JP2010286054A - シリンダ装置及び鉄道車両用ディスクブレーキ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダ装置2は、シリンダ本体20と、ロッド30と、シリンダ本体20内において、ロッド30の軸回りを囲むように設けられ、ロッド30の進退方向と平行に移動自在であって、空気圧により前記ロッド30の退避方向に移動するピストン40と、ピストン40がロッド30の退避方向に移動すると、ロッド30が進出方向に移動するように、ピストン40に発生する力を増力して前記ロッド30に対して作用させる増力機構(ピストン40の傾斜面42a、本体側受け部材50、回動部材60、ロッド側受け部材70、及び鋼球54、55からなる増力機構)と、を備える。
【選択図】図3
Description
また、シリンダ装置として、特許文献2に記載のものが知られている。このシリンダ装置においては、ピストンにロッド(押棒)が固着されている。そして、圧力室に圧縮空気が供給されることによりピストンが付勢され、当該ピストン及びロッドが進出するように構成されている。
一方、特許文献2に記載のシリンダ装置においては、所望の出力が得られるように、シリンダの直径が決定される。このように、シリンダ径を調整することにより、必要なブレーキ力が発生するようにすることも行われている。しかしながら、大きなブレーキ力が必要な場合は、シリンダ装置が大型化してしまい、結果としてディスクブレーキ装置全体が大きくなってしまうため問題となる。
また、増力するために、回動部材の回動方向において傾斜する傾斜溝を用いており、過度に大きなスペースを使用することはない。
したがって、より大きな増力機能を発揮しつつ、シリンダ装置内の他の機構の配置の自由度を高めることができる。
結果として、シリンダ装置の小型化を図ることができる。
また、増力するために、回動部材及び受け部材のネジ形状を用いており、過度に大きなスペースを使用することはない。
したがって、より大きな増力機能を発揮しつつ、シリンダ装置内の他の機構の配置の自由度を高めることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置1を示す側面図である。また、図2は、図1に示す鉄道車両用ディスクブレーキ装置1の上面図である。
図3は、図1に示すシリンダ装置2のS1−S1断面図である。ただし、シリンダ本体20及びピストン40の一部はガイド軸24を含む断面としている。
尚、図3において、ロッド30の進出方向を矢印X1、ロッド30の退避方向を矢印X2で示している。以下、ロッド30の進出方向を「進出方向X1」、ロッド30の退避方向を「退避方向X2」と記載する。
図3に示すように、シリンダ装置2は、内部空間を形成するシリンダ本体20を備えている。
シリンダ本体20は、第1ケーシング部21と、第2ケーシング部22とを備えている。
第1ケーシング部21は、有底の略カップ形状となっている。この第1ケーシング部21の開放側を閉鎖するように第2ケーシング部22がボルト等により固定されている。
第2ケーシング部22には、ロッド30を挿通するための挿通孔22aが形成されている。また、当該挿通孔22aと同軸で第1ケーシング部21側に延びる円筒部23が形成されている。
尚、当該円筒部23の内周面には段部23aが形成されている。当該段部23aは、円筒部23の内径が、ロッド30の先端側(進出方向の端部側)よりもロッド30の基端側(退避方向の端部側)のほうが大きくなるように形成されている。また、円筒部23の外周面は、進退方向と平行に、同径で延びている。
図4は、図3に示すピストン40を示す斜視図である。また、図5は、図4に示すピストン40をロッド30の中心軸Cと平行な方向における傾斜面42a側から見た図である。また、図6は、図5に示すピストンのS2−S2断面図である。
図4〜図6に示すように、ピストン40は、中心に貫通孔41aが形成された円盤状部41と、円盤状部41から、ロッド30の中心軸C方向と平行に延出する一対の板状部42とを備えている。
当該ピストン40は、貫通孔41aに円筒部23を挿通させて、当該円筒部23の外周面と第2ケーシング部22の内周面との間に配置される。つまり、ピストン40は、円筒部23の外周面と第2ケーシング部22の内周面との間の空間を2つに区画するように配置される。当該ピストン40は、円筒部23の外周面に気密的に嵌合するとともに、第2ケーシング部22の内周面に気密的に嵌合し、ロッド30の進退方向と平行に摺動自在である。尚、ピストン40の中心軸(ピストン外周及び貫通孔41aの中心軸)は、ロッド30の中心軸Cと同一直線状に位置する。
