JP2001164543A - ダム湖等の土砂排出機構及びダム湖等の土砂排出方法 - Google Patents

ダム湖等の土砂排出機構及びダム湖等の土砂排出方法

Info

Publication number
JP2001164543A
JP2001164543A JP35047699A JP35047699A JP2001164543A JP 2001164543 A JP2001164543 A JP 2001164543A JP 35047699 A JP35047699 A JP 35047699A JP 35047699 A JP35047699 A JP 35047699A JP 2001164543 A JP2001164543 A JP 2001164543A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pipe
dam
sediment
flow
discharge pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35047699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3277489B2 (ja
Inventor
Yoshiaki Tsuchiya
良明 土屋
Yorikuni Shibuya
▲より▼州 渋谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinshu University NUC
Yoshikawa Kensetsu KK
Original Assignee
Shinshu University NUC
Yoshikawa Kensetsu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinshu University NUC, Yoshikawa Kensetsu KK filed Critical Shinshu University NUC
Priority to JP35047699A priority Critical patent/JP3277489B2/ja
Priority to PCT/JP2000/006860 priority patent/WO2001042568A1/ja
Priority to EP00963060A priority patent/EP1236832A4/en
Priority to CNB008169799A priority patent/CN1190568C/zh
Publication of JP2001164543A publication Critical patent/JP2001164543A/ja
Priority to US10/104,031 priority patent/US6817120B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3277489B2 publication Critical patent/JP3277489B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02BHYDRAULIC ENGINEERING
    • E02B3/00Engineering works in connection with control or use of streams, rivers, coasts, or other marine sites; Sealings or joints for engineering works in general
    • E02B3/02Stream regulation, e.g. breaking up subaqueous rock, cleaning the beds of waterways, directing the water flow
    • E02B3/023Removing sediments
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A10/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Barrages (AREA)
  • Jet Pumps And Other Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 管内閉塞を防止できるなど好適、且つ効率的
にダム湖等の貯水場所の水底堆積物を排出すること。 【解決手段】 水底29に対向して開口された吸込口1
2と、吸込口12から鉛直方向へ延びる鉛直管部13
と、下流水路に開口された排出口18とが設けられ、堆
積物を排出させる排出管10を備え、その排出管10が
ダム湖等の堰堤25を貫通するように設けられ、排出管
10のダム湖等内に位置する吸込口側の管部14の全体
を、作業水位21よりも下方へ水没させた状態に吊持で
きるクレーン機能を有すると共に、排出管10の管路内
を水流が好適に流れるべく、吸込口12を上下動させる
上下動機能を有する昇降装置を備えるクレーン台船36
と、サイフォン効果の発生と中断を行うべく、排出管1
0内にかかる空気の出入がなされる空気弁42とを具備
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はダム湖等の土砂排出
機構及びダム湖等の土砂排出方法に関する。ダム等の貯
水場所は、その貯水量が低下すると、本来の諸機能が損
なわれてしまう。このため、従来は浚渫によって、水底
の土砂を掘削して引き上げ、石材はコンクリートの骨
材、他は埋め立て等に利用されていた。しかし、土砂等
が河川に流下しないことで、自然のバランスが失われ、
新たな問題が発生している。例えば、山で発生した有機
質成分がダムによって海まで流下しなくなることで、プ
ランクトン発生のための養分が海に供給されなくなり、
魚介類が減少してしまう問題や、土砂が流下しないこと
で河床の洗掘、砂浜の後退等の問題が発生している。
【0002】
【従来の技術】巨大なダムでは、水の流れがほとんどな
くなり、流入した水が長い時間留まることになる。この
ため、小規模なダムと比較して土砂が沈降して堆積し易
い。ウォッシュ・ロードと呼ばれる細粒土についても、
ほとんどが堆積してしまい、過去40年間で約1000
万m3が堆積した実例がある。このような大量の土砂を
取り除くことは、従来の浚渫船による浚渫作業では限界
があり、ダムの有効貯水量を維持することは困難であっ
た。そこで、図5に示すように、上記のような巨大なダ
ム60にあっては、ダム湖の湖底に堆積する堆砂等の堆
積物22にかかる排除のため、洪水流及び固液二相流
を、ダムの上流部と下流河川64とを直通させるバイパ
ストンネル30によって流す(流下する)計画が考えら
れている。バイパストンネル30では、ダム湖である貯
水場所20とバイパストンネル30とを連通させる補助
トンネル32を、ダム湖の沿岸23に複数設け、貯水場
所20の複数の位置から堆砂を排出させるように計画さ
れている。
【0003】この場合、前記補助トンネル32には、土
砂又は土石流を安全に流すようにダム湖の岸(堰堤)に
開口する土砂吐水門(土砂排出口62)を有すると共
に、その土砂排出口62を開閉するように水門扉が確実
に作動する機構を備える土砂排出用の水門が必要にな
る。これは、土砂排出口62を確実に閉塞しないと、補
助トンネル32より上流の水を全部流し切ることになる
ためである。しかしながら、土砂等の混じった大量の水
が流れている時に、その水門を確実に開閉することは困
難である。また、たとえ開閉できても、その機構は非常
に大規模なものになってしまう。すなわち、水門を開閉
することによって、所定の深さに堆積した土砂を排出さ
せるには、少なくともその深さと同一レベルの高さを備
える水門を形成しなければならない。その水圧に対応で
きる構造物は非常に巨大なものに成ると考えられる。
【0004】また、湖底に堆積された土砂は、その湖底
の一部のみではなく、なるべく均一に広範囲に亘って排
除することが、貯水量を維持するために必要である。し
かしながら、土砂排出用の水門から補助トンネル32を
