JP2010508837A - 微生物のdna断片化を決定する方法 - Google Patents

微生物のdna断片化を決定する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、微生物のDNA完全性を決定する方法及び微生物のDNA完全性を検査するためのキットに関する。細胞死がDNA断片化の原因となるので、本発明の方法を使用して、微生物内のDNA断片化レベルを明確、単純、迅速及び正確に決定することができる。

Description

本発明は、バイオテクノロジ産業の分野に含まれ、主に微生物学と関連した分野に含まれ、本発明の適用範囲は、ヘルスケア(人間、家畜、環境及び基礎)部門に含まれる。
本発明は、特に、細胞死がDNA断片化を意味する場合の微生物のDNA完全性(DNA integrity)を決定する方法、及び微生物のDNA完全性を評価するためのキットに関する。
微生物は、様々な原因によって死ぬ可能性がある。特に健康上の関心が深い有機体である細菌の場合、抗生物質製剤の作用による最終的な死のメカニズムは、ほとんど分かっておらず、これは、おそらくこの問題が当然のことによるものである。抗生物質は、遅かれ早かれ細胞の死に至る重要な細胞プロセスに影響を及ぼす。特定の抗生物質の作用の初期メカニズムが分かっているにも関わらず、静菌作用か殺菌作用かを区別できないことがある。この細胞死の状況は、特に、突然変異体で抗生物質の存在下で成長しないにもかかわらず殺菌剤抗生物質で死なない僅かな割合の持続細胞の存在に関する最近の論文により、複雑になっている。前記持続細胞は、化学療法薬による死に対する生物膜と静置培養の高い耐性を説明すると考えられる。
更に、全ての大腸菌遺伝子の転写プロファイルの研究から、誘導された遺伝子群と、抗生物質の作用後に一般的な方式で抑制される他の遺伝子群が存在し、この作用メカニズムが極めて異なることが分かった。これは、アンピシリン、細胞壁合成阻害剤、オフロキサシン、DNAの直接損傷を引き起こすフルオロキノロンブロッキングDNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVで確認された(非特許文献1)。
この知識から、細菌の細胞死が、例えば殺菌剤抗生物質の作用後に、高等生物にあるアポトーシス現象と似た計画的プロセスである可能性があることが示唆された。類似の現象は、単細胞酵母では、殺菌剤作用に対する反応として説明された。抗生物質又は悪環境条件にさらされた後の自己分解素による細胞壁の自己消化による細菌細胞の自己分解は、欠陥のある有機体の計画的細胞死の現れである可能性がある(非特許文献2)。
微生物学の始まり以来、ほとんどの化学療法効果の研究が日常的に行われ、半固形培養基内にコロニーを生成する能力又は液体培養基に濁りを発生させる能力として細胞増殖が評価されてきた。このシステムは、比較的時間が長いことに加えて、各細胞の挙動を評価するのではなく、むしろ細胞群全体を検査し、試験管内で(in vitro)培養される能力を有する微生物にしか適用できない。各細胞の生命段階を研究するには、顕微鏡又は血球計算法を使用しなければならなかった(非特許文献3、非特許文献4)。
可能であるが一般的ではない検査は、生体染色色素を使用して細胞壁と細胞膜の浸透性を評価することである。細胞は、外部から分離する障壁が変化した場合だけ生体染色色素によって染色され、これは、通常、浸透圧衝撃による溶解と関連付けられる。この変化が、直接破壊によるものか、酵素システム又は膜完全性の損失によるものかにより、微生物の染色体のDNAは、細胞死プロセスで断片化されなければならない。しかしながら、染色体DNA完全性は、現場での(in situ)細胞単位の研究では微生物死のパラメータとして検査されてこなかった。これは、高等生物の細胞より小さいサイズを有する染色体DNA完全性を決定するための実現可能で信頼性が高く再現可能な技術がないからである。
アポトーシス又はネクローシスによって生じた破壊及び細胞死と関連して、高等生物の細胞のDNA完全性を検査するために確立された様々な現場での方法がある。そのような方法の中でも、末端転移酵素(TUNEL)やDNAポリメラーゼ(現場でのニックトランスレーション法ISNT)等の酵素を使用してラベル付けされたヌクレオチドを導入することによる現場でのDNA切断のラベルの付けが際立っている(非特許文献5)。
これらの方法は、スライドに固定された細胞に対する酵素の使用に基づく。この酵素は、切断の3'−OH端、即ち化学的変質なしに作用する。前記理由のために、効果は変則的であり、酵素が達することができる切断だけがラベル付けされ、このため、結果の再現性は比較的低くなる。大腸菌と古細菌ハロフェラックスボルカニ(archaeon Haloferax volcanii)における細菌DNA切断を検出するためのTUNEL法を適用する研究が1つだけある(非特許文献6)。
この研究により、バクテリオファージによる感染後に細菌DNA断片化を検出することができた。しかしながら、一定条件の過酸化水素によって直接引き起こされる切断は検出されなかった。これは、酵素が切断を変質3’−OH端でラベル付けできないからであり、これがこの方法の問題である。更に、細胞は、そのような方法を実行するために固定されなければならず、これは、ラベル付け能力に悪影響を及ぼす。更に、試薬が高価であり、従ってこれらの方法は研究開発でのみ利用され、DNA損傷と変質を日常的に評価するには使用できない。これらの方法は、比較的時間が長く複雑であり、従ってこれらの方法は、通常、微生物学で使用されず、微生物学と関連した他の研究は説明されていない。
DNA完全性に関する現場での細胞単位の研究の別の顕微鏡技術は、コメット分析(comet assay)又は単細胞電気泳動である(非特許文献7)。
真核細胞は、スライド上のアガロース・ミクロゲルに含まれており、膜とタンパク質を抽出するために溶解液にさらされる。これにより、核様体(即ち、タンパク質を除去した核)が得られ、DNAループが脱圧密化(decompaction)により弛緩される。核様体は、緩衝液が満たされたタンク内で電気泳動され、その結果、DNA繊維が陽極の方に移動し、頭と尾が電気泳動方向にあるコメット画像が形成される。これらのコメットは、蛍光顕微鏡検査法で観察するために蛍光染料で染色される。核がDNA断片化を有する場合は、その大量の断片が移動され、コメットの尾に集まる。この方法は、きわめて敏感であるが、従来の臨床実験室には比較的高価で複雑な検査である。実際には、この方法は、特定の特殊な器機、即ち、電気泳動用電源及びタンクと、画像を捕捉し分析するシステムとを必要とする。以上のことから、この方法は研究にのみ使用される。コメット法は大腸菌細菌において中性pHで利用される唯一の公開された研究である(非特許文献8)。
この方法は、時間が長く複雑であり、複数の定温放置(インキュベーション)を必要とし、DNA切断と関連した画像の解釈はわかりにくい。従って、細菌でこの方法による他の研究は記述されていない。
以上のことから、微生物におけるクロマチン/DNA完全性に関する現場での研究のために日常的で簡単に使用できる信頼性の高い方法がまだ必要とされていると思われる。DNA分解によって生成され又はDNA分解に変化する死に特に着目した細菌死を評価するためのより迅速でより有効な方法を開発又は改造しなければならない。従って、この方法は、これまでほとんど革新が行われていない分野である。この方法は、頑強で、実施し易く、安価で、基礎研究に利用可能でなければならない。更に、この方法は、様々な実験室間で均一の結果を提供し、自動化できなければならない。DNA拡散分析は、単細胞電気泳動分析と多少類似しており、その断片化を評価することができる。スライド上の不活性アガロース・ゲル中に浸された細胞は溶解を受ける。細胞が断片化DNAを有する場合、その断片は、最初の核からのアガロース・マトリックス中に拡散し、周辺のDNA断片拡散の幅広いハローが観察される(非特許文献9)。これは、主に体細胞型の真核細胞に当てはまった。DNA断片拡散を示す細胞は、アポートシス・プロセスで死んだ細胞に対応する(非特許文献10)。
この分析の幾つかの変形例は、この研究グループによってヒト精子細胞や他の動物種の精子細胞に成功裡に応用されており、精子クロマチン分散(SCD検査)と呼ばれる(非特許文献11、非特許文献12)。
