JP2010514870A - ポリオレフィンの仕上げ処理方法 - Google Patents

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Abstract

(1)重合反応器から排出されるポリオレフィンを飽和水蒸気の対向流と接触させて、該ポリオレフィンから気体を除去し且つ該ポリオレフィンの粒子上に凝縮水蒸気を形成し;
(2)乾燥不活性ガスの対向流を用いてポリオレフィン粒子を乾燥し、該乾燥不活性ガスの流れによってポリオレフィン粒子を流動化状態に保持し、該凝縮水蒸気の蒸発によってポリオレフィンを冷却する;
ことを含む、1種類以上のα−オレフィンの重合によって製造されるポリオレフィンの仕上げ処理を行う方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリオレフィン顆粒の仕上げ処理を行って、かかるポリマー中の触媒残渣、未反応のモノマー、及び揮発性成分の含量を減少させる方法に関する。
チーグラー・ナッタタイプ及びより最近ではメタロセンタイプの高い活性及び選択性を有する触媒を使用することは、固体触媒の存在下、液相又は気相中でオレフィンの重合を行う工業スケールのプロセスにおいて広範囲に用いられるようになっている。チーグラー・ナッタ触媒は、四塩化チタンのような遷移金属化合物をベースとする固体触媒成分、及びアルミニウムアルキル化合物のような触媒活性化剤として機能する有機金属化合物を含む。
異なるオレフィンを重合するための幾つかの反応をチーグラー・ナッタ触媒によって触媒して、ホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーを製造することができる。得られるポリマーは、触媒成分の残渣、一定量の未反応のモノマー、及び他の揮発性化合物を含む。
更に、オレフィンの重合を気相中で行う場合には、プロパン、イソブタン、イソペンタン、又は他の飽和脂肪族炭化水素のような不活性ガスを存在させることは、主として反応器の内部で重合反応から生成する熱を放散させることに寄与する機能を有する。これらの低揮発性のアルカンであっても、ポリオレフィン粒子内に吸蔵されてその中に溶解して保持される可能性がある。
安全性、経済性、及び環境の理由のために、生成したポリオレフィンから未反応の(コ)モノマー、有機化合物、及び比較的低揮発性のアルカンを除去する必要性がある。これらの化合物は全て環境に対する負荷を構成し、その幾つかは大気酸素の存在下で爆発性の混合物を形成する傾向がある。また、未転化のモノマーは、重合反応器の外側で制御されない残留重合が長時間起こる危険性も示す。更に、ポリマーから未反応のモノマーを除去することによって、これらを回収して重合反応器に再循環し、これにより原材料の消費を節約することができる。
ポリマーから上記の揮発性化合物を除去することは、また、押出及びペレット化にかける高品質のポリマー顆粒を得るために、且つポリマー中にかかる化合物が存在すると下流のプロセスについてより高い安全策が要求されるので、必要である。幾つかの触媒成分は、空気、水、及び添加剤と激しく反応して危険な化合物を形成し、場合によっては得られるポリマー製品の臭気及び色に影響を与える可能性がある。
不活性ガス、例えば窒素でポリマーを処理して、反応器から排出されるポリマー粒子から未反応のモノマー及び他の揮発性化合物を除去するための幾つかの方法が公知である。
US−4,731,438は、窒素流を用いることによってポリマーを処理する方法に関する。N及び水の混合物を用い、ストリッピング剤は実質的にNであり、一方、水は触媒残渣を失活させる機能を有する。垂直の容器の頂部にポリマーを導入して、容器を通して栓流状態で下降するポリマー床を形成する。水を含む窒素流を垂直の容器の底部に供給する。運転条件及び容器の内部の水分を厳格に制御することにより、ポリマー床の内部に水分前線を形成して保持することができる。この水分前線の下方ではキャリアガス中の水分濃度はその入口の値にほぼ等しく、一方この上方ではキャリアガスは事実上水を含まない。このプロセスの欠点は、窒素による未反応のモノマーのストリッピングの速度が非常に低く、このため、処理のためにはポリマーを容器の内部に長時間滞留させる必要があり、したがって大きな容器を用いなければならないということである。
US−4,314,053及びEP−0341540においても、水蒸気に富むが、実質的に窒素がストリッピング剤となる量のN流でポリマー粒子を処理するプロセスが開示されている。言及されている低いストリッピング速度及びその結果として生じる高い滞留時間に加えて、上記の方法の限界及び欠点は、低分子量のモノマーを窒素から分離することが困難で、そのため重合プラントのモノマー回収区域において複雑で大型で高価な装置が必要であることから導かれる。したがって、未反応のモノマーを回収して重合反応器に再循環することは高価で複雑になる。更に、1−ブテン、1−ヘキセン、エチリデンノルボルネンのような高沸点の未反応コモノマーの場合には、速度は更に遅く、したがって上記記載の問題は激化する。他の欠点は、長い処理時間のために上記の方法を、粘着性、即ち凝集する高い傾向を有していて容器の内部でポリマー塊の形成を引き起こす可能性があるポリマーの仕上げ処理には適用することができないという事実によって与えられる。
