JP2010288246A - 音響変調方法、音響復調方法、変調装置、復調装置および通信システム - Google Patents

音響変調方法、音響復調方法、変調装置、復調装置および通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】音波を媒体とし、簡易な構成で情報を伝送するための音響変調・復調方法を提供する。
【解決手段】変調側は、データ符号で拡散符号を変調し、この変調された拡散符号を差動符号化する。この差動符号をキャリア信号と乗算して周波数シフトし変調信号として出力する。差動符号はアップサンプリングしてもよく、変調信号は他の音響信号とミキシングしてもよい。復調側は、変調信号を入力し、該変調信号を差動符号1チップ分の遅延時間で遅延検波する。この遅延検波された信号波形と、前記拡散符号との同期を検出し、検出された同期点のピーク極性に基づき前記データ符号を復調する。
【選択図】図2

Description

この発明は、主として音響を用いて符号を伝送するための音響変調方法、音響復調方法、変調装置、復調装置および通信システムに関する。
音響を伝送媒体に利用する符号伝送技術としては、特許文献1、2に示すようなものがある。特許文献1の方式は、可聴音帯域の搬送波をベースバンド信号で変調し、この変調信号をマスカー音に埋め込んで聴こえにくくして伝送する方式である。特許文献2の方式は、振幅変調を用いて音声信号に電子透かし埋め込む方式である。
特開2007−104598号公報
特開2006−251676号公報
いずれの方式も空気中を伝搬する音響(音波)を用いて情報を伝達する方式であるため、送信装置(スピーカ)や受信装置(マイク)の移動によるドップラーシフトや、送信側と受信側のクロックのずれが問題となる。特に、音波は約340m/秒と電波に比べて伝搬速度が極めて低速であるため、たとえば、受信装置を所持した者が歩行したり腕を振る程度の動作でも大きなドップラーシフトが生じる。
特許文献1の方式では、ドップラーシフトへの対処として、送信側で付加されたパイロット信号の周波数遷移を受信側で検出してリサンプリング処理を行っている。これは送信信号にパイロット信号を付加することが必須となるだけでなく、受信側においてリサンプリング処理が必要になるという欠点があった。特に、リサンプリング処理は負荷が重いため、受信装置のコスト増の要因にもなっていた。
また、特許文献2の方式は振幅変調であるため、送信される音波に周波数情報が付加されておらず、ドップラーシフトが発生した場合に対処することができないという問題点があった。
この発明は、主として音波を媒体とし、簡易な構成で情報の伝送が可能な音響変調方法、音響復調方法、変調装置、復調装置および通信システムを提供することを目的とする。
請求項1の発明である音響変調方法は、データ符号で拡散符号を変調することにより、前記データ符号を拡散する拡散処理手順、前記データ符号で変調された前記拡散符号を差動符号化する差動符号化手順、前記差動符号をキャリア信号と乗算して周波数シフトし、変調信号として出力する変調手順、を行うことを特徴とする。
請求項2の発明は、前記差動符号化手順ののち、前記差動符号をアップサンプリングするアップサンプリング手順を行い、前記変調手順は、アップサンプリングされた差動符号を前記キャリア信号と乗算することを特徴とする。
請求項3の発明は、前記変調信号を可聴周波数帯域の音響信号とミキシングして出力する合成手順をさらに行うことを特徴とする。
請求項4の発明である音響復調方法は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の変調信号を入力し、該変調信号を前記差動符号1チップ分の遅延時間で遅延検波する遅延検波手順、前記遅延検波された信号波形と、前記拡散符号との同期点を検出する同期検出手順、検出された同期点のピーク極性に基づき前記データ符号を復調する復調手順、を行うことを特徴とする。
請求項5の発明である送信装置は、データ符号で拡散符号を変調することにより、前記データ符号を拡散する拡散処理部と、
前記データ符号で変調された前記拡散符号を差動符号化する差動符号化部と、
前記差動符号をキャリア信号と乗算して周波数シフトし、変調信号として出力する変調部と、
