JP2010287467A - 燃料電池システム - Google Patents

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裕嗣 松本
Kenichiro Ueda
健一郎 上田
Junji Uehara
順司 上原
Koichiro Miyata
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Abstract

【課題】閉故障する第1弁装置及び/又は第2弁装置を早期に開く燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック110と、コンプレッサ131と、第1弁装置1と、第2弁装置2と、コンプレッサ131、第1弁装置1及び第2弁装置2を制御する制御手段と、圧力センサ134と、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2が閉故障しているか否か判定する故障判定手段と、を備え、システム起動時、制御手段が、第1弁装置1及び第2弁装置2に開弁指令を出力し、通常流量で空気が供給されるようにコンプレッサ131を制御したときにおいて、故障判定手段が第1弁装置1及び/又は第2弁装置2は閉故障していると判定した場合、制御手段は、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2が開くように、通常流量よりも多い流量で空気を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
近年、水素(燃料ガス)と、酸素を含む空気(酸化剤ガス)とが供給されることで発電する燃料電池の開発が進められ、例えば、燃料電池車(移動体)の電力源として期待されている。このような燃料電池は、その内部に、水素が通流するアノード流路(燃料ガス流路)と、空気が通流するカソード流路(酸化剤ガス流路)とを有している。
ところが、燃料電池システムの停止中(燃料電池の発電停止中)、つまり、燃料電池と外部負荷とが電気的に遮断された状態において、外部からカソード流路に空気が流入し、この空気(酸素)がカソードの触媒(Pt、Ru等)下で電極反応により消費されると、カソードの電位が上昇したり、残留する水分が分解して活性の高いOHラジカル等が発生する虞がある。このように、カソードの電位が上昇したり、OHラジカル等が発生すると、カソードを形成するカーボンペーパの炭素(C)や触媒が酸化したり、電解質膜が分解し、燃料電池が劣化してしまう。
また、カソード流路の空気の一部はアノード流路にクロスリーク(透過)し、このクロスリークした空気が、アノードの触媒下で消費されると、アノードの電位が上昇したり、OHラジカル等が発生し、アノードを形成するカーボンペーパの炭素(C)や触媒が酸化したり、電解質膜が分解し、燃料電池が劣化してしまう。
そこで、カソード流路の上流及び下流に、ノーマルクローズ型の第1弁装置、第2弁装置をそれぞれ設け、システム停止中、前記第1弁装置及び第2弁装置を閉じて、カソード流路を封鎖し、外部からカソード流路への新たな空気の流入を停止すると共に、カソードからアノードへの空気のクロスリーク量を低減させる燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2008−153079号公報
しかしながら、特許文献1では、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障している場合、空気が燃料電池に良好に供給されず、燃料電池を良好に発電させることができなかった。
なお、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障しているとは、第1弁装置及び/又は第2弁装置に開弁指令が入力されているにも関わらず、例えば凍結等によって弁体が閉位置のままであり、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉状態のままであることを意味する。
そこで、本発明は、酸化剤ガス流路を封鎖する第1弁装置及び/又は第2弁装置の閉故障を早期に検出しつつ、閉故障する第1弁装置及び/又は第2弁装置を早期に開き、燃料電池を早期に発電可能な状態とする燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスがそれぞれ供給されることで発電する燃料電池と、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスを供給すると共に、酸化剤ガスの流量を制御可能な酸化剤ガス供給手段と、前記酸化剤ガス供給手段と前記酸化剤ガス流路の入口とを接続し、前記酸化剤ガス流路に向かう酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給流路と、前記酸化剤ガス流路の出口に接続され、前記酸化剤ガス流路から排出された酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス排出流路と、前記酸化剤ガス供給流路に設けられると共に、上流側の圧力によって弁体が開方向に押されるノーマルクローズ型の第1弁装置と、前記酸化剤ガス排出流路に設けられると共に、上流側の圧力によって弁体が開方向に押されるノーマルクローズ型の第2弁装置と、前記酸化剤ガス供給手段、前記第1弁装置及び前記第2弁装置を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、システム停止中、前記第1弁装置及び前記第2弁装置を閉状態とすることで前記酸化剤ガス流路を封鎖し、システム運転中、前記第1弁装置及び前記第2弁装置を開状態とすることで前記酸化剤ガス流路を開放する燃料電池システムであって、前記第1弁装置の上流側の圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力検出手段が検出した圧力に基づいて、前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が閉故障しているか否か判定する故障判定手段と、を備え、システム起動時、前記制御手段が、前記第1弁装置及び前記第2弁装置に開弁指令を出力し、前記第1弁装置及び前記第2弁装置が正常に開いているとした場合における通常流量で酸化剤ガスが供給されるように前記酸化剤ガス供給手段を制御したときにおいて、前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置は閉故障していると判定した場合、前記制御手段は、前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が開くように、前記通常流量よりも多い流量で酸化剤ガスが供給されるように前記酸化剤ガス供給手段を制御することを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、システム起動時、制御手段が、第1弁装置及び第2弁装置に開弁指令を出力し、第1弁装置及び第2弁装置が正常に開いているとした場合における通常流量で酸化剤ガスが供給されるように酸化剤ガス供給手段を制御したときにおいて、故障判定手段が、圧力検出手段の検出する第1弁装置の上流側の圧力に基づいて、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障しているか否か判定できる。