また、シリンダ本体20には、ロッド30の進退方向と平行に当該ピストン40を案内するための一対のガイド軸24(図14参照)が設けられている。そして、ピストン40の円盤状部41に、当該ガイド軸24が貫通するガイド穴41bが形成されている。
そして、当該傾斜面42aに当接するように、後述する回動部材60のローラ63が設けられている。
図7は、図3に示す本体側受け部材50をロッド30の中心軸Cと平行な方向における回動部材60側から見た図である。また、図8は、図7に示す本体側受け部材50のS3−S3断面図である。また、図9は、図7に示す本体側受け部材50を、溝53の幅方向中心線(即ち、図7に示す円α)に沿って切断した断面図である。
図7及び図8に示すように、本体側受け部材50は、中心部に貫通孔51aが形成されたフランジ部51と、当該フランジ部51における第1ケーシング部21の底面に当接する面とは逆側の面から突出する4本の柱部52とを備えている。
4本の柱部52は、貫通孔51aの開口縁部に近接して配置されており、周方向において隣接する柱部52の間隔が等間隔になるように配置されている。
具体的には、柱部52は、貫通孔51aの内周面が延長して形成された内側円弧面52aと、当該貫通孔51aと同一の中心軸を有するように形成される径方向外側を向く外側円弧面52bと、当該内側円弧面52aと外側円弧面52bとの周方向両端を結びロッド30の進退方向と平行に延びる平面状の側面52cとを備えている。
溝53は、当該溝53を形成する面の側(つまり、回動部材60の側)から見たとき、反時計回りの方向に向かって幅が狭くなるとともに、深さが浅くなるように形成されている。尚、溝53の内面は、鋼球54が面接触しながら周方向に転動できる形状である。
図3に示すように、当該複数の溝53にそれぞれ、鋼球54が配置される。当該鋼球54の半径は、溝53の最も深い位置における深さよりも大きい。
また、ロッド30の中心軸Cと平行な方向から見たときに、この溝53に配置される鋼球54が最深部に位置するときの当該鋼球54の中心位置をB1(本実施形態では上記A1と同じ位置)とし、当該鋼球54が溝53の先端部に位置するときの当該鋼球54の中心位置をB2としたとき、角B1−O−B2の角度(図7における角度θ2)は約22.5度である。尚、「鋼球54が溝53の先端部に位置するとき」とは、図9に示す断面において、鋼球54が溝53における直線状の斜面の先端P3に接し、かつ、当該先端P3における鋼球54の接線が溝53の斜面53aと一致するときをいう。
図10は、図3に示す回動部材60をロッド30の中心軸Cと平行な方向における本体側受け部材50側から見た図である。図11は、図10に示す回動部材60のS4−S4断面図である。
図10及び図11に示すように、回動部材60は、中心に貫通孔61aが形成された円盤状の本体部61と、当該本体部61の外周面から突出する軸62と、当該軸62回りに回動自在に設けられたローラ63と、を備えている。
当該軸62及びローラ63は、当該本体部61の外周における180度対称な位置に一対設けられている。
また、図10に示すように、当該複数の溝64は、ロッド30の中心軸Cと平行な方向から見たときに、角度θ1’(一の溝64の最深部をA1’、周方向において隣接する溝64の最深部をA2’、本体部61の中心軸をO’としたときの角A1’−O’−A2’の角度)が約36度となるような間隔で周方向に並んでいる。ここで、回動部材60の中心軸O’は、ロッド30の中心軸Cと同一直線状に配置される。尚、本実施形態においては、複数の溝64は互いに隙間なく並んでいる。
また、ロッド30の中心軸Cと平行な方向から見たときに、この溝64に配置される鋼球54が最深部に位置するときの当該鋼球54の中心位置をB1’(本実施形態では上記A1’と同じ位置)とし、当該鋼球54が溝64の先端部に位置するときの当該鋼球54の中心位置をB2’としたとき、角B1’−O’−B2’の角度(図10における角度θ2’)は約22.5度である。
図12は、図3に示すロッド側受け部材70をロッド30の中心軸Cと平行な方向における回動部材60側から見た図である。図13は、図12に示すロッド側受け部材70のS5−S5断面図である。
尚、ロッド30は、当該ロッド側受け部材70の進退方向への移動に伴って同方向に移動するように、当該ロッド側受け部材70の内側に配置される。
当該フランジ部72の回動部材60側を向く面には、回動部材60における当該フランジ部72に対向する面に設けられた溝65と同形状の溝74が形成されている。
即ち、フランジ部72に形成された当該溝74は、当該溝74を形成する面の側(つまり、回動部材60の側)から見たとき、時計回りの方向に向かって幅が狭くなるとともに、深さが浅くなるように形成されている。
また、図12に示すように、当該複数の溝74は、ロッド30の中心軸と平行な方向から見たときに、角度θ1”(一の溝74の最深部をA1”、周方向において隣接する溝74の最深部をA2”、ロッド側受け部材70の中心軸をO”としたときの、角度A1”−O”−A2”)が約36度となるような間隔で周方向に並んでいる。ここで、ロッド側受け部材70の中心軸O”は、ロッド30の中心軸Cと同一直線状に配置される。尚、本実施形態においては、複数の溝74は互いに隙間なく並んでいる。
また、ロッド30の中心軸Cと平行な方向から見たときに、この溝74に配置される鋼球55が最深部に位置するときの、当該鋼球55の中心位置をB1”(本実施形態では上記A1”と同じ位置)とし、当該鋼球55が溝74の先端部に位置するときの、当該鋼球55の中心位置をB2”としたとき、角B1”−O”−B2”の角度(図12における角度θ2”)は約22.5度である。
尚、十字形状部73において径方向外側に突出した部分の端面73aは、本体部61の中心軸O”を中心軸とした円弧面であり、その径は、本体側受け部材50の柱部52の外側円弧面52bの径と等しい。
つまり、ロッド側受け部材70は、本体側受け部材50(即ち、シリンダ本体20)に対して、ロッド30の進退方向と平行に相対移動可能であるが、当該本体側受け部材50に対するロッド30の軸回りの回動は、当該十字形状部73が本体側受け部材50の柱部52に当接することで、拘束されている。
十字形状部73及び柱部52の回りに配置された回動部材60は、ロッド側受け部材70及び本体側受け部材50に対して、ロッド30の中心軸C回りに回動可能である。
また、図3に示すように、ロッド側受け部材70におけるフランジ部72の円筒状部71側の面に形成された凹部72aと、第2ケーシング部22の円筒部23内面に形成された段部23aと、の間にバネ26が配置されている。当該バネ26は、ロッド側受け部材70のフランジ部72を、ロッド30の退避方向に付勢している。
図14は、図3に示すシリンダ装置2の内部を模式的に示す斜視部分断面図である。
図14(a)は、ロッド30がシリンダ本体20内に退避した状態(復帰ポジション)を示している。また、図14(b)、図14(c)、及び図14(d)は、それぞれ、図14(a)に示す復帰ポジションから、ピストン40が移動して、回動部材60が、ロッド30の軸回りに15°、30°、及び45°回動した状態を示す図である。
すると、回動部材60は、ロッド30の軸回りの方向に回動するとともに、回動部材60の溝64と本体側受け部材50の溝53との間に配置された鋼球54の上に乗り上がるように、進出方向X1に移動する。つまり、鋼球54は溝64の最深部から、より浅い位置に移動することになる。一方で、鋼球54は、本体側受け部材50の溝53の最深部から、より浅い位置に向かって、溝53内の斜面に沿って移動する。
そのため、鋼球54は、本体側受け部材50に対して相対的に進出方向X1に移動するとともに、当該鋼球54に対して、回動部材60は相対的に進出方向X1に移動する。したがって、回動部材60は、シリンダ本体20に対して、相対的に、上記鋼球54の本体側受け部材50に対しての進出方向X1への移動量と、当該鋼球54に対する当該回動部材の進出方向X1への移動量と、の和に相当する分だけ、進出方向X1に移動することになる。
つまり、ロッド側受け部材70は、本体側受け部材50に対して、ロッド30の軸回りに回動することはなく、かつ、本体側受け部材50に対してロッド30の進退方向に移動可能となるように配置されているので、回動部材60がロッド30の軸回りに回動することにより、以下のように、移動する。
