JP2010276291A - 給湯システムおよびその運転方法 - Google Patents

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  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)
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Abstract

【課題】 湯の使用負荷に対応することができ、消費電力を抑制するとともに短時間で昇温が可能なシステムを提供する。
【解決手段】 給湯システムは、水を加熱するヒートポンプユニット11、21と、ヒートポンプユニット11、21による加熱によって生成された湯を貯留する貯湯タンク12、22とからなる2つの給湯機10、20と、貯湯タンク12、22内の湯を、給湯すべき施設との間で循環する循環ポンプ30と、給湯機10の貯湯タンク12内の残湯量が設定量以下または給湯温度が設定温度未満であることを検知した場合に、給湯機20を起動させ、貯湯タンク12より容量が小さい貯湯タンク22内に生成された湯を循環させる運転に切り替える制御回路および制御弁40、41とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒートポンプを利用した給湯システムおよびその運転方法に関する。
近年、石油資源の大量消費に伴う大気汚染や地球温暖化が問題となっており、製品や設備の省エネルギー化、温暖化ガス排出量の低減が図られている。温泉施設、病院、ホテル、レジャー施設等では、大量の湯を供給するために給湯システムを備えているが、上記問題から、ヒートポンプを利用した給湯システムが数多く提案され、また、採用されるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
ヒートポンプは、外気と熱媒体との間で熱交換する熱交換器と、熱交換されて温度が上昇した熱媒体を圧縮する圧縮機と、圧縮された熱媒体と加熱対象物との間で熱交換する熱交換器と、温度は下がるものの圧縮された状態の熱媒体を膨張させる膨張弁とを備える構成とされている。
特許文献1では、熱媒体に水を使用し、外気が低温となり、熱交換器で熱交換ができなくなるのを防止するために、ボイラから排出される排ガスと熱交換し、ヒートポンプの運転を可能にしている。なお、ヒートポンプは、熱媒体を移動させるのに必要とされるエネルギーのみを与えればよいため、消費電力の約3倍の熱を有効利用できる点で効率的である。また、ボイラのように液体燃料を使用するものではないため、その市場価格に大きく影響を受けるものではない。
しかしながら、このようなヒートポンプを利用した給湯システムでは、生成した湯を貯留するタンクが1つであることが多いため、そのサイズが大きく、輸送や設置が容易ではなく、追い炊きするにも時間がかかるという問題があった。
そこで、複数のタンクを備えた給湯システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このシステムでは、複数のタンクを直列に配管接続し、循環ポンプ、給湯用熱交換器を設け、給湯用熱交換器から流量調整弁を介して給湯側タンクの上部に導かれる流路と、給湯用熱交換器から並列に流量調整弁を介して給水側タンクの下部に導かれる流路とを流量調整弁によって切り換えられるように構成している。このシステムでは、流量調整弁によって給湯用熱交換器を流れる流量を調整し、給湯側タンクの上部から供給する湯の温度を調整できるようにし、さらに、夏場において給湯側タンクのみをタンク内の発熱体により沸き上げるように構成している。
この給湯システムは、複数のタンクを備えるため、径の細いタンクを複数設置することができ、設置スペースを小さくすることができる。また、電力コストが安価な深夜電力を使用し、発熱体を通電させ、給湯タンク内の水を加温し、深夜電力時間外において沸き増しを行う場合にヒートポンプを利用し、給湯側タンク内の湯水を優先して加熱することができるので、即湯性に優れている。
特開2008−8581号公報 特開平9−236316号公報
従来の上記給湯システムは、複数のタンクから構成され、それらが直列に接続されているため、使用負荷に対して対応することが可能であるが、発熱体を通電させ、タンク内の水を加温するため、多くの電力を消費し、電力コストがかかるという問題があった。
また、上記給湯システムでは、給湯側タンクおよび給水側タンク内の湯の温度が低下した場合、発熱体を通電させ、昇温することから、昇温時にも、多くの電力を消費し、電力コストがかかる。
