JP2010503871A - 不均一にサンプリングされる正弦波信号の検出、及びそれを利用するドップラセンサ - Google Patents
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Abstract
不均一なインターバルでパルスを送信することによってドップラセンサが動作する。物体から反射したサンプルは、各サンプルを第1の係数cxk及び第2の係数sxkで乗算することによって処理され、それらの積を個別に合算して2つの指標が形成され、その指標が、特定のドップラ周波数fxを示す物体が検出されているか否かを判定するために調べられる。そのサンプルは、不均一な間隔の時刻txkにおいて生じ、時刻txkにおいてサンプリングされる周波数fxの余弦波の平均が実質的に0になるように、且つその時刻txkにおいてサンプリングされる周波数fxの正弦波の平均が実質的に0になるように生じる。
Description
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は、雑音及び背景クラッタがある中で、不均一なサンプリングを利用して、未知の周波数、位相及び振幅を有する正弦波信号の存在を検出する方法に関し、当該方法は特に、限定はしないが、コヒーレントパルス電磁波伝送を利用して、対象となる物体の距離及びドップラ周波数の両方を求めるセンサ(たとえば、マイクロ波センサ)に適用することができる。
[発明の分野]
本発明は、雑音及び背景クラッタがある中で、不均一なサンプリングを利用して、未知の周波数、位相及び振幅を有する正弦波信号の存在を検出する方法に関し、当該方法は特に、限定はしないが、コヒーレントパルス電磁波伝送を利用して、対象となる物体の距離及びドップラ周波数の両方を求めるセンサ(たとえば、マイクロ波センサ)に適用することができる。
[従来技術の説明]
数多くの実用的な用途において、背景雑音及びクラッタがある中で、未知の周波数、位相及び振幅を有する正弦波信号の存在を検出することが必要とされている。多くの場合に、そのような検出は、不均一な間隔の時刻において捕捉される信号サンプルを基にする。さらに、利用される平均サンプリングレートは、サンプリング定理によって要求されるナイキストレートよりも実質的に低いことがある。そのような場合、従来の周波数解析方法は、信頼性があり、且つ統計的に意味がある結果を与えることができない。
数多くの実用的な用途において、背景雑音及びクラッタがある中で、未知の周波数、位相及び振幅を有する正弦波信号の存在を検出することが必要とされている。多くの場合に、そのような検出は、不均一な間隔の時刻において捕捉される信号サンプルを基にする。さらに、利用される平均サンプリングレートは、サンプリング定理によって要求されるナイキストレートよりも実質的に低いことがある。そのような場合、従来の周波数解析方法は、信頼性があり、且つ統計的に意味がある結果を与えることができない。
以下にさらに詳細に説明されるように、所定の距離Rにあり、予め選択された径方向速度Vで動いている物体の存否を判断するために、短いコヒーレント電磁パルスを利用して対象となる領域に照射するマイクロ波ドップラセンサにおいて、サンプリングされた正弦波を検出することが必要とされる。未知の距離Rは、送信したパルスと反射したパルスとの間の時間遅延τから計算される。ただし、R=cτ/2であり、cは光の速さである。径方向速度Vは、送信電磁波の周波数と受信電磁波の周波数との間のドップラシフトfD=2V/λ0から求められる。ただし、λ0は送信波長である。
レンジングの用途では、パルス繰返しインターバルT0が、要求される明確距離(unambiguous range)R0=cT0/2を与えるように選択されるのに対して、潜在的な距離分解能cΔ0/2が、送信されるパルスの持続時間Δ0によって求められる。持続時間TFの観測インターバル内で周波数解析が実行される場合には、周波数分解能は1/TFにほぼ等しい。
仮定される距離R及び速度Vの両方の値を適切に変更することによって、マイクロ波センサの視野内に現れることがある様々な物体の存在の可能性を確かめるために、遅延/ドップラ(すなわち、距離/速度)平面内の対象となる領域が走査され、試験される。関連する検出手順は一般的には、最初に、遅延/ドップラ平面内の反射エネルギーの分布を求めることと、次に、適切に選択された判定しきい値を利用して、このしきい値を超える点の遅延/ドップラ周波数座標、τ及びfD(又は等価的にR及びV)を見つけることを含む。
図1は、パルス列のパラメータ間の関係と、レンジングの目的のために、そのようなパルス列を利用するマイクロ波ドップラセンサによって達成することができる距離及びドップラ周波数(速度)の潜在的な分解能とを概略的に示す。
サンプリング定理によれば、離散時間の均一なサンプルからドップラ周波数の値を求めるために、未知の周波数のサイクル当たり少なくとも2つのサンプルが必要とされることになる。それゆえ、対象となる物体の距離R及び速度Vの両方を求めるために周期的なパルス列が用いられるとき、最大明確距離R0及び最大明確径方向速度Vmaxの積は、以下のように制限される。
R0│Vmax│≦cλ0/8
R0│Vmax│≦cλ0/8
示されるように、積R0|Vmax|に関する制限は、送信される電磁波の波長λ0に比例する。それゆえ、長い波長を使用するほど、好ましいように見え得る。しかしながら、空間の制約、また他の機械的に考慮すべき事柄があるために、多くの実用的なシステムは小さなアンテナサイズ、さらには狭帯域のビームを必要とする。これは、ミリメートル波長、好ましくは35GHz、94GHz、140GHz及び240GHzでの大気伝送窓(atmospheric transmission window)に対応するミリメートル波長を使用することを暗示する。
上記の根本的な制限の結果を十分に認識するために、λ0≒3.2mmを有する94GHzマイクロ波ドップラセンサを考える。たとえば、竜巻のドップラ画像を形成する場合に、予想される風速は75m/sを超えることがある。それゆえ、最大明確距離は1600mに制限される。自国防衛の用途では、200m/s〜1500m/sの範囲の速度で進行している種々の発射体を、比較的長い距離において検出することができなければならない。しかしながら、わずか200m/sの速度の場合であっても、最大明確距離は600mを超えない。
距離及び速度が曖昧になるのを軽減することができる合成パルス列を構成するために、2つの基本的な従来技術による技法を用いることができる。
‐それぞれが異なり、且つ適切に選択されたパルス繰返しインターバルを有する、いくつかのパルス列を合成して(たとえば、インターリーブすることによる)、不均一なパルス間インターバルを有する合成パルス列を形成することができる。
‐各パルス繰返しインターバルT0内で、基礎を成すパルス列内で生じる単一のパルスを、適切にずらされた(すなわち、等しくない間隔で配置される)パルスのパケットによって置き換えることができ、それにより、平均パルス間インターバルを実効的に短縮することができる。
‐それぞれが異なり、且つ適切に選択されたパルス繰返しインターバルを有する、いくつかのパルス列を合成して(たとえば、インターリーブすることによる)、不均一なパルス間インターバルを有する合成パルス列を形成することができる。
‐各パルス繰返しインターバルT0内で、基礎を成すパルス列内で生じる単一のパルスを、適切にずらされた(すなわち、等しくない間隔で配置される)パルスのパケットによって置き換えることができ、それにより、平均パルス間インターバルを実効的に短縮することができる。
いずれの方法も、不均一なパルス間インターバルを有するパルスを含む合成パルス列を生成する。しかしながら、同じ明確距離を保持するために、結果として生成される合成パルス列の自己相関関数は、そのピークとピークの間に、相対的に低いサイドローブ値を示さなければならない。代替的に、距離−速度が曖昧になるのを解消する適切なアルゴリズム(たとえば、中国人剰余定理(Chinese Remainder Theorem)又はデータクラスタリングに基づくアルゴリズムのうちの1つ)を利用してもよい。しかしながら、レンジングのために用いられる合成パルス列の形にかかわらず、レンジングパルスが送信される時刻に対応する不均一な時刻において取り込まれるサンプルから、未知のドップラ周波数の値が求められなければならない。
