JP2010278809A - 無線基地局、無線端末、分散アンテナ無線アクセスシステム、及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分散アンテナ無線アクセスシステムにマルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式を適用する際に隣接セル間の干渉を抑制して通信品質を向上させることが可能な無線通信方法を提供すること。
【解決手段】セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを有する無線基地局が、時分割複信により信号を送信する信号送信ステップを含み、前記信号送信ステップでは、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号を送信する、無線通信方法が提供される。
【選択図】図11
【解決手段】セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを有する無線基地局が、時分割複信により信号を送信する信号送信ステップを含み、前記信号送信ステップでは、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号を送信する、無線通信方法が提供される。
【選択図】図11
Description
本発明は、無線基地局、無線端末、分散アンテナ無線アクセスシステム、及び無線通信方法に関する。特に、分散アンテナ無線アクセスシステムにおける参照信号の構成方法に関する。
無線装置間の通信速度を高速化する技術の一つとして、多入力・多出力伝送(MIMO;Multiple Input Multiple Output)方式が知られている。この方式は、文字通り、複数のアンテナを用いた信号の入出力を基本としている。この方式の特徴は、異なる複数のアンテナを利用して、同じタイミング、かつ、同じ周波数で複数の送信データを一度に送信することが可能な点にある。そのため、同時に送信可能なチャネルの数が増加するにつれ、増加したチャネルの分だけ単位時間当たりに送信可能な情報量を増加させることが可能になる。また、この方式は、通信速度を向上させるに当たって、占有される周波数帯域が増加しないという利点も有する。
しかし、同一周波数の搬送波成分を有する複数の変調信号が同時に送信されるため、受信側において混信した変調信号を分離する手段が必要になる。そこで、受信側において、無線伝送路の伝送特性を表すチャネル行列が推定され、そのチャネル行列に基づき、受信信号から各サブストリームに対応する送信信号が分離される。尚、チャネル行列は、参照信号を用いて推定される。また、推定されたチャネル行列を用いて信号を検出する方法としては、例えば、MMSE(Minimum Mean Squared Error)検波方式やMLD(Maximum Likelihood Detection)検波方式を用いる方法が知られている。
最近では、複数の無線端末に向けて無線基地局に設置された複数のアンテナにより信号を送信して空間多重させ、受信して各信号を分離することにより、システム全体のスループットを向上させるマルチユーザMIMOシステムが利用されつつある。また、1つのセル内に複数のアンテナを分散して配置し、これら複数のアンテナを用いて無線基地局と無線端末との間で無線通信を実現する分散アンテナ無線アクセスシステムの利用が企図されている。しかしながら、セル内に広くアンテナが分散配置された分散アンテナ無線アクセスシステムにMIMOシステムの技術を適用しようとする場合、同一セル内又は他セル内に存在する他ユーザの影響が問題となる。
例えば、下記の非特許文献1には、周波数分割複信を前提とするマルチユーザMIMOシステムで用いられるチャネルベクトル量子化方法、及びその帰還方法が記載されている(図1、図2を参照)。特に、同文献には、複数の送信アンテナ間で互いに直交する下り参照信号を送信データに多重して送信し、受信側でOFDM信号から取り出した下り参照信号に基づいてチャネル行列を推定する方法が記載されている。しかし、この方法は、送信アンテナの本数が多くなると、1つのフレームに占める下り参照信号の割合が増えてしまい、フレーム効率が低下してしまうという問題がある(図6を参照)。
また、下記の非特許文献2には、1本の基地局アンテナがセルの中心に存在する場合の各セルに対する下り参照信号割り当て方法が記載されている(図3を参照)。特に、この方法は、隣接セルで利用する下り参照信号が互いに干渉しないように、時間−周波数空間における下り参照信号の割り当て位置をシフトさせるというものである。但し、同文献の方法は、各セルの中心に1本の基地局アンテナが設けられていることを前提としている。この前提が存在すると、隣接セルから受ける干渉の影響が信号の距離減衰により小さく抑えられる。なお、隣接セルからの干渉を受けてデータ部分に生じる誤りは、誤り訂正符号を用いて正しく復号される。
また、下記の非特許文献3には、Zadoff−Chu系列を循環シフトして生成された複数のデータ系列を生成し、これらのデータ系列を利用して複数の信号を送信する技術が開示されている(図4、図5を参照)。なお、Zadoff−Chu系列は、完全な自己相関特性を持つため、循環シフトして生成されたデータ系列は、シフト前のデータ系列と完全な相互相関特性を持つ。
そのため、1つのZadoff−Chu系列を循環シフトすることにより、相互相関特性を持つ複数のデータ系列を生成することが可能になる。同文献には、このようなZadoff−Chu系列の特性を利用し、異なるセル間では異なる種類のデータ系列を利用し、同一セル内では同じ種類のデータ系列から循環シフトして得られる複数のデータ系列を利用するという方法が提案されている。さらに、同文献においては、同一セル内で分散FDMA(Distributed Frequency Division Multiplexing)を利用する方法が記載されている。
D. Love, R. Heath, and T. Strohmer, "Grassmannian beamforming for multiple−input multiple−output wireless systems," IEEE Trans. on Information Theory, vol.49, no.10, pp.2735−2747, October 2003.
E. Dahlman, S. Parkvall, J. Skold, and P. Beming, "3G Evolution: HSPA and LTE for Mobile Broadband," Academic Press, 2nd edition, 2008.
川村、岸山、樋口、佐和橋, "シングルキャリアFDMAを用いるEvolved UTRA上りリンクにおけるFDMAとCDMAを併用する直交パイロットチャネル," 電子情報通信学会 無線通信システム研究会 信学技報RCS2006−104, pp.269−274, 2006年7月.