すなわち、第1弁装置の上流側の圧力が、通常流量で酸化剤ガスが供給される場合における所定圧力(後記する実施形態では、第2所定圧力P2)以上であるとき、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障していると判定できる。
そして、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障していると判定される場合、制御手段が、閉故障する第1弁装置及び/又は第2弁装置が開くように、通常流量よりも多い流量で酸化剤ガスが供給されるように酸化剤ガス供給手段を制御するので、第1弁装置及び/又は第2弁装置を早期に開くことができる。
なお、第1弁装置及び/又は第2弁装置は、上流側の圧力によって弁体が開方向に押されるように構成されているので、酸化剤ガスが通常流量よりも多い流量で供給されると、第1弁装置及び/又は第2弁装置の上流側の圧力が上昇し、第1弁装置及び/又は第2弁装置が開く。
そして、第1弁装置及び/又は第2弁装置が開くと、酸化剤ガスが燃料電池の酸化剤ガス流路を良好に通流するので、燃料電池を早期に発電可能な状態とできる。
すなわち、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障している場合、酸化剤ガスを通常流量でそのまま供給したとしても、第1弁装置及び/又は第2弁装置の上流側の圧力が上昇し、第1弁装置及び/又は第2弁装置が開くことになるが、このように、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障していると判定される場合、通常流量よりも多い流量で酸化剤ガスを供給することにより、第1弁装置及び/又は第2弁装置を早期に開き、燃料電池を早期に発電可能な状態に移行させることができる。
これにより、システムの起動指令(後記する実施形態ではIG151のON)から燃料電池が発電可能な状態となるまでに、長時間を要することはなく、オペレータ(後記する実施形態では運転者)が違和感を受けることはなく、燃料電池が発電可能となるまでにモタツクことはない。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が閉故障していると判定した場合において、前記電圧検出手段が電圧の上昇を検出したとき、前記故障判定手段は、前記第2弁装置が閉故障していると判定し、前記制御手段は、前記燃料電池が破損せず、かつ、前記通常流量よりも多い流量であって、閉故障する前記第2弁装置が開くような第2流量で酸化剤ガスが供給されるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御することを特徴とする。
ここで、酸化剤ガスが燃料電池の酸化剤ガス流路に供給されると、カソードにおける電極反応が良好に進行し、カソードの電位が上昇、つまり、燃料電池の電圧が上昇する。
したがって、このような燃料電池システムによれば、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障していると判定した場合において、電圧検出手段が電圧の上昇を検出したとき、酸化剤ガスは酸化剤ガス流路に供給されていると判断でき、そして、第1弁装置は正常に開いており、第2弁装置は閉故障していると判定できる。
そして、第2弁装置は閉故障していると判定される場合、燃料電池が破損せず、かつ、通常流量よりも多い流量であって、閉故障する第2弁装置が開く第2流量で酸化剤ガスが供給されるので、燃料電池を破損させずに第2弁装置を早期に開くことができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が閉故障していると判定した場合において、前記電圧検出手段が電圧の上昇を検出しないとき、前記故障判定手段は、前記第1弁装置が閉故障していると判定し、前記制御手段は、前記第1弁装置の上流の前記酸化剤ガス供給流路が破損せず、かつ、前記通常流量よりも多い流量であって、閉故障する前記第1弁装置が開く第1流量で酸化剤ガスが供給されるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御することを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、第1弁装置及び/又は第2弁装置が閉故障していると判定した場合において、電圧検出手段が電圧の上昇を検出しないとき、酸化剤ガスは酸化剤ガス流路に供給されていないと判断でき、そして、第1弁装置は閉故障していると判定できる。
そして、第1弁装置は閉故障していると判定される場合、第1弁装置の上流の酸化剤ガス供給流路が破損せず、かつ、通常流量よりも多い流量であって、閉故障する第1弁装置が開く第1流量で酸化剤ガスが供給されるので、酸化剤ガス供給流路を破損させずに第1弁装置を早期に開くことができる。
酸化剤ガス供給流路が破損するとは、例えば、酸化剤ガス供給流路を構成する配管(ホース)や、配管を接続するジョイント、各種シール部材(パッキン、Oリング)等が破損し、酸化剤ガスが漏洩することを意味する。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記第2流量の最大値は、前記第1流量の最大値よりも小さいことを特徴とする。
このような燃料電池システムによれば、第2流量の最大値は、第1流量の最大値よりも小さく設定されているので、第1弁装置の下流かつ第2弁装置の上流に配置されている燃料電池を破損せずに、第2弁装置を開くことができる。また、第2流量の最大値は、第1流量の最大値よりも小さいので、第2流量で通流したとしても、第1弁装置よりも上流の酸化剤ガス供給流路が破損することはない。
また、前記燃料電池システムにおいて、システム温度を検出する温度検出手段を備え、
前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置は閉故障していると判定した場合、前記制御手段は、システム温度が低くなるほど、酸化剤ガスの流量が多くなるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御することを特徴とする。
ここで、システム温度が低くなるほど、第1弁装置及び第2弁装置の温度も低くなり、第1弁装置及び第2弁装置が凍結しやすくなる。なお、第1弁装置及び第2弁装置の凍結が進むほど、その凍結量、つまり、第1弁装置又は第2弁装置内に生成する氷結量は多くなり、第1弁装置又は第2弁装置が開きにくくなる。
