JP2010500035A - アントラニル酸合成酵素の葉緑体標的発現による高トリプトファントウモロコシの生産 - Google Patents

アントラニル酸合成酵素の葉緑体標的発現による高トリプトファントウモロコシの生産 Download PDF

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Abstract

単量体アントラニル酸合成酵素に作動可能に連結された葉緑体輸送ペプチド(CTP)をコードする新規な発現ベクターおよび構築物が提供される。さらに、単量体アントラニル酸合成酵素をコードする新規なポリヌクレオチド配列が提供される。発現ベクターおよび構築物を含有するトランスジェニック植物において遊離トリプトファンのレベルを増加させるための方法も提供される。

Description

本出願は、2006年8月11日付けで出願された米国特許仮出願第60,837,200号の優先権を主張する。ここに出典明示してこの文献の全開示を本明細書の一部とみなす。
本発明は、植物細胞におけるアントラニル酸合成酵素の発現および局在化のための方法および組成物に関する。
トウモロコシにおいて、アントラニル酸合成酵素は、葉緑体において芳香族アミノ酸経路からトリプトファンの生合成へと分岐する最初の反応を触媒する2つのサブユニット酵素として存在する。アントラニル酸合成酵素は、植物におけるトリプトファン生成の調節において重要な酵素であることが明らかにされている。Andersonら(米国特許第6118047号)は、トウモロコシからのアントラニル合成酵素のトリプトファン非感受性α−サブユニットの過剰発現によりトランスジェニックトウモロコシ植物においてトリプトファンのレベルが増加することを示した。最近、原核生物供給源由来の単量体型のアントラニル酸合成酵素は、トランスジェニックダイズおよびトウモロコシにおいてトリプトファンレベルを増加させることができることが明らかにされた(米国特許第7217865号として公表された米国特許出願第10/38927号および米国特許出願公開第2003/0213010号として公開された米国特許出願第10/430011号)。
葉緑体内部で生合成経路に関与する大半のタンパク質は、核コードされており、細胞質ゾルで合成される。したがって、色素体へのこれらのタンパク質の正確な標的化はその生合成機能には不可欠である。ほとんどの場合、この標的化は、葉緑体輸送ペプチド(CTP)または色素体輸送ペプチドと呼ばれるN末端伸長の存在により実現される。細菌供給源由来の導入遺伝子は、発現されたポリペプチドが葉緑体に区分されるためには、CTP配列をコードする配列が、発現されるポリペプチドをコードする配列に融合されていなければならない。したがって、外来性ポリペプチドの葉緑体への輸送は、外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’領域に、CTP配列をコードするポリヌクレオチド配列を作動可能に連結させることによって実現される。
単量体アントラニル酸合成酵素を有する植物細胞の操作および形質転換での多くの目的のためには、植物細胞に導入される遺伝子が、色素体に移動され色素体で機能する産物をもたらすことが望ましいであろう。しかしながら、CTPすべてが等しく効果的にこの移動を実現できるわけではない。単子葉植物、および特にトウモロコシ植物におけるアントラニル酸合成酵素の発現および局在化を成功させるための効率的で効果的なCTPの同定が当該技術分野で必要とされている。
本発明は、植物細胞におけるアントラニル酸合成酵素の発現および局在化のための方法および組成物に関する。
一態様では、本発明は、単量体アントラニル酸合成酵素(AS)に融合した葉緑体輸送ペプチド(CTP)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供し、前記葉緑体輸送ペプチドは、アントラニル酸合成酵素を植物細胞の色素体画分に区分できる。そのようなアントラニル酸合成酵素核酸がトランスジェニック植物で発現されると、植物の細胞内でトリプトファンレベルの上昇を実現できる。本発明の一実施形態では、これらのポリヌクレオチドを含有する発現ベクターおよび構築物が提供される。そのような発現ベクターおよび構築物を含有する組換え植物細胞も本発明の一部である。本発明の配列、構築物および方法を用いるタンパク質の発現により得られるトランスジェニック植物細胞、種子および飼料生成物もさらに本発明の一部と見なされる。
別の態様では、本発明は、単子葉植物における遊離トリプトファン含有量を増加させるための方法を提供する。一実施形態では、この方法は、単量体アントラニル酸合成酵素に融合した葉緑体輸送ペプチドを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで単子葉植物を形質転換することを含み、前記葉緑体輸送ペプチドは、機能してアントラニル酸合成酵素活性を植物細胞の色素体に局在化または区分する。
さらに別の態様では、本発明は、アグロバクテリウム(Agrobacterium)およびシノリゾビウム(Sinorhizobium)供給源由来の単量体アントラニル酸合成酵素をコードする新規な単離されたポリヌクレオチドを提供する。本発明の一実施態様では、これらの新規ポリヌクレオチドを含む発現ベクターが提供される。さらに他の実施形態では、これらの発現ベクターを含む宿主細胞、トランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物由来の種子および得られる飼料生成物も本発明の一部と見なされる。
プラスミドpMON66560の制限地図である。 植物形質転換ベクターpMON66560を含有するトランスジェニックトウモロコシ細胞の色素体画分のウェスタンブロット分析を示す図である。 プラスミドpMON78824の制限地図である。 プラスミドpMON78832の制限地図である。 プラスミドpMON69765の制限地図である。 プラスミドpMON69755の制限地図である。 プラスミドpMON82561の制限地図である。 プラスミドpMON78152の制限地図である。 プラスミドpMON78153の制限地図である。 プラスミドpMON82560の制限地図である。 プラスミドpMON69779の制限地図である。 プラスミドpMON78137の制限地図である。 プラスミドpMON78140の制限地図である。 プラスミドpMON78143の制限地図である。 プラスミドpMON78142の制限地図である。 プラスミドpMON78139の制限地図である。 プラスミドpMON69774の制限地図である。 プラスミドpMON69775の制限地図である。 プラスミドpMON69777の制限地図である。
本発明によれば、単量体アントラニル酸合成酵素を発現し植物細胞の色素体に輸送するための組成物が提供される。本発明は、特に、形質転換された植物の細胞中で遊離トリプトファン含有量を増加させることに用途を見出すことになる新規なポリヌクレオチド配列を提供する。さらに、アグロバクテリウムおよびシノリゾビウム由来の単量体アントラニル酸合成酵素ポリペプチドをコードする新規なポリヌクレオチドが提供される。
本発明は、単量体アントラニル酸合成酵素(AS)に融合した葉緑体輸送ペプチド(CTP)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供し、前記葉緑体輸送ペプチドは、植物細胞の色素体画分にアントラニル酸合成酵素を区分できる。そのようなアントラニル酸合成酵素核酸がトランスジェニック植物で発現されると、植物の細胞内でトリプトファンレベルの上昇を実現できる。本発明の一態様では、これらのポリヌクレオチドを含有する発現ベクターおよび構築物が提供される。そのような発現ベクターおよび構築物を含有する組換え植物細胞も本発明の一部である。本発明の配列、構築物および方法を用いるタンパク質の発現により得られるトランスジェニック植物細胞、種子および飼料生成物も本発明の一部であると見なされる。
本発明のさらに別の態様では、単子葉植物における遊離トリプトファン含有量を増加させる方法が提供される。一実施形態では、この方法は、単量体アントラニル酸合成酵素に融合した葉緑体輸送ペプチドを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドで単子葉植物を形質転換することを含み、前記葉緑体輸送ペプチドは、アントラニル酸合成酵素活性を植物細胞の色素体に区分できる。
本発明は、アグロバクテリウムおよびシノリゾビウム供給源由来の単量体アントラニル酸合成酵素をコードする新規な単離されたポリヌクレオチドをさらに対象とする。本発明の一態様では、これらの新規ポリヌクレオチドを含む発現ベクターが提供される。さらに他の実施形態では、これらの発現ベクターを含有する宿主細胞、トランスジェニック植物細胞、トランスジェニック植物、トランスジェニック植物由来の種子および得られる飼料生成物も本発明の一部と見なされる。
所望の形質、例えば、本発明の増加したトリプトファンレベルを示すトランスジェニック植物または種子は、所望の形質を付与するトランスジェニック植物のゲノムに挿入された特定の外来性DNAを含む。この形質は、対照植物、例えば、その特定の外来性DNAを欠く実質的に同一の遺伝子型の植物または種子において天然に存在する形質からの測定可能な変化である。増強された所望の形質は、増強された所望の形質に関連する特定の外来性DNAを有するトランスジェニック植物または種子の形質を、対照植物または種子の形質と比較することにより測定してよい。したがって、「高トリプトファントウモロコシ」とは、任意の植物部分、好ましくは種子においてトリプトファンレベルが増加しているトウモロコシ植物のことであり、前記種子は本明細書では、カーネルまたはグレインと呼ぶこともある。
アントラニル酸合成酵素(AS;EC4.1.3.27)は、植物、真菌、および細菌において芳香族アミノ酸経路からトリプトファンの生合成へ分岐する最初の反応を触媒する。植物では、トリプトファンの生合成のための化学過程は葉緑体に区分されている。アントラニル酸合成酵素は、細胞質ゾルにおいて合成される核コードされたタンパク質であるために、トリプトファンの生合成に関与するにはいくつかの手段により葉緑体中に輸送されなければならない。さらに、野生型または非トランスジェニック植物原産の内在性アントラニル酸合成酵素は、生合成過程中のトリプトファンの蓄積によるフィードバック抑制に感受性である。このように、非トランスジェニック植物細胞のトリプトファン含有量は比較的低レベルに制限されている。例えば、非トランスジェニックトウモロコシでは、トリプトファンレベルは、典型的には植物の種子において100万分の25(ppm)未満であり、通常は8から10ppm範囲である。本発明は、アントラニル酸合成酵素を色素体に標的化できる葉緑体輸送ペプチドに融合されている、アグロバクテリウムおよびシノリゾビウム由来のフィードバック非感受性単量体アントラニル酸合成酵素ポリペプチドをコードしている新規なポリヌクレオチドを提供する。本発明は、DNA構築物、およびそのゲノムに本発明のDNA構築物の植物発現カセットのうちの少なくとも1つを含有し、前記構築物を含有しない種子よりも高いトリプトファン含有量を有する種子を提供する。
増加したトリプトファンは、カーネル中のアミノ酸の増加量の蓄積(25ppmを超える)により植物細胞中で示される場合もあり、適切に抽出された組織の質量分光光度分析または高性能液体クロマトグラフィーの方法などの任意の適切な方法により測定してもよい。トリプトファンが増加した本発明のトランスジェニックトウモロコシカーネルは、特に飼料もしくは食品、ミールもしくはミール生成物、またはタンパク質生成物、または類似の種類の非トランスジェニックカーネルよりも高いトリプトファン含有量を含有するカーネルから加工された他の生成物の供給源として有用である。
本発明の植物またはその部分のいずれでも加工して、飼料(例えば、サイレージ)、ミール、タンパク質または油性調製物を生産してもよい。この目的のための特に好ましい植物部分は種子である。好ましい実施形態では、飼料、ミール、タンパク質または油性調製物は家畜を飼う用途のために設計される。飼料、ミール、タンパク質および油性調製物を生産するための方法は当該技術分野では公知であり、例えば、米国特許第4957748号、米国特許第5100679号、米国特許第5219596号、米国特許第5936069号、米国特許第6005076号、米国特許第6146669号、および米国特許第6156227号があり、ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。好ましい実施形態では、タンパク質調製物は高タンパク質調製物である。高タンパク質調製物は好ましくは、5%w/vを超える、さらに好ましくは10%w/v超える、さらに好ましくは15%w/vを超えるタンパク質含有量を有する。
単離したポリヌクレオチドおよびポリペプチド
本発明は、一実施形態では、単量体アントラニル酸合成酵素に融合した葉緑体輸送ペプチド(CTP;色素体輸送ペプチド)をコードする単離されたポリヌクレオチドを提供する。用語「色素体」は、原色素体、白色体、アミロプラスト、有色体、および葉緑体を含む一種の植物細胞小器官を意味する。本発明の文脈では、語句「輸送ペプチド」は、核コードタンパク質の輸送を色素体に導くポリペプチドを意味する。典型的には、CTPまたは輸送ペプチド配列はポリペプチドのN末端に位置している。
単量体アントラニル酸合成酵素をコードするポリヌクレオチド、およびCTPまたは色素体輸送ペプチドをコードするポリヌクレオチドは、核酸が天然に存在する生物の細胞において核酸が通常会合している他の核酸配列、すなわち他の染色体または染色体外DNAから前記ポリヌクレオチドは実質的に分離しているまたは精製されている点で「単離」している。前記用語は、混入している核酸および他の細胞成分を実質的に除去するように生化学的に精製されている核酸を包含する。前記用語は、組換え核酸および化学的に合成された核酸も包含する。用語「実質的に精製された」とは、本明細書で使用するように、天然の状態では通常、分子に会合している他の分子から分離している分子のことである。さらに好ましくは、実質的に精製された分子は、調製物中に存在する支配的な化学種である。実質的に精製された分子は、天然の混合物中に存在するその他の分子(溶媒を除く)から60%より多く遊離している、好ましくは75%遊離している、さらに好ましくは90%遊離していてよい。用語「実質的に精製された」は、天然の状態で存在する分子を包含することを企図してはいない。そのような単離されたポリヌクレオチドは、外来性ポリヌクレオチドと組み合わされている点で「組換え」であってもよい。例えば、組換えDNA分子は、外来性プロモーター、または宿主細胞にとって内在性のプロモーターに作動可能に連結されている単離されたポリヌクレオチドであってよい。