介してバイパストンネル30へ土砂を流す場合は、その
水門付近の土砂を好適に排出することは可能であって
も、他の大部分の土砂については効果的に排出すること
が困難であった。従って、既に堆積している堆砂を一掃
することができなかった。
【0005】このような課題を解消するため、図6に示
すような、サイフォン効果を利用した土砂の排出方法
が、従来から考えられている。70は排出管であり、ダ
ム湖(貯水場所20)の湖底29に対向して開口した吸
込口71と、下流の水路80側に開口した排出口78を
備える管路を形成する。この排出管70は、吸込口側の
管部73が作業船82に支持され、堰堤25を乗り越え
るように中途部76で作業水位21よりも上方を通るよ
うに屈曲されている。この排出管70では、強力な水中
ポンプ84によって排出管70内に水を満たすことによ
って、サイフォン効果を発生させることができる。ま
た、サイフォン効果を停止させるには、排出管70の屈
曲した中途部76の最上部に設けられた空気弁77を開
き、排出管70内に中断用の空気を入れればよい。
【0006】そして、排出管70の先端部である吸込口
71近傍は、管路が略垂直(重力方向である鉛直)に配
されるように 鉛直管部72になっている。この鉛直管
部72は、水面21から湖底29までの距離が調整でき
るように、その鉛直管部72自体が伸縮自在に形成され
ている。例えば、内管に対して外管が上下に伸縮可能に
装着されている。なお、74は屈折可能部であり、その
部分を中心に排出管70の吸込口71を水平方向へ旋回
移動できる。そのように旋回移動させるには、吸込口7
1側の部分を支持する作業船を移動させればよく、吸込
口71の位置を円弧状に移動させることができる。ま
た、75はフロートであり、排出管70を水面上に浮か
べておくために設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の土砂の排出方法では、堰堤25を乗り越えるように
して排出管70が形成されているため、サイフォン効果
による排出には自ずと限界が生じる。特に水の固液混相
流において固体の分離沈降が生じる流速(例えば、固体
の容積比率が1%という条件では2.5m/s程度)で
は、管路の閉塞が生じ実用的ではない。この問題を解消
するため、従来は所定の高い静圧出力(吐出力)を有す
る水中ポンプ84等で、ジェット流を付加している。す
なわち、高い出力圧機能を備える装置によって、排出管
70内を管水路状態に維持することを要する。なお、管
水路(Pipe line)とは、水流が管路の断面全面を満た
して流れ、自由水面を持たないことを意味する。このよ
うに水中ポンプ84等の高い出力圧機能を備える装置を
要することから、管路の構成が複雑になり、サイフォン
効果を主体とする機構でなくなるので、イニシャルコス
ト、及びランニングコストが共に高くなるという課題が
あった。また、排出管70の堰堤を乗り越えるため、そ
の中途部で排出管70が上方へ屈曲するなど、少なくと
も3か所で大きく屈曲する形状となっており、管内抵抗
が上昇してしまう形態となっている。従って、屈曲する
部分で、排出管70内を通過すべき土砂が分離堆積して
その管路を塞いだり、その管内抵抗の分だけ、排出管7
0の全長を長くすることができないという課題があっ
た。
【0008】そこで、本発明の目的は、簡単な構成及び
操作で、常用時には管水路の排出効果を好適に得て、特
別な時には容易にサイフォン効果を得ることができ、ま
た、これらを使い分けることにより、管内閉塞を防止で
きるなど好適、且つ効率的にダム湖等の貯水場所の湖底
堆積物を排出できるダム湖等の土砂排出機構を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は次の構成を備える。すなわち、本発明は、
貯水場所であるダム湖等における土砂等の堆積物が堆積
した水底面に対向して開口された吸込口と、該吸込口か
ら鉛直方向へ延びる鉛直管部と、前記ダム湖等の下流側
にある下流水路に開口された排出口とが設けられ、 前
記ダム湖等から前記下流水路へ水流と共に前記堆積物を
排出させる排出管を備えるダム湖等の土砂排出機構にお
いて、少なくとも前記堆積物を排出する際には、該排出
の作業を行う際の前記ダム湖等の水位である作業水位よ
りも低い位置を通るように、前記排出管が、前記ダム湖
等の堰堤を貫通するように設けられ、前記排出管を動水
勾配よりも下方を通すなど、水頭差のエネルギーを好適
に利用し、前記排出管の管路内を、水流が満たした流れ
の良好な状態である管水路とすべく、前記排出管の前記
ダム湖等内に位置する全部の部分である吸込口側の管部
の全体を、前記作業水位よりも下方へ水没させた状態に
吊持できるクレーン機能を有すると共に、前記排出管の
管路内を水流が好適に流れるべく、前記吸込口を上下動
させる上下動機能を有する昇降装置を備えるクレーン台
船と、前記排出管に開閉可能に設けられ、水頭差によっ
て生じるサイフォン効果の発生と中断を行うべく、該排
出管内にかかる空気の出入がなされる空気弁とを具備す
る。
【0010】また、前記昇降装置に、前記吸込口の上下
動サイクルの調節を行うサイクル調整手段を設けたこと
で、脈動流及びプラグ流の発生と、固液二相流における
固体成分の体積濃度の調整が容易にでき、簡単な構成及
び操作で、管内閉塞を防止できるなど好適、且つ効率的
に固液二相流を排出できる
【0011】また、前記鉛直管部の先端部である吸込口
の近傍に、一端部が上下に回動可能に他端で軸着された
アーム部材と、該アーム部材の中途部に、水中で上下方
向の姿勢を維持して該アーム部材に対して回動するよう
に設けられた支点部材と、前記アーム部材の先端部に、
水中で上下方向の姿勢を維持して該アーム部材に対して
回動するように設けられ、先端がダム湖等の水底面の堆
積物を擾乱状態に活性化するように形成されたチゼルと
を備え、該チゼルに前記昇降装置のワイヤ等の昇降動用
部材が連結されていることで、より効率的に固液二相流
を排出できる。なお、チゼル(chisel)とは、本来、
「のみ」や「たがね」を意味し、本発明にかかる「チゼ
ル」も、これに類似する意味で用いられている。
【0012】また、前記吸込口側の管部は、前記鉛直管
部を除いた中途部で水平方向に屈折可能に設けられてい
ることで、ダム湖の広範囲に亘って土砂を排出できる。
【0013】また、前記排出管が、前記堰堤に開口され
た堰堤孔部に挿通され、該堰堤孔部において長手方向に
進退自在に移動できるように、前記排出管の中途部にお
ける所定の部位が略直線状の管に形成されており、前記
堰堤孔部には、前記排出管の移動を滑らかに受ける複数
のローラ状の受け部材が設けられていることで、土砂の
吐出効率を低減することなく、ダム湖のより広範囲に亘
って土砂を排出できる。
【0014】また、前記堰堤孔部と前記排出管との水密
は、両者の間に介在して空気が注入されることによって
圧接されるエアバック状のシール部材によってなされて
いることで、排出管が進退できると共に、水密を容易且
つ確実にできる。
【0015】また、本発明は、前記のダム湖等の土砂排
出機構を用いて前記堆積物を排出するダム湖等の土砂排
出方法において、前記クレーン台船の昇降装置によっ
て、前記排出管の前記吸込口を所定の定常的サイクルで
上下動させて、脈動する吸込流である脈動流を得ると共
に、前記吸込口をダム湖等の底面に対して前記上下動に
よる所定の定常的サイクルで接離させることで、他の部
分より堆積されていた粒状物等の個体が高い濃度で混合
された流れと低い濃度で混合された流れとを、交互に発
生させるプラグ流を得ることを特徴とするダム湖等の土
砂排出方法にもある。これによれば、土砂等の吸込力を
より向上させ、非常に効率良く土砂を排出できる。
【0016】また、前記脈動流の効果、前記プラグ流の
効果、及び底面に向かって開口する管路を急激に該底面
へ近接させて管路内に集中渦を発生させて上昇流を得る
地面効果を好適に得るべく、前記の吸込口の下降運動
は、自由落下によることで、より効率的に、土砂を排出
できる。このように、前記の吸込口の上下動(ダム湖等
の水底面に対する接離動)による脈動流とプラグ流の効
果に加えて、地面効果を利用することで、実験値として
