JP2010508901A5 - - Google Patents

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薬物を溶出する被覆を有するステント
1.関連出願への相互参照
本出願は、2006年11月3日に出願された、米国仮特許出願第60/856,873号の利益を主張し、この出願は本明細書においてその全体を参考として援用される。
2.技術分野
本発明は、一般に、活性医薬品成分(API)とポリマーとを含む複数の微粒子が上に配置された一つ以上の表面を含む、被覆医療デバイス(例えばステント)に関する。被覆医療デバイス準備する方法、および被験体、好ましくはヒトの狭窄または再狭窄を処置または防止するために、被覆医療デバイスを使用する方法も、提供される。
3.背景技術
心臓血管疾患は、先進国の主要な死因である。そのような疾患を有する患者は、通常、一つ以上の動脈の狭まりまたは閉鎖(狭窄)を有する。心臓血管疾患の処置におけるステントの使用は、周知である。ステントは通常、収縮状態で管腔内の処置領域に送達された後、そこで拡張される。バルーン拡張可能ステントは、ステントの管腔内で膨張させられるバルーンによりステント本体にかけられる力に応じて変形することにより、収縮状態から拡張する。体内管腔内で拡張されたステント本体は、体内管腔壁によるいかなる収縮力にも抵抗できるほど十分に強力であるため、ステントは拡張直径を維持する。これに対して、自己拡張ステントは、ステントが圧縮されている時に、半径方向拡張力を及ぼす弾性の本体を有する。体内管腔内に展開される自己拡張ステントは、体内管腔壁がステントに対して半径方向拡張力に等しい圧縮力を及ぼすまで、拡張する。
しかし、バルーン拡張可能および自己拡張ステントの使用には、ステントの展開時に体内管腔にさらなる外傷を引き起こす不都合がありうる。典型的には、ステントの直径が体内管腔の直径より大きくなるように、ステントが体内管腔内で拡張される。その結果、ステント端部の縁が、体内管腔壁に押し付けられ、さらなる外傷、すなわち体内管腔壁の切断または裂傷が生じる点まで壁を圧迫しうる。外傷は、最終的にはステント端部に隣接する体内管腔領域の再狭窄(再度狭まり)につながりうる。
近年では、再狭窄をさらに防止するために、様々なタイプの薬物で被覆されたステントが、体内管腔壁への活性医薬品成分(API)の局所送達のために使用されている。ステント被覆の一部として使用されるAPIは、抗血栓作用、増殖抑制作用、消炎作用、血管拡張作用、または脂質低下作用等、典型的に一つ以上の治療作用を有する。通常、APIは、担体ポリマーとの混合物においてステント表面に付着される。
ポリマーは、患者に挿入されたステントのパフォーマンスを確保する上で重要な、いくつかの機能を提供する。第一に、多くのAPIが疎水性であり、本来なら地金ステントと結合できないが、ポリマーは、APIをステントに効果的に付着する。第二に、ポリマーは、ステントからのAPIの放出を制御して、ステントからのAPIの持続的な、局所送達を提供する。特定のAPI、例えば細胞増殖抑制剤が被覆していない形でステント表面に提供されれば、APIの局所濃度がAPIの治療的に活性の範囲を上回り、有毒となりうる。ポリマー担体は、実質的に、APIの局所濃度を減少させ、薬剤の治療的に有用な濃度を提供できる。さらに、より可溶性の高いAPIがステントに被覆される場合には、ポリマーが、APIの血流への迅速な溶解を最小限にすることで、APIの放出速度を制御でき、したがって所望の処置領域からのAPIの不適当な除去を妨げることができる。
ポリマーは、いくつかの重要な機能を薬物被覆ステント提供するが、ポリマーの使用は、ステントに一定の不利益も与える。APIをポリマーで被覆することにより、ポリマー被覆内に薬物が閉じ込められる可能性があり、そのためにAPIがステントから処置領域に拡散するのが遅すぎ、および/または濃度が低すぎて、治療的有用性がなくなる場合が多い。さらに、従来の被覆方法は、典型的に液体担体ポリマー相等の連続相被覆を用いて、APIをステント上に配置する。そのような方法では、過剰な量のポリマーがステント表面上に配置されてしまうことが多い。過剰なポリマーの存在は、組織回復に有害であると一般に考えられ、ポリマー仕上げのステントよりも地金ステントのほうが良好な血管治癒を促進すると考えられる。
ステント製造者がステント上に低濃度の強力なAPIを分散させようとする場合、および、特にステントのある部分の上だけに低濃度のAPIを分散させる場合には、ステントは通常、APIに対して不均衡に高い比率のポリマーを含む。上に言及したように、過剰なポリマーは、ステントを囲む組織の回復を妨げる。
したがって、デバイス表面にAPIを効果的に付着し、デバイスからのそのような薬剤の制御放出を提供するが、デバイス表面上に配置されるポリマーの量を最小限にする被覆方法により準備される医療デバイス、例えばステントが、必要である。
4.発明の概要
上述の目的を達成するために、発明者は、活性医薬品成分(API)とポリマーとを含む複数の微粒子が上に配置された表面を伴う、挿入可能または移植可能な医療デバイスを発明した(以下、「本発明の被覆医療デバイス」)。本発明の被覆医療デバイスは、被験体、好ましくはヒトへの挿入または移植に適する。医療デバイスは、ステントであるのが好ましい。
一態様では、本発明は、表面と、APIおよびポリマーを含む複数の微粒子とを伴う、医療デバイス、例えばステントに関する。微粒子は、連続相被覆の非存在下で表面上に配置される。ある実施形態では、APIは、APIにもとづいて、0.2〜50μg/mm、好ましくは0.2〜5μg/mm、より好ましくは0.5〜1.5μg/mmの濃度で、デバイス表面上に配置される。
別の態様では、本発明は、第一表面と、第二表面と、APIおよびポリマーを含む第一微粒子分布物とを含む医療デバイス、例えばステントに関する。第一微粒子分布物は、APIにもとづいて、0.2〜5μg/mm、好ましくは0.5〜1.5μg/mmの濃度で、第一表面上に配置される。通常、第二表面は、微粒子を伴わないか、第二微粒子分布物が第二濃度で上に配置される。
本発明の被覆医療デバイスのいくつかの実施形態においては、ポリマーは、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリエステルアミド誘導体類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスファゼン類、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)またはポリ(メチレンビスアクリルアミド)である。特定の実施形態においては、ポリマーは、生分解性である。
本発明のある実施形態においては、APIが、微粒子の少なくとも5重量%を構成する。例えば、特定の実施形態では、APIは、微粒子の少なくとも10重量%を構成する。
別の態様では、本発明は、以下のステップを含む、本発明の被覆医療デバイスを作る方法に関する:
(a)APIとポリマーとを含む微粒子を、流動床チャンバ内に配置するステップと;
(b)表面と微粒子との間の付着を促進するために、医療デバイスの表面を前処理するステップと;
(c)微粒子を表面上に配置するために、前処理した表面を流動床に接触させるステップ。
ある実施形態では、接触させるステップ(c)の間に、微粒子が、不活性ガスによって循環させられる。
方法は、接触させるステップ(c)の後に、被覆医療デバイスを硬化させるステップを、選択的にさらに含みうる。
方法のいくつかの実施形態においては、ポリマーは、ゲル点を有する熱硬化性ポリマーである。そのような実施形態においては、前処理するステップ(b)は、医療デバイスまたは医療デバイスの表面を、熱硬化性ポリマーのゲル点より上に予熱するステップを含みうる。
方法のある実施形態においては、前処理するステップ(b)は、表面の一部をマスキング剤でマスキングするステップを含む。マスキングにより、接触させるステップの後に、ステントの一部を被覆せずに残すことができる。
本発明は、上述の方法により準備される医療デバイス、例えばステントにも関する。本発明は、被覆医療デバイスをそのような処置を必要とする被験体に挿入または移植するステップを含む、狭窄または再狭窄を処置する方法にも関する。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
表面と、活性医薬品成分(API)およびポリマーを含む複数の微粒子とを含む医療デバイスであり、前記微粒子が、連続相被覆の非存在下で前記表面上に配置される、医療デバイス。
(項目2)
前記APIが、前記微粒子の少なくとも5重量%を構成する、項目1に記載の医療デバイス。
(項目3)
前記複数の微粒子が、前記APIにもとづいて0.2〜50μg/mmの濃度で、前記表面上に配置される、項目1に記載の医療デバイス。
(項目4)
前記ポリマーが、生分解性である、項目1に記載の医療デバイス。
(項目5)
