアとしての利用に適切なものとする。
上記の説明は材料に関する一つの可能な組合せおよび混合に過ぎない。表1は、様々な多官能性PEGサンプル材料(材料1〜5)、線状PEG材料(材料6〜8)、および混合またはハイブリッドPEG材料(材料9〜20)の異なった分解速度を比較したインビトロおよびインビボ試験の結果を示している。
Figure 2010520799
表1の化合物が図1と2のグラフでさらに比較されている。図1は多官能性PEG基(4アーム基または4つの官能基を有する)(材料1〜5、表1)と線状または二官能性PEG基(材料6〜8、表1)の分解速度を比較したものである。各材料のゲル強度(GS)(パスカル、Pa)をゲルがリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中にある日数によって比較している。示されているように、100%線状PEGは分解が速過ぎる(例えば10日足らずで溶解するなど)一方で、100%多官能性PEGは必要以上に長時間体内に留まる傾向がある(当初ゲル強度の濃度によっては60日にも及ぶ)。また、多官能性PEG材料の当初ゲル強度とゲルの溶解に要する日数との関係は一般に線形相関である。つまり、多官能材料の当初ゲル強度が増すほど同材料が溶解に要する日数も比較的直線状に増加する。
図2は異なった量の多官能性PEGから構成される様々なハイブリッドPEG材料を比較したものである。図2において、90%多官能性PEG材料(材料9〜11、表1)を含有するハイブリッドPEG材料が、50%多官能性PEG材料(材料12〜16、表1)および25%多官能性PEG材料(材料17〜20、表1)を含有するハイブリッドPEG材料と比較されている。各材料が図1のようにプロットされている。当初ゲル強度(Pa)が材料の溶解時間(日数)に対しプロットされている各材料は一般にゲル強度対時間について線形相関を示し、このことはさらに特定の用途に対する材料混合の選択に利用することができる。示されたように、ハイブリッドPEG材料はまさに上記の結果を満足させる可能性がある:当初強度が15,000 Pa若しくはそれ以上、10日間にわたって5,000 Pa若しくはそれ以上、30日以内にシステムから除去される、図2の全材料が15日以内にシステムから除去される。
混合またはハイブリッドPEG材料(材料9〜20、表1)は癒着バリアの形成における使用に対し意外な結果をもたらした。以前の線状および多官能性PEG材料では、当初材料強度が少なくとも15,000 Pa、5,000 Paの強度を少なくとも10日間維持、30日以内に体内から消失、の3条件全てを満たすことは出来なかった。さらに、線状および多官能性PEG材料の性質は必ずしも両立しないため、両者を組み合わせることは考えられなかった。例えば、線状PEG組成物は一般に接着シーラント組成物に使用されてきたが、創傷シーラントに使用されたことはない。同様に、多官能性PEG化合物は創傷シーラント組成物に使用されてきたが、接着シーラント組成物として使用されたことはない。このように、異なったPEG官能成分を接着シーラントと創傷シーラントの両方の性質を持つ一つの有効材料に組み合わせる能力は既知の技術を越えた大きな進歩である。
III.癒着バリア形成のための材料送達
癒着バリア組成物は、好ましくは噴霧により、生体表面に適用することができる。以下は本材料の適用に使用が可能な装置の例である。
図3が示すように、分散アセンブリ16は材料イントロデューサー/ミキサー22を含む。材料イントロデューサー/ミキサー22は2本の分配シリンジ60および62を受け入れる。シリンジ60はハイブリッドまたは混合PEG材料を使用時に加えられた緩衝希釈剤とともに保持する。シリンジ62はタンパク質材料を液体状態で保持する。材料イントロデューサー/ミキサー22により、医師は2つのシリンジ60および62に入った2つの液状材料を静的に混合し、分配シリンジ60および62から均一に分配することができる。
これらの機能を達成するために(図3を参照のこと)、前記材料イントロデューサー/ミキサー22にはシリンジサポート64が含まれている。サポート64には並列のチャンネル66が含まれる(図1も参照のこと)。チャンネル66によってシリンジ60および62の外筒のスナップ式摩擦嵌合が容易になる。