本明細書で使用するように、「外来性」ポリヌクレオチドは、宿主細胞に導入されている、および好ましくは天然の非形質転換状態の細胞中に存在するいずれのDNA配列とも同一ではないDNA配列である。「内在性の」または「天然の」ポリヌクレオチドは、宿主細胞または生物に天然に存在するDNA配列である。同様に、「外来性」ポリペプチドは、宿主細胞に導入されている、および好ましくは天然の非形質転換状態の細胞中に存在するいずれのDNA配列とも同一ではない単離されたDNAによりコードされているタンパク質配列である。「内在性の」または「天然の」ポリペプチドは、宿主細胞または生物に天然に存在するタンパク質である。
特に興味深いのは、形質転換された植物細胞の色素体に単量体アントラニル酸合成酵素ポリペプチドを正しく区分できる、本発明のCTP配列を代表するポリペプチドである。CTP配列は、トウモロコシ由来の、または、ルタ・グラヴェオレンス(Ruta graveolens)、オリザサティバ(Oryza sativa)、およびアラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)を含むが、これらに限定されることはない他の植物種由来の色素体標的タンパク質をコードする遺伝子に由来していてよい。葉緑体輸送ペプチド配列は、当該技術分野では公知であり、アラビドプシスサリアナ(Arabidopsis thaliana)リブロース−1,5−二リン酸カルボキシラーゼ(rubisco)小サブユニット1(At−CTP1;Silva−Filhoら(1996);Schnellら(1991);アラビドプシス・サリアナ5−(エノールピルビル)シキミ酸−3−リン酸合成酵素(At−CTP2;Archerら(1990);ゼアマイズ(Zea mays)アントラニル酸合成酵素−アルファ1(Zm−ASA1−CTP)およびアルファ2(Zm−ASA2−CTP)サブユニット;ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素(Zm−DHDPS−CTP);オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ(Os−Waxy(Os−Wx)−CTP);ならびにルタグラヴェオレンスアントラニル酸合成酵素アルファサブユニット(Rg−ASA短−CTPおよびRg−ASA長−CTP)の標的化配列が挙げられる。葉緑体輸送ペプチドの使用法の説明は、米国特許第5188642号および米国特許第5728925号を参照されたい。その双方をここに出典明示して本明細書の一部とみなす。
本発明の葉緑体輸送ペプチド(CTP)をコードする例となる単離されたポリヌクレオチドには、以下のヌクレオチド配列番号を含むDNAが挙げられる。
配列番号1:改変された切断部位(C/M)を有するAt−CTP2(C/M)(アラビドプシス・サリアナ5−(エノールピルビル)シキミ酸−3−リン酸合成酵素)をコードする核酸配列;
配列番号2:天然の切断部位(E/K)を有するAt−CTP2(E/K)をコードする核酸配列;
配列番号3:At−CTP2(E/K)+成熟アラビドプシスEPSPS合成酵素由来の10アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号4:At−CTP2(E/K)+成熟アラビドプシスEPSPS合成酵素由来の5アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号5:Zm−ASA1−CTP(ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α1サブユニット)をコードする核酸配列;
配列番号6:Zm−ASA1−CTP+成熟ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α1サブユニット由来の20アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号7:Zm−ASA2−CTP(ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α2サブユニット)をコードする核酸配列;
配列番号8:Zm−ASA2−CTP+成熟ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α2サブユニット由来の5アミノ酸;
配列番号9:Zm−ASA2−CTP+成熟ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α2サブユニット由来の18アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号10:Os−Wx−CTP(オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ)をコードする核酸配列;
配列番号11:Os−Wx−CTP+成熟オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ由来の5アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号12:Os−Wx−CTP+成熟オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ由来の20アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号13:Rg−AS短−CTP(ルタグラヴェオレンスアントラニル酸合成酵素αサブユニット;Met1からSer72)をコードする核酸配列;
配列番号14:Rg−AS長−CTP(ルタグラヴェオレンスアントラニル酸合成酵素αサブユニット;Met1からSer92)をコードする核酸配列;
配列番号15:Zm−DHDPS−CTP(ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素)をコードする核酸配列;
配列番号16:Zm−DHDPS−CTP+成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の9アミノ酸;
配列番号17:Zm−DHDPS−CTP+成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の20アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号18:Zm−DHDPS−CTP+成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の3アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号19:アラビドプシスサリアナルビスコ小サブユニット遺伝子葉緑体輸送ペプチド、CTP1をコードする核酸配列
本発明は、例えば、以下のアミノ酸配列のいずれか1つを含む葉緑体輸送ペプチド(CTP)をコードするあらゆる単離された核酸も企図している。
配列番号20:改変された切断部位(C/M)を有するAt−CTP2(C/M)(アラビドプシス・サリアナ5−(エノールピルビル)シキミ酸−3−リン酸合成酵素);
配列番号21:天然の切断部位(E/K)を有するAt−CTP2(E/K);
配列番号22:At−CTP2(E/K)+成熟アラビドプシスEPSPS合成酵素由来の10アミノ酸;
配列番号23:At−CTP2(E/K)+成熟アラビドプシスEPSPS合成酵素由来の5アミノ酸;
配列番号24:Zm−ASA1−CTP(ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α1サブユニット);
配列番号25:Zm−ASA1−CTP+成熟ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α1サブユニット由来の20アミノ酸;
配列番号26:Zm−ASA2−CTP(ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α2サブユニット);
配列番号27:Zm−ASA2−CTP+成熟ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α2サブユニット由来の5アミノ酸;
配列番号28:Zm−ASA2−CTP+成熟ゼアマイズアントラニル酸合成酵素α2サブユニット由来の18アミノ酸;
配列番号29:Os−Wx−CTP(オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ);
配列番号30:Os−Wx−CTP+成熟オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ由来の5アミノ酸;
配列番号31:Os−Wx−CTP+成熟オリザサティバADPグルコースピロホスホリラーゼ由来の20アミノ酸;
配列番号32:Rg−AS短−CTP(ルタグラヴェオレンスアントラニル酸合成酵素αサブユニット;Met1からSer72);
配列番号33:Rg−AS長−CTP(ルタグラヴェオレンスアントラニル酸合成酵素αサブユニット;Met1からSer92);
配列番号34:Zm−DHDPS−CTP(ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素);
配列番号35:Zm−DHDPS−CTP+成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の9アミノ酸;
配列番号36:Zm−DHDPS−CTP+成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の20アミノ酸;
配列番号37:Zm−DHDPS−CTP+成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の3アミノ酸;
配列番号38:アラビドプシスサリアナルビスコ小サブユニット遺伝子、CTP1
緑色蛍光タンパク質(GFP)に、アントラニル酸合成酵素に、またはGFPに融合したアントラニル酸合成酵素に融合している本発明の葉緑体輸送ペプチド(CTP)をコードする単離されたポリヌクレオチドには、以下のヌクレオチド配列番号を含むDNAが挙げられる。
配列番号39:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したAt−CTP2をコードする核酸配列;
配列番号40:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したZm−ASA2−CTPをコードする核酸配列;
配列番号41:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したOs−Wx−CTPをコードする核酸配列;
配列番号42:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したRs−AS短−CTPをコードする核酸配列;
配列番号43:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したZm−DHDPS−CTPをコードする核酸配列;
配列番号44:Zm−DHDPS−CTP+GFPに融合した成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の5アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号45:リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)アントラニル酸合成酵素に融合した、天然の切断部位E/Kを有するAt−CTP2をコードする核酸配列;
配列番号46:At−CTP2+リゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素に融合した成熟アラビドプシス(Arabidopsis)EPSPS合成酵素由来の10アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号47:リゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素に融合したZm−ASA2−CTPをコードする核酸配列;
配列番号48:Zm−ASA2−CTP+リゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素に融合した成熟ゼアマイズアントラニル合成酵素α2サブユニット由来の18アミノ酸をコードする核酸配列;
配列番号49:Zm−ASA2−CTP+緑色蛍光タンパク質に融合したアグロバクテリウム・ツメファシエンス単量体アントラニル酸合成酵素に融合した成熟ゼアマイズアントラニル合成酵素α2サブユニット(Zm−ASA2遺伝子にコードされた最初の65アミノ酸)由来の18アミノ酸をコードする核酸配列
緑色蛍光タンパク質(GFP)またはアントラニル酸合成酵素に融合した本発明の葉緑体輸送ペプチド(CTP)を代表する配列には、以下のポリペプチド配列番号を含むアミノ酸が挙げられる。
配列番号50:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したAt−CTP2;
配列番号51:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したZm−ASA2−CTP;
配列番号52:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したOs−Wx−CTP;
配列番号53:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したRs−AS短−CTP;
配列番号54:緑色蛍光タンパク質(GFP)に融合したZm−DHDPS−CTP;
配列番号55:Zm−DHDPS−CTP+GFPに融合した成熟ゼアマイズジヒドロジピコリン酸合成酵素由来の5アミノ酸;
配列番号56:リゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素に融合した、天然の切断部位E/Kを有するAt−CTP2;
配列番号57:At−CTP2+リゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素に融合した成熟アラビドプシスEPSPS合成酵素由来の10アミノ酸;
配列番号58:リゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素に融合したZm−ASA2−CTP;
配列番号59:Zm−ASA2−CTP+リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)アントラニル酸合成酵素に融合した成熟ゼアマイズアントラニル合成酵素α2サブユニット由来の18アミノ酸;
配列番号60:Zm−ASA2−CTP+緑色蛍光タンパク質に融合したアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)単量体アントラニル酸合成酵素に融合した成熟ゼアマイズアントラニル合成酵素α2サブユニット(Zm−ASA2遺伝子にコードされた最初の65アミノ酸)由来の18アミノ酸
ある種のオリゴヌクレオチドも本発明の実施のために有用であり、例えば、配列番号61〜198を含むオリゴヌクレオチドは一過性プロトプラストアッセイ用のトランスフェクションベクターの構築に有用であり、配列番号226〜231を含むオリゴヌクレオチドはPCRプライマーとして有用である。
本発明の別の態様は、単離された単量体アントラニル酸合成酵素(AS)およびそのフラグメント、ならびに上昇したレベルの遊離L−トリプトファンを生成する植物を獲得するための方法におけるその使用に関する。そのようなポリペプチドを含有するトランスジェニック植物における遊離L−トリプトファンの過剰生成は、アントラニル酸合成酵素またはそのドメインをコードする核酸の導入および発現により生じる。そのようなアントラニル酸合成酵素核酸には、野生型もしくは突然変異α−ドメイン、または単量体型のアントラニル酸合成酵素が挙げられる。単量体型のアントラニル酸合成酵素は、単一ポリペプチド鎖の少なくとも2つのアントラニル酸合成酵素ドメイン、例えば、β−ドメインに連結しているα−ドメインを含む。
天然の植物アントラニル酸合成酵素は通常、L−トリプトファンおよびその類似物によるフィードバック抑制にかなり感受性である。そのような抑制は、トリプトファン合成経路を調節するための重要な機構を構成する。したがって、高度に活性で比較的効率的な、またはトリプトファンもしくはその類似物により抑制される程度が比較的少ないアントラニル酸合成酵素もしくはそのドメインは、おそらく上昇したレベルのトリプトファンを生成するであろう。本発明によれば、アグロバクテリウム・ツメファシエンスおよびシノリゾビウム・メリロティ由来のアントラニル酸合成酵素は、高レベルのトリプトファンを生成するのに特に有用である。本発明の単離された単量体アントラニル酸合成酵素には、さらに非制御(deregulated)形態およびそのフラグメントが挙げられる。そのような非制御形態には、本明細書に記載するシノリゾビウムのS51C対立遺伝子;米国特許出願公開第2003097677号に記載のアグロバクテリウムアントラニル酸合成酵素のF298W、V48F、V48Y、S51FおよびS51C対立遺伝子;ならびに「高トリプトファン・トウモロコシ」という表題の米国特許出願第11/503532号に記載のコドン最適化型のアグロバクテリウムアントラニル酸合成酵素S51C対立遺伝子がある。それらの文献の各々をここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。これらの対立遺伝子は、トリプトファンからのフィードバック抑制につき非制御である。
植物または選択された宿主細胞において高レベルのトリプトファンを生成するためには、選択されたアントラニル酸合成酵素核酸を単離して、植物細胞または他の細胞型における遺伝子発現のために必要な調節シグナルを含むようにインビトロで操作してもよい。植物におけるトリプトファン生合成経路は色素体内部に存在すると報告されているために、外来性アントラニル酸合成酵素核酸は、色素体に導入するか、またはアミノ末端色素体輸送ペプチドをコードする核酸セグメントを付加することにより改変される。そのような色素体輸送ペプチドは、アントラニル酸合成酵素遺伝子産物を色素体に導くことができる。
トリプトファンの生合成を改変するためには、アントラニル酸合成酵素活性をコードする核酸を植物細胞または他の宿主細胞に導入しなければならず、これらの形質転換された細胞は、直接的にまたは間接的に同定しなければならない。アントラニル酸合成酵素全体またはその有用な部分もしくはドメインを利用できる。アントラニル酸合成酵素は植物細胞ゲノムに安定的に組み込まれている。アントラニル酸合成酵素の発現を制御している転写シグナルは、植物細胞または他の宿主細胞により認識され、その内部で機能的でなければならない。すなわち、アントラニル酸合成酵素は、メッセンジャーRNA(mRNA)に転写されなければならず、mRNAは植物細胞核で安定的であり、翻訳のために細胞質に無傷で輸送されなければならない。アントラニル酸合成酵素mRNAは、植物細胞リボソームに認識され、正しく翻訳されるには適切な翻訳シグナルを有していなければならない。ポリペプチド遺伝子産物は、細胞質でのタンパク質分解攻撃を実質的に免れ、正確な細胞区画(例えば、色素体)に輸送され、酵素活性を与えることになる三次元立体構造を帯びることができなければならない。アントラニル酸合成酵素は、さらに、トリプトファンおよびその誘導体の生合成において機能することができなければならない、すなわち、要求される基質を獲得し適切な産物を伝えるために生合成において(おそらく、色素体において)フランキング工程を触媒する天然の植物酵素近傍に位置しなければならない。
こうした条件すべてが満たされたとしても、トリプトファンの成功した過剰生成は予想可能な事象ではない。一部の導入遺伝子の発現は近隣の染色体エレメントによって負の影響を受けることがある。フィードバック抑制を減少させる突然変異により高度なレベルのトリプトファンが実現されるのであれば、アントラニル酸合成酵素工程で減少した調節を補う他の制御機構が存在している可能性がある。蓄積したアミノ酸の分解速度を高める機構が存在する可能性がある。トリプトファンおよび関連するアミノ酸も、植物に有害ではないレベルで過剰に生成されなければならない。最後に、導入された形質は、商業的開発および使用を可能にするためには安定的で遺伝性でなければならない。
アントラニル酸合成酵素をコードするポリヌクレオチドの単離および同定は、米国特許出願公開第20030097677号として公開され、米国特許第7217865号として公表された米国特許出願第10/38927号、および米国特許出願公開第20030213010号として公開された米国特許出願第10/430011号に記載されている。これらの特許文献をここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。
本発明のアントラニル酸合成酵素をコードする例となる単離されたDNAには、以下のヌクレオチド配列番号、
配列番号199:アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)野生型アントラニル酸合成酵素;
配列番号201:アグロバクテリウム・ツメファシエンスF298W突然変異対立遺伝子;
配列番号203:アグロバクテリウム・ツメファシエンスS51F突然変異対立遺伝子;
配列番号205:アグロバクテリウム・ツメファシエンスS51C突然変異対立遺伝子;
配列番号207:アグロバクテリウム・ツメファシエンスコドン最適化S51C突然変異対立遺伝子;
配列番号209:シノリゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)アントラニル酸合成酵素野生型;および
配列番号211:シノリゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素S51C突然変異対立遺伝子
を含むDNAが挙げられる。
本発明は、例えば、以下のアミノ酸配列、
配列番号200:アグロバクテリウム・ツメファシエンス野生型アントラニル酸合成酵素;
配列番号202:アグロバクテリウム・ツメファシエンスF298W突然変異体;
配列番号204:アグロバクテリウム・ツメファシエンスS51F突然変異体;
配列番号206:アグロバクテリウム・ツメファシエンスS51C突然変異体;
配列番号208:アグロバクテリウム・ツメファシエンスコドン最適化S51C突然変異体;
配列番号210:シノリゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素野生型;
配列番号212:シノリゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素S51C突然変異体
のうちのいずれか1つを含むアントラニル酸合成酵素をコードするあらゆる単離された核酸も企図している。
アントラニル酸合成酵素に関して本明細書で使用するように、用語「単量体の」は、2またはそれを超えるアントラニル酸合成酵素ドメインが、単一ポリペプチド鎖に機能的な形で組み込まれていることを意味する。単量体アントラニル酸合成酵素は、インビトロで二量体型に組み立てられてもよい。単量体アントラニル酸合成酵素ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、アグロバクテリウム・ツメファシエンス、アナベナ(Anabaena)M22983、アゾスピリルム・ブラシレンセ(Azospirillum brasilense)、ブルセラ・メリテンシス(Brucella melitensis)、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)、メソリゾビウム・ロティ(Mesorhizobium loti)、ノストック(Nostoc)sp.PCC7120またはリゾビウム・メリロティ(シノリゾビウム・メリロティ)などの種々の生物から単離できる。代わりに、単量体アントラニル酸合成酵素核酸およびポリペプチドは、都合のよい単量体または多量体アントラニル酸合成酵素遺伝子のどれからでも選択されるドメインの組合せから構築できる。そのような生物には、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス、アナベナM22983、アラビドプシス・サリアナ、アゾスピリルム・ブラシレンセ、ブルセラ・メリテンシス、メソリゾビウム・ロティ、ノストックsp.PCC7120、リゾビウム・メリロティ(シノリゾビウム・メリロティ)、ロドシュードモナス・パルストリス(Rhodopseudomonas palustris)、ルタ・グラヴェオレンス(Ruta graveolens)、スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセセンス(Serratia marcescens)、ダイズ、イネ、ワタ、トウモロコシ、またはアントラニル酸合成酵素のサブユニットもしくはドメインをコードするあらゆる遺伝子が挙げられる。選択されたドメインをコードする核酸は、組換え的に連結できる。例えば、α−ドメインのC末端をコードする核酸を、リン酸ジエステル結合を形成することにより、β−ドメインのN末端をコードする核酸に連結することができ、逆もまた同じである。代案として、そのような単一ドメインポリペプチドは化学的に連結できる。例えば、α−ドメインを、ペプチド結合を形成することにより、そのC末端を介して、β−ドメインのN末端に連結することができ、逆もまた同じである。
本明細書で使用するように、「トリプトファンによるフィードバック抑制に対して非制御の」アントラニル酸合成酵素とは、非制御および「野生型」アントラニル酸合成酵素を当量のトリプトファンまたはトリプトファンのアミノ酸類似物に曝露したときに、対応する「野生型」または天然の感受性アントラニル酸合成酵素に比べ約10%よりも大きな活性を保持するアントラニル酸合成酵素である。好ましくは、非制御のアントラニル酸合成酵素は、対応する「野生型」または天然の感受性アントラニル酸合成酵素に比べ約20%よりも大きな活性を保持する。
ポリペプチドのフラグメントおよび変異体も、本発明の一部であると見なされる。フラグメントは、前述のポリペプチドのアミノ酸配列の一部とまったく同じであるが、そのすべてとは同じではないアミノ酸配列を有する変異ポリペプチドである。前記フラグメントは、「独立」しているまたは、それが一部をまたは一領域を形成しているより大きなポリペプチド内に、もっとも好ましくは単一連続領域として含まれていてよい。好ましいフラグメントは、類似の活性もしくは改良された活性を有するまたは減少した活性を有するフラグメントを含む、本発明のポリペプチドの活性を媒介するフラグメントである生物活性フラグメントである。検出方法、例えば、酵素連結免疫吸着アッセイにおいて有用な抗体を作製するための、動物において抗原性のまたは免疫原性のフラグメントも含まれる。
ポリペプチドの変異体には、配列表に示される配列とは保存されたアミノ酸置換、すなわち特徴が類似する別の残基による残基の置換、だけ異なるポリペプチドも挙げられる。一般に、そのような置換は、Ala、Val、LeuとIle間;SerとThr間、AspとGlu間、AsnとGln間、LysとArg間、またはPheとTyr間である。特に好ましいのは、5から10;1から5;1から3または1アミノ酸が任意の組合せで置換されている、欠失している、または付加されている変異体である。
本明細書にはっきりと記載するDNA配列およびアミノ酸配列に対して80%、さらに好ましくは85%、はるかに好ましくは90%から95%、もっとも好ましくは96%から99%の配列同一性を示す機能的アントラニル酸合成酵素DNA配列および機能的アントラニル酸合成酵素ポリペプチドも本発明の範囲内である。例えば、85%アミノ酸同一性とは、2つの配列を最大適合で整列させた場合、アミノ酸の85%が同一であることを意味する。適合を最大にする際に(適合される2つの配列のいずれにおいても)ギャップは許容され、5またはそれ未満のギャップ長が好ましく、2またはそれ未満がさらに好ましい。
本発明のポリヌクレオチドは、例えば、本明細書においてさらに考察するように、植物宿主細胞の形質転換のために有用な組換え発現ベクターの構築に利用できる。
植物形質転換ベクター
本発明において興味深いのは、植物宿主細胞において、CTPに融合された単量体ASをコードするポリヌクレオチド配列の転写および翻訳を指示する組換え発現ベクターにおけるポリヌクレオチド配列、またはポリヌクレオチドの使用である。