そこで、このような燃料電池システムによれば、システム温度が低くなるほど、つまり、第1弁装置及び/又は第2弁装置の凍結量が多くなり、開きにくくなるほど、酸化剤ガスの流量が多くなるように酸化剤ガス供給手段を制御するので、第1弁装置及び/又は第2弁装置の上流側の圧力は、システム温度が低くなるほど高くなり、第1弁装置及び/又は第2弁装置を適切に開くことができる。
本発明によれば、酸化剤ガス流路を封鎖する第1弁装置及び/又は第2弁装置の閉故障を早期に検出しつつ、閉故障する第1弁装置及び/又は第2弁装置を早期に開き、燃料電池を早期に発電可能な状態とする燃料電池システムを提供することができる。
本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 本実施形態に係るノーマルクローズ型の第1弁装置の側断面図であり、閉状態を示している。 本実施形態に係るノーマルクローズ型の第1弁装置の側断面図であり、開状態を示している。 システム温度と目標空気流量(g/s、質量)との関係を示すマップである。 本実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム100は、図示しない燃料電池車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム100は、燃料電池スタック110と、燃料電池スタック110のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック110のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック110の電力を消費する電力消費系と、これらを電子制御するECU160(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック110は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セル111が積層して構成されたスタックであり、複数の単セル111は直列で接続されている。単セル111は、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソード(電極)とを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体と、これに担持され、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)と、を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全ての単セル111に水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路112(燃料ガス流路)、カソード流路113(酸化剤ガス流路)として機能している。
そして、アノード流路112を介して各アノードに水素が供給されると、式(1)の電極反応が起こり、カソード流路113を介して各カソードに空気が供給されると、式(2)の電極反応が起こり、各単セル111で電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、燃料電池スタック110とモータ等の外部負荷とが電気的に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック110が発電するようになっている。
2H→4H+4e …(1)
+4H+4e→2HO …(2)
また、各セパレータには、燃料電池スタック110を冷却する冷媒が通流する貫通孔や溝が形成されており、これら貫通孔及び溝が冷媒流路114として機能している。冷媒流路114の入口には、ラジエータ(図示しない)からの冷媒が通流する配管114aが接続されており、冷媒流路114の出口にはラジエータ(図示しない)に向かう冷媒が通流する配管114bが接続されている。
そして、配管114bには、温度センサ115(温度検出手段)が取り付けられている。温度センサ115は、配管114b内の温度をシステム温度T11(燃料電池システム100の温度)として検出し、ECU160に出力するようになっている。
ただし、温度センサ115の位置はこれに限定されず、例えば、配管124b、配管132aに取り付けられた構成でもよいし、温度センサ115が外気温度を検出する温度センサである構成でもよい。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク121(燃料ガス供給手段)と、ノーマルクローズ型の遮断弁122と、減圧弁123(レギュレータ)と、エゼクタ124と、ノーマルクローズ型のパージ弁125と、を備えている。
水素タンク121は、配管121a、遮断弁122、配管122a、減圧弁123、配管123a、エゼクタ124、配管124aを介して、アノード流路112の入口に接続されている。そして、燃料電池スタック110を発電させるため、ECU160からの指令によって遮断弁122が開かれると、水素が、水素タンク121から遮断弁122等を通って、アノード流路112に供給されるようになっている。
減圧弁123は、カソード流路113における空気の圧力に対応して、アノード流路112に向かう水素を所定圧力に減圧するものである。
具体的には、減圧弁123は、途中にオリフィス123cが設けられた配管123bを介して、カソード流路113に向かう空気が通流する後記する配管131aと接続されており、カソード流路113に向かう空気の圧力が、パイロット圧として、減圧弁123に入力されるようになっている。
そして、減圧弁123は、パイロット圧に基づいて、アノード流路112の圧力がカソード流路113の圧力とバランスするように、二次側圧力(アノード流路112の圧力)を制御するように構成されている。これにより、後記するように、カソード流路113に向かう空気流量を増加したとしても、アノード流路112の圧力とカソード流路113の圧力とがバランスし、MEA等が破損しないようになっている。
エゼクタ124は、ノズルとディフューザとを備え、水素タンク121からの水素をノズルから噴射することで負圧を発生させ、この負圧により配管124bのアノードオフガスを吸引するようになっている。そして、水素とアノードオフガスとがディフューザで混合した後、アノード流路112に向かうようになっている。
アノード流路112の出口は、配管124bを介して、エゼクタ124の吸気ポートに接続されている。そして、アノード流路112から排出された未消費の水素を含むアノードオフガスが、エゼクタ124に戻された後、アノード流路112に再供給され、その結果、水素が循環するようになっている。なお、配管124bには、アノードオフガスに同伴する液状の水分を分離する気液分離器(図示しない)が設けられている。
配管124bの途中は、配管125a、パージ弁125、配管125bを介して、後記する希釈器133に接続されている。パージ弁125は、燃料電池スタック110の発電中、配管124bを循環するアノードオフガスに含まれる不純物(水蒸気、窒素等)を排出(パージ)する場合、ECU160によって定期的に開かれる。
