JP2010286093A - 軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】経時的に硬化したグリス等の潤滑剤を容易に排出することができ、潤滑剤の補給作業が容易に行える軸受装置を提供する。
【解決手段】本発明による軸受装置1は、外部軸受カバー30に、第1排出孔33と交差して外部軸受カバー30を貫通する貫通孔36を形成し、その貫通孔36の一方を第2排出孔35、他方を挿入孔34とし、挿入孔34に挿入され、第2排出孔35側へ貫通孔36の貫通方向に移動可能な排出棒37を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】本発明による軸受装置1は、外部軸受カバー30に、第1排出孔33と交差して外部軸受カバー30を貫通する貫通孔36を形成し、その貫通孔36の一方を第2排出孔35、他方を挿入孔34とし、挿入孔34に挿入され、第2排出孔35側へ貫通孔36の貫通方向に移動可能な排出棒37を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、潤滑剤を補給可能な潤滑剤補給式の軸受装置に関する。
従来、電動機等の回転軸の支持に用いられる軸受を備える軸受装置が知られている。また、このような軸受装置では、軸受にかかる摩擦力を低減する等の目的で、グリス等の潤滑剤を軸受に供給可能とする潤滑剤補給式の軸受装置も知られている。潤滑剤補給式の軸受装置には、潤滑剤を注入する注入孔と、潤滑剤を排出可能な排出孔が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
このような潤滑剤補給式の軸受装置を電動機等の回転軸に用いた場合、その電動機の運転を長期間運転停止した後に再び電動機を運転しようとすると、軸受装置内に残っていたグリスが経時的に硬化して排出孔内等に詰まってしまい、新しいグリスの補給が円滑に行えないという問題が生じていた。
このとき、電動機を起動し、軸受内部の温度が上がれば、グリスが軟化して流動性が高まり、グリスが流れやすくなる。しかし、それまでの間、軸受へのグリスの補給は不十分であり、摩擦力が高い状態で軸受が作動することになる。そのため、軸受が磨耗して軸受の寿命が短くなるという問題がある。
また、上記のような軸受の磨耗を防止するために、硬化した古いグリスを排出しないまま過剰にグリスを補給すると、グリスが軸受装置から電動機内部等へ流出し、電動機の駆動に影響を与えるという問題がある。
さらに、排出孔から棒等を挿入し、無理に硬化したグリスを掻き出そうとすると、軸受装置内部が損傷するおそれがあるという問題がある。
このとき、電動機を起動し、軸受内部の温度が上がれば、グリスが軟化して流動性が高まり、グリスが流れやすくなる。しかし、それまでの間、軸受へのグリスの補給は不十分であり、摩擦力が高い状態で軸受が作動することになる。そのため、軸受が磨耗して軸受の寿命が短くなるという問題がある。
また、上記のような軸受の磨耗を防止するために、硬化した古いグリスを排出しないまま過剰にグリスを補給すると、グリスが軸受装置から電動機内部等へ流出し、電動機の駆動に影響を与えるという問題がある。
さらに、排出孔から棒等を挿入し、無理に硬化したグリスを掻き出そうとすると、軸受装置内部が損傷するおそれがあるという問題がある。
本発明は、経時的に硬化したグリス等の潤滑剤を容易に排出することができ、潤滑剤の補給作業が容易に行える軸受装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、回転軸(10)を支持する軸受(20)と、前記軸受を収納する軸受カバー部材(30,40,50)と、前記軸受カバー部材の上方に設けられ、潤滑剤を注入する注入孔(31)と、前記軸受カバー部材の下方に設けられ前記潤滑剤を排出する第1の排出孔(33)と、前記第1の排出孔と交差して前記軸受カバー部材を貫通する貫通孔(36)と、前記貫通孔の一方の開口(34)に挿入され、前記貫通孔の貫通方向に移動可能な棒部材(37)と、を備える軸受装置(1)である。
請求項2の発明は、前記棒部材(37)の前記貫通孔(36)に対する移動範囲を規制する移動規制部(34a,37a,38)を備えること、を特徴とする請求項1に記載の軸受装置(1)である。
