JP2010287526A - 非水電解質二次電池用負極活物質、それを用いた非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用負極活物質、それを用いた非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量で、低温環境下においても高い充放電容量と優れたサイクル特性とを発揮し得る負極活物質と、この負極活物質を用いた負極および非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
【解決手段】非水電解質二次電池の負極活物質として、希土類元素と鉄とを含有し、さらに任意にTi、V、Cr、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移元素を含有する、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な複合酸化物を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、詳しくは、非水電解質二次電池に用いられる負極活物質の改良に関する。
二次電池は、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、電動工具、ハイブリッドカー、電気自動車などにおける駆動用電源として、あるいは、非常用電源や負荷平準用電源として用いられている。二次電池は、放電容量の増加、高エネルギー密度化、充放電特性やサイクル特性の向上の観点より改良が進められており、このような観点より、非水電解質二次電池、特に、リチウムイオン電池への期待が高まっている。
非水電解質二次電池は、負極活物質を含む負極、正極活物質を含む正極、負極と正極との間に介在されるセパレータ、および非水電解質を備えている。一般に、負極活物質には、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な炭素材料が用いられており、このような炭素材料として、結晶質の黒鉛や難黒鉛化炭素が知られている(特許文献1および2)。
また、炭素材料に代わる負極活物質として、リチウムと遷移元素との複合酸化物が検討されており、特許文献3には、リチウム−バナジウム複合酸化物が提案されている。
特開2000−260479号公報 特開2000−200624号公報 特開2003−68305号公報
しかしながら、黒鉛や難黒鉛化炭素は、リチウム電極(Li/Li+)を基準とする電位(vs.Li/Li+)が0.1V前後と低い。しかも、ハイレート充放電時、とりわけ0℃以下の低温環境下におけるハイレート充放電時には、分極が起こりやすい。このため、黒鉛や難黒鉛化炭素を活物質とする負極はその表面に金属リチウムが析出して、デンドライト(樹枝状結晶)を形成しやすく、これによって電池の充放電容量やサイクル特性が低下する。しかも、負極表面に析出した金属リチウムは、セパレータを貫通するおそれがあり、正極との短絡によって発熱するなど、電池の信頼性が低下する原因となる。
一方、リチウム−バナジウム複合酸化物は、電位が0.3V(vs.Li/Li+)であって、黒鉛や難黒鉛化炭素に比べて大きい。しかしながら、ハイレート充放電時には分極が起こりやすく、リチウム−バナジウム複合酸化物を活物質とする負極の表面に金属リチウムが析出しやすくなるという、黒鉛や難黒鉛化炭素と同様の不具合が生じる。また、リチウム−バナジウム複合酸化物は、リチウムの吸蔵および放出に伴う体積変化が大きいためにサイクル特性が低く、しかも、充放電容量が小さい。
そこで、本発明は、高容量で、低温環境下においても高い充放電容量と優れたサイクル特性とを発揮し得る負極活物質と、この負極活物質を用いた非水電解質二次電池用負極および非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、希土類元素と鉄とを含有する、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な複合酸化物を含んでいる。
希土類元素と鉄とを含有する、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な複合酸化物(以下、「希土類−鉄複合酸化物」という)の電位は、リチウムイオンの吸蔵および放出に応じて変動し、平均で0.5〜1V程度(vs.Li/Li+)である。この値は、黒鉛や難黒鉛化炭素の電位と比べて高く、ハイレート充放電時、特に低温環境下のハイレート充放電時における分極を抑制する上で十分である。それゆえ、たとえ0℃以下の低温環境下でハイレート充放電を繰り返した場合であっても、充放電の繰返しに伴う金属リチウムの析出やデンドライトの形成を抑制することができ、希土類−鉄複合酸化物を負極活物質として含む電池の信頼性を向上させることができる。
また、希土類−鉄複合酸化物の電位は、非水電解質二次電池の正極活物質として用いられる各種のリチウム含有複合酸化物の充放電電位と比べて、十分に低い。さらに、希土類−鉄複合酸化物は、酸化還元反応に伴う合金の生成、および微粉化が抑制されていることから、負極活物質としての特性の経時的な劣化が抑制される。それゆえ、希土類−鉄複合酸化物は、非水電解質二次電池に用いられる各種の正極活物質と組み合わせることによって、充放電容量が大きく、サイクル特性に優れた電池を得ることができる。
上記希土類−鉄複合酸化物は、好ましくは、さらにチタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、およびニッケル(Ni)からなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移元素を含有する。