また、パージ弁125は、システム起動時において、アノード流路112における水素濃度を高め、燃料電池スタック110を発電可能な状態にするために適宜に開かれる。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ131(酸化剤ガス供給手段)と、ノーマルクローズ型(常閉型)の第1弁装置1と、ノーマルクローズ型の第2弁装置2と、ノーマルオープン型の背圧弁132と、希釈器133と、圧力センサ134(圧力検出手段)と、質量流量センサ135と、を備えている。
コンプレッサ131は、配管131a、第1弁装置1、配管131bを介して、カソード流路113の入口に接続されている。そして、コンプレッサ131は、ECU160の指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込んで圧縮し、配管131a等を介して、カソード流路113に供給するようになっている。
なお、コンプレッサ131の回転速度が制御されると、コンプレッサ131から吐出される空気流量が制御される。また、コンプレッサ131は、燃料電池スタック110及び/又は高圧バッテリ(図示しない)を電源としている。
すなわち、カソード流路113に向かう空気が通流する酸化剤ガス供給流路は、配管131aと配管131bとを備えて構成され、この酸化剤ガス供給流路に、第1弁装置1が設けられている。
第1弁装置1は、ECU160によって制御されるノーマルクローズ型の電磁弁であり、システム停止中(燃料電池スタック110の発電停止中)は閉状態となり、システム運転中(発電中)は開状態となる。なお、第1弁装置1の具体的構造は後で説明する。
カソード流路113の出口は、配管132a、第2弁装置2、配管132b、背圧弁132、配管132cを介して、希釈器133に接続されている。そして、カソード流路113から排出されたカソードオフガス(酸化剤ガス)は、配管132a等を介して、希釈器133に排出されるようになっている。
すなわち、カソード流路113(酸化剤ガス流路)から排出されたカソードオフガスが通流する酸化剤ガス排出流路は、配管132aと、配管132bと、配管132cと、後記する配管133aとを備えて構成され、この酸化剤ガス排出流路に、第2弁装置2が設けられている。
第2弁装置2は、ECU160によって制御されるノーマルクローズ型の電磁弁であり、システム停止中(燃料電池スタック110の発電停止中)は閉状態となり、システム運転中(発電中)は開状態となる。なお、第2弁装置2の具体的構造は、後で説明する。
すなわち、システム停止中、第1弁装置1及び第2弁装置2が閉状態になることで、カソード流路113が車外から封鎖され、車外の空気がカソード流路113に侵入せず、燃料電池スタック110の劣化が防止されている。一方、システム運転中、第1弁装置1及び第2弁装置2が開状態になることで、カソード流路113が車外に開放されるようになっている。
背圧弁132は、バタフライ弁等から構成されたノーマルオープン型の弁であって、その開度は、アクセル開度等の発電要求量に対応して、ECU160により制御される。
希釈器133は、アノードオフガスとカソードオフガスとを混合し、アノードオフガス中の水素を、カソードオフガス(希釈用ガス)で希釈する容器であり、その内部に希釈空間を備えている。そして、希釈後のガスは、配管133aを介して、車外に排出されるようになっている。
圧力センサ134は、配管131aに取り付けられており、第1弁装置1の上流側の圧力P11を検出し、ECU160に出力するようになっている。
質量流量センサ135は、コンプレッサ131の吸気側に取り付けられており、コンプレッサ131に吸気される空気の質量流量(g/s)を検出し、ECU160に出力するようになっている。ここで、コンプレッサ131から吐出される空気の略全てが、カソード流路113に向かうから、質量流量センサ135の検出する質量流量は、カソード流路113に向かう空気の質量流量と略等しくなる。
ただし、質量流量センサ135の取付位置はこれに限定されず、例えば、配管131aに取り付けられた構成でもよい。
また、配管131bと配管132aとを跨ぐように加湿器(図示しない)が設けられている。この加湿器は、水分透過性を有する中空糸膜を複数本内蔵し、この中空糸膜を介して、カソード流路113に向かう空気と、カソード流路113から排出された多湿のカソードオフガスとの間で水分交換させ、カソード流路113に向かう空気を加湿するものである。
<第1弁装置、第2弁装置>
次に、第1弁装置1、第2弁装置2の具体的構造について、図2、図3を参照して説明する。
第1弁装置1は、ノーマルクローズ型の第1弁10と、通電により第1弁10を開閉操作する第1ソレノイド装置40(第1操作手段)と、を備えている。
第2弁装置2は、ノーマルクローズ型の第2弁10Aと、通電により第2弁10Aを開閉操作する第2ソレノイド装置40Aと、を備えている。
ここで、第1弁装置1と第2弁装置2との構造は同一、つまり、第1弁10と第2弁10A、第1ソレノイド装置40と第2ソレノイド装置40A、はそれぞれ同一の構造であるので、以下、第1弁装置1について説明し、第2弁装置2については省略する。
[第1弁]
第1弁10は、入口ポート12及び出口ポート13が形成されたボディ11(弁箱)と、入口ポート12周りの弁座14に対して着座/離座する弁体20と、圧縮コイルばね31と、を備えている。
入口ポート12には、コンプレッサ131からの空気が通流する配管131aが接続されており、出口ポート13には、配管131bが接続されている。一方、第2弁10Aの入口ポート12には配管132aが接続されており、出口ポート13には配管132bが接続されている。
弁体20は、入口ポート12周りの弁座14に対して着座/離座する本体21と、本体21と一体に形成され、本体21の中心から上方に延び、上部がボディ11の天壁部を貫通し、第1ソレノイド装置40内に延びるロッド23と、を備えている。なお、ロッド23の上端には、第1ソレノイド装置40の固定コア(図示しない)に吸引される可動コア(図示しない)が一体に固定されている。
弁体20の本体21は円板状を呈し、本体21が弁座14に着座すると、第1弁10が閉状態となり、入口ポート12と出口ポート13とが遮断されるようになっている(図2参照)。一方、本体21が弁座14から離座すると、第1弁10が開状態となり、入口ポート12と出口ポート13とが連通するようになっている(図3参照)。
本体21の下面には、ゴム製等の環状のシール部材22が設けられている。そして、本体21が着座した場合(第1弁10が閉じた場合)、シール部材22が弾性変形することで、閉状態におけるシール性が高められている。なお、シール部材22が弁座14に設けられた構成でもよい。
圧縮コイルばね31は、ボディ11の天壁部と、弁体20の本体21との間に縮設されており、本体21(弁体20)を閉方向に付勢している。そして、第1ソレノイド装置40への通電が停止されている場合、圧縮コイルばね31に付勢される本体21が弁座14に着座し、これにより、第1弁10がノーマルクローズ型に構成されている。
[第1ソレノイド装置]
第1ソレノイド装置40(第2ソレノイド装置40A)は、第1弁10(第2弁10A)を閉状態から開状態に駆動する第1電気駆動装置(第2電気駆動装置)であり、ソレノイド41と、ソレノイド41に通電された場合に励磁する固定コア(図示しない)と、を備えている。
そして、ECU160から開弁指令が入力されると、ソレノイド41に通電し、これにより励磁する固定コア(図示しない)に、ロッド23に固定された可動コア(図示しない)が吸引されることで、弁体20が離座し、第1弁10が開状態となる。なお、第1ソレノイド装置40は、低圧バッテリ(図示しない)を電源としている。
ただし、第1弁10を開閉操作する装置は、第1ソレノイド装置40に限定されず、例えば、ロッド23にラックを形成し、このラックに噛合するピニオンをステッピングモータ(DCモータ)で正転/反転させることで、開閉する構成としてもよい。
すなわち、閉状態の第1弁10及び第2弁10Aにおいて、弁座14に着座する弁体20は、その上流側からの空気又はカソードオフガスの圧力によって開方向(図2、図3の上方向)に押されるように構成されている。つまり、第1弁装置1(第1弁10)又は第2弁装置(第2弁10A)が閉故障している場合において、その上流側の空気又はカソードオフガスの圧力が高くなると、圧縮コイルばね31のばね力に抗して弁体20が開方向に押され、第1弁装置1又は第2弁装置2が開くようになっている。
なお、第1弁装置1、第2弁装置2が閉故障している場合とは、例えば、凍結によって本体21が弁座14に張り付いている場合や、第1ソレノイド装置40、第2ソレノイド装置40Aが電気的/機械的に故障している場合、等が考えられる。
<電力消費系>
図1に戻って説明を続ける。
電力消費系は、走行用のモータ141と、電力制御器142と、コンタクタ143(ON/OFFスイッチ)と、出力検出器144(電圧検出手段)と、を備えている。モータ141は、電力制御器142、コンタクタ143、出力検出器144を介して、燃料電池スタック110の出力端子(図示しない)に接続されている。
モータ141は、電力によって燃料電池車の駆動力を発生する外部負荷である。
電力制御器142は、ECU160から入力される指令電流値に従って、燃料電池スタック110の発電電力(出力電流、出力電圧)を制御する機器であり、DC/DCチョッパ、DC/DCコンバータ等の電子回路を備えている。
出力検出器144は、燃料電池スタック110の現在の電流及び電圧V11を検出する機器であり、電流センサ及び電圧センサを備えている。そして、出力検出器144は、検出した電流及び電圧V11を、ECU160に出力するようになっている。
<その他機器>
IG151は、燃料電池システム100(燃料電池車)の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。また、IG151はECU160と接続されており、ECU160はIG151のON/OFF信号を検知するようになっている。
<ECU>
ECU160(制御手段)は、燃料電池システム100を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮し、各種機器を制御する。
<ECU−故障判定機能>
ECU160(故障判定手段)は、コンプレッサ131が作動し、第1弁装置1及び第2弁装置2に開弁指令を出力している場合において、圧力センサ134から入力される圧力P11と、出力検出器144から入力される電圧V11と基づいて、第1弁装置1、第2弁装置2が閉故障しているか否か判定する機能を備えている。
具体的には、ECU160は、第1弁装置1の上流側の圧力P11が、第1所定圧力P1以上である場合(P11≧P1)、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2は完全に閉故障していると判定するように設定されている。完全に閉故障している場合とは、例えば、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2内における凍結量が多すぎ、開弁指令が入力されているにも関わらず、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2が開かない場合や、第1ソレノイド装置40及び/又は第2ソレノイド装置40Aが電気的/機械的に故障している場合、等である。
第1所定圧力P1は、圧力損失を考慮したうえで、コンプレッサ131の作動中において現在の圧力P11が第1所定圧力P1以上ならば、開弁指令が入力されているにも関わらず、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2が閉じたままであると判断される圧力であって、配管131a、131bや、燃料電池スタック110の電解質膜が破損しない程度の圧力に設定される。
次に、圧力P11が第2所定圧力P2以上かつ第1所定圧力P1未満であって(P2≦P11<P1)、燃料電池スタック110の電圧V11が第1所定電圧V1未満である場合(V11<V1)、第1弁装置1が閉故障していると判定するように設定されている。
一方、圧力P11が第2所定圧力P2以上かつ第1所定圧力P1未満であって(P2≦P11<P1)、燃料電池スタック110の電圧V11が第1所定電圧V1以上である場合(V11≧V1)、第2弁装置2が閉故障していると判定するように設定されている。
第2所定圧力P2は、圧力損失を考慮したうえで、コンプレッサ131の作動中において現在の圧力P11が第2所定圧力P2未満ならば、第1弁装置1及び第2弁装置2が正常に開いていると判断される圧力に設定される。
言い換えると、第2所定圧力P2は、コンプレッサ131の作動中において現在の圧力P11が第2所定圧力P2以上ならば、第1弁装置1又は第2弁装置2が閉故障していると判断される圧力に設定される。
第1所定電圧V1は、現在の電圧V11が第1所定電圧V1以上であれば、カソード流路113に空気が供給されており、開弁指令を受けている第1弁装置1が正常に開いていると判断される電圧に設定される。
なお、第1所定電圧V1は、カソード流路113に空気が供給され、第1弁装置1が正常に開いているか否か判断できればよいので、燃料電池スタック110が発電可能となったか否かについての判断基準となる第2所定電圧V2よりも低く設定される(V1<V2)。
<ECU−起動モード制御機能>
ECU160は、システム起動時において、システム温度T11に基づいて、通常起動モード又は低温起動モードを選択し、選択したモードで燃料電池システム100を運転する機能を備えている。
通常起動モードとは、燃料電池スタック110が凍結していないと判断される場合において、燃料電池スタック110に予め設定された流量・圧力で、水素、空気を供給し、燃料電池スタック110を通常に発電させるモードである。