本明細書で使用するように、「組換え」は、異種核酸配列の導入により改変された、もしくは細胞がそのように改変された細胞由来である細胞またはベクターへの言及を含む。したがって、例えば、組換え細胞は、天然(非組換え)型の細胞内で同一の形では見出されることのない遺伝子を発現する、または、計画的なヒトの介入の結果として、そうでなければ異常に発現される、低発現される、もしくはまったく発現されない天然の遺伝子を発現する。
用語「作動可能に連結される」とは、プロモーターが第2の配列に対応するDNA配列の転写を開始させ媒介する、プロモーターと第2の配列間の機能的な連結のことである。本明細書で使用するように、「作動可能に連結される」とは、連結されている核酸配列が近接しており、必要な場合には、近接しており同一読み枠内の2つのタンパク質コード領域を結合させることになるような2またはそれを超える別々のヌクレオチド配列間の機能的連結のことでもある。例えば、CTPコード配列を、単量体アントラニル酸合成酵素をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結するには、アミノ末端輸送配列のより良好な認識を可能にすることもある都合のよい制限部位またはリンカー配列などの、1つまたは複数のDNA配列の操作が必要になる可能性がある。
標準的PCR増幅技法に従って、鋳型としてのcDNA、mRNAまたはゲノムDNAおよび適切なオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、そのようなポリヌクレオチドを増幅させることができる。代わりに、ポリヌクレオチドは、自動DNA合成装置などの標準的合成技法を用いて合成できる。
発現ベクターは、最小限、宿主細胞で発現されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む。典型的には、発現ベクターは、プロモーター、組織特異的調節エレメント、およびエンハンサーを含むある種の調節エレメントの制御の下に置かれる。そのような発現ベクターは、調節エレメントに「作動可能に連結される」と言われる。
本発明の発現ベクターは、通常、本発明の葉緑体輸送ペプチド(CTP)に融合したアントラニル酸合成酵素をコードする核酸配列に作動可能に連結した、植物細胞で機能的なプロモーター、および植物宿主細胞において機能的な転写終結領域を含む。
本発明の例となる発現ベクターには、以下の配列番号、
配列番号213:pMON68065、すなわちZm−ASA2−CTP+18::アグロAS(S51C)非最適化突然変異対立遺伝子のための発現ベクターをコードする核酸配列;
配列番号214:pMON68066、すなわちZm−ASA2−CTP+18::アグロAS(S51C)非天然最適化(nno)突然変異対立遺伝子のための発現ベクターをコードする核酸配列;
配列番号215:pMON69757、すなわちアグロAS(F298W)突然変異対立遺伝子を含有する構築物のための発現ベクターをコードする核酸配列;
配列番号216:pMON69770、すなわち代替3’UTRを有するアグロAS(S51C)非最適化突然変異対立遺伝子を含有する構築物のための発現ベクターをコードする核酸配列;
配列番号217:pMON69768、すなわちアグロAS(S51F)突然変異対立遺伝子を含有する構築物のための発現ベクターをコードする核酸配列;
配列番号218:pMON78850、すなわちリゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素野生型対立遺伝子を含有する構築物のための発現ベクターをコードする核酸配列;
配列番号219:pMON78851、すなわちリゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素S51C対立遺伝子を含有する構築物のための発現ベクターをコードする核酸配列
を有するDNAが挙げられる。
「宿主細胞」により、ベクターを含有し発現構築物の複製、および/もしくは転写または転写および翻訳(発現)を支持する細胞を意味する。本発明において使用するための宿主細胞は、単子葉植物細胞でもよく細菌細胞でもよい。本発明の細菌宿主細胞の例はアグロバクテリウムである。好ましい実施形態では、宿主細胞はトウモロコシ細胞である。
本明細書で使用するように、「トランスジェニック植物」は、そのゲノムに安定的に導入された外来性ポリヌクレオチド、例えば、別の生物由来の核または色素体ポリヌクレオチドを有する植物である。
用語「種子」および「カーネル」は意味において等価であると理解されている。用語カーネルは、トウモロコシまたはイネ植物の種子を記述する際に頻繁に使用される。あらゆる植物で、種子は、種皮、胚、糊粉、および胚乳からなる成熟胚珠である。
特に興味深いのは、宿主植物細胞においてCTPと融合した単量体ASをコードし、CTPが植物宿主細胞の色素体画分へのASの局在化を導く、組換え発現ベクターを調製するための本発明のポリヌクレオチドの使用である。植物発現構築物は、通常、本発明の核酸配列に作動可能に連結し、植物宿主細胞において機能的なプロモーターおよび植物宿主細胞において機能的な転写終結領域を含む。
本明細書で使用するように、「プロモーター」は、DNAからのRNAの転写の開始に不可欠なDNA配列の領域を意味する。プロモーターは、転写されることになるDNAの上流に位置し、RNAポリメラーゼの結合部位として機能する領域を有し、RNA転写を促進する他の因子と共に働く領域を有する。さらに具体的には、植物中の基本プロモーターは、転写の開始と関連する、CAATおよびTATAボックスなどの基準領域を含む。本発明では、好ましいプロモーター分子および5’UTR分子は、植物の他の細胞および組織よりも大きな速度またはレベルでの種子細胞または組織における転写を可能にする。当業者であれば、植物細胞において機能的であり、文献にすでに記載されている構成的で組織特異的なプロモーターが数多く存在することを認識するであろう。例えば、プロモーターは、米国特許第6437217号(トウモロコシRS81プロモーター);米国特許第5641876号(イネアクチンプロモーター);米国特許第6426446号(トウモロコシRS324プロモーター);米国特許第6429362号(トウモロコシPR−1プロモーター);米国特許第6232526号(トウモロコシA3プロモーター);米国特許第6177611号(構成的トウモロコシプロモーター);米国特許第5322938号、米国特許第5352605号、米国特許第5359142号および米国特許第5530196号(35Sプロモーター);米国特許第6433252号(トウモロコシL3オレオシンプロモーター、P−Zm.L3);米国特許第6429357号(イネアクチン2プロモーターならびにイネアクチン2イントロン);米国特許第5837848号(根特異的プロモーター);米国特許第6294714号(光誘発性プロモーター);米国特許第6140078号(塩誘発性プロモーター);米国特許第6252138号(病原体誘発性プロモーター);米国特許第6175060号(リン欠損誘発性プロモーター);米国特許第6635806号(ガンマ−コイクシンプロモーター、P−Cl.Gcx);米国特許出願第10/732721号(トウモロコシ胚特異的プロモーターZmEM;emb5);米国特許第7151204号(トウモロコシ葉緑体アルドラーゼプロモーター);配列番号220(オオムギPer1プロモーター);配列番号221(トウモロコシB32プロモーター);配列番号222(トウモロコシZ27プロモーター);配列番号223(トウモロコシグロブリン1プロモーター、Belanger and Kriz,1991);および配列番号224(コイクシンL−3プロモーター)に記載されている。これらの特許文献および配列番号を参照により本明細書に組み込まれているものとする。
カリフラワーモザイクウイルス由来のCaMV35Sプロモーター(米国特許第5858741号および米国特許第5322938号)またはゴマノハグサモザイクウイルス由来FMV35Sプロモーター(米国特許第5378619号)などの構成的プロモーターは、大半の植物器官において高レベルの発現をもたらす。増強されたまたは複製されたバージョンのCaMV35SおよびFMV35Sプロモーターは、本発明の実施において有用であり、例えば増強されたCaMV35S(e35S)(Odellら、1985);米国特許第5378619号)。さらに、葉、茎、根、塊茎、種子胚乳、種子胚、果実等などの植物の特定の組織において対象のタンパク質の発現をもたらすのも好ましく、選ばれたプロモーターは所望の組織および発生特異性を有するほうがよい。
調節転写物終結領域を、本発明の植物発現ベクター中に同様に提供してよい。転写物終結領域は、内在性アントラニル酸合成酵素の遺伝子配列または異なる遺伝子供給源由来の都合のよい転写物終結領域により提供してもよい。これらの転写物終結領域は一般に、3’非翻訳領域または3’UTRと呼ばれる。3’UTR領域の例には、ノパリン合成酵素3’領域(nos3’;Fraleyら、1983)、コムギ熱ショックタンパク質、hsp17(T−Ta.Hsp17)、オリザサティバのグルテリン遺伝子の3’領域(Os−gt1;配列番号225)、Z27 3’UTRなどのゼイン遺伝子由来の3’UTR(Lopesら、1995)、トウモロコシグロブリン1(T−Zm.Glb1)、およびT−Ps.RbcS2:E9(エンドウ豆ルビスコ小サブユニット)、国際公開第00/11200A2号で開示された3’UTRおよび試験し、葉緑体輸送ペプチドに融合されたアントラニル酸合成酵素コード領域と組み合わせて用いることができる当該技術分野で公知の他の3’UTRがある。当業者であれば、単子葉植物細胞において転写を終結できるあらゆる都合のよい転写物終結領域を本発明の構築物において用いてよいことを認識するであろう。
さらに、転写エンハンサーまたはエンハンサーの複製物を用いて、特定のプロモーターからの発現を増加させることができる。そのようなエンハンサーの例には、トウモロコシhsp70イントロン(Zm.Dnakとも呼ばれる)(米国特許第5424412号 Brownら)、Adhイントロン1(Callisら、1987)、イネアクチンイントロン(McElroyら、1991;米国特許第5641876号)、ショ糖合成酵素イントロン(Vasilら、1989)、TMVオメガエレメント(Gallieら、1999)、およびCaMV35Sエンハンサーまたはオクトピン合成酵素エンハンサー(米国特許第5290924号)が挙げられるが、これらに限定されることはない。転写開始部位とコード配列の先頭間のDNA配列、すなわち、非翻訳リーダー配列は、遺伝子発現に影響を与えることができるので、特定のリーダー配列を用いることを望んでもよい。当業者が入手できるいかなるリーダー配列でも用いてよい。好ましいリーダー配列は、例えば、mRNA安定性を高めるもしくは維持することによっておよび/または翻訳の不適切な開始を防ぐことによって、結合した遺伝子の発現の最適水準を導く(Joshi、1987)。そのような配列の選択は、当業者の自由裁量による。単子葉植物において、特にトウモロコシおよびイネにおいて高度に発現される遺伝子由来の配列が企図されている。
本発明の単離CTP配列が対象のタンパク質を色素体に標的する効率を判定するためのアッセイ法は当該技術分野では公知である。一例として、β−グルクロニダーゼ(GUS)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、または緑色蛍光タンパク質(GFP)などのレポーター遺伝子をCTP配列に作動可能に連結してよい。この遺伝子融合は、適切なプロモーターの制御外に置かれ、形質転換ベクターにライゲートされ、植物細胞に形質転換される。発現および色素体への局在化のための十分な時間に続いて、色素体画分を抽出し、レポーター活性をアッセイする。このようにして、レポータータンパク質を色素体に標的し送達する単離CTP配列の能力を評価し、他の既知のCTP配列と比較する。Silva−Filhoら、(1996)を参照されたい。
植物細胞形質転換
本発明の組換え発現ベクターを導入している植物細胞、組織、器官、または植物は、形質転換された、トランスフェクトされた、またはトランスジェニックであると見なされる。トランスジェニックもしくは形質転換された植物細胞または植物には、前記植物細胞または植物の子孫および交雑しており導入された核酸配列の存在から生じる改変表現型を示す親などのトランスジェニック植物を用いる育種計画から作製される子孫も含まれる。
核酸配列を細胞に挿入するという文脈における用語「導入された」は、「トランスフェクション」または「形質転換」または「形質導入」を意味し、核酸配列を真核または原核細胞に組み込み、そこで前記核酸配列は細胞のゲノム(例えば、染色体、プラスミド、色素体、またはミトコンドリアDNA)に組み込まれ、自律レプリコンに変換され、または一過性に発現され得る(例えば、トランスフェクトされたmRNA)ことへの言及を含む。
本明細書で使用するように、用語「植物」は、植物全体、植物器官(例えば、葉、茎、根等)、種子、および植物細胞ならびにその子孫への言及を含む。本明細書で使用される植物細胞には、制限なく、種子懸濁培養物、胚、成長点領域、カルス組織、葉、根、苗条、配偶体、胞子体、花粉、および小胞子が挙げられる。本発明の方法において使用できる植物の種類は、通常、単子葉植物である。本発明の好ましい植物はトウモロコシである。
本明細書で使用するように、「トランスジェニック植物」は、そのゲノム内に異種ポリヌクレオチドを含む植物への言及を含む。通常、異種ポリヌクレオチドは、前記ポリヌクレオチドが継続世代に伝えられるように、ゲノム内に安定的に組み込まれている。異種ポリヌクレオチドは、ゲノムのみに組み込まれていてもよく、組換え発現ベクターの一部として組み込まれていてもよい。「トランスジェニック」は、本明細書では、その遺伝子型が、最初にそのように改変されたトランスジェニックならびに最初のトランスジェニックからの性交雑または無性繁殖により作製されたトランスジェニックを含む異種核酸の存在により改変されている、いずれの細胞、株化細胞、カルス、組織、植物部分または植物も含むように使用される。
したがって、その細胞内部に異種ポリヌクレオチドを有する植物は、本明細書ではトランスジェニック植物と呼ばれる。異種ポリヌクレオチドは、ゲノムに安定的に組み込まれていてもよく、染色体外でもよい。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、前記ポリヌクレオチドが継続世代に伝えられるようにゲノムに安定的に組み込まれている。前記ポリヌクレオチドは、ゲノムのみに組み込まれている、または組換え発現ベクターの一部として組み込まれている。