即ち、回動部材60とロッド側受け部材70との間の鋼球55は、回動部材60に対して相対的に進出方向X1に移動するとともに、当該鋼球54に対して、ロッド側受け部材70は相対的に進出方向X1に移動する。したがって、ロッド側受け部材70は、回動部材60に対して、相対的に、上記鋼球55の回動部材60に対しての進出方向X1への移動量と、当該鋼球55に対するロッド側受け部材70の進出方向X1への移動量と、の和に相当する分だけ、進出方向X1に移動することになる。
結果として、ロッド側受け部材70に固定されたロッド30は、回動部材60の本体側受け部材50に対する進出方向X1への移動量と、ロッド側受け部材70の回動部材60に対しての進出方向X1への移動量と、の和に相当する分だけ、シリンダ本体20から突出するように進出方向X1に移動することになる。
ここで、図14(a)に示すように、回動部材60が復帰ポジションにあるとき、鋼球54、55は、本体側受け部材50、回動部材60、及びロッド側受け部材70の溝の最深部に位置している(即ち、図9において鋼球の中心位置がB1となる)。そして、図14(d)に示すように、回動部材60が復帰ポジションから約45度回動したときに、鋼球54、55が、本体側受け部材50、回動部材60、及びロッド側受け部材70の溝の斜面を上りきる(図9において鋼球の中心位置がB2で示す位置となる)ように構成されている。
結果として、ロッド30がシリンダ本体20に対して相対的に退避方向X2に移動する。
(1)
以上説明したように、本実施形態に係るシリンダ装置2は、内部中空に形成されたシリンダ本体20と、シリンダ本体20内において、シリンダ本体20に対して軸方向に進退自在に配置されたロッド30と、シリンダ本体20内において、ロッド30の軸回りを囲むように設けられ、ロッド30の進退方向と平行に移動自在であって、空気圧によりロッド30の退避方向に移動するピストン40と、ピストン40がロッド30の退避方向に移動すると、ロッド30が進出方向に移動するように、ピストン40に発生する力を増力してロッド30に対して作用させる増力機構(ピストン40の傾斜面42a、本体側受け部材50、回動部材60、ロッド側受け部材70、及び鋼球54、55からなる増力機構)と、を備える。
例えば、2倍のブレーキ力を発生させる場合、従来の構成(シリンダ径を大きくすることでブレーキ力を高める構成)では、シリンダ径を√2倍する必要があるが、2倍の増力機構をシリンダ装置2に内蔵させれば、シリンダ径は、増力機構分だけ大きくすればよいため、過剰な大型化を防止できる。尚、参考のため、図1において、本実施形態と同等のブレーキ出力を発揮する従来構造のシリンダ本体の外周を二点差線で示している。
また、ピストン40の移動方向とロッド30の移動方向とが逆であるため、シリンダ本体20内におけるロッド30の先端側(進出方向X1の端部近傍)に圧力室43を配置することができる。これにより、シリンダ本体20内におけるロッド30の基端側(退避方向X2の端部近傍)のスペースを有効に利用することができる。
また、シリンダ装置2の増力機構は、ピストン40に設けられた、進退方向に対して傾いた傾斜面42aと、ピストン40が退避方向X2に移動したときに当該傾斜面42aで付勢されて、ロッド30の軸を中心に一の方向に回動する回動部材60と、を備えている。そして、ロッド30は、シリンダ本体20に対してロッド30の軸を中心に回動しないように設けられ、回動部材60の前記一の方向への回動に伴って、進出方向X1に移動する。
また、シリンダ装置2は、ロッド30に固定されたロッド側受け部材70(第1受け部材)を備えている。回動部材60は、ロッド30の中心軸Cと平行な方向において、ロッド側受け部材70と対向するように設けられ、回動部材60のロッド側受け部材70に対向する面に、回動部材60の回動方向において傾斜する溝65(傾斜溝)が形成されている。溝65には、当該溝65の内面に沿って転動可能な鋼球55(転動部材)が設けられている。当該鋼球55(転動部材)は、ロッド側受け部材70と回動部材60とに挟み込まれた状態で支持されている。
また、増力するために、回動部材60の回動方向において傾斜する溝65を用いており、過度に大きなスペースを使用することはない。
したがって、より大きな増力機能を発揮しつつ、シリンダ装置2内の他の機構の配置の自由度を高めることができる。
また、溝65及び鋼球55は、ロッド30の軸を中心とした一の円上に位置するように、複数設けられている。同様に、溝64及び鋼球54も、ロッド30の軸を中心とした一の円上に位置するように、複数設けられている。