請求項3の発明は、前記貫通孔(36)の貫通方向に垂直な断面において、前記貫通孔の一方の開口(34)の断面積に比べ、前記貫通孔の他方の開口(35)の断面積の方が大きいこと、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸受装置(1)である。
請求項4の発明は、前記軸受カバー部材(30,40,50)は、前記回転軸(10)の軸心(O)に直交する面を保護する外部軸受カバー(30)及び内部軸受カバー(40)と、前記軸受の外周面を支持する軸受箱(50)とを備え、前記第1の排出孔(33)及び前記貫通孔(36)は、前記外部軸受カバー(30)に形成されていること、を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の軸受装置(1)である。
請求項5の発明は、前記第1の排出孔(33)は、該軸受装置の使用状態における鉛直方向下側へ開口し、前記貫通孔(36)は、該軸受装置の使用状態における水平方向に形成されていること、を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の軸受装置(1)である。
本発明によれば、硬化した古い潤滑剤を容易に排出することができ、グリス等の潤滑剤の補給作業が容易に行えるという効果を奏することができる。また、本発明によれば、グリス等の潤滑剤の過剰補給を防止でき、潤滑剤の不足や無理に硬化した潤滑剤を掻き出すことによる軸受の損傷を防止できる。さらに、軸受自体に加工を施すことなく、軸受カバーのみを加工すればよいので、製造が容易である。
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
さらに、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
図1は、軸受装置の実施形態を説明する図である。
図1(a)は、軸受け装置を回転軸の軸心方向から見た平面図であり、図1(b)は、図(a)に示す直線Lに沿って切断した断面を、矢印Aに沿って見た断面図であり、図1(c)は、図1(a)に示す直線Lに沿って切断した断面を、矢印Bに沿って見た断面図である。なお、図1(a)〜(c)において、紙面上方は、この軸受装置1の使用状態における鉛直方向上側である。
軸受装置1は、グリス等の潤滑剤を補給可能な潤滑剤補給式の軸受装置であり、回転型の電動機の動力を外部へ伝導する回転軸10に設けられている。軸受装置1は、回転軸10を保持する軸受20、軸受20を保護する外部軸受カバー30及び内部軸受カバー40、軸受20の外周面を保持する軸受箱50、軸受箱50を支持するエンドブラケット60等を備えている。
この軸受装置1は、図1(b),(c)に示す矢印C方向が、電動機の内部側となるように、電動機の端部に配置されている。また、この軸受装置1は、潤滑剤としてグリスを用いている。
図1(a)は、軸受け装置を回転軸の軸心方向から見た平面図であり、図1(b)は、図(a)に示す直線Lに沿って切断した断面を、矢印Aに沿って見た断面図であり、図1(c)は、図1(a)に示す直線Lに沿って切断した断面を、矢印Bに沿って見た断面図である。なお、図1(a)〜(c)において、紙面上方は、この軸受装置1の使用状態における鉛直方向上側である。
軸受装置1は、グリス等の潤滑剤を補給可能な潤滑剤補給式の軸受装置であり、回転型の電動機の動力を外部へ伝導する回転軸10に設けられている。軸受装置1は、回転軸10を保持する軸受20、軸受20を保護する外部軸受カバー30及び内部軸受カバー40、軸受20の外周面を保持する軸受箱50、軸受箱50を支持するエンドブラケット60等を備えている。
この軸受装置1は、図1(b),(c)に示す矢印C方向が、電動機の内部側となるように、電動機の端部に配置されている。また、この軸受装置1は、潤滑剤としてグリスを用いている。
回転軸10は、電動機を起動することにより、不図示の回転子ともに一体となって軸心Oを中心として回転するシャフト状の部材である。本実施形態では、その軸心Oが水平方向となるように配置されている。
軸受20は、転がり軸受であり、内輪21と、外輪22と、これらの間に配置される転動体23等を備えている。軸受20の内輪21は、回転軸10と嵌合して回転軸10を支持し、かつ、回転軸10と一体となって回転可能である。また、軸受20の外輪22は、軸受箱50によってその外周面を支持されている。
軸受20は、転がり軸受であり、内輪21と、外輪22と、これらの間に配置される転動体23等を備えている。軸受20の内輪21は、回転軸10と嵌合して回転軸10を支持し、かつ、回転軸10と一体となって回転可能である。また、軸受20の外輪22は、軸受箱50によってその外周面を支持されている。
