JP2010280800A - 油付着金属面用マーキングインキ組成物 - Google Patents
油付着金属面用マーキングインキ組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010280800A JP2010280800A JP2009134807A JP2009134807A JP2010280800A JP 2010280800 A JP2010280800 A JP 2010280800A JP 2009134807 A JP2009134807 A JP 2009134807A JP 2009134807 A JP2009134807 A JP 2009134807A JP 2010280800 A JP2010280800 A JP 2010280800A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- ink composition
- solvent
- marking ink
- polyvinyl butyral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
Abstract
【解決手段】アルコール類、グリコールエーテル類、エステル類から選ばれる一種又は二種以上の溶剤Aと、炭酸ジアルキルである溶剤Bと、着色剤と、ポリビニルブチラール樹脂とから少なくともなる油性インキ組成物であって、前記ポリビニルブチラール樹脂が、重合度200〜700、ブチラール化度60〜70%、分子中水酸基率30〜40%の各物性範囲内にある。
【選択図】なし
Description
しかし、前記水性インキ組成物は、油が付着した金属部品に文字を書いてもインキが転移し難く、明瞭な筆跡を形成できないため、生産効率を低下させることになる。また、文字を形成できても擦過や洗浄によって容易に剥離して判別を困難にするため、製造工程におけるトラブルを発生させる虞があった。
そこで油付着金属表面への筆記性と非消去性を備えた油性インキが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、筆跡を形成した金属部品の洗浄時に、アルカリ性水溶液等の特殊な洗浄液を用いた場合、長時間の洗浄によって筆跡が剥離し易くなることがある。
また、溶剤中に炭酸ジアルキルが含まれる場合、該溶剤に対する前記樹脂の溶解度が向上するため、着色剤として顔料を用いた際には緩い橋架け状態を維持できなくなってマーキングペンチップ内でのインキ分離を生じることがある。その結果、筆記時に筆跡のカスレや濃度低下等の不具合を生じる虞がある。
更に、ケトン樹脂を含むこと、前記溶剤Aの添加量が溶剤Bよりも多く、溶剤Bが全溶剤中10〜40重量%を占めること、前記溶剤Aがグリコールエーテル類であること、前記着色剤が顔料であることを要件とする。
顔料としては、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料等が挙げられる。
尚、本発明においては像を形成した部分から金属面の像を形成していない部分に着色剤が流出し難いことから顔料が好適に用いられる。
前記溶剤Aとしては従来から汎用のアルコール類、グリコールエーテル類、エステル類から一種又は二種以上を選択して使用でき、全溶剤中60〜90重量%の範囲で用いられる。
前記アルコール類としては、ベンジルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、tert−アミルアルコール等が挙げられる。
前記グリコールエーテル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノフェニルエーテル等が挙げられる。
前記エステル類としては、炭酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル、蟻酸n−ブチル、蟻酸イソブチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル等が挙げられる。
特に、他の溶剤に比べて金属表面への密着性向上効果がより有利に発現できることから、グリコールエーテル類を溶剤Aとして用いることが有用である。
前記範囲で炭酸ジアルキルを含有することで、インキ粘度が過度に上昇することを抑制できるため、前記インキ組成物をマーキングペンに収容した際、ペン先からのインキ出が良好となり、優れた像形成が可能となる。
前記物性を有するポリビニルブチラール樹脂は、アルカリ性水溶液等の洗浄液に長時間浸されても溶解し難いため、筆跡剥離が生じ難いものとなる。また、炭酸ジアルキルへの溶解性が低く、顔料系インキにおいてはマーキングペンチップ内(繊維間等)で顔料を橋架け状態(緩い凝集状態)で保持できるため、インキ分離が生じ難く、優れた経時安定性を維持できるものとなる。
特に、ケトン樹脂は、油が付着した金属面に対する筆跡の固着性に優れるため、好適に用いられる。
例えば、防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等が使用できる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシルトルエン、ノルジヒドロキシトルエン、フラボノイド、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン類等が使用できる。
紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル5′−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、p−安息香酸−2−ヒドロキシベンゾフェノン等が使用できる。
消泡剤としては、ジメチルポリシロキサン等が使用できる。
前記剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル樹脂、架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、非架橋型N−ビニルカルボン酸アミド重合体又は共重合体、水添ヒマシ油、脂肪酸アマイドワックス等が使用できる。
前記添加剤はいわゆる慣用的添加剤と呼ばれるもので、公知の化合物から適宜必要に応じて使用することができる。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させる構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により前記筆記先端部に所定量のインキを供給する構造のマーキングペンが挙げられる。
また、前記構造のマーキングペンの軸筒(インキ収容部)は、樹脂成形物やアルミ等の金属加工体等、汎用のものが適用できる。
尚、前記マーキングペンの形態は前述したものに限らず、相異なる形態のペン体を装着させたり、相異なる色調のインキを導出させるペン体を装着させたツインタイプの筆記具であってもよい。また、キャップ式に限らず、出没式機構を備えたものであってもよい。
尚、表中の組成の数値は重量部を示す。
(1)日弘ビックス(株)製、商品名:NSP−BT 806Fブラック(顔料分15%)
(2)日本カラー(株)製、商品名:No.150ホワイトペースト(顔料分49%) (3)クラリアントジャパン(株)製、商品名:Renol Red F5RK−HW30、C.I.Pigment Red 170(顔料分50%)
(4)重合度:300、ブチラール化度:63%、分子中水酸基率:36%のポリビニルブチラール樹脂
(5)重合度:650、ブチラール化度:65%、分子中水酸基率:34%のポリビニルブチラール樹脂
(6)ヒュルスジャパン(株)製、商品名:シンセチックレジンSK
(7)重合度:350、ブチラール化度:74%、分子中水酸基率:22%のポリビニルブチラール樹脂
(8)重合度:300、アセタール化度:62%、分子中水酸基率:37%のポリビニルブチラール樹脂
(9)重合度:850、ブチラール化度:65%、分子中水酸基率:34%のポリビニルブチラール樹脂
(10)荒川化学工業(株)製、商品名:マルキードNo.33
前記実施例及び比較例の配合量で各原料を混合し、20℃で2時間撹拌溶解することによりインキ組成物を得た。
内部に弁機構を収容したアルミ製軸筒内に前記各インキを充填し、先端部にポリエステル繊維の樹脂加工ペン体を装着することで、前記ペン体を押圧することにより開弁する機構(ポンピング式)のマーキングペンを作製した。
前記各マーキングペンを用いて、鉱物油を主成分とする油脂を5.5mg/cm2塗布した金属製標準試験板〔JIS G 3141(SPCC〜SB)〕に筆記した後、該試験板を1%水酸化ナトリウム水溶液に1時間浸漬させた。その後、水溶液から取り出した試験板の筆跡の状態を目視により観察した。
前記各マーキングペンが筆記できることを確認し、ペン先側を下向き状態として20℃で7日間放置した後、洗浄試験で用いたものと同様の金属板に筆記した際の筆跡の状態を目視により観察した。
各試験結果を以下の表に示す。
洗浄試験
○:初期と比較して変化がみられない。
△:若干の剥離が確認される。
×:筆跡が完全に剥離してしまう。
インキ安定性試験
○:鮮明な筆跡が得られる。
×:筆跡にカスレや色調不良が確認される。
Claims (5)
- アルコール類、グリコールエーテル類、エステル類から選ばれる一種又は二種以上の溶剤Aと、炭酸ジアルキルである溶剤Bと、着色剤と、ポリビニルブチラール樹脂とから少なくともなる油性インキ組成物であって、前記ポリビニルブチラール樹脂が、重合度200〜700、ブチラール化度60〜70%、分子中水酸基率30〜40%の各物性範囲内にある油付着金属面用マーキングインキ組成物。
- ケトン樹脂を含む請求項1記載の油付着金属面用マーキングインキ組成物。
- 前記溶剤Aの添加量が溶剤Bよりも多く、溶剤Bが全溶剤中10〜40重量%を占める請求項1又は2に記載の油付着金属面用マーキングインキ組成物。
- 前記溶剤Aがグリコールエーテル類である請求項1乃至3のいずれかに記載の油付着金属面用マーキングインキ組成物。
- 前記着色剤が顔料である請求項1乃至4のいずれかに記載の油付着金属面用マーキングインキ組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009134807A JP5436942B2 (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009134807A JP5436942B2 (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010280800A true JP2010280800A (ja) | 2010-12-16 |
JP5436942B2 JP5436942B2 (ja) | 2014-03-05 |
Family
ID=43537833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009134807A Active JP5436942B2 (ja) | 2009-06-04 | 2009-06-04 | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5436942B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013023636A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd | インクジェットプリンタ用インク |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000313835A (ja) * | 1999-04-30 | 2000-11-14 | Pentel Corp | 黒色マーキングインキ組成物 |
JP2001214106A (ja) * | 2000-01-31 | 2001-08-07 | Pentel Corp | 筆記板用赤色マーキングインキ組成物 |
JP2002161227A (ja) * | 2000-11-28 | 2002-06-04 | Pilot Corp | 筆記具用インキ |
JP2003183561A (ja) * | 2001-12-18 | 2003-07-03 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具用インキ組成物 |
