JP2010280734A - リパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられてきた生物素材の抽出物を用いることで、リパーゼ阻害活性または抗酸化性成分を提供する。更に両活性が同時に機能するような乾燥および抽出条件も定めたことで、肥満予防やニキビ予防はもとより、生体内の酸化的ストレスを軽減させ、その結果、皮膚のシミ・そばかす、更には悪性新生物(ガン)等の病因となるリスクをも軽減させる安全な製剤、化粧品を提供する。
【解決手段】イタドリ、インゲンマメ、オオゴチョウ、オオフトモモ、ガジュマル、ゲットウ、サキシマスオウノキ、セイロンベンケイ、タカサゴギク、ナンテン、ベニバナ、モクセンナ、モモタマナおよびリュウキュウマツからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の生物素材の抽出物を用いることでリパーゼ阻害活性または抗酸化性成分を含有する抗肥満剤、リパーゼ阻害剤、抗酸化剤、化粧品を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、生活習慣病改善のためのリパーゼ阻害活性且つ抗酸化性を有する抗肥満剤に関する。更に詳述すると、リパーゼ阻害作用を通じて、生体内での脂質の消化吸収を抑制又は阻害することにより、飲食物に存在する脂質が原因となって生じる肥満の治療・予防を行うための抗肥満剤、リパーゼ阻害剤に関する。また抗酸化活性を有するため、生体内酸化に伴う種々の疾病も同時に予防できる。更に、リパーゼ阻害作用を通じて化粧品および日用雑貨など肌に直接接触するものに存在する脂質が原因となって生じる肌荒れや悪臭の抑制等にも有用な抗酸化活性を有するリパーゼ阻害剤、抗炎症剤および抗酸化剤に関する。更には、抗酸化活性を有し、且つリパーゼ阻害活性も同時に有する生物素材に関し、抽出物中の成分が、抗肥満およびリパーゼ阻害剤、あるいは抗酸化剤として作用するように、抽出条件を定めたことを特徴とする。
近年、日本人の食生活は欧米型に近づいてきており、摂取カロリーは年々高くなっている。特に脂肪分、すなわち動物性脂肪の摂取量が顕著に増加している。今や摂取カロリーが消費カロリーを上回り、その結果、体の脂肪組織及び種々の臓器に必要以上の脂肪沈着を来し、肥満となる。
肥満は、食事性因子の他に、体質的因子、精神的因子、中枢性因子、代謝性因子、運動不足などが要因とされ、糖尿病、高血圧、動脈硬化、血栓性疾患および高脂血症等、生活習慣病のリスクファクターと言われている。日本肥満学会は高血圧症3,300万人、高脂血症2,000万人、糖尿病690万人の患者のうち3〜6割については、肥満が原因と推定している。更に、日本における肥満は、この30年で2〜4倍に増えており、国民の健康を脅かす大きな要因となっている。今後、高齢化が進むにつれ、生活習慣病は益々増加するものと考えられ、肥満防止は健康面ばかりでなく社会的及び経済的側面からも克服すべき重要な課題となりつつある。また、肥満者は身体への過剰な脂肪蓄積により身体活動が制限されるとともに、内臓などに余分な負担がかかることから、高尿酸血症、胆石症および痛風などの合併症も、極めて頻度の高い疾患群の発症基盤となっている。
これら生活習慣病や合併症は、現在日本人の死因の約6割を占めており、その治療および予防には肥満を防ぐことが有効であると考えられる。そのために、肥満改善が社会問題のひとつとなっており、その方法を提供することが早急に望まれている。
また最近の過食、運動不足、ストレスなどによる肥満の増加に対し、特に女性は外見上からもスリムな引き締まった体を切望する傾向にある。したがって、健康上だけでなく美容上からも、皮下脂肪等の減少は重要な問題となっている。
肥満を改善する方法には、摂取エネルギーの抑制系とエネルギー消費の促進系に大別される。摂取エネルギーの抑制系の具体的方法は食事療法の他、食欲抑制剤投与、消化管内での脂質等の吸着による吸収の抑制、難消化性食物繊維による満腹感の形成、消化酵素阻害剤投与等の薬物療法がある。また、エネルギー消費の促進系では、運動療法やエネルギー代謝促進剤投与等がある。
しかしながら、日常生活の中では食事療法および運動療法の継続は効果が現れるまでに長時間を要し、かつ強固な意志を必要とするため、多忙な現代においては持続的な実行が極めて困難であり、一過性の減量に終わることが多い。一過性の減量は、体重のリバウンドを引き起こし、各種生活習慣病を誘発する引き金となる可能性があることが知られており、好ましくない。また、それらを補助する治療手段の薬物療法、すなわち中枢性の食欲抑制剤を用いる方法などが挙げられるが、中枢性の食欲抑制剤は副作用を有することが知られており、安全性に問題がある。従って、より安全に肥満を改善する方法を提供することが依然として望まれている。
最近、肥満対策や生活習慣病予防の上から、消化酵素に対する阻害剤が注目されている。
脂肪は食品成分の中で最も高カロリーであり、脂質蓄積量が肥満の予防に効果的と考えられている。リパーゼは摂取された脂質の分解に関与する消化酵素であり、ヒトにおいては膵臓から分泌される。リパーゼにより、中性脂肪、すなわちトリグリセリド(トリアシルグリセロールのエステル結合)は順次加水分解を受け、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロールを経てグリセロールと脂肪酸が生ずる。脂質の過剰摂取は、これらの栄養成分が過剰に小腸より吸収されるため、肥満や高脂血症を誘発する。そのため、リパーゼを阻害または抑制することは、血清脂質を低下し、体内への脂質の蓄積を抑え、肥満の抑制および予防に大きく寄与すると考えられる。
このリパーゼ阻害作用を利用して肥満症を抑制・予防する開発は、薬剤では抗肥満剤や抗高脂血症剤等であるが、それのみならず飲食品においても従来から行われている。また脂肪の蓄積による弊害は、ヒトのみでなく家畜やペット等の動物にも認められ、このようなリパーゼ阻害剤は家畜やペット用の飼料としても有用性が高い。
一方、皮膚からの分泌物である皮脂中の中性脂肪は、人体の皮膚表層に常在する微生物(プロピオニバクテリウム アクネス:Propionibacterium acnes、ピティロスポラム オバール:Pityrosporum ovale、マイクロコッカス属:Micrococcus sp.など)が産生するリパーゼにより分解され、遊離脂肪酸を産生する。遊離脂肪酸は皮膚の角化作用を促進したり、周囲の結合組織に流出することで炎症が進展することから、ニキビ、皮膚炎、ふけなどの皮膚疾患要因の一つとして考えられている。そのためリパーゼ阻害剤は皮膚のトラブルを防止する化粧品としても有望である。
このリパーゼ阻害作用を利用した余剰の脂質を排泄させる抗肥満薬の一つに、学術文献1で開示されているテトラヒドロリプスタチンがある。しかしながら、この薬剤には副作用の報告例が多く、より安全性の高いリパーゼ阻害剤が求められ、特に安全性の面からも天然物由来の成分を用いたリパーゼ阻害作用の応用が求められている。
この様な観点から、特に日常的に摂取しうる種々の天然物由来の成分で、強いリパーゼ阻害活性を有する成分、すなわち脂質吸収抑制活性を有する天然成分の探索が精力的に行われている。例えば、素材では学術文献2〜4で各々開示されているハーブ、小麦、海藻類が報告されており、更に特許文献1に開示されているシャクヤク、オオレン、オオバク、ボタンピ、ゲンノショウコウ、チャ、クジンなどの生薬の溶媒抽出エキス、特許文献2に開示されているピーマン、かぼちゃ、しめじ、まいたけ、ふじき、緑茶、紅茶及びウーロン茶の水抽出物、特許文献3に開示されているドッカツ、リョウキョウ、ビンロウシ、ヨバイヒ、ケツメイシの抽出物、特許文献4に開示されているレモングラス、オールスパイス、シナモン、クローブのハーブ類、特許文献5に開示されている阿仙薬、グァバ、メドウスィートの薬草類、特許文献6に開示されている紅景天、イワベンケイ、サボンソウ、ボルド、パスチャカ、トルメンチラ、エルカンプリ、ウコンイソマツ、チュチュウアシ、キャッツクロー、シナモン、山椒、センダングサ、ウコギ、ストロベリー、モージェ、バラ、柿、セイヨウオトギリソウ、杜仲及び白茶から成る植物、特許文献7に開示されているユッカ、高麗人参、ジャスミン茶、山査子、黄杞茶、ルイボス茶、大豆胚芽、生姜、および杜仲茶からの抽出物などその他多数存在する。
また、リパーゼ阻害作用を有する成分では学術文献5〜7に各々開示されているホスファチジルコリン、タンニン、ヘスペリジンの他、特許文献8、9に開示されているタンニンやフラボノイド類を始め、特許文献10〜14に各々開示されているトリテルペン類、スクレオチオニン、リグニン、ジヒドロフラバノール類、ベンゾフェノン類等がある。
更に抗肥満の観点から、リパーゼ阻害活性と同時に、アミラーゼ、マルターゼおよびスクラーゼ等の糖類分解酵素阻害活性も兼ね備えた素材や成分も報告されている。例えば、素材では特許文献15に開示されているブドウ種子、カキ葉、プーアル茶、オトギリソウ、リンゴ、タラ、ウラジロガシ、バナバ葉、アカメガシワ、サンシュユ、訶子、トチュウ葉の抽出物や特許文献16に開示されているコレウスフォスコリがあり、成分では特許文献17に開示されているプロシアニジンを有効成分とするタマリンド種皮抽出物等がある。
一方、近年、脂質の過剰摂取や外的ストレス等によって、生体内の酸化的ストレスが増加し、その結果、活性酸素やフリーラジカルが生体内で過剰に生じる。これらは油脂中に含まれるリノール酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸を過酸化脂肪酸に変化させ、またDNAを構成する塩基をヒドロキシル化させてDNAを損傷させるとも言われている。更にこれらの変化の積算が各種組織に障害を与え、最終的に炎症、循環器疾患、糖尿病および悪性新生物(ガン)等の病因となり、老化との関連も示されている。
本来、活性酸素やフリーラジカルは、生物が酸素を利用して生命維持を図る過程で生成され、生体防御や代謝系に必要不可欠な物質である。しかしながら、現代社会では様々な心的ストレスやオゾンホール崩壊による過剰の放射線や紫外線の照射、更には発ガン物質や脂質の過剰摂取によって、活性酸素やフリーラジカルが生体内で過剰に生じる。
