JP2010283315A - はんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法 - Google Patents

はんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子部品や基板の接合部分を予備加熱したり、はんだを溶解に必要な温度以上に加熱することなく、溶融はんだを直接接合部分に噴射することによってより良好なはんだ付け性を確保しつつはんだ付けを行うことが可能なはんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法を提供することである。
【解決手段】 はんだ付け装置は、被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するはんだ噴射手段と、前記噴射された線状のはんだを通電により加熱する通電手段とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品と基板との接合部分に溶融はんだ合金を噴射してはんだ付けを行うはんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法に関する。
従来、電子部品を基板にはんだ付けする方法として、接合部分を外部から局部加熱する方式が採られている。物理的には接合部分の加熱方式として、はんだごてによる熱伝導を利用する第1の加熱方式、赤外線やレーザを照射することにより輻射を利用する第2の加熱方式(例えば、特許文献1参照)および気体や溶融はんだ等の液体を噴流および対流させて熱伝達を利用する第3の加熱方式(例えば、非特許文献1参照)が存在する。
第1のはんだごてを用いたはんだ付け方法は、はんだごての熱ではんだ付け部分を予熱してから糸状のはんだ合金を溶かしてはんだ付けを行うというものである。しかしながら、予熱に時間を要し、はんだの溶融状態に応じてはんだ使用量にバラツキが生じるという欠点がある。
第2のレーザによる加熱は、はんだを溶かすだけでなく、はんだ付け部の予備的な加熱にも利用されている。したがってはんだ付けに時間を要するだけでなく、はんだの使用量にバラツキが生じやすいという欠点がある。
第3の溶融はんだを噴流するはんだ付け方法は、対流する溶融はんだからの熱で基板を加熱するというものである。しかしながら、基板の加熱に時間を要するという問題がある。そこで溶融はんだを用いて高精度かつ高速にはんだ付けする方法として、溶融はんだ合金を直接接合部分へ噴射するという方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−111531号公報 特開2008−085247号公報
JIS C 60068−2−58
しかしながら、従来の溶融はんだ合金を直接接合部分へ噴射する方法では、ボール状の溶融はんだがはんだ付け部に供給される。このため、溶融はんだのもつ熱量では接合部分が十分に加熱される前に溶融はんだが凝固し、はんだが接合部分に溶着しない恐れがある。仮にボール状の溶融はんだの一部が接合部分に溶着したとしても、溶融はんだが接合部分の周囲に濡れ広がる以前に冷やされて凝固すると、広い溶着面積が得られないという問題がある。
そこで電子部品や基板を局所的に予備加熱したり、噴射される溶融はんだが凝固しないような温度とするために溶融はんだを生成するための溶解炉の炉内温度を高く設定することによって、はんだ付け性が確保されている。
しかしながら、接合部分を予備加熱する場合には、接合部分の加熱設備や加熱時間を要することになる。また、溶解炉内の温度を高くするためには、高温に対する溶解炉の耐久性が必要となるのみならず、溶解炉内においてはんだが酸化して劣化するという問題がある。
本発明は、かかる従来の課題を解決するためになされたものであり、電子部品や基板の接合部分を予備加熱したり、はんだを溶解に必要な温度以上に加熱することなく、溶融はんだを直接接合部分に噴射することによってより良好なはんだ付け性を確保しつつはんだ付けを行うことが可能なはんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るはんだ付け装置は、上述の目的を達成するために、被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するはんだ噴射手段と、前記噴射された線状のはんだを通電により加熱する通電手段とを備えたものである。
また、本発明に係るはんだ付け方法は、上述の目的を達成するために、被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するステップと、前記噴射された線状のはんだを通電により加熱するステップとを有するものである。
また、本発明に係るはんだ付け品の製造方法は、上述の目的を達成するために、被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するステップと、前記噴射された線状のはんだを通電により加熱するステップとを有するものである。
本発明に係るはんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法によれば、電子部品や基板の接合部分を予備加熱したり、はんだを溶解に必要な温度以上に加熱することなく、溶融はんだを直接接合部分に噴射することによってより良好なはんだ付け性を確保しつつはんだ付けを行うことができる。