図2は、電磁エネルギーからなる短いコヒーレントパルスを利用するマイクロ波ドップラセンサの簡略化されたブロック図である。そのセンサはパルスパターン発生器PPGを備え、パルスパターン発生器PPGは、制御ユニットCTRによって供給されるクロックパルスCKに応答して、所定の主配列に従って、適切に時間差を設けられたパルスPPを繰返し生成する。また、そのセンサは、要求される搬送波周波数を有するコヒーレント正弦波信号CRを生成するコヒーレント安定発振器OSCと、低レベル搬送波信号CRをオン−オフ形式で変調するパルス変調器PMDと、パルス状の搬送波信号PCを要求されるレベルまで増幅する電力増幅器PAMと、対象となる移動物体OBJに向けて電磁エネルギーのパルスCPを放射する送信構成要素TELと、物体OBJによって反射されて戻される電磁パルスRPを受信する適切な受信構成要素RELと、受信構成要素RELから得られる信号RPを予備処理する信号調整ユニットSCUと、サンプラSMRに双極ベースバンド信号VSを供給する同期(ホモダイン)検出器SDRと、可変遅延線VDLと、ドップラプロセッサDOPとを組み込む。
遠方にある移動物体OBJから反射され、受信構成要素RELによって捕捉される電磁パルスRPは、その物体に向かって送信されたコヒーレントパルスCPの、時間遅延されかつドップラシフトを受けたレプリカである。同期検出器SDRは、予備処理された受信パルスRX、及び発振器OSCによって供給される基準正弦搬送波CRの両方をコヒーレントに処理する。検出器SDRの出力において得られる、結果として生成されたベースバンド信号VSは、未知のドップラ周波数によって振幅変調される双極パルスを含む。
パルスVSは、遅延線VDLからの基準パルスRSによって決定される時刻においてサンプラSMRにおいてサンプリング(ゲーティング)される。基準パルスRSは、送信パルスPPの遅延したレプリカを構成し、その遅延量DAは制御ユニットCTRによって設定される。時間遅延を受けたレプリカRSを形成するために用いられる遅延DAが、送信されたパルス列が受けるラウンドトリップ時間遅延に一致する場合には、同期検出器SDRによって生成される受信パルスVSは、後続の周波数解析のために、ドップラプロセッサDOPにそのまま送られる。適切に動作するために、ドップラプロセッサは、制御ユニットCTRから、同期パルスSNも受信している。同期パルスSNは、制御ユニットCTRによってパルスパターン発生器PPGに供給されるクロックパルスckから適切に導出される。同期パルスは、ドップラ解析のために用いられる時間インターバルTFの持続時間を決定する。
上記で示されたように、パルスパターン発生器PPGによって供給されるパルスPPは、可変遅延線VDLにおいて、制御ユニットCTRによって設定される量DAだけ遅延を受けており、選択される各遅延値は、仮想的な物体が検出されるべき個別のレンジセルに対応する。指定された時間インターバルTF内に、ドップラプロセッサDOPは、入力ビデオパルスZZに対して、なんらかの形式のスペクトル解析を(対象となる試験周波数毎に)実行し、その受信信号が、その物体から生じているか、又は単に雑音及び干渉だけによって生成されているかを判定する。
調査中のレンジセル内で試験周波数のうちの1つにおいて物体が検出されたとき、ドップラプロセッサは、この「広域」判定GDを制御ユニットCTRに送る。制御ユニットCTRの出力において得られる最終検出判定DDは、リスト(又は「マップ」)の形をとる。このリスト(又は「マップ」)は、物体が検出されたレンジセルと、検出された物体にそれぞれ関連付けられるドップラ周波数の推定値とを、共に示す。
実用的な用途では、静止クラッタからの反射のような、或るタイプの背景干渉に伴って雑音が生じることがある点が指摘されるべきである。この静止クラッタは、一定の、又は時間と共に低速で変動する、有意なレベルの戻り信号を生成することによって、その存在が明らかになる。
マイクロ波ドップラセンサでは、遅延線VDLの異なる遅延値DAを設定し、設定された遅延毎に、予想されるドップラ周波数の全範囲を走査することによって、対象となる全てのレンジセル及び全てのドップラ周波数を順次に試験することができる。代替的に、複数の(固定)遅延線及び複数のドップラプロセッサを利用することによって、全ての距離及び周波数を並行して調べることができる。
例示するために、不均一な間隔で配置されるパルスを含む送信パルス列の例(図3a)、移動物体によって反射されるようなパルス列の例(図3b)、及びドップラ周波数によって振幅変調されるパルスを含むベースバンド信号の例(図3c)が示される。図3dは、処理されるサンプルの数が、求められたドップラ周波数の半サイクルの数よりも少ないときの「サブナイキスト」不均一サンプリングの事例を示す。
受信信号がずらされたパルスを含むとき、ドップラプロセッサDOPに供給される離散時間サンプルが、不均一なインターバルを有する時刻tk(k=1,2,...,K)において生じる。結果として、均一なサンプリングに基づく従来のフーリエ解析とは対照的に、各試験周波数fXにおいてスペクトル解析のために用いられる離散時間の正弦関数及び余弦関数
{sin(2πfxtk),cos(2πfxtk);k=1,2,...,K}
はもはや直交しない。それゆえ、従来のスペクトル解析を用いて、不均一にサンプリングされた信号を処理する場合には、そのような解析の性能は劣化することになり、得られる結果に信頼性はない。
{sin(2πfxtk),cos(2πfxtk);k=1,2,...,K}
はもはや直交しない。それゆえ、従来のスペクトル解析を用いて、不均一にサンプリングされた信号を処理する場合には、そのような解析の性能は劣化することになり、得られる結果に信頼性はない。
Lomb正規化ペリオドグラム(Lomb normalized periodogram)として知られている、スペクトル解析の従来技術による方法があり、その方法では、各試験周波数fxにおいて、以下の条件を満たすように選択される時間遅延gxを導入することによって、不均一にサンプリングされた正弦関数及び余弦関数の直交性が復元される。
(たとえば、非特許文献1を参照されたい。)
しかしながら、上記のLombペリオドグラム法は、サンプル値内の定数のオフセットを統計的に意味のあるように取り扱うことができないであろう。いくつかの意図される用途では、静止クラッタからの送信パルスの反射によって、一定の(又は低速で変動する)オフセットが常に引き起こされるので、これは、この方法の重大な欠点と見なされる。この問題は、過酷なクラッタ環境において小さな移動物体を検出するように意図されるドップラセンサにおいて特に深刻であろう。
別の従来技術によるスペクトル解析技法もあり、その技法では、定数のオフセットによって導入されるバイアスを補正することが試みられている(非特許文献2を参照されたい)。この技法も各試験周波数fxにおいて時間遅延gxを利用するが、当てはめモデル(fitting model)の中に定数項も含まれる。しかしながら、変更が加えられたにもかかわらず、この技法も、雑音及び静止クラッタが混在する中で不均一にサンプリングされる正弦波信号を「検出」するのにあまり適していない。
W. H. Press、S. A. Teukolsky、W. T. Vetterling及びB. P. Flannery著「Numerical Recipes in C」(Cambridge University Press, 1992. pp. 575-584)
R. I. Shrager著「On a three-term variant of Lomb periodogram」(Astrophysics and Space Science, 277, 2001. pp. 519-530)
それゆえ、不均一に捕捉されたサンプルを利用して、対象となる任意の周波数において、雑音及び背景クラッタが混在する中で未知の周波数、位相及び振幅を有する正弦波信号の存在を検出するための改善された方法を提供することが望ましいであろう。
また、改善された検出方法を、非冗長で、且つ効率的なサブナイキストサンプリングを提供することができる合成パルス列を構成することと組み合わせて、距離及び速度の曖昧さの合成効果を軽減することが望ましいであろう。
さらに、コヒーレントパルス伝送を利用して、対象となる物体の距離及びドップラ周波数の両方を求めるマイクロ波センサに組み込まれるべき、改善されたドップラプロセッサを提供することが望ましいであろう。
[発明の概要]
本発明の複数の態様が、添付の特許請求の範囲において詳述される。
本発明の複数の態様が、添付の特許請求の範囲において詳述される。
本発明は、多数の距離において動いている物体から結果として生じる様々なドップラ周波数を検知するためのドップラプロセッサ、及びそのようなドップラプロセッサを含むドップラセンサとの関連で以下に説明される。しかしながら、本発明は、他の状況においても、たとえば、少なくとも1つのレンジセル内の物体からの少なくとも1つのドップラ周波数を検知する場合、さらには、任意の信号を処理して、その任意の正弦波成分を検出する場合において、広く役に立つ。