精子細胞について言及された技術に関連する本発明の方法の変形の主な違いは、以下の通りである。
・酸性溶液との最初の定温放置は不要であり、溶解だけが必要である。
・精子細胞を溶解するための溶液は、細菌のような微生物には作用しない。トリトンX−100は、そのような微生物を溶解するのに有効でない。そのために、溶解は、SDS等のタンパク質を変性させる能力を有するより強い界面活性剤を含み、細胞壁を不安定にするのに役立つキレート剤としてEDTAを加えることが推奨される。
これらの違いは、技術的には、細菌壁の溶解と、DNA完全性を保持することを意味する。後者のポイントは、細菌DNAが真核細胞と比べてタンパク質が不足しており、操作と処理の間に生成される医原性損傷を受けやすいため重要である。
SYBR類(例えば、SYBRゴールド)等の極めて感受性の高い蛍光染料を使用することにより、微生物の核様体のDNA繊維を区別し、特にそのようなDNAの断片化が生じた場合にアガロース中に拡散した小さなDNA断片を正確に観察することができる。これは、ヨウ化プロピジウム(PI)、エチジウムブロマイド、アクリジンオレンジHoechst33258又は33342、DAPI等の従来のDNA蛍光色素を使用しても可能ではない。
別の追加の利点は、溶解で必要な定温放置時間が短くなり、その結果、方法が、精子細胞で述べた方法より迅速になることである。
本発明では、蛍光顕微鏡で観察するために微生物のDNA核様体を安定化させることが重要である。この小さな核様体は、極めて壊れやすく、蛍光顕微鏡の光にさらされると分離し、すぐに液体染色媒体に劣化する。これは、より大きい質量を有する高等生物の精子や他の細胞タイプの核様体では生じない重要な技術的問題である。微生物の場合、核様体を安定化させてスライドに確実に付着させるために、乾燥高熱定温放置ステップが実行される。従って、核様体が付着されたスライドが乾いた後で、染色の前に、高電力(750〜1000W)で10分間電子レンジで定温放置される。次に染色し観察することができる。別の可能性は、スライドを電子レンジ内に高温(80〜100℃)で数時間定温放置することである。しかしながら、電子レンジの使用は、プロセスを大幅に高速化し、技術的プロトコルを迅速に実行するのに有効である。この安定化ステップは、本発明では不可欠であり、その結果、このプロセスは、商業的最終生成物の作製において高い付加価値を有する。
以上のことから、本発明の方法により、断片化DNAを含む微生物核様体画像をはっきりと識別できることが分かる。その結果、前記方法は、試料のDNA断片化レベルの決定は単純で信頼性が高く、それにより日常的且つ低コストで使用することができる。この用途は、微生物の試料を含む様々な臨床学的及び基礎微生物学実験と関連する。
しかしながら、そのような特徴を有する分析は、微生物のDNA完全性を決定するためには利用されてこなかった。比較的小さいサイズを有するゲノムを検査するためのこの方法の適応と調整は、DNAが断片化した場合にDNA拡散を可能にするために細菌壁の溶解をあらかじめ達成した後で、大きな潜在的関心を有することになる。次に、現場で細胞単位で細菌や他の微生物のDNA切断の存在を再現可能に評価することができる比較的単純で迅速なツールが利用可能になる。細胞溶解物質の作用後の微視的レベルの断片化DNA分子の観察を使用して、細菌細胞死を素早く分析することができる。前記方法の興味深い多数の潜在的用途は、研究用、病院用、家畜用又は環境保護用途で、次のようなものである。
・物理的(電離放射線、紫外線)、化学的(一般に殺菌剤、抗生剤、化学療法及び抗菌物質)、生物学的及び酵素的(追加モジュール又はバクテリオファージによって符号化された修復酵素、制限酵素)であるDNAを直接的又は間接的に損傷させ断片化する潜在能力を有する製剤の監視。
・既知及び新規の抗菌薬に対する感受性の監視。
・様々な実験条件又は環境条件によりDNAを損傷し断片化する能力を有する試薬の有効性の判定。
・天然微生物個体数又は様々な実験室条件(養分、経年変化、及び温度、pH、浸透圧、光等の様々な物理化学的作用物)でのDNAレベルでのストレスの監視。
・例えば抗菌物質に耐性のある株やその修復の様々な野生及び突然変異系統のDNAの損傷誘導に対する感受性の分析。
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本発明の目的は、微生物のDNA完全性を単純、迅速且つ正確に評価し、いかなる微生物学研究でも日常的な活動に組み込むことができる方法に関連する。
従って、本発明の第1の目的は、微生物のDNA完全性を評価する方法を含み、この方法は、
a)不活性媒体に含ませることによって、固定なしにスライド上の微生物を不動化する(immobilize)ステップと、
b)溶解液(lysis solution)で処理して、微生物のDNAを保持する細胞壁、膜及びタンパク質を抽出するステップと、
c)スライド上の微生物のDNA核様体(DNA nucleoid)を安定化させるステップと、
d)染色し、DNA完全性を検査するステップと、
を含む。
微生物は、最初に、適切な支持体(例えば、カバーガラス)上に調製することができる水性懸濁液、好ましくは不活性ミクロゲル、特にアガロース・ミクロゲルと類似の媒体に含ませられる。
本発明の目的を達成するために溶解液の選択が重要である。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウリルサルコンシン(sarkosyl)、グリコール酸水和塩、及びこれらの混合物等のアニオン性又はカチオン性のタンパク質変性界面活性剤の使用が不可欠であり、好ましくはSDSを使用する。これらの界面活性剤は、溶解作用により高度な膜破壊を引き起こす界面活性剤であり、同時に活性タンパク質変性剤である。これらの界面活性剤は、タンパク質が移動を受ける変性電気泳動で使用され、完全な変性(立体構造の損失)を保証する。界面活性剤内の活性は高い。通常、非イオン性の非たんぱく変性界面活性剤(即ち、タンパク質を溶解するが変性させない界面活性剤)の使用は、通常、多くの微生物で有効に溶解するのに効率的ではない。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含めることは、特にグラム陰性菌の層では、Mg++カチオン・キレート剤(カチオンは細菌の外膜を安定化する)として作用するので重要である。また、細胞壁とタンパク質両方の溶解タンパク質を含むことができる。
溶解液は、細胞壁の不安定化とその後の抽出に好都合な他の試薬を含むことが好ましい。有効な溶液が、0.001〜2Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001〜2Mの2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)、0.001〜2MのEDTA、0.1〜3%のSDSを含み、pHが6.5〜10.5のものであることが確認された。特に適切な溶液は、約0.1MのDTT、約0.01Mのトリス、約0.05MのEDTA、及び約2%のSDSを含み、pHが約10のものである。
溶解後、DNA核様体は、蛍光顕微鏡の光にさらされたときに劣化して分離しないようにスライド内で安定化されなければならない。最も迅速で最も有効なシステムは、次第に高温になるアルコール槽内で定温放置(インキュベーション)して電子レンジ内で乾燥させて脱水した後、スライドを定温放置することである。生成された熱は、ヌクレオチドをスライドに確実に付着させる。これは、本発明の不可欠な特定のステップである。様々な時間によって異なる電力を試験することができる。1つの可能性は、2〜15分間最大電力を使用することである。別の可能性は、乾燥したスライドを高温(40〜100℃)で炉又は乾燥炉内で1時間又は数時間定温放置することであるが、方法の持続時間が長くなるのであまり推奨できない。
本発明による方法は、ステップa)、b)及びc)の後に微生物のDNA完全性を検査するステップを有する。この検査には幾つかの代案があるが、検査は視覚的であることが好ましい。このために、方法は、ステップa)、b)及びc)の後に試料を染色するステップを含むことが好ましい。微生物のDNAが比較的小さいサイズの場合、前記染色は、高倍率レンズ(通常100×)を備えた顕微鏡を使用して極めて感受性の高い染料で実行しなければならない。従って、DNA固有の蛍光色素を使用し、特に最も高い感度と安定性を提供する蛍光顕微鏡検査法を利用するシステムが好ましい。リストは、広範囲にわたり、連続的に成長する。例えば、GelRed、EvaGreen、及びSYBR系、PicoGreenの誘導体、TOTO、YOYO、BOBO、POPO、JOJO、LOLO、SYTOX、PO−PRO、BO−PRO、YO−PRO、TO−PRO、JO−PRO、PO−PRO、LO−PROの変異体等の他のシアニン染料誘導体を言及することができる。
観察者は、観察した各核様体をあらかじめ確立された損傷スケールに割り当てて、結果を検査することができる。また、損傷レベルを定量的に決定するソフトウェアに結合されたデジタル画像を取得するシステムを使用して検査できることが好ましい。
本発明の第2の目的は、微生物のDNA完全性を検査するためのキットの製造を含み、このキットは、本質的に、
a)ミクロゲルを微生物と一緒に支持し、保持するための前処理されたスライド・ガラスと、
b)微生物をミクロゲル中に混合し、含ませるための溶液と、
c)壁、膜及びタンパク質を抽出するための溶解液と、
d)DNAを染色するための蛍光色素と、
を含む。
このキットは、前述の方法を実行することを可能にする。
本発明の第3の目的は、微生物のDNA断片化レベルを自動測定するためのソフトウェアの開発に関する。
本発明で示した方法の適用後に得られる大腸菌細胞培養物からの核様体を示す図である。完全な状態の核様体は密度が濃く、スライド上で平坦化され、DNA断片化を示す連続的な溶解が観察されない。自然発生的に死んだ細胞からの甚だしく断片化したDNA(上)を有する核様体が、培養物内で観察されることがある。 大腸菌DNA損傷の様々な漸進的程度を示す図である。a:完全な状態の核様体(レベル0)。b:DNA切断後に比較的大きなサイズの離散的周辺断片を有する核様体(レベル1、低損傷)。c:DNA切断後に比較的大きなサイズの離散的周辺断片を有し、より大きな面積を占めるより弛緩した核様体(レベル2、中間損傷)。d:DNA切断後に多数の周辺断片を有する更により弛緩し拡張した核様体(レベル3、高損傷)。e:溶解後にアガロース・マトリックス中に拡散した複数の小さな断片によって構成され、より広い拡散面積の範囲を定める甚だしいDNA断片化を有する核様体(レベル4、甚だしい損傷)。 DNA切断を検出するために、Cy3でラベル付けされたトータル・ゲノム大腸菌DNAプローブをハイブリダイズするDBD−FISH法を示す図である(A)。断片拡散を有する核様体は強度のラベリングを有し、残りの核様体は極めて離散的なベースラインラベリングしか示さない。DNAはDAPIで対比染色された(B)。 本発明の方法のアシネトバクターバウマンニ(Acinetobacter baumannii)試料への応用を示す図である。2つの完全な状態の核様体とDNAが断片に粉砕された更に2つの核様体を示す図である。 細菌を10mM過酸化水素に10分間さらした後の甚だしい大腸菌DNA断片化を示す図である。 シプロフロキサシン(1μg/ml)との様々な定温放置時間後に観察された大腸菌DNA損傷を示す図である。a:0分。b:2.5分。c:5分。d:15分。e:40分。初期の損傷レベルが既に5分後に見られ、定温放置時間が長くなるにつれて大きくなる。 アンピシリン(300μg/ml)との(a)20分間と(b)24時間後の定温放置後に見られる大腸菌核様体の図である。DNA断片は20分後には見られなかったが、24時間後に底面はDNA断片で覆われた。 10マイクログラム/mlのシプロフロキサシンと共に40分定温放置した後の時間(X軸)に対する、大腸菌核様体(A)とカプセル(B)の断片拡散ハロー又はループ弛緩の領域平均発生(画素、Y軸)を示すグラフである。 段階的測定のために従い最終的に報告を生成する細菌DNA断片化の意思決定プロセスを有するルーチンの図である。 正常DNAを有する3つの細菌と断片化DNA(左上の画像)を有する2つの細菌を含む細菌視野を示す、デジタル捕捉上で実行されたROIをセグメント化し範囲を定める3つのプロセスの試料を示す図である。他の画像は、両方のタイプの細胞をより容易に区別するためにとるべき戦略として有用な元画像の電子フィルタに対応する。 非断片化DNA(1)を有する細菌と断片化DNA(2)を有する細菌が選択された9つの異なる実験での平均集積密度を示す図である。図の上側部分は、1実験当たりの平均を示し、下側部分は、非断片化DNA(1)と断片化DNA(2)の基準による1グループ当たりの全体平均を示す図である。
後述するように、本発明の方法及びキットは、断片化DNAを有する微生物の頻度を決定する単純で信頼性の高いシステムである。
本発明の方法は、微生物のDNA完全性の検査を可能にし、次のステップを含む。
a)微生物を不活性媒体内に含ませることによって、スライド上の微生物を固定なしに不動化するステップ。
b)溶解液で処理して、細胞壁、膜及びタンパク質を抽出するステップ。
c)スライド上のDNA核様体を安定化するステップ。
d)染色し、DNA完全性を検査するステップ。
本発明の方法は、幾つかの変形及び任意のステップと共に、以下に詳述される。当業者は、言及した本質的な態様が維持されれば、他の実施形態と可能性があることを理解するであろう。
A)最初のステップは、試料の作製である。この分野の通常の方法により、液体試料中の微生物の濃度が得られ、確認される。分析に適した微生物の濃度は、10万〜2000万個/ミリリットルである。試料が濃すぎる場合は、微生物に適した培養基(culture medium)又は食塩水/リン酸緩衝液(PBS)等で希釈することによって適切な濃度に調整される。
取り扱い中と定温放置中に光で引き起こされるDNA損傷を防ぐために、低光度状態で処理を行うことを推奨する。試料は、本発明の方法に従って処理し、且つその検査を容易にするために、支持体上に配置されなければならない。支持体は、標準アガロース膜が被覆されたスライド・ガラスであることが好ましい。このために、コプリンジャー(Coplin jar)等に蒸留水中0.2〜1%標準アガロース溶液が作製される。コプリンジャーは、穴空きプラスチックシートで覆われ、電子レンジに入れられる。電子レンジは、300〜1000W、好ましくは500Wの電力に調整され、アガロースが溶解しやすいように容器が時々撹拌される。この方法は、恒温槽を使用して行うこともできる。アガロース溶液が完全に透明になると、10〜250mlの量の縦形容器に注入する準備ができる。これらの容器は、アガロース溶液を液体状態に維持するために、60〜100℃、好ましくは70℃の槽内であらかじめ温度調整されなければならない。
スライドは、清浄でなければならない。スライドは、垂直方向に浸され、素地領域がピンセットで1〜60秒間保持され、取り出され、スライド上に均質な薄膜ができるまで1〜10回再び浸される。これらのスライドは、例えばガラス又は金属でできた滑らかで1〜15℃、好ましくは4℃の冷たい面上に水平に置かれる。このプレートがスライドと一緒に、アガロース溶液がスライド表面上でゲル化したことが確認されるまで、4℃の冷蔵庫に少なくとも30分間入れられる。トレーが、冷蔵庫から取り出され、プレートと接していたスライドの表面が、吸い取り紙で拭き取られる。次に、スライドは、アガロースが完全に乾きガラスに付着した薄膜ができるまで、温度範囲37〜100℃の乾燥炉内に水平方向に導入される。このように処理されたスライドは、直ちに使用してもよく、適切に封止された箱に室温で数か月間保管してもよい。
微生物を含む試料の処理を容易にするために、微生物は、例えばアガロース・ミクロゲル等の懸濁液と類似の特徴を有する媒体に導入される。この場合、蒸留水又はリン酸緩衝食塩水(PBS)中濃度0.5〜2%の低融点/低ゲル化温度アガロース溶液が作製される。このアガロースは、電子レンジ又はサーモスタット式槽を使用して溶かされ、次にサーモスタット式槽又は乾燥炉に導入された管内に30〜37℃で維持される。エッペンドルフ管等の中で、試料とアガロース溶液が慎重に混合され、その結果、アガロース溶液の濃度が0.3〜1%になる(例えば、70マイクロリットルのアガロース溶液と30マイクロリットルの試料を加えたもの)。これは、アガロースの温度が37℃を超えて、微生物を損傷させないようにするために重要である。
最後に、支持体上の試料を得るために、被覆スライドが、気泡の形成を防ぐ1〜15℃の温度の滑らかで冷たいガラス又は金属面上に置かれる。液滴の上にカバーガラスを置くには、混合物の一滴が5〜200マイクロリットルのマイクロピペットで置くことが推奨される。用心のために、各試料の処理を二重に行い、またこの方法を適用するたびに対照試料を使用することが推奨される。プレートはスライドと一緒に、アガロースが適切にゲル化するまで4℃の冷蔵庫に2〜30分間入れられる。ゲル化後、ミクロゲルを損傷しないように、冷蔵庫内でカバーガラスがゆっくりと取り外される。
B)試料を容易に繰り返し取り扱いできるように適切に作製した後で、試料は、壁、膜及びタンパク質を抽出するために、溶解処理ステップを含む本発明の方法に従って処理される。そのために、各スライドは、溶解液を入れた容器に水平に浸される。
好ましい実施形態では、この溶液は、0.001〜2M、好ましくは0.01〜0.8Mのジチオスレイトール(DTT)と、0.001〜2M、好ましくは0.005〜0.4Mの2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)と、0.001〜2M、好ましくは0.01〜1Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)と、0.1〜3%、好ましくは0.5〜2.5%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とを含む。この溶液のpHは、例えばNaOHによって、6.5〜10.5、好ましくは10に調整される。
他の追加の添加物と共に他の代替の溶解液があり、或いは、本質的な機能的特徴が維持される場合は、前述の溶液の濃度、定温放置時間及び温度を変更することができる。従って、DTTの代替として、β−メルカプトエタノールや他の還元剤等の化合物がある。トリス(Tris)の代替として、ヘペス(Hepes)、モプス(Mops)、ピペス(Pipes)等の他の緩衝液を使用することができる。EDTAの代替として、EGTA等の他のキレート剤を使用することができる。SDSの代替として、前述したような他のカチオン性又はアニオン性の界面活性剤を使用することができる。
使用される溶液と試料のタイプにより、プレパラートは、溶解液中で、1〜120分間、好ましくは1〜35分間、特に好ましくは約5分間、1〜45℃、好ましくは18〜40℃、特に好ましくは37℃で定温放置される。
溶解液で処理した後、プレパラートを洗浄して、そのような溶液の残留物を除去することができる。そのために、スライドは、キレート剤や界面活性剤を除くできるだけ穏和な洗浄液に水平に導入される。例えば、スライドは、たっぷりの蒸留水、緩衝液又は生理的食塩水を入れた容器に水平に1〜60分間浸される。
次に、試料は脱水される。そのために、高濃度のアルコールを使用することができる。例えば、スライドは、5〜100%の高いエタノール濃度を有する容器内にそれぞれ30秒〜60分間水平姿勢で持ち上げられ浸され、次にプレパラートは空気乾燥される。アルコールの温度は、−20℃から室温にわたることができる。DNA沈殿を改善するために、エタノールを−20℃でそれぞれ5分間使用することが好ましいことがある。エタノール系で定温放置する代わりに、プレパラートは、メタノール等の様々なアルコールの溶液内で定温放置されてもよく、又は空気中若しくは乾燥炉内で乾燥させてもよい。蛍光顕微鏡の入射光ビームにさらされるとDNAは通常分離するので、DNAが付着するようにスライドが完全に乾くことが重要である。そのために、高温で長時間乾燥させることが推奨される。例えば、80℃で少なくとも60分間定温放置することが推奨される。
スライドが完全に乾いた後、試料を含む既に処理されたスライドは、暗いファイリングボックス内に室温で数ヶ月間保管することができる。これにより、本発明による処理方法とその後の微生物のDNA完全性を評価するステップの分離が容易になる。ファイリングは、全く同一の微生物の幾つかの試料を異なる間隔で繰り返し検査することを可能にする。
C)乾燥後、DNA核様体は通常、蛍光顕微鏡の入射光ビームを受けたときに分離するので、DNA核様体を安定化させてスライドにしっかりと付着させることが重要である。そのために、乾燥スライドは、300〜1000W、好ましくは500Wの電力の電子レンジ内に5〜10分間定温放置される。代替は、その持続時間のためにあまり推奨できないが、スライドを高温の炉内又は乾燥炉内に1時間以上定温放置することである。スライドが完全に乾燥した後で、試料を含む既に処理が済んだスライドは、暗いファイリングボックス内に室温で数ヶ月間保管することができる。これにより、本発明による処理方法と、その後の微生物のDNA完全性を検査するステップが容易になる。ファイリングは、全く同一の微生物の幾つかの試料を様々な間隔で繰り返し検査することを可能にする。
D)試料を前述の方法に従って処理した後、染色及び検査ステップが実行される。前に示したように、微生物のDNA完全性を検査できる方法はいくつかある。
好ましい実施形態では、試料は、染色され、視覚的検査が容易にされる。染色状態を都合よく選択することによって、高品質の画像と一貫性のある高い検査結果を得ることができる。微生物のゲノムが比較的小さいサイズの場合、DNAをより高感度で観察するために蛍光顕微鏡検査法が使用される。
<蛍光顕微鏡で観察するための染色>
蛍光フィルタが利用可能かどうかにより、試料を、DAPIのDNA固有蛍光色素、Hoechst33258、エチジウムブロマイド、ヨウ化プロピジウムタイプ等で染色することができる。しかしながら、GelRedやEvaGreen等のより高感受性の蛍光色素、SYBR系やPicoGreen等の他のシアニン誘導体、TOTO、YOYO、BOBO、POPO、JOJO、LOLO、SYTOX、PO−PRO、BO−PRO、YO−PRO、TO−PRO、JO−PRO、PO−PRO、LO−PRO等の変形が好ましい。現在、蛍光色素の量は増え、品質は向上している。蛍光の損失を防ぐために、フェージング防止媒体(例えば、Vectashield-Vector H-1000, DABCO等)を含めることができる。しかしながら、これらの媒体は、通常、蛍光の拡散と透明な背景が画像のコントラストを困難にする。水性緩衝溶液に入れられた極めて高感度で比較的光安定性の高い蛍光色素を使用し、乾く前に試料を比較的素早く検査することが好ましい。必要に応じて、スライドを洗い、再び染色することができる。
最後に、微生物のDNA完全性が検査される。
得られた画像は、視覚検査によって、或いは、好ましくは顕微鏡使用プラットホームに結合されたアナログ又はデジタルカメラによって得られたデジタル画像を分析するためのソフトウェアを利用することによって研究することができる(実施例9)。
最初に、1つの試料につき少なくとも500〜1000個の微生物に関する研究が推奨され、以下のDNA損傷スケールが採用される(図2)。
1.レベル0:断片化DNAのない微生物:DNA核様体は、連続溶解なしに比較的コンパクトに維持される。
2.レベル1:低い程度のDNA損傷DNAを有する微生物:DNA切断後に、核様体は小さく見えるが、比較的大きなサイズを有する個別の周辺断片を有する。
3.レベル2:中程度のDNA損傷を有する微生物:DNA切断後に、核様体は、弛緩してより大きな表面を占め、個々の周辺断片が比較的大きなサイズを有する。
4.レベル3:高度のDNA損傷を有する微生物:DNA切断後に、核様体は、弛緩され拡張されたように見え、より多くの周辺断片がある。
5.レベル4:甚だしく断片化したDNAを有する微生物:微生物は、アガロース・マトリックスの勾配に従って拡散したほぼ点状のDNA断片の幅と拡散ハロー(diffuse halo)を示す。
