JP2010276035A - 電動オイルポンプの設置構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸入油路に破損などの異常が発生した場合に、油漏れ量を少なく抑えることができ、かつ、ポンプ騒音を低減可能な電動オイルポンプの設置構造を提供すること。
【解決手段】ミッションケース100の外側面下部に設けられて、オイルを、ミッションケース100のオイル貯留部120aからサブ吸入油路510を介して吸入し自動変速機T/Mに供給する電動オイルポンプOP2の設置構造であって、サブ吸入油路510は、オイル貯留部120a側の上流部511が、オイル貯留部120aの油面600よりも下方に配置され、中間部に、油面600よりも上方に配置された高位置部512を備え、電動オイルポンプOP2側の下流部513が、油面600よりも下方に配置されていることを特徴とする電動オイルポンプの設置構造とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、変速機などに油圧を供給する油圧供給源として、エンジンにより駆動されるメカオイルポンプと、電動機により駆動される電動オイルポンプとを備えたものにおける電動オイルポンプの設置構造に関する。
従来の電動オイルポンプの設置構造として、エンジンにより駆動されるメカオイルポンプと、電動機により駆動される電動オイルポンプとを、使用状況に応じて使い分ける構造のトランスミッションが、例えば、特許文献1などにより知られている。
この従来技術では、電動オイルポンプは、トランスミッションの側面に取り付けられていた。
また、このように、メカオイルポンプと電動オイルポンプとを備えたもので、部品共用化のため、メカオイルポンプと電動オイルポンプとの吸入油路を、油路の途中で分岐させたものが、例えば、特許文献2などにより知られている。
特開2008−255835号公報 特開2008−267498号公報
しかしながら、従来の電動オイルポンプの設置構造にあっては、電動オイルポンプがトランスミッションの側面に設置されており、電動オイルポンプへの吸入油路がトランスミッションケース外部へと引き出されている。このため、トランスミッション外部の吸入油路に破損などの異常が発生してしまうと、トランスミッション外部へ多量の油が漏れ出してしまうという問題点がある。
さらに、電動オイルポンプとして、大出力の電動オイルポンプを採用した場合は、車両搭載上の制約から吸入口部から遠く離れた場所となる場合があるが、吸入油路の増加から吸入性能が低下してポンプ騒音が悪化する問題点がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、吸入油路に破損などの異常が発生した場合に、油漏れ量を少なく抑えることができ、かつ、ポンプ騒音を低減可能な電動オイルポンプの設置構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動オイルポンプの設置構造は、ミッションケースの外側面下部に設けられて、オイルを、ミッションケースのオイル貯留部からサブ吸入油路を介して吸入し変速機に供給する電動オイルポンプの設置構造であって、前記サブ吸入油路は、前記オイル貯留部側の上流部が、前記オイル貯留部の油面よりも下方に配置され、中間部に、前記油面よりも上方に配置された高位置部を備え、前記電動オイルポンプ側の下流部が、前記油面よりも下方に配置されていることを特徴とする電動オイルポンプの設置構造とした。
本発明の電動オイルポンプの設置構造にあっては、駆動源の非駆動時には、電動ポンプを駆動させて変速機にオイルを供給する。このとき、電動オイルポンプがオイルを吸入した際には、オイルが高位置部を通過するため、サイフォン原理により、吸入油が重力で電動ポンプへ流れ込み、その分、電動オイルポンプがオイルの吸入に必要な吸入負圧が小さくて済み、エネルギ消費および騒音の抑制が可能となる。
また、変速機から電動オイルポンプへのサブ吸入油路の途中の高位置部により、いったん油面より高い位置に持ち上げ、油面より低い位置で電動オイルポンプへ接続している。このため、走行中などに、サブ吸入経路に破損などの異常が発生した場合、油面より高い位置にある油のみが変速機の外部に漏れることになり、サブ吸入油路を油面よりも低い位置のみに配置した場合と比較して油漏れ量を少なく抑えることが可能である。