上記希土類−鉄複合酸化物は、好ましくは、下記一般式(1)で表される。
AFe1-xMtx3 …(1)
式中、Aは希土類元素を示す。Mtは、Ti、V、Cr、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移元素を示す。xは0以上0.8以下である。
上記一般式(1)において、希土類元素Aは、好ましくは、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、イットリウム(Y)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロジウム(Dy)、およびホルミウム(Ho)の群から選ばれる少なくとも1種を示す。
上記希土類−鉄複合酸化物は、吸蔵されたリチウムを含んでいてもよい。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、上記負極活物質を含んでいる。それゆえ、この負極を用いることによって、高容量で、低温環境下においても高い充放電容量と、優れたサイクル特性とを発揮し得る非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、上記負極、正極、負極と正極との間を隔離するセパレータ、および非水電解質を備えている。この非水電解質二次電池は、高容量であって、低温環境下においても高い充放電容量と、優れたサイクル特性とを発揮することができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、その電位が平均で0.5〜1V(vs.Li/Li+)であり、かつ、非水電解質二次電池の正極活物質として用いられる各種リチウム含有複合酸化物の充放電電位と比べて、十分に低い。このため、0℃以下の低温環境下でハイレート充放電を繰り返した場合であっても、金属リチウムの析出やデンドライトの形成を抑制することができ、しかも、各種リチウム含有複合酸化物との組合せによって十分な電圧を得ることができる。それゆえ、本発明によれば、リチウムイオン電池などの非水電解質二次電池を、低温環境下においても高い充放電容量と、優れたサイクル特性とを発揮し得るものとすることができる。
サマリウム鉄複合酸化物(SmFeO3)の粉末X線回折パターンを示すグラフである。 サマリウム鉄複合酸化物(SmFeO3)の粉末の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の非水電解質二次電池の一実施形態に係るコイン型電池を示す縦断面図である。 本発明の非水電解質二次電池の一実施形態に係る円筒型電池を示す縦断面図である。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、希土類元素および鉄を含有し、さらに任意に遷移元素Mtを含有する、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な複合酸化物(以下、「希土類−鉄複合酸化物」という)を含む。
上記希土類−鉄複合酸化物に含まれる希土類元素は、スカンジウム(Sc)、Y、および、原子番号57番のLaから71番のルテチウム(Lu)までのランタノイドのいずれかに属する元素である。これらは、1種が単独で含有されていてもよく、2種以上が混合して含有されていてもよい。
上記希土類−鉄複合酸化物において、遷移元素Mtは、Ti、V、Cr、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる1種が単独で含有されていてもよく、上記群より選ばれる2種以上の遷移元素が混合して含有されていてもよい。遷移元素Mtは、希土類−鉄複合酸化物における鉄(Fe)の一部を置換する。
上記一般式(1)で表される希土類−鉄複合酸化物(AFe1-xMtx3)は、空間群PbnmまたはPnmaに属する結晶構造を有しており、8dサイトに希土類元素Aおよび酸素が、4cサイトにFe、遷移元素Mtおよび酸素が、ならびに、4aサイトにFeおよび遷移元素Mtが、それぞれ配置している。この結晶構造では、6つの酸素原子を頂点とし、Feまたは遷移元素Mtが中心位置に存在している八面体と、前記八面体の酸素が1つ欠損している酸素欠損八面体とが、稜共有している。希土類元素Aの形式酸化数は3価であり、鉄および遷移元素Mtの形式酸化数は3価である。上記希土類−鉄複合酸化物は、リチウム(Li)の挿入および脱離によって鉄および遷移元素Mtの酸化数が変化することにより、酸化還元反応が起きると考えられる。
上記一般式(1)において、希土類元素Aは、La、Ce、Nd、Y、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、およびHoからなる群より選ばれる少なくとも1種である。希土類元素Aは、これに限定されないが、例えば、上記群から選ばれる1種の希土類元素を実質的に単独で含み、他の希土類元素の含有割合が不純物程度であることが好ましい。
上記一般式(1)において、xは、遷移元素Mtの原子割合を示し、0.8以下である。上述のとおり、遷移元素Mtは、上記希土類−鉄複合酸化物における任意の成分であるため、xは0であってもよい。上記希土類−鉄複合酸化物中の遷移元素Mtの含有割合を上記範囲で設定することによって、上記希土類−鉄複合酸化物の粒子形状、リチウム電極(Li/Li+)を基準とする電位、および負極活物質としての容量を調整することができる。xは、好ましくは、0.2以上0.8以下であり、さらに好ましくは、0.2以上0.5以下である。
