JP2010278389A - バリアブルキャパシタ - Google Patents

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Shigeo Kakumoto
茂生 角本
Hiroshi Jo
寛史 城
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Abstract

【課題】機械的消耗を減らして寿命を延ばすことができるとともに、可動分解能が比較的粗い時においても静電容量を微調整することができるバリアブルキャパシタを提供する。
【解決手段】真空容器1に正負2枚の集電導体11,12を相対するように設け、これら集電導体の対向面に、これら集電導体と直交する向きに固定電極2を複数枚平行に取り付けてあり、これら複数枚の固定電極は一方の前記集電導体11側に電極部13を、他方の前記集電導体12側に非電極部14をそれぞれ備え、前記固定電極に接触せず且つ該固定電極と平行に可動電極3を複数枚配設し、これら可動電極は前記集電導体と直交する方向に移動して、前記可動電極と前記固定電極の電極部とが重なる面積に応じて静電容量が変化するように構成してあることを特徴とするバリアブルキャパシタ。
【選択図】図1

Description

本発明は、大電力送信機の発振回路、半導体製造装置用の高周波電源、あるいは誘導加熱装置のタンク回路などに用いられるバリアブルキャパシタに関するものである。
従来のバリアブルキャパシタを図5に示す。図5に示すバリアブルキャパシタは、真空容器50の一面に固定集電導体51を備え、これと相対するように真空容器50内に可動集電導体52を設けてある。それぞれの集電導体51,52には電極53,54を取り付けてある。これら電極53,54は集電導体51,52と直交する向きに取り付けてある。可動集電導体52は固定集電導体51に向かって移動するが、その際に互いの電極53,54が接触しないようにしてある。可動集電導体52には可動リード55が固着してあり、この可動リード55には調整ねじ56を取り付けてある。調整ねじ56を回動させることにより、可動集電導体52が移動して、可動電極54と固定電極53とが重なる面積に応じて静電容量が変化するように構成してある。(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平5−41335号公報 特開2000−58385号公報
しかし、上記バリアブルキャパシタは、調整ねじを回動させて、静電容量を変化させていたため、例えば、調整ねじの磨耗などにより可動部分が消耗し、機械的に寿命を短くする課題がある。特に電流が大きくなると可動部分に負担が大きくなり、機械的寿命の短縮がより顕著となる。また、可動部分が消耗することにより、可動集電導体が正常に移動動できなくなると、バリアブルキャパシタの特徴である静電容量の可変ができなくなる。バリアブルキャパシタは比較的高額であるため、容易に交換できるものではない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、機械的消耗を減らして、従来品より寿命を延ばすことができるバリアブルキャパシタを提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係るバリアブルキャパシタは、真空容器に正負2枚の集電導体を相対するように設け、これら集電導体の対向面に、これら集電導体と直交する向きに固定電極を複数枚平行に取り付けてあり、これら複数枚の固定電極は一方の前記集電導体側に電極部を、他方の前記集電導体側に非電極部をそれぞれ備え、前記固定電極に接触せず且つ該固定電極と平行に可動電極を複数枚配設し、これら可動電極は前記集電導体と直交する方向に移動して、前記可動電極と前記固定電極の電極部とが重なる面積に応じて静電容量が変化するように構成してあることを特徴とする。
本発明に係るバリアブルキャパシタは、前記可動電極は、実際に前記固定電極の電極部が重なる面積に応じて静電容量が変化するために用いる主容量可動電極と、前記主容量可動電極に比べて容量が小さく、静電容量の変化の微調整を行うために用いる補助容量可動電極と、から構成し、それぞれの可動電極が別々に前記固定電極の電極部と非電極部で構成した固定電極領域内において、前記集電導体と直交する方向に移動するように構成してあることを特徴とする。
また、本発明に係るバリアブルキャパシタは、前記固定電極の電極部の長さを前記固定電極の非電極部の長さより長くしてあることを特徴とする。
さらに、本発明に係るバリアブルキャパシタは、前記可動電極を一体的に移動するように構成してあることを特徴とする。
本発明によれば、上記構成により、集電導体を移動させない構造にしてあるため、集電導体が機械的に消耗することを大幅に減らすことができる。これにより、本来の目的である静電容量の可変動作を長期間行うことができる。また、上記構成より、電流の大きさに影響を受けずに、長期間静電容量の可変動作を行うことができる効果を有する。
また、本発明によれば、可動電極は電極部と非電極部とで構成する固定電極領域内を移動する構造になっているため、可動分解能が比較的粗い時においても静電容量を微調整することができる効果を有する。
さらに、本発明によれば、可動電極は、実際に固定電極の電極部が重なる面積に応じて静電容量が変化するために用いる主容量可動電極と、前記主容量可動電極に比べて容量が小さく、静電容量の変化の微調整を行うために用いる補助容量可動電極と、から構成し、それぞれの可動電極が別々に固定電極の電極部と非電極部で構成した固定電極領域内において、集電導体と直交する方向に移動するように構成していることにより、より精密に静電容量を微調整することができる効果を有する。
本発明に係るバリアブルキャパシタにおける発明を実施するための最良の形態の構成を示す斜視図である。 図1図示バリアブルキャパシタの動作を示す構成図である。 同じく図1図示バリアブルキャパシタの別の動作を示す構成図である。 同じく図1図示バリアブルキャパシタの別の動作を示す構成図である。 従来のバリアブルキャパシタに一例を示す構成図である。
発明を実施するための最良の形態に係るバリアブルキャパシタの静電容量が変化する動作を理解することができる状態の構成斜視図を図1に示し、動作を示す構成図を図2乃至図4に示す。また、図2乃至図4のそれぞれ(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図を示してある。この実施形態に係るバリアブルキャパシタは、六面体の真空容器1を設けてある。
図1における真空容器1の平面及び底面には正負2枚の集電導体11,12を相対するように設けてある。これら集電導体11,12の対向面から固定電極2を複数枚取り付けて一体的にしてあり、これら固定電極2は集電導体11,12と直交する向きに且つ、各固定電極2がそれぞれ平行になるように取り付けてある。これら複数枚の固定電極2は一方の集電導体11側には、後述する可動電極が重なると静電容量が変化する電極部13を、他方の集電導体12側には、可動電極が重なっても静電容量が変化しない非電極部14をそれぞれ備え、電極部13と非電極部14との間に、且つ、真空容器1の2枚の集電導体11,12と平行になるように、隙間を設けて固定電極2を配設してある。なお、本実施例では、電極部13の長さを非電極部14の長さより長くしてある。これは可動電極3の一部が常に電極部13内の領域内に有するためである。この際、2枚の電極部13と非電極部14との間に空間ができるが、この空間は後述する可動電極が移動可能な固定電極領域になり、可動電極がこの固定電極領域内を移動して、静電容量が変化するように構成してある。
また、このバリアブルキャパシタは可動電極3と固定電極2の電極部13とが重なる面積に応じて静電容量が変化するように構成してあることを特徴としているが、本実施形態に係る可動電極3は以下のように構成してある。先ず、可動電極3は複数枚の板状体で且つ、固定電極2より短い長さで構成し、可動電極3は2枚の集電導体11,12と直交する向きに且つ、各可動電極3がそれぞれ平行になるように取り付けてある。また、これら可動電極3は固定電極2に接触せず且つ固定電極2と平行になるように配設してある。
本実施形態に係るバリアブルキャパシタは以上のように構成してあり、以下のように作用する。先ず、本発明に係るバリアブルキャパシタは可動電極3が固定電極2の電極部13と重なる面積に応じて静電容量が変化する。具体的には、この容器1内の静電容量をC(F)とし、真空の誘電率をε0(=8.9×10-12(F/m))、固定電極2の電極部13と可動電極3とが重なる面積をS(m2)、可動電極3の先縁部と固定電極2の電極部13の先縁部との距離をd(m)とすると、静電容量C(F)は、下記数1となる。
Figure 2010278389
即ち、固定電極2の電極部13と可動電極3とが重なる面積が広くなるほど静電容量が大きくなり、可動電極3の先縁部と固定電極2の電極部13の先縁部との距離が拡がるほど静電容量が小さくなる。
続いて、可動電極3の移動による態様について説明する。本実施形態では、主容量可動電極15と補助容量可動電極16との2つの可動電極3を備えてある。主容量可動電極15は、2つの可動電極3のうち、容量が大きい方で、固定電極2の電極部13が重なる面積に応じて静電容量が変化するために用いる。一方、補助容量可動電極16は、主容量可動電極15に比べて極めて小さく、静電容量の変化の微調整を行うために用いる。主容量可動電極15と補助容量可動電極16をそれぞれ別々に移動させることにより、静電容量を微調整することができる。実際には、先ず、主容量可動電極15を可動させて、静電容量を調整し、さらに補助容量可動電極16を可動させて、静電容量を微調整することが好ましい。ただし、後述する図2乃至図4に示す実施形態においては、説明の便宜上、主容量可動電極15と補助容量可動電極16とを同様に移動させて、静電容量を調整してある。
先ず、固定電極2の電極部13と可動電極3とが重なる面積が最も広い場合について説明する。これについては図2に示すとおりである。この場合、数1で明らかなように、固定電極2の電極部13と可動電極3とが重なる面積が最も広く、可動電極3の先縁部と固定電極2の電極部13の先縁部との距離が最も短く。そのため、静電容量が最も大きい。
続いて、静電容量が最大でも最小でもない場合、即ち、可動電極3の一部が固定電極2の電極部13内に有する場合について説明する。これについては図3に示すとおりである。前述した通り、可動電極3が固定電極2の電極部13と重なる面積に応じて静電容量が変化する。
続いて、可動電極3が固定電極2の非電極部14側に移動して、固定電極2の電極部13と可動電極3とが重なる面積が最も狭い場合について説明する。これについては図4に示すとおりである。この場合、数1で明らかなように、固定電極2の電極部13と可動電極3とが重なる面積が一番狭く、可動電極3の先縁部と固定電極2の電極部13の先縁部との距離が最も長い。そのため、静電容量が最も小さい。
以上のようにバリアブルキャパシタを構成したことにより、従来のような調整ねじを回動させて、静電容量を変化させることはないため、機械的に消耗することはほとんどあり得ず、静電容量の可変動作を長期間行うことができる。また、上記構成より、電流の大きさに影響を受けずに、長期間静電容量の可変動作を行うことができる。
また、可動電極3は電極部13と非電極部14とで構成する固定電極領域内を移動する構造になっているため、可動分解能が比較的粗い時においても静電容量を微調整することができる。
さらに、可動電極3は、実際に固定電極2の電極部が重なる面積に応じて静電容量が変化するために用いる主容量可動電極15と、この主容量可動電極15に比べて容量が小さく、静電容量の変化の微調整を行うために用いる補助容量可動電極の2つの可動電極と、から構成し、それぞれの可動電極15,16が別々に固定電極2の電極部13と非電極部14で構成した固定電極2の領域内において、集電導体1と直交する方向に移動するように構成していることにより、より精密に静電容量を微調整することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている内容が本発明の技術的範囲に属する。
本発明によれば、集電導体を移動させない構造にしてあるため、集電導体が機械的に消耗することを大幅に減らすことができる。これにより、本来の目的である静電容量の可変動作を長期間行うことができる。また、上記構成より、電流の大きさに影響を受けずに、長期間静電容量の可変動作を行うことができ、産業上利用可能である。
また、本発明によれば、可動電極は電極部と非電極部とで構成する固定電極領域内を移動する構造になっているため、可動分解能が比較的粗い時においても静電容量を微調整することができ、産業上利用可能である。
1 真空容器
11,12 集電導体
2 固定電極
13 電極部
14 非電極部
3 可動電極
15 主容量可動電極
16 補助容量可動電極

Claims (4)

  1. 真空容器に正負2枚の集電導体を相対するように設け、これら集電導体の対向面に、これら集電導体と直交する向きに固定電極を複数枚平行に取り付けてあり、これら複数枚の固定電極は一方の前記集電導体側に電極部を、他方の前記集電導体側に非電極部をそれぞれ備え、前記固定電極に接触せず且つ該固定電極と平行に可動電極を複数枚配設し、これら可動電極は前記集電導体と直交する方向に移動して、前記可動電極と前記固定電極の電極部とが重なる面積に応じて静電容量が変化するように構成してあることを特徴とするバリアブルキャパシタ。
  2. 前記可動電極は、実際に前記固定電極の電極部が重なる面積に応じて静電容量が変化するために用いる主容量可動電極と、前記主容量可動電極に比べて容量が小さく、静電容量の変化の微調整を行うために用いる補助容量可動電極と、から構成し、それぞれの可動電極が別々に前記固定電極の電極部と非電極部で構成した固定電極領域内において、前記集電導体と直交する方向に移動するように構成してあることを特徴とする請求項1記載のバリアブルキャパシタ。
  3. 前記固定電極の電極部の長さを前記固定電極の非電極部の長さより長くしてあることを特徴とする請求項1又は2記載のバリアブルキャパシタ。
  4. 前記可動電極を一体的に移動するように構成してあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のバリアブルキャパシタ。
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