実施例1の電動オイルポンプの設置構造が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両の一例を示す全体システム図である。 実施例1の電動オイルポンプの設置構造を車両側方から見た概略図である。 実施例1の電動オイルポンプの設置構造を適用した自動変速機T/Mを車両下方から見上げた底面図である。 実施例1の電動オイルポンプの設置構造に適用した自動変速機T/Mの、図5のS4−S4線での断面を示す断面図である。 実施例1の電動オイルポンプの設置構造を適用した自動変速機T/Mを車両側方から見た側面図である。 実施例1の電動オイルポンプの設置構造に適用した自動変速機T/Mの、図5のS6−S6線での断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の実施の形態の電動オイルポンプの設置構造は、入力側に駆動源(E、MG)を連結可能な変速機(T/M)と、この変速機(T/M)を収容するミッションケース(100)と、このミッションケース(100)の下部に設けられオイルを貯留するオイル貯留部(120a)と、前記駆動源(E,MG)に駆動され、前記オイルを、前記オイル貯留部(120a)からメイン吸入油路(410)を介して吸入し前記変速機(T/M)に供給するメカオイルポンプ(OP1)と、前記ミッションケース(100)の外側面下部に設けられ、前記オイルを、前記オイル貯留部(120a)からサブ吸入油路(510)を介して吸入し前記変速機(T/M)に供給する電動オイルポンプ(OP2)と、を備え、前記サブ吸入油路(510)は、前記オイル貯留部側の上流部(511)が、前記オイル貯留部(120a)の油面(600)よりも下方に配置され、中間部に、前記油面(600)よりも上方に配置された高位置部(512)を備え、前記電動オイルポンプ側の下流部(513)が、前記油面(600)よりも下方に配置されていることを特徴とする電動オイルポンプの設置構造である。
図1〜図6に基づき、この発明の最良の実施の形態の実施例1の電動オイルポンプの設置構造について説明する。
(駆動系)
まず、実施例1の電動オイルポンプの設置構造を適用したハイブリッド車両の駆動系の構成を説明する。
図1は実施例1の電動オイルポンプの設置構造が適用された自動変速機T/Mを備えた後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。
実施例1を適用したハイブリッド駆動システムは、図1に示すように、エンジン(駆動源)Eと、フライホイールFWと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータ(駆動源)MGと、ダンパDUMと、メカオイルポンプOP1と、自動変速機T/Mと、プロペラシャフトPSと、ディファレンシャルDFと、左ドライブシャフトDSLと、右ドライブシャフトDSRと、左後輪RLと、右後輪RRと、を有する。なお、各図において矢印FRが車両前方、矢印RRが車両後方、矢印Lが車両左方向、矢印Rが車両右方向、矢印UPが車両上方、矢印DNが車両下方を示している。
エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジン制御コントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。なお、エンジンEの出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に介装された油圧式多板クラッチ等であり、図外の第1クラッチコントローラからの制御指令に基づいて、図外の第1クラッチ油圧ユニットにより作り出された制御油圧により、滑り締結と滑り開放を含み締結・開放が制御される。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータジェネレータ制御コントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することにより制御される。このモータジェネレータMGは、駆動バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできるし、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能して駆動バッテリ4を充電することもできる。なお、このモータジェネレータMGのロータは、ダンパDUMを介して自動変速機T/Mの入力軸に連結されている。
自動変速機T/Mは、例えば、前進7速後退1速などの有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機であり、ギヤ機構や摩擦締結要素によるパワートレーンを有する。
自動変速機T/Mに油圧を供給する手段として、メカオイルポンプOP1と電動オイルポンプOP2とが設けられている。
メカオイルポンプOP1は、自動変速機T/Mの入力軸と同軸に、自動変速機T/Mの車両前方(矢印FR方向)側端部に設けられ、エンジンEおよびモータジェネレータMGを動力源とする。
電動オイルポンプOP2は、エンジンEおよびモータジェネレータMGの駆動停止時に自動変速機T/Mに油圧を供給するもので、ミッションケース100の下部の側部に取り付けられ、図示を省略した電動モータを動力源とする。
自動変速機T/Mには、油圧式多板クラッチ等による第2クラッチCL2が内蔵されている。この第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機T/Mの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用している。前記第2クラッチCL2は、図外のATコントローラからの制御指令に基づいて、後述するミッションケース100内のコントロールバルブユニット200により作り出された制御油圧により、滑り締結と滑り開放を含み締結・開放が制御される。
自動変速機T/Mの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して左後輪RLと右後輪RRに連結されている。
(制御系)
次に、実施例1の電動オイルポンプの設置構造を適用したハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジン制御コントローラ1と、モータジェネレータ制御コントローラ2と、インバータ3と、駆動バッテリ4と、配電機器5と、DC/DCコンバータ6と、12Vバッテリ7と、DC/DCコンバータ8と、ナビゲーションモニタ9と、統合コントローラ10と、電動オイルポンプOP2と、を有して構成されている。なお、エンジン制御コントローラ1と、モータジェネレータ制御コントローラ2と、統合コントローラ10とは、互いの情報交換が可能なCAN通信線を介して接続されている。
エンジン制御コントローラ1は、12Vバッテリ7を電源とし、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
モータジェネレータ制御コントローラ2は、12Vバッテリ7を電源とし、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバからの情報を入力し、統合コントローラ10からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。
なお、前記12Vバッテリ7は、インバータ3と駆動バッテリ4との間に接続された配電機器5から高電圧線を介して分配される直流高電圧を変圧するDC/DCコンバータ6により充電される。
統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、各種情報を入力し、前記エンジン制御コントローラ1への制御指令によるエンジンEの動作制御と、前記モータジェネレータ制御コントローラ2への制御指令によりモータジェネレータMGの動作制御と、第1クラッチCL1の締結・開放制御と、第2クラッチCL2の締結・開放制御と、を行なう。
実施例1のハイブリッド駆動システムは、図1に示すように、エンジンEとモータジェネレータMGとの間に油圧作動による第1クラッチCL1を介装すると共に前記モータジェネレータMGと左右後輪RL,RRとの間に油圧作動による第2クラッチCL2を有する自動変速機T/Mを介装し、前記エンジンEはオルタネータを装備せず、システムへの電力供給の役割を前記モータジェネレータMGのみが担う構成としている。
(油圧回路構造)
次に、自動変速機T/MとメカオイルポンプOP1および電動オイルポンプOP2とを接続する油圧回路構造について説明する。
自動変速機T/Mを覆うミッションケース100は、図2に概略を示すように、第2クラッチCL2を含む変速機構を収容したケース本体110の下部に、オイルを貯留するオイルパン120が設けられ、ケース本体110の前方にモータジェネレータMGを収容するモータ収容部130が設けられた構造となっている。
オイルパン120は、内部にオイル貯留部120aを備え、オイルが油面600の高さまで貯留されている。
このオイル貯留部120a内であって、ケース本体110の下面110aの車両後方(矢印RR方向)側部分には、主として自動変速機T/Mの油圧制御を行なうコントロールバルブユニット200が搭載されている。
同様にオイル貯留部120a内であって、車両前後方向で、コントロールバルブユニット200とメカオイルポンプOP1との間の位置において、ケース本体110の下面にポンプバルブユニット300が設けられている。
このポンプバルブユニット300は、コントロールバルブユニット200と、両ポンプOP1,OP2とを接続する後述する複数の油路および逆止弁を備えている。
また、ポンプバルブユニット300は、自動変速機T/Mの底面図である図3に示すように、車幅方向で車両左側のメインユニット部310と車両右側のサブユニット部320との2つの領域に分かれている。
メインユニット部310は、図4の車両後方から見た構造説明図に示すように、メカオイルポンプOP1がオイルを吸入および吐出するのに用いるメイン吸入油路410およびメイン吐出油路420を備えている。
なお、メイン吸入油路410は、上流側の端部は、図2に示すように、コントロールバルブユニット200の油面600よりも低い位置に設けられたオイルストレーナ201に配置され、コントロールバルブユニット200からポンプバルブユニット300のメインユニット部310(図2ではメインユニット部310とサブユニット部320とが車幅方向で重なるため、両者は一体的に表示している)を通り、ケース本体110を経てメカオイルポンプOP1に接続されている。
また、メイン吐出油路420は、ケース本体110を通り、ポンプバルブユニット300のメインユニット部310を通り、再びケース本体110を経た後、コントロールバルブユニット200に接続されている。
サブユニット部320は、電動オイルポンプOP2がオイルを吸入および吐出するのに用いるサブ吸入油路510およびサブ吐出油路520を備えている。
図2および図4に示すように、メイン吸入油路410の上流端は、オイルの油面600よりも下方位置に配置されている。
さらに、メイン吸入油路410には、油面600よりも下方位置で、サブ吸入油路510に分岐する分岐部430が設けられている。
サブ吸入油路510は、上流部511と高位置部512と下流部513とを備えている。上流部511は、分岐部430からメインユニット部310とサブユニット部320とに跨って延在され、油面600よりも下方に配置されている油面下部511aと、この油面下部511aから、略垂直に上方に折曲されて、ケース本体110に延びる縦孔部511bと、を備えている。
高位置部512は、縦孔部511bからケース本体110の側面110sに延びる横孔部512aと、この横孔部512aの開口端にプラグ701を介して接続された吸入接続パイプ700の略水平に延在された部分で形成された水平パイプ部512bと、を備えている。
下流部513は、吸入接続パイプ700により形成されており、水平パイプ部512bから、図5にも示すように、車両斜め下前方向であって油面600よりも下方まで延在された下方延在部513aと、この下方延在部513aの下端に連続し、油面600よりも下方の位置で、車両前方に延在されて電動オイルポンプOP2に接続された接続部513bと、を備えている。
なお、図5において、符号900で示すパイプは、電動オイルポンプOP2の大気開放用の呼吸管である。
また、電動オイルポンプOP2のサブ吐出油路520は、図5のS6−S6線による断面である図6に示すように、電動オイルポンプOP2のポンプボディ800を車幅方向に延在され、モータ収容部130で略L字に車両後方に折曲され、サブユニット部320に延在された後、図2に示すように、接続部440でメイン吐出油路420に接続されている。
また、ポンプバルブユニット300において、メイン吐出油路420およびサブ吐出油路520の途中には、各オイルポンプOP1,OP2から吐出されたオイルが、他方のオイルポンプOP2,OP1に逆流するのを防止する逆止弁421,521が設けられている。
(実施例1の作用)
次に、実施例1の作用を説明する。
(電動オイルポンプ駆動時)
EVモードでの停車時には、エンジンEおよびモータジェネレータMGが停止され、メカオイルポンプOP1の駆動が停止されることから、電動オイルポンプOP2が駆動されて油圧の供給が行なわれる。
この電動オイルポンプOP2の駆動時には、オイルは、油面600の下方に開口されたメイン吸入油路410の開口端から吸入され、分岐部430からサブ吸入油路510を通って電動オイルポンプOP2に吸入される。
このサブ吸入油路510は、油面600の下方位置の上流部511から、いったん油面600よりも上方の高位置部512を経由し、油面600よりも下方位置の下流部513を経て電動オイルポンプOP2に吸入される。
したがって、電動オイルポンプOP2の吸入側では、オイルに、サイフォンの原理による重力が作用し、電動オイルポンプOP2に向かう自然流が生じるため、その分、電動オイルポンプOP2がオイルを吸引するのに必要な吸入負圧が小さくなり、必要なポンプ仕事量およびポンプ騒音を低減できる。
また、サブ吸入油路510において、ケース本体110と電動オイルポンプOP2との間は、吸入接続パイプ700を用いて接続しているため、この吸入接続パイプ700のケース本体110への接続位置と、電動オイルポンプOP2への接続位置との設計上の自由度が高くなる。よって、電動オイルポンプOP2の大きさに関する設計自由度が高まり、大型の電動オイルポンプOP2を用いることで、大出力と低騒音を両立させることが可能となる。
(サブ吸入油路破損時)
走行中にサブ吸入油路510に破損などの異常が発生した場合、サブ吸入油路510には、油面600よりも高い位置に配置した高位置部512を設けているため、油漏れが生じた場合には、サブ吸入油路510の油面600よりも高い位置に残っているオイルのみが外部に漏れ、その後は、オイルパン120内のオイルが外部に漏れるのを防止でき、オイルの漏れ量を少なく抑えることが可能である。
また、上述のようにサブ吸入油路510に破損などの異常が生じた状態で、メカオイルポンプOP1を駆動させたときには、サブ吸入油路510から混入するエアの影響は油面600によって遮断され、メカオイルポンプOP1で油圧を発生できるため、車両走行を継続することが可能となる。
(実施例1の効果)
以上説明したように、実施例1の電動オイルポンプ構造にあっては、以下に列挙する効果を奏する。
a)電動オイルポンプOP2の駆動時には、サブ吸入油路510のオイルに、サイフォンの原理による重力が作用して、電動オイルポンプOP2側に流れるため、電動オイルポンプOP2がオイルを吸引するのに必要な吸入負圧が小さくなる。よって、必要なポンプ仕事量の低減による省エネルギ化を図ることが可能であるとともに、ポンプ騒音を低減可能である。
b)サブ吸入油路510に破損などの異常が発生した場合、サブ吸入油路510に、油面より高い位置に配置した高位置部512を設けているため、サブ吸入油路510において油面600よりも高い位置に残っているオイルのみが外部に漏れ、オイル貯留部120a内のオイルが外部に漏れるのを防止でき、オイルの漏れ量を少なく抑えることが可能である。
c)メイン吸入油路410からサブ吸入油路510へ分岐させる分岐部430を、油面600よりも下方位置に設置したため、上記b)のようにサブ吸入油路510に破損などの異常が生じた場合でも、メカオイルポンプOP1の駆動時に、サブ吸入油路510から混入するエアの影響は油面600によって遮断して正常駆動可能であり、フェイルセーフ性に優れる。
d)サブ吸入油路510において、ミッションケース100と電動オイルポンプOP2との間には、吸入接続パイプ700を用いているため、電動オイルポンプOP2の設置自由度が高く、大型の電動オイルポンプOP2を設置して、大出力と低騒音を両立させることが可能となる。
e)高位置部512は、ケース本体110と、ミッションケース100外部の吸入接続パイプ700と、により形成している。このため、吸入接続パイプ700がどの部分で破損しても、高位置部512がミッションケース100内に確保され、上記b)の効果が確実に得られる。
以上、本発明の電動オイルポンプの設置構造を実施の形態および実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態および実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施例1では、ハイブリッド車両に適用した例を示したが、車両停止時に駆動源の駆動を停止させた際に、電動オイルポンプを駆動させて油圧を発生させるものであれば、ハイブリッド車両以外の車両、すなわち、駆動源としてエンジンのみを搭載した車両や、駆動源としてモータのみを搭載した電動車両などにも適用することができる。
また、ハイブリッド車両として後輪駆動のハイブリッド車両を示したが、前輪駆動のハイブリッド車両や四輪駆動のハイブリッド車両へも適用できる。また、実施例1では、1モータ2クラッチタイプのハイブリッド駆動系への適用例を示したが、クラッチを持たずエンジンとモータジェネレータと変速機(自動変速機、無段変速機、動力合成変速機、動力分割変速機等)のみを持つハイブリッド駆動システムにも適用できる。
また、実施例1では、電動オイルポンプOP2は、ミッションケース100の側部下部に取り付けた例を示したが、車両の駆動形式に応じ、他の位置(例えば、ミッションケースの車両前後方向側面など)に取り付ける要にしてもよい。
また、実施例1では、高位置部512は、ミッションケース100とケース外部とにまたがって形成した例を示したが、ミッションケース100内のみに形成してもよい。
また、変速機として自動変速機T/Mを示したが、手動変速機など他の形式の変速機に適用することもできる。
100 ミッションケース
110 ケース本体
120 オイルパン
120a オイル貯留部
300 ポンプバルブユニット
310 メインユニット部
320 サブユニット部
410 メイン吸入油路
420 メイン吐出油路
430 分岐部
510 サブ吸入油路
511 上流部
512 高位置部
513 下流部
600 油面
700 吸入接続パイプ
800 ポンプボディ
E エンジン(駆動源)
MG モータジェネレータ(駆動源)
OP1 メカオイルポンプ
OP2 電動オイルポンプ
T/M 自動変速機

Claims (3)

  1. 入力側に駆動源を連結可能な変速機と、
    この変速機を収容するミッションケースと、
    このミッションケースの下部に設けられオイルを貯留するオイル貯留部と、
    前記駆動源により駆動され、前記オイルを、前記オイル貯留部からメイン吸入油路を介して吸入し前記変速機に供給するメカオイルポンプと、
    前記ミッションケースの外側面下部に設けられ、前記オイルを、前記オイル貯留部からサブ吸入油路を介して吸入し前記変速機に供給する電動オイルポンプと、
    を備え、
    前記サブ吸入油路は、前記オイル貯留部側の上流部が、前記オイル貯留部の油面よりも下方に配置され、中間部に、前記油面よりも上方に配置された高位置部を備え、前記電動オイルポンプ側の下流部が、前記油面よりも下方に配置されていることを特徴とする電動オイルポンプの設置構造。
  2. 前記サブ吸入油路は、前記メイン吸入油路の前記油面よりも下方位置に設けられた分岐部から分岐して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動オイルポンプの設置構造。
  3. 前記サブ吸入油路の一部に、前記ミッションケースと前記電動オイルポンプとを結ぶ吸入接続パイプが用いられていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電動オイルポンプの設置構造。
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