JP2010518176A - メチルメルカプタンをジアルキルスルフィドおよびジアルキルポリスルフィドから製造する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、上記のドイツ連邦共和国特許明細書に記載されているように、大量の硫化水素過剰量を使用した場合には、反応生成物と硫化水素との分離は、困難であることが証明された。特開昭58−159456号公報は、メチルメルカプタンのプロセスに関し、この場合循環路内に導かれる硫化水素は、新しい硫化水素と混合され、引続き全部のH2S流は、メチルメルカプタン反応器とDMS分解反応器との間に分配される。メチルメルカプタンの反応器の前方で、H2S部分流は、メタノールと混合され、他方、第2の部分流は、DMSと一緒に分解反応器中に到達する。引続き、2つの反応器の生成物流は、共通して生成物後処理部に供給される。米国特許第2831031号明細書の記載から、二酸化チタン上のピロ燐酸を基礎とする触媒は、公知であり、この触媒上でジメチルスルフィドは、97%の最大の選択性で42%の変換率でメチルメルカプタンに変換される。米国特許第4005149号明細書および特開昭52−46203号公報には、モリブデン酸コバルトまたは硫化タングステンでドープされたアルミニウム酸化物が記載されており、このアルミニウム酸化物を用いると、41%または88%の硫化ジメチル変換率およびメチルメルカプタンに対する92%または93%の選択性を達成することができる。更に、触媒として、米国特許第4313006号明細書には、ナトリウムイオンまたはカリウムイオンでドープされたゼオライト(X、Y、L)の特許保護が請求されており、このゼオライトを用いると、70%の硫化ジメチル変換率の際に65%の最大のメチルメルカプタン選択性を達成することができる。特開昭58−159456号公報は、酸化燐および酸化タングステンで変性された酸化アルミニウムに関し、この酸化アルミニウムを用いると、40%の最大のDMS分解変換率を達成することができる。反応体ガス中でのH2S/DMS比は、上記の特許出願において、2〜28である。特に、十分に高いDMS分解変換率を達成するために、高いHS/DMS比を達成しようと努力される。米国特許第4005149号明細書には、有機硫化物を硫化水素で硫黄活性触媒(sulfaktiven Katalysatoren)の存在下に接触分解する方法が記載されている。二硫化炭素を反応混合物に添加することによって、メルカプタンに対する硫化物の全変換率は、上昇させることができる。この方法の欠点は、費用を掛けて再び反応生成物から分離しなければならない、毒性の二硫化炭素をプロセスに使用することである。一般に、硫化水素を用いてのメルカプタンへのジアルキルスルフィドの分解の際に、メルカプタンに対する高い選択性および副生成物の可能な限りの抑制を達成しようと努力される。これとは異なり、メルカプタンへの(ポリ)スルフィドの分解は、例えば酸化アルミニウム上で硫化水素の添加なしに、メチルメルカプタンに対する比較的低い選択性および副生成物の幅広のスペクトルによって特性決定される。Mashkina他は、例えばReact. Kinet. Catal. Lett., Vol. 70, No. 1, 183-189, 2000中で、87%の最大のメチルメルカプタン選択性で酸性触媒上でのH2S添加剤なしでメチルメルカプタンへのジメチルジスルフィドの分解を記載している。Koshelev他[React. Kinet. Catal. Lett., Vol. 27, No. 2, 387-391 (1985)]によれば、触媒が数多くの非プロトン性ルイス酸中心および塩基中心を調節剤の澱粉と一緒に有する場合には、γ−酸化アルミニウム上での硫化水素によるジメチルスルフィドの分解のためには、最大の活性が達成される。しかし、Koshelew他によって記載された、Na2O/Al2O3を基礎とする触媒は、9.5%のDMS変換率の際に82%にすぎない最大のメチルメルカプタン選択性を示し、一方で、純粋なγ−Al2O3上で38%の変換率の際に97%のメチルメルカプタン選択性を達成する。
a)アルカリ金属酸化物少なくとも1質量%を含有する、Al2O3、SiO2、TiO2、アルミナ珪酸塩、ゼオライト、ベントナイトまたは粘土を基礎とするかまたはAl2O3、SiO2、TiO2、アルミナ珪酸塩、ゼオライト、ベントナイトまたは粘土からなる触媒の存在下で
b)少なくともn=2の別々の触媒体域を有する反応器中で反応させ、この場合
c)記載されたジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドの主要な部分または全体量を、反応器中で使用される硫化水素の全体量の少なくとも一部分と一緒に第1の触媒帯域中に導入し、
d)硫化水素およびジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドの残存量を触媒帯域間に供給することによって、アルキメルカプタンを連続的に製造する方法である。
CH3−S−CH3 + H2S → 2CH3SH (1)