JP2006104364A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | Pilot Ink Co Ltd | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
-
2009
- 2009-06-04 JP JP2009134807A patent/JP5436942B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000313835A (ja) * | 1999-04-30 | 2000-11-14 | Pentel Corp | 黒色マーキングインキ組成物 |
JP2001214106A (ja) * | 2000-01-31 | 2001-08-07 | Pentel Corp | 筆記板用赤色マーキングインキ組成物 |
JP2002161227A (ja) * | 2000-11-28 | 2002-06-04 | Pilot Corp | 筆記具用インキ |
JP2003183561A (ja) * | 2001-12-18 | 2003-07-03 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 筆記具用インキ組成物 |
JP2006104364A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | Pilot Ink Co Ltd | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013023636A (ja) * | 2011-07-25 | 2013-02-04 | Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd | インクジェットプリンタ用インク |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5436942B2 (ja) | 2014-03-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5473412B2 (ja) | 筆記具用油性インク組成物およびこれを用いた筆記具 | |
JP5436942B2 (ja) | 油付着金属面用マーキングインキ組成物 | |
JP6837947B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物及びそれを収容したマーキングペン | |
JP5557445B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物 | |
JP6585433B2 (ja) | 筆記具用油性インク組成物 | |
JP2012012468A (ja) | 筆記具用水性インキ組成物 | |
JP6265777B2 (ja) | 筆記具用水性インク組成物 | |
JP2011231270A (ja) | 筆記具用水性インキ組成物 | |
JP3969752B2 (ja) | 筆記具用水性顔料インキ組成物 | |
JP4376008B2 (ja) | 油性ボールペン又はボールペンレフィール | |
JP5885965B2 (ja) | 水性ボールペン用インキ組成物およびそれを用いた水性ボールペン | |
JP2009242491A (ja) | ボールペン用油性インキ | |
JP5802562B2 (ja) | マーキングペン用油性インキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペン | |
JP6845757B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物及びそれを収容したマーキングペン | |
JP2005213413A (ja) | ボールペン用油性インキ組成物及びその製造方法 | |
JP2012214645A (ja) | 油性インキ組成物 | |
JP2006249293A (ja) | 油性ボールペン用油性インキ組成物 | |
JP2009185153A (ja) | 筆記具用w/o型エマルションインキ組成物及び筆記具 | |
JP2007254537A (ja) | 筆記具用油性インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具 | |
JP2001192599A (ja) | 油性ボールペン用インキ組成物 | |
JP2007145969A (ja) | ボールペン用水性インキ組成物及びそれを内蔵したボールペン | |
JP4460976B2 (ja) | 筆記具用油性インキ組成物 | |
JP6572014B2 (ja) | マーキングペン用油性インキ組成物及びそれを収容したマーキングペン | |
JP2009114275A (ja) | マーキングペン用油性インキ組成物及びそれを内蔵したマーキングペン | |
JP2003342511A (ja) | 筆記具 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120416 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130927 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131015 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20131118 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20131210 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20131211 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5436942 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |