JP2010514420A5 - - Google Patents

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核酸増幅のための方法および組成物
本発明は、分子生物学、より具体的には、容易に検出するのに十分なコピーを得るために核酸配列のコピー数を増加させるのに有用な核酸のin vitro増幅に関する。
核酸増幅により、比較的珍しいか未知の核酸配列のコピーをより多く作製するための、核酸供給源を同定するための、または十分な核酸を作製して容易に検出可能な量を提供するための手段が得られる。増幅は、多数の用途(例えば、診断、薬品開発、法医学検査、環境分析、および食品試験)で有用である。
in vitroでの核酸配列の増幅方法は多数公知であり、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、レプリカーゼ媒介増幅、鎖置換増幅(SDA)、「ローリングサークル」型の増幅、および種々の転写関連増幅方法が含まれる。これらの公知の方法は、異なる技術を使用して増幅配列を作製し、通常、増幅配列を種々の方法の使用によって検出する。PCR増幅は、DNAポリメラーゼ、オリゴヌクレオチドプライマー、および二本鎖DNA(dsDNA)またはcDNAから作製したdsDNAの両方の鎖の複数のコピーを合成するためのサーマルサイクリングを使用する(Mullisらに付与された米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,800,159号)。LCR増幅は、連続的な標的配列とハイブリッド形成する過剰な一本鎖プローブの2つの相補対を使用し、ライゲーションして元の標的に相補的な融合プローブを形成する。それにより、融合プローブは、複数のハイブリッド形成、ライゲーション、および変性サイクルにおけるさらなる融合物のテンプレートとしての機能を果たすことが可能である(Backmanらに付与された米国特許第5,516,663号および欧州特許第0320308B1号)。レプリカーゼ媒介増幅は、分析配列に結合した自己複製RNA配列およびレプリカーゼ(Qβ−レプリカーゼなど)を使用し、選択したレプリカーゼに特異的な自己複製配列(Qβウイルス配列など)のコピーを合成する(Kramerらに付与された米国特許第4,786,600号)。増幅配列を、分析配列の置換分子またはレポーター分子として検出する。SDAは、制限エンドヌクレアーゼの認識部位を含むプライマーを使用し、それにより、エンドヌクレアーゼが標的配列を含む半修飾(hemimodified)dsDNAの一方の鎖をニッキングし、その後の一連のプライマー伸長および鎖置換工程を行うことが可能である(Walkerらに付与された米国特許第5,422,252A号およびNadeauらに付与された米国特許第5,547,861号)。ローリングサークル型の増幅は、テンプレートから複数の一本鎖コピーを酵素的に複製するために使用されるテンプレートとしての機能を果たす環状または連続した核酸構造に依存する(例えば、Koolに付与された米国特許第5,714,320号およびStemmerらに付与された米国特許第5,834,252号)。転写関連増幅は、核酸テンプレートからの複数の転写物の産生によって配列を増幅する方法をいう。かかる方法は、一般に、1つ以上のオリゴヌクレオチド(その1つからプロモーター配列が得られる)ならびに標的配列付近に機能的プロモーター配列を作製するためのRNAポリメラーゼ活性およびDNAポリメラーゼ活性を有する酵素を使用し、その後にプロモーターから標的配列を転写する(例えば、Kacianらに付与された米国特許第5,399,491号および同第5,554,516号,Burgらに付与された米国特許第5,437,990号、GingerasらのWO1988010315 A1号,Malekらに付与された米国特許第5,130,238号、Urdeaらに付与された米国特許第4,868,105号および同第5,124,246号、およびBeckerらの米国特許出願公開第2006/0046265(A1)号)。核酸増幅方法は、特異的標的配列(例えば、遺伝子配列)、関連標的配列群、または代替配列(分析配列の代わりに増幅および検出されるタグまたはレポーター配列と呼ぶことができる)を増幅することができる。代替配列は、分析標的配列が反応中にいくつかの点で存在する場合のみに増幅される。
修飾核酸増幅方法は、「ユニバーサル」プライマーまたはユニバーサルプライミングの使用によって1つを超える潜在的標的配列を増幅することができる。1つのPCR増幅形態は、PCR反応で保存された配列に結合して関連配列を増幅するためのユニバーサルプライマーを使用する(非特許文献1,非特許文献2)。ユニバーサルプライマーを使用する方法、しばしば、種特異的プライマー、遺伝子特異的プライマー、または型特異的プライマー、あるいは種、遺伝子バリアント、またはウイルス型に固有の増幅配列を生成するためのプライマーの使用と組み合わされ、これを、増幅核酸の配列決定またはいくつかの他の特徴の検出によって同定することができる。例えば、ある方法では同一の増幅工程で1つのユニバーサルプライマーおよび1つの特異的プライマーを使用することができる。別の例として、ある方法では、「ネステッド」PCRを使用することができる。これは、最初の増幅工程でユニバーサルプライマー対を使用して多数の潜在的な標的配列を増幅し、その後の増幅工程で特異的プライマー対を使用して最初のアンプリコン中に含まれる1つ以上の特異的標的配列を増幅する。
アンカードPCRは、部分的にしか知られていない配列を増幅するためにユニバーサルプライマーまたは「アダプター」プライマーを使用する別の修PCR法である。アンカードPCRは、「アダプター」または「ユニバーサル」配列をcDNAに導入し、その後の増幅工程で導入配列に結合するプライマーを使用する。一般に、アンカードPCRは、既知の配列に指向するプライマーを使用してcDNAを作製し、既知の配列(例えば、ポリG)をcDNAに付加するかcDNA中の共通配列(例えば、ポリT)を使用し、付加した配列またはcDNA中の共通配列に結合するユニバーサルプライマーおよび下流標的特異的プライマーの使用によってPCRを行う(非特許文献3;非特許文献4)。ネステッドPCRは、分析標的配列と無関係のユニバーサル配列を含むプライマーを使用して反応中で未知の標的配列から核酸を増幅することができる(非特許文献5;非特許文献6)。
他の増幅形態は、標的特異的配列およびアダプター配列の上流および下流に存在するユニバーサルプライミング部位(分子ジップコード(molecular zip−code)と呼ぶことができる)を導入するためのプローブまたはプローブ組を使用する。上流および下流プライミング部位を使用して、通常アレイ上で検出されるアダプター配列を含む核酸を増幅し、反応物中に存在する標的を同定する(Fanらに付与された米国特許第6,812,005号および同第6,890,741号)。標的配列上の極めて近接して結合する2つのプローブを共にライゲーションし、その後に上流および下流のユニバーサルプライミング部位の使用によって増幅することができる。
別のアッセイ方法は、プローブハイブリッド形成および種々の分析物特異的プローブ中に含まれる共通配列の使用によ線形シグナル増幅(linear signal amplification)を使用することができる(例えば、Hudsonらの米国特許出願公開第2007/0111200号)。この方法は、複数の分析物を検出するための共通配列に相補的な配列を含む標識カセットを使用する。
Okamotoら.,1992,J.Gen.Virol.73(Pt.3):673−9 Persingら,1992,J.Clin.Microbiol.30(8):2097−103 Lohら,1989,Science 243(4888):217−20 Linら,1990,Mol.Cell.Biol.10(4):1818−21 Sullivanら,1991,Electrophoresis 12(1):17−21 Sugimotoら,1991,Agric.Biol.Chem.55(11):2687−92
5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(internal first universal sequence)(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(3’first target specific sequence)(TS1)を含むTSUプロモーターオリゴヌクレオチドであって、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、ポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を有するTSUプロモータープライマーであるか、ポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド(TSU promoter provider oligonucleotide)である、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド、第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)で構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、およびTSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結し、それにより、標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体を形成する手段を含む、組成物を開示する。1つの実施形態では、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接連結する手段は共有結合である。別の実施形態では、共有結合はポリヌクレオチドリンカー配列を介して形成され、こは非ヌクレオチド脱塩基リンカー化合物を介して形成される共有結合であり得る。別の実施形態は、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドおよびTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド支持体に連結するための結合対のメンバーの非共有結合である、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに間接的に連結する手段であって、結合対の一方のメンバーがTSUプロモーターオリゴヌクレオチド上またはTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド上に存在し、結合対の他方のメンバーが支持体に結合する、手段を使用する。別の実施形態では、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接連結する手段は、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列とTSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と相補的なTSU非プロモータープライマー上の第2の配列との間のハイブリッド形成複合体である。TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに間接的に連結する手段は、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド中の配列に相補的な第1の配列およびTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中の配列に相補的な第2の配列を含むS−オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド形成複合体であり得る。1つの実施形態では、S−オリゴヌクレオチドはTSUプロモーターオリゴヌクレオチド中のユニバーサル配列に相補的な第1の配列を含み、S−オリゴヌクレオチドはTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中のユニバーサル配列に相補的な第2の配列を含む。組成物はまた、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドのTS配列またはTSU非プロモータープライマーのTS配列とハイブリッド形成する標的核酸中の配列と異なる配列で、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドおよびTSU非プロモータープライマーの標的配列中の配列と特異的にハイブリッド形成する配列を含む標的特異的捕獲オリゴヌクレオチドを含むことができ、これは、標的核酸を支持体に結合する手段を含む。組成物はまた、5’プロモーター配列およびTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのユニバーサル配列と同一の3’ユニバーサル配列から構成されるユニバーサルプロモータープライマーを含むことができる。別の実施形態は、TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドのユニバーサル配列と同一のユニバーサル配列から構成されるユニバーサルプライマーをさらに含む組成物である。組成物はまた、標的核酸鎖中のTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのTS配列またはTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドのTS配列が結合する配列と異なる標的核酸鎖中の配列と特異的にハイブリッド形成するブロッカーオリゴヌクレオチド(blocker oligonucleotide)を含むことができ、ブロッカーオリゴヌクレオチドはポリメラーゼによって伸長することができない3’遮断末端(3’ blocked terminus)を有する。S−オリゴヌクレオチドを含むいくつかの実施形態では、S−オリゴヌクレオチドは、(1)TSUプロモータープライマーのU1配列に相補的な第1の末端領域配列および(2)TSU非プロモータープライマーのU2配列に相補的な第2の末端領域配列、および(3)第1および第2の末端領域配列を連結する連結部分から構成される。連結部分は、第1および第2の末端領域配列を共有結合する非核酸化合物であり得る。組成物はまた、5’プロモーター配列および3’U1配列から構成される少なくとも1つのユニバーサルプロモータープライマーならびにTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端の合成伸長から作製されたcDNA配列を含む二本鎖DNAから作製されたRNA転写物中に含まれる配列と相補的な配列から構成される少なくとも1つの標的特異的プライマー(TSP)を含むことができる。
標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した標的核酸を混合物から分離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、(1)5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を含むTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチド、(2)第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)から構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、および(3)TSUプロモーターオリゴヌクレオチドをTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドと直接または間接的に連結するための手段から構成される標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体の、混合物における標的核酸とのハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程を含む、標的核酸を増幅する方法も開示する。本方法は、TSUプロモータープライマー中のTS配列を介してTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドを標的核酸中の標的配列とハイブリッド形成させる工程、ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中のTS配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成する工程、ポリメラーゼin vitro核酸合成によって第1のcDNA鎖とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長して第2のDNA鎖を作製し、それにより、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、実質的に二本鎖のDNAの機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、第1の標的特異的配列(TS1)、第2の標的特異的配列(TS2’)、およびU2配列に相補的な3’ユニバーサル配列(U2’)を含むRNA転写物を作製する工程、U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、U1’配列で前の工程で作製したcDNAとユニバーサル配列U1を含むユニバーサルプロモータープライマーオリゴヌクレオチド(UP1)をハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP1の3’末端を合成的に伸長して機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する工程、およびdsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、転写物がUP2プライマーの結合および合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程を含む。本方法はまた、増幅産物を検出して標的核酸が単離された混合物中の分析物の存在を示す工程を含むことができる。
別の開示の標的核酸増幅方法は、標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、(1)5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)を含むTSUプロモーターオリゴヌクレオチドであって、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドである、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド(2)第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)から構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、および(3)TSUプロモーターオリゴヌクレオチドをTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドと直接または間接的に連結するための手段から構成される標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体の、混合物における標的核酸とのハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程を含む。本方法の工程はまた、TSU非プロモータープライマー中のTS配列を介して標的核酸中の標的配列とTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、任意に、ポリメラーゼによって合成的に伸長することができない3’遮断末端を有するブロッカーオリゴヌクレオチドを標的核酸中のTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する位置から下流の標的核酸上の配列とハイブリッド形成させる工程、ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド中のTS配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、テンプレートとしてTSUプロモータープロバイダー中の配列を使用することによって第1のcDNAの3’末端を合成的に伸長して、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、第1の標的特異的配列(TS1)、第2の標的特異的配列(TS2’)、およびU2配列に相補的な3’ユニバーサル配列(U2’)を含むRNA転写物を作製する工程、U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、U1’配列で前の工程で作製したcDNAとプロモーター配列、ユニバーサル配列U1、および3’遮断末端を含むユニバーサルプロモーターオリゴヌクレオチド(UP1)をハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、テンプレートとしてのUP1オリゴヌクレオチドの使用によってcDNAの3’末端を合成的に伸長して機能的二本鎖プロモーターを作製し、酵素的in vitro核酸合成によって機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する工程、およびdsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、転写物がUP2プライマーの結合および合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程を含む。本方法は、増幅産物を検出して標的核酸が単離されたサンプル中の分析物の存在を示す工程をさらに含むことができる。
標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を含む標的特異的ユニバーサル(TSU)プロモータープライマーオリゴヌクレオチドの、混合物における標的核酸とのハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程、ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、TS1と異なる第2の標的特異的配列(TS2)を含む標的特異的(TS)非プロモータープライマーを増幅反応混合物に添加する工程、第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのT2配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTS非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、ポリメラーゼin vitro核酸合成によって第1のcDNA鎖とハイブリッド形成したTS非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長して第2のDNA鎖を作製し、それにより、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、実質的に二本鎖のDNAの機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、第1の標的特異的配列(TS1)、第2の標的特異的配列(TS2’)を含むRNA転写物を作製する工程、U1配列でRNA転写物とユニバーサル配列U1’を含むユニバーサルプロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってユニバーサルプロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、前の工程で作製したcDNA中の特異的配列とTS非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成する工程、等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってTS非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長して機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する工程、およびdsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、転写物が合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程を含む標的核酸を増幅する方法も開示する。本方法は、増幅産物を検出して標的核酸が単離された混合物中の分析物の存在を示す工程をさらに含むことができる。
別の開示の標的核酸増幅方法は、標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、5’ユニバーサル配列(U2)および3’標的特異的配列(TS2)から構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドの、混合物における標的核酸とのハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程、標的核酸中の相補配列に対するTS2配列を介して標的核酸中の標的配列とTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、ポリメラーゼによって合成的に伸長することができない3’遮断末端を有するブロッカーオリゴヌクレオチドを標的核酸中のTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する位置から下流の標的核酸上の配列とハイブリッド形成させる工程、ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、第1のcDNA鎖中の相補配列とのTS1配列の特異的ハイブリッド形成によって、5’プロモーター配列、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を含む標的特異的TSプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドを第1のcDNA鎖とハイブリッド形成させる工程、テンプレートとしてのTSプロモータープロバイダー中の配列の使用によって第1のcDNAの3’末端を合成的に伸長して、機能的プロモーター配列およびTS1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’標的特異的配列TS1、標的特異的配列TS2’、およびU2’配列を含むRNA転写物を作製する工程、U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、プロモーター配列および3’遮断末端を含むTSプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドを前の工程で作製したcDNAとハイブリッド形成させる工程、等温条件下で、テンプレートとしてのTSプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドの使用、および機能的プロモーターを含むdsDNAを作製するための酵素的in vitro核酸合成によって機能的二本鎖プロモーターを作製するためにcDNAの3’末端を合成的に伸長する工程、およびdsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、転写物が合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程を含む。本方法はまた、増幅産物を検出して標的核酸が単離されたサンプル中の分析物の存在を示す工程を含むことができる。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(internal first universal sequence)(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(3’first target specific sequence)(TS1)を含むTSUプロモーターオリゴヌクレオチドであって、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、ポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を有するTSUプロモータープライマーであるか、ポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド(TSU promoter provider oligonucleotide)である、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド、