EP−0808850及びEP−1348721においては、メタロセン触媒を用いて触媒する重合反応によって得られるオレフィンポリマーにおける臭気の発生を減少させる方法が開示されている。これらの特許の教示によれば、シクロペンタジエニル骨格を有するリガンドが臭気発生源である。かかるリガンドは、ポリオレフィンを水又はアルコールのようなリガンド分解剤と接触させてポリオレフィン中に含まれる残留リガンドを分解する工程、及び次にかかるポリオレフィンを不活性ガス、好ましくは窒素の流れの中で加熱することによって分解されたリガンドを除去する工程を含む方法によって効率的に除去することができる。
US−4,332,933においては、ポリマー粉末を処理してその触媒残渣及び揮発性化合物の含量を減少させる方法が記載されている。この方法は、ポリマー粉末の上方に105〜140℃の温度の過熱水蒸気流を流し、ポリマーをかかる温度に保持して、これにより水蒸気の凝縮を防ぐことを含む。過熱水蒸気流は、流動状態のポリマー粒子を含む容器の底部に連続的に導入する。ポリマーの温度を105〜140℃の温度に上昇させるのに必要な熱を、流動化ポリマー床内に浸漬されている好適な熱交換器によってシステムに供給する。更に、水蒸気の凝縮を防ぐために、容器の壁を外部ジャケットによって加熱する。水蒸気の凝縮を避けるために必要な高い温度、更にポリマー床の内部に突き出している熱交換器の存在のために、この処理は、内部の熱交換器及び反応器壁に容易に接着する粘着性のポリマーの仕上げ処理に適用するのには全く好適ではない。
US−4,731,438 US−4,314,053 EP−0341540 EP−0808850 EP−1348721 US−4,332,933
ポリオレフィン顆粒の仕上げ処理において窒素及び/又は過熱水蒸気を用いることに関係する上記の欠点を克服することが望ましいであろう。
ここで本出願人は、飽和水蒸気流を用いると、粘着性のポリマーを処理する場合においても、ポリオレフィン顆粒中の触媒残渣及び未反応モノマーの含量が、高い効率、低い滞留時間、及び低いポリマー凝集の危険性で減少することを見出した。
したがって、本発明の第1の対象は、
(1)重合反応器から排出されるポリオレフィンを飽和水蒸気の対向流と接触させて、該ポリオレフィンから気体を除去し且つ該ポリオレフィンの粒子上に凝縮水蒸気を形成し;
(2)乾燥不活性ガスの対向流を用いてポリオレフィン粒子を乾燥し、該乾燥不活性ガスの流れによってポリオレフィン粒子を流動化状態に保持し、該凝縮水蒸気の蒸発によってポリオレフィンを冷却する;
ことを含む、1種類以上のα−オレフィンの重合によって製造されるポリオレフィンの仕上げ処理を行う方法である。
本発明の目的は、効率的に、触媒成分を失活させ、且つ、重合反応器から排出されるポリオレフィン粉末から未反応のモノマー及び重質炭化水素を除去することである。また、本発明方法は、粘着性のポリマーの仕上げ処理をうまく行う方法も示す。
「粘着性のポリマー」とは、粘着温度よりも低い温度においては粒子状であるが、粘着温度よりも高い温度では凝集するポリマーとして定義される。一般に流動床又は充填床内のポリマー粒子に関する「粘着温度」は、ポリマー床内の粒子の凝集によってポリマーの流動化又は流動性が停止するか或いは大きく減少する温度として定義される。
第1工程(1)において飽和水蒸気を用いることは、ポリマーから未反応のモノマーを除去し、且つ触媒残渣を失活させるという二重の効果を有する。更に、窒素とは異なり、飽和水蒸気によって、残留未転化モノマーの高い除去速度、及びしたがって本発明の工程(1)におけるポリマーの低い滞留時間が確保される。
工程(1)中において、飽和水蒸気は、ポリマー粒子と接触することによって部分的に凝縮し、これによってその上に水の層を形成する。かかる水の層は、ポリマー粒子の凝集を抑止し、このため特に粘着性のポリマーを本発明方法によって効率的に仕上げ処理することができるので、極めて大きな重要性を示す。この結果、かかる水の層が存在することにより、ポリマーを軟化及び凝集させることなく、粘着性のポリマーを比較的高い温度においても処理することができる。
水蒸気が部分的に凝縮するために、ポリオレフィンが凝縮潜熱の放出による加熱にかけられ、これによりその温度が工程(1)中に上昇する。他方、乾燥工程(2)中においては、ポリマー顆粒を被包する上記の水の層が不活性ガス流と接触することによって蒸発してポリマーから熱を吸収し、これによってポリマーの温度が工程(2)中に低下する。
上記を考慮すると、本発明の工程(1)及び(2)において定められる運転条件は、乾燥工程からの出口において、水蒸気処理工程の入口におけるポリマー温度と近接するポリマー温度を有するようなものである。これは、重合反応器からポリマーが排出される温度からさほど離れていない温度で、ポリマーが仕上げ処理区域から排出されることを意味する。
本発明の好ましい態様によれば、水蒸気処理工程(1)の入口において、ポリオレフィンの温度は重合反応器内の運転温度、即ち60〜95℃の範囲と実質的に同等である。工程(1)の出口及び乾燥工程(2)の入口においては、ポリオレフィンの温度は90〜110℃の値に上昇する。最後に、乾燥工程の出口においては、ポリオレフィンの温度は75〜95℃の範囲である。
工程(1)において、ポリオレフィンを、ストリッピング剤としての飽和水蒸気と対向流で接触させる。ポリオレフィン顆粒を水蒸気処理装置の上部に導入し、重力によって下降させて、水蒸気処理装置の底部に導入される飽和水蒸気流と対向流で接触させる。
工程(1)においては、ポリオレフィン1000kgあたり30〜150kgの範囲の量の飽和水蒸気を用いる。かかる飽和水蒸気の量の好ましい範囲は、ポリオレフィン1000kgあたり50〜100kgである。この比較的高い量により、水蒸気は、触媒成分、特に触媒系の有機アルミニウム化合物を失活させる機能だけでなく、ポリオレフィン顆粒から未反応のモノマー、低級C〜Cアルカン、及び重質炭化水素を除去する機能も有することが分かる。
もちろん、工程(1)に供給する飽和水蒸気の流量は、ポリマー粒子上へ凝縮する水蒸気の量よりも多くて、非凝縮の水蒸気によってポリマーからの未転化のモノマーの好適なストリッピングを確保することができなければならない。一般に、工程(1)に供給する飽和水蒸気の全量は、ポリオレフィン粒子上へ凝縮する水蒸気の量の少なくとも50重量%過剰である。好ましくは、工程(1)中への飽和水蒸気の全供給量は、ポリオレフィン上に凝縮する水蒸気の量の70〜100重量%過剰である。
工程(1)の水蒸気処理装置内に供給する水蒸気は、通常、それを飽和状態に維持するような温度(120〜140℃)の低圧(3〜5bar)の水蒸気である。
工程(1)の水蒸気処理装置の内部の温度は、95〜120℃、好ましくは100〜110℃の値に調節することができる。水蒸気処理装置の内部の絶対圧は、1〜4bar、好ましくは1.1〜1.5bar絶対圧の範囲であってよい。
工程(1)において保持する運転温度においては、ストリッピング反応の速度は大きく増加する。従来技術の方法によって求められる時間と比較して極めて短い時間で、未反応のモノマーは飽和水蒸気によってストリッピングされ、触媒残渣は水蒸気によって失活される。ポリマーを通る水蒸気の大きな拡散性及び栓流状態により、10分〜45分、好ましくは15分〜35分の範囲の工程(1)におけるポリマーの滞留時間で、処理が有効になる。したがって、小さな寸法の容器を用いることができる。
更なる態様においては、工程(1)の飽和水蒸気流は、かかる不活性ガスの量が20重量%より低くて飽和水蒸気が主たるストリッピング剤であるならば、窒素のような不活性ガス含んでいてもよい。
本発明の好ましい態様によれば、水蒸気処理工程及び乾燥工程は、一連の2つの別々の容器内で連続的に行う。この場合においては、第1の容器及び第2の容器の両方における、温度、圧力、気体流速、ポリマー流速、滞留時間のような運転パラメーターを独立して別々に調節して、一連の水蒸気処理容器及び乾燥容器において2つの異なる工程(1)及び(2)の速度を上昇させるための条件を定めることができる。したがって、仕上げ処理方法の全効率が大きく向上し、仕上げ処理装置の全寸法を大きく減少させることができる。
好ましくは、飽和水蒸気流に衝突するポリオレフィンは、「栓流」状態で容器を通して下降する。ポリマー表面上に凝縮水蒸気の層が存在すること及びその潤滑効果のために、第1の容器内にポリマー塊を形成することなく、ポリマーの「栓流」状態を用いることができる。栓流で移動する充填ポリマーを用いることにより、工程(1)の水蒸気処理容器の寸法を更に減少させることができる。
除去された気体状有機化合物に富む水蒸気が、工程(1)から排出される。本発明の仕上げ処理方法の他の有利性は、水蒸気処理工程(1)の下流から未反応のモノマーを回収することが技術的に簡単で、高価な分離工程を必要としないという点にある。
乾燥工程(2)に関しては、運転条件は、乾燥不活性ガスの上向流を用いてポリマー顆粒を流動化状態に保持するようなものである。ポリマー顆粒から水を除去するためには、加熱乾燥窒素が好ましく用いられる。
乾燥窒素を、約85℃〜115℃の範囲の温度で工程(2)に連続的に供給し、かかる温度は、処理する特定のポリマーを考慮し、ポリマーの軟化及びその結果生じる乾燥器内の閉塞を回避するように選択される。
ポリマーは、乾燥工程(2)において、約2〜約15分、好ましくは4〜10分の範囲の低い滞留時間を有する。ポリマーが流動化状態であるために、チャネリングを回避し、低い滞留時間でポリマーから水を完全に除去することを確保することができる。
工程(2)を行う乾燥器の底部に加熱した純粋窒素を供給し、乾燥器の上部から水蒸気に富む窒素流を排出する。不純窒素からの水蒸気の分離は、技術的に簡単であり、高価な分離工程を必要としない。かかる不純窒素は、圧縮及び引き続いて冷却にかけて水蒸気を凝縮し、液体分離器内で凝縮物を分離除去した後、精製窒素を熱交換器内で好適な温度に加熱し、乾燥器の底部に再導入し、これによって加熱窒素の閉止ループを形成する。
工程(2)から排出される乾燥したポリオレフィンは、未反応のモノマー、揮発性化合物、及び触媒残渣を実質的に含まず、非常に高い品質を有し、その後の処理操作において処理することができる。ポリオレフィンから放出される気相は、主として、ポリマー粒子間の空間中に存在する未反応のオレフィン、及びポリオレフィンの孔内に溶解して存在する未反応のオレフィンの両方を含む。本発明方法によって、ポリオレフィンの内部の気体状炭化水素の含量を20重量ppm未満の値に減少させることができる。
非限定的な実施例によって本発明の一態様を示す添付の図面を参照すれば、本発明はより良好に理解されかつ実施されるであろう。
図1は、本発明の水蒸気処理工程及び乾燥工程にしたがってポリオレフィンを仕上げ処理するプロセスの概要部分図である。 図2は、本発明の工程(1)を実施するための水蒸気処理装置の概要図である。 図3は、図2の水蒸気処理装置内に飽和水蒸気を供給するための分配環の拡大図である。 図4は、本発明の工程(2)を行う好ましい乾燥器の概要正面図である。 図5は、図4の好ましい乾燥器の透視図である。
例示の目的で、図1に、チーグラー・ナッタ触媒系を用いてプロピレンのホモポリマー又はコポリマーのようなポリオレフィンを製造するためのプラントを示す。
かかるプラントにおいて、重合反応は、単一か又は複数の工程か、或いは例えばEP−0517183に記載されているような公知の方法の1つで行うことができる。
図1を参照すると、ポリマーを製造するためのプラントの仕上げ処理区域において用いる仕上げ処理装置100が示されており、仕上げ処理装置は、フラッシュ室1、ポリマーを飽和水蒸気で処理する第1の容器4、ポリマーを乾燥窒素で乾燥する第2の容器8を含む。
気相中、又はその代わりに液相中で行う重合プロセスから、ポリマー顆粒を含む生成物Bが排出される。
生成物Bは、ポリマー顆粒を、本発明の仕上げ処理プロセスを用いてポリマーから除去しなければならない未反応のモノマー及び触媒残渣と一緒に含む。ポリマー顆粒は、好ましくは、約0.3〜4mmの寸法で、大きな粗度を有し、したがって大きな比表面積を有する球状形状を有する。
フラッシュ室1内で結晶性ポリマーを処理する場合には約100〜110℃の温度に到達させてよく、他方、非常に粘着性のポリマーを処理する場合には温度を約60〜90℃に保持することができる。いずれの場合においても、フラッシュ室1内の温度は、ポリマー粉末の軟化を防ぐような値に保持する。上記記載の運転条件のために、主として未反応のモノマーである生成物B内に存在する気相の一部が固体のポリマーから揮発する。
生成物Bから分離された気体は、フラッシュ室1から、気体ライン2を通って室1の上部区域から排出され、これを圧縮した後に再循環ラインRによって重合反応器に再循環し、一方、ポリマーPは供給ライン3を通してフラッシュ室1の底部から排出され、これを水蒸気処理装置4の頂部に供給して、本発明の水蒸気処理工程(1)を行う。水蒸気処理装置4の底部には、水蒸気ライン5を通して飽和水蒸気Vを供給する。
ポリマーPから放出される揮発性の気体化合物Gは、ライン6を通して水蒸気処理装置4のヘッドから引き抜かれる。水蒸気処理装置4の底部から精製されたポリマーP’が排出される。
気体化合物Gは、水蒸気、未反応のモノマー、及び触媒系に由来する高沸点触媒成分を含む。水蒸気から気体成分を分離することは、簡単で効率的であり、公知の方法にしたがって実施することができ、大型であるか又は複雑な装置を必要としない。かかる分離により、一面では未反応のモノマーを回収して重合反応器へ再循環することができ、他方では水が得られる。
流れGは、まず、気体流Gに連行されている微細ポリマー粒子をそれから分離するためのサイクロン分離器101に供給される。かかる微粒子は水蒸気処理装置4中に再導入され、一方気体化合物は凝縮器102に供給されて、ここで気体化合物は冷却されて水蒸気及びより重質の炭化水素の凝縮が行われ、気体フラクションG’及び凝縮フラクションCが得られる。
気体フラクションG’は、圧縮器103、次に乾燥器104に供給され、その後、フラッシュ室1からの気体ライン2と混合されて、これにより再循環ラインRを通して重合反応器に再循環される。
凝縮フラクションCは、重力分離器105に供給されて、ここで高分子量の炭化水素106が水相W1から分離される。水相W1は、残留炭化水素の存在を除去した後に水貯留槽内に排出することができる。
水蒸気処理装置4の底部から排出されるポリマーP’は、ライン7を通して乾燥器8のヘッド部分8aに供給され、一方、不活性ガス、好ましくは加熱窒素の流れをラインN1及びN2を通して乾燥器8の底部に供給する。不活性ガスによって、従前に水蒸気処理装置4内でポリマー顆粒上に凝縮した水蒸気をポリマー粒子から除去することができる。乾燥されたポリマーP’’がライン10を通して乾燥器8の底部から排出される。乾燥器8の上部区域からは気体流9’が得られ、かかる気体流は主として窒素を水蒸気と一緒に含む。
次に、気体流9’を更なるサイクロン分離器107に供給して、ここで微粒子を気体から分離し、かかる微粒子を乾燥器8の頂部に再循環し、一方、気相109を更なる凝縮器108に供給して、ここで水蒸気を凝縮し、水W2として窒素から分離する。得られた水W2の流れは水貯留槽内に排出することができ、一方、窒素をラインG’’を通して圧縮器110に送り、熱交換器111を用いて加熱し、次にラインN1及びN2を通して乾燥器8の底部に再循環する。
乾燥器8から排出されるポリマーP’’は、水、揮発性化合物、及び触媒残渣を含まず、高い純度を有しており、その後の処理操作において処理することができる。ポリマーP’’は、仕上げ処理プロセスに供給される生成物Bとほぼ同等の温度であり、他の処理にかけることなく下流のプロセスにおいて用いることができる。
図2を参照すると、ヘッド部分41b、並びに、飽和水蒸気の第1の流れV1のための第1の入口411及び飽和水蒸気の第2の流れV2のための第2の入口413を含む底部を備えた実質的に垂直の円筒形タンク41を含む水蒸気処理装置4が示されている。
水蒸気処理装置4のヘッド部分41bにおいて、ポリマーPを供給ライン3を通して供給し、ポリマー顆粒Pが円筒形のタンク41内を実質的に栓流状態で下向きに流れる。
水蒸気処理装置4には、円筒形のタンク41の側面をほぼ完全に覆うような形状の外部ジャケット42が備えられており、これは外部ジャケット42の内部を流れる水蒸気を加熱する。また、水蒸気処理装置4内にポリマーPを撹拌するための撹拌装置50が備えられている。水蒸気処理装置4の寸法は、高さHと直径Dとの間の比がおよそH/D=3、好ましくはH/D>3となるように選択する。
撹拌装置50は、1〜20rpmの間の角速度ωで回転するメカニカルスターラーであってよく、好適にはシャフト52に沿って互いに離隔している複数のブレード51を支持するシャフト52を含む。撹拌装置50は、ポリマーPを撹拌して、水蒸気処理装置4中に下向きに流す。複数のブレード51は、好ましくは、全てのブレードがポリマー床中に浸漬されるようにシャフト52に沿って配置される。撹拌装置50は、ポリマーを円筒形のタンク41中に撹拌して、ポリマーPの弱い局所剪断を引き起こし、不均一なストリッピング反応を導く飽和水蒸気のチャネリング及びショートカットを防ぐ。
シャフト52に沿って配置され、図3により良好に示されている水蒸気分配環60によって、更なる飽和水蒸気を水蒸気処理装置4中に供給する。図3に示すように、水蒸気ライン62から導かれる更なる飽和水蒸気は、水蒸気分配環60の入口部分61に供給されて、水蒸気分配環60の内部に備えられた環状の導管63を通して、矢印F1によって示される方向に向かって流される。かかる飽和水蒸気は、水蒸気導管63の下表面上に備えられた孔から排出する。分配環60によるかかる水蒸気の更なる供給は、ポリマーPを水蒸気処理装置4内で所望の値の温度及び圧力に保持することを助ける。
飽和水蒸気は、ポリマーPに対向流で接触し、未反応のモノマーを除去し、且つ触媒残渣を失活させる。水蒸気の第1の流れV1は第1の分配グリッド70を通して水蒸気処理装置4の底部に分配され、一方水蒸気の第2の流れV2は第2の分配グリッド71を通して水蒸気処理装置4の底部に分配される。第1及び第2の分配グリッド70及び71は両方とも、水蒸気の第1の流れV1及び第2の流れV2をそれぞれ円筒形のタンク41の周縁部からその中央部分に向けるように配置されている分配孔を備えている。
第1の分配グリッド70及び第2の分配グリッド71は、水平方向「x」に対してそれぞれ角度α及びα1で傾斜していて、これにより、ポリマーを重力によって下降させて、グリッドの孔内が閉塞するのを防ぐことができる。角度α及びα1の値は、水蒸気処理装置4内の閉塞及び/又はフラッディングを防ぐ必要性、並びに水蒸気処理装置の全寸法を制限する必要性を考慮して選択される。一般に、角度α及びα1は、水平方向「x」に対して規定する処理されたポリマーの安息角θよりも大きい。
飽和水蒸気は、水蒸気処理装置4中に均一に拡散し、水蒸気処理装置4を通して下降するポリマー粒子と対向流で接触する。非常に短い時間で一定量の飽和水蒸気がポリマー粒子の表面上に凝縮する。したがって、ポリマー上に水の層が形成される。ポリマー顆粒上にかかる水の層が存在することは、撹拌装置50によって引き起こされる弱い局所剪断と組み合わさって、ポリマーの凝集、及びその結果生じる水蒸気処理装置4内の閉塞を防ぐことを可能にする。
図4は、図1に示す乾燥器8の好ましい非限定的な態様を示す。乾燥器8は、ヘッド部分8a、実質的に円筒形の形状を有する中央部83、ヘッド部分8aと中央部83の間に配置されている速度減少区域84、並びに中央部83の直径D4よりも小さい直径D5を有する内部の垂直管85を備えている。
水蒸気処理装置4から導かれるポリマー粒子P’は、乾燥器8の速度減少区域84の内部に突き出している長い供給導管87によって乾燥器8に供給する。供給導管87は、最終的に乾燥器8の出口9’を通って排出される気体流に連行されるポリマー粒子の量を最小にするために特に長くされている。ポリマー粒子は、乾燥器8の底部に供給される加熱窒素の上向流によって、乾燥器8の内部に流動化状態で保持される。速度減少区域84は、中央部83からヘッド部分8aに拡がるような形状である。これにより、区域84内の流動化ガスの速度を減少させて、それにより出口9’を通して排出される気体によって連行される可能性のある微粒子のフラクションを最小にすることができる。
加熱窒素の第1の流れNを、乾燥ガスとして、中央部83の底部に配置されている入口88において乾燥器8に供給し、環状形状を有する第1の分配グリッド89を通して乾燥器8内に分配する。加熱窒素の第2の流れNを、垂直管85の底部に配置されている入口98に供給して、分配グリッド91を通して垂直管85内に分配する。かかるグリッド91は、水平方向xに対して、処理されたポリマーの安息角よりも大きい角度αで傾斜していて、これにより、ポリマーを重力によって下降させて、乾燥器8の底部内に閉塞が起こるのを防ぐことができる。第1の分配グリッド89及び第2の分配グリッド91はいずれも、窒素の第1の流れN1及び第2の流れN2をそれぞれ乾燥器8内に分配するための複数の分配孔を有している。
図5においてより良好に示されるように、内部の垂直管85は、実質的に円筒形の形状を有していて、中央部83と同心状である。垂直管85は、中央部83内に上向きに伸長して、垂直管85と中央部83との間に含まれる領域が環状の室831を画定するように配置される。垂直管85は、第1の分配グリッド89の直上に配置されている開口853を有しており、かかる開口853は、緊急停止の場合に環状の室831を空にする機能を有する。
中央部83の内部に垂直管85を挿入することにより、乾燥器8内に2つの別個の乾燥室:環状の形状の第1の乾燥室831、及び垂直管85の内部に配置されている円筒形の形状の第2の乾燥室が形成される。乾燥するポリマー粒子は、環状室831内に流動化状態で保持され、引き続いてランダムに、ポリマー顆粒は垂直管85内を落下して、垂直管85の上部に形成されているノッチ86を通過する。ポリマー粒子は、ノッチ86を通過した後、垂直管85に導入されてこれ以上流動化状態にはならず、垂直管85に沿って栓流状態で下向きに流れる。
合成中は、第1の分配グリッド89を通って供給される加熱窒素の上向流によって、ポリマーP’を環状室831内で流動化状態に連続的に保持する。グリッド89内の分配孔の特定の配置により、窒素は図5において矢印F6によって示されるように円周方向に上向きに流れて、環状室831の内部に巻回状の動きを与える。その結果、ポリマー顆粒も、窒素の上向流によって引き起こされる巻回状の動きで環状室831内を上向きに流動する。
ノッチ86を通過したら、ポリマー顆粒は、垂直管85に沿って栓流状態で下降して、入口98を通して供給され、第2の分配グリッド91を通して分配される加熱窒素の第2の流れNと対向流で接触する。
水を実質的に含まないポリマーP’’が乾燥器8の底部から排出される。飽和水蒸気の凝縮によって水蒸気処理装置4内でポリマー上に形成された水は、乾燥器8の乾燥室内で完全に蒸発し、窒素と一緒に上向きに流れて、図4に示される気体出口9に達する。乾燥工程中においては、ポリマーP’は、ポリマー粒子を被包する水の蒸発によって冷却される。
乾燥器8の底部から排出されるポリマー顆粒は、水、未反応のモノマー、他の揮発性化合物、及び触媒残渣を含まない。この高い純度により、ポリマーは、押出及びペレット化のような下流のプロセス工程において処理するのに好適になる。
以下の実施例により、その範囲を限定することなく本発明を更に示す。
特性解析:
製造されたポリオレフィン中に溶解している気体状炭化水素の含量の測定:「静的ヘッドスペース」抽出法にしたがって行った。
この方法は、3gのポリオレフィンの試料を、キャップされたフラスコ内において90℃の温度で120分間加熱することから構成されていた。次に、ポリマーの試料から放出される気体混合物をガスクロマトグラフィー装置中に注入して異なる有機化合物を検出した。検出された炭化水素の測定値は、(コ)ポリマー1gあたりのμg、即ち重量ppmで表す。
実施例1:
重合条件:
ループ反応器内での液体モノマーのスラリー重合を用いてポリプロピレンを製造した。
重合触媒として、
−ジエチル−2,3−ジイソプロピルスクシネートを内部ドナー化合物として用いるWO−00/63261の実施例10に記載されている手順を用いて製造したチタン固体触媒成分;
−共触媒としてトリエチルアルミニウム(TEAL);
−外部ドナーとしてジシクロペンチルジメトキシシラン;
を含むチーグラー・ナッタ触媒を用いた。
ループ反応器内において、分子量調整剤としてHを用いてプロピレンを重合した。この反応器にはコモノマーは供給しなかった。補給プロピレン及び水素をループ反応器に連続的に供給した。プロピレンの重合を、70℃の温度及び34bar絶対圧の圧力において行った。
ループ反応器から連続的に排出されるポリプロピレンのスラリーをジャケット付きの管の内部に強制的に流し、そこで加熱して85℃の温度に到達させて、これにより液相を蒸発させた。引き続いて、得られたポリプロピレン及び蒸発したモノマーの流れをフラッシュタンク(図1における参照番号1)内に導入し、そこで蒸発したモノマーをポリマー粒子から分離した。
水蒸気処理工程(a):
30000kg/時のポリプロピレンをフラッシュタンク1の底部から連続的に排出し、蒸気処理装置(図1における参照番号4)の頂部に移送して、本発明の蒸気処理工程を行った。
500gのポリプロピレン粉末を蒸気処理装置の上流で採取し、分配して3gの代表的な試料を取り出し、これを「静的ヘッドスペース」抽出にかけて、ポリマー粒子中に溶解している気体状炭化水素の量を定量した。2500重量ppmに等しい気体状成分の量が測定された。
蒸気処理装置4の入口におけるポリマー粒子の温度は約70℃であった。飽和水蒸気を、主として水蒸気処理装置4の底部に1800kg/時(処理するポリオレフィン1000kgあたり60kgの水蒸気に相当する)に等しい全流速で供給した。この飽和水蒸気の全量を、本明細書の図2に示す供給ライン411、413、及び62によって水蒸気処理装置4に供給した。
ポリマー粒子は重力によって水蒸気処理装置に沿って落下し、これにより飽和水蒸気の上向流と対向流で接触した。運転条件は、水蒸気処理装置内において105℃の温度及び1.2bar絶対圧の圧力が保持されるようなものであった。水蒸気処理装置内でのポリマーの平均滞留時間は20分であった。
上記に示す運転条件下において、約1000kg/時の水蒸気が凝縮し、これはポリオレフィン粒子の周囲に水層を形成する高い可能性を有していた。飽和水蒸気の残りの量は、ストリッピング剤として機能し、水蒸気処理装置4の頂部から排出した。
主としてプロピレン及びプロパンである気体状炭化水素に富む水蒸気が、水蒸気処理装置の頂部から排出され、図1に示すように、かかる気体混合物をサイクロン分離器101及び凝縮器102に送って未反応のプロピレンから水を分離して、ループ重合反応器に再循環することができる。
水蒸気処理装置の底部から排出されるポリプロピレン粒子を、本発明の乾燥工程に送った。
乾燥工程(b):
ポリプロピレン粒子を、105℃の温度で乾燥器8の上部に導入した。乾燥器の内部において、乾燥窒素の上向流によってポリマー粒子を流動化状態に保持した。110℃の温度の約15000m/時の窒素を、乾燥器8の底部に配置されている流動化グリッドに供給した。本発明の工程(b)中において、乾燥窒素との接触によって、ポリオレフィンの周囲の水が蒸発し、またポリマーの冷却が起こった。実際、乾燥器の出口におけるポリオレフィンの温度は78℃の値に低下した。
乾燥器内でのポリマーの滞留時間は12分であった。乾燥器8の頂部から水蒸気に富む窒素流が得られ、これを凝縮にかけて窒素から水蒸気を分離した。次に、分離された窒素を圧縮し、熱交換器内で加熱し、再び乾燥器8の底部に再導入し、これにより加熱窒素の閉止ループを形成した。
乾燥器の下流において500gの乾燥したポリオレフィンを採取し、これを分配して3gの代表的な試料を取り出し、これを「静的ヘッドスペース」抽出にかけた。表1に、ポリマー粒子中に溶解している炭化水素の残留量を、ポリマー1gあたりの重量ppmで示す。表1に示されるように、かかる残留量は12重量ppmに等しかった。
実施例2:
重合条件:
ループ反応器内での液体モノマーのスラリー重合を用いてプロピレン/エチレン/1−ブテンコポリマーを製造した。実施例1と同じチーグラー・ナッタ触媒を用いた。プロピレンが主モノマーであり、2.5重量%のエチレン及び4.8重量%の1−ブテンを含む最終的なプロピレンコポリマーが得られるように、エチレン及び1−ブテンをループ反応器に供給した。当業者に公知なように、このポリオレフィンコポリマーは、粘着性のポリマーで、ポリマーを所定の値より高い温度で流すと容易に粒子の凝集が起こると考えられる。
ループ反応器内でのスラリー重合を、62℃の温度及び34bar絶対圧の圧力で行った。
ループ反応器から連続的に排出されるコポリマーのスラリーをジャケット付きの管の内部に強制的に流して、ここで加熱して78℃の温度に到達させて、これにより液相を蒸発させた。引き続いて、得られたポリプロピレン及び蒸発したモノマーの流れをフラッシュタンク内に導入し、ここで蒸発したモノマーをポリマー粒子から分離した。
水蒸気処理工程(a):
フラッシュタンクの底部から20000kg/時のコポリマーを連続的に排出し、これを水蒸気処理装置4の頂部に送った。
水蒸気処理装置の上流において500gのポリプロピレン粉末を採取し、分配して3gの代表的な試料を取り出し、これを「静的ヘッドスペース」抽出にかけて、ポリマー粒子中に溶解している気体状炭化水素の量を定量した。2130重量ppmに等しい気体状成分の量が測定された。
水蒸気処理装置に導入されるポリオレフィンの温度は約65℃であった。水蒸気処理装置4に供給される飽和水蒸気の全流速は1800kg/時に等しく、これは処理するポリオレフィン1000kgあたり90kgの水蒸気に相当した。本明細書の図2に示す供給ライン411、413、及び62によって飽和水蒸気を水蒸気処理装置4に供給した。
ポリマー粒子が重力によって水蒸気処理装置に沿って落下し、これにより飽和水蒸気流と対向流で接触した。運転条件は、水蒸気処理装置内において105℃の温度及び1.2bar絶対圧の圧力が保持されるようなものであった。水蒸気処理装置内でのポリマーの平均滞留時間は30分であった。
上記に示す運転条件下において、約860kg/時の水蒸気が凝縮し、これはポリオレフィン粒子の周囲に水層を形成する高い可能性を有していた。飽和水蒸気の残りの量は、ストリッピング剤として機能し、水蒸気処理装置4の頂部から排出した。
主としてエチレン、プロピレン、1−ブテン、及びプロパンである気体状炭化水素に富む水蒸気が、水蒸気処理装置の頂部から排出され、図1に示すように、かかる気体混合物はサイクロン分離器101及び凝縮器102に送って未反応の(コ)モノマーから水を分離して、ループ重合反応器に再循環することができる。水蒸気処理装置の底部から排出されるポリオレフィン粒子は、本発明の乾燥工程に送った。
乾燥工程(b):
ポリオレフィンを、105℃の温度で乾燥器8の上部に導入した。乾燥器の内部において、窒素の上向流によってポリマー粒子を流動化状態に保持した。110℃の温度の約13000m/時の窒素を、乾燥器8の底部に配置されている流動化グリッドに供給した。本発明の工程(b)中において、加熱窒素との接触によって粒子の周囲の水層が蒸発し、これによってポリマーが冷却された。乾燥器の出口におけるポリオレフィンの温度は約72℃に低下した。
乾燥器内でのポリマーの滞留時間は17分であった。乾燥器8の頂部から水蒸気に富む窒素流が得られ、これを凝縮にかけて窒素から水蒸気を分離した。
乾燥器の下流において500gの乾燥したポリオレフィンを採取し、これを分配して3gの代表的な試料を取り出し、これを「静的ヘッドスペース」抽出にかけた。表1に、ポリマー粒子中に溶解している炭化水素の残留量を、ポリマー1gあたりの重量ppmで示す。表1に示されるように、かかる残留量は8重量ppmに等しかった。
したがって、粘着性のポリオレフィンの場合には、本発明の仕上げ処理方法によって、水蒸気処理工程中にポリマーの流動性の問題を起こすことなく、ポリオレフィン中の炭化水素の残留濃度を高効率で減少させることができる。
実施例3(比較例):
実施例2に記載した重合プロセスによって得られたものと同じプロピレン/エチレン/1−ブテンコポリマーを水蒸気処理工程にかけた。相違点は、過熱水蒸気を水蒸気処理装置に沿って上向流で流した点であった。
水蒸気処理工程(a):
20000kg/時の実施例2と同じコポリマーを約65℃の温度で水蒸気処理装置の頂部に連続的に導入した。
過熱状態の1800kg/時の水蒸気を水蒸気処理装置4に供給し、これは処理するポリオレフィン1000kgあたり90kgの水蒸気に相当した。図2に示す供給ライン411、413、及び62によってこの過熱水蒸気の全量を供給した。
ポリマー粒子が重力によって水蒸気処理装置に沿って落下し、これにより過熱水蒸気と対向流で接触した。運転条件は、水蒸気処理装置内において120℃の温度及び1.2bar絶対圧の圧力が保持されるようなものであった。水蒸気処理装置内でのポリマーの平均滞留時間は30分であった。上記の運転条件下においては、水蒸気処理装置の底部において凝縮する水蒸気の量は無視できるものであった。
水蒸気処理装置からの排出時において、ポリオレフィン粒子の凝集による多数のポリマー塊の存在が観察された。したがって、ポリマー塊によって排出ラインが閉塞する高い危険性がある。
乾燥工程(b):
ポリオレフィンを、120℃の温度で乾燥器8の上部に導入した。乾燥器の内部において、乾燥窒素の上向流によってポリマー粒子を流動化状態に保持した。110℃の温度の約13000m/時の乾燥窒素を、乾燥器8の底部に配置されている流動化グリッドに供給した。ポリマー塊の存在によって流動化状態は不安定で調整するのが困難であった。
乾燥器内でのポリマーの平均滞留時間は17分であった。乾燥器の下流において500gの乾燥したポリオレフィンを採取し、これを分配して3gの代表的な試料を取り出し、これを「静的ヘッドスペース」抽出にかけた。表1に示されるように、ポリオレフィン粒子中に溶解している炭化水素の残留量は600重量ppmに等しかった。
粘着性のポリオレフィンの場合には、水蒸気処理装置において過熱水蒸気を用いることによって、水蒸気処理操作中にポリマーの流動性の問題が起こり、許容できないポリマー塊の形成が起こった。更に、ポリオレフィン中の炭化水素の除去効率は極めて低かった。
Figure 2010514870
1 フラッシュ室
4 水蒸気処理装置
8 乾燥器
105 重力分離器

Claims (14)

  1. (1)重合反応器から排出されるポリオレフィンを飽和水蒸気の対向流と接触させて、該ポリオレフィンから気体を除去し且つ該ポリオレフィンの粒子上に凝縮水蒸気を形成し;
    (2)乾燥不活性ガスの対向流を用いてポリオレフィン粒子を乾燥し、該乾燥不活性ガスの流れによってポリオレフィン粒子を流動化状態に保持し、該凝縮水蒸気の蒸発によってポリオレフィンを冷却する;
    ことを含む、1種類以上のα−オレフィンの重合によって製造されるポリオレフィンの仕上げ処理を行う方法。
  2. 工程(1)中において該ポリオレフィンを加熱にかける、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(1)の入口においてポリオレフィンの温度が60〜95℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
  4. 工程(1)の出口においてポリオレフィンの温度が90〜110℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
  5. 工程(2)の出口においてポリオレフィンの温度が75〜95℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
  6. 工程(1)に供給される該飽和水蒸気の量がポリオレフィン1000kgあたり30〜150kgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  7. 飽和水蒸気の量がポリオレフィン粒子上に凝縮する水蒸気の量の少なくとも50重量%過剰である、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(1)における飽和水蒸気の流れが20重量%より低い量の不活性ガスを含む、請求項1に記載の方法。
  9. 工程(1)及び(2)を一連の2つの別々の容器内で連続的に行う、請求項1に記載の方法。
  10. 該ポリオレフィンが工程(1)の容器を通して「栓流」状態で下降する、請求項1及び9に記載の方法。
  11. 水蒸気処理工程(1)を95〜120℃の温度及び1〜4barの圧力で運転する、請求項1に記載の方法。
  12. 工程(1)における該ポリオレフィンの滞留時間が10〜45分の範囲である、請求項1に記載の方法。
  13. 該乾燥不活性ガスが85℃〜115℃の温度の乾燥窒素である、請求項1に記載の方法。
  14. 工程(2)におけるポリオレフィンの滞留時間が2〜15分の範囲である、請求項1に記載の方法。
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