結果として、シリンダ装置2の小型化を図ることができる。
また、シリンダ装置2においては、溝65及び溝74の内面に沿って転動可能な転動部材として、球体の鋼球55が用いられている。同様に、溝64及び溝53の内面に沿って転動可能な転動部材として、球体の鋼球54が用いられている。
また、シリンダ装置2は、回動部材60におけるロッド側受け部材70に対向する面とは反対側の面に、ロッド30の軸方向と平行な方向において対向するように、シリンダ本体20に対して固定された本体側受け部材50(第2受け部材)を備えている。回動部材60の本体側受け部材50に対向する面に、回動部材60の回動方向において傾斜する溝64(第2傾斜溝)が形成されている。溝64には、当該溝64の内面に沿って転動可能な鋼球54(第2転動部材)が設けられている。鋼球54は、本体側受け部材50と回動部材60とに挟み込まれた状態で支持されている。
また、シリンダ装置2を図15に示すように、変形してもよい。即ち、鋼球54、55を用いない構成とすることもできる。尚、図15において、図3と同一部材には同一符号を付し、説明を省略する。
図15に示す構成では、回動部材60’の貫通孔61a’の内周面にはねじ山が形成されている。また、ロッド側受け部材70’における十字形状部73’の外周面に、回動部材60’のねじ山にねじ込むことが可能なねじ山が形成されている。そして、当該回動部材60’は、ロッド側受け部材70’における十字形状部73’の外周面に形成されたネジ山にねじ込まれており、回動部材60’が一の方向に回動することにより、ロッド側受け部材70’が進出方向X1に移動する。
尚、本体側受け部材50の柱部52’は、径方向外側を向く面が回動部材60’のネジ山に接触しないように、ロッドの中心軸Cに近い位置に設けられている。そして、当該柱部52’は、ロッド側受け部材70のロッド30の軸回りの回動を拘束するとともに、ロッド側受け部材70’の進退方向への移動を許容するように、ロッド側受け部材70’に係合している。
また、増力するために、回動部材60’及びロッド側受け部材70’のネジ形状を用いており、過度に大きなスペースを使用することはない。
したがって、より大きな増力機能を発揮しつつ、シリンダ装置2’内の他の機構の配置の自由度を高めることができる。
尚、回動部材60’とロッド側受け部材70’とを、ボールネジを用いて結合した構成であってもよい。
また、本実施形態に係る鉄道車両用ディスクブレーキ装置1は、シリンダ装置2を用いている。具体的には、一端にブレーキパッド13が設けられ、支点ピン12aを中心に回動自在な一対のブレーキテコ12・12を備えている。一のブレーキテコ12の他端(ブレーキパッド13とは逆側の端部)にロッド30の先端に固定されたブロック33が取り付けられ、他のブレーキテコ12の他端にシリンダ本体20の第1ケーシング部21が取り付けられている。そして、ロッド30がシリンダ本体20に対して進出方向X1に移動すると、一対のブレーキパッド13・13が互いに近づくようにブレーキテコ12・12が回動する。
上記構成のシリンダ装置2に、隙間調整機構を付加した構成としてもよい。隙間調整機構としては、例えば、特許文献2(特開2007−131203号公報)に示すような機構を、本実施形態に適用することができる。
具体的には、図16に示すように、シリンダ本体20”内における円筒部23’とロッド側受け部材70”の円筒状部71’との間に、隙間調整機構90を設けることができる。尚、図16は、隙間調整機構90を設けた円筒部23’及び円筒状部71’の近傍部を拡大して示している。
また、ロッド側受け部材70”の円筒状部71’の外周面には、進退方向に凹凸を繰り返し並べて有する凹凸面75が形成されている。
そして、軸方向における当該突起91a、91bの間にOリング92とリング状のバックアップリング93とが交互に配置される。退避方向X2側の端部に位置する突起91bと、当該突起91bに最も近い位置にあるバックアップリング93との間には、バックアップリング93及びOリング92とを突起91a側(進出方向X1)に付勢する付勢バネ94が配置されている。この付勢バネ94の弾性力により、それぞれのOリング92は軸方向に押し潰されるように弾性変形し、その内周側が膨張して、凹凸面75の凹部に食い込むようにして係合する。これにより、ガイド部材91と円筒状部71’とが連結され、ガイド部材91は、円筒状部71’(即ち、ロッド側受け部材70”)と一体的に移動することになる。
尚、隙間調整機構90は、上記の構成を有するものに限定されず、また、上記の位置に配置されるものに限定されず、適宜変更してもよい。
尚、ピストン40の移動方向とロッド30の移動方向とを一致させた構成とすることも可能である。即ち、回動部材60(ローラ63)よりも退避方向X2側にピストン40(傾斜面42a)を配置し、ピストン40を進出方向X1に移動して、回動部材60を回動させ、これにより、ロッド30を進出方向X1に移動させる構成であっても、上記実施形態と同様の増力作用を発揮可能である。
また、各図面は、製図の精度をもって作成されている。
2 シリンダ装置
20 シリンダ本体
30 ロッド
40 ピストン
50 本体側受け部材(第2受け部材)
54、55 鋼球(転動部材)
60 回動部材
70 ロッド側受け部材(第1受け部材)
Claims (8)
- 内部中空に形成されたシリンダ本体と、
当該シリンダ本体内において、当該シリンダ本体に対して軸方向に進退自在に配置されたロッドと、
前記シリンダ本体内において、前記ロッドの軸回りを囲むように設けられ、当該ロッドの進退方向と平行に移動自在であって、流体圧により前記ロッドの退避方向に移動するピストンと、
前記ピストンが前記ロッドの退避方向に移動すると、前記ロッドが進出方向に移動するように、前記ピストンに発生する力を増力して前記ロッドに対して作用させる増力機構と、
を備えるシリンダ装置。 - 前記増力機構は、
前記ピストンの移動方向に対して傾むくように、当該ピストンに設けられた傾斜面と、
前記ピストンが前記退避方向に移動したときに当該傾斜面で付勢されて、前記ロッドの軸を中心に一の方向に回動する回動部材と、
を備え、
前記ロッドは、前記シリンダ本体に対して前記ロッドの軸を中心に回動しないように設けられ、前記回動部材の前記一の方向への回動に伴って、前記進出方向に移動する
請求項1に記載のシリンダ装置。 - 前記ロッドに固定された第1受け部材を備え、
前記回動部材は、前記ロッドの軸方向と平行な方向において、前記第1受け部材と対向するように設けられ、
前記回動部材の前記第1受け部材に対向する面に、当該回動部材の回動方向において傾斜する第1傾斜溝が形成されており、
当該第1傾斜溝には、当該第1傾斜溝の内面に沿って転動可能な第1転動部材が設けられており、
当該第1転動部材は、前記第1受け部材と前記回動部材とに挟み込まれた状態で支持されている
請求項2に記載のシリンダ装置。 - 前記第1傾斜溝及び前記第1転動部材は、前記ロッドの軸を中心とした一の円上に位置するように、複数設けられている
請求項3に記載のシリンダ装置。 - 前記第1転動部材は球体である
請求項4に記載のシリンダ装置。 - 前記回動部材における前記第1受け部材に対向する面とは反対側の面に対向するように、前記シリンダ本体に対して固定された第2受け部材を備え、
前記回動部材の前記第2受け部材に対向する面に、当該回動部材の回動方向において傾斜する第2傾斜溝が形成されており、
当該第2傾斜溝には、当該第2傾斜溝の内面に沿って転動可能な第2転動部材が設けられており、
当該第2転動部材は、前記第2受け部材と前記回動部材とに挟み込まれた状態で支持されている
請求項3に記載のシリンダ装置。 - 前記ロッドに固定された受け部材を備え、
前記回動部材は、前記受け部材の外周面に形成されたネジ山にねじ込まれるように設けられ、当該回動部材が前記一の方向に回動することにより、前記受け部材が前記進出方向に移動するように構成されている
請求項2に記載のシリンダ装置。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリンダ装置を備える鉄道車両用ディスクブレーキ装置であって、
一端にブレーキパッドが設けられ、支点を中心に回動自在な一対のキャリパレバーを備え、
一の前記キャリパレバーの他端に前記ロッドの先端側が取り付けられ、他の前記キャリパレバーの他端に前記シリンダ本体側が取り付けられ、前記ロッドが前記シリンダ本体に対して進出方向に移動すると、前記一対のブレーキパッドが互いに近づくように前記キャリパレバーが回動する鉄道車両用ディスクブレーキ装置。
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