上記一般式(1)において、Aサイト(希土類元素A)とBサイト(Feおよび遷移元素Mt)の原子割合や、酸素欠損分は、結晶構造が維持される範囲内で増減していてもよい。すなわち、希土類−鉄複合酸化物の組成は、実質的に一般式(1)で表示できればよく、酸素欠陥などによる化学量論比からのずれは許容される。
上記希土類−鉄複合酸化物は、これを負極活物質として含む非水電解質二次電池の充放電特性およびサイクル特性を優れたものとする観点より、その平均粒径を0.05〜200μmとすることが好ましく、0.1〜50μmとすることがさらに好ましい。上記平均粒径は、体積基準の粒度分布におけるメディアン径であって、レーザ回折式の粒度分布測定装置などによって測定することができる。通常、上記希土類−鉄複合酸化物は、複数の一次粒子が凝集して二次粒子を形成していることから、上記平均粒径は、主として二次粒子(一部に一次粒子を含む混合物)についての平均粒径であると考えられる。
上記希土類−鉄複合酸化物は、希土類元素原料と、鉄原料と、必要に応じて遷移元素Mt原料と、を粉砕混合し、焼成することによって製造することができる。焼成温度は、好ましくは、300〜2000℃、さらに好ましくは、600〜1500℃である。焼成温度が上記範囲を下回ると、反応性が低下して、単一相の希土類−鉄複合酸化物を得るために長時間の焼成が必要になるおそれがあるため、コスト的に不利である。焼成温度が上記範囲を上回ると、製造コストが高くなるおそれがある。焼成時の雰囲気は特に限定されず、空気雰囲気、酸素雰囲気、アルゴンや窒素などの不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気などを適宜選択できる。なかでも、空気雰囲気は簡便で好ましい。また、上記希土類−鉄複合酸化物の製造には、水熱合成、共同沈殿法などの、複合酸化物を合成する各種の合成方法を採用することができる。
希土類元素原料としては、各希土類元素の酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、炭酸塩などが挙げられる。これら希土類元素原料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
鉄原料としては、鉄単体、および、FeO、Fe23、Fe34、Fe58などの各種酸化鉄、オキシ水酸化鉄(FeOOH)、水酸化鉄(Fe(OH)2、Fe(OH)3)、FeCO3、FeNO3、Fe(COO)2、Fe(CHCOO)2などが挙げられる。Fe23やFeOOHは、その結晶構造について特に限定されない。これら鉄原料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。鉄原料は、上記のなかでも特に、酸化鉄、オキシ水酸化鉄および水酸化鉄が好ましい。
遷移元素Mtの原料としては、各遷移元素Mtの金属、酸化物、シュウ酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩、炭酸塩などが挙げられる。これら遷移元素Mtの原料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
希土類元素原料と、鉄原料(または、鉄および遷移元素原料)との混合割合は、希土類元素Aと、鉄(または、鉄および遷移元素Mtの合計)との原子比として、好ましくは、0.95〜1.05:1.05〜0.95、さらに好ましくは、1:1である。また、鉄原料と、遷移元素原料との混合割合は、鉄と遷移元素Mtとの原子比として、好ましくは、1:0〜0.2:0.8である。
上記希土類−鉄複合酸化物は、非水電解質二次電池用負極活物質として用いられる。上記希土類−鉄複合酸化物は、非水電解質二次電池の負極に用いられ、充電されることによって、リチウムイオンを吸蔵する。吸蔵されたリチウムイオンは、放電時に負極活物質から放出されるが、一部は、充放電反応に寄与しない不可逆容量となって負極活物質に残留する。それゆえ、上記希土類−鉄複合酸化物は、内部にリチウムが吸蔵されていてもよい。
本発明の非水電解質二次電池用負極は、例えば、負極集電体と、負極集電体の表面に形成される負極合剤層とを備える。上記負極合剤層は、例えば、本発明の非水電解質二次電池用負極活物質と、必要に応じて、導電剤、結着剤、その他の添加剤とを混合した負極合剤を用いて形成される。
負極集電体としては、多孔性構造の導電性基板、または、無孔の導電性基板が挙げられる。この導電性基板はエキスパンドメタルとして加工されたものであってもよい。導電性基板の形成材料には、ステンレス鋼、ニッケル、銅などが挙げられる。負極集電体の厚さは、非水電解質二次電池の形状、サイズ、放電容量などに応じて適宜設定されるが、通常、1〜500μmが好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。負極集電体の厚さを上記範囲に設定することで、負極の強度を維持しながら軽量化することができる。
導電剤としては、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物、フェニレン誘導体などの有機導電性材料、フッ化カーボンなどが挙げられる。これら導電剤は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。導電剤は、上記のなかでも特に、天然または人造の黒鉛が好適である。導電剤の含有割合は、負極活物質100重量部に対し、好ましくは、1〜50重量部であり、さらに好ましくは、1〜30重量部である。