外部軸受カバー30は、回転軸10の軸心O方向において軸受20の電動機外部側に配置され、軸受20を保護する部材である。外部軸受カバー30は、略円環形状であり、その中空部分に回転軸10が挿入されている。また、本実施形態の外部軸受カバー30は、軸受箱50にボルト71によって固定されている。
外部軸受カバー30は、グリス注入孔31、グリス導入路32、第1排出孔33、挿入孔34、第2排出孔35、排出棒37、ばね38等を備えている。
外部軸受カバー30は、グリス注入孔31、グリス導入路32、第1排出孔33、挿入孔34、第2排出孔35、排出棒37、ばね38等を備えている。
グリス注入孔31は、潤滑剤であるグリスを軸受装置1内部へ注入可能な注入孔であり、軸受装置1の使用状態において、外部軸受カバー30の上方(回転軸10の軸心Oよりも上方)となる位置に形成されている。グリス注入孔31の先端の開口部には、グリスニップル31aが設けられている。
グリス導入路32は、外部軸受カバー30の軸受20側の面に形成された略円環形状の溝であり、グリス注入孔31から注入されたグリスを軸受20へ導入する空間である。
グリス導入路32は、外部軸受カバー30の軸受20側の面に形成された略円環形状の溝であり、グリス注入孔31から注入されたグリスを軸受20へ導入する空間である。
第1排出孔33は、グリスを軸受装置1外部へ排出可能な排出孔であり、軸受装置1の使用状態において、外部軸受カバー30の下方(回転軸10の軸心Oよりも下方)に、下方側へ開口して形成されている。また、第1排出孔33は、グリス導入路32とその空間が繋がっている。本実施形態では、図1(a)に示すように、軸受装置1の使用状態において、グリス注入孔31と第1排出孔33とは、回転軸10の軸心Oを通り鉛直方向に伸びる直線L上に位置している。
この第1排出孔33には、その開口を閉塞可能な第1蓋部33aが設けられている。この第1蓋部33aは、第1排出孔33の開口部分に着脱可能であり、通常時は、この第1蓋部33aを外して第1排出孔33を開放することにより、グリスを排出できる。
この第1排出孔33には、その開口を閉塞可能な第1蓋部33aが設けられている。この第1蓋部33aは、第1排出孔33の開口部分に着脱可能であり、通常時は、この第1蓋部33aを外して第1排出孔33を開放することにより、グリスを排出できる。
挿入孔34、第2排出孔35は、第1排出孔33に交差する方向に、外部軸受カバー30を貫通して形成された貫通孔36の両端部である。貫通孔36は、鉛直方向下側へ開口する第1排出孔33に対して垂直な方向(軸受装置1の使用状態における水平方向)であって、回転軸10の軸心Oに垂直な方向に形成されている。また、挿入孔34及び第2排出孔35は、回転軸10の軸心Oに平行な方向における断面形状がともに略円形であり、その中心が一致している。
挿入孔34は、外部軸受カバー30の外部から第1排出孔33へ貫通した孔である。挿入孔34の開口部分には、外部軸受カバー30の外部から、排出棒37が挿入されている。また、挿入孔34の開口部分には、その周囲に鍔状のばね止め部34aが形成されている。
第2排出孔35は、第1排出孔33から外部軸受カバー30の外部へ貫通した孔である。第2排出孔35には、その開口部分に着脱可能であり、開口を閉塞可能な第2蓋部35aが設けられている。
挿入孔34及び第2排出孔35は、回転軸10の軸心Oに平行な方向における断面形状が、略円形である。また、回転軸10の軸心Oに平行な方向において、第2排出孔35の断面積は、挿入孔24の断面積よりも大きく形成されている。
第2排出孔35は、第1排出孔33から外部軸受カバー30の外部へ貫通した孔である。第2排出孔35には、その開口部分に着脱可能であり、開口を閉塞可能な第2蓋部35aが設けられている。
挿入孔34及び第2排出孔35は、回転軸10の軸心Oに平行な方向における断面形状が、略円形である。また、回転軸10の軸心Oに平行な方向において、第2排出孔35の断面積は、挿入孔24の断面積よりも大きく形成されている。
排出棒37は、略円筒形状の棒部材であり、一方の端部近傍に鍔状のばね止め部37aが形成されている。排出棒37は、スプリングバネであるばね38の中空部分に挿入された状態で、他方の先端部37b側が挿入孔34に挿入されている。排出棒37の径は、挿入孔34の径に略等しいか、若干小さく形成されている。
この排出棒37は、挿入孔34内を第2排出孔35側へ貫通孔36の貫通方向に移動可能である。
この排出棒37は、挿入孔34内を第2排出孔35側へ貫通孔36の貫通方向に移動可能である。
ばね38は、挿入孔34の開口部分よりもその径が大きく、その一端が挿入孔34のばね止め部34aに、他端が排出棒37のばね止め部37aにそれぞれ係止されており、排出棒37の挿入孔34に対する移動範囲を規制している。
排出棒37は、自然状態では、ばね38によって、その先端部37bが、挿入孔34の第1排出孔33側の先端に略等しいか、挿入孔34内となるようにその位置が規制されており、第1排出孔33からのグリスの排出を妨げない。また、ばね38の弾性力に逆らって挿入孔34へ押し込むことにより、排出棒37は、先端部37bが第2排出孔35の開孔近傍に到達する位置まで移動可能である。
このように、ばね38及びばね止め部34a,37aによって排出棒37の挿入孔34に対する移動範囲が規制されるので、排出棒37が、挿入孔34から脱落したり、第1排出孔33や第2排出孔35から外部へ脱落したりすることを防止できる。
排出棒37は、自然状態では、ばね38によって、その先端部37bが、挿入孔34の第1排出孔33側の先端に略等しいか、挿入孔34内となるようにその位置が規制されており、第1排出孔33からのグリスの排出を妨げない。また、ばね38の弾性力に逆らって挿入孔34へ押し込むことにより、排出棒37は、先端部37bが第2排出孔35の開孔近傍に到達する位置まで移動可能である。
このように、ばね38及びばね止め部34a,37aによって排出棒37の挿入孔34に対する移動範囲が規制されるので、排出棒37が、挿入孔34から脱落したり、第1排出孔33や第2排出孔35から外部へ脱落したりすることを防止できる。
内部軸受カバー40は、回転軸10の軸心O方向において軸受20の電動機内部側に配置され、軸受20の電動機内部側を保護する部材である、内部軸受カバー40は、略円環形状であり、その中空部分には回転軸10が挿入されている。本実施形態の内部軸受カバー40は、ボルト72により、軸受箱50に固定されている。
内部軸受カバー40には、グリス導入路41が形成されている。グリス導入路41は、内部軸受カバー40の軸受20側の面に形成された略円環形状の溝であり、グリス注入孔31から注入されたグリスを軸受20へ導入する空間である。
内部軸受カバー40には、グリス導入路41が形成されている。グリス導入路41は、内部軸受カバー40の軸受20側の面に形成された略円環形状の溝であり、グリス注入孔31から注入されたグリスを軸受20へ導入する空間である。
軸受箱50は、略円環形状の部材であり、その内周面が軸受20の外輪22の外周面と接して、軸受20を保持している。
軸受箱50には、ボルト71,72と螺合可能な不図示のねじ穴が設けられており、ボルト71,72とねじ穴とが螺合することにより、外部軸受カバー30及び内部軸受カバー40が軸受箱50に固定されている。そして、この軸受箱50と、外部軸受カバー30及び内部軸受カバー40とによって形成される空間内に、軸受20が収納された形態となっている。
エンドブラケット60は、軸受箱50を支持する部材であり、不図示の電動機の筐体等に軸受装置1を固定している。
軸受箱50には、ボルト71,72と螺合可能な不図示のねじ穴が設けられており、ボルト71,72とねじ穴とが螺合することにより、外部軸受カバー30及び内部軸受カバー40が軸受箱50に固定されている。そして、この軸受箱50と、外部軸受カバー30及び内部軸受カバー40とによって形成される空間内に、軸受20が収納された形態となっている。
エンドブラケット60は、軸受箱50を支持する部材であり、不図示の電動機の筐体等に軸受装置1を固定している。
軸受装置1のグリス排出方法について説明する。
図2は、軸受装置のグリス排出方法を説明する図である。なお、図2では、挿入孔34及び第2排出孔35の中心を通り回転軸10の軸心Oに垂直な面で、外部軸受カバー30の第1排出孔33付近を切断した軸受装置1の拡大図を示している。
軸受装置1を備える電動機を長期間停止させた後、初めて電動機を起動させるとする。このとき、図2(a)に示すように、軸受装置1内に注入されていたグリスGは、粘性度が高いために、徐々に時間をかけて軸受装置1の下方へ流れ落ち、第1排出孔33内で硬化している。