本明細書で使用するように、核酸に関する「異種」は、外来種起源の、または、同一種由来の場合には、計画的なヒトの介入により、組成および/もしくはゲノム遺伝子座がその天然型から実質的に改変されている核酸である。例えば、異種構造遺伝子に作動可能に連結されたプロモーターは、前記構造遺伝子が由来した種とは異なる種由来である、または、同一種由来の場合には、1つもしくは双方がその原型から実質的に改変されている。異種タンパク質は、外来種起源でもよく、または、同一種由来の場合には、計画的なヒトの介入により、その原型から実質的に改変されている。
宿主植物細胞の形質転換のために使用される特定の方法は、本発明にとって決定的ではない。植物の形質転換は、好ましくは永久的である、すなわち、導入された構築物が継続植物世代に伝えられるように、導入された発現構築物の宿主植物ゲノムへの組み込みによる。当業者であれば、幅広い種類の形質転換技法が当該技術分野には存在することを認識するであろう。標的宿主植物に適したいかなる技法も本発明の範囲内で用いることができる。例えば、前記構築物は、DNA鎖として、プラスミドで、または人工染色体で、を含むが、これらに限定されることはない種々の形で導入できる。標的植物細胞への構築物の導入は、カルシウム−リン酸−DNA共沈澱、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、アグロバクテリウム感染、リポソームまたは微粒子銃形質転換(すなわち、遺伝子銃)を含むが、これらに限定されることはない種々の技法によって実現できる。
微粒子銃(米国特許第5550318号、米国特許第5538880号、および米国特許第5610042号。ここに出典明示してそれらの全てを具体的に本明細書の一部とみなす)に関して、粒子はポリヌクレオチドをコーティングされ、推進力により細胞内に送達される。例となる粒子には、タングステン、プラチナ、および好ましくは金からなる粒子が挙げられる。粒子加速によりDNAを植物細胞内に送達するための有用な方法は、Biolistics(登録商標)Particle Delivery System(BioRad社、ハーキュリーズ、カリフォルニア)であり、これを使えば、DNAまたは細胞をコーティングした粒子を、ステンレス鋼もしくはNYTEXスクリーンなどのスクリーンを通して、懸濁状態で培養した単子葉植物細胞で覆われているフィルター表面に推進できる。微粒子銃法は広く適用可能であり、ほとんどどんな植物種でも形質転換するのに用いてよい。微粒子銃により形質転換された種の例には、トウモロコシ(PCT国際公開第95/06128号)、オオムギ、コムギ(米国特許第5563055号、ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)、イネ、カラスムギ、ライムギ、サトウキビ、およびモロコシなどの単子葉植物種、ならびに、タバコ、ダイズ(米国特許第5322783号、ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)、ヒマワリ、ピーナッツ、ワタ、トマト、およびマメ科植物全般(米国特許第5563055号、ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)を含む数多くの双子葉植物が挙げられる。当業者ならば、詳細は文献を参照し、本発明の方法における使用に適した技法を選択できる。
通常、本発明の発現ベクターと共に含まれるのが、宿主における発現に必要な調節領域を有し、形質転換細胞の選択を提供する構造遺伝子であろう。前記遺伝子は、細胞毒性物質、例えば、抗体、重金属、毒素等に対する抵抗性、栄養要求性宿主に原栄養性を提供する相補性、ウイルス免疫または同様のものを提供する可能性がある。発現構築物またはその成分が導入される異なる宿主種の数次第で、1つまたは複数のマーカーを用いてもよく、その場合異なる宿主に対して選択のための異なる条件が用いられる。
植物細胞形質転換のためにアグロバクテリウムが用いられる場合、アグロバクテリウム宿主に存在するT−DNAまたはTi−もしくはRi−プラスミドとの相同組換えのためにアグロバクテリウム宿主に導入してよいベクターを使用してもよい。vir遺伝子が形質転換されたアグロバクテリウム宿主に存在する限り、組換えのためにT−DNAを含有するTi−またはRi−プラスミドを備えていてもよく(こぶ形成を引き起こすことができる)、解除してもよく(こぶ形成を引き起こすことができない)、後者は許容できる。前記の備えたプラスミドは、正常植物細胞とこぶの混合物を与えることができる。
アグロバクテリウムが宿主植物細胞を形質転換するための媒体として使用されるいくつかの例では、T−DNA境界領域と境を接する発現または転写構築物が、イー・コリおよびアグロバクテリウムにおいて複製可能な広宿主域ベクターに挿入されることになり、広宿主域ベクターは文献に記載されている。pRK2またはその誘導体が広く使われている。例えば、ここに出典明示して本明細書の一部とみなすDittaら、(1980)および欧州特許出願公開第0120515号を参照されたい。あるいは、植物細胞で発現されることになる配列を、一方がイー・コリでベクターを安定化させ、他方がアグロバクテリウムでベクターを安定化させる別々の複製配列を含有するベクターに挿入してもよい。例えば、pRiHRI(Jouaninら、1985)複製起点が利用され、宿主アグロバクテリウム細胞において植物発現ベクターの追加の安定性を提供する、McBrideおよびSummerfelt(1990)を参照されたい。
発現構築物およびT−DNAと一緒に含まれるのは、形質転換されたアグロバクテリウムおよび形質転換された植物細胞の選択を可能にする1つまたは複数のマーカーであろう。植物細胞で使用するために、クロラムフェニコール、カナマイシン、アミノグリコシドG418、ハイグロマイシンまたは同種のものに対する耐性など数多くのマーカーが開発されている。用いる特定のマーカーは本発明に不可欠ではなく、特定の宿主および構築方法により、1つまたは別のマーカーが好まれる。
アグロバクテリウムを用いる植物細胞の形質転換のために、外植体は、形質転換に十分な時間形質転換されたアグロバクテリウムと組み合わせてインキュベートし、細菌を死滅させ、植物細胞を適切な選択培地で培養してよい。カルスが形成されると、既知の方法に従って適切な植物ホルモンを用いることにより苗条形成を促進することができ、前記苗条は植物の再生のために発根培地に移される。次に、前記植物を種子ができるように生育し、前記種子を用いて反復性世代を樹立してもよい。
複数の発現ベクターを含有する本発明の植物細胞を得るための可能な方法がいくつかある。本発明のベクターまたはポリヌクレオチド配列、および別個の酵素をコードする別のポリヌクレオチド配列を有する少なくとも1つの他のベクターを含む植物を生産するためのいかなる手段も本発明に包含される。例えば、本発明の発現ベクターを用いて、単一の植物形質転換ベクター(プラスミド)に双方の発現ベクターを含ませることにより、またはそれぞれが所望の遺伝子を発現する別個の植物形質転換ベクターを用いることにより、第2の構築物と同時に植物を形質転換できる。第2のベクターは、第1の発現ベクターですでに形質転換されている植物に導入できる、または、別法として、一方が第1の構築物を有し、一方が第2の構築物を有する形質転換された植物を、標準的育種技法を用いて交雑させて、同一植物で前記構築物を1つにまとめることができる。
方法
本発明は、トランスジェニック植物の種子において遊離トリプトファンレベルを増加させる方法を提供する。一実施形態では、トリプトファンを増加させる方法は、単量体アントラニル酸合成酵素を植物細胞の葉緑体に標的しまたは局在化できるCTPに作動可能に連結された単量体アントラニル酸合成酵素をコードする核酸配列を、植物細胞に導入することを含む。本発明の単量体アントラニル酸合成酵素は、トリプトファンによるフィードバック抑制に非感受性の非制御形態の酵素である。
本明細書で使用するように、植物細胞、植物組織、植物部分または植物内の遊離トリプトファンの「増加した」または「上昇した」レベルは、非形質転換植物細胞、植物組織、植物部分または植物、すなわち、ゲノムが単量体アントラニル酸合成酵素に融合された葉緑体輸送ペプチドをコードするポリペプチドの存在により改変されていない植物細胞、植物組織、植物部分または植物において見出されるレベルの約2から200倍、好ましくは約5から150倍、さらに好ましくは約10から100倍のレベルである。例えば、形質転換された植物種子における遊離L−トリプトファンのレベルは、非形質転換植物種子(「出発原料」)の遊離L−トリプトファンのレベルと比較される。
本発明の追加の態様は、単量体ASを植物細胞の色素体に正しく区分するCTPの能力を予測するための比較的に高処理方法を提供することである。本発明は、種々の単量体ASおよび種々のCTPと融合した緑色蛍光タンパク質(GFP)の、トウモロコシプロトプラストまたはトウモロコシの発生中の胚における一過性発現を利用する視覚化法を提供する。GFPは、緑色蛍光を生成し、UV中ピークが395nmの青色域まで吸収し、ピークが510nmの緑色域で発光できる。この方法は、AS::GFPポリペプチドの局在化の視覚化を可能にする。50%を超える局在化が色素体中である結果は、単量体ASをうまく区分するCTPの能力のポジティブな予測因子であると考えられる。
本発明は、本発明のトウモロコシ植物の種子を穀粉、タンパク質または油に加工することを含む栄養的に増強されたトウモロコシ飼料生成物を作製する方法をさらに提供する。
さらに、本発明は、トランスジェニック植物細胞、またはそのようなトランスジェニック植物細胞由来の飼料もしくはミール生成物において、本明細書に記載するCTP::AS配列組合せのいずれかに属する独自のDNA配列を検出するための方法を提供する。そのようなトランスジェニック植物細胞、またはそのようなトランスジェニック植物細胞由来の飼料もしくはミール生成物のゲノムは、そのようなトランスジェニック植物細胞、またはそのようなトランスジェニック植物細胞由来の飼料もしくはミール生成物から抽出したDNAからDNA分子を増幅するDNA増幅法で試験するとき、独自のCTP::AS DNA配列のいずれかを含有する発現ベクターに特徴的な単位複製配列を生成する。本明細書で使用するように、「単位複製配列」は、PCRまたはLCRなどの増幅技法を用いて合成されたDNAの断片である。「単位複製配列」は、一般的な用法ではPCR産物でもあると理解されている。
本発明は、今や一般的に説明されているので、例証のために含まれ本発明を限定することを目的としない以下の実施例を参照することによりさらに容易に理解されるであろう。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために含まれる。次に続く実施例で開示される技法は、本発明の実施においてうまく機能することが本発明者により発見された技法を代表し、したがって、その実施のために好ましい方法を構成すると見なすことができることを当業者なら認識するべきである。しかしながら、当業者は、本開示に照らして、開示されている特定の実施形態において多くの変更が可能であり、それでも本発明の概念、精神および範囲を逸脱することなく同様のまたは類似の結果を得ることを認識すべきである。さらに具体的には、化学的にも物理的にも関連するある種の薬剤を本明細書に記載する薬剤の代わりに用いてもよいが、同一のまたは類似の結果が得られることが明らかになるであろう。当業者にとり明らかなそのような類似の代用物および改変物はすべて、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神、範囲および概念の内であると見なされる。
CTP1葉緑体輸送ペプチドを含むアントラニル酸合成酵素の局在化
本実施例は、アグロバクテリウムアントラニル酸合成酵素対立遺伝子のアミノ末端に融合したCTP1葉緑体輸送ペプチドをコードする導入遺伝子のタンパク質産物は、トランスジェニックトウモロコシの胚色素体に効率的に標的されないことを実証する。
植物形質転換ベクターpMON66560(図1)は、アラビドプシスルビスコ小サブユニット遺伝子由来の葉緑体輸送ペプチド配列、すなわちアグロAS(F298W(配列番号201によりコードされる)のアミノ末端に融合しているCTP1(配列番号19によりコードされている)を含む融合タンパク質をコードしており、トウモロコシ胚特異的プロモーター(ZmEM)により駆動される。
トランスジェニックトウモロコシ植物由来未熟カーネルの胚から色素体画分を単離するために、受粉後(DAP)25〜27日目でいくつかの穂を収穫した。ホモ接合F3トランスジェニックトウモロコシ植物は、植物形質転換ベクターpMON66560(図1)を含有していた。
約2.5gの胚は、それをカーネルから切り取るとすぐに氷上に置いた。次に、胚は、冷却減菌水で3回すすぎ、続いて冷却PIM緩衝液(20mM Hepes/NaOH、0.5Mソルビトール、10mM KCl、1mM MgCl、1mM EDTA、10mM DTT、pH7.4)ですすいだ。胚およびそれに続く画分は、すべての単離工程中冷却保存した。
次に、胚は5ml PIMを含有するペトリ皿に移し、切り刻んだ胚の粘調度が砂に似てくるまで片刃カミソリを用いて細かく切り刻んだ。切り刻んだ胚は一層のMiracloth(商標)(Calbiochem社、ラホーヤ、カリフォルニア)を通して50ml円錐管にろ過し、PIMで全容量を20mlにした。小分量のこのろ過したホモジネート(画分Hと命名)は分析に先立って−80℃で保存した。次に、ろ過したホモジネートは5分間750×gで遠心分離して色素体をペレット状にした。上澄みは捨て、小分量(S1と命名)を−80℃で保存した。次に、2.5mlのPIMの一定分量をペレット状色素体に添加し、ペレットは小型の柔毛絵筆を用いて再懸濁させた。小分量を取り出し凍結した(P1と命名した画分)のち、2.5mlの再懸濁したペレットを2つの不連続パーコール勾配のそれぞれの上に層状に重ねた。勾配管は、3ml 75%パーコール/PIM上に層状に重ねた6ml 35%パーコール/PIMからなっていた。次に、勾配管は、8分間1000×gで遠心分離した。35%/75%界面で得られた色素体バンドを回収し、別の15ml管に移し、5ml 1X PIMをそれぞれの管に添加した。750×gで5分間遠心分離したのち、上澄みを除去し、両ペレットを0.25ml PIMに再懸濁した。精製した色素体を含有する再懸濁ペレット画分はP2と命名し、分析に先立って−80℃で保存した。
4つの単離された画分(H、S1、P1およびP2)中のASタンパク質の存在は、当該技術分野で公知の方法を用いて、ウェスタンブロット分析により分析した。略言すると、タンパク質画分は、18μgタンパク質/レーンを負荷して、4〜12%Bio−Rad Criterion Bis−Trisゲル(Bio−Rad研究所、ハーキュリーズ、カリフォルニア)上SDS−PAGEにより分離した。電気泳動に続いて、タンパク質はニトロセルロースに移し、二重ブロットは、ブロッキング、一次抗体インキュベーション(下に記載する一次抗体)、洗浄、二次抗体インキュベーション(西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートされた)、洗浄、および化学発光検出を含むウェスタンブロット法の標準プロトコールにかけた。ブロット分析において用いる一次抗体は、(a)トウモロコシ由来のアントラニル酸合成酵素α−2サブユニット、既知の色素体局在化タンパク質;(b)エンドウマメグルタミン合成酵素1(GS1)、細胞質ゾル型のグルタミン合成酵素(GS)(Tingeyら、1987);および(c)アグロバクテリウムアントラニル酸合成酵素に対してヤギ中で産生した。それぞれ抗トウモロコシASα、抗エンドウマメGS1および抗アグロASと名付けた抗体は、当該技術分野で公知の標準技術を用いて調製した。
その結果(図2)は、抗トウモロコシASα抗体は、4つの画分すべてにおいてトウモロコシアントラニル酸合成酵素α−2サブユニットに対応するバンドを認識するが、色素体画分P1およびP2において富化されたことを実証している。これとは対照的に、抗エンドウマメGS1抗体は、画分HおよびS1における予測されるサイズのタンパク質、粗製P1色素体画分におけるさらに少量のタンパク質、および精製された色素体、P2画分におけるかろうじて検出可能な量に対応するバンドを認識した。このパターンのグルタミン合成酵素の分割は、細胞質ゾルへのその局在化と一致している。抗アグロAS抗体は、4画分すべてにおいて細胞質ゾルマーカーGS1に似ているパターンを示す予想されるサイズのタンパク質を認識し、コード配列にはCTP1配列が含まれるという事実にもかかわらず、そのタンパク質も主に細胞質ゾルに局在化していることを示していた。その結果は、CTP1は、トウモロコシ胚細胞の色素体にタンパク質を区分するための発現ベクターには有用ではないと考えられることを示している。さらに、その結果は、すべての葉緑体輸送ペプチドが単量体ASをトウモロコシ細胞の色素体に首尾よく局在化する能力を有するわけではないことを示唆している。
アントラニル酸合成酵素の局在化のための追加の輸送ペプチド配列
本実施例は、トウモロコシアントラニル酸合成酵素−緑色蛍光タンパク質(Zm−AS::GFP)融合物および実施例3で詳述される対照::GFP融合物を含有するプロトプラストトランスフェクションベクターの構築に組み込まれ、実施例4で説明される一過性発現アッセイシステムで評価された種々のCTP配列の設計を説明する。
形質転換ベクターの構築
本実施例は、トウモロコシアントラニル酸合成酵素::緑色蛍光タンパク質(Zm−AS::GFP)融合物および実施例4で説明される一過性プロトプラストおよび胚アッセイにおいて使用された対照::GFP融合物を含有するプロトプラストトランスフェクションベクターの構築を説明する。2つの一般的戦略を用いてこれらのベクターを構築した。
第1の戦略は、GFPコード配列の付加を促進するための制限部位の導入と共に、CTP−ASコード配列のPCR増幅を含んでいた。第1の戦略はpMON78824(図3)の構築により例証される。プラスミドpMON78824は、プラスミドpMON66574を鋳型として用いて、Zm−ASA2 CTP−コード配列を含有するDNAフラグメントのPCR増幅により構築した。BamHI制限部位をプライマーAS25およびAS3’(それぞれ配列番号63および61)に組み込んで、GFPコード配列がプラスミドpMON30098に含有されているフレームへの前記フラグメントの挿入を可能にした。PCR産物は、TAクローニングキット(Invitrogen社製)に含まれる製造者の使用説明書に従って、pCRIIベクター(Invitrogen社、カールズバッド、カリフォルニア)にクローン化し、プラスミドpMON82553を得た。配列完全性は、当該技術分野で公知の方法を用いて、DNA塩基配列決定法により確証した。
次に、Zm−ASA2 CTP−フラグメントを、BamHIを用いてpMON82553から切り取り、プラスミドpMON30098のBamHI部位に挿入して、pMON78824を作製した。得られたプラスミドpMON78824は、a)Zm−ASA2遺伝子によりコードされた最初の65アミノ酸;b)アグロバクテリウム・ツメファンシス単量体アントラニル酸合成酵素;およびc)GFPコード領域を含む融合タンパク質(配列番号60)をコードしており、すべてがe35Sプロモーターの制御下にあった。
種々のGFP翻訳融合物を含有する追加のプロトプラスト形質転換ベクターは、当該技術分野で公知の標準PCRおよびクローニング法を用いて類似の方法で構築した。トランスフェクションベクターID(pMON番号)、トランスフェクションベクターに含まれる融合タンパク質の概要、使用したPCRプライマー、およびPCR鋳型は表2に要約されている。
プロトプラスト形質転換ベクター構築のために用いられる第2の戦略は、種々のCTPに対応する配列の組立て、およびこれらの配列をアグロAS(F298W)(配列番号201)のN末端コード配列に融合することを含んでいた。CTPコード配列は、Withers−Martinezら(1999)の方法に基づいたPCRベース組立て反応において一連の重複プライマーを用いて作製した。この第2の戦略の例は、At−CTP2::アグロAS(F298W)::GFP融合タンパク質をコードする発現ベクターを含有するプラスミドpMON78832(図4)の作製である。
この第2の戦略の第1工程は、種々のCTPのそのN末端へのおよびGFPのそのC末端へのインフレーム融合物のために改変されたアグロAS(F298W)コード配列を含有するシャトルベクターを合成することである。この目的のために、当該技術分野で公知の方法を使い、鋳型としてpMON79961を、ならびにオリゴヌクレオチドプライマーAS5A(配列番号84)およびAS3’(配列番号63)を用いてPCR増幅反応を行った。アグロAS(F298W)コード配列を含有する得られた2.2kbPCR−産物は、アガロースゲル精製し、pCRIIベクターにライゲートし、InvitrogenTAクローニングキット(Invitrogen社製)を用いてコンピテントイー・コリ細胞に形質転換した。得られた中間プラスミドはWDRAPP01.0005と命名し、塩基配列を決定して、2.2kbPCR産物の存在を確認した。次に、2.2kb挿入物を、BamHIを用いてプラスミドWDRAPP01.0005から切り取り、プラスミドpBluescriptII SK+中のBamHI部位にクローン化して、プラスミドpMON82554を作製した。
この第2の戦略の第2工程は、At−CTP2−アグロAS(F298W)N末端コード配列の合成を含んでいた。この目的のために、表3に収載する以下の14オリゴヌクレオチドプライマーを調製した。
蒸留水に必要量を溶解させることにより、表5に記載する14オリゴヌクレオチドそれぞれに対して保存液(100μモル/L)を作製した。次に、オリゴヌクレオチド混合物(At−CTP2 N1オリゴミックス)を、5μlの各個別のオリゴヌクレオチド溶液を組み合わせることによって調製した。PCR増幅は以下の条件を用いて実施した。
一次PCR
ミックス1:
1マイクロリットルCTP2 N1オリゴミックス
1マイクロリットル4dNTPミックス(Roche社製、10ミリモル各)
23マイクロリットル水
ミックス2
6マイクロリットル 25mM MgCl
5マイクロリットルPCR緩衝液(w/out MgCl
0.75マイクロリットルExpand Hi−Fi酵素ミックス(Roche社製)
13.25マイクロリットル水
ミックス1およびミックス2は薄壁PCR管中で組み合わせ、PCR反応は以下のように実施した:
1)94℃/2分
2)94℃/30秒
3)45℃/30秒
4)72℃/30秒
5)さらに4回、工程2へ進む
6)72℃/2分
7)4℃/保持
二次PCR
ミックス3
1マイクロリットルの一次PCR反応物
1.5マイクロリットルN1−1オリゴ(10ピコモル/マイクロリットル)
1.5マイクロリットルN1−14オリゴ(10ピコモル/マイクロリットル)
1マイクロリットルdNTPミックス
20マイクロリットル水
ミックス4
6マイクロリットル 25mM MgCl
5マイクロリットルPCR緩衝液(w/out MgCl
0.75マイクロリットルExpand Hi−Fi酵素ミックス(Roche社製)
13.25マイクロリットル水
ミックス1およびミックス2は薄壁PCR管中で組み合わせ、PCR反応は以下のように実施した:
ミックス3およびミックス4は薄壁PCR管中で組み合わせ、PCR反応は以下のように実施した:
1)94℃/2分
2)94℃/30秒
3)55℃/30秒
4)72℃/30秒
5)さらに24回、工程2へ進む
6)72℃/2分
7)4℃/保持
上記のように、妥当なサイズ(〜0.3kb)の得られたPCR産物は、アガロースゲル精製し、pCRIIベクター(InvitrogenTAクローニングキット、Invitrogen社製)にライゲートした。その配列を確認したのち、プラスミドはNcoIおよびBsiWIで消化し、pMON82554にクローン化し、NcoIおよびBsiWI部位で以前取り除かれていたフラグメントを置き換えた。次に、得られた中間プラスミドはBamHIで消化し、その後pMON30098にクローン化するフラグメントを作製した。この得られたプラスミドベクターは、e35Sプロモーター::hsp70イントロン::At−CTP2:アグロAS(F298W)::GFP::nos3’UTR遺伝子エレメント(pMON78832;図4)を含んでいた。
各CTPのいくつかの変異体を、CTPの3’末端の3から20アミノ酸をコードする対応する成熟タンパク質のDNA配列を付加することによって上記の方法で構築した。CTP変異体を含有するpCRIIベクターごとに、pCRIIベクターのNcoIとBSiWI制限部位間のフラグメントを続いてベクターから取り除き、上記のpMON82554シャトルベクターのNcoIとBsiWI間にクローン化した。これらのベクターはそれぞれ、続いてBamHIで消化して、次に上記のpMON30098のBamHI部位にクローン化するフラグメントを作製し、最終プラスミドベクターの残りの遺伝子エレメントを提供した。GFPに融合させたこれらのCTP変異体およびベクターの残りの遺伝子エレメントを含有する最終プラスミドベクターは、その構築で使用したプライマーと一緒に表4に収載する。
アグロASおよび変異体の色素体への局在化
本実施例は、AS::GFP融合タンパク質の色素体標的における異なる葉緑体輸送ペプチド(CTP)の能力を予測するのに用いる2つの一過性発現アッセイシステムを説明する。これらのアッセイは、アントラニル酸合成酵素−緑色蛍光タンパク質(AS::GFP)融合物および実施例3に記載した融合物を含有するプロトプラストトランスフェクションベクターを利用する。
2つの一過性発現アッセイ法は、トウモロコシ細胞におけるAS::GFP融合タンパク質の局在化を予測するために開発された。中間スループットトウモロコシプロトプラストシステムを用いて、AS::GFP融合タンパク質を黄化したトウモロコシ葉細胞の色素体へ標的するその能力を求めて多くの異なったCTPをスクリーニングした。発生中のトウモロコシ胚中でタンパク質を発現する低スループットシステムを用いて、プロトプラストシステムにおいて見られる色素体局在化パターンを確証した。次に、これらの2つのアッセイからのデータを用いて、トランスジェニックトウモロコシ胚におけるアグロバクテリウムおよびシノリゾビウムASタンパク質の局在化を導く際の種々のCTPの能力を予測した。
一過性アッセイシステムで試験した構築物はすべて、e35Sプロモーター、hsp70(DnaK)イントロンおよびnos3’UTRを用いて各遺伝子を発現する共通のベクター骨格中の同一遺伝子エレメントで構築した。
一過性アッセイシステムが正しく機能していることを保証するため、対照プラスミドを構築した。細胞質ゾル局在化用の対照は、CTPのないGFP融合物(pMON30098;表2および5)、GFPへのアグロAS融合物(CTP付加なし)(pMON78818;表2および5)、ならびにZm−ASA2−CTPを欠く切断されたZm−ASA2−CTP::GFP融合物(pMON78822、表2および5)を含有するベクターであった。色素体局在化のために用いられる対照は、GFPに融合したトウモロコシASA2(pMON78820、表2および5)ならびにGFPに融合したAt−CTP2(pMON53173、表5)であった。2つの追加の対照、すなわちCTP1::GFP(pMON79960、表2および5)ならびにCTP1::アグロAS(F298W)::GFP(pMON79961、表2および5)を用いて、トランスジェニック植物からのデータを確かめた。これらのベクターそれぞれ由来のGFPまたはGFP融合タンパク質の局在化パターンは表5に報告している。前記データは、実施例1に記載する細胞分画結果も確証しており、CTP1::アグロAS(F298W)::GFP融合タンパク質の細胞質ゾル局在化、およびCTP1がアグロAS(F298W)を色素体へ標的することができないことを示していた。
実験の大半において、追加の対照は、試験するCTPごとに構築した。これらの対照は、GFPに直接融合している試験されたCTPからなっていた。例えば、Zm−ASA2::アグロAS::GFP融合物を試験するためのGFPに融合したZm−ASA2−CTP(pMON69771)である。試験したベクターすべての構築のための方法は実施例3に詳説している。
試験したCTPごとにいくつかの変異体を作製した。天然宿主タンパク質のCTPに付加したN末端アミノ酸の数を変えることにより、これらの変異体を識別した(表1)。例えば、Zm−ASA2−CTPシリーズにおいて、GFPに直接融合された実験的に決定されたCTP、ならびにCTPに隣接する成熟トウモロコシアントラニル酸合成酵素α2サブユニットのアミノ末端の領域から単離した、Zm−ASA2のN末端由来の5および18アミノ酸を含む2つの追加のバージョンを使用した。前記構築物は、表1ではZm−ASA2−CTP+5(配列番号8)およびZm−ASA2−CTP+18(配列番号9)と命名している。
一次試験として、表1に記載のCTP構築物は、黄化プロトプラストシステムにおいて評価した。葉葉肉プロトプラストは、当該技術分野で公知の方法を用いて黄化トウモロコシ実生から調製した(例えば、Sheen、1993を参照されたい)。