断片拡散によるハロー(halo)のサイズとDNA断片化との相関関係を確立する基準は、DBD−FISH法を使用して得られた結果から導出される(Fernandez JL, Goyanes VJ, Ramiro-Diaz J, Gosalvez J. Application of FISH for in situ detection and quantification of DNA breakage. Cytogenet Cell Genet 1998; 82:251-256; Fernandez JL, Vazquez-Gundin F, Delgado A, Goyanes VJ, Ramiro-Diaz J, de la Torre J, Gosalvez J. DNA breakage detection-FISH (DBD-FISH) in human spermatozoa: technical variants evidence different structural features. Mutat Res 2000;453:77-82; Fernandez JL, Gosalvez J. Application of FISH to detect DNA damage: DNA Breakage Detection-FISH (DBD-FISH). Methods Mol Biol 2002; 203:203-216; Fernandez JL, Goyanes V, Gosalvez J. DNA Breakage Detection-FISH (DBD-FISH). ln: Rautenstrauss B, Liehr T, eds. FISH technology-Springer lab manual. Heidelberg:Springer-Verlag; 2002;282-290)。
この方法により、制御されたDNA変性を受ける除タンパク質細胞核内のDNA切断を検出し、定量化することができる。この変性によって、切断端から単鎖DNAセクションが生成され、これらの単鎖DNAセクションは、蛍光顕微鏡検査法によって観察可能な蛍光色素でラベル付けされたトータル・ゲノムDNAプローブを使用してインサイツ・ハイブリダイゼーション(in situ hybridization)によって検出される。細胞DNAの損傷レベルが大きいほど、変性溶液によって生成される単鎖DNAの量が多くなり、ハイブリッド化されたプローブの量が多くなり、観察される蛍光が増える。本発明で述べた方法により処理される試料は、溶解後に、22℃のアルカリ変性溶液に2.5分間さらされた。この溶液は、DNAに存在する切断端から単鎖DNAセクションを生成する。従って、トータル・ゲノムDNAプローブを使用するハイブリダイゼーション強度は、細菌DNA内にある切断の量と関連付けられる。従って、断片を含む弛緩した核様体が、DBD−FISHによる強いラベル付けを示し、このラベル付けは、DNAの強い断片化を実証することが確認された(実施例1と図3)。残りの核様体は、核様体の実際の処理によって生成されたハイブリダイゼーションバックグラウンドに対応する、このプローブによる極めて低いラベル付けレベルを示す。
以上述べたプロトコルは、ほとんどのグラム陰性菌に有効である。前記細菌において、溶解液は、細胞壁を溶解し、DNAの断片化がある場合に細菌染色体全体とDNA断片拡散を観察するのに十分である。グラム陽性菌等の抵抗壁を有する細菌を分析するには、ミクロゲル内に含ませる前にその細菌を溶解壁酵素の懸濁液内に定温放置する必要がある。例えば、ブドウ球菌は、トリス−EDTA(TE)緩衝液中のリソフスタフィン(20マイクログラム/ml)で再懸濁されなければならない。腸球菌は、トリス−EDTA(TE)緩衝液中のリゾチーム(2mg/ml)とムタノリジン(50マイクログラム/ml)の混合物で定温放置されなければならない。酵母菌は、1Mのソルビトール、0.1MのEDTA、15mMのβ−メルカプトエタノール、Zymolase(200U/ml)、Lyticase又はGlucalaseを含むpH7.5の緩衝液内に定温放置される(Ligozzi M, Fontana R. Isolation of total DNA from bacteria and yeast. Afr J Biotech 2003;2:251-253)。
定温放置は、37℃で少なくとも5〜30分間実行されなければならず、また、微生物溶液は、ミクロゲルに含まれる低融点アガロースと混合されなければならない。現在はあまり一般的でないが、アクロモペプチダーゼや特にラビアーゼ等のグラム陽性菌を溶解させるのに有効な可能性がある他の酵素がある(Niwa T, Kawamura Y, Katagiri Y, Ezaki T. Lytic enzyme, labiase for a broad range of Gram-positive bacteria and its application to analyze functional DNA/RNA. J. Microbiol Methods 2005;61 :251-260)。
別の可能性は、リゾチーム(5mg/ml)と24%ポリエチレングリコール20,000で37℃で2時間定温放置することである(Maassen CBM. A rapid and safe plasmid isolation method for efficient engineering of recombinant lactobacilli expressing immunogenic or tolerogenic epitopes for oral administration. J lmmunol Method 1999;223:131-136.)。このゲル溶解はアルカリでよい。また、有機溶媒(アセトン、ブタノール、トルエン等)を使用すると、細菌壁を分解しやすくなる(Harrison STL. Bacterial cell disruption: a key unit operation in the recovery of intracellular products. Biotech Adv 1991;9:217-240.)。超音波処理又は破壊粒子との撹拌によって細胞壁を破壊する機械システムの使用は、微生物のDNAを損傷する可能性があるので推奨できない。
本発明は、また、微生物中のDNA断片化を検査するキットを意図する。このキットは、溶解液と蛍光色素を含む。このキットは、また、アガロースで前処理された支持体と、試料(例えば、ミクロゲルを作製できる低融点アガロース溶液)を含む懸濁液と類似の特徴を有する媒体を作製するための溶液とを含む。
本発明の実施形態によるキットの内容と使用態様を以下に詳述する。
<キットの内容の説明>
前処理したスライド*
蒸留水又はゲル化されたPBS中に1%の低融点アガロースを140マイクロリットル含むエッペンドルフ管
溶解液が入った管* 成分:0.01M トリス、0.05M EDTA、0.1M DTT、2%SDS、pH10(NaOHで調整)
蛍光色素
溶解液と水平定温放置するための蓋付き容器
ランセット
エッペンドルフ管用フロート
*説明で述べたように作製した。
<必要な材料と機器>
蛍光顕微鏡(液浸レンズ推奨)
4℃の冷蔵庫
37℃の乾燥炉
80℃の乾燥炉又はプレート(任意)
37℃の定温放置槽(インキュベーション槽)
プラスチック手袋
カバーガラス(18x18mm、22x22mm、又は24x60mm)
マイクロピペット
水平定温放置用の箱4個
蒸留水
70%、90%、100%エタノール
<使用説明>
スライド1枚に1つの試料を作製する。
1)カバーをした水平定温放置容器内の溶解液を37℃の乾燥炉に入れる。
2)培養基又はPBS中の微生物試料を500万〜1000万/1ミリリットルの濃度に希釈する。
<アガロース・マイクロゲルの作製>
3)ゲル化アガロースを含むエッペンドルフ管をフロート内に導入し、蓋の高さにし、アガロースが溶解するまで90〜100℃の水中に5分間浮かせたままにする。或いは、アガロースは、電子レンジ内で溶融されてもよい。
4)エッペンドルフ管をフロートと共に37℃の恒温槽に移し、温度が平衡するまで5分間そのままにする。
7)マイクロピペットを使用して、60マイクロリットルの微生物試料をエッペンドルフ管の内容物に追加し、再懸濁する。
8)前処理したスライドを4℃の冷たい面上(例えば、金属又は板ガラス)に置く。
9)スライドが冷えたら、アガロースと共に微生物懸濁液を付着させて、気泡ができないようにカバーガラスを置く。18x18mm、22x22mm又は24x60mmのそれぞれのカバーガラスには、12、20又は50マイクロリットルの液滴を付着することが推奨される。
10)冷たいシートをスライドと共に冷蔵庫に入れ、試料を5分間ゲル化させる。
<試料の処理>
11)手袋を使用して、カバーガラスを静かに滑らせて外し、すぐにスライドを溶解液の入った容器内に水平に導入し、カバーをして乾燥炉又は槽内で37℃で5分間定温放置する。
12)手袋をはめてランセットを利用してスライドを持ち上げる。スライドを水平に保持し、たっぷりの蒸留水又は緩衝液を含むボックスに水平に入れて溶解液を洗い流す。5分間定温放置する。
