JP2010283916A - 電力動揺抑制装置、電力動揺抑制方法および電力動揺制御プログラム - Google Patents

電力動揺抑制装置、電力動揺抑制方法および電力動揺制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】遠方端事故や不平衡事故が発生した場合でも、電力動揺を効果的に抑制することを可能にする。
【解決手段】力率角算出部71が、有効電力Pおよび無効電力Qから力率角θを算出し、リセット回路72が、力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを算出する。また、事故判定部73が、力率角変化速度Δθが所定値を超えた場合に、電力系統に系統事故が発生したと判定する。そして、制御信号調整部74が、系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、MPSSによって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力動揺抑制装置、電力動揺抑制方法および電力動揺制御プログラムに関する。
従来、遠隔地からの送電において、系統安定度の維持は重要な課題となっている。そして、この課題に対する費用対効果が最も高い対応策として、電力系統安定化装置付き超速応励磁制御が主に利用されている。ここで、電力系統安定化装置(PSS:Power System Stabilizer)とは、発電機の有効電力Pや回転速度ωに基づいて発電機の励磁(界磁)電圧を制御することで、電力系統に生じる電力動揺を抑制する装置である。
具体的には、PSSは、発電機の有効電力Pや回転速度ωに基づいて、発電機(電力系統)に発生した動揺を検出する。そして、PSSは電力動揺の大きさに応じて、発電機が備える自動電圧調整器(AVR:Automatic Voltage Regulator)に対して界磁電圧を制御するための制御信号(補助信号)を出力することで、発電機の電力動揺を抑制する。かかるPSSには、発電機の状態を示す信号として入力する入力信号の種類に応じて、各種のものがある。例えば、PSSには、有効電力Pを入力する「ΔP形PSS」や、発電機の有効電力Pおよび回転速度ωを入力する「ΔP+ω形PSS」などがある。
また、近年では、長距離大電力送電系統における弱制動な長周期電力動揺(周期が2秒程度以上の電力動揺)を抑制する効果が高い「多入力PSS(MPSS:Multi-input Power System Stabilizer)」も開発されている(例えば、非特許文献1〜7参照)。このMPSSは、すでに設置されているΔP+Δω形PSSの定数を変更せずに、入力信号として、無効電力Qと、有効電力Pの変化速度dPと、端子電圧Eaの変化速度dEaとを新たに追加したものである。
ここで、MPSSに入力信号として追加された無効電力Q、有効電力の変化速度dP、端子電圧の変化速度dEaは、それぞれの特性上、系統事故が除去された直後に界磁電圧を下げる信号(以下、「電圧下げ信号」と呼ぶ)を出力する。この電圧下げ信号は、電力系統の過渡安定度を低下させる要因となる。そのため、MPSSは、電圧下げ信号を打ち消すための回路である「過渡安定度向上論理」を備えている。
この過渡安定度向上論理は、電圧下げ信号を打ち消すため、系統事故が除去された時点で、界磁電圧を上限値(頂上電圧またはシーリング電圧)まで上昇させる制御信号をAVRに対して出力する。具体的には、過渡安定度向上論理は、発電機の端子電圧が所定値以下となった場合に系統事故が発生していると判定し、その系統事故が除去された時点で発電機の界磁電圧を上限値まで上昇させる。
北内、谷口、「長周期動揺抑制用多入力PSS(P+ω+Q形)の開発」、電力中央研究所 研究報告 T96021、平成9(1997)年5月 北内、谷口、白崎、市川、天野、萬城、「多入力PSSの電力系統への適用効果」、電気学会電力系統技術研究会資料、PSE−98−6、平成10(1998)年 北内、谷口、吉村、白崎、市川、天野、萬城、「長周期動揺抑制用多入力PSSの定数設定法とその検証」、電力中央研究所 研究報告 T96030、平成11(1999)年4月 Y. Kitauchi, H. Taniguchi, T. Shirasaki, Y.Ichikawa, M. Amamo, M. Banjo, "Experimental Verification of Multi-input PSS with Reactive Power Input for Damping Low Frequency Power Swing", IEEE Transactions on Energy Conversion Vol. 14, No. 4, December 1999 北内、谷口、白崎、市川、天野、萬城、「多機系統における長周期動揺抑制用多入力PSSの定数設定法とその実験的検証」、電学論B,122巻1号、平成14(2002)年1月 森田、稲村、布施、塚田、北内、「多入力PSSのフィールド検証について」、電気学会、電力技術・電力系統技術合同研究会資料、PE−03−115/PSE−03−126、平成15(2003)年 北内、「長距離大電力送電系統の安定度向上のための発電機励磁制御方式の開発」、電力中央研究所 総合報告 T76、平成16(2004)年3月
しかしながら、上述した従来のMPSSでは、以下に説明するように、遠方端事故や不平衡事故が発生した場合に、電力動揺を効果的に抑制することができないという課題があった。
前述したように、過渡安定度向上論理は、端子電圧が所定値以下となるような系統事故が除去された時点で界磁電圧を上限値まで上昇させる。しかし、電力系統に遠方端事故や不平衡事故が発生した場合には、発電機の端子電圧が所定値まで低下しないこともある。そのため、従来のMPSSでは、遠方端事故や不平衡事故が発生しても過渡安定度向上論理が動作しない場合があった。
すなわち、従来のMPSSは、端子電圧が大きく低下するような発電機至近端の系統事故については対応することができるが、遠方端事故や不平衡事故については対応することができなかった。そのため、従来のMPSSは、遠方端事故や不平衡事故が発生した場合に、AVRに対して適切な大きさの制御信号を出力することができず、電力動揺を効果的に抑制することができなかった。
上記の課題は、発電機の励磁系を制御するMPSSだけでなく、前述のΔP形PSSやΔP+ω形PSSにおいて同様に生じるものである。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、遠方端事故や不平衡事故が発生した場合でも、電力動揺を効果的に抑制することが可能な電力動揺制御装置、電力動揺制御方法、電力動揺制御プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、電力系統に生じる電力動揺を抑制する電力動揺抑制装置であって、前記電力系統に接続されている電力機器の状態を示す入力信号に基づいて、当該電力機器の電力動揺を安定化させる制御信号を出力する電力動揺制御手段と、前記電力機器の有効電力および無効電力から力率角を算出する力率角算出手段と、前記力率角算出手段によって算出された力率角の変化速度が所定値を超えた場合に、前記電力系統に系統事故が発生したと判定する事故判定手段と、前記事故判定手段によって前記系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、前記電圧制御手段によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する制御信号調整手段とを備えたことを特徴とする。
また、本発明は、電力系統に生じる電力動揺を抑制する電力動揺抑制方法であって、前記電力系統に接続されている電力機器の状態を示す入力信号に基づいて、当該電力機器の電力動揺を安定化させる制御信号を出力するステップと、前記電力機器の有効電力および無効電力から力率角を算出するステップと、算出された力率角の変化速度が所定値を超えた場合に、前記電力系統に系統事故が発生したと判定するステップと、前記系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、前記制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御するステップとを含んだことを特徴とする。
また、本発明は、電力系統に生じる電力動揺を抑制する電力動揺抑制プログラムであって、前記電力系統に接続されている電力機器の状態を示す入力信号に基づいて、当該電力機器の電力動揺を安定化させる制御信号を出力する電力動揺制御手順と、前記電力機器の有効電力および無効電力から力率角を算出する力率角算出手順と、前記力率角算出手順によって算出された力率角の変化速度が所定値を超えた場合に、前記電力系統に系統事故が発生したと判定する事故判定手順と、前記事故判定手順によって前記系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、前記電圧制御手順によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する制御信号調整手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、遠方端事故や不平衡事故が発生した場合でも、電力動揺を効果的に抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本実施例1に係るMPSSの構成を示すブロック線図である。 図2は、図1に示したFD回路の構成を示すブロック線図である。 図3は、本実施例1に係るMPSSによる電圧動揺制御の処理手順を示すフローチャートである。 図4は、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図(1)である。 図5は、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図(2)である。 図6は、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図(3)である。 図7は、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSの構成を示すブロック線図である。 図8は、図7に示したFD回路の構成を示すブロック線図である。 図9は、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図(1)である。 図10は、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図(2)である。 図11は、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図(3)である。
