JP2010518585A - 金属亜鉛型電流コレクタ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】
ニッケル・亜鉛バッテリセルは陰極の一部として金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層を含む。金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層は金属亜鉛或は亜鉛合金材料から成るか、それで被覆されて居ても良く、箔、穿孔されたもの、或は拡張された材料であってもよい。亜鉛を基にした電流コレクタを合同したバッテリセルはサイクル寿命が長く、初期充電作用が良好である。
【選択図】図3B

Description

[関連特許出願]
本出願は、「金属亜鉛型電流コレクタ」の題名で2007年6月20日に提出された米国暫定特許出願60/936587号を基に優先権を主張するものであり、その開示内容すべてを、あらゆる目的に対して参照して同合するものとする。本出願はさらに「亜鉛・ニッケルバッテリの陰極板」の題名で2007年2月12日に提出された中国特許出願200710073332.2号を基に優先権を主張するものであり、その開示内容すべてを、あらゆる目的に対して参照して同合するものとする。
本発明は充電式バッテリに関し、殊にニッケル亜鉛の充電式バッテリセルに関する。更に、本発明はニッケル亜鉛の充電式バッテリセルに於ける陰極板用の電流コレクタの構造と構成に関する。
バッテリセルは陽極、陰極、及び電解質とから成り、電極と電解質の交互の層として形成されることもある。各電極は電流収集基板と一枚以上の電気化学的に活性の層を有する場合もある。電流コレクタを含む設計が考慮される理由には、以下のものがある:
(イ)高い電気的伝導性;
(ロ)使用される電解質による腐食に対する抵抗性;
(ハ)急速に消費されないような電気化学的反応に対する抵抗性;
(ニ)製造過程での操作(例えば貼り付けとか、ローリング)に抵抗可能な機械的強度と柔軟性;
(ホ)材料費と製造費とを含めて廉価;及び
(ヘ)電気化学的に活性な層との良好な物理的接触(即ち「接触性」)を与えられる表面構成(例えば、良好な物理的接触を妨げるような不動態化フィルムを形成せず、又、電気化学的に活性な層に良好に粘着する物質でなくてはならない)。
上記に考慮される点の中、いずれの条件も満たされなくてはならないかと言うことは必須条件ではない。例えば、電流コレクタは上記の中の或る一個以上の観点に於いて優秀ながら、他の観点に於いて標準以下であってもよい。即ち、上記の内一個のカテゴリに於いて不利な物質であっても、総括的なバッテリ設計に於いてこの不利な性質が克服されるものならば、使用可能であると言うことである。
鉛・酸及びカドミウム・ニッケル型のバッテリは広く使用されて居る。鉛・酸及びカドミウム・ニッケル型のバッテリは、重金属とか鉛やカドミウムのような有毒物を含んで居るが、これらは安定した特徴を有し、信頼性が高く、性能対価格の比率も高い。それ故、これらは二次バッテリとして主に使用され、通信、電力、自動車、鉄道、航空、航空宇宙などの諸産業、UPS動力源、家電製品、モータ付道具、モータ付玩具などの分野に使用されて居る。
亜鉛・ニッケルバッテリには、相対的に高い水素放出のオーバーポテンシャル、良好な可逆性、高いエネルギー密度、高い平均電圧(1.65V)、及び相対的に均質的な陽極分解など、優れた特性がある。より重要なこととして、金属亜鉛は環境に優しく、その使用が環境を汚染しないことが挙げられる。しかし、 亜鉛・ニッケル二次バッテリは広く商業化されて居ない。金属亜鉛は酸塩基両性であり、非常に活性であり、水素を発生しながら酸の中でも塩基の中でも溶解する。アルカリ電解質の中に於いて、金属亜鉛の電流コレクタは変形し、腐食し,非活性化する。充電式ニッケル・亜鉛バッテリの充電に於いて、樹枝状亜鉛結晶が発生し、成長し、陽極と陰極の隔離部品を貫通して,短絡を起こすこともある。それ故、電流収集用下地層の設計に於いて、 電流収集用下地層として金属亜鉛は使用されなかったものである。
現在、銅や真鍮が通常亜鉛の陰極電流コレクタ用に使用されている。銅や真鍮は、打ち出された片、メッシュ状、泡状などである。電極は、ZnO, Zn,亜鉛酸カルシウムなど、亜鉛元素を含んだ活性物質を銅や真鍮の片面若しくは両面に粘着させて形成される。亜鉛活性物がこれらの下地と接触すると、水素の発生によって、亜鉛・ニッケルバッテリに於けるガス膨張、漏れ、容量低下、寿命周期減少、不安定化,信頼性低下の原因となる。
ニッケル・亜鉛バッテリが多くの充電や放電のサイクルを繰り返すと、バッテリの容量減少が観察される。多くの応用面に於いて、フルに充電した後に於けるバッテリの容量が規定容量の80%未満であると、そのバッテリは寿命がつきたもの(dead)とみなされる。設計とか製造に関することを考慮に入れた上で電流コレクタの設計により、バッテリの寿命がつきる前に多数回のサイクルを完了し、亜鉛腐食の問題を回避することが望ましい。
本発明は、陰極の一部として金属亜鉛の下地電流コレクタ、ニッケルを含む陽極、陰極層と陽極層とを隔離する隔離層、及び電解質とから成る円筒形亜鉛・ニッケルバッテリに関する。金属亜鉛の電流コレクタは金属亜鉛或は50%以上の亜鉛原子、好ましくは80〜100%の亜鉛原子、更に好ましくは95〜100%の亜鉛原子、それより更に好ましくは99%以上の亜鉛原子を含む亜鉛合金材料から成る。実施例によっては、金属亜鉛の下地電流コレクタは亜鉛原子を98.5〜99.95%含むものであり、含有量が98.7%,99.5%,99.95%などの例もある。
一実施例に於いては、材料とは亜鉛原子を95〜100%、その他をビスマスと銅とする合金である。また、或る実施例の金属亜鉛の電流コレクタは亜鉛を多分に含む真鍮の合金である。
金属亜鉛下地電流コレクタは金属シート、板、厚さが例えば2〜5ミルの箔であってもよい。金属シートや板は穿孔されて居ても、居なくてもよい。穿孔された場合、孔の形状は円形、楕円形、矩形、或はその他の幾何学形であってもよい。電気化学的に活性の層との物理的接触を良く粗面とするために、パタンを設けてもよい。実施例によっては、 亜鉛電流コレクタの厚さを約2〜20ミルの拡張金属とする。 亜鉛電流コレクタは厚さ約15〜60ミルの泡状材料でもよい。
下地電流コレクタ全体として、亜鉛合金材料を使用するかわり、亜鉛以外の核金属を例えば金属亜鉛とか亜鉛合金のような亜鉛を基にした金属でメッキ若しくは被覆された構成であってもよい。この核金属とは、例えばスチール、銅、錫、通常の真鍮などである。これは、連続したシート、穿孔シート、拡張された金属、板、メッシュ、泡状などの形態で供給されてよい.金属亜鉛は核金属のシート上にメッキされたり、被覆されてもよい。実施例によって、亜鉛のコーティングにはビスマス及び/或は鉛が少量含まれて居てもよい。核金属が亜鉛を基にした金属で被覆される場合には、ホットプレス法その他の被覆法が用いられてよい。亜鉛を基にしたメッキ乃至被覆された電流コレクタの厚さは2〜10ミルで、好ましくは2〜5ミルである。
他の面に於いて、本発明はニッケル・亜鉛バッテリセルの陰極に関するものである。陰極は金属亜鉛を基にする下地電流コレクタと電流コレクタに付着する陰性の電気化学的に活性の層とを含む。電流コレクタは金属亜鉛板、金属亜鉛合金板、或は金属亜鉛のメッシュでもよい。金属亜鉛板は穿孔されていてもよい。特別な実施例として、陰極に使用される亜鉛に基づく下地は上記のうちの一個以上の特徴を有するものであってよい。
金属亜鉛は銅や真鍮より廉価であるから、亜鉛に基づく下地電流コレクタと共に製造されるバッテリは銅とか真鍮の電流コレクタと共に製造されるバッテリより廉価となる。廉価であれば、性能対価格の比率が増加する。本発明の下地電流コレクタと共に製造されるバッテリは、銅や真鍮の下地電流コレクタと共に製造されるバッテリより、 低電流から中電流、及び高電流放電性能、サイクル寿命、及び貯蔵性能に於いて優れて居る。
本発明に関して上記、及びその他の特徴とか利点について、図面を参照しながら以下説明する。
円筒形の燃料セルを図示する分解図である。 円筒形の燃料セルを図示する説明図である。 通気口キャップを図示する説明図である。 電極・隔離部のサンドイッチ構成に於ける種々の層を図示する説明図である。 電極・隔離部のサンドイッチ構成に於ける種々の層を図示する説明図である。 銅片を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。 亜鉛原子を98.5%含む亜鉛片を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。 亜鉛原子を98.7%含む亜鉛片を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。 亜鉛原子を99.5%含む亜鉛片を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量のを関係を示すグラフである。 亜鉛原子を99.95%含む亜鉛片を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。 不純物を0.5%以下含み、穿孔を有する亜鉛箔を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。 亜鉛/インジウムで覆われた穿孔を有する亜鉛箔を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。 錫で覆われた銅箔を陰性下地電流コレクタとして有する亜鉛・ニッケルバッテリのサイクル寿命と容量の関係を示すグラフである。
以下の発明の詳細な説明に於いては、特別な実施例が数々詳細に説明されるが、当業者には自明である如く、本発明はこれらの実施例を使用せず、その他の代用部品乃至方法を使用して実施できるものである。それ以外の場合として、公知の手法とか部品などについては、本発明の観点をむしろ不明瞭にするものとして、詳細な説明は避けてある。
本発明は、陰極の一部として金属亜鉛を基にする下地電流コレクタ、ニッケルを含む陽極、陰極層と陽極層とを隔離する隔離層、及び電解質とから成る円筒形亜鉛・ニッケルバッテリに関する。
上記の如く、電流コレクタの設計には耐腐食性と電気化学反応への抵抗性とが考慮される。典型的な例として、電流コレクタは、電気化学的反応に関与して消費することによってフェイルすることがないように、電気化学的に活性の層とは異なる物質で形成される。従って、電流コレクタの材料として亜鉛を基にする金属を使用すると言うことは、従来の教えに逆らうことになる。しかし、予期に反して発見されたことは、中程度とか高程度の放電の場合であっても、亜鉛を基にした金属を電流コレクタとして使用することに利点があると言うことである。かように使用された場合、亜鉛を基にした電流コレクタでは不利より有利が大きいことになる。これらの有利点には、廉価、同等乃至より優良なサイクル寿命、放電性能、貯蔵性能などがある。
上記の如く、 電流コレクタは、亜鉛を基にした電流コレクタの不利を減少若しくは解消するように設計をすることが出来る。本発明の説明の枠付けのために、一般的なバッテリセルの構成と放電について先ず説明する。
バッテリセルの一般的構成:
図1Aと1Bは本発明を具現する円筒形の燃料セルの主要部品を示す図であり、図1Aはセルの分解図である。電極と電解質の層が交互に円筒形の集合101(ジェリイロールと呼ばれる)の中に与えられて居る。円筒形集合或はジェリイロール101は缶113或はその他の収容容器の内部に位置されている。陰性コレクタ円板103と陽性コレクタ円板105とが円筒形集合101の相対する端部に付着されている。陰性と陽性のコレクタ円板は内部端子として機能し、陰性コレクタ円板は陰極に電気的に接続し、陽性コレクタ円板は陽極に電気的に接続して居る。キャップ109と缶113とは外部端子として機能する。図示された実施例では、陰性コレクタ円板103は陰性コレクタ円板103をキャップ109に接続するためのタブ107を含んで居る。陽性コレクタ円板105は溶接或は別法によって電気的に缶113に接続されて居る。別の実施例に於いては、陰性コレクタ円板が缶に接続し、陽性コレクタ円板がキャップに接続する。
陰性と陽性のコレクタ円板103、105は穿孔と共に示されて居り、これによってジェリイロールへの結合及び/或は電解質のセルの一部から他の部分への移行を容易にする。別の実施例に於いては、円板に於ける(径方向、或は周辺の)孔、溝、或はその他の構成によって、これらの結合及び/或は電解質の分布を容易にする。
柔軟なガスケット111が、キャップ109に近く、缶113の上部の周辺に沿って備えられた周辺ビーズ115の上に設置されている。このガスケット111はキャップ109を電気的に缶113から隔離する役を果たす。実施例によっては、ガスケット111が置かれるこれらのビーズ115はポリマーが塗布されて居る。ガスケットはキャップを缶から電気的に隔離するならば、どのような材料であってもよい。この材料は高温であまり変形しないものが好ましく、ナイロンなどがその一例である。別例として好ましいのは、比較的疎水性の材料を使用することで、アルカリ性の電解液をしみこませて終局的に継ぎ目とかそれ以外の侵入口の点から漏れる力を減少させることである。濡れにくい材料の一例としてプロプロピレンがある。
缶或はそれ以外の収容容器が電解液で満たされた後、容器は密封されて、図1Bに示される如く、電極や電解質が環境から隔離される。実施例によっては、漏れを防ぐために密封剤が使用される。密封剤の適宜な例として、瀝青剤、タール 及びVERSAMID(登録商標、オハイオ州、シンシナティ在のCognis により販売)がある。
実施例によっては、セルは電解質枯渇の状態で作用するように構成されている。かようなセルは、活性電極材料に比して、相対的に少量の電解質を有するものであり、セル内部に遊離電解液を有する浸水セルから容易に区別することが出来る。米国特許出願11/116、113("Nickel Zinc Battery Design" 2005年4月26日出願)(本願に参照して同合するものとする)で説明される如く、セルを枯渇した状態で作用することは、多くの理由により望ましいことである。一般的に、枯渇したセルとは、セル電極スタックの中の空間総体積が電解質によって占められて居ないもののことと理解されて居る。典型的な例の場合、電解質充填後の枯渇状態のセルのボイド容積は、充填前のボイドの総容積の少なくとも約10%である。
本発明のバッテリセルは、多くの異なる形状及びサイズであり得る。例えば、本発明の円筒形セルは通常のAAA型セル、AA型セル、A型セル、C型セルなどの直径や長さでよい。特別な実施例のセル直径22mmで、長さ43mmのサブC型セルのものでよい。本発明は種々の非携帯用の応用で使用される種々の大きさのセルのみならず、比較的小さい角柱のセル形で使用されることに留意されるべきである。動力機具とか芝刈り機のようなものの為のバッテリパックのプロファイルによって、バッテリセルの大きさとか形状は決定されるものである。本発明は、本発明によるニッケル・亜鉛バッテリセルを一個以上含んだバッテリパックとか、電気器具の充電放電を可能とする適宜なケイシング、接点、導電線にも関するものである。
陰極活性物質の構成:
一般的に、陰極は下記の如く、導電性増加物質、腐食抑制剤、浸潤剤などの一種以上と共に、亜鉛或は亜鉛酸イオンの電気的活性源を一種以上含むものである。陰極は、その製造の時に、クーロム容量、活性亜鉛の科学的構成、多孔性、曲げ特性のような物理的、化学的、形態的特性によって特徴付けられるものである。
電気化学的活性亜鉛源は、酸化亜鉛、亜鉛酸カルシウム、金属亜鉛、及び種々な亜鉛合金から選ばれる一種以上から成る。これらの物質はいずれも製造中に供給及び/或は通常のセル周期の間に生成されるものである。特別な例として、亜鉛酸カルシウムが考慮されるが、これは例えば酸化カルシウムと酸化亜鉛とを含むペースト或はスラリイから製造出来るものである。
亜鉛合金が使用される場合、実施例によっては、これにビスマス及び/或はインジウムが含まれて居てもよい。実施例によっては、百万に対して約20部未満の鉛が含まれてもよい。この構成条件を満たし、市場で入手可能な亜鉛合金として、カナダのNoranda社によるPG101がある。
亜鉛活性物質は粉末状、粒子状などでよい。亜鉛電極のペースト材料内部の各成分が比較的小さい粒径であることが望ましい。これは、粒子が浸透或はその他によって陽極と陰極の間の隔離層を傷害する可能性を減少する為である。
電気化学的に活性な亜鉛成分(及びその他の粒状の電極成分)を殊に考慮した場合、かかる粒子は約40或は50ミクロメートル未満であることが望ましい。実施例によっては、粒径(例えば直径とか主軸)が約50ミクロメートル以上のものが約1%未満しか含まれていないことで特徴付けられる。かかる組成は、例えば篩にかけるとか、その他の方法で大きな粒子を除去することで得られる。以上に於いて、粒子の大きさについて述べたことは、亜鉛合金や金属亜鉛の粉末についても同じであることに留意されたい。
陰極は電気化学的活性な亜鉛成分に加えて、イオン輸送や電子輸送(即ち導電性の増加)、浸潤性、多孔性、構造的完全性(即ち結合性)、ガス放出、活性材料の溶解性及びバリヤ性(例えば亜鉛電極からの放出量減少)腐食の抑制などのプロセスを容易にしたり、影響を与えたりする一種以上の物質をも含むことが出来る。
例えば、或る実施例によれば、陰極は酸化ビスマス、酸化インジウム、及び/或は酸化アルミニウムのような酸化物を含む。酸化ビスマスと酸化インジウムとは、亜鉛と反応して電極に於けるガス放出を低減する。酸化ビスマスは乾燥状陰極構成に対し、重量で約1%ないし10%の間の濃度で与えられる。これで、水素と酸素の再結合を容易にすることが出来る。酸化インジウムは、乾燥状陰極構成に対し、重量で約0.05%と1%の間の濃度で存在出来る。酸化アルミニウム、乾燥状陰極構成に対し、重量で約1%と5%の間の濃度で供給されて良い。
実施例によっては、ナノサイズのインジウム化合物(例えば硫化インジウムや酸化インジウム)が使用される。かような実施例に於いて、インジウム化合物の粒子の平均の大きさは約10ナノメートルを超えない。典型的な例として、乾燥状陰極構成に対し、インジウムは重量で約0.05%存在する。陰極内に局地的にインジウム濃度の高すぎる地域の生じることがあるという問題が時々起こるものと思われて居る。陰極内部に亘って均一的に分布出来る程度の少量のインジウムを使用することにより、陰極内部にインジウム濃度の高すぎる地区の起こる危険度を低下させる。
或る実施例によれば、電気的活性亜鉛材の耐腐食性を向上し、それによって貯蔵期間を延長させるように、一種以上の添加剤を加えてもよい。貯蔵期間は、バッテリセルが商業的に成功するか不成功に終わるかについて決定的な要素である。バッテリは本来不安定なものであるから、陰極をも含めてバッテリの成分などは、化学的に有用な形態で保存されるように努力が必要である。何週間も何ヶ月も使用しない中に、電極物質が腐食したり、その他の理由で多分に変質すれば、貯蔵期間の短い事でこの値打ちは限られてしまう。
腐食抑制剤の例として、インジウム、ビスマス、鉛、錫、カルシウムなどのカチオンがある。一般的にこれらは陰極の中に塩(例えば硫化物、フッ化物など)として乾燥状陰極構成に対し、重量で約25%、典型的には10%以内の濃度で存在するものである。実施例によっっては、電気的活性亜鉛材料の腐食を抑制する為、有機物を電極構成に混合してもよい。かかる抑制剤の例として、市場で入手可能な界面活性剤であるTriton 及び RS600界面活性剤がある。
電解質内での亜鉛の溶解度を減らす為に加えられるアニオンの例として、燐酸塩、フッ酸塩、ホウ酸塩、珪酸塩、ステアリン酸塩などがある。一般的にこれらのアニオンは乾燥状陰極構成に対し重量で約5%以内の濃度で陰極内に存在してよい。これらのアニオンの中、少なくともあるものはセル周期の間に溶液中に入り、亜鉛の溶解度を減少させるものと思われて居る。これらの材料を含んだ電極構成の例は以下の特許及び特許出願に記載されて居り、これらは総て、あらゆる目的に対して参照して同合するものとする:米国特許6797433号("Negative Electrode Formulation for a Low Toxicity Zinc Electrode Having Additives with Redox Potentials Negative to Zinc Potential"、発明者 Jeffrey Phillips, 2004年9月28日発行);米国特許6835499("Negative Electrode Formulation for a Low Toxicity Zinc Electrode Having Additives with Redox Potentials Positive to Zinc Potential", 発明者 Jeffrey Phillips, 2004年12月28日発行); 米国特許6818350("Alkaline Cells Having Low Toxicity Rechargeable Zinc Electrodes", 発明者 Jeffrey Phillips, 2004年11月16日発行);PCT特許出願PCT/NZ02/00036(公開番号WO02/075830号、発明者 Hall, et al. 2002年3月15日出願)。
浸潤性の向上の為に陰極に添加されてよい物質の例には酸化チタン、アルミナ、シリカなどがある。一般的に、これらは乾燥状陰極構成に対して重量で約10%以内の濃度で付与される。かような物質については米国特許6811926号("Formulation of Zinc Negative Electrode for Rechargeable Cells Having an Alkaline Electrolyte" 、発明者 Jeffrey Phillips, 2004年11月2日発行)に記載されてあり、この特許は本願にあらゆる目的に対して参照して同合するものとする。
導電性向上の為に陰極に添加されてよい物質の例には固有の高い導電性を持ち、陰極と互換性を有する物質が挙げられる。その例としては、酸化チタンなどがある。一般的に、これらは乾燥状陰極構成に対して重量で約10%以内の濃度で付与される。厳密には、この濃度は勿論添加物の種類によって異なる。
結合、分散、及び/或は隔離層の代用物たることの目的として、陰極には種々の有機物が添加され得る。その例として、ヒドロキシルエチルセルローズ(HEC)、カルボキシメチルセルローズ(CMC)、遊離酸の形態のカルボキシメチルセルローズ(HCMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレンスルフォネート(PSS)、ポリビニルアルコール(PVA)、nopcospeprse 分散剤(京都のSan Nopco Ltd.より入手可能)などがある。
特殊例として、PSS及びPVAは浸潤性及び隔離層のような特徴を付与するために陰極のコーティングに使用される。実施例によっては、隔離層のような電極のコーティングに使用する場合、亜鉛・ニッケルセルは単一層の隔離層を使用してもよく、叉別の実施例に於いては,独立した隔離層が全然なくてもよい。
或る実施例によっては、PSSやPVAのような重合体材料は陰極内で隔離層にとって危険となる鋭い或は大きな粒子を埋め込む目的で、ペースト構成(コーティングではなく)に混入してもよい。
ここで電極構成について定義するに当たり、構成に適応すると言うことは、その製造(例えばペースト、スラリー、或は乾燥状の製造方式)の時に得られる構成のみならず、携帯用器具に出力中のように使用中の充電放電の1サイクル以上の最中或はその後に得られるものにも適応すると言うことである。
本発明の範囲内の種々の陽極構成は以下の文献に記載されて居り、これらの文献はすべてあらゆる目的に対して参照して本願に同合するものとする:PCT公開WO02/39517(J. Phillips); PCT公開WO02/39520(J. Phillips);PCT公開WO02/39521; PCT公開WO02/39534(J. Phillips);米国特許公開2002182501号。上記文献に於ける陰極添加剤の例として、シリカ、各種アルカリ土金属のフッ化物、遷移金属、貴金属がある。一例として、電気化学的活性金属は酸化亜鉛を50%、亜鉛酸カルシウムを20%、酸化バリウムを3.0%、酸化ビスマスを1.5%、酸化インジウムを1.0%、及び水を基にした接合剤を含む。
留意すべきことは、或る特種な性質を得る為に、何種もの物質を陰極に加えることが出来るが、これらの性質は陰極以外のバッテリ成分によって導入されることが出来ると言うことである。例えば、電解質内での亜鉛の溶解度を減少させる為の物質は、陰極によっても導入されるか否かを問わず、電解質或は隔離層の中に供給されてもよい。そのような物質の例にはリン酸塩、フッ化物、ホウ酸塩、亜鉛酸塩、ケイ酸塩、ステアリン酸塩などがある。上記された電極添加剤のその他の例で、電解質及び/或は隔離層の中に付与されてもよいものとして、インジウム、ビスマス、鉛、錫、カルシウムなどのイオンがある。
本願にあらゆる目的に対して参照して同合するものとする2004年8月17日を出願日とする米国特許10/921062(J. Phillips)は、本願で使用可能な種類の亜鉛電極の製法を記している。
負電子導通路(Negative Electronic Conduction Pathway):
負電子導通路は、充電放電の期間に、電子を陰極と陰性(負)端子の間を通すバッテリ成分から成る。これら成分の中の一つはキャリヤ或は電流コレクタ下地層であり、陰極材料はその上に形成され、支持されるものである。これは本発明の主題である。円筒形のセルのデザインの場合、下地層は典型的には陰極材料、セル隔離層、及び陽極成分(電極それ自体、及び陽性電流コレクタ下地層を含む)、螺旋状に巻かれたサンドイッチ構成内に付与される。上記の如く、この構成はしばしばジェリイロールと呼ばれて居る。負電子導通路のその他の成分は、図1Aに示されて居る。これには電流コレクタディスク(往々導電性のタブが付けられている)と、陰性セル端子とが、必然ではないが、典型的に含まれて居る。図示された実施例に於いては、ディスクは陰性電流コレクタ下地層に直接接続されて居り、セル端子は直接電流コレクタディスク(しばしば導電性タブを通じて)接続されて居る。円筒形セルデザインの場合、陰性セル端子は通常キャップか缶である。
負電子導通路の各成分は、その構成、電気的特性、化学的特性、幾何学的及び構造的特性などで特徴付けされることが出来る。例えば、或る実施例に於いては、通路の各要素は同じ構成(例えば、亜鉛とか亜鉛で覆われた銅)である。他の実施例に於いては、要素の中、少なくとも二つは異なった構成である。
電流コレクタ下地層:
上記の如く、本出願の主題である導電路の一要素はキャリヤ或は電流コレクタの役をも果たす陰極用下地層である。下地層としての材料や構成を選択するに当たって考慮すべき標準に含まれるものとしては、陰極材料と電気化学的互換性、価格、(陰極材料を)塗布する容易さ、水素発生の抑制、及び電気化学的活性の陽極材料と電流コレクタ間の電子の運動を容易にする能力などがある。
既に説明された如く、電流コレクタ下地層は穿孔金属シート、拡張された金属、泡状金属など、種々な構成形態で提供出来るものである。特殊例として、下地層は亜鉛でコーティングされた銅、亜鉛でコーティングされた銅合金のような、亜鉛に基づいた材料の穿孔シート或は拡張された金属である。或る実施例での下地層は厚さが約2〜5ミルの穿孔シートである。叉或る実施例での下地層は厚さ2〜20ミル間の拡張された金属である。その他の実施例での下地層は厚さ15〜60ミル間の泡状金蔵である。或る特殊例でのキャリヤは厚さ約3〜4ミルの穿孔された亜鉛コーティングされた銅である。キャリヤ金属と陰極材料とを含めての陰極の厚さは、特殊な例として約10〜30ミルである。
通路のその他の成分:
負電球コレクタディスクやキャップのような陰性通路のその他の成分は、上記された電流コレクタ下地層用基礎金属のいずれから製造されたものでもよい。ディスク及び/或はキャップ用に選択される基礎金属は、非常に導電性があり、水素発生を抑制するものでないといけない。実施例によっては、片方あるいは両方のディスク及びキャップに基礎金属として亜鉛或は亜鉛合金が使用される。或る実施例では、電流コレクタディスク及び/或はキャップは銅或は亜鉛、若しくは錫、銀、インジウム、鉛、以上をあわせたものなどを含む亜鉛合金コーティングされた銅から成る。電流コレクタディスクとジェリイロールを予め創設するとか、電流コレクタディスクの一部となるジェリイロールとか、頂上に直接溶接出来るタブを使用するのが望ましいかも知れない。上記のような実施例は、比較的低程度の応用で特に有用である。ジェリイロールはコレクタディスクとの接触を容易にするために、陰極の一側面に溶接したタブを有してもよい。
耐腐食用メッキ(例えば錫、鉛、銀、亜鉛、インジウムなど)して居ない一般の通気キャップは貯蔵中に亜鉛を腐食させ、漏れ、ガス発生などで貯蔵寿命を短くする事が知られて居る。もし陰極として使用されるのがキャップでなくて缶であったなら、この缶も上記の材料で製造することが出来る。
場合によっては、負電子通路の全体(端子や一個以上の電流コレクタ要素を含め)を亜鉛若しくは亜鉛でコーティングされた銅など、同一の材料とすることが出来る。特殊な実施例では、陰極から陰性端子(電流コレクタ下地層、電流コレクタディスク、タブ及びキャップ)に至る電子通路全体を亜鉛でコーティングされた銅或は真鍮とする。
通気キャップや電流コレクタディスク、更にキャリヤ下地層そのものについて或る程度の詳述が以下の特許出願に記載されて居り、これらは本願にあらゆる目的に対して参照して同合するものとする:2006年4月25日出願のPCT出願PCT/US2006/015807号及び2004年8月17日出願のPCT/US2004/0268596(公開番号 WO2005/020353A3)。
陽極:
陽極は一般に電気化学的活性酸化或は水酸化ニッケル及び製造、電子運行、浸潤性、機械的性能などの観点から一種類以上の添加剤とを含んで居る。例えば、陽極構成として少なくとも電気化学的活性酸化或は水酸化ニッケル(例えばNi(OH)2)、酸化亜鉛、酸化コバルト(CoO)、金属コバルト、金属ニッケル及びカルボキシルメチルセルローズ(CMC)のような流制御剤を含む。金属ニッケルやコバルトは化学的純粋なものであっても、合金であってもよい。或る実施例では、陽極は一般のニッケル・カドミウムバッテリのニッケル電極製造に使用されるような構成であってもよいが、ニッケル・亜鉛バッテリシステムの為に必要な最適化が必要かも知れない。
好ましくは泡状ニッケルマトリクスが電気的活性ニッケル電極材料(例えばNi(OH)2)として使用される。一例として、市売のInco Ltd.の泡状ニッケルが使用されてもよい。高い放電率を要する応用に於いては、Ni(OH)2(或はその他の電気化学的活性材料)で充填された泡状ニッケルから成る陽極の幅は、泡状ニッケルが、泡を通って Ni(OH)2に至る拡散路を短く保ちながら、Ni(OH)2のために十分な空間を提供出来るように最適化されるべきである。泡状下地層の厚さは15〜60ミルの間でよい。好もしい実施例によれば、電気化学的活性物質或はその他の電極物質で満たされた泡状ニッケルから成る陽極の厚さは約16〜24ミルの範囲である。特別な実施例では、陽極の厚さは約20ミルである。
泡状ニッケルの厚さは、電気化学的活性材料が泡のボイド空間を均一的に貫通するように最適化されるべきである。好ましい実施例に於いては、密度の範囲が約300〜500g/mm2の泡状ニッケルが使用される。更に好ましくは、約350〜500g/mm2の範囲であり、殊に好ましい実施例では密度が約350g/mm 2の泡状ニッケルが使用される。電極の幅が減少するに従って、ボイド空間が十分存在するように泡の密度も小さく出来る。好ましい実施例として、密度が約350g/mm2であり、厚さが約16〜18ミルの範囲にある泡状ニッケルが使用される。
隔離層:
隔離層は、電極と電解質の間のイオン交換を許容する一方、陰極と陽極とを機械的に孤立させる役を果たすものである。隔離層は叉亜鉛の樹枝状構成を防止するものである。樹状突起とは、金属付着に於ける骨格的或は樹枝的成長パタン(樹枝的成長)を持つ結晶構造のことである。実際問題として、樹状突起はセルの寿命の間に燃料セルの導電体の中に形成されて陰極と陽極とを実質上つないでしまって短絡を起こし、よってバッテリの機能を失わせるものである。
典型的に、隔離層とは小さい孔を有するものである。此処に記載されるいくつかの実施例に於いて、隔離層は複数の層から成るものである。孔の存在及び/或は層状構成により、亜鉛の樹状突起は曲がりくねった通路を形成することになり、従って効果的に貫通することと、短絡とを防止することになる。好ましくは、多孔性隔離層のくねり度は約1.5〜10の範囲であり、より好ましくは約2〜5である。孔の平均直径は好ましくは大きくとも約0.2ミクロンで、更に好ましくは、約0.02〜0.1ミクロンの間である。孔のサイズは隔離層の内部に於いて均一であることが好ましい。特別な実施例に於いて、隔離層は多孔率が約35〜55%の間であり、多孔率が45%で孔のサイズが0.1ミクロンの好ましい材料を有するものとする。
好ましい実施例によれば、隔離層は亜鉛の貫通を防止するバリヤ層とセルを電解質と共に浸潤状態に保ってイオン交換を可能にする浸潤層の少なくとも二層から成る(更に好ましくは只二層のみから成る)ものである。これはニッケル・カドミウムセルに於いて通常のことではなく、互いに隣接する電極間に唯一の隔離材料を使用するものである。
セルの作用は出来るだけ陽極を浸潤させ、陰極を比較的乾燥状態に保てば向上する。従って、或る実施例に於いては、バリヤ層は陰極に隣接し、浸潤層を陽極に隣接して位置させる。この配置により、電解層を陽極に密接させ、セルの作用が向上する。
その他の実施例に於いては、浸潤層が陰極に隣接し、バリヤ層が陽極に隣接して位置される。この配置は酸素の電解質を通って陰極への移行を容易にし、陰極での酸素の再結合に役立つ。
バリヤ層は典型的に微小な孔を有する多孔性の膜である。導イオン性の微小な孔を持つ多孔性の膜ならば、いずれのものでも使用可能である。多孔率が30〜80%の間のポリオレフィンがしばしば使用されるが、孔の平均径が約0.005〜0.3ミクロンの間であることが好適である。好ましい実施例では、バリヤ層は微小な孔を持つ多孔性のポリプロピレンである。市売のバリヤ層となるものの例には以下のものがある:
・UBE U−PORE UP3138(東京の Ube Industries, Ltd. 製);
・SOLUPORE (オランダ国 Heelen の Solutech の登録商標 )の名称の製品;
・CELGARD (米国ノースカロライナ州のCharlotteの Celgard Inc.の商標)の名称の一連の隔離層; 及び
・AMS (Advanced Membrane Systems の製品)。バリヤ層は典型的に厚さが約0.5〜4ミルで、より好ましくは約1.5〜4ミルの間である。バリヤ層の特別の実施例として、4ミルの AMC隔離層、厚さ2ミルの単一層の UBE 隔離層、二層構成の厚さ1ミルの SOLUPORE 隔離層、及び二層構成の厚さ1ミルの CELGARD 隔離層がある。
浸潤層は浸潤性が適当にある如何なる隔離層材料であってもよい。典型的に、浸潤層の多孔率は比較的高く、例えば約50〜85%の間である。例として、ナイロンを基にした浸潤性のあるポリエチレンやポリプロピレン材料のようなポリアミドが挙げられる。或る実施例に於いては、浸潤層の厚さは約1〜10ミルの間であり、好ましくは約3〜6ミルの間である。隔離層材料で、浸潤層材料として使用できるものの例としては、NKK VL100 (東京のNKK Corporation 製)、Freudenberg FS2213E、Scimat 650/45 (英国 Swindon の SciMAT Limited製)、及び Vilene FV4365 がある。
当業者に周知のその他の隔離層材料も使用可能である。上記の如く、ナイロンを基にした材料や、微小な孔を有する多孔性ポリオレフィン(例えばポリエチレン及びポロプロピレン)はしばしば非常に好適である。
その他の実施例に於いて、亜鉛の通過を妨げ、セルを電解液で浸潤状態に保つのに、単一の隔離層材料を用いてもよい。このような単一隔離層材料としては、従来のリチウムイオンセルで使用される隔離層であって、ニッケル・亜鉛セル用に変更させたものでよい。例えば、リチウムイオン型隔離層にゲルを満たして、その浸潤性を向上させることが出来る。その一例としてはオレゴン州LebanonのEntek Membrane LLC の製品であるポリエチレン Teklon材料が挙げられる。この材料は厚さ20ミクロンで、多孔率は約40%である。ゲルは隔離層材料に直接、或は亜鉛電極に加えるような間接法で付与される。後記の如く、ゲルの電解質は或る実施例に於いて使用される。
実施例によっては、陽極/陰極構成に組み込まれる前に、界面活性剤が隔離層に施されてもよい。これで浸潤性を向上させ、電流の均一性を増加させることが出来る。特別な実施例に於いて、隔離層は先ずミシガン州 Midland の Dow Chemical Corporation の Triton 界面活性剤(例えばX100)の約0.5〜5%溶液で処理される。界面活性剤との接触時間、乾燥時間、界面活性剤の種類及び界面活性剤の濃度など、すべて処理の効率に関係するものである。数時間低濃度の溶液に浸潤し、次いで空気で乾燥させることで優秀な結果が得られる。追加的にメタノールのようなその他の溶媒を使用することで界面活性剤の摂取が加速される。
微小な孔を有するポリプロピレンを浸潤性にする別法とは、特種な親水性の化学基を重合体の表面に放射線グラフトすることである。このような方法の一つが、Shanghai Institute of Applied Physics, Chinese Academy of Sciences の Shanghai Shilong Hi・Tech Co, Ltd. によって使用されて居る。この場合、活性化プロセスはコバルト60の放射源を使用して行われて居る。
電極/隔離層のデザインについて更に考慮すべきことは、隔離層を(例えば図2に示す如く)電極や電流コレクタシートのように略同じ厚さの単一層として提供するか、或は片方或は両方の電極を隔離層の中につめるかと言うことである。後者の例での隔離層は、電極シートの中の一枚用の「袋」として作用し、効果的に電極層を包み込むものである。或る実施例に於いては、陰極を隔離層に包み込むことが、樹状突起の生成防止に役立つ。しかし、叉別の実施例では、電極を包み込まずに、バリヤ層を使用するだけで、樹状突起の貫通に対する保護に十分である。
電解質:
電解質は、亜鉛電極内の樹状突起の生成及びその他形式の物質再分配を抑制する構成であることが必要である。このような電解質は今まで一般的にこの分野では回避し続けられて居たが、この要求を満たすと思われる一例が1993年6月1日 M.Eisenberg に発行された米国特許5215836号に記載されて居り、この特許の内容はあらゆる目的に対して本願に参照して同合するものとする。殊に好ましい電解質は(1)水酸化物から酸への量論的超過をリットル当たり約2.5〜11等量の範囲とする量のアルカリ或は水酸化土金属、(2)全溶液のリットル当たり約0.01〜1等量の濃度範囲に対応する量の溶解性アルカリ或はフッ化アルカリ土金属、及び(3)ホウ素酸塩、ヒ素酸塩、及び/或はリン酸塩(例えば、ホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、及び/或は燐酸ナトリウム或はカリウム)を含むものである。特別な或る一実施例による電解質は、約4.5〜10等量/リットルの間の水酸化カリウム、約2〜6等量/リットルの間のホウ酸或はメタホウ酸ナトリウム、及び約0.01〜1等量の間のフッ化カリウムから成るものである。高率の応用に特に好ましい電解質は約8.5等量/リットルの水酸化物、約4.5等量のホウ酸、及び約0.2等量のフッ化カリウムから成るものである。
本発明は Eisenbergの特許に開示された電解質構成に限定されるものではない。一般論として、目的とする応用の為の標準条件を満たすものであれば、如何なる電解質構成であってもよい。高電力の応用が望まれる場合ならば、電解質は高い導電率でないといけない。サイクル寿命の長いことが望まれるなら、電解質は樹状突起の生成に抗するものでないといけない。本願に於いては、適当な隔離層と共にホウ酸塩及び/或はフッ化物を使用して樹状突起の生成を減少し、それによって、丈夫で長寿命のセルが達成される。
特別な実施例による電解質構成は、約3〜5等量/リットルの間の余剰の水酸化物(例えば KOH, NaOH, 及び/或は LiOH)を含むものである。これは、陰極が酸化亜鉛を基にした電極であるとの仮定に基づくものである。亜鉛酸カルシウム電極の場合、別の電解質構成の方が適当かも知れない。亜鉛酸カルシウムに好適な電解質組成の一例は、KOH が重量で約15〜25%で、LiOH が重量で約0.5〜5.0%である。
種々の実施例に於いて、電解質は液体やゲルから成るものであり得る。ゲルの電解質はオハイオ州Cleveland の Noveon から入手可能な CARBOPOL(登録商標)のような増粘剤を含んでも良い。好ましい実施例によれば、活性電解質構成の一部をゲルとする。或る特殊な実施例として、重量で電解質の約5〜25%がゲル形体であり、ゲル構成が重量で約1〜2%の CARBOPOLを含むものがある。
場合によって、2006年2月1日に出願され、本願にあらゆる目的に対して参照して同合するものとする米国特許出願11/346861に記載されて居る如く、電解質は比較的高濃度の燐酸塩イオンを含んでも良い。
極性:
図1A及び1B に示された実施例では、キャップが陰性であり、缶が陽性であると言う点で、従来のNi−Cdセルと極性が逆になって居ることに留意されたい。従来の燃料セルに於いては、キャップが陽性で缶或は容器が陰性になる極性である。これは即ち、セル構成での陽極がキャップに電気的に接続し、セル構成での陰極がセル構成を保持する缶に電気的に接続して居ると言うことである。図1A及び1Bに示されたものを含めての本発明での或る実施例によれば、セルの極性は従来例のものの逆である。従って、陰極はキャップに電気的に接続し、陽極は缶に電気的に接続して居る。本願の或る実施例に於いては、陽性のキャップを持つ従来例と極性が同じであると理解されたい。
セル缶:
缶とは、最終的なセルの外側のハウジング或はケーシングとなる容器のことである。缶が陰性端子となる従来例のニッケル・カドミウムセルに於いて、これは典型的にニッケルでメッキされたスチールである。上記の如く、本発明に於いて、缶は陰性端子でも陽性端子であってもよい。缶が陰性である実施例の場合、缶材料は、亜鉛電極の電圧に対応出来る物質でコーティングされて居る限り、スチールのような、従来例のニッケル・カドミウムバッテリで使用されるような構成に似たものであってよい。例えば、陰性の缶は腐食を妨げるべく、銅のような物質でコーティングされてよい。缶が陽性でキャップが陰性の実施例の場合では、缶は従来例のニッケル・カドミウムセルで使用されるような構成に似たもの、典型的にはニッケルでメッキされたスチールでよい。
或る実施例に於いては、水素再結合を補助するための物質で缶の内部をコーティングすることが出来る。水素再結合の触媒となる物質ならば、何を使用してもよい。酸化銀はその一例である。
通気キャップ
セルは通常環境から密閉されたものであるが、充電や放電に際してバッテリから発生するガスを放出可能にしてもよい。典型的なニッケル・カドミウムセルの場合、約200psiの圧力でガスを放出する。或る実施例に於いて、本発明のニッケル・亜鉛セルは、通気なしのまま、この圧力或はそれ以上の圧力(例えば300psi 位まで)で作用するように設計されて居る。これにより、セル内部で生成される酸素や水素の再結合が促進される。実施例によっては、内圧を450psi位まで、更には600psi位までに保つように、セルが構成されてある。その他の実施例のニッケル・亜鉛セルは、比較的低圧でガスを放出するように設計される。設計が水素及び/或は酸素ガスをセル内部で再結合させず、制御された状態での放出を促進するのに適切である。
図2はキャップ201と通気機構を示す。通気機構は、好ましくはガスのみ放出し、電解質は逃さない設計とする。キャップ201は、ガスケットの上に置かれたディスク208、通気窓203、及びキャップ201の上部205とを含む。ディスク208にはガス放出用の孔207がある。通気窓203は孔207を覆い、放出されるガスによって変位される。通気窓203は通常ゴムであるが、ガスの放出が可能で高温に耐えるものならいずれの物質でもよい。正方形の通気窓が好調に作用することが見出されて居る。上部205は溶接点209に於いてディスク208に溶接されて居り、ガス放出の為の孔211を有する。溶接点209と211の図示された位置は単に例示のためであり、どこでも適切な位置であってよい。好適な実施例によれば、通気機構は疎水性でガスを浸透させる膜から成る通気カバー213を含む。通気カバー材料の例としては、微小な孔を有するポリプロピレン、微小な孔を有するポリエチレン、微小な孔を有するPTFE、微小な孔を有するFEP、微小な孔を有するフルオロポリマー、及びこれらの混合物や共重合体がある(例えば、2005年9月27日発行で、本願にあらゆる目的に対して参照して同合するものとする米国特許6949310(J. Phillips)"Leak Proof Pressure Relief Valve for Secondary Batteries"を参照)。材料は耐高温でなくてはならない。