前記ポリマーが、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリエステルアミド誘導体類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスファゼン類、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)またはポリ(メチレンビスアクリルアミド)である、項目1に記載の医療デバイス。
(項目6)
前記医療デバイスが、ステントである、項目1に記載の医療デバイス。
(項目7)
狭窄または再狭窄を処置する方法であって、項目1に記載の医療デバイスを、そのような処置を必要とする被験体に挿入または移植するステップを含む、方法。
(項目8)
第一表面と、第二表面と、活性医薬品成分(API)およびポリマーを含む第一微粒子分布物とを含む、医療デバイスであり、
前記第一微粒子分布物が、前記APIにもとづいて0.2〜5μg/mmの濃度で、前記第一表面上に配置される、医療デバイス。
(項目9)
前記APIが、前記微粒子の少なくとも5重量%を構成する、項目8に記載の医療デバイス。
(項目10)
前記第二表面には、微粒子がないか、または第二濃度の第二微粒子分布物が上に配置される、項目8に記載の医療デバイス。
(項目11)
前記ポリマーが、生分解性である、項目8に記載の医療デバイス。
(項目12)
前記ポリマーが、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリエステルアミド誘導体類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスファゼン類、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)またはポリ(メチレンビスアクリルアミド)である、項目8に記載の医療デバイス。
(項目13)
前記医療デバイスが、ステントである、項目8に記載の医療デバイス。
(項目14)
狭窄または再狭窄を処置する方法であって、項目8に記載の医療デバイスを、そのような処置を必要とする被験体に挿入または移植するステップを含む、方法。
(項目15)
被覆医療デバイスを作る方法であり、前記方法が、
(a)活性医薬品成分(API)とポリマーとを含む微粒子を、流動床チャンバ内に配置するステップと;
(b)前記医療デバイスの表面と前記微粒子との間の付着を促進するために、前記医療デバイスの表面を前処理するステップと;
(c)前記微粒子を前記表面上に配置するために、前記前処理した表面を前記流動床に接触させるステップと
を含む、方法。
(項目16)
前記微粒子が、前記接触させるステップ(c)の間に、不活性ガスにより循環される、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記ポリマーが、生分解性である、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記APIが、前記微粒子の少なくとも5重量%を構成する、項目15に記載の方法。(項目19)
前記方法が、前記接触させるステップ(c)の後に、前記被覆医療デバイスを硬化させるステップをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目20)
前記ポリマーが、ゲル点を有する熱硬化性ポリマーである、項目15に記載の方法。
(項目21)
前記前処理するステップ(b)が、前記医療デバイスを前記熱硬化性ポリマーの前記ゲル点より高温に予熱するステップを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記前処理するステップ(b)が、マスキング剤で前記表面の一部をマスキングするステップを含む、項目15に記載の方法。
(項目23)
前記医療デバイスが、ステントである、項目15に記載の方法。
(項目24)
項目15に記載の方法により準備される、医療デバイス。
(項目25)
狭窄または再狭窄を処置する方法であり、項目24に記載の前記医療デバイスを、そのような処置を必要とする被験体に挿入または移植するステップを含む、方法。
4.1 定義
本明細書で使用されるところの、「連続相被覆」という用語は、医療デバイスの外面上に配置された時に連続層として存在する、ポリマー担体相をさす。
本明細書で使用されるところの、「親水性」という用語は、水に容易に吸収または溶解される特徴、例えば、水と容易に相互作用する極性基(電子の分布が不均等であり、静電的相互作用が可能)を有すること、および/または水に対する親和性を有することをさす。
本明細書で使用されるところの、「疎水性」という用語は、水に容易に吸収または溶解されない特徴、例えば水により悪影響を受けること、および/または水に対する親和性が乏しいか無いことをさす。
本明細書で使用されるところの、「微粒子」という用語は、100μm未満の平均粒径を有する分離された粒子の集団をさす。用語には、1μm未満の平均粒径を有する粒子、すなわちナノ粒子の分離された集団も含まれる。
本明細書で使用されるところの、「微粒子相被覆」という用語は、ポリマーとAPIとを含む離散した微粒子として医療デバイスの外面上に存在する、ポリマー担体相をさす。
本明細書で使用されるところの、接頭辞「ナノ−」は、10−9を意味する。
本明細書で使用されるところの、「被験体」および「患者」という用語は、互換可能に使用される。本明細書で使用されるところの、被験体は、好ましくは非霊長類(例えばウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ネズミ等)または霊長類(例えばサルおよびヒト)等の哺乳類、最も好ましくはヒトである。
本明細書で使用されるところの、「治療上有効量」という用語は、細胞増殖、収縮、移動、活動過剰を阻害するか他の状態に対処するのに十分なAPIの量をさす。治療上有効量は、細胞増殖、収縮、移動、活動過剰に関連する症状発現を遅延または最小化するか、他の状態に対処するのに十分なAPIの量をさしうる。治療上有効量は、狭窄または再狭窄等の一定の状態および/または狭窄または再狭窄に伴う症状の処置または管理において、治療的利益を提供するAPIの量もさしうる。
5.図
図1Aは、複数の微粒子2がデバイス表面1a上に配置された、本発明の被覆医療デバイス1の一実施形態である。図1Bは、ポリマーのマトリクス2b内に活性医薬品成分(API)の複数の粒子2aを封入する、微粒子2の一実施形態である。図1Cは、ポリマーのマトリクス2b内にAPIの1つの粒子2aを封入する、微粒子2の別の実施形態である。 本発明の被覆方法の一実施形態を表す流れ図である。
6.発明の詳細な説明
本発明は、活性医薬品成分(API)とポリマーとを含む複数の微粒子が上に配置された一つ以上の表面を含む、医療デバイス(例えばステント)に関する。具体的には、微粒子は、微粒子相被覆において、すなわち連続相被覆の非存在下で離散した微粒子として、表面上に配置される。本発明の被覆医療デバイスは、複数の微粒子をその表面に効果的に付着させ、最小限の量のポリマーの使用による、中のAPIの微粒子から所望の処置領域への制御放出を許容する。
例えば、図1Aは、デバイス表面1aを有する、本発明の被覆医療デバイス1の一実施形態を示す。複数の微粒子2が、デバイス表面1a上に配置されている。図1Bは、横断面で見た単一の微粒子2の一実施形態を表し、微粒子2が、ポリマーのマトリックス2b内に封入されたAPIの複数の粒子2aを含む。図1Cは、横断面で見た単一の微粒子2の別の実施形態を表し、微粒子2が、ポリマーのマトリックス2b内に封入されたAPIの1つの粒子2aを含む。被覆医療デバイスは、以下のセクション5.1でさらに詳述される。
本発明は、表面と微粒子との間の付着を促進するために、医療デバイスの表面を前処理するステップを含む、被覆医療デバイスを作る方法も提供する。微粒子が、微粒子の流動床により、前処理した表面上に配置される。このようにして、APIが、連続相被覆の非存在下で、ステント上に被覆される。
例えば、図2は、本発明の被覆方法の特定の実施形態を表す流れ図である。本実施形態においては、APIおよびポリマーから微粒子が準備され、流動床チャンバ内に置かれる。被覆されてない医療デバイスの表面が前処理されてから、前処理された表面が微粒子の流動床と接触させられて、表面が被覆される。その後、被覆医療デバイスが硬化されて、微粒子がデバイス表面にさらに付着されて、仕上げされた被覆医療デバイスが形成される。本発明の被覆方法は、以下のセクション5.2でさらに詳述される。
いかなる特定の理論にも拘束されるものではないが、発明者は、離散した微粒子は、デバイス表面に対するAPIの有効な結合、およびそれらの表面からのAPIの制御放出という要件を、最小限の量のポリマーで達成できるため、被覆医療デバイスからAPIを送達するための最適なプラットフォームを提供すると考える。本発明の被覆方法に従って準備される医療デバイスは、細胞増殖、収縮、移動、活動過剰および/または他の状況を阻害するための、被覆デバイスからの一つ以上のAPIの効果的で一貫した放出を達成する。
限定のためではなく開示を明確にするために、本発明の詳細な説明は、以下のサブセクションに分割される。
6.1 被覆医療デバイス
6.1.1 医療デバイスの被覆の実施形態
