JP2010285879A - 内燃機関トルク制御装置 - Google Patents

内燃機関トルク制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010285879A
JP2010285879A JP2009138176A JP2009138176A JP2010285879A JP 2010285879 A JP2010285879 A JP 2010285879A JP 2009138176 A JP2009138176 A JP 2009138176A JP 2009138176 A JP2009138176 A JP 2009138176A JP 2010285879 A JP2010285879 A JP 2010285879A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake air
air amount
amount
internal combustion
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009138176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5229118B2 (ja
Inventor
Masahiro Wanibe
昌博 鰐部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009138176A priority Critical patent/JP5229118B2/ja
Publication of JP2010285879A publication Critical patent/JP2010285879A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5229118B2 publication Critical patent/JP5229118B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】トルクディマンド方式の内燃機関トルク制御において処理負荷を過剰なものとせず、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御を可能とし、しかも応答性を低下させないようにする。
【解決手段】スロットル開度制御では目標スロットル開度をスロットルバルブにより実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応させているので、目標スロットル開度に対応するトルクと同等のトルクをエンジンに出力させることができる。そしてこの筒内吸入空気量KLrefを遅れ時間DT経過後に(S182)目標燃料噴射量TAUtに反映させている(S184)。このため吸気ポートに噴射される燃料により高精度な空燃比が実現する。遅れ時間DTはスロットルバルブのディレー制御とは無関係であるので、トルクディマンド方式にて応答性を低下する要因とはならない。このことにより課題が達成される。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関に対する要求トルクを実現するために内燃機関への吸入空気量と供給燃料量とを制御する内燃機関トルク制御装置に関する。
一定の操縦感覚の維持などの運転性向上を図るために、アクセル操作量(場合により制御システムによる要求量)、内燃機関回転数及び外部負荷に基づき、内燃機関の目標トルクを算出し、この目標トルクに応じて吸入空気量や燃料噴射量を制御するトルクディマンド方式の内燃機関制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
アクセル操作量に応じた目標スロットル開度となるようにスロットルバルブを電子制御する内燃機関の吸入空気量推定装置が知られている(例えば特許文献2参照)。この吸入空気量推定装置では、吸気バルブ閉弁時の吸入空気量を、スロットルバルブモデル及び吸気系モデルを用いて推定し、この推定吸入空気量に基づいて吸気バルブ開弁前後にて実行される燃料供給による燃料量を調節することで、高精度に空燃比を制御している。
特開2007−192082号公報(第8−10頁、図6−7) 特開2004−211590号公報(第13−21頁、図6−8)
特許文献1のごとくのトルクディマンド方式技術に対して、特許文献2のごとくモデルを用いて推定吸入空気量を求めて高精度に空燃比を制御できる技術を組み合わせることにより、トルクディマンド方式による高い運転性と共に高精度な空燃比制御が可能な内燃機関制御装置が実現できることが予想される。
しかし単にこれらの技術を組み合わせたのでは、個々の処理が重複して制御装置における処理負荷が過剰なものとなるおそれがある。しかもこの重複によりそれぞれの制御における誤差が相乗して制御精度が低下するおそれがある。
しかも特許文献2では吸気バルブ閉弁時の吸入空気量を推定吸入空気量として先読みする分、アクセル操作に対応するスロットル開度の変更は遅延させるディレー制御を実行している。このため特許文献1と組み合わせた技術についても応答性が低下して運転性低下を生じる問題がある。
本発明は、トルクディマンド方式において処理負荷を過剰なものとせず、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御を可能とし、しかも応答性を低下することのない内燃機関トルク制御装置を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用・効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関トルク制御装置は、内燃機関に対する要求トルクを実現するために内燃機関への吸入空気量と供給燃料量とを制御する内燃機関トルク制御装置であって、内燃機関に対する要求トルクに基づいて、吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な筒内吸入空気量を算出する実現可能吸入空気量算出手段と、前記実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する前記吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量を算出する目標調節量算出手段と、前記目標調節量算出手段にて算出された目標調節量となるように前記吸入空気量調節アクチュエータを作動させる吸入空気量調節アクチュエータ作動手段と、前記実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を、前記吸入空気量調節アクチュエータ作動手段による吸入空気量調節が燃料供給位置の吸入空気量に反映されるまでの時間である遅れ時間経過後に、目標燃料量として設定する目標燃料量設定手段と、前記目標燃料量設定手段にて設定された目標燃料量分の燃料を吸気中に供給する燃料供給手段とを備えたことを特徴とする。