前記材料イントロデューサー/ミキサー22はシリンジクリップ68も含む。シリンジクリップ68には相隔たった壁が含まれ、内部空間72を形成する。前記空間72によって、分配シリンジ60および62のピストン76の親指当て74をシリンジサポート64によって支持されたシリンジの外筒と一直線上にスライド自在に摩擦嵌合される状態で受容される。シリンジクリップ68は、シリンジ外筒内での共同した進行のため、2本のシリンジピストン76を機械的に連結する。
取り扱いを容易にするため、シリンジサポート64には対向したフィンガーレスト80が付いており、シリンジクリップ68にはサムレスト82が付いている。これらのレスト80および82の方向は一本のシリンジのフィンガーレストおよびサムレストの方向に平行している。それによって医師は複数のシリンジ60および62を一本のシリンジと同じように保持、操作することができる。
さらに材料イントロデューサー/ミキサー22にはジョイナー84が付いている。ジョイナー84には並列した雌型LUER(登録商標)フィッティング86が付いている。雌型LUER(登録商標)フィッティング86は分配シリンジ60および62の分配端においてそれぞれネジ付きの雄型LUER(登録商標)フィッティング88を受け入れる。雌型LUER(登録商標)フィッティング86はシリンジサポート64に支えられた分配シリンジ60および62のバレル78と直線上にある。
分配シリンジをジョイナー84に取り付け、シリンジ外筒78をシリンジサポート64内にパチンと固定し、シリンジサムレスト74をクリップ68内に挿入することによって、医師は分配シリンジ60および62を使用できるように迅速かつ容易に準備することができる。
ジョイナー84の中では雌型LUER(登録商標)フィッティング86が内部チャンネル90に連結されている。チャンネル90はY−ジャンクションで単一のアウトレットポート92に合流する。ジョイナー84はシリンジ60および62によって分配された2つの液体をジョイナー84を出るまで別々に保持する。このデザインによって2つの液体間の混合反応によるジョイナー84の閉塞が最小限に抑えられる。シリンジクリップ68によりジョイナー84を通した個々の液体の均等な適用が約束される。
材料イントロデューサー/ミキサー22にはさらに混合スプレーヘッド94が付いており、使用時には単一のアウトレットポート92に連結される。混合用スプレーヘッド94が使用中に詰まった場合、材料イントロデューサー/ミキサー22には交換用の混合用スプレーヘッド94を使用することができる。
混合用スプレーヘッド94は様々に構成することができる。例えば、Hemaedicsの製造、販売によるスプレーヘッドを取り付けることができる。
または、材料イントロデューサー/ミキサー22には使用時に混合用スプレーヘッドの代わりにアウトレットポート92に連結され得るカニューレ152が含まれる場合もある(図4を参照のこと)。
ジョイナー84、サポート64、およびクリップ68によって互いに機械的に連結された分配シリンジ60および62から相前後して出現したバリア材料の2つの成分は、混合スプレーヘッド94またはカニューレ152のいずれかにおいて液体状態で接触する。2つの成分は、機械的に連結された分配シリンジ60および62からの圧力によって混合スプレーヘッド94を通じて散布される際に噴霧化される。液体成分のカニューレ152の通過により材料はチャンネルミックス(channel−mix)される。噴霧化またはチャンネルミキシングのいずれかにより、液体成分は充分に混合されて直ちに架橋反応を開始する。
材料イントロデューサー/ミキサー22の部品は、例えばポリカーボネートやアクリルなどの医療グレードのプラスチック材料を型取りすることによって作成される。
このように、本発明は癒着バリアに加え創傷シーラントも可能な改良された組成物を提供する。組成物の具体的な用途次第で、ハイブリッド材料の多官能成分対線状成分の比率は変化し得る。
本発明の特徴は以下の特許請求の範囲において説明する。

Claims (25)

  1. 組成物であって、
    少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分とを有する混合求電子剤を有し、
    前記混合求電子剤は求核剤との混合の際、当該求核剤との架橋によって、非液体性の3次元構造を形成するものである、
    組成物。
  2. 請求項1記載の組成物において、第1の成分と第2の成分のうちの少なくとも一つは合成ポリマーを有するものである。