本発明の実施の形態に係るはんだ付け装置の構成を示す断面図。 図1に示す部品側電極を被はんだ付け部品の接合部分となる電子部品の端子に接触可能な位置に配置した例を示す図。 図1に示す部品側電極を被はんだ付け部品の接合部分となる基板のランド部に接触可能な位置に配置した例を示す図。 図1に示す部品側電極を被はんだ付け部品に接触させずに接合部分の近傍において溶融はんだ合金に接触可能な位置に配置した例を示す図。 図1に示す部品側電極を接合部分と電気的に接続されている被はんだ付け部品の任意の部位と接続した例を示す図。 図1に示すはんだ付け装置によるはんだ付け試験の結果と従来のはんだ付け方法によるはんだ付け試験の結果とを比較した図。 図6に示すはんだ付けの評価結果を模式図に説明する図。
以下、本発明に係るはんだ付け装置、はんだ付け方法およびはんだ付け品の製造方法の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
(構成および機能)
図1は、本発明の実施の形態に係るはんだ付け装置の構成を示す断面図である。
はんだ付け装置1は、溶融はんだ噴射系2、部品駆動系3、フラックス噴霧系4および制御系5を備えている。溶融はんだ噴射系2は、はんだ溶解炉6、連結路7、開閉弁室8、開閉弁9、開閉弁駆動装置10、オリフィス11、通電装置12、第1の電極としての装置側電極13、第2の電極としての部品側電極14、絶縁部品15、ガス供給路16、ガス供給装置17およびガス圧調整部18を備えている。制御系5は、開閉弁制御部19、通電条件制御部20、部品駆動制御部21および同期部22を有する。制御系5やガス圧調整部18等の情報処理を行うための構成要素は、回路またはコンピュータにプログラムを読み込ませることにより構築することができる。
部品駆動系3は、電子部品23や基板24等のはんだ付けの目的となる被はんだ付け部品25をセットし、セットした部品の接合部分26を部品駆動制御部21からの制御信号に従って所望の位置に移動させることによりはんだ付け部となる接合部分26の位置決めを行う機能を有する。部品駆動系3は、例えば、X軸、Y軸およびZ軸の3軸方向に被はんだ付け部品25の接合部分26を移動できるように構成される。尚、被はんだ付け部品25を移動させる代わりに、または被はんだ付け部品25の移動に加えて、溶融はんだ噴射系2側を移動させるように構成してもよい。
溶融はんだ噴射系2は、通電加熱した溶融はんだ合金を部品駆動系3にセットされた電子部品23や基板24等の被はんだ付け部品25の接合部分26に噴射する機能を有する。フラックス噴霧系4は、被はんだ付け部品25の接合部分26にフラックスを噴霧する機能を有する。制御系5は、溶融はんだ噴射系2、部品駆動系3およびフラックス噴霧系4を統括制御する機能を有する。
溶融はんだ噴射系2のはんだ溶解炉6は、ガス供給装置17と接続される。はんだ溶解炉6は、ガス供給装置17からに供給されるガスが内部に充満した状態ではんだ合金を融点以上に加熱して溶融させることにより溶融はんだ合金を生成する機能を有する。また、はんだ溶解炉6の内部は、溶融はんだ合金およびガスが開閉弁室8の内部に移動できるように複数の連結路7を介して開閉弁室8の内部と連結される。
開閉弁室8には、孔がはんだ噴射部27として設けられる。開閉弁室8のはんだ噴射部27は部品駆動系3にセットされる被はんだ付け部品25の接合部分26に向けて溶融はんだ合金を噴射できる位置に設けられる。はんだ噴射部27付近の開閉弁室8の形状は、被はんだ付け部品25の接合部分26が様々な形状であってもはんだ噴射部27を十分に接近できるように細長い形状とすることが望ましい。そして、開閉弁9が、開閉弁室8の外部から開閉弁室8を貫通してはんだ噴射部27を開閉可能に移動できるように設けられる。すなわち、開閉弁9は、開閉弁室8の内部において駆動できるように構成される。
開閉弁駆動装置10は、開閉弁制御部19からの制御信号に従って開閉弁9を駆動させることにより開閉弁9の開閉を行う機能を有する。開閉弁駆動装置10には、例えば電圧をかけると変形するピエゾ素子を利用することができる。
開閉弁室8のはんだ噴射部27の外側には、オリフィス11が設けられる。オリフィス11は、所望の直径のノズル孔を有する。そして、線状の溶融はんだ合金が開閉弁室8のはんだ噴射部27からオリフィス11のノズル孔を通って被はんだ付け部品25の接合部分26に噴射される。オリフィス11は、開閉弁室8から着脱可能に構成することができる。このため、溶融はんだ合金の直径を調整するための大きさが異なる所望の直径のノズル孔を有する複数のオリフィス11を予め準備し、被はんだ付け部品25の接合部分26に供給すべき溶融はんだ合金の噴射量に適切な大きさのノズル孔を有するオリフィス11を選択して開閉弁室8に装着することができる。尚、ノズル孔が可変のオリフィス11をはんだ噴射部27にセットしてもよい。
また、ガス供給路16の上流側の端部は、ガス供給装置17と接続される一方、下流側の端部は、オリフィス11から噴射される溶融はんだ合金の近傍に設置される。そして、ガス供給路16は、ガス供給装置17から供給されるガスをオリフィス11から噴射される溶融はんだ合金に吹き付けることにより、噴射された溶融はんだ合金の酸化を防止する機能を有する。