本発明の被覆医療デバイスは、同じまたは異なるタイプのAPIを含みうる微粒子で被覆されうる。一実施形態においては、デバイスは、同じタイプのAPIを含む微粒子で被覆される。APIは、同じポリマーで均一に準備される単一の微粒子分布を用いて、デバイス上に配置されうる。あるいは、APIは、API濃度または微粒子を形成するために用いられるポリマーの選択が異なりうる、一つより多くの微粒子分布において、デバイス上に配置されうる。
他の実施態様においては、本発明の被覆医療デバイスは、異なるタイプのAPIを含む微粒子で被覆されうる。例えば、特定の実施形態では、医療デバイスは、各々第一APIを含む第一微粒子分布物と、各々第二APIを含む第二微粒子分布物とで被覆される。第一および第二微粒子分布物の微粒子を形成するために用いられるポリマーは、同じでも異なってもよい。異なる微粒子分布物を形成するために異なるポリマーが用いられる場合には、各分布物のためのポリマーの適切な選択により、各タイプのAPIの放出プロフィールの特異的制御が可能になり、これにより各タイプのAPIの薬物送達が、個々に最適化されうる。
本発明の被覆医療デバイスの全表面が、一律に被覆されるか、デバイス表面の異なる部分が、異なって被覆されうる。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、第一表面および第二表面を有しうる。第一表面上には、各々APIとポリマーとを含む第一微粒子分布物が配置されるが、第二表面上には微粒子を伴わないか、第一分布物とは異なる第二微粒子分布物が配置される。ある実施形態では、第一および第二分布物を形成するために用いる微粒子は同一であるが、第二微粒子分布物は、第一微粒子分布物と異なる濃度、すなわち第二濃度で、第二表面上に配置される。第一および第二微粒子分布物を有する他の実施形態においては、第二微粒子分布物は、異なる濃度の、同じタイプのAPI、異なるタイプのAPI、同じまたは異なるタイプのAPIの異なるポリマー、またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。
例えば、薬物被覆ステントを準備する際には、ステントの第一表面は、ステントの反管腔側を含み、ステントの第二表面はステントの管腔側を含みうる。ステントの反管腔側、すなわち第一表面上には、各々APIとポリマーとを含む第一微粒子分布物が配置されうる。ステントの管腔側、すなわち第二表面上には、微粒子を伴わないか、第一分布物とは異なる第二微粒子分布物が配置されうる。上述のように、第二分布物は、APIまたはポリマー濃度、APIまたはポリマーのタイプ、またはそれらの任意の組み合わせの点で、第一分布物と異なりうる。
特定の実施形態においては、本発明は、第一表面と第二表面とを有する医療デバイスに関し、第一表面上には、APIにもとづいて0.2〜5μg/mm、好ましくは0.5〜1.5μg/mm(例えば約1μg/mm)の濃度の第一微粒子分布物が配置される。本発明の方法は、微粒子を第一表面に付着するための連続相被覆(例えば連続ポリマー相被覆)に依存する従来の被覆方法により必要とされるよりも少ないポリマーを用いることにより、低いAPI濃度で微粒子を第一表面に効果的に付着する。したがって一態様では、本発明は、最小限のポリマーの利用によって、より低い濃度のAPI、例えばAPIにもとづいて0.2〜5μg/mmをデバイス表面の特定部分に局所化する有利な方法を提供する。デバイスが、最小限の量のポリマーを含むため、デバイス、例えばステントは、より高いポリマー負荷で準備されたデバイスよりも、被験体に挿入または移植されたときに有効な組織回復を提供する。
6.1.2 医療デバイス上の微粒子
本発明の被覆医療デバイスで使用される微粒子は、APIとポリマーとを含む。特定の実施形態においては、微粒子は、以下のセクション5.2.1に記載の方法にしたがって準備される。
いくつかの実施形態では、一つ以上のAPIが、微粒子に封入される。好ましい実施形態においては、各微粒子は、一つのAPIを含む。微粒子中に封入するのに適したAPIは、以下のセクション5.1.2.1に記載される。
微粒子を形成するために適切なポリマーは、以下のセクション5.1.2.2にさらに記載される。微粒子の形成に好適なポリマーの例には、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、スチレンおよびイソブチレンのコポリマー類、ポリオルトエステル類、およびポリ酸無水物類が含まれるがこれに限られない。
上述のように、本発明の被覆医療デバイスが、デバイスからの適切なAPI放出速度を提供し、組織回復を促進するために、最小限の量のポリマーを含むことを確保するために、APIが、微粒子の少なくとも5重量%を構成するのが好ましい。例えば、特定の実施形態では、APIは、微粒子の少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、または少なくとも30重量%を構成する。当業者には当然のことながら、微粒子中に封入されるAPIの具体的な濃度は、APIの性質に基づいてある程度変化する。例えば、あるAPIでは、治療濃度域、所望の放出速度、および微粒子内のポリマーに対するAPIの親和性が、微粒子中に封入されるAPIの具体的濃度を決定する。
ある実施形態では、ポリマーを含む微粒子は、時間枠にわたる一つ以上のAPIの徐放を提供できる。微粒子からのAPIの放出の時間枠は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、1年、2年、またはより長期から変動する。微粒子からのAPIの放出の時間枠は、1時間から24ヵ月の範囲におよぶのが好ましい。
ある実施形態では、微粒子は、APIとポリマーとを含むのに加えて、例えば放射性同位元素、抗体で標識されるか、例えば染料で着色されうる。
6.1.2.1 活性医薬品成分
ある実施形態では、微粒子中に封入されるAPIは、細胞増殖、収縮、移動、活動過剰を阻害するか他の状態に対処するのに役立つ。用語「API」は、薬物、遺伝物質、および生体物質を含む。適切なAPIの非限定的な例には、ヘパリン、ヘパリン誘導体類、ウロキナーゼ、デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン(PPack)、エノキサプリン(enoxaprin)、アンギオペプチン、ヒルジン、アセチルサリチル酸、タクロリムス、エベロリムス、ラパマイシン(シロリムス)、アムロジピン、ドキサゾシン、グルココルチコイド類、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、スルファサラジン、ロシグリタゾン、ミコフェノール酸、メサラミン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン類、メトトレキセート、アザチオプリン、アドリアマイシン、ムタマイシン、エンドスタチン、アンジオスタチン、チミジンキナーゼ阻害剤類、クラドリビン、リドカイン、ブピバカイン、ロピバカイン、D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、血小板受容体アンタゴニスト類、抗トロンビン抗体類、抗血小板レセプター抗体類、アスピリン、ジピリダモール、プロタミン、ヒルジン、プロスタグランジン阻害剤類、血小板阻害剤類、トラピジル、リプロスチン、マダニ抗血小板ペプチド類、5−アザシチジン、血管内皮成長因子類、成長因子レセプター類、転写活性化因子類、翻訳促進因子類、抗増殖剤類、成長因子阻害剤類、成長因子レセプターアンタゴニスト類、転写抑制因子類、翻訳抑制因子類、複製阻害剤類、阻害抗体類、成長因子に対する抗体類、成長因子と細胞毒素からなる二官能性分子類、抗体と細胞毒素からなる二官能性分子類、コレステロール降下剤類、血管拡張剤類、内因性血管作動機構を妨げる薬剤類、酸化防止剤類、プロブコール、抗生剤類、ペニシリン、セホキシチン、オキサシリン、トブラナイシン(tobranycin)、血管形成物質類、線維芽細胞成長因子類、エストロゲン、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)、17−ベータエストラジオール、ジゴキシン、ベータ遮断薬類、カプトプリル、エナロプリル(enalopril)、スタチン類、ステロイド類、ビタミン類、タキソール、パクリタキセル、2’−サクシニル−タキソール、2’−サクシニル−タキソールトリエタノールアミン、2’−グルタリル−タキソール、2’−グルタリル−タキソールトリエタノールアミン塩、N−(ジメチルアミノエチル)グルタミンとの2’−O−エステル、N−(ジメチルアミノエチル)グルタミド塩酸塩との2’−O−エステル、ニトログリセリン、亜酸化窒素類、酸化窒素類、抗生物質類、アスピリン類、ジギタリス、エストロゲン、エストラジオールおよびグリコシド類が含まれる。好ましい実施形態においては、APIは、タキソール(例えば、Taxol(登録商標))またはその類似体または誘導体類である。別の好ましい実施形態においては、APIは、パクリタキセルである。さらに別の好ましい実施形態においては、APIは、エリスロマイシン、アンホテリシン、ラパマイシン、アドリアマイシン等の抗生物質である。
「遺伝物質」という用語は、DNAまたはRNAを意味し、ウィルスベクターおよび非ウィルスベクターを含む、人体への挿入が予定される、後述の有用なタンパク質をコードするDNA/RNAを非限定的に含む。
「生体物質」という用語は、細胞、イースト類、バクテリア、タンパク質類、ペプチド類、サイトカイン類およびホルモン類を含む。ペプチド類およびタンパク質類の例には、血管内皮成長因子(VEGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、軟骨成長因子(CGF)、神経成長因子(NGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、骨格成長因子(SGF)、骨芽細胞由来成長因子(BDGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様成長因子(IGF)、サイトカイン成長因子類(CGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、低酸素誘導因子−1(HIF−1)、幹細胞由来因子(SDF)、幹細胞因子(SCF)、血管内皮細胞増殖添加剤(ECGS)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、成長分化因子(GDF)、インテグリン修飾因子(IMF)、カルモジュリン(CaM)、チミジンキナーゼ(TK)、腫瘍壊死因子(TNF)、成長ホルモン(GH)、骨形成タンパク質(BMP)(例えば、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6(Vgr−1)、BMP−7(PO−1)、BMP−8、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−12、BMP−14、BMP−15、BMP−16等)、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)、マトリクスメタロプロテイナーゼの組織阻害剤(TIMP)、サイトカイン類、インターロイキン(例えばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−15等)、リンフォカイン類、インターフェロン、インテグリン、コラーゲン(全種類)エラスチン、フィブリリン類、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、グリコサミノグリカン類、プロテオグリカン類、トランスフェリン、サイトタクチン、細胞結合ドメイン(例えばRGD)、およびテネイシンが含まれる。現在好ましいBMPは、BMP−2、BMP−3、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7である。これらの二量体タンパク質類は、ホモ二量体、ヘテロ二量体またはそれらの組み合わせとして、単独または他の分子と共に提供されうる。細胞は、ヒト由来(自己または同種)または動物源由来(異種)であり、移植部位に目的のタンパク質類を送達するために、必要に応じて遺伝子操作されたものでありうる。送達媒体は、細胞の機能および生存を維持するために、必要に応じて調製されうる。細胞には、前駆細胞(例えば内皮前駆細胞)、幹細胞(例えば間葉細胞、造血細胞、神経細胞)、間質細胞、実質細胞、未分化細胞、線維芽細胞、マクロファージ、およびサテライト細胞が含まれる。
他の非遺伝的APIには、以下が含まれる:
・ ヘパリン、ヘパリン誘導体類、ウロキナーゼ、およびPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)等の抗血栓剤類;
・ エノキサプリン(enoxaprin)、アンギオペプチン、または平滑筋細胞増殖を遮断できる単クローン抗体類、ヒルジン、アセチルサリチル酸、タクロリムス、エベロリムス、アムロジピンおよびドキサゾシン等の抗増殖剤類;
・ グルココルチコイド類、ベタメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、コルチコステロン、ブデソニド、エストロゲン、スルファサラジン、ロシグリタゾン、ミコフェノール酸およびメサラミン等の抗炎症剤類;
・ パクリタキセル、5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン類、メトトレキセート、アザチオプリン、アドリアマイシン、ムタマイシン、エンドスタチン、アンジオスタチン、チミジンキナーゼ阻害剤類、クラドリビン、タキソールおよびその類似体または誘導体類等の抗腫瘍/抗増殖/有子分裂阻害剤類;
・ リドカイン、ブピバカインおよびロピバカイン等の麻酔剤類;
・ D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、ヘパリン、抗トロンビン化合物類、血小板レセプターアンタゴニスト類、抗トロンビン抗体類、抗血小板レセプター抗体類、アスピリン(アスピリンは、鎮痛薬、解熱薬および抗炎症薬としても分類される)、ジピリダモール、プロタミン、ヒルジン、プロスタグランジン阻害剤類、血小板阻害剤類、トラピジルまたはリプロスチン等の抗血小板剤類、およびマダニ抗血小板ペプチド類等の血液凝固阻止剤類;
・ 一定の癌細胞の細胞増殖を阻害し、アポトーシスを誘発する、RNAまたはDNA代謝産物としても分類される5−アザシチジン等のDNA脱メチル化薬類;
・ 成長因子類、血管内皮成長因子類(VEGF、VEGF−2を含む全種類)、成長因子レセプター類、転写活性化因子類、および翻訳促進因子類等の血管細胞成長促進因子類;
・ 抗増殖剤類、成長因子阻害剤類、成長因子レセプターアンタゴニスト類、転写抑制因子類、翻訳抑制因子類、複製阻害剤類、阻害抗体類、成長因子類に対する抗体類、成長因子および細胞毒素からなる二官能性分子、抗体および細胞毒素からなる二官能性分子等の血管細胞成長阻害剤類;
・ コレステロール降下剤類;血管拡張剤類;および内因性血管作動機構を妨げる薬剤類;
・ プロブコール等の抗酸化剤類;
・ ペニシリン、セホキシチン、オキサシリン、トブラマイシン等の抗生剤類;
・ シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、タクロリムス、ピメクロリムスおよびゾタロリムス等のマクロライド剤類;
・ 酸性および塩基性線維芽細胞成長因子類、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)および17−ベータエストラジオールを含むエストロゲン等の血管形成物質類;
・ ジゴキシン、ベータ遮断薬類、カプトプリルおよびエナロプリル(enalopril)を含むアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤類、スタチン類および関連化合物等の心不全のための薬物類。
好適な生物学的に活性な材料には、ステロイド類等の抗増殖薬類、ビタミン類、および再狭窄阻害剤が含まれる。好適な再狭窄阻害剤類には、Taxol(登録商標)、パクリタキセル(すなわちパクリタキセル、パクリタキセル類似体類、またはパクリタキセル誘導体類、およびそれらの混合物)等の微小管安定化剤類が含まれる。例えば、本発明の使用に適する誘導体類には、2’−サクシニル−タキソール、2’−サクシニル−タキソールトリエタノールアミン、2’−グルタリル−タキソール、2’−グルタリル−タキソールトリエタノールアミン塩、N−(ジメチルアミノエチル)グルタミンとの2’−O−エステル、およびN−(ジメチルアミノエチル)グルタミド塩酸塩との2’−O−エステルが含まれる。
他の好適なAPIには、ニトログリセリン、亜酸化窒素類、酸化窒素類、抗生物質類、アスピリン類、ジギタリス、エストラジオールおよびグリコシド類等のエストロゲン誘導体類が含まれる。
ある実施形態では、本発明の被覆医療デバイスに用いるAPIは、当業者によく知られた方法により合成されうる。あるいは、APIは、化学および製薬会社から購入されうる。
6.1.2.2 ポリマー類
本発明の微粒子を準備するために用いるのに適したポリマー類は、生物適合性であり、身体組織に対する刺激を回避する材料であるべきである。好ましくは、本発明に役立つ微粒子において使用されるポリマー類は、以下から選択される:ポリウレタン類、シリコン類(例えばポリシロキサン類および置換ポリシロキサン類)、およびポリエステル類。スチレンおよびイソブチレンのコポリマー類、または、より好ましくはスチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)も、ポリマー物質として好ましい。使用できる他のポリマー類には、溶解して医療デバイス上に硬化または重合されうるもの、または生物学的に活性な材料とブレンドされうる、比較的低い融点を有するポリマー類が含まれる。その他の適切なポリマー類には、一般の熱可塑性エラストマー類、ポリオレフィン類、ポリイソブチレン、エチレン−アルファオレフィンコポリマー類、アクリルポリマー類およびコポリマー類、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)等のビニルハライドポリマー類およびコポリマー類、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ酸無水物類、ポリホスファゼン類、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルメチルエーテル等のポリビニルエーテル類、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン等のポリビニリデンハライド類、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン類、ポリスチレン等のポリビニル芳香族類、ポリビニルアセテート等のポリビニルエステル類、ビニルモノマー類のコポリマー類、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー類等のビニルモノマー類およびオレフィン類のコポリマー類、アクリロニトリル−スチレンコポリマー類、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂類、エチレン酢酸ビニルコポリマー類、Nylon66およびポリカプロラクトン等のポリアミド類、アルキド樹脂類、ポリカーボネート類、ポリオキシメチレン類、ポリイミド類、ポリエーテル類、エポキシ樹脂類、レーヨン−トリアセタート、セルロース、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セロハン、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル類、カルボキシメチルセルロース、コラーゲン類、キチン類、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー類、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン)、ゴム類、フルオロシリコン類、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアルキレングリコール(PAG)、多糖類、リン脂質類、および以上の組合せが含まれる。
いくつかの実施形態では、ポリマーは、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリエステルアミド誘導体類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスファゼン類、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、またはポリ(メチレンビスアクリルアミド)である。特定の実施形態において、ポリマーは、生分解性である。
ある実施形態では、ポリマーは、親水性である(例えばPVA、PLLA、PLGA、PEG、およびPAG)。ある他の実施形態においては、ポリマー物質は、疎水性である(例えばPLA、PGA、ポリ酸無水物類、ポリホスファゼン類、PCL、スチレンおよびイソブチレンのコポリマー類、およびポリオルトエステル類)。
より好ましくは、機械的負荷、例えば伸縮を受ける医療デバイスでは、ポリマー類は、シリコン類(例えばポリシロキサン類および置換ポリシロキサン類)、ポリウレタン類、熱可塑性エラストマー類、エチレン酢酸ビニルコポリマー類、ポリオレフィンエラストマー類、およびEPDMゴム類等の弾性ポリマー類から選択されるべきである。これらのポリマー類の弾力性により、デバイスに力、応力または機械的負荷がかかったときに、被覆組成物が、降伏点で変形できる。
好ましい実施形態では、ポリマー類は、生分解性である。生分解性のポリマー物質は、ポリマー鎖の加水分解の結果、生物学的に許容可能な、次第に小さくなる化合物へ分解できる。一実施形態においては、ポリマーには、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、またはそれらのコポリマー類が含まれる。ポリラクチド類、ポリグリコリド類およびそれらのコポリマー類は、乳酸およびグリコール酸に分解されて、クレブス回路に入り、二酸化炭素と水にさらに分解される。
生分解性の固体は、異なる分解様式を有しうる。一方で、全体浸食/加水分解による分解は、水が構造全体を透過し、構造全体を同時に分解した時に生じる、すなわちポリマーが、構造の全体にわたりほぼ均一の様式で分解する。他方で、表面浸食による分解は、構造全体への水の浸透をほとんど/全く伴わずに外部から分解が開始する時に生じる(たとえば、参照により全体として本明細書に組み込まれる、Gopferich A.Mechanisms of polymer degradation and erosion.Biomaterials 1996;17(103):243−259を参照)。いくつかの新規の分解性ポリマー類、特にポリ酸無水物類およびポリオルトエステル類では、ポリマーの表面だけで分解が生じる結果、放出速度が、薬物送達システムの表面積と比例する。PLGA等の親水性ポリマー類は、全体的に侵食する。様々な市販のPLGAが、被覆組成物の準備に使用されうる。例えば、ポリ(d,l−乳酸−co−グリコール酸)が、市販されている。好適な市販の製品は、50%ラクチドおよび50%グリコリドのモルパーセント組成を有する50:50ポリ(D,L)乳酸コ−グリコール酸である。他の適切な市販の製品は、65:35DL、75:25DL、85:15DL、およびポリ(d,l−乳酸)(d,l−PLA)である。例えば、ポリ(ラクチド−co−グリコリド類)も、たとえばPLGA50:50(Resomer RG 502)、PLGA75:25(Resomer RG 752)、およびd,l−PLA(resomer RG 206)等、Resomer(C)の下でBoehringer Ingelheim(ドイツ)から、およびBirmingham Polymers(バーミンガム、アラバマ州)から市販される。これらのコポリマー類は、多様な分子量および乳酸対グリコール酸比率で入手可能である。
一実施形態においては、微粒子を形成するために用いられるポリマー類には、望ましい親水性/疎水性相互作用を伴うコポリマー類が含まれる(たとえば、参照により全体として本明細書に組み込まれる、非線形の親水性−疎水性マルチブロックコポリマー類のナノ粒子および微粒子を記載する米国特許第6,007,845号を参照)。特定の実施態様では、微粒子は、PLGからの生分解性のAブロックと、PEOからの親水性のBブロックとからなるABAトリブロックコポリマー類を含む。
別の実施形態では、微粒子中のポリマー類は、ポリマーが曝露される環境の変化により構造を変えられる、生分解性または生体適合性のポリマー類である。構造の変化により、微粒子からのAPIの放出が誘発されうる。環境の変化には、以下の条件の一つ以上の変化が含まれうる:pH、温度、塩濃度、光強度または水分活性。本実施形態で有用なポリマー類には、参照により開示の全体が本明細書に組み込まれる、国際公開第2004/052402号に開示されるポリマー類が含まれる。
6.1.3 医療デバイスのタイプ
被覆されていない医療デバイスは、微粒子が本発明の被覆医療デバイスにおいて上に配置される、被覆基質となる。本発明に有用な医療デバイスは、天然ポリマー類、合成ポリマー類、セラミック類、および金属類を含むがこれに限られない、一般に医療デバイスに適する任意の生体適合性材料で作られうる。金属材料(例えばニオブ、ニオブ−ジルコニウム、およびタンタル)が、より好ましい。好適な金属材料には、チタンを主成分とした金属および合金(ニチノール、ニッケルチタン合金、熱記憶合金材料等)、ステンレス鋼、タンタル、ニッケル−クロム、または、Elgiloy(登録商標)およびPhynox(登録商標)等のコバルト−クロム−ニッケル合金を含む、一部のコバルト合金が含まれる。金属材料には、国際公開第94/16646号に開示されるもの等のクラッド複合繊維も含まれる。
金属材料は、長形部材またはワイヤ状要素に作られてから、金属メッシュのネットワークを形成するように編まれうる。ネットワークメッシュを形成するために、ポリマー繊維が、金属長形部材またはワイヤ状要素とともに用いられてもよい。ネットワークが金属でできている場合には、交差部は溶接され、ねじられ、曲げられ、接着され、結ばれ(縫合により)、互いに熱封止され;または従来技術において公知の任意の方法で接続されうる。
医療デバイスの形成に有用なポリマー(単数または複数)は、生体適合性であり、身体組織に対する刺激を回避するものであるべきである。それらは、生体安定性または生体吸収性でありうる。適切なポリマー材料には、ポリウレタンおよびそのコポリマー類、シリコンおよびそのコポリマー類、エチレンビニルアセテート、ポリエチレンテレフタレート、熱可塑性エラストマー類、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン類、セルロース誘導体類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリスルホン類、ポリテトラフルオロエチレン類、ポリカーボネート類、アクリロニトリルブタジエンスチレンコポリマー類、アクリル類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシドコポリマー類、セルロース、コラーゲン類、およびキチン類が含まれるがこれに限られない。