は、図11に示すように、4.8倍の排出効率を得るこ
とができた。
【0017】また、前記のダム湖等の土砂排出機構を用
いて前記堆積物を排出するダム湖等の土砂排出方法にお
いて、前記クレーン台船の昇降装置によって、前記排出
管の前記鉛直管部を除いた前記吸込口側の部分が前記排
出管の前記堰堤孔部側よりも高いと共に、前記吸込口側
の管部の最上部となるように吊持し、土砂が排出管内に
堆積しないように管路を下り勾配に傾斜させることで、
排出管を動水勾配よりも下方の位置に好適に配置でき、
配管が閉塞されることなく、効率的に土砂を排出でき
る。
【0018】また、前記のダム湖等の土砂排出機構を用
いて前記堆積物を排出するダム湖等の土砂排出方法にお
いて、前記クレーン台船の昇降装置によって、前記排出
管の前記吸込口側の管部を、前記作業水位よりも下方へ
水没させた状態に吊持し、前記空気弁を開閉すること
で、前記排出管から空気を抜いてサイフォン効果を得る
ことで、簡単な構成と操作で、管水路の効果やサイフォ
ンの効果を容易に利用することができ、好適に土砂を排
出できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて添付図面と共に詳述する。図1は本発明に係るダ
ム湖等の土砂排出機構の一実施例を説明する断面図であ
り、巨大なダムに適用した状態を示している。10は排
出管であり、土砂等の堆積物22が堆積したダム湖であ
る貯水場所20の水底(湖底29)に対向して開口され
た吸込口12と、その吸込口12から鉛直方向へ延びる
鉛直管部13と、貯水場所20の下流側にある下流水路
としてのバイパストンネル30に開口された吐出口18
を有する。この排出管10によれば、堆積物を水流と共
に水頭の落差(管水路とサイフォン効果)によって、貯
水場所20からバイパストンネル30へ、堆積物22を
排出させることができる。
【0020】バイパストンネル30とは、図5に示した
ように巨大なダムにおいて堆砂を排出するために考えら
れている連通構造である(「従来の技術」の欄参照)。
排出管10が支持固定される固定部は、補助トンネル3
2の坑道口部である堰堤孔部24に設けられている。そ
して、排出管10の吐出口18は、十分な落差(水頭)
を得るように補助トンネル32の下部に設けられてい
る。バイパストンネル30の全長の間には、1以上の補
助トンネル32を適宜に配置することにより、貯水場所
20の湖底にある堆積物22を効率よく浚渫した状態
に、土砂流を吐出できる。
【0021】吐出口18は、所定大きさ以下の小石を含
む土砂等による固体成分が平均体積濃度で8%の固体と
液体(水)の混合流(以下、「固液ニ相流」ともいう)
を流下させる場合は、上流側である貯水場所の水位面
(作業水面)との高さ位置の差(水頭)が5m以上に保
てるように配管されて位置されているとよい。すなわ
ち、固液二相流の流下の場合、固体と排出管10の管内
壁が実質的に接触しないで流れの抵抗を上昇させない乱
流状態速度は、3.8m/s以上の流速となるので、位
置エネルギー差(水頭)は、5m以上がとれる配管と
し、各種損失水頭を差し引いても、前記流速以上の流速
が得られる状態を保持することが望ましい。なお、平均
体積濃度等に相関させて、排出管10による管路長さ
や、曲管部での損失水頭も考慮して全水頭を設計すれば
よい。
【0022】また、吐出口18は、管水路やサイフォン
の効果が好適に得られるように、例えば、吐出口18の
近傍部について、水没状態や、下側に凸な曲管状態にし
て、吐出口18より空気の逆流入が生じない構造とす
る。例えば、図2に示すように、下流側に潜り堰24を
設け、吐出口18が確実に水没状態になるようにする。
また、潜り堰34によって貯留された水は、ウォーター
クッション部35として好適に作用すると同時に、管口
(吐出口18)に付けた弁18aと協調して管内の脈動
流の継続にも有効となる。すなわち、空気の逆流入が起
こると、管路内上部方向に吐出口より空気が徐々に入り
込んで、管路内の流体(固液二相流を含む)の流れが満
水でない開水路状の流れとなり、その管路内での水深が
浅くなるため、固体と管壁内面との接触による管摩耗が
大きくなり、流れの継続が困難になる。従って、管水路
(配管内が満流)の状態にして流れを継続させるために
は、上述したように、吐出口18を水没状態にするなど
の構造とするとよい。なお、吐出口18の近傍部を上記
のように下側に凸な曲管状態にする以外の管路は、土砂
等の固体が体積しないように、下側に凸にならないよう
に形成すればよいのは勿論である。このことは、管路の
曲部が上に凸になっている限りは、土砂等の固体が、重
力によって沈降する方向である流下方向には移動できる
ため、管路内に堆積することなく好適に排出され得るた
めである。
【0023】堰堤孔部24は、排出管10による堆積物
22の排出作業を行う際の貯水場所20の水位である作
業水位21よりも低い位置を、排出管10が通るよう
に、貯水場所20の堰堤25に開口して設けられてい
る。このように堰堤孔部24を設けることで、排出管1
0が、少なくとも前記堆積物を排出する際に、その排出
の作業を行う際の貯水場所20の水位である作業水位よ
りも低い位置を通るように設けることができる。そし
て、これにより、排出管10を動水勾配よりも下方を通
すことで、水頭差のエネルギーを好適に利用し、排出管
10の管路内を、水流が満たした流れの良好な状態であ
る管水路にすることが容易に可能となる。なお、堰堤孔
部24での排出管10の水密にかかる実施例の詳細につ
いては、図3に基づいて後述する。
【0024】36はクレーン台船であり、排出管10に
かかる貯水場所20内の全部の部分であって上下動可能
に設けられた部分を含む吸込口側の管部14の全体を、
作業水位21よりも下方へ水没させた状態に吊持できる
クレーン機能を有する。なお、このクレーン機能は、吸
込口側の管部14の全体を、あくまで水没させることが
可能であればよく、作業時にはサイフォン効果を停止す
る場合以外でも適宜引き上げられる場合があっても良い
し、定常的な使用時に一部分(例えば排水管10の半径
分)が浮いている状態になっていてもよい。つまり、吸
込口側の管部14の全体を、常に水没させておくことを
意味するものではない。このことは、次の理由による。
すなわち、吸込口側の管部14の高さを、使用時に水没
状態に厳密に維持しなくとも、サイフォン効果が作用す
るため、排出効率は低下しても、濁流を排出することを
維持することはできる。また、作業水位が高く、水位差
が大きい場合には、管路を、適宜水面の上方を通過させ
るなどして、排出流量を積極的に低下させることが必要
となることのためによる。このクレーン機能を実現する
装置としては、昇降装置の一種としてクレーン台船36
の船上に設けられ、本実施例では、吸込口側の管部14
の一部を、作業水位21よりも上方へ持ち上げることが
可能なクレーン37によって構成されている。また、本
実施例では、吸込口側の管部14の堰堤孔部24付近
と、通常は鉛直管部13が水没されているため、通常の
作業状態では吸込口側の管部14の全体が作業水位21
高さよりも上方(水面上)に持ち上げられることはな
い。ところで、排出の作業停止時には、クレーン37に
よって、吸込口側の管部14の一部を作業水位21より
も上方へ吊り上げ、サイフォン状態にして空気を吹き込
み、そのサイフォン効果を中断させることになるが、こ
の際には、流体自身の自重によって重力が作用し、勢い
良く固体が流出することになり、管路の閉塞が起こらな
い。
【0025】また、クレーン台船に備えられる昇降装置
は、排出管10の管路内を水流が好適に流れるべく、鉛
直管部13を上下動させる上下動機能を有する上下動装
置を含むものである。すなわち、本発明にかかる昇降装
置は、クレーン37と、前記上下動装置としての機能を
有するもので、駆動装置を共用するなど一体的に構成し
てもよいし、各機能を単独に奏するように、全く別々の
装置として構成してもよい。例えば、クレーン37の上
下の駆動力を伝達する昇降動用動力伝達部材であるワイ
ヤによって吊り下げられる部分である昇降部に、カム機
構等によって上下の運動を発生させる上下動装置を装着
して鉛直管部13を上下動するようにすればよい。この
