JP2010287520A - 電気化学セル - Google Patents

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Abstract

【課題】ランタンクロマイト系の集電体において、1450℃以下の焼成温度で燃料極と共焼結することで十分な緻密性が得られるようにすることである。
【解決手段】電気化学セルは、固体電解質膜6、固体電解質膜6の一方の側に設けられている燃料極9、固体電解質膜6の他方の側に設けられている空気極、および燃料極6から集電する集電体11を備えている。集電体11が、ランタンクロマイトとセリアとの混合物の焼結体であり、ランタンクロマイトとセリアとの混合比率が重量比で60:40〜40:60である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池などの電気化学セルに関するものである。
特許文献1では、セラミック製電気化学セルの例えば燃料極の内部に燃料流路を形成し、燃料極の上に固体電解質膜、空気極膜を形成する。そしてセルそのものにガス供給孔とガス排出孔とを設け、セルを直接に複数枚積層してスタックを形成する。このスタック形成のさいに、隣接する各セルのガス供給孔を連続させてガス供給路を形成し、各セルのガス排出孔を連続させることでガス排出路を形成する。ただし、この構造では、燃料極そのものはセルの外表面に露出しないので、隣接するセルを電気的に接続することが難しい。そこで、固体電解質膜に開口を設け、そこから燃料極表面を露出させ、セル外表面へと突出させている。この突出部分を電気的接続パッドとして用いる。ただし、この燃料極と接続パッドとの詳細は記載されていない。
一方、特許文献2においては、空気極上に金属メッキ層を設け、その上にニッケル粒子と溶媒からなるペーストを塗布し、900〜1100℃の還元雰囲気中で焼成することによって、空気極をニッケルフェルトに対して接合している。
このような内部電極、特に燃料極と外部とを接続するための集電部材(導電性相互接続部材:インターコネクター)の材料としては、緻密でガスリークがないこと、酸化性雰囲気および還元性雰囲気に耐えること、熱膨張率がセル基板に近いこと、できるだけ高い導電性を有することが望まれる。こうした材質は少なく、ランタンクロマイトが用いられることが多い。
特許文献3では、ランタンマンガナイトにガドリニウムドープセリアを添加して混合し、焼結して複合セラミックスを得、これを集電体として利用することが記載されている。
また、特許文献4には、空気極用のバッファ層としてセリア層を用いることが記載されている。更に、特許文献5には、ランタンを除く希土類元素とコバルト等との複合酸化物をセリアと混合して混合焼結体を得、この混合焼結体を空気極のバッファ層として用いることが記載されている。
また、ニッケルとガドリニウムドープセリアとのサーメットによって燃料極を形成することが、特許文献6、7に記載されている。
WO 2007/029860 A1 特許第3652195号 特開2008−234915 特開2007−335193 特開2007−324087 特開2007−335142 特開2000−243412
本発明者は、燃料極からの集電体としてランタンクロマイトを使用するのに際して、燃料極と集電体とを共焼結させることを試みていた。しかし、ランタンクロマイトは一般的に焼結温度が高く、1500℃以上の高温でないと、十分に緻密化しない。しかし、1500℃以上の高温で焼結すると、ランタンクロマイトがNiO−YSZと反応し、界面に高抵抗層を生成させる。この高抵抗層による集電の阻害を防止するためには、1450℃以下、好ましくは1420℃以下の焼成温度で、十分に高い気密性を有する集電体を生成させることが必要である。
しかし、従来の集電体材料では、ランタンクロマイトの焼結温度を、燃料極と共焼結させるのに適した温度まで低下させることは成功しておらず、解決が必要となっていた。
本発明の課題は、ランタンクロマイト系の集電体において、1450℃以下の焼結温度で十分な緻密性が得られるようにすることである。
本発明に係る電気化学セルは、
固体電解質膜、
固体電解質膜の一方の側に設けられている燃料極、
固体電解質膜の他方の側に設けられている空気極、