低温起動モードとは、システム停止中に低温環境下に曝された等によって、燃料電池スタック110が凍結していると判断される場合において、燃料電池スタック110の暖機を促進するため、通常起動モードよりも大流量・高圧で、水素、空気を供給すると共に、燃料電池スタック110の発電電力を増大させることで、発電に伴う自己発熱量を増大させ、燃料電池スタック110の暖機を促進させるモードである。
そして、本実施形態では、システム起動時(IG151のON時)におけるシステム温度T11が第1所定温度T1以下である場合、低温起動モードを選択し、第1所定温度T1以下でない場合、通常起動モードを選択するように設定されている(図4参照)。第1所定温度T1は、いずれのモードを選択するか、つまり、燃料電池スタック110が凍結しているか否かについての判断基準となる温度であり、例えば0℃に設定される。
ただし、このようなモード選択方法に限定されず、システム停止中において、システム温度T11が第1所定温度T1以下を経験していた場合、IG151のON時におけるシステム温度T11に関わらず、低温起動モードを選択する構成としてもよい。
したがって、第1弁装置1及び第2弁装置2が正常に開いている場合において、システム温度T11が第1所定温度T1以下の範囲におけるカソード流路113に供給するべき通常流量(目標空気流量)は、図4に示すように、システム温度T11が第1所定温度T1を超える範囲における通常流量よりも、多くなるように設定されている。
<ECU−空気流量制御機能>
ECU160は、燃料電池スタック110の発電開始前(IG151のON後、コンタクタ143のON前)、カソード流路113を空気に置換し、燃料電池スタック110の電圧V11(OCV)を第2所定電圧V2以上に高める処理段階(OCVチェック段階)において、第1弁装置1及び第2弁装置2の閉故障状態と、システム温度T11と、図4のマップとに基づいて、コンプレッサ131からカソード流路113に向かう空気流量(g/s)を制御する機能を備えている。
具体的には、ECU160は、第1弁装置1及び第2弁装置2は正常に開いていると判断される場合、システム温度T11と図4とに基づいて、目標空気流量とするべき通常流量を算出し、算出された通常流量(目標空気流量)となるように、質量流量センサ135の検出値を監視しつつ、コンプレッサ131を制御する機能を備えている。
なお、図4に示すマップは、事前試験等により求められ、ECU160に予め記憶されている。
この場合において、システム温度T11が第1所定温度T1以下である場合、OCVチェック完了後(電圧V11が第2所定電圧V2に到達した後)、低温起動モードで運転することになるから、これに対応して、OCVチェック段階においても、システム温度T11が第1所定温度T1以下である場合における目標空気流量は、第1所定温度T1を超える場合における目標空気流量よりも多く算出される。
次に、ECU160は、第1弁装置1は閉故障していると判断される場合、システム温度T11と図4とに基づいて、目標空気流量とするべき第1流量を算出し、算出された第1流量(目標空気流量)となるように、コンプレッサ131を制御する機能を備えている。
一方、ECU160は、第2弁装置2は閉故障していると判断される場合、システム温度T11と図4とに基づいて、目標空気流量とするべき第2流量を算出し、算出された第2流量(目標空気流量)となるように、コンプレッサ131を制御する機能を備えている。
ここで、図4に示すように、第1流量(第1弁装置1が閉故障)、第2流量(第2弁装置2が閉故障)は、全温度範囲において、通常流量よりも高く設定されているので、第1流量又は第2流量を目標空気流量とした場合における第1弁装置1又は第2弁装置2の上流側の圧力は、通常流量を目標空気流量とした場合における圧力よりも高くなる。これにより、第1弁装置1又は第2弁装置2の弁体20を開方向に押圧する力も大きくなり、閉故障する第1弁装置1又は第2弁装置2が開きやすくなる。
また、システム温度T11が第1所定温度T1以下の範囲において、システム温度T11が低くなるにつれて、目標空気流量(g/s)となる第1流量又は第2流量は徐々に増加するように設定されているので、温度低下に伴って空気の体積流量(L/s)が低下せず、つまり、弁体20を開方向に押圧する力が小さくなることはない。つまり、温度低下し、凍結量が多くなり、開きにくくなる第1弁装置1又は第2弁装置2の弁体20を、適切な大きさの力で開方向に押圧できる。
さらに、第1流量の最大値(上限値)は、コンプレッサ131と第1弁装置1との間の配管131aの耐圧性等、つまり、配管131aや接続部が破損しない程度に設定されている。これにより、目標空気流量を第1流量としても、増圧により配管131a等が破損することはない。
さらにまた、第2流量の最大値(上限値)は、第1流量の最大値よりも小さい値であって、燃料電池スタック110(MEA等)が破損しない程度に設定されている。これにより、目標空気流量を第2流量としても、増圧により燃料電池スタック110が破損することはない。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム100の動作について、図5を参照して説明する。
初期状態において、燃料電池システム100は停止し、燃料電池スタック110は発電停止し、コンタクタ143はOFFされており、燃料電池スタック110の電圧V11は略0である。
そして、IG151がONされると、図5に示す処理がスタートする。
具体的には、ECU160は、遮断弁122に開弁指令を出力した後、パージ弁125を間欠的に開く。これにより、アノード流路112に水素が供給され、水素への置換が進む。
これに並行して、ECU160は、第1弁装置1及び第2弁装置2に開弁指令を出力する。また、ECU160は配管114aに設けられた冷媒ポンプ(図示しない)を作動させ、冷媒を循環させる。
ステップS101において、ECU160は、現在の圧力P11が第1所定圧力P1以上であるか否か判定する。
現在の圧力P11は第1所定圧力P1以上であると判定した場合(S101・Yes)、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2は完全に閉故障していると判断し、ECU160の処理はステップS102に進む。
一方、現在の圧力P11は第1所定圧力P1以上でないと判定した場合(S101・No)、第1弁装置1及び第2弁装置2は正常に開いている、又は、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2は一時的に閉故障していると判断し、ECU160の処理はステップS103に進む。
なお、本実施形態では、後記するステップS104、S111、S112を経由してコンプレッサ131の作動が開始する設定であるから、ステップS101の初回判定結果はNoとなる。
また、一時的に故障している状態とは、後記する増圧処理により、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2が開く可能性がある状態を意味する。
ステップS102において、ECU160は、燃料電池システム100を停止させる。
具体的には、ECU160は、遮断弁122、第1弁装置1及び第2弁装置2に閉弁指令を出力し、コンプレッサ131を停止させる。そして、ECU160は、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2が閉故障していることを運転者に報知するため、例えば警告ランプを点灯させる。
その後、ECU160の処理はリターンに進む。この他、エンドに進む構成としてもよい。
ステップS103において、ECU160は、現在の圧力P11が第2所定圧力P2以上であるか否か判定する。
現在の圧力P11は第2所定圧力以上であると判定した場合(S103・Yes)、ECU160は、第1弁装置1及び/又は第2弁装置2は閉故障していると判断し、ECU160の処理はステップS110に進む。
一方、現在の圧力P11は第2所定圧力P2以上でないと判定した場合(S103・No)、第1弁装置1及び第2弁装置2は正常に開いていると判断し、ECU160の処理はステップS104に進む。
なお、本実施形態では、後記するステップS104、S111、S112を経由してコンプレッサ131の作動が開始する設定であるから、ステップS103の初回判定結果はNoとなる。
ステップS104において、ECU160は、カソード流路113に供給される目標空気流量が通常流量となるように、コンプレッサ131を制御する。
この場合において、図4に示すように、システム温度T11が第1所定温度T1以下である場合、この後、燃料電池スタック110の暖機を促進するべく低温起動モードで運転させるから(後記するS108参照)、目標空気流量を、通常起動モード(後記するS109参照)の空気流量よりも多い流量とする。
ステップS105において、ECU160は、燃料電池スタック110の現在の電圧V11(OCV)が、第2所定電圧V2以上であるか否か判定する。
現在の電圧V11が第2所定電圧V2以上であると判定した場合(S105・Yes)、ECU160はOCVチェックが完了したと判断し、ECU160の処理はステップS106に進む。
なお、OCVチェックが完了するとは、コンタクタ143がOFFされた状態で、アノード流路112における水素の置換、カソード流路113における空気の置換がそれぞれ良好に完了し、燃料電池スタック110が発電可能な状態になったことを意味する。
一方、現在の電圧V11が第2所定電圧V2以上でない判定した場合(S105・No)、ECU160の処理はリターンを通ってスタートに戻る。
ステップS106において、ECU160は、コンタクタ143をONし、燃料電池スタック110とモータ141(外部負荷)とを電気的に接続する。
ステップS107において、ECU160は、システム温度T11が第1所定温度T1以下であるか否か判定する。
システム温度T11が第1所定温度T1以下であると判定した場合(S107・Yes)、ECU160の処理はステップS108に進む。一方、システム温度T11が第1所定温度T1以下でない場合(S107・No)、ECU160の処理はステップS109に進む。
ステップS108において、ECU160は、燃料電池スタック110の暖機を促進させるべく、燃料電池システム100を低温起動モードで運転する。
具体的には、ECU160は、ステップS109の通常起動モードよりも大流量・高圧で、空気、水素を供給し、燃料電池スタック110の発電電力(出力電流)を大きくし、発電に伴う自己発熱によって燃料電池スタック110の暖機を促進させる。
ステップS109において、ECU160は、燃料電池システム100を通常起動モードで運転する。
具体的には、ECU160は、無負荷状態(アイドリング状態)に対応した流量・圧力で、空気、水素を供給し、燃料電池スタック110を通常に発電させる。
次に、ステップS103の判定結果がYesとなって進むステップS110を説明する。
ステップS110において、ECU160は、燃料電池スタック110の現在の電圧V11(OCV)が、第1所定電圧V1以上であるか否か判定する。
現在の電圧V11は第1所定電圧V1以上である(電圧V11は上昇した)と判定した場合(S110・Yes)、ECU160は、カソード流路113に空気は供給されていると判断、つまり、第1弁装置1は正常に開いているが、第2弁装置2は閉故障し閉じたままであると判断し、ECU160の処理はステップS111に進む。
一方、現在の電圧V11は第1所定電圧V1以上でない(電圧V11は上昇していない)と判定した場合(S110・No)、ECU160は、カソード流路113に空気は供給されていないと判断、つまり、第1弁装置1は閉故障し閉じたままであると判断し、ECU160の処理はステップS112に進む。
ステップS112において、ECU160は、カソード流路113に向かう目標空気流量が第1流量となるように、コンプレッサ131を制御する。
具体的には、ECU160は、システム温度T11と図4のマップとに基づいて、目標空気流量とするべき第1流量を算出し、これに従ってコンプレッサ131を制御する。
そうすると、コンプレッサ131から第1弁装置1に向かう空気の流量は増加し、第1弁装置1の上流側の圧力は徐々に上昇し、第1弁装置1の閉じている弁体20を開方向(図2の上方向)に押圧する力が、徐々に大きくなる。また、コンプレッサ131で圧縮されることで高温となった空気が第1弁装置1に供給されるから、第1弁装置1の解氷が進む。
そして、この開方向に押圧する力が、例えば凍結によって弁体20を閉位置で維持する力よりも大きくなると、第1弁装置1が開く。
その後、ECU160の処理はリターンに進む。
なお、このように第1弁装置1が閉故障していると判定し、目標空気流量を第1流量に設定している場合において、第1弁装置1が開くと、高圧の空気がカソード流路113に供給されることになるから、第1弁装置1が開いたと判断されるとき、一時的に背圧弁132の開度を大きくしたり、コンプレッサ131の回転速度を一時的に下げることが望ましい。
因みに、第1弁装置1の上流側の圧力P11が低下したり、燃料電池スタック110の電圧V11が上昇した場合、第1弁装置1が開いたと判断される。その他、第1弁装置1が、弁体20のポジション(開位置/閉位置)を検出するセンサを備える場合、このセンサからの信号に基づいて、第1弁装置1が開いたか否か判断することもできる。
ステップS111において、ECU160は、カソード流路113に向かう目標空気流量が第2流量となるように、コンプレッサ131を制御する。
具体的には、ECU160は、システム温度T11と図4のマップとに基づいて、目標空気流量とするべき第2流量を算出し、これに従ってコンプレッサ131を制御する。
そうすると、コンプレッサ131から第2弁装置2に向かう空気の流量は増加し、第2弁装置2の上流側の圧力は徐々に上昇し、第2弁装置2の閉じている弁体20を開方向(図2の上方向)に押圧する力が、徐々に大きくなる。また、コンプレッサ131で圧縮されることで高温となった空気が第2弁装置2に供給されることになるから、第2弁装置2の解氷が進む。
そして、この開方向に押圧する力が、例えば凍結によって弁体20を閉位置で維持する力よりも大きくなると、第2弁装置2が開く。
その後、ECU160の処理はリターンに進む。
≪燃料電池システムの効果≫
このような燃料電池システム100によれば、次の効果を得る。
第1弁装置1及び第2弁装置2に開弁指令を出力した後において、第1弁装置1の上流側の圧力P11、燃料電池スタック110の電圧V11に基づいて、第1弁装置1、第2弁装置2のいずれが閉故障しているか否か判定し(S103、S110)、閉故障していると判定した場合、閉故障する第1弁装置1又は第2弁装置2に対応して、目標空気流量を第1流量又は第2流量に増加し(S112、S111)、第1弁装置1又は第2弁装置2の弁体20を開方向に押圧する圧力を適切に増圧し、第1弁装置1又は第2弁装置2を速やかに開くことができる。
なお、第1弁装置1及び第2弁装置2が開いた場合、圧力P11が第2所定圧力P2未満になるので(S103・No)、目標空気流量は通常流量となる(S104)。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更できる。
前記した実施形態では、燃料電池スタック110の電圧V11に基づいて、閉故障しているか否か判断する構成としたが、その他に例えば、各単セル111のセル電圧を検出するセル電圧モニタを備える場合、このセル電圧モニタが検出するセル電圧に基づいて、閉故障しているか否か判断する構成としてもよい。
前記した実施形態では、燃料電池システム100が燃料電池車に搭載された場合を例示したが、その他の移動体、例えば自動二輪車、列車、船舶に搭載された燃料電池システムでもよい。また、定置型の燃料電池システムに本発明を適用してもよい。
1 第1弁装置
2 第2弁装置
100 燃料電池システム
110 燃料電池スタック(燃料電池)
111 単セル(燃料電池)
112 アノード流路(燃料ガス流路)
113 カソード流路(酸化剤ガス流路)
115 温度センサ(温度検出手段)
131 コンプレッサ(酸化剤ガス供給手段)
131a、131b 配管(酸化剤ガス供給流路)
132a、132b、132c、133a 配管(酸化剤ガス排出流路)
134 圧力センサ(圧力検出手段)
144 出力検出器(電圧検出手段)
160 ECU(制御手段、故障判定手段)

Claims (5)

  1. 燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路を有し、前記燃料ガス流路に燃料ガスが、前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスがそれぞれ供給されることで発電する燃料電池と、
    前記酸化剤ガス流路に酸化剤ガスを供給すると共に、酸化剤ガスの流量を制御可能な酸化剤ガス供給手段と、
    前記酸化剤ガス供給手段と前記酸化剤ガス流路の入口とを接続し、前記酸化剤ガス流路に向かう酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給流路と、
    前記酸化剤ガス流路の出口に接続され、前記酸化剤ガス流路から排出された酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス排出流路と、
    前記酸化剤ガス供給流路に設けられると共に、上流側の圧力によって弁体が開方向に押されるノーマルクローズ型の第1弁装置と、
    前記酸化剤ガス排出流路に設けられると共に、上流側の圧力によって弁体が開方向に押されるノーマルクローズ型の第2弁装置と、
    前記酸化剤ガス供給手段、前記第1弁装置及び前記第2弁装置を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、システム停止中、前記第1弁装置及び前記第2弁装置を閉状態とすることで前記酸化剤ガス流路を封鎖し、システム運転中、前記第1弁装置及び前記第2弁装置を開状態とすることで前記酸化剤ガス流路を開放する燃料電池システムであって、
    前記第1弁装置の上流側の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段が検出した圧力に基づいて、前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が閉故障しているか否か判定する故障判定手段と、
    を備え、
    システム起動時、前記制御手段が、前記第1弁装置及び前記第2弁装置に開弁指令を出力し、前記第1弁装置及び前記第2弁装置が正常に開いているとした場合における通常流量で酸化剤ガスが供給されるように前記酸化剤ガス供給手段を制御したときにおいて、前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置は閉故障していると判定した場合、
    前記制御手段は、前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が開くように、前記通常流量よりも多い流量で酸化剤ガスが供給されるように前記酸化剤ガス供給手段を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池の電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が閉故障していると判定した場合において、前記電圧検出手段が電圧の上昇を検出したとき、
    前記故障判定手段は、前記第2弁装置が閉故障していると判定し、
    前記制御手段は、前記燃料電池が破損せず、かつ、前記通常流量よりも多い流量であって、閉故障する前記第2弁装置が開く第2流量で酸化剤ガスが供給されるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置が閉故障していると判定した場合において、前記電圧検出手段が電圧の上昇を検出しないとき、
    前記故障判定手段は、前記第1弁装置が閉故障していると判定し、
    前記制御手段は、前記第1弁装置の上流の前記酸化剤ガス供給流路が破損せず、かつ、前記通常流量よりも多い流量であって、閉故障する前記第1弁装置が開く第1流量で酸化剤ガスが供給されるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第2流量の最大値は、前記第1流量の最大値よりも小さい
    ことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. システム温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記故障判定手段が前記第1弁装置及び/又は前記第2弁装置は閉故障していると判定した場合、
    前記制御手段は、システム温度が低くなるほど、酸化剤ガスの流量が多くなるように、前記酸化剤ガス供給手段を制御する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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