13)スライドを水平にして、−20℃の70%エタノールを含むボックスに入れ(5分)、次に90%エタノールを含む別のボックスに入れ(5分)、最後に100%エタノールの入ったボックスに入れる(5分)。
14)空気で乾燥させ、500〜1000Wの電子レンジで3〜10分間定温放置するか、デフォルトでは、80℃の乾燥炉で少なくとも1時間又は一晩定温放置する。乾燥後、処理済みのスライドは、暗いファイリングボックス内に室温で数か月保管することができる。
<蛍光顕微鏡で観察するために試料を染色する>
蛍光フィルタの利用性により、試料は、EvaGreen(緑)又はGelRed(赤)タイプのDNA固有の蛍光色素で染色することができる。SYBR系の蛍光色素(具体的にはSYBRゴールド)は、特定の光安定性を有する高い分解能を可能にする。
<保管と安定性>
室温で保管する。
保存寿命:試薬と材料は、少なくとも6か月間安定である。溶解液が垂直姿勢で維持され、密閉されることが推奨される。後述する実施例は、本発明の特定の態様の支援として述べられ、いずれの場合も本発明の範囲を限定しない。
<実施例1:断片拡散を示す核様体中のDNA切断の存在の確認>
前述の方法は、断片化DNAを含む試料内でDNAセグメント拡散ハローを自然発生的に生成するために、37℃のLB媒体中で指数的増殖期の大腸菌類TG1の試料に適用された。このために、PBS又はLB媒体中の1000万〜2000万/1ミリリットルの濃度に薄められた試料が、1%の低融点液体アガロースと混合されて、最終的に液体アガロースの濃度が0.7%にされた。スライド上のミクロゲルをゲル化した後で、試料は、0.01Mのトリス、0.05MのEDTA、0.1MのDTT、2%のSDSで構成され、pH10(NaOHで調整された)の溶解液中で37℃で5分間定温放置された。スライドは、5分間生理的食塩水で洗浄された。次に、DBD−FISH(DNA Breakage Detection-Fluorescence In Situ Hybridization; Fernandez et al., 1998;2000;2002; Fernandez and Gosalvez, 2002)が、トータル・ゲノム大腸菌DNAプローブを使用して実際の細胞上に次々と形成された。この方法によって、タンパク質が除去され、制御DNA変性を受けたアガロース・ミクロゲルに浸された細胞の核内のDNA切断を検出し、定量化することができる。この変性は、切断端から単鎖DNAセクションを生成し、この単鎖DNAセクションは、赤色蛍光(Cy3)を放射する蛍光色素でラベル付けされたトータル・ゲノム大腸菌DNAプローブを使用することによって、インサイツ・ハイブリダイゼーションによって検出される。DNAの切断レベルが大きいほど、変性溶液によって生成される単鎖DNAの量が増え、ハイブリダイゼーション・プローブの量が増え、得られる赤色蛍光が増える。本発明の方法によれば、処理された試料は、DNA中に存在する可能性のある切断端から変性溶液によって生成された単鎖DNAを含む。従って、トータル・ゲノムDNAプローブを使用するハイブリダイゼーション強度は、大腸菌核様体中に存在する切断の量と関連付けられる。
250個のランダムに得た細胞を計数した。クロマチン分散ハローのDAPI染色画像が、青く見える分散ハローと赤く見えるハイブリダイゼーション信号を同時に表示させるために、2つのフィルタを使用する冷却CCDカメラを使用することによって捕捉された。目的は、DNA断片拡散を有する核様体にそのようなDNAの切断があることを確認することであった。結果から、DNA断片拡散を有する核様体が、DBD−FISHによるDNA切断の高ラベリング強度を有することが分かった(図3)。
結果として、DNA断片拡散の単純な決定は(そのような断片はこの方法によって得られる)は、DNA断片化の単純で直接の評価を提供する。
<実施例2:様々な細菌種における自然発生的DNA断片化の検査>
プレート内で成長する9個の細菌種を取得し、前記試料中のDNA断片化を有する細菌の頻度を決定した。大腸菌、汚物腸内菌、緑膿菌、ミラビリス変形菌、サルモネラ、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、肺炎桿菌の細菌種を処理した。
各試料は、アガロース・ミクロゲル中で定温放置され、各スライドでそれぞれ異なる種に対応する3つの18x18mmミクロゲルが実行された。各スライドのミクロゲルの1つは、結果及び処理対照と同じ大腸菌培養と一致する。スライドは、溶解液中で定温放置され、洗浄され、脱水され、80℃で3時間乾燥され、SYBRゴールドで染色され、蛍光顕微鏡で検査された。1細菌種当たり1000個の細胞が計数された。その結果を表1に示す。溶解は、全ての分析種における核様体を得るのに有効であった(図4)。また、核様体を有する細胞(DNAが甚だしく断片化された(レベル4))は、アガロース・マトリックス中に拡散し、全ての種で観察された。この断片化は、培養物中で自然に基礎的に生じ、製剤によっては引き起こされず、その頻度は培養物によって異なる。
<実施例3:様々な抗菌物質と共に定温放置後のDNA断片化の検査。外因性要因による損傷>
説明的な実例として、アンピシリン、ゲンタマイシン及びシプロフロキサシンの3つの抗生物質によって生じる可能性のあるDNA損傷を解明しようとする研究が説明され、ヒドロキシル・ラジカル生成剤(過酸化水素(H22))が、大腸菌種TG1の培養物に適用され、これは、LB媒体内で指数増殖期で増大する全ての培養物に対する感受性がある。使用される製剤は、様々な抗菌作用メカニズムを有する。アンピシリンは、PBP(ペニシリン結合たんぱく)に結び付き自己分解素を活性化した後で細胞壁ペプチドグリカン合成に影響を及ぼすβ−ラクタム系抗生物質である。ゲンタマイシンは、細菌リボソームのタンパク質p10に結び付く30Sサブユニットのレベルでタンパク質合成に影響を及ぼすアミノグリコシド系抗生物質である。シプロフロキサシンは、DNAジャイレースとトポイソメラーゼIVを抑制する結果としてDNA二本鎖切断を引き起こすキノロン系抗生物質である。製剤は、表2で指定された濃度と定温放置時間で液体LB培養基上で混合された。前記定温放置時間後に、細菌を本発明の方法に従って処理して、断片化DNAを有する細菌の割合を決定した。
同時に、別の部分標本が、生体染色法により定温放置された。これは、赤色蛍光色素(ヨウ化プロピジウム(PI))と混合された、DNAに結びつき全ての細胞に浸透する緑色蛍光色素(SYBR Green II)を使用する色素排除試験であり、この赤色蛍光色素は、不十分な膜機能を有する細胞(おそらく「死んだ」細胞)に浸透する。従って、「生きている」細胞は、赤色色素を排除するので緑に染色され、一方「死んだ」細胞は、赤色色素を放出することができず、PIで染色される。この結果を表2に示す。各実験ポイントで5,000個の細菌を調べた後、ゲンタマイシン、シプロフロキサシン及び過酸化水素だけが、PIが浸透可能な膜を有する細胞を極めて離散的に増加させ、前記増加は、アンピシリンにより劇的であった。しかし、アンピシリンは、ゲンタマイシンのように断片化DNAを有する細胞の割合をほとんど高めなかった。しかしながら、高用量のシプロフロキサシンとHは、調べた全ての細胞の甚だしいDNA断片化を引き起した(レベル4、図5)。この結果から、膜透過性の評価が、活力指標としての汎用パラメータでなく、DNAに関する研究が、前記染色によって提供されない補足的な有益情報を提供できること、およびその逆も可能であることが分かる。
<実施例4:特定の製剤に対する微生物の反応性と耐性の検査>
指数増殖期で増大するこの抗生物質に感受性のある大腸菌株(TG1)と耐性のある別の株でのDNAレベルでのシプロフロキサシンの効果の研究を示す。
成長の平均抑制濃度(MIC)は、0.012マイクログラム/mlであった。これと対照的に、耐性株の成長は、商用試験で使用される最大濃度による影響を受けなかった(MIC>32マイクログラム/ml)。LB媒体中の培養物に40分間適用された6つの濃度のシプロフロキサシンが研究され、生体染色法の研究は、前の実施例(表3)で説明した研究と同じように行われ、DNA損傷レベルは、本発明のプロトコルに従って研究された。感受性株では、抗生物質用量が、使用される最高用量のレベルで増やされるときに、PIが浸透可能で空カプセルを有する細胞の極めて離散的な増加が示された。生体染色法は、耐性株で効果を検出しなかった。