および燃料極から集電する集電体を備えている電気化学セルであって、
集電体が、ランタンクロマイトとセリアとの混合物の焼結体であり、ランタンクロマイトとセリアとの混合比率が重量比で60:40〜40:60であることを特徴とする。
本発明者は、ランタンクロマイト系の集電体に対してセリアを適量添加することで、1450℃以下の焼結温度で燃料極と共焼結することが十分に高い緻密性を得ることに成功した。
なお、空気極用バッファ層やランタンマンガナイトに対してセリアを添加した従来例はあるが、ランタンクロマイト系の燃料極用集電体においてセリアを添加した例はない。また、空気極用バッファ層やランタンマンガナイトに対してセリアを添加した従来例は、燃料極との共焼結によって緻密な集電体が得られるように集電体の焼結温度を低下させることを目的としたものではない。
本発明を適用可能な電気化学セル1を分解して示す斜視図である。 (a)は、図1のセル1をIIa−IIa線に沿って切った断面図であり、(b)は、図1のセル1をIIb−IIb線に沿って切ってみた断面図である。 図1のセル1をIII−III線に沿って切ってみた断面図である。 (a)は、燃料極9上の固体電解質膜6に露出部9aを設けた状態を示す模式図であり、(b)は、燃料極9の露出部9aに中間層10、集電体11、導電板3を設けた状態を模式的に示す断面図である。 ランタンクロマイトへのセリアの混合比率と焼成収縮率との関係を示すグラフである。 ランタンクロマイトへのセリアの混合比率と開気孔率との関係を示すグラフである。 ランタンクロマイトへのセリアの混合比率と電気伝導度との関係を示すグラフである。 ランタンクロマイトとセリアとの混合物の焼結体のX線回折チャートである。 (a)は、実施例における共焼結された試料(中間層なし)を示す模式図であり、(b)は、実施例における共焼結された試料(中間層あり)を示す模式図である。 セルで発生した電圧と電流密度との関係を示すグラフである。
本発明が対象とする電気化学セルは、電気化学反応を生じさせるためのセル一般を意味している。例えば、電気化学セルは、酸素ポンプ、高温水蒸気電解セルとして使用できる。高温水蒸気電解セルは、水素の製造装置に使用でき、また水蒸気の除去装置に使用できる。また、電気化学セルを、NOx、SOxの分解セルとして使用できる。この分解セルは、自動車、発電装置からの排ガスの浄化装置として使用できる。この場合には、固体電解質膜を通して排ガス中の酸素を除去するのと共に、NOxを電解してNとO2−とに分解し、この分解によって生成した酸素をも除去できる。また、このプロセスと共に、排ガス中の水蒸気が電解されて水素と酸素とを生じ、この水素がNOxをNへと還元する。また、好適な実施形態では、電気化学セルが、固体酸化物形燃料電池である。
本発明では、電気化学セルは板状であることが好ましい。ただし、平板状には限らず、湾曲した板や円弧状の板でもよい。又、セルの各コーナー部はR形状であることが好ましい。
酸化性ガスは、酸素イオンを固体電解質膜へと供給可能なガスであれば特に限定されないが、空気、希釈空気、酸素、希釈酸素が挙げられる。還元性ガスとしては、H、CO、CHとこれらの混合ガスを例示できる。
固体電解質の材質は特に限定されず、あらゆる酸素イオン伝導体を利用できる。例えば、イットリア安定化ジルコニア又はイットリア部分安定化ジルコニアであってよく、NOx分解セルの場合には、酸化セリウムも好ましい。
空気極の材質は、ランタンを含有するペロブスカイト型複合酸化物であることが好ましく、ランタンマンガナイト又はランタンコバルタイトであることが更に好ましく、ランタンマンガナイトが一層好ましい。ランタンコバルタイト及びランタンマンガナイトは、ストロンチウム、カルシウム、クロム、コバルト(ランタンマンガナイトの場合)、鉄、ニッケル、アルミニウム等をドープしたものであってよい。
燃料極の材質は、ニッケル−マグネシアアルミナスピネル、ニッケル−ニッケルアルミナスピネル、ニッケル−ジルコニア、白金−酸化セリウム、ルテニウム−ジルコニアが好ましい。特に好ましくはニッケルジルコニアサーメット、ルテニウムジルコニアサーメットである。サーメットには、イットリウムなどの希土類元素がドープされていてよく、ドープ元素の比率は3〜8mol%であることが好ましい。