を備えた変調装置。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記差動符号化部と前記変調部との間に、前記差動符号をアップサンプリングするアップサンプリング部をさらに備えたことを特徴とする。
請求項7の発明である復調装置は、前記データ符号で変調された拡散符号を差動符号に変換した変調信号を含む音響信号を入力する音響信号入力部と、サンプリングタイミングごとに、前記変調信号と、前記変調信号を前記差動符号の1チップ分遅延した信号とを乗算する遅延検波部と、前記遅延検波部が出力した信号と前記拡散符号との相関値を検出する相関検出部と、前記拡散符号の1周期ごとに前記相関値のピークを検出するピーク検出部と、該ピーク検出部が検出したピーク値に基づいて前記差動符号に重畳されていたデータ符号を復調する符号判定部と、を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明である通信システムは、請求項5または請求項6に記載の変調装置と、該変調装置が出力した変調信号を媒質中に放音する放音部と、を備えた送信装置と、前記媒質中を伝搬する音響信号を収音する収音部と、請求項7に記載の復調装置と、を備えた受信装置と、からなることを特徴とする。
この発明では、送信するデータ符号を拡散符号で拡散処理する。拡散符号は、たとえばM系列の擬似ノイズ符号等を用いればよい。拡散することにより、環境音や他の音響信号が存在しSN比が悪い環境でも信頼度の高いデータ符号の伝送が可能になる。また、この拡散符号を差動符号化して差動符号列を生成する。差動符号化することにより、受信側に送信側と正確に同期したクロックが無くても、符号列の各チップの符号の反転の有無を用いて元の拡散符号を復調することが可能になる。さらに、この差動符号を変調することにより周波数をシフトする。周波数をシフトすることにより、差動符号の帯域が、ベースバンドから、音響として放音・伝送可能な周波数帯域にシフトされる。
また、差動符号を可聴帯域より高域にシフトすることにより、楽音などの音響信号とミキシングして放音することが可能になる。ミキシングする音響信号は適宜高音域をカットして変調信号と重ならないようにすればよい。
また、差動符号をアップサンプリングすることにより、受信側において、同期ずれをアップサンプリングされた信号のチップ単位で細かく吸収することができ、差動符号1チップ分全体がずれてしまうことがなくなり、ドップラーシフト等の周波数偏移を高精度に吸収することが可能になる。
以上のような手法により、変調・復調ともに、周波数領域の処理を必要としない時間領域のみの処理、すなわち少ない処理負荷で、ドップラーシフト等の周波数偏移や外乱に対して高耐性の堅牢な情報伝送が可能となる。
また、本発明では、データ符号をホワイトノイズ的な拡散符号で拡散処理して伝送しているため、耳に付きやすい正弦波を使うシングルキャリア方式や、位相や振幅が不連続に変化することによるノイズが発生するマルチキャリア方式に比べて聴感上の違和感は大幅に軽減される。さらに、変調信号を人の聴覚感度が鈍くなる高域にシフトさせ、且つ、中低音域に音響信号をミキシングすることにより、聴感上の違和感はより改善される。
この発明によれば、音響として送信されたデータ符号にドップラーシフトが発生して信号の周波数が変動しても、その影響を受けることなく安定した復調が可能となる。
また、データ符号を音響信号とミキシングすることにより、空間放音した場合でも聴感上違和感の少ない情報の伝送が可能になる。
この発明が適用される音響通信システムの送信装置、受信装置の構成を示す図 前記送信装置のデータ重畳部の構成を示す図 拡散処理および差動符号化の波形例を示す図 データ重畳部の各部のスペクトル例を示す図 前記受信装置の復調部の構成を示す図 HPFおよび遅延検波の出力波形例を示す図 LPFおよび整合フィルタの出力波形例を示す図
図面を参照してこの発明の実施形態である音響通信方式および音響通信システムについて説明する。
≪音響通信システム≫
図1は、この発明の実施形態である音響通信システムの構成を示す図である。この音響通信システムは、送信装置1、受信装置2で構成される。
送信装置1は、データ重畳部10、アナログ回路部11およびスピーカ12を有している。データ重畳部10はデータ符号Dを拡散処理して音響信号Sの高音域に重畳する回路部である。データ重畳部10の構成および動作の詳細は後述する。
