JP2010278051A - 結晶化照射方法および結晶化照射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】必要な部分のみを照射することで設備の小型化かつ安価を実現でき、生産性の高い結晶化処理が可能な半導体の結晶化照射方法および結晶化照射装置を提供する。
【解決手段】レーザ発振器1から出射したレーザビームLを回折光学素子3により複数に分岐し、テレセントリックfθレンズ4と、分岐されたレーザビームLのビーム列に対して直交する方向に移動する移載ステージ6とを使用して、基板5上に形成されるトランジスタ位置のピッチごとにレーザビームLを照射する。これにより、照射痕が少なく、プロセスパラメータの変更が少なく、かつ基板5への熱負荷が少ない状態で、複数のトランジスタ位置を同時にかつ均一に結晶化することができる。
【選択図】図1
【解決手段】レーザ発振器1から出射したレーザビームLを回折光学素子3により複数に分岐し、テレセントリックfθレンズ4と、分岐されたレーザビームLのビーム列に対して直交する方向に移動する移載ステージ6とを使用して、基板5上に形成されるトランジスタ位置のピッチごとにレーザビームLを照射する。これにより、照射痕が少なく、プロセスパラメータの変更が少なく、かつ基板5への熱負荷が少ない状態で、複数のトランジスタ位置を同時にかつ均一に結晶化することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、基板上に形成されたアモルファス半導体膜にレーザビームを照射し、ポリシリコンに半導体膜を結晶化する方法、およびそれを用いた結晶化装置に係り、特にレーザビームを分岐させて同時加工することが可能な結晶化照射方法および結晶化照射装置に関するものである。
近年、パソコン,携帯情報端末、およびテレビなどの表示手段として、液晶や有機ELを用いたディスプレイの需要が高まっている。この液晶や有機ELディスプレイの駆動回路・制御回路などを構成する薄膜トランジスタは、1画素(約500μm×約200μm)あたり1,2個設けられ、その大きさが約50μ×約20ミクロンの長方形の多結晶シリコンで形成されている。
ディスプレイ用の大型のガラス基板上に形成される多結晶シリコンは、一般に、基板上にCVD法によりアモルファスシリコン膜を成長させると共に、そのアモルファスシリコン膜をレーザビーム照射により融解・再結晶化させることにより形成される。
従来のレーザ発振器にはエキシマレーザが用いられている。この理由としては、エキシマレーザの紫外光はシリコンに対して吸収がよいこと、あるいはエキシマレーザによる短パルス幅(20ns)がガラス基板に対して熱影響がないことが挙げられる。
しかし、近年ではメンテナンス費用がかかり、かつ手間がかかるエキシマレーザに代わって、出力安定性に優れパルスばらつきの少ない固体レーザ(YAG,YLF,YVO4レーザなどの第2高調波SHG)を用いた設備が開発されている。
図9は従来のレーザを用いた結晶化方法を説明するための要部拡大図であり、101はレーザビーム、102は結晶化シリコン、103はアモルファスシリコン、104は基板を示している。
図9において、レーザビーム101は、ホモジナイザと呼ばれる光学系により、長手方向に数mmから数100mm、また短手方向に約数10μmのラインビーム状に整形され、長軸方向がトップハットビームに整形されている。
基板104上のアモルファスシリコン103の未照射部分は、結晶化されておらずアモルファス(非晶質)の状態にあり、レーザビーム101が照射されると結晶化シリコン102に変化する。レーザビーム101は、その短軸方向に走査されるが、基板104全体を照射するには、長軸方向にもレーザビーム101を移動させる必要がある。その際、レーザビーム101の長手方向の重ね合わせは、繋ぎ目がないように工夫する必要がある(例えば特許文献1参照)。
また、大出力レーザを長軸方向に数100mm以上のレーザビームに整形して、繋ぎ目のないレーザビーム照射する方法においては、装置の大型化、あるいはシームレスな重ね合わせなどが課題となる。
一方、レーザビームをライン状に整形して走査するのではなく、レーザビームを回折光学素子により分割して多ビームを形成し、それらをガルバノミラーなどにより走査させることによりレーザビーム照射する方法がある。
特許文献1には、レーザ発振器とガルバノミラーなどの偏向手段との間に回折光学素子を配置し、レーザビームを多分岐してfθレンズなどの集光レンズにより集光し、多分岐レーザビームによる同時加工を行えるようにした構成が記載されている。
前記構成のように、回折光学素子がガルバノミラーよりレーザ発振器に設けられた場合、fθレンズの瞳位置における回折光学素子によるレーザビームの分散角と、ガルバノミラーによる偏向角との和または差が光軸に対してなす角度となる。その分、fθレンズの許容振れ角でのガルバノミラーの振れ角の片側が狭くなる。
また、回折光学素子におけるビームの分散角がfθレンズの瞳径を超えないという制約があるので、回折光学素子を瞳位置から離れた位置に設置すると、ビームの分散角がfθレンズの瞳位置で瞳径を超えて、レーザビームの一部が遮られる場合がある。
また、fθレンズの瞳中心からオフセットして離れたレーザビームが角度θを持った場合の集光ビーム位置は、瞳中心から角度θを持ったレーザビームと同じく光軸中心からfθの位置に集光するが、レーザビームは斜めからfθ位置に照射することになる。
オフセット量が少ない場合、斜め照射の角度が小さく加工に対する影響は少ないが、できるだけ照射ビームは加工対象に垂直に照射することが望ましい。そのためにfθレンズとしてテレセントリックfθレンズを使用することにより、正確な位置に垂直にビーム照射することができる。
回折光学素子を設置する位置は瞳位置で瞳中心をレーザビームが通過し、テレセントリックfθレンズを使用することにより所定の位置にビームを集光させることができる。
このため、回折光学素子の設置位置が特許文献1に記載されているレーザ発振器とガルバノミラーとの間にある場合には、レーザビームはfθレンズに遮られ、特許文献2に記載されているように、どこに設置してもよい場合にも同様にレーザビームは遮られる。
また、特許文献3に記載されているように、回折光学素子がfθレンズと加工対象の間にある場合には加工対象からの距離が近く、加工による部材破片などのデブリによる回折光学素子への汚れや、fθレンズ径と同等な大きさの回折光学素子が必要となり、高価な回折光学素子となっている。
ガルバノミラーとfθレンズと回折光学素子とを用いた照射方式により、一度に複数の部位を加工する場合を考える。この場合、fθレンズの作用は、fθレンズの瞳位置における中心軸となす角度がθであるとすると、そのfθ成分だけ中心軸から離れた位置に集光されることになる。また瞳位置には瞳径があり、これは一種のマスクのような作用をしている。よって、瞳径から外れたレーザビームは、fθレンズにより遮られることになり、正しく集光されない。
また、ガルバノミラーの走査速度は、プリント孔加工の場合、最大で1500孔/秒程度(2KHz以下の動作速度)の速度であるため、照射できる領域の数は1秒間にビーム分岐数×1500個程度になり、生産性を高めるためにガルバノミラーの高速化が考えられる。その高速化にはミラー径を小さくする方法があるが、回折格子による分岐ビーム束を反射させるために、極端にミラー径を小さくすることができず、高速度を有するガルバノミラーは現状では見当たらない。
このような事情を考慮した本発明の目的は、必要な部分のみを照射することで設備の小型化かつ安価を実現でき、生産性の高い結晶化処理が可能な半導体の結晶化照射方法および結晶化照射装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、レーザ発振器から出射したレーザビームを回折光学素子により複数に分岐させ、複数に分岐した前記レーザビームをテレセントリックfθレンズによってそれぞれ集光し、表面にアモルファス半導体膜が形成された基板に集光した前記レーザビームを照射し、前記基板に配列されたトランジスタを構成する前記アモルファス半導体膜を結晶化する結晶化照射方法において、前記テレセントリックfθレンズの瞳位置に配置された前記回折光学素子により、前記トランジスタの少なくとも縦横いずれかのピッチに一致した間隔に前記レーザビームを分岐させ、分岐した前記レーザビームのビーム列と直交する方向に前記レーザビームと相対的に前記基板を移動させ、前記ビーム列と直交する方向のピッチごとに前記レーザビームを所定時間または所定回数照射するようにした構成である。これにより簡単な構成で、回折光学素子による瞳位置での正確なレーザビーム分割と、テレセントリックfθレンズによる正確なレーザビームの位置照射が実現し、さらに移載ステージを高速でビーム列と直交に移動させることで、ガルバノミラーより高速な加工が行うことができる。
また、使用するレーザビームは直線偏光,波長400nm〜900nmであって、連続発振レーザかパルス発振レーザを用いることにより、紫外光を発する高価なエキシマレーザを用いず、安定な照射方法で、しかも安価な固体レーザにて発振する波長帯域でのレーザビーム照射を行うことが可能になる。
また、前記回折光学素子をその光軸方向を中心に回転させる回転手段と、前記回折光学素子と前記レーザ発振器との間に設けられて前記レーザビームを偏向させる偏向手段とを備え、前記制御手段により、前記回転手段と前記偏向手段とによって前記ビーム列を回転、平行移動させ、前記レーザビームを前記トランジスタのピッチごとに所定時間または所定回数照射させることにより、例えば、マザーガラスの大型化に対し、基板装填時に基板のアライメントを行う場合、ビーム列の回転方向の補正として基板を回転させるのではなく、ビーム列の光軸中心に回転させることによってθ補正を行い、また、偏向手段によりビーム列を所定の位置に移動させて照射位置の位置決めを行うことにより、大型化の基板の移載ステージに回転手段を設置することなく、容易な構成で基板の装填位置決めが可能になる。
本発明によれば、熱負荷が少なく、かつ均一に基板のトランジスタ形成位置にレーザビーム照射をすることができるため、アモルファス半導体膜の生産性の高い結晶化を行うことができる。
また、多点ビーム照射により生産性の高い安価な設備構造となり、小基板から大型基板まで対応することができる。
また、性能的にはパルス発振レーザを使用した場合でも照射痕が少なく、連続発振レーザを使用した場合でもプロセスパラメータの変更が少なく、基板への熱負荷が少なく複数の同時照射形成が可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る結晶化照射装置の概略構成図、図2は実施の形態1の結晶化照射装置における概略構成を示す側面図である。
図1は本発明の実施の形態1に係る結晶化照射装置の概略構成図、図2は実施の形態1の結晶化照射装置における概略構成を示す側面図である。
図1に示すように、レーザ発振器1から出射されたレーザ光のレーザビームLは、複数の折り返しミラー2a,2c,2dを経て、回折光学素子3に導光される。回折光学素子3は、石英などのガラス材料で形成されており、表面がエッティングされて微小な凹凸からなる回折格子が形成されている。
図2に示すように、レーザビームLは、回折光学素子3を透過すると表面の凹凸により回折され、光軸に対してそれぞれ一定の角度を持った複数のビームに分岐される。回折光学素子3は、レーザビームLを集光するテレセントリックfθレンズ4の瞳位置に対応して設置され、かつ折り返しミラー2b,2cの中央に対応して設置される。
テレセントリックfθレンズ4の瞳位置は、テレセントリックfθレンズ4により、その長さは異なるが、本実施の形態では比較的長い約100mm程度のものを用いる。また、その瞳径も一般的なものでよく、直径約20mm前後のものを用いる。
前記瞳位置を通過し、瞳径以下の大きさのビーム径を有するレーザビームLが光軸に対して角度θ傾いてテレセントリックfθレンズ4に入射すると、そのレーザビームLはテレセントリックfθレンズ4の照射範囲内で光軸からfθ離れた位置に集光する。その結果、回折光学素子3により様々な角度に分岐された複数のビームは、集光位置ではそれぞれfθだけ光軸から離れた位置に集光して基板5を照射する。
テレセントリックfθレンズ4の瞳径をはみ出したレーザビームLがテレセントリックfθレンズ4の振れ角を超えた場合(θが許容範囲を超えた場合)、そのレーザビームLはテレセントリックfθレンズ4に一部が遮られる。したがって、テレセントリックfθレンズ4の瞳位置に設置した回折光学素子3の分散角はテレセントリックfθレンズ4の許容角度以下に限定される。
テレセントリックfθレンズ4の瞳位置の長さは、テレセントリックfθ4と瞳位置との距離で示され、例えば、長い瞳位置を有するテレセントリックfθレンズ4を用いれば、図1に示す折り返しミラー2bの設置が可能であり、回折光学素子3に近付けて設置すれば、ビーム分散によりビーム径が大きくなる前に、レーザビームLを折り返すことができる。
図1に示す構成において、テレセントリックfθレンズ4前の折り返しミラー2bを設置せずに、回折光学素子3からのレーザビームLがテレセントリックfθレンズ4に直接入射するようにしてもよい。
図1において回折光学素子3は、X方向にレーザビームLがトランジスタ配列のピッチに等しく分岐されるように設計されている。基板5はX,Y方向に移動可能な移載ステージ6に載置されている。
図3は32インチディスプレイの寸法とその中に構成される画素の形状を示す説明図である。このディスプレイにおいて、結晶化に必要なトランジスタは、1画素内に約50μm×20μm程度の大きさでX方向,Y方向にそれぞれ0.45mm,0.15mmピッチで配列されている。
回折光学素子3によりX方向にレーザビームLを0.45mmピッチで1列に分岐した状態で、移載ステージ6により基板5をY方向に移動させ、Y方向0.15mmピッチごとにレーザ発振器1からレーザビームLを出射させることで、ディスプレイに配置されたトランジスタ位置を照射走査することができる。
前記照射走査を何度か行うことにより、ディスプレイ前面にレーザビームが照射される。照射中、移載ステージ6の速度を、例えば150mm/秒とすれば0.15mmピッチごとに設定されているトランジスタに対して1000個/列の照射が可能になり、またステージ速度を450mm/秒に設定すれば3000個/列の照射が可能になる。
ガルバノ動作による照射では、せいぜい1500個/列の照射速度であるから、移載ステージ6の速度を上げることにより加工速度,生産性を向上させることができる。例えば100分岐されたビーム列(ビーム列長さとして45mm)がディスプレイの長手方向のスキャン(走査)を約9往復(399mm/45mm)することで、結晶化のための照射ができる。
0.15mmピッチの照射は、例えば移載ステージ6に搭載したリニアエンコーダによって、その位置を検出し、そのパルスをトリガーとしてレーザ発振器1に入力することによりレーザビームLの出射が可能である。
レーザ発振器1のレーザ発振は、移載ステージ6の移動中に行われるがレーザのパルス幅は数100n秒以下であるので、たとえ移載ステージ6が連続して移動している間にパルスを発しても、そのパルス幅では1μm以下の移動量であるので、レーザビームLのオーバーラップによる照射ムラは発生しない。
レーザ発振器1が連続発振の場合では、トランジスタ部分だけの照射であるので基板5全体に対する熱影響は少なく、パルス発振と同様にトランジスタごとに一定時間照射したり、または移載ステージ6を一定速度で移動させたりして、所定の照射時間だけ照射することにより結晶化を行う。
図1に示す実施の形態1の光学経路において、レーザビームを平行光または拡大するコリメータ,エクスパンダーなどの光学部品を設置することにより、集光ビーム径を小さくしたり、ビーム形状を、例えばガウス分布のビームをトップハットに成形する光学系を設置することで、ビーム形状を維持したまま回折光学素子3によりビーム分岐をすることができる。
また、レーザビームLに直線偏光のレーザ光を用いることで、1/2波長板と偏光板(ポラライザー)の使用によりレーザ出力を可変にできる出力調整が可能になる。また、直線偏光の偏光角度は偏光板を回転させることで変え、結晶化の成長方向を変えることができる。直線偏光を持つレーザビームは、結晶化を行う方法や装置において、簡単な構成で汎用性をもたすことができる。
実施の形態1におけるレーザ発振器1を駆動するレーザ駆動部21のオン/オフ制御と、移動ステージ6のステージ駆動部22の制動などは、制御手段であるCPU(中央演算処理ユニット)20が各センサ,各部に対するデータの授受を行うことにより実行される。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2に係る結晶化照射装置の概略構成図である。なお、以下の説明において、図1,図2にて説明した部材と同一部材には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図4は本発明の実施の形態2に係る結晶化照射装置の概略構成図である。なお、以下の説明において、図1,図2にて説明した部材と同一部材には同一符号を付して、詳しい説明は省略する。
図4において、テレセントリックfθレンズ4の瞳位置に設置された回折光学部品3は、光軸中心に回転できるように回転手段8によってテレセントリックfθレンズ4の瞳位置に対応して保持されている。また、回折光学部品3とレーザ発振器1の間にあってレーザビームLを偏向させる偏向手段7a,7bが設置されている。一方の偏向手段7aはY方向、他方の偏向手段7bはX方向にビーム列を移動させる。偏向手段7a,7bの振れ角は約10°以下であり、最大振れ角の場合でもテレセントリックfθレンズ4の許容振れ角を超えない。
この場合、偏向手段7a,7bとしてガルバノスキャナーを使用することができるが、高周波数での走査や、振り角がμラジアンのオーダの場合にはピエゾ(圧電素子)のナノオーダの微小変位を利用した駆動方式や、非線形結晶に高電圧を加えてレーザ光を曲げる方式のスキャナー方式や、ポリゴンミラーを回転させる回転方式を使用することができる。
光学系の瞳位置を通過したレーザビームLは、折り返しミラー2bにより折り曲げられる。折り返しミラー2bは、ダイクロイックミラーなどを用いて加工に必要なレーザビームを反射し、加工点からの可視光を透過させる働きを有するものが好ましい。
折り返しミラー2bの上方に配されたCCDカメラ9は、加工点同時観察用のものであり、回折光学素子3を通過するレーザビームLの光軸中心(レンズ中心)に焦点を合わすことで、分岐されたレーサービームLのビーム列の0次光の位置が観察可能となる。CCDカメラ9はCMOSカメラでもよい。瞳位置がテレセントリックfθレンズ4から遠く離れている場合には、折り返しミラー2bが設置可能であり、その結果、同軸観察がCCDカメラ9により可能となる。
本実施の形態における基板5の回転方向の補正について図5〜図8を用いて説明する。図5〜図8は、図4に示すように、基板5が移載ステージ6に載置されている状態を示している。
基板5が移載ステージ6に対してθの回転角を持っているとすると、図5に示すように、基板5がθの角度を持って移載ステージ6に載置され、結晶化が必要なトランジスタ列11が斜めになっている状態となる。通常、基板5には回転補正用の2点以上のアライメントマーク12a,12bがある。移載ステージ6をX,Y方向に移動させ、2点のアライメントマーク12a,12bがなす角θを算出する。
この場合、移載ステージ6を移動させてテレセントリックfθレンズ4の中心を基準として角度θを算出したが、例えば0次光のビームをアライメントマーク12a,12bに一致させるように、図4に示す偏向手段7a,7bによりレーザビームLを偏向させ、その振れ角によって回転角θを算出してもよい。次に算出した角度θを図3の回転手段8によって回転させる。
図6は回折光学素子3により分岐されるレーザビームのビーム列13を示している。例えば、図6のような分岐ビーム列13に対して、回折光学素子3を0次光を中心に回転させるとビーム列13は図7に示すように回転する。
図8に示すように、本例では角度θ傾いた結晶化が必要なトランジスタ列11とビーム列13とは平行に配置されているが、移載ステージ6のY方向に対してビーム列13およびトランジスタ列11は角度θをなしている。このため、照射方向はY方向から角度θで照射する必要があり、移載ステージ6のY方向走査とビーム列13のX方向の移動により、そのX,Y方向のベクトル成分が照射方向になる必要がある。
この場合、移載ステージ6のX方向移動は、偏向手段7bによってビーム列13を移動させても、また移載ステージ6によって基板5をX方向に移動させてもよい。基板ステージ6を大型化にしないためには、ビーム列13を移動させる方が簡単に行える。
基板サイズの大型化やマザーガラスの多面取りのため、マザーガラスの位置調整を移載ステージで行うと設備が大型になる。また、生産性向上のため複数のレーザを並べて処理する場合がある。これらの場合、個々のレーザビームにてアライメント,θ補正をする方法が設備を小さくすることができる。
基板5を移動させて照射位置を調整するのではなく、レーザビームを移動させてトランジスタ位置に合わせ込む方が、設備を小型にすることができる。
CCDカメラ9の中心と0次光を一致させ、回折光学素子3を回転手段8により回転し、その後、偏向手段7a,7bによりビーム列13とトランジスタ列11との位置合わせを観察用CCDカメラ9により観察しながら行い、トランジスタの配列ピッチごとに、レーザ発振器1による所定時間または所定回数の照射を行うようにする構成の方が、設備の小型化が可能となる。
本発明は、基板への熱負荷が少なく精度よくトランジスタ位置にレーザ照射を行うことができるため生産性の高い結晶化ができる。また、多点レーザ照射が精度よく生産性の高い安価な設備により行うことができ、各種レーザ加工の用途に適用可能である。
1 レーザ発振器
2a,2b,2c,2d 折り返しミラー
3 回折光学素子
4 テレセントリックfθレンズ
5 基板
6 移載ステージ
7a,7b 偏向手段
8 回転手段
9 CCDカメラ
11 結晶化が必要なトランジスタ列
12a,12b アライメントマーク
13 ビーム列
20 CPU
21 レーザ駆動部
22 ステージ駆動部
2a,2b,2c,2d 折り返しミラー
3 回折光学素子
4 テレセントリックfθレンズ
5 基板
6 移載ステージ
7a,7b 偏向手段
8 回転手段
9 CCDカメラ
11 結晶化が必要なトランジスタ列
12a,12b アライメントマーク
13 ビーム列
20 CPU
21 レーザ駆動部
22 ステージ駆動部
Claims (7)
- レーザ発振器から出射したレーザビームを回折光学素子により複数に分岐させ、複数に分岐した前記レーザビームをテレセントリックfθレンズによってそれぞれ集光し、表面にアモルファス半導体膜が形成された基板に集光した前記レーザビームを照射し、前記基板に配列されたトランジスタを構成する前記アモルファス半導体膜を結晶化する結晶化照射方法において、
前記テレセントリックfθレンズの瞳位置に配置された前記回折光学素子により、前記トランジスタの少なくとも縦横いずれかのピッチに一致した間隔に前記レーザビームを分岐させ、分岐した前記レーザビームのビーム列と直交する方向に前記レーザビームと相対的に前記基板を移動させ、前記ビーム列と直交する方向のピッチごとに前記レーザビームを所定時間または所定回数照射すること
を特徴とする半導体の結晶化照射方法。 - 前記レーザビームが、直線偏光され、かつ400nm〜900nmの波長のレーザビームであること
を特徴とする請求項1記載の半導体の結晶化方法。 - 前記レーザ発振器が、連続発振またはパルス発振を行うこと
を特徴とする請求項1記載の半導体の結晶化方法。 - 基板に配列されたトランジスタを構成するアモルファス半導体膜を結晶化させるレーザビームを出射するレーザ発振器と、
前記レーザビームを複数に分岐させる回折光学素子と、
複数に分岐したレーザビームをそれぞれ集光するテレセントリックfθレンズと、
表面にアモルファス半導体膜が形成された基板が載置される移載ステージと、
前記移載ステージを、複数に分岐された前記レーザビームのビーム列と直交する方向に相対的に移動させ、かつ前記レーザビームを、前記トランジスタの前記ビーム列と直交する方向のピッチごとに、所定時間または所定回数照射させる制御手段と、を備え、
前記回折光学素子は、前記トランジスタの縦横いずれかのピッチに一致した間隔に前記レーザビームを分岐する位置で、かつ前記テレセントリックfθレンズの瞳位置に配置されたこと
を特徴とする半導体の結晶化照射装置。 - 前記レーザビームが、直線偏光され、かつ波長が400nmから900nmのレーザビームであること
を特徴とする請求項4記載の半導体の結晶化照射装置。 - 前記レーザ発振器が、連続発振またはパルス発振を行う構成であること
を特徴とする請求項4記載の半導体の結晶化照射装置。 - 前記回折光学素子をその光軸方向を中心に回転させる回転手段と、前記回折光学素子と前記レーザ発振器との間に設けられて前記レーザビームを偏向させる偏向手段とを備え、前記制御手段により、前記回転手段と前記偏向手段とによって前記ビーム列を回転、平行移動させ、前記レーザビームを前記トランジスタのピッチごとに所定時間または所定回数照射させること
を特徴とする請求項4記載の半導体の結晶化照射装置。
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- 2009-05-26 JP JP2009126233A patent/JP2010278051A/ja active Pending
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