分解反応の僅かな熱の変化に応じて、硫化水素およびジアルキル(ポリ)スルフィドを含有する、予熱された反応体ガス混合物は、断熱反応器中で反応され、メチルメルカプタンに変わる。反応体ガス混合物は、ジアルキルエーテルまたはジアリールエーテル、殊にジメチルエーテルを含有していてもよい。
好ましくは、Cs酸化物またはRb酸化物を含有するγ−酸化アルミニウムは、本発明による方法で触媒として使用される。触媒は、例えば熱分解によって相応する酸化物に変換される適当なアルカリ金属塩で触媒担体を含浸することにより製出される。特に、アルカリ金属硝酸塩、炭酸塩またはカルボン酸のアルカリ金属塩が使用される。引続き、触媒は、乾燥され、場合によっては50〜600℃の温度でか焼される。
実施例1:
M2O−Al2O3(M=Li、Na、K、Rb、Cs)の調製
LiNO349.66gを蒸留水300ml中に溶解した。この溶液を約60℃へ昇温させ、その結果、塩は完全に溶解した。この溶液に撹拌下にγ−酸化アルミニウム50gを添加した。引続き、この溶液を約60分間攪拌した。この触媒を少なくとも60℃の温度で、場合によっては減少された圧力で、液体の全体量が担体中に吸収されるまで攪拌した。この触媒を約120℃で一晩中、空気中で乾燥させ、引続き500℃で3時間、空気流中でか焼した。
DMS分解を100〜500℃の温度範囲および1.5〜25バールの圧力で試験した。反応体ガス中での硫化水素とジメチルスルフィド(DMS)との比を1:1〜25:1の範囲内で変動させた。
Claims (13)
- ジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドを含有する反応体ガスを少なくともモル過剰量の硫化水素と、高められた温度で気相中で、
a)アルカリ金属酸化物少なくとも1質量%を含有する、Al2O3、SiO2、TiO2、アルミナ珪酸塩、ゼオライト、ベントナイトまたは粘土を基礎とするかまたはAl2O3、SiO2、TiO2、アルミナ珪酸塩、ゼオライト、ベントナイトまたは粘土からなる触媒の存在下で、
b)少なくともn=2の別々の触媒体域を有する反応器中で反応させ、この場合
c)記載されたジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドの主要な部分または全体量を、反応器中で使用される硫化水素の全体量の少なくとも一部分と一緒に第1の触媒帯域の前方に導入し、
d)硫化水素およびジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドの残存量を触媒帯域間に供給し、
e)この場合、反応体ガス混合物中にはジアルキルエーテルも含有されていてよく、このジアルキルエーテルは、硫化水素と反応し、アルキルメルカプタンに変わり、それによってプロセスの全選択性は、上昇することを特徴とする、アルキメルカプタンを連続的に製造する方法。 - 反応体ガスは、付加的にジアルキルエーテルを含有する、請求項1記載の方法。
- ジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドの全体量を、使用される硫化水素の少なくともn部と一緒に第1の触媒帯域中に反応器中に導入する、請求項1または2記載の方法。
- アルカリ金属酸化物を少なくとも1質量%含有する、γ−Al2O3からなる触媒を使用する、請求項1、2または3記載の方法。
- CsまたはRbから選択される、アルカリ金属酸化物を少なくとも1質量%含有する触媒を使用する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
- 触媒を遷移金属の化合物で変性する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
- 反応器の触媒帯域を固定床、管束または渦動床として形成する、請求項1記載の方法。
- 多数の反応器を順次に接続する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
- 硫化水素とジアルキルスルフィドおよびジアルキルポリスルフィドの全体量とのモル比は、3:1〜25:1の範囲内にある、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
- アルキルメルカプタンの製造の際に副生成物として生じる、ジアルキルスルフィドおよび/またはジアルキルポリスルフィドを含有する反応体ガスを使用する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
- 反応体ガスは、水素を少なくとも0.1%含有する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
- 初回の使用の前に、触媒を、少なくとも1時間、少なくとも100℃の温度で硫化水素流中で硫化する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
- 反応を100〜600℃、特に300〜430℃の温度および1.5〜50バール、特に8〜40バールの圧力で行なう、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
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