JP2010281613A - 圧力センサモジュール及び圧力センサパッケージ、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力センサ制御用の集積回路を備えた圧力センサモジュールにおいて、チップサイズに小型化、薄型化することが可能な圧力センサモジュールを提供する。
【解決手段】本発明に係る圧力センサモジュール20は、第一基板3と第二基板4とを重ねてなる基体2、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより、前記基体内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板3と略平行に配された空間部5、前記空間部5と前記基体2の外部とを連通する通気孔A、前記基体2の前記空間部5に接する面に接続された圧力センサ10、前記第一基板3に配された前記圧力センサ10の制御用集積回路と、を少なくとも備え、前記圧力センサ10と前記制御用集積回路とが電気的に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧力センサモジュール及び圧力センサパッケージに関する。詳しくは、半導体基板に形成した半導体圧力センサと、該半導体圧力センサの制御用の集積回路のチップサイズでの実装を目的とし、他の電子部品との電気的接合に用いる電極にバンプを用いる圧力センサモジュール及び圧力センサパッケージ、並びにこれらの製造方法に関する。
半導体圧力センサ(以下、「圧力センサ」と呼称)は、ピエゾ抵抗効果などを利用して、シリコンなどの半導体基板上に生ずる圧力変化を電圧信号に変換する機能を有するセンサである。
その一例としては、例えば図9に示すようなものが挙げられる。この圧力センサ100は、シリコン等からなる半導体基板102の一面において、その中央域の内部に該一面と略平行して広がる、基準圧力室としての空間部103と、該空間部103の一方側に位置する薄板化された領域によりなるダイアフラム部104(感圧部)と、圧力による該ダイアフラム部104の歪抵抗の変化を測定するために複数配された、感圧素子としての歪ゲージ105と、前記一面において、前記ダイアフラム部104を除いた外縁域に配され、前記歪ゲージ105ごとに電気的に接続された電極(パッド部)106等を備えている。
このような圧力センサ100は、主に樹脂からなるパッケージに封止することにより、圧力センサの電子部品として用いられる(以下、「圧力センサパッケージ」と呼称)。
図10は、樹脂による圧力センサパッケージ110の構造例である。この例では、樹脂板等からなり、圧力導入孔111aを有する筐体111を備え、該筐体111内部に形成される空間の中に、前記圧力センサ100が絶縁材料からなる支持基板112上に配され、金線などを用いたワイヤーボンド113により、圧力センサ100の電極部106と筐体111に設けられた金属リード114とが電気的に接続される。図10(a)は絶対圧型圧力センサの構成例であり、図10(b)は相対圧型圧力センサの構成例である。
ただし、このような圧力センサパッケージの筐体を小型化するには、リードフレームのサイズや筐体内部の空間を縮小する必要がある。樹脂やリードフレームの加工精度などにより圧力センサパッケージのサイズ縮小が困難であるため、圧力センサを高密度に実装するためには、感圧素子を形成した半導体基板を樹脂や金属などで構成された筐体で覆う形態の、従来の圧力センサパッケージの構成をとることは困難であるという問題がある。
電子部品の実装用基板に対する、圧力センサの高密度実装を目的とした、従来よりも小型の圧力センサを実現する方法として、半導体基板上に電極となるバンプを形成する技術(以下、「バンプ形成技術」と呼称)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図11にバンプ形成技術を用いて作製された圧力センサパッケージを示す。バンプ形成技術により作製した圧力センサパッケージは、圧力センサの半導体基板と同程度の大きさで電子部品の実装用基板に実装することが可能である。また、図12に示すように、半導体基板面上のダイアフラム部104の外周領域に、感圧素子105形成面から対向面に対して半導体基板102に貫通孔121を形成し、貫通孔121内面にスパッタ法などにより金属膜122を堆積させ、該対向面に形成したバンプ120と、感圧素子とを電気的に接続する(以下、「貫通配線形成技術」と呼称)。このように、バンプ形成技術と貫通配線形成技術を用いることにより、小型の圧力センサパッケージを作製することが可能である。
このような圧力センサにおいて高精度の圧力分解能を実現するためには、出力の電気信号の温度依存性を小さくすることが効果的であり、加えて、所望の出力値になるような電気信号の増幅や補正が必要になる。
そこで、前記の特徴をもつ感圧素子を形成した半導体基板(以下、「圧力センサ本体」と呼称)に加えて、該感圧素子からの電気信号を補償するために、半導体の集積回路が接続されることがある。
圧力センサ本体の感圧素子の形成面と同一面で、感圧素子の外周部に、当該集積回路を形成した圧力センサモジュール(以下、「集積化圧力センサ」と呼称)が知られている。集積化圧力センサにより、感圧素子からの電気信号の補償が可能であるが、感圧素子と同一面に該集積回路が形成されるため、圧力センサ本体の面積より、集積化圧力センサの面積が、少なからず増加するという問題がある。
圧力センサ本体と圧力センサ制御用の集積回路(以下、「ASIC」と呼称)を、他の電子部品と電気的に接続するために、圧力センサ本体とASICを、それぞれ樹脂などで構成されたパッケージ内に設置した状態で樹脂基板等に実装する場合、圧力センサ本体とASICのパッケージに相当する実装面積と、パッケージ間を電気的に接続する配線部の面積が必要になる。特に小型の携帯端末などに圧力センサパッケージを実装する場合には、実装面積が大きいという問題がある。
また、圧力センサ本体とASICを積層した場合は、圧力センサ単体のパッケージと同等のパッケージ面積を実現できるが、パッケージの高さが増加するという問題がある。実装後の圧力センサパッケージの高さは、該パッケージの高さに依存するため、薄型化の実装が困難であるという問題がある。
一方、圧力センサ本体に対する小型かつ薄型の実装を目的として、バンプを用いたチップサイズのパッケージ(以下、「CSP」と呼称)による実装技術が検討されている。この方法により、樹脂等で構成されたパッケージに圧力センサを設置する従来のパッケージより、実装面積が小さく薄型の実装が可能になる。ただし、温度特性が補償された高精度の圧力センサを実現するためには、ASICと組み合わせた圧力センサモジュールが必要になる。
感圧素子を形成した半導体基板とASICを、他の電子部品との接続を目的とした基板上に実装する場合、ASICも圧力センサ本体と同様にCSPで実装することにより、圧力センサ単体のCSPによる実装と比べて、実装面積が増加するという問題がある。また、バンプを形成したセンサチップ面上に、バンプを形成したASICを実装する方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この方法により小型の実装は可能であるが、バンプやASICチップの厚さを精密に制御しなければならないという問題がある。
特開2002−82009号公報
プレスリリース(2007年10月31日)、VTIテクノロジ(株)ホームページ
本発明は、このような従来の実情に鑑みて考案されたものであり、圧力センサ制御用の集積回路を備えた圧力センサモジュールにおいて、チップサイズに小型化、薄型化することが可能な圧力センサモジュールを提供することを第一の目的とする。
本発明は、圧力センサ制御用の集積回路を備えた圧力センサパッケージにおいて、チップサイズに小型化、薄型化することが可能な圧力センサパッケージを提供することを第二の目的とする。
本発明の請求項1に記載の圧力センサモジュールは、第一基板と第二基板とを重ねてなる基体、第二基板の中央域に配された凹部からなり、前記基体内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板と略平行に配された空間部、前記空間部と前記基体の外部とを連通する通気孔、前記基体の前記空間部に接する面に配された圧力センサ、前記第一基板に配された前記圧力センサの制御用集積回路と、を少なくとも備え、前記圧力センサと前記制御用集積回路とが電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の圧力センサモジュールは、請求項1において、前記制御用集積回路が、前記第一基板の外面に配されたことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の圧力センサモジュールは、請求項1において、前記制御用集積回路が、前記第一基板の内面に配されたことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の圧力センサモジュールは、請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、前記圧力センサが、前記第二基板の前記空間部に接する面に配されたことを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の圧力センサモジュールは、請求項1乃至請求項3のいずれかにおいて、前記圧力センサが、前記第一基板の前記空間部に接する面に配されたことを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の圧力センサモジュールは、請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、前記圧力センサと前記圧力センサの制御用集積回路とを、電気的に接続する手段が、前記空間部を除いた領域にあって、前記基体を構成する前記第一基板及び前記第二基板を貫くように配される貫通配線部であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の圧力センサパッケージは、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧力センサモジュールと、前記制御用集積回路と個別に電気的に接続されたバンプと、を少なくとも備えたことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の圧力センサモジュールの製造方法は、第一基板と第二基板とを重ねてなる基体、第二基板の中央域に配された凹部からなり、前記基体内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板と略平行に配された空間部、前記空間部と前記基体の外部とを連通する通気孔、前記基体の前記空間部に接する面に配された圧力センサ、前記第一基板に配された前記圧力センサの制御用集積回路と、を少なくとも備えた圧力センサモジュールの製造方法であって、前記圧力センサと前記制御用集積回路とを電気的に接続する手段を形成する工程を少なくとも有することを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の圧力センサパッケージの製造方法は、請求項8に記載の圧力センサモジュールの製造工程と、前記制御用集積回路と個別に電気的に接続されるバンプを形成する工程を、さらに有することを特徴とする。
本発明では、基体の空間部内に圧力センサが収納され、該基体を構成する第一基板に前記圧力センサの制御用集積回路が配されているので、圧力センサと集積回路を基板の同一面に形成した従来の集積化圧力センサと比較して、小面積の圧力センサのチップサイズで構成することができる。また、空間部内に圧力センサが収納されることで、該圧力センサが外乱から保護される。これにより本発明では、従来よりも小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサモジュールを提供することができる。
また、本発明では、基体の空間部内に圧力センサが収納され、該基体を構成する第一基板に前記圧力センサの制御用集積回路が配されることで、小面積の圧力センサのチップサイズで構成され、また、空間部内に圧力センサが収納されていることで、該圧力センサが外乱から保護された圧力センサモジュールを備えている。これにより本発明では、従来よりも小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサパッケージを提供することができる。
また、本発明では、基体の空間部内に収納された圧力センサと、該基体を構成する第一基板に配された前記圧力センサの制御用集積回路とを電気的に接続する手段を形成する工程を少なくとも有することにより、従来よりも小面積の圧力センサのチップサイズで構成され、小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサモジュールを、簡便な方法で得ることが可能な圧力センサモジュールの製造方法を提供することができる。
また、本発明では、さらに、バンプ形成技術を組み合わせて、前記圧力センサモジュールをパッケージ化している。これにより本発明では、従来よりも小面積の圧力センサのチップサイズで構成され、小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサパッケージを、簡便な方法で得ることが可能な圧力センサパッケージの製造方法を提供することができる。
本発明に係る圧力センサパッケージの一例(第一実施形態)を示す断面図。 圧力センサパッケージの製造方法を工程順に示す断面図である。 圧力センサパッケージの製造方法を工程順に示す断面図である。 圧力センサパッケージの一例(第一実施形態)を示す断面図。 本発明に係る圧力センサパッケージの一例(第二実施形態)を示す断面図。 圧力センサパッケージの製造方法を工程順に示す断面図である。 圧力センサパッケージの製造方法を工程順に示す断面図である。 圧力センサパッケージの一例(第二実施形態)を示す断面図。 従来の圧力センサの一例を示す断面図。 従来の圧力センサパッケージの一例を示す断面図。 従来の圧力センサパッケージの一例を示す断面図。 従来の圧力センサパッケージの一例を示す断面図。
以下、本発明に係る圧力センサモジュール及び圧力センサパッケージの実施形態を図面に基づいて説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明に係る圧力センサパッケージの一構成例を模式的に示す断面図である。