医療デバイスのための材料として有用な他のポリマー類には、ダクロンポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ポリアルキレンオキレート類、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン類、ポリシロキサン類、ナイロン類、ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリシアノアクリレート類、ポリホスファゼン類、ポリ(アミノ酸類)、エチレングリコールIジメタクリレート、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリテトラフルオロエチレンポリ(HEMA)、ポリヒドロキシアルカノエート類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリ(グリコリド−ラクチド)コポリマー、ポリ乳酸、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−ヒドロキシブチレート)、ポリジオキサノン、ポリ(γ−エチルグルタメート)、ポリイミノカーボネート類、ポリ(オルトエステル)、ポリ酸無水物類、アルギン酸塩、デキストラン、キチン、綿、ポリグリコール酸、ポリウレタン、またはその誘導体化された形態、すなわち、例えばArg−Gly−Asp(RGD)等、付着部位または架橋基を含むように修飾されたポリマー類であり、タンパク質、核酸等の分子の付着を許容しながら、ポリマー類がその構造一体性を保持するものが含まれるがこれに限られない。
ポリマー類は、それらの機械強度を増加させるために乾燥させられうる。そして、ポリマー類が、医療デバイスの全部または一部を形成するための基材として用いられうる。
さらに、本発明は、医療デバイスを形成するために一種類のポリマーを用いて実施されうるが、さまざまなポリマー類の組合せが使用されてもよい。医療デバイスに取り入れられたときに所望の効果をもたらすように、適当なポリマーの混合物が調整されうる。
本発明に適する医療デバイスの例には、ステント、外科用ステープル、カテーテル(例えば中心静脈カテーテルおよび動脈カテーテル)、ガイドワイヤ、カニューレ、心臓ペースメーカリードまたはリードチップ、細動除去器リードまたはリードチップ、移植可能血管アクセスポート、血液貯蔵バッグ、血液管、血管または他のグラフト、大動脈内バルーンポンプ、心臓弁、心血管縫合糸、人工心臓および心室補助ポンプ、および、血液人工肺、血液フィルタ、血液透析装置、血液かん流装置、および血漿交換装置等の体外デバイスが含まれるがこれに限られない。好ましい実施形態では、医療デバイスは、ステントである。
本発明に適した医療デバイスには、管状または円筒状部分を有するものが含まれる。医療デバイスの管状部分は、完全に円筒状である必要はない。例えば、管状部分の横断面は、円だけでなく、長方形、三角形等、任意の形状でありうる。そのようなデバイスには、ステントおよびグラフトが含まれるがこれに限られない。本発明の方法により製造できる医療デバイスの中には、分岐ステントも含まれる。
本発明に特に適する医療デバイスには、熟練技術者に知られる医療用の任意の種類のステントが含まれる。適切なステントには、例えば、自己拡張ステントおよびバルーン拡張ステント等の血管ステントが含まれる。本発明に有用な自己拡張ステントの例は、Wallstenに付与された米国特許第4,655,771号および4,954,126号、および、Wallsten等に付与された米国特許第5,061,275号に示される。適切なバルーン拡張ステントの例は、Pinchasik等に付与された米国特許第5,449,373号に示される。
6.2 医療デバイスの作製方法
6.2.1 微粒子の準備方法
APIは、当業者によく知られた方法により、ポリマーの微粒子に封入されうる。APIを微粒子に封入するある方法が、本発明のある実施形態をより具体的に説明するために、以下に記載される。しかしながら、熟練の技術者には当然のことながら、微粒子への封入のための他の周知の方法が用いられてもよい。
一実施形態においては、APIが封入された微粒子は、転相技術(PIN技術)により準備される。この技術を用いて、ポリマーが、有効量の溶媒中に溶解される。封入されるAPIも、有効量の溶媒中に溶解または分散される。ポリマー、APIおよび溶媒が一緒に、連続相を有する混合物を形成する。それから、微粒子化産物の自然形成を引き起こすために、混合物が、有効量の非溶媒中に導入される。溶媒と非溶媒は混合可能である。PIN技術は、例えば、Mathiowitz等により、米国特許第6,131,211号および米国特許第6,235,224号に記載されており、その両方の開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
別の実施形態では、API−封入微粒子は、APIおよびポリマーの超臨界溶液の急速膨張法(RESS)により準備される。この方法では、APIとポリマーの両方が、メタノールまたはアセトン等の共溶媒を伴うか伴わずに、超臨界流体(例えば超臨界CO)に溶解される。それから、溶液がノズルから放出(減圧)され、表面上にポリマー被覆を有する微粒子が生成される。RESS法においては、超臨界溶液の急速減圧により、COの溶解力が相当に低下し、溶質の非常に高い過飽和度、沈殿、核形成および粒子成長がもたらされる。この方法は、APIおよびポリマーが超臨界流体に非常に可溶性である場合に、最も有効である。例えば、J.W.Tom等は、生体適合性および生体分解性のポリマーミクロスフィア、主に、APIの制御送達に用いられうるポリ(L−乳酸)(L−PLA)、ポリ(D,L−乳酸)、(DL−PLA)およびポリ(グリコール酸)(PGA)を含むポリヒドロキシ酸を作するためのRESS法を開示する。COおよびCO−アセトン混合物からのポリ(L−乳酸)の核生成により、微粒子およびミクロスフィアが生じた。たとえば、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、J.W.Tom等、“Formation of bioerodible polymeric microspheres and microparticles by rapid expansion of supercritical solutions,”Biotechnol.Prog.1991;7(5):403−11を参照。
代替的実施形態では、API封入微粒子は、ガス貧溶媒化(GAS)沈殿プロセスにより準備される。GAS沈殿では、APIと一つ以上のポリマーが、使用される超臨界流体(例えばCO)と混合しない従来の製薬溶媒に溶解される。そして、得られた溶液が、超臨界流体を使用して膨張されて、粒子が沈殿される。超臨界流体をチャンバ内のAPIおよびポリマーを含有する溶液のバッチに導入するか、APIおよびポリマーを含有する溶液を超臨界流体で満たされたチャンバ内に噴霧することにより、粒子の沈殿が達成されうる。たとえば、開示が参照により本明細書に組み込まれる、S.D.Yeo等、“Formation of Polymer Particles with Supercritical Fluids:A Review,”J.of Supercritical Fluids 34(2005)287−308の、pp.300−303を参照。
別の実施形態では、API封入微粒子は、ガス飽和溶液からの粒子(PGSS)として準備される。PGSS方法は、APIをゲスト粒子として含むポリマー複合材料を生成するために用いられうる。超臨界流体が、APIの不溶性粒子の存在下で、溶融ポリマーに溶解される。急速減圧(例えばノズルによる減圧)に応じて、APIがポリマーマトリクスの全体にわたり均一に分布した粒子が、沈殿により形成される。ポリマーとAPIが減圧前に曝露される圧力の変更により、粒径の制御が達成されうる。PGSS方法は例えば、Weidner等により、米国特許第6,056,791号に一般的に記載され、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
さらに別の実施形態では、本発明は、液体への噴霧凍結(SFL)により、微粒子の形でAPIを封入する方法に関する。本実施形態においては、API、ポリマーおよび希釈液の混合物が、低温液体に霧化されて凍結粒子が形成されてから、これが乾燥されて微粒子が提供される。水溶性が乏しい薬物のナノ粒子および微粒子が、例えば、SFL方法を用いて生成されている。たとえば、参照により開示の全体が本明細書に組み込まれる、Williams等に対する米国特許出願公開第2003/0041602A1号を参照。
より具体的には、SFL方法は、低温液体のレベルまたはその下に位置する絶縁ノズルを通じて、API、ポリマー、および希釈液(および任意に表面改質剤)の混合物を噴霧し、噴霧により凍結粒子が生成されるステップを含む。APIとポリマーとの混合物を形成するために用いられる希釈液は、水性、有機、または水性−有機共溶媒から選択されうる。APIおよびポリマーと合わせられると、希釈液は、溶液、懸濁液またはエマルションである混合物を形成しうる。
SFL方法の希釈液は、水等の水性溶媒、一つ以上の有機溶媒、またはそれらの組み合わせでありうる。SFL方法のための好適な極低温流体には、水の氷点下で液体のままであり、非反応性である(噴霧凍結される溶液の成分のいずれとも化学反応しない)、(有機または無機)材料が含まれる。非限定的な例には、二酸化炭素、窒素、エタン、イソペンタン、プロパン、ヘリウム、ハロカーボン類、液体アンモニアおよびアルゴンが含まれる。低温液体は、容器中で静止して保たれ、または形成された粒子を集めるためのフィルタを備えた適切な容器を通して循環されうる。
SFL方法の乾燥ステップは、凍結粒子を凍結乾燥するステップ、または凍結粒子を大気圧で昇華するステップを含む。たとえば、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Rogers等、Pharm.Res.20:485−93(2003)を参照。
6.2.2 医療デバイスの被覆方法
本発明の被覆医療デバイスは、以下のステップにより被覆されうる:
(a)APIとポリマーとを含む微粒子を、流動床チャンバ内に配置するステップと;
(b)医療デバイスの表面と微粒子との間の付着を促進するために、医療デバイスの表面を前処理するステップと;
(c)微粒子を表面上に配置するために、前処理した表面を流動床に接触させるステップ。
いくつかの実施形態では、流動床チャンバ内に配置される微粒子は、上述のセクション5.2.1で説明されるように準備される。
医療デバイスの表面を前処理することにより、微粒子が医療デバイスの表面に効果的に付着されうる。多くの方法を用いて、微粒子と医療表面の表面との間の付着を促進しうる。微粒子が熱硬化性ポリマーで形成されるいくつかの実施形態では、医療デバイスまたは医療デバイスの表面の一部が、ポリマーのゲル点より上に加熱される。医療デバイスの加熱された表面と接触すると、微粒子のポリマー成分が融解または部分的に融解し、微粒子がデバイス表面に結合する。デバイス表面の加熱は、微粒子との接触の前および/またはこれと同時に行われてもよい。例えば、本発明の特定の実施形態では、微粒子が流動床と接触する間に、医療デバイスが高周波により加熱される。
代替的実施形態では、微粒子と結合しやすくなるようにデバイス表面を改変するために、デバイスが化学試薬で処理される。ある実施形態では、医療デバイスの表面が、酸化剤、水酸化物類(例えば水酸化ナトリウム)または鉱酸類(例えば硫酸)等の試薬でエッチングされる。特定の実施形態においては、化学試薬との接触により、医療デバイスの表面が改変されて、微粒子上の相補的化学反応部分に結合しうる、化学反応部分が表面に提供される。
ある実施形態では、被覆される表面が陥凹を含まない実施形態では、医療デバイスの前処理には、スパッタリング、プラズマ蒸着またはプライミングを含む。スパッタリングは、ガス放電による正イオン衝撃により陰極から原子を除去することによる、表面上の原子の堆積である。デバイスの表面をプライマに曝露することも、前処理として可能な方法である。
本発明の被覆方法の他の実施形態においては、機械的方法を用いて表面と微粒子との間の付着を促進するために、裸の医療デバイスの表面が、機械的操作により前処理されうる。例えば、ある実施形態では、サンドブラストまたはレーザアブレーションが、未処理の表面よりも微粒子が付着しやすい粗面を提供する。
当業者には当然のことながら、微粒子に対する付着をさらに促進するために、様々な前処理技術を組み合わせてデバイス表面を改変しうる。例えば、ある実施形態では、機械的操作が、加熱または化学的前処理技術と合わせて用いられうる。
さらに、上述の前処理の実施形態のいずれにおいても、微粒子の付着をデバイス表面の特定部分に局所化するために、マスキング技術を用いることができる。微粒子の流動床との接触後に、マスキングされた部分が被覆されないままであるように、デバイス表面の一部が、マスキング剤でマスキングされうる。例えば、ステントの被覆では、ステント表面の残部をマスキングすることにより、微粒子が、特定のストラットまたは反管腔側のステント表面だけに局所化されうる。マスキング剤には、適切な溶媒中で洗浄することにより選択的に除去できる、ポリマー類が含まれる。
医療デバイスの表面と微粒子の間の接触は、被覆される医療デバイスを微粒子の流動床中に配置することにより行われる。典型的には、微粒子が、不活性ガス、たとえば窒素またはアルゴン等のガスを用いて高密度の乾燥粒子分布において循環される。本発明の被覆方法は、医療デバイスと微粒子の間の曝露時間を調節することにより、および/または他の流動床処理パラメータを操作することにより、オペレータがデバイス表面上の所望の被覆密度、厚み、および分布を達成できるように、通常は制御された条件下で実行される。特定の実施形態においては、接触は、連続液相の非存在下で実行される。
本発明の被覆方法は、デバイス表面を微粒子の流動床と接触させるステップの後に、被覆医療デバイスを硬化させるステップを選択的に含む。いくつかの実施形態においては、硬化させるステップには、デバイス表面に微粒子を付着するための、デバイスの加熱または冷却サイクルへの曝露が含まれる。あるいは、微粒子のポリマーを選択的および/または部分的に溶解する溶媒の噴霧または霧状ミストに、被覆デバイス表面を曝露するステップにより、微粒子をステント表面にさらに融着させる。被覆医療デバイスは、硬化のステップの間に過剰または未結合の微粒子を除去するために、スピニングまたは減圧サイクルが行われてもよい。
6.3 治療上の使用
本発明は一般に、被験体の細胞増殖、収縮、移動、または活動過剰を阻害することにより、狭窄または再狭窄等の状態に対処するための、本発明の被覆医療デバイスの治療上の使用に関する。本発明の被覆医療デバイスは、必要とする被験体に挿入または移植されうる。
ある実施形態では、本発明の被覆医療デバイスにおいて使用されるAPIは、脳、首、目、口、咽喉、食道、胸部、骨、靭帯、軟骨、腱、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、乳腺、卵巣、卵管、子宮、頸部、睾丸または他の生殖器官、毛嚢、皮膚、隔膜、甲状腺、血液、筋肉、骨、骨髄、心臓、リンパ節、血管、動脈、毛細管、大腸、小腸、腎臓、肝臓、膵臓、脳、脊髄、および中枢神経系の細胞の増殖、収縮、移動および/または活動過剰を阻害するために使用されうる。好ましい実施形態においては、APIは、筋細胞、例えば平滑筋細胞の増殖、収縮、移動および/または活動過剰を阻害するために有用である。
ある他の実施形態においては、APIは、身体組織、例えば上皮組織、結合組織、筋組織および神経組織の細胞の増殖、収縮、移動および/または活動過剰を阻害するために使用されうる。上皮組織は、身体の内側または外側の全体表を覆うか内側を覆う。上皮組織の例には、皮膚、上皮、真皮、ならびに体腔および心臓、肺、肝臓、腎臓、腸、膀胱、子宮等の内臓の内側を覆う粘膜および漿液膜が含まれるがこれに限られない。結合組織は、全組織の中で最も多く、広く分布する。結合組織の例には、血管組織(例えば動脈、静脈、毛細管)、血液(例えば赤血球、血小板、白血球)、リンパ、脂肪、繊維、軟骨、靭帯、腱、骨、歯、網、腹膜、腸間膜、半月板、結膜、硬膜、臍帯等が含まれるがこれに限られない。筋組織は、全体重の三分の一近くを占め、三つの異なるサブタイプを含む:横紋(骨格)筋、平滑(内臓)筋、および心筋。筋組織の例には、心筋(心臓筋)、骨格、腸壁等が含まれるがこれに限られない。第四の主要な組織のタイプは、神経組織である。神経組織は、脳、脊髄、および伴走する神経に見られる。神経組織は、ニューロン(神経細胞)および神経膠または膠細胞と呼ばれる特殊な細胞からなる。
好ましい実施形態では、微粒子は、筋細胞増殖、収縮、移動または活動過剰を阻害するために有用な、一つ以上のAPIを含む。
本発明の被覆医療デバイスは、細胞増殖、収縮、移動および/または活動過剰の減少が利益となりうる疾患を処置するためにも使用されうる。
特に、パクリタキセル等のAPIを用いて、細胞増殖、収縮、移動または活動過剰の減少または遅延が利益となりうる疾患または状態を処置または防止できる。特定の実施形態においては、本発明は、細胞増殖、収縮、移動および/または活動過剰の少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも45%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも35%、少なくとも30%、少なくとも25%、少なくとも20%、少なくとも10%、少なくとも5%、または少なくとも1%を阻害する。