或る実施例に於いては、疎水性でガスを浸透させる膜が、曲がりくねったガス放出路と共に使用される。その他の通気機構も当業者には周知であり、本発明での使用が適切である。或る実施例に於いては、水素用出口区域を提供するように、セルの構成材料が選択される。例えば、水素浸透性の重合体材料でセルのキャップやガスケットが出来てもよい。特別な一例によれば、セルのキャップの外輪部が、アクリルプラスティク或は上記の重合体の一種以上のような、水素浸透性のから出来て居る。そのような実施例では、実際の端子(キャップの中央にあり、水素浸透性の材料で囲まれて居る)のみ導電性であればよい。
放電速度:
放電速度は、例えばアンペア/亜鉛電極表面面積のように電流密度で定義出来る。高放電速度とは、亜鉛電極の1cm2の表面面積当たり、少なくとも0.01アンペアである(例えば、典型的放電速度の約0.01〜0.4amp/cm2)。これらは、典型的に平均放電速度の約0.001〜0.01amp/cm2を必要とする「低速度」及び「中速度」の応用に使用されるセルと比較されるべきものである。低速度放電の応用の例には、消費者用エレクトロニクス分野の応用、電力会社の付加均一化などがある。高速度放電の特種な一例として、少なくとも10アンペア、例えば約10〜60アンペアの間での、1.5amp−hourのニッケル・亜鉛セルの放電がある。
放電速度にはその他の計量法が一般に使用されて居る。例えば、バッテリセルの「C」量とは、セルの規格容量が1時間にフルに放電される放電速度を示すものである。明らかに、この計量法はセルの規格容量に依存する。規格容量が2AhのサブC形式のニッケル・亜鉛バッテリの場合、高速度の応用に於いて、セルを20A或は10Cで放電してもよい。低速度或は中速度の放電は、約1〜3Cと特徴付けされてもよい。
セルの放電とは、大きさの異なる複数の高速イベントを使用出来るものと理解すべきである。バッテリは、例えば、回転鋸の運転に対応するサブC形式のセルの20アンペアのように、最大の放電速度用に設計されてもよい。しかし、このようなバッテリは次に、例えば約10アンペアの低速度で放電するドリルとか往復運動用鋸に入れられ、更にその後、回転鋸に入れられて20アンペアで放電されるかも知れない。これらは総て、完全に充電された状態から完全に放電された状態までの単一放電サイクルの中に起こるものであるかも知れない。従って、低速度や中速度の放電や応用が此処に記載される場合、それは低程度或は中程度の放電速度が、放電の全期間中保持されるものとは限らないと理解すべきである。
本発明の或る実施例に於いて、芝刈り機や消費者電子器具のような低速度或は中速度の応用に使用されるニッケル・亜鉛セルの中に、亜鉛の電流コレクタが使用される。本発明のその他の実施例に於いては、回転鋸のような高速の応用に使用されるニッケル・亜鉛セルの中に、亜鉛の電流コレクタが使用される。言うまでもなく、本発明の実施例は、バッテリを芝刈り機に使用した後、同じ充電サイクル内に於いて、回転鋸の中に使用する如く、中速度から高速度のように、速度を混合した応用に使用されることもあると理解されるべきである。
電極・隔離層サンドイッチ構成:
図3Aは陰極の層を示す。陰極は電気化学的活性層301と電流コレクタ303とを含む。図示の如く、電気化学的活性層301は電流コレクタ303の二側面に接着されてある。実施例によっては、電気化学的活性層301が電流コレクタ303の一側面上にのみあってもよい。図3Bは陰極−隔離層−陽極のサンドイッチ構成が巻かれる前の各層を示すものである。隔離層305は電極と電解質の間のイオン交換を可能にする一方、陰極(成分301と303)を陽極(成分307と309)から機械的に隔離するものである。亜鉛陰極の電気化学的活性層301は、典型的に電気化学的活性成分として、酸化亜鉛及び/或は金属亜鉛を含む。層301はその他の添加剤或は亜鉛酸カルシウム、酸化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化インジウム、ヒドロエチルセルローズのような電気化学的活性成分、及び分散剤を更に含んでも良い。
電流コレクタ303は陰極材料301と電気化学的に共存可能であるべきものである。上記の如く、電流コレクタは穿孔された金属シート、拡張された金属、泡状金属、或は連続パタンの金属シートの形体であり得る。
陰極に対して、隔離層305の別側にあるのが陽極である。陽極も電気化学的活性層307と電流コレクタ309を含むものである。陽極の成分307は電気化学的活性材料として、水酸化ニッケル、酸化ニッケル、及び/或はオキシ水酸化ニッケルを含んでもよい。添加剤には、酸化亜鉛及び酸化コバルト或はコバルト金属が含まれてもよい。電流コレクタ309はニッケル泡状金属マトリクス或はニッケル金属シートでもよい。ニッケル泡状マトリクスが使用される場合には、マトリクスに層307が吸収されてしまうことに留意すべきである。
金属亜鉛を基にした電流コレクタ:
上記の如く、金属亜鉛を基にした電流コレクタを使用することは、充電用ニッケル・亜鉛セルに関して今まで気づかれなかった利点と機能性を有するものである。亜鉛を基にした電流コレクタを使用すると、中程度から高程度の放電速度の応用に於ける容量の衰弱を減少させることが発見されて居る。上記の如く、低程度及び中程度の放電速度の応用とは、サブCセルの場合約1〜3Cのことであり、高放電速度とは10Cまで、更には20Cまでのことである。これらの速度分類は、他のサイズのセルについても出来ることである。容量の衰弱を減少させることで、効果的にバッテリのサイクル寿命が増加する。例えば、バッテリは、その容量が規定容量の80%以下に減少するまで、より頻繁に充電放電を繰り返すことが出来る。
この理論にとらわれることなく、亜鉛の電流コレクタは亜鉛金属の貯蔵所を供給し、それによって亜鉛限界の到来を遅延させ、充放電の期間に於ける電気化学的活性物質のより均一的変換を容易にすると信じられる。電流コレクタに金属亜鉛がないと、陰極に於ける電気化学的活性物質が不均一的に反応し、反応物質の濃度差が時間と共に増加することになるかもしれない。亜鉛限界は、電気化学的活性物質の中で亜鉛が局地的に枯渇した時に起きる。亜鉛濃度が低いと、局地的に電流密度が増加する。局地的に電流密度が高いと、過度に熱が発生し、それにより充放電のサイクルに於いて、陰極の退化が起こりかねない。電流コレクタに金属亜鉛があれば、余剰の亜鉛が溶解し、枯渇するにつれて局地的亜鉛濃度を増加させることが出来、反応がより均一的になる。
下地層に亜鉛と共に使用可能な金属の例として、銅、錫、鉛、インジウム、スチール(例えば不銹鋼)、チタン、アルミニウム、ビスマス、銀、上記の合金(例えば真鍮)、などがある。或る実施例に於いては、これらの追加的金属は下地層の基/核層或はその他別の成分として作用することが出来、それで、下地層が亜鉛或は亜鉛合金の部分とその他の金属の別の部分とを含むように出来る。一例によれば、亜鉛とその他の物質とが別々に同延の形体となる。亜鉛でコーティングされた基礎金属とは、この一種である。陰極の過度の極性化の折に表面のフィルムが破損した場合活性亜鉛が役立つように、 コーティングされた亜鉛はその他の形態である。多層体は更に別の種類である。別例に於いて、追加的物資と亜鉛とは下地層の表面で同延的ではないものとする。例えば、二種の物質が下地層の上の二本の互いに離れた長片である場合である。上記の如く、亜鉛以外の各種の合金が使用可能である。或る実施例に於いては真鍮とか青銅のような銅の合金が使用される。その他の実施例では下地層の亜鉛以外の成分を純粋な錫、或は錫・鉛合金のような錫合金とする。
或る実施例に於いては、均質的成分の下地層が使用される。かような下地層は金属亜鉛或は亜鉛合金から出来る。一例として、ニッケル・亜鉛セルは亜鉛箔、金属亜鉛のシート、亜鉛板、亜鉛メッシュ、或は泡状亜鉛を陰極下地層と使用してもよい。活性ペーストとの結合力を増加させるために、亜鉛の箔、板、シートなどは多数の貫通孔を有してもよい。即ち、亜鉛箔とは穿孔的なものでよい。その他の実施例では、亜鉛下地層は連即的であり、例えば一体的なものとする。亜鉛箔は織られて居ても、拡張されて居てもよく、写真化学的にエッチングされたものでも、電気的に形成されてもよい。泡状亜鉛は体積の大きな、ガスを含んだ孔の部分を有する固体亜鉛から成るセル構成でもよく、メッシュや泡状の場合ボイド率は約50〜98%である。
亜鉛合金は、異なる種類の電流コレクタ即ち均質電流コレクタ及び不均質的な亜鉛・その他金属の電流コレクタの両方の種類に使用出来るものである。どちらの種類の場合でも、適切な合金成分の例として、銅、錫、鉛、インジウム、チタン、アルミニウム、ビスマス、銀、その他の一種以上が挙げられる。好ましい亜鉛合金とは、少なくとも約50%が亜鉛であるもの、少なくとも約75%が亜鉛であるもの、少なくとも約85%が亜鉛であるもの、少なくとも約90%が亜鉛であるもの、少なくとも約95%が亜鉛であるものなどであり、以上の構成はすべて原子%で表されたものである。亜鉛の合金の中には、充放電に当たって、亜鉛の電気化学的反応への関与に比較的抵抗性のあるもののあることが見出されて居る。その例としてZn(99.5)/Bi/Pbがある。その他の合金で、例えば錫及び/或はインジウムを含むものも、電気化学的反応に対し、より抵抗性があるかも知れない。Zn(99.5)/In/Biはそのような合金の一例であろう。