この圧力センサパッケージ1A(1)は圧力センサモジュール20A(20)を備え、該圧力センサモジュール20A(20)は、第一基板3と第二基板4とを重ねてなる基体2、第二基板4の中央域に配された凹部からなり、前記基体2内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板3と略平行に配された空間部5、前記空間部5と前記基体2の外部とを連通する通気孔A、前記基体2の前記空間部5に接する面に配された圧力センサ10、前記第一基板3に配された前記圧力センサ10の制御用集積回路と、を少なくとも備え、前記圧力センサ10と前記制御用集積回路とが電気的に接続されている。
そして、この圧力センサパッケージ1A(1)は、前記圧力センサモジュール20A(20)と、前記制御用集積回路と個別に電気的に接続されたバンプ21と、を少なくとも備えている。
この圧力センサモジュール20A(20)を構成する圧力センサ10A(10)において、前記第二基板4の中央域に配された凹部4aにより、前記空間部5が構成されている。
本発明の第一実施形態では、基体2において、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより構成された空間部5内に圧力センサ10を収納し、第一基板3の外面3bからなる前記基体2の他面2bに前記圧力センサ10の制御用集積回路が配されているので、圧力センサと集積回路を基板の同一面に形成した従来の集積化圧力センサと比較して、小面積の圧力センサのチップサイズで構成することができる。また、前記空間部5内に圧力センサ10を収納することで、該圧力センサ10を外乱から保護することができる。これにより本発明では、従来よりも小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサモジュール20を提供することができる。
また、本発明の第一実施形態では、基体2において、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより構成された空間部5内に圧力センサ10が収納され、第一基板3の外面3bからなる前記基体2の他面2bに前記圧力センサ10の制御用集積回路が配されることで、小面積の圧力センサのチップサイズで構成され、また、前記空間部5内に圧力センサ10が収納されていることで、該圧力センサ10が外乱から保護された圧力センサモジュール20を備えている。これにより本発明では、従来よりも小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサパッケージ1を提供することができる。
図1に示すように、この圧力センサモジュール20A(20)は、平板状の第一基板3及び第二基板4を基体2とし、この第二基板4の中央域の内部に、前記第一基板3と略平行して広がる空間部5(基準圧力室)を備える。本実施形態では、圧力センサモジュール20A(20)において、前記第二基板4の中央域に配された凹部4aにより、前記空間部5が構成されている。
そして、前記空間部5と前記基体2の外部とを連通する通気孔Aが設けられている。前記通気孔Aを設ける位置は特に制限されず、第一基板3を貫通して空間部5に通じてもよいし、あるいは第二基板4を貫通して空間部5に通じるように設けられてもよい。前記通気孔Aの孔径は、該通気孔Aを通して、前記空間部5内に収納された圧力センサ10に、圧力が伝達されうる径であればよく、特に制限されない。
前記圧力センサ10は、前記空間部5に収納でき、通気孔Aを通して伝達される気体の圧力変化を感知し、電気的に接続された前記制御用集積回路と協働するものであれば特に制限されず、絶対圧型圧力センサであってもよく、あるいは相対圧型圧力センサであってもよい。圧力センサが空間部5内に収納されていることから、圧力センサモジュール20の構成を簡単にするためには、前記絶対圧型圧力センサであることが望ましい。このような圧力センサ10としては、例えば、特願2008−114263号公報に開示された圧力センサが挙げられる。
前記空間部5内に収納された圧力センサ10は、第二基板4の中央域に配された凹部4aであって、第二基板4の空間部5に接する面に配されている。このとき、前記圧力センサ10の電極部が、前記第二基板4の空間部5に接する面に、はんだバンプ15によって、局所的に、接続されることが望ましい。このような局所的な接続とすることによって、前記圧力センサ10の周囲の気体の流通が滑らかとなるので、該圧力センサ10の感圧機能が十分に発揮される。
前記はんだバンプ15は、前記圧力センサ10の電極部と、第二基板4に配された貫通配線部18とを電気的に接続する。はんだバンプ15は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。
貫通配線部18は、前記通気孔Aを避けるとともに第二基板4を貫通し、前記空間部5に通ずるように設けられた貫通孔16と、該貫通孔16に充填された導電性物質17とからなる。この導電性物質17としては、例えばCu等が挙げられる。
貫通配線部18の一端は、第二基板4の空間部5に接する面において、前記バンプ15と電気的に接続し、他端は、第二基板4の外面4bからなる該基体2の一面2aに配された導電部8と電気的に接続されている。
導電部8の一端部は、前記貫通配線部18の他端に電気的に接続し、他端部は、基体2を貫通して配された貫通配線部12の一端に電気的に接続されている。
貫通配線部12は、空間部5及び通気孔Aを避けるとともに、基体2を構成する第一基板3及び第二基板4を貫通して設けられた貫通孔13と、該貫通孔13に充填された導電性物質14とからなる。この導電性物質14としては、例えばCu等が挙げられる。
貫通配線部12の一端は、第二基板4の外面4bからなる該基体2の一面2aにおいて、導電部8と電気的に接続し、他端は、第一基板3の外面3bからなる該基体2の他面2bに配された前記制御用集積回路の電極部9と電気的に接続されている。これにより、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とが、電気的に接続される。
はんだバンプ21は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。なお、はんだバンプ21は、必ずしもパッド部上に直接搭載されるもののみを示すものではなく、一度再配線部を形成しておき、該再配線部を介してパッド部とは別の場所で当該再配線部と電気的に接続するようにはんだボールを搭載することもできる。これにより、実装基板やパッケージとの接続位置について高い自由度を有することができる。
次に、上述したような圧力センサモジュール20、及び圧力センサパッケージ1の製造方法について説明する。図2及び図3は、圧力センサモジュール20、及び圧力センサパッケージ1の製造方法を工程順に示す断面図である。
(1)図2(a)に示すように、例えばシリコンからなる第二基板4の内面4cにおいて、中央域に凹部4aを形成する。この凹部4aの形成は、第二基板4の内面4cから、該第二基板4を侵食することにより行われる。当該凹部4aの形成方法は、水酸化カリウム水溶液(以下、KOH水溶液と示す。)などを用いたウェットエッチング法でもよいし、フッ素系のガスとプラズマを用いたドライエッチングでもよい。ドライエッチングの場合、例えばDRIE(Deep-Reactive Ion Etching)法によりエッチングすることで形成することができる。