本発明は、狭窄または再狭窄を処置または防止する方法をさらに提供する。特に、本発明は、本発明の被覆医療デバイスを被験体に挿入または移植することにより、狭窄または再狭窄を処置または防止する方法に関する。そのような利用において、被覆医療デバイスは、治療上有効量のAPIを含む。
本明細書で使用されるところの、「被験体」および「患者」という用語は、互換可能に使用される。被験体は、動物、好ましくは非霊長類(例えばウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ネズミ、およびマウス)および霊長類(例えばカニクイザル等のサル、チンパンジー、およびヒト)を含む哺乳類、より好ましくはヒトでありうる。
一実施形態においては、被験体は、処置計画(たとえば経皮経管冠動脈形成術(PTCA)、別名バルーン血管形成術、および冠状動脈バイパスグラフト(CABG)手術)を受けた被験体でありうる。
被験体へのAPIの治療上有効量は、処置対象およびAPI自体により変動する。処置上有効量は、処置される状態および処置される状態の重症度よっても変動する。投与およびおそらく投与頻度も、個々の被験体の年齢、性別、体重、および反応により変動しうる。
本発明は、単独または他の処置様式との組み合わせにおいて有用である。ある実施形態では、被験体は、狭窄または再狭窄を処置または防止するための他の処置を並行して受けていてもよい。ある実施形態では、本発明の処置は、HERCEPTIN(登録商標)、RITUXAN(登録商標)、OVAREX(商標)、PANOREX(登録商標)、BEC2、IMC−C225、VITAXIN(商標)、CAMPATH(登録商標)I/H、Smart M95、LYMPHOCIDE(商標)、Smart ID10、ONCOLYM(商標)、リツキシマブ、ゲムツズマブ、またはトラスツズマブを含むがこれに限られない抗体および免疫調節薬等の一つ以上の免疫療法剤の投与をさらに含む。ある他の実施形態においては、処置方法は、ホルモン処置をさらに含む。ホルモン療法には、ホルモン作動薬、ホルモン拮抗薬(例えばフルタミド、タモキシフェン、酢酸ロイプロリド(LUPRON(商標))、LH−RH拮抗薬)、ホルモン生合成およびプロセシング阻害剤、ステロイド類(例えばデキサメタゾン、レチノイド類、ベタメタゾン、コルチゾル、コーチゾン、プレドニゾン、デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、ミネラルコルチコイド類、エストロゲン、テストステロン、プロゲスチン類)、抗ゲスタゲン類(例えばミフェプリストン、オナプリストン)、および抗アンドロゲン類(例えば酢酸シプロテロン)が含まれる。
ある実施形態では、本発明の被覆医療デバイスは、時間枠にわたるAPIの徐放を提供できる。デバイスからのAPIの放出の時間枠は、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月、5ヵ月、6ヵ月、1年、2年、またはより長期から変動する。デバイスからのAPIの放出の時間枠は、1時間から24ヵ月の範囲におよぶのが好ましい。
特定の実施形態においては、上述のセクション5.1.2.2で述べるように、本発明の被覆医療デバイスは、ポリマーの微小環境の変化に応じて構造を変えられるポリマーを有する微粒子を含む。そのような実施形態においては、所望の作用部位でのデバイスからのAPI放出を誘発するために、デバイスが被験体に挿入または移植されるとき、またはこれに続いて、ポリマーの微小環境の変化が誘導されるのが好ましい。
7.実施例
トルエン/テトラヒドロフラン(95/5)の混合溶媒中に8.8重量%のパクリタキセル(Ptx)および91.2重量%スチレン−イソブチレン−スチレン(SIBS)を含む溶液が、12ミクロンの平均粒径の粒子に噴霧乾燥される。粒子が集められ、Nガスと合わせられて流動床が形成される。流動床は、粒子の凝集を防止するために、5℃未満の温度で循環される。ステントが流動床に浸漬され、SIBS/Ptx粒子にではなくステント材料により吸収される近赤外レーザー光線で照射することにより、最高温度50℃まで加熱される。冷たいSIBS/Ptx粒子が温かいステント表面に当たると、ポリマーが加熱して、粘着性になり、ステント表面に付着する。領域あたり必要数の粒子をステント表面に堆積させることができる実験的に得られた特定の時間の後、ステントが流動床から除去される。
代替的実施形態では、生体吸収性の粒子を形成するために、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGA)がSIBSの代わりに使用される。
8. 等価物
本発明の個々の態様の一つの説明を目的として記載された特定の実施形態により、本発明の範囲が制限されるものではなく、機能的に等価の方法および成分が、本発明の範囲内である。実際には、当業者であれば、ルーチン試験をするだけで、本明細書に示され記載されたもの以外にも、本発明のさまざまな変更態様があることが、前述の説明および添付の図面から、わかるであろう。そのような変更態様および等価物は、添付の請求の範囲内であるよう意図される。
刊行物、特許または特許出願が特定的に個々に参照により本明細書に組み込まれてきたと同様に、本明細書に記載の刊行物、特許および特許出願のすべては、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書における参考文献の引用または議論は、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されてはならない。

Claims (19)

  1. 表面と、活性医薬品成分(API)およびポリマーを含む複数の微粒子とを含む医療デバイスであり、前記微粒子が、連続相被覆の非存在下で前記表面上に配置される、医療デバイス。
  2. 前記複数の微粒子が、前記APIにもとづいて0.2〜50μg/mmの濃度で、前記表面上に配置される、請求項1に記載の医療デバイス。
  3. 第一表面と、第二表面と、活性医薬品成分(API)およびポリマーを含む第一微粒子分布物とを含む、医療デバイスであり、
    前記第一微粒子分布物が、前記APIにもとづいて0.2〜5μg/mmの濃度で、前記第一表面上に配置される、医療デバイス。
  4. 前記APIが、前記微粒子の少なくとも5重量%を構成する、請求項1または3に記載の医療デバイス。
  5. 前記第二表面には、微粒子がないか、または第二濃度の第二微粒子分布物が上に配置される、請求項に記載の医療デバイス。
  6. 前記ポリマーが、生分解性である、請求項1または3に記載の医療デバイス。
  7. 前記ポリマーが、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリエステルアミド誘導体類、ポリ酸無水物類、ポリオルトエステル類、ポリホスファゼン類、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)またはポリ(メチレンビスアクリルアミド)である、請求項1または3に記載の医療デバイス。
  8. 前記医療デバイスが、ステントである、請求項1または3に記載の医療デバイス。
  9. 狭窄または再狭窄を処置するための請求項1または3に記載の医療デバイス。
  10. 被覆医療デバイスを作る方法であり、前記方法が、
    (a)活性医薬品成分(API)とポリマーとを含む微粒子を、流動床チャンバ内に配置するステップと;
    (b)前記医療デバイスの表面と前記微粒子との間の付着を促進するために、前記医療デバイスの表面を前処理するステップと;
    (c)前記微粒子を前記表面上に配置するために、前記前処理した表面を前記流動床に接触させるステップと
    を含む、方法。
  11. 前記微粒子が、前記接触させるステップ(c)の間に、不活性ガスにより循環される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ポリマーが、生分解性である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記APIが、前記微粒子の少なくとも5重量%を構成する、請求項10に記載の方法。
  14. 前記方法が、前記接触させるステップ(c)の後に、前記被覆医療デバイスを硬化させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記ポリマーが、ゲル点を有する熱硬化性ポリマーである、請求項10に記載の方法。
  16. 前記前処理するステップ(b)が、前記医療デバイスを前記熱硬化性ポリマーの前記ゲル点より高温に予熱するステップ、またはマスキング剤で前記表面の一部をマスキングするステップを含む、請求項10または15に記載の方法。
  17. 前記医療デバイスが、ステントである、請求項10に記載の方法。
  18. 前記医療デバイスが、ステントである、請求項10に記載の方法により準備される、医療デバイス。
  19. 狭窄または再狭窄を処置するための請求項18に記載の医療デバイス。
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