  3. 請求項2記載の組成物において、前記合成ポリマーは、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリジノン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、およびポリ(エチレングリコール)コポリ(プロピレングリコール)ブロックコポリマーから成る群から選択されるものである。
  4. 請求項3記載の組成物において、前記合成ポリマーはポリ(エチレングリコール)を有するものである。
  5. 請求項1記載の組成物において、前記第1の成分および第2の成分のうちの少なくとも一つは、組み換え技術によって産生されるか、または自然源由来のいずれかであるタンパク質を有するものである。
  6. 請求項7記載の組成物において、前記第1の成分は10〜90w/w%の混合求電子剤を有するものである。
  7. 請求項1記載の組成物において、前記第1の成分は4つの官能基を有するものである。
  8. 請求項1記載の組成物において、前記第1の成分は約50w/w%の混合求電子剤を有するものである。
  9. 癒着バリアを提供する組成物であって、
    少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分とを有する混合求電子剤と、
    前記混合求電子剤との混合の際、当該混合求電子剤との架橋によって、非液体性の3次元構造を形成する求核剤と
    を有する組成物。
  10. 請求項9記載の組成物において、
    さらに、緩衝材を有するものである。
  11. 請求項9記載の組成物において、前記第1の成分と第2の成分の少なくとも一つは合成ポリマーを有するものである。
  12. 請求項11記載の組成物において、前記合成ポリマーは、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリジノン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、およびポリ(エチレングリコール)コポリ(プロピレングリコール)ブロックコポリマーから成る群から選択されるものである。
  13. 請求項11記載の組成物において、前記合成ポリマーはポリ(エチレングリコール)を有するものである。
  14. 請求項9記載の組成物において、前記第1の成分および第2の成分のうちの少なくとも一つは組み換え技術によって産生されるか、または自然源由来のいずれかであるタンパク質を有するものである。
  15. 請求項9記載の組成物において、前記求核剤はタンパク質を有するものである。
  16. 請求項15記載の組成物において、前記タンパク質は、実質的に、血清、血清分画、およびアルブミン、ゼラチン、抗体、フィブリノーゲン、および血清タンパク質の溶液から成る群から選択されるものである。
  17. 請求項15記載の組成物において、前記タンパク質は組み換えアルブミンまたは天然の血清アルブミンを有するものである。
  18. 請求項17記載の組成物において、前記血清アルブミンの濃度は25%以下である。
  19. 請求項17記載の組成物において、前記血清アルブミンの濃度は約15%である。
  20. 請求項9記載の組成物において、前記第1の成分は10〜90w/w%の混合求電子剤を有するものである。
  21. 請求項9記載の組成物において、前記第1の成分は4つの官能基を有するものである。
  22. 請求項21記載の組成物において、前記第1の成分は約50w/w%の混合求電子剤を有するものである。
  23. 方法であって、
    少なくとも3つの官能基を有する第1の成分と2つの官能基を有する第2の成分とを有する混合求電子剤を提供する工程と、
    前記混合求電子剤との混合の際、当該混合求電子剤との架橋によって、非液体性の3次元構造物を形成する求核剤を提供する工程と、
    前記混合求電子剤と前記求核剤とを混合して非液体性の3次元構造物を形成する工程と
    を有する方法。
  24. 請求項23記載の方法において、前記非液体性3次元構造物は組織上に形成されるものである。
  25. 請求項24記載の方法において、前記非液体性3次元構造物は癒着バリアを有するものである。
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