JP2010276918A - 液晶パネル及びプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】出射される光束の透過範囲を小さくできる液晶パネル及びプロジェクターを提供すること。
【解決手段】互いに対向配置され、かつ、可視光を透過させる一対の基板4431,4432と、当該各基板4431,4432間に液晶分子が封入されて形成される液晶層4433とを有し、入射される光束を液晶層4433にて変調する液晶パネル443であって、一対の基板4431,4432のうち、液晶層4433の光束出射側に位置する出射側基板4432は、所定の焦点位置に当該液晶層4433から出射された光束を収束させるレンズ特性を有する。
【選択図】図2
【解決手段】互いに対向配置され、かつ、可視光を透過させる一対の基板4431,4432と、当該各基板4431,4432間に液晶分子が封入されて形成される液晶層4433とを有し、入射される光束を液晶層4433にて変調する液晶パネル443であって、一対の基板4431,4432のうち、液晶層4433の光束出射側に位置する出射側基板4432は、所定の焦点位置に当該液晶層4433から出射された光束を収束させるレンズ特性を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、液晶パネル及びプロジェクターに関する。
従来、光源と、当該光源から出射された光束を変調して、画像情報に応じた画像光を形成する光変調装置と、当該画像光を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターに用いられる光変調装置として、液晶ライトバルブと、当該液晶ライトバルブを挟む一対の偏光板とを備える構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の液晶ライトバルブは、入射側防塵硝子及び出射側防塵硝子と、これら防塵硝子間に配置される液晶パネルとを備える。このうち、液晶パネルは、互いに対向配置される対向基板及びTFT基板と、これら各基板間に封入される液晶とを有し、当該TFT基板により各液晶画素が制御されて、入射された光束を変調する。
この特許文献1に記載の液晶ライトバルブは、入射側防塵硝子及び出射側防塵硝子と、これら防塵硝子間に配置される液晶パネルとを備える。このうち、液晶パネルは、互いに対向配置される対向基板及びTFT基板と、これら各基板間に封入される液晶とを有し、当該TFT基板により各液晶画素が制御されて、入射された光束を変調する。
しかしながら、特許文献1に記載の液晶ライトバルブでは、入射側防塵硝子により平行化された光束は、液晶パネル及び出射側防塵硝子を介して、これらの光束出射側に位置する投射レンズに向かって出射される。このため、当該投射レンズの有効口径は、少なくとも液晶パネルの画像形成領域(液晶が位置する領域)に応じた寸法が必要となり、投射レンズ、ひいては、プロジェクターの小型化が難しいという問題がある。
本発明の目的は、出射される光束の透過範囲を小さくできる液晶パネル及びプロジェクターを提供することである。
前記した目的を達成するために、本発明の液晶パネルは、互いに対向配置され、かつ、可視光を透過させる一対の基板と、当該各基板間に液晶分子が封入されて形成される液晶層とを有し、入射される光束を前記液晶層にて変調する液晶パネルであって、前記一対の基板のうち、前記液晶層の光束出射側に位置する出射側基板は、所定の焦点位置に当該液晶層から出射された光束を収束させるレンズ特性を有することを特徴とする。
なお、出射側基板の焦点位置は、像側焦点(後側焦点)の位置を示す。
本発明によれば、液晶層を挟む一対の基板のうち、当該液晶層の光束出射側に位置する出射側基板により、当該液晶層から出射された光束は所定の焦点位置に収束される。これによれば、液晶パネルから出射される光束の透過範囲を狭めることができる。従って、このような液晶パネルがプロジェクターに採用された場合には、液晶パネルの光束出射側に位置する光学部品、例えば、当該液晶パネルから出射された光束を投射する投射光学装置の有効口径を小さくすることができる。これにより、投射光学装置、ひいては、プロジェクターの小型化を図ることができる。
本発明によれば、液晶層を挟む一対の基板のうち、当該液晶層の光束出射側に位置する出射側基板により、当該液晶層から出射された光束は所定の焦点位置に収束される。これによれば、液晶パネルから出射される光束の透過範囲を狭めることができる。従って、このような液晶パネルがプロジェクターに採用された場合には、液晶パネルの光束出射側に位置する光学部品、例えば、当該液晶パネルから出射された光束を投射する投射光学装置の有効口径を小さくすることができる。これにより、投射光学装置、ひいては、プロジェクターの小型化を図ることができる。
本発明では、前記出射側基板における前記液晶層から出射される光束が透過する領域は、凸レンズ形状を有することが好ましい。
本発明によれば、出射側基板の凸レンズ形状により、液晶層から入射され、かつ、当該出射側基板を透過した光束の透過範囲を、簡易な構成で確実に狭めることができる。
本発明によれば、出射側基板の凸レンズ形状により、液晶層から入射され、かつ、当該出射側基板を透過した光束の透過範囲を、簡易な構成で確実に狭めることができる。
本発明では、前記一対の基板のうち、前記液晶層の光束入射側に位置する入射側基板は、当該液晶層に入射される光束を、当該光束の中心軸に対して平行化するレンズ特性を有することが好ましい。
ここで、形成される画像におけるコントラストの低減及び照度むらの発生をそれぞれ抑制するために、液晶層に入射される光束は、当該光束の中心軸に対して平行な光であることが好ましい。これに対し、入射側基板のレンズ特性により、液晶層に平行光を入射させることができるので、液晶パネルにより形成される画像におけるコントラストの低減を抑制できるほか、照度むらの発生を抑制できる。また、これにより、液晶層に入射される光束を当該光束の中心軸に対して平行化する平行化レンズ等を別途設ける必要がない。従って、このような液晶パネルをプロジェクターに採用することにより、当該プロジェクターの部品点数を削減することができ、構成の簡略化を図ることができる。
ここで、形成される画像におけるコントラストの低減及び照度むらの発生をそれぞれ抑制するために、液晶層に入射される光束は、当該光束の中心軸に対して平行な光であることが好ましい。これに対し、入射側基板のレンズ特性により、液晶層に平行光を入射させることができるので、液晶パネルにより形成される画像におけるコントラストの低減を抑制できるほか、照度むらの発生を抑制できる。また、これにより、液晶層に入射される光束を当該光束の中心軸に対して平行化する平行化レンズ等を別途設ける必要がない。従って、このような液晶パネルをプロジェクターに採用することにより、当該プロジェクターの部品点数を削減することができ、構成の簡略化を図ることができる。
また、本発明のプロジェクターは、光源と、当該光源から出射される光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された光束を投射する投射光学装置とを備えたプロジェクターであって、前記光変調装置は、前述の液晶パネルと、前記液晶パネルの光束出射側に配置される偏光素子とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、前述の液晶パネルと同様の効果を奏することができるので、投射光学装置、ひいては、プロジェクターの小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
本発明によれば、前述の液晶パネルと同様の効果を奏することができるので、投射光学装置、ひいては、プロジェクターの小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
本発明では、前記投射光学装置は、少なくとも1つのレンズを有し、前記焦点位置は、当該レンズの光束入射面より当該レンズの光束出射側に設定されていることが好ましい。
なお、投射光学装置が複数のレンズを有する場合には、出射側基板の焦点位置は、当該投射光学装置における最も光束入射側に位置するレンズの光束入射面より当該レンズの光束出射側に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、出射側基板の焦点位置が、投射光学装置を構成するレンズの光束入射面より、当該レンズの光束出射側に位置していることにより、当該レンズに入射される光束の領域を、液晶層から出射される光束の領域より確実に狭めることができる。従って、当該レンズの有効口径を確実に小さくすることができ、投射光学装置、ひいては、プロジェクターの小型化を一層確実に図ることができる。
なお、投射光学装置が複数のレンズを有する場合には、出射側基板の焦点位置は、当該投射光学装置における最も光束入射側に位置するレンズの光束入射面より当該レンズの光束出射側に設定されていることが好ましい。
本発明によれば、出射側基板の焦点位置が、投射光学装置を構成するレンズの光束入射面より、当該レンズの光束出射側に位置していることにより、当該レンズに入射される光束の領域を、液晶層から出射される光束の領域より確実に狭めることができる。従って、当該レンズの有効口径を確実に小さくすることができ、投射光学装置、ひいては、プロジェクターの小型化を一層確実に図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源装置411から出射される光束を変調して画像情報に応じた画像光を形成し、当該画像光をスクリーン等の投射面(図示省略)上に拡大投射するものである。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2、投射光学装置3及び画像形成装置4を備える。
また、プロジェクター1は、当該プロジェクター1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却装置91、プロジェクター1内部の各構成部材に電力を供給する電源装置92、及び、プロジェクター1全体を制御する制御装置93等を備え、これら各装置91〜93は、外装筐体2内に配置されている。
〔プロジェクターの構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター1は、内部に設けられた光源装置411から出射される光束を変調して画像情報に応じた画像光を形成し、当該画像光をスクリーン等の投射面(図示省略)上に拡大投射するものである。このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2、投射光学装置3及び画像形成装置4を備える。
また、プロジェクター1は、当該プロジェクター1内部を冷却する冷却ファン等で構成される冷却装置91、プロジェクター1内部の各構成部材に電力を供給する電源装置92、及び、プロジェクター1全体を制御する制御装置93等を備え、これら各装置91〜93は、外装筐体2内に配置されている。
〔外装筐体及び投射光学装置の構成〕
外装筐体2は、前述の各装置3,4,91〜93等を内部に収納配置するものであり、全体略直方体状に形成されている。
投射光学装置3は、画像形成装置4にて形成された画像光を、投射面上に結像させるとともに、当該画像光に係る画像を拡大投射する。この投射光学装置3は、筒状の鏡筒300内に複数のレンズ301〜311(図2参照)が収納された組レンズとして構成されている。
外装筐体2は、前述の各装置3,4,91〜93等を内部に収納配置するものであり、全体略直方体状に形成されている。
投射光学装置3は、画像形成装置4にて形成された画像光を、投射面上に結像させるとともに、当該画像光に係る画像を拡大投射する。この投射光学装置3は、筒状の鏡筒300内に複数のレンズ301〜311(図2参照)が収納された組レンズとして構成されている。
〔画像形成装置の構成〕
画像形成装置4は、前述の制御装置93による制御の下、画像情報に応じた画像光を形成する光学装置である。この画像形成装置4は、外装筐体2の背面に沿って延出するとともに、当該外装筐体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。このような画像形成装置4は、均一照明装置41、色分離装置42、リレー装置43及び電気光学装置44と、内部に設定された照明光軸A上の所定位置に光学部品41〜44を収納配置するほか、投射光学装置3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備える。
画像形成装置4は、前述の制御装置93による制御の下、画像情報に応じた画像光を形成する光学装置である。この画像形成装置4は、外装筐体2の背面に沿って延出するとともに、当該外装筐体2の側面に沿って延出する平面視略L字形状を有している。このような画像形成装置4は、均一照明装置41、色分離装置42、リレー装置43及び電気光学装置44と、内部に設定された照明光軸A上の所定位置に光学部品41〜44を収納配置するほか、投射光学装置3を所定位置で支持固定する光学部品用筐体45とを備える。
均一照明装置41は、後述する液晶パネル443の画像形成領域をほぼ均一に照明する。この均一照明装置41は、光源装置411と、一対のレンズアレイ412,413、偏光変換素子414及び重畳レンズ415を備える。
このうち、光源装置411は、光を出射する光源416と、当該光源416から出射された光を反射して、所定位置に収束させる反射鏡417と、当該反射鏡417にて反射され収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化レンズ418とを備える。このような光源416として、本実施形態では、超高圧水銀ランプ等の光源ランプが採用されているが、LED(Light Emitting Diode)等の固体光源を採用してもよい。
このうち、光源装置411は、光を出射する光源416と、当該光源416から出射された光を反射して、所定位置に収束させる反射鏡417と、当該反射鏡417にて反射され収束される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化レンズ418とを備える。このような光源416として、本実施形態では、超高圧水銀ランプ等の光源ランプが採用されているが、LED(Light Emitting Diode)等の固体光源を採用してもよい。
第1レンズアレイ412は、光源装置411から出射される光束を、複数の部分光束に分割する。第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412の光路下流側に配置され、入射される各部分光束を、重畳レンズ415とともに、液晶パネル443の画像形成領域に重畳させる。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、当該第2レンズアレイ413からの光を略1種類の直線偏光に変換する。
偏光変換素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置され、当該第2レンズアレイ413からの光を略1種類の直線偏光に変換する。
色分離装置42は、均一照明装置41から出射された光束から、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色光を分離する。この色分離装置42は、青色光を反射させ、緑色光及び赤色光を透過させるダイクロイックミラー421と、緑色光を反射させ、赤色光を透過させるダイクロイックミラー422と、入射される青色光を反射させて、青色光用の入射側偏光板442に導く反射ミラー423とを備える。なお、ダイクロイックミラー422により反射された緑色光は、緑色光用の入射側偏光板442に入射される。
リレー装置43は、ダイクロイックミラー422を透過した赤色光を、赤色光用の入射側偏光板442に導くものであり、入射側レンズ431、リレーレンズ433及び反射ミラー432,434を備える。このリレー装置43は、拡散等による赤色光の利用効率の低下を防止するためのものであるが、赤色光に代えて、例えば青色光を通す構成としてもよい。
電気光学装置44は、分離された各色光を変調し、当該各色光を合成して、フルカラーの画像光を形成する。この電気光学装置44は、3つの光変調装置441と、色合成装置としての1つのクロスダイクロイックプリズム446とを備える。
光変調装置441(赤色光用、緑色光用及び青色光用の光変調装置を、それぞれ441R,441G,441Bとする)は、それぞれ、入射側偏光板442、液晶パネル443、視野角補償板444及び出射側偏光板445を備える液晶ライトバルブとして構成されている。
光変調装置441(赤色光用、緑色光用及び青色光用の光変調装置を、それぞれ441R,441G,441Bとする)は、それぞれ、入射側偏光板442、液晶パネル443、視野角補償板444及び出射側偏光板445を備える液晶ライトバルブとして構成されている。
入射側偏光板442は、入射される光のうち、偏光変換素子414で揃えられた光の偏光方向と同一方向の偏光光のみを透過させ、その他の光を吸収する。
液晶パネル443は、詳しくは後述するが、互いに対向配置され、かつ、可視光を透過させる一対の基板4431,4432(図2参照)と、当該各基板4431,4432間に形成される液晶層4433(図2参照)とを有する。そして、液晶層4433は、液晶分子が封入されて形成された1画素に対応するセルを複数有し、前述の制御装置93から各セルに印加される電圧が変化して液晶分子の配向状態が変化することにより、入射光束を変調する。
液晶パネル443は、詳しくは後述するが、互いに対向配置され、かつ、可視光を透過させる一対の基板4431,4432(図2参照)と、当該各基板4431,4432間に形成される液晶層4433(図2参照)とを有する。そして、液晶層4433は、液晶分子が封入されて形成された1画素に対応するセルを複数有し、前述の制御装置93から各セルに印加される電圧が変化して液晶分子の配向状態が変化することにより、入射光束を変調する。
視野角補償板444は、液晶パネル443に光が斜方入射した場合(パネル面の法線方向に対して傾斜して入射した場合)の液晶分子の複屈折による常光と異常光との間に生じる位相差を補償する。
出射側偏光板445は、本発明の偏光素子に相当し、視野角補償板444を介して入射される光のうち、入射側偏光板442における光の透過軸と直交する偏光方向を有する光のみを透過させ、その他の光を吸収する。
出射側偏光板445は、本発明の偏光素子に相当し、視野角補償板444を介して入射される光のうち、入射側偏光板442における光の透過軸と直交する偏光方向を有する光のみを透過させ、その他の光を吸収する。
クロスダイクロイックプリズム446は、各出射側偏光板445から入射される色光毎の変調光を合成してフルカラーの画像光を形成する色合成装置である。このクロスダイクロイックプリズム446は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層層が形成されている。これら誘電体多層層は、緑色光を透過し、当該緑色光が透過する方向に向かって赤色光及び青色光を反射する。このようにして、各色光が合成されてフルカラーの画像光が形成され、当該画像光は、投射光学装置3により拡大投射される。
〔液晶パネルの構成〕
図2は、液晶パネル443から出射される光の光路を示す図である。具体的に、図2では、出射側基板4432の各位置から出射される光(主光線)の光路を、一点鎖線、実線及び点線にて示している。なお、図2においては、視野角補償板444及び出射側偏光板445の図示を省略している。
液晶パネル443は、図2に示すように、前述の一対の基板4431,4432と、液晶層4433とを有する。このうち、液晶層4433に対する光束の入射側に位置する入射側基板4431は、当該液晶層4433に入射される光束を、当該光束の中心軸(照明光軸A)に対して平行化するレンズ特性を有する。この入射側基板4431により、液晶層4433に平行光を入射させることができ、液晶パネル443に入射させる光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化レンズ(フィールドレンズ)を別途設ける必要がない。
図2は、液晶パネル443から出射される光の光路を示す図である。具体的に、図2では、出射側基板4432の各位置から出射される光(主光線)の光路を、一点鎖線、実線及び点線にて示している。なお、図2においては、視野角補償板444及び出射側偏光板445の図示を省略している。
液晶パネル443は、図2に示すように、前述の一対の基板4431,4432と、液晶層4433とを有する。このうち、液晶層4433に対する光束の入射側に位置する入射側基板4431は、当該液晶層4433に入射される光束を、当該光束の中心軸(照明光軸A)に対して平行化するレンズ特性を有する。この入射側基板4431により、液晶層4433に平行光を入射させることができ、液晶パネル443に入射させる光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化レンズ(フィールドレンズ)を別途設ける必要がない。
また、液晶層4433に対する光束の出射側に位置する出射側基板4432は、当該液晶層4433から出射された光束(変調された光束)を、設定された焦点位置(像側焦点位置)に収束させるレンズ特性を有する。この出射側基板4432における光束が透過する領域は、光束出射側に膨出した凸レンズ形状を有する。そして、この出射側基板4432の焦点位置は、前述の照明光軸A上で、かつ、投射光学装置3が有する複数のレンズ301〜311のうち液晶パネル443に最も近い後玉レンズであるレンズ301の光束入射面301Aより当該レンズ301の光束出射側に設定される。
図3は、本実施形態に対する比較例を示す図であり、詳述すると、出射側基板4432代えて、レンズ特性を有しない出射側基板4432Aを備えた液晶パネル443Aから出射される光の光路を示す図である。なお、図3においても、視野角補償板444及び出射側偏光板445の図示を省略している。
ここで、液晶パネル443A(出射側基板4432A)から出射される光は、図3に示すように、当該液晶パネル443Aから出射される光束の中心軸(照明光軸A)に対して略平行に、投射光学装置3に向かって出射される。このため、レンズ301は、液晶パネル443Aの画像形成領域(液晶層4433において光が変調される領域)の寸法より大きな有効口径が必要となる。
ここで、液晶パネル443A(出射側基板4432A)から出射される光は、図3に示すように、当該液晶パネル443Aから出射される光束の中心軸(照明光軸A)に対して略平行に、投射光学装置3に向かって出射される。このため、レンズ301は、液晶パネル443Aの画像形成領域(液晶層4433において光が変調される領域)の寸法より大きな有効口径が必要となる。
これに対し、本実施形態では、出射側基板4432が前述のレンズ特性を有するため、図2に示すように、当該出射側基板4432から出射される光は、前述の焦点位置に収束するように、投射光学装置3に向かって出射される。このような出射側基板4432により、液晶パネル443Aを採用した場合に比べて、小さな有効口径を有するレンズ301を備える投射光学装置3、及び、小さな寸法を有するクロスダイクロイックプリズム446を採用することができる。
以上説明した本実施形態のプロジェクター1によれば、以下の効果がある。
出射側基板4432は、液晶層4433から出射された光束を所定の焦点位置に収束させるレンズ特性を有する。これによれば、液晶パネル443から出射される光束の透過範囲を狭めることができる。従って、前述の液晶パネル443Aを採用する場合に比べ、クロスダイクロイックプリズム446の寸法及び投射光学装置3の有効口径を小さくすることができ、画像形成装置4及び投射光学装置3、ひいては、プロジェクター1の小型化を図ることができる。
出射側基板4432は、液晶層4433から出射された光束を所定の焦点位置に収束させるレンズ特性を有する。これによれば、液晶パネル443から出射される光束の透過範囲を狭めることができる。従って、前述の液晶パネル443Aを採用する場合に比べ、クロスダイクロイックプリズム446の寸法及び投射光学装置3の有効口径を小さくすることができ、画像形成装置4及び投射光学装置3、ひいては、プロジェクター1の小型化を図ることができる。
出射側基板4432の光束透過領域は、光束出射側に膨出した凸レンズ形状を有するので、液晶パネル443から出射される光束の透過範囲を確実に狭めることができる。
入射側基板4431が、入射される光束を照明光軸Aに対して平行化するレンズ特性を有することにより、液晶層4433に平行光を確実に入射させることができる。これにより、液晶パネル443により形成される画像におけるコントラストの低減を抑制できるほか、照度むらの発生を抑制できる。また、入射側基板4431が液晶層4433に入射される光束を平行化するので、前述の平行化レンズ等を別途設ける必要がない。従って、プロジェクター1の部品点数を削減することができ、構成の簡略化を図ることができるほか、プロジェクター1の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
入射側基板4431が、入射される光束を照明光軸Aに対して平行化するレンズ特性を有することにより、液晶層4433に平行光を確実に入射させることができる。これにより、液晶パネル443により形成される画像におけるコントラストの低減を抑制できるほか、照度むらの発生を抑制できる。また、入射側基板4431が液晶層4433に入射される光束を平行化するので、前述の平行化レンズ等を別途設ける必要がない。従って、プロジェクター1の部品点数を削減することができ、構成の簡略化を図ることができるほか、プロジェクター1の小型化及び製造コストの低減を図ることができる。
出射側基板4432の焦点位置が、レンズ301の光束入射面より当該レンズ301の光束出射側に位置していることにより、当該レンズ301に入射される光束の透過領域を、液晶層4433の画像形成領域より確実に狭めることができる。従って、当該レンズ301の有効口径を確実に小さくすることができ、投射光学装置3、ひいては、プロジェクター1の小型化を一層確実に図ることができる。
〔実施形態の変形〕
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、出射側基板4432における光束透過領域は、凸レンズ形状を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、他の構成により、出射側基板に前述のレンズ特性を付与してもよい。また、当該凸レンズ形状は、球面でも非球面でもよい。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、出射側基板4432における光束透過領域は、凸レンズ形状を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、他の構成により、出射側基板に前述のレンズ特性を付与してもよい。また、当該凸レンズ形状は、球面でも非球面でもよい。
前記実施形態では、入射側基板4431は、入射光束を平行化するレンズ特性を有するとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、当該レンズ特性を有しない入射側基板を採用してもよい。この場合には、液晶パネルに入射される光束を照明光軸Aに対して平行化する平行化レンズを別途設ければよい。
前記実施形態では、出射側基板4432の焦点位置は、投射光学装置3における後玉レンズであるレンズ301の光束入射面より、当該レンズ301の光束出射側に設定されるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、液晶層4433から出射される光束の透過領域の寸法より、後玉レンズに入射される際の当該光束の透過領域の寸法を小さくできれば、出射側基板の焦点位置は、後玉レンズの光束入射面より当該後玉レンズの光束入射側に位置していてもよい。
前記実施形態では、プロジェクター1は、それぞれ液晶パネル443を有する3つの光変調装置441R,441G,441Bを備えるとしたが、本発明はこれに限らない。すなわち、2つ以下、あるいは、4つ以上の光変調装置を用いたプロジェクターにも、本発明を適用可能である。
また、前記実施形態では、画像形成装置4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
更に、前記実施形態では、画像光の投射方向と、画像の観察方向とが略同じであるフロントタイプのプロジェクター1を例示したが、本発明はこれに限らず、投射方向と観察方向とがそれぞれ反対方向となるリアタイプのプロジェクターにも適用できる。
また、前記実施形態では、画像形成装置4は平面視略L字形状を有した構成を説明したが、これに限らず、例えば、平面視略U字形状を有した構成を採用してもよい。
更に、前記実施形態では、画像光の投射方向と、画像の観察方向とが略同じであるフロントタイプのプロジェクター1を例示したが、本発明はこれに限らず、投射方向と観察方向とがそれぞれ反対方向となるリアタイプのプロジェクターにも適用できる。
本発明は、プロジェクターに好適に利用することができる。
1…プロジェクター、3…投射光学装置、301…レンズ、441(441R,441G,441B)…光変調装置、443…液晶パネル、445…出射側偏光板(偏光素子)、301A…光束入射面、4431…基板(入射側基板)、4432…基板(出射側基板)、4433…液晶層。
Claims (5)
- 互いに対向配置され、かつ、可視光を透過させる一対の基板と、当該各基板間に液晶分子が封入されて形成される液晶層とを有し、入射される光束を前記液晶層にて変調する液晶パネルであって、
前記一対の基板のうち、前記液晶層の光束出射側に位置する出射側基板は、所定の焦点位置に当該液晶層から出射された光束を収束させるレンズ特性を有することを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1に記載の液晶パネルにおいて、
前記出射側基板における前記液晶層から出射される光束が透過する領域は、凸レンズ形状を有することを特徴とする液晶パネル。 - 請求項1又は請求項2に記載の液晶パネルにおいて、
前記一対の基板のうち、前記液晶層の光束入射側に位置する入射側基板は、当該液晶層に入射される光束を、当該光束の中心軸に対して平行化するレンズ特性を有することを特徴とする液晶パネル。 - 光源と、当該光源から出射される光束を画像情報に応じて変調する光変調装置と、変調された光束を投射する投射光学装置とを備えたプロジェクターであって、
前記光変調装置は、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の液晶パネルと、
前記液晶パネルの光束出射側に配置される偏光素子とを備えることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項4に記載のプロジェクターにおいて、
前記投射光学装置は、少なくとも1つのレンズを有し、
前記焦点位置は、当該レンズの光束入射面より当該レンズの光束出射側に設定されていることを特徴とするプロジェクター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009130339A JP2010276918A (ja) | 2009-05-29 | 2009-05-29 | 液晶パネル及びプロジェクター |
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- 2009-05-29 JP JP2009130339A patent/JP2010276918A/ja active Pending
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