JP3279606B2 - シート状電池 - Google Patents

シート状電池

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JP3279606B2
JP3279606B2 JP30059491A JP30059491A JP3279606B2 JP 3279606 B2 JP3279606 B2 JP 3279606B2 JP 30059491 A JP30059491 A JP 30059491A JP 30059491 A JP30059491 A JP 30059491A JP 3279606 B2 JP3279606 B2 JP 3279606B2
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    • H01M6/00Primary cells; Manufacture thereof
    • H01M6/04Cells with aqueous electrolyte
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    • H01M6/06Dry cells, i.e. cells wherein the electrolyte is rendered non-fluid
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶液を電解液とする
シート状電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、樹脂シートの間にICチップを有
し、メモリー機能を持たせたいわゆるICカードが開発
され、その電源としてボタン型、コイン型の電池が使わ
れている。しかし、このようなボタン型、コイン型電池
を使用した場合には、カード型の電子デバイスをJIS
規格の最大厚さ、0.8mm以下にすることは困難であ
る。
【0003】本出願人は薄型のICカードを得る方法と
して先に、スクリーン印刷等の印刷手段により電池を作
製した薄型電子機器を提案した(特開平2−12579
7)。この機器においては、図4(平面図)及び図5
(断面図)に示すごとく、裏面シート(以下、第1カバ
ーシートと呼ぶ)1及び表面シート(以下、第2カバー
シートと呼ぶ)2より構成され、第1カバーシート1と
第2カバーシート2の間には電気伝導性パターン4、シ
ート状電池5、及びICチップ6が配置されている。さ
らに、カードを薄くするために、第2カバーシート2に
は穴2aが設けられ、第1カバーシート1と第2カバー
シート2を貼り合せた際にICチップ6が穴2a内に収
納されるように構成されている。
【0004】導電性パターン4の一部は一対のダイポー
ル・アンテナ4A2,4A2 として動作し、ICチップ
6に接続され、ICメモリーに貯えられたデータに従っ
てインピーダンス特性が変化する。導電性パターン4の
面積の大きい部分4B1 及び4A1 は電池の正極および
負極の集電体としての役割を持つ(図6参照)。
【0005】電池5は、図6に示されるように、導電性
パターン4B1 上に正極活物質5Bを設け、導電性パタ
ーン4A1 上に負極活物質5Aを設けることによって構
成される。
【0006】正極活物質5Bとしては例えば二酸化マン
ガン(MnO2 )が、負極活物質5Aとしては例えば亜
鉛(Zn)を使うことができる。これらの活物質はゲル
状に調整した後、例えばスクリーン印刷のような印刷手
段によって、第1カバーシート1および第2カバーシー
ト2上に形成される。電池は電解液を含浸したセパレー
タ5Cをカバーシート1および2の間に配置した後、カ
バーシート1および2を貼り合わせることによてっ構成
される。3は接着シート、8は枠である。
【0007】このカードの構造の一例を、正極に二酸化
マンガンを用い、負極に亜鉛を用いてなる電池が内蔵す
るカードについて、さらに詳細に示せば図7のごとくに
なる。
【0008】第1カバーシート1として厚さ25μmの
ポリエチレンテレフタレート・フィルムを使用し、アン
テナとしての配線パターン4A2 を、銀ペースト、銅ペ
ーストまたはカーボンペーストなどの導電性コーティン
グ材を用いてスクリーン印刷により形成する。
【0009】図7Aにおける導電性パターンの部分4A
1 は電池の負極集電体として作用し、使用する電解液と
反応しない導電性コーティング材、例えばカーボンペー
ストを印刷することによって形成される。亜鉛粉末にカ
ルボキシメチルセルロースまたは澱粉のような水溶性糊
剤を混合し、水を加えてペースト状としたものを集電体
4A1 上に印刷し、負極活物質5Aとする(図7B参
照)。
【0010】ペーストを作る際には、電池5に使用する
電解液を水の代わりに用いることもできる。電解液には