本発明では、燃料極から集電する集電体として、ランタンクロマイトとセリアとの混合物の焼結体を使用し、ランタンクロマイトとセリアとの混合比率は重量比で60:40〜40:60とする。
ランタンクロマイトとは、ランタンをAサイトに有し、クロムをBサイトに有するペロブスカイト型複合酸化物である。ただし、Aサイトには、ランタン以外に、ストロンチウム、カルシウムのうち一種または二種以上を置換元素として含有していてよい。この置換元素は存在しなくともよいが、Aサイトの一部を占める場合には、置換割合は0.05mol%以上であることが好ましく、また0.3mol%以下であることが好ましい。
ランタンクロマイトのBサイトには、クロム以外に、マグネシウム、コバルト、ニッケルのうち一種または二種以上を置換元素として含有していてよい。この置換元素は存在しなくともよいが、Bサイトの一部を占める場合には、置換割合は0.02mol%以上であることが好ましく、また0.2mol%以下であることが好ましい。
本発明では、セリアにセリウム以外の金属元素をドープすることができる。このドープ金属元素としては、ガドリニウム、サマリウムが好ましい。また、金属元素の比率は、セリウム元素のサイトのうち0.02mol%以上を占めていることが好ましく、また、0.2mol%以下を占めていることが好ましい。もっとも好ましいドープ金属元素はガドリニウムである。
ランタンクロマイトとセリアとの混合比率は重量比で40:60〜60:40とする。言い換えると、ランタンクロマイトとセリアとの重量の合計を100wt%としたとき、セリアの重量比を40〜60wt%とする。セリアの比率が40wt%よりも少ないと、共焼結後の密度が十分ではなく、電気化学セル用の集電材に必要な気密性が得られない。また、セリアの比率が60wt%より多いと、集電材に必要な電気導電性が小さくなる。本発明の観点からは、ランタンクロマイトとセリアとの混合比率は重量比で、45:55〜55:45であることが更に好ましい。
なお、本発明でいうランタンクロマイトとセリアとの混合比率を算出する場合には、ランタンクロマイトに含有されるAサイト、Bサイトの置換金属元素の重量を含め、またセリアに含有されるドープ金属元素の重量も含めて算出する。
ランタンクロマイトとセリアとの複合焼結体の焼結温度は、緻密性向上という観点からは、1370℃以上が好ましく、1400℃以上が更に好ましい。また、燃料極との共焼結時の抵抗値抑制という観点からは、1450℃以下が好ましく、1420℃以下が更に好ましい。
ランタンクロマイト粉末の50%平均粒径は、本発明の観点からは、0.5〜2μmが好ましく、0.5〜1.5μmが更に好ましい。セリア粉末の50%平均粒径は、本発明の観点からは、0.1〜1.5μmが好ましく、0.1〜1μmが更に好ましい。
本発明の集電体を製造する際には、ランタンクロマイト粉末とセリア粉末とを混合し、混合物を成形、焼結する。この際、燃料極の成形体と集電体の成形体とは、互いに接触していてよく、あるいは他の層が介在していてもよい。他の層としては、後述する中間層が好ましい。
集電体の成形体を製造する際には、溶媒、バインダー、分散剤などの添加剤を加えることができる。溶媒としては,エタノール、ブタノール、テルピネオール、アセトン、キシレン、トルエン、ブチルカルビトールアセテートを例示できる。こうしたバインダーとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB) を例示できる。
分散剤としては、酸化物粉末の分散をよくするため、グリセリン、ソルビタン等の多価アルコールエステル系、ポリエーテル(ポリオール)系やアミン系、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸アンモニウムなどの高分子電解質、クエン酸、酒石酸などの有機酸、イソブチレンまたはスチレンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩やアミン塩、ブタジエンと無水マレイン酸との共重合体およびそのアンモニウム塩などが用いられるが、特に好ましいのはソルビタントリオールである。また可塑剤としては、ポリエチレングリコールの誘導体やフタル酸エステル系が好ましく、特にジブチルフタレート、ジオクチルフタレートが好適である。
