JP2010501722A - 鉄含有量が低い金属ニッケルの製造 - Google Patents

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Abstract

鉄含有量が低い金属ニッケル製品の製造方法であって、(i)少なくとも鉄及びニッケルを含有した酸性生成物リカーを提供する工程と、(ii)前記酸性生成物リカーを、イオン交換樹脂が前記ニッケルと鉄の一部とを前記生成物リカーから選択的に吸収するイオン交換プロセスに供する工程と、(iii)酸性溶液を用いて、ニッケル及び鉄を前記樹脂から溶離させ、前記ニッケル及び鉄を含有した溶離液を製造する工程と、(iv)前記溶離液を2.5乃至3.5の範囲にあるpH値へと中和して、相当量の前記鉄の沈殿を起こし、鉄が激減した溶離液を残す工程と、(v)鉄が激減した溶離液を7乃至8の範囲内にあるpH値へと中和して、低い含有量で鉄を含有した水酸化ニッケルの沈殿を起こす工程と、(vi)前記水酸化ニッケルをか焼して、それを酸化ニッケルへと転化させる工程と、(vii)前記酸化ニッケルを還元剤の存在下で直接製錬に供して、溶融ニッケル相を製造する工程と、(viii)前記溶融ニッケル相を酸化によって精製して、鉄含有量が低い金属ニッケル製品を製造する工程とを含んだ方法。
【選択図】 図1

Description

発明の分野
概して、本発明は、鉄含有量が低い金属ニッケルを、ニッケル鉱石又は精鉱を浸出することによって製造される酸性ニッケル含有リカー(liquor)から製造する新規な方法に関する。この方法は、特には、ニッケル含有鉱体又は精鉱から、ラテライト鉱石の加圧酸浸出、大気圧酸浸出及び/又はヒープリーチング、又は硫化ニッケル鉱石若しくは精鉱の酸化浸出若しくはバイオリーチングなどのプロセスと、その後のニッケルを回収するためのイオン交換とによって得られる、ニッケル含有酸性生成物リカー(product liquor)に適している。ニッケル含有イオン交換溶離液を処理して鉄を除去し、その後、ニッケルを水酸化ニッケルとして沈殿させ、これを、か焼(calcine)、製錬(smelt)及び精製(refine)して、鉄含有量が低い新規な金属ニッケル製品を製造する。
発明の背景
ラテライトニッケル及びコバルト鉱石の鉱床、即ち含ニッケル酸化物鉱石の鉱床は、一般には、移行帯(transition zone)によって隔てられた同一鉱床内における2つの層として、酸化物タイプの鉱石である褐鉄鉱と、珪酸塩タイプの鉱石であるサプロライトとを含有している。褐鉄鉱帯は、針鉄鉱(FeOOH)を含んでおり、マグネシウム及びニッケルの含有量が比較的低い。サプロライト帯の領域は、様々なマグネシウム珪酸塩を含んでおり、マグネシウム及びニッケルを比較的多く含有している。サプロライト又は褐鉄鉱の何れかを商業プロセスによって処理するための装置の大きさを最小にするためには、高品位の褐鉄鉱及びサプロライトが好ましい。これは、幾つかの鉱床におけるより低い品位の鉱石及び移行帯鉱石(transition ore)が、廃棄物として不合格にされることをもたらす。
ニッケル及びコバルトの含有量が高い褐鉄鉱は、通常、高圧酸浸出プロセスによる湿式製錬によってか、又は、Caron還元焙焼−炭酸アンモニウム浸出プロセスなどの乾式製錬及び湿式製錬のプロセスの組み合わせによって、商業的に処理される。
ニッケル含有量がより高いサプロライトは、焙焼及び電気製錬技術を含んだ乾式製錬プロセスによって処理され、概して50%を超える鉄及び不合格のスラグ相を含有したフェロニッケルを製造する傾向にある。大部分の鉄がスラグ中へと移動することに関する問題点と、スラグの量の増加に伴う更なるニッケル損失とのせいで、この方法では、鉄含有量がより低い金属ニッケルを製造することができない。
鉱石全体対ニッケルの比は典型的には40対1であるので、フェロニッケルプロセスは、エネルギーを著しく大量に消費するプロセスであり、その電力の大部分が、スラグを溶融させるのに消費される。それは、それを経済的にするのに、高品位のサプロライト供給源を必要とする。変わり目の領域におけるニッケル含有量がより低い褐鉄鉱、サプロライト及び褐鉄鉱/サプロライトブレンドについての、必要電力及び高い鉄対ニッケル鉱石比は、このプロセス手順を、これら鉱石タイプにとって過度に高価にする。