これらの方法を組み合わせ、分散アンテナ無線アクセスシステムにおいてマルチユーザMIMOシステムを構築しようとすると、次のような問題が生じる。
まず、上記の非特許文献1に記載の方法を分散アンテナ無線アクセスシステムに適用しようとすると、送信アンテナ間で下り参照信号を互いに直交させる必要が生じ、利用する送信アンテナの数だけ下り参照信号を送信することが求められる。そのため、分散アンテナ無線アクセスシステムのように多数の送信アンテナを用いて信号を送信するシステム構成の場合、1つのフレームに占める下り参照信号の割合が大きくなり、フレーム効率が著しく劣化してしまう(図6を参照)。また、フレーム効率を向上させるために送信アンテナ1本当たりの参照信号数を減少させるとチャネル推定精度が劣化してしまう。さらに、同文献の方法では、受信側でチャネルベクトルの量子化を行うが、この技術を分散アンテナ無線アクセスシステムに用いるとチャネルベクトルの次元数が大きくなり、送信側に帰還すべき量子化インデックスのビット数が増大してしまう。
また、上記の非特許文献2に記載の方法を分散アンテナ無線アクセスシステムに適用しようとすると、セル境界の近傍に配置されている基地局アンテナから送信される参照信号の電力干渉が隣接セル内のユーザにまで及んでしまう。つまり、基地局アンテナがセルの中心に1本だけ配置されたシステム構成の場合には信号の距離減衰により、隣接セルの影響が抑制されていた。しかし、複数の基地局アンテナがセル内に満遍なく分散配置されている場合、セル境界の近傍にも基地局アンテナが配置されることになるため、単純に同文献の方法を適用しようとしても、隣接セルとの間の電力干渉により通信品質が劣化してしまう。たとえ、上記の非特許文献3に記載の方法を用いたとしても、隣接セルからの電力干渉を受けることに変わりなく、抜本的な通信品質の改善には至らない。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、分散アンテナ無線アクセスシステムにおける通信品質を向上させることが可能な、新規かつ改良された無線基地局、無線端末、分散アンテナ無線アクセスシステム、及び無線通信方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、セル内に分散して配置された複数のアンテナと、前記複数のアンテナを用いて時分割複信により信号を送信する信号送信部と、を備え、前記信号送信部は、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数のアンテナから同一の下り参照信号を送信する、無線基地局が提供される。このように、本発明に係るシステムにおいては、上り回線と下り回線とで同じ周波数を利用するために時分割複信を前提とする。そして、基地局アンテナ間で共通の下り参照信号を用いることにより、下り参照信号が無線リソースに占める割合を低減させることが可能になり、フレーム効率が向上する。
また、前記信号送信部は、隣接セルで信号が割り当てられていない時間・周波数空間内の位置に前記下り参照信号を割り当てて送信すると共に、前記隣接セルで下り参照信号が割り当てられている時間・周波数空間内の位置に信号を割り当てないように構成されていてもよい。このように、隣接セルで下り参照信号の送信に利用されている無線リソースブロック(時間・周波数空間の位置)を開放することで、隣接セル間で下り参照信号の干渉による伝送品質の劣化を防止することができる。なお、隣接セルよりも遠いセルの影響は、干渉波の距離減衰により抑制される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを用いて時分割複信で信号を送信する無線基地局により、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号が送信された場合に、当該下り参照信号を複数の端末アンテナで受信する信号受信部と、前記信号受信部で受信された下り参照信号に基づいてチャネルベクトルを推定するチャネルベクトル推定部と、前記チャネルベクトル推定部で推定されたチャネルベクトルを用いて前記時分割複信の上り参照信号に対するビームフォーミングウェイトを算出し、当該ビームフォーミングウェイトを用いて前記上り参照信号にビームフォーミングを施すビームフォーミング部と、前記ビームフォーミング部によりビームフォーミングが施された上り参照信号を前記複数の端末アンテナから送信する信号送信部と、を備える、無線端末が提供される。このように、下り参照信号から推定されるチャネル推定値を用いて上り参照信号にビームフォーミングを施すことで、チャネル利得の大きいチャネル方向にビームを向けることが可能になり、上り参照信号の受信電力を増大させることが可能になる。
また、前記信号送信部は、隣接セル間で前記上り参照信号の送信に用いるサブキャリアが異なるように周波数分割多元接続を用いて前記上り参照信号を送信するように構成されていてもよい。このような構成にすることで、隣接セル間の上り参照信号による干渉の影響を抑制することが可能になる。
また、前記信号送信部は、他のセルと同一のサブキャリアを用いて前記上り参照信号を送信する場合に前記他のセルで送受信される上り参照信号との間に相互相関特性を持つ信号系列を用いて前記上り参照信号を送信するように構成されていてもよい。このような構成にすることで、隣接セル間の上り参照信号による干渉の影響を抑制することが可能になる。
また、前記信号送信部は、同一セル内に存在する他の無線端末が自己相関特性を持つ信号系列を用いて上り参照信号を同時に送信する場合に、当該信号系列をサイクリックシフトさせた信号系列を用いて前記上り参照信号を符号分割多元接続により送信するように構成されていてもよい。このような構成にすることで、同一セル内のユーザ間でも上り参照信号の干渉効果を抑制することが可能になり、スループットの向上に寄与する。
また、前記信号送信部は、同一セル内に存在する他の無線端末と同時に上り参照信号を送信する場合に、前記他の無線端末が上り参照信号の送信に用いるサブキャリアと異なるサブキャリアを用いて前記上り参照信号を周波数分割多元接続により送信するように構成されていてもよい。このように構成することで、同一セル内のユーザ間でも上り参照信号の干渉効果を抑制することが可能になり、スループットの向上に寄与する。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナ、及び前記複数の基地局アンテナを用いて時分割複信により信号を送信する信号送信部を備え、前記信号送信部を用いて、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号を送信する無線基地局と、複数の端末アンテナ、前記無線基地局の信号送信部から送信された下り参照信号を前記複数の端末アンテナで受信する信号受信部、前記信号受信部で受信された下り参照信号に基づいてチャネルベクトルを推定するチャネルベクトル推定部、前記チャネルベクトル推定部で推定されたチャネルベクトルを用いて前記時分割複信の上り参照信号に対するビームフォーミングウェイトを算出し、当該ビームフォーミングウェイトを用いて前記上り参照信号にビームフォーミングを施すビームフォーミング部、及び、前記ビームフォーミング部によりビームフォーミングが施された上り参照信号を前記複数の端末アンテナから送信する信号送信部を備える無線端末と、を含む、分散アンテナ無線アクセスシステムが提供される。
このように、本発明に係るシステムにおいては、上り回線と下り回線とで同じ周波数を利用するために時分割複信を前提とする。そして、基地局アンテナ間で共通の下り参照信号を用いることにより、下り参照信号が無線リソースに占める割合を低減させることが可能になり、フレーム効率が向上する。さらに、下り参照信号から推定されるチャネル推定値を用いて上り参照信号にビームフォーミングを施すことで、チャネル利得の大きいチャネル方向にビームを向けることが可能になり、上り参照信号の受信電力を増大させることが可能になる。その結果、通信品質が格段に向上する。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを有する無線基地局が、時分割複信により信号を送信する信号送信ステップを含み、前記信号送信ステップでは、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号を送信する、無線通信方法が提供される。このように、本発明に係る無線通信方法においては、上り回線と下り回線とで同じ周波数を利用するために時分割複信を前提とする。そして、基地局アンテナ間で共通の下り参照信号を用いることにより、下り参照信号が無線リソースに占める割合を低減させることが可能になり、フレーム効率が向上する。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを用いて時分割複信で信号を送信する無線基地局により、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号が送信された場合に、複数の端末アンテナを有する無線端末が、前記複数の端末アンテナで前記下り参照信号を受信する信号受信ステップと、前記信号受信ステップで受信された下り参照信号に基づいてチャネルベクトルを推定するチャネルベクトル推定ステップと、前記チャネルベクトル推定ステップで推定されたチャネルベクトルを用いて前記時分割複信の上り参照信号に対するビームフォーミングウェイトを算出し、当該ビームフォーミングウェイトを用いて前記上り参照信号にビームフォーミングを施すビームフォーミングステップと、前記ビームフォーミングステップでビームフォーミングが施された上り参照信号を前記複数の端末アンテナから送信する信号送信ステップと、を含む、無線通信方法が提供される。
このように、本発明に係る無線通信方法においては、上り回線と下り回線とで同じ周波数を利用するために時分割複信を前提とする。そして、基地局アンテナ間で共通の下り参照信号を用いることにより、下り参照信号が無線リソースに占める割合を低減させることが可能になり、フレーム効率が向上する。さらに、下り参照信号から推定されるチャネル推定値を用いて上り参照信号にビームフォーミングを施すことで、チャネル利得の大きいチャネル方向にビームを向けることが可能になり、上り参照信号の受信電力を増大させることが可能になる。その結果、通信品質が格段に向上する。
以上説明したように本発明によれば、分散アンテナ無線アクセスシステムにおける通信品質を向上させることが可能になる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[課題の整理]
まず、本発明の一実施形態に係る技術について詳細な説明をするに先立ち、同実施形態が解決しようとする課題について簡単に纏める。同実施形態に係る技術は、分散アンテナ無線アクセスシステムにマルチユーザMIMOシステムの技術を適用するに当たり、チャネル推定に用いる参照信号を極力劣化させずに送信する技術に関する。そこで、ここでは図1〜図8を参照しながら、従来のマルチユーザMIMOシステムの構成例、従来の分散アンテナ無線アクセスシステムの構成例、及び、データ系列の相互相関特性を利用した従来の符号分割多重方式の構成例について簡単に説明し、同実施形態において解決しようとする具体的な課題について述べる。
まず、本発明の一実施形態に係る技術について詳細な説明をするに先立ち、同実施形態が解決しようとする課題について簡単に纏める。同実施形態に係る技術は、分散アンテナ無線アクセスシステムにマルチユーザMIMOシステムの技術を適用するに当たり、チャネル推定に用いる参照信号を極力劣化させずに送信する技術に関する。そこで、ここでは図1〜図8を参照しながら、従来のマルチユーザMIMOシステムの構成例、従来の分散アンテナ無線アクセスシステムの構成例、及び、データ系列の相互相関特性を利用した従来の符号分割多重方式の構成例について簡単に説明し、同実施形態において解決しようとする具体的な課題について述べる。
(従来例1)
まず、図1を参照する。図1には、従来のマルチユーザMIMOシステムにおける無線基地局10の機能構成例が記載されている。図1に示すように、無線基地局10は、主に、送信データ生成部12、アンテナ間直交セル固有参照信号多重部14、OFDM部16、及び量子化チャネルベクトル復元部18を有する。また、無線基地局10は、複数の基地局アンテナ(#1〜#NT)を有し、周波数分割複信(FDD;Frequency Division Duplex)により信号を送信する。ここでは参照信号の送信方法に着目して説明することにする。
まず、図1を参照する。図1には、従来のマルチユーザMIMOシステムにおける無線基地局10の機能構成例が記載されている。図1に示すように、無線基地局10は、主に、送信データ生成部12、アンテナ間直交セル固有参照信号多重部14、OFDM部16、及び量子化チャネルベクトル復元部18を有する。また、無線基地局10は、複数の基地局アンテナ(#1〜#NT)を有し、周波数分割複信(FDD;Frequency Division Duplex)により信号を送信する。ここでは参照信号の送信方法に着目して説明することにする。
まず、送信データ生成部12は、ユーザ端末20に送信すべき送信データを生成する。送信データ生成部12で生成された送信データは、アンテナ間直交セル固有参照信号多重部14に入力される。アンテナ間直交セル固有参照信号多重部14では、NT本の基地局アンテナ間で直交する下り参照信号が生成される。そして、送信データが入力されると、アンテナ間直交セル固有参照信号多重部14は、送信データ生成部12で生成された送信データに下り参照信号を多重して送信フレームを生成する。
アンテナ間直交セル固有参照信号多重部14で生成された送信フレームは、各基地局アンテナに対応するOFDM部16に入力される。OFDM部16は、送信フレームを直並列変換し、並列化されたビット列を互いに直交する複数のサブキャリア信号に変換した後、そのサブキャリア信号に逆フーリエ変換(IFFT;Inverse Fast Fourier Transform)を施してOFDM信号を生成する。OFDM部16で生成されたOFDM信号は、それぞれ対応する基地局アンテナから送信される。
次に、図2を参照する。図2には、従来のマルチユーザMIMOシステムにおけるユーザ端末20の機能構成例が記載されている。図2に示すように、ユーザ端末20は、主に、GI除去&FFT部22、チャネル行列推定部24、及びアンテナ合成チャネルベクトル量子化部26を有する。また、ユーザ端末20は、複数の端末アンテナ(#1〜#nR)を有し、当該複数の端末アンテナを用いて無線基地局10により送信されたOFDM信号を受信する。複数の端末アンテナで受信されたOFDM信号は、GI除去&FFT部22に入力される。
GI除去&FFT部22は、入力されたOFDM信号にガードインターバルが付加されている場合には、そのガードインターバルを除去する。さらに、GI除去&FFT部22は、OFDM信号に高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transform)を施してサブキャリア信号に変換する。GI除去&FFT部22における変換処理の出力は、チャネル行列推定部24に入力される。なお、図2は、m番目のサブキャリアに注目する形で記載されており、他のサブキャリアに関する記載を省略している。但し、他のサブキャリアについても、m番目のサブキャリアと同じ処理が施される。
サブキャリア信号が入力されると、チャネル行列推定部24は、入力されたサブキャリア信号に多重された下り参照信号を用いてチャネル行列を推定する。チャネル行列推定部24で推定されたチャネル行列は、アンテナ合成チャネルベクトル量子化部26に入力される。アンテナ合成チャネルベクトル量子化部26では、入力されたチャネル行列を構成する各チャネルベクトルを量子化する。このとき、アンテナ合成チャネルベクトル量子化部26は、予め生成されている量子化ベクトルの情報が格納されたコードブックを用いて上記のチャネル行列をベクトル量子化する。アンテナ合成チャネルベクトル量子化部26によりベクトル量子化されたチャネル行列の情報は、各チャネルベクトルの量子化ベクトルを表すコードブックインデックスの形で上り回線を通じて無線基地局10に帰還される。
上り回線を通じて各ユーザ端末20から無線基地局10に帰還されたコードブックインデックスは、複数の基地局アンテナにより受信され、無線基地局10が有する量子化チャネルベクトル復元部18(図1を参照)に入力される。コードブックインデックスが入力されると、量子化チャネルベクトル復元部18は、コードブックを参照し、コードブックインデックスから各ユーザ端末20で推定されたチャネルベクトルに対応する量子化ベクトルを復元する。このようにして量子化チャネルベクトル復元部18により復元された量子化ベクトルは、送信フレームを同時に送信するユーザの組み合わせを選択したり、送信ビームフォーミングウェイトの計算したりするために利用される。
このように、従来のマルチユーザMIMOシステムにおいては、下り回線のチャネル状態を推定し、その推定結果を利用して最適なユーザ選択及びビームフォーミングが行われていた。そして、ユーザ端末20から無線基地局10へチャネル推定結果の情報を効率的に帰還するため、チャネルベクトルの量子化技術が用いられてきた。このようなマルチユーザMIMOシステムの技術は、多くの場合、Co−located Antenna System(CAS)を対象としている。そのため、想定している基地局アンテナの本数は4本程度である。このように基地局アンテナの本数が少ない場合、基地局アンテナ間で直交する参照信号を送信する際に生じるオーバーヘッドの大きさ、利用するコードブックの大きさ、コードブックインデックスを帰還する際の帰還ビット数は実用範囲内に収まる。
しかしながら、図6に示すように、分散アンテナ無線アクセスシステムの場合、基地局アンテナの本数は非常に多い。図6の例では19本の基地局アンテナが1つのセル内に配置されている。このような場合、19本の基地局アンテナ間で互いに信号が干渉しないように送信する必要がある。そのため、図6に示すように、多くの無線リソースが参照信号により消費されてしまい、フレーム効率が著しく劣化してしまう。もちろん、基地局アンテナ1本当たりの参照信号数を減少させると、受信側におけるチャネル推定精度が低下してしまう。また、基地局アンテナの本数が増えるとチャネルベクトルの次元数が大きくなるため、各ユーザ端末20から無線基地局10へ帰還されるビット数が増加してしまう。このように、従来のマルチユーザMIMOシステムに係る技術を分散アンテナ無線アクセスシステムに適用するには何らかの工夫が必要になるのである。
(従来例2)
次に、図3を参照する。図3は、1本の基地局アンテナがセルの中心に配置された無線アクセスシステムにおける従来の下り参照信号の割り当て方法を示す説明図である。このシステムでは、隣接セルで使用される下り参照信号が干渉しないように、隣接セルで下り参照信号が割り当てられている時間・周波数空間内の位置に自セルの下り参照信号が割り当てられている場合、自セル又は隣接セルの割り当て位置をシフトさせる。図3に例示したシステム構成の場合、基地局アンテナがセルの中心に位置するため、隣接セルの信号が比較的大きな距離減衰を受け、隣接セルから受ける干渉の影響が比較的小さくて済む。また、送信フレームに含まれるデータ部分への干渉波による影響は、誤り訂正符号を用いて取り除くことが可能である。
次に、図3を参照する。図3は、1本の基地局アンテナがセルの中心に配置された無線アクセスシステムにおける従来の下り参照信号の割り当て方法を示す説明図である。このシステムでは、隣接セルで使用される下り参照信号が干渉しないように、隣接セルで下り参照信号が割り当てられている時間・周波数空間内の位置に自セルの下り参照信号が割り当てられている場合、自セル又は隣接セルの割り当て位置をシフトさせる。図3に例示したシステム構成の場合、基地局アンテナがセルの中心に位置するため、隣接セルの信号が比較的大きな距離減衰を受け、隣接セルから受ける干渉の影響が比較的小さくて済む。また、送信フレームに含まれるデータ部分への干渉波による影響は、誤り訂正符号を用いて取り除くことが可能である。
しかしながら、このシステム構成の場合、干渉波の影響が距離減衰により低減されることが前提とされており、図7に示すように、セル境界の近傍にまで基地局アンテナが配置されている分散アンテナ無線アクセスシステムには適さない。分散アンテナ無線アクセスシステムの場合、セル境界の近傍に位置するユーザは隣接セルの基地局アンテナから送信された下り参照信号による干渉電力の影響を大きく受けてしまい、そのユーザの通信品質が著しく劣化してしまう。そのため、このような通信品質の劣化を防止することが可能な何らかの工夫が必要になる。
(従来例3)
次に、図4を参照する。図4には、CAZAC(Constant amplitude zero auto−correlation)の一種であるZadoff−Chu系列を発生させ、Zadoff−Chu系列の特性を利用して符号分割多重を実現する無線基地局の構成例が記載されている。また、Zadoff−Chu系列は、(系列長−1)の数の系列を生成できる。さらに、Zadoff−Chu系列は、完全な自己相関特性を有するので循環シフト(cyclic shift)した系列が元の系列と完全な相互相関特性を有する。そのため、1つの系列から複数の系列を生成することが可能である。
次に、図4を参照する。図4には、CAZAC(Constant amplitude zero auto−correlation)の一種であるZadoff−Chu系列を発生させ、Zadoff−Chu系列の特性を利用して符号分割多重を実現する無線基地局の構成例が記載されている。また、Zadoff−Chu系列は、(系列長−1)の数の系列を生成できる。さらに、Zadoff−Chu系列は、完全な自己相関特性を有するので循環シフト(cyclic shift)した系列が元の系列と完全な相互相関特性を有する。そのため、1つの系列から複数の系列を生成することが可能である。
複数のZadoff−Chu系列は、それぞれ系列インデックス(index)により区別される。また、同一の系列番号に属するZadoff−Chu系列を循環シフトして得られる系列は、それぞれ循環シフト量を示すシフトインデックス(shift index)により区別される。図4に例示する無線基地局においては、まず、Zadoff−Chu系列生成部32により、ある系列インデックスに属するZadoff−Chu系列が生成される。次いで、循環シフト部34により、Zadoff−Chu系列生成部32で生成されたZadoff−Chu系列が循環シフトされ、複数の系列が生成される。
次いで、サブキャリアマッピング部36により、各サブキャリアに各系列がマッピングされる。このとき、サブキャリアマッピング部36は、各セル内のユーザを多重するため、図5に例示するように櫛の歯状にスペクトラムを配置した分散FDMA信号を生成する。このとき、各ユーザに割り当てられるスペクトラムの形状は、そのスペクトラムの位相(comb index)により区別される。従って、サブキャリアマッピング部36では、ユーザ毎に系列インデックス、シフトインデックス、位相が指定され、その組み合わせに応じて各サブキャリアに系列が割り当てられる。
また、図5の例では、異なるセルは異なる系列インデックスで区別され、同一セル内のユーザはシフトインデックスで区別される。さらに、同一セル内では、シフトインデックスによる区別と、スペクトラムの位相による区別とが併用される。系列インデックスによる区別は、異なる系列インデックスの系列間における相互相関特性が必ずしも十分でないために完全とは言えない。しかし、干渉波の距離減衰があるため、自セルの無線基地局から発信された参照信号が隣接セルに与える影響は小さい。そのため、系列インデックスが異なるZadoff−Chu系列をセル間の干渉除去に用いることで効果が期待できる。なお、サブキャリアマッピング部36でマッピング処理が施されたサブキャリア信号は、IFFT&GI付加部38でOFDM信号に変換されて送信される。
しかし、この技術は、図5に示すように、セルの中心に基地局アンテナを配置し、隣接セルからの干渉波が距離減衰することを前提としている。そのため、この技術を分散アンテナ無線アクセスシステムに適用しようとした場合、図8に示すように、セル境界の近傍に位置するユーザ端末により送信された上り参照信号が隣接セルの基地局アンテナによる影響を受けてしまう。特に、分散アンテナ無線アクセスシステムにおいて隣接セルの干渉波が距離減衰することは期待できないため、上り参照信号の劣化がチャネル推定精度の著しい低下を招いてしまう。その結果、通信品質の大幅な劣化を引き起こしてしまう。
以上説明した従来方式の問題点を解決するのが、後述する実施形態の技術である。
<実施形態>
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、分散アンテナ無線アクセスシステムにおいて、隣接セルから受ける干渉の影響により参照信号の伝送品質が劣化するのを抑制し、チャネル推定精度を向上させ、結果として通信品質の向上させる技術に関する。以下では、本実施形態に係る無線基地局100、及びユーザ端末200の機能構成について説明すると共に、下り参照信号及び上り参照信号の構成方法について説明する。
本発明の一実施形態について説明する。本実施形態は、分散アンテナ無線アクセスシステムにおいて、隣接セルから受ける干渉の影響により参照信号の伝送品質が劣化するのを抑制し、チャネル推定精度を向上させ、結果として通信品質の向上させる技術に関する。以下では、本実施形態に係る無線基地局100、及びユーザ端末200の機能構成について説明すると共に、下り参照信号及び上り参照信号の構成方法について説明する。
[システム構成]
本実施形態に係る分散アンテナ無線アクセスシステムは、図9に示す無線基地局100、及び図12に示すユーザ端末200により構成される。また、無線基地局100とユーザ端末200との間は時分割複信(TDD;Time Division Duplex)により通信が行われる。また、本実施形態においては、同一セル内の全ての基地局アンテナで共通の下り参照信号が用いられる。
本実施形態に係る分散アンテナ無線アクセスシステムは、図9に示す無線基地局100、及び図12に示すユーザ端末200により構成される。また、無線基地局100とユーザ端末200との間は時分割複信(TDD;Time Division Duplex)により通信が行われる。また、本実施形態においては、同一セル内の全ての基地局アンテナで共通の下り参照信号が用いられる。
まず、図9を参照する。図9に示すように、無線基地局100は、主に、送信データ生成部108と、アンテナ共通セル固有参照信号多重部110と、OFDM部112と、チャネルベクトル評価部114とを有する。また、無線基地局100は、複数の基地局アンテナを有する。そして、OFDM部112は、基地局アンテナ毎に設けられる。
まず、送信データ生成部108は、ユーザ端末200に送信すべき送信データを生成する。送信データ生成部108で生成された送信データは、アンテナ共通セル固有参照信号多重部110に入力される。アンテナ共通セル固有参照信号多重部110では、NT本の基地局アンテナ間で共通の下り参照信号が生成される。そして、送信データが入力されると、アンテナ共通セル固有参照信号多重部110は、送信データ生成部108で生成された送信データに下り参照信号を多重して送信フレームを生成する。上記の通り、本実施形態においては、全ての基地局アンテナから同一の下り参照信号が送信される。つまり、同一のセル内では、同一の下り参照信号が共通して利用されることになる。
アンテナ共通セル固有参照信号多重部110で生成された送信フレームは、各基地局アンテナに対応するOFDM部112に入力される。OFDM部112は、送信フレームを直並列変換し、並列化されたビット列を互いに直交する複数のサブキャリア信号に変換した後、そのサブキャリア信号に逆フーリエ変換(IFFT)を施してOFDM信号を生成する。OFDM部112で生成されたOFDM信号は、それぞれ対応する基地局アンテナから送信される。
次に、図12を参照する。図12に示すように、ユーザ端末200は、主に、GI除去&FFT部202と、チャネルベクトル推定部204と、送信ウェイトベクトル算出部206と、Sounding参照信号生成部208と、送信ビームフォーミング部210と、IFFT&GI付加部212とを有する。また、ユーザ端末200は、複数の端末アンテナ(#1〜#nR)を有し、当該複数の端末アンテナを用いて無線基地局100により送信されたOFDM信号を受信する。複数の端末アンテナで受信されたOFDM信号は、GI除去&FFT部202に入力される。なお、図12に記載されたSWは、送信経路と受信経路とを切り替えるためのスイッチである。
GI除去&FFT部202は、入力されたOFDM信号にガードインターバルが付加されている場合に、そのガードインターバルを除去する。さらに、GI除去&FFT部202は、OFDM信号に高速フーリエ変換(FFT)を施してサブキャリア信号に変換する。GI除去&FFT部202における変換処理の出力は、チャネルベクトル推定部204に入力される。なお、図12は、m番目のサブキャリアに注目する形で記載されており、他のサブキャリアに関する記載を省略している。但し、他のサブキャリアについても、m番目のサブキャリアと同じ処理が施される。
サブキャリア信号が入力されると、チャネルベクトル推定部204は、入力されたサブキャリア信号に多重された下り参照信号を用いてチャネルベクトルを推定する。本実施形態の場合、基地局アンテナ間で共通の下り参照信号が用いられているため、セル内の全基地局アンテナのチャネル応答が合成された形でチャネル応答が得られる。また、端末アンテナがnR本存在するため、複数のサブキャリア信号から成るリソースブロック(図10のSymbol mappingを参照)についてnR次元のチャネルベクトルが得られる。このようにしてチャネルベクトル推定部204で推定された各チャネルベクトルは、送信ウェイトベクトル算出部206に入力される。
チャネルベクトルが入力されると、送信ウェイトベクトル算出部206は、入力されたチャネルベクトルの複素共役を算出し、さらに電力正規化を施して上り参照信号用のビームフォーミングウェイトベクトル(以下、送信ウェイトベクトル)を生成する。送信ウェイトベクトル算出部206で算出された送信ウェイトベクトルは、送信ビームフォーミング部210に入力される。送信ビームフォーミング部210には、さらにSounding参照信号生成部208から上り参照信号が入力される。Sounding参照信号生成部208では、上り参照信号としてZadoff−Chu系列が生成される。そして、Sounding参照信号生成部208で生成されたZadoff−Chu系列は、上り参照信号として送信ビームフォーミング部210に入力される。
送信ビームフォーミング部210は、Sounding参照信号生成部208から入力された上り参照信号に対し、送信ウェイトベクトル算出部206から入力された送信ウェイトベクトルを乗積する。送信ビームフォーミング部210による乗積演算の出力は、IFFT&GI付加部212に入力される。IFFT&GI付加部212では、送信ビームフォーミング部210による乗積演算の出力に逆フーリエ変換が施され、ガードインターバルが付加されて分散FDMA信号が生成される。そして、IFFT&GI付加部212で生成された分散FDMA信号(上り参照信号)は、複数の端末アンテナを介して時分割複信により無線基地局100に送信される。
再び図9を参照する。各ユーザ端末200から送信された上り参照信号は、無線基地局100が有する複数の基地局アンテナを介して受信される。基地局アンテナを介して受信された上り参照信号は、チャネルベクトル評価部114に入力される。チャネルベクトル評価部114では、複数のユーザ端末200から受信した上り参照信号をユーザ毎に分離し、周波数方向に沿ってリソースブロック毎のチャネル推定を行う。チャネルベクトル評価部114によるチャネル推定で得られたチャネルベクトルは、ユーザ選択や、下り回線用の送信ビームフォーミングウェイトを算出するために利用される。
以上、本実施形態に係る分散アンテナ無線アクセスシステムの全体的なシステム構成について説明した。以下では、上記の無線基地局100、及びユーザ端末200が有する更なる技術的特徴について説明する。
[下り参照信号の構成方法]
ここでは、下り参照信号の送信方法に関する本実施形態の特徴的な技術的構成について説明する。先に述べた通り、本実施形態においては、時分割複信による通信が前提となる。そのため、上り回線と下り回線とで同じ周波数を利用して参照信号を送信することが可能になる。また、時分割複信の下り回線においては全基地局アンテナに共通の下り参照信号が用いられる。そのため、基地局アンテナの本数が増加してもフレーム効率を低下させずに済む。その結果、図6に示した従来例1の問題点が解決される。
ここでは、下り参照信号の送信方法に関する本実施形態の特徴的な技術的構成について説明する。先に述べた通り、本実施形態においては、時分割複信による通信が前提となる。そのため、上り回線と下り回線とで同じ周波数を利用して参照信号を送信することが可能になる。また、時分割複信の下り回線においては全基地局アンテナに共通の下り参照信号が用いられる。そのため、基地局アンテナの本数が増加してもフレーム効率を低下させずに済む。その結果、図6に示した従来例1の問題点が解決される。
また、本実施形態においては、図11に示すように、隣接セルにおいて時間・周波数空間(無線リソース)の異なる位置に下り参照信号が割り当てられる。さらに、本実施形態においては、隣接セルで下り参照信号が割り当てられている時間・周波数空間の位置に一切信号を割り当てないように構成される。このような構成にすることで、隣接セルで下り参照信号が割り当てられて時間及びサブキャリアには何も送信されないため、隣接セルから干渉波の影響を受けずに済むようになる。その結果、図7に示した従来例2の問題点が解決される。
[上り参照信号の構成方法]
次に、上り参照信号の送信方法に関する本実施形態の特徴的な技術的構成について説明する。先に述べた通り、本実施形態においては、ユーザ端末200が複数の端末アンテナを有しており、複数の端末アンテナで受信した下り参照信号を利用してチャネル推定を行う。さらに、ユーザ端末200は、そのチャネル推定値から上り参照信号用のビームフォーミングウェイトベクトルを算出し、そのビームフォーミングウェイトベクトルを用いての上り参照信号にビームフォーミングを施す。このようにして上り参照信号にビームフォーミングを施すことで、そのユーザ端末200が位置するセル内でチャネル利得が大きい基地局アンテナの方向に利得が得られるため、実効的なチャネル利得が増大する。
次に、上り参照信号の送信方法に関する本実施形態の特徴的な技術的構成について説明する。先に述べた通り、本実施形態においては、ユーザ端末200が複数の端末アンテナを有しており、複数の端末アンテナで受信した下り参照信号を利用してチャネル推定を行う。さらに、ユーザ端末200は、そのチャネル推定値から上り参照信号用のビームフォーミングウェイトベクトルを算出し、そのビームフォーミングウェイトベクトルを用いての上り参照信号にビームフォーミングを施す。このようにして上り参照信号にビームフォーミングを施すことで、そのユーザ端末200が位置するセル内でチャネル利得が大きい基地局アンテナの方向に利得が得られるため、実効的なチャネル利得が増大する。
また、本実施形態においては、図13に示すように、複数の隣接セルから成るクラスタ(例えば、図13のCell distributionにおけるセル1、2、3、4)内の各セル内ユーザに対し、サブキャリアの位相が異なる上り参照信号を割り当てる。さらに、本実施形態においては、他セルのセル内ユーザに割り当てている位相には上り参照信号を割り当てないように構成する。つまり、上り回線においては、各ユーザ端末200から送信される上り参照信号を隣接セル感で異なるサブキャリアに割り当てて周波数分割多元接続することとする。このような構成により、隣接セル間の干渉を抑制することができる。
また、本実施形態においては、図14に示すように、同一セル内のユーザについて、同じサブキャリア位相の上り参照信号に相互相関特性に優れる複数の系列を割り当てることで符号多重する。なお、この符号多重を行う代わりに、図15に示すようにセル内ユーザ用にサブキャリア位相をさらに分割し、異なるユーザに異なるサブキャリア位相が割り当てられるようにして多重する構成も考えられる。このような構成にすることで、従来例3の利点を生かしつつ、隣接セル間の干渉を抑制して上り参照信号の伝送品質を向上させ、結果として無線基地局100とユーザ端末200との間の通信品質を向上させることが可能になる。
また、本実施形態においては、図12に示したように、下り参照信号から得られたチャネル推定値を用いて送信ビームフォーミングウェイトベクトルを算出し、その送信ビームフォーミングウェイトベクトルを用いて上り参照信号にビームフォーミングを施す。このように、上り参照信号にビームフォーミングを施すことで、その上り参照信号は、ユーザ端末200の位置するセル内の基地局アンテナの中でチャネル利得が大きいアンテナ方向に利得が得られるようになり、自セル内の基地局アンテナにおける上り参照信号の受信電力が増大する。その結果、実効チャネル利得が増大する。
以上、本実施形態に係る技術的構成について説明した。次に、より具体的な無線基地局100、及びユーザ端末200の構成について説明する。
[具体的な構成例]
ここでは、図16、図17を参照しながら、本実施形態に係る無線基地局100、及びユーザ端末200の具体的な構成例について説明する。図16は、本実施形態に係る無線基地局100の具体的な構成例を示す説明図である。また、図17は、本実施形態に係るユーザ端末200の具体的な構成例を示す説明図である。
ここでは、図16、図17を参照しながら、本実施形態に係る無線基地局100、及びユーザ端末200の具体的な構成例について説明する。図16は、本実施形態に係る無線基地局100の具体的な構成例を示す説明図である。また、図17は、本実施形態に係るユーザ端末200の具体的な構成例を示す説明図である。
まず、図16を参照する。図16に示すように、無線基地局100は、ユーザ選択部102と、AMC部104と、ユーザ別参照信号多重部106と、送信ビームフォーミング部109と、アンテナ共通セル固有参照信号多重部110と、OFDM部112と、チャネルベクトル評価部114とを有する。
まず、アンテナ共通セル固有参照信号多重部110において、NT本の基地局アンテナ間で共通の下り参照信号が生成される。そして、アンテナ共通セル固有参照信号多重部110は、送信データに下り参照信号を多重して送信フレームを生成する。アンテナ共通セル固有参照信号多重部110で生成された送信フレームは、各基地局アンテナに対応するOFDM部112に入力される。OFDM部112は、送信フレームを直並列変換し、並列化されたビット列を互いに直交する複数のサブキャリア信号に変換した後、そのサブキャリア信号に逆フーリエ変換(IFFT)を施してOFDM信号を生成する。OFDM部112で生成されたOFDM信号は、それぞれ対応する基地局アンテナから送信される。
次に、図17を参照する。図17に示すように、ユーザ端末200は、主に、GI除去&FFT部202と、チャネルベクトル推定部204と、送信ウェイトベクトル算出部206と、Sounding参照信号生成部208と、送信ビームフォーミング部210と、IFFT&GI付加部212とを有する。さらに、ユーザ端末200は、ビームフォーミングチャネル行列推定部214と、MMSEウェイト算出部216と、Post−MMSE用SINR推定部218と、MCS選択部220と、受信ビームフォーミング部222と、ターボ復号部224とを有する。
また、ユーザ端末200は、複数の端末アンテナ(#1〜#nR)を有し、当該複数の端末アンテナを用いて無線基地局100により送信されたOFDM信号を受信する。複数の端末アンテナで受信されたOFDM信号は、GI除去&FFT部202に入力される。なお、図17に記載されたSWは、送信経路と受信経路とを切り替えるためのスイッチである。GI除去&FFT部202は、入力されたOFDM信号にガードインターバルが付加されている場合に、そのガードインターバルを除去する。さらに、GI除去&FFT部202は、OFDM信号に高速フーリエ変換(FFT)を施してサブキャリア信号に変換する。
GI除去&FFT部202における変換処理の出力は、チャネルベクトル推定部204に入力される。なお、図17は、m番目のサブキャリアに注目する形で記載されており、他のサブキャリアに関する記載を省略している。但し、他のサブキャリアについても、m番目のサブキャリアと同じ処理が施される。サブキャリア信号が入力されると、チャネルベクトル推定部204は、入力されたサブキャリア信号に多重された下り参照信号を用いてチャネルベクトルを推定する。このようにしてチャネルベクトル推定部204で推定された各チャネルベクトルは、送信ウェイトベクトル算出部206に入力される。
チャネルベクトルが入力されると、送信ウェイトベクトル算出部206は、入力されたチャネルベクトルの複素共役を算出し、さらに電力正規化を施して上り参照信号用のビームフォーミングウェイトベクトル(送信ウェイトベクトル)を生成する。送信ウェイトベクトル算出部206で算出された送信ウェイトベクトルは、送信ビームフォーミング部210に入力される。送信ビームフォーミング部210には、さらにSounding参照信号生成部208から上り参照信号が入力される。
Sounding参照信号生成部208では、上り参照信号としてZadoff−Chu系列が生成される。Zadoff−Chu系列は、自己相関特性に優れた系列の一例である。また、Zadoff−Chu系列を循環シフトして得られる複数の系列は、相互相関特性に優れた系列の一例である。Sounding参照信号生成部208は、上り参照信号としてZadoff−Chu系列を生成する際、自セルと同じサブキャリアが利用される他セルが存在する場合に、他セルと異なる系列インデックスを持つ系列を上り参照信号に利用する。さらに、Sounding参照信号生成部208は、同一セル内のユーザ毎に異なるシフトインデックスを持つ系列を上り参照信号として生成する。そして、Sounding参照信号生成部208で生成されたZadoff−Chu系列は、上り参照信号として送信ビームフォーミング部210に入力される。
送信ビームフォーミング部210は、Sounding参照信号生成部208から入力された上り参照信号に対し、送信ウェイトベクトル算出部206から入力された送信ウェイトベクトルを乗積する。送信ビームフォーミング部210による乗積演算の出力は、IFFT&GI付加部212に入力される。IFFT&GI付加部212では、送信ビームフォーミング部210による乗積演算の出力に逆フーリエ変換が施され、ガードインターバルが付加されて分散FDMA信号が生成される。そして、IFFT&GI付加部212で生成された分散FDMA信号(上り参照信号)は、複数の端末アンテナを介して時分割複信により無線基地局100に送信される。
再び図16を参照する。各ユーザ端末200から送信された上り参照信号は、無線基地局100が有する複数の基地局アンテナを介して受信される。基地局アンテナを介して受信された上り参照信号は、チャネルベクトル評価部114に入力される。チャネルベクトル評価部114では、複数のユーザ端末200から受信した上り参照信号をユーザ毎に分離し、周波数方向に沿ってリソースブロック毎のチャネル推定を行う。チャネルベクトル評価部114によるチャネル推定で得られたチャネルベクトルは、ユーザ選択部102、及び送信ビームフォーミング部109に入力される。
チャネルベクトルが入力されると、ユーザ選択部102は、入力されたチャネルベクトルを用いて、下り送信ビームフォーミング後のデータ伝送スループットが最大となるように、複数のユーザ端末200(#1〜#K)の中からNU台のユーザ端末200を選択する。ユーザ選択部102により選択されたユーザ端末200の情報は、送信ビームフォーミング部109に入力される。送信ビームフォーミング部109では、ユーザ選択部102により選択されたユーザ端末200の組み合わせに対する送信ビームフォーミングウェイト行列を算出する。
また、送信ビームフォーミング部109には、ユーザ別参照信号多重部106により生成されたユーザ毎に固有の下り参照信号が入力される。ユーザ別参照信号多重部106で生成される下り参照信号は、アンテナ共通セル固有参照信号多重部106で生成される下り参照信号とは異なり、ユーザ選択部102で選択されたユーザ毎に生成された固有の下り参照信号である。そこで、送信ビームフォーミング部109は、算出した送信ビームフォーミング行列を用いてユーザ毎に固有の下り参照信号に送信ビームフォーミングを施し、OFDM部112を介して複数の基地局アンテナから送信する。
再び図17を参照する。無線基地局100から送信されたOFDM信号は、ユーザ端末200が備える複数の端末アンテナで受信され、GI除去&FFT部202でサブキャリア信号に変換され、ビームフォーミングチャネル行列推定部214に入力される。ビームフォーミングチャネル行列推定部214では、自ユーザに向けて送信されたユーザ固有の下り参照信号、及び他ユーザに向けて送信されたユーザ固有の下り参照信号から、ビームフォーミング後のチャネル行列が推定される。ビームフォーミングチャネル行列推定部214で推定されたチャネル行列は、MMSEウェイト算出部216に入力される。
MMSEウェイト算出部216では、入力されたチャネル行列からチャネル推定値の推定精度不足及びチャネル時変動によるユーザ間干渉を除去するためのMMSE受信ビームフォーミングウェイトベクトルを算出する。MMSEウェイト算出部216で算出されたMMSE受信ビームフォーミングウェイトベクトルは、Post−MMSE用SINR推定部218に入力され、MMSE受信ビームフォーミング後のSINRが推定される。
Post−MMSE用SINR推定部218で推定されたSINRは、MCS選択部220に入力される。MCS選択部220では、入力されたSINRの値から、誤り無く復号可能であり、かつ、最大の伝送速度を達成することが可能なModulation and coding set(MCS)が選択される。そして、MCS選択部220で選択されたMCSインデックスは、無線基地局100へ帰還される。
再び図16を参照する。各ユーザ端末200から帰還されたMCSインデックスは、AMC部104に入力される。そして、AMC部104では、入力されたMCSインデックスに基づいて送信データに誤り訂正符号化及び変調マッピングが施され、送信ビームフォーミング部109に入力される。なお、AMCは、Adaptive Modulation and Codingの略である。また、誤り訂正符号としては、例えば、Turbo符号が用いられる。送信ビームフォーミング部109は、AMC部104で誤り訂正符号化及び変調マッピングが施された送信データに送信ビームフォーミングを施し、OFDM部112を介して複数の基地局アンテナからOFDM信号を送信する。
再び図17を参照する。無線基地局100から受信したOFDM信号は、GI除去&FFT部202によりサブキャリア信号に変換され、ビームフォーミングチャネル行列推定部214、及び受信ビームフォーミング部222に入力される。ビームフォーミングチャネル行列推定部214では、再び自ユーザ向けのユーザ固有参照信号、及び他ユーザ向けのユーザ固有参照信号からビームフォーミング後のチャネル行列が推定される。そして、ビームフォーミングチャネル行列推定部214で推定されたチャネル行列はMMSEウェイト算出部216に入力される。
MMSEウェイト算出部216では、入力されたチャネル行列を用いてMMSE受信ビームフォーミングウェイトベクトルが算出され、受信ビームフォーミング部222に入力される。受信ビームフォーミング部222では、GI除去&FFT部202から入力されたサブキャリア信号に対し、MMSEウェイト算出部216で算出されたMMSE受信ビームフォーミングウェイトベクトルが乗積され、受信ビームフォーミングが施される。そして、受信ビームフォーミング部222の出力は、ターボ復号部224に入力される。ターボ復号部224では変調デマッピング及びTurbo復号が行われ、データストリームが再生される。
以上、本実施形態に係る具体的なシステム構成について説明した。上記のように、下り参照信号及び上り参照信号を構成することで、隣接セル間の干渉を抑制することが可能になり、分散アンテナ無線アクセスシステムにおける通信品質を向上させることができる。より詳細に述べる。本実施形態では、分散アンテナ無線アクセスシステムにおいて時分割複信を基にした伝送効率の良い上り参照信号と下り参照信号を構成することができる。その結果、隣接セル間干渉が軽減される。さらに、ビームフォーミングによりチャネル利得の大きなチャネルを形成することができるため、この参照信号により得られるチャネル推定値を用いて分散アンテナ無線アクセスシステムによるデータ伝送用マルチユーザMIMO送信ビームフォーミング及び受信ビームフォーミングを行なうことにより、更に伝送特性を向上させることが可能になる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 無線基地局
12 送信データ生成部
14 アンテナ間直交セル固有参照信号多重部
16 OFDM部
18 量子化チャネルベクトル復元部
20 ユーザ端末
22 GI除去&FFT部
24 チャネル行列推定部
26 アンテナ合成チャネルベクトル量子化部
32 Zadoff−Chu系列生成部
34 循環シフト部
36 サブキャリアマッピング部
38 IFFT&GI付加部
100 無線基地局
102 ユーザ選択部
104 AMC部
106 ユーザ別参照信号多重部
108 送信データ生成部
109 送信ビームフォーミング部
110 アンテナ共通セル固有参照信号多重部
112 OFDM部
114 チャネルベクトル評価部
200 ユーザ端末
202 GI除去&FFT部
204 チャネルベクトル推定部
206 送信ウェイトベクトル算出部
208 Sounding参照信号生成部
210 送信ビームフォーミング部
212 IFFT&GI付加部
214 ビームフォーミングチャネル行列推定部
216 MMSEウェイト算出部
218 Post−MMSE用SINR推定部
220 MCS選択部
222 受信ビームフォーミング部
224 ターボ復号部
12 送信データ生成部
14 アンテナ間直交セル固有参照信号多重部
16 OFDM部
18 量子化チャネルベクトル復元部
20 ユーザ端末
22 GI除去&FFT部
24 チャネル行列推定部
26 アンテナ合成チャネルベクトル量子化部
32 Zadoff−Chu系列生成部
34 循環シフト部
36 サブキャリアマッピング部
38 IFFT&GI付加部
100 無線基地局
102 ユーザ選択部
104 AMC部
106 ユーザ別参照信号多重部
108 送信データ生成部
109 送信ビームフォーミング部
110 アンテナ共通セル固有参照信号多重部
112 OFDM部
114 チャネルベクトル評価部
200 ユーザ端末
202 GI除去&FFT部
204 チャネルベクトル推定部
206 送信ウェイトベクトル算出部
208 Sounding参照信号生成部
210 送信ビームフォーミング部
212 IFFT&GI付加部
214 ビームフォーミングチャネル行列推定部
216 MMSEウェイト算出部
218 Post−MMSE用SINR推定部
220 MCS選択部
222 受信ビームフォーミング部
224 ターボ復号部
Claims (10)
- セル内に分散して配置された複数のアンテナと、
前記複数のアンテナを用いて時分割複信により信号を送信する信号送信部と、
を備え、
前記信号送信部は、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数のアンテナから同一の下り参照信号を送信することを特徴とする、無線基地局。 - 前記信号送信部は、隣接セルで信号が割り当てられていない時間・周波数空間内の位置に前記下り参照信号を割り当てて送信すると共に、前記隣接セルで下り参照信号が割り当てられている時間・周波数空間内の位置に信号を割り当てないことを特徴とする、請求項1に記載の無線基地局。
- セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを用いて時分割複信で信号を送信する無線基地局により、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号が送信された場合に、当該下り参照信号を複数の端末アンテナで受信する信号受信部と、
前記信号受信部で受信された下り参照信号に基づいてチャネルベクトルを推定するチャネルベクトル推定部と、
前記チャネルベクトル推定部で推定されたチャネルベクトルを用いて前記時分割複信の上り参照信号に対するビームフォーミングウェイトを算出し、当該ビームフォーミングウェイトを用いて前記上り参照信号にビームフォーミングを施すビームフォーミング部と、
前記ビームフォーミング部によりビームフォーミングが施された上り参照信号を前記複数の端末アンテナから送信する信号送信部と、
を備えることを特徴とする、無線端末。 - 前記信号送信部は、隣接セル間で前記上り参照信号の送信に用いるサブキャリアが異なるように周波数分割多元接続を用いて前記上り参照信号を送信することを特徴とする、請求項3に記載の無線端末。
- 前記信号送信部は、他のセルと同一のサブキャリアを用いて前記上り参照信号を送信する場合に前記他のセルで送受信される上り参照信号との間に相互相関特性を持つ信号系列を用いて前記上り参照信号を送信することを特徴とする、請求項4に記載の無線端末。
- 前記信号送信部は、同一セル内に存在する他の無線端末が自己相関特性を持つ信号系列を用いて上り参照信号を同時に送信する場合に、当該信号系列をサイクリックシフトさせた信号系列を用いて前記上り参照信号を符号分割多元接続により送信することを特徴とする、請求項5に記載の無線端末。
- 前記信号送信部は、同一セル内に存在する他の無線端末と同時に上り参照信号を送信する場合に、前記他の無線端末が上り参照信号の送信に用いるサブキャリアと異なるサブキャリアを用いて前記上り参照信号を周波数分割多元接続により送信することを特徴とする、請求項5に記載の無線端末。
- セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナ、及び前記複数の基地局アンテナを用いて時分割複信により信号を送信する信号送信部を備え、前記信号送信部を用いて、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号を送信する無線基地局と、
複数の端末アンテナ、前記無線基地局の信号送信部から送信された下り参照信号を前記複数の端末アンテナで受信する信号受信部、前記信号受信部で受信された下り参照信号に基づいてチャネルベクトルを推定するチャネルベクトル推定部、前記チャネルベクトル推定部で推定されたチャネルベクトルを用いて前記時分割複信の上り参照信号に対するビームフォーミングウェイトを算出し、当該ビームフォーミングウェイトを用いて前記上り参照信号にビームフォーミングを施すビームフォーミング部、及び、前記ビームフォーミング部によりビームフォーミングが施された上り参照信号を前記複数の端末アンテナから送信する信号送信部を備える無線端末と、
を含むことを特徴とする、分散アンテナ無線アクセスシステム。 - セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを有する無線基地局が、時分割複信により信号を送信する信号送信ステップを含み、
前記信号送信ステップでは、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号を送信することを特徴とする、無線通信方法。 - セル内に分散して配置された複数の基地局アンテナを用いて時分割複信で信号を送信する無線基地局により、前記時分割複信の下り回線において同一セル内に配置された前記複数の基地局アンテナから同一の下り参照信号が送信された場合に、複数の端末アンテナを有する無線端末が、
前記複数の端末アンテナで前記下り参照信号を受信する信号受信ステップと、
前記信号受信ステップで受信された下り参照信号に基づいてチャネルベクトルを推定するチャネルベクトル推定ステップと、
前記チャネルベクトル推定ステップで推定されたチャネルベクトルを用いて前記時分割複信の上り参照信号に対するビームフォーミングウェイトを算出し、当該ビームフォーミングウェイトを用いて前記上り参照信号にビームフォーミングを施すビームフォーミングステップと、
前記ビームフォーミングステップでビームフォーミングが施された上り参照信号を前記複数の端末アンテナから送信する信号送信ステップと、
を含むことを特徴とする、無線通信方法。
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