集電体の成形方法としては、スクリーン印刷、スラリー塗布が好ましい。
好適な実施形態においては、集電体と燃料極との間に、酸化ニッケルとセリアとの混合物の焼結体からなる中間層が共焼結によって設けられている。集電体と燃料極とが共焼結時に互いに接していると、両者の界面で剥離することがある。しかし、ここに前記の中間層を形成することによって、界面での接合力が高まり、また安定し、剥離が抑制される。
酸化ニッケル粒子は、燃料電池として作動する際に水素などの燃料ガスに曝されて還元され、導電パスを形成する金属ニッケル粒子群に変化する。酸化ニッケル粒子の50%平均粒径は、集電体と燃料極との接合性および導電性の観点からは、0.3〜2μmが好ましく、0.5〜1.5μmが更に好ましい。
中間層製造時には、セリアにセリウム以外の金属元素をドープすることができる。このドープ金属元素としては、ガドリニウム、サマリウムが好ましい。また、金属元素の比率は、セリウム元素のサイトのうち 0.02mol%以上を占めていることが好ましく、また、0.2mol%以下を占めていることが好ましい。もっとも好ましいドープ金属元素はガドリニウムである。
セリアと酸化ニッケルとの混合比率は重量比で40:60〜60:40とすることが好ましく、45:55〜55:45とすることが更に好ましい。セリアの混合比率が40wt%よりも小さいと、焼結性が劣る。セリアの比率が60wt%よりも多いと、電気伝導性が小さくなる。
なお、中間層において酸化ニッケルとセリアとの混合比率を算出する場合には、セリアに含有されるドープ金属元素の重量も含めて算出する。
セリアと酸化ニッケルとの複合焼結体の焼結温度は、緻密性向上という観点からは、1370℃以上が好ましく、1400℃以上が更に好ましい。また、燃料極との共焼結時の抵抗値抑制という観点からは、1450℃以下が好ましく、1420℃以下が更に好ましい。
セリア粉末の50%平均粒径は、本発明の観点からは、0.1〜1.5μmが好ましく、0.1〜1μmが更に好ましい。
中間層を製造する際には、酸化ニッケル粉末とセリア粉末とを混合し、混合物を成形、焼結する。この際、燃料極の成形体と中間層の成形体と、中間層の成形体と集電体の成形体とは、互いに接触していることが好ましい。
好適な実施形態においては、燃料極の内部に燃料ガスを流すためのガス流路が形成されており、固体電解質膜が燃料極の外表面を被覆しており、空気極が固体電解質膜の外表面側に設けられており、集電体が燃料極の外表面上に設けられている。図1〜図4は、この実施形態に係るものである。
燃料極9の内部に、還元性ガスを流すためのガス流路8が形成されている。燃料極9は平板状をなしており、燃料極9の両方の主面および側面を被覆するように、固体電解質膜6が設けられている。両方の主面上にある固体電解質膜6上には、それぞれ、空気極2A、2Bあるいは2Cが形成されており、セルの表面に露出している。また、セル1の表面には、内側の燃料極9に電気的に導通する導電板3が露出している。この導電板3を使用して、隣接するセル同士を電気的に接続する。
電気化学セル1には貫通孔4、5が形成されている。電気化学セルの稼働時には、貫通孔5から還元性ガスを供給する。このガスは、流路8内を矢印A、B、Cのように流れ、貫通孔4から流出する。この間に電気化学反応に寄与する。
図4(a)、(b)は、図1〜図3のセルの集電体の周辺を示す拡大図である。燃料極9の外表面側には,固体電解質6が形成されていない開口6aがあり、露出部9aが形成されている。この露出部9a上に、中間層10、集電体11を共焼結で設け,必要に応じて導電板3を取り付ける。また、図示しないシール材を設けることもできる。
ここで、導電板の材質は限定されないが、白金などの貴金属、インコネル、ニクロムなどのニッケル基合金、ステンレスなどの鉄基合金、ランタンクロマイト、ランタンマンガナイト、ランタンコバルタイトなどの導電性セラミックがある。
シール部材の材質は特に限定されないが、電気化学セルの作動温度において耐酸化性と耐還元性を有する必要がある。具体的には、シリカを主成分とするガラス及び結晶化ガラス、金属ろうなどを例示できる。また、O
リング、C リング、E リングやメタルジャケットガスケット、マイカガスケットなどのコンプレッションシールも例示できる。
(集電体の製造実験)
本発明の集電体を製造した。具体的には、カルシウムドープランタンクロマイト粉末とガドリニウムドープセリア粉末とを準備した。
カルシウムドープランタンクロマイト粉末
組成式:La0.8 Ca0.2 Cr0.96Co0.04
50%平均粒径D50: 1.1μm
比表面積: 2.7m
ガドリニウムドープセリア粉末
組成式:Ce0.9 Gd0.1
50%平均粒径D50: 0.18μm
比表面積: 9.0m
ランカンカルシウムクロマイト粉末とセリア粉末とを100:0〜0:100の重量割合で配合し、ポットミル中で3時間湿式混合した。次いで、混合粉末を乾燥後、金型内に入れ、0.2トン/cmの圧力でプレス成形し,成形体を得た。この成形体を圧力3ton/cmでコールドアイソスタティックプレス成形し、成形体を得た。この成形体を1410℃で2時間焼成し、焼成体を得た。
得られた焼結体の焼成収縮率とセリアの混合比率との関係を図5に示す(焼成温度1410℃)。セリアの混合比率を40〜60wt%とすると、焼成収縮が大きく、緻密性が上がることがわかる。また、燃料極の焼成収縮率とも近い。
得られた焼結体のセリアの混合比率と開気孔率との関係を図6および表1に示す。セリアの混合比率を40〜60wt%とすることによって、開気孔率が0%となる。
Figure 2010287520
得られた焼結体(焼成温度1410℃)のセリアの混合比率と電気伝導度との関係を図7に示す。セリアの混合比率を40wt%以上とすると、電気伝導度が急激に上昇することがわかる。
得られた焼結体(焼成温度1410℃:セリアの混合比率50wt%)のX線回折チャートを図8に示す。ガドリニウムドープセリアのピークとカルシウムドープランタンクロマイトのピークが検出され、異相は検出されなかった。
(共焼結実験1)
図9(a)に示す形態の共焼結体を5個作製した。ただし、9は燃料極(ニッケルジルコニアサーメット)とし、11は集電体である。
酸化ニッケル粉末と3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末とに対して、有機バインダーおよび水を添加してボールミル中で湿式混合し、混合物を乾燥し、造粒した。この造粒粉末を金型を用いてプレス成形し、燃料極9用成形体を製作した。前記ランタンクロマイト粉末とセリア粉末を重量比で50:50の割合で配合し、ポットミル中で3時間湿式混合後、乾燥した粉末を有機バインダーおよび溶媒を添加してトリロールで混合し、ペーストを得た。この集電体用ペースト(セリアの混合比率50wt%)を燃料極用成形体上にスクリーン印刷し、1410℃で2時間共焼結させた。
この結果、図9(a)の共焼結体が得られた。ただし、5個中、3個に界面剥離が見られた。
(共焼結実験2)
図9(b)に示す形態の共焼結体を5個作製した。ただし、9は燃料極(ニッケルジルコニアサーメット)とし、10は中間層であり、11は集電体である。
酸化ニッケル粉末と3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末とに対して、有機バインダーおよび水を添加してボールミル中で湿式混合し、混合物を乾燥し、造粒した。この造粒粉末を金型を用いてプレス成形し、燃料極9用成形体を製作した。次いで、酸化ニッケルとガドリニウムドープセリアとの混合物(重量比50:50)に対して、有機バインダーおよび溶媒を添加してトリロールで混合し、ペーストを得た。このペーストを燃料極用成形体9上に印刷した。次いで、前記の集電体用ペースト(セリアの混合比率50wt%)を中間層用成形体上にスクリーン印刷し、1410℃で2時間共焼結させた。
この結果、図9(b)の共焼結体が得られた。ただし、すべての共焼結体に剥離は見られなかった。
(共焼結体の抵抗値の測定)
前記した図9(b)の共焼結体について2極4端子法によって抵抗値を測定した。この結果,共焼結体の抵抗値は26mΩ・cmであった(800℃、水素雰囲気中)。
一方、図9(a)に示すように、カルシウムドープランタンクロマイト層(セリア無添加)11をニッケルジルコニアサーメットからなる燃料極9上に形成した場合には、抵抗値は1400mΩ・cmに上昇していた。
これは、燃料極とランタンカルシウムクロマイト層との界面に高抵抗層が生成したためと思われる。
Figure 2010287520