内燃機関に対する要求トルクそのものが、吸入空気量調節アクチュエータの作動能力では実現不可能な急速な変化をした場合に、従来のごとく、この要求トルクの変化に計算上で対応させて得られた目標調節量では、吸入空気量調節アクチュエータは追随できない。実際には吸入空気量調節アクチュエータの作動能力にて実現可能な吸入空気量になり、これに対応したトルクにできるのみである。したがってこのような目標調節量に対応するトルクと実際のトルクとの間にはずれが生じることになる。
本発明では、実現可能吸入空気量算出手段及び目標調節量算出手段は、内燃機関に対する要求トルクから算出する吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量を、吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な筒内吸入空気量に対応させた値として算出している。
このため目標調節量が吸入空気量調節アクチュエータ作動手段に用いられても、吸入空気量調節アクチュエータはこの目標調節量の変化に追随できる。すなわち実際のトルク変化は目標調節量に対応するトルクと同等の変化を実現することができ、目標調節量に対応するトルクと実際のトルクとの間のずれが防止される。
しかも、このような目標調節量の算出処理は、予め設定あるいは測定された吸入空気量調節アクチュエータの作動能力に基づいて行うことができ、処理負荷は小さく、容易に算出可能であり、誤差も十分に抑制できる。
そして目標燃料量設定手段は、実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を、前記遅れ時間経過後に、すなわち目標調節量に対応した吸入空気量が燃料供給位置に到達するタイミングで、目標燃料量として設定している。このため燃料供給手段は、燃料供給位置に到達した吸入空気に対して、その吸入空気量に高精度に対応して高精度な空燃比制御が可能な燃料量を吸気中に供給することができる。しかも上述のごとく実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を目標燃料量としているため算出も容易であり、誤差も十分に抑制できる。
この場合の遅れ時間は、内燃機関の構造上における処置であるが、燃料供給タイミングである吸気バルブ開弁前後のタイミングと吸入空気量が決定できる吸気バルブ閉弁時のタイミングとのずれとは無関係である。したがって、このようなずれは本発明では考慮する必要がなく、トルクディマンド方式にて応答性を低下する要因とはならない。
このことによりトルクディマンド方式において処理負荷を過剰なものとせず、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御を可能とし、しかも応答性を低下することのない内燃機関トルク制御装置を実現できる。
請求項2に記載の内燃機関トルク制御装置は、内燃機関に対する要求トルクを実現するために内燃機関への吸入空気量と供給燃料量とを制御する内燃機関トルク制御装置であって、内燃機関に対する要求トルクに基づいて、吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な筒内吸入空気量を算出する実現可能吸入空気量算出手段と、内燃機関に対する要求トルクに対応する前記吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量を算出する目標調節量算出手段と、前記目標調節量算出手段にて算出された目標調節量となるように前記吸入空気量調節アクチュエータを作動させる吸入空気量調節アクチュエータ作動手段と、前記実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を、前記吸入空気量調節アクチュエータ作動手段による吸入空気量調節が燃料供給位置の吸入空気量に反映されるまでの時間である遅れ時間経過後に、目標燃料量として設定する目標燃料量設定手段と、前記目標燃料量設定手段にて設定された目標燃料量分の燃料を吸気中に供給する燃料供給手段とを備えたことを特徴とする。
この請求項の発明が、前記請求項1の発明と異なるのは、目標調節量算出手段が、内燃機関に対する要求トルクに対応する吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量を算出しており、実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対する目標調節量ではない。
したがって目標調節量は、実際には吸入空気量調節アクチュエータが追随できない変化となる場合がある。しかしこの場合には吸入空気量調節アクチュエータが追随できないことにより、結果的に、吸入空気量調節アクチュエータによる調節は、実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する目標調節量を用いた場合と同等な調節となる。
このため目標燃料量設定手段が、前記遅れ時間経過後に、実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を目標燃料量として設定することにより、結果として、前記請求項1の発明と同様となる。すなわち、燃料供給手段は、燃料供給位置に到達した吸入空気に対して、その吸入空気量に高精度に対応して高精度な空燃比制御が可能な燃料量を供給することができる。
しかも前記請求項1の発明と同様に、目標調節量及び目標燃料量の算出も容易であり、誤差も十分に抑制できる。遅れ時間についても同様でありトルクディマンド方式において応答性を低下することがなくなる。
このことによりトルクディマンド方式において処理負荷を過剰なものとせず、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御を可能とし、しかも応答性を低下することのない内燃機関トルク制御装置を実現できる。
請求項3に記載の内燃機関トルク制御装置では、請求項2に記載の内燃機関トルク制御装置において、前記目標調節量算出手段は、内燃機関に対する要求トルクに対応する前記吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量に、前記吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な調節範囲に基づいて制限補正を加えていることを特徴とする。
このように吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量に制限補正を加えても良い。このことにより吸入空気量調節アクチュエータは目標調節量の変化に常に追随できるようになる。すなわち実際のトルク変化は目標調節量に対応するトルクと同等の変化を実現することができ、目標調節量に対応するトルクと実際のトルクとの間のずれが防止される。したがって前記請求項1の発明と同様となる。