鉛直管部13は、全体的に上下動させても良いが、吸込
口12近傍を2重管としておいて、鉛直管として連続す
る内管に対して上下に移動可能に外嵌された外管を上下
動させる構造とするなど、鉛直管部13の一部を上下動
させるようにしてもよい。このように、鉛直管部13の
一部を上下動させる場合は、昇降させるためのエネルギ
を節約できる。さらに、吸込口12を上下動させるとい
うことでは、上記の二重管方式もあるが、鉛直管部の一
部を蛇腹状に設けておき、その部分を伸縮させる方式も
可能である。なお、鉛直管部13の実施例及びその上下
動によって生じる効果等の詳細は後述する。また、上下
動装置としては、クランク機構やリンク機構を利用で
き、また、駆動装置としては電動モータやシリンダ装置
を利用できることは勿論である。
【0026】また、吸込口側の管部14を上下動可能に
設けるには、鉛直管部13を除く吸込口側の管部14の
どこかの位置に、屈折可能な部分(屈折可能部)を設け
ればよい。その屈折可能部は、短い区間でもよいし、フ
レキシブルチューブ等によって長い区間に設けられてい
てもよい。また、流体中の固体の慣性力を考慮すれば、
吸込口側の管部14を、前記屈折可能部においてクロソ
イド曲線状に保持して吊り下げればよい。例えば、図2
に示すように、クロソイド曲線に形成されたガイド37
bを介して吸込口側の管部14の前記屈折可能部を吊れ
ばよい。このように、吸込口側の管部14が好適に吊ら
れて、吸込口12の位置変化に対応すべく吸込口側の管
部14の水平移動が自由にできるよう、前記屈折可能部
はフレキシブルチューブであることが望ましい。また、
後述するように、排出管10が挿通されている堰堤孔部
24で、吸込口側の管部14全体が上下動可能に支持及
び水密されていればよい。
【0027】なお、排出管10が挿通される堰堤25自
体の構造は、図6及び図7に示したように、法で規定さ
れている水門扉構造とすればよい。すなわち、図6に示
す実施例では、堰堤65が基礎部65aに対して上下に
スライド可能に設けられている。図6(a)が排出管1
0から混濁流が排水状態となるように、排出管10が下
降した状態を示す断面図である。また、図6(b)は、
配水管10を上方へ持ち上げた状態を示す断面図であ
り、この状態ではサイフォン効果を停止させることも容
易にできる。また、図7に示す実施例では、堰堤65が
基礎部66aに対して上下方向に回動可能に設けられて
いる。図7(a)が排出管10から混濁流が排水状態と
なるように、排出管10が下降した状態を示す断面図で
ある。また、図7(b)は、堰堤66が起立して配水管
10を上方へ持ち上げた状態を示す断面図であり、この
状態ではサイフォン効果を停止させることも容易にでき
る。これに加えて、吸込口側の管部14は、その中途部
で水平方向にも屈折可能に設けられていることで、ダム
湖の広範囲に亘って土砂を排出できる。
【0028】以上のように、本実施例によれば、クレー
ン台船36のクレーン37によって、排出管10の鉛直
管部13を除いた吸込口12に近い部分が排出管10の
堰堤孔部24近傍よりも高いと共に、吸込口側の管部1
4の最上部となるように吊持できる。これにより、土砂
が排出管10内に堆積しないように、重力によって流速
を低下させないで土砂流を流下させるよう、吸込口側の
管部14の管路を下り勾配に傾斜させることができる。
特に一様な下り勾配とすることでスムースに土砂流を流
下できる。このため、管路が閉塞されることなく、効率
的に土砂を排出できる。
【0029】40は空気弁であり、吸込口側の管部14
に開閉可能に設けられ、サイフォン効果の発生と中断を
行うべく、吸込口側の管部14内にかかる空気及び水蒸
気の出入がなされる部位となっている。サイフォンの効
果を発生させるには、クレーン台船36のクレーン37
によって、排出管10の吸込口側の管部14を、空気弁
40を開いて作業水位21よりも下方へ水没させた状態
に吊持し、管内から空気が出た時点で空気弁40を閉塞
すればよい。これにより、排出管10から空気を容易に
抜くことができ、サイフォン効果を容易に得ることがで
きる。この場合、ポンプ等の特別な装置を要せず、クレ
ーン37と空気弁40という簡単な構成と、その簡単な
操作で好適に土砂を排出できる。従って、設備費と運転
維持費の低減ができる。
【0030】次に図3に基づいて、堰堤孔部24におけ
る排出管10の水密について説明する。排出管10が堰
堤孔部24で長手方向に進退自在に移動できるように、
排出管10における中途部の所定の部位が略直線状の管
17に形成されている。そして、42はローラ状の受け
部材であり、堰堤孔部24には、排出管10の移動を滑
らかに受けるよう、複数が設けられている。すなわち、
排出管10の底部とシール部材50との接触部に、堰堤
25の躯体44に支持された複数のローラ状の受け部材
42から成るローラの支承部45が配され、排出管10
の横移動がスムースにできるようになっている。これに
より、土砂の吐出効率を低減することなく、本実施例の
ような巨大なダム湖についても、より広範囲に亘って土
砂を排出できる。なお、吐出口18が吸込口側の管部1
4の移動に連動して管長方向及び上下に自由に移動でき
るように、補助トンネル32の内空間は十分に広く形成
されている。
【0031】50はシール部材であり、例えばゴム材で
エアバック状に形成される。このシール部材50が堰堤
孔部24と排出管10と間(排出管10の上下)に介在
し、内部に空気が注入されて圧接される。これにより、
堰堤孔部24と排出管10との両者の水密が容易且つ確
実にでき、その排出管10を支持・固定できる。また、
シール部材50の内部の空気を抜けば、排出管10が進
退移動(長手方向への移動)できるように、排出管10
にかかる固定状態が緩められる。また、柔軟性のあるシ
ール部材50によって排出管10が固定されるため、自
由度が残されており、排出管10は、水門部(堰堤孔部
24)で上下左右に自在に移動できる。
【0032】52は水門板であり、水門を構成する堰堤
孔部24は、この水門板52と、堰堤25に開口して設
けられた開口溝部53(図1参照)とによって構成され
ている。水門板52は上下動可能に配設されており、動
力によって上下駆動され、水門(堰堤孔部24)を開閉
できるようになっている。従って、この水門板52であ
る上部門扉を下降させ、挿通されている排出管10を挟
むことで、その排出管10を堰堤孔部24に固定するこ
とができる。そして、水門板52を上昇させれば、排出
管10が移動可能になる。吸込口12の位置が決まった
時点で、本実施例では、堰堤孔部24の上下に配したエ
アバック状のシール部材50を膨張させてプラグとして
機能させる。これにより、排出管10の位置の固定と、
水密性を好適に得ることができる。
【0033】ところで、水門の操作が洪水調節に支障を
きたす恐れや、水位調整上、管理面で問題がある場合
は、ローラの支承部45は、満水以上の位置に配置する
ことも可能である。但し、その場合は、排出管10の管
内の流れは堰堤を乗り越えることになり、水面より上方
(動水勾配より上方)を通る管路を有するサイフォンと
なる。このため、その状態で流れを維持するには、従来
技術の欄で説明したように、管路の途中に水中ポンプを
要したり、吐出口18に、前述したような水中放流部、
或いは止水弁の機能を有する空気逆流阻止部が、一般的
に必要となる。これに対し、サイフォン効果を積極的に
停止させるためには、排出管10の管路を、図6及び図
7に示したように積極的に堰堤25の上方へ移動させれ
ばよい。
【0034】次に、本実施例にかかるダム湖の土砂排出
装置の使用方法を、各構成の作用に基づいて説明する。
先ず、空気弁40は、注水弁と中断用空気吸込口とを兼
用する弁であり、排出管10が水没状態にある場合は、
水位差によって水が流れ、その管路内は容易に満流状態
となる。そして、水面より上方4m以内でサイフォン効
果により、濁流の排出を発生させるときは、吐出口18
の弁を閉塞し、空気弁40より管内空気を排出すべく注
水して、排出管10の管内を90%以上注水した直後
(2〜3秒位の間)に吐出口18の弁を全開すればよ
い。
【0035】排出管10が管水路の状態(管路内が満流
状態)で、且つ動水勾配以下の配管状態で、流速が3.