(固体電解質型燃料電池の製造実験)
図1〜4、図9(b)を参照しつつ説明した固体電解質型燃料電池を作製した。
(燃料極9用の成形体の作製)
酸化ニッケル粉末55重量部と3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末45重量部に対して、有機バインダーおよび水を添加してボールミル中で湿式混合し、混合物を乾燥し、造粒した。この造粒粉末を金型を用いてプレス成形し、燃料極9用の成形体を2枚製作した。燃料極用の成形体と同一の材料をプレス成形した後、打ち抜きプレスにより流路形成部材を形成した。2枚の燃料極用成形体の間に流路形成部材を挟み、プレスによって接合し、燃料極9用の成形体を得た。
(固体電解質膜の形成)
3mol%イットリア安定化ジルコニア粉末よりスラリーを作製し、ディッピングにより、前記の燃料極9用成形体の表面に固体電解質膜6を塗布し、乾燥炉にて乾燥させた。ただし、この際、固体電解質膜9のマスキングをして露出部分9aを形成した。
(中間層および集電体の形成)
次いで、酸化ニッケルとガドリニウムドープセリアとの混合物(重量比45:55)に対して、有機バインダーおよび溶媒を添加してトリロールミルで混合し、ペーストを得た。このペーストを燃料極用成形体9上に印刷した。次いで、前記の集電体用ペースト(セリアの混合比率50wt%)を燃料極用成形体上にスクリーン印刷し、1410℃で2時間共焼結させた。
(空気極の形成)
この焼結体の両面に空気極2A、2B、2Cをスクリーン印刷し、1200℃で1時間焼成し、固体電解質型燃料電池の単セル1を得た。
得られたセルの大きさは縦100mm、横100mm、厚さが2mmの平板形状である。また、固体電解質膜6の厚さは5μmであった。
(発電および集電性能)
得られた本発明例のセルを800℃の水素雰囲気中で1時間還元処理を行った。そして、この接合体の水素加湿雰囲気における電圧および電流密度を図10に示す。この結果、本発明例では、OCVは1.084Vであり,直流抵抗は1.23Ω・cmであり、0.8V時出力は6.0Wであった。
また、本発明例のセルと同様のセルを作製したが、ただし燃料極の表面に前記中間層および集電体を設けることなく、白金膜からなる集電体を設けた。この結果、OCVは1.089Vであり,直流抵抗は0.51Ω・cmであり、0.8V時出力は7.5Wであった。このように本発明例では、きわめて低抵抗で高コストの白金集電体と同等の開放端電圧が得られ、また導電性セラミックスとしてはきわめて低い抵抗値と高い0.8V時出力が得られることがわかった。
1 電気化学セル 2A、2B、2C 空気極 3 導電板 4、5 貫通孔 6 固体電解質膜 6a 固体電解質膜の表面 8 燃料ガスの流路 9 燃料極 9a 燃料極9の接合面 10 中間層 11 集電体

Claims (4)

  1. 固体電解質膜、
    この固体電解質膜の一方の側に設けられている燃料極、
    前記固体電解質膜の他方の側に設けられている空気極、
    および前記燃料極から集電する集電体を備えている電気化学セルであって、
    前記集電体が、ランタンクロマイトとセリアとの混合物の焼結体であり、ランタンクロマイトとセリアとの混合比率が重量比で60:40〜40:60であることを特徴とする、電気化学セル。
  2. 前記燃料極の内部に燃料ガスを流すためのガス流路が形成されており、前記固体電解質膜が前記燃料極の外表面を被覆しており、前記空気極が前記固体電解質膜の外表面側に設けられており、前記集電体が前記燃料極の外表面上に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の電気化学セル。
  3. 前記集電体と前記燃料極との間に、酸化ニッケルとセリアとの混合物の焼結体からなる中間層が共焼結によって設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の電気化学セル。
  4. 前記燃料極がニッケル−ジルコニアサーメットからなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の電気化学セル。
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