JP2003167052A - 合成開口レーダ装置 - Google Patents

合成開口レーダ装置

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JP2003167052A
JP2003167052A JP2001366224A JP2001366224A JP2003167052A JP 2003167052 A JP2003167052 A JP 2003167052A JP 2001366224 A JP2001366224 A JP 2001366224A JP 2001366224 A JP2001366224 A JP 2001366224A JP 2003167052 A JP2003167052 A JP 2003167052A
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signal
code
pulse
transmission
pulse wave
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JP2001366224A
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Inventor
Yosuke Nakano
陽介 中野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合成開口レーダ1において、PRFが高い場
合にレンジアンビギュイティ成分の反射電力が大きくな
り、本来観測したいエリア以外からの反射信号がアジマ
ス圧縮後の画像上に偽像となって現れる。 【解決手段】 バーカーコード等の自己相関符号列にし
たがって、アップチャープ信号とダウンチャープ信号を
切り替えて送信する。信号処理器13内で、所望の観測
ポイントで反射したダウンチャープ信号を受信したとき
に、全ての受信信号を反転する。レンジ圧縮処理した後
に積算することにより、所望の観測ポイントからの受信
信号の振幅を抽出し、受信信号中のレンジアンビギュイ
ティ成分を抑圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス波を送受信
し、対称領域における検知データを生成する合成開口レ
ーダに関する。
【0002】
【従来の技術】衛星、航空機等に搭載された合成開口レ
ーダは、アンテナを介して低パルス繰り返し周波数(L
PRF:Low Pulse Repetition Frequency)でパルス波
を送受信し、地表、地表に隠れた面等の観測を行ってい
る。衛星に搭載された合成開口レーダの概略図を図11
に示す。図11において、衛星搭載用合成開口レーダ1
は地表からの高度が約500kmの位置を移動してお
り、観測レンジを約700kmとした場合には、電波を
照射する方向の見込み角は約45度に調節される。電波
はある一定のビーム幅を持ち、地表面ではビーム幅に対
応するスウォース幅に照射される。このときスウォース
幅は次の式1で求められる。
【0003】
【数1】 ここで、τはパルス幅、Cは光速であり、パルス間隔か
ら送信パルス幅とレンジ圧縮時に必要となる相関長(=
パルス幅)分だけ引いた値となる(図12)。
【0004】例えば、エレベーション方向のアンテナ径
が2mの場合、照射されるビーム幅は約1.0度とな
り、地表面には図13のように、アンテナのサイドロー
ブを含めて約60km幅の観測エリアに電波が照射され
る。
【0005】上述の従来技術の合成開口レーダ1は、図
14に示される構成となっている。チャープパルスデー
タ保持部2が、送信電波のcos項であるIchデー
タ、sin項であるQchデータを保存しており、信号
発生器3がこれらのデータをD/A変換し、さらに信号
合成器4にて合成することで、周波数変調されたチャー
プパルスである送信ビデオ信号S(t)を生成する。こ
こで、送信ビデオ信号S(t)は、次の式2で表され
る。
【0006】
【数2】 ここで、τはパルス幅、Bは周波数帯域幅、tはサンプ
リング時間(D/A)である。
【0007】次に信号発生器において生成された送信ビ
デオ信号は、IF(中間周波数)信号発生器5にて生成
されるIF信号、及び、LO(局部発振)信号発生器6
にて生成されるLO信号と、信号合成器7,8で処理さ
れることにより、RF(ラジオ周波数)信号に周波数変
換される。RF信号は送信機9にて増幅された後、送受
切替器10を経由しアンテナ11を介して送信される。
RF信号はアンテナ11から観測エリアに向けて照射さ
れ、その反射波は同アンテナ11にて受信され、送受切
替器10を経由し受信機12に送られる。受信機12
は、受信信号をは増幅した後、LO信号及びIF信号に
より処理し、ビデオ信号へと周波数変換する。信号処理
器13は、周波数変調されたチャープパルスであるビデ
オ信号をレンジ圧縮する。
【0008】また、他の従来技術として特開平6−13
8215号公報に、送信パルスの周波数が大きくなるア
ップチャープパルスと、周波数が小さくなるダウンチャ
ープパルスを交互に送信する技術が記載されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、合成開
口レーダ1の分解能を向上させようとするとアンテナ幅
を小さくしてビーム幅を広くする必要があるが、合成開
口レーダ1のプラットフォームの速度が速いとドップラ
周波数のアンビギュイティが発生し易くなるため、PR
F(パルス繰り返し周波数)を高くする必要がある。例
えば、周波数9GHzで合成開口レーダの移動方向にア
ジマス分解能1mを得ようとした場合、アンテナ幅は約
2mとなり、ここで衛星の速度が7000m/sである
と、PRFは9000Hz程度にしなければならない。
そうすると合成開口レーダ1と地表面との間に複数の送
信パルスが存在することになる。一方、図11に示すよ
うに送信パルスが角度をもって照射されるときには、反
射パルスは点線で示すように合成開口レーダに近い経路
を伝わる成分は早くアンテナ11に戻るが、遠い経路を
伝わる成分は遅くれてアンテナ11に戻る。したがっ
て、受信時には、複数の送信パルスが混在することにな
り、本来対象とする観測ポイント以外からの信号が受信
波に混在し、これが偽像となって現れる現象であるアン
ビギュイティが発生する。特にPRFが高い場合には、
メインビーム内に合成開口レーダ1の移動方向と直交す
るレンジ方向のレンジアンビギュイティ成分の反射電力
が大きくなり、本来観測したいエリア以外からの反射信
号がアジマス圧縮後の画像上に偽像となって現れるとい
う問題がある。
【0010】本発明は、パルス波の送信周波数が高く、
反射波が混在して受信されるときにアンビギュイティが
発生するのを防止できる合成開口レーダを得ることを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る合成開
口レーダは、パルス波を送受信し、対象領域における検
知データを生成する合成開口レーダであって、所定の自
己相関符号列の各符号に対応して異なる特性の送信パル
スを一定周期で送信する送信手段と、観測領域において
複数の観測ポイントで反射した前記送信パルス波を、ア
ンテナへの入射角度からいずれの観測ポイントでの反射
であるかを識別して受信する受信手段と、識別して受信
した各観測ポイントからの一連のパルス波の符号列から
所望の観測ポイントからのパルス波の振幅を抽出する信
号処理手段と、を備えたものである。
【0012】第2の発明に係る合成開口レーダは、送信
パルス波が往復するアンテナと観測ポイント間の経路の
距離データを有し、前記送信波が送信された時から、前
記距離データから求めた往復時間が経過した後に、観測
ポイント方向から受信するパルス波を、前記観測ポイン
トで反射した前記送信パルス波であると特定する特定手
段を備え、前記信号処理手段は、前記特定手段がパルス
波を特定したタイミングに合わせて前記振幅を抽出する
ものである。
【0013】第3の発明に係る合成開口レーダは、前記
送信手段は、符号系列の長さの異なる複数の自己相関符
号列のうち選択されたいずれか一つの自己相関符号列の
各符号に対応して異なる特性の送信パルスを一定周期で
送信するものである。
【0014】第4の発明に係る合成開口レーダは、前記
自己相関符号列がバーカーコードであるものである。
【0015】第5の発明に係る合成開口レーダは、前記
特性の異なるパルス波はアップチャープパルス波とダウ
ンチャープパルス波であり、前記送信手段が、前記チャ
ープパルス波のいずれか一方を生成するためのIchデ
ータとQchデータを有し、前記2つのデータのいずれ
かの正負の符号を逆にして合成することで他方のチャー
プパルス波を生成するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明の実施の形
態1に係る合成開口レーダ1の構成を図1に示す。
【0017】合成開口レーダ1は、チャープパルスデー
タ保持部2、信号発生器3、送信機9、送受切替器1
0、アンテナ11、受信機12、信号処理器13、切替
えスイッチ14から構成されている。これらの動作につ
いて以下に詳しく説明する。
【0018】まず、チャープパルスデータ保持部2に
は、例えば、アップチャープ用データ、ダウンチャープ
用データとして、それぞれ図2(a),(b)に示す送
信信号の変調を行うための信号パターンが記憶されてい
る。ここで、アップチャープ用データ、ダウンチャープ
用データとは、時間軸(横軸)に対して送信信号の周波
数(縦軸)の傾きが逆の特性となる信号パターンであ
る。これらの2つの信号パターンのうち、切替えスイッ
チ14で接続されている一方が、信号発生器3に送ら
れ、デジタル信号からアナログ信号に変換され、このア
ナログ信号により、図3(a),(b)に示す変調され
たパルス波のいずれかが生成される。このとき、信号処
理部13内のタイミング発生回路から、バーカーコー
ド、M系列符号等の所定の自己相関符号列の符号が変化
するタイミングで切替えトリガが切替えスイッチ14に
送られ、切替スイッチ14の接続が切り替わる。このよ
うにして、自己相関符号列にしたがって、符号に対応し
て異なる特性の送信パルスが一定周期で生成される。例
えば、「1,0,1,1」の4つの符号から成るバーカ
ーコードの場合には、1から0に変化するときに切替え
トリガが送られ、アップチャープ用データからダウンチ
ャープ用データに切り替えられ、また、0から1に変化
するときに切替えトリガが送られ、ダウンチャープ用デ
ータからアップチャープ用データに接続が切り替えら
れ、アップ、ダウン、アップ、アップの順番で一定周期
に信号が生成される。本実施の形態では、自己相関符号
列として4つの符号から成るバーカーコードを用いた場
合について、以下に説明するが、これに限らず他の符号
列でもよい。また、1若しくは0の2種類の符号から成
る自己相関符号列に限らず、それ以上の種類の符号から
成る自己相関符号列でもよく、その場合にはそれぞれの
符号に対応してパルス波の特性を変える。
【0019】信号発生器3は、いずれかのチャープ用デ
ータを入力し、変調パルス波を生成する。変調パルス波
は、信号発生器3内でIF信号、LO信号により処理さ
れ、RF(無線周波数)信号に周波数変換される。そし
て、RF信号は送信機9で増幅され、送受切替器10を
経由してアンテナ11に送られ、図11に示すように観
測領域に向けて照射される。
【0020】観測領域で反射したパルスはアンテナ11
により受信される。このとき、伝播する送信パルスの経
路によって距離が変わるので、同時に送信されたパルス
でも受信される時間が変わってくる。したがって、受信
時には、複数の送信パルスが混在することになる。アン
テナ11は、混在したパルス波を、アンテナへの入射角
から観測領域内のどの観測ポイントで反射したのか判別
し、図4に示されるようなデータとして受信する。図4
において、横軸は観測領域内におけるレンジ方向の各観
測ポイントを表しており、横一列に並ぶデータが同時に
受信される各観測ポイントからの反射波の波形である。
ここで、+はアップチャープパルス、−はダウンチャー
プパルスを表している。縦軸は時間を表し、時間間隔を
あけてパルスヒットが順次受信される様子を表してい
る。k番目の送信パルスが所望の観測ポイントで反射し
た反射パルスが、N番目のパルスヒットで受信され、周
辺のポイントではk−1番目、k+1番目の送信パルス
が受信されている。このように受信される信号は、各ポ
イントでバーカーコードを一つずつずらした信号として
受信される。
【0021】そして、受信されたパルスは、受信信号と
して送受切替器10を経由して受信機12に送られる。
受信信号は、受信機12でLO信号、IF信号により周
波数変換され受信ビデオ信号となり、信号処理器13に
送られる。
【0022】信号処理器13の構成を図5に示す。信号
処理器13では、まずビデオ信号がA/D変換器15で
デジタル信号に変換され、符号復調処理部16に入力さ
れる。符号復調処理部16は、各観測ポイントで反射し
たパルスのうち、所望の観測ポイントで反射して受信さ
れるパルスに対して、パルス送信時に用いた自己相関符
号列の所定の順番のパルスに対して、符号を反転する処
理を行う。即ち、本実施の形態の場合、4符号のバーカ
ーコードの2番目に対応するダウンチャープ信号を受信
すると、このダウンチャープ信号をアップチャープ信号
に変換する処理を行う。この処理により、所望の観測ポ
イントからの信号が全てアップチャープ信号となる。こ
のとき、受信波には様々な信号成分が混在しているた
め、受信信号のもつ自己相関符号列自体から反転すべき
信号を特定することは困難な場合がある。そのため、信
号処理器13で反転する信号を特定するために次の処理
を行うこともできる。即ち、タイミング発生器17が送
信パルスが所望の観測領域で反射し再度アンテナ11で
受信されるまでの伝達経路のデータを保持し、その伝達
経路から伝達時間を計算する。そして、符号を反転すべ
きダウンチャープの送信パルスを生成するための切替え
トリガの送信時から、送信パルスがアンテナ11から出
力される時間を把握し、その送信パルスの出力時から上
記の伝達時間が経過した後に、受信したパルス符号を反
転させる反転トリガを符号復調処理部16に送る。符号
復調処理部16は、反転トリガが入力されたタイミング
に入力された受信信号を反転する処理を行う。このよう
にして、反転すべき信号を特定することができる。ま
た、本実施の形態では、タイミング発生回路17がトリ
ガを符号復調処理部16に出力する構成としたが、トリ
ガを次に説明するレンジ圧縮処理部18に出力し、アッ
プチャープ用リファレンス信号とダウンチャープ用リフ
ァレンス信号を切り替える構成としてもよい。
【0023】符号復調処理部16を通過した受信信号は
レンジ圧縮処理部18に送られ、パルス圧縮処理され
る。即ち、符号復調処理部16で反転後の受信信号をF
FT(高速フーリエ変換)処理し、また、図6に示すア
ップチャープ信号と複素共役の関係であるリファレンス
信号をFFT処理した信号と乗算してからIFFT(逆
フーリエ変換)処理する。このとき、リファレンス信号
はアップチャープ信号と複素共役の関係にあり、アップ
チャープ信号のみをパルス圧縮するので、符号復調処理
部16から入力される信号がアップチャープ信号であれ
ば、レンジ圧縮処理部18が出力する信号は図7上段に
示すようなピークをもつ信号となり、入力される信号が
ダウンチャープ信号であれば、レンジ圧縮処理部18が
出力する信号は図7下段に示すようなピークのない信号
となる。ここで、シミュレーションによるパルス圧縮の
結果を図8に示す。図8(a)は、アップチャープ信号
をリファレンス信号によりレンジ圧縮を行った結果であ
り、図8(b)はダウンチャープ信号をリファレンス信
号によりレンジ圧縮を行った結果である。これは、周波
数帯域幅=50MHz,サンプリング周波数60MHz,パルス幅
10μsの信号に対するシミュレーションである。
【0024】所望の観測ポイントからの受信信号は、符
号復調処理部16で全てアップチャープ信号に変換され
るので、所望の観測ポイントのパルス圧縮された信号は
全てピークをもつが、それ以外のポイントからの受信信
号はダウンチャープ信号を含むため、圧縮されない信号
もあり、必ずしもピークがでない。
【0025】次に、コーナーターン19でパルス圧縮処
理された信号がアジマス圧縮処理部20で処理できるよ
うに配列され、アジマス圧縮処理部20に送られる。
【0026】アジマス圧縮処理部20では、図9に示す
ような、複数のパルスの積分処理が行われる(例えば、
FFT処理も含まれる)。図9において、+は、パルス
圧縮されピークをもった受信波の振幅データであり、−
はパルス圧縮されずピークのない振幅データである。N
+1パルス目は符号復調処理部16で反転処理されたデ
ータとなっている。このようなデータが、各観測ポイン
ト毎に足し合わされ積算される。積算後のデータは所望
の観測ポイントのみの振幅が増幅して抽出される。一
方、他の観測ポイントのデータの振幅の値は大きくなら
ず、即ち、アンビギュイティ成分を低く抑えることがで
きる。上記に説明したように、所定の自己相関符号列の
符号に対応して異なる特性の送信パルスを送信し、所望
の観測ポイントからの反射信号に対して自己相関をとる
演算を行うことで、所望の観測ポイントの反射波の電力
の振幅を抽出することができ、所望の観測ポイント周辺
からのアンビギュイティ成分が受信されても、それがモ
ニタ等の表示装置に偽像となって現れるのを防止するこ
とができる。
【0027】尚、特開平6−138215号公報に示さ
れるように、アップチャープとダウンチャープの2種類
の信号を交互に組み合わせただけでは、送信したアップ
チャープパルスにその2パルス前後に送信したアップチ
ャープパルスが重なると、アップチャープ同士の重なり
となってしまうため、レンジ圧縮処理部で正しく復調さ
れてしまう。それに対して、本実施の形態では、バーカ
ーコードにより送信パルスを符号化したことにより、所
望の観測ポイント周辺における複数のポイントの振幅値
を低く抑えているので、上記従来技術のような問題は発
生しない。
【0028】実施の形態2.本発明の実施の形態2に係
る合成開口レーダ1は、実施の形態1と構成はほぼ同じ
であるが、自己相関符号列として実施の形態1とは符号
系列の長さが異なる13符号から成るバーカーコードを
用いる。13符号のバーカーコードは「1,1,1,
1,1,0,0,1,1,0,1,0,1」の符号列で
構成され、このうち、符号復調処理部16で反転処理さ
れるのは上記符号列の6,7,10,12番目の符号に
該当する4つの「0」である。13符号のバーカーコー
ドを用いることで、アジマス圧縮処理部20で積算され
た値は、4符号のバーカーコードと比較してさらに大き
くなり、また、アンビギュイティ成分を除去できる範囲
を長くすることができる。したがって、同時に受信され
る送信波が多い場合には、本実施の形態のように長いバ
ーカーコードを用いることで、積算値が大きくなる間隔
をビーム幅よりも十分に遠くすることができる。長い符
号から成るバーカーコードを用いるとよい。また、アン
ビギュイティ成分を除去する範囲が狭くてもよい場合に
は、13符号のバーカーコードに限らず、3符号、5符
号、7符号、11符号のバーカーコードを適宜用いても
よい。アンビギュイティ成分を除去する範囲を広くした
い場合には、M系列符号列等の長いコードを用いて、自
己相関をとればよい。
【0029】実施の形態3.本発明の実施の形態3に係
る合成開口レーダ1は、実施の形態1と構成はほぼ同じ
であるが、タイミング発生回路17が符号系列の長さの
異なる複数の自己相関符号列、例えば4符号のバーカー
コード、13符号のバーカーコード、及びさらに長い符
号から成るM系列符号列のデータを保持し、その複数の
自己相関符号列の中から状況に応じて最適な自己相関符
号列を選択する。即ち、パルス繰り返し周波数、送信パ
ルスの照射角度、合成開口レーダ1の位置等から同時に
受信する送信パルスの数を計算し、同時に2〜3パルス
を受信するのであれば4符号のバーカーコードを選択
し、また同時に4〜12パルスを受信するのであれば1
3符号のバーカーコードを選択し、さらに同時に受信す
るパルス数が多いときには、最も長いM系列符号列を選
択し、選択された符号列の符号に対応して特性の異なる
送信パルスを照射する。このように構成することによ
り、アンビギュイティ成分として除去する必要のある範
囲に対してのみ、信号を抑圧する処理を行うことができ
る。したがって、演算処理が複雑化しない効果がある。
【0030】実施の形態4.図10は本発明の実施の形
態4に係る合成開口レーダを示す構成図である。チャー
プパルスデータ保持部2から読み出されるIchデータ
とQchデータのうちのいずれか一方、例えばQchデ
ータの符号の正負を反転する符号切替器21を設けるこ
とで、チャープのアップ/ダウンを切り替えることがで
きる。これはアップチャープの複素共役がダウンチャー
プと等価であることによる。自己相関符号列の符号が変
化した時に、信号処理器13から送られる符号切替トリ
ガにしたがって、Qchデータの符号を反転させること
で送信パルスをコード化し、受信信号に対して実施の形
態1と同様な処理を行うことで、レンジアンビギュイテ
ィ成分を抑圧することができる。また、本実施の形態で
は、チャープパルスデータのパターンをアップ、ダウン
チャープで共用することができるので、必要となるメモ
リ量を削減することができる。
【0031】
【発明の効果】第1の発明によれば、所定の自己相関符
号列で符号化した送信パルスの反射波のうち、所定の観
測ポイントで反射したパルス列と自己相関をとることに
より、所望の観測ポイントからのパルス波の振幅が抽出
されるので、アンビギュイティ成分である周辺のポイン
トの反射波の振幅を低く抑えることができる。
【0032】第2の発明によれば、受信波に様々な信号
成分が混在し、受信波の自己相関符号列自体から、自己
相関をとる演算を行うタイミングが把握できない場合で
も、送信パルスが往復するアンテナと観測ポイント間の
経路の距離データから往復時間を求め、この往復時間に
よりタイミングを合わせることで、所望の観測ポイント
からのパルス波の振幅を抽出することができる。
【0033】第3の発明によれば、符号系列の長さの異
なる複数の自己相関符号列のうち、同時に受信する送信
パルスの数に対して最適な自己相関符号列を選択して送
信パルスを送ることができる。
【0034】第4の発明によれば、自己相関符号列がバ
ーカーコードであるため、所定の順番で受信されるパル
スの特性を変えるという簡単な処理で、自己相関をとる
ことができる。
【0035】第5の発明によれば、アップチャープ信号
およびダウンチャープ信号を生成するためのIchデー
タ、Qchデータを共用することができるので、データ
を保存するのに必要なメモリ容量を減らすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ
の構成図である。
【図2】 アップチャープデータ及びダウンチャープデ
ータを示す説明図である。
【図3】 アップチャープデータ及びダウンチャープデ
ータにより変調された送信信号を示す説明図である。
【図4】 受信信号を説明する説明図である。
【図5】 信号処理器の構成を説明する説明図であ
る。。
【図6】 アップチャープ信号にパルス圧縮するための
リファレンス信号を示す説明図である。
【図7】 レンジ圧縮処理部におけるパルス圧縮を説明
するための説明図である。
【図8】 シミュレーションによるパルス圧縮の結果を
示す説明図である。
【図9】 アジマス圧縮処理部におけるデータ処理を示
す説明図である。
【図10】 本発明の実施の形態4に係る合成開口レー
ダの構成図である。
【図11】 衛星搭載用レーダによる観測時のジオメト
リを示す図である。
【図12】 送信信号と観測可能エリアの関係を示す図
である。
【図13】 観測時のビーム放射パターンを示す図であ
る。
【図14】 従来の合成開口レーダ装置の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 合成開口レーダ装置、2 チャープデータ保持部、
3 信号発生器、9送信機、10 送受切替器、11
アンテナ、12 受信機、13 信号処理器、14 切
替えスイッチ、15 AD変換器、16 符号復調処理
部、17 タイミング発生回路、18 レンジ圧縮処理
部、19 コーナーターン、20 アジマス圧縮処理
部、21 符号切替器。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス波を送受信し、対象領域における
    検知データを生成する合成開口レーダであって、 所定の自己相関符号列の各符号に対応して異なる特性の
    送信パルスを一定周期で送信する送信手段と、 観測領域において複数の観測ポイントで反射した前記送
    信パルス波を、アンテナへの入射角度からいずれの観測
    ポイントでの反射であるかを識別して受信する受信手段
    と、 識別して受信した各観測ポイントからの一連のパルス波
    の符号列から所望の観測ポイントからのパルス波の振幅
    を抽出する信号処理手段と、を備えたことを特徴とする
    合成開口レーダ。
  2. 【請求項2】 送信パルス波が往復するアンテナと観測
    ポイント間の経路の距離データを有し、 前記送信波が送信された時から、前記距離データから求
    めた往復時間が経過した後に、観測ポイント方向から受
    信するパルス波を、前記観測ポイントで反射した前記送
    信パルス波であると特定する特定手段を備え、 前記信号処理手段は、前記特定手段がパルス波を特定し
    たタイミングに合わせて前記振幅を抽出することを特徴
    とする請求項1に記載の合成開口レーダ。
  3. 【請求項3】 前記送信手段は、符号系列の長さの異な
    る複数の自己相関符号列のうち選択されたいずれか一つ
    の自己相関符号列の各符号に対応して異なる特性の送信
    パルスを一定周期で送信することを特徴とする請求項1
    または2に記載の合成開口レーダ。
  4. 【請求項4】 前記自己相関符号列がバーカーコードで
    あることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の合成開口レーダ。
  5. 【請求項5】 前記特性の異なるパルス波はアップチャ
    ープパルス波とダウンチャープパルス波であり、 前記送信手段が、前記チャープパルス波のいずれか一方
    を生成するためのIchデータとQchデータを有し、
    前記2つのデータのいずれかの正負の符号を逆にして合
    成することで他方のチャープパルス波を生成することを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の合成開
    口レーダ。
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