ガス供給装置17は、はんだ溶解炉6の内部およびガス供給路16にガスを供給する機能を有する。はんだ溶解炉6の内部およびガス供給路16に供給するガスとしては、窒素(N)ガス等の不活性ガスとすることがはんだ合金の酸化による劣化防止の観点から望ましい。溶解炉の内部およびガス供給路16に供給するガスは、装置の構造を簡易にするために同一としてもよいし、はんだ合金の雰囲気や目的に応じた適切な材質とするために異なるものとしてもよい。
ガス圧調整部18は、ガス供給装置17と接続される。ガス圧調整部18は、ガス供給装置17からはんだ溶解炉6の内部に供給されるガスの量を制御することによりはんだ溶解炉6および開閉弁室8の内部におけるガスの圧力を制御する機能を有する。また、ガス圧調整部18は、ガス供給装置17からガス供給路16を経由して溶融はんだ合金に吹き付けられるガスの圧力を調整できるように構成してもよい。
一方、通電装置12は、スイッチ12A、直流電源および可変抵抗を備え、装置側電極13および部品側電極14と電気的に接続される。そして、通電装置12は、通電条件制御部20からの出力電圧制御信号に従って装置側電極13と部品側電極14との間に所望の電圧を印加する機能および/または所望の電流を供給する機能を有する。
装置側電極13は、開閉弁室8のはんだ噴射部27から噴射される溶融はんだ合金と通電可能な溶融はんだ噴射系2の任意の位置に電気的に接続される。図1は、開閉弁室8の壁面が導体である場合に、開閉弁室8に装置側電極13を固定した例を示している。一方、部品側電極14は、開閉弁室8のはんだ噴射部27から噴射された溶融はんだ合金と通電可能な被はんだ付け部品25の任意の位置または開閉弁室8のはんだ噴射部27から噴射された溶融はんだ合金自体に接触可能な任意の位置に設けられる。部品側電極14は、通電装置12に固定することも可能であるが、絶縁部品15を介して溶融はんだ噴射系2の任意の位置に固定すれば、部品側電極14の強度を良好に保ちつつ部品側電極14を所望の位置に容易に配置することができる。図1は、部品側電極14を、絶縁部品15および装置側電極13を介して開閉弁室8に固定した例を示している。
図2は、図1に示す部品側電極14を被はんだ付け部品25の接合部分26となる電子部品23の端子に接触可能な位置に配置した例を示す図である。
図2に示すように部品側電極14を電子部品23の端子23Aに接触させ、かつはんだ溶解炉6および開閉弁室8の内部におけるガスの圧力を十分に高くした状態で開閉弁9を移動させて開閉弁室8のはんだ噴射部27を所定時間開くとガス圧の作用によりはんだ噴射部27から線状の溶融はんだ合金が被はんだ付け部品25の接合部分26に向かって噴射される。このため、通電装置12から装置側電極13、開閉弁室8、線状の溶融はんだ合金、被はんだ付け部品25の接合部分26に付着したはんだ合金26A、電子部品23の端子23Aおよび部品側電極14を経由して再び通電装置12に戻る電流ループが形成される。
従って、通電装置12から電流ループを流れる電流の作用により、すなわち線状の溶融はんだ合金および被はんだ付け部品25の接合部分26に通電することによって線状の溶融はんだ合金および被はんだ付け部品25の接合部分26がはんだ合金の融点以上の温度となるように加熱することができる。つまり、通電装置12および電流ループを流れる電流が線状の溶融はんだ合金および被はんだ付け部品25の接合部分26の加熱手段として機能している。
この結果、溶融はんだ合金が溶着前において凝固することなく基板24のランド部24Aおよび端子23A等の接合部分26において十分に濡れ広がり、濡れた溶融はんだ合金を接合部分26に良好に溶着することができる。尚、図2に示すように部品側電極14を電子部品23の端子23Aの先端に接触させれば、接合部分26である電子部品23の端子23Aを確実に加熱することができる。このため、より良好なはんだ付けを行うことができる。
図3は、図1に示す部品側電極14を被はんだ付け部品25の接合部分26となる基板24のランド部24Aに接触可能な位置に配置した例を示す図である。
図3に示すように部品側電極14を基板24のランド部24Aに接触させても部品側電極14を電子部品23の端子23Aに接触させた場合と同様に通電により線状の溶融はんだ合金および被はんだ付け部品25の接合部分26がはんだ合金の融点以上の温度となるように加熱することができる。この場合、複数の接合部分26が互に同一または類似する形状であれば部品駆動系3を駆動して被はんだ付け部品25を移動させることにより基板24のランド部24Aと部品側電極14との間における相対的な位置決めが容易になるという利点がある。
図4は、図1に示す部品側電極14を被はんだ付け部品25に接触させずに接合部分26の近傍において溶融はんだ合金に接触可能な位置に配置した例を示す図である。
図4に示すように部品側電極14を被はんだ付け部品25に接触させる代わりに接合部分26から離れた位置において溶融はんだ合金に直接接触させても、部品側電極14の先端まで噴射した溶融はんだ合金を通電により十分に加熱することができる。そして、加熱された溶融はんだ合金が融点以上の高温状態を維持したまま通電から開放されて接合部分26に供給されるため、溶融はんだ合金が溶着前に凝固することなく良好にはんだ付けを行うことができる。この場合、電子部品23および基板24に電流が流れないため、電子部品23や基板24への無用な電流の漏洩を回避することにより電気的衝撃を緩和できるという利点がある。