電流コレクタが亜鉛合金で(一部乃至全部)コーティングされた核金属層を含むものである場合、そのような構成は種々の異なるテクニクによって製造することが出来る。もし従来例の被覆プロセスを使用するならば、被覆材料は望まれる構成を持つ既知の亜鉛合金でよい。もし電気メッキ法を使用するならば、メッキ浴槽に亜鉛イオン或は当業者に周知の適当な割合でインジウムや鉛のような合金元素のイオンを使用することが出来る。
亜鉛を基にした電流コレクタの種類の如何を問わず,出来上がった電流コレクタはどのように異なる物理的構成であってもよい。或る実施例によれば、連続的に滑らかな箔である。或る実施例では、穿孔されて居てもよい。円形や、楕円形や、矩形や、その他の幾何学的形状で穿孔されてよい。或る場合には、電気化学的活性層との物理的接触を向上させるために、表面がパタン化或は粗くされて居てもよい。或る実施例に於いては、亜鉛電流コレクタは厚さが例えば約2〜20ミルの拡張された金属であってもよい。その他の実施例として、亜鉛電流コレクタは厚さが例えば約15〜60ミルの泡状物質でもよい。
露出面が酸化亜鉛のフィルムを不動態化し形成してもよいと明記すべきものである。図1で示された実施例の如く、例えば電流コレクタと収集ディスクの間のように、電流コレクタが他のセル成分と電気的に接続される必要のある場合、この不動態化フィルムは問題になるものである。この問題に対応する一方法とは、他のセル成分との結合に使用される亜鉛以外の成分を有する電流コレクタ構成を使用することである。例えば、電流コレクタとして、亜鉛でコーティングされた金属を使用することが出来る。或は、電流コレクタの結合縁に亜鉛以外の金属片を定着させてもよい。亜鉛以外の結合金属は、例えば、銅、真鍮、錫などであり、例えばコレクタディスクに不動態化フィルムなしの接続を形成可能な物質或はその他の金属でコーティングされたスチールも多分その例であろう。核金属の一例は金属亜鉛或は金属亜鉛合金でメッキ或は別法でコーティングされて電流コレクタロールとしたものである。その後、製造過程に於いて、電流コレクタロールは数個の部分(各部分が別個のセルの陰極用の下地層となる)に切断されてもよい。切断縁面に核金属は露出され、金属コレクタディスクはこの露出面に付着されることが出来る。別の実施例に於いては、核金属は部分的にのみ亜鉛或は亜鉛を基にした金属でメッキされる。メッキされなかった部分は、金属タブの電気的接触に使用できる。
亜鉛は、メッキ、溶融金属への浸潤、積層などの方法で、基板或は核金属にコーティングされることに注目されたい。特種な実施例に於いて、陰性電流コレクタは約0.0005〜0.002インチの間の厚さに銅或は銅合金を亜鉛或は亜鉛合金でコーティングしたものである。
或る実施例に於いては、亜鉛でコーティングされた金属層は、亜鉛及び下地の基礎金属が反応して基礎金属とコーティングの接触面に合金或は物質の混合物を形成するように処理される。場合によっては、処理によって、コーティングが総て消費され、或は悉く基礎金属の中に吸収されてしまう。その他の場合には、基礎金属が完全にコーティイングの中に吸収される。更に別の場合には、基礎金属の少なくとも一部はそのまま残り、叉コーティングの一部もそのまま残る。例えば、そのような下地層の断面は、基礎金属の核、基礎金属を直接にめぐる合金、及び合金の外側の亜鉛コーティングを含むことになる。コーティング物質は、電流コレクタ下地層の外面に存在する。特別な実施例に於いて、内側の基礎金属は銅、或は真鍮であり、中間の合金は亜鉛・銅合金(例えば亜鉛成分の高い真鍮)であり、コーティング物質は亜鉛、或は亜鉛合金である。
場合によっては、中間の合金或は混合物は段階的な構成プロファイルを持つものである。基礎金属が例えば銅であれば、コーティングに近い場所で亜鉛成分が比較的高い真鍮から、基礎金属の近くで銅成分が比較的高い真鍮へと変化する構成であってよい。
基礎金属の縁に合金或は段階構成を形成する処理方法とは加熱或は焼き鈍し工程(例えば一定時間指定温度で熱エネルギに露出する工程)であってよい。その他の使用可能な方法として、イオン打ち込み法、プラズマ処理法などがある。これらの工程は、単独或はコンビネイションとして、或は加熱工程と共に使用可能である。
或る実施例に於いては、亜鉛或は亜鉛を基にした金属は核金属に被覆工程によって添加されてもよい。
再度記述する事になるが、亜鉛或は亜鉛を基にした金属は、核金属シートの全体を覆うものでなくても構わない。その場合、露出した部分は、電気的接続用に使用することが出来る。或る場合には、ほんの少量の亜鉛が使用される。亜鉛のメッキ或は被覆物質は電流コレクタの全体の厚さの25〜50%程であってもよい。
亜鉛或は金属亜鉛でメッキ乃至被覆された電流コレクタを使用するは、亜鉛が電気化学的反応に関与する結果起こる困難に対する警戒番の役を果たすことになる。電流コレクタのメッキ或は被覆に使用される亜鉛が電気化学的活性反応を通じて徐々に溶解する場合、核金属は残って電流を通じ、バッテリは枯渇しない。
電流コレクタ上に亜鉛を使用する事により、バッテリの寿命が50〜100%も増加することが出来ると信じられて居る。即ち、もし銅の電流コレクタを使用するニッケル・亜鉛セルが規格容量の80%に衰弱するまでに平均して200サイクル繰り返すものとすれば、亜鉛の電流コレクタを使用し、それ以外では同様なニッケル・亜鉛セルは規格容量の80%に衰弱するまでに平均して400回も繰り返すことが出来るだろうと言うことである。本発明の様相に従えば、一般的に図1に開示された構成で、亜鉛の電流コレクタを使用するサブC形式の円筒形ニッケル・亜鉛セルは、1Cの割合で放電された場合、その容量が最初の規格容量の80%以下までに降下するまでに、少なくとも約300サイクルを繰り返すであろう。
セルのサイクル寿命は電解質のイオン伝導率に対する電極の導電率に影響されるものである。陰極の伝導率が向上すれば、電流コレクタから離れた亜鉛の利用が促進される。高伝導率陰極の好適な重量構成の一例は、亜鉛金属が約12%、酸化ビスマスが5〜10%、及び酸化亜鉛が81〜76%である。残余の物質は粘着剤と少量の腐食防止剤である。
例及びデータ:
二組の実験が行われた。両方に於いて、バッテリは本発明の実施例に従った電流コレクタを使用して製造され、銅或は真鍮の電流コレクタを使用して製造されたバッテリと比較された。バッテリには種々のテストが行われた。いずれの場合に於いても、バッテリは総て何サイクルにも亘って充電放電のサイクルが繰り返され、フルに充電された後の容量が測定されて図示された。
第一組のバッテリは高速度の区域での充電/放電に供された。上記の如く、高速放電とは10C(或は2Ahのバッテリの場合20アンペア)にまで至るものである。本テストに於いて、バッテリは12Aで充電放電された。
第一実験組のバッテリは、純度の異なる電流コレクタとして、穿孔された金属亜鉛板で製造された。特に、原子亜鉛98.5%、98.7%、99.5%、及び99.95%の穿孔された亜鉛板が製作され、テストされた。陰極は、酸化亜鉛を50%、亜鉛酸カルシウムを20%、酸化バリウムを3.0%、酸化ビスマスを1.5%、酸化インジウムを1.0%、酸化鉛を1.5%、亜鉛を3.0%、カドミウムを1.0%、及び水を基にした粘着剤を少量含んだ電気化学的活性層を使用して製造された。電流コレクタは亜鉛のインゴットを用い、それをローリングして製造した。亜鉛のインゴットは、China National Standard GB/T 470−1997或は International Standard ISO 752−1091(E)に準拠するものであった。五組のバッテリが製造された。これらは、銅の電流コレクタ(コントロールグループ)と、原子亜鉛98.5%,98.7%,99.5%及び99.95%の金属亜鉛の電流コレクタを含むものであった。各組の10個のバッテリがテストされた。
各バッテリについて、最初の充電後の初期容量が計測された。その後、バッテリは12Aで放電され、フルに再充電された。毎度の再充電の後、容量を測定し、図示した。以下の表には、各々の組について、80、160、240及び300サイクルの後の平均容量データが含まれて居る。
Figure 2010518585
表1に示された結果と、対応する図4〜図8とを比較することにより、亜鉛成分が98.5%以上の電流コレクタ下地層から成るニッケル・亜鉛バッテリは総てコントロールサンプルの初期容量である1650mAhより大きい1770mAhを超す初期容量を持って居ること、及びこれらのニッケル・亜鉛バッテリの容量は80サイクル後、160サイクル後、240サイクル後、300サイクル後に於いて、夫々コントロールサンプルより高かったことが分かる。もう一つの顕著な傾向は、下地層の亜鉛成分が増加するにつれて性能が向上することである。亜鉛の濃度が増加するに従って、初期サイクルから300番目のサイクルに至るすべてのサイクルに於いて、容量が増加する。そればかりでなく、サイクル寿命に亘る容量の減少率が減少する。上記の如く、サイクル寿命に亘って容量の減少は予期されることであって、容量が規格容量の80%になると、バッテリは枯渇したとみなされるものである。初期容量は必ずしも規格容量と同じではないけれども、初期容量に対する容量の割合はバッテリセルの有効寿命の何等かの指標になるものである。300番目のサイクルに於いて、亜鉛濃度が増加するにつれてこの割合は増加する。従って、亜鉛濃度の高い電流コレクタ下地層で作られたバッテリは、サイクル数で言って、よけい長持ちする可能性がある。表1と図4〜図8から無理しない程度での外挿法によって推定されることは、亜鉛濃度をより高くすれば、バッテリの性能がより向上するであろうと言うことである。例えば、電流コレクタの亜鉛濃度を99.99%や99.995%にすれば、優秀なバッテリの性能が期待出来ると言うことである。
第二組の実験では、亜鉛を基にした種々の電流コレクタ下地層を使用して製造した電流コレクタ下地層で製作されたバッテリが充放電された。この第二組の実験では、放電電流がこれらのバッテリにとって中速度である1.6〜6Aの間の或る範囲内で変化させられた。図9は二個のCs(sub−C) ニッケル・亜鉛電気化学的セルの350サイクルに亘るサイクル動作を示すものである。陰極は不純物が0.5%未満の、穿孔された亜鉛箔であった。放電電流は1.6〜6Aの間で変化させられた。充電は定電流/定電圧区間を使用して、最大電圧の1.9Vあるいは100%まで行った。350サイクルの後、保持された容量は元の90%であった。
図10は、別のサイクル動作の図である。放電電流は同じく1.6〜6Aの間で変化させられ、セルの充電は図9の第一例と同様に定電流/定電圧法を使用して行った。この場合、陰極下地層は厚さ0.001インチの亜鉛/インジウムメッキでコーティングされた厚さ0.003インチの穿孔された銅箔であった。
関連ある設計パラメタは実質上前回の例と同様であった。200サイクルの後、セルの容量は初期容量の約78%であった。
図11は、図10と同じ条件で循環されたコントロールセルに於ける容量の変化を示す。この場合、陰極は錫でメッキされた厚さ0.004インチの銅箔であった。200サイクルに亘って保持された容量は最初の容量の72%に過ぎなかった。電流コレクタの亜鉛成分を増加させた図9及び図10のテスト用セルは、セルの寿命期間に亘って、図11のコントロールセルよりよけいエネルギーを調達し、保持した容量も大きかった。図9及び図10のテスト用セルの結果の比較では、穿孔された純度の高い亜鉛箔の実施例の方が、亜鉛/インジウムでメッキされた銅箔の場合より性能が良好であることを示して居る。
テスト用セルは総て、80〜85%ZnOと15〜20%Znの組成を持つ糊付けられた亜鉛陰極で製造されたものであった。各例に於いて、糊のキャリヤは厚さが0.003〜0.004インチの間の穿孔された物質であった。亜鉛或は亜鉛を基にした金属総ての場合に於いて、隔離組織は25μの微小な孔を有する膜の二層及びセルローズの浸潤性接着層とNKKにより供給されるPVAであった。微小な孔を有するポリプロピレンの膜は、非イオン性界面活性剤により予めドーピングすることにより浸潤性とされた。電解質は、カリウム8.5M、ホウ酸1.2Mを含む水酸化ナトリウムとリチウム、及び重量で約1.2%のフッ化カリウムの混合物であった。
本発明はニッケル・亜鉛バッテリを例として説明されたものであるが、これは発明を限定するものではない。本発明による亜鉛を基にした下地層電流コレクタは、亜鉛電極を使用する多くのセルに於いて使用出来る。これらには、例えば、亜鉛・空気セル、亜鉛・銀セル、及び亜鉛・二酸化マンガンセルが含まれる。

Claims (20)

  1. ニッケル・亜鉛バッテリセルであって、
    (a)酸化亜鉛を基にする電気化学的活性層に対応させて、金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層を持つ陰極層と、
    (b)ニッケルから成る陽極層と、
    (c)陰極層と陽極層とを隔離する隔離層と、
    (d)電解質と
    を備えたニッケル・亜鉛バッテリセル。
  2. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が、原子亜鉛を80%ないし100%含む亜鉛合金を有する請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  3. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が、原子亜鉛を95%ないし100%含む亜鉛合金を有する請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  4. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が、原子亜鉛を98.5%ないし99.95%含む亜鉛合金を有する請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  5. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が、原子亜鉛を95%ないし100%含む亜鉛合金を有し、更にビスマスと鉛を含む請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  6. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が、連続した金属シート、穿孔金属シート、或は拡張された金属のいずれかを有する請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  7. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が、貫通孔を有する亜鉛片である請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  8. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が亜鉛メッシュである請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  9. 金属亜鉛を基にする連続した金属シートが2〜5ミルの厚さである請求項6に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  10. 金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層が第一の核金属シート及び該第一の核金属シートの全体或は一部に亜鉛メッキ或は被膜を有する請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  11. 第一の核金属シートが、スチール、銅、錫、或は真鍮のいずれかである請求項10に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  12. 第一の核金属シートの一部がメッキされて居らず、コレクタディスクとの電気的接触の為に使用されている請求項10に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  13. 電流コレクタの総厚さが2〜6ミルである請求項10に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  14. 陰極、隔離層、及び陽極のシーツが互いに密接して居る請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  15. 陰極、隔離層、及び陽極のシーツが螺旋状に巻かれた請求項14に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  16. セルが全体的に円筒状の形である請求項15に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  17. セルが枯渇状で作用するように、電解質が抑制された量で存在する請求項1に記載のニッケル・亜鉛バッテリセル。
  18. ニッケル・亜鉛バッテリセル内の陰極であって、金属亜鉛を基にする電流コレクタ下地層と、下地層に接着した陰性の電気化学的活性層とより成り、該電流コレクタ下地層が金属亜鉛シート或は金属亜鉛メッシュである陰極。
  19. 該電流コレクタ下地層が98.5%ないし99.95%原子亜鉛から成るものである請求項18に記載の陰極。
  20. 該電流コレクタ下地層が穿孔亜鉛片である請求項19に記載の陰極。
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