作業者は、まず、第1蓋部33a及び第2蓋部35aを外して、第1排出孔33及び第2排出孔35を開放する。次に、作業者は、図2(b)に示すように、排出棒37を押して、第2排出孔35側へ移動させる。このとき、第1排出孔33に固化していた一部のグリスG1は、排出棒37によって押し出され、第2排出孔35から排出される。また、残ったグリスG2は、第1排出孔33から排出される。
図2は、軸受装置のグリス排出方法を説明する図である。なお、図2では、挿入孔34及び第2排出孔35の中心を通り回転軸10の軸心Oに垂直な面で、外部軸受カバー30の第1排出孔33付近を切断した軸受装置1の拡大図を示している。
軸受装置1を備える電動機を長期間停止させた後、初めて電動機を起動させるとする。このとき、図2(a)に示すように、軸受装置1内に注入されていたグリスGは、粘性度が高いために、徐々に時間をかけて軸受装置1の下方へ流れ落ち、第1排出孔33内で硬化している。
作業者は、まず、第1蓋部33a及び第2蓋部35aを外して、第1排出孔33及び第2排出孔35を開放する。次に、作業者は、図2(b)に示すように、排出棒37を押して、第2排出孔35側へ移動させる。このとき、第1排出孔33に固化していた一部のグリスG1は、排出棒37によって押し出され、第2排出孔35から排出される。また、残ったグリスG2は、第1排出孔33から排出される。
作業者が排出棒37を離すと、ばね38の弾性力によって、排出棒37が自然状態の位置に戻る。先端部37bは、図2(c)に示すように、挿入孔34内に位置し、第1排出孔33側へは突出していない。
硬化した古いグリスの排出が不十分であるときは、上記の動作を適宜繰り返す。これにより、第1排出孔33内で硬化したグリスGを容易に取り除くことができる。硬化したグリスを取り除いた後、作業者は、第1蓋部33a及び第2蓋部35aを第1排出孔33及び第2排出孔35の開口部分に取り付けて、第1排出孔33及び第2排出孔35の開口を閉じ、新しいグリスをグリスニップル31aから注入する。
硬化した古いグリスの排出が不十分であるときは、上記の動作を適宜繰り返す。これにより、第1排出孔33内で硬化したグリスGを容易に取り除くことができる。硬化したグリスを取り除いた後、作業者は、第1蓋部33a及び第2蓋部35aを第1排出孔33及び第2排出孔35の開口部分に取り付けて、第1排出孔33及び第2排出孔35の開口を閉じ、新しいグリスをグリスニップル31aから注入する。
以上のように、本実施形態によれば、硬化したグリスを、容易に排出することができ、新しいグリスの補給作業が容易に行える。
また、第1排出孔33側から棒等を軸受装置1内に挿入して硬化したグリスを掻き出す必要がなく、第1排出孔33側から挿入された棒等によって軸受装置1の内部を損傷することがない。
さらに、グリスの過剰補給を防止でき、過剰補給されたグリスが電動機内部側へ漏れて、電動機の駆動に影響を与えるおそれがない。
その上、軸受20自体に加工を施すことなく、外部軸受カバー30に既存の第1排出孔33に交差する方向に貫通孔36(挿入孔34及び第2排出孔35)を形成し、排出棒37を設けるだけでよいので、軸受装置1の大幅な設計変更が不要であり、製造が容易であり、生産コストも抑えられる。
また、第1排出孔33側から棒等を軸受装置1内に挿入して硬化したグリスを掻き出す必要がなく、第1排出孔33側から挿入された棒等によって軸受装置1の内部を損傷することがない。
さらに、グリスの過剰補給を防止でき、過剰補給されたグリスが電動機内部側へ漏れて、電動機の駆動に影響を与えるおそれがない。
その上、軸受20自体に加工を施すことなく、外部軸受カバー30に既存の第1排出孔33に交差する方向に貫通孔36(挿入孔34及び第2排出孔35)を形成し、排出棒37を設けるだけでよいので、軸受装置1の大幅な設計変更が不要であり、製造が容易であり、生産コストも抑えられる。
しかも、第2排出孔35は、挿入孔34よりもその径が大きく形成されているので、古いグリスを排出しやすい。
加えて、排出棒37の径は、挿入孔34の径に略等しいので、挿入孔34から粉塵等が軸受装置1の内部に侵入し、軸受20等を損傷するおそれがない。
加えて、排出棒37の径は、挿入孔34の径に略等しいので、挿入孔34から粉塵等が軸受装置1の内部に侵入し、軸受20等を損傷するおそれがない。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、排出棒37は、略円筒形状である例を示したが、これに限らず、グリスの排出が効率的に行えるように、第2排出孔35側の先端部37bの形状を適宜変更してもよい。
図3は、排出棒の変形形態を説明する図である。
図3(a)には、第2排出孔35側となる先端部分に、略円盤形状の先端部137bを設けた排出棒137を示している。この先端部137bの径は、第2排出孔35の径に略等しいか、第2排出孔35の径よりも若干小さい。
このような形態とすることにより、グリスを押し出す面積が増え、効果的にグリスを排出することができる。
また、このような形態とすることにより、排出棒137の自然状態において、排出棒137の先端部137bは、挿入孔34の第1排出孔33側の開口部分を遮蔽するように位置するので、外部からの粉塵等が軸受装置1の内部に侵入して軸受20等を損傷することを防止できる。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態において、排出棒37は、略円筒形状である例を示したが、これに限らず、グリスの排出が効率的に行えるように、第2排出孔35側の先端部37bの形状を適宜変更してもよい。
図3は、排出棒の変形形態を説明する図である。
図3(a)には、第2排出孔35側となる先端部分に、略円盤形状の先端部137bを設けた排出棒137を示している。この先端部137bの径は、第2排出孔35の径に略等しいか、第2排出孔35の径よりも若干小さい。
このような形態とすることにより、グリスを押し出す面積が増え、効果的にグリスを排出することができる。
また、このような形態とすることにより、排出棒137の自然状態において、排出棒137の先端部137bは、挿入孔34の第1排出孔33側の開口部分を遮蔽するように位置するので、外部からの粉塵等が軸受装置1の内部に侵入して軸受20等を損傷することを防止できる。
図3(b)には、第2排出孔35側となる先端部分に、略円錐形状の先端部237bを設けた排出棒237を示している。この先端部237bの円錐形状の底面の径は、第2排出孔35の径に略等しいか、第2排出孔35の径よりも若干小さい。
このような形態とすることにより、グリスが硬い場合であっても排出棒37を第2排出孔35側へ押し出すことができ、グリスを排出することができる。
また、このような形態とすることにより、排出棒237の自然状態において、排出棒237の先端部237bは、その底面が挿入孔34の第1排出孔33側の開口部分を遮蔽するように位置するので、外部からの粉塵等が軸受装置1の内部に侵入して軸受20等を損傷することを防止できる。
また、排出棒37は、略円筒形状ではなく、例えば、略楕円柱形状や四角柱形状等にしてもよい。このとき、貫通孔36の形状も、排出棒37の形状に合わせて適宜変更してよい。
このような形態とすることにより、グリスが硬い場合であっても排出棒37を第2排出孔35側へ押し出すことができ、グリスを排出することができる。
また、このような形態とすることにより、排出棒237の自然状態において、排出棒237の先端部237bは、その底面が挿入孔34の第1排出孔33側の開口部分を遮蔽するように位置するので、外部からの粉塵等が軸受装置1の内部に侵入して軸受20等を損傷することを防止できる。
また、排出棒37は、略円筒形状ではなく、例えば、略楕円柱形状や四角柱形状等にしてもよい。このとき、貫通孔36の形状も、排出棒37の形状に合わせて適宜変更してよい。
(2)本実施形態において、排出棒37は、挿入孔34に対する位置を規制し、挿入孔34からの脱落を防止する部材としてばね38が設けられる例を示したが、これに限らず、ゴム等の弾性部材を用いてもよいし、紐状の部材等を用いてもよいし、適宜自由に選択できる。
(3)本実施形態では、潤滑剤としてグリスを用いる例を示したが、これに限らず、例えば潤滑油のようなグリスよりも粘度の低い潤滑剤においても適用できる。
(4)本実施形態では、第1排出孔33、挿入孔34及び第2排出孔35は、外部軸受カバー30に形成される例を示したが、これに限らず、例えば、内部軸受カバー40に形成してもよい。
(5)本実施形態では、貫通孔36は、軸受装置1の使用状態における水平方向に平行に形成される例を示したが、これに限らず、水平方向に対して角度をなす方向に形成してもよい。
(6)本実施形態では、電動機の回転軸10に用いられる軸受装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、グリス等の潤滑剤を注入及び排出可能な潤滑剤補給式の軸受装置であれば、本発明を適宜適用できる。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
1 軸受装置
10 回転軸
20 軸受
30 外部軸受カバー
31 注入孔
33 第1排出孔
34 挿入孔
35 第2排出孔
36 貫通孔
37 排出棒
10 回転軸
20 軸受
30 外部軸受カバー
31 注入孔
33 第1排出孔
34 挿入孔
35 第2排出孔
36 貫通孔
37 排出棒
Claims (5)
- 回転軸を支持する軸受と、
前記軸受を収納する軸受カバー部材と、
前記軸受カバー部材の上方に設けられ、潤滑剤を注入する注入孔と、
前記軸受カバー部材の下方に設けられ前記潤滑剤を排出する第1の排出孔と、
前記第1の排出孔と交差して前記軸受カバー部材を貫通する貫通孔と、
前記貫通孔の一方の開口に挿入され、前記貫通孔の貫通方向に移動可能な棒部材と、
を備える軸受装置。 - 前記棒部材の前記貫通孔に対する移動範囲を規制する移動規制部を備えること、
を特徴とする請求項1に記載の軸受装置。 - 前記貫通孔の貫通方向に垂直な断面において、前記貫通孔の一方の開口の断面積に比べ、前記貫通孔の他方の開口の断面積の方が大きいこと、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軸受装置。 - 前記軸受カバー部材は、前記回転軸の軸心に直交する面を保護する外部軸受カバー及び内部軸受カバーと、前記軸受の外周面を支持する軸受箱とを備え、
前記第1の排出孔及び前記貫通孔は、前記外部軸受カバーに形成されていること、
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の軸受装置。 - 前記第1の排出孔は、該軸受装置の使用状態における鉛直方向下側へ開口し、
前記貫通孔は、該軸受装置の使用状態における水平方向に形成されていること、
を特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の軸受装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009142390A JP2010286093A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 軸受装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009142390A JP2010286093A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 軸受装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010286093A true JP2010286093A (ja) | 2010-12-24 |
Family
ID=43541939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009142390A Pending JP2010286093A (ja) | 2009-06-15 | 2009-06-15 | 軸受装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010286093A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016129014A1 (ja) * | 2015-02-13 | 2016-08-18 | 三菱電機株式会社 | 軸受装置、及びその潤滑剤の排出方法 |
WO2018216103A1 (ja) * | 2017-05-23 | 2018-11-29 | 三菱電機株式会社 | 軸受装置、及びグリスの交換方法 |
WO2020261330A1 (ja) * | 2019-06-24 | 2020-12-30 | 三菱電機株式会社 | エレベーターの巻上機 |
-
2009
- 2009-06-15 JP JP2009142390A patent/JP2010286093A/ja active Pending
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CN110637185B (zh) * | 2017-05-23 | 2021-01-29 | 三菱电机株式会社 | 轴承装置以及润滑脂的更换方法 |
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