塩化亜鉛および/または塩化アンモニウム水溶液を使用
し、そのままあるいは負極と同じ糊剤を加えてゲル状と
なしたものをセパレータ5Cに含浸して負極活物質5A
上に配置する(図4C参照)。
【0011】セパレータ5Cはクラフト紙あるいは多孔
性プラスチック膜などが使用できる。
【0012】図7Cの部分9にはICチップ6を接続す
るが、その部分の拡大図を図8に示す。ICチップ6の
リード端子にはバンプ6Aが形成され、バンプ6Aは配
線パターン(導電性パターン)4の適切な位置に押し付
けられる。ICチップ6と第1カバーシート1間にはエ
ポキシ樹脂9をあらかじめ配置しておき、ICチップ6
を設置後、加熱又は紫外線照射などの手段により硬化さ
せる。これによりICチップ6は第1カバーシート1に
固定されるとともに、配線パターン4とICチップ6の
リード端子部とがバンプ6Aを介して電気的に接続され
る(図7D参照)。
【0013】厚さ25μmのポリエチレンテレフタレー
ト・フィルムよりなる第2カバーシート2を用意し(図
7E参照)、第2カバーシート2上にも第1カバーシー
ト1と同様に、導電性ペーストを用いて導電性パター
ン、即ち配線パターンおよび正極集電体4B1 を印刷に
より形成する(図7F参照)。
【0014】正極集電体4B1 上には負極と同じ糊剤を
用いてペースト化した二酸化マンガン粉末とカーボン粉
末混合物を正極活物質5Bとして印刷により塗布する
(図7G参照)。第2カバーシート2には穴2aが設け
られ、カバーシート1および2を貼り合せた時に、IC
チップ6が穴2aから抜け出るようにしてある。
【0015】第2カバーシート2において、配線パター
ンおよび正極集電体4B1 と穴2aを除いた部分にはホ
ットメルト型の接着剤を印刷により塗布しておき、カバ
ーシート1および2を重ね合わせ、加熱処理または超音
波融着により貼り合わせることによって図5に示したカ
ードが作製される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このようなICカード
は長期間にわたってメモリーをバックアップする必要が
あるため、電池もそれに対応する寿命が要求される。一
般に電池寿命は電極活物質5Aおよび5Bの量によって
決まるので、印刷による塗布量を制御することによって
寿命を決定することができる。
【0017】また、電池反応に電解液が関与する場合に
は電解液量も電池寿命を左右する要因となり、上記の例
では電解液に塩化亜鉛水溶液を用いた場合がそれに相当
する。
【0018】ところが、上述した薄型電子機器では、活
物質量および電解液量から求められる推定電池寿命より
はるかに短い時間で電池が動作しなくなることが認めら
れた。その原因は、第1および第2カバーシート1およ
び2に使用したポリエチレンテレフタレート・フィルム
が水蒸気透過性を有するため、電解液中の水分が時間の
経過とともにフィルムを通って蒸散し、枯渇するためと
考えられる。
【0019】これを抑制するために、水蒸気透過度のよ
り小さいフィルム、たとえば、ポリフェニレンサルファ
イド・フィルムをポリエチレンテレフタレート・フィル
ムの代わりに使うことができる。しかし、このような場
合においても水蒸気の透過を遅くすることは可能である
が、無視できるほど小さくはできず、電解液の枯渇が早
晩訪れる。
【0020】あるいは、フィルムを厚くすることも水蒸
気の透過を遅くする上で有効であるが、カード自体が厚
くなり、さらにこの場合にも、電解液の枯渇を遅らせる
だけにすぎない。
【0021】また、ガス・バリヤ性を向上させる手段と
して、アルミニウムなどの金属をフィルムに蒸着する方
法がしばしば行われており、カバーシート1,2にその
ような蒸着フィルムを使用することが有効と考えられ
る。
【0022】しかし,特開平2−125797に記載の
システムでは、読み取り装置から送られるマイクロ波を
カード側のアンテナ4A2 で受け、カード側でデータを
変調した後、アンテナ4A2 から再送信する方式を採用
しているが、金属蒸着フィルムではマイクロ波を反射し
やすくなり、アンテナの設計が困難である。
【0023】また、酸化珪素や酸化アルミニウムのよう
な無機化合物の蒸着もガス・バリヤー性向上に有効であ
るが、金属蒸着よりガス・バリヤー性能が劣る上、製造
コストがかさむという欠点がある。
【0024】本発明は、上述の点に鑑み、長時間の動作
を可能にしたシート状電池を提供するものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、電解液
の水分の蒸散を遅らせるのではなく、あるレベル以上は
蒸散しないような方法について鋭意研究した結果、前述
の印刷プロセスを変更することはなく製造でき、長時間
の動作が可能な電池を発明するに至った。
【0026】本発明は、電極活物質、塩化亜鉛及び/ま
たは塩化アンモニウムの水溶液である電解液、セパレー
タを備え、前記各要素を包むカバーシートが電気伝導性
パターンを形成させた上に上記電極活物質を形成させた
高分子化合物であるシート状電池において、アルカリ金
属の塩素化合物もしくはアルカリ土類金属の塩素化合物
より選ばれる化合物であって、電池の使用温度における
化合物の飽和水溶液の水蒸気圧が相対湿度32%の大気
中水蒸気分圧以下である化合物を電解液に添加して構成
する。また、上記シート状電池において、化合物が塩化
リチウムもしくは塩化カルシウムもしくは塩化マグネシ
ウムである構成を可とする。 また、上記シート状電池に
おいて、電気伝導性パターンの一部が電池と一対で略平
行に形成された構成を可とする。
【0027】
【作用】従来では電極活物質が十分残存するにもかかわ
らず、電解液枯渇のために電池が作動しなくなったが、
本発明においては、電解液中の水分の蒸散が減少し、あ
るレベル以上の電解液が保持される結果、電池寿命が電
極活物質量に依存するようになった。
【0028】
【実施例】以下、実施例および比較例をもとに本発明に
つき説明する。なお、実施例は図1を参照し、比較例は
前述の図7を参照して説明する。また、いずれもICチ
ップを除いたシート状電極のみを作成した。
【0029】〔比較例1〕第1カバーシート1および第
2カバーシート2として厚さが25μmのポリエチレン
テレフタレート・フィルムを使用した。第1カバーシー
ト1上にカーボンペーストを用いてスクリーン印刷によ
り厚さ20μmの負極集電体4A1 を塗布形成した。負
極集電体4A1 の形状は25×66mmの長方形とし
た。電解液として表1の組成の水溶液を使用した。32
0メッシュの篩を通過した亜鉛粉末65部と表1の電解
液35部を充分に混合してペースト状となし、先に塗布
した負極集電体4A1 上にスクリーン印刷により厚さ5
0μmとなるよう塗布し、負極活物質5Aとした。
【0030】
【表1】
【0031】次いで、第2カバーシート2に負極と同様
にカーボンペーストを用いて正極集電体4B1 を塗布形
成した。200メッシュの篩を通過した二酸化マンガン
6部とアセチレンブラック1部の混合物1部に表1の電
解液1部を充分に混合してペースト状としたものを、ス
クリーン印刷により正極集電体4B1 上に厚さ50μm
塗布し、正極活物質5Bとした。さらに、カバーシート
2の正極集電体4B1 および穴2aを除いた部分にホッ
トメルトタイプのポリエステル接着剤のペーストをスク
リーン印刷により塗布した。
【0032】セパレータ5Cとして、厚さ60μm、面
積27×68mmの長方形のクラフト紙を用い、表1の
電解液0.2gを含浸させた後、負極活物質5A上に配
置した。しかる後、第1カバーシート1と第2カバーシ
ート2を重ね合わせ、130℃のホットプレスによりポ
リエステル接着剤を溶融し熱接着させることによって電
池を作製した。
【0033】この電池に使用したポリエチレンテレフタ
レート・フィルムの水蒸気透過度をWater Vap
or Permeation Tester L80−
4000(Lyssy,スイス)を用いて測定したとこ
ろ、40℃、相対湿度90%において11.9g/m2
/dであった。
【0034】この電池を5μAの定電流で終止電圧0.
9Vまで放電した結果、136時間の放電が可能であっ
た。この放電量は使用した電極活物質量から計算された
理論放電量の4%以下であった。放電終了後の電池の内
部を調べたことろ、電解液はほとんど存在しなかった。
放電を終了した電池内に蒸留水を0.2gシリンジを用
いて注入したところ電池は再び放電可能となり、5μA
で110時間の放電が可能であった。従って、電池の寿
命は電解液中の水分の蒸散によって規定されていること
が分かった。
【0035】〔比較例2〕 第1カバーシート1および第2カバーシート2として厚
さが25μmのポリフェニレンサルファイド・フィルム
を使用した以外は比較例1と同じ電池を作製した。この
ポリフェニレンサルファイド・フィルムの水蒸気透過度
を比較例1と同じ方法で測定したところ、4.74g/
2 /dであった。終止電圧を0.9Vとし、5μAの
定電流で放電した結果、342時間の放電が可能であっ
たが、放電終了時には比較例1と同じく、電解液中の水
は蒸散していた。
【0036】〔比較例3〕 第1カバーシート1と第2カバーシート2に厚さ25μ
mのポリエーテルイミド・フィルムを使用した以外は比
較例1と同じ電池を作製した。このポリエーテルイミド
・フィルムの水蒸気透過度を比較例1と同じ方法により
測定した値は、4.10g/m2 /dであった。終止電
圧0.9Vとする5μAの定電流放電では389時間の
放電が可能であったが、放電終了時には比較例1と同じ
く、電解液中の水分は蒸散していた。
【0037】〔比較例4〕 第1カバーシート1と第2カバーシート2に厚さ25μ
mのポリエチレンナフタレート・フィルムを使用した以
外は比較例1と同じ電池を作製した。ポリエチレンナフ
タレート・フィルムの水蒸気透過度を比較例1と同じ方
法により測定したところ、3.60g/m2 /dであっ
た。5μAの定電流で終止電圧0.9Vの放電を行った
ところ、468時間の放電が可能であったが、放電終了
時には比較例1と同じく、電解液中の水分は蒸散してい
た。
【0038】〔比較例5〕 厚さ25μmのポリフェニレンサルファイド・フィルム
の片面に厚さ200nmの一酸化珪素SiOを蒸着し
た。非蒸着面をスクリーン印刷面として第1カバーシー
ト1と第2カバーシート2にこのフィルムを使用した以
外は比較例1と同じ電池を作製した。このSiO蒸着ポ
リフェニレンサルファイド・フィルムの水蒸気透過度を
比較例1と同じ方法により測定したところ、1.38g
/m2 /dであった。終止電圧を0.9Vとする5μA
定電流放電では1120時間の放電が可能であったが、
これでも理論放電容量の約30%であった。放電終了時
には比較例1と同じく、電解液中の水分は蒸散してい
た。
【0039】これらの比較例に見られるごとく、第1お
よび第2のカバーシート1,2に水蒸気透過度の小さい
フィルムを使用しても電解液中の水分の蒸散は免れず、
理論放電容量よりはるかに小さい放電容量しか得られな
かった。
【0040】そこで、電解液の水蒸気圧を小さくするこ
とによって、水分の蒸散を抑制することを試み、長時間
にわたって電解液を保持し得る電池を発明するに至っ
た。
【0041】〔実施例1〕電池構成は電解液以外は比較
例2と同じとした。電解液として表2の組成のものを使
用した。
【0042】
【表2】
【0043】この電解液をセパレータ15Cに含浸し、
さらに、負極活物質15Aおよび正極活物質15Bをス
クリーン印刷する際のペーストを作製する工程にも表2
の電解液を使用した以外は比較例2と同じ電池を作製し
た。
【0044】終止電圧を0.9Vとする5μA定電流放
電では2835時間の放電が可能であった。放電終了
後、電池を破壊して内部を調べたところ、電解液がまだ
充分に存在していた。これは、塩化リチウムの潮解性が
強く、電池内部の水分が蒸散するにつれて塩化リチウム
の濃度が高くなるとともに電解液に接する電池内部の水
蒸気分圧が電池外部と接する外気中の水蒸気分圧と同じ
になり、カバーフィルム1および2を介して水の放散が
止まるためである。外気湿度が上昇すると、水分は逆に
外気より電池内部に移行するようになる。一方、外気湿
度が下がれば、さらに、若干の水分が電池内から放出さ
れ、平衡に達する。
【0045】塩化リチウムの飽和水溶液の水蒸気圧を2
0℃において、水銀マノメーターを用いた直接法により
測定したところ、348Paであった。これは20℃に
おける相対湿度14.9%に相当する。このことは、塩
化リチウム飽和水溶液が、例えば20℃において大気の
相対湿度が約15%以上では、空気中から水分を吸収す
ることを意味する。従って、通常の環境条件下では塩化
リチウムを添加した電解液を使用すれば、電解液中の水
の蒸散をあるレベル以下に抑制できる。
【0046】一方、塩化アンモニウムの飽和水溶液の水
蒸気圧は20℃において1826Paであった。これは
20℃におけ相対湿度79%に対応し、塩化アンモニウ
ムを単独で用いた電解液の場合、水分が蒸散しない条件
は、例えば20℃では、大気湿度が約80%以上でなけ
ればならないことを示す。従って、通常の環境条件では
電解液の枯渇が起こることになる。
【0047】図2に、実施例1と比較例2の5μAでの
放電曲線を示した。曲線Iは実施例1の場合、曲線IIは
比較例2の場合である。この図から本発明の優れている
ことは明らかである。
【0048】図3は実施例の電池について、電解液の塩
化リチウムの添加量を変えて、気温23℃、湿度65%
の環境中に放置したときの電解液の減少を示したグラフ
である。曲線a1 ,a2 は添加量0部(即ち従来の電解
液)の場合、曲線bは添加量が15部の場合、曲線cは
添加量が20部の場合である。このグラフから、塩化リ
チウムを添加量した電解液の場合には、電解液の急激な
減少がなく、むしろ増加ぎみであった。之に対して従来
の電解液では減少が大きかった。
【0049】〔実施例2〕負極活物質15Aおよび正極
活物質15Bの塗布厚を100μmとした以外は実施例
1と同様に電池を作製した。終止電圧を0.9Vとする
5μA定電流放電では実施例1より電極活物質が増加し
たのにほぼ比例して5595時間の放電が可能で、電池
容量が活物質量により規定されていることが示された。
また、このような8ケ月近い長期にわたり電解液の枯渇
が無く、電池の動作が可能であった。
【0050】〔実施例3〕電解液として表3の組成のも
のを用いた以外は実施例1と同様に電池を作製した。こ
の電池の5μA放電時の容量は2392時間であった。
また、塩化カルシウムの飽和水溶液の20℃における水
蒸気圧を実施例1と同じ方法で測定したところ749P
aで、これは20℃における相対湿度32%に相当す
る。従って、表3の電解液は表1の電解液よりは水分の
蒸散がいくらか進行したところで平衡に達し、実施例1
と比較例1の間の放電容量が得られる。
【0051】
【表3】
【0052】以上の実施例、比較例から明らかなよう
に、電解液中に飽和水溶液の蒸気圧が小さい化合物を添
加することによって、電解液中の水分の蒸散を一定レベ
ル以下に抑え、電池寿命を長くすることができる。カー
ド使用温度におけるその化合物の飽和水蒸気圧がその温
度における大気相対湿度が40%、好ましくは30%、
さらに好ましくは20%であるときの大気中水蒸気分圧
以下である化合物を使用することによってこれが達成で
きる。
【0053】尚、実施例では塩化リチウム、塩化カルシ
ウムを添加した電解液を用いたが、その他、塩化マグネ
シウムを添加した電解液を用いても効果はある。
【0054】又、上記実施例ではシート状電池のみを構
成したが、その他、図1の鎖線で示すようにICチップ
6を配置してICカードとして構成することができる。
特に本発明はICカードに適用して好適である。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、高分子フィルムより包
まれて成るシート状電池において水溶液電解液中に飽和
水溶液の蒸気圧が小さい物質を添加することによって、
高分子フィルムを介しての電解液中の水分の蒸散が減少
し、あるレベル以上の電解液が保持される結果、電池の
寿命を長くすることができる。
【0056】また、電解液の組成を変更するだけである
から、従来の印刷システムをそのまま応用でき、大量か
つ安価にICカード等を製造できる。そして、この場
合、アンテナに影響する金属蒸着を行わないので、アン
テナの設計が容易になる。
【0057】さらに、製造コストがかかる無機化合物蒸
着や金属蒸着を行わないので、安価に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状電池の製造工程図である。
【図2】本発明のシート状電池と従来のシート状電池の
放電特性図である。
【図3】塩化リチウム添加の有無に対する電解液の減少
を示す特性図である。
【図4】ICカードの平面図である。
【図5】図4のA−A線上の断面図である。
【図6】ICカードの側面分解図である。
【図7】従来のICカードの製造工程図である。
【図8】ICチップの拡大図である。
【符号の説明】
1,2 カバーシート 4 電気伝導性パターン 4A1 負極集電体 4A2 アンテナ 4B1 正極集電体 5 シート状電池 5A,15A 負極活物質 5B,15B 正極活物質 5C,15C セパレータ 6 ICチップ
フロントページの続き (72)発明者 西野 康司 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社 鹿沼工場内 (72)発明者 菱沼 啓之 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社 鹿沼工場内 (72)発明者 斉藤 雅男 栃木県鹿沼市さつき町18番地 ソニーケ ミカル株式会社 鹿沼工場内 (56)参考文献 特開 昭58−100365(JP,A) 実開 平2−143775(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 6/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極活物質、塩化亜鉛及び/または塩化
    アンモニウムの水溶液である電解液、セパレータを備
    え、前記各要素を包むカバーシートが電気伝導性パター
    ンを形成させた上に上記電極活物質を形成させた高分子
    化合物であるシート状電池において、 アルカリ金属の塩素化合物もしくはアルカリ土類金属の
    塩素化合物より選ばれる化合物であって、上記電池の使
    用温度における該化合物の飽和水溶液の水蒸気圧が相対
    湿度32%の大気中水蒸気分圧以下である化合物を上記
    電解液に添加したことを特徴とするシート状電池。
  2. 【請求項2】 上記化合物が塩化リチウムもしくは塩化
    カルシウムもしくは塩化マグネシウムであることを特徴
    とする請求項1に記載のシート状電池。
  3. 【請求項3】 上記電気伝導性パターンの一部が、上記
    電池と一対で略平行に形成されてなることを特徴とする
    請求項1に記載のシート状電池。
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