JP2010509295A - 作用物質を含有するフィルムを有する固形剤形、並びにその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも区画に作用物質を含有する少なくとも1つのフィルム(1)を有する固形剤形に関する。剤形は、フィルム(1)、又は複数のフィルム中の作用物質の濃度が、フィルム(1)の厚さに垂直な方向に勾配を有することを特徴とする。本発明は、作用物質を有する固形剤形の製造方法であって、少なくとも区画に作用物質を含有する少なくとも1つのフィルム(1)が生成され、フィルム(1)又は複数のフィルム中の作用物質の濃度が、フィルムの長手方向の勾配を有する方法に更に関する。このフィルムは、次に剤形を製造するために生成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも区画中に作用物質を含有する少なくとも1種のフィルムを含む、固形剤形に関する。本発明は、更に、作用物質を有する固形剤形の製造方法に関する。
作用物質を含有する固形剤形、特に医薬錠剤であって、当該作用物質が、水溶性、水膨潤性、又は水分散性の混合物のマトリックス中に包埋されているものが知られている。かかる医薬剤形は、マトリックス剤形とも呼ばれる。かかるマトリックス剤形中で、作用物質は、一方では、浸食によって放出できる。この場合、剤形は、水性媒体中で層毎に溶解し、それにより作用物質を放出する。それ故に、剤形の重量減少と、作用物質の放出との間には、直接的な相関関係がある。他方では、作用物質は、拡散によって放出できる。水中において膨潤性であるポリマーを使用することによって、ゲル層が、水性媒体と接触するマトリックス中における剤形表面上に形成され、その結果、拡散による制御下でこのゲル層を介して作用物質が放出される。この場合、剤形のいかなる重量変化も、作用物質の放出との間に直接的な相関関係がない。
多くの用途において、作用物質が放出され続ける間は、単位時間中に正確に規定された量で、特に単位時間中に等しい量で作用物質を放出することが望ましい。錠剤が溶解する場合、錠剤の表面状態が時間に応じて変化するので、かかる放出プロファイルは、多大な困難を伴ってのみ達成できる。同様に作用物質の拡散制御放出の場合に、既知の固形剤形によって、規定放出プロファイルを達成することは、可能でない。
経口摂取されるべき剤形に加えて、皮下に埋め込まれるデポー剤形も知られている。かかるインプラントは、例えばホルモン療法に使用される。大部分の場合、それらは、作用物質が包埋されたポリマーマトリックスを含む。ポリマーは、生分解性なので、インプラントの浸食が体内でゆっくり進み、そして、作用物質がゆっくり放出される。しかしながら、これらのシステムでは、初期の段階で剤形表面の作用物質が非常に急速に放出するという問題がある。したがって、埋め込み後の初期においては、作用物質は非常に多量に放出され、そのことは多くの場合不都合である。剤形中の作用物質の初期における速い放出は、「初期バースト効果」とも称される。初期バースト効果は、デポー剤形の埋め込み直後に非常に過剰なレベルの作用物質をもたらし得るが、そのことは多くの場合、望ましくない副作用を伴う。それ故に、かかる初期バースト効果を回避できる剤形を製造することが望ましい。
固形医薬剤形は、例えば、医薬作用物質を含有するポリマーメルトの押出によって製造される。押出物は、カレンダ加工によって所望の剤形に成形できる。更に、研削された押出物は、タブレット成形機中で圧縮でき、必要であれば錠剤化補助剤を添加する。医薬錠剤の製造方法は、例えば欧州特許出願公開第358107号明細書に記載されている。
層状剤形及びその製造方法は、欧州特許第0872234号明細書から知られている。この剤形は、医薬作用物質を含有するポリマーフィルムの巻締又は折り畳み層を含む。この剤形の層状構造は、基本的に、切り口で、かつ層中で、かつそれらから外にのみ作用物質の拡散が起こり、その結果、拡散経路が長くなることを意味する。このようにして、作用物質のゆっくりとした制御放出が達成される。
更に、積層フィルムが巻き取られた固形剤形は、米国特許第3625214号明細書から知られている。この作用物質は、キャリヤフィルムに適用されるマトリックス中に均一に分布する。作用物質の放出速度は、層の厚さを変化させることによって、又は追加のコーティングによって制御できる。
最後に、経皮投与に適したフィルム形状の医薬品が独国特許出願公開第2920500号明細書から知られている。フィルムは、皮膚と適合し、かつ水中で膨潤性のコポリマーを含み、当該コポリマーは、薬剤が規定プロファイルによって非晶形に包埋される。時間の経過による拡散層の厚さ増加による時間依存性の放出速度減少は、作用物質の放出速度をほぼ一定に保つように、放出表面からの距離が増加するにつれポリマーフィルム中で上昇する、作用物質の濃度プロファイルによって剤形中で補償される。
本発明によって解決されるべき課題は、作用物質の放出プロファイルが調節可能な、冒頭に言及したタイプの固形剤形を提供することである。さらに、作用物質を含有し、当該作用物質の放出プロファイルが調節できる固形剤形を製造するための、対応する方法を提供する。
本発明によれば、この課題は、請求項1の特徴を有する固形剤形、及び請求項13の特徴を有する方法によって解決される。有利な実施態様及び変形例は、従属請求項から見られる。
本発明の固形剤形は、フィルム中の作用物質濃度が、フィルムの厚さに垂直な方向で勾配を有することを特徴とする。
特に上記勾配は、フィルムの長手方向に生じる。用語「長手方向」は、本発明の意味において、フィルムの厚さの方向を指すベクトルに垂直である方向を意味する。フィルムがバンド形状を有するならば、すなわち厚さに垂直なフィルムの広さが一方向において、厚さに垂直な他方向よりも遙かに大きいならば、長手方向は、最大の広さの方向である。剤形のフィルムが三次元形状に成形されるならば、用語「長手方向」は、フィルムが平面にわたって伸び、かつフィルムの厚さのみがこの平面に垂直な方向に伸長するフィルムの状態に関する。
「フィルムの厚さに垂直な方向、又はフィルムの長手方向での勾配」は、本発明の意味において、作用物質の濃度がフィルムのこの方向で変化する、すなわち特に作用物質がフィルムのこの方向で、同じ濃度で分布していないことを意味する。フィルムの厚さに垂直な方向での勾配を選択することによって、固形剤形中の作用物質濃度は、所望の放出プロファイルが達成されるように調節できる。また、放出プロファイルは、フィルム中の作用物質の勾配は別として、さらに、フィルム形状、作用物質が固形剤形中にどのように存在するか、及び、剤形中の作用物質拡散の空間依存の可能性がある拡散係数によって決まる。
本明細書で使用されるような用語「濃度」は、フィルムの体積中にどれ程の作用物質が存在するかのような通常の方法で定義される。それ故に「フィルムの長手方向の勾配」は、互いに隣接するフィルムの2つの体積中の作用物質量が、フィルムの長手方向で異なることを意味する。特に、このことは、濃度が、すなわちフィルム体積中の作用物質の量、及びフィルム体積中の非作用物質の量の2つの値を有さないことを意味する。この場合に、フィルムは、作用物質を含有するか、含有しないだけであるが、本発明の意味における勾配がない。
以上に定義したように、フィルムの長手方向は、フィルムの厚さの方向を指すベクトルに直角に向けられる。フィルムの厚さの方向に直角で、かつフィルムの長手方向に直角である第3の方向を、フィルムの幅と称する。本発明によれば、フィルムの幅にわたる濃度は、一定である。それ故にフィルムの幅方向には、濃度勾配がない。
更に、作用物質を含有するフィルムの幅は、フィルムの厚さに垂直(直角)、かつフィルムの幅に垂直な方向に作用物質の勾配を含むフィルムの少なくとも区画にわたって一定である。
一実施態様によれば、作用物質は、少なくとも1種の水溶性、水膨潤性又は水分散性ポリマーのマトリックス中に包埋される。かかるシステムにおいて、フィルム中の作用物質の濃度勾配は、押出機の使用によって特に達成される。この場合に、濃度勾配は、例えば遠心分離によって達成されなくても良い。
本発明の剤形の一実施態様によれば、後者は、少なくとも区画中に作用物質を含有する、巻締フィルムを含む。剤形は、好ましくは巻締フィルムから形成される。本発明の剤形において、作用物質は、主に外部円筒面を介して放出され、かつ側方端面を介して無視できるほどにのみ放出され、かつ拡散が巻締フィルムの隣接層間で可能でないならば、作用物質は、作用物質が放出される外部円筒面まで外側に、フィルムの長手方向に螺旋状に剤形の内部から拡散する。このようにして、フィルムの長手方向での作用物質の濃度勾配によって作用物質の規定の放出プロファイルを確立することは、非常に容易である。更に、作用物質の濃度勾配がフィルムストリップ上で形成でき、それを次に巻き取り又はコイル巻きにするので、かかる剤形は、非常に簡易に製造することができる。
本発明による剤形の他の実施態様によれば、それは、幾つかの重ね合わせたフィルム又は1つの折り畳まれたフィルムを含む。フィルムは、好ましくは均一の厚さを有する。幾つかの重ね合わせたフィルムを有する剤形は、特にインプラントとして使用できる。
一般的に、フィルムは、少なくとも1種の水膨潤性、又は好ましくは水溶性ポリマーを含有する。ポリマーは、医薬上許容し得る水溶性又は水膨潤性ポリマー、特にフィルム形成ポリマー、又はかかるポリマーの混合物から選択される。ポリマーは、合成、半合成又は天然起源であっても良い。ポリマー又はポリマー混合物は、好ましくはフィルムの少なくとも30重量%を占める。
好ましくは、ポリマーは、セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリレート、ポロキサマー、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、タンパク質ポリマー又はその混合物から選択される。ポリマー成分に関して、40重量%までのポリビニルピロリドンを有する前述のポリマーの混合物を使用することも可能である。
好ましいセルロース誘導体は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
適切なポリ(メタ)アクリレートは、例えばメタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸ブチル/2−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、ポリ(アクリル酸ヒドロキシアルキル)、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシアルキル)及びEudragit(登録商標)ポリマーの名称で得られるポリマーである。
いわゆるポロキサマーも、適しており、すなわち好ましくは、少なくとも250000の分子量を有するポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックコポリマーである。
適切なポリビニルエステルは、ポリ酢酸ビニル又はポリプロピオン酸ビニルである。種々の鹸化度、好ましくは95%を超える鹸化度を有するポリビニルアルコールも、適切である。
適切なタンパク質ポリマーは、ゼラチン又はカゼインである。
選択されたポリマーに応じて、作用物質の放出は、主にフィルム中の、かつ最終的に表面を介して外側への作用物質の拡散によって、又は外側から内側へ向けた剤形の溶解によって起こる。フィルムからの作用物質の拡散及びフィルムの溶解の混合形状も、可能である。
概して、フィルムは、少なくとも1種の可塑剤を、例えば0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜20重量%の量で含有する。
かかる可塑剤の例は:
長鎖アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリエチレングリコール、ブタンジオール、ペンタノール、例えばペンタエリスリトール、ヘキサノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコール、シリコーン、芳香族カルボン酸エステル(例えばフタル酸ジアルキル、トリメリト酸エステル、安息香酸エステル、テレフタル酸エステル)、又は脂肪族ジカルボン酸エステル(例えばアジピン酸ジアルキル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、クエン酸及び酒石酸エステル)、脂肪酸エステル、例えばグリセロールモノ−、グリセロールジ−又はグリセロールトリアセテート、又はスルホコハク酸ナトリウムジエチルである。
フィルムを可撓性に保ち、かつ易損性又は脆弱性を避けるために、保湿剤も本発明によるフィルムに添加できる。かかる保湿剤の例は、とりわけ:グリセロール、プロピレングリコール及びポリグリセロールエステルである。
本発明による剤形の好ましい実施態様によれば、フィルムは、キャリヤ層を含まない。この場合に、作用物質を含有するフィルムは、例えば所望の幾何学形状に直接成形でき、かつ特にそれは巻き取ることができる。
剤形のもう1つの実施態様によれば、フィルムは、キャリヤ層、特に作用物質を含有する層が適用される、作用物質を含まないキャリヤ層を含む。キャリヤ層は、例えば水溶性及び水膨潤性ポリマーの少なくとも一方から形成できる。上述のポリマーの全部が使用できる。
更に、キャリヤ層は、不水溶性ポリマーから形成できる。例えば、以下のポリマーが使用できる:ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリ塩化ビニル;ポリ酢酸ビニル。好ましくは、エチルセルロースが使用される。
剤形が巻締フィルムを含む時、作用物質濃度は、好ましくは半径方向で外側に位置するフィルムの区画から半径方向で内側に位置するフィルムの区画へ増加する。特に使用中に溶解する剤形により、すなわち単位時間における溶解中の剤形の表面積減少にもかかわらず、量的に一定量の作用物質が放出される。
作用物質の濃度勾配は、段階的又は無段階であっても良く、すなわちフィルムの長手方向での隣接点の濃度変化は、一定又は可変であっても良い。最後に作用物質の濃度勾配は、線形又は非線形であっても良く、すなわち濃度は、フィルムの長さにわたって線形又は非線形的に変化できる。好ましくは、フィルム中の作用物質の濃度勾配は、剤形の放出プロファイルが、作用物質の放出に関連する時間間隔中で線形であり、かつ特に一定であるように選択される。
更に、フィルム中の作用物質の濃度勾配は、剤形の放出プロファイルが作用物質の時間遅延放出(「パルス放出」)による特性を有するように選択できる。例えば、剤形のフィルム外側上の区画は、作用物質を含有しないことがある。この場合に、作用物質は、それが放出される前に、フィルム外側上のこの区画を通して最初に拡散する。
本発明の更なる実施態様は、制御された漸増用量で、ある期間にわたって作用物質を放出する剤形である。これは、例えば患者が急性耐性を示す作用物質の投与に適している。急性耐性は、治療効果の持続時間短縮及び強度減少によって明らかにされる。漸増用量での放出は、急性耐性を補償でき、かつ所望の治療効果を維持できる。
本発明による剤形の好適な変形例によれば、フィルムの隣接層間の作用物質の拡散を防止するために、バリヤ層がフィルムに適用される。例えばフィルムが、剤形中で螺旋形にコイル巻きにされるならば、バリヤ層は、フィルムの長手方向で螺旋状にではなく、勾配が減少するように、貯蔵中でも半径方向で外側に作用物質の部分拡散を防止する。
バリヤ層は、一般的に少なくとも1種のポリマーを含有する。ポリマーは、医薬上許容し得るポリマー、特にフィルム形成ポリマー、又はかかるポリマーの混合物から選択される。作用物質が不溶性であるか、又は難溶性でしかないポリマーが、特に好まれる。ポリマーは、合成、半合成又は天然起源であっても良い。ポリマー又はポリマー混合物は、好ましくはバリヤ層の少なくとも30重量%を占める。
好ましくは、ポリマーは、セルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリレート、ポロキサマー、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、タンパク質ポリマー又はその混合物から選択される。ポリマー成分に関して、40重量%までのポリビニルピロリドンを有する前述のポリマーの混合物を使用することも可能である。
好ましいセルロース誘導体は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及び酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
適切なポリ(メタ)アクリレートは、例えばメタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、メタクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、メタクリル酸ブチル/2−メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、ポリ(アクリル酸ヒドロキシアルキル)、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシアルキル)及びEudragit(登録商標)ポリマーの名称で得られるポリマーである。
いわゆるポロキサマーも、適しており、すなわち好ましくは、少なくとも250000の分子量を有するポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドのブロックコポリマーである。
適切なポリビニルエステルは、ポリ酢酸ビニル又はポリプロピオン酸ビニルである。種々の鹸化度、好ましくは95%を超える鹸化度を有するポリビニルアルコールも、適切である。
適切なタンパク質ポリマーは、ゼラチン又はカゼインである。
本発明による剤形のもう1つの好ましい実施態様によれば、フィルムは、少なくとも2つの層を有し、第1の層は、第1の作用物質について濃度勾配を有し、かつ第2の層は、第2の作用物質について濃度勾配を有する。これにより、個別の作用物質が異なる速度で放出される、組み合わせ剤形を提供することが可能である。
フィルムは、1種の医薬作用物質を特に含有する。有効成分は、生理活性剤であり、かつ経口投与後に局所的な生理的効果を及ぼすもの、並びに全身的効果を及ぼすものを含有する。
適切な作用物質の例には、以下のものを含むが、それらに限定されない:
フェンタニル、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、フェノプロフェン、アセチルサリチル酸、ケトプロフェン、ナブメトン、パラセタモール、ピロキシカム、メロシキカム、トラマドールのような鎮痛薬及び抗炎症薬、並びにセレコシキブ及びロフェコキシブのようなCOX−2阻害剤;
プロカインアミド、キニジン及びベラパミルのような抗不整脈薬;
アモキシシリン、アンピシリン、ベンザチンペニシリン、ベンジルペニシリン、セファクロル、セファドロキシル、セフプロジル、セフロキシムアキセチル、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロロキン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クラブラン酸、クリンダマイシン、ドキシサイクリン(doxyxycline)、エリスロマイシン、フルクロキサシリンナトリウム、ハロファントリン、イソニアジド、硫酸カナマイシン、リンコマイシン、メフロキン、ミノサイクリン、ナフシリンナトリウム、ナリジクス酸、ネオマイシン、ノルトロキサシン、オフロキサシン、オキサシリン、フェノキシメチル−ペニシリンカリウム、ピリメタミン−スルファドキシム及びストレプトマイシンのような抗菌及び抗原虫薬;
ワルファリンのような抗凝血剤;
アミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドチエピン、ドキセピン、フルオキセチン、レボキセチン、アミネプチン、セレギリン、ゲピロン、イミプラミン、炭酸リチウム、ミアンセリン、ミルナシプラン、ノルトリプチリン、パロキセチン、セルトラリン及び3−[2−[3,4−ジヒドロベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−2(1H)−イル]エチル]−2−メチル−4H−ピリド[1、2−a]ピリミジン−4−オンのような抗うつ薬;
グリベンクラミド及びメトホルミンのような抗糖尿病薬;
カルバマゼピン、クロナゼパム、エトスクシミド、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、フェノバルビトン、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラメート、バルプロミド及びビガバトリンのような抗てんかん薬;
アンホテリシン、クロトリマゾール、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィン及びボリコナゾールのような抗真菌薬;
アステミゾール、シンナリジン、シプロヘプタジン、デカルボエトキシロラタジン、フェキソフェナジン、フルナリジン、レボカバスチン、ロラタジン、ノルアステミゾール、オキサトミド、プロメタジン及びテルフェナジンのような抗ヒスタミン薬;
カプトプリル、エナラプリル、ケタンセリン、リシノプリル、ミノキシジル、プラゾシン、ラミプリル、レセルピン、テラゾシン及びテルミサルタンのような降圧剤;
硫酸アトロピン及びヒヨスチンのような抗ムスカリン剤;
シスプラチン及びカルボプラチンのような白金化合物のような抗腫瘍薬及び代謝拮抗薬;パクリタキセル及びドセタキセルのようなタキサン;カンプトテシン、イリノテカン及びトポテカンのようなテカン;ビンブラスチン、ビンデシン、ビンクリスチン及びビノレルビンのようなビンカアルカロイド;5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びメトトレキサートのようなヌクレオシド誘導体及び葉酸拮抗薬;ナイトロジェンマスタード、例えばシクロホスファミド、クロラムブシル、キオルメチン(chiormethine)、イホスファミド、メルファラン、又はニトロソウレア、例えばカルムスチン、ロムスチンのようなアルキル化剤、又は他のアルキル化剤、例えばブスルファン、ダカルバジン、プロカルバジン、チオテパ;ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ブレオマシン、ダクチノマイシン及びマイトマイシンのような抗生物質;トラスツズマブのようなHER2抗体;エトポシド及びテニポシドのようなポドフィロトキシン誘導体;ファメシルトランスフェラーゼ阻害剤;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤;ミトキサントロンのようなアントラキノン誘導体;
アルニジタン、ナラトリプタン及びスマトリプタンのような抗偏頭痛薬;
メシル酸ブロモクリプチン、レボドパ及びセレギリンのような抗パーキンソン薬;
アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド、クロルプロマジン、クロザピン、ジアゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、9−ヒドロキシリスペリドン、ロラゼパム、マザペルチン、オランザピン、オキサゼパム、ピモジド、ピパンペロン、ピラセタム、プロマジン、リスペリドン、セルフォテル、セロクエル、セルチンドール、スルピリド、テマゼパム、チオチキセン、トリアゾラム、トリフルペリドール、ジプラシドン及びゾルピデムのような抗精神病、催眠及び鎮静薬;
ルベルゾール、ルベルゾールオキシド、リルゾール、アプチガネル、エリプロジル及びレマセミドのような抗脳卒中薬;
デキストロメトルファン及びレボドロプロピジンのような鎮咳薬;
アシクロビル、ガンシクロビル、ロビリド、チビラピン、ジドブジン、ラミブジン、ジドブジン/ラミブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、アバカビル、アンプレナビル、ネビラピン、エファビレンツ、デラビルジン、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル、アデフォビル及ヒドロキシウレアのような抗ウイルス薬;
アテノロール、カルベジロール、メトプロロール、ネビボロール及びプロパノロールのようなベータアドレナリン受容体遮断薬;
アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン及びミルリノンのような強心薬;
ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン及びトリアムシノロンのようなコルチコステロイド;
クロルヘキシジンのような消毒薬;
アセタゾールアミド、フロセミド、ヒドロクロロチアジド及びイソソルビドのような利尿薬;
酵素;
アネトール、アニス油、キャラウェイ、カルダモン、カッシア油、シネオール、ケイ皮油、丁字油、コリアンダー油、脱メントール化ミント油、ジラ油、ユーカリ油、オイゲノール、ショウガ、レモン油、カラシ油、ネロリ油、ナツメグ油、オレンジ油、ハッカ油、セージ、スペアミント、テルピネオール及びタイムのような精油;
シメチジン、シサプリド、クレボプリド、ジフェノキシレート、ドンペリドン、ファモチジン、ランソプラゾール、ロペラミド、ロペラミドオキシド、メサラジン、メトクロプラミド、モサプリド、ニザチジン、ノルシサプリド、オルサラジン、オメプラゾール、パントプラゾール、ペルプラゾール、プルカロプリド、ラベプラゾール、ラニチジン、リドグレル及びスルファサラジンのような胃腸薬;
アミノカプロン酸のような止血薬;
アトルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、プロブコール及びシンバスタチンのような脂質調整薬;
ベンゾカイン及びリグノカインのような局所麻酔薬;
ブプレノルフィン、コデイン、デキストロモルアミド、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、オキシコドン及びモルヒネのようなオピオイド鎮痛薬;
AIT−082、エプタスチグミン、ガランタミン、メトリフォネート、ミラメリン、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、タクリン、ドネペジル、リバスチグミン、サブコメリン、タルサクリジン、キサノメリン、メマンチン及びラザベミドのような副交感神経興奮薬及び抗認知症薬;
抗体、ベカプレルミン、シクロスポリン、タクロリムス、エリスロポイエチン、免疫グロブリン及びインスリンのようなペプチド及びタンパク質;
エストロゲン:結合型エストロゲン、エチニルエストラジオール、メストラノール、エストラジオール、エストリオール、エストロン;プロゲストゲン;酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、17−デアセチルノルゲスチメート、デソゲストレル、ジエノゲスト、ジドロゲステロン、エチノジオールジアセテート、ゲストデン、3−ケトデソゲストレル、レボノルゲストレル、リネストレノール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン、プロゲステロン、及び酢酸キンゲスタノールのような性ホルモン;
シルデナフィル、バルデナフィルのような刺激剤;
アムロジピン、ブフロメジル、亜硝酸アミル、ジルチアゼム、ジピリダモール、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、リドフラジン、モルシドミン、ニカルジピン、ニフェジピン、オキシペンチフィリン及び四硝酸ペンタエリスリトールのような血管拡張剤;
B1、B2、B6及びB12並びにニコチン酸及びニコチンアミドを含むA群、B群のビタミン、並びにアデニン、クロリン、パントテン酸、ビオチン、アデニル酸、葉酸、オロチン酸、パンガミン酸、カルニチン、p−アミノ安息香酸、ミオイノシトール及びリポ酸のようなビタミンB類似の性質を有する化合物、並びにビタミンC、D群、E群、F群、H群、I及びJ群、K群及びP群のビタミンのようなビタミン;
それらのN−酸化物、それらの医薬上許容し得る酸又は塩基付加塩及びそれらの立体化学異性体。
本発明による方法において、作用物質は、好ましくは水溶性、水膨潤性又は水分散性ポリマーのマトリックス中に包埋される。
医薬上許容し得る酸付加塩は、有効成分の塩基形を適切な有機及び無機酸で処理することにより、好都合に得ることができる酸付加塩の形状を含む。
酸性プロトンを含有する有効成分は、適切な有機及び無機塩基で処理することにより、その無毒性金属又はアミン付加塩の形状に転換できる。
用語、付加塩は、水和物、及び有効成分が形成できる溶媒付加形状も含む。かかる形状の例は、例えば、水和物、アルコラート等である。
有効成分のN−酸化物の形状は、1個又は数個の窒素原子が、いわゆるN−酸化物に酸化される有効成分を含む。
用語「立体化学異性体」は、有効成分が持てる全ての可能な立体異性形状を定義する。特に立体中心は、R−又はS−配置を有することができ、かつ1つ以上の二重結合を含有する有効成分は、E−又はZ−配置を有することができる。
作用物質を有する固形剤形の製造のための本発明による方法において、少なくとも1つのフィルムが生成され、それは少なくとも区画に作用物質を含有し、フィルムの作用物質濃度が、フィルムの厚さに垂直な方向に、特にフィルムの長手方向に勾配を有する。作用物質を含有するフィルムは、次に剤形に整形される。作用物質を含有するフィルムは特に、剤形を与えるために巻き取られる。更に、作用物質を含有するフィルムは、剤形を製造するために幾つかの重ね合わされたフィルムから形成できるか、又は剤形を製造するために折り畳むことができる。
本発明による方法の好ましい実施態様によれば、フィルムは、溶媒なし、特に有機溶媒なしに生成される。この場合にフィルムのその後の乾燥は、もはや必要でない。その上、溶媒は多くの場合ヒトに関して毒性効果を有する。そのようなものとして、溶媒は、好ましくは本発明による剤形中で使用されず、それはより良く許容される。
本発明による方法の一応用例によれば、フィルムは、少なくとも1種のポリマー及び作用物質の混合物を押出機に供給し、かつ押出工程中に作用物質のポリマーに対する混合比を、すなわちフィルム中の作用物質の所望の濃度勾配に応じて変化させることを含む押出工程によって形成される。特に前述のポリマーが使用できる。押出機から出る混合物は、概して少なくとも1つのフィルムノズル又はスリットダイを通って推し進められ、フィルムを形成する。
本発明による方法の一実施態様によれば、フィルムは、作用物質を含有する層のためのキャリヤ層なしで生成できる。もう1つの実施態様によれば、キャリヤ層、および特には作用物質を含有しないキャリヤ層が、フィルムを作製するために使用され、かつ作用物質を含有する層が、この上に適用される。例えば、フィルムは、共押出によって形成でき、第1押出機によってキャリヤ層を生成し、かつ第2押出機によって作用物質を含有する層を生成し、作用物質を含有する押出されたフィルムが作用物質の所望の濃度勾配を有するように共押出中に2つの押出機の体積流量を制御又は調整する。作用物質の濃度勾配は、押出又は共押出中に押出方向に形成できる。その上、押出又は共押出中に、作用物質の濃度勾配は、押出方向に対して横方向に形成できる。後者の場合に、例えば多チャンバフィーダが使用できる。
本発明による方法の応用例によれば、作用物質を含有するフィルムは、1つ以上のラミネート加工層によってラミネート加工される。ラミネート加工層は、剤形の形成されたフィルム中で隣接層間の作用物質の拡散を防止する、特にバリヤ層である。更に、ラミネート加工層は、剤形中のフィルムに隣接する接着層又は分離フィルムの形状であっても良い。作用物質を含有する押出されたフィルムは、ラミネート加工層と共にそれをカレンダに塑性状態で供給することによって、例えばラミネート加工できる。更に、ラミネート加工前にさらに異なる種類の作用物質が、ラミネート加工層中又は層上に適用できる。