結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリヘキサフルオロプロピレン、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどのポリマーや、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、およびヘキサジエンからなる群より選ばれる2種以上のモノマー成分の共重合体が挙げられる。これら結着剤は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。結着剤の含有割合は、負極活物質100重量部に対し、好ましくは、1〜15重量部であり、さらに好ましくは、1〜10重量部である。
負極合剤層は、例えば、負極活物質と、導電剤、結着剤およびその他の添加剤とを混合し、プレス成形などによって所定の形状に成形するか、あるいは、負極活物質と、導電剤、結着剤およびその他の添加剤とを、適当な分散媒中で混合して負極合剤スラリーを調製し、得られた負極合剤スラリーを負極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥させることによって形成される。
本発明の非水電解質二次電池は、負極と、正極と、負極および正極の間を隔離するセパレータと、非水電解質とを備える。上記負極には、本発明の非水電解質二次電池用負極が用いられる。
正極は、例えば、正極集電体と、正極集電体の表面に形成される正極合剤層と、を備える。
正極集電体としては、多孔性構造の導電性基板、または、無孔の導電性基板が挙げられる。この導電性基板は、エキスパンドメタルとして加工されたものであってもよい。また、導電性基板の形成材料には、ステンレス鋼、アルミニウム、チタンなどが挙げられる。
正極集電体の厚さは、非水電解質二次電池のサイズ、放電容量などに応じて適宜設定されるが、通常、1〜500μmが好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。正極集電体の厚さを上記範囲に設定することで、正極の強度を維持しながら軽量化することができる。
正極合剤層は、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含む正極合剤を用いて形成される。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な各種の複合酸化物を用いることができる。このような複合酸化物としては、LiwCoO2、LiwNiO2、LiwMnO2、LiwCoyNi1-y2、LiwCoy1-yz、LiwNi1-yyz、LiwMn24、LiwMn2-yy4、LiMePO4、Li2MePO4Fなどが挙げられる。
上記正極活物質において、Mは、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg)、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、アルミニウム、Cr、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、ホウ素(B)の群から選ばれる少なくとも一種を示す。0<w≦1.2、0<y≦0.9、2.0≦z≦2.3である。リチウムの原子割合を示すwの値は、正極活物質の作製直後の値であって、充放電により増減する。
導電剤および結着剤としては、例えば、負極合剤に含まれる導電剤および結着剤として例示したものが挙げられる。導電剤の含有割合は、正極活物質100重量部に対し、好ましくは、1〜50重量部であり、さらに好ましくは、1〜30重量部である。結着剤の含有割合は、正極活物質100重量部に対し、好ましくは、1〜15重量部であり、さらに好ましくは、1〜10重量部である。
正極合剤層は、例えば、正極活物質と、導電剤、および結着剤を、適当な分散媒中で混合して正極合剤スラリーを調製し、得られた正極合剤スラリーを正極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥させることによって形成される。
セパレータには、イオン透過度が大きく、十分な機械的強度と、絶縁性とを備えた材料が用いられる。具体的に、セパレータとしては、微多孔薄膜、織布、不織布などが挙げられる。微多孔膜は、1種の材料からなる単層膜であってもよく、1種または2種以上の材料からなる複合膜または多層膜であってもよい。セパレータの材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィンが挙げられる。特に、セパレータは、ポリオレフィン製の微多孔膜が好適である。ポリオレフィン製の微多孔膜は耐久性に優れ、高温での異常反応を抑制するシャットダウン機能を有しているため、非水電解質二次電池の安全性の観点から好ましい。
非水電解質としては、非水電解液、ポリマー電解質などが挙げられる。
非水電解液は、支持電解質としてのリチウム塩と、非水溶媒とを含む。
非水溶媒としては、各種の非プロトン性有機溶媒が挙げられ、好ましくは、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソランなどの環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどの鎖状エーテル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状カルボン酸エステル、酢酸メチルなどの鎖状エステル、などが挙げられる。これら非水溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。非水溶媒は、上記の中でも特に、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとの混合溶媒が好ましく、ECとEMCとの混合溶媒や、ECとDMCとEMCとの混合溶媒がさらに好ましい。
リチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロトリス(トリフルオロメチル)リン酸リチウム(LiPF3(CF33)、トリフルオロトリス(ペンタフルオロエチル)リン酸リチウム(LiPF3(C253)などの多フッ化リン酸塩、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[(CF3SO22NLi]、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド[(C25SO22NLi]、リチウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド[(C37SO22NLi]などのビスパーフルオロアルカンスルホニルイミド、リチウムシクロ−テトラフルオロエタン−1,2−ビス(スルホニル)イミド[(CF2SO22NLi]などの各種リチウム塩が挙げられる。これらリチウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、リチウム塩は、上記のなかでも特に、LiPF6が好ましい。非水電解液中のリチウム塩の含有量は、好ましくは、0.5〜2mol/Lである。
本発明の非水電解質二次電池において、負極、正極、セパレータ、および非水電解質は、例えば、正極リード、負極リード、絶縁板、安全弁などの、非水電解質二次電池における公知の構成材料とともに、電池ケース内に収容され、封口板およびガスケット(パッキン)で気密封口されることにより得られる。
非水電解質二次電池の形状は、コイン型、円筒型、角型、シート型、ボタン型、扁平型、積層型などのいずれであってもよく、非水電解質二次電池の用途に応じて、適宜選択することができる。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質は、各種正極活物質との組み合わせにより、十分な電池電圧を得ることができ、しかも、負極表面への金属リチウムの析出を抑制することができる。また、放電容量やエネルギー密度が高く、充放電特性およびサイクル特性、とりわけ、低温環境下でのハイレート充放電特性およびサイクル特性に優れ、信頼性の高い負極および非水電解質二次電池を提供することができる。それゆえ、本発明は、例えば、リチウムイオン電池、ポリマー電解質二次電池などへの用途に好適である。
実施例1
(1)希土類−鉄複合酸化物(負極活物質)の合成
Sm23で表される酸化サマリウム(III)と、Fe23で表される酸化鉄(III)とを、1:1のモル比で秤量し、めのう製の乳鉢で十分に攪拌混合した。得られた混合物をアルミナ製の焼成ボートに入れて、空気雰囲気の電気炉内で1度目の焼成をした。電気炉内の温度は、室温から750℃まで昇温した後、750℃で12時間保持した。1度目の焼成後、焼成物を室温まで徐冷し、めのう製の乳鉢で粉砕した。次いで、粉砕された焼成物をアルミナ製の焼成ボートに入れて、空気雰囲気の電気炉内で2度目の焼成をした。電気炉内の温度は、室温から1000℃まで昇温した後、1000℃で24時間保持した。2度目の焼成後、生成物を室温まで徐冷し、めのう製の乳鉢で粉砕した。
こうして粉砕された生成物の結晶構造を、粉末X線回折法による測定と、リードベルト解析により決定した。粉末X線回折の測定結果を図1に示す。構造解析の結果、生成物はSmFeO3で表されるサマリウム−鉄複合酸化物であって、不純物を含まない、空間群Pnmaで表される単一相であることが確認された。また、生成物の表面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。SmFeO3のSEM写真を図2に示す。
(2)評価電極の作製
上記サマリウム−鉄複合酸化物(SmFeO3)を活物質として使用した。このサマリウム−鉄複合酸化物100重量部と、導電剤としての黒鉛(TIMCAL社製の商品名「KS4」)5重量部と、変性スチレン−ブタジエンゴム(固形分量40重量%のエマルション、日本ゼオン株式会社製)3重量部と、カルボキシメチルセルロース1重量部とに対し、適量の水を配合し、双腕式練合器で混合することによって、合剤スラリーを得た。次に、得られた合剤スラリーを集電体(厚さ10μmの銅箔)の片面に塗布し、乾燥後、圧延した。こうして得られた合剤層2と集電体3との積層体を直径10mmの円板状に打抜いて、評価電極とした(図3参照)。
(3)非水電解質二次電池の製造
上記評価電極を作用電極として用いることによって、図3に示すコイン型電池(コイン型の非水電解質二次電池)1を製造した。対極4には、円板状の金属リチウム板(直径17mm、厚さ0.3mm)を使用した。セパレータ5には、多孔質ポリプロピレン膜を使用した。非水電解液には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを1:3の体積比で含有する非水溶媒に、溶質としてLiPF6を溶解させたものを使用した。溶質の濃度は1.25mol/Lとした。
ステンレス鋼製で外形寸法が直径20mmの電池ケース6に、評価電極を収容した。評価電極は、集電体3側の表面を電池ケース6の内側表面に溶接することにより、電池ケース6内に固定した。次いで、評価電極の活物質層2側の表面にセパレータ5を配置し、このセパレータ5および活物質層2に非水電解液を接触させた。さらに、ステンレス鋼製で略丸皿状の封口板7の内側表面に対極4を圧着し、この封口板7で電池ケース6を封口した。これにより、対極4と活物質層2とを、セパレータ5を挟んで対向するように配置した。封口板7の周縁部には、あらかじめポリプロピレン製の絶縁パッキン8を取り付けておき、この絶縁パッキン8に電池ケース6の開口端部をかしめることにより、電池ケース6を気密封口した。こうして、厚さ2.0mmのコイン型電池1を得た。