さらに、上記給湯システムは、タンク下部に取り付けられた温度センサが45℃以上かどうかを判定し、45℃未満のとき、湯がなくなったと判定し、その判定を受けて、給湯用熱交換器へ給水して湯を生成し、給湯側タンク、給水側タンクの順に貯留する。給湯側タンクを優先して湯を貯留するので、早急に給湯することが可能であるが、温度センサが55℃以上となるまで沸き上がったと判定しないため、その間、湯切れが生じる。
したがって、湯の使用負荷に対応することができ、消費電力を抑制することができ、また、湯切れを防止することができ、さらには、短時間で昇温が可能なシステムおよびその運転方法の提供が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑み、水を加熱するヒートポンプユニットと、そのヒートポンプユニットによる加熱によって生成された湯を貯留する貯湯タンクとからなる2つの給湯機と、貯湯タンク内の湯を、給湯すべき施設との間で循環する循環手段と、一方の給湯機の貯湯タンク内の残湯量が設定量以下または給湯温度が設定温度未満であることを検知した場合に、他方の給湯機を起動させ、一方の給湯機の貯湯タンクより容量が小さい他方の給湯機の貯湯タンク内に生成された湯を循環させる運転に切り替える制御手段とを含む給湯システムとして構成する。
このように、2つの給湯機の両方ともヒートポンプユニットを採用し、貯湯量の多い一方の給湯機を電力コストの安い夜間電力により運転し、その貯湯量で不足する場合に他方の給湯機を一般電力にて運転し、補充するので、消費電力を抑制しつつ湯切れを防止することができる。また、2つの給湯機が直列に接続されていないので、湯がなくなりそうになった場合に他方の給湯機の運転を開始し、給湯が可能になった段階で切り替え、湯の使用負荷に対応することができる。他方の給湯機は、一方の給湯機に比較して貯湯タンクの容量が小さく、早く目標温度にまで昇温し、給湯することができるため、高い応答性を有する。
この給湯システムは、さらに、施設の浴場等から排出される暖気を、2つのヒートポンプユニットそれぞれに吹き付ける2つの排気ラインを含む構成とすることができる。浴場等から排出される暖気は、これら2つのヒートポンプユニットが備える圧縮手段の運転時間を短縮または吐出圧を下げることができ、消費電力を抑制することができる。
施設の浴場から排出される暖気は、水蒸気および酸性ガスを含み、その施設の浴場から排出される暖気と、浴場以外の屋内から排出される空気とを熱交換する熱交換器と、熱交換により暖められた空気を、2つのヒートポンプユニットそれぞれに吹き付ける2つの排気ラインとを含む構成とすることもできる。
温泉施設から排出される暖気には、炭酸ガスや硫化水素等の酸性ガスが含まれ、吹き付けた後に外気で冷却され凝縮した水分と微量の酸との存在により金属腐食を促進させるおそれがある。上記のように、ヒートポンプユニットに直接吹き付けるのではなく、空気と熱交換し、暖められた空気を吹き付けることで、消費電力を抑制することができるとともに、ヒートポンプユニットの維持管理を容易にし、装置寿命を延ばすことができ、運転および維持管理コスト等を大幅に削減することができる。
本発明では、上記給湯システムを運転する方法も提供することができる。上記構成の給湯システムとその運転方法とを提供することにより、消費電力を抑制することができ、湯切れをなくすことができ、また、湯の使用負荷にも対応することができ、短時間で昇温も可能となる。
この方法は、一方の給湯機の貯湯タンク内の残湯量および湯の温度を測定するステップと、測定結果から残湯量が設定量以下であるか、および湯の温度が設定温度未満であるかを判断するステップと、設定量以下または設定温度未満であると判断した場合に、他方の給湯機を起動させ、一方の給湯機の貯湯タンクより容量が小さい他方の給湯機の貯湯タンク内に生成された湯を循環させる運転に切り替えるステップとを含む。
給湯システムの1つの構成例を示した図。 給湯システムに用いられる給湯機の一例を示した図。 給湯システムの別の構成例を示した図。 給湯システムのさらに別の構成例を示した図。
図1は、給湯システムの1つの構成例を示した図である。この給湯システムは、2つの給湯機10、20と、温泉施設、病院、ホテル、温水プール等を備えるレジャー施設といった施設との間で湯を循環する循環手段と、予め決められた条件で給湯機10から給湯機20への運転に切り替える制御手段とから構成される。
給湯機10、20は、水を加熱するヒートポンプユニット11、21と、そのヒートポンプユニット11、21による加熱によって生成された湯を貯留する貯湯タンク12、22とから構成される。貯湯タンク22は、早く給湯することができるように、貯湯タンク12より容量が小さくされている。給湯機10、20の詳細な構成については後述する。
循環手段は、貯湯タンク12、22内の湯を、給湯すべき施設との間で循環するために設置される。循環手段としては、循環ポンプ30を用いることができ、ラインポンプや渦巻ポンプ等を用いることができる。
制御手段は、CPUとメモリとを備える制御回路と、貯湯タンク12、22に接続される給湯ラインに設けられる制御弁40、41とを備える。貯湯タンク12には、測定手段として用いられる、液面レベルを測定するための液面計と、湯の温度を測定するための温度計とが設けられる。この液面計は、残湯量を測定するために用いられる。制御回路は、一定時間間隔で液面計および温度計から液面高さおよび湯の温度を取得し、貯湯タンク12内の残湯量が予め設定された設定量以下か、または、給湯するための給湯温度が予め設定された設定温度未満であるかを判断する。この時間間隔は、いかなる時間間隔であってもよいが、湯切れを防止する点から、数分から数十分間隔とすることができる。また、一定時間間隔に限らず、適宜、制御回路から測定値を取得するための要求を送り、測定手段からその測定結果を取得することも可能である。
制御手段は、設定量以下または設定温度未満であると判断した場合に、このままでは湯切れが生じることを検知し、給湯機20を起動させ、貯湯タンク22内に生成された湯を循環させる運転に切り替える。切り替える場合、制御弁40を「開」にして貯湯タンク12から給湯していたものを、制御弁41を「開」にして貯湯タンク22からの給湯を開始するとともに、制御弁40を「閉」にして貯湯タンク12からの給湯を停止する。
給湯機10は、コスト単価の安い夜間電力を利用して運転し、貯湯タンク12内を目標液面レベルに達するまで湯を生成し貯留していく。一般には、貯湯タンク12が満杯になるまで湯を貯留する。給湯機20は、貯湯タンク12内の湯が不足する場合に、補充のために運転し、給湯する。
給湯機10、20は、給水ライン50、51から貯湯タンク12、22にて水を受け入れ、その水をヒートポンプユニット11、21へ送り、ヒートポンプユニット11、21にて加熱され、再び貯湯タンク12、22に戻されることにより、湯を生成しつつ湯量を増加していく。
貯湯タンク12、22は、円筒形等、いかなる形状であってもよく、また、100℃未満の湯を貯留するため、その温度に耐え、かつ破損しない強度を有する材料、例えば、炭素鋼やステンレス鋼で形成される。また、貯湯タンク12、22は、保温材等が巻かれ、湯の温度が低下しにくくされている。
貯湯タンク22の容量は、貯湯タンク12の容量より小さくされるが、例えば、貯湯タンク12の容量の1/2〜1/4程度とすることができ、貯湯タンク12の容量を約10mとした場合、貯湯タンク22の容量を約4mとすることができる。これは一例であるので、この容量に限定されるものではない。また、給湯機は、2台に限られるものではなく、給湯システムは、各貯湯タンクの容量が異なる3台以上の給湯機から構成し、湯の必要量や立ち上げ時間等を考慮してどれを運転するかを選択し、その選択された給湯機を運転するように設定することも可能である。
給湯機10、20の構成について、図2を参照して詳細に説明する。給湯機10、20は、ヒートポンプユニット11、21と、貯湯タンク12、22とから構成される。貯湯タンク12、22は、水を受け入れるための受入ノズル60と、給湯するための送出ノズル61と、ヒートポンプユニット11、21との間で加熱のために水を循環する循環用ノズル62、63とを備える。
ヒートポンプユニット11、21は、外気の熱を吸収し熱媒体に与える吸熱手段64と、熱媒体を圧縮する圧縮手段65と、圧縮された熱媒体により貯湯タンク12、22へ供給された水を加熱する加熱手段66と、圧縮された熱媒体を膨張させ、吸熱手段64へ供給する膨張手段67とを含む。
吸熱手段64は、外気を取り入れ、内部の空気を排出する換気ファンを備え、取り入れた外気の熱を熱媒体へ伝えて、熱媒体を温める。そのため、吸熱手段64は、外気と熱媒体との間で熱交換する熱交換器を含み、管内に熱媒体を流し、外気をその管に接触させて外気の熱を管内の熱媒体へ与える。熱交換器において熱伝導効率を向上させるために、伝熱面積を大きくすることができ、例えば、熱媒体が流れる管をコイル状としたり、その管の表面にフィンを設けることができる。熱媒体としては、圧縮比を大きくとることができ、その圧縮により大きく温度上昇するガスが好ましく、空気や二酸化炭素等を挙げることができる。その他、CHとCHFとを混合させたR410Aと呼ばれる代替冷媒を用いることもできる。
圧縮手段65は、吸熱手段64で温められた熱媒体を圧縮する。この圧縮手段65で行われる圧縮は、断熱圧縮に近いポリトロープ圧縮であるため、その吐出温度は圧縮比に依存して上昇する。例えば、熱媒体として空気を使用し、約0.1MPa、約20℃の空気を約0.7MPaまで圧縮すると、外部との熱の授受がない場合、その圧縮のために加えられたエネルギーは全て温度上昇となり、理論上約260℃となるが、現実には熱損失があり、約170〜200℃となる。熱損失があるとはいえ、100℃を超える温度であるため、充分に水を加熱することができる。この圧縮手段65としては、容積圧縮機が好ましく、例えば、往復圧縮機、ダイアフラム式圧縮機等を挙げることができる。
このように圧縮され高温とされた熱媒体は、加熱手段66へ送られ、貯湯タンク12、22へ供給された水へその熱を与える。加熱手段66は、熱交換器とすることができ、伝熱面積を大きくするために、コイル状としたり、フィンを設けることができる。
加熱手段66において水へ熱を与えて温度が降下された熱媒体は、圧縮された状態で維持され、その温度も、貯湯タンク12、22内に貯留される湯の温度以下には下がらない。これでは、吸熱手段64において外気の熱を吸収することができない。そこで、膨張手段67により膨張させ、温度を降下させる。膨張手段67としては、膨張弁を用いることができる。この膨張手段67では、圧縮手段65で約0.1MPaから約0.7MPaへ昇圧する場合、約0.7MPaから約0.1MPaへ降圧することができる。
給湯機10、20は、給水された水を加熱して湯を作り、給湯するが、その際、圧縮手段65としての圧縮機へ電力を供給する必要がある。同じ量の湯を作るのにかかるコストは、上述したようにヒートポンプが消費電力の約3倍の熱を有効利用できる点から大幅に削減することができ、必要とされるエネルギー量も少なくて済むことから、省エネルギー化を図ることができる。また、液体燃料を使用しないため、温暖化ガスとしての二酸化炭素の発生も抑制することができる。
給湯機10は、指定時間内に貯湯タンク12に約90℃の湯を生成して貯留させることが可能な能力を有する。これに対し、給湯機20は、早急に湯を生成して給湯するため、貯湯タンク22に約60〜65℃の湯を生成して貯留させることが可能な能力を有する。指定時間は、業務蓄熱契約時間とすることができ、その時間は電力コストが安価な夜間電力帯である。
再び図1を参照して、貯湯タンク12は、給湯ライン52に接続され、図示しない施設へと給湯する。給湯ライン52は、制御弁40を介して給湯ライン53と接続され、給湯ライン53を介して施設へ給湯する。給湯ライン53から給湯を受ける施設は、上述した温泉施設、病院、ホテル、レジャー施設等である。これら施設へ供給する湯の温度は、大浴場等の追い炊きするのに充分な温度、例えば、約60℃以上とすることができる。
この給湯システムの運転は、まず、給湯機10の貯湯タンク12内の残湯量および湯の温度を液面計および温度計により測定する。そして、制御手段が、その結果を受け取り、その結果から、液面レベルが設定レベル以下であるか否かを判断して、残湯量が設定量以下かを判断し、また、給湯温度の設定値を60℃とし、温度計が60℃以上を示すか否かを判断する。例えば、60℃未満を示すことを検知すると、制御手段は、給湯機20、制御弁40、41に指示を与え、給湯機20を運転させ、制御弁40を「閉」にし、制御弁41を「開」にして、施設と給湯機20との間で湯を循環させる。貯湯タンク22は、給湯ライン54に接続されているため、制御弁41、給湯ライン53を介して図示しない施設へと給湯する。
制御手段が、液面レベルが設定レベルを超え、60℃以上を示すことを検知すると、通常運転として、制御弁40を「開」とし、制御弁41は「閉」としたまま給湯機10と施設との間で湯を循環させる。
給湯機20は、制御手段からの指示を受けて、圧縮手段65の一実施形態である圧縮機へ電力を供給し、圧縮機を起動させることにより熱媒体を加熱し、その熱を水に伝えて湯を生成する。生成された湯は、貯湯タンク22へ送られ、湯量が増加される。貯湯タンク22内の湯が例えば60〜65℃で、その湯量が指定量になったところで、制御弁40、41を上記のような開閉状態とし、貯湯タンク22から給湯を開始する。この給湯は、制御弁41を介して施設へ送られ、施設において適量使用され、残った湯が循環ポンプ30により戻される。
給湯機20の運転を開始し、給湯機20から給湯するまでには、ある程度の時間を要する。その間に給湯することができない場合、湯切れを生じてしまう。そこで、その時間を考慮して、貯湯タンク12内の湯が完全になくなるまで使い切るのではなく、上記のような給湯機20へ切り替えるべき液面レベルを設定し、追い炊き可能な最低限の温度ではなく、それに余裕をもたせた給湯温度を設定している。このため、湯切れを生じることがなくなり、安定して給湯することができ、使用負荷に対応することができる。
給湯機20は、貯湯タンク22が貯湯タンク12に比較してその容量が小さく、昇温すべき温度も60〜65℃と低いので、短時間で目標温度の湯を生成し給湯を開始することができる。また、短時間の運転で湯を生成することができるので、消費電力も抑制することができる。
この給湯システムは、ホテル等の施設に設置する場合、宿泊予約状況に応じて運転を切り替えることもでき、予約数が少ない場合は、給湯機20のみを運転し、貯湯タンク22のみに湯を生成して貯留し、そこから給湯することで、給湯負荷を減らし、ランニングコストを大幅に抑制することも可能である。
給湯システムで使用する電力は、圧縮手段として使用される圧縮機のみである。この圧縮機で消費する電力を抑制することができれば、ランニングコストをさらに抑制することができる。圧縮機は、熱媒体を大気圧から所定圧力にまで圧縮し、その圧縮により熱媒体が温度上昇し、その熱を貯湯タンク内の水や湯に与えることで所定温度の湯を生成することを可能にしている。したがって、熱媒体の温度が高いほど、早く所定温度の湯を生成することができる。
圧縮機による熱媒体の圧縮比が同じである場合、熱媒体の吸引温度が高いほど、吐出温度が高くなる。このため、圧縮機へ入る熱媒体の温度を高くすることが望ましい。
温泉施設、病院、ホテル、レジャー施設等では、換気ファン等が設けられ、適宜屋内を換気している。これらの施設の大浴場や浴室でも換気が行われている。換気により大気中へ排気される空気は、暖かい空気(暖気)であり、これを利用することができれば、給湯システムの消費電力をさらに抑制することができる。
そこで、本発明の給湯システムの別の実施形態では、図3に示すように、図1に示す構成に加えて、さらに、施設70から排出される暖気を、給湯機10、20のヒートポンプユニット11、21それぞれに吹き付けるための排気ライン71、72を含む構成とされる。
排気ライン71、72は、換気ファン等により吸い込まれた屋内の空気を、ヒートポンプユニット11、21が備える吸熱手段に向けて吹き付けるように配設される。その吹き出し口は、内部を熱媒体が流れる熱交換器に向けて配置される。これらの排気ライン71、72は、外気により冷却されないように、保温材等が巻かれ、その長さが出来るだけ短くされている。
この構成における運転では、施設70から排出される暖気を、給湯機10、20のヒートポンプユニット11、21それぞれに吹き付けるステップが追加される。この排気ライン71、72からの暖気の吹き付けにより、外気温によらず、熱媒体を効率良く昇温することができ、消費電力を抑制することができる。このため、積雪の多い地域や冬場に有用となる。
温泉施設である場合、浴場換気により排出される暖気には、水蒸気のほか、炭酸ガスや硫化水素等の酸性ガスを含む場合がある。この暖気をそのまま吹き付けると、外気で冷却され凝縮した水分と微量の酸との存在により、吸熱手段の金属からなる熱交換器の腐食を促進させるおそれがある。
また、外気温が氷点下である場合、水蒸気が吸熱手段の熱交換器外表面に凝結し、霜が付着した状態となる。これでは、熱交換機としての役割を果たさず、消費電力を抑制するどころではなく、余分な電力を消費してしまうことになる。そこで、ヒートポンプユニット11、21に直接吹き付けるのではなく、その前に、その暖気を比較的乾燥した空気と熱交換し、暖められた空気を吹き付けることで、腐食を防止し、熱交換器外表面に着霜するのを防止するように構成する。これにより、消費電力を抑制することができるとともに、ヒートポンプユニット11、21の維持管理を容易にし、装置寿命を延ばすことができ、運転および維持管理コスト等を大幅に削減することができる。
具体的には、図4に示すように、図1に示す構成に加えて、施設80の浴場から排出される暖気と、浴場以外の屋内から排出される空気とを熱交換する熱交換器81と、熱交換により暖められた空気を、給湯機10、20のヒートポンプユニット11、21それぞれに吹き付ける排気ライン82、83とを含む構成とされる。
熱交換器81は、図4に示すように、暖気および空気ともに、上方から入り、下方へ出て行くように流路が形成され、暖気に含まれる水蒸気が間接的に空気に熱を与えることにより凝縮し、凝縮して出てきた水を熱交換器81下部から確実に排出される構造とされている。
この水には、酸性ガスを含む場合があり、熱交換器81は、腐食を防止するために、暖気が流通する内面に薄い樹脂ライニングを施すことができ、その樹脂としてFRP(繊維強化プラスチック)等を用いることができる。
排気ライン82、83は、換気ファン等により吸い込まれた屋内の空気を、熱交換器81を介してヒートポンプユニット11、21が備える吸熱手段に向けて吹き付けるように配設される。図3に示す実施形態と同様、その吹き出し口は、内部を熱媒体が流れる熱交換器に向けて配置され、これらの排気ライン71、72は、外気により冷却されないように、保温材等が巻かれ、その長さが出来るだけ短くされる。
この構成も、特に、積雪の多い地域や冬場に有用であり、夜間入浴後の換気において給湯機10を運転する際に有用である。
図3および図4に示す実施形態の構成を採用することで、エネルギー消費効率の目安として使われる成績係数(COP)を向上させることができ、消費電力を大幅に抑制することができる。
これまで本発明の給湯システムおよびその運転方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
10、20…給湯機、11、21…ヒートポンプユニット、12、22…貯湯タンク、30…循環ポンプ、40、41…制御弁、50、51…給水ライン、52、53、54…給湯ライン、60…受入ノズル、61…送出ノズル、62、63…循環用ノズル、64…吸熱手段、65…圧縮手段、66…加熱手段、67…膨張手段、70、80…施設、71、72、82、83…排気ライン、81…熱交換器

Claims (6)

  1. 湯を生成して供給する給湯システムであって、
    水を加熱するヒートポンプユニットと、該ヒートポンプユニットによる加熱によって生成された湯を貯留する貯湯タンクとからなる2つの給湯機と、
    前記貯湯タンク内の湯を、給湯すべき施設との間で循環する循環手段と、
    一方の前記給湯機の貯湯タンク内の残湯量が設定量以下または給湯温度が設定温度未満であることを検知した場合に、他方の前記給湯機を起動させ、前記一方の給湯機の貯湯タンクより容量が小さい前記他方の給湯機の貯湯タンク内に生成された湯を循環させる運転に切り替える制御手段とを含む、給湯システム。
  2. 前記施設から排出される暖気を、前記2つの給湯機のヒートポンプユニットそれぞれに吹き付ける2つの排気ラインを含む、請求項1に記載の給湯システム。
  3. 前記施設の浴場から排出される暖気は、水蒸気および酸性ガスを含み、
    前記施設の浴場から排出される暖気と、前記浴場以外の屋内から排出される空気とを熱交換する熱交換器と、熱交換により暖められた前記空気を、前記2つの給湯機のヒートポンプユニットそれぞれに吹き付ける2つの排気ラインとを含む、請求項1に記載の給湯システム。
  4. 水を加熱するヒートポンプユニットと該ヒートポンプユニットによる加熱によって生成された湯を貯留する貯湯タンクとからなる2つの給湯機と、前記貯湯タンク内の湯を、給湯すべき施設との間で循環する循環手段と、制御手段と、測定手段とを備える給湯システムの運転方法であって、
    前記測定手段が一方の前記給湯機の貯湯タンク内の残湯量および湯の温度を測定するステップと、
    前記測定手段による測定結果から、前記制御手段が、前記残湯量が設定量以下であるか、および前記湯の温度が設定温度未満であるかを判断するステップと、
    前記設定量以下または前記設定温度未満であると判断した場合に、前記制御手段が、他方の前記給湯機を起動させ、前記一方の給湯機の貯湯タンクより容量が小さい前記他方の給湯機の貯湯タンク内に生成された湯を循環させる運転に切り替えるステップとを含む、運転方法。
  5. 前記施設から排出される暖気を、前記2つの給湯機のヒートポンプユニットそれぞれに吹き付けるステップをさらに含む、請求項4に記載の運転方法。
  6. 前記施設の浴場から排出される暖気は、水蒸気および酸性ガスを含み、
    前記施設の浴場から排出される暖気と、前記浴場以外の屋内から排出される空気とを熱交換するステップと、熱交換により暖められた前記空気を、前記2つの給湯機のヒートポンプユニットそれぞれに吹き付けるステップとをさらに含む、請求項4に記載の運転方法。
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