以下に、本発明に係る電力動揺抑制装置、電力動揺抑制方法および電力動揺制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。以下では、本発明をMPSSおよびΔP+Δω形PSSに適用した場合について説明する。なお、ここで説明する実施例によって本発明が限定されるものではない。
最初に、実施例1として、本発明をMPSSに適用した場合について説明する。本実施例1に係るMPSSは、発電機の有効電力P、回転速度ω、無効電力Q、有効電力Pの変化速度dPおよび端子電圧Eaの変化速度dEaを入力する。そして、MPSSは、入力した信号に基づいて、発電機が備えるAVRに対して界磁電圧を制御するための制御信号を出力することで、発電機の電力動揺を安定化させる。
まず、本実施例1に係るMPSSの構成について説明する。図1は、本実施例1に係るMPSSの構成を示すブロック線図である。図1に示すように、本実施例1に係るMPSSは、リセット回路11〜13、不完全微分回路14〜15、位相調整回路21〜23、ゲイン31〜35、正の値のみ通過させる回路40、負の値のみ通過させる回路50、リミッタ60、系統事故検出(FD:Fault Detector)回路70、加算部81〜84および乗算部91を有する。
リセット回路11は、発電機(図示せず)の有効電力Pを入力し、有効電力Pの定常状態からの偏差である有効電力偏差ΔPを出力する。このリセット回路11の伝達関数は−s/(1+s)である。リセット回路12は、発電機の回転数ωを入力し、回転数ωの定常状態からの偏差である回転数速度偏差Δωを出力する。このリセット回路12の伝達関数は5s/(1+5s)である。リセット回路13は、発電機の無効電力Qを入力し、入力した無効電力Qの定常状態からの偏差である無効電力偏差ΔQを出力する。このリセット回路13の伝達関数は5s/(1+5s)である。
不完全微分回路14は、発電機の端子電圧Eaを入力し、入力した端子電圧Eaの変化速度である端子電圧変化速度dEaを出力する。この不完全微分回路14の伝達関数は−0.1s/(1+0.1s)である。不完全微分回路15は、リセット回路11から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPの変化速度dPを出力する。この不完全微分回路15の伝達関数は0.1s/(1+0.1s)である。
位相調整回路21は、リセット回路11から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPの位相を調整する。位相調整回路22は、リセット回路12から出力される回転数速度偏差Δωを入力し、入力した回転数速度偏差Δωの位相を調整する。位相調整回路23は、リセット回路13から出力される無効電力偏差ΔQを入力し、入力した無効電力偏差ΔQの位相を調整する。
ゲイン31は、リセット回路14から出力される端子電圧変化速度dEaを入力し、入力した端子電圧変化速度dEaにゲイン定数KdEaを乗じる。ここで、ゲイン定数KdEa=1である。ゲイン32は、リセット回路15から出力される有効電力変化速度dPを入力し、入力した有効電力変化速度dPにゲイン定数KdPを乗じる。ここで、ゲイン定数KdP=1である。ゲイン33は、位相調整回路21から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPにゲイン定数Kpを乗じる。ここで、ゲイン定数Kp=0.7であるが、この値は電力系統の構成や潮流条件に応じて適切な値に調整することがある。
ゲイン34は、位相調整回路22から出力される回転数速度偏差Δωを入力し、入力した回転数速度偏差Δωにゲイン定数Kωを乗じる。ここで、ゲイン定数Kω=8である。
ゲイン35は、位相調整回路23から出力される無効電力偏差ΔQを入力し、入力した無効電力偏差ΔQにゲイン定数Kqを乗じる。ここで、ゲイン定数Kq=0.08であるが、この値は電力系統の構成や潮流条件に応じて適切な値に調整することがある。
加算部81は、ゲイン33から出力される有効電力偏差ΔPと、ゲイン34から出力される回転数速度偏差Δωとを加算する。加算部82は、ゲイン31から出力される端子電圧変化速度dEaと、ゲイン32から出力される有効電力変化速度dPと、ゲイン35から出力される無効電力偏差ΔQとを加算する。
正の値のみ通過させる回路40は、加算部82から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)を入力し、入力した信号(ΔQ+dEa+dP)に含まれるプラス成分(正の値の信号)のみを取り出す。負の値のみ通過させる回路50は、加算部82から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)を入力し、入力した信号(ΔQ+dEa+dP)に含まれるマイナス成分(負の値の信号)のみを取り出す。
FD回路70は、電力系統に系統事故が発生した場合に、事故発生後の所定の期間、MPSSによって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。このFDD回路70については、後に具体的に説明する。
乗算部91は、負の値のみ通過させる回路50から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)のマイナス成分に、FD回路70から出力される制御信号FDgainを乗ずる。加算部83は、正の値のみ通過させる回路40から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)のプラス成分と、乗算部91から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)のマイナス成分とを加算し、その結果得られる信号(ΔQ+dEa+dP)を出力する。加算部84は、加算部81から出力される信号(ΔP+Δω)と、加算部83から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)とを加算する。
リミッタ60は、加算部84から出力される信号を入力し、入力した信号に含まれる−0.1から+0.1までの大きさの成分を取り出す。そして、リミッタ60は、取り出した信号を制御信号としてAVRに出力する(PSS出力)。ここで、リミッタ60によって出力される制御信号は、AVRの電圧設定値を設定する部分に加算され、界磁電圧を制御するために用いられる。
次に、図1に示したFD回路70の構成について説明する。図2は、図1に示したFD回路70の構成を示すブロック線図である。図2に示すように、FD回路70は、力率角算出部71、リセット回路72、事故判定部73および制御信号調整部74を有する。
力率角算出部71は、発電機の有効電力Pおよび無効電力Qから力率角θを算出する。具体的には、力率角算出部71は、以下に示す式(1)に基づいて力率角θを算出する。
Figure 2010283916
リセット回路72は、力率角算出部71によって算出された力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを算出する。具体的には、リセット回路72は、以下に示す式(2)で力率角変化速度Δθを算出する。
Figure 2010283916
事故判定部73は、リセット回路72によって算出された力率角変化速度Δθが所定値を超えた場合に、電力系統に系統事故が発生したと判定する。
一般的に、超高圧送電系統において系統事故が発生した場合、送電線に抵抗分がほとんど無いことから、発電機の有効電力Pは急激にほぼゼロまで低下する。また、短絡電流はほとんどが無効電流であるため、無効電力Qは急激に増大する。
そこで、具体的には、事故判定部73は、リセット回路72によって算出された力率角変化速度Δθが10度を超えた場合に、系統事故が発生したと判定する。また、事故判定部73は、リセット回路72によって算出された力率角変化速度Δθが10度を超えていない場合は、系統事故が発生していないと判定する。なお、一般的に、事故発生後に発電機が動揺している間であっても、力率角変化速度Δθは大きくても数度であることから、ここではFD回路70の動作閾値を10度と設定している。
また、前述したリセット回路72によって、時定数が0.1秒の伝達関数で力率角変化速度Δθが算出される。そのため、事故判定部73は、力率角θに急速な変化が生じた場合のみ系統事故が発生したと判定し、力率角θの定常的な変動に対しては反応しない。したがって、遠方端事故や不平衡事故を精度よく検出することができる。
制御信号調整部74は、事故判定部73によって系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、MPSSによって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。
具体的には、制御信号調整部74は、制御信号の大きさを制御するためのFDtimerを有している。そして、制御信号調整部74は、事故判定部73によって系統事故が発生したと判定された場合に、FD回路の出力信号であるFDgainを「0」に設定し、FDtimerを「0」に設定したのちにFDtimerを起動する。その後、制御信号調整部74は、FDtimerを開始してから2秒間は、FDgainの大きさを「0」に設定する。
ここで、制御信号調整部74によってFDgainに「0」が設定されている間は、乗算部91による乗算の結果、負の値のみ通過させる回路50から出力される信号(ΔQ+dEa+dP)のマイナス成分がFDgainによって打ち消される。これにより、事故発生後の2秒間は、系統事故除去直後に無効電力Q、有効電力の変化速度dP、端子電圧の変化速度dEaによって出力される電圧下げ信号を「0」にすることができる。
そして、制御信号調整部74は、FDtimerを開始してから2秒間が経過したのちに、1秒間に0.5の速度でFDgainを復帰させる。すなわち、制御信号調整部74は、FDtimerが開始されてから2秒間が経過したのちに、さらに2秒間かけて、FDgainを「1」まで復帰させる。
なお、本実施例1では、電力動揺周期を最大4秒と想定し、系統事故除去後の内部相差角δが増加している2秒間は、MPSSの(ΔQ+dEa+dP)部分から負の値の信号が出力されないようにしている。
また、ノイズや小擾乱などによって、一瞬だけ力率角変化速度Δθが10度を超えたとしても、FD回路70は信号(ΔQ+dEa+dP)の負の値を抑制するだけである。したがって、MPSSに含まれるΔP+Δω形PSSの部分は通常通りに動作する。
次に、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺制御の処理手順について説明する。なお、ここでは、FD回路170の各部によって行われる処理を中心に説明する。図3は、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺制御の処理手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、本実施例1に係るMPSSでは、まず、力率角算出部71が、発電機の有効電力Pおよび無効電力Qから力率角θを算出する(ステップS1)。続いて、リセット回路72が、力率角算出部71によって算出された力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを算出する(ステップS2)。
ここで、力率角変化速度Δθが10度より大きかった場合には(ステップS3,Yes)、事故判定部73が、系統事故が発生したと判定する。そして、事故判定部73によって系統事故が発生したと判定されると、制御信号調整部74が、FDgainを「0」、FDtimerを「0」に設定したのちにFDtimerを起動する(ステップS4)。これにより、FDtimerによるタイマ値の加算が開始される。
このように、FD回路70が、10度より大きい力率角変化速度Δθが算出されるごとにFDtimerを「0」に設定して起動しなおすことによって、連続して系統事故が発生している場合でも、電圧下げ信号の抑制を継続することができる。
FDtimerを開始したのちに、制御信号調整部74は、ステップS1に処理を移行する。そして、制御信号調整部74は、FDtimerの起動中は、時間の経過とともにFDtimerのタイマ値を増加させる。
一方、力率角変化速度Δθが10度以下であった場合には(ステップS3,No)、事故判定部73は、系統事故が発生していないと判定する。そして、事故判定部73によって系統事故が発生していないと判定されると、制御信号調整部74が、FDtimerが起動中であるか否かを判定する。ここで、FDtimerが起動中でなかった場合には(ステップ5,No)、制御信号調整部74は、ステップS1に処理を移行する。
また、FDtimerが起動中であった場合には(ステップ5,Yes)、制御信号調整部74は、FDtimerが2秒に達しているか否かを判定する。そして、FDtimerが2秒に達していなかった場合には(ステップS6,Yes)、制御信号調整部74は、FDgainを「0」に設定する(ステップS7)。その後、制御信号調整部74は、ステップS1に処理を移行する。すなわち、FDtimerが2秒に達するまでの間は、FDgainの値が「0」となる。
また、FDtimerが2秒に達していた場合には(ステップS6,No)、制御信号調整部74は、FDtimerが4秒に達しているか否かを判定する。そして、FDtimerが4秒に達していなかった場合には(ステップS8,Yes)、制御信号調整部74は、FDgainを(FDtimer−2)×0.5に設定する(ステップS9)。その後、制御信号調整部74は、ステップS1に処理を移行する。これにより、FDtimerが2秒を超えてから4秒に達するまでの間は、FDgainの値が1秒間に0.5の速度で徐々に大きくなる。
また、FDtimerが4秒に達していた場合には(ステップS8,No)、制御信号調整部74は、FDtimerを停止する(ステップS10)。これにより、FDtimerによるタイマ値の加算が停止する。また、FDtimerが4秒に達したので、FDgainの値は「1」に復帰している。その後、制御信号調整部74は、ステップS1に処理を移行する。すなわち、FDtimerが4秒に達した後は、FDgainの値が「1」となる。
次に、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺抑制の効果について説明する。図4〜6は、本実施例1に係るMPSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図である。なお、ここでは、本実施例1に係るMPSSを「改良形MPSS」と呼び、従来のMPSSを「従来形MPSS」と呼ぶ。
ここでは、図4に示す電力系統において、100kVAの発電機に改良形MPSSを適用し、その安定度向上効果を検証した。その結果、図5および6に示すように、改良形MPSSは、FD回路が遠方端事故および不平衡事故に対して適切に動作することにより、従来形MPSSに比べて内部相差角δの最大値を抑制し、ダンピング(制動)が優れていることが確認できた。
また、以下の表に示すように、改良形MPSSは、現用のΔP+Δω形PSSと比較して限界送電電力を約6%向上させることができた。
Figure 2010283916
上述してきたように、本実施例1では、力率角算出部71が、有効電力Pおよび無効電力Qから力率角θを算出し、リセット回路72が、力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを算出する。また、事故判定部73が、力率角変化速度Δθが所定値を超えた場合に、電力系統に系統事故が発生したと判定する。そして、制御信号調整部74が、系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、MPSSによって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。すなわち、本実施例1によれば、系統事故除去直後に無効電力Q、有効電力の変化速度dP、端子電圧の変化速度dEaによって出力される電圧下げ信号を抑制することができる。したがって、遠方端事故や不平衡事故が発生した場合でも、電力動揺を効果的に抑制することが可能である。
また、本実施例1では、リセット回路72が、力率角算出部71によって算出された力率角θを入力し、入力した力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを出力する。そして、事故判定部73が、リセット回路72から出力される力率角変化速度Δθが所定値を越えた場合に、系統事故が発生したと判定する。したがって、本実施例1によれば、力率角θに急速な変化が生じた場合のみ系統事故が発生したと判定されるので、遠方端事故や不平衡事故を精度よく検出することが可能である。
次に、実施例2として、本発明をΔP+Δω形PSSに適用した場合について説明する。ΔP+Δω形PSSは、ローカル系統における短周期電力動揺(周期が1秒程度の電力動揺)および広域系統における弱制動な長周期電力動揺(周期が2秒程度以上の電力動揺)の抑制に適している。そして、ΔP+Δω形PSSは、ΔP形PSSの部分が、系統事故除去直後に発電機の端子電圧を下げる電圧下げ信号を出力することが知られている。本発明によれば、この電圧下げ信号を抑制することが可能になる。
まず、実施例2に係るΔP+Δω形PSSの構成について説明する。図7は、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSの構成を示すブロック線図である。このΔP+Δω形PSSは、図示していない発電機の有効電力Pおよび回転速度ωを入力する。そして、ΔP+Δω形PSSは、入力した信号に基づいて、発電機が備えるAVRに対して界磁電圧を制御するための制御信号を出力することで、発電機の電力動揺を安定化させる。
図7に示すように、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSは、リセット回路111および112、位相調整回路121および122、ゲイン131および132、正の値のみ通過させる回路140、負の値のみ通過させる回路150、リミッタ160、系統事故検出(FD:Fault Detector)回路170、加算部181および182、ならびに、乗算部191を有する。
リセット回路111は、発電機(図示せず)の回転数ωを入力し、回転数ωの速度偏差である回転数速度偏差Δωを出力する。このリセット回路111の伝達関数は5s/(1+5s)である。リセット回路112は、発電機の有効電力Pを入力し、有効電力Pの偏差である有効電力偏差ΔPを出力する。このリセット回路112の伝達関数は−s/(1+s)である。
位相調整回路121は、リセット回路111から出力される回転数速度偏差Δωを入力し、入力した回転数速度偏差Δωの位相を調整する。位相調整回路122は、リセット回路112から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPの位相を調整する。
ゲイン131は、位相調整回路121から出力される回転数速度偏差Δωを入力し、入力した回転数速度偏差Δωにゲイン定数Kωを乗じる。ここで、ゲイン定数Kω=8であるが、この値は電力系統の構成や潮流条件に応じて適切な値に調整することがある。ゲイン132は、位相調整回路122から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPにゲイン定数Kpを乗じる。ここで、ゲイン定数Kp=0.7であるが、この値は電力系統の構成や潮流条件に応じて適切な値に調整することがある。
正の値のみ通過させる回路140は、ゲイン132から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPに含まれるプラス成分(正の値の信号)のみを取り出す。負の値のみ通過させる回路150は、ゲイン132から出力される有効電力偏差ΔPを入力し、入力した有効電力偏差ΔPに含まれるマイナス成分(負の値の信号)のみを取り出す。
FD回路170は、電力系統に系統事故が発生した場合に、事故発生後の所定の期間、ΔP+Δω形PSSのΔP形PSS部分によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。このFD回路170については、後に具体的に説明する。
乗算部191は、負の値のみ通過させる回路150から出力される有効電力偏差ΔPのマイナス成分に、FD回路170から出力される制御信号FDgainを乗ずる。加算部181は、正の値のみ通過させる回路140から出力される有効電力偏差ΔPのプラス成分と、乗算部191から出力される有効電力偏差ΔPのマイナス成分とを加算し、その結果として得られる有効電力偏差ΔPを出力する。加算部182は、ゲイン131から出力される回転数速度偏差Δωと、加算部181から出力される有効電力偏差ΔPとを加算する。
リミッタ160は、加算部182から出力される信号を入力し、入力した信号に含まれる−0.1から+0.1までの大きさの成分を取り出す。そして、リミッタ160は、取り出した信号を制御信号としてAVRに出力する(PSS出力)。ここで、リミッタ160から出力される制御信号は、AVRによって界磁電圧を制御するために用いられる。
次に、図7に示したFD回路170の構成について説明する。図8は、図7に示したFD回路170の構成を示すブロック線図である。図8に示すように、FD回路170は、力率角算出部171、リセット回路172、事故判定部173および制御信号調整部174を有する。なお、力率角算出部171、リセット回路172および事故判定部173の機能は、それぞれ、図2に示した力率角算出部71、リセット回路72および事故判定部73の機能と同様であるので、ここでは説明を省略する。
制御信号調整部174は、事故判定部173によって系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、ΔP+Δω形PSSのΔP形PSS部分によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。
具体的には、制御信号調整部174は、制御信号の大きさを制御するためのFDtimerを有しており、事故判定部173によってFDtimerが開始されると、その後、0.4秒間はFD回路の出力信号であるFDgainの大きさを「0」に設定する。
ここで、制御信号調整部174によってFDgainに「0」が設定されている間は、乗算部191による乗算の結果、負の値のみ通過させる回路150から出力される有効電力偏差ΔPのマイナス成分がFDgainによって打ち消される。これにより、事故発生後の0.4秒間は、系統事故除去直後にΔP形PSSの部分によって出力される電圧下げ信号をゼロにすることができる。
そして、制御信号調整部174は、FDtimerが開始されてから0.4秒間が経過したのちに、さらに0.4秒間かけて、FDgainを1まで復帰させる。
なお、本実施例2では、系統事故除去後の有効電力Pの増加速度を考慮して、FDgainを「0」に設定する時間、および、FDgainを1に復帰させるまでにかける時間をともに0.4秒としている。この時間は、事故除去後の有効電力Pの増加速度に応じて、延長または短縮することもできる。
また、ノイズや小擾乱などによって、一瞬だけ力率角変化速度Δθが10度を超えたとしても、FD回路170はΔP形PSSの部分によって出力される信号の負の値を抑制するだけである。したがって、ΔP+Δω形PSSに含まれるΔω形PSSの部分は通常通りに動作する。
なお、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSによる電力動揺制御の処理手順は、基本的には、図3に示した処理手順と同様であるので、ここでは説明を省略する。具体的には、FDgainを「0」に設定する時間、および、FDgainを1に復帰させるまでにかける時間が、実施例1ではそれぞれ2秒であったのに対し、本実施例2ではそれぞれ0.4秒である点のみが異なっている。
次に、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSによる電力動揺抑制の効果について説明する。図9〜11は、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSによる電力動揺抑制の効果を説明するための図である。なお、ここでは、本実施例2に係るΔP+Δω形PSSを「FD回路付きΔP+Δω形PSS」と呼び、従来のΔP+Δω形PSSを「現用ΔP+Δω形」と呼ぶ。
ここでは、図9に示す電力系統において、100kVAの発電機にFD回路付きΔP+Δω形PSSを適用し、その安定度向上効果を検証した。その結果、図10に示すように、FD回路付きΔP+Δω形PSSは、FD回路が遠方端事故および不平衡事故に対して適切に動作することにより、現用ΔP+Δω形に比べて内部相差角δの最大値を抑制し、ダンピング(制動)が優れていることが確認できた。また、図11に示すように、FD回路付きΔP+Δω形PSSによって、FD回路によって系統事故直後の電圧下げ信号が抑制されることがわかる。
また、以下の表に示すように、FD回路付きΔP+Δω形PSSは、現用ΔP+Δω形PSSと比較して、限界送電電力を約3%向上させることができた。
Figure 2010283916
ここでは、図4に示す電力系統において、100kVAの発電機に改良形MPSSを適用し、その安定度向上効果を検証した。その結果、図5に示すように、改良形MPSSは、FD回路が遠方端事故および不平衡事故に対して適切に動作することにより、従来形MPSSに比べて内部相差角δの最大値を抑制し、ダンピング(制動)が優れていることが確認できた。また、以下の表に示すように、改良形MPSSは、現用のΔP+Δω形PSSと比較して限界送電電力を約6%向上させることができた。
上述してきたように、本実施例2では、力率角算出部171が、有効電力Pおよび無効電力Qから力率角θを算出し、リセット回路172が、力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを算出する。また、事故判定部173が、力率角変化速度Δθが所定値を超えた場合に、電力系統に系統事故が発生したと判定する。そして、制御信号調整部174が、系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、ΔP+Δω形PSSのΔP形PSS部分によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する。すなわち、本実施例2によれば、系統事故除去直後にΔP形PSSの部分によって出力される電圧下げ信号を抑制することができる。したがって、遠方端事故や不平衡事故が発生した場合でも、電力動揺を効果的に抑制することが可能である。
また、本実施例2では、リセット回路172が、力率角算出部171によって算出された力率角θを入力し、入力した力率角θの変化速度である力率角変化速度Δθを出力する。そして、事故判定部173が、リセット回路172から出力される力率角変化速度Δθが所定値を越えた場合に、系統事故が発生したと判定する。したがって、本実施例2によれば、力率角θに急速な変化が生じた場合のみ系統事故が発生したと判定されるので、遠方端事故や不平衡事故を精度よく検出することが可能である。
なお、上記実施例では、発電機の励磁系を制御するPSSに本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、電力系統に生じる電力動揺を抑制する他の電力動揺抑制装置にも同様に適用することができる。すなわち、電力動揺抑制装置のうち電圧下げ信号を出力するものであれば、上記実施例で説明した効果と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施例で説明した各装置の各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムによるソフトウェアとして実現され得る。すなわち、上記実施例で説明した電力動揺抑制方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータまたはデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
11〜13,111,112 リセット回路
14〜15 不完全微分回路
21〜23,121,122 位相調整回路
31〜35,131,132 ゲイン
40,140 正の値のみ通過させる回路
50,150 負の値のみ通過させる回路
60,160 リミッタ
70,170 系統事故検出回路(FD回路)
71,171 力率角算出部
72,172 リセット回路
73,173 事故判定部
74,174 制御信号調整部
81〜84,181,182 加算部
91,191 乗算部

Claims (6)

  1. 電力系統に生じる電力動揺を抑制する電力動揺抑制装置であって、
    前記電力系統に接続されている電力機器の状態を示す入力信号に基づいて、当該電力機器の電力動揺を安定化させる制御信号を出力する電力動揺制御手段と、
    前記電力機器の有効電力および無効電力から力率角を算出する力率角算出手段と、
    前記力率角算出手段によって算出された力率角の変化速度が所定値を超えた場合に、前記電力系統に系統事故が発生したと判定する事故判定手段と、
    前記事故判定手段によって前記系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、前記電力動揺制御手段によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する制御信号調整手段と
    を備えたことを特徴とする電力動揺抑制装置。
  2. 前記力率角算出手段によって算出された力率角を入力し、入力した力率角の変化速度である力率角変化速度を出力するリセット回路をさらに備え、
    前記事故判定手段は、前記リセット回路から出力される力率角変化速度が所定値を越えた場合に、前記系統事故が発生したと判定することを特徴とする請求項1に記載の電力動揺抑制装置。
  3. 前記電力機器は発電機であって、
    前記入力信号は、前記発電機の有効電力、回転速度、無効電力、有効電力の変化速度および端子電圧の変化速度を少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電力動揺制御装置。
  4. 前記電力機器は発電機であって、
    前記入力信号は、前記発電機の有効電力および回転速度を少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電力動揺制御装置。
  5. 電力系統に生じる電力動揺を抑制する電力動揺抑制方法であって、
    前記電力系統に接続されている電力機器の状態を示す入力信号に基づいて、当該電力機器の電力動揺を安定化させる制御信号を出力するステップと、
    前記電力機器の有効電力および無効電力から力率角を算出するステップと、
    算出された力率角の変化速度が所定値を超えた場合に、前記電力系統に系統事故が発生したと判定するステップと、
    前記系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、前記制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御するステップと
    を含んだことを特徴とする電力動揺抑制方法。
  6. 電力系統に生じる電力動揺を抑制する電力動揺抑制プログラムであって、
    前記電力系統に接続されている電力機器の状態を示す入力信号に基づいて、当該電力機器の電力動揺を安定化させる制御信号を出力する電力動揺制御手順と、
    前記電力機器の有効電力および無効電力から力率角を算出する力率角算出手順と、
    前記力率角算出手順によって算出された力率角の変化速度が所定値を超えた場合に、前記電力系統に系統事故が発生したと判定する事故判定手順と、
    前記事故判定手順によって前記系統事故が発生したと判定された場合に、事故発生後の所定の期間、前記電圧制御手順によって出力される制御信号のマイナス成分を打ち消すように制御する制御信号調整手順と
    をコンピュータに実行させることを特徴とする電力動揺抑制プログラム。
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