JP2010502776A - 小麦胚芽油濃縮物、その製造方法、小麦胚芽油の製造方法、ならびにそれに基づく、性機能障害を回復するための医療用および予防用組成物 - Google Patents

小麦胚芽油濃縮物、その製造方法、小麦胚芽油の製造方法、ならびにそれに基づく、性機能障害を回復するための医療用および予防用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、天然植物性原材料に基づく生物学的に活性な化合物、その製造方法、ならびに医科診療および公衆衛生活動におけるその使用の分野に関する。本発明の目的は、小麦胚芽油濃縮物を製造するための方法であって、水分含有量が6〜8パーセントになるまで前乾燥された小麦胚芽から冷間圧搾によって小麦胚芽油が製造され、その油が、92〜93体積パーセントのエチルアルコールを使って、それぞれ1:3および1:2の比率で2回抽出され、そのアルコール抽出物が合わされ、維持され、相の分離後に、アルコールが除去されるまで、減圧下、50〜60℃の温度で蒸発される方法である。こうして得られる濃縮物は、所定の比率でセレンおよび亜鉛も含有する性機能の障害を回復させるのに適した医療用および予防用薬剤に、構成成分として使用される。本方法では、その栄養特性および治癒特性を増加させる、フィトステロール類、さまざまな形態のトコフェロール類およびカロテノイド類が濃縮されている油が、確実に得られる。

Description

本発明は、天然植物性原材料に基づく生物学的に活性な化合物、その製造方法、ならびに医科診療および公衆衛生活動におけるその使用に関する。
小麦胚芽油は、そのユニークな組成のおかげで、医薬品および化粧品に、そしてまた食品産業でも、広く使用されている。
小麦胚芽油を製造するための主原材料は小麦フレークである。
文献のデータによれば、この油の組成には、以下の構成成分が見出されている:
・飽和脂肪酸:テトラデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エルカ酸、ゴンド酸(gondonic acid);
・モノおよびポリ不飽和脂肪酸:オレイン酸、リノレン酸、リノレン酸、アラキドン酸;
・脂溶性ビタミン類:トコフェロール類、カロテノイド類、エルゴカルシフェロール;
・水溶性ビタミン類:葉酸(ビタミンB9)、パントテン酸。
さらにまた、レシチン、メチオニン、およびフィトステロール類も、この油の組成中に見出されている。
小麦胚芽油は、
1.抗酸化剤:トコフェロール類およびカロテノイド類(この油は、そのビタミンE含有量(200〜600mgパーセント)に関して、あらゆる天然化合物の中で最高の記録を持っている);
2.必須ポリ不飽和脂肪酸、なかんずく人体における脂質代謝にとって最適な比率のリノール酸、リノレン酸、レシチン;
3.B群、D群、PP群のビタミン、パントテン酸および葉酸(2〜3mgパーセント)、ならびにアミノ酸メチオニン
を含む少なくとも三つの活性複合体を含有する点で、非常にユニークである。
この油は広範囲にわたる薬学的活性および美容活性を持つ(非特許文献1)。
小麦胚芽油は万能の健康改善作用を持ち、免疫系および内分泌系の機能を正常化する。これは生殖機能の刺激物質である。これは作業能力および活力を増加させ、ストレス耐性を強化する。これは消化管の創傷、熱傷、潰瘍および疾患の迅速な治癒に貢献する。これは、抗アテローム硬化特性および心臓保護特性を有する。これは血液および肝臓中のコレステロールレベルを低下させる。これはホルモンバランスを調節する。
化粧品産業における世界の主導的企業は、クリーム、ローション、美容マスク、バーム、シャンプーなどの製造に、小麦胚芽油を使用している。
天然物の組成、そしてそれゆえに天然物の薬学的スペクトラムおよび有効性は、抽出剤のタイプおよび性質、温度および時間設定などに大きく依存し、反応物質の比率および単離プロセスの他の側面にも大きく依存することが、当業者には知られている。
したがって、特定の作用を与える油、すなわち所定の栄養特性、予防特性または治療特性を持つ油を小麦胚芽から単離する改良された方法が必要とされている。
先行技術には、小麦胚芽から油またはその濃縮物を単離するための方法が、数多く記載されている。
油含有量が低い原材料、特に小麦胚芽から、油およびタンパク質産物を製造するための方法であって、それらを、チャンバー内において、80℃以下の温度で、同時に粉砕、加熱および混合しながら圧搾することによる方法が知られている。圧搾に先だって原材料は、流動層または振動層中、最高80℃の温度で、水分含有量が6〜8パーセントになるように乾燥される。圧搾プロセス中にプロセス温度に到達したら、油(加工した原材料から得られる油、または生化学的組成が似ている油)の添加によって、原材料が可塑化される(特許文献1)。
植物性原材料から油を製造するための方法であって、ヘキサンまたは水と混和しない他の低沸点炭化水素による抽出、濾過または遠心分離による脱油残渣からのミセラの分離、および蒸発による溶剤からの油の分離を含む方法が知られており、この方法では、前記抽出に先だって植物性原材料が、得られる液相中の最終エタノール濃度が50〜70体積パーセントになることを保証する濃度の水性エタノール溶液で、1回または繰り返し予備処理され、エタノールによる処理後に残っている固相が炭化水素で抽出される(特許文献2)。
小麦胚芽から油を製造するための方法であって、それらを粉砕した後に、異なる温度で2段階抽出を行うことによる方法を記載した特許文献3 が知られており、この方法では、溶剤として、なかんずくエタノールが、界面活性剤の存在下で使用される。
さらにもう一つの一方法では、穀類胚芽が粉砕され、水性媒質に懸濁され、30〜40℃に加熱される。アミロース分解活性を持つ酵素剤を原材料1gあたり1〜5単位の量で加えた後、その混合物の温度を88〜92℃に上げる。次に、その混合物を40〜50℃まで冷却し、45〜50℃の温度において、それぞれ原材料1gあたり0.5〜2.0単位、0.1〜0.5単位、および1.0〜5.0単位という量のアミロース分解活性、タンパク質分解活性およびセルラーゼ活性を持つ酵素剤で、1〜2時間処理する。その後、混合物を、7.2〜7.8のpH値において、塩化カルシウム(原材料質量の3〜5パーセント)で処理し、80〜85℃に加熱した後、20℃まで冷却する。固相が沈殿し、それを遠心分離によって単離する。最後に、油が、70〜75℃の温度において、エチルアルコールで抽出される(特許文献4)。
