図1は枚葉紙加工機を示しており、この図では2つの印刷装置を有する印刷機を示している。当該印刷装置によって、コールドフィルム転写法が実施される。まず、印刷枚葉紙には、画線部を提供する接着剤のパターンが設けられる(インキ/湿し装置11、プレート胴12、ゴムブランケット胴または印刷ブランケット胴13を有する塗布装置1)。その後、後続の印刷装置において、印刷枚葉紙と共に転写フィルム5は、転写間隙6を通ってガイドされ、転写フィルム5は、転写間隙6において印刷枚葉紙にプレスされる(プレスローラ3と圧胴4とを有するコーティング装置2)。コーティング装置2の転写間隙6は、プレスローラ3と圧胴4とで形成される。プレスローラ3は、オフセット印刷装置の印刷ブランケット胴または枚葉紙印刷機の、好適には枚葉紙オフセット印刷機のニスモジュールの版胴であってもよい。転写フィルム5は、画線部提供層に加えて、支持層と分離層とを有している。分離層は、支持層から画線部提供層を簡単に剥がすために用いられる。画像提供層は、金属層、もしくは光沢のある層、または繊維層、または染色された層、または1つもしくは複数の画線部パターンを含む層であってよい。フィルムストックロール8は、枚葉紙が供給される側で、コーティング装置2に配設されている。フィルムストックロール8には、回転駆動部7が設けられている。回転駆動部7は、コーティング装置2に転写フィルムを連続的かつ制御して供給するために必要であり、それゆえ制御可能である。さらにフィルム供給の領域においては、方向転換ローラもしくはテンションローラが設けられている。それによって、転写フィルム5のフィルムウェブは、プレスローラ3に対して常に同じ張力で保持される。コーティング装置2の排出側には、フィルム巻取りロール9が設けられており、使用済みのフィルム材料は、当該フィルム巻取りロール9に再び巻き取られる。最適化された生産のために、制御可能な回転駆動部7が設けられ得る。転写フィルム5は、排出側において回転駆動部7によって移動され、流入側においてブレーキによって強く張られることもできる。たとえば金属層のような画像提供層を転写間隙6において被印刷材料に転写するプロセスにおいて重要なことは、プレスローラ3の表面に、圧縮性および緩衝性のある部材が装着されていることである。そのために、プレスローラ3は、ゴムブランケットまたは印刷ブランケットと比肩し得るたとえばプラスチック被覆部としてのプレス張設材10を備え得る。プレス張設材10は、胴溝において緊締装置に固定される。転写間隙6における転写特性を改善するために、目標として設定された弾力性もしくは圧縮性をプレス張設材10に付与することができ、当該弾力性または圧縮性は、通常の印刷ブランケットまたは印刷ブランケットと下敷きとが組み合わされた張設材によって生み出され得る。さらに、図柄の領域に限定された1つまたは複数のプレス面が直接、プレスローラ3またはプレス張設材に設けられ得る。
プレスローラの設置は、本発明に係る規模において、組み込まれたフィルム転写モジュールFA内で、加工アセンブリと共に行われてもよい。そのために印刷装置(本願では、たとえば図1の塗布装置1)は、接着剤の塗布のために使用されることができ、当該印刷装置の同じ圧胴4にて接着剤を塗布する印刷間隙に後置されて、単独のプレスローラが設けられてよい。別の形態として、印刷装置(本願では、たとえば図1のコーティング装置2)に、圧胴4において接着剤を塗布するための付加的装置が、転写間隙6に前置されてもよい。どちらの実施形態によっても、コンパクトな筐体となる。
接着層または当該接着層に塗布される転写画線部の中間処理または後処理のために、乾燥装置25が塗布装置1またはコーティング装置2に後置されて設けられている。本願においては特に、対応する接着剤と関連したUV乾燥装置が問題となる。
塗布された転写画線部をチェックするために、コーティング装置2に後置されて、枚葉紙を検査するための監視システム26が設けられている。当該監視システム26によって、転写画線部の欠陥の他にコールドフィルムエンボス工程における不備も確認可能である。
コーティング方法の経済性を確実なものとするために、画像提供層の転写が行われるべきでないときには、できる限り転写フィルム5が停止されるように、フィルムストックロール8から転写間隙6とフィルム巻取りロール9とに対する転写フィルム5のフィルム給送が制御されるようになっている。そのために、枚葉紙をガイドする圧胴4のくわえ装置を受容する胴溝とプレスローラ3の関連する胴溝とを通過する際、転写フィルム5の搬送が停止されるように、転写フィルム5の制御は行われる。フィルム給送のタイミング合わせは、フィルムストックロール8またはフィルム巻取りロール9の加速または減速の必要に応じて、いわゆるダンサーローラ18またはフィルムロール8,9の回転駆動部7を介して、実施可能である。
転写フィルム5がより小さい幅の1つまたは複数の部分フィルムウェブに分割されれば、記述された方法でのフィルム活用の改善がもたらされる。各部分フィルムウェブのフィルム給送をタイミング合わせするための1つまたは複数の装置によって相応な制御を行う場合、枚葉紙内でコーティング領域がゾーンごとに異なった長さであったとしても、転写フィルム5の活用が改善され得る。
そのために、本発明によれば、図2において示されるフィルムガイドのための装置は、プレスローラ3に設けられ、フィルムは、プレスローラ3に対してほぼ接線で、コーティング装置2の圧胴4とプレスローラ3との転写間隙を通ってガイドされる。当該装置には、相応するフィルム誘導装置20およびフィルム進入装置30が含まれ、当該装置は、下記で記述されており、フィルムウェブ5を搬送方向Tにコーティング装置2を通ってガイドする。
フィルムガイド14は、プレスローラ3と圧胴4との間でほぼ接線に合わせられ、90度よりも小さい角度でプレスローラ3に巻き付いて設けられている。これによって、プレスローラ3におけるフィルムウェブ5の、定義された当接とガイドとが達成され、同時に、起こり得るフィルムのタイミング合わせのための、または、転写間隙6において溝を通過する間の、転写間隙6におけるフィルムの停止のための必要な前提、また幅の狭いフィルムウェブ5を使用するための必要な前提が、もたらされる。
フィルムウェブ5もしくは部分フィルムウェブ19のためのフィルムガイド14は、印刷装置保護部15の進入口16から転写間隙6への流入側で、いくつかの誘導ロール22を含んでいる。当該誘導ロール22は、印刷装置の構成によって、様々に設置され得る。図2によれば、フィルムガイド14は、圧胴吹付装置36と共に設置され得る。当該圧胴吹付装置36は、送気流Sを作るための送気口を有しており、当該送気流Sは、一方では、転写間隙6に進入する際、圧胴4の被印刷材料Bをガイドするために使用される。圧胴吹付装置36はまた、空気圧で支援するためにフィルムウェブ5に向けられており、当該フィルムウェブ5をしわがないよう伸ばして強く張ったままにしておくことができる。圧胴吹付装置36における相応する構成によって、場合によって誘導ロール22の1つは、フィルムウェブ5をガイドするために使用され、フィルムガイド14の一部はさらに、進入口16の領域内において、印刷装置保護部15の縁にある機械式または空気圧式の誘導エレメントであってもよく、当該誘導エレメントは、コーティング装置2への進入の際にフィルムウェブ5を強く張って平らにしておく。フィルムウェブ5はまた、プレスローラ3に配設されている洗浄装置39へと誘導される。洗浄装置39は、フィルム加工で出た汚れを、プレスローラ3から取り除く。
フィルムガイド14のさらなる部分は、転写間隙6から印刷装置保護部15の排出口17への排出側で、さらなる誘導ロール32,34を含んでいる。当該誘導ロール32,34も、印刷装置の構成に応じて、様々に設置され得る。フィルムガイド14は、本願においては進入保護部33と共に設けられている。当該進入保護部33は、意図しない侵害に対して転写間隙6を保護するためのものである。フィルムウェブ5は、進入保護部33を迂回して、または当該進入保護部33の輪郭にある開口部を通ってガイドされ得る。誘導ロール32,34は印刷装置保護部15と共に設けられてよく、その結果、当該誘導ロール32,34は、印刷装置保護部15が移動した場合にフィルムウェブ5を一緒に動かす。別の形態として、誘導ロール34が位置調整可能に設けられてもよく、その結果フィルムウェブ5がプレスロール3に巻き付く角度が調整可能となる。
この関連で、転写間隙6において溝を通過する際転写フィルム5が、圧胴4のくわえ装置Gと接触できることも、重要である。くわえ装置Gは、転写間隙6を通って確実に搬送するために、印刷枚葉紙Bの前縁部を圧胴4上で保持する。当該くわえ装置Gは、そのいわゆるくわえ装置背面部によって、印刷枚葉紙Bの縁部を挟む領域において、わずかながら圧胴4の円周より上に突出している。プレスローラ3に同様に設けられた溝に対しては、当該溝にある縁部がくわえ装置Gの輪郭を通過して初めて圧胴4と接触するよう、調整が選択されている。しかしフィルムウェブ5がプレスローラ3の溝を覆って固定されずに張設されているため、くわえ装置Gは、当該溝で支えられていないフィルムウェブ5に押し込まれかねない。そのために有利なのは、フィルムウェブの巻付き角度を調整可能にすることであり、その結果、転写間隙6において溝を通過する際、くわえ装置Gがフィルムウェブ5から早めに離れることができる。好適には、くわえ装置Gは、圧胴4の円周より上に突出している輪郭ができる限りわずかな程度であるように形成される。全体として永続的またはタイミングを計って圧胴4に対して放射方向に調整可能な、くわえ装置Gのシステムも使用されてよく、その結果、胴の輪郭より上のくわえ装置Gの高さは最小限に抑えられ得る。プレスローラ3の胴溝がプレスローラの表面を広範囲にわたって円筒状に補うためのカバーを備えることによって、フィルムガイドはさらに、支援され得る。それによって、確かにフィルムウェブ5はくわえ装置Gの領域で圧胴4により近づくが、フィルムガイドは全体として、より継続的で落ち着いたものとなる。
さらに転写フィルム5のガイドは、さらなる誘導ローラによって動かされ得る。当該誘導ローラは、フィルムストックロール8からフィルムを取り出した後の領域に設けられている。当該誘導ローラ38は、フィルムストックロール8の軸の位置に対して、相対的に誘導ローラ38の軸位置を調節可能であり、当該誘導ローラ38によって、フィルムストックロール8から排出されたフィルムのムラや不均衡が、フィルムウェブ5がフィルムガイド14に供給される前に、均一化され得る。
図3によれば、金属および/またはプラスチック(カーボンファイバー強化プラスチック)からなるガイドエレメントを有する嵌込カセット21が設けられている。組み込まれたガイドエレメントとしてはまず、回転する誘導ロール22が設けられている。通気性のある吹付バーまたはフィルムウェブ5に向かって空気を排出する吹付バーであって焼結金属からなる吹付バーが使用可能であり、その結果、転写フィルム5はエアクッションに支えられる。誘導ロール22は、アルミニウムまたは強化プラスチック、たとえばカーボンファイバー強化プラスチックから作られることができ、それによって当該誘導ロール22を容易に組み立てることができ、かつフィルムウェブ5への負担をできる限り小さくすることができる。誘導ロール22は、たとえばテフロン(登録商標)または、転写フィルム5が接着するのを抑えるその他のコーティング材によって表面がコーティングされてよい。誘導ロール22に配設されたガイド板23は、同様にコーティングされていてよく、フィルムウェブ5を安定してガイドするために使われる。ガイド板23は、好適にはガイド溝24を形成し、フィルム搬送中のフィルムガイド(方向転換)のとしても、かつ製造工程の開始時にフィルムを挿入する際の挿入補助としても使われる。
嵌込カセット21には、圧胴吹付装置が配設されてよく、または当該嵌込カセット21は圧胴吹付装置と共に構成部材として構成されていてよい。それによって嵌込カセット21は同時に、圧胴4上で枚葉紙をガイドするために用いられ得る。
フィルム誘導装置20はさらに、吹き込み空気を起こすための装置によって、支援されていてよい。そのために当該フィルム誘導装置20は、プレスローラ3と圧胴4との間の転写間隙6へのフィルム排出部に吹付装置16を備えてよく、当該吹付装置16は、枚葉紙をガイドするため送気流Sであってまとめられたまたは区分された1つまたは複数の送気流Sをフィルムウェブ5の下方において被印刷材料に誘導する。ここでは特に、圧胴吹付装置との組み合わせが問題となる。フィルム誘導装置20は、特に決定的な転換位置もしくは排出位置に、容易に交換可能なガイドエレメント、たとえば誘導ロール22またはガイド板23を備えており、その結果、アフターサービスにおいて消耗部材を容易に取り替えることができる。
フィルム誘導装置20は、厚紙ガイドが配設されているか、もしくは当該厚紙ガイドと共に構成部材に組み込まれていてよい。それによって、フィルムウェブ5と被印刷材料(厚紙)とがすでにプレスローラ3と圧胴4との間の転写間隙6に挿入される前に接触することを防ぐ。
排出側すなわち、フィルムウェブ5の搬送方向においてプレスローラ3と圧胴4との間の転写間隙6の後に、フィルムウェブ5の上方には支持板29は、場合によっては吹き込み空気を供給されて、設けられている。フィルムウェブ5の下方では、誘導板27が、フィルム挿入のために一時的に嵌め込まれ得る。
排出側では、フィルム方向転換装置が、好適にはコーティング装置2にある印刷装置保護部15、たとえば自動プレート供給装置のための保護部に組み込まれている。ここでも再び、誘導ロール32またはコーティングされたガイド板28または、場合によっては通気性のある方向転換バーを使用することが可能である。
上述の印刷装置保護部15は、フィルムウェブ5を有するコーティング装置2である印刷装置の稼働時に、規定されあらかじめ選択された、ロック可能な開放位置に自動的に動かされ、その結果、ふさわしい大きさのフィルムウェブ5用の挿入口16もしくは排出口17が作られる。
フィルムを挿入するために、金属製もしくはプラスチック製もしくはフィルムからなる誘導ベルトもしくは移動ベルト、または誘導ラインまたは移動ラインが、繰り出しロールのフィルム前縁部に固定されている。当該補助装置によってフィルムウェブ5は、コーティング装置2の内部でフィルム誘導装置20に嵌め込まれ、通されることができる。
コーティング装置2には、たとえばワイヤーロープ、チェーンベルト、伝動ベルトを用いた半自動化または全自動化された進入装置30が配設されている。その際、フィルムウェブ5の全経路も、単にコーティング装置(枚葉紙オフセット印刷機の印刷装置または枚葉紙印刷機のニスモジュール)内の領域も、通すことが可能である。記述されたフィルムガイド14または20によって、コーティング装置2内でのフィルム挿入もフィルムガイドも可能となる。いつでも操作可能となり、準備時間が最小限に抑えられる。最終的に、フィルムガイド14または20によって、フィルム挿入とフィルム通過の際のすべての作業と調整の大幅な自動化とが可能となる。
本発明によれば、フィルム給送用の誘導装置を受け入れもしくは組み込むために、印刷装置内にある受入装置もしくはアセンブリの構成部材が用いられる。ガイドは、印刷装置から取り外し可能なゴムブランケット洗浄装置Uのために、機械のフレームに固定して取り付けられる受入装置を備えてよく、当該受入装置にフィルム誘導装置が、対応する保持部材によって取り付け可能である。取り付けは、好適には、印刷装置の長辺側から、枚葉紙の搬送方向に行われる。同様のことが、印刷装置に備えられた圧胴吹付装置Vにも当てはまる。印刷装置への、端面での誘導装置の取り付けは、取り付け用の穴に挿入することによって行われる。さらに、組み込まれた厚紙ガイドまたは吹付バーXは、直接、転写フィルムの、転写間隙への誘導装置として使用されてもよい。フィルムガイドは、フィルムウェブの排出側で、場合によっては経路または侵害に対するアクティブな保護装置Yを形成して印刷装置保護部15の近傍に組み込まれていてよい。フィルムガイドは、フィルムウェブの排出側において、場合によっては侵害に対するアクティブな保護装置を形成し、クイッククランプ装置を有するアダプタエレメントZとして印刷装置保護部に組み込み可能であってよい。