アナログ回路部11は、D/Aコンバータおよびオーディオアンプを含み、データ重畳部10から出力されたデジタルの合成信号をアナログ信号に変換し、増幅してスピーカ12に供給する。スピーカ12は、アナログ回路部11から入力された合成信号を音響として放音する。放音された合成信号音は空間を伝搬して受信装置2のマイク22へ到達する。
受信装置2は、マイク22、アナログ回路部23、復調部21を有している。アナログ回路部23は、マイク22が収音した音声信号を増幅するアンプ、オーディオ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータを有している。復調部21は、収音した音声信号に含まれている拡散信号を検出し、その拡散信号に重畳されているデータ符号Dを復調する回路部である。復調部21の構成および動作の詳細は後述する。
≪データ重畳部≫
図2(A)は、送信装置1のデータ重畳部10の構成例を示す図である。音響信号入力部31から入力された音響信号S(音楽、音声など)は、LPF32によって高域がカットされる。LPF32のカットオフ周波数は、聴感と変調信号に割り当てる帯域幅に基づいて決定される。カットオフ周波数を低くしすぎると音響信号Sの音質が劣化する。同時に、低いカットオフ周波数に合わせて変調信号の帯域周波数を下げると、変調信号が聴取者の聴感上耳に付きやすくなる(ラウドネスが大きくなる)。逆に、LPF32のカットオフ周波数を高くしすぎると、変調信号の帯域を広くすることができず、データ符号の伝送品質が低下する。したがって、LPF32のカットオフ周波数は、LPF32を通過させた音響信号の聴感評価および要求される変調信号の帯域幅等を考慮して決定される。
LPF38で高域をカットされた音響信号Sはゲイン調整部33によって利得が調整される。利得が調整された音響信号Sは加算器34に入力される。なお、入力された音響信号が中低音帯域のみ周波数成分を有し、高音帯域に成分が存在しないような信号の場合には、LPF32は省略してもよい。
データ符号Dはデータ符号入力部35から入力される。拡散符号発生部36は拡散符号を発生する。拡散符号としては、M系列等の一定の巡回周期を持つ擬似乱数符号列が用いられる。データ符号入力部35から入力されるデータ符号Dは、1シンボル周期が拡散符号の1巡回周期と一致するように周期が調整される。
乗算器37は、データ符号Dと拡散符号PNとを乗算する。この処理は、一般的に拡散と呼ばれる処理である。この拡散処理により、データ符号Dの値(1/0)によって拡散符号PNが巡回周期毎に位相変調されるとともに、データ符号Dの周波数スペクトルが拡散される。
乗算器37によりデータ符号Dで変調された拡散符号MPNは、差動符号化部38によって差動符号DMPNに変換される。差動符号化処理は、拡散符号の各チップの値をその絶対値から前チップからの変化を表す値に置き換える処理である。この差動符号化により、受信側(後で詳述)において、送信側に正確に同期したクロックが無くても、遅延検波を用いて高精度にシンボルを復調することができる。
図2(B)は差動符号化部38の例を示す図である。差動符号化部38は、拡散符号MPNが一方の入力端子に入力されるXOR回路45と、XOR回路45の出力を1チップ遅延してXOR回路45の他方の入力端子に戻す1チップ遅延回路46で構成されている。XOR回路45の出力を1チップ遅延してフィードバックすることにより、XOR回路45は、入力された拡散符号MPNとXOR回路45の1クロック前の出力との比較結果を差動符号DMPNとして出力する。すなわち、拡散符号MPNの各チップの絶対値が、差動符号DMPNでは、直前の差動符号DMPNのチップとの位相変化の有無に置き換えられる。これにより、受信側において、連続する2チップを比較することにより拡散符号MPNを復元することができる。
図3に、上記データ符号D、拡散符号PN,MPN,DMPNの波形例を示す。同図(A)が拡散符号発生部36が発生した拡散符号PNである。同図(B)がデータ符号入力部35によって入力されたデータ符号Dである。同図(C)がデータ符号Dで巡回周期ごとに位相変調された拡散符号MPNである。同図に示すデータ符号列Dは“10”であるため、拡散符号MPNの1周期目は位相が正転、2周期目は位相が反転している。同図(D)は変調された拡散符号MPNを差動符号化した符号列(差動符号)DMPNである。この符号列は、拡散符号MPNの各チップの値と直前のチップの差動符号DMPNの値との比較結果(排他的論理和)による値である。なお、差動符号DMPNは、−1,1の2値の信号に変換される。
2値信号化された差動符号DMPNは、アップサンプリング部39に入力される。アップサンプリング部39は、入力された符号列をアップサンプリングする。拡散符号発生部36が発生した拡散符号PNのチップレートとこのアップサンプリング部39におけるアップサンプリング率により、送信(放音)される拡散符号のチップレートおよび帯域幅が決定される。
図2(B)にもどって、アップサンプリング処理された信号(差動符号DMPN)は、LPF40に入力される。LPF40は、ベースバンド信号の帯域を制限し、チップ間干渉を抑制しつつベースバンド信号の帯域を制限するフィルタでありナイキストフィルタと呼ばれるものである。ナイキストフィルタは、インパルス応答がシンボル・レートでリングする(0を通過する)特性を有するフィルタであり、一般的にコサイン・ロールオフ・フィルタと呼ばれるFIRフィルタで構成される。フィルタの次数、ロールオフ率α等は、適用する条件等に応じて決定される。
なお、この実施形態では、受信側においてもLPF54でフィルタリングを行うため、このLPF40と受信側のLPF54で完全なナイキストフィルタとなるように、それぞれが、ルートレイズド・コサイン・ロールオフ・フィルタで構成される。
LPF40によって帯域制限、波形整形された信号は乗算器42においてキャリア(搬送波)信号と乗算され、高域へ周波数シフトされる。キャリア信号発生部41が発生するキャリア信号の周波数は任意であるが、周波数シフトされた拡散符号の帯域がLPF32のカットオフ周波数以上で、スピーカ、マイク等の音響機器の可動周波数帯域、および、信号圧縮を含むデジタル信号処理部(CODEC)の符号化周波数帯域の範囲に納まるように設定する。
すなわち、キャリア信号の周波数を低くすると、変調信号成分が聴感上耳に付きやすくなるとともに、変調信号に音響信号が混入して伝送品質が悪化するおそれがある。また、キャリア信号の周波数を高くしすぎると、スピーカ、マイク等の高域特性の劣化やCODECの符号化周波数帯域から外れることによって波形が歪み伝送品質が低下する可能性があるとともに、変調信号帯域がナイキスト周波数を越えた場合には、折り返し歪みが混入するおそれがある。
すなわち、拡散信号の帯域幅(チップレート)およびキャリア信号の周波数は、以下の条件を満たすようにする。アップサンプリング後の変調信号の帯域幅をfBW、サンプリング周波数をfs、LPF32のカットオフ周波数をfc、キャリア信号の周波数をfaとすると、下式の条件を満たす必要がある。
Figure 2010288246
高域へ周波数シフトされた変調信号MDMPNはゲイン調整部43によってゲイン調整される。ゲイン調整された変調信号MDMPNは加算器34で音響信号Sと加算合成される。この合成信号が外部に出力される。ゲイン調整部43のゲインは、適用する環境やシステムで許される放音音圧レベル、要求される伝播距離、聴感評価等に基づいて決定される。なお、ゲイン調整部43のゲインを、LPF32から出力される音響信号Sのレベルに応じて適応的に制御してもよい。例えば、音響信号Sのレベルが大きい場合には、マスキング効果が期待できるので変調信号MDMPNのレベルも上げて雑音に対する利得を上げ、音響信号Sのレベルが小さい場合には、音響信号Sの聴感が悪化しないように変調信号MDMPNのレベルを下げると言う制御をすることも可能である。
図4は、データ重畳部10の各ブロックにおける周波数スペクトルの概要を例示する図である。同図(A)は音響信号入力部31に入力される音響信号Sの周波数スペクトルを示す図である。同図(B)は、LPF32によって高音域がカットされた音響信号Sの周波数スペクトルを示す図である。LPF32のカットオフ周波数fcは、対象となる聴衆の聴覚特性に合わせて、たとえば十数kHz程度に設定される。
同図(C)は、LPF(ナイキストフィルタ)40から出力された(帯域制限された)差動符号DMPNおよびキャリア信号(周波数faの正弦波)の周波数スペクトルを示す図である。同図(D)はキャリア信号と差動符号DMPNとを乗算した変調信号MDMPNを示す図である。この例は実数乗算した例であるため、キャリア信号の両側に帯域(側波帯)が形成されている。
同図(E)が加算器34から出力される合成信号である。この合成信号は、ゲイン調整部33から出力された音響信号Sとゲイン調整部43から出力された変調信号MDMPNとを加算合成した信号である。この合成信号がアナログ回路部11でオーディオ信号に変換され、スピーカ12から空間放音される。また、アナログ信号として有線や無線のオーディオ信号伝送路を通して伝送することも可能である。
≪復調部≫
図5は、受信装置2の復調部21の構成例を示す図である。復調部21には、マイク22で収音され、アナログ回路部23でA/D変換された合成信号が入力される。入力された合成信号は、HPF51に入力される。HPF51は合成信号から音響信号成分を除去し、キャリア信号で周波数シフトされた拡散信号成分MDMPNを取り出すためのフィルタである。HPF51のカットオフ周波数は、変調信号帯域の下限周波数(fa−fBW/2(図4(E)参照))に設定される。HPF51によって抽出された変調信号MDMPNは、遅延器52および乗算器53に入力される。遅延器52の遅延時間は、送信側においてアップサンプリングされた拡散符号の1チップ分の時間に設定されている。たとえば、N倍にアップサンプリングされている場合には、遅延器52の遅延量もNサンプル分となる。乗算器53は、HPF53の1チップ分のサンプルと、遅延器52の1チップ分のサンプルとを乗算する。この処理が上述した遅延検波処理である。この遅延検波処理によって、差動符号化された信号MDMPNが、元の拡散符号MPNを含む信号に変換される。
図6(A)にHPF51の出力波形例、図6(B)に乗算器53の出力波形例を示す。同図(A)の波形では、キャリア信号の包絡線が、LPF40で帯域制限された(滑らかな波形に変形された)差動符号DMPNの形状になっている。一方、同図(B)の波形では、キャリア信号の包絡線が、データ符号Dで変調された拡散符号MPNの形状になっている。
なお、この図に示した遅延器52、乗算器53による遅延検波で復号された符号波形は、送信側の差動符号化部38で差動符号化される前の符号波形と正負が反転している。正負が反転した信号として取り扱えば問題ないが、必要に応じてインバータ等を挿入してもよい。
この遅延検波処理の特徴は、復調時にキャリア信号の再生を必要としない点である。このように、送信側に差動符号化、受信側に遅延検波を採用することにより、周波数変動に対して堅牢で、処理負荷も少ない通信システムを構築することが可能になる。
乗算器53の乗算出力は、LPF54に入力される。LPF54は、キャリア成分をフィルタリングしてベースバンド信号を抽出するとともに、余計な雑音をフィルタリングしてSN比を向上させるためのフィルタであり、送信側で使用したLPF(ナイキストフィルタ)40と同様の特性のものである。なお、上述したように、変調部のLPF40とこのLPF54とを合わせて完全なナイキストフィルタ特性となるようにそれぞれルート特性のフィルタとされている。
図7(A)はLPF54の出力波形の一例を示す図である。なお、この出力波形と図6に示した波形とは切り出し箇所が異なっており、波形は一致しない。
LPF54の出力は、整合フィルタ55へ入力される。整合フィルタ55は、送信側でデータ符号の拡散に使用した拡散符号PNを係数に持つFIRフィルタで構成される。係数に使用する拡散符号のチップレートは、送信側におけるアップサンプリング後のチップレートと同じである。すなわち、同じ拡散符号PNの同じ符号が、整合フィルタ55において、アップサンプリング率分繰り返すことになる。
整合フィルタ55は、図7(A)に示すLPF54の出力波形と拡散符号PNとの畳み込み演算を実行し、LPF54の出力波形と拡散符号PNとの相関値を出力する。図7(B)は整合フィルタ55の出力波形の一例を示す図である。伝送路で受けた妨害や雑音は、拡散符号とは相関が低いため、整合フィルタが出力する相関値に大きな影響を与えない。よって、拡散処理により、外乱に強い伝送が可能となる。
相関値は、拡散符号PNの周期で強い相関ピーク示し、そのピークの位相は、送信シンボルによって位相変調されているため、送信シンボルの1、−1に対応して、正のピーク、負のピークが現れる。整合フィルタ55の出力は、ピーク検出部56へ入力される。ピーク検出部56は、拡散符号PNの周期付近の大きなピークを検出し、相関ピークとする。検出された相関ピークは、符号判定部57へ入力される。符号判定部57は、ピーク位相からシンボルを復号し、これをデータ符号Dとして出力する。
以上のような構成によって、聴感上少ない違和感で音響信号に符号変調信号を重畳し空間放音伝送しても、周波数変動や妨害に対して高い堅牢性を持つ音響伝送システムを、比較的軽い処理負荷で実現することが可能である。
≪尚書き≫
上記実施形態では、エラー訂正符号の付加等については記載していないが、送信装置側でエラー訂正やインターリーブ等を使用した場合には、受信装置側で、受信シンボルに対してそれらの処理を追加すればよい。
なお、上記実施形態では、キャリア信号と差動符号DMPNとの乗算を実数領域の演算で行っているが、ヒルベルト変換によりキャリア信号を複素数に変換し、複素領域での乗算で差動符号DMPNの帯域シフトをしてもよい。その場合、シフト後の変調信号帯域は単側波帯となるので、上記[数1]に示した条件は下記[数2]に変化する。
Figure 2010288246
1 受信装置
2 送信装置
10 データ重畳部
21 復調部
32 LPF
37 乗算器(拡散処理)
38 差動符号化部
42 乗算器(変調部)
52 遅延部
53 乗算器

Claims (8)

  1. データ符号で拡散符号を変調することにより、前記データ符号を拡散する拡散処理手順、
    前記データ符号で変調された前記拡散符号を差動符号化する差動符号化手順、
    前記差動符号をキャリア信号と乗算して周波数シフトし、変調信号として出力する変調手順、
    を行うことを特徴とする音響変調方法。
  2. 前記差動符号化手順ののち、前記差動符号をアップサンプリングするアップサンプリング手順を行い、前記変調手順は、アップサンプリングされた差動符号を前記キャリア信号と乗算する請求項1に記載の音響変調方法。
  3. 前記変調信号を可聴周波数帯域の音響信号とミキシングして出力する合成手順をさらに行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音響変調方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の変調信号を入力し、該変調信号を前記差動符号1チップ分の遅延時間で遅延検波する遅延検波手順、
    前記遅延検波された信号波形と、前記拡散符号との同期点を検出する同期検出手順、
    検出された同期点のピーク極性に基づき前記データ符号を復調する復調手順、
    を行うことを特徴とする音響復調方法。
  5. データ符号で拡散符号を変調することにより、前記データ符号を拡散する拡散処理部と、
    前記データ符号で変調された前記拡散符号を差動符号化する差動符号化部と、
    前記差動符号をキャリア信号と乗算して周波数シフトし、変調信号として出力する変調部と、
    を備えた変調装置。
  6. 前記差動符号化部と前記変調部との間に、前記差動符号をアップサンプリングするアップサンプリング部をさらに備えた請求項5に記載の変調装置。
  7. 前記データ符号で変調された拡散符号を差動符号に変換した変調信号を含む音響信号を入力する音響信号入力部と、
    サンプリングタイミングごとに、前記変調信号と、前記変調信号を前記差動符号の1チップ分遅延した信号とを乗算する遅延検波部と、
    前記遅延検波部が出力した信号と前記拡散符号との相関値を検出する相関検出部と、
    前記拡散符号の1周期ごとに前記相関値のピークを検出するピーク検出部と、
    該ピーク検出部が検出したピーク値に基づいて前記差動符号に重畳されていたデータ符号を復調する符号判定部と、
    を備えた復調装置。
  8. 請求項5または請求項6に記載の変調装置と、
    該変調装置が出力した変調信号を媒質中に放音する放音部と、
    を備えた送信装置と、
    前記媒質中を伝搬する音響信号を収音する収音部と、
    請求項7に記載の復調装置と、
    を備えた受信装置と、
    からなる通信システム。
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