上述の方法は全て、ビタミン類および不飽和脂肪酸の濃度が多かれ少なかれ上昇している油または油濃縮物を与える。しかしこれらの方法では、性機能障害、特に男性性機能障害の予防および処置に極めて有効に使用することができる組成物の製造が保証されない。この目的には、ステロイド構造を持つ化合物および抗酸化剤、特にビタミンEを高濃度に含む油が、より適切であると考えられている。
植物油からステロイド性を持つ化合物を含む画分を単離するために使用される方法は種々ある。これらの方法のうち、最も取り組みやすく最も実現が容易な方法は、低温の適用、いわゆる凍結分離である。しかし、油が微量のロウを含む場合には、室温において反対の効果が観察されるだろうから、この方法には限界がある。
リグナン化合物を含有する植物油からの単離には、何人かの著者が抽出技法を使用しており、特にオリーブ油からのフェノール画分の抽出にはメタノールが使用されている(非特許文献2)。
濃縮されたステロール画分を含有する油を製造するために(非特許文献3)、エタノールの存在下で逆相活性炭を使用することに基づく、新しい技法が用いられている。
エーテルを使った胚芽の粉砕および脱油、エーテルの蒸発、温浸法を用いる酸性水およびトリクロロメタンを溶解させたアルコールによる胚芽の抽出と、それに続く清澄化、濾過および蒸発を含む、小麦胚芽油濃縮物の製造方法は、本発明に最も近い先行技術とみなすことができる(特許文献5)。
しかし、前記の最も近い先行技術の方法では、そしてまた上述した他の方法でも、十分に高いビタミンEおよびステロール類の含有量が保証されないので、これらの方法は、本発明の目的を達成するのに最適ではない。
露国特許第2163922号 露国特許第2046825号 ソビエト連邦特許出願第1819288(A3)号明細書 露国特許第2092529号 ソビエト連邦特許第65874号、1946年2月28日
A.Nekrasova「Tayny zarodyshey pshenitsy(小麦胚芽の秘密)」2000 Owenら、2000 R.E.Ostlundら、2003
なかんずく性機能障害を予防および処置するための薬剤の製造に適した小麦胚芽油濃縮物を製造するための、手間のかからない新しい方法を開発することが、本発明の目的である。
前記の目的は、水分含有量が6〜8パーセントになるように予備乾燥された小麦胚芽を冷間圧搾し、92〜93体積パーセントのエチルアルコールを使って、それぞれ1:3および1:2の比率で2回抽出し、エタノール抽出物を合わせ、相の分離後、エタノールが除去されるまで、減圧下、50〜60℃の温度に維持し、蒸発させることによって小麦胚芽油が得られることを特徴とする方法により、達成される。
驚いたことに、上に示した濃度のエチルアルコールにより、分離することが困難なエマルションの形成を回避することが可能になった。そのうえ、エタノールは他の有機溶剤よりも毒性が低く、しかも安価である。
こうして得られる油濃縮物は、特徴的な臭いを有する濃黄色の油性粘稠物質であり、以下の特徴を持つ:
過酸化物価 1.2〜1.3mmol/kg
酸価 4.6〜4.7mg
けん化価(KOH) 190〜195mg
ヨウ素価 110〜112g/100g
非けん化物の含有量 4.8〜4.9質量パーセント
カロテノイド類の含有量 9.45〜10mgパーセント。
当初の油と比較して、濃縮物のフィトステロール含有量は8倍高く、トコフェロール含有量は5倍高く、カロテノイド含有量は3.7倍高い。
小麦胚芽油濃縮物の主要構成成分のいくつかについて、その生化学的および薬理学的活性に関するデータを以下に記載する。
ビタミンE(トコフェロール類)
ビタミンE(トコフェロール類、ギリシャ語のtocos=出産、pher=支える、に由来する)は、生物起源の物質である一連の2-メチル-2(4,8',12'-トリメチルトリデシル)-6-クロマノール(トコール)誘導体を表し、植物および動物の生体にはかなりの量のビタミンEが存在する。これらは、不飽和脂肪酸との分子間相互作用ゆえに、主として、リポタンパク質細胞膜および細胞内小器官に含有されている。
数多くの研究において、生殖器の病変、アテローム性動脈硬化、および血管の動脈硬化に関するビタミンE(トコフェロール類)の治療活性および予防的保護活性について、決定的な証拠が得られている。
α-トコフェロールおよびその類似体の生物学的活性は、脂質の過酸化物ラジカルを、ヒドロキシ基の水素原子をそのラジカルへと移動させること(1電子移動)によって除去し、脂質を回復させる高い効率および能力(抗ラジカル能)に基づいている。こうしてビタミンEは、不飽和脂質の酸化を防止し、生体膜を酸化から保護する。
他の大半の抗酸化剤とは異なり、ビタミンEは脂溶性(親油性)化合物であるため、低密度リポタンパク質および細胞膜の構造中に直接、容易に組み込まれうる。このようにして、ビタミンEは、リポタンパク質の酸化および細胞膜の脂質の過酸化を、最も効率よく防止する。
しかし、フリーラジカルとの反応過程で、α-トコフェロールはα-トコフェロキシルラジカルに酸化され、その後、後者は有毒なα-トコフェリルキノンに変化する。これは、効率的なトコフェロール濃度およびその抗酸化活性の迅速な低下につながるだけでなく、トコフェロキシルラジカルがもたらす酸化連鎖反応の継続により、酸化促進作用の増加にもつながる。α-トコフェロールが良好な抗ラジカル活性を有するにもかかわらず、弱い抗酸化剤であるのは、この理由による。
その抗酸化作用を強化するには、媒質中に他の抗酸化剤が存在する必要がある。それゆえに、ほとんどの場合、ビタミンEはコエンザイムQおよびビタミンCと併用される(抗酸化作用の相互強化)。
α-トコフェロールと比較すると、β-およびδ-トコフェロールが持つ抗ラジカル活性は低いが、それらの抗酸化活性はかなり高く、α-トコフェロール(0.3)<β-トコフェロール(0.45)<トコフェロール(0.6)<δ-トコフェロール(1.0)である。
本方法によって得られる濃縮物はこのビタミンの全形態を含み、それが最適な抗酸化活性を保証する。
表1に、得られる小麦胚芽油濃縮物中に含有されるα-、β-、γ-およびδ-トコフェロールの量的関係を示す。
Figure 2010502776
フィトステロール類
このクラスの一般的な代表例は、シトステロールのグループ、例えばβ-シトステロール、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、エルゴステロール、およびチモステロールであると考えられる。このグループの役割は完全に解明されているわけではない。前記シトステロールがより複雑なステロイドの前駆体であることを示すデータがある。
ポリ不飽和脂肪酸