本発明の1つの好ましい実施の形態では、サンプルを解析して、周波数fxの正弦波信号の存在が判定され、そのサンプルはパルス列の形をとることが好ましい。このパルス列は、ドップラセンサによって送信されるパルス列が、動いている物体から反射したものであってもよい。サンプルのタイミングは、周波数fxとの関連で選択され、その周波数fxの正弦波及び余弦波がそのようなタイミングを有する場合に、サンプルの平均が低くなるように、好ましくは実質的に0になるようにする。このようにしてタイミングを選択することによって、静止クラッタから生じるような、一定で、且つ低速で変動するオフセットの影響が抑圧されることがわかる。
以下の技法のうちの1つ又は複数を含む、様々な技法を用いて、サンプルの適切なタイミングを達成することができる。
(a)サンプルが要求されるタイミングを有するように、周波数fxを基準にして特定のサンプル列を構成する。
(b)開始サンプルを適切に選択して、1つ又は複数の周波数に対して要求される条件を満たすことができる巡回的なサンプル列(各サイクル内に不均一な間隔で配置される複数のサンプルを有する)を構成する。
(c)所与のサンプル列に対して、要求される条件が満たされるように、周波数fxを選択する。
(d)要求される条件が満たされるまで、既存のサンプルを選択的に捨てる(たとえば、要求される条件を得るために観測インターバルをシフトするか、若しくは長くする。且つ/又は、要求される条件が連続しないサンプルを用いて満たされるように、その間に介在するサンプルを捨てる)。
(a)サンプルが要求されるタイミングを有するように、周波数fxを基準にして特定のサンプル列を構成する。
(b)開始サンプルを適切に選択して、1つ又は複数の周波数に対して要求される条件を満たすことができる巡回的なサンプル列(各サイクル内に不均一な間隔で配置される複数のサンプルを有する)を構成する。
(c)所与のサンプル列に対して、要求される条件が満たされるように、周波数fxを選択する。
(d)要求される条件が満たされるまで、既存のサンプルを選択的に捨てる(たとえば、要求される条件を得るために観測インターバルをシフトするか、若しくは長くする。且つ/又は、要求される条件が連続しないサンプルを用いて満たされるように、その間に介在するサンプルを捨てる)。
こうして、サンプルの主配列が存在することができる。この配列内の全てのサンプルを使用することによって、又はこの配列から特定の(連続している、又は連続していない)サンプルを選択することによって、この配列から、要求されるタイミングを有するサンプルを導出することができる。
特定の状況では、公称周波数の正弦波及び余弦波それぞれの平均を0まで下げることは実用的でないか、実際には不可能であることがある。これらの状況では、各平均の大きさは、好ましくは、所定のしきい値よりも小さくすべきであり、且つ/又は、観測インターバルの開始及び終了は、これらの平均の大きさを最小にするように選択されるべきである。
そのパルス列は、それぞれ同じパルス繰返しインターバルT0を有する、所定の数K個の同一の周期的なパルス列から成る合成列であってもよい。それらのパルス列を適切にインターリーブして、合成された周期的パルス信号s(t)が形成される。基礎を成すパルス列はそれぞれ周期T0当たり1つのパルスを含むが、結果として生成される周期的パルス信号s(t)の各周期T0は、時間的にずらされたK個のパルスを含むであろう。
例示するために、図4は、K個の同一のパルス列を不均一にインターリーブする方法と、タイミングtk(k=1,2,...,K)において、周期T0当たりK個の、ずらされたパルスを含む、結果として生成される周期的(巡回的)パルス列s(t)とを記号的に示す(ここで、パルス列の各サイクルがC個のパルスを含み、パルスのうちの同じ数K=C(個)のものが正弦波信号の存在を判定するために用いられるものと仮定する。しかしながら、状況によっては、C≦K≦2Cとなるような、さらに多くのパルスを用いることが好都合である)。
別の構成では、観測インターバルT0中に、ランダムな間隔で配置されるサンプルから、サンプルを選択することができる。
したがって、シグナルプロセッサ、たとえばドップラプロセッサが、持続時間T0内で、K個のサンプルz(tk)(k=1,2,...,K)を受信する。これらのサンプルは、雑音及び静止クラッタを含むか(動いている物体が存在しない場合)、又は、代替的に、雑音及び静止クラッタに加えて、動いている物体によって反射される信号を含む。
本発明の好ましい実施の形態によれば、レンジセル毎に、受信したサンプルz(tk)は、I及びQの記号的に示される2つの並列チャネル内で処理される。この動作は次のとおりであり、サンプルz(tk)に対して2つの段階において実行されることが好ましい。
1.重み付け積分
2.検出統計量(detection statistic)の構成と、それに続く判定過程
1.重み付け積分
2.検出統計量(detection statistic)の構成と、それに続く判定過程
重み付け積分
受信されたサンプルz(tk)は最初に、2つのチャネルにおいて処理され、以下のように、それぞれ重み付けされた和Ix及びQxが生成される。
受信されたサンプルz(tk)は最初に、2つのチャネルにおいて処理され、以下のように、それぞれ重み付けされた和Ix及びQxが生成される。
ただし、係数cxk及びsxkは以下の式から求められる。
cxk=cos(2πfxtk−φx); sxk=sin(2πfxtk−φx)
ただし、φkは位相角であり、Lombペリオドグラムに関連して上記で説明された利点を得るために選択することができる。
cxk=cos(2πfxtk−φx); sxk=sin(2πfxtk−φx)
ただし、φkは位相角であり、Lombペリオドグラムに関連して上記で説明された利点を得るために選択することができる。
任意の選択された試験周波数fxの場合に、単一のパラメータ(時間遅延)だけを最適化する、Lombペリオドグラムのような、不規則なサンプルを用いる従来技術のスペクトル解析技法とは対照的に、本発明はさらにパルスタイミングを利用して、さらなる利点を「独立に」得る。サンプルタイミングは、離散時間の正弦関数及び余弦関数が(3)において定数関数h(tk)≡1に「ほぼ直交して」現れるように選択される。すなわち、以下の式のそれぞれが1よりも実質的に小さいように選択される。
位相角φxを適切に調整することによって、それらの2つの関数が互いに、少なくとも実質的に直交するようになり、すなわち、
も、1よりも実質的に小さい。以下に説明されるように、そのような手順の結果として、静止クラッタの実質的な抑圧を提供しながら、都合の良い形の検出統計量が生成される。
これまでの説明は、単一の周波数fxだけが対象となるものと仮定している。さらに一般的には、複数の周波数fxが対象となる。異なる複数の周波数の検出は、異なる複数のタイミングtkにおいてサンプルを用いることを伴うことがある。したがって、状況が妥当である場合には、異なる複数の周波数を検出するために用いられるサンプルの複数のタイミングは、以下において、txkと呼ばれる(異なる複数の周波数の検出は、用いるサンプルの数Kを異ならせることも含むことがあることにも留意されたい)。
以下の説明は、個々の周波数のためのサンプルタイミング及び位相角φxを得るのに取り得る方法を略述する。
送信される合成パルス列を、周期がT0である周期的なものとして用いることによって、持続時間T0の観測インターバルが任意の選択されたパルスにおいて開始するように、インターバルをいつでもシフトすることができる。結果として、本発明によれば、サンプルタイミングのための値を自由に選択することができるが、好ましい実施の形態では、異なる時刻において観測インターバルを開始し、それにより異なる開始パルスを得ることによって、異なるサンプルタイミング(異なる周波数fxを検出するときに用いる)が得られる。したがって、開始パルスは、異なるパルスに対応するK個の値のうちのいずれか1つに設定される。周波数fxを検出するためのパルスタイミングtxkは、以下の式によって与えられる。
txk=tk―μx
txk=tk―μx
ただし、μxは、選択されたパルスを開始パルスとして設定するために、観測インターバルが基本パルス列の先頭に対してシフトされる量である(したがって、シフトされた観測インターバル内の最初のパルスは、基本パルス列において、時間μx後に生じる最初のパルスになる)。
各パターンは異なるパルスで開始するので、特定の時間シフトμxそれぞれの結果として、異なるパターンが生成される。これらの異なるパターンは、本明細書において、「環状にシフトしたパターン」、又は単に「シフトしたパターン」と呼ばれる。K個のシフトしたパターンのそれぞれに、観測インターバルを開始するパルスの(元の配列内における)番号に等しいインデックスκを付すことが好都合である。それゆえ、
κ∈{1,2,...,K}
となる。
κ∈{1,2,...,K}
となる。
上記の構成は、対象となる周波数fx毎に同じ数K個のサンプルを使用することを伴い、そのサンプルの数は、パルス列の各周期内のサンプルの数に等しい。しかしながら、これらの条件はいずれも不可欠ではない。
好ましい実施の形態では、対象となる所定の試験周波数fxのそれぞれにおいて、パルスの最適なタイミングが、以下の式によって定義される「クラッタ漏れ(clutter leakage)」Lx0を最小するように選択される。
ただし、係数cxk及びsxkは(3)によって与えられる。
異なる周波数の場合に対するパルスタイミングの使用を考慮に入れて、式(3)を以下のように書き換えることができる。
cxk=cos(2πfxtxk−φx);
sxk=sin(2πfxtxk−φx) (5)
又は、上記の「シフトしたパターン」構成との関連では、以下のように書き換えることができる。
cxk=cos[2πfx(tk−μx)−φx];
sxk =sin[2πfx(tk−μx)−φx]
μxは、開始パルスを形成することができるK個の可能なパルスの中から、対象となる周波数fxに対してLx0の最小値を与えるものが選択されるように選択された値に対応する。
cxk=cos(2πfxtxk−φx);
sxk=sin(2πfxtxk−φx) (5)
又は、上記の「シフトしたパターン」構成との関連では、以下のように書き換えることができる。
cxk=cos[2πfx(tk−μx)−φx];
sxk =sin[2πfx(tk−μx)−φx]
μxは、開始パルスを形成することができるK個の可能なパルスの中から、対象となる周波数fxに対してLx0の最小値を与えるものが選択されるように選択された値に対応する。
ランダムなタイミングにおけるパルスの送信、及びサンプルの動的な選択を伴う代替的な構成では、値Lx0は、1つの観測インターバルT0中において各サンプルが受信されるときに計算される。Lx0が所定のしきい値未満に下がったとき、且つ好ましくは、T0が所定の最小長を超えた後に、その観測インターバルは終了する。この構成は、
(a)新たなサンプルが受信されるのに応じて、観測インターバルの開始時にサンプルを捨てて、観測インターバルが実質的に同じ長さを保持するようにし、且つ/又は、
(b)観測インターバル内のサンプルを捨てて、それにより、クラッタ漏れをより迅速に低減するように選択的に連続していないサンプルを使用する
ことによって、変更することができる。
(a)新たなサンプルが受信されるのに応じて、観測インターバルの開始時にサンプルを捨てて、観測インターバルが実質的に同じ長さを保持するようにし、且つ/又は、
(b)観測インターバル内のサンプルを捨てて、それにより、クラッタ漏れをより迅速に低減するように選択的に連続していないサンプルを使用する
ことによって、変更することができる。
(4)によって定義されるクラッタ漏れLx0の値が(5)における位相角φxに依存しないことを示すために、以下のように、(4)を等価な複素形式で表すことが好都合である。
それゆえ、以下の式が成り立つ。
しかしながら、以下の式が成り立つ。
したがって、以下の式が成り立つ。
したがって、タイミングtxkを求めるための最適化手順では、(4)のφxの値は任意の値、たとえば、0に設定することができる。したがって、クラッタ漏れ振幅は、周波数fxの正弦波及び余弦波のタイミングtxkにおいて、サンプルに関して表すことができる。
それゆえ、理想的には、パルスタイミングは、この式が実質的に0に等しい(それは、実効的には、Kよりも実質的に小さな大きさを有することを意味する)ように選択される。実際には、この式の場合に0値を得ることができないか、又はそれが実用的でない場合であっても、当業者であれば、特定の要件及び検討中の動作条件を考慮して、許容することができる最大の大きさを求めることは全く難しくないであろう。所定のパルス配列に環状シフトμxを適用することによってタイミングが得られる上記の好ましい構成を使用することが望ましい場合には、たとえば、パルスタイミングに関して制約があることがある。この場合、μxは単に、クラッタ漏れのための最小値を与える値として選択される。
一般的に、上記正弦波及び余弦波それぞれの平均の大きさmc、msは、当該正弦波及び余弦波のそれぞれの振幅×0.1(又は、より好ましくは0.05)以下になることが望ましい。したがって、以下の式が成り立つ。
平均の大きさmc、msを二乗した値の和(mc 2+ms 2)は、0.01(又は、より好ましくは、0.0025)以下であることが好ましい。付加的に、又は代替的に、パルスタイミングは、所与の主配列から、大きさmc、msの二乗和を最小にするように選択される。
最適化されたタイミングが用いられるとき、(5)に現れる離散時間正弦関数及び余弦関数は、定数関数h(tk)≡1に「ほぼ直交する」ようになる。これにより、静止クラッタに起因する一定のオフセットを実効的に抑圧することができるようになる。
本発明の別の好ましい特徴によれば、試験周波数fxを適切に選択することによって、クラッタ漏れLx0のさらなる低減が達成される。すなわち、(たとえば)規則的な間隔で配置される試験周波数を選択する代わりに、より低いLx0の値を得ることができるように、自身の公称値からわずかにシフトしている試験周波数が選択される。導入される周波数オフセット|δfx|が1/T0よりも小さい場合には、シフトした試験周波数について得られる結果は、公称試験周波数について正確であるものと仮定することができ、誤差は無視することができる。ただし、T0は信号処理のために用いられる時間インターバルである。
サンプルタイミングtxk及び試験周波数fxの両方が求められたとき、2つの関数を互いに直交させるように、離散時間の正弦関数及び余弦関数の位相角φxを選択することができる。それゆえ、位相φxの値は以下の条件から求められる。
それゆえ、以下の式が成り立つ。
以下の式が成り立つことがわかる。
2sin(2πfxtxk−φx)cos(2πfxtxk−φx)=sin(4πfxtxk−2φx)
2sin(2πfxtxk−φx)cos(2πfxtxk−φx)=sin(4πfxtxk−2φx)
それゆえ、条件(6)は、
sin(4πfxtxk−2φx)
の平均を0に等しくすることを要求することと等価である。この条件が完全に満たされない場合であっても、この平均は低いことが望ましいであろう。当業者であれば、特定の要件及び検討中の動作条件を考慮して、許容することができる最大の大きさを求めることは全く難しくないであろう。平均は、0.2以下、好ましくは0.1以下の大きさを有する可能性が高い。
sin(4πfxtxk−2φx)
の平均を0に等しくすることを要求することと等価である。この条件が完全に満たされない場合であっても、この平均は低いことが望ましいであろう。当業者であれば、特定の要件及び検討中の動作条件を考慮して、許容することができる最大の大きさを求めることは全く難しくないであろう。平均は、0.2以下、好ましくは0.1以下の大きさを有する可能性が高い。
検出統計量の構成
パルスタイミング及び位相角φxが、対象となる試験周波数fx毎に選択されたとき、信号検出統計量Dxを以下のように構成することができる。
パルスタイミング及び位相角φxが、対象となる試験周波数fx毎に選択されたとき、信号検出統計量Dxを以下のように構成することができる。
ただし、Ix及びQxは(2)によって与えられ、PNは雑音電力であり、正規化係数Ax及びBxは以下の式によって与えられる。
上記の正規化は、クラッタ抑圧の有効性をわずかに低下させるが、実用的な用途において、その性能劣化は無視することができることが指摘されるべきである。
試験下のレンジセル内に物体が一切存在しないとき、ドップラプロセッサは、周期T0内に、以下のような、雑音n(txk)及び静止クラッタz0を含む、K個のサンプルz(txk)を受信するであろう。
z(txk)=z0+n(txk),k=1,2,...,K
z(txk)=z0+n(txk),k=1,2,...,K
「漏れた」クラッタの電力(z0Lx0)2が雑音電力PNに対して無視することができ、且つ、観測される雑音がガウス分布を有する場合には、検出統計量(8)は、選択された試験周波数fxにかかわらず、単位平均を有する指数分布に従う。
好ましい実施の形態では、検出統計量Dxの観測された値が、所定の判定しきい値ηを超えている場合には、選択された試験周波数fxにおける信号の存在が宣言される。
当業者には知られているように、誤警報の確率PFA、すなわち、雑音のみによって判定しきい値ηを超える確率の、許容することができる値を確保するように、判定しきい値ηの値を選択することができる。雑音しかないものと仮定すると、検出統計量Dxは、指数分布を有し、周波数fxにおける検出試験は、以下のようになる。
Dx>η=−lnPFA
たとえば、要求されるPFA=10-2であるとき、η≒4.6PNであり、PFA=10-3である場合には、ηの値は6.91PNに上昇する。
Dx>η=−lnPFA
たとえば、要求されるPFA=10-2であるとき、η≒4.6PNであり、PFA=10-3である場合には、ηの値は6.91PNに上昇する。
入力雑音n(t)の電力PNがわかっているか、又は、たとえば、長期の観測から確実に推定することができるものと仮定する。また、CFAR(定誤警報率(constant false-alarm rate))信号処理、又は知識に基づくクラッタマッピングのような、他の適切な従来技術による技法を利用することも可能である。
「漏れた」クラッタの電力(z0Lx0)2が無視することができない場合には、判定しきい値ηは、従来技術から既知であるような、非中心(non-central)χ2分布の解析から得ることができる。たとえば、R. N. McDonough、A. D. Whalen著「Detection of Signals in Noise」(Academic Press, San Diego, 1995. pp. 137-141)を参照されたい。
試験下のレンジセルが動いている物体を含むとき、ドップラプロセッサは、各観測インターバルT0内で、正弦波信号w(txk)+雑音n(txk)及び静止クラッタz0を含むK個のサンプルz(txk)を受信するであろう。
z(txk)=w(txk)+z0+n(txk)
ただし、
w(txk)=W0cos(2πfDtxk−θ0)
であり、W0、fD及びθ0はそれぞれ、3つの未知のパラメータ、すなわち振幅、ドップラ周波数及び初期位相を表す。
z(txk)=w(txk)+z0+n(txk)
ただし、
w(txk)=W0cos(2πfDtxk−θ0)
であり、W0、fD及びθ0はそれぞれ、3つの未知のパラメータ、すなわち振幅、ドップラ周波数及び初期位相を表す。
雑音もクラッタも存在せず、ドップラプロセッサにおいて用いられる基準信号の遅延τが、プローブ用信号のラウンドトリップ遅延と一致しているとき、検出統計量Dxの観測される値は、信号v(txk)の未知のドップラ周波数fDに等しい試験周波数fxにおいて、その最大値を達成する。スペクトル解析の分解能は1/T0にほぼ等しくなることに留意されたい。ただし、T0は観測インターバルである。
検出統計量(8)は、近づきつつある物体が検出されているのと、遠ざかりつつある物体が検出されているのとを区別するために必要とされる付加(2値)情報を与えるように適切に変更することができる。そのような情報は、求められたドップラ周波数の「符号」に含まれる。この2値情報を保持するために必要とされる変更は、当業者に知られている。
ここで、本発明を具現化する構成が、一例として、添付の図面を参照しながら説明される。
[好適な実施形態の詳細な説明]
本発明によるドップラセンサが図18に示されており、以下に説明されることを除いて、図2の従来技術の構成に対応する。
本発明によるドップラセンサが図18に示されており、以下に説明されることを除いて、図2の従来技術の構成に対応する。
図18のパルスパターン発生器PPGは、巡回差集合メモリCDSを含み、以下に説明される技法によって、不均一なインターバルを有するパルスを生成する。図2のドップラプロセッサDOPの代わりに、本発明に従って構成されると共に、図9の機能ブロック図に示されるドップラプロセッサDPが用いられる。また、制御ユニットCRTは、以下にさらに説明されるように、さらなる信号を生成する。
パルスパターン発生器PPGは、図2の発生器PPGと同様に、図4のs(t)において示されるパターンにおいてパルスを生成するように構成することができる。上記のように、パルス列s(t)は、K個の規則的なパルス列をインターリーブによって組み合わせたものと見なすことができる。
しかしながら、図18の構成では、合成パルス列s(t)内のパルスは、次の方法でずらされる(stagger)ことが好ましい。すなわち、周期T0内で、任意の2つの異なるパルス間の時間インターバルが、全てのそのようなインターバルの中で一度だけ生じ、且つ、そのパルス列内で生じる任意の2つの隣り合うパルス間の最も長い時間インターバルが、周期持続時間T0の2分の1未満であるように、ずらされることが好ましい。
送信されるパルス信号s(t)の各周期の持続時間T0がMΔに等しいものと仮定する。ただし、Mは整数であり、Δは単位時間インターバルを表す。tj及びtk(j,k=1,2,...,K)をそれぞれ、第jのパルス及び第kのパルスの発生の時刻とする。したがって、tj=mjΔ及びtk=mkΔである。ただし、mj及びmk(0≦mj,mk≦M−1)は、その周期内のパルス位置である。それゆえ、以下の差の値は全て異なるはずである。
任意の2つのパルス間の時間インターバルの値が異なるために、周期的パルス信号s(t)の上記の構成は、持続時間T0の周期当たりK個のサンプリング時刻を有する、「非冗長な」サンプリングパターンを与える(サンプリング時刻の間でインターバルを繰り返す従来の均一なサンプリング方式は、冗長性が高いと見なすことができる)。
K個の同一のパルス列をインターリーブすることによって得られる周期的パルス信号s(t)は、巡回差配列(cyclic difference sequence)の代表的なマッピング、すなわち巡回差集合(cyclic difference set)(M,N,Λ)であることが好ましい。パラメータ(M,N,Λ)を有する巡回差集合は、1組N個の整数であり、そのMを法とする差は、1〜(M−1)の、0でない全ての剰余をΛと同じ回数だけ表す。
一例として、M=57個の位置を有する各周期が、以下の位置{m1,m2,m3,m4,m5,m6,m7,m8}に配置されるN=8個のパルスを含む、巡回差集合(57,8,1)によって周期的パルス列を表すことができる。
0、1、6、15、22、26、45、55
0、1、6、15、22、26、45、55
図5aは、57個の位置が印されている円の円周上に配置される8つのドット(それぞれ1つのパルスを表す)の環状のパターンを含む、パルス列の適切な記号表現である。図5bに示されるように、この基礎を成す環状ドットパターンの巡回的な(且つ、繰返しの)複製によって、周期的な(無限の)パルスパターン(列)を得ることができる。
周期的パルス信号s(t)を構成するために、Λ=1の巡回差集合(M,N,Λ)が利用されるとき、結果として生成されるサンプリングパターンは、非冗長であることに加えて、信号周期当たりN個のサンプリング点を有する最も効率的なサンプリングパターンにもなる。そのようなサンプリングパターンの高い効率は、異なる(点間)距離を有する所定の数N個の点を与えるときに、そのサイクルMを最短とすることによって得られる。そのような場合、サイクル長MはN2−N+1に等しい。
N個のパルスが集合(M,N,Λ)のサイクルM内に配置されることになる具体的な位置は、巡回差集合の公表されている表から入手することができる。たとえば、P. Fan、M. Darnell著「Sequence Design for Communications Applications」(Wiley, 1996)又は「La Jolla Cyclic Difference Set Repository」(http://www.ccrwest.org/diffsets.html)を参照されたい。全ての3つのパラメータM、N、及びΛの値が同じである、多数の異なる巡回差集合が存在することがあることが指摘されるべきである。
巡回差集合(M,N,Λ)によって表される、合成パルス列s(t)に関して、Mは整数である周期の長さであり、Nは周期当たりのパルス数である。Λは、全ての整数シフトl(lは0に等しくなく、Mの倍数値にも等しくない)に対する列s(t)の、一定レベルである自己相関関数R(l)である。全ての他のシフトl、すなわち、l=iM(ただし、i=0,1,2,...)に対しては、自己相関関数R(l)は、その最大値Nと想定される。それゆえ、距離判定を改善するためにR(l)の小さなサイドローブレベルを確保するために、整数パラメータΛの値は小さくすべきであり、1に等しいことが好ましい。
周期Mを有する周期的パルスパターンの(周期的な)自己相関関数R(l)は、図5aに対応する表現を用いて、主(primary)環状ドットパターンと、そのレプリカ(l個の位置分の巡回シフト(回転)によって得られる)との間で、(1周期内で)発生するドット一致数をカウントすることによって求めることができる。Λ=1の場合の巡回差集合(M,N,Λ)では、l≠iM(ただし、i=0,1,2,...)のような任意のシフトlに対しては、ドットの一致が1箇所だけ存在する。それ以外の場合には、任意のシフトl=iM(ただし、i=0,1,2,...)に対して、ドット一致数は常にNに、すなわち、サイクル当たりのドットの数に等しくなる。
上記で解析され、図5bに示されるものと同じ周期的パルス列を考える。図6aは、様々なシフトlに対応する自己相関関数R(l)の個々の値を求めるために用いられる方法を記号的に示す。図6bは、結果として生成される周期的自己相関関数R(l)を示す。図から明らかなように、周期Mは57に等しく、自己相関関数のピーク値は、ドット一致の最大数と同じであり、すなわち8である。
送信されるパルス列s(t)は時間の関数であるので、記号のパルスパターンにおいて用いられる「単位」距離は、所定の単位時間インターバルΔによって置き換えられる。結果として、サイクル長Mを有する配列は、パルスパターン繰返しインターバル(pulse pattern repetition interval)(PPRI)T0=MΔを有するパルス列s(t)によって表される。
以下の説明では、列s(t)内の全てのパルスが同じ持続時間Δ0を有し、Δ0は、所定の「単位」時間インターバルΔ以下とすることができるものと仮定する。送信されるパルス列s(t)の、結果として生成される周期的自己相関関数Rs(τ)は、「連続的な」時間シフトτの関数である。
図7は、2つのパルス列s1(t)及びs2(t)の自己相関関数R1(τ)及びR2(τ)を示す。これらは、Λ=1を有する同じ巡回差集合(M,N,Λ)によって表されるが、異なる持続時間Δ0を持つパルスを利用する。Δ0は、図7aではΔ0=Δであり、図7bでは、Δ0=Δ/2である。図示される自己相関関数の形状は、レンジングの用途に十分に適している。また、これは、パルス内変調を用いない長方形パルスを含む、周期的信号のクラスにおいて、最も良好に達成することができる形状でもある。
図8aは、図5bの基本パルス列からそれぞれ導出される、8つの異なるシフトパターンを生成する、57の巡回シフトのうちの8つを示す。図8bは、観測インターバルの先頭を各パルス位置にシフトする等価な動作を示す。上記のように、シフトしたパターンのうちの適切なパターンが試験周波数fx毎に選択され、μxの適切な値を得ることができる。
図18のパルスパターン発生器PPGは巡回差集合メモリCDSを含む。CDSは、クロック信号CKに応答して正確なタイミングにおいてパルスが生成されるように、1つ又は複数の所定の巡回差集合に従って生成されることになるパルスの位置を格納する。本発明の好ましい実施形態による構成は、以下で説明されるようなドップラプロセッサを用いて、巡回差集合に基づいて上記で説明されたようにパルス列によって与えられる固有の非冗長サンプリングパターンを十分に利用することができる。以下に説明される構成では、巡回差集合(M,N,Λ)を用いるシステム内のドップラプロセッサによって用いられるパルスの数KはNに等しい。しかしながら、これは不可欠ではない。N≦K≦2Nであることが好ましい。Λ=1であることが好ましい。しかしながら、場合によっては、Λ>1の場合が望ましいことがあり、K個の導出されるサンプルが、連続したサンプルであって巡回差集合によって定義される主配列内では連続していないものを含むようにするために、特定のサンプルが捨てられることが望ましいことがある。
図18の制御ユニットCTRは、第1の同期パルスSY及びパターン選択信号SSを生成し、それらはパルスパターン発生器PPGに送信される。発生器PPGは、パターン選択信号SSの値に従って、メモリCDS内の巡回差集合のうちの1つを選択し、同期パルスSYを受信すると、選択された巡回差集合に従って決定されるタイミングを有するパルスを、パルス変調器PMDに供給し始める。
また、制御ユニットは、時間遅延した周期的パルス列RSの基本周期(すなわち、κ=1を有する周期)の第1のパルスと一致する第2の同期パルスSNも生成する。それゆえ、同期パルスSYとSNとの間の遅延は、周期的パルス列PPと、その時間遅延したレプリカRSとの間の遅延DAに等しい。制御ユニットは、第2の同期パルスSN及びパターン選択信号SSをドップラプロセッサDPに送信する。
図9のドップラプロセッサDPは、J個の同一のドップラフィルタDF1,...,DFj,...,DFJのバンクを備える。フィルタ入力は並列に駆動され、その出力は1つの共通の判定ブロックDBKに接続されている。バンクの各ドップラフィルタは、異なる試験周波数fxに「同調」するが、各フィルタによって実行される機能及び動作は同じである。ドップラプロセッサDPのセル式構造は、ハードウエアASIC実施態様に十分に適している。
ドップラプロセッサDPは、サンプラSMRから、処理されることになる信号サンプルZZを受信し、可変遅延線VDLから、発生器PPGによって生成される周期的パルス列PPの時間遅延したレプリカRSを受信する。
J個の同一のドップラフィルタDF1,...,DFj,...,DFJはそれぞれ、以下の回路を備える:
−同期装置SYR;
−アドレスカウンタACT;
−定数係数を格納するメモリレジスタCME;
−2つの乗算器、MXI及びMXQ;
−2つの累算器、ACI及びACQ;
−チャネル合成器CCR。
−同期装置SYR;
−アドレスカウンタACT;
−定数係数を格納するメモリレジスタCME;
−2つの乗算器、MXI及びMXQ;
−2つの累算器、ACI及びACQ;
−チャネル合成器CCR。
同期装置SYR、アドレスカウンタACT及びメモリレジスタCMEが協動する目的は、処理されることになる信号サンプルZZが現れるのと一致する時刻において、「余弦」係数及び「正弦」係数の正確な値を生成することである。
予め選択された巡回差集合(信号SSによって示される)に対し、同期装置SYRは、同期パルスSNと一致する時刻において、プリセット入力PTを介して、適切な「正でない」初期状態をロードすることによって、アドレスカウンタACTの動作を開始する。アドレスカウンタACTは、時間遅延したパルス列RSにおいて生じるパルスを「カウントアップ」することによって、その状態を変更する。
カウンタACTの初期状態は、そのフィルタに関連する観測インターバルの開始に対応する。初期状態が「(−κ+1)」に設定され、対象となる試験周波数fxに対して環状シフトκが最適化されているとき、アドレスカウンタACTは、時間遅延したパルス列RS内のパルスκの時間位置において、状態「0」に達する。次に、カウンタACTの状態が、列RSの各パルスによって、1だけ増やされる。カウンタの全ての負でない状態の数が、RSの周期当たりのパルスの数(K)に等しいとき、その状態は、次のそのような定義された周期の開始において、再び「0」になる。その後、カウンタは、時間遅延したパルス列RSを正確に同期して連続して動作することになる。
図19は、信号サンプルZZ、パルス列PP及びRS、同期パルスSY及びSN、並びにアドレスカウンタACTの状態の間の時間的関係を示すタイミング図である。
同期パルスSNの時刻において、以下の「同期」条件が満たされる限り、正確な同期が保持される。
ACT状態=(K−κ+1) mod K
ACT状態=(K−κ+1) mod K
カウンタ同期は、たとえば、初期システム「パワーアップ」状態において、一度だけ実行される必要があることに留意されたい。しかしながら、必要に応じて、補助「同期」モニタ回路を組み込むことができる。その回路は、上記の「同期」条件を絶えずモニタし、その条件に違反しているときに、同期を回復する。
また、アドレスカウンタACTは「周期終了」パルスEPも生成する。EPを用いて、累算器ACI及びACQをリセットし、これらの出力をチャネル合成器CCRに転送する。
カウンタACTの負でない各状態は、メモリレジスタCMEのセルのアドレスADとして用いられ、そのセルはそれぞれの「余弦」係数及び「正弦」係数を格納する。たとえば、周期当たりK個のパルスがある場合、カウンタACTの状態は、周期的な配列
...、「0」、「1」、「2」、...、「K−2」、「K−1」、「0」、「1」、...
を形成する。
...、「0」、「1」、「2」、...、「K−2」、「K−1」、「0」、「1」、...
を形成する。
それゆえ、アドレス「0」を有するセルは、サンプル番号1(選択された巡回差集合によって定義される基本配列内のサンプル番号κに対応する)に適している一対の正規化された係数を含む。同様に、アドレス「(K−1)」を有するセルは、サンプル番号Kに適している一対の正規化された係数を含む。
各ドップラフィルタによって受信される信号サンプルZZは、2つの乗算器MXI及びMXQにおいて、それぞれの重み係数CK及びSK(メモリレジスタCMEによって供給される)と乗算される。それらの係数の値は最初に(5)から求められ、その後、式(8)及び(9)によって与えられる正規化を保持するために適切に変更される。それゆえ、以下のようになる。
乗算器の出力である積ZC及びZSはそれぞれ、2つの累算器ACI及びACQに供給され、重み付けされた和IX及びQXが生成される。
共通の「周期終了」リセットパルスEPによって、累算器はいずれも0に設定され、同時に、パルスEPに応答して、それらの内容はチャネル合成器CCRに転送される。重み付けされた和はチャネル合成器CCRによって利用されて、ドップラフィルタによって用いられる試験周波数fxにおいて検出統計量(detection statistic)の値Yjが求められる。
判定ブロックDBKは、J個の検出統計量の値Yjを用いて、広域判定GDを生成する。これは、まず、物体が検出されたか否かを示し、そして、物体が検出された場合には、観測された統計量の最も大きな値を有するドップラフィルタの番号j=1,2,...,Jを示す。この番号は、検出された物体の径方向速度に対応するドップラ周波数を示す。
各フィルタは、多数の観測インターバルにわたって受信されるパルスに基づいて、出力信号を生成するように絶えず動作することができる。代替的に、各フィルタは、ただ1つの観測インターバル中に受信されるパルスに基づいて出力値Yjを生成することができる。
以下の説明では、本発明の主な態様をさらに理解し易くするために、またドップラプロセッサを適用するいくつかの取り得る方法を例示するために、フィルタ設計の2つの例が与えられる。
設計I
解析下にある94GHzマイクロ波ドップラセンサが、15kmまでの距離において、V=1000m/sの径方向速度において進行する発射体を検出することができるものと仮定する。また、各レンジセルの範囲に対応する、要求される距離分解能は、約15m、又はそれよりも良くなければならないものと仮定する。
解析下にある94GHzマイクロ波ドップラセンサが、15kmまでの距離において、V=1000m/sの径方向速度において進行する発射体を検出することができるものと仮定する。また、各レンジセルの範囲に対応する、要求される距離分解能は、約15m、又はそれよりも良くなければならないものと仮定する。
対象となる速度Vに対応するドップラ周波数fDは、以下の式から求めることができる。
fD=2V/λ0≒627kHz
fD=2V/λ0≒627kHz
それゆえ、単一フィルタドップラプロセッサによって用いられる試験周波数fxも、627kHzに等しくなる。
明確距離(unambiguous range)R0=15kmであるので、設計下の合成パルス列s(t)の周期T0は、100μsであると仮定される。各分解能セルの広さは、約1000個の「概念的な」距離分解能セルが必要とされることを示す。
巡回差集合を記載する入手可能な情報源を精査することによって、合成パルス列s(t)を構成するために以下の表1において示される巡回差集合(M=993、N=32、Λ=1)を利用することができることが明らかになっており、そのパルス列では、K=N=32パルスが、以下の位置{m1,m2,...,m31,m32}に配置される。
図10は、上記のパルスパターン内のパルス位置を記号的に示す。ただ1つのパターンサイクルが示されており、そのパルスタイミングは、時間インターバルを単位とする横軸に沿って示される。このパターンは、κ=1及びシフト0を有する、シフトしたパターンと見なすこともできる。
巡回差集合のサイクルMは993であり、パルス列の周期T0は100μsであるので、「単位」時間インターバルΔの値は、T0/M≒100.7nsに等しい。K=32個のサンプリング時刻{tk}の各値は、個々のパルス位置mk(表1に示される)を単位時間インターバルΔと乗算することによって求めることができる。また、送信されるパルスの持続時間Δ0は、100.7nsを超えてはならない。たとえば、Δ0=60nsであるとき、潜在的な距離分解能は9mに制限される。
ここで、上記の巡回差集合によって表されるパルス列の32個のシフトしたパターンをすべて調べて、試験周波数fx=627kHzにおいて最も小さなクラッタ漏れLx0を示すことになるシフトμx(および、対応するシフトしたパターン)を見つける。
コンピュータ調査によって、fx=627kHzにおける周波数解析のための最適なパルスパターンは、パルス番号9(当初は位置87にある)を位置0まで左にシフトすることによって得られる、κ=9を有するシフトしたパターンに対応することが明らかになっている。それゆえ、μx=t9=87Δである。fx=627kHzでは、パルス当たりのクラッタ漏れ電力の値Lx0 2/32は、極端に小さく、−48dBに等しくなる。
κ=9を有する最適なシフトしたパターン内のパルス位置は以下のとおりである。
図11は図10に類似の図であるが、上記のシフトしたパルスパターンの1サイクルにわたるパルス位置を記号的に示す。
ドップラフィルタ設計の次のステップは、κ=9を有する選択された最適なパターンについて、試験周波数fx=627kHzにおける位相角φxを調整することである。(6)から求められるφxの最適な値は、−22.1°に等しい。
ここで、パラメータtk、μx及びφxの値は既にわかっているので、メモリCME内に格納される値CK、SKの組を導出するために、(3)から32個の係数対{(cxk,sxk)}をすべて求めて、正規化することができる。
例示するために、図12は、627kHz正弦波信号を検出するために用いられる最適なシフトしたパターンの形を示す。図12では、縦軸は任意の単位を表し、横軸はマイクロ秒単位の時間を表す。この図は、公称627kHz正弦波信号と、選択されたシフトしたパターンを用いてサンプリングされることになる信号波形上の点とを示す(実際の構成では、完全な正弦波信号は決して存在し得ないことに留意されたい。ドップラセンサ構成では、図3に示されるように、反射したパルスは振幅変調され、その変調パターンが公称正弦波に対応する)。
100μsの観測インターバル内で、627kHz正弦波ドップラ信号の実質的に63サイクルが現れることになることが指摘されるべきである。それゆえ、従来の均一なサンプリングは、周波数解析のために「少なくとも」126サンプルを必要とする。しかしながら、以下に示されるように、巡回差集合に基づくシフトしたサンプリングによれば、わずか32サンプルで、適切な周波数解析を達成することができる。サブナイキストサンプリングに成功するというこの例は、本発明の方法の数多くの利点のうちの1つを実証する。
本発明に従って設計される、単一フィルタドップラプロセッサの性能が、コンピュータシミュレーションによって調べられている。例示するために、その代表的な結果のうちのいくつかが以下に示される。
図13は、試験周波数fx=627kHzを有するドップラフィルタの応答を示す。この応答は、周波数fsが0kHz〜980kHzの間で掃引される正弦波に対するものである。その応答は、均一なサンプリングの場合の特徴である、よく知られている「sin x/xパターン」とは非常に異なるサイドローブ構造を明らかにする。
図14は、同じ入力信号によって励起されるフィルタの応答を示すが、信号として同じ電力の雑音が付加されている。
図15は、同じ入力信号及び雑音に対するフィルタの応答を示すが、入力信号の電力よりも625倍大きな電力を有するdcオフセットが付加されている。
図13〜図15では、縦軸は任意の単位のフィルタ応答を表し、横軸はkHz単位の周波数を表す。全て正確にfx=627kHzにおいて、大きなピークが生じる。
設計II
同じ合成パルス列を利用する、同じ94GHzマイクロ波ドップラセンサが、500kHz〜600kHzの範囲のドップラ周波数を有する信号を検出することができるはずであると仮定する。また、対象となる周波数範囲内で、パルス当たりのクラッタ漏れ電力Lx0 2/32が−30dBを超えていないものと仮定する。
同じ合成パルス列を利用する、同じ94GHzマイクロ波ドップラセンサが、500kHz〜600kHzの範囲のドップラ周波数を有する信号を検出することができるはずであると仮定する。また、対象となる周波数範囲内で、パルス当たりのクラッタ漏れ電力Lx0 2/32が−30dBを超えていないものと仮定する。
スペクトル解析の周波数分解能は1/T0=10kHzに実質的に等しいので、少なくとも10個のフィルタを含むバンクが、要求される周波数範囲を包含する必要がある。以下の5つのシフトしたパターンが、kHz単位の示される中心周波数において、少なくとも要求される30−dBのクラッタ減衰を与えることがわかっている。
図から明らかなように、2つのパターン、κ=8及びκ=16はそれぞれ、500kHz〜600kHz範囲内で3つの10kHz周波数帯を包含する。図16は、10個の「仮想的な」ドップラフィルタの応答特性を記号的に示す。図17は、対象となる周波数範囲内で、シフトしたパターンκ=8(実線)及びκ=16(破線)について得られるクラッタ漏れ特性の一部を示す。縦軸は減衰比を表し、横軸はkHz単位の周波数を表す。
種々のドップラフィルタの周波数は均一に分布していないことに留意されたい。フィルタ毎に、最適なシフトしたパターンを用いるときに、クラッタ漏れが最小にされるように最適な周波数が選択されている。
図9の構成は、単一の巡回差集合で使用するために設計することができ、各フィルタは、単一の初期カウンタ状態(κに対応し、そのフィルタにおいて用いられるべきシフトしたパターンを表す)を格納することができる。また、これとともに、各フィルタは、多数の係数CK、SKを格納することができ、巡回差集合内の値毎に一対の係数を格納する。これは、所定の範囲内のドップラ周波数を示す物体を検出するために用いられる完全な1組のデータを形成する。
代替的に、メモリCDSは、多数の巡回差集合を格納することができ、ドップラプロセッサDPは多数の組の値を格納することができる。これらの組は、それぞれが巡回差集合のうちの1つに基づくそれぞれのシフトしたパターンに対応しており、ドップラ周波数のそれぞれの異なる範囲において用いることが意図される。
さらなる代替的な構成では、図9のドップラプロセッサDPに、(少なくとも)対象となるドップラ周波数の範囲を示す入力信号に応答する係数計算器を設けることができる。入力信号に応答して、係数計算器は、上記の原理を用いて、
(i)1つのパルス配列を選択し(たとえば、1つの巡回差集合に基づいて(好ましくは、予め格納されている多数のパルス配列のうちの1つを選択することによって))、
(ii)所望の観測インターバルを表す、予め格納されている値または入力される値を用いて、フィルタバンクのフィルタ毎に公称中心周波数を計算し、
(iii)フィルタ毎に、シフトした周波数の組(すべて公称中心周波数の所定の範囲内であるもの)を入手し、
(iv)フィルタ毎に、最も低いクラッタ漏れ値を与える値κ及びシフトした周波数fxを選択し、且つ
(v)フィルタ毎に、選択された値κによって定義される配列内のパルス毎に一対の係数値CK、SKを計算することができる。
(i)1つのパルス配列を選択し(たとえば、1つの巡回差集合に基づいて(好ましくは、予め格納されている多数のパルス配列のうちの1つを選択することによって))、
(ii)所望の観測インターバルを表す、予め格納されている値または入力される値を用いて、フィルタバンクのフィルタ毎に公称中心周波数を計算し、
(iii)フィルタ毎に、シフトした周波数の組(すべて公称中心周波数の所定の範囲内であるもの)を入手し、
(iv)フィルタ毎に、最も低いクラッタ漏れ値を与える値κ及びシフトした周波数fxを選択し、且つ
(v)フィルタ毎に、選択された値κによって定義される配列内のパルス毎に一対の係数値CK、SKを計算することができる。
その後、このデータは、メモリCMEにアップロードされ、後にパルスを生成するために、且つパルスの反射を処理するために、ドップラプロセッサDPによって用いられる。
なおさらなる代替的な構成では、発生器PPGによって生成されるパルスの主配列は、少なくともいくつかのランダムなパルス間隔を含む(用語「ランダム」は、適切なフィードバック回路を有するシフトレジスタによって生成される巡回配列のような決定的な擬似ランダム配列、及びパルスタイミングが予測不可能である、好ましい無秩序な配列又は真にランダムな配列を包含するために本明細書において用いられる)。この場合、ドップラプロセッサは、係数計算器を有することに加えて、連続したサンプル間隔を繰返し試験して、たとえば、クラッタ漏れへの効果を計算することによって、要求されるタイミング条件を満たす1組のパルスを選択的に且つ動的に導出する手段も有する。観測インターバルを長くするか又はシフトすることによって、且つ/又は中間のサンプルを捨てることによって(結果として、K個の導出されたサンプルは、連続したサンプルであって主配列では連続していないものを含む)、クラッタ漏れが変化するであろう。クラッタ漏れが所定の値未満になるのに応答して、サンプルを選択することができるが、これは、観測周期が所定の最小持続時間を超えるときに生じることが好ましい。
上記の全ての実施形態において、主配列内のサンプルのタイミング(そして、これらのサンプルのうちのいくつかが捨てられる場合には、ドップラプロセッサによって用いられるために、主配列から導出されるサンプルのタイミングであることが好ましい)は、所与の観測インターバルT0内で、パルスを特定する際の曖昧さが存在しないのを確実にするほど十分に不均一である。
本発明の好ましい実施形態のこれまでの説明は、例示及び説明するために提示されてきた。本発明を包括的に述べることも、本発明を開示されるものと全く同じ形に限定することも意図していない。これまでの説明を踏まえて、数多くの改変、変更及び変形を加えることによって、当業者が、意図している特定の用途に相応しい種々の実施形態において本発明を利用することができるようになることは明らかである。
Claims (26)
- 不均一な間隔で配置される信号サンプルの主配列から導出されるサンプルを使用することによって、所定の試験周波数fxにおいて正弦波信号を検出する方法であって、
前記方法は、
(a)不均一な間隔の時刻txkにおいてK個のサンプルを導出することであって、前記時刻txkにおいてサンプリングされた周波数fxの余弦波の平均が実質的に0になるように、且つ前記時刻txkにおいてサンプリングされた周波数fxの正弦波の平均が実質的に0になるようにする、導出すること、
(b)各サンプルをK個の第1の所定の係数cxkから成るセットのそれぞれの係数、及びK個の第2の所定の係数sxkから成るセットのそれぞれの係数と乗算することであって、K個の第1の量及びK個の第2の量を導出する、乗算すること、
(c)前記第1の量を互いに組み合わせることによって第1の指標を導出すると共に、前記第2の量を互いに組み合わせることによって第2の指標を導出すること、及び
(d)前記第1の指標及び前記第2の指標の両方の大きさに基づいて、周波数fxの正弦波信号が存在することを判定することを含む、方法。 - 前記主配列は繰り返されるサイクルを含み、前記サイクルのそれぞれにおいて、前記サンプル間隔は不均一である、請求項1に記載の方法。
- 前記主配列の各サイクル内のサンプルの数はCであり、C≦K≦2Cである、請求項2に記載の方法。
- 前記サンプル間隔のうちの少なくともいくつかはランダムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記K個のサンプルを導出するために、前記主配列の連続するサンプル間隔を繰返し試験するステップを含む、請求項4に記載の方法。
- 所定の条件が満たされるまで、前記K個の導出されたサンプルを含む観測インターバルを変更するステップを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記K個の導出されたサンプルが、連続したサンプルであって前記主配列において連続していないものを含むようにサンプルを捨てるステップを含む、請求項5又は6に記載の方法。
- 前記主配列は、パラメータ(M,N,Λ)を有する巡回差集合によって定義されるサンプル間隔を有し、前記巡回差集合はN個の整数から成り、
前記N個の整数の、Mを法とする差は、1〜(M−1)の、0でない全ての剰余をΛと同じ回数だけ表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - Λ=1である、請求項8に記載の方法。
- Λ>1であり、
前記K個の導出されたサンプルが、連続したサンプルであって前記主配列内において連続していないものを含むようにサンプルを捨てるステップを含む、
請求項8に記載の方法。 - 2つ以上の試験周波数において正弦波信号の存在を検出するために用いられるときの、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記試験周波数のうちの第1の周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルの前記タイミングtxkは、前記試験周波数の第2の周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルの前記タイミングtxkとは異なる、請求項10に記載の方法。
- 前記第1の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプル、及び前記第2の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルは、いずれも、同じ主配列を有するサンプルから導出され、
前記主配列は繰り返されるサイクルを含み、
前記第1の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルは、前記第2の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルとは、前記主配列のサイクル内の異なる時点において開始する、請求項12に記載の方法。 - 前記第1の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプル、及び前記第2の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルは、異なる主配列から導出される、請求項12に記載の方法。
- 前記第1の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルの数は、前記第2の試験周波数について用いられる前記K個の導出されたサンプルの数とは異なる、請求項11、12、又は14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記不均一な間隔の時刻txkは、前記余弦波及び前記正弦波それぞれの平均の大きさmc、msが、前記余弦波及び前記正弦波のそれぞれの振幅×0.1以下であるようになる時刻である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
- 前記不均一な間隔の時刻txkは、前記平均の大きさmc、msの二乗の和が0.01以下であるようになる時刻である、請求項16に記載の方法。
- 前記K個の導出されたサンプルは、前記余弦波及び前記正弦波それぞれの平均の大きさmc、msの二乗の和を最小にするように前記主配列から選択される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
- 前記K個の導出されたサンプル及び前記周波数fxは、前記余弦波及び前記正弦波それぞれの平均の大きさmc、msの二乗の和を最小にするように選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
- 前記係数cxk及びsxkは以下の式から導出され、
cxk=cos(2πfxtxk−φx);
sxk=sin(2πfxtxk−φx)
ただし、φxは、波形sin(4πfxtxk−2φx)の時刻txkにおいて取り込まれるサンプルの平均が実質的に0に等しいように選択される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。 - 前記波形sin(4πfxtxk−2φx)の前記サンプルの平均の大きさは0.2以下である、請求項20に記載の方法。
- 前記サンプルの主配列を生成するステップを含む、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
- 物体を検出する方法であって、
前記方法は、
不均一なインターバルでパルスを送信することと、
前記物体からの前記パルスの反射を検出することであって、前記反射したパルスは、前記物体が相対的に動くことから生じるドップラ周波数を有する正弦波信号によって変調されるサンプルを構成する、前記検出することと、
請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記正弦波信号を検出することと
を含む、方法。 - 正弦波信号の存在を検出する装置であって、前記装置は、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法に従って動作するように構成される、装置。
- 請求項24に記載の方法を用いて物体を検出するように構成される、ドップラセンサ。
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