請求項4に記載の内燃機関トルク制御装置では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、前記実現可能吸入空気量算出手段は、内燃機関に対する要求トルクに対応した筒内吸入空気量を算出し、この筒内吸入空気量に対して、前記吸入空気量調節アクチュエータの作動能力に基づいて制限補正を加えることで、内燃機関に対する要求トルクに基づいて実現可能な筒内吸入空気量を算出することを特徴とする。
このようにして内燃機関に対する要求トルクに基づいて実現可能な筒内吸入空気量を容易に算出することができる。
請求項5に記載の内燃機関トルク制御装置では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、内燃機関に対する要求トルクは内燃機関に対するドライバーの操作量を含むパラメータに基づいて設定されていることを特徴とする。
内燃機関に対する要求トルクはドライバーの操作量を含むパラメータに基づくことにより、ドライバーの要求に応じたトルクを実現できるが、このような要求トルクに対して、処理負荷を過剰なものとせずに、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御を可能にでき、しかも応答性が低下することがない。
請求項6に記載の内燃機関トルク制御装置では、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、前記燃料供給位置は、吸気ポートであることを特徴とする。
したがって目標燃料量設定手段は、吸入空気量調節アクチュエータ作動手段による吸入空気量調節が吸気ポートでの吸入空気量に反映されるまでの遅れ時間経過後に、目標燃料量を設定することになる。
請求項7に記載の内燃機関トルク制御装置では、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、吸入空気量調節アクチュエータは、吸気通路に配置された電子制御スロットルバルブであることを特徴とする。
吸入空気量調節アクチュエータとしては、吸気通路に配置された電子制御スロットルバルブを挙げることができる。この電子制御スロットルバルブを用いているトルクディマンド方式の内燃機関トルク制御において、処理負荷を過剰なものとせずに、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御ができ、しかも応答性が低下することがない。
請求項8に記載の内燃機関トルク制御装置では、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、筒内吸入空気量の代わりに、筒内吸入空気量に対応する物理量を用いて前記各手段での処理を実行することを特徴とする。
筒内吸入空気量自体でなく、筒内吸入空気量に対応する物理量を用いて処理を実行しても良い。例えば、基準とする吸入空気量に対する筒内吸入空気量の割合を、筒内吸入空気量に対応する物理量として用いることができる。
実施の形態1の内燃機関制御装置及び車両用内燃機関の概略構成を表すブロック図。 実施の形態1においてECUにより実行されるスロットル開度制御処理のフローチャート。 同じく吸入空気量変化限界算出処理のフローチャート。 上記吸入空気量変化限界算出処理にて用いられるスロットル開度変化速度限界マップMAPdtaの構成説明図。 実施の形態1においてECUにより実行される燃料噴射量制御処理のフローチャート。 実施の形態1による制御の一例を示すタイミングチャート。 従来例による実施の形態1に対する比較例としてのタイミングチャート。 実施の形態2においてECUにより実行されるスロットル開度制御処理の一部のフローチャート。 実施の形態3においてECUにより実行されるスロットル開度制御処理の一部のフローチャート。
[実施の形態1]
図1は、上述した発明が適用された内燃機関制御装置及び車両用内燃機関の概略構成を表すブロック図である。ここでは内燃機関としてガソリンエンジン(以下「エンジン」と略す)2に適用した例を示している。エンジン2は4気筒の内燃機関であるが、図1では1気筒のみを示している。気筒数は6気筒でも8気筒でも良く、直列でもV型でも良い。このエンジン2は各気筒に吸気バルブ4と排気バルブ6とがそれぞれ2つ設けられた4バルブエンジンであるが、2バルブエンジンでも5バルブエンジンでも良い。
エンジン2の出力は変速機を介して最終的に車輪に走行駆動力として伝達される。エンジン2には、吸気ポート8にて燃料を噴射する燃料噴射バルブ10と、吸気と共に燃焼室12内に吸入された燃料に点火する点火プラグ14とがそれぞれ設けられている。吸気ポート8に接続された吸気通路16の途中にはサージタンク18が設けられ、サージタンク18の上流側にはモータ20によって開度が調節される電子制御スロットルバルブ(以下、スロットルバルブと略す)22が設けられている。このスロットルバルブ22の開度(スロットル開度TA)により吸入空気量が調節され、その結果、エンジン2の燃焼室12内、いわゆる筒内に吸入される吸入空気量である筒内吸入空気量(g)が調節される。すなわちスロットルバルブ22は吸入空気量調節アクチュエータに相当する。
スロットル開度TA(deg)はスロットル開度センサ24により検出され、エンジン2の吸入空気量GA(g/s)は吸気通路16に設けられた吸入空気量センサ26により検出され、吸気温THAは吸気通路16に設けられた吸気温センサ28により検出される。これらの検出値は、それぞれ、内燃機関制御装置、特に内燃機関トルク制御装置として機能する電子制御ユニット(以下、ECUと称する)30に読み込まれる。
排気ポート32には排気通路34が接続され、この排気通路34に配置された空燃比センサ36により排気成分に基づいて混合気の空燃比A/Fが検出される。この排気通路34には更に三元触媒やNOx吸蔵還元触媒等の排気浄化触媒が配置されている。
燃料噴射バルブ10にはデリバリパイプを介して高圧燃料ポンプ側から高圧燃料を供給され、この燃料噴射バルブ10からはECU30により計算された噴射時期及び噴射時間にて燃料が吸気ポート8内に噴射される。
ECU30はCPU、ROM、RAMなどを備えたデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路であり、上述したスロットル開度センサ24、吸入空気量センサ26、吸気温センサ28、空燃比センサ36以外にも各種センサ類より信号を入力している。すなわちアクセルペダル40の踏み込み量(アクセル開度ACCP:%)を検出するアクセル開度センサ42、クランクシャフト回転からエンジン回転数NE(rpm)を検出するエンジン回転数センサ44より信号を入力している。更に吸気カムシャフト回転から吸気カムのカム角GIを決定するカム角センサ46、排気カムシャフト回転から排気カムのカム角GEを決定するカム角センサ48より信号を入力している。更に冷却水温センサ50よりエンジン冷却水温THW(℃)信号を、バッテリ電圧センサ52より電力源としてのバッテリからのバッテリ電圧Vb(V)信号を入力している。その他、車両状態を示す車速などの信号も入力している。尚、本実施の形態のエンジン2はバルブタイミング可変機構46a,48aにより吸気バルブ4及び排気バルブ6のバルブタイミングVVT調節が可能とされている。