本発明による方法の更なる実施態様によれば、最初にキャリヤフィルムが、キャリヤ層として形成され、次に作用物質の分散溶液又は懸濁液によって被覆される。キャリヤ層は、例えばフィルム押出工程によって生成できる。
本発明は、図面を参照して応用例に基づき、今から説明される。
本発明による剤形の応用例を示す。 作用物質の種々の放出プロファイルを示す。 作用物質の濃度勾配の簡略化された計算を説明することに役立つ。 作用物質の濃度勾配の簡略化された計算を説明することに役立つ。 本発明による剤形の更なる応用例を示す。 本発明による剤形の更なる応用例を示す。 本発明による方法を実行する共押出装置を示す。 本発明による方法を実行する時に使用される装置の一部を概略的に示す。 ラミネート加工層を有するキャリヤフィルムを示す。 本発明による方法を実行する装置を概略的に示す。 本発明による方法の一応用例で使用される二重フィーダを示す。 本発明による方法の応用例により使用される流し込みドラムを示す。 本発明による方法の応用例により使用される多チャンバフィーダを示す。 本発明による方法の応用例により使用されるもう1つの装置を示す。 比較例における作用物質の放出の時間依存変化を示す。 本発明による実施例における作用物質の放出の時間依存変化を示す。 本発明によるもう1つの実施例による作用物質の放出の時間依存変化を示す。
図1は、剤形の基本構造を示す。それは、円筒体を形成するために巻き取られるフィルム1を含み、前記円筒体内でフィルム1が螺旋形を形成する。フィルム1は、作用物質を含有し、その濃度は、螺旋形に沿って変化する。従ってフィルム1は、フィルムの長手方向に作用物質の濃度勾配を有する。
濃度勾配の正確な形状は、剤形が意図されるように投与される時の作用物質の所望の放出プロファイルよって決まる。図2は、作用物質の種々の放出プロファイル、すなわち作用物質Wの放出の時間依存変化を示す。曲線Aは、線形放出プロファイルを示し、曲線Bは、非線形放出プロファイルを示し、かつ曲線Cは、作用物質の時間遅延初期放出(「パルス放出」)による放出プロファイルを示す。
剤形に必要とされる作用物質の濃度勾配は、作用物質の所望の放出プロファイルに関して計算できる。特に、剤形の基本的幾何学形状の表面積/体積の比が、考慮に入れられる。作用物質の濃度勾配の調節方法は、簡略化する想定による計算に基づき、かつ図3A及び図3Bを参照して以下に示す:
円筒剤形は、半径Rと、高さHと、合計N層とを有し、単一層の厚さは、d=R/Nである。計算のために、図3Bに示すように、簡略化としてコイル体が、継続的に巻かれず、個別の層からなることが想定される。
作用物質を含有し、かつ剤形を形成するフィルムが溶解し、作用物質を放出することが、更に想定される。コイル体の半径が個別の層だけ、すなわち厚さdだけ単位時間中に減少することが更に想定される。最内層の体積に関して次式が見出された:
=2・π・d・L
i番目の層の体積に関して次式が得られた:
=π・d・L・(2・i−1)
(式中Lは、層の長さである)。コイル体は、側面から溶解する。その高さは、単位時間中、2dだけ減少し、その結果層の長さLは、次式のように変化する:
N番目の層:L=H
(N−1)番目の層:L=H−2d
(N−i)番目の層:L=H−2d・(N−i)
それ故に、溶解中に、各最外層の瞬時体積は、次式のようになるという結果になる:
=πd・(H−2d・(N−i))・(2・i−1)
時点tで、層tが溶解するだけでなく、全層の側方端面も指数i<tによって溶解する。厚さDのこれらの端面は、次のような体積を有する:
st=π・d・d・(2・i−1)
最初に、各層tは、作用物質ρの未知の濃度を有する。時間tまでに、それ故に次の量の作用物質Xが、放出される。放出は、最外層の成分と、側方端面の成分とで構成される:
Figure 2010509295
Figure 2010509295
放出される作用物質の量を事前に定義するならば、すなわち時点tにおける作用物質の量Xを事前に定義すれば、上記一連の方程式を未知のρについて解くことができ、t=1で開始すると、ρ、ρ、ρ、・・・を次々に求めることができる。次にコイル体は、作用物質ρの計算された濃度によって個別の層から作製できる。再度簡略化して、各々がコイル外周の長さを有し、かつ各々が作用物質ρの計算された濃度を含有する、連続した部片を含む作用物質を含有するフィルムのストリップが、生成できる。
作用物質の濃度勾配は、連続した螺旋形コイルを計算することによって更に一層正確に計算できる。かかる計算は、当業者に良く知られている。ここでもまた、この計算において、剤形中の作用物質の体積濃度は、外側からのこの物体の一定の溶解が、時間の経過に伴う作用物質の所望の放出を生成するように決定される。次に、コイル体を形成するために巻き取られるストリップ中の作用物質の濃度の必要とされる外観は、このように計算された作用物質の空間分布から逆算することによって見出される。
図4及び図5は、本発明による剤形の更なる2つの実施例を示す。図4に示す実施例においてフィルム4は、折り畳まれ、その結果断面が基本的に長方形である。図5に示す実施例において、剤形は、幾つかの重ね合わされたフィルム1a〜1dを含む。
本実施例の剤形の詳細は、製造方法の記載に関連して、以下で説明する。
作用物質を含有するフィルムは、同様にポリマーを含有する、作用物質の溶液又は揮発性溶媒へ作用物質を懸濁した懸濁液を用いてキャリヤフィルムを被覆することによって生成できる。なお、溶媒を用いずに生成することが好ましく、特に生成方法として押し出し成型が好ましく用いられる。
例えば、フィルムは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,6th edition,1999 Electronic Release;Section:“Films”に記載されたような、いわゆるフィルム押出工程で生成することができる。この場合に、下層のポリマー又はポリマーブレンドは、必要に応じて所定の添加剤が添加されて押出機中で可塑化される。可塑化ポリマーメルトは、広いスリットの付いたノズルを通して押出機から排出され、幾つかの加熱可能な平滑化ロール上に導かれ、所望の幅及び厚さのフィルムが生成される。ポリマーの押し出しは、必要に応じて所定の添加剤が添加されて同速で回転する二軸押出機中で実行される。これらの添加剤は、例えばポリマーの加工温度を低下させるために、軟化特性を有するものであってよい。例えば、低分子ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、トリアセチン及び水が、ここでは好ましく用いられる。加工温度は、使用されるポリマーの含水量によって単純に制御され、比較的広い範囲にわたって制御できる。ポリマーには、0.5〜12重量%、好ましくは1〜8重量%、かつ特には2〜5重量%の含水量を有するものが好ましく用いられる。ポリマーの含水量は、既知の方法によって決定できる(例えば試料のIR乾燥及び重量損失の決定、又はカール・フィッシャー滴定による)。前述のポリマー全部が、僅かに吸湿性なので、規定の含水量は、ポリマーの既知の収着等温線により空気の規定の湿度で戸外にポリマーを保存することによって達成できる。更に、必要量の水が、押出前に既知の造粒技術によって一般的に粉末形状でポリマーに適用できる。しかしながら、一定供給流体ポンプによりポリマーの粉末供給と同時に、必要な水を供給することが最も簡易であり、かつそれ故に特に好ましい。この直接供給は、前述の他の適した(かつ同様に液体の)可塑剤によっても同様に行うことができる。液体添加剤を押出機に供給する方法は、当業者に知られている。
次に水性又は非水性溶媒中に溶解又は懸濁された作用物質は、キャリヤフィルム上に均一の層厚さで適用される。このことは、既知の方法によって、例えばF.Hensen(Ed.):Plastics Extrusion Technology,2nd edition,Hanser Publishers,Munich,1997,pages 391〜394に記載されたように実行できる。低い沸点を有する溶剤が、好ましく、高価な工程なしにほぼ完全に除去でき、かつフィルム上に残留した量では毒性でない。例えば、エタノール、イソプロパノール又はテトラヒドロフランが、溶媒として使用できる。
フィルム上の作用物質の濃度勾配は、特に押出技術によって生成できる。図6に共押出装置を示す。この装置において、キャリヤフィルムの材料は、第1押出機2中で生成され、かつ熱可塑性に加工できる、作用物質を含有する混合物が、第2押出機3中で生成される。押出機2及び3からの両方の溶融した流れは、共押出ノズル4に同時に導かれる。フィルム1上の作用物質の勾配は、個別の押出機2及び3の体積流量を変化させることによって制御され、好ましくは、一定の厚さを有するフィルムを生成するために、時間の経過に伴う総体積流量を一定に保つ。
このように生成されたフィルムは、コイル巻き又は巻締されて剤形となる。従って、剤形は、円筒形であり、かつ剤形の外側の層と、内側の層との間に作用物質の濃度勾配がある。また、コイル巻きに巻かれた各層は互いにくっついてコイル巻き状態を保ちつつ、作用物質あるいは剤形の他の成分がコイル巻きに巻かれた各層間を拡散するのを最小限に抑えるために、フィルムが一緒に巻締される前に追加の層が例えばラミネート加工によってフィルムに貼り付けられる。
ラミネート加工技術は、当業者に知られている(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,6th edition,1999 Electronic Release;Section:Films,及びF.Hensen(Ed.):Plastics Extrusion Technology,2nd edition,Hanser Publishers,Munich 1997,pages 365〜398参照)。ここでもまた2つの変形例、すなわち溶媒を用いないラミネート加工及び溶液又は懸濁液によるラミネート加工が、特に検討される。
図7に示すように、前述の方法によって生成され、勾配の形状で作用物質を含有するフィルム1を、溶媒を含まないラミネート加工することは、押出後に、すなわちなおも塑性状態で、2つのロール7及び8を有するカレンダに、特にラミネート層を形成する1つ又は2つのフィルム9及び10が同時に供給される平滑ロールカレンダに、直接供給される。この方法は、米国特許第5897910号明細書にすでに記載された、カレンダ加工された錠剤を被覆する方法に類似する。この方法により、接着ラミネート層を、なおも塑性状態にある作用物質を含有するフィルム上に強く適用することが可能である。医薬上許容し得るポリマーの非常に多くのフィルムが、米国特許第5897910号明細書に記載されたような、ラミネート材料として検討できる。2つのフィルムが使用されるならば、原則として2つの異なるラミネートフィルムを使用することが可能である。例えば、第1フィルムは、拡散バリヤ層の機能を執行でき、他方で、他のフィルムは、コイル巻き中に完全なフィルムの接着を推進する。
原則として、作用物質を含有する層の適用の場合と同じ技術が、溶液又は懸濁液によるラミネート加工に使用できる(F.Hensen(Ed.):Plastics Extrusion Technology,2nd edition,Hanser Publishers,Munich,1997,p.391ff.)。この方法は、(例えば接着層のような)非常に薄い層が適用されるべき時、又は感温材料により、熱工程を使用できない時に特に適している。
ラミネート加工用に使用されるフィルムが1種の作用物質又は数種の作用物質を含有できる、特殊な特性を有する剤形を生成する他の可能性がある。例えば、個別の作用物質が異なる速度で放出される、組み合わせ剤形を生成することが可能である。このことは、キャリヤフィルムとして使用される層と、ラミネート加工用に使用される層との両方が、勾配の形状で作用物質を含有することにおいて達成される。
結果として生じたフィルム1は、図8に示す。それは、作用物質Bの濃度勾配を有するキャリヤフィルム11と、作用物質Aの濃度勾配を有するラミネート層12とを含む。
上記の方法により、作用物質のいかなる所望の濃度勾配も、前記のように生成できる。
剤形は、次に作用物質の濃度勾配を有するフィルムから製造できる。フィルムがすでに所望の高さの剤形を有するならば、それは、長手方向に巻き上げることができ、かつ次に作用物質の濃度勾配が、長手方向にも広がる。幅広のフィルムが生成されたならば、最初にストリップに切断でき、それは次に巻き取られる。ここでもまた作用物質の濃度勾配が、長手方向、すなわちコイル巻きの方向に広がる。必要であれば巻き取られるべきストリップは、巻締め前に湿らされるか、又は他の種類の接着剤を与えられ、その結果それらは、一緒にしっかりと留まる。更に、上記のように、フィルムは、積み重ねられるか、又はジグザグに折り畳める。剤形は、フィルムの積み重ねから打ち抜くことができる。
更なる実施態様によれば、可溶性又は不溶性フィルムが、時間に応じて作用物質の放出に意図的に影響を及ぼすために、作用物質を含有するフィルムの間に巻かれることができる。
更なる実施態様によれば、フィルム中の作用物質の計算された勾配は、各々が異なる量の作用物質を含有する個別のフィルム区画からフィルムストリップを集めることによっても接近させることができる。このことは、計算された勾配をほぼ再現する、フィルム中の段階的プロファイルもたらす。この場合に、例えば異なる濃度の作用物質を有する個別の部分区画が適用されるキャリヤフィルムを使用することが可能である。
更なる、特に好ましい適用例は、キャリヤフィルムの使用を省く。作用物質を含有するこの種類のフィルムの生成装置は、図9に示す。それは、ポリマー、作用物質及び必要であれば他の添加剤の混合物が供給される、押出機13を含む。作用物質は、第1計量フィーダ14を介して、かつ混合物の他の成分は、第2計量フィーダ15を介して押出機13に供給される。押出中に、2つの計量フィーダ14及び15の供給速度は、好ましくは操作時間を通じて押出機13中の一定の質量流量を与えるために、2つの計量フィーダ14及び15の合計が一定のままであるので、総供給速度によって変化する。結果は、作用物質の濃度勾配を有する、キャリヤのないフィルム1である。このフィルム1は、剤形として直接巻き取ることができる。その上フィルムは、−前述のように−ラミネート加工でき、かつバリヤ層を与えることができる。
作用物質を適用又は組み込むための代替的な実施態様を、以下に記載する:
押出と同じように、フィルムは、作用物質の溶剤含有分散又は懸濁液を被覆することによっても生成できる。これに適した被覆装置を、図10に示す。それは、フィルム巻戻装置16と、被覆装置17と、フィーダ18と、乾燥機19と、被覆フィルム1の巻取装置20とを含む。フィーダ18は、溶液21及び溶液22が出発フィルムに適用できる、二重フィーダの形状にある。
フィーダ18を通した区画を、図11に示す。フィーダ18により、2つの層が、1つのキャリヤフィルムに同時に適用できる。1つの流し込みチャネルを省略することによって、単一層が、同じように生成できる。その上、2つを超える層を適用するために、追加の注入チャネルを追加きる。図11に示すように、被覆装置17は、被覆ロールとして設計される。キャリヤフィルムは、この被覆ロール上を通過し、前記被覆ロールは、図11の矢印Aの方向に動く。分散した作用物質を有する溶液21及び22は、被覆ロールに供給され、かつキャストフィルムの層の厚さは、フィーダ18と、被覆ロールと間の距離を選択することによって、又は適切な事前計測によって調節できる。作用物質の濃度が、被覆中に一方又は両方の分散で変更されるならば、フィルムの長手方向での作用物質の濃度勾配が得られ、他方で全体の厚さは一定となる。このようにして、キャスト層の長手方向において作用物質のいかなる所望のプロファイルも確立することが可能である。
代替的な実施態様によれば、フィルムは、図12に示す多チャンバフィーダ23によって生成される。図10に示す二重フィーダと同様に、被覆ロールとして構成される被覆装置17は、矢印Aの方向に回転する。被覆は、フィーダ24によってキャリヤフィルムに適用できる。フィーダ24は、フィルムの長手方向、及び被覆ロールの回転方向に対して横方向に広がる多数のチャンバ25を有する。チャンバ25が、異なる含有量の作用物質を有する分散で充填されるならば、作用物質の濃度勾配は、被覆方向に対して横方向に生成される。乾燥後、フィルムが次に被覆方向に対して横方向に、ストリップに切断されるならば、濃度勾配は、ストリップの長手方向で再度得られる。このストリップは、剤形を与えるために、その場合巻締、折り畳み、又は積み重ねられる。
更なる実施態様によれば、キャリヤフィルムは、図13に示す装置を使用して、同時にポリマーを含有する揮発性溶媒中の作用物質の溶液又は懸濁液によって被覆される。この場合に水を有する懸濁液は、水が可塑剤の役を果たすので、除去される必要がないという利点を有する。装置は、2つのタンク26及び27を含む。タンク26は、溶剤を含有し、かつタンク27は、作用物質を含有する溶剤を含有する。2つのタンク26及び27は、チャネル28を介して一緒に結合される。撹拌器29がタンク26に与えられる。被覆に使用される作用物質を含有する溶液は、出口30を介してキャリヤフィルムへ移動する。2つのタンク26及び27が互いに接続されるので、被覆に使用される溶液中の作用物質の濃度は、2つの個別のタンクを含む複合容器を空にする間に継続的に増加した。作用物質の、ほぼいかなる所望の濃度勾配も、異なっている2つの容器の体積に応じて、かつタンク27中の作用物質の濃度に応じて生成できる。その上、濃度勾配の更なる変化が、タンク26及び27の特殊な幾何学形状に関して可能である。タンク26及び27は、例えば円錐形状を有することができる。
更なる実施態様によれば、作用物質を含有するフィルムは、溶液として、又は懸濁液として作用物質を、ポリマーが可塑化される押出機にポンプで注入することによって生成される。溶媒の添加によって組み込まれた液体は、例えばノズル出口の直前の真空シャフトによって、押出中でも再度除去できる。時間の経過に伴い液体供給を変化させることによって、作用物質の濃度勾配が、フィルム押出物に組み込むことができる。その場合に、総用量、すなわちノズルを介して押出機から離れる質量流量は、一定の厚さのフィルムを生成するために、至る所で一定のままに留まるべきである。
好ましい変形例によれば、液体の総供給も、生成を通じて一定のままに留まる。このことは、時間の経過に伴う溶液中、又は懸濁液中の作用物質の濃度を変化させることによって達成できる。この変形例において、数種の溶媒(同様に、かつ特には水)が、使用されるポリマーの濃度依存作用により可塑剤の役目を果たすならば、好都合であり、その結果液体の供給が一定のままに留まらないならば、押出工程のパラメータの継続した調節が、必要とされる(特に射出温度)。液体供給が一定のままに留まるならば、押出は、一定の工程条件によって実行できる。
一実施例によれば、ヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)EF/Aqualon,80重量%)と、Copovidone(Kollidon(登録商標)VA−64/BASF,10重量%)とを含む、1.5kg/hの粉末混合物は、二軸押出機(18mmのスクリュー直径)中で継続的に可塑化され、かつ広いスリットの付いたフィルムノズル(約20cmの排出幅)を介して排出される。その上、酒石酸メトプロロールの水溶液が、HPLCポンプを介して押出機に6g/minの定数で供給され、その結果作用物質の濃度は、10分間の押出時間中に、0%から継続的に(線形で)40重量%に増加する。排出ノズル前の、最後から2番目の射出において、押出機は、真空マンドレルを含有し、それにより、真空(10〜200mbar)が適用できる。このようにして、送り込まれた溶媒(水)は、メルトから除去できる。排出されたフィルムは、0から最大の8.8重量%に増加する濃度で、酒石酸メトプロロールを含有する。
可塑化されたメルトに直接真空を適用することによる同伴した溶媒の除去を伴う、溶液又は懸濁液からの作用物質の供給は、プロセス工学の観点から容易であるので、多くの場合に2つの押出機が同時に作動する共押出工程よりも好まれる。特に感温作用物質の場合に、添加された溶媒(水、エタノール、イソプロパノール、THF;好ましくは:水又は低級アルコール;特に好ましくは:水)が可塑剤の役目を果たし、かつ工程温度を、それ故に低下できる(「穏やかな押出」)ので、液体供給が適している。作用物質が、一般的に高活性のペプチド/タンパク質である、インプラントの生成と関連して、この生成工程は、これらの多くの場合感温であるペプチド/タンパク質のポリマーマトリックス中の包埋よりも、多くの場合好まれる。
フィルム中の作用物質の含有量が、約10重量%を超えることが要求されるならば、多くの場合にポンプ供給に関して懸濁液は、その時にのみ十分に大量の作用物質を送達することが可能なので(多くの作用物質の溶解度は、特に水中で十分に高くない)、溶液よりも好まれる。懸濁液中での沈殿を回避するために、既知の懸濁安定剤が添加できるか(とりわけ、医薬的利用に適した水膨潤性ポリマー)、かつ/又は懸濁液が継続的に撹拌されねばならない。
A.キャリヤフィルムの被覆:
(比較例A)
薄いPVA(ポリビニルアルコール)キャリヤフィルムは、溶解した作用物質を含有した厚いポリ酢酸ビニル層によって被覆された。キャリヤフィルムの厚さは50μmであり、かつ作用物質を含有する層の厚さは、200μmであった。ポリ酢酸ビニル中で良好な溶解度を有し、かつ光学手段によって確実に検出できる水溶性キサンテン染料Rhodamine 6Gが、モデル物質として選択された。フィルムは、長さ15mm及び直径10mmのロールを形成するために巻き取られた。これらの剤形は、0.1N HCl(胃液)中で37℃で溶解され、かつ放出された作用物質量は、透過センサによってインラインVIS分光法によって決定された。
本比較例において、剤形は、35g/cmの作用物質の一定分布を有するフィルムから製造された。図14は、本比較例における作用物質Wの放出量および累計量の時間変化を示す。図14において、曲線31は、作用物質の累計量を示し、曲線32は、時間に応じて測定された作用物質の放出を示す。本比較例では、作用物質の放出が、時間の経過に伴い減少することが発見された。
(実施例A1)
時間の経過に伴い一定である放出プロファイルが、剤形の巻取状態で確立されるように、フィルム中の作用物質の濃度が計算されたことを除き、比較例Aは繰り返された。剤形の寸法は、比較例のそれに対応した。作用物質は、0.04%/mm、0.16%/mm及び0.92%/mmの濃度勾配が確立された、3つのゾーン又はステップで適用された。剤形中の作用物質の総量は、33mgであった。
図15は、本実施例における作用物質Wの放出量および累計量の時間変化を示す。図15において、曲線33は、作用物質の累計量を示し、曲線34は、放出される作用物質の測定量の時間変化を示す。本実施例では、所望の線形の時定数放出プロファイルが、作用物質の放出の少なくとも最初の40分間、得られる。
(実施例A2)
作用物質がロールの端面を介してのみ放出でき、かつ特にロールの発生した表面を介して放出できないように、不水溶性キャリヤフィルムが使用された拡散制御放出での剤形が、生成された。二酢酸セルロースが、キャリヤ材料として使用された。剤形中に適用された作用物質の濃度は、定数35mg/cmであった。
図16は、本実施例における作用物質Wの放出量および累計量の時間変化を示す。図16において、曲線35は、作用物質の累計量を示し、曲線36は、放出される作用物質の測定量の時間変化を示す。本実施例では、時間の経過に伴う非常に一定した放出プロファイルを有する、5時間にわたる作用物質の比較的遅い放出がある。しかしながら、非常に明白な初期バースト効果があるが、このことは、勾配を調節することによって排除できる。
B.押出によるフィルム生成
(比較例B)
30重量%のヒドロキシプロピルセルロース(Klucel EFタイプ、Hercules)と、70重量%のCopovidone(Kollidon VA−64、BASF)とを含む均質な粉末混合物が、同速で回転する二軸押出機の供給開口部へ、計量フィーダ(K−tron、重量供給)を介して1.5kg/hの一定供給速度で測定された。均質なメルトが押出機から、出口に取り付けられたフィルムノズル(幅8cm)を介して排出され、かつ平滑化ロール上でフィルムを形成するために巻締できた。剤形は、このフィルムから形成された。
(実施例B1)
検査が比較例Bでのように行われたが、今回比較例Bでのようなポリマー混合物の供給に加えて、固形形状(粉末)のイブプロフェンが、第2計量フィーダを介して作用物質に添加された。第2計量フィーダの供給速度は、計量フィーダ1(ポリマー混合物)及び計量フィーダ2(イブプロフェン)からの2つの粉末の流れの重量比が、4部対1部の値に対応するまで、時間の経過に伴い着実に増加した。比較例Bでのように、平滑ローリングによって作用物質を含有するメルトからフィルムを生成することが可能であり、かつ剤形が、そこから形成できた。
(実施例B2)
検査が実施例B1でのように行われたが、今回作用物質(イブプロフェン)は、加熱された歯車ポンプを介して押出機に直接、溶融形状で供給された。ポンプの供給速度は、計量フィーダ1(ポリマー混合物)及び計量フィーダ2(イブプロフェン)からの2つの粉末の流れの重量比が、4部対1部の値に対応するまで、時間の経過に伴い着実に増加した。実施例B1でのように、平滑ローリングによって作用物質を含有するメルトからフィルムを生成することが可能であった。
1 フィルム
11 キャリヤフィルム
12 ラミネート層
13 押出機
14 第1計量フィーダ
15 第2計量フィーダ
16 フィルム巻戻装置
17 被覆装置
18 フィーダ
19 乾燥機
20 巻取装置
21,22 溶液
23 多チャンバフィーダ
24 フィーダ
25 チャンバ
26,27 タンク
28 チャネル
29 撹拌器
30 出口

Claims (26)

  1. 少なくとも区画に作用物質を含有する、少なくとも1つのフィルム(1)を含む固形剤形であって、フィルム(1)、又は複数のフィルム中の作用物質の濃度が、フィルム(1)の厚さに垂直な方向に勾配を有することを特徴とする固形剤形。
  2. 前記作用物質が、少なくとも1つの水溶性、水膨潤性、又は水分散性ポリマーのマトリックス中に包埋されることを特徴とする請求項1に記載の固形剤形。
  3. 前記剤形が、少なくとも区画に作用物質を含有する巻締めされたフィルム(1)を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形剤形。
  4. 前記剤形が、折り畳まれたフィルムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の固形剤形。
  5. フィルム(1)が、均一の厚さを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の固形剤形。
  6. フィルム(1)が、キャリヤ層を含まないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の固形剤形。
  7. 作用物質の濃度が、フィルム(1)の半径方向に外側の区画から、フィルム(1)の半径方向に内側の区画へ増加することを特徴とする請求項3に記載の固形剤形。
  8. フィルム(1)中の前記作用物質の濃度勾配は、剤形の放出プロファイルが前記作用物質の放出に関連する時間間隔で線形であるように選択されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の固形剤形。
  9. フィルム(1)中の前記作用物質の濃度勾配は、剤形の放出プロファイルが前記作用物質の時間遅延放出による特性を有するように選択されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の固形剤形。
  10. バリヤ層が、前記フィルムに適用され、かつフィルム(1)の隣接層間での作用物質の拡散を防止することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の固形剤形。
  11. フィルム(1)が、少なくとも2つの層を有し、第1層が第1作用物質の濃度勾配を有し、かつ第2層が第2作用物質の濃度勾配を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の固形剤形。
  12. フィルム(1)が、医薬作用物質を含有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の固形剤形。
  13. 作用物質を有する固形剤形の製造方法であって、
    1又は複数のフィルム(1)中の作用物質の濃度が、フィルム(1)の厚さに垂直な方向に勾配を有する、少なくとも区画に作用物質を含有する少なくとも1つのフィルム(1)を製造するステップと、
    作用物質を含有するフィルム(1)を剤形に形成するステップと、
    を含む方法。
  14. 前記作用物質が、水溶性、水膨潤性、又は水分散性ポリマーのマトリックス中に包埋されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 作用物質を含有するフィルム(1)が、剤形を形成するために巻締めされることを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
  16. 作用物質を含有するフィルム(1)が、剤形を形成するために折り畳まれることを特徴とする請求項13又は14に記載の方法。
  17. フィルム(1)が、少なくとも1つのポリマー及び作用物質の混合物を、押出機に供給することによって形成され、混合比は、フィルム(1)中の作用物質の所望の濃度勾配によって決まることを特徴とする請求項13から16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 作用物質を含有する層のキャリヤ層が、フィルム(1)の製造に使用されないことを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の方法。
  19. フィルム(1)の製造のために、作用物質を含有する層が適用されるキャリヤ層が、形成されることを特徴とする請求項13から17のいずれか1項に記載の方法。
  20. フィルム(1)が、共押出によって形成され、前記キャリヤ層が、第1押出機によって生成され、作用物質を含有する混合物が第2押出機によって生成され、かつ2つの押出機の体積の流れは、作用物質を含有する押し出されたフィルム(1)が、作用物質の所望の濃度勾配を有するように共押出中に制御又は調製されることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記作用物質を含有するフィルム(1)が、1つ以上のラミネート層によってラミネート加工されることを特徴とする請求項13から20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記ラミネート層が、剤形の形成されたフィルム(1)中の隣接層間の作用物質の拡散を防止するバリヤ層であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 前記ラミネート層が、剤形中で互いに隣接するフィルム区画の接着層であることを特徴とする請求項21又は22に記載の方法。
  24. 前記作用物質を含有する押し出されたフィルムが、ラミネート層と一緒にカレンダに塑性状態で供給されることによってラミネート加工されることを特徴とする請求項21から23のいずれか1項に記載の方法。
  25. さらに異なる種類の作用物質が、ラミネート加工前に前記ラミネート層に適用又は組み込まれることを特徴とする請求項21から24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記キャリヤ層として、最初にキャリヤフィルムが形成され、次に前記作用物質の分散溶液又は懸濁液によって被覆されることを特徴とする請求項19から25のいずれか1項に記載の方法。
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