第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)で構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、
TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結し、それにより、標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体を形成する手段
を含む、組成物。
(項目2)
前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接連結する手段が、共有結合である、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記共有結合がポリヌクレオチドリンカー配列を介して形成される、項目2に記載の組成物。
(項目4)
前記共有結合が非ヌクレオチド脱塩基リンカー化合物を介して形成される、項目2に記載の組成物。
(項目5)
前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに間接的に連結する手段が、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドおよび前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド支持体に連結するための結合対のメンバーの非共有結合であり、前記結合対の一方のメンバーが前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上または前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド上に存在し、前記結合対の他方のメンバーが支持体に結合する、項目1に記載の組成物。
(項目6)
前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接連結する手段が、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と相補的なTSU非プロモータープライマー上の第2の配列との間のハイブリッド形成複合体である、項目1に記載の組成物。
(項目7)
前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに間接的に連結する手段が、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド中の配列に相補的な第1の配列および前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中の配列に相補的な第2の配列を含むS−オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド形成複合体である、項目1に記載の組成物。
(項目8)
前記S−オリゴヌクレオチドが前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド中のユニバーサル配列に相補的な第1の配列を含み、前記S−オリゴヌクレオチドが前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中のユニバーサル配列に相補的な第2の配列を含む、項目7に記載の組成物。
(項目9)
TSUプロモーターオリゴヌクレオチドのTS配列またはTSU非プロモータープライマーのTS配列とハイブリッド形成する標的核酸中の配列と異なる配列において、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドおよびTSU非プロモータープライマーの標的核酸中の配列と特異的にハイブリッド形成する配列を含み、かつ、標的核酸を支持体に結合する手段を含む標的特異的捕獲オリゴヌクレオチドをさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目10)
5’プロモーター配列およびTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのユニバーサル配列と同一の3’ユニバーサル配列から構成されるユニバーサルプロモータープライマーをさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目11)
TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドのユニバーサル配列と同一のユニバーサル配列から構成されるユニバーサルプライマーをさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目12)
標的核酸鎖中のTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのTS配列またはTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドのTS配列が結合する配列と異なる標的核酸鎖中の配列と特異的にハイブリッド形成するブロッカーオリゴヌクレオチド(blocker oligonucleotide)をさらに含み、前記ブロッカーオリゴヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長することができない3’遮断末端(3’ blocked terminus)を有する、項目1に記載の組成物。
(項目13)
前記S−オリゴヌクレオチドが、(1)TSUプロモータープライマーのU1配列に相補的な第1の末端領域配列および(2)TSU非プロモータープライマーのU2配列に相補的な第2の末端領域配列、および(3)前記第1および第2の末端領域配列を連結する連結部分から構成される、項目7に記載の組成物。
(項目14)
前記連結部分が前記第1および第2の末端領域配列を共有結合する非核酸化合物である、項目13に記載の組成物。
(項目15)
5’プロモーター配列および3’U1配列から構成される少なくとも1つのユニバーサルプロモータープライマーならびにTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端の合成伸長から作製されたcDNA配列を含む二本鎖DNAから作製されたRNA転写物中に含まれる配列と相補的な配列から構成される少なくとも1つの標的特異的プライマー(TSP)をさらに含む、項目1に記載の組成物。
(項目16)
標的核酸を増幅する方法であって、
標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した前記標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、混合物中で、以下:
5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を含むTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチド、
第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)から構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、および
TSUプロモーターオリゴヌクレオチドをTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドと直接または間接的に連結するための手段
から構成される標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体標的核酸とハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程、
TSUプロモータープライマー中のTS配列を介してTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドを標的核酸中の標的配列とハイブリッド形成させる工程、
ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、前記標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、
第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中のTS配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
ポリメラーゼin vitro核酸合成によって第1のcDNA鎖とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長して第2のDNA鎖を作製し、それにより、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、
実質的に二本鎖のDNAの機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、第1の標的特異的配列(TS1)、第2の標的特異的配列(TS2’)、およびU2配列に相補的な3’ユニバーサル配列(U2’)を含むRNA転写物を作製する工程、
U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、
U1’配列で前の工程で作製したcDNAとユニバーサル配列U1を含むユニバーサルプロモータープライマーオリゴヌクレオチド(UP1)をハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP1の3’末端を合成的に伸長して機能的プロモーターを含むdsDNA鎖を作製する工程、および
dsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、前記転写物がUP2プライマーの結合および合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程
を含む、方法。
(項目17)
増幅産物を検出して標的核酸が単離された混合物中の分析物の存在を示す工程をさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
標的核酸を増幅する方法であって、
標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した前記標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、混合物中で、以下:
5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)を含むTSUプロモーターオリゴヌクレオチドであって、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドである、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド、
第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)から構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、および
TSUプロモーターオリゴヌクレオチドをTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドと直接または間接的に連結するための手段
から構成される標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体標的核酸とハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程、
TSU非プロモータープライマー中のTS配列を介して標的核酸中の標的配列とTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
任意に、ポリメラーゼによって合成的に伸長することができない3’遮断末端を有するブロッカーオリゴヌクレオチドを、標的核酸中のTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する位置から下流の標的核酸上の配列とハイブリッド形成させる工程、
ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、前記標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、
第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド中のTS配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
テンプレートとしてTSUプロモータープロバイダー中の配列を使用することによって第1のcDNAの3’末端を合成的に伸長して、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、
機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、第1の標的特異的配列(TS1)、第2の標的特異的配列(TS2’)、およびU2配列に相補的な3’ユニバーサル配列(U2’)を含むRNA転写物を作製する工程、
U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、
U1’配列で前の工程で作製したcDNAとプロモーター配列、ユニバーサル配列U1、および3’遮断末端を含むユニバーサルプロモーターオリゴヌクレオチド(UP1)をハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、テンプレートとしてのUP1オリゴヌクレオチドの使用によってcDNAの3’末端を合成的に伸長して機能的二本鎖プロモーターを作製し、酵素的in vitro核酸合成によって機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する工程、および
dsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、前記転写物がUP2プライマーの結合および合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程
を含む、方法。
(項目19)
増幅産物を検出して標的核酸が単離されたサンプル中の分析物の存在を示す工程をさらに含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
標的核酸を増幅する方法であって、
標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した前記標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、混合物中で、5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を含む標的特異的ユニバーサル(TSU)プロモータープライマーオリゴヌクレオチド標的核酸とハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程、
ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、前記標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、
TS1と異なる第2の標的特異的配列(TS2)を含む標的特異的(TS)非プロモータープライマーを増幅反応混合物に添加する工程、
第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのT2配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTS非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
ポリメラーゼin vitro核酸合成によって第1のcDNA鎖とハイブリッド形成したTS非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端を合成的に伸長して第2のDNA鎖を作製し、それにより、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、
実質的に二本鎖のDNAの機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、第1の標的特異的配列(TS1)、第2の標的特異的配列(TS2’)を含むRNA転写物を作製する工程、
U1配列でRNA転写物とユニバーサル配列U1’を含むユニバーサルプロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってユニバーサルプロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、
前の工程で作製したcDNA中の特異的配列とTS非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってTS非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長して機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する工程、および
dsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、前記転写物が合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程
を含む、方法。
(項目21)
増幅産物を検出して標的核酸が単離された混合物中の分析物の存在を示す工程をさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
標的核酸を増幅する方法であって、
標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した前記標的核酸を混合物から離される支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブの、標的核酸への結合、さらに、混合物中で、5’ユニバーサル配列(U2)および3’標的特異的配列(TS2)から構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド標的核酸とハイブリッド形成によって、混合物から標的核酸を単離する工程、
標的核酸中の相補配列に対してTS2配列を介して標的核酸中の標的配列とTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
ポリメラーゼによって合成的に伸長することができない3’遮断末端を有するブロッカーオリゴヌクレオチドを標的核酸中のTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する位置から下流の標的核酸上の配列とハイブリッド形成させる工程、
ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、前記標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、
第1のcDNA鎖中の相補配列とのTS1配列の特異的ハイブリッド形成によって、5’プロモーター配列、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を含む標的特異的TSプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドを第1のcDNA鎖とハイブリッド形成させる工程、
テンプレートとしてのTSプロモータープロバイダー中の配列の使用によって第1のcDNAの3’末端を合成的に伸長して、機能的プロモーター配列およびTS1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、
機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’標的特異的配列TS1、標的特異的配列TS2’、およびU2’配列を含むRNA転写物を作製する工程、
U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程、
プロモーター配列および3’遮断末端を含むTSプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドを前の工程で作製したcDNAとハイブリッド形成させる工程、
等温条件下で、テンプレートとしてのTSプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドの使用によってcDNAの3’末端を合成的に伸長して機能的二本鎖プロモーターを作製し、酵素的in vitro核酸合成によって機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する工程、および
dsDNAの機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、前記転写物が合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程
を含む、方法。
(項目23)
増幅産物を検出して標的核酸が単離されたサンプル中の分析物の存在を示す工程をさらに含む、項目22に記載の方法。
添付の図面は、明細書の一部を構成し、本発明のいくつかの実施形態を例証する。これらの図面は、説明と共に、本発明の原理を説明および例証するのに役立つ。
図1は、以下を示す略図である:Pと記した5’プロモーター配列(実線)、U1と記したユニバーサル配列(破線)、およびTS1と記した3’標的特異的配列(二重線)から構成されるTSUプロモータープライマーを含む3成分標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体。このTSUプロモータープライマーは、U1’と記した5’ユニバーサル配列およびU2’と記した3’ユニバーサル配列を含むS−オリゴヌクレオチド(S状点線)とハイブリッド形成し、S−オリゴヌクレオチドがU2と記した5’ユニバーサル配列(破線)およびTS2と記した3’標的特異的配列(二重線)から構成されるTSU非プロモータープライマーとハイブリッド形成する;TS3と記した5’標的特異的配列(二重線)およびBPMと記した3’結合対メンバー(三重線)から構成される標的特異的捕獲オリゴヌクレオチド;Pと記した5’プロモーター配列(実線)およびU1と記した3’ユニバーサル配列(破線)から構成されるユニバーサルプロモータープライマー(UP1);およびU2と記したユニバーサル配列(破線)から構成されるユニバーサル非プロモータープライマー(UP2)。 図2は、以下の標的捕獲を示す略図である:(1)標的捕獲試薬(TCR)は、3つの異なる標的に特異的な複数の3成分標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体(図1を参照のこと)(TSUa、TSUb、TSUcと記した)、および3つの異なる標的に特異的な捕獲プローブを含み、ここで、BPMをポリA配列(AAA)として示し、標的特異的配列をTSa、TSb、およびTScと記した;(2)TCRを「標的a」を含むサンプルと混合し、それにより、TSUaプライマー複合体が標的aとハイブリッド形成可能であり、TSa捕獲プローブが標的aとハイブリッド形成可能である;(3)TSa捕獲プローブのポリA配列が支持体(影つきの円)に結合する固定プローブ(TTTTと示すポリT配列)とハイブリッド形成し、それにより、支持体に結合した複合体を混合物から分離して、捕獲した標的およびTSUプライマー複合体を回収することができる;そして(4)非結合TSUプライマー複合体を含む部分(TSUbおよびTSUbと記した)を、不要物として破棄する。 図3は、3成分TSUプライマー複合体を示す略図である。これは、標的核酸中の相補TS1’配列とのTSUプロモータープライマーのTS1配列のハイブリッド形成を介して標的鎖に結合し、標的核酸の相補TS3’配列との捕捉プローブの標的特異的TS3配列のハイブリッド形成を介して支持体(影つきの円)に結合し、捕獲プローブのポリA部分が支持体に結合する固定ポリTプローブとハイブリッド形成する。縦方向の接続線(vertical connecting lines)(|||||)は、配列ハイブリッド形成を示す。TSUプライマー複合体は、S−オリゴヌクレオチドの相補U2’配列領域とそのU2配列領域でハイブリッド形成するTSU非プロモータープライマーから構成され、ここで、S−オリゴヌクレオチドは、3’遮断末端
Figure 2010514420
およびTSUプロモータープライマー中の相補U1配列領域とそのU1’配列領域でハイブリッド形成している5’領域を有し、TSUプロモータープライマーは、5’プロモーター配列領域(実線P)および標的鎖中のTS1’配列と相補的な3’標的特異的配列領域(TS1)を含む。標的鎖はまた、TSU非プロモータープライマーのTS2領域と同一の別の標的特異的配列領域(TS2)を含む。捕獲プローブは、標的鎖の一部(TS3’配列)に相補的な5’標的特異的配列(TS3)および固定プローブのBPMとしての機能を果たすポリT配列に相補的な3’ポリA配列を含む。
図4は、TSUプライマー複合体を示す略図である。これは、上の鎖が3’標的特異的領域(TS2)およびU2(+)と記した5’ユニバーサル配列領域から構成されるTSU非プロモータープライマーである。TSU非プロモータープライマーは、S−オリゴヌクレオチド(S−オリゴと記した)の相補3’U2’配列領域とハイブリッド形成する。S−オリゴヌクレオチドは、3’U2’配列を5’U1’配列領域に連結する脱塩基スペーサーを含む。5’U1’配列領域は、TSUプロモータープライマー中のU1(−)配列領域と相補的であり、ハイブリッド形成する。TSUプロモータープライマーは、5’プロモーター配列(P)および3’標的特異的配列領域(TS1)を含む。示したS−オリゴヌクレオチドは、末端塩基が3’−3’結合(3’−3’Cと記した)によって連結した3’遮断末端、ならびに5’U1’配列および3’U2’配列を共有結合的に連結するスペーサーである内部脱塩基化合物(例えば、(C9)または(C9))を含む。 図5は、最初の増幅期の最初の合成工程に起因する産物を示す略図である。この合成工程は、RNAテンプレート鎖(細い実線)中の相補TS1’配列とそのTS1配列を介してハイブリッド形成されるTSUプロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長して、逆転写酵素(RT)ポリメラーゼの使用によって第1のcDNA鎖(幅広の実線)を作製する。RNAテンプレート鎖はまた、第1のcDNA鎖中で作製されたTS2’配列に相補的なTS2配列を含む。 図6は、図5に示すRNAテンプレート鎖の分解後の第1のcDNA鎖産物(図5に示す)を示す略図である。このcDNAは、5’プロモーター配列(P)、ユニバーサル配列(U1)、標的特異的配列(TS1)、テンプレート鎖から作製され、第2の標的特異的配列(TS2’)を含むcDNA配列を含む。 図7は、最初の増幅期の第2の合成工程に起因する産物を示す略図である。この産物は、cDNAの相補TS2’配列とのTSU非プロモータープライマーのTS2配列のハイブリッド形成による、第1のcDNA鎖産物(図6を参照のこと)とのTSU非プロモータープライマーのハイブリッド形成および第2のDNA相補鎖を作製するためのDNAポリメラーゼ(影つきの四角)の使用によるTSU非プロモータープライマーの3’末端の伸長に起因する。第2の鎖は、プライマーの5’U2配列およびTS2配列、標的特異的TS1’配列、ユニバーサル配列U1’、およびcDNAのプロモーター配列に相補的な3’配列を含む第1のcDNA鎖に対する相補鎖を含む。したがって、機能的プロモーター配列を含む二本鎖DNAが作製される。 図8は、第1のcDNA鎖、および第2のDNA鎖(図7を参照のこと) ら構成される実質的なdsDNAならびに上記dsDNAの上の3つのRNA転写物(太線)を示す略図である。RNA転写物は、その各RNAポリメラーゼ(RNA Polと記した影つきの領域)の使用による機能的二本鎖プロモーター配列(P)から開始される転写によって作製される。RNA転写物は、5’→3’方向に、5’U1配列、TS1配列、標的鎖由来の転写物、TS2’配列、および3’U2’配列を含む。 図9は、最初の等温増幅期由来の図8に示す1つのRNA転写物(このRNA転写物は、末端ユニバーサル配列U1およびU2’を有し、U1およびU2’は標的特異的配列TS1およびTS2’に隣接し、TS1およびTS2’は他の標的鎖配列の転写物に隣接する)および転写物中の配列U2’に相補的な配列U2を含むユニバーサルプライマー(UP2)を示す略図である。 図10は、第2の等温増幅期における工程を示す略図である。この工程では、RNA転写物(図9に示す)が左下の系に入り、ここでRNA転写物がU2’およびU2配列の相補的対合(縦線|||||によって示すハイブリッド形成)を介してユニバーサルプライマーUP2とハイブリッド形成し、逆転写酵素(RTと記した白抜きの円)がUP2に結合し、そのRNA指向DNAポリメラーゼ活性を使用してテンプレートとしてのRNA転写物の使用によってUP2プライマーを酵素的に伸長させる。右を指す矢印の後の次の工程は、得られたcDNA(下の鎖)のRNAテンプレート(上の鎖)とのハイブリッド形成を示し、上を示す矢印の後の工程で、RT酵素のRNアーゼH活性によってこれを消化してcDNA鎖を遊離する。次の上を示す矢印の後、cDNAを、5’プロモーター配列(P)を含むユニバーサルプロモータープライマー(UP1)の相補U1配列とU1’配列を介してハイブリッド形成させ、UP1プライマーをRT酵素のDNA指向DNAポリメラーゼ活性によって伸長して、円の頂点(左上を示す矢印の上)に示すdsDNAを作製する。dsDNAは、鎖あたり2つのユニバーサル配列(上の鎖上のU1およびU2’ならびに下の鎖上のU1’およびU2)(標的特異的配列(上の鎖上のTS1、TS2’、および介在配列ならびに下の鎖上のTS1’、TS2、および介在配列)に隣接する)および機能的プロモーター(P)を含む。左下への矢印の後、機能的プロモーターは、プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼ(RNA Polと記した楕円)と相互作用してdsDNA由来の転写物を作製し、次の下方向への矢印の後に示すように、2つのユニバーサル配列(U1およびU2’)および標的特異的配列(TS1、TS2’、および介在配列)を含む100〜1000個の転写物またはRNAアンプリコンが得られる。右下への次の矢印の後、これらのRNA転写物は増幅系に入り、示すようにサイクル様式でさらなる等温増幅のためのテンプレートとして使用され、第1期のRNA転写物について上記の工程を繰り返す。 図11は、S−オリゴヌクレオチドを含まないが、支持体に結合したTSUプライマーを使用して行う第1の等温増幅期で使用することができるTSUプライマーの2つの実施形態の略図である。その後にユニバーサルプライマー(UP1およびUP2)の使用によって第2の等温増幅期を液相で行う。実施形態1では、TSU非プロモータープライマーおよびTSUプロモータープライマーを共有結合または非共有結合によって連結し、第1の結合対メンバー(BPM1と記した影つきの矢印)を介して支持体に結合し、第1の結合対メンバーが支持体(影つきの長方形)に結合した第2の結合対メンバー(BPM2と記した暗色の山形)に特異的に結合する。実施形態2では、TSU非プロモータープライマーおよびTSUプロモータープライマーは、各オリゴマーに結合したBPM1を介して同一の支持体に個別に結合した個別のオリゴヌクレオチドであり、BPM1は支持体(影つきの円)に結合した個別の結合対メンバーBPM2に特異的に結合する。実施形態1および2の両方について、ユニバーサルプライマー(UP1およびUP2)を液相中に準備し、支持体に結合しない。 図12は、実施形態1(線の上半分)および実施形態2(線の下半分)についての最初のプライマー結合(左側、Aと記した)を使用した標的捕獲(TC)工程中で使用した構造および第2の等温増幅期(右側、Bと記した)で使用したプライマーを示す略図である。実施形態1では、TC工程(上半分の左側)は、支持体に結合した標的核酸から構成される捕獲複合体を含む。この捕獲複合体は、標的特異的捕獲プローブを介して標的鎖とハイブリッド形成し(短い横線と標的鎖を示すより長い横線との間の縦線によって示す)、ポリA配列を介して支持体(影つきの円)に結合した固定ポリT配列ともハイブリッド形成する。標的核酸を、TSUプライマー複合体と、別の位置結合させる。このTSUプライマー複合体は、標的鎖中の配列およびS−オリゴヌクレオチドと特異的にハイブリッド形成するTSUプロモータープライマーを含み、S−オリゴヌクレオチドは、TSU非プロモータープライマーとハイブリッド形成する(図3に実質的に示す)。実施形態1では、第2の増幅期(上半分の右側)は、以下の2つのユニバーサルプライマーを使用する:TSUプライマー複合体の使用によってRNA転写物中に導入される相補配列とハイブリッド形成する、ユニバーサルプロモータープライマー(UP1)およびユニバーサル非プロモータープライマー(UP2)。実施形態2では、TC工程(下半分の左側)は、実施形態1について示す捕獲複合体および標的特異的配列を介して標的鎖の別の位置でハイブリッド形成するTSUプロモータープライマーのみを含む。第2の増幅期(下半分の右側)は、1つのユニバーサルプロモータープライマー(UP1)および1つの標的特異的プライマー(TSP)を使用する。 図13は、第1期および/または第2期(左下)由来のRNA転写物を テンプレートとしてRNA転写物を使用してcDNA鎖(右下)を合成するために、RTによって伸長する標的特異的プライマー(TSP)とハイブリッド形成させることおよびU2、U2’ユニバーサル配列が存在しないこと以外は、実質的に図10に示す第2の等温増幅期中の工程を示す略図である。 図14は、実施形態を示す略図である。この実施形態は、(左下)第1の増幅期で使用するTSUプロモータープライマーを第1の結合対メンバー(BPM1)を介して支持体に結合し、BPM1は支持体(影つきの円)に結合する第2の結合対メンバー(BPM2)に特異的に結合し、液相中のユニバーサルプロモータープライマー(UP1)および標的特異的プライマー(TSP)の混合物を、第2の増幅期で使用する。 図15は、実施形態中の成分を示す略図である。この実施形態において、図の上部は、標的捕獲工程中で作製されたハイブリッド形成複合体を示す。ハイブリッド形成複合体は、非結合ポリAテールおよび標的鎖の5’部分とハイブリッド形成するTS配列を有する標的捕獲(TC)プローブとハイブリッド形成する標的核酸鎖、TCプローブとハイブリッド形成する位置から下流標的鎖とハイブリッド形成するブロッカーオリゴヌクレオチド、ならびに非ハイブリッド形成ユニバーサル(U)配列を有するTS配列を介して標的鎖の3’部分とハイブリッド形成するTSUプライマーから構成される。図の下の部分は、1回のプライマー等温増幅中に存在する核酸が、(1)5’U配列、内部TS配列、およびTSUプライマーの伸長によって標的鎖からコピーされ3’配列からなる標的アンプリコン、(2)5’プロモーター(P)配列、3’TS配列、および遮断3’末端
Figure 2010514420
を含むTSプロモータープロバイダー、および(3)標的アンプリコンのユニバーサル配列に相補的なユニバーサル配列(U’)からなるユニバーサルプライマーを含むことを示す。
図16は、実施形態中の成分を示す略図である。この実施形態において、図の上部は、標的捕獲工程中で作製されたハイブリッド形成複合体を示す。ハイブリッド形成複合体は、非結合ポリAテールおよび標的鎖の5’部分とハイブリッド形成するTS配列を有する標的捕獲(TC)プローブとハイブリッド形成する標的核酸鎖、TCプローブとハイブリッド形成する位置から下流標的鎖とハイブリッド形成するブロッカーオリゴヌクレオチド、ならびに(上の鎖)3’遮断末端
Figure 2010514420
を有するTSUプロモータープロバイダー、S−オリゴマー(中間の鎖、図3に実質的に示す)、およびS−オリゴマー中の相補(U2’)配列とハイブリッド形成するユニバーサル(U2)配列を有し、TSを介して標的鎖の3’部分とハイブリッド形成するTSUプライマー(下の鎖)から構成されるTSUプライマー複合体から構成される。図の下の部分は、1回のプライマー等温増幅中に存在する核酸が、(1)そのU2ユニバーサル配列を含むTSUプライマーのTS2配列の伸長によって作製された伸長産物とそのTS1配列を介してハイブリッド形成するTSUプロモータープロバイダー、(2)5’プロモーター(P)配列、3’U1’ユニバーサル配列、および遮断3’末端
Figure 2010514420
を含むプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド、および(3)U2ユニバーサル配列に相補的なユニバーサル配列(U2’)からなるユニバーサルプライマーを含むことを示す。
図17は、ハイブリッド形成複合体中の2つのTSUオリゴヌクレオチドを示す実施形態の略図である。ハイブリッド形成複合体は、TSUプライマーのTS1配列を介して標的鎖とハイブリッド形成する。TSUプライマーはU1配列およびプロモーター相補配列(P’)も含む。TSUプライマーは、相補P’配列とTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドのP配列とのハイブリッド形成を介してTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する。TSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドは、U2配列、TS2配列、および遮断3’末端も含む。 図18は、非ヌクレオチドリンカー(−C−C−)を介して共有結合する2つのTSUオリゴヌクレオチドを示す実施形態の略図である。これは、3’→5’方向に遮断3’末端、TS2、U2、およびプロモーター(P)配列を含TSUプロモータープロバイダーに連結したTSUプライマーから構成される複合体を形成し、TSUプライマーは、5’→3’方向にU1およびTS1配列を含む。それにより、複合体中にTSUプライマーのTS1配列を介して標的鎖とハイブリッド形成する1つの伸長可能な3’末端が得られる。標的鎖との以下のハイブリッド形成も示す:ブロッカーオリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成およびそのTS配列を介して標的とハイブリッド形成するTCプローブ(非ハイブリッド形成テール配列と共に示す)。 図19は、反応あたり10、10、および10コピーでサンプル中に存在する単一標的(「PCA3単一」パネル)ならびに反応あたり10コピーでサンプル中に存在する2標的(「PCA3/PSA二重(オリゴ)」パネル)の等温増幅から得たデータを示す。ここでは、増幅産物を、蛍光標識プローブの使用によってリアルタイムで検出した。両パネルについて、x軸は増幅サイクル数を示し、y軸は蛍光単位を示す。
詳細な説明
本発明は、同一オリゴヌクレオチド中に標的特異的配列およびユニバーサル配列の両方を含む1つ以上の標的特異的ユニバーサル(TSU)オリゴヌクレオチドプライマーを含む組成物を含む。本明細書中に記載のTSUプライマーは、5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)から構成される少なくとも1つのTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドを含む。かかる組成物は、さらに、第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)から構成される少なくとも1つのTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドを含むことができる。TSUプロモータープライマーおよびTSU非プロモータープライマーを、複合体中で、TSUプライマーのユニバーサル配列連結するS−オリゴヌクレオチドの使用によって連結することができ、この連結は、S−オリゴヌクレオチドの相補末端配列へのハイブリッド形成を介する。組成物は、さらに、5’プロモーター配列および3’U1配列から構成される少なくとも1つのユニバーサルプロモータープライマーを含むことができ、第2のユニバーサル配列(U2)と実質的に同一のユニバーサル配列から構成される少なくとも1つのユニバーサルプライマーを含むこともできる。これらの組成物は、オリゴヌクレオチドの構造的態様および機能的態様がこれらの合成のために選択される選択配列中に存在する限り、オリゴヌクレオチドの任意の特定の成分のために使用される任意の特定の配列を必要としない。
本発明は、5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)から構成される少なくとも1つのTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドを含む1つ以上の本明細書中に記載のTSUプライマーを使用する等温増幅方法を含む。本方法は、標的捕獲工程でTSUプライマーを標的核酸に結合する工程を使用し、それにより、結合したTSUプライマーを含む標的核酸が増幅開始前に他の混合成分から分離される。等温増幅は、少なくとも1つの標的特異的配列に隣接する少なくとも1つのユニバーサル配列または2つのユニバーサル配列を含むRNA転写物を作製する第1の期を含む。等温増幅は、第1の期由来のRNA転写物をテンプレートとして使用する第2の期を含む。この第2の期は、少なくとも1つのユニバーサルプライマーおよび酵素的in vitro核酸合成を使用して機能的プロモーターを含むdsDNAを作製し、このdsDNAを使用して増幅産物であるさらなるRNA転写物を転写し、このRNA転写物を等温増幅反応中でさらなるサイクルに供することができるか、このdsDNAを使用して標的核酸が試験サンプル中に存在することを示す検出可能なシグナルを得ることができる。
実質的に等温の条件下にてin vitroで標的核酸配列を増幅してサンプル中の標的核酸の存在を示すために検出することができる増幅配列を産生するのに有用な方法および組成物を開示する。本方法および組成物は、病状の診断および/または予後診断、環境サンプルおよび/または食品サンプルの純度または質の検出、または法医学的証拠の調査のための有用な情報を得るための増幅核酸の合成に有用である。本方法および組成物により、種々の核酸の合成によって広範なダイナミックレンジにわたって高感度なアッセイを得ることが可能であり、その実施比較的迅速且つ安価であり、これにより、高処理系および/または自動化系での使用に適切となるので、本方法および組成物は有益である。本方法および組成物は、複数の異なる遺伝子配列を同時に分析するアッセイ(すなわち、多重増幅系)に有用である。好ましい組成物を、定義したアッセイ成分を含むキット中に提供する。これらは、使用者が所望の標的を増幅するためのアッセイでこれらの成分を共に使用する方法を効率的に実施することが可能なので有用である。
開示の組成物および方法は、核酸の等温増幅の効率を増大させ、例えば、アレイベースのアッセイのために単一反応混合物中で複数の分析物を増幅する多重アッセイで特に有用である。多重等温転写ベースの増幅アッセイは、しばしば、1回の反応において約6個以下の分析標的の増幅に制限される。これは、プライマーの相互作用によって1つ以上の標的の増幅が非効率的になり、アッセイ感度が低下するからである。多数の異なるプライマーおよびプライマーの組み合わせのデザインおよび試験によって多重アッセイにおける増幅効率を増大させることができる、開示の系は、最初の増幅期で標的特異的プライマーを使用し、その後に第2の増幅期で全ての標的アンプリコンを増幅するためのユニバーサルプライマーを使用することによってプライマー相互作用を最小にする。したがって、多重反応における多数の各プライマーまたはプライマーの組み合わせをデザインおよび試験する必要性を減少しながら増幅効率を増大させる。開示の組成物および方法は、系が複合体混合物中に存在する1つ以上の所望の標的を増幅し得るという利点を提供し、複合体混合物は、1つ以上の内部コントロールまたは内部キャリブレーター標的を含み、これは、アッセイが適切に実施されたという情報を提供するか、結果の定量に使用される情報を提供する。多重アッセイデザインの簡潔化に加えて、開示の組成物および方法により、アッセイ試薬の製造およびアッセイ工程の実施の両方を簡略化できるという利点が得られ、限られた数の試薬が所望の各標的について使用される。すなわち、所望の各標的のために、所望の標的に固有のたった1つまたは対の標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマーを、最初の増幅期で使用するためにデザインし、その後の増幅期は多数の標的の増幅に一般的に使用されるユニバーサル試薬を使用する。TSUプライマーは、同一オリゴヌクレオチド中に標的特異的(TS)配列およびユニバーサル(U)配列の両方を含むが、TSUプライマーは、プロモーター配列などのさらなる配列を含むことができる。開示の方法は多用途であり、この方法を使用してすべて1つの反応で増幅された1つの標的または複数の異なる標的を検出することができ、増幅産物を反応の終了時(終点検出)または反応中(リアルタイム検出)に検出することができる。典型的には、TSUプライマーが最初の増幅期で使用される単離標的核酸とハイブリッド形成し、TSUプライマーによって導入されたユニバーサル配列に特異的なユニバーサルプライマーその後の増幅反応混合物中で使用されるように、標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマーを標的捕獲試薬(TCR)中に準備する。
別途記載しない限り、本明細書中で使用される科学用語および技術用語は、技術文献(例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd ed.(Singletonら,1994,John Wiley & Sons,New York,N.Y.)または分子生物学に関連する他の周知の技術刊行物に基づく分子生物学分野の当業者によって一般的に理解されている意味を有する。別途記載しない限り、本明細書中で使用するか意図される技術は、分子生物学分野で周知の標準的方法である。開示の方法および組成物の態様の理解を補助するために、いくつかの用語を、本明細書中に記載の実施形態によってより詳細に記載するか例証する。
核酸は、ポリヌクレオチド化合物をいう。このポリヌクレオチド化合物には、標準的なホスホジエステル結合または他の結合によって共有結合した窒素複素環塩基または塩基アナログを有するヌクレオシドまたはヌクレオシドアナログを含むオリゴヌクレオチドが含まれる。核酸には、RNA、DNA、キメラDNA−RNAポリマー、またはそのアナログが含まれる。核酸では、骨格は、種々の結合(1つ以上の糖−ホスホジエステル結合、ペプチド−核酸(PNA)結合(PCT番号WO95/32305号)、ホスホチオアート結合、メチルホスホナート結合、またはその組み合わせが含まれる)から構成され得る。核酸中の糖部分は、リボース、デオキシリボース、または置換(例えば、2’メトキシおよび2’ハライド(例えば、2’−F)置換)を有する類似の化合物であり得る。窒素含有塩基は、従来の塩基(A、G、C、T、U)、そのアナログ(例えば、イノシン;The Biochemistry of the Nucleic Acids 5−36,Adamsら,ed.,11th ed.,1992)、プリン塩基またはピリミジン塩基の誘導体(例えば、N−メチルデオキシグアノシン、デアザ−またはアザ−プリン、デアザ−またはアザ−ピリミジン、種々の化学的位置のいずれかに変化したまたは置換基を有するピリミジンまたはプリン(例えば、2−アミノ−6−メチルアミノプリン、O−メチルグアニン、4−チオ−ピリミジン、4−アミノ−ピリミジン、4−ジメチルヒドラジン−ピリミジン、およびO−アルキル−ピリミジン)、またはピラゾロ化合物(非置換または3置換ピラゾロ[3,4−d]ピリミジンなど)であり得る(例えば、米国特許第5,378,825号、同第6,949,367号、およびPCT番号WO93/13121号)。核酸は、骨格が1つ以上の位置に窒素含有塩基を持たない「脱塩基」位置を含むことができる(Arnoldらに付与された米国特許第5,585,481号)。例えば、1つ以上の脱塩基位置により、個別のオリゴヌクレオチド配列共に連結するリンカー領域を形成することができる。核酸は、従来のRNAおよびDNAで見出される従来の糖、塩基、および結合のみを含むことができるか、従来の成分および置換基(例えば、2’メトキシ骨格によって連結した従来の塩基または従来の塩基および1つ以上のアナログの混合物を含むポリマー)を含むことができる。この用語には、「ロックド核酸(locked nucleic acids)」(LNA)が含まれる。LNAは、RNA模倣糖高次構造中に閉じ込められた二環式フラノース単位を有する1つ以上のLNAヌクレオチド単量体を含み、ssRNA、ssDNA、またはdsDNA中の相補配列に対するハイブリッド形成親和性を増強する(Vesterら,2004,Biochemistry 43(42):13233−41)。
交換可能な用語「オリゴヌクレオチド」および「オリゴマー」は、一般に1,000未満のヌクレオチド(nt)でできた核酸ポリマー(下限が約2〜5ntで上限が約500〜900ntのサイズ範囲の核酸ポリマーが含まれる)をいう。好ましいオリゴマーのサイズ範囲は、下限が5〜15ntで上限が50〜500ntであり、特に好ましい実施形態のサイズ範囲は、下限が10〜20ntで上限が25〜150ntである。好ましいオリゴヌクレオチドを、任意の周知のin vitroでの化学的または酵素的方法の使用によって合成的に作製し、合成後に標準的方法(例えば、高速液体クロマトグラフィ(HPLC))の使用によって精製することができる。
増幅オリゴヌクレオチドには、酵素的に伸長せず、標的核酸またはその相補物とハイブリッド形成し、in vitro核酸増幅反応に関与するプライマーおよびオリゴヌクレオチドが含まれる。この反応では、新規の核酸鎖を合成開始点としてプライマーの末端を使用することによってテンプレート鎖から合成し、この合成は、一般に、酵素ポリメラーゼ活性によって触媒される。酵素的に伸長される増幅オリゴヌクレオチドには、プライマーおよびプロモーター−プライマーが含まれ、これらのプライマーには、分析(標的)核酸配列中に含まれる配列と同一であるか完全に相補的である標的特異的(TS)配列および分析配列中に含まれないか相補的でないが、分析配列の代替物またはタグとしての機能を果たすために導入されるユニバーサル(U)配列を含むTSUプライマーが含まれる。U配列を、分析物またはTS配列に連結し、これを、分析配列の代わりに増幅および/または検出して混合物中の1つ以上の分析物の存在を示すことができる。TSUプライマーの実施形態は、プロモーター配列などのさらなる配列情報を含むことができ、これにより、TSUプロモータープライマーと呼ばれるTSUプライマーが得られる。TSUプロモータープライマーと区別するために、プロモーター配列を含まないTSUプライマーを、TSU非プロモータープライマーと呼ぶことができる。一般にユニバーサルプライマー(UP)と呼ばれる増幅オリゴヌクレオチドの実施形態は、その後のアッセイ工程で分析物の代替物としての機能を果たすための分析配列に連結したユニバーサル配列またはタグ配列を増幅するために使用される配列を含む。ユニバーサルプライマー(UP)はユニバーサル配列のみを含むことができ、分析物特異的配列を含むことができないが、UPはプロモーター配列などのさらなる機能配列を含むこともできる。「ユニバーサル非プロモータープライマー」または「ユニバーサルプロモータープライマー」などの用語を、異なるUP型を区別するために使用することができる。酵素的に伸長されない増幅オリゴヌクレオチドは、典型的に、酵素の重合開始のための使用を阻害または防止する化学的または構造的に遮断する3’末端を有するが、これらのオリゴヌクレオチドは機能的に増幅に関与する。酵素的に伸長されない増幅オリゴヌクレオチドの例には、TSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドおよびブロッカーオリゴヌクレオチドが含まれ、ブロッカーオリゴヌクレオチドは、ブロッカーオリゴヌクレオチドが結合する標的鎖上の位置を超えて、プライマーの鎖伸長が進行することを阻害または防止するために標的鎖に結合する。
増幅オリゴヌクレオチドのサイズを、一般に、オリゴヌクレオチド中に含まれる機能的部分によって決定する。プロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドの成分部分には、RNAポリメラーゼ(RNP)に特異的なプロモーター配列が含まれる。RNPおよびその対応するプロモーター配列は周知であり、種々の供給源(例えば、ウイルス、バクテリオファージ、真菌、酵母、細菌、動物、植物、またはヒトの細胞)から精製するか、これら由来の材料の使用によってin vitroで合成的に作製することができる。RNPおよびプロモーターの例には、RNAポリメラーゼIIIおよびそのプロモーター(Agamiらに付与された米国特許第7,241,618号)、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼおよびそのプロモーターまたはその変異体(Zimanらに付与された米国特許第7,229,765号およびHaydockに付与された同第7,078,170号)、高度好熱菌由来のRNAポリメラーゼおよびプロモーター(Sakanyanらに付与された米国特許第7,186,525号)、HIV−1またはHCV由来のRNAポリメラーゼ、および植物に指向するRNP(Odellらに付与された米国特許第7,060,813号)が含まれる。プロモータープライマーまたはプロバイダーオリゴヌクレオチドには、選択されたRNPに機能的に連結するプロモーター配列が含まれる。プロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドの好ましい実施形態には、T7 RNPと共に使用され、プロモーター配列が25〜30ntの範囲であるT7プロモーター配列(配列番号67または68(配列番号67、aatttaatacgactcactatagggaga;配列番号68、gaaattaata cgactcactatagggaga)のプロモーター配列など)が含まれる。ユニバーサル(U)部分を含む増幅オリゴヌクレオチドには、典型的には、5〜40ntの範囲、好ましい実施形態では10〜25nt、10〜30nt、または15〜30ntの範囲のU配列が含まれる。標的特異的(TS)部分を含む増幅オリゴヌクレオチドには、典型的には、10〜45ntの範囲、好ましい実施形態では10〜35ntまたは20〜30ntの範囲のTS配列が含まれる。複数のU配列および/または複数のTS配列を含む増幅オリゴヌクレオチドは、各機能的配列の長さによって決定されるサイズ範囲であろう。例えば、U配列およびTS配列を含むプロモータープライマーまたはプロバイダーオリゴヌクレオチドのサイズは、プロモーター、U配列、およびTS配列のサイズの和であり、任意に、連結ヌクレオチドまたは非ヌクレオチド部分(例えば、脱塩基リンカー)を含むことができる。本明細書中に記載の複数の機能的成分から構成される増幅オリゴヌクレオチドを、標準的なホスホジエステル結合、核酸アナログ結合、または異なる機能的部分の間の直接的な非核酸結合によって共有結合することができるか、機能的部分の間のスペーサーとしての機能を果たすさらなる核酸配列または非核酸(例えば、脱塩基結合)化合物の使用によって共に共有結合することができる。非共有結合の使用(オリゴヌクレオチド間の結合対メンバーの相互作用(2つ以上のオリゴヌクレオチド中に含まれる相補配列の直接ハイブリッド形成が含まれる)の使用など)によるか、またはオリゴヌクレオチドの各結合対メンバー(例えば、支持体に結合した各オリゴヌクレオチドのための結合対メンバー)が結合する連結成分を介して増幅オリゴヌクレオチドのいくつかの実施形態を共に連結して複合体を形成することができる。
プライマーに加えて、他の増幅オリゴマーには、遮断オリゴヌクレオチドおよびプロモータープロバイダーオリゴマーが含まれ得る(例えば、Kacianらに付与された米国特許第5,399,491号、同第5,554,516号、および同第5,824,518号、Mullisらに付与された米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、および同第4,800,159号、ならびにBeckerらの米国特許出願公開第2006/0046265(A1)号)。遮断オリゴヌクレオチドは、通常3’末端付近または3’末端に化学的および/または構造的な修飾を含み、酵素手段によるオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防止または妨害するオリゴヌクレオチドをいう。かかる修飾の例には、3’2’−ジデオキシヌクレオチド塩基、酵素伸長を妨害する3’非ヌクレオチド部分の使用、または2つの5’末端を有する最終オリゴヌクレオチドを作製するための3’→5’方向でのオリゴヌクレオチドへの短い配列の結合(すなわち、その3’末端でのオリゴヌクレオチドの共有結合によって、第2の通常はより短い5’→3’オリゴヌクレオチドに結合した第1の5’→3’オリゴヌクレオチド)が含まれる。別の修飾例は、キャップの5’末端塩基がオリゴヌクレオチドの3’末端塩基に相補的であるような、オリゴヌクレオチドの3’末端における少なくとも3ntに相補的な配列から構成される「キャップ」である。遮断オリゴヌクレオチド合成的に伸長しないにもかかわらず、これらは、例えば、遮断オリゴヌクレオチドが結合する位置を超えた相補鎖の合成を妨害するための核酸テンプレート鎖上の特異的な位置とのハイブリッド形成によって、核酸増幅に関与し得る。プロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドは、通常はオリゴヌクレオチド上にプロモーター配列を含むオリゴヌクレオチドをいう。このオリゴヌクレオチドは、DNAプライマー伸長産物(例えば、cDNA)の3’領域とハイブリッド形成してプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドと伸長産物との間にハイブリッド形成複合体を形成する第1の領域、および第1の領域に対して5’側に存在し、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列である第2の領域を含む。伸長産物を有するハイブリッド形成複合体の形成により、プロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドは、機能的プロモーターを含むdsDNAを作製するためのテンプレートとしての機能を果たすことができる。伸長産物またはcDNAをさらなる鎖の合成のためのテンプレートとして使用する場合、すなわち、テンプレートとしてのcDNAの使用、およびテンプレートとしてのプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドのプロモーター配列の使用により作製された新規に合成された鎖の伸長により、機能的プロモーターを含む実質的に二本鎖の構造をin vitroで合成する。
核酸の増幅は、標的核酸配列または標的核酸配列の代替物としての機能を果たすユニバーサル配列もしくはタグ配列の全部または一部と同一または相補的である核酸鎖のin vitroでの作製過程をいい、これら全ては標的核酸がサンプル中に存在する場合のみ作製される。典型的には、核酸増幅は、1つ以上の核酸ポリメラーゼおよび/または転写酵素を使用して、標的ポリヌクレオチドもしくはそのフラグメント、標的ポリヌクレオチドもしくはそのフラグメントに相補的な配列、または標的ポリヌクレオチドの代替物としての機能を果たすために増幅系に導入されたユニバーサル配列もしくはタグ配列の複数のコピーを産生し、検出工程などでアッセイ中のいくつかの点で標的ポリヌクレオチドの存在を示す。in vitro核酸増幅技術は周知であり、転写関連増幅方法(転写媒介増幅(transcription mediated amplification)(TMA)または核酸配列ベースの増幅(nucleic acid sequence based amplification)(NASBA)など)および他の方法(ポリメラーゼ連鎖反応(PCR),逆転写酵素−PCR,レプリカーゼ媒介増幅(replicase mediated amplification)、およびリガーゼ連鎖反応(LCR)など)が含まれる。
本明細書中に開示のいくつかの実施形態の理解を助けるために、以前に詳述されているTMA法(例えば、Kacianらに付与された米国特許第5,399,491号、同第5,554,516号、および同第5,824,518号)を簡潔にまとめる。TMAでは、増幅すべき配列を含む標的核酸を、一本鎖核酸(例えば、ssRNAまたはssDNA)として準備する。二本鎖核酸(例えば、dsDNA)を一本鎖核酸に変換する従来の方法を使用することができる。プロモータープライマーがその標的配列で標的核酸に特異的に結合し、逆転写酵素(RT)がテンプレートとして標的鎖を使用してプロモータープライマーの3’末端を伸長してcDNAコピーを作製し、RNA:cDNA二重鎖が得られる。RNアーゼ活性(例えば、RT酵素のRNアーゼH)が、RNA:cDNA二重鎖のRNAを消化し、第2のプライマーがプロモータープライマー末端から下流のcDNA中のその標的配列に特異的に結合する。次いで、RTがテンプレートとしてcDNAを使用した第2のプライマーの3’末端の伸長によって新規のDNA鎖を合成し、機能的プロモーター配列を含むdsDNAを作製する。機能的プロモーターに特異的なRNAポリメラーゼが転写を開始して、最初の標的鎖の約100〜1000個のRNA転写物(増幅されたコピーまたはアンプリコン)を産生する。第2のプライマーが各アンプリコン中のその標的配列に特異的に結合し、RTがアンプリコンRNAテンプレートからcDNAを作製して、RNA:cDNA二重鎖を産生する。RNアーゼがRNA:cDNA二重鎖由来のアンプリコンRNAを消化し、プロモータープライマーの標的特異的配列が新規に合成されたDNA中のその相補配列に結合し、RTがプロモータープライマーの3’末端を伸長して、RNAポリメラーゼが結合し、かつ標的鎖に相補的なさらなるアンプリコンを転写する機能的プロモーターを含むdsDNAを作製する。反応中にこれらの工程を繰り返し使用する自己触媒サイクルにより、最初の標的配列の約10億倍増幅される。アンプリコンを、アンプリコン中に含まれる配列に特異的に結合するプローブの使用によって、増幅中(リアルタイム検出)または反応終点(終点検出)に検出することができる。結合したプローブに起因するシグナルの検出は、サンプル中の標的核酸の存在を示す。
標的核酸の存在を示す転写物の作製によってin vitroで核酸を増幅するために1つのプライマーまたは1つ以上のさらなる増幅オリゴマーを使用する別の転写関連増幅形態は、以前に詳述されている(Beckerらの米国特許出願公開2006/0046265号)。簡潔に述べれば、この単一プライマー法は、プライミングオリゴマー、その3’末端からのDNA合成の開始を防止するように改変されたプロモーターオリゴマー(またはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド)、および、任意に、標的鎖由来のcDNAの伸長を終結するための結合分子(例えば、3’遮断オリゴマー)を使用する。本方法は、(i)プライマー伸長反応を標的配列の3’末端から開始することができるように標的配列の3’末端とハイブリッド形成するプライミングオリゴヌクレオチド、および(ii)標的配列の5’末端の隣りまたは付近に存在する標的核酸に結合する結合分子を用いた、RNA標的配列を含む標的核酸の処理によって標的配列の複数のコピーを合成する。プライミングオリゴヌクレオチドを、DNAポリメラーゼの使用によってプライマー伸長反応中で伸長して、標的配列に相補的なDNAプライマー伸長産物を得る。このDNAプライマー伸長産物は、結合分子によって決定され、標的配列の5’末端に相補的な3’末端を有する。次いで、本方法は、標的配列を選択的に分解する酵素の使用によって標的配列由来のDNAプライマー伸長産物を分離し、DNAプライマー伸長産物の3’領域とハイブリッド形成し、プロモーターオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッドを形成する、第1の領域および第1の領域に対して5’側に存在するRNAポリメラーゼのプロモーターである第2の領域から構成されるプロモーターオリゴヌクレオチドでDNAプライマー伸長産物を処理する。ここで、プロモーターオリゴヌクレオチドは、プロモーターオリゴヌクレオチドからのDNA合成の開始を防止するように改変されている。本方法は、プロモーターオリゴヌクレオチド:DNAプライマー伸長産物ハイブリッド中のDNAプライマー伸長産物の3’末端を伸長してプロモーターオリゴヌクレオチドの第2の領域に相補的な配列を付加し、これを使用し、プロモーターを認識して転写を開始するRNAポリメラーゼを使用して、DNAプライマー伸長産物に相補的な複数のRNA産物を転写する。この方法により、標的配列と実質的に同一のRNA転写物が産生される。
1プライマー転写媒介増幅方法の実施形態は、標的配列の3’部分中の位置でのプライマーおよび標的配列の5’部分中の位置での3’遮断オリゴマー(すなわち、結合分子)の標的RNAとのハイブリッド形成によってRNA標的配列の複数のコピーを合成する。次いで、RTのDNAポリメラーゼ活性により、プライマーの3’末端からの伸長が開始されて、テンプレート鎖を有する二重鎖(RNA:cDNA二重鎖)中でcDNAを産生する。結合した3’遮断オリゴマーがこの位置を超えるcDNAの伸長を妨害するので、3’遮断オリゴマーは、増幅すべき配列の意図する5’末端に隣接する位置で標的鎖に結合する。すなわち、伸長産物が標的鎖に結合した遮断分子に到達した場合に重合工程を停止するので、cDNAの3’末端は結合分子の位置によって決定される。RNA:cDNA二重鎖を、RNAを分解するRNアーゼ活性(RTのRNアーゼH)によって分離するが、当業者は任意の鎖分離形態を使用することができることを認識しているであろう。プロモータープロバイダーオリゴマーは、RNAポリメラーゼのための5’プロモーター配列およびハイブリッド形成するcDNAの3’領域中の配列に相補的な3’配列を含む。プロモータープロバイダーオリゴマーは、プロモータープロバイダーオリゴマーの3’末端からのDNA合成の開始を防止するための遮断部分を含む修飾3’末端を有する。cDNAとハイブリッド形成するプロモータープロバイダーでできた二重鎖では、cDNAの3’末端をRTのDNAポリメラーゼ活性の使用によって伸長し、プロモータープロバイダーオリゴマーはcDNAの3’末端にプロモーター配列を付加するためのテンプレートとしての機能を果たし、それにより、プロモータープロバイダーオリゴマー上の配列およびプロモータープロバイダーテンプレートから作製された相補cDNA配列から構成される機能的二本鎖プロモーターを作製する。プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼは、機能的プロモーターに結合し、cDNAに相補的であり、且つ最初の標的RNA鎖の標的配列と実質的に同一である複数のRNA転写物を転写する。得られた増幅RNAは、プライマーの結合およびさらなるcDNA産生のためのテンプレートとしての機能を果たすことによってこの過程を再度循環し、最終的に、サンプル中に存在する最初の標的核酸から多数のアンプリコンを産生することができる。1プライマー転写関連増幅法の実施形態は、結合分子としての機能を果たす3’遮断オリゴマーを使用する必要がなく、結合分子が含まれない場合、プライマーから作製されたcDNA産物は、中間体3’末端を有するが、増幅は実質的に上記のように進行する。この増幅方法の性質のために、この増幅方法を、実質的に等温の条件下で行う(すなわち、PCRベースの方法で使用されるような鎖を分離するか、プライマーをハイブリッド形成させるためのインキュベーション温度の上昇および低下サイクルを使用しない)。
増幅産物の検出を、任意の公知の方法の使用によって行うことができる。例えば、増幅核酸を表面に会合させて、検出可能な物理的変化(例えば、電位変化)を得ることができる。増幅核酸を、液相中で検出するか、マトリックス中またはマトリックス上での増幅核酸の濃縮および増幅核酸と会合した標識の検出(例えば、臭化エチジウムまたはサイバーグリーンなどの挿入剤)によって検出することができる。他の検出方法は、増幅産物中の配列に相補的なプローブを使用し、プローブ:産物複合体の存在を検出するか、プローブ複合体を使用して増幅産物から検出されたシグナルを増幅する(例えば、Hoganらに付与された米国特許第5,424,413号および同第5,451,503号、Urdeaらに付与された米国特許第5,849,481号)。他の検出方法は、標識プローブが増幅産物に結合した場合に限ってシグナルが変化することによりシグナル産生が標的配列の存在に関連するプローブを使用する(分子ビーコン、分子トーチ、ハイブリッド形成スイッチプローブなど)(例えば、Lizardiらに付与された米国特許第5,118,801号および同第5,312,728号,Tyagiらに付与された米国特許第5,925,517号および同第6,150,097号,Beckerらに付与された米国特許第6,849,412号、同第6,835,542号、同第6,534,274号、および同第6,361,945号、Beckerらの米国特許出願公開第2006/0068417(A1)号、およびArnoldらの米国特許出願公開第2006/0194240(A1)号)。かかるプローブは、典型的には、プローブの一方の末端に結合している標識(例えば、フルオロフォア)およびプローブが1つの高次構造中に存在する(「閉じている(closed)」)(増幅産物とハイブリッド形成していないことを示す)場合に標識からのシグナル産生を阻害する、プローブの別の位置に結合している相互作用化合物(例えば、クエンチャー)を使用するが、プローブが増幅産物とハイブリッド形成する(その高次構造が変化する(「開く」))場合に検出可能なシグナルが産生される。増幅産物と特異的に会合する直接または間接的に標識されたプローブ由来のシグナルの検出は、増幅した標的核酸の存在を示す。
特異的結合対(または結合パートナー)のメンバーは、相互に特異的に認識して結合する部分である。メンバーを、第1の結合対メンバー(BPM1)および第2の結合対メンバー(BPM2)と呼ぶことができ、これらは、相互に特異的に結合する種々の部分を示す。特異的結合対の例は、受容体およびそのリガンド、酵素およびその基質、補因子、または補酵素、抗体またはFabフラグメントおよびその抗原またはリガンド、糖およびレクチン、ビオチンおよびストレプトアビジンまたはアビジン、リガンドおよびキレート剤、タンパク質またはアミノ酸およびその特異的結合金属(ヒスチジンおよびニッケルなど)、実質的に相補的なポリヌクレオチド配列(完全にまたは部分的に相補的な配列が含まれる)および相補的ホモポリマー配列である。特異的結合対は、天然に存在するもの(例えば、酵素および基質)、合成のもの(例えば、合成受容体および合成リガンド)、または天然に存在するBPMおよび合成BPMの組み合わせであり得る。
標的捕獲は、サンプル混合物の他の成分(細胞フラグメント、オルガネラ、タンパク質、脂質、炭水化物、または他の核酸など)からの標的核酸の選択的分離をいう。標的捕獲系は、特異的であり、例えば、意図する標的核酸に特異的な配列の使用によって他のサンプル成分から所定の標的核酸を選択的に分離することができるか、非特異的であり、標的の他の特徴(例えば、物理的特徴を示さない他のサンプル成分と標的核酸を区別する標的核酸の他の性質)の使用によって他のサンプル成分から標的核酸を選択的に分離することができる。好ましい標的捕獲方法および組成物は、以前に詳述されている(Weisburgらに付与された米国特許第6,110,678号および同第6,534,273号ならびにBeckerらの米国特許出願第11/832,367号)。好ましい標的捕獲実施形態は、液相中の捕獲プローブおよび支持体に結合した固定プローブを使用し、標的核酸と複合体を形成し、他の成分から捕獲標的を分離する。
捕獲プローブは、相補核酸配列であり得る結合対メンバーの使用によって標的核酸および固定プローブを連結する少なくとも1つの核酸オリゴマーをいう。1つの捕獲プローブ実施形態は、非特異的に標的核酸に結合し、サンプルからの分離のための支持体と連結するのに対して、別の実施形態は、例えば、特異的結合対相互作用によって標的核酸中の配列に特異的に結合する標的特異的(TS)配列および固定プローブに結合する固定プローブ結合領域を含む。TS配列および固定プローブ結合領域の両方が核酸配列である実施形態では、これらは共有結合によって連結されていても、1つ以上のリンカーによって連結された異なるオリゴヌクレオチド上にあってもよい。固定プローブは、支持体に結合した部分をいい、この部分は、例えば、特異的結合対(非核酸結合(例えば、アビジンのビオチンとの結合)および核酸配列ハイブリッド形成が含まれる)の連結メンバーによって支持体に捕獲プローブを直接または間接的に連結する。固定プローブには、非結合物質(標的捕獲反応混合物中の他のサンプル成分および/または他のオリゴヌクレオチドなど)からの結合標的の分離を促進するために支持体に結合したオリゴヌクレオチドが含まれる。標的捕獲(TC)複合体には、標的核酸中の配列と特異的にハイブリッド形成する捕獲プローブのTS配列および支持体上の固定プローブに結合した捕獲プローブの固定プローブ結合領域が含まれる。
支持体は、溶液中に分散したマトリックスまたは粒子などの公知の材料をいい、ニトロセルロース、ナイロン、ガラス、ポリアクリラート、混合ポリマー、ポリスチレン、シラン、金属、またはポリプロピレンで作製され得る。好ましい支持体は、磁気的に引き付けられる粒子(例えば、一貫した結果を得るために一定サイズ±5%の単分散磁性球体)である。支持体に固定プローブを直接(共有結合、キレート化、またはイオン相互作用を介する)または間接的に(1つ以上のリンカーを介する)連結して、標的捕獲反応で使用した条件下で支持体に固定プローブを安定に結合する。
分離または精製は、混合物中の1つ以上の他の成分からの混合物(サンプルなど)の1つ以上の成分の取り出しである。サンプル成分には、細胞フラグメント、タンパク質、炭水化物、脂質、および他の化合物を含み得る一般に水液相中の核酸が含まれる。好ましい実施形態は、混合物中の他の成分から標的核酸の少なくとも70%〜80%、より好ましくは約95%を分離または取り出す。
標識は、検出することができるか検出可能な反応を導くことができる分子部分または化合物をいい、この標識を核酸プローブに直接または間接的に連結することができる。直接標識は、標識およびプローブ連結するための結合または相互作用を使用することができる。この結合または相互作用には、共有結合、非共有相互作用(水素結合、疎水性相互作用、およびイオン性相互作用)、またはキレートもしくは配位錯体が含まれる。間接標識は、直接または間接的に標識され、シグナルを増幅することができる架橋部分またはリンカー(例えば、抗体、オリゴマー、または他の化合物)を使用することができる。標識には、任意の検出可能な部分(例えば、放射性核種、リガンド(ビオチン、またはアビジン)、酵素、酵素基質、反応基、発色団(検出可能な色素、粒子、またはビーズ)、フルオロフォア、または発光性化合物(生物発光標識、リン光標識、または化学発光標識))が含まれる。好ましい化学発光標識には、アクリジニウムエステル(「AE」)およびの誘導体が含まれる(米国特許第5,656,207号、同第5,658,737号、および同第5,639,604号)。好ましい標識は、非結合形態から結合形態の物理的分離を必要とせずに混合物中の結合標識プローブが非結合標識プローブと比較して検出可能な変化(例えば、安定性または分解の相違)を示す均一系アッセイ中で検出可能である(例えば、米国特許第5,283,174号、同第5,656,207号、および同第5,658,737号)。標識の合成方法、核酸への標識の結合方法、および標識の検出方法は周知である(例えば、Sambrookら,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd ed.(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989),Chapt.10;米国特許第5,658,737号、同第5,656,207号、同第5,547,842号、同第5,283,174号、および同第4,581,333)。
アレイは、二次元形式または三次元形式に配置された複数の成分をいい、これは、類似の方法または同一の方法の工程を上記成分に対して実質的同時に実施することを可能にする。アレイの例は周知であり、所定の構成で支持体に結合した10〜数千個のオリゴヌクレオチドを含む高密度マイクロアレイまたは遺伝子チップが含まれる。かかるアレイにより、同一条件下異なる位置における全てのオリゴヌクレオチドに対してアッセイ工程(例えば、アレイに適用したサンプル中の核酸のハイブリッド形成または特異的配列の検出)を実施することが可能である。
サンプルは、目的の分析物を含み得る検体をいい、例えば、微生物、ウイルス、遺伝子などの核酸、またはその成分であり、分析物中または分析物に由来する核酸配列を含む。サンプルは、任意の供給源(生物検体または環境供給源など)に由来し得る。生物検体には、分析物または分析物中の、もしくは分析物に由来する核酸を含み得る、生きている生物または死んでいる生物に由来する任意の組織または物質が含まれる。生物サンプルの例には、呼吸組織、滲出液(例えば、気管支肺胞洗浄液)、生検、痰、末梢血、血漿、血清、リンパ節、胃腸組織、糞便、尿、または他の流動物、組織、もしくは材料が含まれる。環境サンプルの例には、水、氷、土壌、スラリー、デブリ、バイオフィルム、浮遊微小粒子、およびエアゾールが含まれる。サンプルは、濾過、遠心分離、沈殿、または媒体(マトリックスまたは支持体など)への接着の使用などによサンプルの処理から得た処理済み検体または材料であり得る。サンプルの他の処理には、他の成分(酵素、緩衝液、塩、および界面活性剤など)を含み得る溶液中に核酸を含む細胞内成分を放出するために組織、細胞凝集体、または細胞を物理的または機械的に破壊する処理が含まれ得る。
「本質的に〜からなる」を、本明細書中に記載のユニバーサル配列およびTS配列を使用する等温増幅方法の基本的および新規の特徴を実質的に変化させないさらなる成分、組成物、または方法工程を組成物または方法に含めることができることを意味するために使用する。かかる特徴には、TSUオリゴヌクレオチドの構造(本明細書中に記載の複数のTSUオリゴヌクレオチドの複合体が含まれる)、ならびに1つ以上のユニバーサル配列の各標的配列との会合、実質的に等温のin vitro条件下での分析物または標的核酸の代替物としての機能を果たす少なくとも1つのユニバーサル配列の増幅、およびアッセイしたサンプル中の少なくとも1つの分析物の存在を示すためのユニバーサル配列の増幅に起因する応答の検出による、サンプル中の1つ以上の分析物または標的核酸を検出するための方法の能力が含まれる。特許請求の範囲に記載の組成物および/または方法の基本的特徴に実質的効果を及ぼす任意の成分、組成物、または方法工程は、この用語から外される。
開示の方法の好ましい実施形態は、一般に転写関連増幅法と呼ばれる等温増幅系の態様を使用し、この増幅法は以前に詳述されている(Kacianらに付与された米国特許第5,399,491号および同第5,554,516号;Burgらに付与された米国特許第5,437,990号;GingerasらのPCT番号WO88/01302号およびWO88/10315号;Malekらに付与された米国特許第5,130,238号;Urdeaらに付与された米国特許第4,868,105号および同第5,124,246号;RyderらのPCT番号WO95/03430号;およびBeckerらの米国特許出願公開第2006/0046265(A1)号)。例には、転写媒介増幅(TMA)および核酸配列ベースの増幅(NASBA)が含まれる。典型的には、転写関連増幅は、RNAポリメラーゼを使用して、RNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、リボヌクレオシド三リン酸、プロモーター配列を含むテンプレート相補増幅オリゴヌクレオチド、および任意に、プライマーとしての機能を果たし得る1つ以上の他のオリゴヌクレオチドを使用する一連の工程の使用によって核酸テンプレートから複数のRNA転写物を産生する。好ましい開示の実施形態は、TMA(米国特許第5,399,491号および同第5,554,516号)または1プライマー転写関連増幅(米国特許出願公開第2006/0046265(A1)号)に基づくが、当業者は、オリゴヌクレオチド配列のポリメラーゼ媒介伸長に基づく他の増幅方法を本明細書中に記載の組成物および/または方法工程と共に使用することができることを理解しているであろう。
本明細書中に開示の方法は、ユニバーサル転写関連増幅反応において3つの基本工程を使用する。第1に、標的捕獲(TC)工程は、1つ以上のTSUプライマー(連結複合体で存在し得る)を標的核酸とハイブリッド形成することならびに混合物から標的およびプライマーを含むハイブリッド形成複合体を捕獲し、他のサンプル成分から標的核酸を分離することを含む。標的捕獲混合物は、複数のTSUプライマーを含むことができ、このプライマーの各型は、サンプル混合物中に存在し得る異なる標的核酸に特異的である。TC工程中、サンプル混合物中に存在する標的核酸に特異的なTSUプライマーのみが標的に結合し、その後の増幅工程に供される。これは、サンプル中に存在しない他の標的に特異的なTSUプライマーは液相に残存し、捕獲された標的核酸を使用して増幅を開始する前に破棄されるか他のサンプル成分と共に洗い流されるからである。したがって、増幅中に供給源を妨害または競合し得る外来オリゴヌクレオチドを、増幅工程の開始前に除去する。捕獲標的−TSUプライマー複合体を、増幅の第1期および第2期として記載される等温増幅反応で使用する。第1の増幅期では、最初の工程は、酵素的in vitro核酸合成によって標的核酸鎖に結合したTSUプライマーを伸長し、このことは、TSUプライマーのユニバーサル配列領域をテンプレートとしての機能を果たす標的鎖から作製した最初のアンプリコンに連結する。例えば、標的鎖がRNAである場合、TSUプライマーはRNAとハイブリッド形成し、TSUプライマー上に存在するU配列を含むcDNA鎖の合成のための開始部位としての機能を果たす。第2の増幅期では、反応におけるその後の合成工程は、最初の期において産物に組み込まれたU配列を含む最初のアンプリコンを使用し、そして、ユニバーサル配列とハイブリッド形成し、かつアンプリコンのテンプレートとしての使用によって酵素的に伸長されるユニバーサルプライマーの使用によって最初およびその後のアンプリコンを増幅する。いくつかの実施形態では、2つのユニバーサル配列を、等温増幅反応の最初の増幅産物に導入し、このユニバーサル配列は相補ユニバーサル配列を含むプライマーを使用するその後の増幅の標的であり、それにより、捕獲された標的配列からより多数のアンプリコンが作製される。他の実施形態では、1つのユニバーサル配列を最初の増幅産物に導入し、第2の増幅期工程で、プライマーは導入されたユニバーサル配列に特異的なユニバーサル配列を有するプライマー、および標的核酸鎖または相補鎖中に含まれる配列に特異的な別の標的特異的プライマー(TSP)を含む。いくつかの実施形態では、標的鎖およびTSUプライマーを含む捕獲されたハイブリッド形成複合体と混合する試薬中にユニバーサルプライマーを提供し、この試薬により、第2期in vitro核酸合成で使用される1つ以上の他の成分(例えば、ヌクレオチド三リン酸、酵素、および補因子など)も得られる。
ユニバーサル転写関連増幅方法の好ましい実施形態で使用するオリゴヌクレオチドを開示し、これらには、以下が含まれる:(1)標的特異的捕獲オリゴマー(捕獲プローブということができる)、(2)標的特異的ユニバーサル(TSU)プロモータープライマーまたはTSUプロモータープロバイダー、(3)標的特異的ユニバーサル(TSU)非プロモータープライマー、(4)リンカーオリゴヌクレオチド(S−オリゴヌクレオチドということができ、これは、複合体中のTSUプライマーを連結するのに役立ち、1つのTSUオリゴヌクレオチドの一部を介して標的鎖とハイブリッド形成する)、(5)ユニバーサルプロモータープライマー(UP1ということができる)、および(6)ユニバーサル非プロモータープライマー(UP2ということができる)。
いくつかの実施形態では、2つのTSUプライマーを互いに複合体に連結し、次いで、標的鎖上の相補配列とのTSUプライマー中のTS配列のハイブリッド形成の使用によって標的鎖にハイブリッド形成する。かかるTSUプライマーの連結を、連結オリゴヌクレオチドとのTSUプライマーのハイブリッド形成によって媒介することができる。この連結オリゴヌクレオチドは、連結オリゴヌクレオチドが3オリゴヌクレオチド複合体中の2つのTSUプライマーと非共有結合する場合にその蛇行形態によって時折S−オリゴヌクレオチドと呼ばれる。S−オリゴヌクレオチドの第1の末端配列は第1のTSUプライマーの一部に相補的であり、これとハイブリッド形成し、S−オリゴヌクレオチドの第2の配列は第2のTSUプライマーの一部に相補的であり、これとハイブリッド形成する。いくつかの実施形態では、TSUプロモータープライマー配列を、S−オリゴヌクレオチドリンカーを使用することなく、TSU非プロモータープライマー配列に連結することができる。例えば、TSUプロモータープライマー配列およびTSU非プロモータープライマー配列を、介在スペーサーオリゴヌクレオチド配列または非ヌクレオシド共有結合リンカー化合物などの使用によって両方の機能的配列が直接または間接的に共有結合された1つのオリゴヌクレオチドとして合成することができる。他の実施形態では、2つのTSUオリゴヌクレオチド配列を、個別のオリゴヌクレオチドとして合成し、その後に、例えば、ランダムリンカー配列の使用によって直接または間接的に相互にライゲーションすることによって相互に共有結合することができる。複数のTSUオリゴヌクレオチドを複合体に非共有結合する実施形態では、これらを、個別のオリゴヌクレオチドとして合成し、次いで、例えば、支持体に結合した結合対メンバーを介して1つの支持体に連結することができるか、個別のTSUオリゴヌクレオチドは、直接ハイブリッド形成して2つの機能的TSUオリゴヌクレオチドを複合体に連結する相補配列を含むことができる。例えば(以下の「実施形態a」に示す)、第1のTSUオリゴヌクレオチドを、5’→3’方向に、5’プロモーター配列(P)、中央のユニバーサル配列(U1)、および3’標的特異的配列(TS1)を含むように合成し、第2のTSUオリゴヌクレオチドを、プロモーター配列に相補的な5’配列(P’)、中央のユニバーサル配列(U2)、および3’標的特異的配列(TS2)を含むように合成する。あるいは(「実施形態b」に示す)、第2のTSUオリゴヌクレオチドは、U2配列を含まずに、プロモーター配列に相補的な5’配列(P’)および3’標的特異的配列(TS2)を含むことができる。2つのTSUオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成条件下で混合する場合、これらは、以下に図示したTSUオリゴヌクレオチドの直接ハイブリッド形成(DH)複合体を形成する(式中、縦線(|||)は、相補的なP配列およびP’配列のハイブリッド形成を示す)。
Figure 2010514420
実施形態aバージョンを、図17に概略的に示す。これは、ハイブリッド形成複合体中に2つのTSUオリゴヌクレオチドを示し、このハイブリッド形成複合体は、第1のTSUプライマーのTS1配列を介して標的鎖とハイブリッド形成し、TSUプライマーが相補的P’およびP配列を介して遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドである第2のTSUオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成する。
あるいは、2つのTSUプライマーを相互に複合体に共有結合し、次いで、標的鎖上の相補配列とのTSUプライマー中のTS配列のハイブリッド形成の使用によって標的鎖とハイブリッド形成する。図18は、かかる実施形態を示す。この実施形態は、非ヌクレオチドリンカー(−C−C−)を介して共有結合して複合体を形成する2つのTSUオリゴヌクレオチドを示す。この複合体は、3’→5’方向に遮断3’末端、TS2、U2、およびプロモーター(P)配列を含むTSUプロモータープロバイダーに連結した、5’→3’方向にU1およびTS1配列を含むTSUプライマーから構成される。この複合体により、複合体中でTSUプライマーのTS1配列を介して標的鎖とハイブリッド形成する1つの伸長可能な3’末端が得られる。図18はまた、標的とハイブリッド形成したブロッカーオリゴヌクレオチドおよびそのTS配列を介して標的とハイブリッド形成したTCプローブを示す。TSUプライマー複合体を作製するための共有結合プライマーを作製する多数の方法が想定される。例えば、2つの異なるオリゴ(プライマーおよびプロモータープライマーまたはプロバイダー)の合成後、アルデヒドヒドラジンカップリング対の使用によってカップリングする。他のカップリング対(例えば、カルボキシルおよびアミン)を使用し、標準的なカルボジイミド化学を使用して縮合することができる。共有結合したTSUプライマー複合体の別の作製方法は、DNA合成機による全複合体の構築を含む。例えば、TSUプライマーの標準的3’→5’合成、スペーサー(例えば、非ヌクレオチドリンカーまたはヌクレオチドリンカー(ポリTなど))の組み込み、逆極性ホスホルアミダイトの使用によるTSUプロモータープライマーまたはプロバイダーオリゴヌクレオチドの5’→3’合成、および3’ブロッカー構造の付加(例えば、3’→5’方向で付加したC)による合成の終了の使用による。他の代替法は、同一の基本的ストラテジーを使用するが、TSU T7 プロモータープライマーまたはプロバイダーオリゴヌクレオチドから開始し、非プロモーターTSUプライマーで終了する。
増幅オリゴヌクレオチドの実施形態を、TSUオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成複合体または複数の機能的配列領域の共有結合複合体を形成しない方法工程で使用することができる。すなわち、増幅オリゴヌクレオチドを、各オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドの混合物として液相に提供することができ、液相中で各増幅オリゴヌクレオチドは標的核酸と無関係複数の増幅オリゴヌクレオチドの複合体の第1の形成を行わない方法工程で機能する。
いくつかの実施形態では、最初の増幅期でたった1つのTSUオリゴヌクレオチドを、ユニバーサル(U)配列を含まない標的特異的プライマー(TSP)と組み合わせて使用する。例えば、TSUプロモータープライマーまたはTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドをTSプライマーと組み合わせて使用することができるか、別の例では、TSUプライマーを、U配列を含まないプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用することができる。すなわち、最初の増幅期でたった1つのTSUオリゴヌクレオチドを使用して最初の期に作製されアンプリコンにU配列を導入し、TSプライマーを、標的鎖から作製される最初の相補鎖の酵素合成の開始点として使用するか、またはこれは、標的鎖から作製された鎖に相補的な鎖を作製するためのプライマーとしての機能を果たす。たった1つのTSUオリゴヌクレオチドを使用する1つの実施形態では、TSUオリゴヌクレオチドによって導入されたユニバーサル配列に特異的な1つのユニバーサルプライマーを、第2の増幅期で使用する。すなわち、1つのユニバーサル配列は、第2の増幅期中標的の代替物またはタグ配列としての機能を果たす。
TSUプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド中のプロモーター配列がバクテリオファージT7 RNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター配列である一定の実施形態では、TSUプロモータープライマーまたはプロバイダーを、「TSU T7プライマー」または「TSU T7プロバイダー」オリゴヌクレオチドということができ、これらを、TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド(「TSU非T7プライマー」という)と区別することができる。T7プロモーター配列を含むユニバーサルプライマー(UP1)を「T7−UP1プライマー」ということができ、これらは、プロモーター配列を含まないユニバーサルプライマー(UP2)(「非T7−UP2プライマー」という)と区別される。
表1は、本明細書中に記載および例示のユニバーサル転写関連増幅方法の一定の実施形態で使用することができるオリゴヌクレオチドの種々の組み合わせをまとめている。アンプリコンを種々の手段(例えば、挿入化合物)によって検出することができるので、標的捕獲工程および増幅工程で使用されるオリゴヌクレオチドのみを表1に列挙する。これらの手段の全てがさらなるオリゴヌクレオチド(例えば、検出プローブ)を必要とするという訳ではないが、当業者は、1つ以上の検出プローブオリゴヌクレオチドをこれらの方法によって作製されたアンプリコンを検出する完全なアッセイ(complete assay)で使用することができることを認識するであろう。簡潔にするために、表1は、最初の増幅期で1つの標的のためのプライマーとしての機能を果たす2つの増幅オリゴヌクレオチド(すなわち、それぞれ酵素的に伸長される3’末端を有する2つのオリゴヌクレオチド)を使用する転写媒介増幅方法をいうために「TMA」を使用する。それに対して、1プライマー転写媒介増幅方法をいうために「rTMA」を使用する。この方法は、最初の期で各分析物のためのプライマーとしての機能を果たす(すなわち、酵素的に伸長する3’末端を有する)たった1つの増幅オリゴヌクレオチドを使用し、反応物中に含まれる他のオリゴヌクレオチドは反応物中で酵素的に伸長されない(米国特許出願公開第2006/0046265号を参照のこと)。
本明細書中に記載の増幅方法に含まれる組成物および工程の実施形態を、図によって説明する。
図1に関して、本明細書中に開示の方法で使用されるオリゴヌクレオチドを、概略的に示す。上部は、ハイブリッド形成複合体を示す。この複合体は、S−オリゴヌクレオチドに非共有結合したTSUプロモータープライマー、このS−オリゴヌクレオチドに非共有結合しているTSU非プロモータープライマーから構成される。この複合体では、上に5’プロモーター配列(P、実線)、中央のユニバーサル配列(U1(破線))、および3’標的特異的配列,(TS1(二重線))を含むようにTSUプロモータープライマーを図示する。S−オリゴヌクレオチドをS状曲線(点線)で示し、これは、TSUプロモータープライマーのユニバーサル配列U1に相補的な配列U1’を含む5’領域およびTSU非プロモータープライマーのユニバーサル配列U2に相補的な配列U2’を含む3’領域を有する。TSU非プロモータープライマーを複合体の下に図示し、これは、5’ユニバーサル配列(U2(破線))および3’標的特異的配列(TS2(二重線))を含む。TSUプライマーのユニバーサル配列とS−オリゴヌクレオチドの相補配列との間のハイブリッド形成によって複合体が形成される。TSUプライマーを含む複合体の下に、5’標的特異的領域TS3(二重線)、および特異的結合対のメンバーである3’部分(三重線)を有するように図示した標的特異的捕獲オリゴヌクレオチドを示す。いくつかの実施形態では、この3’部分は、ホモポリマー核酸配列である。次に、5’プロモーター配列領域(実線)および3’ユニバーサル配列領域(U1(破線))を有するように図示したユニバーサルプロモータープライマー(UP1)を示す。次は、ユニバーサル配列(U2(破線))として示すユニバーサル非プロモータープライマー(UP2)の図である。
好ましい実施形態では、アッセイの実施に必要な付加工程数を最小にするために、最低限の試薬中に標的捕獲および増幅オリゴヌクレオチドを提供する。好ましい実施形態では、2つの試薬混合物を以下のように提供する。標的捕獲試薬(TCR)と呼ばれる第1の試薬混合物では、TSUプライマー(例えば、TSU−T7プライマーおよびTSU非T7プライマー)および所望の標的配列への特異的結合に必要な全ての補因子(例えば、標的核酸を含むサンプルと混合した場合のハイブリッド形成に適切な塩および緩衝液)が含まれる。TCRはまた、標的捕獲工程で使用される全てのオリゴヌクレオチド例えば、所望の各標的に特異的な捕獲プローブまたは非特異的捕獲プローブ、標的核酸に結合した捕獲プローブを捕獲するための支持体、標的捕獲で使用される任意の媒介オリゴヌクレオチド(支持体上の固定プローブなど)を含む。増幅試薬(AR)と呼ばれる第2の試薬混合物により、in vitro核酸合成で使用される化合物(例えば、ヌクレオチド三リン酸(NTP、dNTP)、塩、緩衝剤、酵素補因子、および酵素)に加えて、たった1組のユニバーサルプライマー、ユニバーサルプロモータープライマー、およびユニバーサル非プロモータープライマーを提供する
使用時に、TCRを意図する標的核酸を含むサンプルと混合する。標的捕獲オリゴヌクレオチドおよびTSUプライマーを含むTCRは、全ての導入されたオリゴヌクレオチドに、サンプル中の意図する各標的核酸の各相補配列と同時に特異的にハイブリッド形成させることが可能である。サンプルと混合する第1の試薬中にTSUプライマーおよび標的捕獲オリゴヌクレオチドを含めることにより、標的核酸、標的核酸とハイブリッド形成したTSUプライマー、および標的核酸の別個の配列とハイブリッド形成した捕獲オリゴヌクレオチドから構成される複合体を形成する。次いで、複合体を支持体に結合し、その意図する標的核酸に結合しないプライマーを含む他のサンプル成分から分離し、それにより、増幅工程に供される核酸をその特異的TSUプライマーに既に連結した所望の標的に制限する。支持体に結合したか支持体から分離された分離複合体を合成のために必要な成分(例えば、NTP、塩、緩衝剤)およびユニバーサルプライマーを含む増幅試薬と混合する場合、標的核酸はTSUプライマーと既にハイブリッド形成しており、それにより、最初の合成が行われ、ユニバーサルプライマーに相補的なユニバーサル配列(すなわち、ユニバーサルプロモータープライマーおよびユニバーサル非プロモータープライマー)を含む産物が産生される。次いで、ユニバーサルプライマーは、最初の合成産物中に存在する相補ユニバーサル配列と直ちにハイブリッド形成し、それにより、反応混合物にプライマーのユニバーサル組を導入するさらなる工程を使用することなく増幅反応を継続することができる。ユニバーサルプライマーはまた、反応混合物への標的特異的配列の導入を排除し、この標的特異的配列は、他のプライマー配列と分子間または分子内で相互作用し、これにより、増幅反応のその後の合成工程で人工産物が生じ得る。
図2に図示した実施形態は、サンプル中の標的核酸のその各TSUプライマーおよびその各標的特異的捕獲オリゴヌクレオチドへの特異的結合を含むユニバーサル等温増幅方法の標的捕獲期を示す。図2の1.は、複数の異なるTSUプライマー複合体(それぞれ、異なる標的a、b、およびcに特異的な標的特異的配列、TSa、TSb、およびTScを含む)の混合物である標的捕獲試薬(TCR)を示す。TCRはまた、ポリA配列として示す結合対の3’メンバーを有する各潜在的標的のための標的特異的捕獲オリゴヌクレオチドを含む。共に実質的に図1に示すように、TSUプライマー複合体を、S−オリゴヌクレオチドを介してTSU非プロモータープライマーに連結したTSUプロモータープライマーとして示し、捕獲オリゴマーを実線およびポリA領域で示す。標的核酸に特異的なTSUプライマー複合体および捕獲オリゴマーの各組について、標的特異的領域をTSa、TSb、またはTScと記す。TCRはまた、捕獲オリゴマーに特異的に結合する結合固定部分を有する支持体を含む(図2、3を参照のこと)。図2の2では、標的核酸(標的a)を含むサンプルをTCRと混合して、TSa捕獲プローブの標的特異的配列を標的a中のその相補配列に結合させ、TSUプライマー複合体中のプロモータープライマーの標的特異的配列を標的a中のその相補配列に結合させる。TSa捕獲プローブのポリA配列は、支持体に結合した固定プローブのその相補ポリT配列に結合して、TSa TSUプライマー複合体を有する捕獲された標的aが支持体によって混合物から回収される(図2、3を参照のこと)。支持体上の固定複合体の分離後の標的捕獲工程の不要物は、非結合TSUプライマー複合体を含み(TSUbおよびTSUcプライマー複合体、図2の4を参照のこと)、それにより、捕獲標的核酸が取り出され、これを次の増幅過程で使用する。
図3は、TSUプライマー複合体(図2(3)などに示している)を詳細に示している。標的鎖は捕獲複合体中に存在し、捕獲複合体は、標的鎖、相補標的配列(TS3’)と特異的にハイブリッド形成する5’標的特異的配列(TS3)および3’ポリA配列を含む捕獲プローブから構成され、3’ポリA配列が支持体に結合した相補ポリT配列である固定プローブとハイブリッド形成することを示している。縦線(|||||)を使用して、いくつかの相補配列領域の間のハイブリッド形成を示す。標的鎖はまた、標的のTS1’配列領域とTSUプライマー複合体中のTSUプロモータープライマーの相補標的特異的配列領域(TS1)との間のハイブリッド形成によってTSUプライマー複合体に結合する。TSUプライマー複合体は、3’遮断末端
Figure 2010514420
を有するS−オリゴヌクレオチドの相補U2’配列領域とそのU2配列領域でハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーから構成され、S−オリゴヌクレオチドの5’領域は、5’プロモーター配列領域(P)および3’TS1領域を含むTSUプロモータープライマー中の相補U1配列領域とそのU1’配列領域でハイブリッド形成している。標的鎖は、TSU非プロモータープライマーの標的特異的配列領域(TS2)と同一である標的特異的配列領域(TS2)を含む。標的鎖の全ての標的特異的領域(TS1’、TS2、およびTS3’)は、標的鎖中の独立した配列である。
図4は、図3に示す実施形態に類似のTSUプライマー複合体の好ましい実施形態を示す。上の鎖は、3’TS2領域および5’ユニバーサル配列領域(U2(+))から構成されるTSU非プロモータープライマーであり、これはS−オリゴヌクレオチドの3’相補U2’配列領域とハイブリッド形成し、このS−オリゴヌクレオチドは3’−3’C結合から構成される3’遮断末端を有する。S−オリゴヌクレオチドは、脱塩基スペーサーを含む。脱塩基スペーサーは3’U2’配列領域を5’U1’配列領域に連結し、5’U1’配列領域はTSUプロモータープライマー中のU1(−)配列領域に相補的であり、これとハイブリッド形成する。TSUプロモータープライマーは、内部U1領域に隣接する5’プロモーター配列(P)および3’標的特異的配列領域(TS1)を含む。このS−オリゴヌクレオチド型の好ましい実施形態は、スペーサーとして、隣接するU1’配列およびU2’配列と共有結合する脱塩基化合物(例えば、(C9)または(C9))を含む。
図2は3つのみの異なるTSUプライマー複合体および捕獲プローブ(標的a、b、およびcについてそれぞれTSUa、TSUb、およびTSUcと標識)ならびに1つのみの標的核酸(標的a)を示しているが、多数の異なるTSU複合体および捕獲オリゴヌクレオチド(それぞれ、その各標的核酸に特異的)をTCR中に含むことができると認識されるであろう。サンプルは、多数の異なる標的核酸を含むことができ、その全てを、他のサンプル成分から選択的に取り出すことができる。したがって、TCR中にさらなるTSUプライマー複合体およびプローブを含めるが、実質的に同一の図2に示す工程を使用することにより、結合したTSUプライマーおよびそれぞれその各標的に特異的に結合した捕獲オリゴヌクレオチドを有する1つ以上の異なる標的を、1つ以上の標的−プライマー複合体に選択的に結合する1つ以上の支持体の使用によって混合物から分離することができる。例えば、標的特異的捕獲プローブに選択的に結合する異なる固定プローブをそれぞれ含む異なるサイズの粒子を支持体として使用することができ、その結果、1つのサンプル中に存在する所望の各標的を、その結合した捕獲標的およびTSUプライマー複合体を有する支持体のサイズ分離によって選択的に取り出すことができる。図2は、固定ポリT配列とハイブリッド形成するためのポリA領域を含む捕獲プローブを示すが、当業者は、任意の特異的結合対のメンバーを使用して標的核酸を支持体に捕獲することができ、異なる結合対メンバーを使用して複合体サンプル混合物から異なる標的を選択的に単離することができることを認識するであろう。例えば、図2に関して、標的aに特異的なTSUaプライマー複合体を、受容体aのリガンドを含むTSa捕獲プローブの使用によって混合物から分離することができる。この受容体aは、固定プローブとして支持体に会合する。例えば、全て1つのサンプル中に含まれる標的a、b、およびcを、その各TSUプライマーと会合させ、特異的結合対パートナー(それぞれBPMa2、BPMb2、およびBPMc2)を介して固定プローブに結合する捕獲プローブ上の結合対メンバー(BPM)(それぞれ、BPMa1、BPMb1、およびBPMc1)の異なる組み合わせの使用によって他のサンプル成分から分離することができ、支持体に会合した第2の結合対パートナーによって決定された1つ以上の標的ための全ての同一の支持体またはこれらに特異的な支持体のいずれかに対して標的を個々に捕獲する。例えば、アビジンのBPMa1に会合した標的aの捕獲プローブは、第1の支持体に結合したビオチンのBPMa2を有する固定プローブの使用によってサンプルから標的aを選択的に取り出すのに対して、同一TCR中で、標的bの捕獲プローブをFabフラグメントのBPMb1と会合させ、第2の支持体に結合したFabフラグメントのリガンドのBPMa2を有する固定プローブの使用によって標的bを選択的に取り出す。この場合、第1および第2の支持体は、標準的な方法によって分離可能である。所望の標的核酸を含む結合複合体を有する支持体を、混合物中の他の成分(他のサンプル成分(細胞デブリ、オルガネラ、タンパク質、脂質、炭水化物、他の核酸など)が含まれる)ならびに非結合プライマーおよび捕獲プローブから分離することができる。任意の種々の周知の方法を使用して、例えば、遠心分離、濾過、重力分離、磁性物質の磁気選別(magnetic separation)、および吸引などによって結合複合体を有する支持体を混合物中の他の成分から分離することができる。したがって、非結合オリゴヌクレオチドが標的捕獲期中に標的から分離されるので、標的捕獲後、その各標的に結合したTSUプライマーのみをアッセイの増幅期に移行させる。さらなる洗浄工程を標的捕獲期に含めて、結合標的およびプライマー複合体を有する支持体を洗浄し、それにより、増幅期前に他のサンプル成分および非結合オリゴヌクレオチドから結合TSUプライマーを有する捕獲標的核酸をさらに精製することができる。
次に、意図する標的核酸に特異的なTSUプライマー(すなわち、その対応するTSUプライマーとのハイブリッド形成によって連結した標的核酸鎖を含む捕獲複合体を有する増幅混合物に移行されるプライマー)の使用によって増幅を開始する。いくつかの好ましい実施形態では、増幅期に移行されたTSUプライマーは、意図する標的のためのTSUプロモータープライマー、S−オリゴヌクレオチド、およびTSU非プロモータープライマーから構成されるTSUプライマー複合体中に存在する(図1および図2を参照のこと)。サンプルに存在せず、それにより捕獲されない他の分析物に特異的な他のTSUプライマーを標的捕獲段階で破棄するのでこれらは増幅反応混合物に実質的に存在しない。したがって、増幅中の最初の合成工程は、最初の増幅期中に存在する意図する標的核酸に特異的に結合したTSUプライマーに依存する。TSUプライマーはその意図する標的核酸配列に既に特異的に連結しているので、他の反応成分(例えば、酵素および補因子、合成基質)を捕獲標的およびその結合したTSUプライマーまたはプライマー複合体と混合する場合に増幅が効率的に開始される。TSUプロモータープライマーの3’末端は、図5に示すように合成的に伸長する。この図5は、最初の増幅期の第1の合成工程に起因する産物を示す。この工程において、そのTS1配列で標的鎖のTS1’配列とハイブリッド形成したTSUプロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長して第1のcDNA鎖を作製する。簡潔にするために、TSUプライマー複合体(S−オリゴヌクレオチドおよびTSU非プロモータープライマー)の他の成分を図5に示していないが、この合成工程中に全TSUプライマー複合体をRNAテンプレート鎖に結合することができると理解されるであろう。RNAテンプレート鎖上のTSUプロモータープライマーから開始する合成は、増幅反応混合物中に供給した逆転写(RT)酵素のRNA指向DNAポリメラーゼを使用して、相補DNA(cDNA)鎖を合成する。好ましいRTは、RNA標的/テンプレート鎖を分解するためのRNアーゼH活性を含むRTであるが、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA分解活性を増幅反応混合物中異なる酵素によって供給することができる。合成されたcDNA鎖は、標的/テンプレート鎖中のTS2配列に相補的な配列TS2’を含む。cDNAの合成後、RNAテンプレート鎖の分解は、反応混合物中のRNアーゼH活性から生じ、それにより、5’プロモーター配列、U1配列、およびTS1配列(全てTSUプロモータープライマーによって供給される)、ならびにRNAテンプレート鎖に相補的な配列を含む3’配列(TS1、U1、およびP配列の3’であるTS2’配列が含まれる)を含む一本鎖DNAが得られる。この得られたcDNA鎖を、図6に示す。
次いで、第1のcDNA鎖は、cDNAのTS2’配列とTSU非プロモータープライマー(これは捕獲標的核酸に結合したTSUプライマー複合体の一部として増幅反応混合物に供された)の相補TS2配列との間のハイブリッド形成によってTSU非プロモータープライマーに結合する。好ましい実施形態では、等温増幅条件は、最初のcDNA合成工程中にTSUプライマー複合体中にTSU非プロモータープライマーを維持し(すなわち、S−オリゴヌクレオチドを介してTSUプロモータープライマーに連結)、次いで、複合体中のTSU非プロモータープライマーの3’TS2部分がcDNAとハイブリッド形成する。かかる実施形態は分子内ハイブリッド形成として実質的に行うハイブリッド形成の効率的な動態学を使用するので有利である。これは、cDNAに連結したTSUプライマー複合体構造の保持によってTS2配列およびTS2’配列が極めて近接しているからである。図7に関して、TS2配列およびTS2’配列のハイブリッド形成を介してcDNA鎖とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーの3’末端を、テンプレート鎖としてcDNAを使用してDNAポリメラーゼによって酵素的に伸長し、第2のDNA鎖を合成する。簡潔にするために、図7は、上記のTSUプライマー複合体の他の成分を含まないTSU非プロモータープライマーを示すが、これらの成分を、第2のDNA鎖の合成中に保持することができる。第2のDNA鎖は、5’ユニバーサル配列(U2)およびTS2配列(その両方がTSU非プロモータープライマーに起因する)、TSUプライマーの3’末端から伸長されたDNA鎖(TS1’配列およびユニバーサル配列U1’(共に、それぞれcDNAおよびTSUプロモータープライマーのTS1配列およびU1配列に相補的である)を含む)、およびTSUプロモータープライマーのプロモーター配列(P)に相補的な3’配列を含む。得られた構造は実質的にdsDNAであり、その各RNAポリメラーゼ酵素の機能的プロモーター配列を含む。
図8に示すように、最初の等温増幅期の継続により、プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼ(RNA Pol)は、機能的プロモーターに結合して実質的dsDNAから転写を開始して、複数のRNA転写物を作製する。これらの転写物は、5’U1配列、その後にTS1配列、TS1配列とTS2’配列との間に存在するさらなる標的特異的配列、TS2’配列、および3’U2’配列を含む。RNA転写物は、第1のユニバーサル配列(U1)および第2のユニバーサル配列(U2’)(相互に異なる)に隣接した標的特異的配列を含む(1つのかかる転写物を図9に示す)。
第2の増幅期では、ユニバーサルプライマー(図1のUP1およびUP2)を使用して、さらなる増幅産物またはアンプリコンの合成のためのテンプレートとしてRNA転写物を使用した継続的等温増幅サイクル中でさらなるRNA転写物を作製する。好ましい実施形態は、TMA反応またはNASBA反応に類似の等温増幅反応中でユニバーサルプライマーを使用する。第2の増幅期の第1の工程では、本質的に第1の増幅期で産生されたRNA転写物の3’U2’配列に相補的なU2配列からなるユニバーサル非プロモータープライマー(UP2)は、最初のRNA転写物とハイブリッド形成する(図9を参照のこと)。図10に示すように、UP2プライマーの3’末端を酵素等温反応で合成的に伸長させ、第1の増幅期由来のRNA転写物が左下の第2の期に入る。RT酵素が結合し、RNA指向性DNAポリメラーゼ活性およびテンプレートとしての転写物の使用によってUP2プライマーの3’末端からのcDNA合成を開始する。以下の図10中の黒矢印は、第2の増幅期中の工程を示す。cDNAを有する二重鎖中のRNAテンプレート鎖を、RNアーゼH活性によって分解し、cDNAをU1’配列でユニバーサルプロモータープライマー(UP1)の相補性U1配列とハイブリッド形成させる。RTは、UP1プライマーの3’末端に結合し、DNA指向性DNAポリメラーゼ活性およびテンプレート鎖としてのcDNA鎖の使用によって第2のDNA鎖合成を開始する。得られたdsDNAは、機能的プロモーター配列および各鎖上に標的特異的配列に隣接した2つのユニバーサル配列を含む。プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼ(RNA Pol)は、機能的プロモーターに結合し、100〜1000個の転写物(RNAアンプリコン)を作製する。この転写物は、第1の増幅期で作製された最初のRNA転写物と構造的に同一である。さらなる転写物は、この過程をより多く繰り返すためのテンプレートとしての機能を果たす。第2の増幅期で作製されたRNA転写物は、これらが作製された場合に増幅過程での使用が可能になり(すなわち、変性工程が必要ない)、したがって、連続する等温過程でユニバーサル配列および標的特異的配列が効率的に増幅される。等温増幅過程の第2の期中で作製されたRNA転写物を、反応中(すなわち、リアルタイムで)または指定の反応終点で(例えば、増幅反応開始後の特定の時間または反応中に存在する基質の枯渇によって増幅が実質的に終了したとき)検出することができる。
RNAアンプリコンを、核酸濃度の増加をに検出することができるか、選択された増幅配列を検出することができる周知の検出方法の使用によって検出することができる。例えば、検出は、1つ以上のユニバーサル配列またはそのサブシーケンス(subsequence)、標的特異的配列またはそのサブシーケンス、またはユニバーサル配列および標的特異的配列の一部を組み合わせた連続配列を特異的に検出することができる。好ましくは、アンプリコン検出のためのプローブを使用する検出工程により、均一検出(homogeneous detection)(すなわち、混合物からの非ハイブリッド形成プローブの除去を用いないハイブリッド形成プローブの検出)が可能である(例えば、Arnold Jr.らに付与された米国特許第5,639,604号および同第5,283,174号)。第2の増幅期のおよそ終了時または終了時に増幅産物を検出する好ましい実施形態では、線状プローブを使用して、増幅産物とのプローブのハイブリッド形成を示す検出可能なシグナルを得る。リアルタイムで増幅産物を検出する好ましい実施形態では、プローブは、好ましくは、シグナル産生が標的配列の存在に関連するプローブである(分子ビーコン、分子トーチ、またはハイブリッド形成スイッチプローブなど)。このプローブは、プローブが増幅産物に結合する場合に検出されるレポーター部分で標識されている。かかるプローブは、標識(例えば、プローブの一方の末端に結合したフルオロフォア)および相互作用化合物(例えば、プローブが「閉じた」高次構造にある場合に(増幅産物とハイブリッド形成しないことを示す)標識からのシグナル産生を阻害するためのプローブの別の位置に結合したクエンチャー)を含み得、プローブが「開いた」高次構造にある場合に(増幅産物とハイブリッド形成することを示す)検出可能なシグナルを産生する。種々のプローブ構造およびその使用方法は、以前に記載されている(例えば、Lizardiらに付与された米国特許第5,118,801号および同第5,312,728号,Tyagiらに付与された米国特許第5,925,517号および同第6,150,097号,Beckerらに付与された米国特許第6,849,412号、同第6,835,542号、同第6,534,274号、および同第6,361,945号,Beckerらの米国特許出願公開第11/173,915号、およびArnold Jr.の米国特許出願第60/657,523号)。
本明細書中に記載の少なくとも1つのユニバーサル配列を使用する標的の捕獲および増幅方法を、種々の異なる方法で行うことができる。いくつかの好ましい実施形態では、すべての工程を実質的に液相で行う(すなわち、ほとんどまたは全ての工程を実質的に水性の媒体中に存在する反応物中で成分を使用して行う)。例えば、標的捕獲工程を、実質的に水溶液の混合物中で行うことができ、これにより、捕獲プローブを標的核酸とハイブリッド形成させ、水相中に混合または懸濁した小粒子またはビーズに結合した固定プローブの使用によって液相中で捕獲プローブを固定プローブとハイブリッド形成させることが可能である。同様に、いくつかの好ましい実施形態では、全ての増幅工程を、全反応のための液相中に全増幅成分(例えば、基質、テンプレート、酵素、および補因子)を含めることによって行う。増幅産物の存在に起因するシグナルを検出する検出工程を、実質的に水性の液相でも行うことができる(例えば、Arnold Jr.らに付与された米国特許第5,639,604号および同第5,283,174号などに記載)。他の好ましい実施形態では、固相(支持体マトリックスまたは粒子など)に実質的に結合した標的捕獲工程、増幅工程、および検出工程を含むアッセイにおける1つ以上の工程を行って目的の特定の分析物の検出を区画化するか局在化することができる。サンプル中に存在する1つ以上の選択された分析物の存在に起因するシグナルの個別の検出のために、例えば、時間的または空間的に増幅産物を局在化することができるので、かかる実施形態は有利である。これは、特に、標的捕獲工程、増幅工程、および/または検出工程中で実質的に同一の試薬混合物中で全てが処理される複数の異なる分析物をサンプルが含むことができる場合に有用であるが、各分析物の増幅産物の存在に起因するシグナルの個別の検出が望ましい。
図11に関して、支持体に結合したアッセイ工程を実施することが可能な2つの好ましい実施形態を示す。両方の実施形態は、特異的結合対メンバーを介して支持体に結合するTSUプライマーの組み合わせ(TSUプロモータープライマーおよびTSU非プロモータープライマー配列)を使用する。本開示において前に記載のように、両実施形態中のTSUプライマーは、標的特異的配列(TS1およびTS2)およびユニバーサル配列(U1およびU2)を備えている。本開示において前に記載のように、両実施形態は、第2の増幅期にユニバーサルプライマー(UP1およびUP2)を使用する。S−オリゴヌクレオチド(例えば、図3に示す)を含むTSUプライマー複合体を使用する実施形態と対照的に、これら2つの実施形態のTSUプライマーを、支持体への結合によって物理的に連結する。図11の実施形態1では、TSUプロモータープライマーおよびTSU非プロモータープライマー配列を、支持体に結合した第2の結合対メンバー(BPM2)と特異的に結合する第1の結合対メンバー(BPM1)を介して支持体に連結する。合成オリゴヌクレオチドと会合したBPM1エレメントと共にTSUプロモータープライマーおよびTSU非プロモータープライマー配列の全構造エレメントを適切な順序で含む1つのオリゴヌクレオチド(例えば、3’−TS2−U2−5’−5’−P−U1−TS1−3’)の合成または2つのオリゴヌクレオチド(TSUプロモータープライマー配列およびTSU非プロモータープライマー配列)を合成し、次いで上記プライマーに会合したBPM1部分を介して上記BPM2部分に結合することによってこれを行うことができる。図11の実施形態2では、TSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドおよびTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドを、支持体に結合した第2の結合対メンバー(BPM2)と特異的であるが独立して結合する各プライマーと会合した第1の結合対メンバー(BPM1)を介して同一の支持体に連結する。両方の実施形態は、TSUプライマーは、同一支持体に結合することによって極めて近接して維持される。TSUプロモータープライマーのTS1配列が標的核酸鎖中の相補配列(TS1’)と結合するので、TSUプライマーは、他のサンプル成分からTSUプライマー−標的複合体を分離するための支持体の使用によって目的の標的核酸に選択的に結合してサンプル混合物から分離するための捕獲プローブとして機能することができる。次いで、支持体に結合させ、増幅反応成分(例えば、基質、酵素、補因子)と混合したTSUプライマー−標的複合体は、最初のTSUプライマー−標的複合体から合成したcDNAと極めて近接したTSU非プロモータープライマーの提供において支持体をS−オリゴヌクレオチドのかわりにすること以外は、実質的に本開示で前に記載の第1の増幅期でのプライマー−テンプレート複合体としての機能を果たす。次いで、実質的に本開示に記載のように、UP1およびUP2ユニバーサルプライマーの使用によって、第1の増幅期由来のRNA転写物は、第2の増幅期のテンプレートとしての機能を果たす(図10に関する)。
図11に示す両実施形態中の支持体を使用して、目的の特定の分析物の増幅および検出工程を時間的または空間的またはその両方で局在化することができる。例えば、3つの異なる分析物(A1、A2、A3)がサンプル中に存在する場合、3つの異なる標的核酸(T−A1、T−A2、T−A3)を、異なる支持体または1つの支持体の異なる位置に結合した3つの異なるTSUプライマー(それぞれ標的の1つに特異的な異なるTS1配列(TS−A1、TS−A2、TS−A3)の使用によるその各分析物に特異的な各TSUプライマー)の使用によって1つの標的捕獲工程で捕獲することができる。例えば、TSUプライマー複合体を、例えばアレイ中の異なる所定の位置に結合する1つの支持体を使用する場合、空間的に分離することができる。空間的分離を実現する他の実施形態は、所定のパターンまたは無作為なパターンでTSUプライマー複合体を含む多室デバイスの異なるウェルまたは容器を含む。このパターンは、1つ以上の支持体粒子が所定の確率で懸濁される既知量の溶液の分注(例えば、平均して1つ以下の各支持体がウェルまたは室の上または中の位置に沈殿する希釈)などによって実現する。空間的分離を、それぞれの異なるTSUプライマーが結合する支持体の物理的性質の使用によって増幅工程の実施前にデバイスのそれぞれの室または区分に各支持体を選択的に分離することによって実現することもできる。例えば、異なるTS1配列(TS−A1、TS−A2、TS−A3)を有するTSUプライマーを、サイズ、密度、リガンド結合能力、および磁気特性などに基づいて分離可能な異なる特定の支持体に結合することができ、その結果、その結合したTSUプライマー−標的複合体を有する異なる支持体を、全て同一の試薬(同一のユニバーサルプライマーが含まれる)を使用する増幅工程の実施前に空間的に分離することができる。検出工程の特定の空間的位置で検出された増幅産物は、特定の分析物がサンプル中に存在したかどうかを示し、全ての位置の累積的検出結果は1つを超える分析物がサンプル中に存在したことを示すことができ、サンプル中に存在する各分析物を定量的または比例的に測定することができる。例えば、増幅工程の実施前に3つの異なるTSUプライマー−標的複合体(すなわち、TS−A1、TS−A2、TS−A3プライマー)を空間的に分離して位置あたり平均1個のTSUプライマー−標的複合体を産生し、検出工程によってTS−A1プライマーに陽性の10室、TS−A2プライマーに陽性の30室、TS−A3プライマーに陽性の50室が得られる100室のアレイを使用する場合、結果は、サンプルが3つの分析物A1、A2、およびA3の全てを、A1:A2:A3の比率が1:3:5で含むことを示す。
同様に、時間的分離を使用して、異なる標的核酸から産物を増幅し、増幅産物を検出することができる。図11のいずれかの実施形態について、サンプル中に存在する3つの異なる分析物(A1、A2、A3)のモデル系を使用して、3つの異なる標的核酸(T−A1、T−A2、T−A3)を、支持体に結合した3つの異なるTSUプライマー複合体(異なるTS1配列(TS−A1、TS−A2、TS−A3)の使用によるその各分析物に特異的な各TSUプライマー複合体)の使用によって1つの標的捕獲工程で捕獲することができる。第1および第2の期における増幅を、増幅中の異なる時間(例えば、A1産物については第1の時間(T1)、A2産物については第2の時間(T2)、およびA3産物については第3の時間(T3))に各増幅産物の検出測定を行うこと以外は実質的に本明細書中で前に記載のように行い、各産物から異なる波長の蛍光などの異なる検出可能なシグナルが得られる。したがって、T1およびT3のみ検出された陽性シグナルは、サンプルが分析物A1およびA3のみを含み、A2を含まなかったことを示す。他の実施形態では、増幅反応中の延長した時間の範囲にわたる連続した時間(例えば、A1についてはT1、T4、およびT7、A2についてはT2、T5、およびT8、およびA3についてはT3、T6、およびT9)で時間的検出を行うことができ、累積した結果は、サンプル中に存在する各分析物の存在および相対量の両方を示すことができる。例えば、T1、T4、およびT7で陽性シグナルが検出される場合、サンプル中にA1が存在することを示し、T8で陽性シグナルが検出される場合、サンプル中にA2が存在することを示し、T6およびT9で陽性シグナルが検出される場合、サンプル中にA3が存在することを示す。各分析物の増幅は、第2の増幅期において、同一の条件およびユニバーサルプライマーの使用によってほぼ同一の速度で進行すると予想される。したがって、増幅産物の相対量および各増幅産物の得られた最も早いシグナル検出時間は、サンプル中に存在する各分析物の比例量を示す。A1のシグナルがA3のシグナルの前に検出され、A3のシグナルはA2のシグナル前に検出される上記のモデル系の結果に基づいて、サンプル中の各分析物の相対量は、A1がA3より多く、A3がA2より多い。
空間的分離および時間的分離の組み合わせをアッセイで使用して、反応物中の1つを超える分析物から増幅し、増幅産物を選択的に検出して、個別の位置および時間で分析物の増幅産物を検出することができる。例えば、空間的分離は、所定の位置で支持体に結合したTSUプライマー複合体アレイの使用を含むことができ、これを、アレイ上で実施される増幅反応に起因する増幅産物を検出するための各位置または選択された位置の群由来の異なる時点のシグナルの検出による時間的分離と組み合わせた。別の実施形態では、粒子支持体に結合したTSUプライマー複合体を、増幅反応のいくつかの部分の増幅反応混合物の液相に懸濁し、次いで、増幅反応中の他の選択された時期(時間的分離)に作製された局在化増幅産物由来のシグナルの検出のために無作為または非無作為パターン(空間的分離)において、表面に沈殿させるか誘引することができる。その結果、得られた検出可能なシグナルの一連の累積パターンから、サンプル中に存在する分析物の存在および相対量の両方に関する情報が得られる。当業者は、広範な種々の空間的分離、時間的分離、および空間的分離と時間的分離との組み合わせを使用して、複数の分析物を含む増幅反応(すなわち、多重反応)に起因する増幅産物を選択的に検出することができることを認識している
当業者はまた、他の実施形態が本明細書中に開示のアッセイの一般的原理に含まれると認識するであろう。すなわち、アッセイは、サンプルから標的核酸を分離して最初のTSUプライマーを選択された標的核酸に結合する標的捕獲工程、その後の2つの相によって特徴づけられる等温増幅反応を含む。2つの相のうちの第1の相は標的核酸から作製した産物にユニバーサル配列を導入し、第2の相は増幅産物のさらなる産ためにユニバーサル配列を使用し、アッセイの最終段階で検出する。標的捕獲工程は、標的核酸に結合した第1のユニバーサル配列を含む最初のTSUプライマーの結合を含む。標的捕獲工程後、最初の等温増幅期を実施し、これは、最初のTSUプライマーおよび第2のユニバーサル配列を含む第2のTSUプライマーを使用して、第1のユニバーサル配列および第2のユニバーサル配列の相補配列(標的特異的配列に隣接する)を含むRNA転写物を産生する。この後、第2の等温増幅期を行う。第2の等温増幅期では、第1の期で作製されたRNA転写物を、最初のTSUプライマーおよび第2のTSUプライマーの使用によって導入されたユニバーサル配列(またはその相補物)に特異的に結合するユニバーサルプライマーの使用によるさらなるRNA転写物の継続的作製過程の使用によって増幅する。最後の検出工程は、第2の等温増幅期中に作製された増幅産物に起因するシグナルを検出する。このシグナルは、標的捕獲工程で選択された標的核酸が試験したサンプル中に存在することを示す。これらの一般的なアッセイ工程を、異なる配列の種々の異なるプライマーと共に使用することができる。このプライマーを、分子生物学分野に属する当業者によって本明細書中に記載のプライマーの一般的な構造的特徴を考慮して容易にデザインすることができる。
ユニバーサル配列を使用する等温増幅方法の他の実施形態は、上記実施形態と比較してより少ないTSUプライマーおよびユニバーサルプライマーの使用でよく、標的捕獲工程中の標的核酸へのTSUプライマーの結合などの方法の特徴が保持される一方で、ユニバーサルプライマーおよび標的特異的プライマーの組み合わせの使用によって等温増幅工程を行う。例えば、実施形態は、標的捕獲工程中に標的核酸とハイブリッド形成するたった1つのTSUプロモータープライマーを使用することができ、合成的に伸長して、1つのユニバーサル配列をcDNAに導入し、その後に第1の等温増幅期中に作製されたRNA転写物に導入する。その結果、第2の増幅期は、1つ以上の標的特異的プライマーと組み合わせたたった1つのユニバーサルプライマーを使用して増幅産物を作製し、これを検出して試験サンプル中の分析物の存在を示す。図12は、(A.)第1のプライマー結合を使用する標的捕獲(TC)工程および(B.)第2の増幅期で使用したプライマーの相違を比較するための2つの実施形態(実施形態1(上)、実施形態2(下))を示す。図12に関して、TC工程中の実施形態1は、前述のようにS−オリゴヌクレオチドによって連結されたTSUプロモータープライマーおよびTSU非プロモータープライマーを含むTSUプライマー複合体に標的鎖を結合し、ここで、前述のように、TSUプロモータープライマーの標的特異的部分が標的鎖中の相補配列に結合して、第1の等温増幅期でのTSUプロモータープライマーの3’末端の伸長によって作製されるcDNAとユニバーサル配列(U1)が連結する。対照的に、前述のように、TC工程中の実施形態2は、標的鎖にTSUプロモータープライマーのみが結合し、このTSUプロモータープライマーが標的特異的部分を介して標的鎖中の相補配列とハイブリッド形成して、TSUプロモータープライマーの3’末端の伸長によって作製されるcDNAとU1が連結する。実施形態1では、図5〜8に関して前述のように、そのユニバーサル配列有するTSU非プロモータープライマーを使用して第2のDNA鎖を作製する第1の増幅期を継続し、その結果、第1の増幅期で作製されたRNA転写物は2つのユニバーサル配列を含むであろう。実施形態2では、TSU非プロモータープライマーを使用する代わりに、標的特異的非プロモータープライマーを、cDNA中の相補配列とハイブリッド形成させ、合成的に伸長して、第2のDNA鎖を作製し、その結果、第1の増幅期で作製したRNA転写物は、たった1つのユニバーサル配列を含む。図12のBに関して、図10に関して前述のように、実施形態1の第2の等温増幅期では(上の部分)、2つのユニバーサルプライマー(ユニバーサルプロモータープライマー(UP1)およびユニバーサル非プロモータープライマー(UP2))を使用して、RNAアンプリコンを作製する。対照的に、図12のBの第2の実施形態では、第2の等温増幅期は、標的特異的プライマー(TSP)と組み合わせたたった1つのユニバーサルプロモータープライマー(UP1)を使用する。図13に関して、第2の等温増幅期では、RNAアンプリコンを作製する。上述の合成工程に類似の合成工程を使用するが、テンプレートとしてRNA転写物を使用したcDNAの合成の開始(図13の左下から開始)のためにTSP(UP2の代わり)を使用することによってRNAアンプリコンを作製する。すなわち、この実施形態では、反応中にU2ユニバーサル配列やU2’ユニバーサル配列は存在しない。
1つのTSUプライマーおよび標的特異的プライマーを使用する1つの実施形態を、図11に関して上記の実施形態に類似の支持体に結合したTSUプライマーを使用するアッセイで使用することができる。図14は、プロモーター配列(P)、ユニバーサル配列(U1)、および標的特異的配列(TS1)から構成されるTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドを概略的に示す。このヌクレオチドは、支持体に結合した第2の結合対メンバー(BPM2)に特異的に結合する第1の結合対メンバー(BPM1)を介して支持体に結合する。図12(実施形態2)に関して実質的に上記のように、TSUプロモータープライマーを、第1の増幅期で使用する。第2の増幅期について、図14に示すように、ユニバーサルプロモータープライマー(UP1)および標的特異的プライマー(TSP)を含む混合物を使用し、上記および図13に図示する工程を使用して、RNA転写物を増幅する。1つの好ましい実施形態では、支持体に結合したTSUプロモータープライマー(図14などの場合)を使用して、標的核酸鎖を捕獲することができる。このTSUプロモータープライマーは、標的鎖中の配列(TS1’)に相補的なそのTS1配列の使用によってハイブリッド形成する。あるいは、前に詳述するように、支持体に結合した1つのTSUプライマーを使用する1つの実施形態を、支持体、固定プローブ、および標的特異的捕獲プローブを含む捕獲複合体(図12のAなどの場合)を使用するTC工程と組み合わせて使用することができる。他のサンプル成分から標的核酸を分離するための手段として支持体に結合したTSUプロモータープライマーを使用する1つの実施形態では、支持体および標的鎖とハイブリッド形成したTSUプロモータープライマーを含む複合体を他の増幅試薬と混合する場合、TSUプロモータープライマーは、本質的に、捕獲プローブおよびcDNA合成の開始のためのプライマーとしての機能を果たす。標的鎖とハイブリッド形成し、かつ支持体に結合した固定プローブに結合している捕獲プローブから構成される捕獲複合体を使用するTC工程を実施する1つの実施形態では、複合体が他の増幅試薬と混合する場合、標的鎖とハイブリッド形成し、別の支持体と結合したTSUプロモータープライマーは、cDNA合成開始のプライマーとして作用する。両方の実施形態では、第2の等温増幅期がユニバーサルプライマー(UP2)の代わりにTSPを使用することに依存すること以外は、図11に関して上記のように、支持体に結合したTSUプライマーを使用して、増幅産物を、空間的または時間的に分離するか、空間的分離と時間的分離との組み合わせとして分離することができる。
標的特異的プライマー(TSP)と組み合わせてTSUプロモータープライマーを使用する図12(実施形態2)、13、および14に関して記載の実施形態などの実施形態は、多数の用途で有利である。例えば、異なる標的間で保存される共通の標的配列(TS1’)を共有する1つ以上の種または単離物の検出アッセイでは、各標的に特異的なTSP配列の作製によって異なる各標的のためのTSPを含むことができる。例えば、属の多数のメンバー(例えば、Mycobacterium)の16Sまたは23S rRNA配列中に生じるTS1’配列を使用して、属における意図する全標的由来の標的16Sまたは23S rRNAに結合するTS1配列を含むTSUプロモータープライマーをデザインすることができる。次いで、属標的(例えば、M.tuberculosis、M.avium、M.abscessus、M.africanum、M.asiaticum、M.avium、M.bovis、M.celatum、M.chelonae、M.flavescens、M.fortuitum、M.gastri、M.gordonae、M.haemophilum、M.intracellulare、M.interjectum、M.intermedium、M.kansasii、M.malmoense、M.marinum、M.non−chromogenicum、M.paratuberculosis、M.phlei、M.scrofulaceum、M.shimodei、M.simiae、M.smegmatis、M.szulgai、M.terrae、M.triviale、M.tuberculosis、M.ulcerans、またはM.xenopi)中に含まれる意図する各標的種のために、各メンバーに特異的なTSPをデザインし、等温増幅反応で使用して、各標的種に特異的な増幅産物を作製し、増幅産物を標準的なプローブハイブリッド形成またはサイズ分離法の使用によって個別に検出することができる。別の例では、異なるヒトパピローマウイルス(HPV)型などの関連ウイルス標的を、そのTS1配列を介して検出すべき全ての所望のHPV型(例えば、HPV16型、18型、31型、33型、35型、45型、51型、56型、58型、59型、および68型)に存在する共通配列(TS1’)に結合するTSUプロモータープライマーをデザインし、1つの反応混合物中で検出することができる。したがって、E6/E7遺伝子標的配列中のHPV mRNAを使用して、サンプル中に存在する意図する各標的HPV型のためのTSUプロモータープライマーから作製される最初のcDNAを合成するであろう。次いで、目的の各HPV型の増幅および検出のために、TSPを、各標的(例えば、HPV16およびHPV18の各標的)または関連する標的の組み合わせ(例えば、HPV16およびHPV18の両方に特異的な標的)のためにデザインする(すなわち、各TSPは、その意図するHPV型の配列のみに特異的に結合する)。その標的型に特異的な各TSPを、等温増幅反応で使用して選択した標的型に特異的な増幅産物を作製し、増幅産物を標準的な方法(ハイブリッド形成、サイズ分離、配列決定)の使用によって個別に検出して、試験サンプル中に存在するHPV型を同定する。これらなどの実施形態は、1つを超える選択された標的がサンプル中に存在し、これらの標的を増幅して他の増幅産物と区別することができる検出可能な増幅産物を産生する多重反応に特に有用であり、その結果、反応混合物中に存在する各増幅産物由来のシグナルは、試験したサンプル中に存在した標的分析物を示す。
複数の標的特異的プライマー(TSP)と組み合わせたTSUプライマーによって得られる1つのユニバーサル配列を使用する実施形態が有用な別の適用は、関連する遺伝子配列または産物の異なる形態の検出のための適用である。例えば、癌を、一定の遺伝子転座または転座切断点(translocation breakpoint)の存在(例えば、ヒト9番染色体と22番染色体との間の転座に関連する慢性骨髄性白血病(CML)(9番染色体のabl遺伝子と22番染色体の「切断点クラスター領域(breakpoint cluster region)」またはbcr遺伝子との間))と相関させることができる。異なる転座型を検出するために、本明細書中に記載の方法の実施形態はTSUプライマーを使用し、そのTS1配列は、多数の異なる癌関連転座に共通する転座メンバーの1つ(例えば、abi遺伝子)の遺伝子配列またはmRNA中の標的配列に特異的であるので、切断点に非依存性に、多数の異なる転座由来の配列を増幅することができる。癌に関連するか特定の予後値を有する特異的転座を増幅および検出するために、種々の異なるTSPをデザインし(例えば、異なるbcr配列)(癌関連転座に関連する特定の配列の増幅に特異的な各TSP)、増幅配列を、標準的方法(例えば、プローブハイブリッド形成、配列決定、またはアンプリコンのサイズ)を使用して特異的に検出することができる。次いで、診断転座配列を有する核酸(DNAまたはRNA)を含むことが疑われるサンプルを、好ましくは1つまたはいくつかの多重反応で標的中の多数の転座を増幅するTSUプロモータープライマーおよび多数の異なるTSPを使用して増幅し、増幅産物を特異的に検出して、増幅および検出される特定の転座配列に基づいた診断情報または予後情報を得る。
同様に、TSUプライマーおよび複数の標的特異的プライマー(TPS)によって得られる1つのユニバーサル配列を使用する実施形態は、遺伝子(例えば、前立腺癌に関連するPCA3遺伝子;Bussemakersらに付与される米国特許第7,008,765号を参照のこと)の異なる発現産物に生じる異なる関連遺伝子配列型の検出に有用である。かかる異なる発現産物は、RNA転写物における異なるスプライシング事象に起因し得、いくつかのスプライシングしたRNAは、疾患の診断に用いられるか、予後値(癌組織が良性または悪性のいずれであるかなど)が得られる。かかる実施形態では、全てまたは多数の差分的にスプライシングされるRNA形態に含まれるTS1’配列に特異的なTS1配列を含むようにTSUプロモータープライマーをデザインし、たった1つの差分的にスプライシングされるRNA形態をそれぞれ増幅するように複数のTSPをデザインする。好ましくは1つの多重反応混合物中でTSUプロモータープライマーおよびTSPを使用した増幅後、増幅産物を、増幅産物を区別する方法で検出し、試験サンプル中に存在する特定のスプライシングRNA形態に関する情報を得る。
TSUプライマーおよび複数の標的特異的プライマー(TPS)によって得られる1つのユニバーサル配列を使用する他の実施形態は、薬物耐性が得られる1つ以上の配列の存在の検出などによって遺伝子配列中の変異を検出して診断情報または予後情報を得るのに有用である。例えば、多数のHIV−1変異は、特定の薬物での治療に耐性を示すウイルス感染と関連する(例えば、Yangらに付与された米国特許第6,582,920号を参照のこと)。1つの反応中で1つ以上の薬物耐性変異を検出するために、株または分離株が薬物耐性変異を含むかどうかと無関係に、HIV−1株および分離株に共通のHIV−1 mRNAに相補的なTS1配列を含むようにTSUプライマーをデザインする。薬物耐性に関連する変異を含む特定の配列を増幅するように複数のTSPをデザインする。いくつかの実施形態では、TSPは薬物耐性変異自体に特異的であるのに対して、他の実施形態では、TSPは薬物耐性変異自体を含まない配列に特異的であるが、薬物耐性変異を含む産物を増幅する。TSUプロモータープライマーを、好ましくは1つの多重反応中で複数のTSPと共に使用して産物を増幅し、薬物耐性変異が試験サンプルの核酸中に存在したかどうかに関する情報を得る。例えば、TSPが検出すべき各薬物耐性変異に特異的である実施形態に関して、区別可能な増幅産物の有無は、どの変異が試験サンプル中に存在するかを示す。TSPが薬物耐性変異自体を含まない配列に特異的であるが、薬物耐性変異を含む産物を増幅する他の実施形態では、標準的な変異の検出方法を使用する(例えば、アレイを含むプローブハイブリッド形成、配列決定、またはサイズ分離(質量分析が含まれる))。
本明細書中に記載の等温増幅方法でTSUプライマー、TSUプライマー複合体、およびユニバーサルプライマーを使用する実施形態の試験が実施され、ウイルス標的および癌マーカーに関連する遺伝子配列(前立腺特異抗原(PSA;Harveyらに付与された米国特許第6,551,778号)およびPCA3配列など)の増幅産物が首尾よく検出されている。
分子生物学の当業者は、選択した配列がTSUオリゴヌクレオチドの機能的要件を満たす限り、本明細書中に記載のTSUオリゴヌクレオチドは機能するためいかなる特異的配列も必要としないと認識するであろう。すなわち、TSUオリゴヌクレオチドが本明細書中に開示の意図する実施形態のその機能に必要な全ての機能的部分の配列を含む限り、TSUオリゴヌクレオチドのいかなる機能的部分にも単一の配列必要としない(例えば、TSUプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーには特定のプライマーを必要としない)。同様に、TSUプライマーが本明細書中に開示の意図する実施形態のために機能することができるU配列およびTS配列を含む限り、プロモーター配列を含まないTSUプライマーは、いかなる特定の配列も必要としない。同様に、本明細書中に開示の実施形態について記載のように各機能的部分に適切な配列を含む限り、S−オリゴヌクレオチド、2つのTSUオリゴヌクレオチド配列から構成される共有結合オリゴヌクレオチド、または相補配列を介して互いに直接ハイブリッド形成する2つのTSUオリゴヌクレオチドに特定の配列は必要ない。同様に、ユニバーサルプライマーは特定の配列を必要としないが、その代わりに、本明細書中に記載のTSUオリゴヌクレオチドのために選択されるU配列を使用して実施する配列を含むように選択する。例えば、ユニバーサルプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドは、本明細書中に記載の方法で機能するプロモーター配列およびU配列を含み、ユニバーサルプライマーのU配列およびTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのU配列は通常は同一であるにもかかわらず、ユニバーサルプライマー中のU配列は、1〜3nt位でTSUオリゴヌクレオチドのU配列と異なり得、本明細書中に開示の方法で依然として役割を果たす。同様に、ユニバーサルプライマーは、任意の特定の配列に依存しないが、使用されるTSU非プロモータープライマーのユニバーサル配列と同一であるように選択される。しかし、ユニバーサルプライマー中のU配列は、1〜3nt位でTSUプライマーのU配列と異なり得、開示の方法で依然として機能する。他の反応成分を簡潔にするので(すなわち、1つのRNAポリメラーゼを使用する)、プロモーター配列は、典型的には、複数の標的のためのアッセイで使用される全てのTSUプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーで同一であるが、同一または異なるRNAポリメラーゼと共に機能する異なるプロモーター配列を使用することができる。当業者は、多数の異なる配列を、本明細書中に記載の組成物の範囲内であるTSUオリゴヌクレオチド、S−オリゴヌクレオチド、およびユニバーサルプライマーに組み込むことができ、核酸増幅の当業者が本明細書中に記載のオリゴヌクレオチドの構造的および機能的特徴の説明に基づいて選択することができ、日常的な試験方法の使用によって機能性を証明することができることを認識するであろう。
本明細書中に記載の組成物および方法の実施形態を、以下の実施例によってさらに理解することができる。実施例で使用した方法の工程を本明細書中に記載し、以下の情報は、本方法で使用した典型的な試薬および条件をより具体的に記載している。核酸増幅の当業者は、上記説明中に示したガイダンスに従う限り、他の試薬および条件を使用することができ、過程または結果に実質的に影響を及ぼさないことを理解するであろう。例えば、最初の増幅期でプロモータープライマーまたはプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドおよび非プロモータープライマーを使用する転写媒介増幅(TMA)方法が記載されているが、プライマー伸長に依存するin vitroでの他の転写関連核酸増幅方法を、本明細書中に記載のTSUオリゴヌクレオチドを使用するように改変して、ユニバーサルプライマーの使用によって増幅産物を作製することができる(すなわち、方法は、TMAベースの実施形態に制限されない)。分子生物学の当業者はまた、開示の方法および組成物を、手作業で行うか、自動化デバイスで1つ以上の工程(例えば、ピペッティング、混合、およびインキュベーションなど)を行うシステムで行うか、任意のタイプの公知のデバイス(例えば、試験管、多管ユニットデバイス、多ウェルデバイス(96ウェルマイクロタイタープレートなど)など)で使用することができることを理解するであろう。
実施例中に記載の方法で典型的に使用される試薬には、以下が含まれる。サンプル輸送媒体(「STM」)は、15mM第一リン酸ナトリウム、15mM第二リン酸ナトリウム、1mM EDTA、1mM EGTA、および3%(w/v)ラウリル硫酸リチウム(LLS)(pH6.7)を含んでいた。検体希釈緩衝液は、300mM HEPES、3%(w/v)LLS、44mM LiCl、120mM LiOH、40mM EDTA(pH7.4)を含んでいた。標的捕獲試薬(TCR)は、250mM HEPES、310mM水酸化リチウム、1.88M塩化リチウム、100mM EDTA(pH6.4)、ならびに250μg/mlの磁性粒子(1ミクロンSERA−MAG(商標)MG−CM粒子、Seradyn、Inc.Indianapolis、IN)およびこれに共有結合した(dT)14オリゴマーを含んでいた。TC洗浄液は、10mM HEPES、150mM塩化ナトリウム、6.5mM水酸化ナトリウム、1mM EDTA、0.3%(v/v)エタノール、0.02%(w/v)メチルパラベン、0.01%(w/v)プロピルパラベン、および0.1%(w/v)ラウリル硫酸ナトリウム(pH7.5)を含んでいた。プローブ試薬は、以下のいずれかから構成される溶液に1つ以上の標識検出プローブを含んでいた:(1)100mMコハク酸リチウム、3%(w/v)LLS、10mM メルカプトエタンスルホナート、および3%(w/v)ポリビニルピロリドン、または(2)100mMコハク酸リチウム、0.1%(w/v)LLS、および10mM メルカプトエタンスルホナート。ハイブリッド形成試薬は、以下のいずれかであった:(1)190mM コハク酸、17%(w/v)LLS、100mM水酸化リチウム、3mM EDTA、および3mM EGTA(pH5.1)または(2)100mMコハク酸、2%(w/v)LLS、100mM水酸化リチウム、15mM アルドリチオール−2、1.2M 塩化リチウム、20mM EDTA、および3.0%(v/v)エタノール(pH4.7)。AE標識検出プローブを使用する混合物を処理するために使用される選択試薬は、600mMホウ酸、182.5mM水酸化ナトリウム、1%(v/v)オクトキシノール(TRITON(登録商標)X−100)(pH8.5)を含み、AE標識プローブ由来の化学発光シグナルを発生するために使用される検出試薬は、以下を含んでいた(1)1mM硝酸および32mM過酸化水素から構成される検出試薬Iおよび(2)1.5M NaOHである検出試薬II(pH中和用)。増幅試薬は、他の反応成分(標的、オリゴヌクレオチド)と混合して以下を含む混合物を生成する濃縮混合物であった:47.6mM Na−HEPES、12.5mM N−アセチル−L−システイン、2.5% TRITON(商標)X−100、54.8mM KCl、23mM MgCl、3mM NaOH、0.35mMの各dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、7.06mM rATP、1.35mM rCTP、1.35mM UTP、8.85mM rGTP、0.26mM NaEDTA、5%v/vグリセロール、2.9%トレハロース、0.225%エタノール、0.075%メチルパラベン、0.015%プロピルパラベン、および0.002%フェノールレッド(pH7.5〜7.6)。プライマーおよび/またはプローブを増幅試薬中の反応混合物に添加するか、増幅試薬から分離することができる。増幅反応混合物中で使用される酵素は、反応あたり約90U/μlのMMLV逆転写酵素(RT)および20U/μlのT7 RNAポリメラーゼであった(1UのRTは、200〜400マイクロモルのオリゴdTプライミングポリAテンプレートを使用して、37℃で10分間1nmolのdTTPを組み込み、1UのT7 RNAポリメラーゼは、DNAテンプレート中のT7プロモーターを使用して、37℃で1時間、1nmolのATPをRNAに組み込む)。
増幅反応の終了時に標識プローブの使用によって結果を検出する典型的なTMA反応プロトコールを以下に示す。TMA反応は、以前に詳述された手順を実質的に使用する(Kacianらに付与された米国特許第5,399,491号および同第5,554,516号)。簡潔に述べれば、増幅試薬、標的核酸、および増幅オリゴマー(例えば、反応あたり15pmolの各オリゴマー)を含む反応混合物(例えば、0.08ml)を混合し、シリコンオイル(0.2ml)で覆って蒸発を防止し、62℃で10分間、その後に42℃で5分間インキュベートし、酵素試薬(0.025ml、逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼを含む)を添加し、反応混合物を42℃で60分間インキュベートした。増幅後、増幅産物の検出は、増幅産物に特異的なアクリジニウムエステル(AE)標識検出プローブオリゴマーと増幅混合物を混合する工程を含んでいた(例えば、0.1pmol/反応を含む0.1mlのプローブ試薬、すなわち、ハイブリッド形成標識プローブから許容可能な範囲(2,000,000相対発光量(「RLU」)までなど)で最大の検出可能なシグナルを生成するために以前に決定された量)。実質的に記載のように、プローブおよび増幅配列の混合物をインキュベートして、プローブを増幅産物に結合させ、次いで、処理して、ハイブリッド形成プローブから化学発光シグナルを生成した(米国特許第5,283,174号および同第5,639,604号)。簡潔に述べれば、プローブおよび増幅産物混合物を、62℃で20分間インキュベートし、次いで、室温で約5分間冷却し、選択試薬(0.25ml)を添加し、混合し、62℃で10分間、室温で15分間インキュベートし、非結合プローブ上のAE標識を加水分解した。結合プローブ上のAEの化学発光を、検出試薬Iの添加、インキュベーション、検出試薬IIの添加、および照度計(例えば、LEADER(R),Gen−Probe Inc.,San Diego,CA)での化学発光の測定によって得た。
リアルタイムで結果を検出するTMA反応の一般的なプロトコールを以下に示す。アッセイは、増幅前の標的核酸の精製、増幅、および増幅中の増幅産物の検出を含む。標的捕獲を、実質的に以前に詳述するように行う(Weisburgらに付与された米国特許第6,110,678号、同第6,280,952号、および同第6,534,273号)。簡潔に述べれば、既知量の標的RNAを含むようにサンプルを調製した(総体積が0.2mlの水およびサンプル輸送媒体の1:1(v:v)混合物中のサンプルあたりの所定のコピーレベルで存在するin vitro転写物(「IVT」))。各サンプルを、捕獲すべき分析核酸に特異的で(すなわち、3’標的特異的結合領域)固定プローブ(例えば、常磁性粒子に結合したポリTオリゴマー;反応あたり結合したオリゴマーを有する12.5μgの粒子)への結合のための5’テール領域(例えば、dT30配列)を有する5〜15pmolの標的捕獲オリゴマー(TCO)、各分析物のためのTSUプライマーおよびTSUプロモータープライマーまたはプロバイダー配列を含む5〜15pmolのTSUプライマーおよび/または複合体(最初の増幅期用)、ならびに任意に2〜5pmolのブロッカーオリゴマー(rTMA増幅反応用)を典型的に含む0.05mlのTCRと混合した。混合物を、60℃±1℃で25〜30分間、次いで、室温(20〜25℃)で25〜30分間インキュベートして、ハイブリッド形成複合体を形成する。得られた標的核酸を常磁性粒子に結合し、これを磁気選別(例えば、KingFisher96(TM)磁性粒子プロセッサー、Thermo Fisher Scientific,Inc.,Waltham,MA)の使用によって単離し、TC洗浄液を使用して1回洗浄した。粒子を、第2の増幅期で使用する増幅オリゴヌクレオチド(例えば、TSプライマー、ユニバーサルプライマー、3’遮断ユニバーサルプロモータープロバイダー)と共に0.06〜0.1mlの増幅試薬中に再懸濁した。検出プローブ(例えば、蛍光標識化合物で標識した分子ビーコンまたは分子トーチプローブ)を、増幅オリゴヌクレオチドと共に添加するか、酵素添加時または酵素添加後に添加することができる。反応混合物を覆って蒸発を防止し、42±0.5℃で1〜2分間インキュベートした。42±0.5℃に保持しながら混合物の覆いを取り、混合物あたり0.02mlの酵素試薬と混合し、再度覆い、42±0.5℃で30〜90分間インキュベートし、その間にデータ収集および表示のために「サイクル」と呼ばれる規則的な間隔(例えば、毎分)で蛍光を測定する。このデータ表示は、典型的には、検出された蛍光単位対時間(サイクル)のグラフであり、このグラフからシグナル出現時間(すなわち、サンプルの蛍光シグナルがバックグラウンドレベル(通常は、アッセイのために予め決定する)を超えて陽性になる時間)を決定した。
(実施例1)
複数のHPV型の検出のためのユニバーサルTMA(uTMA)系
本実施例は、高リスクの子宮頸癌発症に関連する少なくとも12のヒトパピローマウイルス(HPV)型(高リスクHPV型)を検出するための系における「ハーフuTMA(half uTMA)」と呼ばれるユニバーサル等温増幅の実施形態の能力を示す。標的は、200または1,000コピー/反応(c/rxn)の指定のHPV型の1つのin vitro転写物であった。標的捕獲、増幅、およびハイブリッド形成防御アッセイ(hybridization protection assay)(HPA)の使用によるプローブ検出の全てを、実質的に以前に記載のように行った(標的捕獲についての米国特許第6,110,678号および同第6,534,273号、TMAについての米国特許第5,399,491号および同第5,554,516号、ならびにHPVについての米国特許第5,283,174号および同第5,639,604号)。標的捕獲混合物は、TC試薬中に、2pmolの配列番号28〜32の各標的捕獲オリゴヌクレオチドを含んでいた。標的捕獲混合物は、5pmolの配列番号1〜9の各HPV TSU T7 プロモータープライマーをさらに含んでいた。これらの各プライマーは、標的特異的領域、ユニバーサルT7プライマー配列、およびT7プロモーター領域を含んでいた。増幅緩衝液は、TMA実施のための試薬+15pmolの配列番号33のユニバーサルT7プライマーおよび配列番号10〜13のTS(標的特異的)非T7プロモーターを含んでいた。
62℃でのハイブリッド形成を含む標的捕獲工程中、捕獲オリゴヌクレオチドおよびTSU T7プロモータープライマーはその特異的in vitro転写物とハイブリッド形成し、全てのハイブリッド非形成プライマーを、洗浄工程中に除去した。標的捕獲後、標的鎖およびハイブリッド形成TSUプライマーを含む結合複合体を有する磁性ビーズを、プライマー、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素、dNTP、およびNTPを含む増幅試薬と混合し、次いで、42℃で60分間インキュベートした。第1の反応工程(最初の増幅期)では、ユニバーサルT7プライマー領域およびHPV標的特異的結合領域を組み込んだcDNA転写テンプレートを作製する。反応中でのユニバーサルT7プロモータープライマーおよび標的に特異的な非T7プライマーの使用によって、(第2の増幅期で)増幅を進行させる。配列番号20〜27の標的特異的アクリジニウムエステル(AE)標識プローブ混合物の使用により、HPAによってRNAアンプリコンを検出した。アンプリコン標的とハイブリッド形成しない全てのプローブを、HPA手順中の選択試薬の使用によって加水分解し、非化学発光性にした。プローブをアンプリコン標的に結合し、加水分解から保護した。HPA検出を、検出試薬の使用によって行い、得られた化学発光シグナルを測定し、相対発光量(RLU)で示した。
表1は、12の高リスクHPV型、4つの低リスクHPV型、および標的を添加しなかった陰性反応物について得たRLUシグナル(平均3回反復)を示す。陽性反応を、20,000より高いRLUについてスコアリングした。本実施形態では、1,000c/rxnで陽性であったHPV45以外の全ての高リスクHPV型を、200c/rxnで首尾よく検出した。試験した低リスクHPV型から、陽性シグナルは得られなかった。
Figure 2010514420
(実施例2)
高リスクHPV型の検出のためのユニバーサルTMA系の感度
本実施例は、12の高リスクHPVウイルス型を検出するための2つのユニバーサル配列を含む系における「全uTMA(full uTMA)」と呼ばれるユニバーサル等温増幅の実施形態の能力を示す。標的は、200または2,000コピー/反応の指定のHPV型の1つのin vitro転写物であった。標的捕獲、増幅、およびHPA検出工程の全てを、異なるTSUプライマーの組み合わせを使用すること以外は実施例1に実質的に記載のように行った。標的捕獲混合物は、2pmolの配列番号28、29、30、31、および32の各TCオリゴヌクレオチドを含んでいた。標的捕獲混合物は、12の高リスクHPV型を検出するためにデザインされたS−オリゴヌクレオチドTSUプライマー複合体をさらに含んでいた。TSUプライマー複合体を、5pmolのTSU T7プロモータープライマーと10pmolの配列番号35のS−オリゴヌクレオチドおよび15pmolの対応するTSU非T7プライマーとのハイブリッド形成によって形成した。S−オリゴヌクレオチドプライマー複合体は、以下のTSU T7プロモータープライマーおよびTSU非T7プライマーの組み合わせを有するハイブリッド形成複合体中の配列番号35のS−オリゴヌクレオチドからなる:配列番号1および14、配列番号2および14、配列番号3および14(HPV型の関連群に指向する3つのTSU T7プライマーのため同一のTSU非T7プライマーを使用した)、配列番号4および15、配列番号5および16、配列番号6および17、配列番号7および18、配列番号8および15、および配列番号9および15(HPV型の関連群に指向する両方のTSU T7プライマーのため同一のTSU非T7プライマーを使用した)。各TSU T7プロモータープライマーは、標的特異的領域、ユニバーサルT7プライマー配列、およびT7プロモーター領域を含んでいた。各TSU非T7プライマーは、標的特異的領域およびユニバーサル非T7プライマー配列を含んでいた。各S−オリゴヌクレオチドプライマー複合体を個別に形成した後、これらを標的捕獲混合物中で組み合わせた。増幅緩衝液は、15pmolの配列番号33のユニバーサルT7プロモータープライマーおよび配列番号34のユニバーサル非T7プライマーを含んでいた。
62℃での標的捕獲ハイブリッド形成中、捕獲オリゴヌクレオチドおよびS−オリゴヌクレオチドプライマー複合体のTSU T7プロモータープライマーをその特異的in vitro転写物ハイブリッド形成させ、全ての非ハイブリッド形成プライマーおよびS−オリゴヌクレオチドプライマー複合体を、洗浄工程で除去した。標的捕獲後、結合した標的プライマー複合体を有する磁性ビーズを、ユニバーサルプライマー、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素、dNTP、およびNTPを含む増幅試薬と混合し、42℃で60分間インキュベートした。増幅反応の第1の工程では、ユニバーサルT7プライマー領域およびユニバーサル非T7プライマー結合領域を組み込んだcDNA転写テンプレートを作製し、ユニバーサルT7および非T7プライマーの使用によって増幅を進行させた。上記のように、配列番号20〜27の標的特異的AE標識プローブの混合物の使用により、HPAによってRNAアンプリコンを検出した。アンプリコン標的とハイブリッド形成しない全てのプローブを、HPA手順中に加水分解し、非化学発光性にした。プローブをアンプリコン標的に結合し、加水分解から保護した。HPA検出を上記のように行い、得られた化学発光シグナルを測定し、相対発光量(RLU)で示した。
表2は、12の高リスクHPV型および標的を添加しなかった陰性反応物について得たシグナル(平均3回反復)を示す。陽性反応を、20,000より高いRLUについてスコアリングした。本実施形態では、2,000コピー/反応で陽性であったHPV 31以外の全ての高リスクHPV型を、200c/rxnで首尾よく検出した。他の実験(データ示さず)では、低リスクHPV型は検出されなかった。
Figure 2010514420
(実施例3)
uTMA系を使用した臨床サンプル由来のHPV RNAの検出
本実施例は、実施例2に記載の「全uTMA」系がアルコールベースの液体媒体(CYTYC(商標))中に保存された頸部スワブまたは擦過サンプル由来のHPV RNAを検出することができることを示す。標的捕獲反応中で100μlの液体媒体サンプルを500μlの標的捕獲混合物に添加すること以外は、実施例2に記載のように手順を行った。
高リスクHPVおよび低リスクHPVの両方の存在をHPV DNA PCRによって決定し、アガロースゲル電気泳動による分離後にバンドとして視覚化した。サンプル中に存在する任意のHPVウイルスRNAの同一性を、DNA配列決定によって確認した。全uTMA系を使用して20,000RLUを超えて産生されたサンプルを、陽性としてスコアリングした。表3は、HPV型と全uTMA増幅の結果との間の相関を示す。高度に視覚可能なバンドが得られた陽性PCRを、「+」とスコアリングし、弱いバンドを「+/−」とスコアリングし、陰性の結果(視覚可能なバンドなし)を「−」とスコアリングした(「nd」は、測定せずを意味する)。本実施例で使用した全uTMA HPV系を、感度または特異性について至適化しなかったが、本研究で、34個の頸部サンプルのうちの29個が正確にスコアリングされた。サンプル6および26は、おそらく、HPV RNA量が低かったので、検出されなかった。
Figure 2010514420
(実施例4)
逆標準TMAを使用した単一または多重様式でのPCA3 RNAの検出
本実施例では、標準的な(すなわち、非ユニバーサルの)形式で逆TMA(RS−TMA)を行った。アッセイを、PCA3の標的捕獲、増幅および検出に必要なオリゴヌクレオチドのみを含む単一様式またはPCA3およびPSAの両方の標的捕幅および検出に必要なオリゴヌクレオチドを含む多重様式のいずれかで行った。アッセイを、上記の一般的なプロトコールと実質的に同等に行った。具体的には、PCA3 in vitro転写物(IVT;配列番号62)を、反応あたり10、10、または10コピーで水/STM(1:1)に加えた。単一様式で実施したサンプルについて、5pmol PCA3 TCプローブ(配列番号53)、2pmol PCA3ブロッカー(配列番号51)、および5pmolのPCA3非T7(NT7)プライマー(配列番号49)をTCRに添加し、15pmolのPCA3非T7(NT7)プライマー(配列番号49)、10pmolのPCA3 T7プロモータープロバイダー(配列番号50)、および12pmol PCA3分子トーチ(配列番号52)を増幅試薬に添加した(本実施例および他の実施例においてここでおよび後に示す量は、別途示さない限り、反応あたりの量である)。多重様式で実施したサンプルについて、上記列挙のPCA3オリゴマーに加えて、5pmol PSA TCプローブ(配列番号60)、2pmol PSAブロッカー(配列番号58)、および5pmolのPSA NT7プライマー(配列番号56)もTCRに添加し、15pmolのPSA NT7プライマー(配列番号56)、10pmolのPSA T7プロモータープロバイダー(配列番号57)、および12pmol PSA分子トーチ(配列番号59)を増幅試薬に添加した。各サンプルについて、3または4回繰り返した。
アッセイ完了後、各条件についての蛍光対時間のプロットを準備し(図19)、平均出現時間を決定した(表4)。
Figure 2010514420
これらの結果は、単様式でRS−TMAがPCA3 RNAを容易に検出したことを証明する。しかし、多重様式(単一様式で存在するPCA3特異的オリゴヌクレオチドに加えて存在するPSA特異的オリゴヌクレオチド)では、PCA3の検出は深刻に妨害された。事実上、10および10コピーのPCA3は、このアッセイ条件下で検出不可能であった。これは、当該分野で公知の多重増幅反応に伴う問題を証明している。
PCA3量が出現時間に直接関連するので、これらの結果は、RS−TMAが標的レベルを定量する能力をさらに証明する。RS−TMA法の1つの欠点は、PCA3の比較的大きなコピーレベルの相違において、出現時間の差がわずかであることである(すなわち、100倍異なるPCA3コピーレベルの間で出現時間の差は3分である)。これにより、RS−TMA法がコピーレベルの小さな差異(例えば、3倍)を正確に区別する能力が低下する。
(実施例5)
逆ユニバーサル(ハーフ)TMAを使用した単一様式および多重様式でのPCA3 RNAの検出
本実施例では、ユニバーサル(ハーフ)TMA形式で逆TMAを行った(RUh−TMA)。本形式では、特異的標的結合領域およびオリゴヌクレオチドの5’末端のユニバーサル領域を含む標的特異的ユニバーサルNT7プライマー(TSU NT7)を、標的捕獲工程で標的に結合する。過剰なTSU−NT7を、洗い流す。TSU−NT7は、多重アッセイで検出すべき各分析物のための標的捕獲工程に含まれる。増幅反応では、ユニバーサルNT7プライマー(全TSU−NT7プライマーのユニバーサル配列と同一の配列)を添加し、これを、多重反応で検出すべき全分析物の増幅におけるNT7プライマーとして使用する。増幅反応でも、標的特異的T7プロモータープロバイダー(TS−T7)を、多重アッセイで検出すべき各標的のために添加する。この形式の略図を図15に示す。
下記以外は上記実施例4に記載のプロトコールと実質的に同等にアッセイを行った。具体的には、PCA3 TSU−NT7プライマー(5pmol;配列番号48)およびPSA TSU−NT7プライマー(5pmol:配列番号55)を、それぞれ実施例4で引用したPCA3およびPSA TS−NT7プライマーの代わりにTCRに添加した。さらに、ユニバーサルNT7プライマー(15pmol;配列番号64)を、単一様式ではPCA3 TS−NT7プライマーの代わりに増幅反応物に添加し、多重様式ではPCA3およびPSA TS−NT7プライマーの両方の代わりに添加した。全ての他の条件は、実施例5に示す条件と同一であった。アッセイ完了後、平均出現時間を決定した(表5)。
Figure 2010514420
これらの結果は、RUh−TMA形式がPCA3 RNAを容易に検出したことを証明する。単一様式では、出現時間は、RS−TMA形式を使用して得た対応する出現時間よりいくらか遅い。これは、定量に関して好ましく、実施例4で引用したRS−TMAに伴う問題の解決に役立つ(すなわち、RS−TMA法における、コピーレベルの小さな差異(例えば、3倍)正確に区別する能力の低さ)。多重様式では、RS−TMA系で認められる妨害の大部分が克服され、試験した全レベルのPCA3 RNAが容易に検出される。
(実施例6)
S−オリゴ形式で逆ユニバーサル(全)TMA(RUf−TMA)を使用した単一様式および多重様式でのPCA3 RNAの検出
本実施形態では、ユニバーサル(全)TMA形式で逆TMAを行った(RUh−TMA)。ユニバーサル(全)TMAでは、TSU−NT7およびTSU−T7プロバイダーから増幅を開始し、その後の増幅ラウンドを、ユニバーサルNT7プライマーおよびユニバーサルT7プロバイダーによって駆動する。開始に必要なプライマーおよびプロバイダーを有する各標的を準備、依然として増幅反応でユニバーサルプライマーおよびプロバイダーのみを含むように、TSU NT7プライマーおよびTSU T7プロバイダーを合わせ、この複合体を標的捕獲工程で(TSU−NT7の標的特異的領域の標的とのハイブリッド形成を介して)標的に結合し、過剰な複合体を洗い流す。増幅では、TSU−NT7プライマーを伸長し、RNアーゼHを介した標的の消化後、TSU−NT7プライマーに連結したTSU−T7プロバイダーの標的特異的領域はcDNAに結合し、増幅を開始する。増幅試薬中に存在するユニバーサルNT7プライマーおよびT7プロバイダーを使用して、増幅を継続する。
本実施例に記載のRUf−TMAのS−オリゴ様式では、TSU−NT7プライマーおよびTSU−T7プロバイダーを、図16に概略的に示す介在「S−オリゴ」とのその両方のハイブリッド形成によって連結する。このS−オリゴ複合体を、多重アッセイ中に含まれるように各分析物について予め形成し、次いで、その全てを、NT7プライマーを上記のRS−およびRUh−TMA形式中に添加する様式でTCRに添加する。
下記以外は上記実施例4に記載のプロトコールと実質的に同等に本実施例中のアッセイを行った。具体的には、アッセイの多重部分は、PCA3およびPSAだけでなくAMACRの標的捕ニバーサル増幅およびリアルタイムに必要なオリゴヌクレオチド検出を含んでいた。PCA3 S−オリゴ複合体を、5pmolのPCA3 TSU−NT7プライマー(配列番号48)、7.5pmol S−オリゴ(配列番号66)、および10pmol PCA3 TSU−T7プロバイダー(配列番号50)の混合によって調製し、この場合、TS−およびTSU−T7プロバイダーは、水/STM/TCR(1/1/0.5)中の同一物である。さらに、PSA S−オリゴ複合体を、5pmolのPSA TSU−NT7プライマー(配列番号55)、7.5pmol S−オリゴ(配列番号66)、および10pmol PSA TSU−T7プロバイダー(配列番号57)の混合によって調製した。AMACR S−オリゴ複合体を、5pmolのAMACR TSU−NT7プライマー(配列番号36)、7.5pmol S−オリゴ(配列番号66)、および10pmol AMACR TSU−T7プロバイダー(配列番号37)の混合によって調製した。混合物を室温で30分間インキュベートして、複合体を形成させた。PCA3およびPSA TCプローブおよびブロッカーを、実施例5と同様にTCRに添加した。さらに、AMACR TCプローブ(5pmol;配列番号40)およびAMACRブロッカー(2pmol;配列番号38)もTCRに添加した。PCA3およびPSA S−オリゴ複合体(それぞれ5pmol)を、それぞれPCA3およびPSA TS−NT7プライマーの代わりにTCRに添加した。AMACR S−オリゴ複合体(5pmol)もTCRに添加した。PCA3およびPSA分子トーチを、実施例5と同様に増幅試薬に添加した。さらに、AMACR分子トーチ(12pmol;配列番号39)を、増幅試薬に添加した。TS−NT7プライマーおよびTS−T7プロバイダーの代わりに、ユニバーサルNT7プライマー(15pmol;配列番号64)およびユニバーサルT7プロバイダー(10pmol;配列番号65)を増幅試薬に添加した。全ての他の条件は、実施例4と同一であった。
アッセイ完了後、平均出現時間を決定した(表6)。
Figure 2010514420
これらの結果は、S−オリゴ様式におけるRUf−TMA形式がPCA3 RNAを容易に検出したことを証明する。単一様式では、出現時間は、RS−TMA形式を使用して得た対応する値より有意に遅く、異なるコピーレベル間の時間は有意により長い。これらの特徴は定量に関して好ましく、実施例5で引用したRS−TMAに伴う問題(すなわち、RS−TMA法では、コピーレベルの小さな差異(例えば、3倍)を正確に区別する能力が低いこと)の解決に役立つ。多重様式では、RS−TMA系で認められる妨害の大部分が克服され、試験した全レベルのPCA3 RNAが容易に検出される。
(実施例7)
単一様式および多重様式でのPCA3 RNAの検出
本実施形態では、実施例6と非常に類似したユニバーサル(全)TMA形式で逆TMA(RUh−TMA)を行った。しかし、S−オリゴ複合体を介する代わりに、直接ハイブリッド形成オリゴ(DH−オリゴ)複合体を使用してTSU NT7プライマーおよびTSU T7プロバイダーを相互に連結した。この様式では、TSU NT7プライマーおよびTSU T7プロバイダーを、S−オリゴ複合体のよう介在配列を使用せずに相互に直接ハイブリッド形成する。図17は、DH−オリゴ複合体の例を示し、この場合、T7プロバイダーのT7プロモーター領域を介して生じる結合を有する。
下記以外は上記実施例6に記載のプロトコールと実質的に同等に本実施例のアッセイを行った。具体的には、PCA3 DH−オリゴ複合体を、水/STM/TCR(1/1/0.5)中での5pmolのPCA3 DH−TSU−NT7プライマー(配列番号54)および5pmol PCA3 TSU−T7プロバイダー(配列番号50)の混合によって調製した。さらに、PSA DH−オリゴ複合体を、5pmolのPSA DH−TSU−NT7プライマー(配列番号61)および5pmol PSA TSU−T7プロバイダー(配列番号57)の混合によって調製した。混合物を室温で30分間インキュベートして、複合体を形成させた。TCプローブおよびブロッカーを、実施例6と同様にTCRに添加するが、PCA3およびPSA DH−オリゴ複合体(各5pmol)を、それぞれPCA3およびPSA S−オリゴ複合体の代わりにTCRに添加した。総増幅体積が0.08mLの代わりに0.04mL(0.03mL増幅試薬および0.01mL 酵素試薬)であること以外は、全ての他の条件は実施例6と同一であった。アッセイ完了後、平均出現時間を決定した(表7)。
Figure 2010514420
これらの結果は、DH−オリゴ様式におけるRUf−TMA形式がPCA3 RNAを容易に検出したことを証明する。単一様式では、出現時間は、RS−TMA形式を使用して得た対応する値より有意に遅く、異なるコピーレベル間の時間は有意により長い。これらの特徴は定量に関して好ましく、実施例4で引用したRS−TMAに伴う問題(すなわち、RS−TMA法ではコピーレベルの小さな差異(例えば、3倍)を正確に区別する能力が低いこと)の解決に役立つ。多重様式では、RS−TMA系で認められる妨害の大部分が克服され、試験した全レベルのPCA3 RNAが容易に検出される。単一アッセイおよび多重アッセイの両方についての出現時間対PCA3コピーレベルのプロットは、優れた相関係数が得られ(単一R=1.000;多重R=1.000)、これらのアッセイの定量性が証明された。
(実施例8)
CL−オリゴ形式で逆ユニバーサル(全)TMA(RUf−TMA)を使用した単一様式および多重様式でのPCA3 RNAの検出
本実施形態では、実施例6の記載と非常に類似したユニバーサル(全)TMA形式で逆TMA(RUf−TMA)を行った。しかし、S−オリゴ複合体を介する代わりに、共有結合オリゴ(CL−オリゴ)複合体を使用してTSU NT7プライマーおよびTSU T7プロバイダーを相互に連結した。この様式では、TSU NT7プライマーおよびTSU T7プロバイダーを、各オリゴマーの5’末端で相互に共有結合する。種々の方法を使用して、かかる結合を行うことができる。1つの可能なスキームの例を、図18に概略的に示す。この場合、NT7プライマーおよびT7プロバイダーを、2オリゴマー間の2つのC9リンカーを使用して、5’−5’で連結する。
下記以外は上記実施例6に記載のプロトコールと実質的に同等に本実施例のアッセイを行った。具体的には、アッセイの多重部分は、PCA3およびPSAだけでなくAMACRおよびCAP2の標的捕獲、ユニバーサル増幅、およびリアルタイム検出に必要なオリゴヌクレオチドを含んでいた。各分析物のためのCL−オリゴを、一般に、以下のように調製した:NT7プライマーおよびT7プロバイダーを、以下に列挙のもの以外は標準的なホスホルアミダイト試薬(Sigma Aldrich)を使用し、Expedite DNA合成機(Applied Biosystems,Foster City,California)を使用して合成した。T7プロバイダーを、5’−アルデヒド(特に、SoluLink,San Diego,Californiaのホスホルアミダイト)および逆極性dC(特に、Biosearch TechnologiesのControl Pore Glass(CPG)試薬)を使用して合成した。NT7プライマーを、5’C6 アミノリンカー(Glen−Research)を使用して合成した。両オリゴ、標準的条件を使用して、切断および脱保護を行った。次いで、150mM NaClを含む100mMリン酸緩衝液(pH7.40)中での室温で2時間のヒドラジン−NHSエステル(SoluLink)とのインキュベーションによって、二官能性スペーサーをNT7プライマーに結合した。次いで、反応混合物を、酢酸ナトリウム(pH 5.1)を使用して沈殿させ、ペレットを、10%過剰の5’アルデヒド修飾T7プロバイダーを含む100mM MOPS緩衝液(pH 4.8)中に溶解した。この混合物を、室温で一晩静置し、その後に脱塩し、PAGEによって精製した。
CL−オリゴ複合体を構築するために使用したオリゴヌクレオチドの配列番号を表8に示す。
Figure 2010514420
PCA3およびPSA TCプローブおよびブロッカーを、実施例7と同様にTCRに添加するが、PCA3およびPSA DH−オリゴ複合体を、PCA3およびPSA CL−オリゴ複合体(各5pmol)とそれぞれ置換した。さらに、AMACR TCプローブ(5pmol;配列番号40)、AMACRブロッカー(2pmol、配列番号38)、CAP2 TCプローブ(5pmol;配列番号46)、およびCAP2ブロッカー(2pmol、配列番号44)もTCRに添加した。さらに、実施例7に列挙したオリゴヌクレオチドに加えて、AMACR分子トーチ(12pmol;配列番号39)およびCAP2 分子トーチ(12pmol;配列番号45)も増幅試薬に添加した。全ての他の条件は、実施例7に示す条件と同一であった。アッセイ完了後、平均出現時間を決定した(表9)。
Figure 2010514420
これらの結果は、CL−オリゴ様式におけるRUf−TMA形式がPCA3 RNAを容易に検出したことを証明する。単一様式では、出現時間は、RS−TMA形式を使用して得た対応する値より有意に遅く、異なるコピーレベル間の時間は有意により長い。これらの特徴は定量に関して好ましく、実施例5で引用したRS−TMAに伴う問題(すなわち、RS−TMA法ではコピーレベルの小さな差異(例えば、3倍)を正確に区別する能力が低いこと)の解決に役立つ。多重様式(本実施例では四重)では、RS−TMA系で認められる妨害の大部分が克服され、試験した全レベルのPCA3 RNAが容易に検出される。

Claims (27)

  1. 標的核酸を増幅する方法であって、
    a.標的核酸と、以下:
    i. 5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)、およびポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を含んでいる、TSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドであって、以下のiiに連結したプロモータープライマーオリゴヌクレオチド、
    ii. 第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)を含むTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、
    から構成される標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体とを混合する工程であって、
    ここで、該TSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドは、
    (A)ポリヌクレオチドリンカー配列によって形成されたか、もしくは、非ヌクレオチド脱塩基リンカー化合物によって形成された共有結合を介して;
    (B)該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と、該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の該第1の配列に相補的な、該TSU非プロモータープライマー上の第2の配列との間のハイブリッド形成複合体を介して;または
    (C)該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド内の配列に相補的な第1の配列と、該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド内の配列に相補的な第2の配列とを含む、S−オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド形成複合体を介して
    該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに連結される、工程
    b.TSUプロモータープライマー中の該TS1配列を介して、TSUプライマー複合体のTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドを標的核酸中の標的配列とハイブリッド形成させる工程、
    c.標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した標的核酸を支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブを、該標的核酸に結合させ、次いで、該支持体が該混合物から分離されることによって、ハイブリッド形成したTSUプライマー複合体をともなう標的核酸を、ハイブリッド形成していないTSUプライマー複合体および他のサンプル成分から単離する工程、
    d.ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によってTS1の3’末端を合成的に伸長させる工程であって、前記標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、
    e.第1のcDNA鎖中に含まれるTS2の標的配列とのTS2配列の特異的ハイブリッド形成によって、第1のcDNA鎖とTSUプライマー複合体のTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
    f.ポリメラーゼin vitro核酸合成によって第1のcDNA鎖とハイブリッド形成したTS2配列の3’末端を合成的に伸長して第2のDNA鎖を作製し、それにより、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、
    g.実質的に二本鎖のDNAの機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、TS1配列、第2の標的特異的配列の相補物(TS2’)、およびU2配列に相補的な3’ユニバーサル配列(U2’)を含むRNA転写物を作製する工程、
    h.U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、
    i.等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製する工程、
    j.U1’配列で前の工程で作製したcDNAとユニバーサル配列U1を含むユニバーサルプロモータープライマーオリゴヌクレオチド(UP1)をハイブリッド形成させる工程であって、該U1’配列は該U1配列に対して相補的である、工程
    k.等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によって、少なくとも工程iで作成されたDNA鎖の3’末端を合成的に伸長して機能的プロモーターを作製する工程、および
    l.機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、転写物が、該UP2プライマーの結合および合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程
    を含む、方法。
  2. 標的核酸を増幅する方法であって、
    a.標的核酸と、以下:
    i. 5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、およびTS1の標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)を含むTSUプロモーターオリゴヌクレオチドであって、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドであり、以のiiに連結したプロモーターオリゴヌクレオチド、
    ii. 第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)を含むTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、
    から構成される標的特異的ユニバーサル(TSU)複合体とを混合する工程であって、
    ここで、該TSUプロモーターオリゴヌクレオチドは、
    (A)ポリヌクレオチドリンカー配列によって形成されたか、もしくは、非ヌクレオチド脱塩基リンカー化合物によって形成された共有結合を介して;
    (B)該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と、該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の該第1の配列に相補的な、該TSU非プロモータープライマー上の第2の配列との間のハイブリッド形成複合体を介して;または
    (C)該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド内の配列に相補的な第1の配列と、該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド内の配列に相補的な第2の配列とを含む、S−オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド形成複合体を介して
    該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに連結される、工程
    b.TSU非プロモータープライマー中のTS2配列を介して標的核酸中の標的配列とTSU複合体のTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
    c.任意に、ブロッカーオリゴヌクレオチドを、該標的核酸内の、該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドがハイブリッド形成する位置から下流の該標的核酸上の配列とハイブリッド形成させる工程であって、該ブロッカーが、ポリメラーゼによるブロッカーの伸長を妨害する遮断3’末端を含み、ここでブロッカーオリゴマーが、TSU非プロモータープライマーのポリメラーゼ伸長を終結させる位置で標的核酸とハイブリッド形成させられる工程、
    d.標的核酸に特異的に結合し、かつ、結合した標的核酸を支持体に結合する手段を提供する標的捕獲プローブを、該標的核酸に結合させ、次いで、該支持体が該混合物から分離されることによって、ハイブリッド形成したTSU複合体をともなう標的核酸を、ハイブリッド形成していないTSU複合体および他のサンプル成分から単離する工程、
    e.ポリメラーゼin vitro核酸合成の使用によって標的核酸とハイブリッド形成したTSU非プロモータープライマーの3’末端を合成的に伸長させる工程であって、前記標的核酸が第1のcDNA鎖を作製するためのテンプレートである、合成的に伸長させる工程、
    f.第1のcDNA鎖中に含まれる標的配列とのTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチド中のTS1配列の特異的ハイブリッド形成によって第1のcDNA鎖とTSU複合体のTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドをハイブリッド形成させる工程、
    g.テンプレートとしてTSUプロモータープロバイダーを使用することによって第1のcDNAの3’末端を合成的に伸長して、機能的プロモーター配列およびU1配列を含む実質的に二本鎖のDNAを作製する工程、
    h.機能的プロモーター配列からRNA転写物を酵素的に転写して、5’U1領域配列、TS1配列、第2の標的特異的配列の相補物(TS2’)、およびU2配列に相補的な3’ユニバーサル配列(U2’)を含むRNA転写物を作製する工程、
    i.U2’配列でRNA転写物とユニバーサル配列U2を含むユニバーサルプライマーオリゴヌクレオチド(UP2)をハイブリッド形成させる工程、
    j.等温条件下で、酵素的in vitro核酸合成によってUP2の3’末端を合成的に伸長してcDNA鎖を作製し、該RNA転写物の鎖を酵素的に除去する工程
    k.工程jで作製したcDNAのU1’配列とプロモーター配列、ユニバーサル配列U1、および3’遮断末端を含むユニバーサルプロモーターオリゴヌクレオチド(UP1)とをハイブリッド形成させる工程であって、該U1’配列は該U1配列に対して相補的である、工程
    l.等温条件下で、テンプレートとしてUP1オリゴヌクレオチドを使用して工程jで作製されたDNA鎖の3’末端を合成的に伸長して、酵素的in vitro核酸合成を使用して機能的二本鎖プロモーターを作製する工程、および
    m.機能的プロモーターから複数のRNA転写物を転写する工程であって、転写物が、該UP2プライマーの結合および合成工程の反復による等温条件下でのさらなる酵素的in vitro核酸合成のテンプレートとしての機能を果たすことができる増幅産物である、転写する工程
    を含む、方法。
  3. 増幅産物を検出して標的核酸が単離されたサンプル中の分析物の存在を示す工程をさらに含む、請求項1、またはいずれか1項に記載の方法。
  4. 請求項に記載の方法であって、ここで前記検出工程が、増幅産物に相補的なプローブを用いて実行されるか;または、該検出工程が、リアルタイム検出工程であるか;または、該検出工程が、定量的検出工程である方法。
  5. 請求項1、2、またはのいずれか1項に記載の方法であって、ここで前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、TSU非プロモーターオリゴヌクレオチドに直接連結される方法。
  6. 請求項に記載の方法であって、ここで前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、前記TSU非プロモーターオリゴヌクレオチドと直接ハイブリッド形成させられる方法。
  7. 請求項1、2、またはのいずれか1項に記載の方法であって、ここで前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、前記TSU非プロモーターオリゴヌクレオチドに間接的に連結される方法。
  8. 請求項に記載の方法であって、ここで前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、ハイブリッド形成複合体により前記TSU非プロモーターオリゴヌクレオチドに間接的に連結される方法。
  9. 請求項1、またはいずれか1項に記載の方法であって、前記単離する工程が、標的捕獲オリゴマーを標的核酸とハイブリッド形成させ、結合した標的核酸をサンプル中の他の成分から分離する工程を含むか;または前記単離する工程が、標的捕獲オリゴマーを標的核酸とハイブリッド形成させ、さらにTSUプロモーターオリゴヌクレオチドまたはTSU非プロモーターオリゴヌクレオチドの一つの標的特異的配列を標的核酸とハイブリッド形成させ、結合した標的核酸をサンプル中の他の成分から分離する工程を含む、方法。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の方法であって、前記増幅が多重増幅反応である方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、少なくとも検出工程が、空間的に分離された反応ウェル中で2つ以上の異なる増幅産物について実行され、ここで該反応ウェルの一つが、他のウェルが検出するものとは異なる増幅産物を検出する、方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記空間的に分離された反応ウェルが、該ウェル中に存在する増幅産物の量を増大させるための増幅オリゴマーをさらに含む、方法。
  13. 5’プロモーター配列、第1の内部ユニバーサル配列(U1)、および標的核酸中に含まれる標的配列に特異的に結合する第1の3’標的特異的配列(TS1)を含むTSUプロモーターオリゴヌクレオチドであって、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドが、ポリメラーゼによって伸長することができる3’末端を有するTSUプロモータープライマーであるか、ポリメラーゼによって伸長することができない遮断3’末端を有するTSUプロモータープロバイダーオリゴヌクレオチドである、TSUプロモーターオリゴヌクレオチド、
    第2の5’ユニバーサル配列(U2)およびTS1と異なる第2の3’標的特異的配列(TS2)で構成されるTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド、
    TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接または間接的に連結し、それにより、標的特異的ユニバーサル(TSU)プライマー複合体を形成する手段
    を含む、組成物であって、
    ここで、該TSUプロモーターオリゴヌクレオチドは、
    (A)ポリヌクレオチドリンカー配列によって形成されたか、もしくは、非ヌクレオチド脱塩基リンカー化合物によって形成された共有結合を介して;
    (B)該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と、該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の該第1の配列に相補的な、該TSU非プロモータープライマー上の第2の配列との間のハイブリッド形成複合体を介して;または
    (C)該TSUプロモーターオリゴヌクレオチド内の配列に相補的な第1の配列と、該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド内の配列に相補的な第2の配列とを含む、S−オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド形成複合体を介して
    該TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに連結される、組成物
  14. 前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接連結する手段が、共有結合である、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記共有結合がポリヌクレオチドリンカー配列を介して形成される、請求項14に記載の組成物。
  16. 前記共有結合が非ヌクレオチド脱塩基リンカー化合物を介して形成される、請求項14に記載の組成物。
  17. 前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに間接的に連結する手段が、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドおよび前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド支持体に連結するための結合対のメンバーの非共有結合であり、前記結合対の一方のメンバーが前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上または前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド上に存在し、前記結合対の他方のメンバーが支持体に結合する、請求項13に記載の組成物。
  18. 前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに直接連結する手段が、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド上の第1の配列と相補的なTSU非プロモータープライマー上の第2の配列との間のハイブリッド形成複合体である、請求項13に記載の組成物。
  19. 前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチドTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドに間接的に連結する手段が、前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド中の配列に相補的な第1の配列および前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中の配列に相補的な第2の配列を含むS−オリゴヌクレオチドを含むハイブリッド形成複合体である、請求項13に記載の組成物。
  20. 前記S−オリゴヌクレオチドが前記TSUプロモーターオリゴヌクレオチド中のユニバーサル配列に相補的な第1の配列を含み、前記S−オリゴヌクレオチドが前記TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチド中のユニバーサル配列に相補的な第2の配列を含む、請求項19に記載の組成物。
  21. TSUプロモーターオリゴヌクレオチドのTS配列またはTSU非プロモータープライマーのTS配列とハイブリッド形成する標的核酸中の配列と異なる配列において、TSUプロモーターオリゴヌクレオチドおよびTSU非プロモータープライマーの標的核酸中の配列と特異的にハイブリッド形成する配列を含み、かつ、標的核酸を支持体に結合する手段を含む標的特異的捕獲オリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
  22. 5’プロモーター配列およびTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのユニバーサル配列と同一の3’ユニバーサル配列から構成されるユニバーサルプロモータープライマーをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
  23. TSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドのユニバーサル配列と同一のユニバーサル配列から構成されるユニバーサルプライマーをさらに含む、請求項13に記載の組成物。
  24. 標的核酸鎖中のTSUプロモーターオリゴヌクレオチドのTS配列またはTSU非プロモータープライマーオリゴヌクレオチドのTS配列が結合する配列と異なる標的核酸鎖中の配列と特異的にハイブリッド形成するブロッカーオリゴヌクレオチドをさらに含み、前記ブロッカーオリゴヌクレオチドがポリメラーゼによって伸長することができない3’遮断末端を有する、請求項13に記載の組成物。
  25. 前記S−オリゴヌクレオチドが、(1)TSUプロモータープライマーのU1配列に相補的な第1の末端領域配列および(2)TSU非プロモータープライマーのU2配列に相補的な第2の末端領域配列、および(3)前記第1および第2の末端領域配列を連結する連結部分から構成される、請求項19に記載の組成物。
  26. 前記連結部分が前記第1および第2の末端領域配列を共有結合する非核酸化合物である、請求項25に記載の組成物。
  27. 5’プロモーター配列および3’U1配列から構成される少なくとも1つのユニバーサルプロモータープライマーならびにTSUプロモータープライマーオリゴヌクレオチドの3’末端の合成伸長から作製されたcDNA配列を含む二本鎖DNAから作製されたRNA転写物中に含まれる配列と相補的な配列から構成される少なくとも1つの標的特異的プライマー(TSP)をさらに含む、請求項13に記載の組成物。
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