ECU30は、上述した各センサ類からの検出内容に基づいて、スロットル開度TA、燃料噴射バルブ10からの燃料噴射量、燃料噴射時期、点火プラグ14による点火時期等を制御する。
次にECU30により実行される制御の内、アクセル開度ACCP等に基づく要求トルクを実現するためのスロットル開度制御処理について説明する。本処理のフローチャートを図2に示す。本処理は周期的(例えば8msec毎)に割り込みにより実行される。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
スロットル開度制御処理(図2)が開始されると、まず前述した各種センサ類の信号より得られたデータや、ECU30内にて別途実行されている他のシステムによる各種要求が取得されて、RAM中の作業領域に読み込まれる(S102)。
ここではドライバー要求としてアクセル開度ACCP、内燃機関運転状態としてエンジン回転数NE、そして変速制御、クルーズ制御、トラクション制御、車両走行安定制御など他のシステムからの各種要求トルク、及び車速などの車両状態と言った各種データが読み込まれる。
これら各種データに基づいて要求トルクTQtが設定される(S104)。
例えば、アクセル開度ACCPとエンジン回転数NEとに基づいてドライバー要求トルクが設定され、他のシステムのいずれかの要求トルクとの比較により、いずれか優先される要求トルクが選択される。そしてエンジン2のフリクションによる損失トルク、エアコン、パワーステアリング等の付加的な装置による消費トルク、及び点火時期等による補正が加えられて、要求トルクTQtが設定される。
次にこの要求トルクTQtに基づいて、式1に示すごとく、マップMAPkltにより要求トルクTQtに対応する筒内吸入空気量である要求吸入空気量KLtが算出される(S106)。
[式1] KLt ← MAPklt(TQt,NE,VVT)
このマップMAPkltは、要求トルクTQtが大きくなると要求吸入空気量KLtが大きくなり、エンジン回転数NEが高くなると要求吸入空気量KLtが大きくなり、吸気バルブ4のバルブタイミングVVTが進角すると要求吸入空気量KLtが大きくなる傾向に設定されている。尚、これらの傾向は、実験や理論計算により求められておりエンジンの種類により異なる。
次に式2に示すごとく、要求吸入空気量KLtが吸入空気量変化限界内にある値か否かを判定する(S108)。
[式2] KLmin ≦ KLt ≦ KLmax
ここで吸入空気量変化限界を表す値である増加側吸入空気量変化限界KLmax及び減少側吸入空気量変化限界KLminは、図3に示す吸入空気量変化限界算出処理により設定されている値である。この吸入空気量変化限界算出処理(図3)はスロットル開度制御処理(図2)と同周期で実行されて、繰り返し増加側吸入空気量変化限界KLmax及び減少側吸入空気量変化限界KLminを求めて更新している。
ここで吸入空気量変化限界算出処理(図3)について説明する。本処理では、まず図4に示すスロットル開度変化速度限界マップMAPdtaによりバッテリ電圧Vbに基づいて増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax(deg)と減少側スロットル開度変化速度限界dTAmin(deg)とが算出される(S152)。増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxは制御周期(ここでは8msec)間にモータ20の駆動によりスロットル開度TAを増加側に変化可能な限界値である。減少側スロットル開度変化速度限界dTAminは制御周期間にモータ20の駆動によりスロットル開度TAを減少側に変化可能な限界値である。
すなわちスロットルバルブ22の作動能力、特にスロットルバルブ22を構成しているモータ20の作動能力に基づいてスロットル開度TAの変化速度限界を求めている。
増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxはプラスの値であり、バッテリ電圧Vbの増加に応じて増加する。減少側スロットル開度変化速度限界dTAminはマイナスの値であり、バッテリ電圧Vbの増加に応じて減少する。すなわちバッテリ電圧Vbが高いほどモータ20によるスロットルバルブ22の駆動速度が増加側においても減少側においても高速になることを示している。尚、図4では増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax及び減少側スロットル開度変化速度限界dTAminの単位はスロットルバルブ22の角度(deg)で示しているが、スロットルバルブ22の全開状態を100%として%(百分率)で表しても良い。
次に式3に示すごとく現在のスロットル開度TAに増加側スロットル開度変化速度限界dTAmaxを加えることで増加側スロットル開度変化限界TAmaxを求める(S154)。
[式3] TAmax ← TA + dTAmax
尚、この式3の右辺における加算結果が最大開度を越えている場合には、増加側スロットル開度変化限界TAmaxには最大開度が設定される。
次に式4に示すごとく現在のスロットル開度TAに減少側スロットル開度変化速度限界dTAminを加えることで減少側スロットル開度変化限界TAminを求める(S156)。
[式4] TAmin ← TA + dTAmin
尚、この式4の右辺における加算(実質的には減算)結果が最小開度(ここでは0)を下回っている場合には、減少側スロットル開度変化限界TAminには最小開度が設定される。
これら式3,4は、モータ20の作動能力に基づいて、現在のスロットル開度TAから制御周期毎にスロットル開度TAが変化できる限界開度を求めていることになる。
そして前記式3にて求めた増加側スロットル開度変化限界TAmaxを用いて、エンジン2における吸気系のエアモデルから求めた、スロットル開度TAと吸入空気量との関係を表す関数Faにより、増加側吸入空気量変化限界KLmaxを算出する(S158)。尚、関数Faのパラメータとしてはスロットル開度以外にエンジン回転数NE、バルブタイミングVVT(ここでは2つのカム角GI,GEに相当)、エンジン冷却水温THW、吸気温THA等が存在する。関数Faでなく、エアモデルに基づいて作成されたスロットル開度TAと吸入空気量との関係を表すマップを用いて、増加側スロットル開度変化限界TAmax及び前記他のパラメータに基づいて増加側吸入空気量変化限界KLmaxを求めても良い。尚、上記エアモデルは、エンジン2の吸気系をスロットルバルブ22、吸気通路16、吸気バルブ4等の要素に分けてそれぞれの要素毎にモデル化して数式で表すことによりエンジン2の吸入空気量(ここでは筒内空気量)を計算により求めるためのモデルである。
次に前記式4にて求めた減少側スロットル開度変化限界TAminを用いて、前述した関数Faにより、減少側吸入空気量変化限界KLminを算出する(S160)。尚、スロットル開度TAと吸入空気量との関係を表すマップを用いて、減少側スロットル開度変化限界TAmin及び前記他のパラメータに基づいて減少側吸入空気量変化限界KLminを求めても良い。
このように吸入空気量変化限界算出処理(図3)にて周期的に増加側吸入空気量変化限界KLmax及び減少側吸入空気量変化限界KLminが算出されて更新されている。
スロットル開度制御処理(図2)の説明に戻る。上述のごとく周期的に更新されている吸入空気量変化限界KLmax,KLminにて前記式2の判定がなされた結果、前記式2を満足した状態、すなわち要求吸入空気量KLtが吸入空気量変化限界内にある場合には(S108でYES)、実現可能な筒内吸入空気量KLrefに要求吸入空気量KLtの値がそのまま設定される(S110)。
前記式2を満足しない状態、すなわち要求吸入空気量KLtが吸入空気量変化限界外にある場合には(S108でNO)、吸入空気量が増加側か否かが判定される(S112)。この判定は、前回設定された要求吸入空気量KLtと今回の要求吸入空気量KLtとの差がプラスか否か、前回設定された要求トルクTQtと今回設定された要求トルクTQtとの差がプラスか否か、あるいはスロットル開度TAが増加側か否かにより判定する。
エンジン吸入空気量が増加側である場合には(S112でYES)、実現可能な筒内吸入空気量KLrefには増加側吸入空気量変化限界KLmaxが設定される(S114)。エンジン吸入空気量が減少側である場合には(S112でNO)、実現可能な筒内吸入空気量KLrefには減少側吸入空気量変化限界KLminが設定される(S116)。すなわち要求吸入空気量KLtが吸入空気量変化限界外にある場合にはスロットル開度TAは要求吸入空気量KLtに追随できないことから、追いつける限界である増加側吸入空気量変化限界KLmaxあるいは減少側吸入空気量変化限界KLminが実現可能な筒内吸入空気量KLrefに設定されることになる。すなわちスロットルバルブ22の作動能力に基づいて制限補正を実行している。
ステップS110,S114,S116のいずれかにて実現可能な筒内吸入空気量KLrefが設定されると、この実現可能な筒内吸入空気量KLrefが、筒内吸入空気量KLrefのデータ配列に格納される(S118)。このデータ配列は、後述する燃料噴射量制御において、遅れ時間経過後に読み出すために設けられている。
次に今回ステップS110,S114,S116のいずれかにて設定された実現可能な筒内吸入空気量KLrefを用いて、吸入空気量とスロットル開度TAとの関係を表す関数Fbにより、実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応するスロットル開度を算出して目標スロットル開度TAtとして設定する(S120)。尚、関数Fbのパラメータとしては吸入空気量以外にエンジン回転数NE、バルブタイミングVVT(ここでは2つのカム角GI,GEに相当)、エンジン冷却水温THW、吸気温THA等が存在する。この関数Fbは、吸入空気量変化限界算出処理(図3)のステップS158,S160にて説明したエアモデルの逆モデルを表している。関数Fbでなく、吸入空気量とスロットル開度TAとの関係を表すマップを用いて、実現可能な筒内吸入空気量KLref及び前記他のパラメータに基づいて目標スロットル開度TAtを求めても良い。
そしてこのように算出された目標スロットル開度TAtに基づく制御信号がスロットルバルブ22を駆動するモータ20へ出力され(S122)、このことで実際のスロットル開度TAが目標スロットル開度TAtとなるように調節制御される。
以後、上述した処理(図2,3)が8msec毎に繰り返されることでモータ20によるスロットル開度TAの調節がなされることになる。
次にECU30により実行される制御の内、燃料噴射バルブ10から燃料噴射タイミングにて吸気ポート8に噴射される燃料量を制御する燃料噴射量制御について、図5のフローチャートにより説明する。本処理は周期的(例えば8msec毎)に割り込みにより実行される。
燃料噴射量制御(図5)が開始されると、まず遅れ時間DTが式5に示すごとく、遅れ時間マップMAPdtにより、エンジン回転数NE及び吸気バルブ4のバルブタイミングVVTから算出される(S180)。
[式5] DT ← MAPdt(NE,VVT)
ここで遅れ時間DTは、スロットル開度制御処理(図2)による吸入空気量調節タイミングからその調節が吸気ポート8での吸入空気量に反映されるタイミングまでの時間である。ここでは制御周期(8msec)の回数として表す。
この遅れ時間マップMAPdtは、エンジン回転数NEが高くなると短くなり、吸気バルブ4のバルブタイミングVVTが進角すると短くなる傾向に設定されている。尚、これらの傾向は実験や理論計算により求められておりエンジンの種類により異なる。
次に前記スロットル開度制御処理(図2)のステップS118にて実現可能な筒内吸入空気量KLrefを格納した配列内から、遅れ時間DT前の値を読み出して、遅延筒内吸入空気量KLrefdtとして設定する(S182)。
そしてエンジン2に要求されている目標空燃比を用いて、式6に示すごとく変換して、目標燃料噴射量TAUtとして設定する(S184)。
[式6] TAUt ← KLrefdt/目標空燃比
この目標燃料噴射量TAUtは、燃料噴射バルブ10の開弁時間にて表されており、目標燃料量に相当する。
前記遅延筒内吸入空気量KLrefdtは、遅れ時間DT前にスロットルバルブ22にて調節されて、現在、燃料噴射バルブ10が存在する吸気ポート8に到達している吸入空気量に相当する。したがって、この遅延筒内吸入空気量KLrefdtを用いて目標燃料噴射量TAUtを算出しているため、遅延筒内吸入空気量KLrefdtに高精度に対応した目標燃料噴射量TAUtとなっている。
そしてこのように目標燃料噴射量TAUtを設定していることにより、燃料噴射タイミングにおいて目標燃料噴射量TAUtに対応した燃料が燃料噴射バルブ10から吸気ポート8へ噴射されることになる。
図6のタイミングチャートに本実施の形態による制御の一例を示す。タイミングt0においてドライバーがアクセルペダル40を急速に踏み込むと、アクセル開度ACCPの急上昇が生じ、これに応じて要求吸入空気量KLtはステップ的に上昇する。しかし実現可能な筒内吸入空気量KLrefについては増加側吸入空気量変化限界KLmaxにより制限されて、ステップ的な上昇とはならない。このため実現可能な筒内吸入空気量KLrefに基づく目標スロットル開度TAtにより、スロットルバルブ22のモータ20による実際のスロットル開度TAはその上昇限界を越えないように上昇する。
そして吸気ポート8から燃焼室12へ流入する実際の筒内吸入空気量は、遅れ時間DT後に実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応した上昇を示すので、これに対応させて目標燃料噴射量TAUtが上昇する。このことにより実際の筒内吸入空気量と実際の燃料噴射量とが高精度に対応できる。
しかもスロットルバルブ22に対しては従来のごとくのディレー制御は不要となるので、アクセル開度ACCPの上昇開始時(t0)から目標燃料噴射量TAUtが上昇開始して(t1)、エンジン2のトルクが上昇を開始するまでの遅れが非常に短い。実際には遅れ時間DT分の遅れである。
これに比較して、図7のタイミングチャートに示す比較例では、従来のごとくスロットルバルブ22に対するディレー制御を実行している。このためアクセル開度ACCPの上昇開始時(t10)から目標燃料噴射量TAUtが上昇開始して(t11)、エンジン2のトルクが上昇を開始するまでの遅れが非常に長い。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU30が実現可能吸入空気量算出手段、目標調節量算出手段、吸入空気量調節アクチュエータ作動手段、目標燃料量設定手段、及び燃料供給手段に相当する。
スロットル開度制御処理(図2)のステップS104〜S116が実現可能吸入空気量算出手段としての処理に、ステップS120が目標調節量算出手段としての処理に、ステップS122及びECU30によるスロットルバルブ22のモータ20に対するスロットル開度TA調節が吸入空気量調節アクチュエータ作動手段としての処理に相当する。更にスロットル開度制御処理(図2)のステップS118、燃料噴射量制御(図5)のステップS180〜S184が目標燃料量設定手段としての処理に、ECU30による燃料噴射タイミングにおける燃料噴射バルブ10に対する燃料噴射量調節が燃料供給手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(1)スロットル開度制御処理(図2)では、エンジン2に対する要求トルクTQtから算出する目標スロットル開度TAtを、スロットルバルブ22により実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応させた値として算出している(S104〜S116,S120)。
このため目標スロットル開度TAtを用いてスロットルバルブ22を調節制御しても、スロットルバルブ22はこの目標スロットル開度TAtの変化に追随できる。すなわちエンジン2が出力する実際のトルク変化は目標スロットル開度TAtに対応するトルクと同等の変化を実現することができ、目標スロットル開度TAtに対応するトルクと実際のトルクとの間のずれが防止される。
しかも、このような目標スロットル開度TAtの算出処理は、吸入空気量変化限界算出処理(図3)にて算出される吸入空気量変化限界KLmax,KLminにて要求トルクTQtに対応した要求吸入空気量KLtに限界を設定(S108〜S116)することにより実行している。このため予め設定あるいは測定されたスロットルバルブ22の作動能力に基づいて行うことができ、処理負荷は小さく、容易に算出可能であり、誤差も十分に抑制できる。
そして燃料噴射量制御処理(図5)では、実現可能な筒内吸入空気量KLrefとして、KLref配列から遅れ時間DT前の筒内吸入空気量KLrefを抽出して目標燃料噴射量TAUtの算出に用いる。このことで、実現可能な筒内吸入空気量KLrefを遅れ時間経過後に、すなわち目標スロットル開度TAtに対応した吸入空気量が燃料供給位置に到達するタイミングで、目標燃料噴射量TAUtに反映させている。このため吸気ポート8に到達した吸入空気に対して、その吸入空気量に高精度に対応して高精度な空燃比制御が可能な燃料量を吸気中に供給することができる。しかも上述のごとく実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応する供給燃料量を目標燃料噴射量TAUtとしているため算出も容易であり、誤差も十分に抑制できる。
この場合の遅れ時間DTは、スロットルバルブ22から吸気ポート8到達までの吸入空気の流動時間であり、燃料供給タイミングである吸気バルブ4の開弁前後のタイミングと、吸入空気量が決定できる吸気バルブ4の閉弁時のタイミングとのずれとは無関係である。したがって、このようなずれは本実施の形態では考慮する必要がなく、トルクディマンド方式にて応答性を低下する要因とはならない。
このことにより本実施の形態におけるトルクディマンド方式の内燃機関トルク制御装置においては、処理負荷を過剰なものとせず、かつ誤差を相乗させずに吸入空気量を推定して高精度な空燃比制御を可能とし、しかも応答性を低下することがない。
[実施の形態2]
前記スロットル開度制御処理(図2)のステップS120では関数Fbあるいはマップにより、実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応するスロットル開度を算出して目標スロットル開度TAtとして設定していた。この代わりに、本実施の形態では、このステップS120では、図8に示すごとく、要求トルクTQtに対応した要求吸入空気量KLtを用いて、関数Fbあるいはマップによりスロットル開度を算出して目標スロットル開度TAtとして設定している。
したがって目標スロットル開度TAtは、実際にはスロットルバルブ22が追随できない変化となる場合がある。しかしスロットルバルブ22が追随できないことにより、結果的にスロットルバルブ22による調節は、ステップS110,S114,S116のいずれかにて算出された実現可能な筒内吸入空気量KLrefに対応する目標スロットル開度TAtを用いた場合と同等な調節となる。
このため結果として、前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、図9に示すごとく前記スロットル開度制御処理(図2)のステップS120の代わりに、ステップS130〜S140の処理を実行する。
まずステップS130では、前記実施の形態2でのステップS120(図8)と同じく、要求トルクTQtに対応した要求吸入空気量KLtを用いて、仮目標スロットル開度TAxを算出している。
そして、このステップS130の処理の後に、ステップS132〜S140により、仮目標スロットル開度TAxに対して、吸入空気量変化限界算出処理(図3)にて算出している増加側スロットル開度変化限界TAmax及び減少側スロットル開度変化限界TAminを用いて制限補正をし、このことにより目標スロットル開度TAtを設定している。
すなわち、仮目標スロットル開度TAxが、増加側スロットル開度変化限界TAmaxと減少側スロットル開度変化限界TAminとの間の範囲に存在する場合には(S132でYES)、目標スロットル開度TAtに仮目標スロットル開度TAxを設定している(S134)。
仮目標スロットル開度TAxが増加側スロットル開度変化限界TAmaxより大きい場合には(S132でNO、S136でYES)、目標スロットル開度TAtに増加側スロットル開度変化限界TAmaxを設定している(S138)。
仮目標スロットル開度TAxが減少側スロットル開度変化限界TAminより小さい場合には(S132でNO、S136でNO)、目標スロットル開度TAtに減少側スロットル開度変化限界TAminを設定している(S140)。
このようにスロットルバルブ22の作動能力により実現可能な調節範囲に基づいて、要求吸入空気量KLtに対応した仮目標スロットル開度TAxに制限補正を加えている。
尚、本実施の形態では、ステップS130〜S140が目標調節量算出手段としての処理に相当する。
このような構成により前記実施の形態1と同様な効果を生じる。
[その他の実施の形態]
・前記各実施の形態では、筒内吸入空気量を用いて処理を実行したが、この筒内吸入空気量の代わりに、筒内吸入空気量に対応する物理量を用いても良く、例えば、基準とする吸入空気量として筒内最大吸入空気量を用い、この値に対する筒内吸入空気量の割合を筒内吸入空気量に対応する物理量として用いても良い。
・前記各実施の形態では増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax及び減少側スロットル開度変化速度限界dTAminはバッテリ電圧Vbに応じた値に設定した。ただしバッテリ電圧Vbの変動が無視できる安定化された電源を用いている場合であれば、増加側スロットル開度変化速度限界dTAmax及び減少側スロットル開度変化速度限界dTAminは固定値を用いても良い。
・前記各実施の形態は、ガソリンエンジンにおける例であったが、内燃機関が用いられているシステムとしては、ハイブリッドエンジンを挙げることができ、これらについても前記各実施の形態と同様な制御により同様な効果を生じさせることができる。
・吸入空気量変化限界算出処理(図3)では、増加側吸入空気量変化限界KLmax、増加側スロットル開度変化限界TAmax、減少側吸入空気量変化限界KLmin及び減少側スロットル開度変化限界TAminを常に算出して用いていた。この代わりに、最初に現在のアクセル開度ACCP(要求トルクTQt、要求吸入空気量KLt)が増加か減少かを判定し、増加時であれば増加側吸入空気量変化限界KLmax及び増加側スロットル開度変化限界TAmaxのみを計算しても良い。そして減少時であれば減少側吸入空気量変化限界KLmin及び減少側スロットル開度変化限界TAminのみを計算しても良い。
2…エンジン、4…吸気バルブ、6…排気バルブ、8…吸気ポート、10…燃料噴射バルブ、12…燃焼室、14…点火プラグ、16…吸気通路、20…モータ、22…電子制御スロットルバルブ、24…スロットル開度センサ、26…吸入空気量センサ、28…吸気温センサ、30…ECU、32…排気ポート、34…排気通路、36…空燃比センサ、40…アクセルペダル、42…アクセル開度センサ、44…エンジン回転数センサ、46,48…カム角センサ、46a,48a…バルブタイミング可変機構、50…冷却水温センサ、52…バッテリ電圧センサ。

Claims (8)

  1. 内燃機関に対する要求トルクを実現するために内燃機関への吸入空気量と供給燃料量とを制御する内燃機関トルク制御装置であって、
    内燃機関に対する要求トルクに基づいて、吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な筒内吸入空気量を算出する実現可能吸入空気量算出手段と、
    前記実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する前記吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量を算出する目標調節量算出手段と、
    前記目標調節量算出手段にて算出された目標調節量となるように前記吸入空気量調節アクチュエータを作動させる吸入空気量調節アクチュエータ作動手段と、
    前記実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を、前記吸入空気量調節アクチュエータ作動手段による吸入空気量調節が燃料供給位置の吸入空気量に反映されるまでの時間である遅れ時間経過後に、目標燃料量として設定する目標燃料量設定手段と、
    前記目標燃料量設定手段にて設定された目標燃料量分の燃料を吸気中に供給する燃料供給手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  2. 内燃機関に対する要求トルクを実現するために内燃機関への吸入空気量と供給燃料量とを制御する内燃機関トルク制御装置であって、
    内燃機関に対する要求トルクに基づいて、吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な筒内吸入空気量を算出する実現可能吸入空気量算出手段と、
    内燃機関に対する要求トルクに対応する前記吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量を算出する目標調節量算出手段と、
    前記目標調節量算出手段にて算出された目標調節量となるように前記吸入空気量調節アクチュエータを作動させる吸入空気量調節アクチュエータ作動手段と、
    前記実現可能吸入空気量算出手段により算出された実現可能な筒内吸入空気量に対応する供給燃料量を、前記吸入空気量調節アクチュエータ作動手段による吸入空気量調節が燃料供給位置の吸入空気量に反映されるまでの時間である遅れ時間経過後に、目標燃料量として設定する目標燃料量設定手段と、
    前記目標燃料量設定手段にて設定された目標燃料量分の燃料を吸気中に供給する燃料供給手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関トルク制御装置において、前記目標調節量算出手段は、内燃機関に対する要求トルクに対応する前記吸入空気量調節アクチュエータの目標調節量に、前記吸入空気量調節アクチュエータの作動能力により実現可能な調節範囲に基づいて制限補正を加えていることを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、前記実現可能吸入空気量算出手段は、内燃機関に対する要求トルクに対応した筒内吸入空気量を算出し、この筒内吸入空気量に対して、前記吸入空気量調節アクチュエータの作動能力に基づいて制限補正を加えることで、内燃機関に対する要求トルクに基づいて実現可能な筒内吸入空気量を算出することを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、内燃機関に対する要求トルクは内燃機関に対するドライバーの操作量を含むパラメータに基づいて設定されていることを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、前記燃料供給位置は、吸気ポートであることを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、吸入空気量調節アクチュエータは、吸気通路に配置された電子制御スロットルバルブであることを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関トルク制御装置において、筒内吸入空気量の代わりに、筒内吸入空気量に対応する物理量を用いて前記各手段での処理を実行することを特徴とする内燃機関トルク制御装置。
JP2009138176A 2009-06-09 2009-06-09 内燃機関トルク制御装置 Expired - Fee Related JP5229118B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009138176A JP5229118B2 (ja) 2009-06-09 2009-06-09 内燃機関トルク制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009138176A JP5229118B2 (ja) 2009-06-09 2009-06-09 内燃機関トルク制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010285879A true JP2010285879A (ja) 2010-12-24
JP5229118B2 JP5229118B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=43541777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009138176A Expired - Fee Related JP5229118B2 (ja) 2009-06-09 2009-06-09 内燃機関トルク制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5229118B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09287513A (ja) * 1996-02-23 1997-11-04 Nissan Motor Co Ltd エンジンのトルク制御装置
JP2001241343A (ja) * 2000-02-28 2001-09-07 Denso Corp 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2007192082A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Toyota Motor Corp 車両に搭載された内燃機関の推定トルク算出装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09287513A (ja) * 1996-02-23 1997-11-04 Nissan Motor Co Ltd エンジンのトルク制御装置
JP2001241343A (ja) * 2000-02-28 2001-09-07 Denso Corp 内燃機関の制御装置及び制御方法
JP2007192082A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Toyota Motor Corp 車両に搭載された内燃機関の推定トルク算出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5229118B2 (ja) 2013-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5861779B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4396748B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US7198029B1 (en) Extension of DOD operation in torque control system
JP2011094541A (ja) エンジンの制御装置
JP2010223068A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6071370B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP4483885B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2005273537A (ja) エンジン出力制御装置
JP2009133276A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010024963A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6446081B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009281239A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5229118B2 (ja) 内燃機関トルク制御装置
JP2010090813A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014047737A (ja) 内燃機関の吸気制御装置
JP2014005803A (ja) 内燃機関の制御装置
RU2570957C1 (ru) Устройство управления для двигателя внутреннего сгорания
JP5708812B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5376171B2 (ja) 車両の出力制御装置
JP2009185665A (ja) 駆動力源制御装置
JP4760793B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP6077371B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009162200A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4613893B2 (ja) 内燃機関の排気浄化触媒温度推定装置
JP2007170198A (ja) 内燃機関のトルク制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130304

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5229118

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees