JP2010284114A - 振出竿及び伸縮式振出竿 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】元上10の外周面と元竿11の内周面とを圧接させることによって、元上10と元竿11とを伸長状態に保持する合わせ部を形成する。元上10の外周面及び元竿11の外周面に装飾用塗料からなる表面塗装層3を形成する。元上10の表面塗装層3の外周面又は元竿11の内周面のいずれか一方に凹凸面層9を形成し、凹凸面層9を装飾用塗料に比べて成形後の表面硬度が高い合わせ部用塗料で形成してある。
【選択図】図2
Description
このように突起を形成することによって、突起間を水分が移動できるために、次のような利点がある。
これに対して、突起を形成していると、水分の浸入があっても、突起の間から水分が移動消失することとなり、水分が固着状態を現出することは少ない。
そうすると、突起等の摩滅等によって小径竿体の外周面と大径竿体の内周面の圧接状態がより緊密なものとなり、侵入した水分の排出が十分ではなく、固着現象を完全に払拭できているわけではなかった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、前記小径竿体の外周面及び前記大径竿体の外周面に装飾用塗料からなる装飾塗装層を形成するとともに、前記小径竿体の前記装飾塗装層の表面又は前記大径竿体の内周面のいずれか一方に凹凸面層を形成し、前記凹凸面層を、成形後の表面硬度が前記装飾用塗料に比べて高い合わせ部用塗料で形成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、合わせ部に使用する塗料として、成形後に表面硬度が装飾用塗料に比べて高くなる合わせ部用塗料を使用することによって、長期使用によっても、凹凸面層における凸部の摩滅等が抑制されて、長期に亘って安定した固着防止機能を発揮する振出竿を提供できるに至った。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記小径竿体を前記大径竿体内に収縮した収縮状態を保持する保持機構を備える伸縮式振出竿である点にあり、その作用効果は次の通りである。
収縮状態を保持する保持機構を備えている伸縮式振出竿においては、釣り操作において囮鮎等の泳ぎを操作する等の目的から、頻繁に小径竿体を大径竿体に対して伸長状態と収縮状態とに切換える操作を行うこともある。
このような伸縮式振出竿においても、合わせ部として、請求項1において言及した表面硬度の高い塗料を使用して構成したので、長期に亘る使用であっても固着防止能力が極端に低下することを回避することが可能である。
振出竿について説明する。図1に示すように、振出竿は、小径竿体としての元上10と大径竿体としての元竿11を備え、元上10を元竿11より引き出した伸長状態に切換可能に構成してある。
下地塗装層2について説明する。下地塗装層2に利用される塗料は、ポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂からなる群のうちから適宜選択される合成樹脂から構成される。これらの塗料を吹き付け、扱き、刷毛塗り等の手法を用いて、竿素材1の表面に施す。
中間塗装層4としては、アクリルウレタン樹脂塗料でメタリック塗装を行い、表面塗装層3として、アクリルウレタン樹脂塗料を重ね塗りするか又はフッ素樹脂塗料等を使用可能である。
図1及び図2に示すように、下地塗装層2、中間塗装層4、表面塗装層3を備え、その表面に凹凸面層9を構成して合わせ部Bの一方を形成する。凹凸面層9を構成する合わせ部用塗料は、下地塗装層2、中間塗装層4、表面塗装層3に使用された装飾用塗料に比べて施工後表面硬度が高い状態を示す塗料を使用する。具体的には、UV(紫外線硬化型)
塗料が使用される。
が耐凝縮性において十分でなければ、他の高性能塗料を選択する必要がある。
ここに、表面塗装層3に使用されたアクリルウレタン樹脂塗料にあっては、施工後硬化した状態で鉛筆芯硬度が2H程度を示すものである。
これに対して、UV塗料は、施工後硬化した状態で鉛筆芯硬度が4Hを越える硬度を示
すものである。この塗料の施工形態は、吹付塗装、扱き塗装等が採用される。
図3(b)に示すように、元上10の竿元側端部10Aに対して、吹き付けガン14を利用して、前記したUV塗料を均一な厚さで塗布する。塗布後は、紫外線を当てて硬化さ
せる。この場合に、竿元側端部10AにおけるUV塗料を塗布する領域より竿先側に孔無
しマスキング材5を巻回して、UV塗料を塗布する作業領域を明確にする。
この塗装工程によって、凹凸面層9における凹面部分9Bが形成される。この凹面部分9Bにおける竿先側端部に形成された傾斜面9bは、研削加工等によって作成される。
材13には、多数の貫通孔13aが整列状に配置穿設され、凹凸面層9における凸面部分9Aの形成に利用される。
図3(c)に示すように、マスキング材13の上から吹き付けガン14によって、吹き付け塗装を行う。吹き付けガン14によって、合わせ部用塗料をマスキング材13に吹き付けることによって、マスキング材13の貫通孔13aを通して元上10の竿元側端部10Aの外周面に凸面部分9Aが形成される。
伸縮式振出竿について説明する。第1実施形態で示したように、伸縮式振出竿においても、元上10の竿元側端部10Aの外周面には、UV塗料による凹凸面層9が形成してある。
ここに、保持具11Bと元上10の竿元側端部10Aに形成した凹凸面層9とで、元上10の収縮状態を保持する保持機構Cを構成する。
、元上10の竿元側端部10Aの凹凸面層9と元竿11の竿先側端部11Aの内周面とで、元上10の伸長状態を保持する合わせ部Bを構成する。
表1、表2のデータを得るテスト装置が図5に示してあり、元上10を元竿11に嵌合させて、元上10を吊り下げ支持する。元竿11と元上10の嵌合力は当初5kgに設定されている。
元竿11に対して錘Whを高さHから落下させ、元竿11に形成した受止フランジ2Dに受け止めさせた状態での元竿11の移動量Lを測定したのが、上記データである。
つまり、測定する寸法は、1kgfの静荷重を加えて元上10を元竿11から引き出した状態の合わせ部Bの寸法(落下前寸法)L2と、所定の高さから錘Whを落下させた場合に移動した元竿11の移動した寸法(短縮寸法)L1と、両寸法から算出される落下後の合わせ部Bの寸法(落下後寸法)L3である。
これに対して、従来品(塗装突部品)としては、元上10の竿元側端部10Aの外周面に、装飾用塗料を吹き付けて凹凸面層9を形成した竿を使用している。
使用された装飾用塗料は、次のようなものである。ウレタン樹脂等に比べて軟質性の高いゴム入りのゴム系塗料が使用される。ゴム系塗料としては、軟質系ポリエステル型ポリウレタン樹脂塗料が使用される。この塗料はカシュウ株式会社製の商品名「セノソフト」「セノソフトII」として市販されているものである。
ズーム耐久テストとは、元上10を元竿11内に収縮する状態と元上10を元竿11から引き出す状態を繰り返し行うことを言い、人為的に元上10を伸縮操作することによって行うものである。
○・・・・楽に元の状態に戻せる
△・・・・固着があって硬くなっているが、元の状態に戻せる
×・・・・固着しているので、人力では戻せない(治具を使用すれば戻せる)
(1)従来品においては、100mmの時点で良好な戻り状態は呈しておらず、150mmの時点で既に固着現象が始まっている。したがって、以後の落下距離のテストは行っていない。
これに対して、本発明品においては、120mmの時点ではまだ良好な戻り状態を維持しており、160mmの段階でも固着現象には至っておらず、170mmの段階に至って初めて固着現象に至っている。
以上のところから、長期間に亘る使用によっても、固着現象が起こり難い釣り竿を提供することができた。
(1) UV塗料を塗布して凹凸面層9を形成する場合に、中間塗装層4及び表面塗装層3を省略して装飾塗装層を下地塗装層2のみで構成し、下塗塗装層2の表面に直接UV塗料を塗布して、凹凸面層9を形成してもよい。また、中間塗装層4のみを省略して装飾塗装層を下地塗装層2と表面塗装層3とで構成し、表面塗装層3の表面に凹凸面層9を形成してもよい。
3 表面塗装層(装飾塗装層)
4 中間塗装層(装飾塗装層)
9 凹凸面層
10 元上(小径竿体)
11 元竿(大径竿体)
B 合わせ部
C 保持機構
Claims (2)
- 小径竿体の外周面と大径竿体の内周面とを圧接させることによって、小径竿体と大径竿体とを伸長状態に保持する合わせ部を形成する振出竿であって、前記小径竿体の外周面及び前記大径竿体の外周面に装飾用塗料からなる装飾塗装層を形成するとともに、前記小径竿体の前記装飾塗装層の表面又は前記大径竿体の内周面のいずれか一方に凹凸面層を形成し、前記凹凸面層を、成形後の表面硬度が前記装飾用塗料に比べて高い合わせ部用塗料で形成してある振出竿。
- 前記小径竿体を前記大径竿体内に収縮した収縮状態を保持する保持機構を備える請求項1記載の伸縮式の振出竿。
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