従って、フェロニッケルプロセスでは、高品位ニッケル鉱石を含んだ相当量のニッケル鉱石資源が、それらの比較的低い品位又はスラグ製造にとって不適切なSi/Mg/Fe比を理由として、不合格にされて廃棄される。また、フェロニッケルプロセス、即ちRKEFプロセス(ロータリーキルン及び電気炉)は、フェロニッケルに対して報告しているコバルトの金融資産価値が認められないという不都合を有している。更には、フェロニッケルにおける鉄の高い含有量は、その最終用途を、ステンレス鋼の製造のみに制限する。
鉱石を選鉱する有効な方法がないので、上述のプロセスは、一般には、「鉱石の全て」の処理を必要とする。これは、より低い金属分を有し得る鉱石についての鉱物学的割合(mineralogical fraction)が、事実上、処理される全ての鉱石の品質を落とし、回収費用を増加させるという不都合を有している。
(ここで定義されるように)鉄含有量が低い金属ニッケルを製造するプロセスであって、従来技術に関連した1つ以上の問題点を解消又は少なくとも軽減する、より単純で、エネルギー消費量がより低く、設備投資がより低いプロセスを提供することが望ましいであろう。
また、広範なニッケル含有鉱石、特には、従来のプロセスによっては利用不可能と考えられているラテライト鉱石を使用して、低鉄含有ニッケルを製造するプロセスを提供することも望ましいであろう。ニッケル市場への一般販売に十分な純度を有したニッケルを製造するプロセスを提供することは更に望ましいであろう。
鉄含有量が低い又は鉄を含有しない水酸化ニッケル中間体は、ニッケル化合物中間体として、オーストラリアのCawse Plantにおいて商業的に製造されている。Cawseプロセスでは、ラテライトニッケル鉱石が、ニッケル及びコバルトを他の不純物と共に抽出すべく、高圧硫酸浸出に供される。廃棄鉱石及び幾らかの不純物が、複数段階の中和及び固/液分離後に浸出液から分離され、ニッケルコバルト混合水酸化物が、酸化マグネシウムを用いた更なる中和によって沈殿する。
類似のプロセスによる水酸化ニッケル中間体の製造も、この従来技術において説明されている。例えば、それは、高圧若しくは大気圧での酸によるラテライトの浸出又はこれら双方の組み合わせ、ラテライト若しくは硫化ニッケルの鉱石若しくは精鉱のヒープリーチング、又は硫化物の鉱石若しくは精鉱の高圧若しくは大気圧浸出からの浸出液から、中間体として製造され得る。また、この文献は、水酸化ニッケルが、先に述べたプロセスの浸出液又は浸出スラリーの溶媒抽出又はイオン交換処理からの、溶離液、逆抽出液(strip solution)又はラフィネート(raffinates)として製造される酸性の硫酸ニッケル溶液から製造され得ることを教示している。
BHP Billiton SSM Technology Pty Ltdの名における国際出願PCT/AU2005/001360号は、湿式製錬及び乾式製錬を組み合わせたプロセスによって、フェロニッケル又はニッケルマットを製造するプロセスを開示している。この明細書に開示されたプロセスでは、ニッケル及び鉄は、イオン交換プロセスにおいて、樹脂に選択的に吸収され、それゆえ他の不純物から分離され、硫酸を用いて樹脂から溶離され、溶離液は、ニッケル鉄混合水酸化物生成物を沈殿させるべく中和される。次に、ニッケル鉄混合水酸化物生成物は、フェロニッケル又はニッケルマット製品を製造すべく、直接還元される。
このプロセスの更なる改良において、BHP Billiton SSM Technology Pty Ltdの名での国際出願PCT/AU2006/000225号は、ニッケル鉄混合水酸化物生成物のペレット化と、ニッケル鉄酸化物のペレットを製造するためのか焼と、この酸化物のフェロニッケルへの還元とを含んだ方法によって、高品質のフェロニッケル製品を製造するプロセスを開示している。ニッケル鉄酸化物のか焼ペレット中の鉄含有量が比較的高ければ、これらペレットは、ガス状の還元剤との反応によって還元されるのに十分な反応性を有する。
上述のプロセスへの改良は、鉄含有量が低い金属ニッケルを、ニッケル中間体から直接製造して、それにより、より高純度のニッケル製品を提供することにあるであろう。
文献及び論文などに関する上の議論は、本発明にコンテクストを提供する目的のためだけに、本明細書に含まれている。これら事項のいくつかまたは全てが、従来技術の基礎の一部を形成していたこと、又は、優先日前の本発明に関連する分野における一般常識であったことは、示唆されてもいないし、示されてもいない。
発明の概要
本発明に従うと、鉄含有量が低い金属ニッケル製品の製造方法であって、
(i)少なくとも鉄及びニッケルを含有した酸性生成物リカーを提供する工程と、
(ii)前記酸性生成物リカーを、イオン交換樹脂が前記ニッケルと鉄の一部とを前記生成物リカーから選択的に吸収するイオン交換プロセスに供する工程と、
(iii)酸性溶液を用いて、ニッケル及び鉄を前記樹脂から溶離させ、前記ニッケル及び鉄を含有した溶離液を製造する工程と、
(iv)前記溶離液を2.5乃至3.5の範囲にあるpH値へと中和して、相当量の前記鉄の沈殿を起こし、鉄が激減した(iron depleted)溶離液を残す工程と、
(v)鉄が激減した溶離液を7乃至8の範囲内にあるpH値へと中和して、低い含有量で鉄を含有した水酸化ニッケルの沈殿を起こす工程と、
(vi)前記水酸化ニッケルをか焼して、それを酸化ニッケルへと転化させる工程と、
(vii)前記酸化ニッケルを還元剤の存在下で直接製錬に供して、溶融ニッケル相を製造する工程と、
(viii)前記溶融ニッケル相を酸化によって精製して、鉄含有量が低い金属ニッケル製品を製造する工程と
を含んだ方法が提供される。
典型的には、「少量の鉄」は、1%までの鉄を意味し、ゼロ鉄含有量を含んでいる。
従って、低鉄含有ニッケルを、酸性のニッケル含有リカーから製造する方法が提供される。典型的には、このリカーは、ニッケル鉱石又は精鉱を浸出することによって製造される。このプロセスは、特には、ラテライト鉱石の高圧若しくは加圧酸浸出、大気圧酸浸出、大気圧酸攪拌浸出又はヒープリーチングなどのプロセスによってか、又は硫化ニッケル鉱石の酸化浸出又はバイオリーチングによってか、又は上述の何れかの組み合わせによって、ニッケル含有鉱体又は精鉱から得られる、ニッケル含有酸性生成物リカーに適している。鉱石残留物からの酸性のニッケル含有浸出リカーの分離及びそこからの銅の除去の後、このリカーは、ニッケル及び鉄を他の不純物から分離するために、イオン交換(IX)によって処理される。鉄を除去するためのニッケル含有イオン交換溶離液の処理の後、ニッケルを水酸化ニッケルとして沈殿させ、その後、これを、か焼、製錬及び精製して、新規な低鉄含有金属ニッケル製品を製造する。
このプロセスは、広範なニッケル含有鉱石の処理に適用可能であり、特には、従来のプロセスによっては利用不可能と考えられているラテライト鉱石の処理に適用可能である。或る実施形態では、本発明は、ラテライト鉱石が、ヒープリーチングと、続いてイオン交換プロセスに供されるプロセスであって、ニッケルが、まず、硫酸によって浸出され、次に、ニッケル、コバルト及び鉄を含有した生成物リカー溶液として回収されるプロセスに適用可能である。本発明の好ましい形態では、低鉄含有金属ニッケル製品は、イオン交換プロセスの溶離液から回収される低鉄水酸化ニッケル製品から製造される。
概して、このプロセスは、ラテライト鉱石からニッケルを回収するプロセス全体のうちの一部を形成する。好ましい実施形態では、金属ニッケル製品は、以下の一般的なプロセスによって製造される水酸化ニッケル中間体から製造される。浸出貴液(pregnant leachate solution)が、硫酸を使用する、ラテライトニッケル含有鉱石のヒープリーチングプロセス、好ましくは向流ヒープリーチングプロセスによって製造される。次に、少なくともニッケル、コバルト及び鉄を含有した浸出貴液が、この浸出液中の銅が優先的に抽出されるイオン交換(IX)プロセスによって処理される。次に、この銅フリーの浸出貴液が、第2IXプロセスによって処理され、ここで、ニッケルと鉄及びコバルトの一部とが、樹脂へと抽出され、殆どの鉄及びコバルトが、ラフィネート中に残る。次に、ニッケル及び鉄が、酸を用いてこの樹脂から溶離され、この溶離液が、殆どの鉄を針鉄鉱又は水酸化鉄として溶液から沈殿させるために、pH2.5乃至3.5へと中和される。次に、この溶離液は、水酸化ニッケルを沈殿させるために、酸化マグネシウム、ソーダ灰又は苛性ソーダなどの中和剤を用いて、pH7乃至8へと更に中和される。
幾つかの樹脂はニッケル及び鉄よりも銅に対する親和性が高いので、生成物リカー中に存在し得る銅は、ニッケル/鉄イオン交換プロセスに先立って、回収のために除去されるべきである。銅は、生成物リカーから、イオン交換、溶媒抽出又は知られている他の技術の1つによって、容易に除去される。しかしながら、好ましくは、生成物リカー中に存在する銅は、追加のイオン交換プロセスによって除去され、ここで、イオン交換樹脂は、本発明の方法の工程(i)に先立ち、銅を生成物リカーから選択的に吸収する。銅分は、その後、従来のプロセスによって回収され得る。
典型的には、本発明の方法の工程(ii)で使用されるイオン交換樹脂は、イオン交換のプロセスにおいて従来使用されているものである。好ましくは、生成物リカーがラテライト鉱石の浸出から得られる場合、この樹脂は、ビスピコリルアミン官能基を有しており、例えば、DOWEX(登録商標) M4195樹脂という商品名で販売されている。このような樹脂は、ラテライト鉱石の浸出によって得られる生成物リカー中に典型的に存在する他の不純物から、ニッケルと鉄及びコバルトの一部とを、分離することができる。このニッケルと鉄及びコバルトの一部とは、工程(ii)のイオン交換プロセスにおいて、他の不純物から分離される。このニッケルと鉄及びコバルトの一部とは樹脂に担持され、一方、殆どの鉄及びコバルトはラフィネート中に残る。コバルトは、その後、溶媒抽出、イオン交換、又は硫化物、炭酸塩若しくは水酸化物としての沈殿によって、ラフィネートから回収され得る。
本発明のプロセスの工程(iii)において、ニッケル及び鉄は、酸性溶液を用いて、樹脂から溶離される。好ましくは、酸性溶液は、硫酸である。
ニッケル及び鉄を含んだ溶離液における遊離酸の中和は、工程(iv)での鉄の沈殿及び工程(v)でのニッケルの沈殿という2つの段階において実行される。
pHを約2.5乃至3.5へと増加させて、濾過によって容易に除去することができる針鉄鉱又は水酸化鉄と共に中和生成物として石膏を沈殿させるべく、石灰石が、第1中和工程(本発明の方法の工程(iv))における中和剤として使用され得る。炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ソーダ灰又は苛性ソーダなどの他の適切な中和剤も、経済に応じて使用され得る。鉄は、1.5のpH付近で溶液から沈殿し始めるが、溶液から実質的に全ての鉄を除去するには、2.5乃至3.5の範囲にあるより高いpHが必要とされる。添加する中和剤の量の制御と、それによる溶液のpHの制御とによって、最終金属ニッケル製品中の鉄の量を、所望の値へと制御することができる。
第1中和工程において溶離液から相当量の鉄を沈殿させることにより、鉄が激減した溶離液を残し、これは、次に、第2中和工程に供される。
ニッケル沈殿段階(本発明のプロセスの工程(v))において、溶離液を、好ましくは7.5を超えるpHへと更に中和して、殆ど全てのニッケルを水酸化ニッケル生成物として沈殿させるために、酸化マグネシウム及び/又はソーダ灰及び/又は苛性ソーダが使用され得る。この水酸化ニッケルは、鉄の含有量が低い又は鉄を含有せず、好ましくは、0.5%以下の鉄を含有している。
イオン交換溶離液から回収された水酸化ニッケル生成物は、本発明のプロセスに従ってニッケルを処理するのに適している。この水酸化ニッケル生成物は、一般には、湿ったケーク(wet cake)の形態にあるであろう。好ましくは、この水酸化ニッケル生成物は、約100℃−120℃の温度で乾燥される。
このプロセスの工程(vi)において、水酸化ニッケルは、それを酸化ニッケルへと転化させるべく、か焼される。好ましくは、か焼は、水酸化ニッケルを、硫黄を実質的に含まない酸化ニッケルへと転化させるべく、酸化性条件下で約800℃−1300℃の温度で行われる。より好ましくは、このか焼温度は、1050乃至1300℃の範囲内にある。工程(iii)において硫酸を使用してニッケルが溶離された場合、か焼は、典型的には、二酸化硫黄又は三酸化硫黄への酸化によって、残留硫黄を除去する。
一般には、このか焼工程は、キルン、可動格子、高炉、多段炉床炉又はこのような製品のか焼に適した他の任意の反応器において行われ得る。酸化条件は、リアクタ内部での又は固体床を通しての空気又は他の酸化性ガスの添加によって準備される。
工程(vii)において、酸化ニッケルは、還元剤、最も好ましくは炭素の存在下で、直接製錬還元に供されて、溶融ニッケル金属相を製造する。最も好ましくは、適切なスラグも存在している。或る好ましい実施形態では、か焼及び脱流された酸化ニッケルが、合成スラグの存在下及び約1540℃で、炭素を用いて直接製錬される。適切なスラグは、CaO−Al23系であり得るが、広範なスラグが使用され得る。水酸化ニッケルが相当なMgOを含有している可能性がある場合、この場合の重要な要件は、スラグの質量及びその酸化マグネシウムの溶解性が、か焼酸化ニッケル中の脈石を受け入れるのに十分に高いことにある。
工程(viii)において、溶融ニッケル相が、酸化によって残留炭素を除去するべく、精製される。これは、酸素注入又は他の従来の方法によって行われ得る。
本発明によって製造される鉄含有量が低い金属ニッケル製品は、London Metal Exchange Nickel要件ほど純粋ではないが、ステンレス鋼溶融物への直接添加に適している。この製品は、大部分の不純物が、選択的なニッケル/鉄イオン交換プロセスに従って除去されているので、十分な純度にあり、この製品は、か焼後、低レベルの硫黄を含有する。好ましくは、このニッケル製品は、精製工程後には0.5%を下回るマグネシウム含有量と、0.1%を下回る硫黄含有量と、0.01%乃至0.05%の炭素含有量とを有するであろう。
このプロセスによって製造されるニッケルは、ステンレス鋼の炉への添加に適切であるし、又は他の用途のために使用され得る。
図1は、本発明のプロセスに従う、好ましいフローチャートを図示している。
図面の詳細な説明
生成物リカーが酸ヒープリーチングプロセスの結果から得られる好ましい実施形態において、ラテライト鉱石は、ヒープの浸透性を向上させるべく、或る大きさ、好ましくは25mm未満の大きさに粉鉱され、水、硫酸又は他の結合剤を使用して塊成化される。
塊成化された鉱石は、少なくとも1つのヒープ、好ましくは、向流ヒープリーチングシステムとして使われるべき第1及び第2ヒープの少なくとも2つのヒープに配置され得る。向流ヒープリーチングプロセスは、酸消費量がより低く、単一ヒープシステムよりも製品溶液の鉄含有量が低いという利点を有する。
図1に図示した好ましい方法では、リーチング溶液は、ニッケルイオン交換工程(2)からのニッケルが激減した再循環ラフィネート(1)から供給され、硫酸(3)が補われ、中間生成物リカーを製造する第2ヒープ(4)へと添加される。この中間生成物リカーは、次に、向流プロセスで第1ヒープリーチング(5)へと添加される。これは、酸性が低く、ニッケル及びコバルトに富んだ生成物リカー(PLS)(6)を製造し、これは、鉄及び多量の他の不純物も含有している。第2ヒープがニッケルに関して枯渇している場合、それは廃棄され、第1ヒープが第2ヒープとなり、新たな鉱石ヒープが第1ヒープとなる。
PLSは、任意には、溶液中に存在する銅を除去するために、工程22において処理される。それは、次に、ニッケルの大部分と鉄及びコバルトの一部とが樹脂床に担持されるイオン交換(IX)プロセス(2)によって処理され、大部分の鉄及びコバルト並びに殆ど全ての他の不純物は、ラフィネート溶液中に残り、通過する。この樹脂は、例えば、ビス−ピコリルアミンの官能基を有するDOWEX(登録商標) M4195である。2というpH値で、樹脂の選択性を示す吸収定数は、Ni+2 > Fe+3 > Co+2 > Fe+2 > Mn+2 > Mg+2 > Al+3の順にある。それ故に、この樹脂は、2というpHで、ニッケルを回収することができ、鉄を除く他の不純物を除去することができる。
DOWEX(登録商標) M4195は、ニッケル及び鉄よりも、銅に対して非常に高い親和性を有しているので、このプロセスが、硫化物鉱石の酸化リーチング若しくはバイオリーチング、又は銅含有量がより高いラテライトのリーチングからの生成物リカーを処理するのに使用される場合、経済的であればイオン交換工程への生成物リカーの処理の前の工程(22)において、回収のために、銅が生成物リカーから除去される。
コバルトを含有したラフィネート(7)は、コバルトを抽出し且つそれを硫化コバルト又は水酸化コバルトとして回収するために、知られている溶媒抽出、イオン交換又は沈殿技術によって更に処理され得る(19)。
担持されたニッケル及び鉄は、硫酸溶液(8)を使用して樹脂から溶離される。ニッケル処理に対して行われた以前の工程は、純粋なニッケル溶離液又はニッケル及びコバルト分を含有した溶離液を製造するために、IXシステムを使用するものであった。しかしながら、このプロセスにおけるIX工程の使用は、低鉄ニッケルへと更に処理するのに適した溶離液中に、ニッケル及び鉄の混合物を製造するために使用される。これは、中和及び廃棄されるべき鉄の量を減少させ、下流の装置の大きさを縮小する。
IX溶離液は、溶液中に存在する大部分の鉄を針鉄鉱又は水酸化鉄として沈殿させるべく、pH2.5−3.5への第1中和(9)に供され、清浄な溶離液が、この沈殿物から分離される。中和剤は、好ましくは石灰石(10)であるが、その代わりとして、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム又はソーダ灰若しくは苛性ソーダなどの、他の適切な中和剤が使用されても良い。
固液分離後、IX溶離物は、次に、低鉄水酸化ニッケルを沈殿させるべく、好ましくは酸化マグネシウム及び/又はソーダ灰及び/又は苛性ソーダ(11)による第2中和(12)に供され、この低鉄水酸化ニッケルは、湿ったケークを製造すべく、濾過される。
湿った水酸化ニッケルケークは、110℃で乾燥され、酸化性条件下において1000℃乃至1300℃でか焼して酸化ニッケルを製造する(13)ために、ロータリーキルンなどの水平炉(horizontal furnace)若しくは高炉などの垂直炉(vertical furnace)、又は他の適切な工業用設備へと供給される。水分は、400℃で除去され、硫酸塩として硫黄含有物は、二酸化硫黄又は三酸化硫黄として除去され、1100℃で2時間後、殆ど完全に除去される。
適切な融剤の選択後、次に、酸化ニッケルは、高品質ニッケル製品を製造すべく、炭素及び適切なスラグ(15)と共に、適切な工業用の炉において、少なくとも1500℃、好ましくは約1600℃の温度で、直接製錬される。CaO−Al23系のスラグが、このスラグとして相応しい候補であるが、広範な種類のスラグを使用することができる。或る重要な要件は、スラグの質量及びそのMgOの溶解性が、か焼酸化ニッケル中の脈石を受け入れるのに十分高いことである。
ニッケル中の残留炭素は、精製工程(16)において、酸化、一般には酸素の注入(17)によって除去される。
得られた低鉄ニッケル製品は、フェロニッケルグレードFeNi40 LC及びFeNi40LCLPについてのISO 6501によって規定された最大限の10倍低い、30ppmを下回る硫黄を含有している。炭素含有量は、前記基準に従う最大レベルが300ppmであるのに対し、200ppmを下回る。
それ故に、低鉄ニッケルは、ステンレス鋼の炉へと直接添加されるのに適しており、新規なニッケル製品を示す。
説明したプロセスの更なる利点は、ニッケルイオン交換プロセス工程のニッケル及び鉄に対する高い選択性の結果、水酸化ニッケル製品中の及び結果的には製造されたニッケル中の不純物のレベルが、殆どの商業的な製造業者によって現在達成されているものよりも、及び、更には「超純粋」なフェロニッケルグレードよりも著しく低いことにある。
この新たなプロセスは、それが、鉱石を最終ニッケル製品へと転化させるために、より少ないプロセス工程を有しており、ヒープリーチングが、一般には、他のプロセスよりも資本を必要としないという、現在の湿式製錬ルートに優る更なる利点を有している。
以下の表1は、本発明のプロセスによって製造したニッケル製品の純度と、購入可能な「ユーティリティー」ニッケル製品のものとの比較を示している。「ユーティリティー」ニッケル製品は、晶析によって硫酸ニッケル六水和物をつくるか、中和によってニッケルの水酸化物若しくは酸化物をつくるか、電気分解によって陰極ニッケルをつくるのに使用され得る。
Figure 2010501722

例1:継続加圧浸出及び大気圧浸出によって得られる浸出貴液(PLS)からの、ニッケルの回収及び精製
アジア太平洋ラテライト鉱床からの褐鉄鉱及びサプロライトサンプルが、それぞれ、加圧浸出及び大気圧浸出のために使用された。鉱石は、P100<300μmまで粉鉱された。褐鉄鋼及びサプロサイトスラリーの固形分は、それぞれ、37重量%及び50重量%であった。オートクレーブ作動条件の目標値として、褐鉄鉱の容量を0.8tpdに、硫酸の褐鉄鉱鉱石に対する比を0.38に、滞留時間を270℃で50分に設定した。サプロライトは、サプロライトの褐鉄鉱に対する重量比を0.35とし、酸のサプロライトに対する重量比(オートクレーブ排出スラリーからの酸を含む)を0.6として処理された。全てのサプロライトが、オートクレーブ排出スラリー及び大気圧浸出回路の第1タンク中の濃縮酸と混合された。鉄は、>90℃の温度及び大気圧で、ジャロサイトとして沈殿した。サプロライトのリーチング及び鉄の沈殿の滞留時間は、約10時間であった。ニッケル及び鉄の回収に先立ち、銅がPLSから除去された。銅は、Amberlite IRC 718を用いた固定床イオン交換カラムにおいて抽出された。次に、Amberlite IRC 718カラムのラフィネートは、Niの回収及び精製のために、DOWEX(登録商標) M4195樹脂で充填されたIXデバイスへと供給された。酸性にされて、再循環された硫酸ニッケル溶液は、ニッケル溶離液を得るために、逆抽出液として使用された。次に、この溶離液は、残留イオンを沈殿させるべく、ソーダ灰溶液を用いて、40−50℃で中和された。
表2において明らかにされているように、鉄沈殿後の最終ニッケル溶離液中のNi/Feの濃度比(22500:1)及びNi/(全ての不純物)の濃度比(188:1)は、それぞれ、表1に示した商業的な「ユーティリティー」ニッケル規格の比(160:1及び24:1)よりも高かった。
Figure 2010501722
例2:ヒープリーチングプロセスによって得られるPLSからのニッケルの回収及び精製
ラテライト鉱石が、硫酸を用いてヒープリーチングされた。周囲温度で、PLSは、銅を除去するために、N−(2−ヒドロキシプロピル)ピコリルアミンの官能基を有するDow 4196樹脂が充填された銅IXカラムを通して送られた。次に、Dow 4196塔からのラフィネートが、Dow 4195樹脂が充填されたニッケルIX装置へと供給された。ニッケルIX用の逆抽出液は、酸性にされ且つ再循環されたニッケルIX溶離液を用いて作られる。ニッケルIXのラフィネートは、酸性化後に、供給溶液としてヒープへと再循環された。表3から明らかなように、最終ニッケル溶離液中のニッケルの全ての不純物に対する濃度比(63.2:1)は、表1に示した商業的な「ユーティリティー」ニッケル規格についてのこれと対応する比(29)よりも高かった。
Figure 2010501722
例3:ニッケルIX溶離液を用いた、鉄の沈殿及び水酸化ニッケルの製造
高鉄含有ニッケルIX溶離液が、鉄を沈殿させるために、60−80℃で、理論量の石灰石スラリーと混合された。鉄の沈殿は、1.5のpHで開始し、3.5のpHで完了した。固液分離後、このニッケル溶液は、水酸化ニッケルを沈殿させるために、理論量の酸化マグネシウムスラリーを用いて、8.5のpHまで更に中和された。表4は、高鉄含有ニッケルIX溶離液と、3.5のpHで得られた鉄貧液と、8.5のpHで得られるニッケル貧液との液体組成を示している。
Figure 2010501722
Figure 2010501722
例4:NHP(水酸化ニッケル沈殿物)のか焼
約33重量%の水分を含有した、本発明のプロセスによって製造されたNHPのサンプルが、110℃で乾燥された。乾燥NHPの化学は、以下の表6に示されている。
Figure 2010501722
次に、乾燥NHPは、結晶水含有物及び硫黄含有物を除去し且つそれを酸化ニッケルへと転化させるべく、1100℃及び酸化条件下でか焼された。か焼後のこの材料の化学組成は、表7に示されている。殆ど全ての硫黄が、気相において除去された。
例5:か焼生成物の直接製錬。
例4からの酸化ニッケルが、8.5重量%の炭素と混合され、融剤と共に、アルミナるつぼの中へと入れられた。この場合に選択された融剤は、40%CaO−40%Al23−20%CaF2であり、選択された作業温度は、1540℃であった。サンプルは、1時間に亘って温度を維持され、その後冷却された。製錬されたニッケルの炭素含有量は、0.223重量%であり、硫黄含有量は、0.0013重量%であった。
炭素含有量は、飽和状態を上回るその過剰量に依存して、著しく変化し得るものであり、この実験の温度では、約2.6重量%である。
例6:製錬された製品ニッケルの製錬
精製段階において、炭素は、酸化によって除去される。実際には、これは、酸素注入によって行われ得る。本実験では、金属ニッケルの脱酸素は、NiOを含有したスラグによって行われた。使用したスラグは、32.8%CaO−32.8%Al23−16.4%CaF2−18%NiOであった。
製錬されたニッケル製品の最終的な化学が、表8に示されている。
Figure 2010501722
最後に、他の様々な改良及び/又は変更が、ここで概要を述べた本発明の精神から逸れることなく為され得ることは、理解されるべきである。

Claims (20)

  1. 鉄含有量が低い金属ニッケル製品の製造方法であって、
    (i)少なくとも鉄及びニッケルを含有した酸性生成物リカーを提供する工程と、
    (ii)前記酸性生成物リカーを、イオン交換樹脂が前記ニッケルと前記鉄の一部とを前記生成物リカーから選択的に吸収するイオン交換プロセスに供する工程と、
    (iii)酸性溶液を用いて、前記ニッケル及び鉄を前記樹脂から溶離させ、前記ニッケル及び鉄を含有した溶離液を製造する工程と、
    (iv)前記溶離液を2.5乃至3.5の範囲にあるpH値へと中和して、相当量の前記鉄の沈殿を起こし、鉄が激減した溶離液を残す工程と、
    (v)前記鉄が激減した溶離液を7乃至8の範囲内にあるpH値へと中和して、少量の鉄を含有した水酸化ニッケルの沈殿を起こす工程と、
    (vi)前記水酸化ニッケルをか焼して、それを酸化ニッケルへと転化させる工程と、
    (vii)前記酸化ニッケルを還元剤の存在下で直接製錬に供して、溶融ニッケル相を製造する工程と、
    (viii)前記溶融ニッケル相を酸化によって精製して、鉄含有量が低い金属ニッケル製品を製造する工程と
    を含んだ方法。
  2. 請求項1記載の方法であって、前記金属ニッケル製品は、1%以下の鉄を有する方法。
  3. 請求項1記載の方法であって、前記酸性生成物リカーは、ニッケル含有鉱体又は精鉱から、ラテライト鉱石の加圧酸浸出、大気圧酸浸出及び/又はヒープリーチングか、又は硫化ニッケル鉱石若しくは精鉱の酸化浸出若しくはバイオリーチングから選択されるプロセスによって得られる方法。
  4. 請求項1記載の方法であって、工程(i)の前に、存在する実質的全ての銅が、前記酸性生成物リカーから除去される方法。
  5. 請求項4記載の方法であって、前記酸性生成物リカーは、存在する実質的全ての銅を除去するイオン交換工程に供される方法。
  6. 請求項4又は5記載の方法であって、前記除去された銅は回収される方法。
  7. 請求項4、5又は6記載の方法であって、前記酸性生成物リカーは、ラテライト鉱石のヒープリーチングから得られる浸出貴液である方法。
  8. 請求項1記載の方法であって、工程(ii)の前記イオン交換樹脂は、ビスピコリルアミン官能基を有するものである方法。
  9. 請求項1記載の方法であって、工程(iii)における前記酸性溶液は、硫酸である方法。
  10. 請求項1記載の方法であって、工程(iv)における、前記溶離液の2.5乃至3.5のpHへの前記中和は、石灰石の添加によって行われる方法。
  11. 請求項1記載の方法であって、前記鉄は、針鉄鉱又は水酸化鉄として沈殿する方法。
  12. 請求項1記載の方法であって、前記鉄が激減した溶離液の7乃至8のpHへの前記中和は、酸化マグネシウム、ソーダ灰又は苛性ソーダの添加によって行われる方法。
  13. 請求項1記載の方法であって、工程(v)において製造された前記ニッケル水酸化物は、約100−120℃の温度で乾燥される方法。
  14. 請求項1記載の方法であって、工程(vi)におけるニッケル酸化物への前記か焼は、800乃至1300℃、好ましくは1050乃至1300℃の範囲にある温度で行われる方法。
  15. 請求項1記載の方法であって、前記直接製錬工程(vii)工程における前記還元剤は炭素である方法。
  16. 請求項15記載の方法であって、適切なスラグが、前記直接製錬工程において存在している方法。
  17. 請求項15又は16記載の方法であって、工程(vii)における前記直接製錬は、約1540℃の温度及びCaO−Al23−系スラグの存在下で行われる方法。
  18. 請求項1記載の方法であって、工程(vii)における前記スラグの質量及びそのMgOの溶解性は、前記酸化ニッケル中の脈石を受け入れるのに十分高い方法。
  19. 請求項1記載の方法であって、過剰炭素は、前記精製工程(vii)中に、酸素の注入によって除去される方法。
  20. 請求項1記載の方法に従って製造される、鉄含有量が低い金属ニッケル製品。
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