感受性株では実験で使用される最低濃度でDNAレベルでの損傷が観察された(0.5μg/ml)。更に、この濃度の場合、損傷レベルは、タイプ4(即ち、前に設定されたスケールで最大(図2))に対応する。これらの微生物は全て、甚だしく断片化したDNAを示し、点状DNA断片の幅及び拡散ハローは、核様体の中央領域からの勾配に従ってアガロース・マトリックスに拡散した。 0.5μg/mlを超える用量は、断片化画像を修正しないように思われ、特に核様体の中央領域では、おそらく僅かに大きな拡散が観察される。これは、シプロフロキサシンによるDNA損傷の飽和に近い効果を示す。
<実施例5:DNA完全性に対するMICに近い低シプロフロキサシン用量の可能性のある影響の決定>
高濃度のシプロフロキサシンが、甚だしいDNA断片化を引き起こすと判定された後で、感受性の高い大腸菌株(TG1)を、MICレベル(0.012マイクログラム/ml)より上、下、及びそのレベルで低濃度の抗生物質にさらした後でDNA完全性のレベルでの影響を本技術により識別できるかどうか判定することは興味深い。使用される用量は、表4に示され、定温放置時間は、LB媒体中の指数増殖期で40分である。表4は、生体染色法の結果を示す。用量が増えるほどPIが浸透可能で空カプセルを有する細胞の割合が増える傾向があるが、これは、使用される用量が少ない場合には重要ではない。
DNA損傷レベルは、本発明の方法目的によって決定された。MICより多い最高用量(0.1マイクログラム/ml)は、分析される全ての細胞で損傷を示した。そのような損傷は、様々な細胞間で均一になる傾向があり、用量が0.5マイクログラム/ml以上の場合に、前の実施例で述べたような甚だしい破壊より低い規模を有する。しかしながら、損傷の程度は、レベル3と同じようにかなり大きかった(図2)。このレベルは、高度のDNA損傷とみなされる。核様体は、DNA切断後の多数の周辺断片により、大きく弛緩され拡張されたように見える。
また、MICと類似の用量では、様々な核様体間で明らかで均質であるがスケールのレベル2と類似の規模の損傷が生じた(図2)。これは、中程度のDNA損傷に対応する。核様体は、DNA切断後に、弛緩されるように見え、比較的大きなサイズを有する個々の周辺断片により、処理しない対照よりも大きな面積を占有する。
また、0.006マイクログラム/mlの用量(MICの半分)は、様々な核様体間で明確で均質な損傷を引き起こし、その規模は、任意の損傷スケールでレベル1とレベル2の中間である(図2)。
最後に、0.003マイクログラム/mlの用量(MICの3分の1)は、明白であるがレベル1の損傷を引き起こす。これは、低度のDNA損傷DNAに対応し、この場合、核様体は小さいが、DNA切断後に比較的大きなサイズを有する個々の周辺断片を有するように見える(図2)。
結論として、本発明の方法目的は高い分解能を有し、その結果、MICより低く且つ細菌増殖をほとんど阻止せず生体染色法によって決定される「生存能力」にも影響を及ぼさない極めて低い濃度のシプロフロキサシンによって引き起こされる損傷でも検出することができるようになる。酵素DNA修復装置によって低レベルの損傷を修復して、細胞の生存を可能にできる可能性がある。
<実施例6:感受性大腸菌株のDNA損傷の検出を可能にするシプロフロキサシンによる最小定温放置時間の決定>
LB媒体中の指数関数的成長での大腸菌株TG1を、1マイクログラム/mlの用量のシプロフロキサシンにより、40分、15分、5分、2.5分、及び0分の次第に短くなる時間期間、定温放置した。また、シプロフロキサシンを含まない対照も含めた。ミクロゲルに含め、冷蔵庫内で冷却するのに必要な平均時間は、1.5分と推定された。この時間中、抗生物質が働いており、従って、それぞれの分析時間に1.5分の時間を加えなければならないと推定することができる。
40分後、全ての細菌はDNAが甚だしく破壊されたことが分かった(レベル4、図6)。また、効果は15分間であることが実証された。また、この場合、損傷は、様々な核様体間で均質であるが、中間程度(レベル2)のより低い規模を有する傾向があった(図6)。低度の損傷(レベル1)である明らかなDNA損傷が検出された最小時間は5分であるが、2.5分では、0分の試料及び対照と比べて核様体緩和の増大はわずかだと思われるが、評価するのは難しかった。
その結果、本発明の技術目的は、致死用量のシプロフロキサシンによって引き起こされたDNA損傷が、時間の経過とともに蓄積し、瞬間的なものではなく、比較的短期間には生成されないことを認識することを可能にする。1マイクログラム/mlの用量を使用してDNAレベルでの最小効果を検出する定温放置の最小時間は、5分+1.5分=6.5分であった。
<実施例7:DNAレベルで作用しない抗生物質と共に24時間定温放置した後の培養物のDNA損傷の観察>
この目的は、DNAレベルで初期に損傷が見られないにもかかわらず、細胞死がそのようなDNAの遅い断片化を意味するかどうかを観察することである。そのために、液体LB媒体中で指数増殖期に成長する大腸菌株TG1を、アンピシリン(300マイクログラム/ml)と共に24時間定温放置した。このβ−ラクタム系抗生物質は、PBP(ペニシリン結合たんぱく)に結びつき自己分解酵素を活性化した後で細胞壁ペプチドグリカン合成に影響を及ぼす。比較のために、生体染色法と本発明の方法によるDNA損傷の決定の両方のために40分間の処置した後で培養物の部分標本を処理した。表5は、生体染色法のデータを示す。β−ラクタム系抗生物質と20分間の定温放置した後、変質した壁、浸透性又は空カプセルの外観を有する細胞の割合が明らかに増加した。1日定温放置後、この増加は、特に空カプセル外観を有する細胞で顕著であり、ほとんど全ての細胞は、生体染色法の視点から見て死んでいるように見えた。
本発明の方法に従ってDNA損傷を決定することにより、20分間の定温放置後の対照との違いが見られないことが分かった。しかしながら、24時間後に核様体の濃度がきわめて低くなり、輪郭のはっきりした中央領域なしに弛緩した外観を示した。最も顕著だったことは、プレパラートの底に均質に分散した点状の劣化DNA断片が大量にあったことである(図7)。本発明の方法目的は、細胞死が、初期には直接的なDNA損傷によるものではないが、時間の経過と共に間接的に甚だしいDNA損傷に至る可能性があることを示す。
<実施例8:感受性大腸菌株中のシプロフロキサシンにより生じたDNA損傷の発生の観察。損傷を評価するためのデジタル画像分析システムの適用>
大腸菌株TG1を、400マイクロリットルのLB媒体中の指数関数的成長で、10マイクログラム/mlのシプロフロキサシンと共に40分間定温放置した。その後で、細菌を、シプロフロキサシンを含まない400マイクロリットルの媒体中で遠心分離し、再懸濁させた。この操作は、抗生物質を洗浄するために再び繰り返された。細菌は、0分、15分、30分、60分及び90分間定温放置され、その後で、本発明の方法に従って処理された。抗生物質で処理しない対照を、それぞれの各時間に同じスライド内で同時に処理した。
SYBRゴールドによる染色の後、高感度の冷却CCD KX32MEカメラ(Apogee Instruments, Roseville, CA)で画像を取得した。次に、その画像をVisilog 5.1プログラム(Noesis, France)で設計されたマクロによって分析した。これにより、視界(field)で底面(bottom)と光度差のセグメンテーションと補正を行うことができた。画素で表した細菌染色の全面積、残留カプセルの領域、及び分散DNAループ又は断片のハローの結果(全領域とカプセル領域の関係)が、Excel表に転記された。最後に、前記データの統計的研究が、ノンパラメトリックなマンホイットニーU検定とクラスカル・ワリスH検定(p<0.05)を使用して、SPSS 12.5プログラムによって行なわれた。
この結果から、抗生物質を媒体から除去した場合に、シプロフロキサシンによって引き起こされる二重らせん構造DNA切断を修復できることが分かった。処理の直後に、高度な断片化(レベル3〜4)を見ることができる。断片拡散ハローの面積の減少が、15分後に統計的に有効な方法で検出され始め、そのような断片はより大きなサイズを有する。このハローは、30分間と60分間ゆっくりと減少し続け、断片が徐々に少なくなり、90分後にはより広い範囲で著しく減少する(図8A)。この場合、断片は検出されなくなるが、より正確に言うと、DNA緩和ループは、未処理の対照(0レベル)と違いがない。これにより、DNA損傷修復動態が得られ、そのようなDNAは、90分間の定温放置後に外観が完全に修復された。しかしながら、これは、修復が適正であったことを必ずしも意味しない。とても不思議なことに、細菌莢膜のサイズは、60分と90分の最終時間後に、分析時間の残りより、平均で2倍大きくなる(図8B)。この増加は、不規則であり、様々な細菌間で不均一である。
本発明の方法目的は、極めて臨床的に重要な事柄、即ち適正な抗生物質用量を長時間維持する重要性を実証する。そのような抗生物質の使用の中断が早すぎると、細菌に最初に生じた損傷に逆戻りする可能性がある。
<実施例9:DNA断片化レベルの自動測定用ソフトウェアの開発>
本発明の実施例6に意図された方法を使用することによって、従来の画像分析システムを使用して断片化DNAと非断片化DNAを有する細菌によって生成された画像の形態学的特徴のための基礎を固定する基本的方法が設計された。この方法により、両方のタイプの細菌を自動的に、従って客観的に区別することができる。
方法全体は、次の2つの戦略の設計を含む。
1)画像を対話式に捕捉し、分析される要素の数に基づいて決定するためのモデル(図9)。
2)ROI(関心領域)を選択するためのセグメンテーション・ルーチン(図10)。
この実際の例では、12ビット色深度を有する冷却単色CCDカメラを使用して、蛍光顕微鏡(×100)下での直接取得が使用された。画像は、.tiffとして保存され、パブリック・ドメインScion Imageプログラム(NIH IMAGE USA)を使用して処理された。このプログラムは、セグメンテーション操作を実行するのに必要な最小限のツールを含み、処理される画像の集積蛍光密度を測定することができる。集積密度は、バックグラウンドの減法を実行することによってAOI内の様々な階調の合計を面積と関連付ける。このツールを使用することによって、連続した9つの実験が処理され、非断片化DNAを含む100個の細菌と断片化DNAを含む100個の細菌が取得された。これらの結果から、グループ分けと比較基準が、断片化DNAを含む細菌と断片化DNAを含まない細菌との関係であるときに、一連の実験の間できわめて類似の値が生成されることが分かる。
従って、画像分析環境に基づいて実行された客観的な観察に基づいて細菌DNAの2つのタイプの状態を識別することができる。
このケースでは蛍光面積と特定領域の強度だけを測定したが、各タイプの画像によって生成されるテクスチャに関する他の基準があり、これにより両方の母集団を特徴付け識別することができる。

Claims (21)

  1. 微生物のDNA完全性を検査する方法であって、
    a)微生物を不活性媒体に含ませることによって、スライド上の前記微生物を固定なしで不動化するステップと、
    b)溶解液で処理して、細胞壁、膜及びタンパク質を抽出するステップと、
    c)前記スライド上の前記微生物のDNA核様体を安定化するステップと、
    d)染色し、前記DNA完全性を検査するステップと、
    を含む方法。
  2. ステップa)は、任意選択である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶解液は、イオン性タンパク質変性界面活性剤を含む、請求項1と請求項2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記イオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、アルキルベンゼン硫酸塩、ラウリルサルコシン(sarkosyl)、グリコール酸の水和塩、及びこれらの混合物のグループから選択された界面活性剤である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記イオン性界面活性剤は、好ましくはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記溶解液は、0.001〜2Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001〜2Mの2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)、0.001〜2Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び0.1〜3%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記溶解液は、pH6.5〜10.5に調整される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記溶解液は、好ましくは、0.1Mのジチオスレイトール(DTT)、0.01Mの(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)、0.05Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、請求項6と請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記溶解液は、NaOHでpH約10に調整される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記染色するステップd)は、蛍光色素溶液を用いて行われる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記微生物を含む試料は、不活性ミクロゲルに含まれる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記微生物を含む試料は、アガロース・ミクロゲルに含まれることが好ましい、請求項11に記載の方法。
  13. 前記微生物のDNAの前記安定化及び付着は、前記溶解した試料と共に前記スライドを電子レンジ内でインキュベートする乾式加熱によって迅速に実行される、請求項1に記載の微生物のDNA完全性を検査する方法。
  14. 前記検査は、直接視覚分析によって実行される、請求項1に記載の微生物のDNA完全性を検査する方法。
  15. 前記検査は、顕微鏡プラットホームに結合されたカメラによって得られたデジタル画像を分析するためのソフトウェアの適用により自動化された手法で実行される、請求項1に記載の微生物のDNA完全性を検査する方法。
  16. 先行請求項に記載された方法により、微生物の前記DNA完全性の検査を実行するコンピュータプログラム。
  17. 微生物のDNA完全性を検査するためのキットであって、
    a)前処理されたスライドと、
    b)アガロース溶液と、
    c)溶解液と、
    d)蛍光色素と、
    を含むキット。
  18. 前記溶解液は、0.001〜2Mのジチオスレイトール(DTT)、0.001〜2Mの2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)、0.001〜2Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び0.1〜3%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、請求項16に記載のキット。
  19. 前記溶解液は、pH6.5〜10.5に調整される、請求項16と請求項17のいずれか1項に記載のキット。
  20. 前記溶解液は、好ましくは、0.1Mのジチオスレイトール(OTT)、0.01Mの(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール(トリス)、0.05Mのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、及び2%のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載のキット。
  21. 前記溶解液は、NaOHでpH約10に調整される、請求項16〜19のいずれか1項に記載のキット。
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