8m/s以上になった時点で、吸込口12を上下に振動
させて堆積物(堆砂等の固体)の表面に対して接離させ
る。好ましくは、流速が3.8m/s以上に安定した状
態で、吸込口12を水底に接離させ、固液二相流を発生
させて、水底の土砂を下流に吐出させる。また、吸込口
が下降中に、吸込口12下に発生する負圧部への環境渦
度を伴う吸込みにより、エクマン層が形成され、これが
半径方向流入を発生させ、渦心付近で強い上昇流とな
り、礫を吸い上げる。また、地面効果が渦を強め、エク
マン層に渦度をさらに追加供給し、渦を完全に地面へ引
き付ける接近水流によって、活性化された固体を取り込
んで、その固体を排出管10の管路内へ送る。このと
き、固体(堆積物)が水底面より分離して固液二相流状
態となり、管口部(吸込口12)から管路内に入る流速
は3.0m/s以上が発生する範囲で、好ましくは吸込
口12での流速は、3.8m/s以上を確保できるとよ
い。その条件で固体の上昇部となる管路の大部分を鉛直
に保持すると、鉛直管内乱流の特性により、吸込口12
の直径の短径方向で70%程度の大きさまでの石材を、
吸い上げて排出することも可能である。
【0036】そして、その吸込み時の鉛直管部13の上
下動によって生じる脈動により、鉛直管部13内に吸引
された流れが脈動流となり、固体濃度の濃い部分と薄い
部分からなるプラグ流が生じる。この脈動流によれば、
その脈動によって振動が発生されるため、土砂が排出管
10内に堆積されることを防止できる。すなわち、振動
エネルギが潤滑剤のように作用して土砂を滑らせて流す
ことができる。また、プラグ流によれば、固体濃度の薄
い(濃度の低い)水流の部分で、洗い流し効果が生じ、
土砂が排出管10内に付着・堆積されることを防止でき
る。このように脈動流及びプラグ流の効果によれば、土
砂が、好適に吸い出されて流れ去るよう、管内に堆積す
ることを好適に防止できる。このため、管の閉塞を防止
し、効率良く濁流(固液二相流)を排出できる。また、
別の角度から説明すれば、吸込口12が下降して水底面
に接するときには、開口が狭まり、流れが停止しようと
するため、その吸込み流量の低下に反比例して吸込力
(負圧)及び流速が増大し、土砂を巻き上げる。そし
て、吸込口12を引き上げて水底面から所定の間隔が離
れたときには、水位差によって生じるべき流量が回復
し、一旦巻き上げられた土砂は、水の流れに伴って、排
出管10内を排出方向へ吸引される。これによって、脈
動流及びプラグ流が発生し、土砂を含む濁流(固液二相
流)が好適に排出される。また、前記昇降装置に、鉛直
管部13の上下動サイクルの調節を行うサイクル調整手
段を設けることで、脈動流及びプラグ流の発生と、固液
二相流における固体成分の体積濃度の調整が容易にで
き、簡単な構成及び操作で、管内閉塞を防止できるなど
好適、且つ効率的に固液二相流を排出できる
【0037】また、図8に示すように、鉛直管部13の
先端部である吸込口12の近傍に、先端側である一端部
が上下に回動可能に他端部で軸着されたアーム部材54
と、そのアーム部材54の中途部に、水中で上下方向の
姿勢を維持してアーム部材54に対して回動するように
設けられた支点部材55と、アーム部材54の前記一端
部に、水中で上下方向の姿勢を維持してアーム部材54
に対して回動するように設けられ、先端がダム湖等の水
底面の堆積物を擾乱状態に活性化するように形成された
チゼル56とを備え、そのチゼル56に昇降装置のワイ
ヤ等の昇降動用動力伝達部材37aが連結されているこ
とで、次に説明する原理で、より効率的に固液二相流を
排出できる。
【0038】次に図9に基づいてチゼル56の作用効果
について説明する。先ず、図9(a)に示すように、上
死点にあるところでは、前記昇降動用動力伝達部材37
aによってチゼル56が引き上げられており、吸込口1
2はa点の高さ位置に停止している。次に、図9(b)
に示すように、鉛直管部13の降下に伴ってチゼル56
が降下し、吸込口12は矢印bに示すように自由落下さ
れる。次に、図9(c)に示すように、鉛直管部13の
吸込口12が水底面である湖底29に接触すると、地面
効果によって、濃度の濃い固液二相流が引き上げられ
る。(この際には、吸込口12は水底面の高さ位置cに
ある。)次に、図9(d)に示すように、チゼル56が
支点部材55を中心に回動して水底面を打ち、水底面を
掘り起こすと共に周辺の水をかき混ぜるように作用し、
水底面上が混濁する。すなわち、水底面上が擾乱状態に
なる。このとき、チゼルの反動(支点部材55を支点と
するてこの原理)で、吸込口12が矢印dのようにはね
上げられ、衝撃的に好適に脈動を発生できる。そして、
次に、チゼル56を引き上げると、図9(c)に示す状
態に戻り、今度はてこの原理で鉛直管部13の吸込口1
2が水底面を打ち(矢印e)、再度地面効果で固液二相
流が引き上げられる。なお、図9(c)の鉛直管部13
内に記載した点線部は、再度の吸込口12の水底面に対
する接触の際に、吸込口12が最初に水底面に接触した
ときに引き上げられた濃度の濃い固液二相流の位置を示
す。さらに図9(b)に示す状態で矢印f方向(上昇方
向)へ引き上げられ、図9(a)に示す上死点に戻る。
【0039】以上の、動作を繰り返すことにより、脈動
流及びプラグ流が好適に発生し、非常に効率良く、固液
二相流を排出できる。なお、前述した上下動サイクルを
所定の定常的なものとすることで、図8に示すように固
液二相流の濃度の高い部分が断続的にほぼ等間隔にあら
われ、脈動流及びプラグ流として好適な状態となるた
め、好適に固液二相流を排出できる。
【0040】次にその実験結果を図10及び11に基づ
いて説明する。図10は実験装置の概略を示す説明図で
あり、主水槽57と、その主水槽57の側壁に設けられ
た排出管10の排出口58と吸込口12が水底面に対向
するように鉛直に配された鉛直管部13とを備える排出
管10と、上下動装置39と、排出された水及び土砂を
溜める貯砂槽59を構成要素とし、土砂68の堆積した
水底面が水深約3mとなるように設定した。さらに具体
的には、左右約7m、前後約5m、高さ約5mの主水槽
57を構築し、約150m3の水を貯留し、約50m3
土砂68を体積させた。本実験の条件は、水面21から
排出口58の落差である水位差Hを1.65mに統一
(固定)し、排出管10の延長(全長)を8m、管の直
径Dを0.15mとした。また、図8及び9で示したチ
ゼル56を有する鉛直管部13の上下の振幅Wを20c
mとし、1分間に30回のサイクルで上下動させた。本
実験では、鉛直管部13を、滑車38を介してワイヤ3
7aで吊り、鉛直管部13等による自重で自然落下さ
せ、モータ39a駆動による一種のカム機構39a(詳
細は図示せず)で持ち上げる機構(上下動装置39)と
したため、下降するスピードが上昇するスピードよりも
極めて速いものとなった。また、吸い上げられる土砂6
8は、50mmの直径以下の礫を含むもので、30mm
以下の直径の土砂を体積比で50%とする粒度分布のも
のとした。(なお、前記のように鉛直管部13の下降す
るスピードが上昇するスピードよりも極めて速いものと
なったため、鉛直管内乱流が強く活性化され、予備実験
によれば、管径の70%径(短径方向)の礫をスムース
に吸い上げて排出することができた。具体的には、直径
200mmの管径(鉛直管)で、短径が70%、投影面
積が49%の自然礫(楕円回転体状礫)が吸い上げられ
て排出された。しかし、実験条件を一定化するために、
前記のように、本実験では管径の1/3径以下の礫を含
む粒度分布条件とした。)また、排出管10は、水面か
ら上に出ないように水中に没した状態で上下動させた。
また、本実験では、吸込口12近傍を含む鉛直管部13
全体を上下動するものとした。図10のように内管と外
管の二重構造に形成したのは、ツメ及びチゼル等を好適
に装着するためのもので、内管に対して外管が上下動す
るように設けたものではない。
【0041】その結果、吸込口12の上下動(ダム湖等
の水底面に対する接離動)による脈動流とプラグ流の効
果及び地面効果を好適に利用することができ、図11に
示すように、4.8倍程度の排出効率を得ることができ
た。すなわち、図11は、上記条件の実験装置におい
て、プラグ流状態に脈動流を付加したときの前記固体の
(体積)濃度と平均流量の関係を示すもので、X軸に固
液二相流の平均流量(m3/min)をとり、Y軸に前
記固体濃度(%)をとってある。上記平均流量は、管径
が一定に設定されているため、排出流速が比例する関係
にある。この実験では、水位差を一定に保持して実験し
ているため、固体濃度が上昇すると平均流量が低下する
ことになる。図11上、丸点で示したのは、前記条件で
吸込口12を上下動させて、前記脈動流を発生・付加し
た場合の実験値をプロットしたものであり、四角点で示
したのは、吸込口12を静止させて、水位差のみで濁流
(固液二相流)を排出した場合の実験値をプロットした
ものである。このように実験値をプロットした点から、
前記脈動流を付加した場合の相関関係を示すS線と、水
位差のみによる場合の相関関係を示すT線を引いた。な
お、水位差のみによる場合、流量2.7m3 /minの
ところで、固液二相流の流出が停止しため、T線は、そ
のポイントで途切れている。すなわち、水位差のみによ
る場合は、濃度の高い固液二相流を排出できないと共
に、低流量になると排出の流れ自体を維持できなくな
る。これに対して、前記脈動流を付加した場合は、極め
て低い流量、例えば、2.25m3/min付近でも排
出の流れを維持でき、極めて高い濃度の固液二相流を排
出できた。その排出効率の差は、比較できる範囲で、S
線とT線の傾きから明らかなように、4.5倍程度にも
なり、また、排出の流れを維持できる範囲での最大値の
比較としては、5.6倍程度にもなり、前記脈動流の効
果が極めて高いことが実証された。
【0042】なお、以上の実験例では管径が0.15m
と比較的小径であったため、上下動の振幅距離を0.2
mとしたが、この振幅距離は、実際の現場では管径が大
型化することや他の条件が変化するため、その条件に対
応して適宜設定すれば良いのは勿論で、例えば管径を倍
程度とする場合は、その振幅距離も倍程度にすればよ
い。また、途中から流下方向へ水蒸気の微細粒を吹き込
むと、水蒸気泡の消滅時の衝撃波が流体にエネルギーを
与え、同時に乱流渦の活性化により、さらに揚力を増加
させることができる。また、管内壁の共振現象により、
摩擦抵抗値の軽減効果が得られる。
【0043】吸込口12は、設置される場所の条件、及
び排出管10の直径にもよるが、本実施例のような巨大
なダムでは、平面的には、堰堤孔部24から20m〜2
00m位の範囲で長手方向Aに移動できるようにすれば
よい。吸込口12を平面的に移動させるにはクレーン台
船36を移動させればよい。また、吸込口12の上下方
向の位置は、クレーン37によって、本実施例では水面
下3m〜100m位の大きな可能範囲の中で、現場で適
用できる範囲で鉛直方向Bに移動するようにすればよ
い。
【0044】排出管10の堰堤孔部24と、排出管10
の上下装置(クレーン37)との途中の管路は、浮子
(フロート)で調整し、前述したように、一定の下り勾
配の配管とする。従って、重力を好適に利用して土砂流
を好適に排出できる。また、本実施の排出管10は、前
述したように、堰堤孔部24で長手方向に進退自在に移
動できる。従って、排出管10の固定部である堰堤孔部
24と、排出管10の上下装置であるクレーン37に吊
られた部分との間の管路長の変化は、排出管10の固定
部と吐出口18との間の長さ変化で対応させることがで
きる。これにより、排出管10の上下装置が土砂吸込上
の最適の位置に容易に移動できるようにする。
【0045】なお、排出管10の総延長は、管路抵抗が
許容されるような長さ、例えば、本実施例のようなダム
湖にあっては、200mを標準とする。さらに、排出管
10を長くする場合は、二重管構造とし、内管側をスラ
イドさせて長さを調整してもよい。また、上記のスライ
ドされる内管を備える排出管10としては、図4に示す
ように、外管10aを内管10bの2倍程度の径として
湖水のみを流下させ、合流部より下の固液二相流濃度を
下げ、さらに流出し易くしてもよい。すなわち、矢印で
示すように外管10a内と内管10b内を通過する流れ
を合流させると、負の合流抵抗が生じ、内管の水が吸引
され、流送力が強化される。
【0046】この際、例えば、二重管部で外管10a内
を通過する水量を内管10bの約3倍以上とするか、外
管10a内の流速を内管流速+2.0m/s以上となる
ように設定することで、合流部で好適な吸引力を得るこ
とができ、且つ合流後の体積濃度は1/4以下に希釈さ
れ、下流の生態系への影響軽減に役立つ。なお、外管1
0aの流速が3.0m/s程度以上になれば、乱流の渦
の作用により、内管10bが外管10a中央に保持さ
れ、内管10bの移動が容易となる。また、図4に示し
た実施例で、排出管10内に水を流さない場合は、二点
鎖線で示すように、外管10aの上流側の開口を作業水
位21の水面上に出せばよい。
【0047】また、前述したように、クレーン台船36
の上下動装置によって、排出管10(鉛直管部13)の
吸込口12を鉛直方向Cに上下動させる。(二重構造の
鉛直管部13では少なくとも内管に対する外管を上下動
させる。)すなわち、堆砂面(水底面)に対して鉛直管
部13を接離動させる。これによれば、脈動するプラグ
流状態の吸込流を好適に得ることができ、土砂等の吸込
力をより向上させ、非常に効率良く土砂を排出できる。
上下動装置として、クレーン37を利用すれば、複雑な
機構を要しないでよいが、前述したように、専ら上下動
のみを発生させる機構を設けてもよい。
【0048】固液二相流の流下時の都合により、流下を
中断又は終了するときは、排出管10の曲部を水上に出
し、空気弁40より空気を注入してサイフォンを中断す
る。ところで、吸込口12には、排出管10にかかる管
内径について70%(短径方向)以下の大きさの固体し
か流入しない突起状ツメや、格子を設け、管路途中での
詰まりを防止すればよい。また、吸込口12のツメ12
a(図9参照)等は、水底面をかき乱し、乱流を発生す
るためにも好適に作用する。また、排出管10の磨耗部
が偏らないように、排出管10は、回転可能なジョイン
ト部を有する構造とすればよい。また、排出管10は、
流れが偏らないようにフレキシブルな構造とするため、
ゴム製等のジョイントを有する鉄製等とし、土砂による
磨耗を最小限にすればよい。
【0049】以上の実施例では、巨大なダムに利用した
場合を示したが、小規模のダム、池、天然の湖沼を含む
全ての貯水場所にも、好適に利用できるのは勿論であ
る。また、鉛直管部13を上下動させて吸込口12を水
底面について接離させることによる脈動流、プラグ流及
び地面効果は、排出管10が作業水位よりも高い位置を
通る場合(例えば、ダム湖等の堰堤の上方を通る場合)
等排出管10の形態に関係なく、固液二相流を排出する
ために好適に作用するのは勿論である。以上、本発明に
つき好適な実施例を挙げて種々説明してきたが、本発明
はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を
逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のこ
とである。
【0050】
【発明の効果】本発明に係るダム湖等の土砂排出機構に
よれば、昇降装置のクレーン機能により、排出管のダム
湖等内に位置する全部の部分である吸込口側の管部の全
体を、作業水位よりも下方へ水没させた状態に吊持でき
るため、排出管の管路内を水流が満たした流れの良好な
状態である管水路とすることができ、昇降装置の上下動
機能により、排出管の管路内を水流が好適に流すことが
できる。すなわち、本発明に係るダム湖等の土砂排出方
法によれば、クレーン台船の昇降装置によって、管路を
好適に傾斜させることが可能であるため水頭差のエネル
ギーを好適に利用でき、鉛直管部を上下動することで、
脈動流及びプラグ流を積極的に発生させて鉛直管内乱流
の求心効果を強めて固体を管壁内面に実質的に抵抗とな
るように接触させることなく、ダム湖等の貯水場所の底
面堆積物を固液二相流として効率良く排出ができるとい
う著効を奏する。なお、排出管に開閉可能に設けられた
空気弁で、排出管内にかかる空気の出入をすることで、
水頭差によって生じるサイフォン効果の発生と中断を好
適且つ容易に行うことができる。また、上記手段に加え
て、鉛直管部の上下動サイクルの調節を行えば、脈動流
及びプラグ流の発生と、固液二相流における固体成分の
体積濃度の調整が容易にでき、簡単な構成及び操作で、
管内閉塞を防止できるなど好適、且つ効率的に排出でき
るという著効を奏する。さらに、上記手段に加えて、チ
ゼルを用いて水底面を擾乱状態にすればさらに排出効率
を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るダム湖等の土砂排出機構の一実施
例を説明する断面図である。
【図2】図1の実施例を他の設置場所に適用した状態を
説明する断面図である。
【図3】図1の実施例の排出管の堰堤孔部での固定状態
を説明する断面図である。
【図4】本発明に係るダム湖等の土砂排出機構の他の実
施例を説明する断面図である。
【図5】巨大なダムにおけるバイパストンネルの構想を
示す斜視説明図である。
【図6】本発明にかかる堰堤の他の実施例を示す断面図
である。
【図7】本発明にかかる堰堤の他の実施例を示す断面図
である。
【図8】本発明にかかる吸込口の一実施例を示す側断面
図である。
【図9】図8の実施例の作動状態を説明する側断面図で
ある。
【図10】本発明にかかる実験装置の概要を説明する説
明図である。
【図11】本発明にかかる実験結果の概要を説明する説
明図である。
【図12】従来技術を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 排出管 12 吸込口 13 鉛直管部 14 吸込口側の管部 18 吐出口 20 貯水場所 21 作業水位 22 堆積物 24 堰堤孔部 25 堰堤 30 バイパストンネル 32 補助トンネル 36 クレーン台船 37 クレーン 39 上下動装置 40 空気弁 42 受け部材 50 シール部材 52 水門板 54 アーム部材 55 支点部材 56 チゼル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯水場所であるダム湖等における土砂等
    の堆積物が堆積した水底面に対向して開口された吸込口
    と、 該吸込口から鉛直方向へ延びる鉛直管部と、 前記ダム湖等の下流側にある下流水路に開口された排出
    口とが設けられ、 前記ダム湖等から前記下流水路へ水流と共に前記堆積物
    を排出させる排出管を備えるダム湖等の土砂排出機構に
    おいて、 少なくとも前記堆積物を排出する際には、該排出の作業
    を行う際の前記ダム湖等の水位である作業水位よりも低
    い位置を通るように、前記排出管が、前記ダム湖等の堰
    堤を貫通するように設けられ、 前記排出管を動水勾配よりも下方を通すなど、水頭差の
    エネルギーを好適に利用し、前記排出管の管路内を、水
    流が満たした流れの良好な状態である管水路とすべく、
    前記排出管の前記ダム湖等内に位置する全部の部分であ
    る吸込口側の管部の全体を、前記作業水位よりも下方へ
    水没させた状態に吊持できるクレーン機能を有すると共
    に、前記排出管の管路内を水流が好適に流れるべく、前
    記吸込口を上下動させる上下動機能を有する昇降装置を
    備えるクレーン台船と、 前記排出管に開閉可能に設けられ、水頭差によって生じ
    るサイフォン効果の発生と中断を行うべく、該排出管内
    にかかる空気の出入がなされる空気弁とを具備すること
    を特徴とするダム湖等の土砂排出機構。
  2. 【請求項2】 前記昇降装置に、前記吸込口の上下動サ
    イクルの調節を行うサイクル調整手段を設けたことを特
    徴とする請求項1記載のダム湖等の土砂排出機構。
  3. 【請求項3】 前記鉛直管部の先端部である吸込口の近
    傍に、先端側である一端部が上下に回動可能に他端部で
    軸着されたアーム部材と、 該アーム部材の中途部に、水中で上下方向の姿勢を維持
    して該アーム部材に対して回動するように設けられた支
    点部材と、 前記アーム部材の前記一端部に、水中で上下方向の姿勢
    を維持して該アーム部材に対して回動するように設けら
    れ、先端がダム湖等の水底面の堆積物を擾乱状態に活性
    化するように形成されたチゼルとを備え、 該チゼルに前記昇降装置のワイヤ等の昇降動用動力伝達
    部材が連結されていることを特徴とする請求項1又は2
    記載のダム湖等の土砂排出機構。
  4. 【請求項4】 前記吸込口側の管部は、前記鉛直管部を
    除いた中途部で水平方向にも屈折可能に設けられている
    ことを特徴とする請求項1、2又は3記載のダム湖等の
    土砂排出機構。
  5. 【請求項5】 前記排出管が、前記堰堤に開口された堰
    堤孔部に挿通され、該堰堤孔部において長手方向に進退
    自在に移動できるように、前記排出管の中途部における
    所定の部位が略直線状の管に形成されており、前記堰堤
    孔部には、前記排出管の移動を滑らかに受ける複数のロ
    ーラ状の受け部材が設けられていることを特徴とする請
    求項1、2、3又は4記載のダム湖等の土砂排出機構。
  6. 【請求項6】 前記堰堤孔部と前記排出管との水密は、
    両者の間に介在して空気が注入されることによって圧接
    されるエアバック状のシール部材によってなされている
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のダ
    ム湖等の土砂排出機構。
  7. 【請求項7】 前記請求項1、2、3、4、5又は6記
    載のダム湖等の土砂排出機構を用いて前記堆積物を排出
    するダム湖等の土砂排出方法において、 前記クレーン台船の昇降装置によって、前記排出管の前
    記吸込口を所定の定常的サイクルで上下動させて、脈動
    する吸込流である脈動流を得ると共に、前記吸引口をダ
    ム湖等の底面に対して前記上下動による所定の定常的サ
    イクルで接離させることで、他の部分より堆積されてい
    た粒状物等の個体が高い濃度で混合された流れと低い濃
    度で混合された流れとを、交互に発生させるプラグ流を
    得ることを特徴とするダム湖等の土砂排出方法。
  8. 【請求項8】 前記脈動流の効果、前記プラグ流の効
    果、及び底面に向かって開口する管路を急激に該底面へ
    近接させて管路内に集中渦を発生させて上昇流を得る地
    面効果を好適に得るべく、前記吸込口の下降運動は、自
    由落下によることを特徴とする請求項7記載のダム湖等
    の土砂排出方法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
    ダム湖等の土砂排出機構を用いて前記堆積物を排出する
    ダム湖等の土砂排出方法において、 前記クレーン台船の昇降装置によって、前記排出管の前
    記鉛直管部を除いた前記吸込口側の部分が前記排出管の
    前記堰堤孔部側よりも高いと共に、前記吸込口側の管部
    の最上部となるように吊持し、土砂が排出管内に堆積し
    ないように管路を下り勾配に傾斜させること特徴とする
    ダム湖等の土砂排出方法。
  10. 【請求項10】 前記請求項1、2、3、4、5又は6
    記載のダム湖等の土砂排出機構を用いて前記堆積物を排
    出するダム湖等の土砂排出方法において、 前記クレーン台船の昇降装置によって、前記排出管の前
    記吸込口側の管部を、前記作業水位よりも下方へ水没さ
    せた状態に吊持し、前記空気弁を開閉することで、前記
    排出管から空気を抜いてサイフォン効果を得ることを特
    徴とするダム湖等の土砂排出方法。
JP35047699A 1999-12-09 1999-12-09 貯水場所の堆積物排出機構及び貯水場所の堆積物排出方法 Expired - Lifetime JP3277489B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35047699A JP3277489B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 貯水場所の堆積物排出機構及び貯水場所の堆積物排出方法
PCT/JP2000/006860 WO2001042568A1 (fr) 1999-12-09 2000-10-02 Systeme et procede de decharge de depot
EP00963060A EP1236832A4 (en) 1999-12-09 2000-10-02 DEPOSITION DISCHARGE SYSTEM AND METHOD
CNB008169799A CN1190568C (zh) 1999-12-09 2000-10-02 堆积物排出系统及堆积物排出方法
US10/104,031 US6817120B2 (en) 1999-12-09 2002-03-25 Deposit discharge system and method of discharging deposit

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35047699A JP3277489B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 貯水場所の堆積物排出機構及び貯水場所の堆積物排出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001164543A true JP2001164543A (ja) 2001-06-19
JP3277489B2 JP3277489B2 (ja) 2002-04-22

Family

ID=18410761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35047699A Expired - Lifetime JP3277489B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 貯水場所の堆積物排出機構及び貯水場所の堆積物排出方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6817120B2 (ja)
EP (1) EP1236832A4 (ja)
JP (1) JP3277489B2 (ja)
CN (1) CN1190568C (ja)
WO (1) WO2001042568A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003239258A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Watanabe Consultants:Kk 砂防ダム
JP2010134618A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Okayama Univ 置砂選定支援方法及び置砂選定支援装置
JP2010276035A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Nissan Motor Co Ltd 電動オイルポンプの設置構造
RU2552358C1 (ru) * 2014-01-14 2015-06-10 Михаил Иванович Голубенко Способ промывки пруда-накопителя животноводческих стоков (варианты)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3694503B2 (ja) * 2002-11-18 2005-09-14 国土交通省中部地方整備局長 堆積物搬送機構および堆積物搬送方法
KR100728801B1 (ko) * 2005-09-12 2007-06-15 이완영 호소 침전물 처리장치
DE102007016679A1 (de) * 2007-04-04 2008-10-16 Rwe Power Ag Verfahren zur Sedimentverfrachtung in Staugewässern von Wasserkraftanlagen
CN101457536B (zh) * 2007-12-13 2011-05-04 四川希望深蓝电力有限公司 虹吸多点抽沙装置及其使用方法
US8602687B2 (en) * 2008-11-18 2013-12-10 Paul J. Hubbell, Jr. Water/fluids surge/backflow protection systems and management
NO336317B1 (no) * 2010-11-25 2015-07-27 Jarala As System og fremgangsmåte for å fjerne sedimenter fra sandfang
CN104179209A (zh) * 2014-07-11 2014-12-03 国网河南省电力公司漯河供电公司 一种中小水电站淤泥清除系统
CN104264730B (zh) * 2014-09-11 2016-06-15 河海大学 一种零碳排放的水库清淤装置及其使用方法
US9840822B2 (en) 2015-08-21 2017-12-12 Kevin Jason Foster Drain assisting water fixture
RS20160265A1 (sr) * 2016-04-21 2017-11-30 Tomislav Tesla Usisavanje nanosa iz akumulacija
TW201831758A (zh) * 2017-02-17 2018-09-01 黃國彰 水庫分段減壓清淤設備
CN107237293B (zh) * 2017-06-20 2024-05-03 南京栖霞科技产业发展有限公司 适于城市河道蓄水除污泥循环系统
CN109385986A (zh) * 2017-08-07 2019-02-26 范元庆 水库清淤系统
US10711434B2 (en) * 2018-02-01 2020-07-14 Douglas Raitt Balanced sediment throughput reservoir dredging
CN111335404B (zh) * 2020-02-24 2020-12-22 乐清市川嘉电气科技有限公司 一种基于动态平衡的梯级泵站输水装置
CN112593591B (zh) * 2020-11-25 2022-07-29 宁夏济川中科环保科技有限公司 一种高效率河道淤泥处理装备
CN112813922B (zh) * 2021-01-06 2022-05-17 西南科技大学 一种主-被动泥石流水石分离-消能减灾装置

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE471300C (de) * 1929-02-11 Alexander Vogt Dipl Ing Einrichtung zum Entschlammen von Stau- und Hafenbecken o. dgl.
DE1100559B (de) * 1959-12-24 1961-02-23 Delmag Maschinenfabrik In haengendem Zustand arbeitender Felsbrecher
US4264105A (en) * 1979-06-25 1981-04-28 Thompson Jerrell K Siphon dredge mining system
DE2942304C2 (de) * 1979-10-19 1984-11-15 Preussag Ag, 3000 Hannover Und 1000 Berlin Anordnung zum Abbau von Meeressedimenten
JPS627427U (ja) * 1985-06-26 1987-01-17
JPS627427A (ja) 1985-07-03 1987-01-14 Hitachi Ltd 同位元素分離装置
FR2594460B1 (fr) * 1986-02-14 1989-12-29 Lapipe Andre Procede pour desenvaser les lacs artificiels
JP2711449B2 (ja) * 1987-07-09 1998-02-10 国宏 荻原 ダム、湖、貯水池等の水源の底に堆積した土砂の排出装置
JPH01315514A (ja) * 1988-01-22 1989-12-20 Senji Oigawa ダムの浚渫方法とその装置
US4945661A (en) * 1988-11-29 1990-08-07 Ube Industries, Ltd. Dredging apparatus
AU4724297A (en) * 1996-11-02 1998-05-29 Moburon Design Office Co., Ltd. Dredging method and dredging apparatus
JPH11324008A (ja) * 1998-05-18 1999-11-26 Jdc Corp ダム堆積物除去方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003239258A (ja) * 2002-02-15 2003-08-27 Watanabe Consultants:Kk 砂防ダム
JP2010134618A (ja) * 2008-12-03 2010-06-17 Okayama Univ 置砂選定支援方法及び置砂選定支援装置
JP2010276035A (ja) * 2009-05-26 2010-12-09 Nissan Motor Co Ltd 電動オイルポンプの設置構造
RU2552358C1 (ru) * 2014-01-14 2015-06-10 Михаил Иванович Голубенко Способ промывки пруда-накопителя животноводческих стоков (варианты)

Also Published As

Publication number Publication date
CN1190568C (zh) 2005-02-23
EP1236832A1 (en) 2002-09-04
WO2001042568A1 (fr) 2001-06-14
CN1409790A (zh) 2003-04-09
US20020146286A1 (en) 2002-10-10
JP3277489B2 (ja) 2002-04-22
EP1236832A4 (en) 2005-01-19
US6817120B2 (en) 2004-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3277489B2 (ja) 貯水場所の堆積物排出機構及び貯水場所の堆積物排出方法
US3638432A (en) Stationary dredging apparatus
US7943039B1 (en) Catch basin for salt water sand
US20160237643A1 (en) Dredger actuated from land
US7226242B2 (en) Catch basin for salt water sand
JP4195214B2 (ja) 屈曲部に開口部を有するパイプを用いた浚渫装置
JP2007002437A (ja) 浚渫土砂の輸送システム
JP2013127162A (ja) ダム湖の深部水を揚水して放流する装置
JP4663145B2 (ja) 静水圧を利用した水中堆積物の流送方法と開口付きパイプ並びに水中堆積物の流送設備
JP2004092077A (ja) 大容量貯水池の浚渫作業方法及び浚渫作業システム
JP4173932B2 (ja) 水底の堆砂排出方法
JP2007217991A (ja) 浚渫装置および浚渫方法
JPH0921127A (ja) ダム貯水池の堆積土排出方法及びその装置
EP0289520B1 (en) Remote underwater excavator and sampler
KR101544196B1 (ko) 하천 수중 오니 준설작업용 굴삭장치
US10519625B2 (en) Dredger actuated from land
AU649951B2 (en) Serpent sediment-sluicing system
GB2254890A (en) Raising liquids; dredging apparatus.
JP4675061B2 (ja) 堆積物の吸引流送設備
JP3999788B2 (ja) 浚渫土砂の長距離輸送システム及びその輸送方法
JP4114512B2 (ja) 貯水池の排砂方法及び排砂装置
JP3716311B2 (ja) 水底土砂除去工法、及び水底土砂除去装置
CN214940523U (zh) 一种河道淤泥疏浚设备
JP4356472B2 (ja) 貯水池の排砂方法及び排砂装置
CN214940580U (zh) 一种绞吸挖泥船吹填土筛分装驳平台

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3277489

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term