異なるベクターを当該技術分野では公知の方法を用いてプロトプラストにエレクトロポレートした。ほぼ18から24時間後、プロトプラスト細胞は、共焦点顕微鏡を用いてGFP蛍光を計測した。略言すると、アルゴンイオンレーザー、緑色および赤色ヘリウム−ネオンレーザー、およびカメレオンダイオード励起レーザー(Coherent社レーザー部門、サンタクララ、カリフォルニア)を装備したZeissレーザー走査型顕微鏡LSM510 META(Carl Zeiss MicroImaging社、トルンウッド、ニューヨーク)を用いて、顕微鏡観察を実施した。画像収集および解析は、LSM5画像エグザミナー、バージョン3.2.0.70(Carl Zeiss MicroImaging社、トルンウッド、ニューヨーク)を用いて実施した。画像処理はAdobe Photoshop CS、バージョン8.0(Adobe Systems社、サンノゼ、カリフォルニア)を用いて実施した。a)色素体のみ、b)細胞質ゾルのみ、およびc)色素体と細胞質ゾルの双方においてGFP蛍光を有することに関して、構築物ごとに少なくとも50細胞をスコア化した。
二次試験として、発生中のトウモロコシ胚組織において発現されるように設計した構築物を評価するために特定の一過性アッセイシステムを開発した。プロトプラストシステムにおいて、色素体のみ局在化を含有する形質転換された細胞の50%またはそれを超える点数を有することに基づいて、この試験により評価された構築物を選択した。上に詳説するように、追加の対照構築物も試験した。
胚は、受粉後(DAP)のほぼ14日目に、トウモロコシ、例えば、HiIIまたは自植親由来表面無菌化穂から単離した。約20〜30胚を0.2Mソルビトールおよび0.2Mマンニトールを補充したN6培養液を含有するペトリ皿に置いた(Chu、1978)。室温での4時間のインキュベーションに続いて、Biolistic(商標)PDS−1000/He粒子送達システム(Bio−Rad社製)を用いて、胚にDNAをコーティングした0.6μm金粒子を照射した。前記プレートには、破裂圧力1100psiおよび間隙距離1cmで、停止スクリーンから標的棚まで9cmで2度照射した。照射に続いて、上述のように、多光子共焦点顕微鏡により分析する前に、胚は暗所において一晩28℃でインキュベートした。プロトプラストシステムについて上記したように、試料につき少なくとも50細胞を計測し、スコア化した。
局在化アッセイの結果は表5に示している。結果は、視覚化に基づいて、以下の6つのCTP、すなわちZm−ASA2−CTP+18(配列番号9;pMON78824のCTP成分)、Rg−AS長−CTP(配列番号14;pMON78142のCTP成分)、Rg−AS短−CTP(配列番号13;pMON78143およびpMON78139のCTP成分)、At−CTP2(E/K)(配列番号2;pMON78833のCTP成分)、At−CTP2(E/K)+10(配列番号3;pMON78834のCTP成分)、およびZm−DHDPS−CTP+20(配列番号17;pMON69765のCTP成分)がアグロASをトウモロコシ胚細胞に効果的に標的することを示している。結果は、プロトプラスト一過性発現アッセイでも胚一過性発現アッセイでも、アッセイされた種々のCTPがすべて、AS::GFPを局在化する能力がポジティブであったわけではないことも示している。これらの結果は、実施例1に記載する結果を実証しており、単子葉植物の葉緑体に単量体ASタンパク質を首尾よく局在化し、したがって、上昇したトリプトファンレベルを生み出すために有用なCTPを同定する必要性を示している。
形質転換ベクターおよびトウモロコシ形質転換
本実施例は、種々の葉緑体輸送タンパク質と組み合わせた、野生型(wt)および突然変異対立遺伝子のアグロバクテリウム・ツメファンシスおよびリゾビウム・メリロティアントラニル酸合成酵素(AS)双方をコードする核酸配列を含有する形質転換ベクターの構築を説明する。本実施例は、本明細書に記載する形質転換ベクターを用いるトウモロコシの形質転換のためのプロトコールも提供する。
野生型アグロバクテリウム・ツメファンシスASを含有する形質転換ベクターの構築のために、ASコード配列を、XhoIで消化することによりプラスミドpMON66580から切り出し、マングビーンヌクレアーゼを用いて末端を平滑末端化し、次にBglIIで切断して、最初のフラグメントを単離した。トウモロコシオレオシンプロモーター、hsp70イントロン、およびTr7−3’−UTRを含有する第2のフラグメントを単離するために、プラスミドpMON69753をBglIIおよびSmaIで切断した。これら2つのフラグメントをライゲートしてpMON69754を作製した。Zm−ASA2−CTPを含有する最終形質転換ベクターを構築するために、pMON69754をXhoIで消化し、トウモロコシオレオシンプロモーター、hsp70イントロン、wtに融合したZm−ASA2−CTP、およびTr7−3’UTRを含有する精製したフラグメントを単離した。次に、このフラグメントは、同じくXhoIで消化していたベクターpMON78808にライゲートし、最終形質転換ベクターpMON69755を作製した(図6)。
アグロAS(F298W)突然変異対立遺伝子を含有する形質転換ベクターの構築のために、pMON66869をStuIおよびRsrIIで消化して、アグロAS(F298W)コード領域の一部を含有するフラグメントを単離した。同様に、pMON69754もStuIおよびRsrIIで消化して、トウモロコシオレオシンプロモーター、hsp70イントロン、コード領域の一部およびTr7 3’−UTRを含有する第2のフラグメントを単離した。得られたフラグメントをライゲートし、pMON69756を作製した。最終形質転換ベクターを構築するために、pMON69756をXhoIで消化し、トウモロコシオレオシンプロモーター、hsp70イントロン、アグロAS(F298W)に融合したZm−ASA2−CTP、およびTr7−3’UTRを含有するフラグメントを精製した。次に、このフラグメントをpMON78808のXhoI部位にライゲートし、pMON69757;配列番号215)を作製した。
アグロAS(S51F)コード領域(配列番号203)を含有する形質転換ベクターも同様に構築した。例えば、上記のプラスミドpMON69754は、BamHIおよびNcoIで消化してアグロASコード領域を取り除いた。プラスミドpMON58121もBamHIおよびNcoIで消化して、アグロAS(S51F)突然変異対立遺伝子を単離した。次に、得られたフラグメントをライゲートして中間プラスミドpMON69767を作製した。最終形質転換ベクターのpMON69768は、pMON69767をXhoIで消化し、pMON78808のXhoI部位で前記フラグメントをライゲートすることにより、上記のように構築した。
アグロAS(S51C)対立遺伝子を含有する形質転換ベクターの構築の例はpMON68065である。pMON68063はXhoI制限酵素で消化し、1.0%アガロースゲル上で分離し、Zmhsp70(Zm.DNAK)イントロンに融合したトウモロコシオレオシンプロモーター、アグロAS(S51C)対立遺伝子およびOs−gt1−3’UTRに対応する4569bpDNAフラグメントを前記ゲルより単離した。
pMON78808DNAもXhoI制限酵素で切断し、アルカリホスファターゼ酵素(New England Biolabs社製)を用いて脱リン酸化し、前記DNAはQIAGEN PCR精製キット(QIAGEN社製)を用いて精製した。pMON78808のXhoI消化DNAおよびpMON68063の4569bpXhoI消化DNAフラグメントを互いにライゲートして、pMON68065を作製した。
アグロAS(S51C)コドン最適化(アグロAS(S51C)−nno)対立遺伝子を含有する形質転換ベクターの構築の例は、pMON68066である。アグロAS(S51C)突然変異対立遺伝子のコドン最適化は、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許出願第11/503532号に記載のとおりに実施した。コドン最適化アグロAS(S51C)−nnoDNAは、BLUE HERON BIOTECHNOLOGYグループ(ボセル、ワシントン州、米国)が合成した。次に、前記合成DNAは、NcoIおよびBamHI制限酵素で消化し、1.0%アガロースゲル上で分離し、アグロAS(S51C)−nnoに対応する2193bpDNAフラグメントを前記ゲルから切り出し、上記のように精製した。pMON68063のDNAもNcoIおよびBamHI制限酵素で切断し、1.0%アガロースゲル上で分離した。単離した5244bpNcoI/BamHI消化DNAフラグメントは、アグロAS(S51C)突然変異対立遺伝子を除いて、pMON68063に記載するすべての遺伝子エレメントを含有する。ライゲーション反応は、NcoI/BamHI消化アグロAS(S51C)−nnoDNA(2193bpフラグメント)とpMON68063(5244bpDNAフラグメント)のDNAを混合することにより実施して、pMON68064を作製した。次に、pMON68064をXhoI制限酵素で消化し、1.0%アガロースゲル上で分離し、hsp70(Zm.DNAK)イントロンに融合したトウモロコシオレオシンプロモーター、アグロAS(S51C)−nnoおよびOs−gt1−3’UTRを含有する4532bpDNAフラグメントを上記のように精製した。pMON78808DNAのDNAもXhoI制限酵素で切断し、アルカリホスファターゼ酵素(New England Biolabs社製、ベヴァリー、マサチューセッツ)を用いて脱リン酸化し、QIAGEN PCR精製キット(QIAGEN社、ヴァレンシア、カリフォルニア)を用いて精製した。ライゲーション反応は、脱リン酸化XhoI切断pMON78808DNAとpMON68064の4532bpDNAフラグメントを混合することにより実施して、pMON68066を作製した。
プラスミドpMON69769を基本ベクターとして使い、類似のクローニング戦略を用いて、pMON82561(図7)、pMON78152(図8)、pMON78153(図9)、pMON82560(図10)、pMON69779(図11)、pMON78846、pMON78850、pMON78851、pMON68065、pMON69781、pMON94548、pMON94549、pMON97701、pMON97703およびpMON97705を含む種々の他の形質転換ベクターを作製した。
トウモロコシの形質転換
上記の形質転換ベクターは、基本的に米国特許出願公開第2005/0005327号に記載のとおりにトウモロコシに形質転換した。この特許文献は参照によりその全体を本明細書に組み込んでいるものとする。略言すると、未熟胚を含有する穂は受粉のほぼ10日後に収穫し、使用まで4℃で冷蔵した(収穫後最長5日間)。形質転換のこの方法に好ましい胚のサイズは〜1.5〜2.0mmである。このサイズには通常、平均温度87°F、GE1000ワット高圧ナトリウムランプにより供給される補助照明付きで日照時間14時間の生育条件付きの温室内で受粉の10日後に到達する。
未熟胚は表面無菌化穂から単離し、1.5mL微量遠心分離管内の調製したアグロバクテリウム細胞懸濁液に直接落とす。単離はほぼ5から60分間連続して持続する。代わりに、胚は5〜60分間で、播種培養液(アグロバクテリウムおよびアセトシリンゴンなし)に直接切り取り、続いて5〜30分間アグロバクテリウム細胞懸濁液を播種する。アグロバクテリウム細胞懸濁液を、先の細い無菌ホールピペットを用いて取り除いた後、未熟胚は、crn398共培養培地上に移す(表6)。次に、胚盤側を上に向けて、胚を培地上に置く。胚はほぼ14〜48時間暗インキュベーター(23℃)中で培養する。
次に、胚は、ペトリ皿(100mm×25mm)でアグロバクテリウムを阻害するために0.1mMグリフォセートおよび500mg/Lカルベニシリンを含有するカルス誘導培地(crn336、表6)上に移す。培養物は、暗培養室/インキュベーターにおいて30℃で2週間、続いてさらに1週間、暗培養室/インキュベーターにおいて27℃でインキュベートする。次に、カルス片はすべて、0.1mMグリフォセートおよび250mg/Lカルベニシリンを含有する第1再生培地(crn335、表6)上に個別に移す。培養物は、7から10日間、16時間明/8時間暗の光周期で27℃培養室において、この培地上で培養する。次に、ほぼ2から3週間、16時間明の27℃でペトリ皿(100mm×25mm)の第2再生培地(crn333、表6)に移す。次に、再生苗条と生体組織を有するカルス片はすべて、土壌に移すのに先立ってさらに培養するために、新たなcrn333プレートもしくはcrn334PHYTATRAY(表6)のいずれかに移す、または、発根培地(crn366、表6)を含有するサンデーカップに直接移す(ほぼ1から3週間)。再生培地(crn335、crn333およびcrn334)はすべて、250mg/Lカルベニシリンおよび0.1mMグリフォセートを含有する。
次に、小植物を土壌に移し、ほぼ1から2週間、27℃、80%湿度、および低強度光で栽培箱において慣れさせ、その後、温室に移して、標準温室条件の下で生育する。得られたカーネルを収集し、下記のように分析する。
トウモロコシカーネルにおけるASの免疫局在性およびトリプトファンの定量化のための方法
本実施例は、実施例5に記載するCTP−構築物で形質転換したトウモロコシ事象由来のカーネルにおける免疫局在性の研究および遊離トリプトファンレベルの定量化で使用される分析法を説明する。
異なる構築物を宿すF1段階トランスジェニック植物由来のカーネルは、26DAPで別々に収穫した。これらの構築物には、pMON69755(図6)、pMON69779(図11)、pMON82560(図10)、pMON82561(図7)、pMON78153(図9)およびpMON78152(図8)が挙げられた。8から10胚をこれらの構築物の各遺伝子導入系から単離し、3.7%ホルムアルデヒド溶液に固定し、下記の免疫標識試験により発現されたタンパク質の局在化を調べるために分析されるのに先立って4℃で貯蔵した。
ゲノムDNAも、DNeasy(商標)植物キット(カタログ番号69104、Qiagen社、ウォルサム、マサチューセッツ)を用いてこれらのトランスジェニックカーネルの胚乳から抽出した。PCR増幅を実行して、配列表においてそれぞれ配列番号226および配列番号227と命名されるオリゴヌクレオチドプライマートウモロコシAS2−5’およびトウモロコシAS2−3’を用いてポジティブおよびネガティブのカーネルを同定した。