実施例2
負極活物質の製造原料としてSm23に代えてY23を用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、イットリウム−鉄複合酸化物(YFeO3)を得た。このYFeO3を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例3
負極活物質の製造原料としてSm23に代えてEu23を用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、ユーロピウム−鉄複合酸化物(EuFeO3)を得た。このEuFeO3を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例4
負極活物質の製造原料としてSm23に代えてLa23を用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、ランタン−鉄複合酸化物(LaFeO3)を得た。このLaFeO3を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例5
負極活物質の製造原料としてSm23に代えてDy23を用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、ジスプロジウム−鉄複合酸化物(DyFeO3)を得た。このDyFeO3を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例6
負極活物質の製造原料としてSm23に代えてGd23を用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、ガドリウム−鉄複合酸化物(GdFeO3)を得た。このGdFeO3を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例7
負極活物質の製造原料としてSm23に代えてCe23を用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、ガドリウム−鉄複合酸化物(CeFeO3)を得た。このCeFeO3を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例8
Sm23と、Fe23と、Mn23で表される酸化マンガン(III)とを、1:0.9:0.1のモル比で秤量し、めのう製の乳鉢で十分に攪拌混合した。得られた混合物を、Sm23とFe23との混合物に代わる負極活物質の製造原料として用いたこと以外は、実施例1と同様にして合成することにより、式:SmFe0.9Mn0.13で表されるサマリウム−鉄−マンガン複合酸化物を得た。このSmFe0.9Mn0.13を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例9
Sm23とFe23とMn23のモル比が1:0.5:0.5である混合物を、Sm23とFe23との混合物に代わる負極活物質の製造原料として用いたこと以外は、実施例1と同様にして合成することにより、式:SmFe0.5Mn0.53で表されるサマリウム−鉄−マンガン複合酸化物を得た。このSmFe0.5Mn0.53を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例10
Sm23とFe23とMn23のモル比が1:0.2:0.8である混合物を、Sm23とFe23との混合物に代わる負極活物質の製造原料として用いたこと以外は実施例1と同様にして合成することにより、式:SmFe0.2Mn0.83で表されるサマリウム−鉄−マンガン複合酸化物を得た。このSmFe0.2Mn0.83を活物質として用いたこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
実施例2〜10で得られた希土類−鉄複合酸化物について、それぞれ粉末X線回折法による測定とリードベルト解析を行った結果、実施例1、2、4〜6および8〜10の希土類−鉄複合酸化物については、空間群Pnmaで表される単一相であることが確認された。また、実施例3および7の希土類−鉄複合酸化物については、空間群Pbnmで表される単一相であることが確認された。
比較例1
炭酸リチウム(Li2CO3)と二酸化チタン(TiO2)との混合物をアルミナ製の焼成ボートに入れて、空気雰囲気の電気炉内にて、900℃で12時間焼成した。得られた焼成物は、Li4Ti512で表されるリチウムチタン複合酸化物であった。このLi4Ti512を活物質として評価電極を作製したこと以外は実施例1と同様にして、コイン型電池を得た。
評価電極の特性評価
実施例1〜10および比較例1で得られた評価電極の特性を以下の方法で評価した。
実施例1〜10および比較例1で得られたコイン型電池を、それぞれ25℃の環境下で充放電した。充放電時の電流は、電流密度0.1mA/cm2の定電流とした。実施例1〜9では、充放電時の上限電位を2.5V(vs.Li/Li+)とし、下限電位を0.1V(vs.Li/Li+)とした。比較例1では、上限電位を2V(vs.Li/Li+)とし、下限電位を1V(vs.Li/Li+)とした。この条件で充放電サイクルを合計3サイクル繰り返し、3サイクル目の充電時における評価電極(作用電極)の平均作動電圧/V(vs.Li/Li+)を測定した。また、評価電極の電位が下限電位から上限電位になるときの活物質の容量を測定し、活物質1gあたりの容量[mAh/g]として算出した。これらの結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1〜10の活物質(希土類−鉄複合酸化物)は、比較例のリチウムチタン複合酸化物Li4Ti512と比べて、高容量であった。また、実施例1〜9の負極活物質を含む非水電解質二次電池は、いずれも平均作動電圧が0.5〜1Vであって、比較例のLi4Ti512を含む電池と比べて、エネルギー密度が高い電池を得ることができた。
実施例11
(a)負極の作製
実施例1で得られたサマリウム−鉄複合酸化物(SmFeO3)100重量部と、アセチレンブラック5重量部とを、あらかじめ結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)5重量部を溶解させたN−メチルピロリドン(NMP)に加え、双腕式練合機で攪拌、分散させることにより、負極合剤スラリーを調製した。得られた負極合剤スラリーを、負極集電体(厚さ12μmの銅箔)の両面に塗布し、120℃で乾燥させることにより、負極活物質層を形成した。次に、ロールプレスで加圧して、負極集電体と負極活物質層との厚みの合計を160μmに調整することにより、負極を得た。こうして得られた負極を、円筒形18650型電池(直径約18mm、高さ約65mm)の電池ケースに挿入可能な幅に裁断して、後述する円筒型電池10(円筒型の非水電解質二次電池、図4参照)用の負極とした。
(b)正極の作製
正極活物質として、平均粒径が12μmのリチウムニッケル複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.052)の粉末を使用した。この正極活物質100重量部と、結着剤としてのPVDF6重量部と、導電剤としてのアセチレンブラック4重量部と、適量のNMPとを配合し、双腕式練合機にて攪拌、混合することにより、正極合剤スラリーを得た。PVDFは、固形分12重量%のNMP溶液(呉羽化学株式会社製)として使用した。次に、得られた正極合剤スラリーを、正極集電体(厚さ20μmのアルミニウム箔)の両面に塗布し、乾燥後、圧延することにより、正極を得た。この正極を、円筒形18650型電池の電池ケースに挿入可能な幅に裁断して、後述する円筒型電池用の正極とした。
(c)非水電解液の調製
エチレンカーボネートと、ジメチルカーボネートと、エチルメチルカーボネートとを3:4:3の体積比で含有する非水溶媒に対し、溶質としてLiPF6を溶解させることにより、非水電解質を得た。溶質の濃度は1mol/Lとした。
(d)非水電解質二次電池の製造
上記負極、正極および非水電解液を用いて、図4に示す円筒型非水電解質二次電池(円筒型電池)10を製造した。円筒型電池10は、ステンレス鋼製の有底略円筒状の電池ケース11と、電池ケース11に収容されている極板群12と、内圧作動型の安全弁14を有する封口板13とを備えている。電極群12は、正極15と負極16とを、両極間に厚さ20μmのセパレータ(ポリエチレン製微多孔膜)17を介在させて、筒状に捲回することにより形成した。正極15にはアルミニウム製の正極リード18を接続し、負極16にはニッケル製の負極リード19を接続した。極板群12は、その捲回軸方向と電池ケース11の軸方向とが一致するように、電池ケース11内に収容した。その際、極板群12の捲回軸方向の両端には、それぞれ負極側絶縁板20と、正極側絶縁板21を配置した。電池ケース11の内部には、上記非水電解液を減圧方式により注入した。封口板13の周縁部にガスケット22を取り付けておき、このガスケット22に電池ケース11の開口端部をかしめることにより、電池ケース11を気密封口した。こうして、外径18mm、高さ65mmである円筒型電池10を得た。得られた円筒型電池10の設計電池容量は1500mAhであった。
実施例12〜19
実施例1で得られた負極活物質に代えて、実施例2〜6および8〜10で得られた負極活物質を用いたこと以外は実施例11と同様にして、円筒型電池を作製した。実施例2〜6および8〜10に対応して作製した電池を、順に実施例12〜19とした。
比較例2
負極活物質として人造黒鉛を用いたこと以外は実施例11と同様にして、負極を作製した。そして、この負極を用いたこと以外は実施例11と同様にして、円筒型電池を作製した。
比較例3
Li2CO3およびV24を、LiとVとの原子比が1.1:0.9になるように混合して、得られた混合物をアルゴン雰囲気下、1200℃で3時間焼成した。こうして得られたリチウム−バナジウム複合酸化物(Li1.10.92)を負極活物質としたこと以外は実施例10と同様にして、負極を作製した。そして、この負極を用いたこと以外は実施例11と同様にして、円筒型電池を作製した。
円筒型電池の評価
実施例電池11〜19および比較例2〜3で得られた円筒型電池の物性を以下の方法で評価した。
まず、25℃環境下で、円筒型電池10の電位が4.2V(vs.Li/Li+)の充電上限電圧に達するまでの間、300mA(0.2CmA)の定電流で充電した。次いで、この充電上限電圧を維持して、充電電流が75mA(0.05CmA)に減衰するまでの間、定電圧で充電した。その後、2.5V(vs.Li/Li+)の放電下限電圧に達するまでの間、300mA(0.2CmA)の定電流で放電した。この条件(常温充放電条件)下で、充放電サイクル(常温充放電サイクル)を合計3サイクル繰り返した。
次に、円筒型電池10の充電状態(SOC)が50%となるように、25℃の環境下で、300mA(0.2CmA)の定電流で充電した。その後、0℃の環境下で、5Cレートの放電電流を10秒間流し、300秒間の休止時間をおいてから、5Cレートの充電電流を10秒間流し、300秒間の休止時間をおいた。0℃における一連の充放電サイクル(低温充放電サイクルA)を1サイクルとする。この条件(低温充放電条件A)下で、低温充放電サイクルを合計1000回繰り返した。
次に、常温充放電条件下で、常温充放電サイクルを1回行って、円筒型電池の放電容量(mAh)を測定した。このときの放電容量を、1000サイクル後の放電容量W1000とした。そして、上記常温充放電サイクルの3サイクル目の放電容量(mAh)を初期放電容量Winti.とし、下記式により、円筒型電池の1000サイクル後の容量維持率(%)を算出した。算出結果を表2に示す。
1000サイクル後の容量維持率(%)=(W1000/Winti.)×100
さらに、円筒型電池10のSOCが50%となるように、25℃の環境下で、300mA(0.2CmA)の定電流で充電した。その後、0℃の環境下で、10Cレートの放電電流を10秒間流し、300秒間の休止時間をおいてから、10Cレートの充電電流を10秒間流し、300秒間の休止時間をおいた。0℃における一連の充放電サイクル(低温充放電サイクルB)を1サイクルとする。この条件(低温充放電条件B)下で、低温充放電サイクルBを合計500回繰り返した。
次に、常温充放電条件下で、常温充放電サイクルを1回行って、円筒型電池の放電容量(mAh)を測定した。このときの放電容量を、1500サイクル後の放電容量W1500とした。そして、下記式により、円筒型電池の1500サイクル後の容量維持率(%)を算出した。算出結果を表2に示す。
1500サイクル後の容量維持率(%)=(W1500/Winti.)×100
表2に示されるように、本発明の負極活物質を用いた実施例電池11〜19は、負極活物質として人造黒鉛やリチウムバナジウム酸化物を用いた比較例2および3に比べて、0℃における低温充放電パルスサイクル試験後の容量維持率が大きく、低温におけるサイクル特性が良好であった。
1500サイクル後に、実施例11〜19および比較例2〜3の円筒型電池10を分解して負極表面を観察した結果、比較例3の負極では、表面に金属リチウムの析出が確認された。また、比較例2の負極では、表面の負極合剤層の脱落が確認された。一方、実施例10〜18では、いずれも負極表面への金属リチウムの析出や負極合剤層の脱落が確認できなかった。
この結果より、人造黒鉛を負極活物質に用いた比較例3では、負極表面に析出した金属リチウムが原因となり、短絡を生じる危険性があるのに対し、実施例1〜9の負極活物質を用いた実施例10〜18では、金属リチウムに起因した短絡を生じる危険性が極めて低く、安全性が高いことおよび、充放電サイクルにおける負極合剤の脱落による容量低下を生じることも小さいことが分かった。
以上の説明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の技術分野における当業者によって明らかな本発明の変形例は、本願の特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の非水電解質二次電池用負極活物質とそれを用いた非水電解質二次電池用負極、および非水電解質二次電池は、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの各種電子機器、電動ドリルなどの各種電動工具、ハイブリッドカー、電気自動車、自動二輪車などにおける駆動用電源およびその構成材料として、ならびに、高出力を要求される非常用電源、負荷平準用電源、およびそれらの構成材料として、極めて有用である。
1 コイン型電池(非水電解質二次電池)、 2 合剤層、 3 集電体、 4 対極、 5 セパレータ、 6 電池ケース、 7 封口板、 8 絶縁パッキン、
10 円筒型電池(非水電解質二次電池)、 11 電池ケース、 12 極板群、 13 封口板、 14 安全弁、 15 正極、 16 負極、 17 セパレータ、 18 正極リード、 19 負極リード、 20 負極側絶縁板、 21 正極側絶縁板、 22 ガスケット。

Claims (7)

  1. 希土類元素と鉄とを含有する、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な複合酸化物を含む、非水電解質二次電池用負極活物質。
  2. 前記複合酸化物が、さらにTi、V、Cr、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移元素を含有する、請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  3. 前記複合酸化物が、一般式(1):AFe1-xMtx3(Aは希土類元素、MtはTi、V、Cr、Mn、Co、およびNiからなる群より選ばれる少なくとも一種の遷移元素、0≦x≦0.8)で表される、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  4. 前記一般式(1)中のAが、La、Ce、Pr、Nd、Y、Sm、Eu、Gd、Tb、DyおよびHoの群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  5. さらに、前記複合酸化物に吸蔵されたリチウムを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極活物質を含む、非水電解質二次電池用負極。
  7. 請求項6に記載の負極、正極、前記負極と前記正極との間を隔離するセパレータ、および非水電解質を備える、非水電解質二次電池。
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