尚、部品側電極14を接合部分26の近傍に配置した場合、部品側電極14が溶融はんだ合金内に入り込んだ状態で溶融はんだ合金が凝固すると部品側電極14が接合部分26に固定されてしまう可能性がある。そこで、溶融はんだ合金が接合部分26に供給された後に、溶融はんだ合金の凝固前に被はんだ付け部品25全体もしくは電子部品23の端子23Aのみを部品側電極14から引き離すように部品駆動系3を制御してもよい。
図5は、図1に示す部品側電極14を接合部分26と電気的に接続されている被はんだ付け部品25の任意の部位と接続した例を示す図である。
図5に示すようにワイヤ状の部品側電極14を接合部分26と電気的に接続されている基板24上のあるランド部24Aと接続させることもできる。尚、ワイヤ状の部品側電極14を接合部分26と電気的に接続されている電子部品23のある端子23Aと接続させてもよい。この場合にも、接合部分26が溶融はんだ合金の噴射位置にあるときに溶融はんだ合金を噴射すれば、通電装置12から装置側電極13、開閉弁室8、線状の溶融はんだ合金、被はんだ付け部品25の接合部分26、被はんだ付け部品25上の導体および部品側電極14を経由して再び通電装置12に戻る電流ループを流れる電流によって溶融はんだ合金が溶着前に凝固しないように加熱することができる。尚、この場合、部品側電極14を溶融はんだ噴射系2に固定する必要がないため、図5に示すように、部品側電極14および装置側電極13を電線の先端とし、かつ絶縁部品15を設けなくてもよい。このため、電極の構造が簡易となる。
尚、装置側電極13を溶融はんだ噴射系2に接続する代わりに、はんだ噴射部27付近の上流側における溶融はんだ合金に直接接触させてもよい。この場合、電力が開閉弁室8の壁面等の溶融はんだ噴射系2において消費されないため、電力を効率よく溶融はんだ合金の加熱に利用することができる。
次に、制御系5の詳細機能について説明する。
開閉弁制御部19は、開閉弁駆動装置10に制御信号を送って駆動させることにより開閉弁9を所望のタイミングで開閉させる機能を有する。通電条件制御部20は、通電装置12に制御信号を送って所望のタイミングにおいて所望の出力電圧および/または出力電流が通電装置12から出力されるように通電装置12を制御する機能、つまり通電装置12の出力電圧および出力電流を制御する機能を有する。部品駆動制御部21は、部品駆動系3に制御信号を送って駆動させることにより所望のタイミングにおいて被はんだ付け部品25を所望の位置に移動させて接合部分26の位置決めを行う機能を有する。
同期部22は、開閉弁制御部19、通電条件制御部20、通電装置12のスイッチ12A、部品駆動制御部21およびフラックス噴霧系4に同期信号を送ることによって開閉弁9の開閉タイミング、通電装置12からの出力電圧および/または出力電流の変化タイミング、通電装置12のスイッチ12Aの開閉タイミング、部品駆動系3の駆動タイミングおよびフラックス噴霧系4からのフラックスの噴霧タイミングがそれぞれトリガ信号から所望の遅延時間経過後となるようにタイミング制御する機能を有する。例えば、被はんだ付け部品25の接合部分26の位置決めが完了したタイミングでフラックスが噴霧された後に、通電装置12のスイッチ12Aが閉じて適切な電流および電圧が出力された状態で開閉弁9が適切時間だけ開いて通電加熱された溶融はんだ合金が噴射するように開閉弁制御部19、通電条件制御部20、部品駆動制御部21およびフラックス噴霧系4を統括制御することができる。
ただし、フラックスが、溶融はんだ合金の噴射に先立って噴射されずに、溶融はんだ合金の噴射と同時に噴霧されるようにフラックス噴霧系4を制御してもよい。また、フラックスの塗布方法は公知の方法を用いることができる。従って、フラックス噴霧系4を設けずに、オペレータがフラックスを接合部分26の適切な部位に塗布するようにしてもよい。また、同期部22は、開閉弁9を閉じるタイミングよりも早いタイミングで通電装置12のスイッチ12Aを開くことによって通電を停止させることもできる。この場合、開閉弁9を閉じた直後に途切れた溶融はんだ合金からのアーク放電の発生を防止することができる。これにより、被はんだ付け部品25の電子回路がアーク放電によって悪影響を受ける恐れがある場合であっても、アーク放電が発生しないため電子回路への悪影響を回避できる。このように、同期部22および通電装置12のスイッチ12Aを途切れた溶融はんだ合金からアーク放電が発生しないように通電を停止させるスイッチ手段として利用することができる。
逆に、溶融はんだ合金からアーク放電を意図的に発生させることもできる。この場合には、放電のエネルギも溶融はんだ合金や被はんだ付け部品25の加熱に寄与させることができる。従って、アーク放電を発生させても差し支えない場合には、通電装置12にスイッチ12Aを設けずに、開閉弁9を閉じれば溶融はんだ合金が途切れることによって通電が停止するようにしてもよい。
(動作および作用)
次に、はんだ付け装置1の動作および作用について説明する。
まず、部品駆動系3に、電子部品23や基板24等の被はんだ付け部品25がセットされる。さらに、被はんだ付け部品25の接合部分26に供給すべき溶融はんだ合金の噴射量に適切な大きさのノズル孔を有するオリフィス11が開閉弁室8に装着される。また、既に別のオリフィス11が開閉弁室8に装着されている場合には、適切なオリフィス11に交換される。