DRIE法とは、エッチングガスに六フッ化硫黄(SF)を用い、高密度プラズマによるエッチングと、側壁へのパッシベーション成膜を交互に行なうことにより(Boschプロセス)、第二基板4を採掘エッチングするものである。
なお、これらの凹部4aを形成する方法はこれに限定されるものではなく、酸やKOH以外のアルカリ等の溶液を用いたウェットエッチング、サンドブラスト、レーザ等の物理的加工も可能である。
(2)図2(b)に示すように、第二基板の凹部に、貫通配線部18及び通気孔Aを形成する。まず、第二基板4の凹部4aに貫通孔16を形成した後、貫通孔16内に導電性物質17を充填することにより、貫通配線部18が得られる。さらに、該貫通孔16を避けて、通気孔Aを形成する。
導電性物質17としては、例えばCuとし、めっきにより貫通孔16内に充填することができる。なお、導電性物質17はこれに限定されず、他の金属材料や半田等の合金とすることもできる。また、充填方法もCVDやスパッタを利用することができる。さらに、貫通孔16に充填する導電性物質17は、第二基板4の両面における電気的な接続を形成することが目的なので、当該貫通孔16内に空間がなくなるように完全に充填する必要はない。
貫通孔16の形成は、前述のように、例えばDRIE法(Boschプロセス)によりエッチングすることで形成することができる。なお、貫通孔16を形成する方法はこれに限定されるものではなく、レーザ等の物理的加工も可能である。
また、通気孔Aも、貫通孔16と同様に形成することができる。本実施形態では、第二基板4の凹部に通気孔Aを設けた場合を例示したが、該通気孔Aは、後述の第一基板3に設けてもよい。該通気孔Aを設ける位置は、別に形成する貫通配線部を避けること以外は特に制限はない。
(3)図2(c)に示すように、圧力センサ10を、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより構成された空間部5内に配し、実装する。また、該圧力センサ10の電極部と貫通配線部18とを電気的に接続する。
該凹部4a内の配線部と圧力センサ10との電気的接続を形成するためには、圧力センサ10の電極部にバンプ15を形成し、該バンプ15と貫通配線部18とで電気的接続を形成することが望ましい。なお、該凹部4aの深さが、実装後の圧力センサ10の高さより深くなるように、バンプ15の高さ、凹部4aの深さ、を調整する。
また、図2(c)に示すように、第二基板4の外面4bにおいて、導電部8を形成する。該導電部8の一端部は、該外面4bに露呈した貫通配線部18の他端と電気的に接続し、他端部は、後で形成される貫通配線部12の一端と電気的に接続する。
(4)図2(d)に示すように、外面3bに前記圧力センサ10の制御用集積回路が予め形成された第一基板3を、内面3c側を前記凹部4aと対向させて前記第二基板4に張り合わせる。この張り合わせは、第二基板4の凹部4aを形成した内面4c側で、第一基板3を例えば高温で熱処理することにより行われる。
本実施形態では、基板張り合わせ技術を用いた場合について説明する。凹部4aを形成した第二基板4の対向面(内面4c)に、前記制御用集積回路が予め形成された第一基板3を張り合わせる。
当該第一基板3及び第二基板4にシリコン単結晶を用いる場合、第一基板3と第二基板4の表面を熱酸化法などにより酸化した後、第一基板3と第二基板4の酸化膜を形成した面同士を接触させて熱処理することにより、基板を接合する方法が知られている。また、第一基板3と第二基板4の自然酸化膜を除去し疎水性にするために水素終端化処理を施し、水素終端化処理を施した第一基板3と第二基板4の表面を接触させて、分子間力による結合後に酸素を含む雰囲気で熱処理し、水素を基板表面から脱離させると同時にシリコン間の結合を形成することにより、半導体基板を接合する方法が知られる。
さらに、第一基板3を陽極化成することにより多孔質シリコン層を基板上に成長させ、さらに熱処理を施し、当該多孔質シリコン層上にシリコンのエピタキシャル成長層を形成した後表面を酸化させ、表面が酸化した第二基板4と分子間力により張り合わせ、熱処理による脱水縮合反応により、シリコン同士の結合を形成する方法などが知られている。
本実施形態では、前記のどの手法の基板張り合わせ技術を利用しても、前記通気孔A以外では空間部5と基体2の外部とが連通しない密閉空間を作製することが可能である。
このように、凹部4aを形成した第二基板4と、前記制御用集積回路を形成した第一基板3を当該基板張り合わせ技術を利用して張り合わせることにより、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを備えた圧力センサモジュール20が得られる。
続いて、このような圧力センサモジュール20に対して、貫通配線形成技術及びバンプ形成技術を用いて、チップサイズの圧力センサパッケージ1を作製する方法を示す。
(5)図3(a)に示すように、基体2の他面2bに配された前記制御用集積回路の、後で設けられる電極部9の近傍と、基体2の一面2aに形成された導電部8の近傍に、圧力センサ10と前記制御用集積回路を電気的に接続するための貫通孔13を形成する。
貫通孔13は、例えばDRIE法(Boschプロセス)によりエッチングすることで形成することができる。なお、貫通孔13を形成する方法はこれに限定されるものではなく、レーザ等の物理的加工も可能である。
(6)貫通孔13の内壁及び基体2の他面2bに絶縁部(図示略)を形成する。絶縁部を形成することにより、後で行う導電性物質14の充填により貫通配線部12を形成する際に基体2の表面を保護することができる。
絶縁部としては、例えばSiOをプラズマCVDにより1μm成膜することで形成できる。この絶縁部としてはSiOに限定されるものではなく、SiNや樹脂等の他の絶縁材料であっても良い。また、製法もその他スパッタ、スピンコート等が利用できる。
(7)前記絶縁部の形成後、導電部8と電気的に接続するように、貫通孔13内に導電性物質14を充填することにより、貫通配線部12を形成する。
この導電性物質14としては、例えばCuとし、めっきにより貫通孔13内に充填することができる。なお、導電性物質14はこれに限定されず、他の金属材料や半田等の合金とすることもできる。また、充填方法もCVDやスパッタを利用することができる。さらに、貫通孔13に充填する導電性物質14は、基体2の両面における電気的な接続を形成することが目的なので、当該貫通孔13内に空間がなくなるように完全に充填する必要はない。
(8)図3(b)に示すように、基体2の他面2bにおいて、貫通配線部12と前記制御用集積回路とを電気的に接続するように、電極部9を形成する。これにより、前記圧力センサ10と、前記制御用集積回路とが電気的に接続される。
(9)図3(c)に示すように、前記制御用集積回路と個別に電気的に接続するように、基体2の他面2b上に、バンプ21を形成する。
バンプ21は、例えばSn−Ag−Cu系からなる半田ボールを搭載して形成することができる。なお、半田ボールは、電極パッド等の導電部上に直接搭載することもできるし、一度再配線部を形成しておき、導電部とは別の場所で当該再配線部と電気的に接続するように搭載することもできる。
また、本発明では、バンプ21はこれに限定されるものではなく、他の組成の半田や、他の金属からなる半田、またCuやAuなどからなるバンプを用いることができ、作製法も、半田ペーストを用いた印刷法やメッキ法、ワイヤによるスタッドバンプ等が適用可能である。
なお、バンプ21は、貫通配線部12及び電極部9上に、直接形成することもできるし、第二基板上のバンプ形成面上に、バンプ21形成以前に、貫通配線部12と電気的に接合するように導電部(再配線)を形成し、貫通配線部12と異なる位置に該再配線と電気的に接続するようにはんだボールを形成することもできる。
これにより、図1に示す圧力センサパッケージ1A(1)が作製される。
以上の工程により、圧力センサモジュール20において、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを、貫通配線部12、貫通配線部18を用いて接続した圧力センサパッケージ1A(1)が作製される。
このように、圧力センサ制御用の集積回路を備え、チップサイズに小型化された圧力センサモジュール20を、簡便な方法で得ることができる。
さらに、バンプ形成技術を組み合わせてパッケージ化することで、圧力センサ制御用の集積回路を備え、チップサイズに小型化された圧力センサパッケージを、簡便な方法で得ることができる。基体2の内部を貫通する貫通配線部12を利用してバンプ21を形成することによって、バンプ21のみで、圧力センサパッケージを電子部品の実装用基板に電気的に接合することができるため、高密度の実装が可能になる。
なお、図1に示した圧力センサパッケージでは、バンプ21は第一基板3の外面3bに配された前記制御用集積回路と同一面に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図4に示すように、基体2を貫通して配された貫通配線部11を介して、前記制御用集積回路と電気的に接続されるように、基体2の一面2aにバンプ21が設けられてもよい。
図1に示した圧力センサパッケージを、実装用基板の上面にバンプ21を介して電気的に接合した場合、当該圧力センサ10は、バンプ15を介して第2基板4の内面4cから吊り下がる状態となる。この状態であると、圧力センサ10が自重によって、バンプ15から剥離してしまうこともあり得る。一方、図4に示した圧力センサパッケージを、実装用基板の上面にバンプ21を介して電気的に接合した場合、当該圧力センサ10は、バンプ15を介して第2基板4の内面4c上に置かれた状態となる。この状態であれば、圧力センサ10が自重によって、バンプ15から剥離してしまうことは起こりづらい。
本発明の圧力センサモジュールの製造方法において、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを電気的に接続する手段を形成する工程としては、上述のように、基体2の内部を貫通する貫通配線部12を形成する工程が挙げられる。基体2の空間部5及び通気孔Aを避けるとともに、基体2を構成する第一基板3及び第二基板4を貫通して設けられた貫通配線12を介して、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを電気的に接続することにより、圧力センサ10を制御用集積回路が配された第一基板3ではなく、第二基板4に接続することができる。この場合、空間部5の内面4aをより有効に活用し、空間部5をより小さくして圧力センサモジュール20をより小型化し得るので好ましい。
<第二実施形態>
図5は、本発明に係る圧力センサパッケージの一構成例を模式的に示す断面図である。
この圧力センサパッケージ1C(1)は圧力センサモジュール20C(20)を備え、該圧力センサモジュール20C(20)は、第一基板3と第二基板4とを重ねてなる基体2、第二基板4の中央域に配された凹部からなり、前記基体2内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板3と略平行に配された空間部5、前記空間部5と前記基体2の外部とを連通する通気孔A、前記基体2の前記空間部5に接する面に配された圧力センサ10、前記第一基板3に配された前記圧力センサ10の制御用集積回路と、を少なくとも備え、前記圧力センサ10と前記制御用集積回路とが電気的に接続されている。
そして、この圧力センサパッケージ1C(1)は、前記圧力センサモジュール20C(20)と、前記制御用集積回路と個別に電気的に接続されたバンプ21と、を少なくとも備えている。
この圧力センサモジュール20C(20)を構成する圧力センサ10C(10)において、前記第二基板4の中央域に配された凹部4aにより、前記空間部5が構成されている。
本発明の第二実施形態では、基体2において、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより構成された空間部5内に圧力センサ10を収納し、第一基板3の内面3cからなる前記空間部5に接する面に前記圧力センサ10の制御用集積回路が配されているので、圧力センサと集積回路を基板の同一面に形成した従来の集積化圧力センサと比較して、小面積の圧力センサのチップサイズで構成することができる。また、前記空間部5内に圧力センサ10を収納することで、該圧力センサ10を外乱から保護することができる。これにより本発明では、従来よりも小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサモジュール20を提供することができる。
また、本発明の第二実施形態では、基体2において、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより構成された空間部5内に圧力センサ10が収納され、第一基板3の内面3cからなる前記空間部5に接する面に前記圧力センサ10の制御用集積回路が配されることで、小面積の圧力センサのチップサイズで構成され、また、前記空間部5内に圧力センサ10が収納されていることで、該圧力センサ10が外乱から保護された圧力センサモジュール20を備えている。これにより本発明では、従来よりも小型で薄型でありながら、温度特性の補償機能を備え、耐環境性に優れた圧力センサパッケージ1を提供することができる。
図5に示すように、この圧力センサモジュール20C(20)は、平板状の第一基板3及び第二基板4を基体2とし、この第二基板4の中央域の内部に、前記第一基板3と略平行して広がる空間部5(基準圧力室)を備える。本実施形態では、圧力センサモジュール20C(20)において、前記第二基板4の中央域に配された凹部4aにより、前記空間部5が構成されている。
そして、前記空間部5と前記基体2の外部とを連通する通気孔Aが設けられている。前記通気孔Aを設ける位置は特に制限されず、第一基板3を貫通して空間部5に通じてもよいし、あるいは第二基板4を貫通して空間部5に通じるように設けられてもよい。前記通気孔Aの孔径は、該通気孔Aを通して、前記空間部5内に収納された圧力センサ10に、圧力が伝達されうる径であればよく、特に制限されない。
前記圧力センサ10は、前記空間部5に収納でき、通気孔Aを通して伝達される気体の圧力変化を感知し、電気的に接続された前記制御用集積回路と協働するものであれば特に制限されず、絶対圧型圧力センサであってもよく、あるいは相対圧型圧力センサであってもよい。圧力センサが空間部5内に収納されていることから、圧力センサモジュール20の構成を簡単にするためには、前記絶対圧型圧力センサであることが望ましい。このような圧力センサ10としては、例えば、特願2008−114263号公報に開示された圧力センサが挙げられる。
前記空間部5内に収納された圧力センサ10は、第二基板4の中央域に配された凹部4aであって、第二基板4の空間部5に接する面に配されている。このとき、前記圧力センサ10の電極部が、前記第二基板4の空間部5に接する面に、はんだバンプ15によって、局所的に、接続されることが望ましい。このような局所的な接続とすることによって、前記圧力センサ10の周囲の気体の流通が滑らかとなるので、該圧力センサ10の感圧機能が十分に発揮される。
前記はんだバンプ15は、前記圧力センサ10の電極部と、第二基板4に配された貫通配線部18とを電気的に接続する。はんだバンプ15は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。
貫通配線部18は、前記通気孔Aを避けるとともに第二基板4を貫通し、前記空間部5に通ずるように設けられた貫通孔16と、該貫通孔16に充填された導電性物質17とからなる。この導電性物質17としては、例えばCu等が挙げられる。
貫通配線部18の一端は、第二基板4の空間部5に接する面において、前記バンプ15と電気的に接続し、他端は、第二基板4の外面4bからなる該基体2の一面2aに配された導電部8と電気的に接続されている。
導電部8の一端部は、前記貫通配線部18の他端に電気的に接続し、他端部は、基体2を貫通して配された貫通配線部12の一端に電気的に接続されている。
貫通配線部12は、空間部5及び通気孔Aを避けるとともに、基体2を構成する第一基板3及び第二基板4を貫通して設けられた貫通孔13と、該貫通孔13に充填された導電性物質14とからなる。この導電性物質14としては、例えばCu等が挙げられる。
貫通配線部12の一端は、第二基板4の外面4bからなる該基体2の一面2aにおいて、導電部8と電気的に接続し、他端は、第一基板3の外面3bからなる該基体2の他面2bにおいて、導電部27と電気的に接続されている。
導電部27の一端部は、前記貫通配線部12の他端に電気的に接続し、他端部は、貫通配線部26の一端に電気的に接続される。
貫通配線部26は、第一基板3の空間部5と重なる領域を貫通して、空間部5に通じるように設けられた貫通孔24と、該貫通孔24に充填された導電性物質25とからなる。この導電性物質25としては、例えばCu等が挙げられる。
貫通配線部26の一端は、基体2の他面2bにおいて導電部27と電気的に接続し、他端は、第一基板3の内面3cからなる前記空間部5に接する面に配された、前記制御用集積回路の電極部9と電気的に接続されている。これにより、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とが、電気的に接続される。
また、前記電極部9とは異なる、前記制御用集積回路の電極部28は、貫通電極部31の一端に電気的に接続される。
貫通配線部31は、第一基板3の空間部5と重なる領域を貫通して、空間部5に通じるように設けられた貫通孔29と、該貫通孔29に充填された導電性物質30とからなる。この導電性物質30としては、例えばCu等が挙げられる。
貫通配線部31の一端は、第一基板3の内面3cからなる前記空間部5に接する面に配された、前記制御用集積回路の電極部28と電気的に接続し、他端は、基体2の他面2bにおいてパッド部22と電気的に接続されている。そして、該パッド22上に、はんだバンプ21が設けられている。
はんだバンプ21は、例えばはんだボールを搭載して形成することができる。なお、はんだバンプ21は、必ずしもパッド部上に直接搭載されるもののみを示すものではなく、一度再配線部を形成しておき、該再配線部を介してパッド部とは別の場所で当該再配線部と電気的に接続するようにはんだボールを搭載することもできる。これにより、実装基板やパッケージとの接続位置について高い自由度を有することができる。
次に、上述したような圧力センサモジュール20、及び圧力センサパッケージ1の製造方法について説明する。図6及び図7は、圧力センサモジュール20、及び圧力センサパッケージ1の製造方法を工程順に示す断面図である。
(1)図6(a)に示すように、例えばシリコンからなる第二基板4の内面4cにおいて、中央域に凹部4aを形成する。この凹部4aの形成は、第二基板4の内面4cから、該第二基板4を侵食することにより行われる。当該凹部4aの形成方法は、水酸化カリウム水溶液(以下、KOH水溶液と示す。)などを用いたウェットエッチング法でもよいし、フッ素系のガスとプラズマを用いたドライエッチングでもよい。ドライエッチングの場合、例えばDRIE(Deep-Reactive Ion Etching)法によりエッチングすることで形成することができる。
DRIE法とは、エッチングガスに六フッ化硫黄(SF)を用い、高密度プラズマによるエッチングと、側壁へのパッシベーション成膜を交互に行なうことにより(Boschプロセス)、第二基板4を採掘エッチングするものである。
なお、これらの凹部4aを形成する方法はこれに限定されるものではなく、酸やKOH以外のアルカリ等の溶液を用いたウェットエッチング、サンドブラスト、レーザ等の物理的加工も可能である。
(2)図6(b)に示すように、第二基板の凹部に、貫通配線部18及び通気孔Aを形成する。まず、第二基板4の凹部4aに貫通孔16を形成した後、貫通孔16内に導電性物質17を充填することにより、貫通配線部18が得られる。さらに、該貫通孔16を避けて、通気孔Aを形成する。
導電性物質17としては、例えばCuとし、めっきにより貫通孔16内に充填することができる。なお、導電性物質17はこれに限定されず、他の金属材料や半田等の合金とすることもできる。また、充填方法もCVDやスパッタを利用することができる。さらに、貫通孔16に充填する導電性物質17は、第二基板4の両面における電気的な接続を形成することが目的なので、当該貫通孔16内に空間がなくなるように完全に充填する必要はない。
貫通孔16の形成は、前述のように、例えばDRIE法(Boschプロセス)によりエッチングすることで形成することができる。なお、貫通孔16を形成する方法はこれに限定されるものではなく、レーザ等の物理的加工も可能である。
また、通気孔Aも、貫通孔16と同様に形成することができる。本実施形態では、第二基板4の凹部に通気孔Aを設けた場合を例示したが、該通気孔Aは、後述の第一基板3に設けてもよい。該通気孔Aを設ける位置は、別に形成する貫通配線部を避けること以外は特に制限はない。
(3)図6(c)に示すように、圧力センサ10を、第二基板4の中央域に配された凹部4aにより構成された空間部5内に配し、実装する。また、該圧力センサ10の電極部と貫通配線部18とを電気的に接続する。
該凹部4a内の配線部と圧力センサ10との電気的接続を形成するためには、圧力センサ10の電極部にバンプ15を形成し、該バンプ15と貫通配線部18とで電気的接続を形成することが望ましい。なお、該凹部4aの深さが、実装後の圧力センサ10の高さより深くなるように、バンプ15の高さ、凹部4aの深さ、を調整する。
また、図6(c)に示すように、第二基板4の外面4bにおいて、導電部8を形成する。該導電部8の一端部は、該外面4bに露呈した貫通配線部18の他端と電気的に接続し、他端部は、後で形成される貫通配線部12の一端と電気的に接続する。
(4)図2(d)に示すように、内面3cに、前記圧力センサ10の制御用集積回路、並びに該制御用集積回路の電極部9及び28が予め形成された第一基板3を、内面3c側を前記凹部4aと対向させて前記第二基板4に張り合わせる。この張り合わせは、第二基板4の凹部4aを形成した内面4c側で、第一基板3を例えば高温で熱処理することにより行われる。
本実施形態では、基板張り合わせ技術を用いた場合について説明する。凹部4aを形成した第二基板4の対向面(内面4c)に、前記制御用集積回路、並びに前記制御用集積回路の電極部9及び28が予め形成された第一基板3を張り合わせる。
当該第一基板3及び第二基板4にシリコン単結晶を用いる場合、第一基板3と第二基板4の表面を熱酸化法などにより酸化した後、第一基板3と第二基板4の酸化膜を形成した面同士を接触させて熱処理することにより、基板を接合する方法が知られている。また、第一基板3と第二基板4の自然酸化膜を除去し疎水性にするために水素終端化処理を施し、水素終端化処理を施した第一基板3と第二基板4の表面を接触させて、分子間力による結合後に酸素を含む雰囲気で熱処理し、水素を基板表面から脱離させると同時にシリコン間の結合を形成することにより、半導体基板を接合する方法が知られる。
さらに、第一基板3を陽極化成することにより多孔質シリコン層を基板上に成長させ、さらに熱処理を施し、当該多孔質シリコン層上にシリコンのエピタキシャル成長層を形成した後表面を酸化させ、表面が酸化した第二基板4と分子間力により張り合わせ、熱処理による脱水縮合反応により、シリコン同士の結合を形成する方法などが知られている。
本実施形態では、前記のどの手法の基板張り合わせ技術を利用しても、前記通気孔A以外では空間部5と基体2の外部とが連通しない密閉空間を作製することが可能である。
このように、凹部4aを形成した第二基板4と、前記制御用集積回路を形成した第一基板3を当該基板張り合わせ技術を利用して張り合わせることにより、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを備えた圧力センサモジュール20が得られる。
続いて、このような圧力センサモジュール20に対して、貫通配線形成技術及びバンプ形成技術を用いて、チップサイズの圧力センサパッケージ1を作製する方法を示す。
(5)図7(a)に示すように、基体2の他面2bに後で設けられる導電部27の近傍と、基体2の一面2aに形成された導電部8の近傍に、圧力センサ10と前記制御用集積回路を電気的に接続するための貫通孔13を形成する。
貫通孔13は、例えばDRIE法(Boschプロセス)によりエッチングすることで形成することができる。なお、貫通孔13を形成する方法はこれに限定されるものではなく、レーザ等の物理的加工も可能である。
さらに、図7(a)に示すように、第一基板3の内面3cに形成された電極部9、電極部28の近傍に、それぞれ貫通孔24、貫通孔29を形成する。
貫通孔24及び29は、例えばDRIE法(Boschプロセス)によりエッチングすることで形成することができる。なお、貫通孔24及び29を形成する方法はこれに限定されるものではなく、レーザ等の物理的加工も可能である。
(6)貫通孔13、24及び29の内壁及び基体2の他面2bに絶縁部(図示略)を形成する。絶縁部を形成することにより、後で行う導電性物質14、25、及び30の充填により貫通配線部12、26及び31を形成する際に基体2の表面を保護することができる。
絶縁部としては、例えばSiOをプラズマCVDにより1μm成膜することで形成できる。この絶縁部としてはSiOに限定されるものではなく、SiNや樹脂等の他の絶縁材料であっても良い。また、製法もその他スパッタ、スピンコート等が利用できる。
(7)前記絶縁部の形成後、導電部8と電気的に接続するように、貫通孔13内に導電性物質14を充填することにより、貫通配線部12を形成する。
さらに、電極部9、電極部28と電気的に接続するように、貫通孔24、貫通孔29にそれぞれ導電性物質25、導電性物質30を充填することにより、貫通配線部26、貫通配線部31をそれぞれ形成する。
導電性物質14、25、及び30としては、例えばCuとし、めっきにより貫通孔13、24、及び29内に充填することができる。なお、導電性物質14、25、及び30はこれに限定されず、他の金属材料や半田等の合金とすることもできる。また、充填方法もCVDやスパッタを利用することができる。さらに、貫通孔13に充填する導電性物質14は、基体2の両面における電気的な接続を形成することが目的であり、貫通孔24及び29に充填する導電性物質25及び30は、第一基板3の両面における電気的な接続を形成することが目的なので、当該貫通孔13、24及び29内に空間がなくなるように完全に充填する必要はない。
(8)図7(b)に示すように、基体2の他面2bにおいて、貫通配線部12と貫通配線部26とを電気的に接続するように、導電部27を形成する。これにより、前記圧力センサ10と、前記制御用集積回路とが電気的に接続される。
また、基体2の他面2bにおいて、前記貫通配線部31と電気的に接続するように、パッド部22を形成する。
(9)図7(c)に示すように、前記制御用集積回路と個別に電気的に接続するように、パッド部22上に、バンプ21を形成する。
バンプ21は、例えばSn−Ag−Cu系からなる半田ボールを搭載して形成することができる。なお、半田ボールは、電極パッド等の導電部上に直接搭載することもできるし、一度再配線部を形成しておき、導電部とは別の場所で当該再配線部と電気的に接続するように搭載することもできる。
また、本発明では、バンプ21はこれに限定されるものではなく、他の組成の半田や、他の金属からなる半田、またCuやAuなどからなるバンプを用いることができ、作製法も、半田ペーストを用いた印刷法やメッキ法、ワイヤによるスタッドバンプ等が適用可能である。
なお、バンプ21は、貫通配線部31上に、直接形成することもできるし、第二基板上のバンプ形成面上に、バンプ21形成以前に、貫通配線部31と電気的に接合するように導電部(再配線)を形成し、貫通配線部31と異なる位置に該再配線と電気的に接続するようにはんだボールを形成することもできる。
これにより、図5に示す圧力センサパッケージ1C(1)が作製される。
以上の工程により、圧力センサモジュール20において、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを、貫通配線部12、貫通配線部18、貫通配線部26を用いて接続した圧力センサパッケージ1C(1)が作製される。
このように、圧力センサ制御用の集積回路を備え、チップサイズに小型化された圧力センサモジュール20を、簡便な方法で得ることができる。
さらに、バンプ形成技術を組み合わせてパッケージ化することで、圧力センサ制御用の集積回路を備え、チップサイズに小型化された圧力センサパッケージを、簡便な方法で得ることができる。基体2の内部を貫通する貫通配線部12を利用してバンプ21を形成することによって、バンプ21のみで、圧力センサパッケージを電子部品の実装用基板に電気的に接合することができるため、高密度の実装が可能になる。
なお、図5に示した圧力センサパッケージでは、バンプ21は基体2の他面2bに設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、基体2を貫通して配された、前記貫通配線部12とは別の貫通配線部を介して、前記制御用集積回路と電気的に接続されるように、基体2の一面2aにバンプ21が設けられてもよい。
また、図8に示すように、基体2の内部を貫通する貫通配線部12を利用せず、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とが、バンプ15を介して電気的に接続されてもよい。
図8に示す圧力センサパッケージ1Dでは、圧力センサ10の電極部と第一基板3の内面3cに配された前記制御用集積回路の電極部9とが、バンプ15を介して、第一基板3の内面3cにおいて電気的に接続されている。つまり、該圧力センサ10は、前記制御用集積回路が配された第一基板3の内面3cからなる空間部5に接する面に接続されている。前記制御用集積回路の電極部28は、貫通配線部31を介して、基体2の他面2bに設けられたパッド部22に電気的に接続されて、該パッド部22上にバンプ21が形成される。該バンプ21を形成することによって、バンプ21のみで、圧力センサパッケージを電子部品の実装用基板に電気的に接合することができるため、高密度の実装が可能になる。
図5に示した圧力センサパッケージを、実装用基板の上面にバンプ21を介して電気的に接合した場合、当該圧力センサ10は、バンプ15を介して第2基板4の内面4cから吊り下がる状態となる。この状態であると、圧力センサ10が自重によって、バンプ15から剥離してしまうこともあり得る。一方、図8に示した圧力センサパッケージを、実装用基板の上面にバンプ21を介して電気的に接合した場合、当該圧力センサ10は、バンプ15を介して第2基板4の内面4c上に置かれた状態となる。この状態であれば、圧力センサ10が自重によって、バンプ15から剥離してしまうことは起こりづらい。
本発明の圧力センサモジュールの製造方法において、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを電気的に接続する手段を形成する工程としては、上述のように、基体2の内部を貫通する貫通配線部12を形成する工程が挙げられる。基体2の空間部5及び通気孔Aを避けるとともに、基体2を構成する第一基板3及び第二基板4を貫通して設けられた貫通配線12を介して、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを電気的に接続することにより、圧力センサ10を制御用集積回路が配された第一基板3ではなく、第二基板4に接続することができる。この場合、空間部5の内面4aをより有効に活用し、空間部5をより小さくして圧力センサモジュール20をより小型化し得るので好ましい。
また、前記工程としては、図8に示したように、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを直接電気的に接続するバンプ15を形成する工程が挙げられる。圧力センサ10に設けたはんだバンプ15を介して、圧力センサ10と該圧力センサ10の制御用集積回路とを直接電気的に接続することにより、基体2の空間部5内に圧力センサ10を容易に配することができるので好ましい。
以上、本発明の圧力センサモジュール及び圧力センサパッケージについて説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
本発明は、圧力センサ及び圧力センサパッケージに広く適用可能である。
1A、1B、1C、1D(1) 圧力センサパッケージ、2 基体、3 第一基板、4 第二基板、4a 凹部、5 空間部、8 導電部、9 電極部、10 圧力センサ、11 貫通配線部、12 貫通配線部、13 貫通孔、14 導電性物質、15 バンプ、16 貫通孔、17 導電性物質、18 貫通配線部、18 貫通孔、20A、20B、20C、20D(20) 圧力センサモジュール、21 バンプ、22 パッド部、24 貫通孔、25 導電性物質、26 貫通配線部、27 導電部、28 電極部、29 貫通孔、30 導電性物質、31 貫通配線部、A 通気孔。

Claims (9)

  1. 第一基板と第二基板とを重ねてなる基体、
    第二基板の中央域に配された凹部からなり、前記基体内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板と略平行に配された空間部、
    前記空間部と前記基体の外部とを連通する通気孔、
    前記基体の前記空間部に接する面に配された圧力センサ、
    前記第一基板に配された前記圧力センサの制御用集積回路と、を少なくとも備え、
    前記圧力センサと前記制御用集積回路とが電気的に接続されていることを特徴とする圧力センサモジュール。
  2. 前記制御用集積回路が、前記第一基板の外面に配されたことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサモジュール。
  3. 前記制御用集積回路が、前記第一基板の内面に配されたことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサモジュール。
  4. 前記圧力センサが、前記第二基板の前記空間部に接する面に配されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧力センサモジュール。
  5. 前記圧力センサが、前記第一基板の前記空間部に接する面に配されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧力センサモジュール。
  6. 前記圧力センサと前記圧力センサの制御用集積回路とを、電気的に接続する手段が、
    前記空間部を除いた領域にあって、前記基体を構成する前記第一基板及び前記第二基板を貫くように配される貫通配線部であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の圧力センサモジュール。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧力センサモジュールと、
    前記制御用集積回路と個別に電気的に接続されたバンプと、を少なくとも備えたことを特徴とする圧力センサパッケージ。
  8. 第一基板と第二基板とを重ねてなる基体、
    第二基板の中央域に配された凹部からなり、前記基体内の重なり面において、その中央域の内部に前記第一基板と略平行に配された空間部、
    前記空間部と前記基体の外部とを連通する通気孔、
    前記基体の前記空間部に接する面に配された圧力センサ、
    前記第一基板に配された前記圧力センサの制御用集積回路と、を少なくとも備えた圧力センサモジュールの製造方法であって、
    前記圧力センサと前記制御用集積回路とを電気的に接続する手段を形成する工程を少なくとも有することを特徴とする圧力センサモジュールの製造方法。
  9. 前記請求項8に記載の圧力センサモジュールの製造工程と、
    前記制御用集積回路と個別に電気的に接続されるバンプを形成する工程を、さらに有することを特徴とする圧力センサパッケージの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017181196A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 ローム株式会社 電子部品

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