上記のトウモロコシ胚は、500μl 0.05%TritonX−100中で30分間インキュベートした。胚盤組織切片を、サファイアナイフを備えたLeicaVT1000S振動刃ミクロトーム(Leica Microsystems有限責任会社、ヌスロッホ、独国)を用いて切片20μm厚に薄切りし、次に、10mMグリシンを含有するPBS緩衝液(137mM NaCl、3mM KCl、8mM NaHPOおよび1.5mM KHPO)で、洗浄ごとに10分間、3回洗浄した。
次に、組織切片を28℃で40分間、酵素混合液(4%ペクチナーゼ、2%セルラーゼ)中でインキュベートした。次に、アグロAS検出にはヤギ血清(Sigmaカタログ番号G−9023;Sigma Chemical Company社、セントルイス、ミズリー)を、トウモロコシASにはウサギ血清(SigmaR−9133)を用いて、前記組織を15分間無希釈血清でブロックした。次に、前記組織切片は、PBS緩衝液中1%ウサギ抗−hisアグロASまたはヤギ抗トウモロコシASのいずれかで、穏やかに攪拌しながら4℃で一晩インキュベートした。
一晩インキュベーション後、前記組織は、20分間10mMグリシンを含有するPBS緩衝液で洗浄し、室温で15分間それぞれの無希釈血清中で再びインキュベートした。次に、組織は室温で2時間、Alexaコンジュゲート二次抗体と共に暗所でインキュベートした。希釈係数は、アグロASタンパク質に対するAlexaFluor(登録商標)532(Molecular Probes社、ユージン、オレゴン)ヤギ抗ウサギコンジュゲート二次抗体で1:1000、およびZm ASタンパク質に対するAlexaFluor(登録商標)488(Molecular Probes社製)ウサギ抗ヤギで1:1000であった。インキュベーションに続いて、組織は、10mMグリシンを含有するPBSで、洗浄ごとに10分間、3回洗浄した。次に、組織は、攪拌しながら暗所で15分間、細胞壁用カルコフロールホワイト(Sigma社製)溶液(ストック中2.5mg/ml、蒸留水で1:50に希釈)および核用Hoechst染色(Molecular Probes社製)で対比染色した。次に、染色した組織は、マウンティングに先立って蒸留水で10分間洗浄した。
試料を、チャネルを混合して、アグロAS(543mmで赤色蛍光)と対照Zm AS抗体(488mmで緑色蛍光)の双方で探索すると、黄色の出現により色素体中のタンパク質の共局在化が示唆されたこと(データは示されず)を、結果は示している。
アミノ酸画分を抽出するため、30mgの轢いたカーネルを遠心分離用バイアルに入れた。1ミリリットルの5%トリクロロ酢酸を各試料に添加した。試料はボルテックスにより混合し、4℃で一晩置いた。次に、試料は再び混合し、14000rpmで15分間、微量遠心機で回転させた。次に、上澄みの一部を取り除き、HPLCバイアルに入れて密封した。試料は分析に先立って、4℃で保持した。
アミノ酸分析は、アジレント技術刊行物「Amino Acid Analysis Using Zorbax Eclipse−AAA Columns and the Agilent 1100 HPLC」3月17日、2000に記載される通りに実行した。分析では、アミノ酸をo−フタルジアルデヒド(OPA)で前誘導体化し、次に、逆相クロマトグラフィーによりOPAコンジュゲートを分離する。分離は、EclipseXDB−C18 5μm、4.6×150mmカラム、および流速1.2ml/分で、Agilent 1100シリーズHPLCシステム(Agilent社、パロアルト、カリフォルニア)を用いて行った。アミノ酸濃度は、蛍光:340nmで励起、450nmで発光、を用いて測定した。溶出は、表7に従ってHPLC緩衝液AおよびBの勾配を使い、HPLC緩衝液Aは40mM NaHPO、pH7.8およびHPLC緩衝液Bは9:9:2::メタノール:アセトニトリル:水であった。
アミノ酸標準は、0から100μg/mlの範囲の濃度で調製または購入した。プロリン分析は、9−フルオレニルメチル−クロロギ酸(FMOC)を用いる追加の誘導体化工程を必要とした。結果は、表8に示すように、ppmで報告した。
トウモロコシにおける遊離トリプトファンレベルの分析
本実施例は、実施例5に記載する発現ベクターで形質転換したトウモロコシ植物における遊離トリプトファンレベルの分析を説明する。
F1カーネルは実施例6に記載する遊離トリプトファンを分析した。下の表8に示す一部の形質転換植物からの結果は、一過性発現アッセイにおいてGFPを首尾よく標的する能力を示したCTP(データは表5に示す)は、形質転換植物においてより高レベルの遊離トリプトファンを有していたことを示している。さらに、色素体にGFPを局在化する能力を示さなかったCTPは、より低レベルの遊離トリプトファンを有していた。これらの結果は、すべてのCTPが、色素体への単量体ASの局在化を導いて、したがって、遊離トリプトファンレベルを高めることができるわけではないことを示している。
ミールおよび飼料生成物の製造
本実施例は、実施例5に記載されている発現ベクターを含有するミールおよび飼料生成物の製造のための方法を説明する。
本発明の植物またはその部分のどれでも、全トリプトファン含有量の高い飼料、ミール、タンパク質および油調製物を含む飼料、ミール、タンパク質または油調製物を製造するために加工してよい。この目的のために特に好ましい植物部分は種子である。好ましい実施形態では、飼料、ミール、タンパク質または油調製物は、家畜動物もしくは人間、または双方のために設計される。飼料、ミール、タンパク質および油調製物を製造するための方法は当該技術分野では公知である。例えば、米国特許第4957748号、米国特許第5100679号、米国特許第5219596号、米国特許第5936069号、米国特許第6005076号、米国特許第6146669号、および米国特許第6156227号を参照されたい。好ましい実施形態では、飼料、ミール、タンパク質または油調製物は、高トリプトファン調製物である。そのような高トリプトファン調製物は、好ましくは約200〜400ppmを超える、さらに好ましくは400〜600ppmを超える、はるかに好ましくは600〜800ppmを超えるトリプトファン含有量を有する。
CTP::AS導入遺伝子を検出するための方法
これは、トランスジェニック植物細胞、またはそのようなトランスジェニック植物細胞由来の飼料もしくはミール生成物における、本明細書に記載するCTP::AS配列組合せのいずれでも含有する構築物に属する独自の配列の存在を検出するために使用してよい方法を説明する。
CTP::AS DNAのPCR増幅
トランスジェニック植物細胞由来の、またはそのようなトランスジェニック植物細胞由来の飼料もしくはミール生成物由来のゲノムDNAは、製造元のプロトコールに従って、QIAGEN DNeasy(商標)植物ミニキット(カタログ番号69104、QIAGEN社)を用いて抽出できる。PCR反応混合物は、通常、約100mgの抽出ゲノムDNA、1X PCR反応緩衝液(Expand High Fidelity PCR system、カタログ番号1732641、Roche社、ナットレー、ニュージャージー)、0.2mM dNTP、5ピコモルの各プライマー、3.5ユニットのHigh Fidelity Taqポリメラーゼ酵素、および50μlの最終容量になるまでの水を含んでいてよい。例えば、配列番号228と配列番号229、または配列番号230と配列番号231のプライマー対を使えば、抽出DNAを増幅させて、pMON68066で形質転換した植物細胞のZm−ASA2+18−CTP::アグロAS構築物由来DNAに特徴的な単位複製配列を作製できる。反応混合物は、95℃での変性、60℃でのアニーリング、および72℃での伸長を35サイクル含んでいてよい種々の温度サイクルにかける。35サイクルのPCR後、約10μlの反応混合物を1.0%アガロースゲル上で分離する。2649塩基対フラグメント(プライマー対配列番号228と配列番号229での)または2735塩基対フラグメント(プライマー対配列番号230と配列番号231での)の存在は、植物細胞、飼料またはミール生成物が、AS対立遺伝子に融合したZm−ASA2+18−CTPを含むことを示している。本明細書に記載する他のCTP::AS配列組合せのいずれでも含有する構築物に属する独自の配列の検出に有用であると考えられる追加のPCRプライマー対を認識し設計するのは、十分に当業者の手段内である。
ここで開示し特許請求する材料および方法はすべて、上記の開示により教示されるように、過度の実験を行うことなく、作製し使用できる。本発明の材料および方法を、好ましい実施形態および実施例において説明してきたが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する材料および方法に改変を適用してよいことは当業者には明らかであろう。当業者には明らかなそのような類似の代替形態および修正形態はすべて、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神、範囲および概念内にあると見なされる。
参考文献
本明細書に記載されたものに補足する例示的手順または他の詳細を提供する範囲まで、以下の参考文献をここに出典明示して特に本明細書の一部とみなす
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Claims (23)

  1. 単量体アントラニル酸合成酵素に融合した葉緑体輸送ペプチドをコードするポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターであって、
    a)葉緑体輸送ペプチドは、配列番号21、配列番号22、配列番号28、配列番号32、配列番号33、もしくは配列番号36のポリペプチド配列を含み、または
    b)葉緑体輸送ペプチドをコードするポリヌクレオチド分子は、配列番号2、配列番号3、配列番号9、配列番号13、配列番号14、もしくは配列番号17を含み、
    前記葉緑体輸送ペプチドが、CTP1による前記アントラニル酸合成酵素の標的化と比較した場合、植物細胞の葉緑体への前記単量体アントラニル酸合成酵素の標的化の増強を供し、前記ポリヌクレオチド分子が、同一遺伝子型ではあるが前記ポリヌクレオチド分子を欠く植物細胞と比較した場合、前記ポリヌクレオチド分子を含むトランスジェニック植物細胞において少なくとも1個のアミノ酸のレベルの増強を供する発現ベクター。
  2. 前記単量体アントラニル酸合成酵素がトリプトファンに対してフィードバック非感受性である、請求項1記載の発現ベクター。
  3. 前記単量体アントラニル酸合成酵素が、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、および配列番号212を含む群から選択されるポリペプチド配列を含む、請求項2記載の発現ベクター。
  4. 配列番号213または配列番号214の核酸配列を含むと定義される、請求項1記載の発現ベクター。
  5. 単量体アントラニル酸合成酵素に融合した葉緑体輸送ペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結された、植物において機能的なプロモーターをさらに含む、請求項2記載の発現ベクター。
  6. 前記プロモーターが、構成的、誘導性、種子特異的、または組織選択的プロモーターである、請求項5記載の発現ベクター。
  7. 葉緑体輸送ペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが配列番号9を含み、単量体アントラニル酸合成酵素をコードする前記ポリヌクレオチドが配列番号207を含む、請求項5記載の発現ベクター。
  8. 請求項1記載の発現ベクターで形質転換されたトランスジェニック細胞。
  9. 植物細胞として定義される、請求項8記載のトランスジェニック細胞。
  10. 単子葉植物細胞として定義される、請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  11. 双子葉植物細胞として定義される、請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  12. 前記単量体アントラニル酸合成酵素が、配列番号200、配列番号202、配列番号204、配列番号206、配列番号208、配列番号210、および配列番号212よりなる群から選択されるポリペプチド配列を含む、請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  13. 単量体アントラニル酸合成酵素に融合した葉緑体輸送ペプチドをコードする前記ポリヌクレオチド分子に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  14. 前記プロモーターが、構成的、誘導性、種子特異的、および組織選択的プロモーターよりなる群から選択される請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  15. 前記トランスジェニック植物細胞がトウモロコシ細胞である、請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  16. 葉緑体輸送ペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが配列番号9を含み、単量体アントラニル酸合成酵素をコードする前記ポリヌクレオチドが配列番号207を含む、請求項9記載のトランスジェニック植物細胞。
  17. 単子葉植物の種子における遊離トリプトファンのレベルを増加させる方法であって、請求項1記載の発現ベクターを植物細胞で発現させることを含み、前記葉緑体輸送ペプチドが前記単量体アントラニル酸合成酵素を前記植物細胞の色素体に区分できることを特徴とする方法。
  18. 請求項1記載の発現ベクターで形質転換されたトランスジェニック植物。
  19. 種子が前記発現ベクターを含む、請求項18記載の植物の種子。
  20. 請求項19記載の種子をミール、タンパク質または油に加工することを含む、栄養的に増強されたトウモロコシ飼料生成物を製造する方法。
  21. 請求項20記載の方法により製造される飼料生成物。
  22. 配列番号21、配列番号22、配列番号28、配列番号32、配列番号33、配列番号36よりなる群から選択されるポリペプチド配列をコードするポリヌクレオチド分子を含有する、請求項21記載の飼料生成物。
  23. DNA増幅法において試験される場合、請求項1記載の発現ベクターに特徴的な単位複製配列を産生する核酸を含む、請求項21記載の飼料生成物。
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