一方、はんだ溶解炉6の内部には、はんだ合金が充填される。このとき開閉弁室8の開閉弁9は閉じられる。そして、ガス圧調整部18からの制御信号に従って所定の量の不活性ガスがガス供給装置17からはんだ溶解炉6の内部に供給される。これによりはんだ溶解炉6の内部には、所定の圧力の不活性ガスが充満する。この状態で、はんだ溶解炉6において、はんだ合金が加熱されることにより、溶融はんだ合金が生成される。このとき不活性ガスがはんだ溶解炉6の内部に充満しているため溶融はんだ合金の酸化が防止される。はんだ溶解炉6において生成された溶融はんだ合金は、連結路7を通って開閉弁室8に導かれる。
次に、同期部22からの同期信号に従って部品駆動制御部21が部品駆動系3を駆動させ、被はんだ付け部品25の接合部分26が溶融はんだ合金の噴射位置に位置決めされる。このため、通電装置12に接続された装置側電極13が電子部品23の端子23Aや基板24のランド部24Aに接触する位置または近傍の位置に配置される。
そして、同期部22から同期信号がフラックス噴霧系4に出力され、溶融はんだ合金の噴射に先立って、フラックス噴霧系4から基板24のランド部24Aや電子部品23の端子23A等の被はんだ付け部品25の接合部分26にフラックスが噴霧される。これにより、接合部分26における溶融はんだ合金の濡れ性が向上される。
次に、同期部22からの同期信号に従って開閉弁制御部19は、開閉弁駆動装置10に制御信号を送ることにより開閉弁9を駆動させ、開閉弁9を開ける。そうすると、はんだ溶解炉6に充満する不活性ガスの圧力を駆動力として溶融はんだ合金が開閉弁室8のはんだ噴射部27からオリフィス11のノズル孔を経由して被はんだ付け部品25の接合部分26に向かって噴射する。このとき、開閉弁制御部19による開閉弁駆動装置10の制御によって開閉弁9は所定の時間開いた状態とされる。これにより、溶融はんだ合金は線状となる。
一方、ガス圧調整部18による制御下において、ガス供給装置17からガス供給路16に所定量の不活性ガスが供給される。このため、不活性ガスは、ガス供給路16内を通ってオリフィス11近傍においてガス供給路16から放出され、オリフィス11近傍において溶融はんだ合金に吹き付けられる。これにより、オリフィス11から噴射された溶融はんだ合金の酸化が防止される。
ここで、室温状態の基板24と電子部品23とが溶融はんだ合金によりはんだ付けされるためには基板24や電子部品23等の接合部分26の金属表面の温度がはんだ合金の融点温度以上に加熱されている必要がある。仮に、基板24と電子部品23の金属表面の温度がはんだ合金の融点未満であると、接合部分26に到達した溶融はんだ合金が冷やされて、溶融はんだ合金の濡れ広がりが不十分な状態で凝固してしまう。つまり、基板24と電子部品23の温度が十分に高くないと、基板24と電子部品23のはんだ付けができない。
換言すれば、溶融はんだ合金が基板24や電子部品23等の接合部分26に接触するときに、接合部分26の金属表面をはんだ合金の融点温度以上に加熱できれば溶融はんだ合金が冷えて凝固しないため、基板24と電子部品23とをはんだ付けすることができる。従って、融点以上の温度の溶融はんだ合金が飛翔して接合部分26に到達し、溶融はんだ合金から接合部分26の金属表面に熱が伝わったとしても依然として溶融はんだ合金自身の溶融状態を保つために必要な熱量を加えることが必要である。
そこで、同期部22からの同期信号に従って開閉弁9が開く前のタイミングで通電装置12のスイッチ12Aが閉じられるとともに通電条件制御部20から通電装置12に制御信号が出力され、予め通電装置12から所望の電圧が装置側電極13と部品側電極14との間に印加される。このため、オリフィス11のノズル孔から噴射した溶融はんだ合金が接合部分26に到達した瞬間に通電装置12から装置側電極13、開閉弁室8、溶融はんだ合金および部品側電極14を経由して再び通電装置12に戻る電流ループが形成され、溶融はんだ合金が通電される。このとき、部品側電極14が電子部品23の端子23Aや基板24のランド部24Aに接触している場合には、電子部品23の端子23Aや基板24のランド部24Aも通電される。
この結果、通電された溶融はんだ合金は、電気抵抗により瞬時に加熱される。特に、噴射した溶融はんだ合金は、非常に細い線状であるため電気抵抗が大きい。従って、溶融はんだ合金内において電力を容易に熱に変換することが可能であり、溶融はんだ合金を十分に加熱することができる。これにより、溶融はんだ合金は、はんだ溶解炉6内における溶解温度よりもさらに高温に急速加熱される。
そして、噴射された溶融はんだ合金は、通電加熱されながら溶融状態を保ちつつ電子部品23と基板24の接合部分26に到達する。このとき、溶融はんだ合金が持つ熱が電子部品23と基板24の接合部分26の表面に伝わり、電子部品23と基板24の接合部分26が加熱される。この結果、接合部分26は、はんだ合金の融点以上の十分な温度に加熱される。さらに、電子部品23の端子23Aまたは基板24のランド部24Aが部品側電極14と接触している場合には、接合部分26が直接通電加熱されてはんだ合金の融点以上の十分な温度となる。これにより、溶融はんだ合金は、接合部分26において良好に濡れ広がり、電子部品23と基板24のはんだ付けを良好に行うことができる。
尚、飛翔中の溶融はんだ合金の温度は、通電装置12の出力電流または出力電圧および溶融はんだ合金の噴射時間によって決まる。従って、接合部分26が少なくともはんだ合金の融点以上の温度となるように、通電装置12の出力電流または出力電圧および溶融はんだ合金の噴射時間が設定される。そして、設定された通電装置12の出力電流または出力電圧および溶融はんだ合金の噴射時間となるように通電条件制御からの制御信号および開閉弁制御部19からの制御信号により、それぞれ通電装置12および開閉弁駆動装置10が制御される。つまり、溶融はんだ合金および接合部分26の温度は、通電装置12の出力電流または出力電圧および溶融はんだ合金の噴射時間によって制御される。
また、ここで重要なことは、はんだ付けが行われる間は装置側電極13と部品側電極14とが溶融はんだ合金を介して電気的に繋がった状態になることである。すなわち、装置側電極13と部品側電極14とが繋がった状態で初めて通電加熱が可能になる。従って、溶融はんだ合金は、1個または複数個の溶融はんだボールとして断続的に噴射されるのでなく、繋がった状態の線状の溶融はんだ合金として連続的に噴射されることが重要である。
溶融はんだ合金を線状とするためには、開閉弁9の開閉時間を十分に長くすればよい。すなわち、開閉弁9が開いている間は、オリフィス11のノズル孔から接合部分26まで溶融はんだ合金が繋がった状態となる。開閉弁9の開閉時間の調整は、開閉弁制御部19による開閉弁駆動部の制御によって行うことができる。加えて、噴射した溶融はんだ合金を繋がった状態で良好に維持するためには、はんだ溶解炉6の内部に充満する不活性ガスの圧力を十分な圧力とすることも重要である。このはんだ溶解炉6の内部における不活性ガスの圧力は、ガス圧調整部18によるガス供給装置17の制御によって行うことができる。
さらに、溶融はんだ合金の噴射時間、つまり開閉弁9の開閉時間を調整することによって、溶融はんだ合金の噴射量を制御することもできる。例えば、開閉弁9が開いている時間が長いほど、溶融はんだ合金の噴射時間が長くなり、接合部分26への溶融はんだ合金の供給量が多くなる。従って、基板24や電子部品23の大きさや形状に応じて接合部分26に供給される溶融はんだ合金の量を一点一点ごとに適切な量に瞬時に可変調節することができる。このため、接合部分26におけるはんだ付け精度および信頼性を向上することができる。このように、開閉弁9が溶融はんだ合金の噴射時間を調整する噴射時間調整手段として機能する。但し、溶融はんだ合金の噴射時間を調整できれば、噴射時間調整手段を他の構造としてもよい。
また、溶融はんだ合金の噴射量は、はんだ溶解炉6の内部における不活性ガスの圧力を調節することによっても制御可能である。すなわち、不活性ガスの圧力を調節することによって溶融はんだ合金自体の圧力とともに噴射速度を制御することができる。はんだ溶解炉6の内部における不活性ガスの圧力は、上述したようにガス圧調整部18において調節することができる。従って、ガス圧調整部18は、溶融はんだ合金の圧力を調整することにより溶融はんだ合金の噴射量を制御する圧力調整手段として機能する。尚、溶融はんだ合金自体に圧力を可変付加する装置を圧力調整手段として溶融はんだ噴射系2に設けても良い。
加えて、上述したように、溶融はんだ合金の噴射量は、ノズル孔の大きさが異なるオリフィス11に置換することによっても調整することができる。オリフィス11のノズル孔の変更は、溶融はんだ合金の噴射量を大きく変更する場合に有効である。
このように、噴射時間調整手段、圧力調整手段およびオリフィス11等に例示される溶融はんだ合金の噴射量を制御するための噴射量制御手段を溶融はんだ噴射系2に設けることができる。
例えば、直径φ1.0mmの孔の周囲にランド直径φ2.0mmのランド部24Aを有する厚さ1.2mmのスルーホール電子基板に、電子部品23の電極端子として直径φ0.8mmのリード線をはんだ付けする場合に必要なはんだの量は約2.0mmである。さらに、オリフィス11のノズル孔の直径をφ0.1mmとすると、溶融はんだ合金の供給量を2.0mmとするために必要な溶融はんだ合金の長さは約250mmとなる。従って、溶融はんだ合金の噴射速度が2.5m/sであれば、適切な溶融はんだ合金の噴射時間は100msとなる。
このようにして、適切な量の溶融はんだ合金が接合部分26に供給され、はんだ付けが完了したタイミングで、開閉弁制御部19から開閉弁駆動部に制御信号が出力される。そして、開閉弁駆動部の駆動によって開閉弁9が閉じられる。ここで、被はんだ付け部品25にアーク放電の影響を与えることが望ましくない場合には、途切れた溶融はんだ合金からアーク放電が発生しないように同期部22による制御によって開閉弁9が閉じられる前のタイミングで通電装置12のスイッチ12Aがオフ状態とされる。これにより通電が停止した後、溶融はんだ合金の噴射が止まる。よって、途切れた溶融はんだ合金からアーク放電は発生しない。
逆に、アーク放電を溶融はんだ合金および被はんだ付け部品25の加熱に利用する場合には、スイッチ12Aはオン状態のままに制御される。従って、開閉弁9が閉じられることにより、溶融はんだ合金の噴射が止まり、さらに電流ループが途切れることによって通電が終わる。そして、途切れた溶融はんだ合金からのアーク放電が溶融はんだ合金および被はんだ付け部品25の加熱に利用される。つまり、開閉弁9の開閉が実質的なスイッチ操作として利用される。従って、この場合、通電装置12にスイッチ12Aを設けなくてもよい。
次に、同期部22からの同期信号に従って、開閉弁9が閉じた後に、部品駆動制御部21から部品駆動系3に制御信号が出力される。そうすると、部品駆動系3が駆動し、被はんだ付け部品25の次の接合部分26が溶融はんだ合金の噴射位置に位置決めされる。このため、通電装置12に接続された装置側電極13が次にはんだ付けすべき電子部品23の端子23Aや基板24のランド部24Aに接触する位置または近傍の位置に配置される。そして、同様な流れで複数の接合部分26について順次はんだ付けが行われる。このとき同期部22による同期制御により自動的かつ能率的に複数の接合部分26のはんだ付けを行うことができる。さらに、全ての接合部分26のはんだ付けが完了すると全ての電子部品23を基板24にはんだ付けしたはんだ付け品が完成する。
つまり、以上のようなはんだ付け装置1は、溶融はんだ合金をはんだ付けの対象位置に向けて線状となるように噴射し、かつ溶融はんだ合金に通電することにより接合部分26における金属表面の温度をはんだ合金の融点以上に加熱できる程度まで溶融はんだ合金の温度を高温にするようにしたものである。
(効果)
はんだ付け装置1によれば、溶融はんだ合金とともに被はんだ付け部品25の接合部分26が通電により瞬時にはんだ合金の融点以上に加熱されるため、被はんだ付け部品25の接合部分26をレーザなどにより予備加熱する必要がない。このため、常温において接合部分26のはんだ付けが可能である。加えて、複雑な接合部分26の加熱設備が不要であるのみならず、予熱による加熱時間の増加も回避することができる。
また、噴射後の溶融はんだ合金が通電加熱されるため、従来のように噴射後における溶融はんだ合金の温度低下を見込んではんだ溶解炉6内の温度を不要に高くするという必要がない。原理的には、はんだ溶解炉6および開閉弁室8内における溶融はんだ合金の溶融状態を維持可能な温度まではんだ溶解炉6内を加熱できればよい。実際には、はんだ溶解炉6内の温度をはんだ合金の融点よりも若干高い温度に維持できれば十分であると考えられる。このため、はんだ溶解炉6に要求される温度耐久性を軽減することがきる。また、はんだ溶解炉6内において高温のはんだ合金が雰囲気内での反応により劣化することも回避できる。
しかも、はんだ付け装置1によれば、接合部分26における溶融はんだ合金の温度を融点以上の高温に維持できる。このため、溶融はんだ合金が接合部分26に十分に濡れ広がり、良好なはんだ付けを行うことができる。従って、はんだごてを用いたはんだ付けと同様に必要な範囲において強固なはんだ付け性を確保できる。
逆に、はんだ付け装置1によれば、はんだごてを用いたはんだ付けでは不可能なほど短時間かつ高精度ではんだ付けを完了することができる。すなわち、はんだ付け装置1では、はんだ合金がはんだ付けの時点において既に溶融している。このため、はんだ付け装置1では、はんだごてを用いたはんだ付け方法のように、はんだ付けの時点においてはんだの溶融工程がなく高速なはんだ付けを行うことが可能である。さらに、はんだ付け装置1では、はんだごてを用いたはんだ付け方法とは異なり、非接触ではんだ付けが行われる。このため、はんだ付け装置1では、基板24上に電子部品23が高密度に配置されていても精度良く溶融はんだ合金の噴射位置と接合部分26との相対的な位置決めを行って良好なはんだ付けを行うことができる。
また、溶融はんだ合金は、通電加熱により1000℃から2000℃程度に加熱することも可能であり、このように高温に加熱された溶融はんだ合金は接合部分26に噴射されただけで瞬時に良好に濡れ広がる。このため、はんだ付けに要する時間は、実質的に溶融はんだ合金の噴射時間となる。溶融はんだ合金の噴射時間は、例えば0.05秒程度である。従って、溶融はんだ合金を瞬時に高温にできることもはんだ付けプロセスの高速化に寄与している。
さらに、はんだ付け装置1では、噴射される溶融はんだ合金の供給量を開閉弁9の開閉時間、オリフィス11のノズル孔の大きさおよびはんだ溶解炉6の内部における不活性ガスの圧力を調整することによって接合部分26の大きさや形状に応じて精密に制御できる。このため、はんだ付け装置1では、バラツキが少なく高精度なはんだ付けが可能である。
図6は、図1に示すはんだ付け装置1によるはんだ付け試験の結果と従来のはんだ付け方法によるはんだ付け試験の結果とを比較した図であり、図7は、図6に示すはんだ付けの評価結果を模式図に説明する図である。
はんだ付け試験は、厚さが1.2mmの紙フェノールの表面に銅メッキした基板24の表面に薄くフラックスを塗布した状態で、溶融はんだ合金を噴射することにより行った。溶融はんだ合金としては、融点が220℃の標準鉛フリーはんだ合金である3Ag−0.5Cu−Snを用いた。
そして、基板24の予熱を行わずに、はんだ付け装置1を用いてはんだ溶解炉6の内部における温度を250℃としてノズル孔直径がφ0.1mmのオリフィス11から溶融はんだ合金を噴射した。さらに、部品側電極14を基板24のランド部24Aに相当する銅メッキ面に直接接触させることにより溶融はんだ合金の通電加熱を行った。尚、溶融はんだ合金の噴射時間を100msとし、通電時における電圧および電流をそれぞれ20Vおよび約2〜3Aとした。
この結果、図6に示すように良好なはんだ付け性が得られた。すなわち図7(A)に示すように、溶融はんだ合金が基板24に十分に濡れ広がった。尚、同じ条件で基板24に直径がφ0.8mmのリード線を接合するはんだ付け試験を図2から図5に示すように部品側電極14をリード線、基板24のランド部24A、溶融はんだ合金および基板24上の電導部分にそれぞれ接触させた状態で行ったところ、いずれの場合においても良好なはんだ付け性が得られた。
一方、溶融はんだ合金の通電および基板24の予熱のいずれも行わずに溶融はんだ合金を噴射してはんだ付けを行ったところはんだ付け性は不良となった。すなわち、図7(C)に示すように、はんだは全く基板24に溶着しなかった。
さらに、基板24を200℃に予熱してから溶融はんだ合金の通電を行わずに溶融はんだ合金を噴射してはんだ付けを行ったところはんだは一部溶着となった。また、溶融はんだ合金の通電および基板24の予熱のいずれも行わずに、はんだ溶解炉6の内部における温度を400℃として溶融はんだ合金を噴射してはんだ付けを行った場合にもはんだは一部溶着となった。すなわち、図7(B)に示すように、はんだが濡れ広がっているが部分的に基板24に付着した状態であり、全体としてははんだ付け性が不十分となった。
図6に示すはんだ付け試験結果から、はんだ溶解炉6の内部における温度を250℃として基板24の予熱を行わなくても、溶融はんだ合金の通電加熱を行えば、良好なはんだ付け性が得られることが分かる。従って、溶融はんだ合金がはんだ付けに十分な温度まで加熱されていたことが確認できる。さらに、図6に示すはんだ付け試験結果から、通電時の電圧を20V、溶融はんだ合金の噴射時間を100msとすることにより良好なはんだ付け性が得られることが分かる。従って、通電時の電圧および噴射時間を含むはんだ付け条件が適切に設定されていたことが確認できる。
1 はんだ付け装置
2 溶融はんだ噴射系
3 部品駆動系
4 フラックス噴霧系
5 制御系
6 はんだ溶解炉
7 連結路
8 開閉弁室
9 開閉弁
10 開閉弁駆動装置
11 オリフィス
12 通電装置
12A スイッチ
13 装置側電極
14 部品側電極
15 絶縁部品
16 ガス供給路
17 ガス供給装置
18 ガス圧調整部
19 開閉弁制御部
20 通電条件制御部
21 部品駆動制御部
22 同期部
23 電子部品
23A 端子
24 基板
24A ランド部
25 被はんだ付け部品
26 接合部分
26A はんだ合金
27 はんだ噴射部

Claims (13)

  1. 被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するはんだ噴射手段と、
    前記噴射された線状のはんだを通電により加熱する通電手段と、
    を備えたはんだ付け装置。
  2. 前記溶融したはんだの噴射量を制御する噴射量制御手段をさらに備える請求項1記載のはんだ付け装置。
  3. 前記噴射量制御手段は、前記溶融したはんだの噴射時間を調整することにより前記溶融したはんだの噴射量を制御する噴射時間調整手段を備える請求項2記載のはんだ付け装置。
  4. 前記噴射量制御手段は、前記溶融したはんだの圧力を調整することにより前記溶融したはんだの噴射量を制御する圧力調整手段を備える請求項2または3記載のはんだ付け装置。
  5. 前記噴射量制御手段は、前記溶融した線状のはんだの直径を調整する孔を有する交換可能なオリフィスを備える請求項2乃至4のいずれか1項に記載のはんだ付け装置
  6. 前記噴射手段は、前記溶融したはんだを生成する溶解炉と、前記溶解炉内に不活性ガスを供給するガス供給装置とを備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  7. 前記通電手段は、前記溶融したはんだと通電可能な前記噴射手段の位置に接続される第1の電極と、前記被はんだ付け部品に接続される第2の電極とを備える請求項1乃至6のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  8. 前記通電手段は、前記溶融したはんだと通電可能な前記噴射手段の位置に接続される第1の電極と、前記被はんだ付け部品から離れ、かつ前記噴射したはんだと接触する位置に配置された第2の電極とを備える請求項1乃至6のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  9. 前記第2の電極を前記被はんだ付け部品から引き離す駆動手段をさらに備える請求項7記載のはんだ付け装置。
  10. 前記はんだからアーク放電が発生しないように前記はんだが途切れる前に前記通電を停止させるスイッチ手段を更に備える請求項1乃至9のいずれか1項に記載のはんだ付け装置。
  11. 被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するステップと、
    前記噴射された線状のはんだを通電により加熱するステップと、
    を有するはんだ付け方法。
  12. 前記はんだの噴射に先立ってまたは前記はんだの噴射と同時に前記接合部分にフラックスを塗布するステップをさらに有する請求項11記載のはんだ付け方法。
  13. 被はんだ付け部品の接合部分に溶融した線状のはんだを噴射するステップと、
    前記噴射された線状のはんだを通電により加熱するステップと、
    を有するはんだ付け品の製造方法。
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