植物の組織とは異なり、動物およびヒトの組織は、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸およびポリ不飽和脂肪酸(すなわちその構造中に1〜6個の二重結合を持つ酸)に変換する能力に制約がある。しかし、それでもなお、不飽和脂肪酸および一部のポリ不飽和脂肪酸は、鎖伸長酵素、いわゆるエロンガーゼと、ミクロソームモノオキシゲナーゼ類(シトクロムb5)に属する不飽和化酵素(すなわち鎖の各位置で二重結合を形成する酵素)、いわゆるデサチュラーゼの逐次的関与によって、生体内で合成されうる。
ポリ不飽和脂肪酸は細胞生体膜のリン脂質の不可欠な構成成分である。ポリ不飽和脂肪酸は、細胞膜のリン脂質の2位に組み入れられて、それらの微小粘度、透過性、および電気的性質を調節することにより、膜タンパク質および膜酵素の脂質環境を作り出している。必須ポリ不飽和脂肪酸が欠乏すると、それらはリン脂質中で、そしてまた膜リン脂質中でも、他の脂肪酸で置換されうる。この場合は、関係する構造の性質が(ほとんどの場合、悪い方向に)変化する。これは、生殖器の体細胞および精子には、とりわけ当てはまり、それらの膜は多量の高度不飽和脂肪酸、すなわちエイコサペンタエン酸(5個の二重結合を持つ)およびドコサヘキサン酸(6個の二重結合を持つ)を含有する。後者の高い不飽和レベルは、胚細胞膜の特異的性質を決定づけると同時に、リン脂質の高レベルな酸化可能性を決定づけ、これが、性的障害に悩む人々の食品には、ポリ不飽和脂肪酸と共に、抗酸化構成成分(ビタミンE、A、C、カロテノイド、フラボノイドなど)も付加的に組み入れることを避けがたい要件にしている。小麦胚芽油は、ω-6脂肪酸の事実上全範囲、すなわちオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、およびアラキドン酸を含有し、それらは、そのエステル、すなわちトリグリセリドの形で存在する。同時に多数の抗酸化剤の組合せも保証される。
勃起機能を改善するのに必要な血管の平滑筋細胞における環状グアノシン一リン酸の誘導機構を増強するには、酸化窒素と共に、内皮細胞によるプロスタグランジンPGEの十分な産生も重要である。プロスタグランジンPGEは、アラキドン酸およびジホモ-γ-リノレン酸からシクロオキシゲナーゼ経路によって、他のエイコサノイドと一緒に合成される。
リノール酸が、食品と共に、または栄養補助食品として(例えば小麦胚芽油の組成に含まれて)、生体に提供されると、必須ポリ不飽和脂肪酸の全範囲、そして最終的にはアラキドン酸が、そこから生成される。
必須脂肪酸は、いわゆるエイコサン系(すなわち20個の炭素原子を含有する)脂肪酸の前駆体であり、そのエイコサン系脂肪酸からは、代謝のさまざまな側面に実に多様な影響を持つ生物学的に活性な化合物のファミリーが形成される。それらには、プロスタグランジン類(PG)、プロスタサイクリン類(PP)、トロンボキサン類(TO)(プロスタノイドと略称される)、およびロイコトリエン類(LT)が含まれる。
α-リノレン酸は、対応する酵素がその生体内で十分に活性であれば、酵素的に変換されて、エイコサペンタエン酸の供給源になることができる。
要約すると、さまざまな構造を持つ広範囲のエイコサノイドの形成が、生体に対するポリ不飽和脂肪酸の作用を特徴づける広範な薬理学的効果、すなわち血栓形成の過程、血液凝固能、血管および気管支の緊張度、血液のレオロジー的性質、動脈内圧、免疫学的状態、子宮平滑筋の緊張、腺の分泌過程などに対する複雑な影響の説明になる。
小麦胚芽油のポリ不飽和脂肪酸が持つ広範囲にわたる医療および予防活性が、それらの膜保護特性および血管平滑筋細胞における環状グアノシン一リン酸の誘導機構の直接的な開始に留まらず、男性における十分なレベルの性機能の確保にも貢献しうることは、明白である。
B群、D群、F群のビタミン、パントテン酸および葉酸
濃縮物の組成を決定するための試料の調製
約0.1gの試料(正確な分析試料)を血清バイアルに入れ、2mlのヘキサン/クロロホルム混合物(1:1)または2mlのクロロホルムに溶解する。こうして得た溶液を、フィトステロールおよびビタミンE群の化合物について分析する。
逆相HPLCによるフィトステロールの決定
「Beckmann」社の高圧クロマトグラフを使用する。これには、UV検出器、Luna C18 4.6×150mmカラム(吸着剤の粒径5μm)、および同じ吸着剤が充填された長さ20mmのプレカラムを装備する。定組成溶離モードを使用する(100パーセントアセトニトリル)。検出波長は206nm、溶離液の流速は1.0ml/分、試料のバッチ量は20μlである。同定には、エルゴステロール、カンペステロールおよび/3-シトステロールの標準試料を、logP=f(tR)という関係に基づいて算出されるオクタノール/水系における被験化合物の分配係数の対数値(logP)を用いることによるステロール類の同定に関する勧告(Zenkevitchら、2003)と共に使用する。定量的アッセイは、外部標準法により、標準試料、すなわちエルゴステロール(>90パーセント、Sigma)および/3-シトステロール(>55パーセント、>40パーセント カンペステロール、Merck)の0.4mg/ml溶液を使って行う。油のフィトステロール含有量に関する数字を表2および表3に示す。
逆相HPLCによるトコフェロール類およびトコトリエニル類の決定
「Beckmann」社の高圧クロマトグラフを使用する。これには、UV検出器、Luna C18 4.6×150mmカラム(吸着剤の粒径5μm)、および同じ吸着剤が充填された長さ20mmのプレカラムを装備する。定組成溶離モードを使用する(イソプロピルアルコール/アセトニトリル15:85)。検出波長は292nm、溶離液の流速は1.0ml/分、試料のバッチ量は20μlである。同定には、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコフェロールの標準試料を、オクタノール/水系における被験化合物の分配係数の対数値(logP)を用いることによるステロール類の同定に関する勧告(Zenkevitchら、2003)と共に使用する。
定量的アッセイは、外部標準法により、標準試料、すなわちγ-トコフェロール(>99パーセント、Supelco)、δ-トコフェロール(>99パーセント、Supelco)、およびα-トコフェロール(>99%、Fluka)の0.4mg/ml溶液を使って行う。
小麦胚芽油エタノール抽出物の分析
ダイオードマトリクス検出器、Varian C18カラム(4.6×150mm、粒径5μm)、およびカラム用サーモスタット(20℃)を装備した「Agilent 1100」社の高圧クロマトグラフを使用する。100パーセントメタノールを使って定組成溶離を行う。試料はオートサンプラーを使って供給され、試料のバッチ量は20μlである。
UV分光測光法によるカロテノイド類の総量の決定
約0.6gの試料(正確な分析試料)を容量25mlのメスフラスコ中で15mlのヘキサンに溶解し、溶液の体積を同じ溶剤で標線まで満たす。
こうして得た溶液の光学密度を、分光光度計により、層厚10mmのキュベット中、波長450nmで測定する。比較溶液としてヘキサンを使用する。
非けん化可能画分の組成に関する数字を添付の表4に示す。
油の脂肪酸組成を添付の表5に示す。
本発明のさらにもう一つの目的は、障害を起こした性機能を回復させるための医療用および予防用組成物である。前記組成物は、男性における精巣の機能を正常化するために使用することができ、精子形成を強化するために使用することができ、インポテンスに対して使用することができ、前立腺肥大の予防にも使用することができる。さらにまた、女性における生殖機能の刺激にも、使用することができる。
生物活性添加物、すなわち小麦胚芽油(Biologically Active Supplements(生物活性サプリメント)の登録品目)は、最も近い先行技術とみなすことができる。
本組成物の特徴的特性は、それが本方法に従って得られる小麦胚芽油濃縮物、微量元素亜鉛、および微量元素セレンを、以下の構成成分量で含むことにある:
小麦胚芽油濃縮物 200〜300mg
亜鉛 2mg〜4mg
セレノピランの形態にあるセレン 15〜20μg(セレン換算量)。
本組成物は、グリセリン、イオノール、ゼラチン、エチルアルコール、および水で作られる標準的なカプセルに入れて提供される。
本組成物の主要構成成分のいくつかの生化学的および薬学的活性
男性生殖器の状態に直接的および間接的な影響を及ぼすさまざまな病理学的過程の予防にとってビタミンEが重要であることを考慮すると共に、小麦胚芽油濃縮物が適度な数および量の天然トコフェロールの同族体ならびに他の生物学的に有用な物質および抗酸化剤を含むことを考慮すると、小麦胚芽油濃縮物は、男性の精力および性交能力を回復し支援するための医療用および予防用組成物にとって、優れた基剤になると考えることができる。治療目的および予防目的でのビタミンEの平均日用量は少なくとも200IU、好ましくは600IUである。
上述のように、小麦胚芽油濃縮物におけるβ-、γ-、およびδ-トコフェロールの存在は、α-トコフェロールと一緒になって、この油の抗酸化活性の効率をかなり増加させる。これは、とりわけ、生殖器の体細胞および精子を含むさまざまな組織の細胞の膜脂質に作用する。
亜鉛は最も重要な微量元素であり、その多岐にわたる作用は、数多くの酵素の組成中にそれが存在することに起因している。今までに、亜鉛は、糖質、脂肪、タンパク質、および核酸の合成および分解を含む極めて多様な交換反応に関与する200を超える金属酵素に検出されている。亜鉛イオンは、広範囲にわたるさまざまな酵素、いわゆる金属酵素の活性中心の構造の一部を形成し、それらの酵素のいくつかは細胞膜を安定化し、さまざまなホルモン、中でも性ホルモンの代謝に参加し、免疫担当細胞の分裂過程および反応過程に参加する。亜鉛は抗ウイルス活性および抗毒素活性を持つので、生体のストレス耐性およびカタル性疾患に対する抵抗性を増加させる(Yu.Yu.Gitchev「Rukovodstvo po biologitcheski aktivnym pishtchevym dobavkam」(「生物活性食品添加物の手引き」)モスクワ、Triada、2001)。
亜鉛が欠乏すると精子形成の過程が抑制され、それが男性では不妊症として顕在化する。動物での研究では、症例の80パーセントにおいて、亜鉛調製物の注射が前立腺がんの発生を防止することが示された。亜鉛は血液系の安定化にとっても重要であり、亜鉛は、組織の成長および皮膚の状態の基礎をなす最も重要な抗酸化剤および増殖因子の一つ、すなわちビタミンA(レチノール)の吸収および代謝に関与する。亜鉛はレチノールの輸送タンパク質として役立つレチノール結合タンパク質(RBP)に含まれるので、肝臓における亜鉛欠乏はRBPの合成を妨害し、結果として、肝臓から組織へのレチノールの輸送を妨害することが知られている。
勃起障害は多くの点で生体の代謝過程に関連し、中でも男性ホルモンのレベル、抗酸化保護および抗過酸化物保護の状態、ならびに最も重要な神経伝達物質、すなわち酸化窒素のレベルに関連するので、上に示した亜鉛の性質の多くは、男性における性機能を増大させるという課題の解決に大きな役割を果たす。
亜鉛欠乏がテストステロンレベルに及ぼす悪影響は、35歳を超えた男性では極めて顕著であり、高齢者では前立腺肥大や、前立腺腺腫さえ引き起こしうる。
これらの過程の分子的基礎は、亜鉛が、テストステロンのジヒドロテストステロンへの還元を制御してこの性ホルモンのレベルを低下させる酵素5a-レダクターゼの効率のよい阻害因子として機能することにある。亜鉛欠乏の結果として起こるジヒドロテストステロンの過剰な形成は、勃起の低下につながり、前立腺の増殖過程および成長を刺激する。さらにまた、亜鉛は、過形成および前立腺がんの発生に大きな役割を果たすもう一つのホルモン、プロラクチンの過形成効果を遮断する。亜鉛は、テストステロンをエストラジオールに変換する脂肪組織の酵素アロマターゼ(シトクロムP-450C19)の作用を阻害し、受容体へのエストロゲンの結合を減速することによって、前立腺に対するそれらの負の作用を減弱する。
テストステロンレベルを低下させる病理学的過程が引き起こす勃起機能不全を予防および治療するための製剤に亜鉛を導入すると、その組成物の作用の効率がかなり増加した。
亜鉛の抗酸化活性は多岐にわたる。生体における亜鉛濃度の増加は、過酸化脂質の濃度、なかんずく低密度アテローム原性リポタンパク質の濃度を低下させる。亜鉛が腎臓に及ぼす保護作用は、その抗酸化効果に起因する。
亜鉛は、生体膜、脂質、タンパク質(酵素)、および核酸を損傷するとりわけ攻撃的な活性型酸素(OH*ラジカル、一重項酸素)の形成を防止する。
亜鉛依存性スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)は、血管内皮細胞によって産生される極めて重要な血管拡張剤である内因性酸化窒素NOのレベルの調節に、極めて重要な役割を果たす。知られているとおり、大量に形成されたフリーラジカルはNOを不活化し、破壊することができる。後者は生殖器系および心血管系の最適な機能にとって不可欠である。
最後に、亜鉛は、極めて高い抗酸化活性を有する特殊な含硫タンパク質、すなわちメタロチオネイン類のクラス全体の生合成の誘導因子である。その抗酸化特性は、皮膚の状態、視覚、および組織成長に対する正の効果に関して、そしてまた、その抗炎症、抗潰瘍ならびに創傷および潰瘍治癒効果においても、間違いなく重要な因子である。したがって亜鉛は修復効果を持つ抗酸化剤に属する。
インスリンの生合成、その輸送、その生体内変換および効果の過程は、十分なレベルの亜鉛の存在とは不可分である。これは、肝臓に対するインスリンの調節効果にとって、したがって代謝全体にとって、糖尿病(これは勃起機能不全につながりうる深刻なリスク因子である)の予防および治療にとって、亜鉛が並外れて重要であることの理由である。
生体における亜鉛貯蔵量は大きくなく、全部で1.5〜2gに過ぎない。亜鉛は全ての器官および組織に検出されているが、筋、肝臓、腎臓、前立腺、および皮膚に最も多量に見出される。亜鉛の毒性は高くなく、たとえ過剰に投与されたとしても、蓄積されずに生体から排出される。亜鉛の平均日用量は15mgである。
本組成物では、相乗効果ゆえに、その用量を減らすことができる。
微量元素セレン
ヒト栄養の必須因子としてのセレンの重要性は、およそ半世紀前に確立された。世界中で、この問題は、その理論面および実用面においてかなり以前に解決され、医師のレパートリーには非常に多くの含セレン生物活性食品添加物および薬物が出現した。我が国におけるセレンの実践的臨床使用は比較的最近である。
セレンは生殖領域の機能にとっても重要な微量元素である(H.Guvencら, Pediatrics, 1995, v.95(6), p.879-882)。男性ならびに女性の生殖能力も、小児の健康も、セレンの最適な消費に依存している。
最近、男性では、前立腺腺腫および前立腺がんの予防および治療におけるセレンの有効性が証明されている(A.M.Kamat, J. Urol., 1999, v.161, p.1748-1760)。
最も重要な生化学的機能の一つは、生体の抗酸化系の形成および機能におけるその能動的関与である。セレンは、主要な抗酸化酵素、すなわちセレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼI、II、IIIおよびリン脂質超酸化物グルタチオンペルオキシダーゼPL-GPOの構造に含まれる。
セレンの抗酸化効果はビタミンEと組み合わせるとかなり増加するが、これはそれらの活性の相互強化によるものである。Se依存性グルタチンペルオキシダーゼの活性はビタミンEの影響に依存する。セレンの1日所要量は成人で1日あたり50〜200μg、平均すると約100μgである。ビタミンEの存在は、十二指腸におけるセレンの吸収性を増加させ、十二指腸ほどではないが、空腸および盲腸におけるセレンの吸収性も増加させるので、投与量の低減が可能になり、したがって生体に対する薬物ストレスが減少する。
セレンは、血中の脂質レベルおよびグルコースレベルならびに肝臓中の中性脂肪レベルを低下させるのに役立ち、それと同時にメチオニンを動員する。これが、その抗酸化効果と合わさって、その抗アテローム硬化効果を生じる。セレンが肝臓の状態に及ぼす有利な影響(肝臓症および肝炎の予防)をもたらすのは、セレンの抗酸化および膜安定化効果であると思われる。
セレンは、プロスタサイクリン/トロボキサン比を変化させることによって、前立腺の代謝にも影響を及ぼす。
このようにセレンは、代謝に対する多様な効果、およびさまざまな有害因子の影響からの生物の保護を示し、好ましくない影響に対するその抵抗性を強化する、必須微量元素の一つである。
本組成物は、勃起の生化学的機構のいくつかに作用するその構成成分のおかげで、男性精力を増加させ、さまざまな病因による勃起機能不全を克服するように、生体に効率よく、しかも穏やかに作用する。組成物の基礎として、小麦胚芽油濃縮物を選択した。これは、多面的な生物学的効果、とりわけ抗酸化効果を有する、天然の物質複合体である。この濃縮物は、さまざまなトコフェロール同族体、いくつかのカロテノイド類および必須ポリ不飽和脂肪酸を、他の構成成分に加えて多量に含む。一重項酸素および膜脂質の過酸化物ラジカルに対して個別に作用する能力を持つ、本油に含まれる低分子量抗酸化剤の複合体は、抗酸化保護の酵素要素も効率よくトリガーする。抗酸化保護の両要素は、生殖細胞および生殖器の体細胞の膜脂質の酸化を効率よく防止する。そのうえ、酵素要素、とりわけ(Zn)-スーパーオキシドジスムターゼ、(Se)-グルタチオンペルオキシダーゼは、内因性酸化窒素NOを毒性産物への変換から保護し、そのようにして、勃起の基本的リリース機構の調節に、グアニル酸シクラーゼの活性化および環状グアノシン一リン酸(cGMP)の蓄積を用いて参加し、海綿組織の平滑筋細胞に神経伝達物質を拡散させる。酸化窒素に関する前記酵素の保護活性は亜鉛およびセレンの導入によって大いに補強することができ、この亜鉛およびセレンは、とりわけ攻撃的な活性型酸素、すなわちOH*ラジカル、一重項酸素、および過酸化水素を不活化する能力を持つ(Zn)-スーパーオキシドジスムターゼおよび(Se)-グルタチオンペルオキシダーゼの補因子である。セレン自体の抗酸化効果は、それを本油のトコフェロール類と組み合わせることによって相乗的に増加し、トコフェロール類はセレン依存性グルタチオンペルオキシダーゼの活性に有利な影響を持つ。
副交感神経系における最も重要な神経伝達物質であり、陰茎海綿体の平滑筋層の内皮弛緩因子であり、同時に重要な血管拡張因子でもある内因性酸化窒素NOのレベルを維持することにより、本油の構成成分は、亜鉛およびセレンの存在下で、血管中の血液循環ならびに勃起および男性精力のレベルを、かなり増進する。
製剤に亜鉛を追加して組み入れるのは、それが必須抗酸化酵素の補因子であるからという理由だけでなく、この微量元素が生体の生命維持系、すなわち心血管系およびホルモン系(これらはどちらも勃起の生理学的機構を調節する)にさまざまな正の効果を及ぼすからでもある。特に、テストステロン産生レベルに対する亜鉛の正の効果の分子的基礎は、いくつかの酵素(とりわけ5a-レダクターゼ)の効率のよい阻害因子としてのその役割にある。5a-レダクターゼはテストステロンのジヒドロテストステロンへの還元を制御し、そうすることで、この男性ホルモンのレベルを低下させる。亜鉛欠乏の結果として起こるジヒドロテストステロンの過剰な産生は勃起の減少を刺激し、前立腺の増殖過程および拡大を刺激する。さらに亜鉛は、前立腺肥大および前立腺がんの発生に重要な役割を果たすもう一つのホルモン、プロラクチンの過形成効果を遮断する。亜鉛は、テストステロンをエストラジオールに変換する脂肪組織の特異的酵素である酵素アロマターゼ(シトクロムP-450C19)の作用を阻害して、受容体へのエストロゲンの結合を阻害し、よってそれらが前立腺に及ぼす好ましくない効果を軽減する。
勃起機能に対する穏やかな支援作用には、血管の平滑筋細胞におけるcGMP誘導の機構をトリガーする酸化窒素と共に、内皮細胞による既知のエイコサノイドの一つ、すなわちプロスタグランジンPGEの十分な産生も要求される。プロスタグランジンの直接的な前駆体は、小麦胚芽油に十分な量で存在するリノール酸、γ-リノレン酸およびアラキドン酸である。
IIEFスコアの変動の、その初期値に対する依存性を表す図である。 小麦胚芽油濃縮物の製造プロセスを図解した図である。
<実施例1>
製粉工場で製造された小麦胚芽に、胚芽の洗浄と、胚芽の残留水分が5〜9体積パーセント、好ましくは8体積パーセントになるように、擬似層を持つ乾燥器中、70℃の温度で4〜10分間、好ましくは6分間の乾燥とを含む予備処理を行う。こうして調製した胚芽を受け箱に供給し、そこからコンベアーで搬送して、圧搾チャンバーに投入し、そこで、温度が最高70℃、好ましくは60℃、圧力が第1圧搾ステップでは120気圧、第2圧搾ステップでは190気圧の2段階冷間圧搾に付す。この圧搾手順の結果として、少なくとも18体積パーセントのトコフェロール類を含有し、障害を起こした性機能を回復させるための医療用および予防用組成物の製造に適した、小麦胚芽油が得られる。
<実施例2>
臨床研究は、モスクワ州立医科歯科大学泌尿器科によって第50病院で行われ、また内分泌科学センターの男性病学および泌尿器科学部門によっても行われた。
男性の加齢過程は、広範囲にわたる疾患、特に心血管疾患につながる適応性の全般的低下をもたらすだけでなく、最近はよく「男性更年期」と呼ばれている生殖領域における一組の特異的過程によっても特徴づけられる。一般に更年期は、男性の人生における中年と老年の間の移行期間であり、この期間には生体の構造的および機能的変化が付随して起こる。これは、加齢という生物学的過程の自然の段階であるが、その進行は個人差が極めて大きい。狭い意味では、男性更年期は、ISSAMの定義によれば、「熟年に起こる生化学的症候群であって、血清におけるアンドロゲンの欠乏(アンドロゲンに対するその生体の感受性の低下を伴うことも伴わないこともある)を特徴とし、それが生活の質の著しい低下につながる可能性、およびその生体の多くの系の機能に対して好ましくない影響を持つ可能性があるもの」である。アンドロゲン欠乏の検査室症状は60歳を超えた男性の20パーセントに起こることが、経験上わかっている。しかし、慢性ストレスにつながる、そして(いくつかの生化学的障害のせいで)アンドロゲン欠乏につながる、さまざまな因子の結果として、遅発型性腺機能低下症の典型的症状は、若い男性でも発症しうる。現代においては、慢性疲労症候群または「管理職症候群」が、ますます一般的になっている。
男性のアンドロゲン飽和レベルの評価は複雑な作業であることに留意しなければならない。その理由は、一つには、血漿中の真のテストステロン含有量の決定を困難にする男性におけるアンドロゲンレベルの著しい日内変動(最大30パーセント)であり、もう一つには、血漿中のテストステロンレベルと臨床症状との間の直接的な関係の欠如である。後者の説明となるのは、高齢男性におけるテストステロンに対する標的器官の受容体の感受性の変化である。アンドロゲン欠乏の臨床症状発現は、テストステロンレベルが正常な場合でさえ観察できることが、しばしばある。性腺刺激ホルモンは正常値である血漿中のテストステロンレベルの中等度の低下も、典型的である。最近の科学的研究の結果から、海綿組織のコラーゲン線維の正常な弾性の維持、およびNOの合成(NOは「勃起」の中心的媒介物質である)には、テストステロンが重要な役割を果たすことを示す証拠が得られる。閾レベルを下回るテストステロンの低下(血漿T:10-13nmol/l、遊離T:200-250pmol/l)は、たとえ比較的短期間でも、海綿組織の状態に不可逆的な影響を及ぼし、その硬化を引き起こしうることが、証明されている。
前記の障害を矯正する分野において、現代医学の努力は、今のところ、アンドロゲン補充療法(AST)および新しいテストステロン調製物の開発に焦点が合わされている。現在、広く利用可能なAST用の薬物製剤は、バッカル調製物または経口調製物、筋肉内適用用の調製物(持続作用型および短時間作用型)、長期効果を持つ埋込み可能な徐放性丸剤、皮膚用の硬膏剤およびゲル剤の形態をとっている。
しかし、さまざまな薬物製剤にもかかわらず、依然として未解決な課題がいくつか存在する。第1に、利用可能な調製物はいずれも、血漿中のテストステロンレベルの概日リズムを正確に再現することができない。第2に、大半の医療用調製物と同様に、アンドロゲンは望ましくない副作用を発生させうる。これは特に、肝臓、前立腺、脂質プロファイル、心血管系、血液状態、睡眠系、社会的行動、および情動状態に対するそれらの効果に関係する。ASTでは前立腺がんの早期診断に特別な注意を払わなければならない。
上述の課題ゆえに、正常レベルでの内因性テストステロンの持続的合成に貢献し、その生物学的効果を支援することによって続発性性腺機能低下を防止する一助となるような薬物調製物の研究に、注意が向けられることになった。なかでも抗酸化調製物、特にビタミンAおよびE、ならびにいくつかの微量元素(セレン)には、特別な注意が向けられた。これらの物質の有利な特徴は、それらが多くの食品に含まれ、それゆえに、化学的に合成された調製物の投与を必要とせずにその摂取量を食餌面で管理することが可能な点にある。上述した性質のおかげで、代謝障害の長期的予防が可能である。
試験の目的:
1.本組成物が男性の性交機能(勃起機能および精子形成)に及ぼす効果を評価すること。
2.男性のアンドロゲン状態に対するその効果も評価し、その変化を引き起こすと考えうる機構を決定すること。
試験への参加基準:
1.30歳から65歳までの男性であること。
2.総テストステロンレベルが12nmol/l未満であること
3.アンドロゲン欠乏、ASM(男性のアンドロゲン状態)の臨床症状が問診者によって確認されること。
4.異性愛者であること。
5.永続的な性交相手が存在すること。
6.試験のプロトコールを遂行できること。
試験からの除外基準:
1.テストステロン分泌量の低下につながる内分泌障害、すなわち甲状腺機能低下、甲状腺中毒症、高プロラクチン血症(TTH、遊離T4、遊離T3、プロラクチンのレベルの決定に基づいて行われる)、真性糖尿病。
2.アンドロゲン状態に影響を及ぼす調製物、すなわちアンドロゲン、絨毛性ゴナドトロピン;5α-レダクターゼ阻害剤、ジヒドロエピアンドロステロンの摂取。
3.選抜時点および/または想定される試験期間における、勃起機能を刺激する他の調製物(例えばPDE-5阻害剤、海綿体内調製物、植物調製物など)の使用、またはセラピー(反射療法、精神療法など)への参加。
4.勃起機能に対するその阻害効果で知られている調製物(向精神薬、β-アドレナリン遮断薬、抗アンドロゲン、NSAID、第二世代ヒスタミンH-1受容体遮断薬など)の摂取。
5.勃起を低下させる器質的疾患(ペイロニー病、冠状動脈疾患、慢性アルコール中毒など)。
6.精子形成を阻害する器質的疾患(精索静脈瘤、停留精巣、精管閉塞など)。
7.本調製物の構成成分のいずれかに対する既知のアレルギー。
8.選抜時点での急性疾患。
9.医師の見解によれば試験の結果に影響を及ぼすかもしれない他の慢性疾患(感染性疾患、臓器不全、最近の急性脳血管発作または頭蓋脳外傷、代償不全の状態を伴う神経学的疾患を含む)。
10.HIV、B型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスへの感染。
11.性感染症。
12.正常な性機能を妨げる生殖器系の先天的または後天的な解剖学的欠損。
試験計画
後発型(加齢性)性腺機能低下症に悩む男性30人での、プラセボの使用による対照を設定しない一般試験。
2週間にわたる予備検査(参加基準または除外基準のチェック、試験への参加に対する同意の宣言、病歴問診、臓器および器官系の全般的状態の診断、全般的な臨床および検査室検査)。
4週間にわたる治療相で、IIEF-5(EF)値およびDAN-PSS-Sex値の評価、ホルモン検査、組成物に対する忍容性のチェック、副作用および患者の全身状態の変化の同定を行うために、2週間(±2日)ごとに来診。ホルモン状態の最終評価は30±3日後に行い、最終来診は80〜90日後で、この時に精子形成の値を決定する。
使用する手段:
1.国際勃起機能スコア(International Index of Erectile Function)(EF版)IIEF-5。
2.男性における加齢の症状に関するAMS質問票。
3.DAN-PSS-Sex尺度
結果の評価
解析した変数:
1.AMS尺度の値の変化
2.IIEF(EF)値の変化
3.スペルモグラム(spermogram)値の変化
4.ホルモン検査の結果の進展。
得られたデータの統計解析は、ソフトウェアパッケージStatgraphic 5.0 Plusを使って、さまざまな方法で行った。
試験結果
この試験の参加基準に従って、アンドロゲン欠乏の症状を示す男性30人を選抜した。患者の平均年齢は37.5歳だった(図4)。
これらの患者を外来患者として病院で観察した。泌尿器科医の診察を受けた主な理由は必ずしも性的障害ではなかった。いくつかの例では、他の障害に関連する検査中に、勃起機能障害が認められた。
試験計画に従って、全ての患者から、試験への参加に対する同意を取得し、病歴を聴取し、臓器および器官系の全般的状態をチェックし、全般的な臨床および検査室検査を行った。さらにまた、国際勃起機能スコアおよびDAN-PSS-Sex尺度を使って性交機能の基礎状態を評価し、ホルモン検査を行い、射出精液を調べた。中間来診時に得られたこれらの特徴の値を初期値と比較した。試験のプロトコールに従って、午前中の測定で12ng/ml未満という低い総テストステロンレベルを示した男性を、試験のために選抜した。AMS尺度を使って得られたデータを解析した結果、12人が、弱く発現したアンドロゲン欠乏症状を持ち、他の18人では症状が中等度であることがわかった。随伴する器質的疾患は試験からの除外基準だったので、どの患者におけるアンドロゲン欠乏も(患者の年齢がかなり若いことを考えると)、ストレス性(慢性疲労症候群、管理職症候群など)を帯びていたというのが、本発明者らの見解である。全ての患者の既往歴に、かなりの肉体的および精神的ストレスが観察された。
患者が訴えた主症状は、健康および全身状態の悪化、発汗の増加、不眠、いらいら、筋力低下だった。一部の患者は、性活動および勃起の質の低下、性交の持続時間の短縮、性的絶頂感の減退に言及した。
IIEF質問票への患者の回答を解析することにより、1人(33.3パーセント)が発現した勃起機能障害に悩まされ、4人(13.3パーセント)が中等度に発現した勃起機能障害、8人(26.6パーセント)が軽度〜中等度の障害、7人(23.3パーセント)が軽度の障害に言及し、そして10人(33.3パーセント)が正常範囲内の値を示した(図5)。
試験への参加基準に従って、勃起機能不全に関して明白な器質的理由を持っていた患者は含まれなかった。しかし、他の考えうる因子を完全に除外するために、アンドロゲン欠乏とは別に、特別な検査方法、特に、薬理学的検査を伴う陰茎血管の三重ドップラー超音波検査、夜間陰茎勃起の評価(Rigiscan)、および海綿体造影を適用した。得られた値に基づいて、患者の全般的な神経学的状態を調べた。
これらの検査中に、どの症例からも、臨床的に有意な器質的変化は、陰茎に関して見出されなかった。これは、勃起機能不全(仮に起こったとして)も、アンドロゲン欠乏も、慢性ストレスによって引き起こされるという仮定に合致する。
本発明者らは、患者の検査および処置中に考慮に入れなければならない併発疾患にも注意を払った。その結果を表に示す(表6)。
Figure 2010502776
調製物の摂取を開始する前に、全ての患者の射出精液を分析した。その結果、15例(パーセント)に、低下した精子運動性の低下、射出精液量の低下ならびに粘度の上昇および液化時間の延長(本発明者らはこれを「粘稠精子症候群」と呼ぶ)を特徴とするさまざまな程度の精子形成障害が示され、10人の患者は特発性不妊症のために観察され、処置を受けた。
試験への参加基準との適合に関する患者の初回検査および健康診断後に、患者に試験組成物(小麦胚芽油250mg、セレノピラン15μg(セレン換算量)、亜鉛5mg)を与えて、処置を開始した。本発明者らは、併発疾患の処置に必要であれば患者が他の調製物(試験からの除外基準のリストに含まれる薬物を除く)を使用することを妨げなかった。
プロトコールに従って、各患者は2カプセルを1日3回、4週間にわたって経口服用した。患者の各来診中に、勃起機能および全身健康状態の中間評価を上述の手段を使って実行し、考えうる薬物の副作用を同定した。3ヶ月後に射出精液を再び分析した。
薬物による処置期間の終了後(すなわち4週間後)のAMS尺度の結果を解析することにより、アンドロゲン欠乏の症状の確かな減少が示された(p=0.0004)(図6)。
データからわかるようにAMS尺度による総評点の平均低下は5.9(15.6パーセント)だった。
以下に、試験前と薬物摂取期間の終了直後に行ったホルモン検査の結果を示す(表7)。
Figure 2010502776
この試験の結果は、本組成物の摂取に関連して、全ての男性において、低下したプロラクチンおよびレプチンレベルを背景とする、テストステロン濃度の有意な増加が認められたことを示している。
以下のデータは、本組成物の摂取中および処置期間の終了時におけるIIEF尺度のパラメータの変化を示している(図7)。以下に示す図表からわかるように、本発明者らは、総平均評点に、有意な変化を認めなかった。
しかし、多項式回帰法を使用することにより、本発明者らは、平均IIEF評点の変化に共通するパターンを見出すことに成功した。それを以下に示す(図8)。
これらの図表は、男性の勃起機能に対する処置の影響がその初期状態に依存したことを明らかにしている。すなわち、処置前に患者が勃起機能の障害を多く発現させているほど、正の結果が観察されることが多かった。例えば、中等度の勃起障害を持つ患者群では、IIEFスコアのパラメータの改善(平均で19.3パーセント)が、4人の患者の全て(100パーセント)で認められた。勃起機能不全が弱い症状と中等度の症状の閾にある男性群では、IIEF尺度による平均評点の増加(平均で13.3%)が4人の患者(50%)でのみ観察された。弱い勃起障害を持つ患者では、パラメータの4.3%の改善が2人(28.6パーセント)に認められた。また最後に、勃起障害を患っていない男性でも、2人の患者(20パーセント)が平均IIEF評点の増加を示し、中央増加率は5.6パーセントだった。
上述したホルモン状態の変化も、質問票によって得られた結果も、
・脱力の消失または著しい減少、
・性欲の正常化、
・勃起の改善、
・作業能力および身体活動の増加
・全身健康状態の改善
・気分の改善
・1ヶ月で平均6.1cmという胴囲の減少によって明示される脂肪組織量の減少、
を報告した患者の主観的印象と一致した。
以下のデータは射出精液の分析によって見出された変化を表している(表8)。
Figure 2010502776
試験データは、射出精液中の白血球のパラメータに影響を及ぼさない精子運動性の有意な増加を示している。さらにまた射出精液量の増加および液化時間の短縮も認められた。指定したパラメータは全てアンドロゲンに依存することから、アンドロゲンが媒介する精子形成への影響が示唆される。
摂取中に、調製物の副作用は、一例も観察されなかった。
1.本調製物は、後天的ストレス誘発性アンドロゲン欠乏に悩む男性の効率的な処置に適している。
2.プロラクチンレベルおよびレプチンレベルの低下を伴うテストステロン濃度の増加は、本組成物の作用の中枢性(視床下部-下垂体性)を含意するだけでなく、末梢作用、脂肪組織の減少も含意する。後者は、テストステロンのアンドロゲンへの芳香族化の低下につながる。性ステロイドを結合するグロブリンのレベルの低下は、付加的な正の効果を持ち、遊離テストステロンのレベルを増加させる。
3.後天的ストレス誘発性アンドロゲン欠乏症に悩む男性において、性欲が回復し、性機能が有意に改善される。
4.特発性不妊症に悩む男性における精子形成パラメータが改善され(不妊症の症例のうち、50パーセントを超える症例が、特発性不妊症である)、精子運動性の向上および射出精液液化時間の短縮につながる。精子形成パラメータに対する正の効果は、精子成熟および射出精液の液化に影響を及ぼす主要ホルモンであるテストステロン濃度の増加によるものと思われる。
5.本組成物は、特発性不妊症および心因性性機能障害の処置に、単剤療法用の薬物としても、併用療法用の薬物としても推奨することができる。
臨床試験で得られたデータから、本調製物は、性交機能の障害を含むストレス誘発性アンドロゲン欠乏の症状を緩和する能力を持つ、効率がよく安全な薬物であるとみなすことができる。したがって、前記患者カテゴリーにおける使用に、本組成物を推奨することができる。
Figure 2010502776
Figure 2010502776
Figure 2010502776
Figure 2010502776

Claims (5)

  1. トコフェロール類の含有量が少なくとも18体積パーセントである小麦胚芽油の製造方法であって、胚芽の洗浄、乾燥、圧搾および濾過を含み、洗浄および乾燥が流動層を持つ乾燥器で4〜10分間行われた後、70℃以下の温度ならびに第1および第2ステップにおいてそれぞれ120気圧以上および200気圧以下の圧力で胚芽の2段階冷間圧搾が行われる方法。
  2. 小麦胚芽油濃縮物の製造方法であって、水分含有量が5〜9パーセントになるように前乾燥された小麦胚芽から冷間圧搾を使って油が製造され、その油が、92〜93体積パーセントのエチルアルコールを使って、それぞれ1:3および1:2の比率で2回抽出され、そのアルコール抽出物が合わされ、維持され、相の分離後に、アルコールが除去されるまで、減圧下、50〜60℃の温度で蒸発されることを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法によって製造され、以下の特徴を持つことを特徴とする、小麦胚芽油濃縮物:
    過酸化物価 1.2〜1.3 mmol/kg
    酸価 4.6〜4.7mg
    けん化価(KOH) 190〜195mg
    ヨウ素価 110〜112g/100g
    非けん化物の含有量 4.8〜4.9質量パーセント
    カロテノイド類の含有量 9.45〜10mgパーセント。
  4. 性機能障害を回復させるための小麦胚芽油に基づく医療用および予防用組成物であって、請求項1および請求項3に記載の小麦胚芽油または小麦胚芽油濃縮物と、さらに亜鉛およびセレノピランの形態にあるセレンを含む微量元素の複合体とを、以下の構成成分量(mg)で含むことを特徴とする組成物:
    小麦胚芽油濃縮物 200〜300mg
    亜鉛 2mg〜4mg
    セレノピランの形態にあるセレン 0.015〜0.020mg(セレン換算量)。
  5. カプセル剤の形態であることを特徴とする、請求項4に記載の組成物。
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