特に皮膚は外気と接するだけではなく、絶えず紫外線の暴露を受けている組織であり、最も酸化的ストレスが受けやすい組織といわれ、その障害も大きいものと考えられる。
皮膚上に分泌される皮脂は、紫外線などにより酸化され過酸化脂質となり、皮膚に対するしわやシミ等の障害や老化促進となる。従って、過酸化脂質の生成を抑制することは、肌(皮膚)の状態の悪化防止のみならず、生体自体の老化防止に有効であると考えられる。
このような観点から、種々の化学合成抗酸化剤が従来から用いられている。しかし、これらの化学合成抗酸化剤は発癌性等の面でその安全性に問題があることから、消費者の拒否反応が強く、年々その使用量が減ってきている。そこで最近、安全性の高い天然物由来の抗酸化剤への期待が非常に大きなものとなってきており、天然物起源の抗酸化剤が多く報告されている。例えば、特許文献18〜21に各々開示されている緑茶ポリフェノール類、桑の実・葉、イバラノリ、ブドウ等の抽出物等多数の天然物が、食品及び化粧品等の酸化防止に用いる天然抗酸化剤として提案されている。
このように脂質の過剰摂取は、肥満や生活習慣病だけでなく、悪性新生物(ガン)等の病因ともなるリスクを兼ね備えている。一方で、過酷なストレス社会によるニキビや吹き出物、更には強い紫外線による肌荒れやシミ・そばかすも大きな問題となっている。そのため、肥満予防と同時に酸化ストレスをも軽減する素材、ニキビ予防と同時に皮膚疾患をも予防できうる素材、すなわちリパーゼ阻害活性と抗酸化性を同時に有する天然素材や成分の探索が早急に必要である。
リパーゼ阻害活性と抗酸化性を同時に有するこれまでの報告は、特許文献22に開示されているPOV上昇抑制物質とリパーゼ阻害物質がある。しかしながら、この中では主に化粧料としての提供であり、肥満予防を目的とした食品素材や成分の開発ではないため、安全性の点で満足できるものは未だ開発されていないのが現状であり、この2つの機能性を有する食品素材や成分が待ち望まれていた。
特開昭64−90131号公報(第2頁、第4〜第5頁) 特開平3−219872(第1〜第4頁) 特開平5−255100(第1〜第4頁) 特開2001−120237(第1〜第4頁) 特開2000−103741(第1〜第3頁) 特開2002−179586(第1〜第7頁) 特開2002−275077(第1〜第4頁) 特開平7−61927(第1〜第5頁) 特開平9−143070(第1〜第8頁) 特開平9−40689(第1〜第7頁) 特開2000−191527(第1〜第7頁) 特開2002−308796(第1〜第7頁) 特開2003−12536(第1〜第8頁) 特開2000−44468(第1〜第6頁) 特開平9−227398(第1〜第6頁) 特開2001−206893(第1〜第10頁) 特開平9−291039(第1〜第20頁) 特開2000−204370(第1〜第6頁) 特開平8−143466(第1〜第8頁) 特開平7−247479(第1〜第5頁) 特開平7−228868(第1〜第9頁) 特開平9−118611(第1〜第13頁) Biochem.J.,256,357,1988 Biosci.Biotech.Biochem.,56,1478,1992 New FoodIndustry,40,65,1997 Lipids,34,441,1999 K.Tanigutiら、Bull.Facul. Agric. Meiji Univ. 73巻、9〜26頁(1986年) S.Ahimuraら、日食工、41,561〜564(1994年) Biosci.Biotech.Biochem.,61,102,1997
このように、脂質の過剰摂取は、肥満や生活習慣病だけでなく、悪性新生物(ガン)等の病因ともなるリスクを兼ね備えている。一方で、過酷なストレス社会によるニキビや吹き出物、更には強い紫外線による肌荒れやシミ・そばかすも大きな問題となっている。そのため、本発明が解決すべき課題は、肥満予防と同時に酸化ストレスをも軽減する素材や成分、ニキビ予防と同時に皮膚疾患をも予防できうる素材や成分を提供することである。具体的には以下の3点である。
1.リパーゼ阻害活性と抗酸化性を有する素材や成分であること。
2.更に両活性が同時に機能するような条件を定めること。
3.安全性の点で満足できるものであること。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられてきた生物素材の抽出物を用いることで、リパーゼ阻害活性または抗酸化性成分を提供する。更に両活性が同時に機能するような乾燥および抽出条件も定めたことで、肥満予防やニキビ予防はもとより、生体内の酸化的ストレスを軽減させ、その結果、皮膚のシミ・そばかす、更には悪性新生物(ガン)等の病因となるリスクをも軽減させる安全な製剤、化粧品を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、亜熱帯地域で入手可能な数百種の天然起源の伝統食材や生物資源について、それらが有する生理作用について鋭意探索を行った。その結果、抗酸化性とリパーゼ阻害活性を有する請求項1記載の生物群を見出し、更にこの2つの機能性が同時に作用するような乾燥および抽出条件も定め、本発明を完成した。
本発明の抗酸化性且つリパーゼ阻害活性を有する抗肥満剤は、化学合成薬剤に比べて効き目が穏やかであり、また自然界から、亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられてきた天然起源の伝統食材や薬用として用いられている生物資源の抽出物のため安全性が高い。
すなわち本発明は、イタドリ、インゲンマメ、オオゴチョウ、オオフトモモ、ガジュマル、ゲットウ、サキシマスオウノキ、セイロンベンケイ、タカサゴギク、ナンテン、ベニバナ、モクセンナ、モモタマナおよびリュウキュウマツからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の生物素材の抽出物を用いることでリパーゼ阻害活性または抗酸化性成分を含有する抗肥満剤、リパーゼ阻害剤、抗酸化剤、化粧品を提供するものである。
上記の生物群の中で、インゲンマメの部位は、特に種皮を用いることを特徴とする阻害剤、製剤、および化粧品である。
上記の生物群から選ばれた生物素材からの抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような条件として、乾燥条件は40〜150℃、好ましく50〜65℃の温熱風乾燥または噴霧乾燥であることを特徴とする。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような条件として、抽出溶媒は、水、無水或いは含水有機溶媒として1価アルコール、多価アルコールまたはその誘導体、ケトン、エステル、エーテル、石油エーテル、脂肪族炭化水素またはハロゲン化物、芳香族炭化水素より選択された1種または2種以上であり、好ましくは水と極性溶媒の混合溶媒であることを特徴とする。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような条件として、添加濃度は、溶媒容量に対して0.1〜10%、好ましくは1〜5%乾燥重量濃度であることを特徴とする。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような条件として、抽出温度は、70〜100℃であることを特徴とする。
これまで知られている抗肥満剤は、リパーゼ阻害活性のみか或いは糖類分解酵素阻害活性を共に有するものしかなく、リパーゼ阻害活性と抗酸化性を同時に有するこれまでの報告は、特開平9−118611(第1〜第13頁)公報に開示されている、POV上昇抑制物質とリパーゼ阻害物質が存在する。しかしながら、この中では主に化粧料としての提供であり、肥満予防を目的とした食品素材や成分の開発ではないため、安全性の点で満足できるものは未だ開発されていないのが現状であった。
本発明の抗酸化性且つリパーゼ阻害活性を有する抗肥満剤は、化学合成薬剤に比べて効き目が穏やかであり、また自然界から、亜熱帯地域や沖縄で古くから用いられてきた天然起源の伝統食材や薬用として用いられている生物資源の抽出物のため安全性が高い。更に、抗酸化性とリパーゼ阻害活性が同時に機能するような乾燥および抽出条件を定めたことで、肥満予防やニキビ予防はもとより、生体内の酸化的ストレスを軽減させ、その結果、皮膚のシミ・そばかす、更には悪性新生物(ガン)等の病因ともなるリスクを軽減させる安全な製剤、化粧品を提供することができる。したがって、生活習慣病や悪性新生物などの疾病の予防・遅延に極めて有効である。
以下、本発明において選ばれた生物資源について順に列挙する。
イタドリはタデ科の植物で、学名はPolygonum cuspidatum Sieb. et Zucc.で、日本各地、朝鮮半島、台湾、中国等の温帯域の山野で、日当たりの良い荒地や斜面に生える大型多年草である。
インゲンマメはマメ科インゲン属の植物で、学名はPhaseolus vulgaris L.で、メキシコ中央部原産で、日本全土で栽培可能であり、豆は金時、甘納豆、煮豆など多様に用いられているが、種皮の用途は見られない。
オオゴチョウはマメ科ジャケツイバラ属の植物で、学名はCaesalpinia Pulcherrima Sw.の小高木である。小児急癇、咳止め、駆虫剤として利用されている。
オオフトモモはフトモモ科の植物で、学名はSyzygium samarangenseで、西マレーシア地域からフィリピンで栽培される。果実はマウンテンアップルなどとも呼ばれ食用にされる。
ガジュマルは、クワ科イチジク属の植物で、学名はFicus microcarpaで、中国では根や気根を胃痛、扁桃腺炎、痔、湿疹、乳腺炎など、沖縄では淋病、脚気、関節炎、産後の腹痛等に用いる。
ゲットウはショウガ科ハナミョウガ属の植物で、学名はAlpinia speciosaで、東アジアからマレーシアに広く分布する。中国名大草蒄とよばれ、種にシネオール、アルピネチン、カルダモニンなどを含み、健胃剤や香辛料として利用されている。また、葉には芳香があるので沖縄では餅を包むのに利用されている。
サキシマスオウノキはアオギリ科の植物で、学名はHeritiera littoralisで、マングローブ背後の湿地林に生育する常緑高木で、アフリカ東地方から東南アジア、ポリネシアに渡る広い範囲に分布し、日本では奄美大島が北限である。沖縄では、宮古・八重山で布を染めるのに使用されている。
セイロンベンケイはベンケイソウ科の植物で、学名はKalanchoe pinnata (Lan.) であり、アフリカの熱帯地域原産と言われ、日本では琉球列島に自生している。薬用として止血、腫物、胃痛等に用いられる。
タカサゴギクはキク科ツルハグマ属の植物で、学名はBlumea balsamiferaであり、インド、中国、マレーシアの熱帯地域に分布する草本である。薬用として胃病、下痢、関節炎、風邪等に用いられる。
ナンテンはメギ科ナンテン属の植物で、学名はNandina domesticaであり、東アジアに分布する小低木で、日本では中部以西に自生する。薬用として主として咳止めや胃病に用いられる。
ベニバナはキク科の植物で、学名はCarthamus tinctorius L.であり、南西アジア原産で、古くから、中近東、南ヨーロッパからインド、中国で栽培されている。薬用として婦人病、高血圧に用いられる。
モクセンナはマメ科の植物で、学名はCassia Glauca Lam.であり、熱帯アジア原産の低木である。日本では冬季は温室に入れるが、沖縄では自生する。
モモタマナはシクンシ科の植物で、学名はTerminalia catappa L.であり、アジアからポリネシアの熱帯・亜熱帯地域の海岸に分布し、日本では琉球列島、小笠原諸島に分布する半落葉高木である。実はアーモンド風味を呈し食用である。薬用や染料としても用いられる。
リュウキュウマツはマツ科の植物で、学名はPinus luchuensis Mayr.であり、トカラ列島以南の琉球諸島に分布する。沖縄では薬用として心臓病、咳止めに用いられる。
以上、本発明に選抜された素材に、リパーゼ阻害活性を有しかつ抗酸化性を有することは全く知られていない。
インゲンマメの部位は、特に種皮を用いることを特徴とする阻害剤である。
インゲンマメ以外の生物群の使用部位に当たっては特に限定されないが、オオゴチョウは花、オオフトモモは葉、ガジュマルは気根、ゲットウは花、サキシマスオウノキは葉、ナンテンは葉、ベニバナは花、モクセンナは葉、モモタマナは葉、リュウキュウマツは葉が好ましい。
生物群の抽出物は単独で用いることもできるし、2種類以上組み合わせて用いることもできる。この場合、相加的効果はもちろんのこと、相乗効果も有する。ここで言う抽出物とは、抽出液もしくは溶媒を除去した抽出乾燥物のことである。また、製剤、阻害剤、および化粧品は、抽出物をそのまま或いは濃縮や希釈をして使用することもでき、更に生物素材の乾燥物や溶媒抽出物、その抽出残滓、抽出残滓乾燥物等、いかなる状態のものでも使用することができる。その際、必要に応じて細断または粉砕して用いることができる。
糖尿病、肥満症並びに高血圧症の予防剤、遅延剤、治療剤、およびニキビ、しみ、ゾバカス予防の化粧品として利用することができる。生物群から選ばれた生物素材の抽出物中の成分が、抗酸化性とリパーゼ阻害活性を同時に有するための乾燥および抽出条件は以下の通りである。
上記の生物群から選ばれた生物素材からの抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような乾燥条件として、有効成分の中には熱に弱い成分や酸化されやすい成分もあることから、40〜150℃、好ましく50〜65℃の温熱風乾燥または噴霧乾燥を特徴とする。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような条件として、抽出溶媒は、水、無水或いは含水有機溶媒として1価アルコール、多価アルコールまたはその誘導体、ケトン、エステル、エーテル、石油エーテル、脂肪族炭化水素またはハロゲン化物、芳香族炭化水素である。これらは1種で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-プロピルアルコール、イソブタノール、n-ヘキサノール、メチルアミルアルコール、2-エチルブタノール、n-オクタノール等の炭素数が1〜8の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の炭素数が2〜6の多価アルコール或いはその誘導体;アセトン、メチルアセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、メチル-n-プロピルケトン等の炭素数が3〜6のケトン;酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の炭素数が4〜5のエステル;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、n-ブチルエーテル等の炭素数が4〜8のエーテルや石油エーテル;n-ブタンn-ペンタン、n-ヘキサン、n-オクタン等の炭素数が4〜8脂肪族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエチレン等の炭素数が1〜2の脂肪族炭化水素のハロゲン化物;ベンゼン、トルエン等の炭素数6〜7の脂肪族炭化水素等であり、これらは1種で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの溶媒のうち、好ましくは水と極性溶媒の混合溶媒であることを特徴とする。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するための水と極性溶媒の混合溶媒としては、特に限定されるものではないが、食品類の開発をするためにも、含水エタノールが好ましく、またその場合、水を50%以上含む混合溶媒であることがより好ましい。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような条件として、抽出濃度は、生物素材の水分含量と存在密度、それに抽出溶媒の存在密度の割合を考慮した至適濃度が存在するため、溶媒容量に対して0.1〜10%、好ましくは1〜5%乾燥重量濃度である。
上記の生物群から選ばれた生物素材の抽出物中成分が、抗酸化活性を保持しながらリパーゼ阻害作用するような温度条件が必要である。本来なら室温程度から用いられる溶媒の沸点付近で還流抽出してもよいが、有効成分の中には、熱に弱い成分や酸化されやすい成分もあることを考慮した温度でなければならない。そこで抽出温度は、70〜100℃であることを特徴とする。また抽出時間は10分〜12時間、好ましくは30分〜6時間である。この抽出操作は数回繰り返すことにより、更に高濃度のものが得られる。
生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物は、そのまま或いは希釈して使用することもできるし、更に抽出溶媒を除去後、使用することができる。例えば水、含水エタノールおよびエタノールで抽出する場合を除いては、食の安全性からも、抽出物から抽出溶媒を完全に除去して使用する。
製剤、阻害剤、および化粧品は、上記の方法により得られた生物群から選ばれた生物素材の抽出物を脱色、脱臭、活性向上等を目的として精製する場合、その精製方法は特に限定されず、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配等の方法が挙げられ、例えば、液−液分配や液体カラムクロマトグラフィー等を用いる事ができる。液体クロマトグラフィーによる精製処理の場合には、カラムに充填する充填剤として、イオン交換樹脂、アルミナ、シリカゲル、アガロースゲル等を用いることができる。なお、液体カラムクロマトグラフィーによる精製処理は、常法に従って行えばよい。
生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物を製剤化並びに添加物にする場合には、希釈剤と共に、常法に従った充填剤、増量剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、結合剤、吸収促進剤、滑沢剤、乳化剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、着色料、香料、甘味料、溶剤、賦形剤などを用いて製剤化され、通常用いられているものを使用することができるが、保存や取扱いを容易にするために、薬学的に許容され得るキャリアーその他任意の助剤を添加することができる。その例としては、デンプン、デキストリン、シクロデキストリン、乳糖、ショ糖、マンニトール、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、珪酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、トラガカント、ゼラチン、ヒドロキシ安息香酸メチル、タルク、ステアリン酸マグネシウム等の固体流体担体;蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール等のアルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の液体担体;各種の鉱油、動植物油、白色ワセリン、パラフィン、ロウ類等の油性担体等が挙げられる。製剤化の際には、必要に応じてリパーゼ阻害作用を有する他の物質を添加してもよい。
本発明の製剤は、上記の如くして得られた生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物を、必要に応じて公知の医薬用担体と組合せ、錠剤、丸剤、散剤、液剤、粉剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口投与剤が挙げられる。またその場合の形態としては、顆粒状、細粒状、錠状、丸状、カプセル状、噴霧状、溶液状、懸濁状、軟膏状、ゲル状、ペースト状、クリーム状などの状態で用いてもよい。
製剤の投与量・投与方法は特に限定されず、各種製剤形態、症状、患者の年齢、性別、その他の条件に応じて従来公知の方法のなかから適宜選択すればよく、通常、1日あたり体重1kgに対して精製物であれば10〜2000mg、特に30〜500mgの割合で投与するのが好ましい。
食品の調製に使用することのできる食品原料は、特に限定されず、その製品の種類に応じて適宜選択することができるが、その例としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等通常の食品原料として使用されているものを挙げることができる。
生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物を、食品や食品添加物として使用する場合、添加対象物の風味や使用感に対する悪影響が少ないので、広範な添加対象物に対して使用することができる。そのため添加対象物は特に限定されず、適当な食品や食品添加物の原料と組み合わせて、様々な食品に利用可能である。その例として清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果実飲料、牛乳、乳清飲料、乳酸菌飲料等の飲料(これら飲料の濃縮液および調製用粉末を含む)、アイスクリーム、アイスシャーベット、かき氷等の氷菓;そば、うどん、はるさめ、ぎょうざの皮、シュウマイの皮、中華麺、即席麺等の麺類;飴、キャンディー、ガム、チョコレート、スナック菓子、ビスケット、ゼリー、ジャム、クリーム、焼き菓子等の菓子類;かまぼこ、ハム、ソーセージ等の水産・畜産加工食品;加工乳、発酵乳等の乳製品;サラダ油、天ぷら油、マーガリン、マヨネーズ、ショートニング、ホイップクリーム、ドレッシング等の油脂および油脂加工食品;ソース、たれ等の調味料;錠剤状、顆粒状等の様々な形態の健康・栄養補助食品類;その他スープ、シチュー、サラダ、惣菜、漬物等が挙げられる。
本発明の化粧品としての使用においても、添加対象物の風味や使用感に対する悪影響が少ないので、広範な添加対象物に対して使用することができる。従って添加対象物は特に限定されず、適当な添加物の原料と組み合わせて、様々な化粧品に利用可能である。例としては、乳液、化粧液、軟膏、フェイスクリーム、ハンドクリーム、ローション、パック、エッセンス、シャンプー、リンス等の皮膚化粧料が挙げられる。
生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物は、リパーゼ阻害剤として、おむつ、ティッシュ、おしり拭き、衛生用シート、介護用シート等に含有させたり、ウエットティッシュの薬剤、洗浄剤等として使用することもできる。おむつに含有させる場合は、例えば、液体状の組成物をおむつ(布、紙、不織布、等)に塗布、あるいは含浸し乾燥する、粉末状の組成物をおむつに混合する、組成物をローションに配合しローションをおむつに塗布する、等の方法により行うことができる。又、おむつかぶれ等の皮膚炎を予防、抑制するためのクリーム、ローション等の化粧品として使用することもできる。
飲食品や化粧品への生物群から選ばれた生物素材の乾燥粉末又は抽出物の配合量は、素材の種類と組み合わせ、飲食品や化粧品の種類、及び抽出物の生理活性等によって適宜調整することができるが、好適な配合率は、未精製の標準的な抽出物の乾燥物に換算して、飲食品の場合には通常約0.01〜40重量%であり、清涼飲料の場合、飲料の総重量当たり、0.1〜30%重量%、好ましくは0.5〜5%重量%含めることができる。また麺類の場合、0.01〜40%重量%、好ましくは1〜10%重量%含めることができる。化粧品の場合には通常約0.001〜5重量%である。
食品、医薬品、医薬部外品、化粧品等に一般的に用いられる各種成分としては、アレルギー抑制剤、アトピー性皮膚炎抑制剤、かゆみ抑制剤、肌荒れ抑制剤、低級アルコール、多価アルコール、香料、清涼剤、動植物性多糖類及びその分解物、動植物性糖蛋白質及びその分解物、微生物培養代謝成分、アミノ酸及びその塩、脱臭剤、乳化剤等と共に配合し、併用して用いることができる。
以下、本発明の実施例について試験管内試験結果の説明する。
各植物を適当な大きさに切断した後、65℃12時間の温風乾燥若しくは、凍結乾燥後、破砕し0.5mmのメッシュを通過したものを生物素材ごとに抽出操作に供した。抽出操作は、高圧抽出を使用した。すなわち、乾燥重量で0.5g〜5gの各薬草乾燥粉末を5gのケイソウ土とともに抽出セルに添加し、抽出溶媒;50%エタノール、溶媒量;25ml、抽出温度;82℃、抽出圧力;13.8MPa、抽出時間;10分、抽出回数;2回の条件で抽出操作を行った。抽出液は0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した。
(リパーゼ阻害活性の測定)
リパーゼ阻害活性試験は、大日本製薬社製リパーゼキットSを用いた。酵素液は、ラット腸管アセトンパウダー10gに0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.0)100mlを添加し、氷中で1時間撹拌した後、4℃、15,000rpm.で45分間遠心分離し、上清をクエン酸緩衝液で100倍に希釈して調製した。測定試料10μlに、0.1mg/mlの5,5-ジオビス(2-ニトロ安息香酸)を含む発色液237μl、酵素液9μl、エステラーゼ阻害剤(3.48mg/ml フェニルメチルスルホニルフルオリド)4μlを添加し5分間、30℃でプレインキュベート後、基質液(6.69mg/ml 三酪酸ジメルカプロールおよび5.73mg/mlドデシル硫酸ナトリウムを含む)25μlを添加して、遮光下30℃で30分反応を行った。反応停止液500μlを添加後、405nmの吸光度を測定した(試料溶液)。コントロールは、試料抽出液である50%エタノールを添加してリパーゼ活性を測定した(コントロール溶液)。ブランクは、試料溶液または50%エタノール溶液、発色液、粗酵素液、エステラーゼ阻害剤を添加して30分間反応させ、反応停止液、基質液を順次添加した。なお、リパーゼ阻害活性は次式を用いて計算した。
リパーゼ阻害率=100−(試料の吸光度−試料のブランク吸光度)/(コントロールの吸光度−コントロールのブランク吸光度)x100
(抗酸化性の測定)
抗酸化性はDPPH(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl)に対する被検液のラジカル消去能を市場らの方法に(市場、喜屋武、沖工技セ研究報告第1号、pp.9−22、(1998))より測定した。すなわち、1.5mMのDPPHをエタノールに溶解し、蒸留水で2倍に希釈して0.75mM DPPH溶液を調製した。次にマイクロプレートの各wellに約1.5〜1093(倍)の希釈倍率をもうけた被検液100μlを添加し、更に50μlのDPPH溶液を添加・混合して20分後の515nmの吸光度を測定した。被検液の代わりに50%エタノールを添加した場合の吸光度を100%として、吸光度50%に相当する希釈倍率を求めIC50とした。すなわち、縦軸にDPPHラジカルの消去量(%)、横軸に被検液の希釈倍率をとった場合の、被検液のDPPHラジカル消去能の濃度依存曲線より、125μMのDPPHラジカルを消去する被検液の希釈倍率(IC50)を求めた。
表1は生物素材の抽出液のリパーゼ阻害活性および抗酸化性試験の結果を示す。この結果から明らかなように、生物素材は、リパーゼ阻害活性および抗酸化性を有することが分かった。よって、本発明の生物素材は数百種探索した素材の中で、この19種類を用いることを特徴とすることが適正であると判断した。
インゲンマメをさや、種子(マメ)および種皮に分別し、各々適当な大きさに切断した後、65℃、12時間の温風乾燥若しくは、凍結乾燥後、破砕し0.5mmのメッシュを通過したものを生物素材ごとに抽出操作に供した。抽出操作、リパーゼ阻害活性試験および抗酸化性試験は実施例1の通りに行った。
表2はインゲンマメを部位に分別した場合のリパーゼ阻害活性および抗酸化性試験の結果を示す。この結果から明らかなように、インゲンマメでは部位によって、リパーゼ阻害活性および抗酸化性が大きく異なることが分かった。よって、本発明のインゲンマメの部位は、特に種皮を用いることを特徴とすることが適正であると判断した。
ガジュマルの乾燥気根1kgに50%エタノール13Lをステンレス容器に入れ、65度で4時間加熱抽出を行い、抽出液11Lを得た。この抽出液を凍結減圧乾燥処理して、ガジュマル抽出物の乾燥品130gを得た。
錠剤:実施例3で得られたガジュマル抽出物70gと乳糖800gおよびステアリン酸マグネシウム10gを混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mgの錠剤を製造した。
顆粒剤:実施例4で得られた錠剤を粉砕、整粒、篩別して20〜50メッシュの顆粒剤を得た。
カプセル剤:実施例7で得られたガジュマル抽出物100g、結晶セルロース300g、乳糖600gおよび軽質無水ケイ酸20gを常法によりカプセル剤にした。
クッキー:
(組成) (重量部)
マーガリン 30
砂糖 16
食塩 0.003
全卵 8.6
薄力粉 43.897
ガジュマル抽出物 3.5
ペットフード:ペットフード小麦粉6.2Kg、脱脂大豆1Kg、牛脂500g、ミートミール360g、ビタミン・ミネラル類200g、オオフトモモの乾燥葉100gに対して2Kgの水を加え、常法により、ドウを調製し、成形後、焼成して、ビスケットタイブのペットフードを得た。

Claims (3)

  1. リパーゼ阻害活性を有するイタドリ、サキシマスオウノキ、タカサゴギク、インゲンマメ、ゲットウ、ナンテン、ベニバナ、オオフトモモ、セイロンベンケイ、ガジュマル、モモタマナ、モクセンナ、オオゴチョウ、リュウキュウマツからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物からの、ケイソウ土を添加し、70〜90℃の抽出温度で、50%エタノールにより得た抽出物を、含有するリパーゼ阻害剤。
  2. 抗酸化活性を有するイタドリ、サキシマスオウノキ、タカサゴギクからなる群から選ばれた少なくとも1種類以上の植物からの、ケイソウ土を添加し、70〜90℃の抽出温度で、50%エタノールにより得た抽出物を、含有する抗酸化剤。
  3. インゲンマメの種皮の、ケイソウ土を添加し、70〜90℃の抽出温度で、50%エタノールにより得た抽出物を、含有するリパーゼ阻害剤。
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