JP2010518170A - 冠微小血管疾患の処置のためのラノラジンの使用 - Google Patents

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Abstract

冠微小血管疾患を患う患者にラノラジンを投与することを含む該患者を処置するための方法を開示する。1つの実施態様ではラノラジンを経口投与として投与する。本発明の1つの態様は冠微小血管疾患を患うかまたは患う危険性のある患者を選択すること、およびその患者に有効量のラノラジンを投与することを含む、冠微小血管疾患を患う患者の処置を提供する。好ましくは患者は、それ以外に閉塞性冠動脈疾患を有さない、そしてさらに好ましくはそれ以外に冠疾患を有さない。さらに好ましくは、患者は閉塞性冠動脈疾患の非存在下で持続性の胸痛を呈する。

Description

(技術分野)
本願は、2007年2月13日に出願された米国仮特許出願第60/889,734号、2007年3月5日に出願された米国仮特許出願第60/893,121号、2007年3月14日に出願された米国仮特許出願第60/894,903号、2007年4月27日に出願された米国仮特許出願第60/914,645号、2007年5月31日に出願された米国仮特許出願第60/941,219号、2007年7月2日に出願された米国仮特許出願第60/947,613号、および2007年5月22日に出願された米国仮特許出願第60/896,477号への優先権を主張し、それぞれの米国仮特許出願の全体は、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は冠微小血管疾患を患うかまたは患う危険性のある患者を処置するための方法に関する。
特許文献1(その明細書の全ては本明細書中に参考として援用される)はラノラジン、(±)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)−プロピル]−1−ピペラジンアセトアミド、およびその薬学的に許容される塩、ならびに不整脈、異型狭心症、運動誘発性狭心症、および心筋梗塞を含む心血管疾患の処置におけるその使用を開示する。その二塩酸塩形態では、ラノラジンは式:
により表される。
この特許はまたさらにプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400、Tween80および0.9%生理食塩水を含むラノラジン二塩酸塩の静脈内(IV)用処方物をも開示する。
特許文献2(その全ては本明細書中に参考として援用される)は心臓麻痺、心臓または骨格筋または脳組織に対する低酸素または再灌流傷害を含む物理的または化学的侵襲を経験する組織の処置のための、および移植における使用のための、ラノラジンならびにその薬学的に許容される塩およびエステルの使用を開示する。放出制御処方物を含む経口および非経口処方物が開示される。とりわけ特許文献2の実施例7Dは放出制御ポリマーでコーティングされたラノラジンのマイクロスフェアおよび微結晶性セルロースを含むカプセル形態の放出制御処方物を記載する。この特許はまた、低濃度では約5重量%デキストロースを含有するIV用溶液の1mLあたりラノラジン5mgを含むIVラノラジン処方物をも開示する。高濃度では、約4重量%デキストロースを含有するIV用溶液の1mLあたりラノラジン200mgを含有するIV用溶液が開示される。
ラノラジンならびにその薬学的に許容される塩およびエステルに関する現在好ましい投与経路は経口である。典型的な経口投薬形態は圧縮錠剤、粉末混合物もしくは顆粒が充填された硬質ゼラチンカプセル、または溶液もしくは懸濁液が充填された軟質ゼラチンカプセル(ソフトゲル)である。特許文献3(その明細書の全ては本明細書中に参考として援用される)は過冷却された液体ラノラジンを硬質ゼラチンカプセルまたはソフトゲルのための充填溶液として用いる高用量経口処方物を開示する。
特許文献4(その明細書の全ては本明細書中に参考として援用される)は、処方物が胃における酸性環境および腸の間のより塩基性の環境の双方を通過する間に、ラノラジンの満足できる血漿レベルを得る問題を克服し、そして狭心症およびその他の心血管疾患の処置に必要である血漿レベルを提供するのに非常に有効であることが判明している徐放処方物を開示する。
特許文献5(その明細書の全ては本明細書中に参考として援用される)は不整脈、異型および運動誘発性狭心症および心筋梗塞を含む心血管疾患を処置する方法を開示する。
特許文献6(その明細書の全ては本明細書中に参考として援用される)は、ラノラジンが35−50%、好ましくは40−45%ラノラジンで存在する経口徐放投薬形態を開示する。1つの実施態様では、本発明のラノラジン徐放処方物はpH依存性結合剤;pH非依存性結合剤;および1つまたはそれより多い薬学的に許容される賦形剤を含む。適当なpH依存性結合剤には、限定するものではないが、メタクリル酸コポリマーを約1−20%、例えば約3−6%の程度まで中和するのに十分な量の強塩基、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化アンモニウムで、ある程度中和されたメタクリル酸コポリマー、例えばEudragit(登録商標)(Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L100−55のシュードラテックス(pseudolatex)等)が含まれる。適当なpH非依存性結合剤には、限定するものではないがヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、例えばMethocel(登録商標)El0M Premium CRグレードHPMCまたはMethocel(登録商標)E4M Premium HPMCが含まれる。適当な薬学的に許容される賦形剤には、ステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロース(Avicel(登録商標)pH101)が含まれる。
一方、微小血管疾患は眼、腎臓および/または神経周囲の鞘の小血管等のような身体の任意の小血管の疾患である。微小血管疾患は心臓に栄養を与える小動脈の狭小化または硬化により引き起こされる。微小血管疾患では、小血管は、拡張しそして心臓への血流を増大させるその能力を喪失し得る。原因は、冠動脈を遮断し得るもののような脂肪の沈着ではない。むしろ細動脈の筋肉が肥厚し(リモデリングと称される過程)、そして壁が硬化することがあり、そして血管腔は狭小化し始める。最終結果は虚血、すなわち罹患微小血管系により栄養を与えられる組織への血流の欠如である。時間と共に冠血管関連微小血管疾患は心不全および心臓発作の危険性を増大させ得る。
女性はより有意に冠微小血管疾患になる傾向があり、一方男性はより冠動脈疾患になる傾向がある。この症状を患う女性は冠動脈疾患(CAD)の非存在下で持続性の胸痛(PChP)を有する。かかる女性は有害な心臓事象に関しては低リスクかもしれないが、度重なる診断評価および入院を促し得る消耗性の症状により頻繁に制限を受ける。これらの女性は一般的に胸痛、虚血性ストレス試験応答および血管造影的に正常な冠動脈として定義される「シンドロームX」と診断される。このように、当該分野ではPChPまたはシンドロームXは閉塞性の冠動脈疾患による狭心症の症状とは分けられ、そして区別されると考えられる。「シンドロームX」は冠抵抗小血管の機能障害である冠微小血管機能不全の結果であり得る。
閉塞性冠動脈疾患(CAD)の非存在下の女性におけるPChPは冠微小血管機能不全に関係している(非特許文献1)。この知見により、PChPを有し、そして閉塞性CADを有さない女性は、たとえ冠血管造影図において証拠がなくても、微小血管機能不全であると判断されるべきであることが示唆される。この研究によりさらに、これらの患者は「非心臓性」として看護の対象から外れるのではなく、むしろ梗塞、卒中発作およびその他の血管事象の発現に関してモニタリングされるべきであるこが示唆される。
さらに、微小血管疾患は糖尿病に関連して、動脈内膜肥厚(細動脈硝子化)、心筋細動脈の微小動脈瘤、毛細管基底膜肥厚の増大、内皮代謝の異常、および線維素溶解の障害のような症状に至り得る。これらの症状は心臓における局所的な血流不全の原因となり、「非閉塞性」虚血および傷害に至り得る。
冠微小血管疾患はまた肥満、高血圧、脂質レベル異常および高血糖を含む多くの健康上の問題を特徴とする障害であるメタボリックシンドロームにも関連し得る。
米国特許第4,567,264号明細書 米国特許第5,506,229号明細書 米国特許第5,472,707号明細書 米国特許第6,503,911号明細書 米国特許第6,852,724号明細書 米国特許出願公開第2006/0177502号明細書
Johnson,B.D.ら、European Heart Journal 27:1408−1415(2006)
微小血管疾患の処置には、食事制限、運動、精神的ストレスおよび抑うつの処置、閉経前の低レベルのエストロゲンの処置、低い高密度リポタンパク質(HDL)、高い低密度リポタンパク質(LDL)、および高いトリグリセリドのような脂質異常の低減、ならびに高血圧の処置が含まれる。微小血管疾患を患う患者はしばしば、高血圧、高コレステロールおよびグルコース不耐性のような任意の基礎リスク因子を制御するための薬物療法を用いる。これらの処置は役立つにもかかわらず、しばしば微小血管疾患の有効な処置には不十分である。したがって、微小血管疾患を処置するための改善された方法および組成物が必要とされる。
(発明の要旨)
本発明の1つの態様は冠微小血管疾患を患うかまたは患う危険性のある患者を選択すること、およびその患者に有効量のラノラジンを投与することを含む、冠微小血管疾患を患う患者の処置を提供する。好ましくは患者は、それ以外に閉塞性冠動脈疾患を有さない、そしてさらに好ましくはそれ以外に冠疾患を有さない。さらに好ましくは、患者は閉塞性冠動脈疾患の非存在下で持続性の胸痛を呈する。
好ましい実施態様では、ラノラジンを経口用量として、好ましくは徐放性錠剤として患者に投与する。
本発明の別の態様は、有効量のラノラジンをシンドロームXの処置を必要とする患者に投与することを含むシンドロームXを処置する方法を提供する。
図1はラノラジンで処置された非糖尿病および糖尿病双方の患者におけるHbA1C血清レベルを説明する。 2はラノラジンで処置された非糖尿病および糖尿病双方の患者におけるHbA1C血清レベルを説明する。
発明の詳細な説明
前記したように、本発明は微小血管疾患を患う冠動脈患者にラノラジンを投与することを含む、これらの患者を処置するための方法に関する。しかしながら、本発明をさらに詳細に記載する前に、最初に以下の用語を定義する。
定義
本明細書において、および以下に続く請求の範囲において、以下の意味を有すると定義されるべき多くの用語が参照されよう。
「ラノラジン」は化合物(±)−N−(2,6−ジメチルフェニル)−4−[2−ヒドロキシ−3−(2−メトキシフェノキシ)プロピル]−1−ピペラジン−アセトアミド、およびその薬学的に許容される塩、ならびにその混合物である。特記しない場合、明細書および実施例において用いられるラノラジン血漿濃度はラノラジン遊離塩基を指す。pH約4では、塩化水素で用量設定された水溶液中で、ラノラジンは大部分がその二塩酸塩として存在する。
「生理学的に許容されるpH」とはヒト患者への送達に適合する静脈内用溶液のpHを指す。好ましくは生理学的に許容されるpHの範囲は約4から約8.5、および好ましくは約4から7である。いかなる理論にも制限されることなく、体内の多量の血液がこれらの静脈内用溶液を有効に緩衝するので、pH約4から6の静脈内用溶液の使用は生理学的に許容されると考えられる。
「冠疾患」または「心血管疾患」とは冠脈管構造のアテローム性動脈硬化症、血栓症、心筋梗塞および/または虚血(再発性虚血を含む)から生じる心臓脈管構造の疾患ならびに心不全(うっ血性心不全、急性心不全を含む)および間欠性跛行のような肉眼的な冠血管機能不全を指す。一つまたはそれより多いこれらの冠疾患の症状には運動誘発性狭心症、異型狭心症、安定狭心症および不安定狭心症のような狭心症が含まれ得る。
かかる疾患状態の処置は米国特許第6503911号および第6528511号、米国特許出願第2003/0220344号および第2004/0063717号(その完全な開示を出典明示により本明細書の一部とする)を含む種々の米国特許および特許出願に開示される。
「閉塞性冠動脈疾患」とは一つまたはそれより多い冠動脈の閉塞から生じる動脈心臓脈管構造の疾患を指す。かかる疾患には、限定するものではないが、冠動脈脈管構造のアテローム性動脈硬化症、血栓症、再狭窄、心筋梗塞および/または虚血(再発性虚血を含む)が含まれる。一つまたはそれより多いこれらの疾患の症状には、運動誘発性狭心症、異型狭心症、安定狭心症および不安定狭心症のような狭心症が含まれ得る。
前記で示したような冠疾患は、微小脈管構造のアテローム性動脈硬化症または血栓症がなく、また心筋梗塞、虚血(再発性虚血を含む)心不全(うっ血性心不全、急性心不全を含む)および間欠性跛行の証拠もない冠微小血管疾患から区別される。
「冠微小血管疾患」とは微小脈管構造の変性に起因する冠疾患を指す。冠微小血管疾患を患う患者は、持続性の胸痛(PChP)、動脈瘤、微小動脈瘤、変性症、壊死(例えば筋細胞溶解性壊死)、痙攣、反応性亢進、漏出、間質性浮腫、血管周囲線維症、硬化症、瘢痕置換(replacement scarring)、蛇行、限局性収縮、毛細管基底膜肥厚の増大および内皮代謝の異常を含む症状を呈し得る。
いくつかの例では、微小血管疾患はまた、STセグメント上昇を伴う安定性CADまたは急性冠動脈症候群を含む閉塞性冠動脈疾患(CAD)、およびSTセグメント上昇を伴わない安定性CADまたは急性冠動脈症候群を含む閉塞性冠動脈疾患(CAD)の双方を併発し得る。微小血管疾患は肥大性心筋症、動脈性高血圧、大動脈狭窄および浸潤性心臓疾患のような心筋疾患を併発し得る。しかしながら、根底にある冠微小血管疾患は前記で示した冠血管疾患とは異なる病因を有することもまた当該分野において認識されている。
いかなる理論にも制限されることなく、冠微小血管疾患は以下のリスク因子の1つまたは組み合わせにより引き起こされると考えられている:高コレステロール、高血圧、高脂質血症、初発糖尿病、メタボリックシンドローム、喫煙、および動脈中で血液を凝血させる、血液中に存在する化学物質からの小動脈の繊細な内膜への損傷。それは血管形成術に続く冠血管再開通後にも起こり得る。
「メタボリックシンドローム」とは1人のヒトに存在する代謝リスク因子の群を特徴とする障害を指す。代謝リスク因子には中心性肥満(腹部内および周囲の過剰な脂肪組織)、アテローム生成性異常脂質血症(血中脂肪障害−主に高トリグリセリドおよび低HDLコレステロール)、インスリン抵抗性またはグルコース不耐性、血栓形成促進状態(例えば血中の高フィブリノーゲンまたはプラスミノーゲン活性化因子阻害剤)、および高血圧(130/85mmHgまたはそれより高い)が含まれる。
一般に1人の対象における3つまたはそれより多い以下の臨床所見の存在に基づいてメタボリックシンドロームは診断され得る:
a)男性で40インチ(102cm)以上および女性で35インチ(88cm)以上長い胴囲を特徴とする腹部肥満;
b)150mg/dL以上の高いトリグリセリド;
c)女性で40mg/dL未満、および男性で50mg/dL未満の低レベルの高密度リポタンパク質;
d)130/85mmHg以上の高血圧;ならびに
e)100mg/dL以上の高い空腹時グルコース。
「初発糖尿病」とは、対象が高レベルのグルコース、またはこれに代えて高レベルのHbA1cのようなグリコシル化ヘモグロビンを有するが、発現していない糖尿病を有する状態を指す。
「急性冠動脈症候群」または「ACS」とは一連の急性心筋虚血状態を指す。それは不安定狭心症および非STセグメント上昇型心筋梗塞(UA/NSTEMI)、ならびにSTセグメント上昇型心筋梗塞(STEMI)を包含する。STEMIとは血栓による完全な閉塞を指す。好ましい実施態様では、ACSとは非ST上昇型急性冠動脈症候群(NSTEACS)を有するこれらの患者を指す。NSTEACSとは血栓による部分的な閉塞を指す。NSTEACSはさらに安静時に発症し、10分間以上持続し、心筋虚血と一致し、指標エピソードを含み得る入院の48時間以内の安静時虚血症状(5分間以上)が存在し、以下の中−高リスクの指標の少なくとも1つを有する、胸部不快感または狭心症に同等なものとして定義される:
●心筋トロポニン上昇(局所MI限界を超える)またはCK−MB(>ULN);
●ST低下(水平または下降)≧0.1mV;
●糖尿病(インスリンまたは経口治療を必要とする);
●リスクスコア≧3、ここで1点は以下の変数の各々に割り当てられ、そして全スコアは算術的合計として計算される:
○年齢65歳以上;
○公知のCAD(MIの既往、CABG、PCIまたは血管造影による狭窄≧50%);
○3つまたはそれを超えるリスク因子(DM、コレステロール上昇、高血圧、家族歴);
○24時間前に安静時に1を超える虚血不快感のエピソード;
○症状の発症の前の7日間にアスピリンの長期使用;
○STセグメント低下≧0.05mV;および
○心筋トロポニンまたはCK−MB上昇。
これらのリスク指標はまたTIMI(心筋虚血における血栓溶解)リスク因子とも称され、そしてさらにChaseら、Annals of Emergency Medicine 48(3):252−259(2006);Sadanandanら、J Am Coll Cardiol.44(4):799−803(2004);およびConwayら、Heart 92:1333−1334(2006)(その各々をその全てにおいて本明細書中に参考として援用する)にて論じられる。
「不安定狭心症」すなわち「UA」とは安定狭心症と急性心筋梗塞との間の臨床症状を指す。この定義は種々の病歴を示す多くの患者を包含し、そして異なる時間に、および異なる転帰で作動する複雑な病態生理学的メカニズムを反映する。安静時狭心症、新規狭心症および増悪型狭心症の3つの主な提示が記載されている。
「ECG」とは心電図を指す。
「場合による」および「場合によっては」とは、続いて記載された事象または環境が発生しても、または発生しなくてもよく、そして記載には事象または環境が発生する例および発生しない例が含まれることを意味する。例えば「場合による医薬用賦形剤」は、そのように記載された処方物が具体的に存在すべきと記されたもの以外の医薬用賦形剤を含んでも、または含まなくてもよく、そしてそのように記載された処方物には、場合による賦形剤が存在する例および存在しない例が含まれることを示す。
「処置する」および「処置」とは患者における疾患の任意の処置を指し、そして:疾患にかかりやすいかもしれないが、未だそれを有すると診断されていない対象における疾患の発症を防止すること;疾患を阻害すること、すなわちそのさらなる進行を抑止すること;疾患の症状を阻害すること;疾患を軽減すること、すなわち疾患の退行を引き起こすこと、または疾患の症状を軽減すること;が含まれる。「患者」は哺乳動物、好ましくはヒトである。
「即時的放出」(「IR」)とはインビトロで急速に溶解する処方物または投薬単位を指し、そして胃または上部胃腸管で完全に溶解および吸収されることが意図される。慣例的に、かかる処方物は投与の30分以内に活性成分の少なくとも90%が放出される。
「徐放」(「SR」)とは約6時間またはそれを超えた期間にわたって胃および胃腸管で緩徐に、および持続的に溶解および吸収される、本明細書にて使用される処方物または投薬単位を指す。好ましい徐放処方物は以下に記載されるように、投与あたり2個以下の錠剤で1日2回だけの投与に適当なラノラジンの血漿濃度を呈するものである。
「静脈内(IV)注入または「静脈内投与」とは静脈内経路により患者に提供される、本明細書にて使用される溶液または投薬単位を指す。患者の心血管症状を安定させるためにかかるIV注入を約96時間まで患者に提供することができる。IV注入の送達のための方法および時機は当業者の裁量の範囲内である。
「腎不全」とは患者の腎臓がもはや健康な正常状態を維持するのに十分な腎機能を有さない場合を指す。腎不全には末期の腎疾患(ESRD)を含む急性および慢性腎不全の双方が含まれる。
「冠微小血管疾患の危険性を有する患者」とは初発糖尿病、メタボリックシンドローム等と診断されているが、未だ冠微小血管疾患の症状を発現していないこれらの患者を指す。
本発明の方法
1つの態様では、本発明はラノラジンを投与することにより冠微小血管疾患を患う患者を処置するための方法を提供する。1つの実施態様では、その患者は冠疾患を有さない、とりわけ閉塞性CADを有さない。別の実施態様では、その患者は閉塞性CADの非存在下でPChPを呈する。
好ましい実施態様では、ラノラジンの投与の前に患者が冠微小血管疾患を患っているかまたは患う危険性があるかどうかを決定することにより、ラノラジンでの処置のために患者を選択する。
患者が冠微小血管疾患を患っているかどうかを決定する方法には、冠血流を測定する方法および微小血管血流を測定する方法が含まれる。例えばCamici,P.G.ら、N Engl J Med 356:830−40(2007)(参考として本明細書中に援用される)を参照されたい。
微小血管血流を測定する方法には、例えば冠動脈流の評価のために広く用いられている血行的方法であるTIMI血流分類(Thrombolysis in Myocardial Infarction flow grade)が含まれる。このアッセイは、造影剤の注射後に達成される心筋組織の放射線不透過性の相対強度(または濃染)および濃染が消失する速度を表現する。
微小血管血流を測定するその他の方法には、ポジトロン放出型断層撮影法による心筋血流の測定、心血管磁気共鳴映像法(MRI)、および経胸壁心エコー法が含まれる。
冠血流を測定する方法を、患者が冠微小血管疾患を患っているかどうかを決定する間接的な方法として用いることができる。かかる方法には、限定するものではないが、冠内熱希釈、冠内ドップラーワイヤー、経胸壁ドップラー心エコー法およびTIMIフレームカウントが含まれる。
血流測定を用いて冠血流予備能を決定する。冠血流予備能は、基礎冠灌流から最大冠血管拡張まで進むときに達成できる冠血流の増大の振幅である。冠血流予備能は微小脈管構造の刺激に応答する能力の測定値であり、そして微小脈管構造の機能の指標である。冠血流予備能は、冠血管または心筋の血流を測定し、そして休息時および最大充血の双方で測定することにより決定される。冠血流予備能は充血の間の血流の休息時の血流に対する比率である。2.0未満の冠血流予備能はしばしば微小血管疾患の指標と考えられる。しかしながら、冠血流予備能は性別および年齢を含むいくつかの因子にしたがって変動する。このように、微小血管疾患を患うことが疑われる患者における冠血流予備能を、疾患を有さない同一の性別および類似の年齢のその他の患者の冠血流予備能と比較することは当業者には慣例的である。Camichiら。
患者が冠微小血管疾患を患っているかまたは患う危険性があるかどうかを決定する方法はまた、冠微小血管疾患の存在に関連すると決定された症状の評価をも含む。症状の1つの特定の実例は閉塞性冠動脈疾患を有さない患者における胸痛の存在である。閉塞性冠動脈疾患の非存在下での胸痛と冠微小血管疾患との間の相関性を、European Heart Journal 27:1408−1415(2006)(本明細書中に参考として援用される)に記載される「女性の虚血症候群に関する評価(WISE)」において決定した。この研究は、PChPが典型的な狭心症とは関連しないことを記している。
したがって、本発明の1つの実施態様は、冠微小血管疾患を患うかまたは患う危険性のある患者を選択する工程、および有効量のラノラジンをその患者に投与する工程を含む、冠微小血管疾患を患う患者を処置するための方法を提供する。
1つの実施態様では、処置されるべき患者は冠動脈疾患を有さない。代替の実施態様では、その患者は冠動脈疾患を患っている。
別の実施態様では、処置されるべき患者は糖尿病を有さない。代替の実施態様では、その患者は糖尿病を患っている。
別の実施態様では、処置されるべき患者は初発糖尿病を有さない。代替の実施態様では、その患者は初発糖尿病を患っている。
別の実施態様では、処置されるべき患者はメタボリックシンドロームを有さない。代替の実施態様では、その患者はメタボリックシンドロームを患っている。
別の実施態様では、処置されるべき患者は高血圧を有さない。代替の実施態様では、その患者は高血圧を患っている。
本明細書に記載される方法による微小血管疾患を患う患者の長期間の看護は、好ましくは有効量のラノラジンの経口用量を症候性患者に投与することにより達成される。経口投与は患者の症状、年齢、体重およびそれ以外の患者の全身の健康状態に依存する。かかる因子は十分に担当医の裁量内であり、そして以下に詳細に論じられる。
あるいは、PChPおよび/またはシンドロームXを含む冠微小血管疾患の急性症状を示す患者を、治療的血清レベルに迅速に到達させるために、最初に有効量のIV用量のラノラジンで処置することができる。IV投与は患者の症状、年齢、体重およびそれ以外の患者の全身の健康状態に依存する。かかる因子は十分に担当医の裁量内であり、そして以下に詳細に論じられる。
図1および2にて示されるように、ラノラジンは血清HbA1Cレベルを有意に低下させるので、冠微小血管疾患の危険性を有する初発糖尿病患者は本発明のようなラノラジンでの処置によりさらに利益を享受する。このようにHbA1Cレベルを低下させることにより、初発糖尿病の可能性を低減させ、さらに糖尿病自体を退行させる。
本発明の組成物
経口用量
1つの実施態様では、ラノラジンを経口用量として投与する。1つの実施態様では、経口用量のラノラジンを錠剤で提供する。1つの実施態様では、ラノラジンの錠剤は500mgまでである。好ましい実施態様では、ラノラジン錠剤は375mgおよび/または500mgである。
ラノラジンの経口処方物は米国特許第6303607号および米国特許公開第2003/0220344号(双方共にその全てにおいて出典明示により本明細書の一部とする)において十分に論じられている。好ましい実施態様では、経口処方物は少なくとも50重量%のラノラジン、約5から約12.5重量%のメタクリル酸コポリマー、約1から約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、水酸化ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む徐放性錠剤である。
本発明の経口徐放ラノラジン投薬処方形態は治療レベルの閾値を超え、そして最大耐用レベルを下まわる血漿ラノラジンレベルを維持するために、24時間の期間中に1回、2回または3回投与され、それは好ましくは患者において約550から7500ng塩基/mLの血漿レベルである。
好ましい実施態様では、ラノラジンの血漿レベルは約1500−3500ng塩基/mLの範囲である。
好ましい血漿ラノラジンレベルを達成するために、本明細書に記載される経口ラノラジン投薬形態を1日1回または2回投与する。投薬形態を1日2回投与する場合、次いで経口ラノラジン投薬形態を約12時間間隔で投与するのが好ましい。
血漿ラノラジンレベルを制御する様式での本発明の経口徐放投薬形態の処方および投与に加えて、血漿ラノラジンレベルのピークと谷との間の差異を最小化することも重要である。ラノラジンピーク血漿レベルは典型的には約30分から8時間で、または最初の投薬形態摂取のさらに後で達成されるが、ラノラジン血漿レベルの谷は次回の予定された投薬形態の摂取時の付近で達成される。ラノラジン谷レベルよりもわずか8倍、好ましくはラノラジン谷レベルよりもわずか4倍、好ましくはラノラジン谷レベルよりもわずか3倍、そして最も好ましくはラノラジン谷レベルよりもわずか2倍のラノラジンピークレベルを可能にする様式で本発明の徐放投薬形態を投与するのが好ましい。
本発明の徐放ラノラジン処方物は、ラノラジン血漿濃度の変動を最小化するが、せいぜい1日2回投与を許容する治療上の利点を提供する。ラノラジンの治療上有効な血漿濃度が迅速に達成されることが望まれる場合、処方物は、単独でまたは(少なくとも最初は)即時放出処方物と組み合わせて、または可溶性IV用処方物および経口投薬形態により投与され得る。
静脈内用処方物
本発明のこの態様の方法は好ましくは、症候性患者に選択された濃度のラノラジンを含むIV用溶液を投与することにより達成される。これまで低濃度のラノラジンを含むラノラジンを含むIV用溶液が当該分野で提供された(例えばKlugeら、米国特許第4567264号参照、ここでこの特許の実施例11では多量のプロピレングリコール(20g/100mL)およびポリエチレングリコール(20g/100mL)の双方を含むIV用溶液中、1mLあたりラノラジン1.4mgの使用が記載される)。プロピレングリコールはポリエチレングリコールのように粘性液体である(例えばthe Merck Index、第12版(1996年)参照)。かかるIV用溶液の使用の結果、粘性が増大し、急性心血管疾患事象を患う患者に対するラノラジンの迅速な送達がさらに厄介になり、そして多量のプロピレングリコールおよびポリエチレングリコールが同時投与されることが必要となる。
一方、本明細書で使用されるIV用溶液において用いられるものと比較して、高濃度または非常に高濃度のいずれかのラノラジン(5mg/mLまたは200mg/mLのいずれか)を含むラノラジンを含むIV用溶液が当該分野では提供された。例えばDowら、米国特許第5506229号を参照されたい。患者が腎不全を患っているかまたは患う危険性のある急性心血管疾患事象では、かかる濃度のラノラジンを使用すると、ラノラジンの血漿レベルがより高くなり得る。したがって、担当医師が処置を開始する前にその患者の腎機能を評価する時間があったとしてもわずかしかないので、かかる濃度の使用は急性心血管疾患事象を示す患者の処置に禁忌である。
本発明の方法ではIV用溶液は、溶液の1mLあたり約1.5から3mg、好ましくは1mLあたり約1.8から2.2mg、およびなおさらに好ましくは1mLあたり約2mgを含む選択された量のラノラジンを有する。Klugeら(前出)とは対照的に、このIV用溶液はプロピレングリコールも、ポリエチレングリコールも全く含有しない。むしろ本発明の組成物はラノラジン、滅菌水、およびデキストロース一水和物または塩化ナトリウムを含む。このように、本発明の組成物はKlugeらに記載されるものよりも粘性が低く、患者のIV用溶液での用量設定をより有効で迅速にすることができる。
本発明のIV用処方物に対して、必要とされ得ず、そして禁忌であり得る賦形剤を注射用処方物は典型的には有するので、本発明のIV用溶液は注射用処方物とは異なる。例えば注射用処方物はグルコン酸のような抗痙攣薬を有し得る。このように、本発明のIV用溶液はかかる抗痙攣薬および特にグルコン酸を含有しない。
本発明のIV用溶液を用いて急性心血管疾患事象を患う患者を安定させる。とりわけ症候性患者は即座にこのラノラジンのIV用溶液を、安定するまでの期間投与される。かかる安定化は典型的には約12から約96時間内に起こる。
好ましい実施態様では、急性心血管疾患事象を患う患者を:
a)該患者へのIV用溶液の投与を開始すること、ここで該IV用溶液は約1.5から3mg/mL、好ましくは約1.8から約2.2mg/mL、およびなおさらに好ましくは約2mg/mLの選択された濃度のラノラジンを含む;
b):i)約1時間にわたって患者に送達されるラノラジン約200mgを提供するのに十分な量のIV用溶液;ii)続いて:時間あたりラノラジン約80mgを提供するのに十分な量のIV用溶液;または該患者が腎不全を患っている場合、時間あたりラノラジン約40mgを提供するのに十分な量のIV用溶液;のいずれか;を含む、IV用ラノラジン溶液の患者へのIV投与の用量設定をすること;ならびに
c)典型的には約12から約96時間以内に生じる患者の安定まで前記のb)の用量設定を維持すること;
により処置する。
1つの実施態様では、ラノラジンの静脈内用処方物の注入は、約2500ng塩基/mL(ここでng塩基/mLは1mLあたりのラノラジン遊離塩基のngを指す)の目標ピークラノラジン血漿濃度を達成するように開始される。
処置に関係すると考えられる有害事象を経験する患者のためのラノラジン注入の下方調節は当業者の知識内であり、そしてIV用溶液中のラノラジンの濃度に基づき、容易に達成される。前記で記載されたものに加えて有害事象には、限定するものではないが、低カリウム血症のようなその他の可逆的因子に起因しない、著しくそして持続的なQTc延長;眩暈;嘔気/嘔吐;複視;知覚異常;錯乱;および起立性低血圧が含まれる。1つの実施態様では、ラノラジンの静脈内用溶液の用量を、限定するものではないが約60mg/時および40mg/時または約30mg/時のような低用量に調整できる。別の実施態様では、ラノラジンの静脈内送達を1−3時間、一時的に中止し、そして次に同一用量、または処置に関係すると考えられる有害事象を経験する患者のために低用量で再開することができる。
好ましい実施態様では、一度安定した患者には次にラノラジンの経口徐放処方物を投与する。具体的には本発明はラノラジンで患者を処置することにより、続発性の急性冠疾患事象を有する冠疾患の高リスクの患者を処置するのに特に有用である。高リスクの冠動脈患者は以前に少なくとも1つの急性冠疾患事象を有したものである。好ましい実施態様では、高リスクの患者は3またはそれより高いTIMIリスクスコアを有する。
1つの実施態様では、ラノラジンの経口用量を、ラノラジンの静脈内注入の終了の約1時間前に投与する。この実施態様の1つの態様では、静脈内から経口用量への移行時に、ラノラジン約80mg/時の静脈内用量に関して、投与される経口用量は1000mg1日1回または1日2回(2×500mg)である。この実施態様の別の態様では、静脈内から経口用量への移行時に、ラノラジン約60mg/時の静脈内用量に関して、投与される経口用量は750mg1日1回または1日2回(2×375mg)である。この実施態様のなお別の態様では、静脈内から経口用量への移行時に、ラノラジン約40mg/時の静脈内用量に関して、投与される経口用量は500mg(1×500mg)である。この実施態様のなお別の態様では、静脈内から経口用量への移行時に、ラノラジン約30mg/時の静脈内用量に関して、投与される経口用量は375mg(1×375mg)である。
処置に関係すると考えられる有害事象を経験する患者のため経口用量の下方調整もまた当業者の知識内である。例えばラノラジンの経口用量を新たに発症した重症の腎不全を有する患者に関して調整することができる。その他の有害事象には、限定するものではないが、低カリウム血症のようなその他の可逆的因子に起因しない、著しくそして持続的なQTc延長;眩暈;嘔気/嘔吐;複視;知覚異常;錯乱;および起立性低血圧が含まれる。1つの実施態様では、ラノラジンの経口用量を、まだこの用量またはそれ以下でなければ、500mg1日1回または2回に下方調整できる。1つの実施態様では、ラノラジンの経口用量を、限定するものではないが、750mg1日1回もしくは2回、500mg1日1回もしくは2回、または375mg1日1回もしくは2回のようなさらなる低用量に調整できる。
2007年2月13日に出願された米国仮特許出願第60/889,734号(その全体の内容は本明細書中に参考として援用される)は、本発明において有用なラノラジン処方物を開示している。
組み合わせ治療
微小血管疾患に関して処置されている患者はしばしばその他の治療薬での処置から利益を享受する疾患または症状を示す。これらの疾患または症状は心血管の性質のものでよいか、または肺障害、代謝障害、胃腸障害等に関係してよい。加えて、ラノラジンの投与により微小血管疾患に関して処置されている患者には、抗生物質、鎮痛薬ならびに/または抗うつ薬および抗不安薬である治療薬での処置から利益を享受し得る症状を呈するものもある。
微小血管疾患に罹患している患者に有益であり得る組み合わせ療法の例としては、抗狭心症薬、心不全治療薬、抗血栓薬、抗不整脈薬、抗高血圧薬、および脂質降下薬を含む、心血管関連疾患または症状の処置のために適切な治療剤が挙げられる。
含まれる。
ラノラジンと心血管関連症状を処置するのに適当な治療薬との同時投与により、患者が現在受けている医療水準の強化が可能になる。
したがって、本発明の1つの態様は、微小血管疾患および少なくとも1つのその他の疾患または症状を患う患者を処置するための方法を提供し、その方法は少なくとも1つの治療薬と組み合わされたラノラジンを患者に投与することを含む。代替の実施態様では、本発明は微小血管疾患および少なくとも2つのその他の疾患または症状を患う患者を処置するための方法を提供し、その方法は少なくとも2つの治療薬と組み合わされたラノラジンを患者に投与することを含む。
組み合わせ治療の方法には、ラノラジンおよび1つまたは複数の治療薬を含有する単一の処方物の同時投与、ラノラジンおよび1つまたは複数の治療薬を含む1を超える処方物の本質的に同時の投与、ならびにラノラジンおよび1つまたは複数の治療薬の、任意の順序の連続した投与を含み、ここでラノラジンおよび1つまたは複数の治療薬がその治療効果を同時に奏する期間があるのが好ましい。好ましくはラノラジンを本明細書に記載される経口用量で投与する。
以下の実施例は本発明を代表するものであるが、その請求の範囲を限定するように意図されるものではない。
実施例1
患者のデモグラフィックスおよび選択
冠微小血管疾患を発現させる危険性のある患者には、高コレステロール、高血圧、高脂質血症、初発糖尿病、メタボリックシンドローム、喫煙する患者、小動脈の動脈の内膜への損傷に至り得る血液中に存在する化学物質を有する患者および、その後に患者が冠血管再開通を経験する血管形成術を行っているこれらの患者が含まれる。
閉塞性冠動脈疾患(CAD)の非存在下で持続性の胸痛(PChP)を提示する患者は特に冠微小血管疾患を患っているかまたは患う危険性のある可能性がある。
前記の基準に基づいて、冠微小血管疾患を発現させる危険性のある患者をさらに分析して、その患者が現在疾患を患っているかどうかを決定することができる。微小血管疾患の存在を当該分野において公知の任意の手段により決定することができる。例えば冠血流を測定する方法および微小血管血流を測定する方法を用いて微小血管疾患の存在を決定することができる。
微小血管血流を測定する方法には、例えばTIMI血流分類、ポジトロン放出型断層撮影法による心筋血流の測定、心血管磁気共鳴映像法(MRI)、および経胸壁心エコー法が含まれる。
冠血流を測定する方法には、冠内温度希釈、冠内ドップラーワイヤー、経胸壁ドップラー心エコー法およびTIMIフレームカウントが含まれる。血流測定を用いて冠血流予備能を決定する。冠血流予備能は、冠血管または心筋の血流を測定し、そして休息時および最大充血の双方で測定することにより決定される。冠血流予備能は充血の間の血流の休息時の血流に対する比率として表現される。微小血管疾患を患うことが疑われる患者における冠血流予備能を、疾患を有さない同一の性別および類似の年齢のその他の患者の冠血流予備能と比較することにより微小血管疾患の存在を評価することができる。
実施例2
徐放性錠剤を調製する方法
本発明で用いられるラノラジンの徐放処方物にはpH依存性結合剤およびpH非依存性結合剤が含まれる。ラノラジン(7500g)、Eudragit(r)L100−55(1000g)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel(r)E5−source)(200g)および微結晶性セルロース(Avicel(r))(1060g)を十分に混合して組み合わせることによりこの処方物を調製した。水(1900から2500g)中水酸化ナトリウム(40g)の溶液で混合された粉末を顆粒化した。顆粒を乾燥させ、そしてふるいにかけ、ステアリン酸マグネシウム(200g)と混合し、そして例えば重量667mgの錠剤に圧縮して、錠剤あたりラノラジン遊離塩基500mgの用量を達成した。錠剤を24インチAccelacota(r)円筒形パンコーティング機(pan coater)中OPADRYフィルムコーティング溶液で2−4%重量増まで噴射コーティングした。OPADRYフィルムコーティング溶液は種々の色でColorcon(West Point、PA)から入手可能である。
この処方物を調製するための段階的な手順は以下のとおりである:
a)適切なブレンダーを用いてラノラジン、微結晶性セルロース、メタクリル酸コポリマー(C型)およびヒドロキシプロピルメチルセルロースを一緒に混和する。
b)精製水中に水酸化ナトリウムを溶解する。
c)適切な顆粒化装置を用いて常に混合しながら水酸化ナトリウム溶液を混和物にゆっくりと添加する。必要により、さらなるアリコートの水を添加する。
d)さらに塊形成するために混合を続ける。必要により、さらなるアリコートの水を添加する。
e)流動床乾燥機中で乾式造粒する。
f)乾燥した顆粒を適切なミルを通してふるいにかける。
g)ふるいにかけた顆粒にステアリン酸マグネシウムを添加し、そして一緒に混和する。
h)必要であれば、顆粒化された材料をチルソネーター(chilsonator)に通す。
i)適切な大きさの工具を用いて顆粒を錠剤に圧縮する。
j)OPADRY粉末を水に分散させ、そして適切な大きさのコーティング装置を用いて典型的なレベルの2−4重量%にフィルムコーティングする。
k)カルナウバロウで典型的なレベルの0.002−0.003重量%を用いて研磨する。
実施例3
ラノラジンIVの調製
ラノラジン注射の20mL1型フリントバイアルを20mL送達用に充填した(ラノラジン濃度1、5または25mg/mL)。
組成:
ラノラジン 1.0、5.0、25.0mg/mL
デキストロース一水和物 55.0、52.0、36.0mg/mL
塩酸 適量pH4.0±0.2まで
水酸化ナトリウム 適量pH4.0±0.2まで
注射用水 適量
容器/密封方式:
バイアル:1型フリント、20cc、20mm仕上げ
栓:ゴム、20mm、West4432/50、グレーブチル、テフロン(登録商標)コーティング
シール:アルミニウム、20mm、フリップトップオーバーシール
製造の方法
以下のような無菌的充填方法によりラノラジンの静脈内用処方物を製造する。適当な容器中、必要量のデキストロース一水和物を最終バッチ重量の約78%の注射用水(WFI)に溶解した。攪拌を続けながら、必要量のラノラジンをデキストロース溶液に添加した。ラノラジンの溶解を促すために、0.1Nまたは1.0N HCl溶液で溶液のpHを目標3.88−3.92に調整した。加えて、溶液を目標pH3.88−3.92にさらに調整するために1N NaOHを利用していてもよい。ラノラジンが溶解した後、バッチをWFIで最終重量に調整した。製造過程の仕様が合致していることを確認したときに、ラノラジン処方物バルク溶液を2つの0.2μm滅菌フィルターを通す滅菌ろ過により滅菌した。続いて、滅菌ラノラジン処方物バルク溶液を滅菌ガラスバイアルに充填し、そして滅菌栓で無菌的に栓をした。次いで栓をされたバイアルを清浄なフリップトップアルミニウムオーバーシールで密封した。次いでバイアルを最終検査に通した。
実施例4
ラノラジンIVの調製
ラノラジン注射の20mL1型フリントバイアルを20mL送達用に充填した(濃度25mg/mL)。
組成:
ラノラジン 25.0mg/mL
デキストロース一水和物 36.0mg/mL
塩酸 pH3.3−4.7に調整
注射用水 適量
容器/密封方式:
バイアル:1型チューブ、未処理、20mL、20mm仕上げ
栓:ゴム、20mm、West4432/50、グレーブチル
シール:アルミニウム、20mm、ブルーフリップオフオーバーシール。
製造の方法
最終バッチ重量の約90%の注射用水(WFI)を適当な容器に入れた。必要量の約90−95%の5N HClを配合容器に添加する。攪拌を続けながら、必要量のラノラジンをゆっくりと添加し、続いてデキストロース一水和物をラノラジン溶液に添加する。ラノラジンを可溶化するために、5N HCl溶液で溶液pHを目標の3.9−4.1に調整する。続いてバッチをWFIで最終重量に調整する。製造過程の仕様が合致していることを確認したときに、ラノラジン処方物バルク溶液を2つの余剰の0.22μm滅菌フィルターを通すろ過により滅菌する。次いで滅菌ラノラジン処方物バルク溶液を20mL滅菌/脱パイロジェン化されたガラスバイアルに充填し、そして無菌的に滅菌/脱パイロジェン化された栓で栓をする。栓をされたバイアルを清浄なフリップトップアルミニウムオーバーシールで密封する。密封されたバイアルを最後に有効な最終滅菌サイクルにより121.1℃で30分間滅菌する。最終滅菌過程の後、バイアルを最終検査に通す。薬剤生成物を光から保護するために、バイアルを個々にダンボール箱に包装する。
実施例5
冠微小血管疾患を患う患者の処置
実施例1の基準および方法を用いて、患者を冠微小血管疾患を患っているかまたは患う危険性があるとして選択する。選択の後、冠微小血管疾患を処置するのに有効な量のラノラジンの経口用量を患者に投与する。実施例1にて論じられるように冠血流または微小血管血流のいずれかを測定し、そして測定値をラノラジンでの処置の前の患者から取られた測定値と比較することにより処置の進行をモニタリングする。
実施例6
糖尿病を有するかまたは糖尿病を有さない患者におけるラノラジンの影響
冠疾患を有する無作為化された患者(発症のときに患者の一部はグリコシル化ヘモグロビンレベル(HbA1C)≧7%であった)におけるラノラジンの長期間投与の影響を評価するために臨床研究を行った。表1で示されるように患者をプラセボまたはラノラジンのいずれかで処置した。この研究の間に長期間ラノラジン投与を経口錠剤で達成し、その各用量はラノラジン約 mgを含有し、それはラノラジンの全量約 に関して1日2回投与された。
ベースラインは入院前の院内来診である。
表1:HbA1C≧7%を有する患者の比率
以下の表2は臨床研究の開始時に7%より大きいHbA1cレベルを有する患者(糖尿病患者)の比率および臨床研究の間の特定の間隔での対応する数を示す。
表2:登録時に糖尿病によりHbA1c≧7%を有する患者の比率
図1−2は、ラノラジンが処置された全患者に及ぼすHbA1c低下効果を有することを示す。データにより、その結果が糖尿病特異的効果ではないかもしれないことが示唆される。それにもかかわらず、患者がそのHbA1cレベルを低下させることを必要とする場合、ラノラジンは有利な結果を提供することができる。
具体的には図1では、ラノラジンまたはプラセボで処置された全患者におけるHbA1cレベルの低減がY軸で提供されるが、一方X軸はラノラジン投与の時間を月数で測定する。
図2では、ラノラジンで処置された糖尿病患者におけるHbA1cレベルの低減の比較を、ラノラジンで処置された非糖尿病患者と比較する。双方の場合で、HbA1Cレベルの量で低減し、それは非特異的事象を実証する(すなわち患者が糖尿病であるのか、またはないのかということとは独立して、ラノラジンはHbA1Cレベルを低減させる)。

Claims (9)

  1. a)冠微小血管疾患を患うかまたは患う危険性のある患者を選択すること;および
    b)該患者に有効量のラノラジンを投与すること;
    を含む冠微小血管疾患を患う患者を処置するための方法。
  2. 前記患者がその他の冠疾患を有さない請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が閉塞性冠動脈疾患の非存在下で持続性の胸部痛を呈する請求項1に記載の方法。
  4. 前記患者が女性である請求項3に記載の方法。
  5. 前記ラノラジンを経口用量として投与する請求項1に記載の方法。
  6. 前記経口用量が徐放性錠剤である請求項5に記載の方法。
  7. 前記徐放性錠剤が少なくとも50重量%のラノラジン、pH依存性結合剤およびpH非依存性結合剤を含む請求項6に記載の方法。
  8. 前記徐放性錠剤が少なくとも50重量%のラノラジン、約5から約12.5重量%のメタクリル酸コポリマー、約1から約3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、水酸化ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムを含む請求項7に記載の方法。
  9. 有効量のラノラジンをシンドロームXの処置を必要とする患者に投与することを含む、シンドロームXを処置する方法。
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